IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

2024-61088物品識別システム、物品識別装置、プログラム、及び印刷装置
<>
  • -物品識別システム、物品識別装置、プログラム、及び印刷装置 図1
  • -物品識別システム、物品識別装置、プログラム、及び印刷装置 図2
  • -物品識別システム、物品識別装置、プログラム、及び印刷装置 図3
  • -物品識別システム、物品識別装置、プログラム、及び印刷装置 図4
  • -物品識別システム、物品識別装置、プログラム、及び印刷装置 図5
  • -物品識別システム、物品識別装置、プログラム、及び印刷装置 図6
  • -物品識別システム、物品識別装置、プログラム、及び印刷装置 図7
  • -物品識別システム、物品識別装置、プログラム、及び印刷装置 図8
  • -物品識別システム、物品識別装置、プログラム、及び印刷装置 図9
  • -物品識別システム、物品識別装置、プログラム、及び印刷装置 図10
  • -物品識別システム、物品識別装置、プログラム、及び印刷装置 図11
  • -物品識別システム、物品識別装置、プログラム、及び印刷装置 図12
  • -物品識別システム、物品識別装置、プログラム、及び印刷装置 図13
  • -物品識別システム、物品識別装置、プログラム、及び印刷装置 図14
  • -物品識別システム、物品識別装置、プログラム、及び印刷装置 図15
  • -物品識別システム、物品識別装置、プログラム、及び印刷装置 図16
  • -物品識別システム、物品識別装置、プログラム、及び印刷装置 図17
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024061088
(43)【公開日】2024-05-07
(54)【発明の名称】物品識別システム、物品識別装置、プログラム、及び印刷装置
(51)【国際特許分類】
   G07G 1/00 20060101AFI20240425BHJP
   G07G 1/01 20060101ALI20240425BHJP
   G06K 7/10 20060101ALI20240425BHJP
   G06K 7/14 20060101ALI20240425BHJP
【FI】
G07G1/00 311D
G07G1/01 301E
G06K7/10 372
G06K7/14 017
【審査請求】未請求
【請求項の数】13
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022168802
(22)【出願日】2022-10-21
(71)【出願人】
【識別番号】000005267
【氏名又は名称】ブラザー工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100104178
【弁理士】
【氏名又は名称】山本 尚
(72)【発明者】
【氏名】伴野 貴昭
(72)【発明者】
【氏名】吉村 千里
【テーマコード(参考)】
3E142
【Fターム(参考)】
3E142BA01
3E142CA12
3E142CA20
3E142DA07
3E142EA02
3E142FA31
3E142GA01
3E142GA02
3E142GA03
(57)【要約】
【課題】不正行為により商品を正しく認識できないことを抑制できる物品識別システム、物品識別装置、プログラム、及び印刷装置を提供する。
【解決手段】物品識別システム1において、識別端末4の制御部は、撮影装置3に指示を出し、撮影部31による撮影を行う。撮影装置3は、撮影された撮影画像の画像データを生成し、識別端末4に出力する。識別端末4の制御部は、取得した画像データから定価ARマーカ28、割引ARマーカ38を検出する。制御部は、定価ARマーカ28のIDと割引ARマーカ38のIDが一致するか否かを判定する。制御部は、取得した画像データに基づき、表示部に撮影画像を表示する。制御部は、撮影画像から検出した定価ARマーカ28に対応する商品名を示す商品名表示を表示部に表示する。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
商品、及び前記商品に付された複数のARマーカであって、第1ARマーカ、及び前記第1ARマーカに対応する第2ARマーカを少なくとも含む前記複数のARマーカを撮影する撮影部と、
表示部と、
レジスターと通信する通信部と、
前記第1ARマーカと前記第2ARマーカとの対応関係を示すデータベースを記憶する記憶部と、
制御部とを備え、
前記制御部は、
前記撮影部が撮影した画像から前記第1ARマーカ及び前記第2ARマーカを抽出する抽出処理と、
前記撮影部が撮影した前記画像を前記表示部に表示する第一表示処理と、
前記撮影部が撮影した画像内の前記商品に係る商品情報を前記表示部に表示する第二表示処理と、
前記データベースに基づき、前記抽出処理で抽出された前記第1ARマーカと前記第2ARマーカとが対応関係にあるか否かを判定する判定処理と
を実行することを特徴とする物品識別システム。
【請求項2】
前記制御部は、前記判定処理において前記第1ARマーカと前記第2ARマーカとが対応関係にないと判定された場合、前記第1ARマーカと前記第2ARマーカとが対応関係にないことを報知する報知処理を実行することを特徴とする請求項1に記載の物品識別システム。
【請求項3】
前記データベースにおいて、前記第1ARマーカ及び前記第2ARマーカには、共通する識別子が関連付けられていることを特徴とする請求項1に記載の物品識別システム。
【請求項4】
前記データベースにおいて、前記第1ARマーカには前記商品の定価を示す定価情報が関連付けられ、前記第2ARマーカには前記商品の価格の割引を示す割引情報が関連付けられていることを特徴とする請求項1に記載の物品識別システム。
【請求項5】
商品、及び前記商品に付されたARマーカを撮影する撮影部と、
表示部と、
レジスターと通信する通信部と、
前記ARマーカと、所定のデータに関する所定条件との対応関係を示すデータベースを記憶する記憶部と、
制御部とを備え、
前記制御部は、
前記撮影部が撮影した画像から前記ARマーカを抽出する抽出処理と、
前記撮影部が撮影した前記画像を前記表示部に表示する第一表示処理と、
前記撮影部が撮影した画像内の前記商品に係る商品情報を前記表示部に表示する第二表示処理と、
前記データを取得する取得処理と、
前記取得処理で取得された前記データが、前記抽出処理で抽出された前記ARマーカに対応する前記所定条件を満たすか否かを判定する判定処理と
を実行することを特徴とする物品識別システム。
【請求項6】
前記データは時刻であって、
前記制御部は、
前記取得処理において、時刻を取得し、
前記判定処理において、前記取得処理で取得された前記時刻が、前記ARマーカに対応する前記時刻の前記所定条件を満たすか否かを判定すること
を特徴とする請求項5に記載の物品識別システム。
【請求項7】
前記制御部は、前記判定処理において、前記取得処理で取得された前記データが、前記ARマーカに対応する前記所定条件を満たさないと判定された場合、前記取得処理で取得された前記データが、前記ARマーカに対応する前記所定条件を満たさないことを報知する報知処理を実行することを特徴とする請求項5に記載の物品識別システム。
【請求項8】
前記第一表示処理により表示される前記画像と、前記第二表示処理により表示される前記商品情報とは、前記表示部において重畳して表示されることを特徴とする請求項1又は5に記載の物品識別システム。
【請求項9】
商品、及び前記商品に付された、第1ARマーカ及び前記第1ARマーカに対応する第2ARマーカを撮影する撮影部と、表示部と、レジスターと通信する通信部と、前記第1ARマーカと前記第2ARマーカとの対応関係を示すデータベースを記憶する記憶部とを制御する制御部を備える物品識別装置であって、
