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2024-61090物品識別システム、物品識別装置、及びプログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024061090
(43)【公開日】2024-05-07
(54)【発明の名称】物品識別システム、物品識別装置、及びプログラム
(51)【国際特許分類】
   G06Q 30/06 20230101AFI20240425BHJP
【FI】
G06Q30/06
【審査請求】未請求
【請求項の数】15
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022168805
(22)【出願日】2022-10-21
(71)【出願人】
【識別番号】000005267
【氏名又は名称】ブラザー工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100104178
【弁理士】
【氏名又は名称】山本 尚
(72)【発明者】
【氏名】伴野 貴昭
(72)【発明者】
【氏名】吉村 千里
【テーマコード(参考)】
5L030
5L049
【Fターム(参考)】
5L030BB72
5L049BB72
(57)【要約】
【課題】価格の割引に伴う作業の煩わしさを低減できる物品識別システム、物品識別装置、及びプログラムを提供する。
【解決手段】物品識別システム1の制御部は、撮影装置3による撮影画像の撮影を開始する。制御部は、撮影画像の画像データに基づき、表示部に撮影画像を表示する。制御部は、検出したARマーカに対応する商品名を示す商品名表示を表示部に表示する。制御部は、撮影画像の画像データからARマーカを検出する。制御部は、検出したARマーカのIDを確認する。制御部は、確認したIDの先頭の桁の数字に基づき、製造曜日を特定する。制御部は、RTCから現在の曜日を取得する。制御部は、特定した商品の製造曜日、取得した現在の曜日、及び所定時間の関係に基づき、商品の価格に割引価格を適用する。制御部は、決定した商品の価格をレジスター7に出力する。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
商品、及び前記商品に付帯されたARマーカを撮影する撮影部と、
表示部と、
レジスターと通信する通信部と、
前記ARマーカと、前記商品と、前記商品の製造時刻又は製造日を示す製造時情報と、前記商品の商品情報との関係が設定されたデータベースを記憶する記憶部と、
制御部とを備え、
前記制御部は、
前記撮影部が撮影した画像内の前記ARマーカを検出する検出処理と、
前記データベースに基づき、前記検出処理で検出された前記ARマーカに対応する前記製造時情報を特定する特定処理と、
前記検出処理の実行時における時刻又は日を示す検出時情報を取得する取得処理と、
前記特定処理で特定された前記製造時情報と、前記取得処理で取得された前記検出時情報との関係に基づき、前記商品の割引価格を決定する割引処理と、
前記撮影部が撮影した前記画像を前記表示部に表示する第一表示処理と、
前記データベースに基づき、前記撮影部が撮影した前記画像内の前記商品情報を前記表示部に表示する第二表示処理と、
前記割引処理により決定された前記割引価格を、前記通信部を介して前記レジスターに出力する出力処理と
を実行することを特徴とする物品識別システム。
【請求項2】
前記制御部は、
前記製造時情報が示す前記製造時刻又は前記製造日から、前記検出時情報が示す前記時刻又は前記日までに所定時間が経過したか判定する判定処理を実行し、
前記判定処理において前記所定時間が経過したと判定された場合、前記割引処理を実行すること
を特徴とする請求項1に記載の物品識別システム。
【請求項3】
前記製造時情報は、前記商品が製造された曜日であり、
前記検出時情報は、前記検出処理の実行時における前記曜日であって、
前記判定処理は、前記商品が製造された前記曜日から前記検出処理の実行時における前記曜日までの経過日数に基づき判定すること
を特徴とする請求項2に記載の物品識別システム。
【請求項4】
前記製造時情報は、前記製造時刻であり、
前記検出時情報は、前記検出処理の実行時における前記時刻であって、
前記判定処理は、前記商品が製造された前記製造時刻から前記検出処理の実行時における前記時刻までの経過時間に基づき判定すること
を特徴とする請求項2に記載の物品識別システム。
【請求項5】
前記製造時情報は、前記製造日であり、
前記検出時情報は、前記検出処理の実行時における日付であって、
前記制御部は、
前記商品が製造された前記製造日と前記検出処理の実行時における前記日付とが相違するか判定する判定処理を実行し、
前記判定処理において、前記製造日と、前記検出処理の実行時における前記日付とが相違すると判定された場合、前記割引処理を実行すること
を特徴とする請求項1に記載の物品識別システム。
【請求項6】
前記データベースには、前記製造時情報ごとに区分され、前記ARマーカと、前記商品との関係を示すテーブルが設定されていることを特徴とする請求項1に記載の物品識別システム。
【請求項7】
前記製造時情報は、前記商品が製造された曜日であり、
前記テーブルは、前記商品が製造された前記曜日ごとに区分されていることを特徴とする請求項6に記載の物品識別システム。
【請求項8】
前記製造時情報は、前記製造時刻を示し、
前記テーブルは、前記製造時刻ごとに区分されていることを特徴とする請求項6に記載の物品識別システム。
【請求項9】
前記製造時情報は、前記製造日であり、
前記テーブルは、前記製造日の偶奇に基づき区分されていることを特徴とする請求項6に記載の物品識別システム。
【請求項10】
前記商品情報には、前記商品の割引情報が含まれていることを特徴とする請求項1に記載の物品識別システム。
【請求項11】
前記商品情報には、前記商品の定価情報が含まれていることを特徴とする請求項10に記載の物品識別システム。
【請求項12】
前記製造時情報は、前記データベースにおいて、前記ARマーカの識別子に対応付けられていることを特徴とする請求項1に記載の物品識別システム。
