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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024061092
(43)【公開日】2024-05-07
(54)【発明の名称】ソファ
(51)【国際特許分類】
   A47C 17/04 20060101AFI20240425BHJP
   A47C 7/40 20060101ALI20240425BHJP
【FI】
A47C17/04 Z
A47C7/40
【審査請求】有
【請求項の数】7
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022168809
(22)【出願日】2022-10-21
(71)【出願人】
【識別番号】597021886
【氏名又は名称】株式会社馬場家具
(74)【代理人】
【識別番号】100144749
【弁理士】
【氏名又は名称】小林 正英
(74)【代理人】
【識別番号】100076369
【弁理士】
【氏名又は名称】小林 正治
(72)【発明者】
【氏名】上原 清一
(72)【発明者】
【氏名】春日 和幸
【テーマコード(参考)】
3B084
【Fターム(参考)】
3B084EB05
(57)【要約】
【課題】 背凭れを座面の前方と後方に往復移動可能とする。また、背クッションをヘッドレストとしても背当てクッションとしても使用できるようにする。
【解決手段】 座の座面の上に背凭れがあり、背凭れは前後移動具により座面に移動可能に連結されており、前後移動具は背凭れに内蔵されており、背凭れは、手動で前方移動させると前後移動具が同方向に回動して座面の前方に移動し、手動で後方移動させると前後移動具が同方向に回動して座面の後方に移動できる着座具である。座の座面の上に背凭れと、背クッションがあり、背クッションは背凭れの上に載せてヘッドレストとして使用でき、背凭れの前に降ろして着座者の背中を支持できる支持クッションとして使用できるようにした。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
座の座面の上に背凭れがあり、
背凭れは前後移動具により座面の前後方向に移動可能に連結されており、
前後移動具は背凭れに内蔵されており、背凭れを手動又は電動により、座面の上で前方移動させると同方向に移動し、座面の上で後方移動させると同方向に移動できる、
ことを特徴とする着座具。
【請求項2】
請求項1記載の着座具において、
前後移動具が外部から見えないように背凭れに内蔵されている、
ことを特徴とする着座具。
【請求項3】
請求項1記載の着座具において、
座の座面の上に背凭れと、背クッションがあり、
背クッションは背凭れの上に載せてヘッドレストとして使用でき、背凭れの前に降ろして着座者の背中を支持できる支持クッションとして使用できる、
ことを特徴とする着座具。
【請求項4】
請求項1記載の着座具において、
座の座面の上に背凭れと、背クッションがあり、
背凭れの上であり且つ背クッションの背面側に受け材があり、
背クッションは背凭れの上に載せてヘッドレストとして使用でき、背凭れの前に降ろして着座者の背中を支持できる支持クッションとして使用でき、
受け材は背クッションに連結されており、
受け材は、背クッションを背凭れの上に載せると背クッションにより後方に起こされて背凭れの上に起立して、背クッションをその背面側から支持することができ、背クッションを背凭れの前に降ろすと背クッションにより前方に引かれて背凭れの上で前方に倒伏する、
ことを特徴とする着座具。
【請求項5】
請求項1記載の着座具において、
座の座面の上に背凭れと、背クッションがあり、
背凭れの上であり且つ背クッションの背面側に受け材があり、
背クッションは背凭れの上に載せてヘッドレストとして使用でき、背凭れの前に降ろして着座者の背中を支持できる支持クッションとして使用でき、
受け材は背クッションに連結されており、
受け材は、背クッションを背凭れの上に載せると背クッションにより後方に起こされて背凭れの上に起立して、背クッションをその背面側から支持することができ、背クッションを背凭れの前に降ろすと背クッションにより前方に引かれて背凭れの上で前方に倒伏することができ、
受け材は背凭れに開閉具で連結されており、
開閉具は、受け材が背クッションに押されて背凭れの上で立ち上がると、所定角度以上は開くことなく、背クッションを背面側から支持できる、
ことを特徴とする着座具。
【請求項6】
請求項1記載の着座具において、
座の座面の上に背凭れと、背クッションがあり、
背クッションは連結具により背凭れの上に起立、倒伏可能に背凭れに連結されており、
背クッションは背凭れの上に起立させるとヘッドレストとして使用でき、背凭れの前に倒伏させると着座者の背中を支持できる支持クッションとして使用できる、
ことを特徴とする着座具。
【請求項7】
座の座面の上に背凭れと、背クッションがあり、
背凭れが座面の上で前後移動しないものであり、
背凭れの上であり且つ背クッションの背面側に受け材があり、
背クッションは背凭れの上に載せてヘッドレストとして使用でき、背凭れの前に降ろして着座者の背中を支持できる支持クッションとして使用でき、
受け材は背クッションに連結されており、
受け材は、背クッションを背凭れの上に載せると背クッションにより後方に起こされて背凭れの上に起立して、背クッションをその背面側から支持することができ、背クッションを背凭れの前に降ろすと背クッションにより前方に引かれて背凭れの上で前方に倒伏する、
ことを特徴とする着座具。
【請求項8】