前記制御部は、
前記撮影部が撮影した画像から前記第1ARマーカ及び前記第2ARマーカを抽出する抽出処理と、
前記撮影部が撮影した前記画像を前記表示部に表示する第一表示処理と、
前記撮影部が撮影した画像内の前記商品に係る商品情報を前記表示部に表示する第二表示処理と、
前記データベースに基づき、前記抽出処理で抽出された前記第1ARマーカと前記第2ARマーカとが対応関係にあるか否かを判定する判定処理と
を実行することを特徴とする物品識別装置。
【請求項10】
商品、及び前記商品に付された、第1ARマーカ及び前記第1ARマーカに対応する第2ARマーカを撮影する撮影部と、表示部と、レジスターと通信する通信部と、前記第1ARマーカと前記第2ARマーカとの対応関係を示すデータベースを記憶する記憶部とを制御するコンピュータに実行させるためのプログラムであって、
前記撮影部が撮影した画像から前記第1ARマーカ及び前記第2ARマーカを抽出する抽出ステップと、
前記撮影部が撮影した前記画像を前記表示部に表示する第一表示ステップと、
前記撮影部が撮影した画像内の前記商品に係る商品情報を前記表示部に表示する第二表示ステップと、
前記データベースに基づき、前記抽出ステップで抽出された前記第1ARマーカと前記第2ARマーカとが対応関係にあるか否かを判定する判定ステップと
を前記コンピュータに実行させることを特徴とするプログラム。
【請求項11】
商品、及び前記商品に付されたARマーカを撮影する撮影部と、表示部と、レジスターと通信する通信部と、前記ARマーカと、所定のデータに関する所定条件との対応関係を示すデータベースを記憶する記憶部とを制御する制御部を備える物品識別装置であって、
前記制御部は、
前記撮影部が撮影した画像から前記ARマーカを抽出する抽出処理と、
前記撮影部が撮影した前記画像を前記表示部に表示する第一表示処理と、
前記撮影部が撮影した画像内の前記商品に係る商品情報を前記表示部に表示する第二表示処理と、
前記データを取得する取得処理と、
前記取得処理で取得された前記データが、前記抽出処理で抽出された前記ARマーカに対応する前記所定条件を満たすか否かを判定する判定処理と
を実行することを特徴とする物品識別装置。
【請求項12】
商品、及び前記商品に付されたARマーカを撮影する撮影部と、表示部と、レジスターと通信する通信部と、前記ARマーカと、所定のデータに関する所定条件との対応関係を示すデータベースを記憶する記憶部とを制御するコンピュータに実行させるためのプログラムであって、
前記撮影部が撮影した画像から前記ARマーカを抽出する抽出ステップと、
前記撮影部が撮影した前記画像を前記表示部に表示する第一表示ステップと、
前記撮影部が撮影した画像内の前記商品に係る商品情報を前記表示部に表示する第二表示ステップと、
前記データを取得する取得ステップと、
前記取得ステップで取得された前記データが、前記抽出ステップで抽出された前記ARマーカに対応する前記所定条件を満たすか否かを判定する判定ステップと
を前記コンピュータに実行させることを特徴とするプログラム。
【請求項13】
印刷画像を、長尺媒体に離散的に貼付されたラベルに印刷する印刷部と、
商品、及び前記商品に付された、第1ARマーカを撮影する撮影部と、
表示部と、
レジスターと通信する通信部と、
前記第1ARマーカと、前記第1ARマーカと異なる第2ARマーカとの対応関係を示すデータベースを記憶する記憶部と、
制御部とを備え、
前記制御部は、
前記撮影部が撮影した画像から前記第1ARマーカを抽出する抽出処理と、
前記データベースに基づき、前記抽出処理で抽出された前記第1ARマーカに対応する前記第2ARマーカを特定する特定処理と、
前記特定処理で特定された前記第2ARマーカの前記印刷画像を印刷する為の印刷データを生成する生成処理と、
前記生成処理により生成された前記印刷データに基づき、前記第2ARマーカの前記印刷画像を前記ラベルに印刷する印刷処理を実行すること
を特徴とする印刷装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、物品識別システム、物品識別装置、プログラム、及び印刷装置に関する。
【背景技術】
【0002】
複数の商品の情報を一括で認識できる装置が知られている。特許文献1に記載の商品登録装置は、トレー上の複数の商品を撮影し、撮影画像中の商品のバーコードを一括で読み取ることで、複数の商品をまとめて認識することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2016-177433号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
第三者による不正行為(例えば、バーコードの付け替え等)が行われる場合がある。この場合、上記商品登録装置では、バーコードに対応する商品の情報を検出するので、第三者の不正行為があった場合、商品を正しく認識できない可能性がある。
【0005】
本発明の目的は、不正行為により商品を正しく認識できないことを抑制できる物品識別システム、物品識別装置、プログラム、及び印刷装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の第一態様に係る物品識別システムは、商品、及び前記商品に付された複数のARマーカであって、第1ARマーカ、及び前記第1ARマーカに対応する第2ARマーカを少なくとも含む前記複数のARマーカを撮影する撮影部と、表示部と、レジスターと通信する通信部と、前記第1ARマーカと前記第2ARマーカとの対応関係を示すデータベースを記憶する記憶部と、制御部とを備え、前記制御部は、前記撮影部が撮影した画像から前記第1ARマーカ及び前記第2ARマーカを抽出する抽出処理と、前記撮影部が撮影した前記画像を前記表示部に表示する第一表示処理と、前記撮影部が撮影した画像内の前記商品に係る商品情報を前記表示部に表示する第二表示処理と、前記データベースに基づき、前記抽出処理で抽出された前記第1ARマーカと前記第2ARマーカとが対応関係にあるか否かを判定する判定処理とを実行することを特徴とする。
【0007】
第一態様によれば、物品識別システムは、抽出された第1ARマーカと第2ARマーカとの対応関係により、商品に関して正しく認識できているか判定する。よって、物品識別システムは、不正行為により商品を正しく認識できないことを抑制できる。
【0008】
本発明の第二態様に係る物品識別システムは、商品、及び前記商品に付されたARマーカを撮影する撮影部と、表示部と、レジスターと通信する通信部と、前記ARマーカと、所定のデータに関する所定条件との対応関係を示すデータベースを記憶する記憶部と、制御部とを備え、前記制御部は、前記撮影部が撮影した画像から前記ARマーカを抽出する抽出処理と、前記撮影部が撮影した前記画像を前記表示部に表示する第一表示処理と、前記撮影部が撮影した画像内の前記商品に係る商品情報を前記表示部に表示する第二表示処理と、前記データを取得する取得処理と、前記取得処理で取得された前記データが、前記抽出処理で抽出された前記ARマーカに対応する前記所定条件を満たすか否かを判定する判定処理とを実行することを特徴とする。
【0009】
第二態様によれば、物品識別システムは、取得処理で取得されたデータが、抽出されたARマーカに対応する所定条件を満たすか否かを判定する。よって、物品識別システムは、不正行為により商品を正しく認識できないことを抑制できる。
【0010】