【請求項13】
前記第一表示処理により表示される前記画像と、前記第二表示処理により表示される前記商品情報とは、前記表示部において重畳して表示されることを特徴とする請求項1に記載の物品識別システム。
【請求項14】
商品、及び前記商品に付帯されたARマーカを撮影する撮影部と、表示部と、レジスターと通信する通信部と、前記ARマーカと、前記商品と、前記商品の製造時刻又は製造日を示す製造時情報と、前記商品の商品情報との関係が設定されたデータベースを記憶する記憶部とを制御する制御部を備える物品識別装置であって、
前記制御部は、
前記撮影部が撮影した画像内の前記ARマーカを検出する検出処理と、
前記データベースに基づき、前記検出処理で検出された前記ARマーカに対応する前記製造時情報を特定する特定処理と、
前記検出処理の実行時における時刻又は日を示す検出時情報を取得する取得処理と、
前記特定処理で特定された前記製造時情報と、前記取得処理で取得された前記検出時情報との関係に基づき、前記商品の割引価格を決定する割引処理と、
前記撮影部が撮影した前記画像を前記表示部に表示する第一表示処理と、
前記データベースに基づき、前記撮影部が撮影した前記画像内の前記商品情報を前記表示部に表示する第二表示処理と、
前記割引処理により決定された前記割引価格を、前記通信部を介して前記レジスターに出力する出力処理と
を実行することを特徴とする物品識別装置。
【請求項15】
商品、及び前記商品に付帯されたARマーカを撮影する撮影部と、表示部と、レジスターと通信する通信部と、前記ARマーカと、前記商品と、前記商品の製造時刻又は製造日を示す製造時情報と、前記商品の商品情報との関係が設定されたデータベースを記憶する記憶部とを制御するコンピュータに実行させるためのプログラムであって、
前記撮影部が撮影した画像内の前記ARマーカを検出する検出ステップと、
前記データベースに基づき、前記検出ステップで検出された前記ARマーカに対応する前記製造時情報を特定する特定ステップと、
前記検出ステップの実行時における時刻又は日を示す検出時情報を取得する取得ステップと、
前記特定ステップで特定された前記製造時情報と、前記取得ステップで取得された前記検出時情報との関係に基づき、前記商品の割引価格を決定する割引ステップと、
前記撮影部が撮影した前記画像を前記表示部に表示する第一表示ステップと、
前記データベースに基づき、前記撮影部が撮影した前記画像内の前記商品情報を前記表示部に表示する第二表示ステップと、
前記割引ステップにより決定された前記割引価格を、前記通信部を介して前記レジスターに出力する出力処理と
を前記コンピュータに実行させることを特徴とするプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、物品識別システム、物品識別装置、及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
複数の商品の情報を一括で認識できる装置が知られている。特許文献1に記載の商品登録装置は、トレー上の複数の商品を撮影し、撮影画像中の商品のバーコードを一括で読み取ることで、複数の商品をまとめて認識することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2016-177433号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
商品を販売する店舗では、時間帯や日替わりで価格の割引を行うことがある。上記商品登録装置において、価格の割引を行うためには、店舗のユーザが割引の情報を示すバーコードを商品に別途付帯する必要があり、煩雑である。
【0005】
本発明の目的は、価格の割引に伴う作業の煩わしさを低減できる物品識別システム、物品識別装置、及びプログラムを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の第一態様に係る物品識別システムは、商品、及び前記商品に付帯されたARマーカを撮影する撮影部と、表示部と、レジスターと通信する通信部と、前記ARマーカと、前記商品と、前記商品の製造時刻又は製造日を示す製造時情報と、前記商品の商品情報との関係が設定されたデータベースを記憶する記憶部と、制御部とを備え、前記制御部は、前記撮影部が撮影した画像内の前記ARマーカを検出する検出処理と、前記データベースに基づき、前記検出処理で検出された前記ARマーカに対応する前記製造時情報を特定する特定処理と、前記検出処理の実行時における時刻又は日を示す検出時情報を取得する取得処理と、前記特定処理で特定された前記製造時情報と、前記取得処理で取得された前記検出時情報との関係に基づき、前記商品の割引価格を決定する割引処理と、前記撮影部が撮影した前記画像を前記表示部に表示する第一表示処理と、前記データベースに基づき、前記撮影部が撮影した前記画像内の前記商品情報を前記表示部に表示する第二表示処理と、前記割引処理により決定された前記割引価格を、前記通信部を介して前記レジスターに出力する出力処理とを実行することを特徴とする。
【0007】
第一態様によれば、ユーザが割引の情報を示すARマーカを商品に別途付帯することなく、物品識別システムは商品の価格を割引できる。よって、物品識別システムは、価格の割引に伴う作業の煩わしさを低減できる。
【0008】
本発明の第二態様に係る物品識別装置は、商品、及び前記商品に付帯されたARマーカを撮影する撮影部と、表示部と、レジスターと通信する通信部と、前記ARマーカと、前記商品と、前記商品の製造時刻又は製造日を示す製造時情報と、前記商品の商品情報との関係が設定されたデータベースを記憶する記憶部とを制御する制御部を備える物品識別装置であって、前記制御部は、前記撮影部が撮影した画像内の前記ARマーカを検出する検出処理と、前記データベースに基づき、前記検出処理で検出された前記ARマーカに対応する前記製造時情報を特定する特定処理と、前記検出処理の実行時における時刻又は日を示す検出時情報を取得する取得処理と、前記特定処理で特定された前記製造時情報と、前記取得処理で取得された前記検出時情報との関係に基づき、前記商品の割引価格を決定する割引処理と、前記撮影部が撮影した前記画像を前記表示部に表示する第一表示処理と、前記データベースに基づき、前記撮影部が撮影した前記画像内の前記商品情報を前記表示部に表示する第二表示処理と、前記割引処理により決定された前記割引価格を、前記通信部を介して前記レジスターに出力する出力処理とを実行することを特徴とする。