請求項7記載の着座具において、
受け材は背凭れに開閉具で連結されており、
開閉具は、受け材が背クッションに押されて背凭れの上で立ち上がると、所定角度以上は開くことなく、背クッションを背面側から支持できる、
ことを特徴とする着座具。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はソファ、座椅子、マットレス、マット等の着座具に関する。
【背景技術】
【0002】
ソファ、座椅子、マットレス、マット等の着座具には各種形態のものがある。一例として、背凭れの上にヘッドレストが付いたソファがある(特許文献1)。
【0003】
特許文献1のソファは、ヘッドレストを背凭れの上に起こしたり(立ち上げたり)、背凭れの前面に倒したりすることができるようにしてある。ヘッドレストを背凭れの前面に倒すと、背凭れの前面にクッションを配置しなくとも、ヘッドレストに背中を当てて着座することができる。ヘッドレストを背凭れの上に起こすと、背中を背凭れに凭れかけ、頭をヘッドレストに当てて着座することができる。このため、ヘッドレストを倒したり起こしたりするだけで、座り心地の良い姿勢で着座することができるという利点がある。
【0004】
特許文献1のソファは、背凭れの前面に倒したヘッドレストに背中を凭れかけて着座している状態で、ヘッドレストを背凭れの上に起こすと、背凭れと背中の間の間隔が広くなって後方に倒れ易くなる。後方に倒れないようにするためには、着座している人が背凭れ側(座の後方)に移動する(着座位置を後方にずらす)とか、背凭れと背中の間にクッションを入れるなどしなければならない。しかし、ヘッドレストを背凭れの上に起こす度に後方に着座位置をずらしたり、クッションを入れたりするのは煩わしい。クッションを入れるためにはクッションが必要にもなる。
【0005】
背凭れに背中を凭れかけ、ヘッドレストに頭を凭れかけている状態で、ヘッドレストを背凭れの前面に倒すためには、着座している人が座の前方に移動して(着座位置を前方にずらして)、背凭れと背中の間にヘッドレストが入るだけのスペースを作らなければならない。しかし、ヘッドレストを倒すたびに着座位置を前方にずらすのも煩わしい。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2019-170694号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明の解決課題は、背凭れを座面の上で前後移動させることができるようにすること、背クッションを背凭れの上に起こしても、着座者の背中を背凭れに凭れかけることができるようにして、背凭れと背中の間にクッションを入れたり、着座者が着座位置を後方にずらしたりする煩わしさをなくすことにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の着座具は、座面の上に背凭れがあり、背凭れの内部に前後移動具があり、背凭れを手動又は電動で前方移動させたり、後方移動させたりすると、前後移動具が背凭れと同様に移動して背凭れが座面の上で前後に移動できるようにしたものである。また、前後移動具を背凭れに内蔵して外部から見えないようにもしてある。
【0009】
本発明の着座具は、背凭れの他に背クッションを設け、背クッションは背凭れの上に載せたり背凭れの前に降ろしたりすることができ、背凭れの上に載せるとヘッドレストとして使用でき、背凭れの前に降ろすと着座者の背中を支持できる支持クッションとして使用できるようにもしてある。
【0010】
本発明の着座具は、背凭れの上で且つ背クッションの背面側に受け材を設け、受け材を背クッションの背面側に連結して、受け材は背クッションを背凭れの上に載せると背クッションで押されて背凭れの上に立ち上がり、背クッションを背凭れの前に降ろすと背クッションに引かれて背凭れの上に倒伏するようしてある。
【発明の効果】
【0011】
本発明の着座具は次のような効果がある。
(1)背凭れをソファの座面の上で前後移動させて、背凭れと背中の間の間隔を調整することができるので、着座者が着座位置を前後にずらしたり、背凭れと背中の間に入れたりするクッションを別途用意したり、クッションを出し入れする煩わしさがない。
(2)背クッションを、背凭れの上に載せてヘッドレストとしても、背凭れの前に降ろして支持クッションとしても使用することができるので、着座具を、着座者が楽な姿勢になるように使い分けることができる。
(3)受け材が背クッションの背面側で背凭れの上に立ち上がるので、受け材で背クッションを支持することができる。また、背クッションを支持するための支持具を別途用意する必要もない。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1】本発明の着座具の一例を示す斜視図。
図2】本発明の着座具の背クッションと受け材の説明図。
図3】(a)~(c)は本発明の着座具における背凭れの上げ降ろしの説明図、(d)は背凭れが前方移動した状態の説明図。
図4】本発明の着座具に使用される前後移動具の取付け説明図であり、背凭れが座面の後方にある場合の説明図。
図5】本発明の着座具に使用される前後移動具の取付け説明図であり、背凭れが座面の前方に移動した場合の説明図。
図6】本発明の着座具に使用される前後移動具の説明図であって、(a)は前後移動具の可動ブラケットを前向きにした状態の説明図、(b)は可動ブラケットを上向きにした状態の説明図、(c)は可動ブラケットを後ろ向きにした状態の説明図。
図7】本発明の着座具において、受け材が縦向きになった状態の説明図。
図8】(a)~(c)は本発明の着座具における背クッションの動作説明図。