本発明の第三態様に係る物品識別装置は、商品、及び前記商品に付された、第1ARマーカ及び前記第1ARマーカに対応する第2ARマーカを撮影する撮影部と、表示部と、レジスターと通信する通信部と、前記第1ARマーカと前記第2ARマーカとの対応関係を示すデータベースを記憶する記憶部とを制御する制御部を備える物品識別装置であって、前記制御部は、前記撮影部が撮影した画像から前記第1ARマーカ及び前記第2ARマーカを抽出する抽出処理と、前記撮影部が撮影した前記画像を前記表示部に表示する第一表示処理と、前記撮影部が撮影した画像内の前記商品に係る商品情報を前記表示部に表示する第二表示処理と、前記データベースに基づき、前記抽出処理で抽出された前記第1ARマーカと前記第2ARマーカとが対応関係にあるか否かを判定する判定処理とを実行することを特徴とする。
【0011】
本発明の第四態様に係るプログラムは、商品、及び前記商品に付された、第1ARマーカ及び前記第1ARマーカに対応する第2ARマーカを撮影する撮影部と、表示部と、レジスターと通信する通信部と、前記第1ARマーカと前記第2ARマーカとの対応関係を示すデータベースを記憶する記憶部とを制御するコンピュータに実行させるためのプログラムであって、前記撮影部が撮影した画像から前記第1ARマーカ及び前記第2ARマーカを抽出する抽出ステップと、前記撮影部が撮影した前記画像を前記表示部に表示する第一表示ステップと、前記撮影部が撮影した画像内の前記商品に係る商品情報を前記表示部に表示する第二表示ステップと、前記データベースに基づき、前記抽出ステップで抽出された前記第1ARマーカと前記第2ARマーカとが対応関係にあるか否かを判定する判定ステップとを前記コンピュータに実行させることを特徴とする。
【0012】
第三態様及び第四態様は、第一態様と同様の効果を奏する。
【0013】
本発明の第五態様に係る物品識別装置は、商品、及び前記商品に付されたARマーカを撮影する撮影部と、表示部と、レジスターと通信する通信部と、前記ARマーカと、所定のデータに関する所定条件との対応関係を示すデータベースを記憶する記憶部とを制御する制御部を備える物品識別装置であって、前記制御部は、前記撮影部が撮影した画像から前記ARマーカを抽出する抽出処理と、前記撮影部が撮影した前記画像を前記表示部に表示する第一表示処理と、前記撮影部が撮影した画像内の前記商品に係る商品情報を前記表示部に表示する第二表示処理と、前記データを取得する取得処理と、前記取得処理で取得された前記データが、前記抽出処理で抽出された前記ARマーカに対応する前記所定条件を満たすか否かを判定する判定処理とを実行することを特徴とする。
【0014】
本発明の第六態様に係るプログラムは、商品、及び前記商品に付されたARマーカを撮影する撮影部と、表示部と、レジスターと通信する通信部と、前記ARマーカと、所定のデータに関する所定条件との対応関係を示すデータベースを記憶する記憶部とを制御するコンピュータに実行させるためのプログラムであって、前記撮影部が撮影した画像から前記ARマーカを抽出する抽出ステップと、前記撮影部が撮影した前記画像を前記表示部に表示する第一表示ステップと、前記撮影部が撮影した画像内の前記商品に係る商品情報を前記表示部に表示する第二表示ステップと、前記データを取得する取得ステップと、前記取得ステップで取得された前記データが、前記抽出ステップで抽出された前記ARマーカに対応する前記所定条件を満たすか否かを判定する判定ステップとを前記コンピュータに実行させることを特徴とする。
【0015】
第五態様及び第六態様は、第二態様と同様の効果を奏する。
【0016】
本発明の第七態様に係る印刷装置は、印刷画像を、長尺媒体に離散的に貼付されたラベルに印刷する印刷部と、商品、及び前記商品に付された、第1ARマーカを撮影する撮影部と、表示部と、レジスターと通信する通信部と、前記第1ARマーカと、前記第1ARマーカと異なる第2ARマーカとの対応関係を示すデータベースを記憶する記憶部と、制御部とを備え、前記制御部は、前記撮影部が撮影した画像から前記第1ARマーカを抽出する抽出処理と、前記データベースに基づき、前記抽出処理で抽出された前記第1ARマーカに対応する前記第2ARマーカを特定する特定処理と、前記特定処理で特定された前記第2ARマーカの前記印刷画像を印刷する為の印刷データを生成する生成処理と、前記生成処理により生成された前記印刷データに基づき、前記第2ARマーカの前記印刷画像を前記ラベルに印刷する印刷処理を実行することを特徴とする。
【0017】
第七態様によれば、印刷装置は、第1ARマーカを撮影部により撮影することで、第1ARマーカに対応する第2ARマーカの印刷画像をラベル印刷できる。第2ARマーカが第1ARマーカに対応した状態で印刷されるので、印刷装置は、不正行為により商品を正しく認識できないことを抑制できる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
図1】物品識別システム1の斜視図である。
図2】長尺媒体Mに印刷されたラベル26、36を示す図である。
図3】商品に貼り付けられたラベル26、36を示す図である。
図4】物品識別システム1の電気的構成を示すブロック図である。
図5】商品情報テーブル91Aの概念図である。
図6】割引情報テーブル92Aの概念図である。
図7】撮影画像を表示する物品識別画面50を示す図である。
図8】商品名表示を行う物品識別画面50を示す図である。
図9】会計画面80を表示する物品識別画面50を示す図である。
図10】物品識別処理のフローチャートである。
図11図10の続きを示す物品識別処理のフローチャートである。
図12】第一会計処理のフローチャートである。
図13】警告表示を行う物品識別画面50を示す図である。
図14】作成処理のフローチャートである。
図15】商品情報テーブル91Bの概念図である。
図16】割引情報テーブル92Bの概念図である。
図17】第二会計処理のフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0019】
図面を参照し、本発明の第一実施形態に係る物品識別システム1を説明する。図1に示す物品識別システム1は、複数の物品を撮影し、撮影画像内の情報に基づき物品の価格を清算し、公知のレジスター7に出力するシステムである。夫々の物品には、物品及び其の定価を識別する為の定価ARマーカ28が設けられる。又、一部の物品には、価格の割引を識別する為の割引ARマーカ38が設けられる。物品識別システム1は、例えば物品を商品として販売する店舗において、会計時に複数の商品を一括して識別し、会計するシステムとして用いられる。
【0020】
<物品識別システム1の構成>
図1に示すように、物品識別システム1は、撮影台2、撮影装置3、識別端末4、及び印刷装置6を有する。撮影台2は、撮影対象の複数の商品を配置するための台である。撮影台2には、撮影装置3による撮影範囲Sが設定されている。複数の商品を載せたトレー25が撮影台2に配置されると、複数の商品は撮影範囲S内に配置される。
【0021】
夫々の商品は、袋に包装されている。商品を包装する袋の夫々には、定価ARマーカ28が印刷されたラベル26が貼り付けられる。商品を包装する袋のうち一部には、割引ARマーカ38が印刷されたラベル36が貼り付けられる。会計時において、ラベル26のみが貼り付けられた商品の価格には、定価が適用される。会計時において、ラベル26及びラベル36の両方が貼り付けられた商品の価格には、定価から割引が行われた割引価格が適用される。
【0022】
撮影装置3は、撮影範囲Sを撮影台2の上方から撮影する装置である。撮影装置3は、撮影台2の側方に固定されて上方に延びる柱部と、柱部の上端において撮影台2の中央上方に向けて延びる腕部と、腕部の先端部に設けられる撮影部31とを有する。撮影部31は、下方に位置する撮影台2の撮影範囲Sを撮影するように、撮影方向及び画角が調整されている。撮影部31は、撮影範囲Sの静止画又は動画を撮影する。以下説明では、静止画と動画とを特に区別しない場合、撮影画像という。
【0023】
