(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024061105
(43)【公開日】2024-05-07
(54)【発明の名称】作業管理方法、作業管理システム、及び作業管理プログラム
(51)【国際特許分類】
G06Q 50/02 20240101AFI20240425BHJP
【FI】
G06Q50/02
【審査請求】未請求
【請求項の数】12
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022168827
(22)【出願日】2022-10-21
(71)【出願人】
【識別番号】720001060
【氏名又は名称】ヤンマーホールディングス株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100205350
【弁理士】
【氏名又は名称】狩野 芳正
(74)【代理人】
【識別番号】100117617
【弁理士】
【氏名又は名称】中尾 圭策
(72)【発明者】
【氏名】石川 彬
【テーマコード(参考)】
5L049
5L050
【Fターム(参考)】
5L049CC01
5L050CC01
(57)【要約】
【課題】ユーザによる営農管理を効率的に支援する。
【解決手段】作業管理方法は、1つ以上の圃場500において作業を行う作業装置30の稼働情報、または、1つ以上の圃場500において栽培する作物の作型に関する領域を表す作型領域情報に基づき、時間的に離れて作業が行われた第1作業領域510-1と第2作業領域510-2とを統合作業領域として統合することを含む。また、作業管理方法は、統合作業領域を表す領域情報を出力することを含む。第1作業領域510-1と第2作業領域510-2とを統合することは、第1作業領域510-1における作業装置30の稼働情報を表す第1稼働情報と、第2作業領域510-2における作業装置30の稼働情報を表す第2稼働情報との類似の程度を表す類似度に基づき、第1作業領域510-1と第2作業領域510-2とを統合することを含んでもよい。
【選択図】
図6A
【特許請求の範囲】
【請求項1】
1つ以上の圃場において作業を行う作業装置の稼働情報、または、前記1つ以上の圃場において栽培する作物の作型に関する領域を表す作型領域情報に基づき、時間的に離れて作業が行われた第1作業領域と第2作業領域とを統合作業領域として統合することと、
前記統合作業領域を表す領域情報を出力することと、
を含む作業管理方法。
【請求項2】
前記第1作業領域と前記第2作業領域とを統合することは、
前記第1作業領域における前記作業装置の前記稼働情報を表す第1稼働情報と、前記第2作業領域における前記作業装置の前記稼働情報を表す第2稼働情報との類似の程度を表す類似度に基づき、前記第1作業領域と前記第2作業領域とを統合すること
を含む請求項1に記載の作業管理方法。
【請求項3】
前記稼働情報は、各時刻における前記作業装置の速度を表す情報を含み、
前記第1作業領域と前記第2作業領域とを統合することは、
前記作業装置が作業を行っているときの前記第1稼働情報における第1速度と、前記作業装置が作業を行っているときの前記第2稼働情報における第2速度との差に基づき前記類似度を決定することと、
前記類似度が閾値より大きいとき、前記第1作業領域と前記第2作業領域とを前記統合作業領域として統合することと、
を含む請求項2に記載の作業管理方法。
【請求項4】
前記稼働情報は、前記1つ以上の圃場において前記作業装置が行った作業の作業幅を表す情報を含み、
前記第1作業領域と前記第2作業領域とを統合することは、
前記第1稼働情報における前記作業装置の作業幅を表す第1作業幅と、前記第2稼働情報における前記作業装置の作業幅を表す第2作業幅との差に基づき前記類似度を決定することと、
前記類似度が閾値より大きいとき、前記第1作業領域と前記第2作業領域とを前記統合作業領域として統合することと、
を含む請求項2に記載の作業管理方法。
【請求項5】
前記稼働情報は、前記作業装置の各時刻における位置を表す位置情報を含み、
前記第1作業領域と前記第2作業領域とを統合することは、
前記位置情報に基づき、前記第1作業領域と、前記第2作業領域とにおいて、前記作業装置が直線的に移動した直線軌道を決定することと、
前記第1作業領域において隣接する2つの直線軌道の距離と、前記第2作業領域とにおいて隣接する2つの直線軌道の距離とに基づき、前記類似度を決定することと、
前記類似度が閾値より大きいとき、前記第1作業領域と前記第2作業領域とを前記統合作業領域として統合すること