図9】(a)~(c)は本発明の着座具における他の背クッションの動作説明図。
図10】(a)~(c)は本発明の着座具における異なる背クッションの動作説明図。
図11】本発明の着座具が二人掛け用ソファの場合であり、(a)は背クッションを背凭れの前に降ろした状態の斜視図、(b)は背クッションを背凭れの上に載せた状態の斜視図、(c)は背クッションと受け材の連結説明図。
図12】本発明の着座具が三人掛け用ソファの場合であり、(a)は背クッションを背凭れの前に降ろした状態の斜視図、(b)は背クッションを背凭れの上に載せた状態の斜視図。
【発明を実施するための形態】
【0013】
(実施形態1)
本発明の着座具の実施形態の一例を、図面を参照して説明する。本発明の着座具はソファ、座椅子、マットレス、マット等のいずれであってもよく、その形状、サイズ等はどのようなものであってもよい。一例として図1図10に示したものはソファであり、袖や脚等を図示していないものである。本発明の着座具は一人掛け用、二人掛け用以上のいずれであってもよい。一例である図11(a)(b)は二人掛け用のソファ、図12(a)(b)は三人掛け用のソファである。
【0014】
図1の着座具は、座1の上面(座面)2の上に背凭れ3と背クッション4と受け材5がある。背凭れ3、背クッション4、受け材5は本革、合成皮革、布等の表材の内側にウレタン、その他のクッション材が内蔵されている。図1の背凭れ3は横長角状であり、背クッション4は背凭れ3と同じ長さの横長であるが、厚さが背凭れ3よりも薄い。受け材5は背クッション4と同じ長さの横長であるが、厚さが背クッション4よりも薄い。図2のように、受け材5の上部5aは背クッション4の背面に連結されている。
【0015】
[背凭れの動作]
背凭れ3は座1の座面2の後方位置(図3(c))から前方位置(図3(d))まで前方移動可能であり、前方位置(図3(d))から後方位置(図3(c))まで後方移動(戻り移動)可能である。図3(c)の後方位置から図3(d)の前方位置への移動は、手動或いは電動で自動的に行うことができる。手動で行う場合は、例えば、座1に着座している人が、両腕を後ろに回して背凭れ3を前方に引き寄せる(前方移動させる)ことにより行うことができる。図3(d)の前方位置から図3(c)の後方位置への移動は、座1に着座している人が、両腕を後ろに回して背凭れ3を後方に押す(後方移動させる)ことにより行うことができる。
【0016】
[背クッションの動作]
背クッション4は図3(a)~(c)のように背凭れ3の上に載せたり、背凭れ3の前に降ろしたりすることができ、背凭れ3の上に載せるには、座1に着座している人が、両腕を後ろに回して背クッション4を背凭れ3の前面に沿って上方に押し上げることにより行うことができる。背凭れ3の前に降ろすには、着座している人が、両腕を後ろに回して背クッション4を背凭れ3の前面に沿わせて前方に引き下げることにより行うことができる。背クッション4は背凭れ3の上に載せるとヘッドレストして使用でき、背凭れ3の前面に降ろすと着座者の背中を支持できる支持クッションとして使用できる。背クッション4の載せ降ろしも電動で行うこともできる。
【0017】
[受け材の動作]
受け材5は図2のように、上部5aが背クッション4に連結されており、図3(c)のように背クッション4を背凭れ3の上に載せると、背クッション4で押されて背凭れ3の上で立ち上がって、背クッション4の背面を支持する(背クッション4を立て掛ける)ことができ、図3(a)のように背クッション4を背凭れ3の前に降ろすと、背凭れ3の上で前方に倒れて背クッション4から離れない。このように、受け材5が背クッション4の操作と連動するため、操作性も良い。
【0018】
[座の構成]
図1の座1は汎用のソファと同様に、木製、樹脂製等の剛性の座枠10(図4図5)を備えている。図4図5の座枠10には前後方向の奥行きが狭い後部座枠10aと、後部座枠10aよりも一段低く且つ後部座枠10aよりも前後方向の奥行きが広い前部座枠10bがある。後部座枠10a及び前部座枠10bの外周に汎用のソファと同様にウレタン、その他のクッション材(図示せず)が配置され、その外周が皮革、本革、布等の表材(図示せず)で包まれている。また、前部座枠10bの上には、ウレタン、その他のクッション材が表材で包まれたマット11が配置されて、座1の座面2が前縁から後縁まで同じ高さ(同一面)になっている。
【0019】
[背凭れの構成]
背凭れ3は、図3(c)の後方位置から図3(d)の前方位置まで移動できるようにするため、座枠10の後部座枠10aの上に、図6の前後移動具12を図4図5のように取り付けてある。
【0020】
[前後移動具の構成、取り付け]
前後移動具12としては図6(a)~(c)のようなものを使用することができる。図6(a)~(c)の前後移動具12は、後部座枠10aの上に固定する二つの固定ブラケット13があり、それらの夫々に、可動ブラケット14が、二枚のアーム15a、15bを介して取り付けられている。また、左右のアーム15bをバー16で連結することにより、左右の可動ブラケット14が図6(b)の矢印A-B方向に同時に回動して前後移動(矢印A方向に回動したときは前方移動、矢印B方向に回動したときは後方移動)するようにしてある。図6(a)は可動ブラケット14が矢印A方向に回動した状態(前傾状態)、図6(c)は可動ブラケット14が矢印B方向に回動した状態(後傾状態)である。夫々の固定ブラケット13は図4図5のように後部座枠10aの上にネジ等の固定具で固定されている。図4図5のように、固定ブラケット13、可動ブラケット14、アーム15a、15bは外板17aと内板17b、覆い板23を備えた支持枠21で囲まれている。バー16は内板17bの下部の細長開口(切り欠き)18(図4図5)の内側に配置されて、可動ブラケット14の矢印A-B方向への回動に伴って、細長開口18内を前後移動できるようにしてある(細長開口18を設けることによりバー16の前後移動が阻害されない。)。