識別端末4は、例えば周知のタブレット端末であり、物品識別システム1を統括制御する。識別端末4は、例えば公知のUSB(Universal Serial Bus)ケーブルにより、撮影装置3、印刷装置6及びレジスター7と接続する。識別端末4に対する、撮影装置3、印刷装置6、レジスター7の接続は適宜変更してもよい。例えば、識別端末4とレジスター7とは、公知のCOMポートにより接続されてもよい。識別端末4に対する、撮影装置3、印刷装置6、レジスター7の接続は、同じでもよいし、互いに異なっていてもよい。識別端末4は、図示しない販売時点情報管理(POS)システムの端末として使用してもよい。
【0024】
印刷装置6は、図2に示す長尺媒体Mを搬送しながら印刷を行う装置である。長尺媒体Mは、台紙15、及びラベル16を有する。ラベル16は半楕円形状であり、台紙15に対し所定の間隔で配置される。印刷装置6は、搬送部63(図4参照)及び印刷部64を有する。搬送部63は、長尺媒体Mの搬送を行う。印刷部64は、ラベル16に印刷データに基づき、画像を印刷する。なお、ラベル16の形状は半楕円形状に限らず、適宜変更してもよい。例えば、ラベル16は矩形状、三角形状、楕円形状などであってもよい。
【0025】
印刷装置6は、ラベル16に定価ARマーカ28を印刷することで、ラベル26を作成する。印刷装置6は、ラベル16に割引ARマーカ38を印刷することで、ラベル36を作成する。即ち、ラベル16、26、36は同一形状である。
【0026】
<ラベル16、26、36>
図2図3を参照し、ラベル26、36について説明する。まず便宜的に、半楕円形状のラベル16、26、36における方向を長尺媒体Mから定義する。長尺媒体Mの長尺方向Yのうち、印刷装置6において搬送部63により搬送される方向をY1方向とし、Y1方向の逆方向をY2方向とする。長尺方向Yに対して長尺媒体M上で直交する方向を直交方向Xとする。直交方向Xのうち、Y1方向に対して反時計回りで90度回転した方向をX1方向とし、X1方向の逆方向をX2方向とする。
【0027】
ラベル26には、定価ARマーカ28及び文字列27が印刷される。図2図7図8図13では、定価ARマーカ28及び文字列27を模式的に示す。定価ARマーカ28は、正方形状であり、其の内側に白色又は黒色の正方形のモジュールが9×9のマトリクス状に配置される。
【0028】
文字列27は、商品名を示す文字、図形、記号等である(図3参照)。文字列27は、ラベル26において、定価ARマーカ28に対してY1方向に配置される。文字列27は、文字、図形、記号等が直交方向Xに並ぶ。
【0029】
ラベル36には、割引ARマーカ38及び文字列37が印刷される。図2図7図8図13では、割引ARマーカ38及び文字列37を模式的に示す。割引ARマーカ38は、定価ARマーカ28よりも小さい正方形状であり、其の内側に白色又は黒色の正方形のモジュールが7×7のマトリクス状に配置される。詳細は後述するが、第一実施形態において、一の定価ARマーカ28には、一の割引ARマーカ38が対応付けられる。
【0030】
文字列37は、価格に対する割引の情報(以下、割引情報という。)を示す文字、図形、記号等である(図3参照)。文字列37は、ラベル36において、割引ARマーカ38に対してY2方向に配置される。文字列37は、文字、図形、記号等が直交方向Xに並ぶ。
【0031】
図3に示すように、商品が店舗に並ぶ際、商品の定価を示すラベル26が商品に貼り付けられる。店舗のユーザは、ラベル26が貼り付けられた商品に対して、割引情報を示すラベル36を後から貼り付ける。商品上では、ラベル26におけるX2方向に、ラベル36が配置される。
【0032】
<物品識別システム1の電気的構成>
図4に示すように、撮影装置3は、撮影部31、制御部32、及びUSBインターフェース(以下、USBI/F)33を有する。撮影部31は、公知のCCDイメージセンサ又はCMOSイメージセンサである。制御部32は、撮影部31が撮影した撮影画像の画像データを生成する。USBI/F33は、USB規格によるデータ通信を行う。
【0033】
識別端末4は、制御部41、記憶部42、タッチパネル43、RTC46、及びUSBI/F47を有する。制御部41は、CPU、ROM、RAMを有する。CPUは、識別端末4の制御を司る。ROMには、ブートプログラム、初期設定情報等が記憶される。RAMには、CPUが演算したデータが一時的に記憶される。記憶部42は、例えばフラッシュメモリであり、後述の物品識別プログラム、商品情報テーブル91A及び割引情報テーブル92Aを含むデータベース9等が記憶される。
【0034】
タッチパネル43は、表示部44及び入力部45を有する。表示部44は、液晶ディスプレイである。入力部45は、表示部44の表面に設けられたタッチパネルである。RTC46は識別端末4の内部時計として現在の時刻を計時する。現在の時刻には、「日付」の情報が含まれる。USBI/F47は、撮影装置3、印刷装置6、及びレジスター7との間でUSB規格によるデータ通信を行う。
【0035】
印刷装置6は、制御部61、記憶部62、搬送部63、印刷部64、及びUSBI/F65を有する。制御部61は、ラベル26、36を作成するための印刷データを生成する。記憶部62は、例えばフラッシュメモリであり、後述の作成プログラム等が記憶される。USBI/F65は、USB規格によるデータ通信を行う。
【0036】
<商品情報テーブル91A>
図5を参照し、データベース9に含まれる商品情報テーブル91Aについて説明する。商品情報テーブル91Aには、定価ARマーカ28(図5では、便宜上、定価ARマーカ28の外観図を示す。)の夫々に対して、商品名、定価情報、及びID(識別子)が個別に対応付けられる。定価情報は、商品の定価を示す。IDは4桁の数字であり、先頭の桁の数字が「1」である。
【0037】
<割引情報テーブル92A>
図6を参照し、データベース9に含まれる割引情報テーブル92Aについて説明する。割引情報テーブル92Aには、割引ARマーカ38(図6では、便宜上、割引ARマーカ38の外観図を示す。)の夫々に対して、割引情報及びIDが個別に対応付けられる。割引情報は、定価に対する割引率である。IDは、商品情報テーブル91A(図5参照)のIDと共通する4桁の数字である。商品情報テーブル91Aの定価ARマーカ28と、割引情報テーブル92Aの割引ARマーカ38とは、共通するIDにより対応付けられる。即ち、割引ARマーカ38は、IDが共通する商品の割引情報を示す。例えば、IDが「1003」の割引ARマーカ38は、商品名「サンドイッチ」に対応し、商品の価格を定価から「3割引」をした割引価格を適用することを示す。
【0038】
<物品識別画面50>
図7図8を参照し、表示部44に表示される物品識別画面50について説明する。物品識別画面50は、後述する物品識別処理において表示される。物品識別画面50には、点数領域51、撮影画像領域52、商品リスト領域53、OKボタン54、及びNGボタン55が含まれる。
【0039】
点数領域51には、撮影台2に配置された商品の点数の入力の操作を受け付ける操作項目が表示される。詳細は後述するが、商品に貼り付けられたラベル36の割引ARマーカ38が定価ARマーカ28と対応関係にないと判定された場合に、点数領域51には警告表示51A(図13参照)が表示される。
【0040】
撮影画像領域52には、撮影装置3が撮影した撮影画像が表示される。撮影画像には、撮影台2に配置された複数の商品と、商品に付帯された定価ARマーカ28、割引ARマーカ38とが表示される。商品リスト領域53には、撮影画像に表示された複数の商品の情報として、夫々の商品名、割引情報、個数、単価及び商品の合計数が表示される。OKボタン54、NGボタン55には、店舗のユーザの操作を受け付ける領域が表示される。
【0041】
図9を参照し、表示部44に表示される会計画面80について説明する。会計画面80は、後述する物品識別処理において表示される。会計画面80には、商品リスト領域81、合計領域82、OKボタン84、及びNGボタン85が含まれる。