【0009】
本発明の第三態様に係るプログラムは、商品、及び前記商品に付帯されたARマーカを撮影する撮影部と、表示部と、レジスターと通信する通信部と、前記ARマーカと、前記商品と、前記商品の製造時刻又は製造日を示す製造時情報と、前記商品の商品情報との関係が設定されたデータベースを記憶する記憶部とを制御するコンピュータに実行させるためのプログラムであって、前記撮影部が撮影した画像内の前記ARマーカを検出する検出ステップと、前記データベースに基づき、前記検出ステップで検出された前記ARマーカに対応する前記製造時情報を特定する特定ステップと、前記検出ステップの実行時における時刻又は日を示す検出時情報を取得する取得ステップと、前記特定ステップで特定された前記製造時情報と、前記取得ステップで取得された前記検出時情報との関係に基づき、前記商品の割引価格を決定する割引ステップと、前記撮影部が撮影した前記画像を前記表示部に表示する第一表示ステップと、前記データベースに基づき、前記撮影部が撮影した前記画像内の前記商品情報を前記表示部に表示する第二表示ステップと、前記割引ステップにより決定された前記割引価格を、前記通信部を介して前記レジスターに出力する出力処理とを前記コンピュータに実行させることを特徴とする。
【0010】
第二態様及び第三態様は、第一態様と同様の効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1】物品識別システム1の斜視図である。
図2】物品識別システム1の電気的構成を示すブロック図である。
図3】識別テーブル90の概念図である。
図4】月曜製造テーブル91、火曜製造テーブル92の概念図である。
図5】撮影画像を表示する物品識別画面50を示す図である。
図6】商品名表示を行う物品識別画面50を示す図である。
図7】会計画面80を示す図である。
図8】物品識別処理のフローチャートである。
図9図8の続きを示す物品識別処理のフローチャートである。
図10】第一会計処理のフローチャートである。
図11】奇数製造日テーブル93、偶数製造日テーブル94の概念図である。
図12】第二会計処理のフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0012】
<第一実施形態>
図面を参照し、本発明の第一実施形態に係る物品識別システム1を説明する。物品識別システム1は、識別用のARマーカ28(図5参照)が夫々に設けられた複数の物品を撮影し、撮影画像内のARマーカ28の情報に基づき物品の価格を会計し、公知のレジスター7(図1参照)に出力するシステムである。物品識別システム1は、例えば物品を商品として販売する店舗において、会計時に複数の商品を一括して識別し、会計するシステムとして用いられる。
【0013】
<物品識別システム1の構成>
図1に示すように、物品識別システム1は、撮影台2、撮影装置3、及び識別端末4を有する。撮影台2は、撮影対象の複数の商品を配置するための台である。撮影台2には、撮影装置3による撮影範囲Sが設定されている。複数の商品を載せたトレー25が撮影台2に配置されると、複数の商品は撮影範囲S内に配置される。夫々の商品は、ラベル26が貼り付けられた袋に包装されている。ラベル26には、商品名、及び商品毎に異なるARマーカ28が印刷されている。
【0014】
撮影装置3は、撮影範囲Sを撮影台2の上方から撮影する装置である。撮影装置3は、撮影台2の側方に固定されて上方に延びる柱部と、柱部の上端において撮影台2の中央上方に向けて延びる腕部と、腕部の先端部に設けられる撮影部31とを有する。撮影部31は、下方に位置する撮影台2の撮影範囲Sを撮影するように、撮影方向及び画角が調整されている。撮影部31は、撮影範囲Sの静止画又は動画を撮影する。以下説明では、静止画と動画とを特に区別しない場合、撮影画像という。
【0015】
識別端末4は、例えば周知のタブレット端末であり、物品識別システム1を統括制御する。識別端末4は、例えば公知のUSB(Universal Serial Bus)ケーブル35により、撮影装置3及びレジスター7と接続する。識別端末4に対する、撮影装置3、レジスター7の接続は適宜変更してもよい。例えば、識別端末4とレジスター7とは、公知のCOMポートにより接続されてもよい。識別端末4に対する、撮影装置3、レジスター7の接続は、同じでもよいし、互いに異なっていてもよい。識別端末4は、図示しない販売時点情報管理(POS)システムの端末として使用してもよい。
【0016】
<物品識別システム1の電気的構成>
図2に示すように、撮影装置3は、撮影部31、制御部32、及びUSBインターフェース(以下、USBI/F)33を有する。撮影部31は、公知のCCDイメージセンサ又はCMOSイメージセンサである。制御部32は、撮影部31が撮影した撮影画像の画像データを生成する。USBI/F33は、USB規格によるデータ通信を行う。
【0017】
識別端末4は、制御部41、記憶部42、タッチパネル43、RTC46、及びUSBI/F47を有する。制御部41は、CPU、ROM、RAMを有する。CPUは、識別端末4の制御を司る。ROMには、ブートプログラム、初期設定情報等が記憶される。RAMには、CPUが演算したデータが一時的に記憶される。記憶部42は、例えばフラッシュメモリであり、後述の物品識別プログラム、後述のデータベース9等が記憶される。
【0018】
タッチパネル43は、表示部44及び入力部45を有する。表示部44は、液晶ディスプレイである。入力部45は、表示部44の表面に設けられたタッチパネルである。RTC46は識別端末4の内部時計として現在の時刻を計時する。現在の時刻には、「日付」「曜日」「時」などの情報が含まれる。USBI/F47は、撮影装置3及びレジスター7との間でUSB規格によるデータ通信を行う。