【0021】
前後移動具12はその外周に配置したウレタン、その他のクッション材、その外周を被覆する表材で囲まれて図3(a)のように背凭れ3に内蔵されて、外から見えないようにしてある。前後移動具12を背凭れ3に内蔵することにより、座面2に前後移動具12の前後移動が阻害されないようにするための切り込みを入れる必要がなく、座面2に傷が付かず体裁が良く、座り心地も損なわれない。前後移動具12はその作用、機能を発揮できれば前記以外の構造であってもよく、例えば、座1の上を前後に水平移動(水平スライド)するようなものであってもよい。前後移動具12にアクチュエータ等の駆動機構を連動させて、電動で前後移動できるようにすることもできる。このようにすれば、背凭れ3が、前後移動具12の前後移動に伴って自動的に前後移動する。
【0022】
[受け材の構成]
受け材5は図3(a)の横向き状態から図3(c)の起立状態まで起立、倒伏できるようにするため、開閉具20(図4図5図7)を使用してある。開閉具20は細長の下板20aと上板20bを軸20cで開閉可能に連結してあり、上板20bが任意角度になると、それ以上は開かないようにしてある。図4図5図7では、開閉具20の下板20aを後部座枠10aの上に取り付けた支持枠21に固定し、開閉具20の上板20bを平板状の支持板22に固定して、支持板22が図4図5の矢印A-B方向に回動できるようにしてある。受け材5は開閉具20、支持板22の外周にウレタン、その他のクッション材を配置して表材で包んである。この場合、表材で包まれた開閉具20の上板20bが図3(a)~(c)のように前後に開閉動作し易くなるように、表材の上板開閉箇所に切り込み19(図7)を入れてある。開閉具20はその作用、機能を発揮できれば、前記以外の構造であってもよい。
【0023】
(実施形態2)
本発明では、図8のように、背クッション4を背凭れ3に連結具30で連結して、背凭れ3の上に起立、倒伏可能とすることもできる。この場合も、背凭れ3は図1のように座1の座面2に前後移動できるように取り付けられている。連結具30は背凭れ3及び背クッション4に内蔵されている。
【0024】
背凭れ3と背クッション4の連結構造は任意とすることができる。図8(a)は背クッション4を背凭れ3の前に倒して、背クッション4を着座者の背中を支持する支持クッションとして使用できるようにしたものであり、図8(b)は背クッション4を背凭れ3の上に起立させて、背クッション4をヘッドレストとして使用することができるようにしたものである。この場合、図8(b)のように背クッション4の下部を背凭れ3の上部に立ち上げて、背クッション4をヘッドレストとして使用しても、連結具30により、背クッション4が後方に倒れないようにしてある。図8(c)は背凭れ3を座面2の前方に移動させた状態である。連結具30はその作用、機能を発揮できれば任意の構造であってもよい。
【0025】
(実施形態3)
本発明では、図9(a)のように、背クッション4を背凭れ3の前に倒して、背クッション4を支持クッションとして使用できるようにしたり、図9(b)のように、背クッション4を背凭れ3の上に起立させて、背クッション4をヘッドレストとして使用したりできるようにすることもできる。この場合、背凭れ3と背クッション4の連結部内に連結具30を内蔵して、背クッション4を背凭れ3の上方に起立させてヘッドレストとして使用したときに背クッション4が後方に倒れないようにしてある。背凭れ3は図1のように座面2の前方と後方に移動できるようにしてあり、図9(c)は背凭れ3を座面2の前方に移動させた状態である。
【0026】
(実施形態4)
本発明では、図10(a)のように、背凭れ3の上に背クッション4を連結することもできる。図10では背クッション4を背凭れ3の前に倒して、背クッション4を支持クッションとして使用でき、図10(b)のように、背クッション4を背凭れ3の上に起立させて、背クッション4をヘッドレストとして使用することもできる。この場合も、背凭れ3と背クッション4の連結部内に連結具30が内蔵されており、図10(a)の倒伏状態、図10(b)の起立状態に維持し易くすることができる。図10(c)は背凭れ3を座面2の前方に移動させた状態である。
【0027】
(実施形態5)
本発明の着座具は図11(a)(b)のような二人掛け用のソファであってもよい。この場合も、背凭れ3と、その上に載せたり、前に降ろしたりすることができる背クッション4を設け、背凭れ3の上であり且つ背クッション4の背後に受け材5を設けてある。背クッション4と受け材5は図2図11(c)のように、受け材5の上部5aの全幅を背クッション4の背面に連結して、図3(a)から図3(c)のように、背クッション4を背凭れ3の上に載せると受け材5が背クッション4で押されて立ち上がり、図3(c)から図3(a)のように、背クッション4を背凭れ3の前に降ろすと受け材5が背クッション4により前方に引かれて背凭れ3の上に倒伏するようにする。
【0028】
(実施形態6)
本発明の着座具は図12(a)(b)のような三人掛け用のソファであってもよい。この場合も、背凭れ3と、その上に載せたり、前に降ろしたりすることができる背クッション4を設け、背凭れ3の上であり且つ背クッション4の背後に受け材5を設ける。この場合も、背クッション4と受け材5は図2図11(c)のように連結する。
【0029】