【0042】
商品リスト領域81には、複数の商品の情報として、夫々の商品名、定価、割引情報、個数、及び価格が表示される。合計領域82には、複数の商品の合計数、及び合計金額が表示される。OKボタン84、NGボタン85には、店舗のユーザの操作を受け付ける領域が表示される。
【0043】
<物品識別処理>
図10図11を参照し、物品識別処理について説明する。店舗のユーザによって物品識別処理を実行するための操作が入力部45を介して行われた場合、記憶部42に記憶された物品識別プログラムを制御部41が読み出して実行することにより、物品識別処理が開始される。物品識別処理の開始時、商品を載せたトレー25が撮影台2に配置されている。また、物品識別処理の開始時、表示部44には、物品識別画面50(図7参照)が表示されている。
【0044】
図10に示すように、制御部41は、撮影台2に配置された商品の点数が入力されたか否かを判定する(S1)。ユーザは、点数領域51を確認しながら入力部45を操作し、撮影台2に配置された商品の点数を制御部41に入力する。撮影台2に配置された商品の点数が入力されていないと判定した場合(S1:NO)、制御部41は処理をS1に戻す。
【0045】
制御部41は、撮影台2に配置された商品の点数が入力されたと判定した場合(S1:YES)、入力された商品の点数を記憶部42に記憶する(S2)。制御部41は、撮影装置3の制御部32に指示を出し、撮影部31による撮影を開始する(S3)。制御部32は、撮影された撮影画像の画像データを生成し、制御部41に出力する。制御部41は、画像データを取得し、撮影画像領域52に撮影画像を表示する(S5、図7参照)。
【0046】
制御部41は、取得した画像データから定価ARマーカ28、割引ARマーカ38を抽出する(S6)。制御部41は、S6において画像解析を行い、撮影画像におけるARマーカとしての特徴部を有するオブジェクトを定価ARマーカ28、割引ARマーカ38として検出する。制御部41は、オブジェクトの大きさ、又はオブジェクト内のモジュールの数に基づき、定価ARマーカ28と割引ARマーカ38とを識別する。
【0047】
制御部41は、商品情報テーブル91A、割引情報テーブル92Aに基づき、検出した定価ARマーカ28及び割引ARマーカ38のIDを確認する。制御部41は、検出した定価ARマーカ28及び割引ARマーカ38と、確認したIDとを記憶部42に記憶する(S7)。S7では、S6において検出した全てのARマーカに対してIDの確認が行われる。
【0048】
制御部41は、商品情報テーブル91Aに基づき、S6において検出した定価ARマーカ28に対応する商品名を確認する(S10)。制御部41は、撮影画像領域52に表示された撮影画像において、定価ARマーカ28の近傍にS10で確認した商品名を示す商品名表示29を重畳して表示する。また、制御部41は、撮影画像領域52に表示された撮影画像において、割引ARマーカ38の近傍にS10で確認した割引情報を示す割引表示を重畳して表示する(S11、図8参照)。
【0049】
制御部41は、S6で検出した定価ARマーカ28に基づき、商品を計数する(S12)。制御部41は、S7で確認した商品名、個数、割引情報、個数、単価及びS12で計数した商品の合計数を商品リスト領域53に表示する(S13)。
【0050】
制御部41は、S2で記憶した商品の点数と、S12で計数した商品の合計数とが一致するか否かを判定する(S15)。制御部41は、記憶した商品の点数と、計数した商品の合計数とが一致しないと判定した場合(S15:NO)、NGボタン55に文字列「NG」を表示して(S16)、処理をS1に戻す。制御部41は、記憶した商品の点数と、計数した商品の合計数とが一致すると判定した場合(S15:YES)、処理をS17(図13参照)に移行する。
【0051】
図11に示すように、制御部41は、OKボタン54に文字列「OK」を表示する(S17)。制御部41は、OKボタン54の操作を受け付けたか否かを判定する(S18)。ユーザは、S17で表示された文字列「OK」を確認し、OKボタン54を操作する。制御部41は、OKボタン54の操作を受け付けていないと判定した場合(S18:NO)、処理をS18に戻す。
【0052】
制御部41は、OKボタン54の操作を受け付けたと判定した場合(S18:YES)、表示部44に表示する画面を、物品識別画面50から会計画面80(図9参照)に切り替える(S19)。制御部41は、S6において検出された全てのARマーカに割引ARマーカ38が含まれているか否かを判定する(S20)。
【0053】
制御部41は、検出された全てのARマーカに割引ARマーカ38が含まれていないと判定した場合(S20:NO)、定価会計処理を実行する(S21)。制御部41は、S21において、定価ARマーカ28及び商品情報テーブル91Aに基づき、夫々の商品の価格に定価を適用する。制御部41は、処理をS23に移行する。制御部41は、検出された全てのARマーカのうち、1つ以上の割引ARマーカ38が含まれていると判定した場合(S20:YES)、第一会計処理を実行する(S22)。制御部41は、処理をS23に移行する。
【0054】
図12を参照し、第一会計処理について説明する。第一会計処理は、商品に付された定価ARマーカ28と割引ARマーカ38とが正しい対応関係になっているか判定し、其の判定結果に基づき商品の価格を決定する処理である。第三者によって、例えば、割引ARマーカ38の付け替え等の不正行為が行われる場合がある。制御部41は、定価ARマーカ28と割引ARマーカ38との対応関係に基づき、不正行為を検出する。
【0055】
制御部41は、S6(図10参照)で検出された定価ARマーカ28から1つ取得する(S31)。制御部41は、商品情報テーブル91Aに基づき、S31で取得した定価ARマーカ28のIDを確認する(S32)。制御部41は、割引情報テーブル92Aに基づき、S31で取得した定価ARマーカ28と同じ商品に付された割引ARマーカ38のIDを確認する(S33)。
【0056】
制御部41は、S32で確認した定価ARマーカ28のIDと、S33で確認した割引ARマーカ38とが一致するか否かを判定する(S35)。制御部41は、S32で確認した定価ARマーカ28のIDと、S33で確認した割引ARマーカ38とが一致すると判定した場合(S35:YES)、定価から割引を行った割引価格を商品の価格として適用する(S36)。制御部41は、処理をS39に移行する。
【0057】
制御部41は、S32で確認した定価ARマーカ28のIDと、S33で確認した割引ARマーカ38とが一致しないと判定した場合(S35:NO)、警告報知を行う(S37)。制御部41は、S37において、表示部44に表示する画面を、会計画面80(図9参照)から図13に示す物品識別画面50に切り替える。制御部41は、点数領域51に、商品に付された割引ARマーカ38が定価ARマーカ28と対応関係にないことを示す警告表示51Aを表示する。制御部41は、割引ARマーカ38が定価ARマーカ28と対応関係にない商品について、商品名表示29から警告商品名表示29Aに切り替える。警告商品名表示29Aは、商品名表示29とは異なる表示態様にて撮影画像領域52に表示される。制御部41は、商品リスト領域53において、S31で取得した定価ARマーカ28に対応する商品について、割引情報の表示を消去し、単価の情報を定価に変更する。
【0058】
制御部41は、S31で取得した定価ARマーカ28及び商品情報テーブル91Aに基づき、商品の価格に定価を適用する(S38)。制御部41は、処理をS39に移行する。
【0059】
制御部41は、S6で検出された定価ARマーカ28を全て取得したか否かを判定する(S39)。制御部41は、定価ARマーカ28を全て取得していないと判定した場合(S39:NO)、処理をS31に戻す。