【0019】
<データベース9の概要>
図3図4を参照し、記憶部42に記憶されるデータベース9について説明する。データベース9には、識別テーブル90、月曜製造テーブル91、火曜製造テーブル92、水曜製造テーブル、木曜製造テーブル、金曜製造テーブル、土曜製造テーブル、及び日曜製造テーブル(図示略)が含まれる。以下、月曜製造テーブル91、火曜製造テーブル92、水曜製造テーブル、木曜製造テーブル、金曜製造テーブル、土曜製造テーブル、及び日曜製造テーブルを区別しない場合、製造曜日テーブルと総称する。
【0020】
図3に示すように、識別テーブル90には、ARマーカ28(図3では、便宜上、ARマーカ28の外観図を示す。)の夫々に対して、商品名及びID(識別子)が個別に対応付けられる。
【0021】
各製造曜日テーブルには、夫々の曜日で製造された商品の情報が設定されている。以下、商品が製造された曜日を製造曜日という。各製造曜日テーブルの構成は同じであり、以下、月曜製造テーブル91を中心に説明する。
【0022】
図4に示すように、月曜製造テーブル91には、IDの夫々に対して、商品名、商品の定価を示す定価情報、及び価格の割引の情報を示す割引情報が対応付けられる。月曜製造テーブル91には、月曜日に製造された商品について、ID、商品名、定価情報、及び割引情報が対応付けられる。月曜製造テーブル91において、IDは4桁の数字であり、先頭の桁の数字が「1」である。
【0023】
月曜製造テーブル91には、IDリスト91A、商品リスト91B、定価リスト91C、及び割引リスト91Dが設けられる。IDリスト91Aには、IDが設定される。商品リスト91Bには、商品名が設定される。定価リスト91Cには、商品の定価情報が設定される。割引リスト91Dには、商品の割引情報が設定される。本実施形態では、割引情報として、定価に対する割引額が設定される。定価から割引が行われた割引価格は、定価情報と割引情報により決定される。例えば、IDが「1001」の商品名「カレーパン」の割引価格は、定価情報「200円」と割引情報「-20円」から「180円」となる。
【0024】
火曜製造テーブル92には、火曜日に製造された商品について、ID、商品名、定価情報、及び割引情報が対応付けられる。火曜製造テーブル92において、IDは4桁の数字であり、先頭の桁の数字が「2」である。
【0025】
図示しないが、水曜製造テーブルには、水曜日に製造された商品について、ID、商品名、定価情報、及び割引情報が対応付けられる。水曜製造テーブルにおいて、IDは4桁の数字であり、先頭の桁の数字が「3」である。木曜製造テーブルには、木曜日に製造された商品について、ID、商品名、定価情報、及び割引情報が対応付けられる。木曜製造テーブルにおいて、IDは4桁の数字であり、先頭の桁の数字が「4」である。金曜製造テーブルには、金曜日に製造された商品について、ID、商品名、定価情報、及び割引情報が対応付けられる。金曜製造テーブルにおいて、IDは4桁の数字であり、先頭の桁の数字が「5」である。土曜製造テーブルには、土曜日に製造された商品について、ID、商品名、定価情報、及び割引情報が対応付けられる。土曜製造テーブルにおいて、IDは4桁の数字であり、先頭の桁の数字が「6」である。日曜製造テーブルには、日曜日に製造された商品について、ID、商品名、定価情報、及び割引情報が対応付けられる。日曜製造テーブルにおいて、IDは4桁の数字であり、先頭の桁の数字が「7」である。即ち、IDの先頭の桁の数字は商品が製造された曜日と対応付けられている。
【0026】
<物品識別画面50>
図5図6を参照し、表示部44に表示される物品識別画面50について説明する。物品識別画面50は、後述する物品識別処理において表示される。物品識別画面50には、点数領域51、撮影画像領域52、商品リスト領域53、OKボタン54、及びNGボタン55が含まれる。
【0027】
点数領域51には、撮影台2に配置された商品の点数の入力の操作を受け付ける操作項目が表示される。撮影画像領域52には、撮影装置3が撮影した撮影画像が表示される。撮影画像には、撮影台2に配置された複数の商品と、商品に付されたARマーカ28が表示される。商品リスト領域53には、撮影画像に表示された複数の商品の情報として、夫々の商品名、割引情報、個数、単価及び商品の合計数が表示される。OKボタン54、NGボタン55には、店舗のユーザの操作を受け付ける領域が表示される。
【0028】
図7を参照し、表示部44に表示される会計画面80について説明する。会計画面80は、後述する物品識別処理において表示される。会計画面80には、商品リスト領域81、合計領域82、OKボタン84、及びNGボタン85が含まれる。
【0029】
商品リスト領域81には、複数の商品の情報として、夫々の商品名、定価、割引情報、個数、及び価格が表示される。合計領域82には、複数の商品の合計数、及び合計金額が表示される。OKボタン84、NGボタン85には、店舗のユーザの操作を受け付ける領域が表示される。
【0030】
<物品識別処理>
図8図9を参照し、物品識別処理について説明する。店舗のユーザによって物品識別処理を実行するための操作が入力部45を介して行われた場合、記憶部42に記憶された物品識別プログラムを制御部41が読み出して実行することにより、物品識別処理が開始される。物品識別処理の開始時、商品を載せたトレー25が撮影台2に配置されている。また、物品識別処理の開始時、表示部44には、物品識別画面50(図5参照)が表示されている。
【0031】
図8に示すように、制御部41は、撮影台2に配置された商品の点数が入力されたか否かを判定する(S1)。ユーザは、点数領域51を確認しながら入力部45を操作し、撮影台2に配置された商品の点数を制御部41に入力する。撮影台2に配置された商品の点数が入力されていないと判定した場合(S1:NO)、制御部41は処理をS1に戻す。
【0032】