(実施形態7)
実施形態1~6のいずれも、背凭れ3が座面2の前後方向に移動できる場合であるが、本発明では、背凭れ3が座面2の前後方向に移動しない固定式にすることもできる。この場合も、図1のように背凭れ3と、背クッション4と、受け材5を設け、図2のように受け材5を背クッション4の背面側に連結して、背クッション4を背凭れ3の上に載せると受け材5が背クッション4で押されて背凭れ3の上に立ち上がり、背クッション4を背凭れ3の前に降ろすと受け材5が背クッション4に引かれて背凭れ3の上に倒伏するようにすることもできる。
【0030】
(実施形態8)
前記実施形態における前後移動具12は回動式であるが、本発明における前後移動具は前後にスライド移動できる移動式とすることもできる。この場合も、前後移動具は外から見えないように背凭れに内蔵するのがよい。
【産業上の利用可能性】
【0031】
本発明の着座具がソファの場合、袖があるものでも、ないものであってもよい。本発明の着座具は座枠があってもなくてもよい。着座具や座枠の形状、構造、サイズ、前後移動具や開閉具の構造やその取付け構造、その他の部材の構造や形状等も、本発明の課題を解決可能な範囲で変更可能である。
【符号の説明】
【0032】
1 座
2 座面(座の上面)
3 背凭れ
4 背クッション
5 受け材
5a (受け材の)上部
10 座枠
10a 後部座枠
10b 前部座枠
11 マット
12 前後移動具
13 固定ブラケット
14 可動ブラケット
15a、15b アーム
16 バー
17a 外板
17b 内板
18 細長開口(切り欠き)
19 切り込み
20 開閉具
20a 下板
20b 上板
20c 軸
21 支持枠
22 支持板
23 覆い板
30 連結具
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
【手続補正書】
【提出日】2024-04-16
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はソファに関する。
【背景技術】
【0002】
ソファには各種形態のものがある。一例として、背凭れの上にヘッドレストが付いたソファがある(特許文献1)。
【0003】
特許文献1のソファは、ヘッドレストを背凭れの上に起こしたり(立ち上げたり)、背凭れの前面に倒したりすることができるようにしてある。ヘッドレストを背凭れの前面に倒すと、背凭れの前面にクッションを配置しなくとも、ヘッドレストに背中を当てて着座することができる。ヘッドレストを背凭れの上に起こすと、背中を背凭れに凭れかけ、頭をヘッドレストに当てて着座することができる。このため、ヘッドレストを倒したり起こしたりするだけで、座り心地の良い姿勢で着座することができるという利点がある。
【0004】
特許文献1のソファは、背凭れの前面に倒したヘッドレストに背中を凭れかけて着座している状態で、ヘッドレストを背凭れの上に起こすと、背凭れと背中の間の間隔が広くなって後方に倒れ易くなる。後方に倒れないようにするためには、着座している人が背凭れ側(座の後方)に移動する(着座位置を後方にずらす)とか、背凭れと背中の間にクッションを入れるなどしなければならない。しかし、ヘッドレストを背凭れの上に起こす度に後方に着座位置をずらしたり、クッションを入れたりするのは煩わしい。クッションを入れるためにはクッションが必要にもなる。
【0005】
背凭れに背中を凭れかけ、ヘッドレストに頭を凭れかけている状態で、ヘッドレストを背凭れの前面に倒すためには、着座している人が座の前方に移動して(着座位置を前方にずらして)、背凭れと背中の間にヘッドレストが入るだけのスペースを作らなければならない。しかし、ヘッドレストを倒すたびに着座位置を前方にずらすのも煩わしい。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2019-170694号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明の解決課題は、背凭れを座面の上で前後移動させることができるようにすること、背クッションを背凭れの上に起こしても、着座者の背中を背凭れに凭れかけることができるようにして、背凭れと背中の間にクッションを入れたり、着座者が着座位置を後方にずらしたりする煩わしさをなくすことにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明のソファは、座面の上に背凭れがあり、背凭れの内部に前後移動具があり、背凭れを手動又は電動で前方移動させたり、後方移動させたりすると、前後移動具が背凭れと同様に移動して背凭れが座面の上で前後に移動できるようにしたものである。また、前後移動具を背凭れに内蔵して外部から見えないようにもしてある。
【0009】
本発明のソファは、背凭れの他に背クッションを設け、背クッションは背凭れの上に載せたり背凭れの前に降ろしたりすることができ、背凭れの上に載せるとヘッドレストとして使用でき、背凭れの前に降ろすと着座者の背中を支持できる支持クッションとして使用できるようにもしてある。
【0010】
本発明のソファは、背凭れの上で且つ背クッションの背面側に受け材を設け、受け材を背クッションの背面側に連結して、受け材は背クッションを背凭れの上に載せると背クッションで押されて背凭れの上に立ち上がり、背クッションを背凭れの前に降ろすと背クッションに引かれて背凭れの上に倒伏するようしてある。
【発明の効果】
【0011】
本発明のソファは次のような効果がある。