【0060】
制御部41は、定価ARマーカ28を全て取得したと判定した場合(S39:YES)、表示部44に表示する画面を会計画面80(図9参照)にする(S40)。制御部41は、商品リスト領域81に、夫々の商品名、定価、割引情報、個数、及びS36、S38で適用した価格を表示する。制御部41は、S12で計数された商品の合計数と、合計金額とを、合計領域82に表示する。制御部41は、処理を物品識別処理(図11参照)に戻す。
【0061】
図11に示すように、制御部41は、会計画面80に表示されたOKボタン84又はNGボタン85の操作を受け付けたか否かを判定する(S23)。ユーザは、表示部44において表示されたOKボタン84又はNGボタン85を操作する。制御部41は、OKボタン84及びNGボタン85の何れの操作も受け付けていないと判定した場合(S23:NO)、処理をS23に戻す。
【0062】
制御部41は、OKボタン84又はNGボタン85の操作を受け付けたと判定した場合(S23:YES)、受け付けた操作がOKボタン84の操作であるか否かを判定する(S25)。制御部41は、受け付けた操作がNGボタン85の操作であると判定した場合(S25:NO)、処理をS1に戻す。
【0063】
制御部41は、受け付けた操作がOKボタン84の操作であると判定した場合(S25:YES)、レジスター7に商品の情報、及び商品の価格の情報を出力する出力処理を実行する(S26)。レジスター7は、受信した商品の情報、及び商品の価格の情報に基づき、商品の会計を行う。制御部41は、表示部44に表示する画面を、会計画面80から物品識別画面50に切り替える(S27)。制御部41は、処理をS1に戻す。
【0064】
<作成処理>
図14を参照し、作成処理について説明する。作成処理は、定価ARマーカ28に対応する割引ARマーカ38の印刷画像を印刷し、ラベル36を作成するための処理である。作成処理の実行前、店舗のユーザは割引を行いたい商品を撮影台2に配置する。ユーザが入力部45を介して作成処理を実行するための操作を行った場合、制御部41は、記憶部42に記憶された作成プログラムを読み出して実行することにより、作成処理を開始する。
【0065】
制御部41は、撮影装置3の制御部32に指示を出し、撮影部31による撮影を行う(S51)。制御部32は、撮影された撮影画像の画像データを生成し、制御部41に出力する。
【0066】
制御部41は、画像データを取得し、画像データから定価ARマーカ28を検出する(S52)。制御部41は、S52において画像解析を行い、撮影画像におけるARマーカとしての特徴部を有するオブジェクトから定価ARマーカ28を検出する。
【0067】
制御部41は、商品情報テーブル91Aに基づき、S52で検出した定価ARマーカ28のIDを確認し、確認したIDを記憶部42に記憶する(S53)。制御部41は、S53で確認したIDに基づき、S52で検出した定価ARマーカ28に対応する割引ARマーカ38を特定する(S55)。
【0068】
制御部41は、S55で特定した割引ARマーカ38の画像データを印刷装置6の制御部61に送信し、ラベル16に割引ARマーカ38を印刷するための印刷データを生成するよう制御部61に指示を出す(S56)。割引ARマーカ38の画像データを受信した制御部61は、制御部41の指示に従って、割引ARマーカ38の印刷画像の印刷データを生成する。
【0069】
制御部41は、制御部61に指示を出し、長尺媒体Mの搬送を開始する(S57)。指示を受信した制御部61は、搬送部63を駆動し、長尺媒体Mを搬送する。制御部41は、制御部61に指示を出し、ラベル16に割引ARマーカ38の印刷画像を印刷する(S58)。指示を受信した制御部61は、印刷部64を駆動し、S56で生成した印刷データに基づき、ラベル16に割引ARマーカ38を印刷する。これにより、定価ARマーカ28に対応する割引ARマーカ38が印刷されたラベル36が作成される。
【0070】
制御部41は、制御部61に指示を出し、長尺媒体Mの搬送を停止する(S59)。指示を受信した制御部61は、搬送部63の駆動を停止し、長尺媒体Mの搬送を停止する(S58)。制御部41は、作成処理を終了する。
【0071】
<第一実施形態の作用、効果>
以上説明したように、物品識別システム1の制御部41は、撮影装置3に指示を出し、撮影部31による撮影を行う。制御部32は、撮影された撮影画像の画像データを生成し、制御部41に出力する。制御部41は、取得した画像データに基づき、撮影画像領域52に撮影画像を表示する(S5)。制御部41は、取得した画像データから定価ARマーカ28、割引ARマーカ38を検出する(S6)。制御部41は、検出した定価ARマーカ28に対応する商品名を示す商品名表示29を撮影画像領域52に表示された撮影画像に重畳して表示する(S11)。制御部41は、第一会計処理(S22)において、定価ARマーカ28のIDと割引ARマーカ38のIDが一致するか否かを判定する(S35)。このように、物品識別システム1は、定価ARマーカ28と割引ARマーカ38との対応関係により、商品に関して正しく認識できているか判定する。物品識別システム1は、定価ARマーカ28と割引ARマーカ38との対応関係が正しい場合、価格の割引を行う。よって、物品識別システム1は、不正行為により商品を正しく認識できないことを抑制でき、不正行為により割引ARマーカ38の悪用を防止できる。
【0072】
制御部41は、定価ARマーカ28のIDと割引ARマーカ38のIDとが一致しないと判定した場合(S35:NO)、警告報知を行う(S37)。これにより、ユーザは、物品識別システム1において商品に関して正しく認識されていないことを把握できる。
【0073】
定価ARマーカ28と割引ARマーカ38とは、共通するIDにより対応付けられる。これにより、物品識別システム1は、定価ARマーカ28のIDと割引ARマーカ38のIDとを一致するか判定することで、定価ARマーカ28と割引ARマーカ38との対応関係を容易に判定できる。よって、物品識別システム1は、不正行為により商品を正しく認識できないことを容易に抑制できる。
【0074】
定価ARマーカ28には、商品の定価を示す定価情報が関連付けられる。割引ARマーカ38には、定価に対する割引率を示す割引情報が関連付けられる。これにより、物品識別システム1は、価格の割引を行う場合にも、不正行為により商品を正しく認識できないことを抑制できる。
【0075】
制御部41は、撮影画像領域52に、撮影装置3により撮影された撮影画像と、定価ARマーカ28に対応する商品名とを重畳して表示する。これにより、物品識別システム1は、店舗のユーザがより正確に清算することを可能にする。
【0076】
制御部41は、撮影画像領域52に、撮影装置3により撮影された撮影画像と、割引ARマーカ38に対応する割引情報とを重畳して表示する。これにより、物品識別システム1は、店舗のユーザがより正確に清算することを可能にする。
【0077】
制御部41は、撮影部31により、商品に付された定価ARマーカ28の撮影を行う(S51)。制御部41は、撮影画像の画像データを取得し、画像データから定価ARマーカ28を検出する(S52)。制御部41は、商品情報テーブル91Aに基づき定価ARマーカ28のIDを確認し、割引情報テーブル92Aに基づき定価ARマーカ28に対応する割引ARマーカ38を特定する(S55)。制御部41は、特定した割引ARマーカ38の画像データを印刷装置6の制御部61に送信し、割引ARマーカ38を印刷するための印刷データを生成する(S56)。制御部41は、印刷データに基づき、ラベル16に割引ARマーカ38を印刷する(S58)。制御部41は、定価ARマーカ28を撮影部31により撮影することで、定価ARマーカ28に対応する割引ARマーカ38をラベル16に印刷できる。割引ARマーカ38が定価ARマーカ28に対応した状態で印刷されるので、制御部41は、不正行為により商品を正しく認識できないことを抑制できる。