制御部41は、撮影台2に配置された商品の点数が入力されたと判定した場合(S1:YES)、入力された商品の点数を記憶部42に記憶する(S2)。制御部41は、撮影装置3に指示を出し、撮影部31による撮影を開始する(S3)。制御部32は、撮影された撮影画像の画像データを生成し、制御部41に出力する。制御部41は、画像データを取得し、撮影画像領域52に撮影画像を表示する(S5、図5参照)。
【0033】
制御部41は、取得した画像データからARマーカ28を検出する(S6)。制御部41は、S6において画像解析を行い、撮影画像におけるARマーカ28としての特徴部を有するオブジェクトをARマーカ28として検出する。制御部41は、識別テーブル90に基づき、検出したARマーカ28のIDを確認し、確認されたIDを記憶部42に記憶する(S7)。S7では、検出された全てのARマーカ28に対してIDの確認が行われる。
【0034】
制御部41は、識別テーブル90に基づき、検出したARマーカ28に対応する商品名を確認する(S8)。制御部41は、撮影画像領域52に表示された撮影画像において、ARマーカ28の近傍にS8で確認した商品名を示す商品名表示29を重畳して表示する(S9、図6参照)。
【0035】
制御部41は、S6で検出したARマーカ28を計数する(S10)。制御部41は、S8で確認した商品名、個数、及び商品の合計数を商品リスト領域53に表示する(S11)。S11において、制御部41は、S10で計数したARマーカ28の数を商品の合計数として、商品リスト領域53に表示する。
【0036】
制御部41は、S2で記憶した商品の点数と、S10で計数したARマーカ28の数とが一致するか否かを判定する(S12)。制御部41は、商品の点数とARマーカ28の数とが一致しないと判定した場合(S12:NO)、NGボタン55に文字列「NG」を表示して(S13)、処理をS1に戻す。制御部41は、商品の点数とARマーカ28の数とが一致すると判定した場合(S12:YES)、OKボタン54に文字列「OK」を表示して(S15)、処理をS16(図9参照)に移行する。
【0037】
図9に示すように、制御部41は、OKボタン54の操作を受け付けたか否かを判定する(S16)。ユーザは、OKボタン54を確認しながら入力部45を操作する。制御部41は、OKボタン54の操作を受け付けていないと判定した場合(S16:NO)、処理をS16に戻す。制御部41は、OKボタン54の操作を受け付けたと判定した場合(S16:YES)、表示部44に表示する画面を、物品識別画面50から会計画面80に切り替える(S17)。制御部41は、第一会計処理を実行する(S18)。
【0038】
図10を参照し、物品識別処理において実行される第一会計処理(S18、図9参照)ついて説明する。制御部41は、RTC46から現在の曜日を取得する(S31)。制御部41は、S7(図8参照)で記憶されたIDから1つ取得する(S32)。制御部41は、S32で取得したIDの先頭の数字に基づき、商品の製造曜日を特定する(S33)。
【0039】
制御部41は、S33で特定した商品の製造曜日からS31で取得した現在の曜日までの経過日数が所定日数に到達したか否かを判定する(S35)。所定日数は、例えば2日であり、記憶部42に記憶されている。所定日数は適宜変更してもよい。
【0040】
制御部41は、経過日数が所定日数に到達したと判定した場合(S35:YES)、S32で取得したIDに対応する商品について、定価情報及び割引情報に基づき、価格に割引価格を適用する(S36)。制御部41は、処理をS38に移行する。
【0041】
制御部41は、経過日数が所定日数に到達していないと判定した場合(S35:NO)、S32で取得したIDに対応する商品について、定価情報に基づき、価格に定価を適用する(S37)。制御部41は、処理をS38に移行する。
【0042】
制御部41は、商品リスト領域81に表示する情報を更新する(S38)。制御部41は、S7で記憶されたIDを全て取得したか否かを判定する(S39)。制御部41は、IDを全て取得していないと判定した場合(S39:NO)、処理をS32に戻す。制御部41は、IDを全て取得したと判定した場合(S39:YES)、処理を物品識別処理(図9参照)に戻す。
【0043】
図9に示すように、第一会計処理(S18)を終了した制御部41は、第一会計処理で決定した夫々の商品の価格に基づき、複数の商品の合計金額を精算する(S19)。制御部41は、複数の商品の合計数及び合計金額を合計領域82に表示する(S20)。S20において、制御部41は、S10(図8参照)で計数されたARマーカ28の数を商品の合計数として、S19で精算された金額を複数の商品の合計金額として、合計領域82に表示する(図7参照)。
【0044】
制御部41は、OKボタン84又はNGボタン85の操作を受け付けたか否かを判定する(S21)。ユーザは、表示部44において表示されたOKボタン84又はNGボタン85を操作する。制御部41は、OKボタン84及びNGボタン85の何れの操作も受け付けていないと判定した場合(S21:NO)、処理をS21に戻す。
【0045】
制御部41は、OKボタン84又はNGボタン85の操作を受け付けたと判定した場合(S21:YES)、受け付けた操作がOKボタン84の操作であるか否かを判定する(S22)。制御部41は、受け付けた操作がNGボタン85の操作であると判定した場合(S22:NO)、物品識別処理を終了する。
【0046】
制御部41は、受け付けた操作がOKボタン84の操作であると判定した場合(S22:YES)、レジスター7に商品の情報、及び商品の価格の情報を出力する出力処理を実行する(S23)。レジスター7は、受信した商品の情報、及び商品の価格の情報に基づき、商品の会計を行う。制御部41は、表示部44に表示する画面を、会計画面80から物品識別画面50に切り替える(S26)。制御部41は、物品識別処理を終了する。
【0047】
<第一実施形態の作用、効果>