(1)背凭れをソファの座面の上で前後移動させて、背凭れと背中の間の間隔を調整することができるので、着座者が着座位置を前後にずらしたり、背凭れと背中の間に入れたりするクッションを別途用意したり、クッションを出し入れする煩わしさがない。
(2)背クッションを、背凭れの上に載せてヘッドレストとしても、背凭れの前に降ろして支持クッションとしても使用することができるので、ソファを、着座者が楽な姿勢になるように使い分けることができる。
(3)受け材が背クッションの背面側で背凭れの上に立ち上がるので、受け材で背クッションを支持することができる。また、背クッションを支持するための支持具を別途用意する必要もない。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1】本発明のソファの一例を示す斜視図。
図2】本発明のソファの背クッションと受け材の説明図。
図3】(a)~(c)は本発明のソファにおける背凭れの上げ降ろしの説明図、(d)は背凭れが前方移動した状態の説明図。
図4】本発明のソファに使用される前後移動具の取付け説明図であり、背凭れが座面の後方にある場合の説明図。
図5】本発明のソファに使用される前後移動具の取付け説明図であり、背凭れが座面の前方に移動した場合の説明図。
図6】本発明のソファに使用される前後移動具の説明図であって、(a)は前後移動具の可動ブラケットを前向きにした状態の説明図、(b)は可動ブラケットを上向きにした状態の説明図、(c)は可動ブラケットを後ろ向きにした状態の説明図。
図7】本発明のソファにおいて、受け材が縦向きになった状態の説明図。
図8】(a)~(c)は本発明のソファにおける背クッションの動作説明図。
図9】(a)~(c)は本発明のソファにおける他の背クッションの動作説明図。
図10】(a)~(c)は本発明のソファにおける異なる背クッションの動作説明図。
図11】本発明のソファが二人掛け用ソファの場合であり、(a)は背クッションを背凭れの前に降ろした状態の斜視図、(b)は背クッションを背凭れの上に載せた状態の斜視図、(c)は背クッションと受け材の連結説明図。
図12】本発明のソファが三人掛け用ソファの場合であり、(a)は背クッションを背凭れの前に降ろした状態の斜視図、(b)は背クッションを背凭れの上に載せた状態の斜視図。
【発明を実施するための形態】
【0013】
(実施形態1)
本発明のソファの実施形態の一例を、図面を参照して説明する。本発明のソファの形状、サイズ等はどのようなものであってもよい。一例として図1図10に示したソファは袖や脚等を図示していないものである。本発明のソファは一人掛け用、二人掛け用以上のいずれであってもよい。一例である図11(a)(b)は二人掛け用のソファ、図12(a)(b)は三人掛け用のソファである。
【0014】
図1ソファは、座1の上面(座面)2の上に背凭れ3と背クッション4と受け材5がある。背凭れ3、背クッション4、受け材5は本革、合成皮革、布等の表材の内側にウレタン、その他のクッション材が内蔵されている。図1の背凭れ3は横長角状であり、背クッション4は背凭れ3と同じ長さの横長であるが、厚さが背凭れ3よりも薄い。受け材5は背クッション4と同じ長さの横長であるが、厚さが背クッション4よりも薄い。図2のように、受け材5の上部5aは背クッション4の背面に連結されている。
【0015】
[背凭れの動作]
背凭れ3は座1の座面2の後方位置(図3(c))から前方位置(図3(d))まで前方移動可能であり、前方位置(図3(d))から後方位置(図3(c))まで後方移動(戻り移動)可能である。図3(c)の後方位置から図3(d)の前方位置への移動は、手動或いは電動で自動的に行うことができる。手動で行う場合は、例えば、座1に着座している人が、両腕を後ろに回して背凭れ3を前方に引き寄せる(前方移動させる)ことにより行うことができる。図3(d)の前方位置から図3(c)の後方位置への移動は、座1に着座している人が、両腕を後ろに回して背凭れ3を後方に押す(後方移動させる)ことにより行うことができる。
【0016】
[背クッションの動作]
背クッション4は図3(a)~(c)のように背凭れ3の上に載せたり、背凭れ3の前に降ろしたりすることができ、背凭れ3の上に載せるには、座1に着座している人が、両腕を後ろに回して背クッション4を背凭れ3の前面に沿って上方に押し上げることにより行うことができる。背凭れ3の前に降ろすには、着座している人が、両腕を後ろに回して背クッション4を背凭れ3の前面に沿わせて前方に引き下げることにより行うことができる。背クッション4は背凭れ3の上に載せるとヘッドレストして使用でき、背凭れ3の前面に降ろすと着座者の背中を支持できる支持クッションとして使用できる。背クッション4の載せ降ろしも電動で行うこともできる。
【0017】
[受け材の動作]
受け材5は図2のように、上部5aが背クッション4に連結されており、図3(c)のように背クッション4を背凭れ3の上に載せると、背クッション4で押されて背凭れ3の上で立ち上がって、背クッション4の背面を支持する(背クッション4を立て掛ける)ことができ、図3(a)のように背クッション4を背凭れ3の前に降ろすと、背凭れ3の上で前方に倒れて背クッション4から離れない。このように、受け材5が背クッション4の操作と連動するため、操作性も良い。
【0018】
[座の構成]
図1の座1は汎用のソファと同様に、木製、樹脂製等の剛性の座枠10(図4図5)を備えている。図4図5の座枠10には前後方向の奥行きが狭い後部座枠10aと、後部座枠10aよりも一段低く且つ後部座枠10aよりも前後方向の奥行きが広い前部座枠10bがある。後部座枠10a及び前部座枠10bの外周に汎用のソファと同様にウレタン、その他のクッション材(図示せず)が配置され、その外周が皮革、本革、布等の表材(図示せず)で包まれている。また、前部座枠10bの上には、ウレタン、その他のクッション材が表材で包まれたマット11が配置されて、座1の座面2が前縁から後縁まで同じ高さ(同一面)になっている。