【0078】
<第一実施形態の変形例>
本発明は上記実施形態に限定されず、種々の変更が可能である。識別端末4は、タブレット端末としたが、パーソナルコンピュータ、スマートフォン等、他のデバイスを用いてもよい。例えば、識別端末4を公知のパーソナルコンピュータとした場合、パーソナルコンピュータが制御部41、記憶部42、及びUSBI/F47を有し、パーソナルコンピュータと、パーソナルコンピュータに対して外付けされるタッチパネル43との組み合わせも本発明の識別端末4に含まれる。識別端末4は、タッチパネル43の代わりに、表示部44として例えばモニタ、入力部45として例えばキーボード、マウスを有してもよい。また、タブレット端末に搭載されたカメラ機能を、撮影装置3として用いてもよい。この場合、カメラ機能を有するタブレット端末は、物品識別装置として動作し、上記実施形態の物品識別システム1として単体で機能することができる。
【0079】
物品識別処理を実行させるための指令を含む物品識別プログラムは、制御部41が、対応するプログラムを実行するまでに、記憶部42等に記憶されればよい。従って、物品識別プログラムの取得方法、取得経路及び物品識別プログラムを記憶する機器の各々は、適宜変更してもよい。物品識別プログラムは、ケーブル又は無線通信を介して他の装置から受信し、記憶部42に記憶されてもよい。他の装置は、例えば、PC、及びネットワーク網を介して接続されるサーバを含む。
【0080】
物品識別処理は、識別端末4とは別体に設けられる、専用又は汎用の装置により実行されてもよい。例えば、識別端末4の代わりに、レジスター7又はPOSシステムの端末装置に撮影装置3を接続し、レジスター7の制御部又はPOSシステムの端末装置が物品識別処理を実行してもよい。
【0081】
商品情報テーブル91A、割引情報テーブル92Aは、一つにまとめられたテーブルであってもよい。商品情報テーブル91Aには、定価ARマーカ28とIDとが対応付けられていればよく、その他の情報は適宜変更してもよい。割引情報テーブル92Aには、割引ARマーカ38とIDとが対応付けられていればよく、その他の情報は適宜変更してもよい。割引情報テーブル92Aに設定される割引情報は、定価に対する割引率ではなく、割引額、又は価格を割引した結果である割引価格そのものでもよい。
【0082】
定価ARマーカ28と割引ARマーカ38とは、共通するID以外に、例えば商品名によって対応付けられてもよい。この場合、商品情報テーブル91A及び割引情報テーブル92Aの両方に商品名が設定される。
【0083】
商品に付される2種類のARマーカは、定価ARマーカ28、割引ARマーカ38に限らず、例えば商品の製造日を示すARマーカと商品の製造日からの経過日数を示すARマーカであってもよい。定価ARマーカ28、割引ARマーカ38は定価ARマーカ28及び割引ARマーカ38と異なる第3ARマーカと対応付けられてもよい。
【0084】
定価ARマーカ28のモジュールの数と、割引ARマーカ38のモジュールの数とは同じでもよい。定価ARマーカ28の大きさと、割引ARマーカ38の大きさとは同じでもよい。
【0085】
物品識別処理の各ステップは、制御部41によって実行される例に限定されず、一部又は全部が他の電子機器(例えば、ASIC)によって実行されてもよい。物品識別処理の各ステップは、複数の電子機器(例えば、複数のCPU)によって分散処理されてもよい。物品識別処理の各ステップは、必要に応じて順序の変更、ステップの省略、及び追加が可能である。
【0086】
制御部41は、S11において、撮影画像領域52に表示された撮影画像と、商品名表示29とを重畳して表示しなくてもよい。制御部41は、S9において、商品名以外の商品の情報(例えば、価格、製造年月日、アレルギー情報等)を表示してもよい。
【0087】
物品識別処理において、商品の点数の確認のための処理(S1、S2、S12、S15)を省略してもよい。
【0088】
制御部41は、S3において撮影装置3に動画の撮影を指示してもよい。この場合、制御部41は、S5において撮影装置3が撮影した動画の映像を表示してもよい。
【0089】
第一会計処理において、制御部41は、S35にてIDが一致する場合、定価ARマーカ28と割引ARマーカ38とが対応関係にあると判定した。これに対し、制御部41は、S35にて、例えばIDの下3桁の数字が一致する場合に対応関係にあると判定してもよい。
【0090】
制御部41は、S37で実行する警告報知の態様を適宜変更してもよい。識別端末4がスピーカを有する場合、スピーカから発する音声により警告報知を行ってもよい。
【0091】
作成処理は、印刷装置6の制御部61が統括して制御してもよい。作成処理は、印刷装置6とは別体に設けられる、専用又は汎用の装置により実行されてもよい。例えば、POSシステムの端末装置に印刷装置6を接続し、POSシステムの端末装置が作成処理を実行してもよい。
【0092】
作成処理を実行させるための指令を含む作成プログラムは、制御部41が、対応するプログラムを実行するまでに、記憶部42等に記憶されればよい。従って、作成プログラムの取得方法、取得経路及び作成プログラムを記憶する機器の各々は、適宜変更してもよい。作成プログラムは、ケーブル又は無線通信を介して他の装置から受信し、記憶部42に記憶されてもよい。他の装置は、例えば、PC、及びネットワーク網を介して接続されるサーバを含む。作成プログラムは、印刷装置6の記憶部62に記憶されてもよい。
【0093】
作成処理の各ステップは、制御部41によって実行される例に限定されず、一部又は全部が他の電子機器(例えば、ASIC)によって実行されてもよい。作成処理の各ステップは、複数の電子機器(例えば、複数のCPU)によって分散処理されてもよい。作成処理の各ステップは、必要に応じて順序の変更、ステップの省略、及び追加が可能である。
【0094】
上記実施形態において、作成処理では、検出された定価ARマーカ28に対応する割引ARマーカ38が特定され、割引ARマーカ38がラベル16に印刷された。これに対し、作成処理にて、検出された割引ARマーカ38に対応する定価ARマーカ28が特定され、定価ARマーカ28がラベル16に印刷されてもよい。
【0095】
商品には、定価ARマーカ28、割引ARマーカ38の代わりに、公知のコード(例えば、バーコード、QRコード(登録商標)等)、又は独自のマーカが付帯されてもよい。商品には、商品の価格以外の情報(例えば、製造年月日、アレルギー情報等)を識別するための、定価ARマーカ28、割引ARマーカ38と異なるコードまたはマーカが付帯されてもよい。
【0096】
識別端末4に定価ARマーカ28、割引ARマーカ38を登録可能にするアプリケーションソフトをインストールしてもよい。
【0097】
<第二実施形態>
図15図17を参照し、本発明の第二実施形態に係る物品識別システム1を説明する。第二実施形態に係る物品識別システム1は、商品情報テーブル91A、割引情報テーブル92Aに代わり、商品情報テーブル91A、割引情報テーブル92Aが記憶部42に記憶される点、及び物品識別処理において第一会計処理(S22、図11参照)に代わり、後述する第二会計処理が実行される点において、第一実施形態の物品識別システム1と異なる。第二実施形態における物品識別システム1のその他の構成は、第一実施形態における物品識別システム1と同じである。以下の説明において、第一実施形態の物品識別システム1と共通する構成について、同一の符号を付し、説明を省略する。
【0098】
<商品情報テーブル91B>