以上説明したように、物品識別システム1の制御部41は、撮影装置3に指示を出し、撮影部31による撮影を開始する。制御部32は、撮影された撮影画像の画像データを生成し、制御部41に出力する。制御部41は、制御部32から取得した画像データに基づき、撮影画像領域52に撮影画像を表示する(S5)。制御部41は、検出したARマーカ28に対応する商品名を示す商品名表示29を撮影画像領域52に表示された撮影画像に重畳して表示する(S9)。制御部41は、制御部32から取得した画像データからARマーカ28を検出する(S6)。制御部41は、識別テーブル90に基づき、検出したARマーカ28のIDを確認する(S7)。制御部41は、確認したIDの先頭の桁の数字に基づき、製造曜日を特定する(S33)。制御部41は、RTC46から現在の曜日を取得する(S31)。制御部41は、特定した商品の製造曜日、取得した現在の曜日、及び所定日数の関係に基づき、商品の価格に割引価格を適用する(S36)。制御部41は、決定した商品の価格をレジスター7に出力する(S23)。
【0048】
このように、物品識別システム1は、商品に付帯されたARマーカ28を検出し、検出したARマーカ28のIDから製造曜日を特定し、製造曜日と、RTC46から取得した現在の曜日との関係に基づき、商品の価格に割引価格を適用する。これにより、物品識別システム1は、ARマーカ28と異なるARマーカであり、割引の情報を示すARマーカを、ユーザが商品に別途付帯せずとも、商品の価格を割引できる。よって、物品識別システム1は、価格の割引に伴う作業の煩わしさを低減できる。なお、商品には割引の情報を示すARマーカが別途付帯されていないので、商品の購入者は割引されているのか否かを、商品を見て把握できない。しかしながら、商品の陳列棚に割引中を示すPOP(Point Of Purchase)を配置すること、割引専用のコーナーに割引する商品を移動すること等により、商品の購入者は値引きされていることを把握できる。物品識別システム1は、商品を一つずつ割引されているか否かを確認する作業、及び割引する商品の夫々に割引をするための準備作業における時間を短縮ができる。よって、物品識別システム1は、総合的に価格の割引に伴う作業の煩わしさを低減できる。
【0049】
制御部41は、特定した商品の製造曜日から取得した現在の曜日までの経過日数が所定日数に到達したか否かを判定する(S35)。制御部41は、経過日数が所定日数に到達したと判定した場合(S35:YES)、S32で取得したIDに対応する商品について、定価情報及び割引情報に基づき、価格に割引価格を適用する(S36)。これにより、物品識別システム1は、商品の製造曜日から現在の曜日までの経過日数が所定日数を経過したことに応じて、商品の価格を割引できる。
【0050】
データベース9には、ARマーカ28と、商品と、製造曜日を示すIDとの関係が設定される。制御部41は、RTC46から現在の曜日を取得する(S31)。制御部41は、特定した商品の製造曜日から取得した現在の曜日までの経過日数が所定日数に到達したか否かを判定する(S35)。これにより、物品識別システム1は、商品の製造曜日からの経過日数に応じて、商品の価格を割引できる。
【0051】
データベース9には、識別テーブル90、及び製造曜日ごとに区分化された製造曜日テーブルが設定されている。識別テーブル90には、ARマーカ28の夫々に対して、IDが個別に対応付けられる。各製造曜日テーブルには、IDの夫々に対して、商品名、商品の定価情報、及び商品の割引情報が対応付けられる。即ち、各製造曜日テーブルには、IDを介してARマーカ28と、商品との関係が設定されている。物品識別システム1は、商品ごとに製造曜日が異なる場合にも、商品の製造曜日を製造曜日テーブルにより管理できる。
【0052】
各製造曜日テーブルには、IDの夫々に対して、商品の割引情報が対応付けられる。商品ごとに割引情報が設定されているので、物品識別システム1は、夫々の商品に応じて価格を割引できる。
【0053】
各製造曜日テーブルには、IDの夫々に対して、商品の定価情報が対応付けられる。商品ごとに定価情報が設定されているので、物品識別システム1は、夫々の商品の定価に対する割引価格を設定できる。
【0054】
各製造曜日テーブルにおいて、IDの先頭の桁の数字は商品の製造曜日と対応付けられている。物品識別システム1は、IDにより商品の製造曜日を管理できる。また、物品識別システム1は、IDを確認することで商品の製造曜日を特定できる。
【0055】
制御部41は、撮影画像領域52に、撮影装置3により撮影された撮影画像と、ARマーカ28に対応する商品名とを重畳して表示する。これにより、物品識別システム1は、店舗のユーザがより正確に清算することを可能にする。
【0056】
<第一実施形態の変形例>
本発明は上記実施形態に限定されず、種々の変更が可能である。識別端末4は、タブレット端末としたが、パーソナルコンピュータ、スマートフォン等、他のデバイスを用いてもよい。また、タブレット端末に搭載されたカメラ機能を、撮影装置3として用いてもよい。この場合、カメラ機能を有するタブレット端末は、物品識別装置として動作し、上記実施形態の物品識別システム1として単体で機能することができる。
【0057】
物品識別処理を実行させるための指令を含むプログラムは、制御部41が、対応するプログラムを実行するまでに、記憶部42等に記憶されればよい。従って、プログラムの取得方法、取得経路及びプログラムを記憶する機器の各々は、適宜変更してもよい。制御部41が実行するプログラムは、ケーブル又は無線通信を介して他の装置から受信し、記憶部42に記憶されてもよい。他の装置は、例えば、PC、及びネットワーク網を介して接続されるサーバを含む。
【0058】
物品識別処理は、識別端末4とは別体に設けられる、専用又は汎用の装置により実行されてもよい。例えば、識別端末4を公知のパーソナルコンピュータとした場合、パーソナルコンピュータが制御部41、記憶部42、及びUSBI/F47を有し、パーソナルコンピュータと、パーソナルコンピュータに対して外付けされるタッチパネル43との組み合わせも本発明の識別端末4に含まれる。識別端末4は、タッチパネル43の代わりに、表示部44として例えばモニタ、入力部45として例えばキーボード、マウスを有してもよい。例えば、識別端末4の代わりに、レジスター7又はPOSシステムの端末装置に撮影装置3を接続し、レジスター7の制御部又はPOSシステムの端末装置が物品識別処理を実行してもよい。