【0019】
[背凭れの構成]
背凭れ3は、図3(c)の後方位置から図3(d)の前方位置まで移動できるようにするため、座枠10の後部座枠10aの上に、図6の前後移動具12を図4図5のように取り付けてある。
【0020】
[前後移動具の構成、取り付け]
前後移動具12としては図6(a)~(c)のようなものを使用することができる。図6(a)~(c)の前後移動具12は、後部座枠10aの上に固定する二つの固定ブラケット13があり、それらの夫々に、可動ブラケット14が、二枚のアーム15a、15bを介して取り付けられている。また、左右のアーム15bをバー16で連結することにより、左右の可動ブラケット14が図6(b)の矢印A-B方向に同時に回動して前後移動(矢印A方向に回動したときは前方移動、矢印B方向に回動したときは後方移動)するようにしてある。図6(a)は可動ブラケット14が矢印A方向に回動した状態(前傾状態)、図6(c)は可動ブラケット14が矢印B方向に回動した状態(後傾状態)である。夫々の固定ブラケット13は図4図5のように後部座枠10aの上にネジ等の固定具で固定されている。図4図5のように、固定ブラケット13、可動ブラケット14、アーム15a、15bは外板17aと内板17b、覆い板23を備えた支持枠21で囲まれている。バー16は内板17bの下部の細長開口(切り欠き)18(図4図5)の内側に配置されて、可動ブラケット14の矢印A-B方向への回動に伴って、細長開口18内を前後移動できるようにしてある(細長開口18を設けることによりバー16の前後移動が阻害されない。)。
【0021】
前後移動具12はその外周に配置したウレタン、その他のクッション材、その外周を被覆する表材で囲まれて図3(a)のように背凭れ3に内蔵されて、外から見えないようにしてある。前後移動具12を背凭れ3に内蔵することにより、座面2に前後移動具12の前後移動が阻害されないようにするための切り込みを入れる必要がなく、座面2に傷が付かず体裁が良く、座り心地も損なわれない。前後移動具12はその作用、機能を発揮できれば前記以外の構造であってもよく、例えば、座1の上を前後に水平移動(水平スライド)するようなものであってもよい。前後移動具12にアクチュエータ等の駆動機構を連動させて、電動で前後移動できるようにすることもできる。このようにすれば、背凭れ3が、前後移動具12の前後移動に伴って自動的に前後移動する。
【0022】
[受け材の構成]
受け材5は図3(a)の横向き状態から図3(c)の起立状態まで起立、倒伏できるようにするため、開閉具20(図4図5図7)を使用してある。開閉具20は細長の下板20aと上板20bを軸20cで開閉可能に連結してあり、上板20bが任意角度になると、それ以上は開かないようにしてある。図4図5図7では、開閉具20の下板20aを後部座枠10aの上に取り付けた支持枠21に固定し、開閉具20の上板20bを平板状の支持板22に固定して、支持板22が図4図5の矢印A-B方向に回動できるようにしてある。受け材5は開閉具20、支持板22の外周にウレタン、その他のクッション材を配置して表材で包んである。この場合、表材で包まれた開閉具20の上板20bが図3(a)~(c)のように前後に開閉動作し易くなるように、表材の上板開閉箇所に切り込み19(図7)を入れてある。開閉具20はその作用、機能を発揮できれば、前記以外の構造であってもよい。
【0023】
(実施形態2)
本発明では、図8のように、背クッション4を背凭れ3に連結具30で連結して、背凭れ3の上に起立、倒伏可能とすることもできる。この場合も、背凭れ3は図1のように座1の座面2に前後移動できるように取り付けられている。連結具30は背凭れ3及び背クッション4に内蔵されている。
【0024】
背凭れ3と背クッション4の連結構造は任意とすることができる。図8(a)は背クッション4を背凭れ3の前に倒して、背クッション4を着座者の背中を支持する支持クッションとして使用できるようにしたものであり、図8(b)は背クッション4を背凭れ3の上に起立させて、背クッション4をヘッドレストとして使用することができるようにしたものである。この場合、図8(b)のように背クッション4の下部を背凭れ3の上部に立ち上げて、背クッション4をヘッドレストとして使用しても、連結具30により、背クッション4が後方に倒れないようにしてある。図8(c)は背凭れ3を座面2の前方に移動させた状態である。連結具30はその作用、機能を発揮できれば任意の構造であってもよい。
【0025】
(実施形態3)
本発明では、図9(a)のように、背クッション4を背凭れ3の前に倒して、背クッション4を支持クッションとして使用できるようにしたり、図9(b)のように、背クッション4を背凭れ3の上に起立させて、背クッション4をヘッドレストとして使用したりできるようにすることもできる。この場合、背凭れ3と背クッション4の連結部内に連結具30を内蔵して、背クッション4を背凭れ3の上方に起立させてヘッドレストとして使用したときに背クッション4が後方に倒れないようにしてある。背凭れ3は図1のように座面2の前方と後方に移動できるようにしてあり、図9(c)は背凭れ3を座面2の前方に移動させた状態である。
【0026】
(実施形態4)