図15を参照し、記憶部42に記憶される商品情報テーブル91Bについて説明する。商品情報テーブル91Aには、定価ARマーカ28(図15では、便宜上、定価ARマーカ28の外観図を示す。)の夫々に対して、商品名、定価、ID、及び製造日が個別に対応付けられる。IDは4桁の数字であり、先頭の桁の数字が「1」である。
【0099】
<割引情報テーブル92B>
図16を参照し、記憶部42に記憶される割引情報テーブル92Bについて説明する。割引情報テーブル92Bには、割引ARマーカ38(図16では、便宜上、割引ARマーカ38の外観図を示す。)の夫々に対して、割引情報、ID、及び割引を適用するための適用条件が個別に対応付けられる。IDは、商品情報テーブル91A(図5参照)のIDと異なる4桁の数字であり、先頭の桁の数字が「2」である。適用条件は、製造日からの時間経過により価格の割引を行う場合における、割引を行うか否かの判定の閾値を示す。例えば、IDが「1003」の定価ARマーカ28が付された商品名「サンドイッチ」に、IDが「2001」の割引ARマーカ38が付された場合、製造日から「1日」が経過していれば、定価「300円」から「1割引」の割引が「サンドイッチ」に適用される。
【0100】
<第二会計処理>
図17を参照し、第二会計処理について説明する。第二会計処理は、商品に付された定価ARマーカ28の製造日から会計時の時刻までの経過時間と割引ARマーカ38の適用条件とを比較し、商品の価格を決定する処理である。
【0101】
制御部41は、RTC46から現在の日付を取得する(S60)。制御部41は、S6(図10参照)で検出された定価ARマーカ28から1つ取得する(S31)。制御部41は、商品情報テーブル91Bに基づき、S31で取得した定価ARマーカ28に対応する商品の製造日を確認する(S62)。制御部41は、割引情報テーブル92Bに基づき、割引ARマーカ38に対応する割引の適用条件を確認する(S63)。
【0102】
制御部41は、S62で確認した商品の製造日からS60で取得した現在の日付までの経過日数が、S63で確認した割引の適用条件を満たすか否かを判定する(S65)。制御部41は、経過日数が割引の適用条件を満たすと判定した場合(S65:YES)、定価ARマーカ28、割引ARマーカ38、商品情報テーブル91B、及び割引情報テーブル92Bに基づき、定価から割引を行った割引価格を商品の価格として適用する(S36)。制御部41は、処理をS39に移行する。
【0103】
制御部41は、経過日数が割引の適用条件を満たさないと判定した場合(S65:NO)、警告報知を行う(S37)。制御部41は、定価ARマーカ28及び商品情報テーブル91Bに基づき、商品の価格に定価を適用する(S38)。制御部41は、処理をS39に移行する。
【0104】
制御部41は、S6で検出された定価ARマーカ28を全て取得したか否かを判定する(S39)。制御部41は、定価ARマーカ28を全て取得していないと判定した場合(S39:NO)、処理をS31に戻す。制御部41は、定価ARマーカ28を全て取得したと判定した場合(S39:YES)、表示部44に表示する画面を会計画面80(図9参照)にする(S40)。制御部41は、処理を物品識別処理(図11参照)に戻す。
【0105】
<第二実施形態の作用、効果>
記憶部42には、商品情報テーブル91B、割引情報テーブル92Bが記憶される。商品情報テーブル91Bには、定価ARマーカ28と商品の製造日とが対応付けられて記憶される。割引情報テーブル92Bには、割引ARマーカ38と割引を行うための適用条件とが対応付けられて記憶される。制御部41は、RTC46から現在の日付を取得する(S60)。制御部41は、定価ARマーカ28に対応する商品の製造日から現在の日付までの経過日数が、割引ARマーカ38に対応する割引の適用条件を満たすか否かを判定する(S65)。このように、物品識別システム1は、経過日数が割引ARマーカ38に対応する割引の適用条件を満たすか判定する。物品識別システム1は、経過日数が割引ARマーカ38に対応する割引の適用条件を満たす場合、価格の割引を行う。よって、物品識別システム1は、不正行為により商品を正しく認識できないことを抑制でき、不正行為により割引ARマーカ38の悪用を防止できる。
【0106】
制御部41は、RTC46から現在の日付を取得する(S60)。制御部41は、定価ARマーカ28に対応する商品の製造日から現在の日付までの経過日数が、割引ARマーカ38に対応する割引の適用条件を満たすか否かを判定する(S65)。物品識別システム1は、取得された時刻が、ARマーカに対応する時刻の所定条件を満たすか否かを判定することにより、商品に関して正しく認識できているか判定する。よって、物品識別システム1は、時間で商品の情報、例えば価格が変化する場合でも、不正行為により商品を正しく認識できないことを抑制できる。
【0107】
制御部41は、経過日数が割引の適用条件を満たさないと判定した場合(S65:NO)、警告報知を行う(S37)。これにより、ユーザは、物品識別システム1において商品に関して正しく認識されていないことを把握できる。
【0108】
<第二実施形態の変形例>
商品情報テーブル91Bには、製造日以外で製造された時間の情報が設定されてもよい。例えば、商品情報テーブル91Bには、商品が製造された曜日、商品が製造された月、商品が製造された時間帯等が設定されてもよい。商品情報テーブル91Bには、製造された時間の情報ではなく、例えばアレルギー情報、原材料情報、製造ロット情報等が設定されてもよい。この場合、制御部41は、第二会計処理のS60の処理において、現在の日付を取得しなくてもよい。制御部41は、S60の処理において現在の日付の代わりに、例えば定価ARマーカ28に対応する商品の製造ロット情報を取得してもよい。
【0109】
割引情報テーブル92Bには、時間以外の適用条件が設定されてもよい。割引情報テーブル92Bには、例えば製造ロットに関する適用条件が設定されてもよい。この場合、制御部41は、S65の処理において、取得した製造ロット情報が製造ロットに関する適用条件を満たすか否かを判定してもよい。これにより、物品識別システム1は、例えば商品の製造時に型くずれした製造ロットについて、適用条件に基づき価格の割引を行うことができる。
【0110】
商品には、定価ARマーカ28、割引ARマーカ38の代わりに、公知のコード(例えば、バーコード、QRコード(登録商標)等)、又は独自のマーカが付帯されてもよい。商品には、商品の価格以外の情報(例えば、製造年月日、アレルギー情報等)を識別するための、定価ARマーカ28、割引ARマーカ38と異なるコードまたはマーカが付帯されてもよい。
【0111】
<その他>
上記実施形態において、定価ARマーカ28は本発明の「第1ARマーカ」に相当する。割引ARマーカ38は本発明の「第2ARマーカ」に相当する。撮影装置3は本発明の「撮影部」に相当する。USBI/F47は本発明の「通信部」に相当する。S6の処理は請求項1、5に係る発明の「抽出処理」に相当する。S5の処理は本発明の「第一表示処理」に相当する。S11の処理は本発明の「第二表示処理」に相当する。S35の処理が請求項1に係る発明の「判定処理」に相当する。S37の処理は本発明の「報知処理」に相当する。日付は本発明の「データ」「時刻」に相当する。適用条件は本発明の「所定条件」に相当する。S52の処理は請求項13に係る発明の「抽出処理」に相当する。S55の処理は本発明の「特定処理」に相当する。S56の処理は本発明の「生成処理」に相当する。S58の処理は本発明の「印刷処理」に相当する。
【符号の説明】
【0112】
1 物品識別システム
3 撮影装置
4 識別端末
6 印刷装置
28 定価ARマーカ
38 割引ARマーカ
41 制御部
42 記憶部
64 印刷部
91A、91B 商品情報テーブル
92A、92B 割引情報テーブル
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17