【0059】
物品識別処理の各ステップは、制御部41によって実行される例に限定されず、一部又は全部が他の電子機器(例えば、ASIC)によって実行されてもよい。物品識別処理の各ステップは、複数の電子機器(例えば、複数のCPU)によって分散処理されてもよい。物品識別処理の各ステップは、必要に応じて順序の変更、ステップの省略、及び追加が可能である。
【0060】
制御部41は、S9において、撮影画像領域52に表示された撮影画像と、商品名表示29とを重畳して表示しなくてもよい。制御部41は、S9において、商品名以外の商品の情報(例えば、価格、製造年月日、アレルギー情報等)を表示してもよい。
【0061】
物品識別処理において、商品の点数の確認のための処理(S1、S2、S10、S12)を省略してもよい。
【0062】
制御部41は、S3において撮影装置3に動画の撮影を指示してもよい。この場合、制御部41は、S5において撮影装置3が撮影した動画の映像を表示してもよい。
【0063】
制御部41は、S17、S20の処理を省略してもよい。この場合、制御部41は、表示部44に会計画面80を表示せず、S23においてレジスター7に商品の価格を出力する。制御部41は、S21、S22の処理を省略してもよい。この場合、制御部41は、処理を簡略化できる。
【0064】
制御部41は、S23において、定価と割引価格を含む価格の情報のうち割引価格の情報をレジスター7に出力すればよい。この場合、レジスター7は、S23と別の処理で商品と定価の情報とを取得し、S23で出力された割引価格の情報と合わせることで会計を行ってもよい。
【0065】
制御部41は、第一会計処理のS31において、現在の時刻(「時」「分」「午前午後」「時辰」など)を取得してもよい。制御部41は、S31において、RTC46以外の構成から現在の時刻、日を取得してもよい。制御部41は、例えば電波送信所から送信される時刻、日の情報を含んだ電波を受信することで、現在の時刻、日を取得してもよい。
【0066】
制御部41は、第一会計処理のS35において、経過日数が商品ごとに異なる所定日数に到達したか否かを判定してもよい。この場合、各製造曜日テーブルにおいて、商品と所定日数とが対応付けられてもよい。制御部41は、第一会計処理のS35において、経過日数が商品の製造曜日ごとに異なる所定日数に到達したか否かを判定してもよい。この場合、記憶部42には、各製造曜日と所定日数との関係が記憶されていてもよい。
【0067】
割引情報は、割引額ではなく、定価に対する割引率、又は割り引いた結果である割引価格そのものでもよい。
【0068】
データベース9において、曜日で区分化された製造曜日テーブル以外のテーブルが設定されてもよい。例えば、商品の製造時刻(例えば、10時など)で区分化された製造時刻テーブルが設定されてもよい。この場合、制御部41は、第一会計処理において、S31で現在の時刻を取得し、S33で商品の製造時刻を取得し、S35で製造時刻から現在の時刻までの経過時間が所定時間だけ経過したか否かを判定してもよい。商品の製造時刻は、「時」の他、「分」「午前午後」「時辰」などであってもよい。
【0069】
データベース9において、商品の製造日(例えば、9月26日など)で区分化された製造日テーブルが設定されてもよい。この場合、制御部41は、第一会計処理において、S31で現在の日付を取得し、S33で商品の製造日を取得し、S35で製造日から現在の日付までの経過日数が所定日数だけ経過したか否かを判定してもよい。製造日は、「日」「曜日」の他、「六曜」「月齢」などであってもよい。
【0070】
製造曜日テーブルには、割引情報が設定されていなくてもよい。この場合、記憶部42が所定の割引情報を記憶し、制御部41がS36の処理において、割引を適用する商品について記憶部42に記憶された所定の割引情報に基づき、商品の価格に割引価格を適用する。
【0071】
製造曜日テーブルには、定価情報が設定されていなくてもよい。例えば、商品の定価を一律に設定した店舗の場合、記憶部42が所定の定価情報を記憶し、制御部41がS36、S37の処理において、記憶部42に記憶された所定の定価情報に基づき、商品の価格を決定する。
【0072】
IDは、製造曜日と対応付けられなくてもよい。この場合、例えばIDと異なる製造曜日を示す数字が各製造曜日テーブルに設定されてもよい。
【0073】
製造曜日テーブルには、商品名、ID、定価情報、及び割引情報に対応するARマーカ28が設定されてもよい。この場合、データベース9は、識別テーブル90を含まなくてもよい。製造曜日テーブルには、商品、ID、定価情報、及び割引情報と異なる情報(例えば、製造年月日、アレルギー情報等)が設定されてもよい。識別テーブル90には、商品名、ID、及びARマーカ28と異なる情報(例えば、製造年月日、アレルギー情報等)が設定されてもよい。
【0074】
商品には、ARマーカ28の代わりに、公知のコード(例えば、バーコード、QRコード(登録商標)等)、又は独自のマーカが付帯されてもよい。商品には、商品の価格以外の情報(例えば、製造年月日、アレルギー情報等)を識別するための、ARマーカ28と異なるコードまたはマーカが付帯されてもよい。
【0075】
識別端末4にARマーカ28を登録可能にするアプリケーションソフトをインストールし、データベース9の設定を行ってもよい。識別端末4にラベルシールの印刷が可能な印刷装置を接続し、識別テーブル90に設定されたARマーカ28、商品名をラベルシールに印刷してもよい。
【0076】
<第二実施形態>
図11図12を参照し、本発明の第二実施形態に係る物品識別システム1を説明する。第二実施形態に係る物品識別システム1は、データベース9が製造曜日テーブルに代わり奇数製造日テーブル93、偶数製造日テーブル94を含む点、及び物品識別処理のS18の処理において、第一会計処理に代わり第二会計処理が実行される点で、第一実施形態の物品識別システム1と異なる。第二実施形態に係る物品識別システム1のその他の構成は、第一実施形態に係る物品識別システム1と同じである。以下、第一実施形態に係る物品識別システム1と共通する構成に、第一実施形態に係る物品識別システム1と同一の符号を付し、説明を省略する。