本発明では、図10(a)のように、背凭れ3の上に背クッション4を連結することもできる。図10では背クッション4を背凭れ3の前に倒して、背クッション4を支持クッションとして使用でき、図10(b)のように、背クッション4を背凭れ3の上に起立させて、背クッション4をヘッドレストとして使用することもできる。この場合も、背凭れ3と背クッション4の連結部内に連結具30が内蔵されており、図10(a)の倒伏状態、図10(b)の起立状態に維持し易くすることができる。図10(c)は背凭れ3を座面2の前方に移動させた状態である。
【0027】
(実施形態5)
本発明のソファ図11(a)(b)のような二人掛け用のソファであってもよい。この場合も、背凭れ3と、その上に載せたり、前に降ろしたりすることができる背クッション4を設け、背凭れ3の上であり且つ背クッション4の背後に受け材5を設けてある。背クッション4と受け材5は図2図11(c)のように、受け材5の上部5aの全幅を背クッション4の背面に連結して、図3(a)から図3(c)のように、背クッション4を背凭れ3の上に載せると受け材5が背クッション4で押されて立ち上がり、図3(c)から図3(a)のように、背クッション4を背凭れ3の前に降ろすと受け材5が背クッション4により前方に引かれて背凭れ3の上に倒伏するようにする。
【0028】
(実施形態6)
本発明のソファ図12(a)(b)のような三人掛け用のソファであってもよい。この場合も、背凭れ3と、その上に載せたり、前に降ろしたりすることができる背クッション4を設け、背凭れ3の上であり且つ背クッション4の背後に受け材5を設ける。この場合も、背クッション4と受け材5は図2図11(c)のように連結する。
【0029】
(実施形態7)
実施形態1~6のいずれも、背凭れ3が座面2の前後方向に移動できる場合であるが、本発明では、背凭れ3が座面2の前後方向に移動しない固定式にすることもできる。この場合も、図1のように背凭れ3と、背クッション4と、受け材5を設け、図2のように受け材5を背クッション4の背面側に連結して、背クッション4を背凭れ3の上に載せると受け材5が背クッション4で押されて背凭れ3の上に立ち上がり、背クッション4を背凭れ3の前に降ろすと受け材5が背クッション4に引かれて背凭れ3の上に倒伏するようにすることもできる。
【0030】
(実施形態8)
前記実施形態における前後移動具12は回動式であるが、本発明における前後移動具は前後にスライド移動できる移動式とすることもできる。この場合も、前後移動具は外から見えないように背凭れに内蔵するのがよい。
【産業上の利用可能性】
【0031】
本発明のソファは袖があるものでも、ないものであってもよい。本発明のソファは座枠があってもなくてもよい。ソファや座枠の形状、構造、サイズ、前後移動具や開閉具の構造やその取付け構造、その他の部材の構造や形状等も、本発明の課題を解決可能な範囲で変更可能である。
【符号の説明】
【0032】
1 座
2 座面(座の上面)
3 背凭れ
4 背クッション
5 受け材
5a (受け材の)上部
10 座枠
10a 後部座枠
10b 前部座枠
11 マット
12 前後移動具
13 固定ブラケット
14 可動ブラケット
15a、15b アーム
16 バー
17a 外板
17b 内板
18 細長開口(切り欠き)
19 切り込み
20 開閉具
20a 下板
20b 上板
20c 軸
21 支持枠
22 支持板
23 覆い板
30 連結具
【手続補正2】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
座の座面の上に背凭れと、背クッションがあり、
背凭れの上であり且つ背クッションの背面側に受け材があり、
受け材はその先端側が背クッションに連結され、根元側が開閉具で背凭れに連結されており、
背クッションは前面を前向きにし、背面を座凭れの前面に沿わせて上方移動させて、背凭れの上に載せてヘッドレストとして使用でき、その向きのままで背面を背凭れの前面に沿わせて下方移動させて、背凭れの上から背凭れの前面まで降ろして着座者の背中を支持できる支持クッションとして使用でき、
受け材は、背クッションを背凭れの上に載せると背クッションにより後方に起こされて背凭れの上に起立して、背クッションをその背面側から支持することができ、背クッションを背凭れの前に降ろすと背クッションにより前方に引かれて背凭れの上で前方に倒伏することができ、起立時に背クッションを背面側から支持することができる、
ことを特徴とするソファ
【請求項2】
請求項1記載のソファにおいて、
開閉具は、受け材が背クッションに押されて背凭れの上で立ち上がると、所定角度以上は開くことなく受け材を支持できる、
ことを特徴とするソファ
【請求項3】
請求項1又は請求項2記載のソファにおいて、
開閉具は受け材と背凭れに内蔵されて、外部から見えないようにしてある、
ことを特徴とするソファ
【請求項4】
請求項記載のソファにおいて、
受け材が背クッションに押されて背凭れの上で立ち上がり、開閉具で支持されて所定角度以上に開かなくなると、背クッションが起立された受け材で支持されてそれ以上は後方に倒れないようにした、
ことを特徴とするソファ
【請求項5】
請求項1又は請求項2記載のソファにおいて、
背凭れが座面の上で、座面の前後方向に移動できる、
ことを特徴とするソファ
【請求項6】
請求項1又は請求項2記載のソファにおいて、
固定部と、固定部の前後方向に往復回動可能な回動部を備えた前後移動具の当該固定部を座に取り付け、回動部を背凭れに内蔵して外から見えないようにしてあり、背凭れを座面の前後方向に回動させると回動部が同方向に回動して、背凭れが座面の上で前後方向に回動移動できるようにしてある、
ことを特徴とするソファ
【請求項7】
請求項1又は請求項2記載のソファにおいて、
背凭れが座面の上をスライドして座面の前後方向に往復移動できるようにしてある、
ことを特徴とするソファ