【0077】
<奇数製造日テーブル93、偶数製造日テーブル94>
図11を参照し、奇数製造日テーブル93、偶数製造日テーブル94について説明する。奇数製造日テーブル93、偶数製造日テーブル94には、IDの夫々に対して、商品名、商品の定価情報、及び商品の割引情報が対応付けられる。商品の割引情報は、定価に対する割引率が設定されている。
【0078】
奇数製造日テーブル93には、奇数日(例えば、9月25日)に製造された商品について、ID、商品名、定価情報、及び割引情報が対応付けられる。奇数製造日テーブル93において、IDは4桁の数字であり、先頭の桁の数字が「1」である。奇数製造日テーブル93の構成は、月曜製造テーブル91(図4参照)と同様である。
【0079】
偶数製造日テーブル94には、偶数日(例えば、9月26日)に製造された商品について、ID、商品名、定価情報、及び割引情報が対応付けられる。偶数製造日テーブル94において、IDは4桁の数字であり、先頭の桁の数字が「2」である。即ち、奇数製造日テーブル93、偶数製造日テーブル94において、IDは製造日の偶奇を示す。偶数製造日テーブル94の構成は、月曜製造テーブル91と同様である。
【0080】
<第二会計処理>
図12を参照し、第二会計処理について説明する。制御部41は、RTC46から現在の日付を取得する(S41)。制御部41は、S41で取得した日付が偶数又は奇数の何れであるかを確認する(S42)。
【0081】
制御部41は、S7(図8参照)で記憶されたIDから1つ取得する(S43)。制御部41は、S43で取得したIDの先頭の数字に基づき、商品の製造日が偶数又は奇数の何れであるかを特定する(S46)。
【0082】
制御部41は、S42で確認した現在の日付の偶奇と、S46で特定した製造日の偶奇が一致するか否かを判定する(S47)。制御部41は、現在の日付と製造日とが何れも偶数、又は何れも奇数であり、偶奇が一致する場合(S47:YES)、S43で取得したIDに対応する商品について、定価情報に基づき、価格に定価を適用する(S48)。制御部41は、処理をS50に移行する。
【0083】
制御部41は、現在の日付と製造日とが偶数と奇数の組み合わせであり、偶奇が一致しない場合(S47:NO)、S43で取得したIDに対応する商品について、定価情報及び割引情報に基づき、価格に割引価格を適用する(S49)。制御部41は、処理をS50に移行する。
【0084】
制御部41は、商品リスト領域81に表示する情報を更新する(S50)。制御部41は、S7で記憶されたIDを全て取得したか否かを判定する(S51)。制御部41は、IDを全て取得していないと判定した場合(S51:NO)、処理をS43に戻す。制御部41は、IDを全て取得したと判定した場合(S51:YES)、処理を物品識別処理(図9参照)に戻す。
【0085】
<第二実施形態の作用、効果、変形例>
データベース9には、ARマーカ28と、商品と、製造日の偶奇を示すIDとの関係が設定される。制御部41は、RTC46から現在の日付を取得する(S41)。制御部41は、S41で取得した日付が偶数又は奇数の何れであるかを確認する(S42)。制御部41は、商品と対応するIDの先頭の数字に基づき、商品の製造日が偶数又は奇数の何れであるかを特定する(S46)。制御部41は、現在の日付の偶奇と、製造日の偶奇が一致するか否かを判定する(S47)。これにより、物品識別システム1は、現在の日付の偶奇と商品の製造日の偶奇とが相違する場合に商品の価格を割引できる。
【0086】
データベース9には、識別テーブル90、及び製造日の偶奇で区分化された奇数製造日テーブル93、偶数製造日テーブル94が設定されている。奇数製造日テーブル93、偶数製造日テーブル94には、IDの夫々に対して、商品名、商品の定価情報、及び商品の割引情報が対応付けられる。これにより、物品識別システム1は、商品ごとに製造日の偶奇が異なる場合にも、商品の製造日の偶奇を奇数製造日テーブル93、偶数製造日テーブル94により管理できる。
【0087】
データベース9において、商品の製造曜日で区分化された製造日テーブルが設定されてもよい。この場合、制御部41は、第二会計処理において、S41で現在の日付を取得し、S46で商品の製造曜日を特定し、S47で製造曜日と現在の曜日とが一致するか否かを判定してもよい。
【0088】
商品には、ARマーカ28の代わりに、公知のコード(例えば、バーコード、QRコード(登録商標)等)、又は独自のマーカが付帯されてもよい。商品には、商品の価格以外の情報(例えば、製造年月日、アレルギー情報等)を識別するための、ARマーカ28と異なるコードまたはマーカが付帯されてもよい。
【0089】
<その他>
上記実施形態において、撮影装置3は本発明の「撮影部」に相当する。USBI/F47は本発明の「通信部」に相当する。製造曜日、製造日は本発明の「製造時情報」に相当する。商品名、定価情報、割引情報は本発明の「商品情報」に相当する。S7の処理は本発明の「検出処理」に相当する。S33、S46の処理は本発明の「特定処理」に相当する。S31、S41で取得される現在の曜日、現在の日付は本発明の「検出時情報」に相当する。S31、S41の処理は本発明の「取得処理」に相当する。S36、S49の処理は本発明の「割引処理」に相当する。S5の処理は本発明の「第一表示処理」に相当する。S9の処理は本発明の「第二表示処理」に相当する。「所定日数」は本発明の「所定時間」に相当する。S35、S47の処理は本発明の「判定処理」に相当する。製造曜日テーブル、奇数製造日テーブル93、偶数製造日テーブル94は本発明の「テーブル」に相当する。IDは本発明の「識別子」に相当する。
【符号の説明】
【0090】
1 物品識別システム
3 撮影装置
4 識別端末
9 データベース
28 ARマーカ
41 制御部
42 記憶部
44 表示部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12