を含む請求項2に記載の作業管理方法。
【請求項6】
前記第1作業領域と前記第2作業領域とを統合することは、
前記作型領域情報において、前記第1作業領域の少なくとも一部において栽培される作物の第1作型と、前記第2作業領域の少なくとも一部において栽培される作物の第2作型とに基づき、前記第1作業領域と前記第2作業領域とを統合すること
を含む請求項1から5のいずれか1項に記載の作業管理方法。
【請求項7】
前記統合作業領域において栽培される作物の作型に基づき、複数の畝を有する前記統合作業領域を、第1畝群を含む第3領域と、前記第1畝群で栽培される作物の作型と異なる作型の作物を栽培する第2畝群を含む第4領域とに分割することを
さらに含む請求項1に記載の作業管理方法。
【請求項8】
前記統合作業領域を前記第3領域と前記第4領域とに分割することは、
前記領域情報の出力に対する応答として、前記統合作業領域に含まれる前記複数の畝のうち、前記第1畝群と前記第2畝群とが選択された選択情報を受け付けることと、
前記選択情報に基づき、前記統合作業領域における前記複数の畝を前記第1畝群と前記第2畝群とに分類すること、
を含む請求項7に記載の作業管理方法。
【請求項9】
前記統合作業領域を前記第3領域と前記第4領域とに分割することは、
前記作型領域情報において、第3作型で作物を栽培する領域に含まれる前記複数の畝を前記第1畝群として決定することと、
前記作型領域情報において、前記第3作型と異なる第4作型で作物を栽培する領域に含まれる前記複数の畝を前記第2畝群として決定することと、
を含む請求項7に記載の作業管理方法。
【請求項10】
前記第1作業領域と前記第2作業領域とを統合することは、
前記第1作業領域において前記作業装置が作業を行った第1期間と、前記第2作業領域において前記作業装置が作業を行った第2期間との時間差が第1閾値より小さいとき、前記第1作業領域と前記第2作業領域とを統合すること
を含む請求項1に記載の作業管理方法。
【請求項11】
1つ以上の圃場において作業を行う作業装置の稼働情報、または、前記1つ以上の圃場において栽培する作物の作型に関する領域を表す作型領域情報に基づき、時間的に離れて作業が行われた第1作業領域と第2作業領域とを統合作業領域として統合する領域統合部と、
前記統合作業領域を表す領域情報を出力する出力部と、
を備える作業管理システム。
【請求項12】
1つ以上の圃場において作業を行う作業装置の稼働情報、または、前記1つ以上の圃場において栽培する作物の作型に関する領域を表す作型領域情報に基づき、時間的に離れて作業が行われた第1作業領域と第2作業領域とを統合作業領域として統合することと、
前記統合作業領域を表す領域情報を出力することと、
を演算装置に実行させる作業管理プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、作業管理方法、作業管理システム、及び作業管理プログラムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
近年、栽培管理の分析に圃場における作業に関する情報を用いることが研究されている。
【0003】
特許文献1には、圃場を移動して作業を行う作業車両の位置情報から、作業車両が作業を行った作業領域を検出する技術が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1に記載の技術において、作業車両の作業領域は、作業車両の一連の位置情報、例えば作業車両がキーオンされてからキーオフされるまでの期間における位置情報に基づき検出される。このため、同じ作業領域として管理したい領域が、作業中に一度、キーオフされると、異なる作業領域として検出される場合がある。例えば、同じ作業領域として管理したい領域を数日間で作業する場合、単一に管理したい作業領域が分割される場合がある。このため、ユーザによる営農管理が非効率的な場合があった。
【0006】
上記の状況に鑑み、本開示は、単一に管理したい領域の作業を途中で中断した場合であっても、ユーザによる営農管理を効率的に支援することを目的の1つとする。他の目的については、以下の記載及び実施の形態の説明から理解することができる。
【課題を解決するための手段】
【0007】
以下に、発明を実施するための形態で使用される番号・符号を用いて、課題を解決するための手段を説明する。これらの番号・符号は、特許請求の範囲の記載と発明を実施するための形態との対応関係の一例を示すために、参考として、括弧付きで付加されたものである。よって、括弧付きの記載により、特許請求の範囲は、限定的に解釈されるべきではない。
【0008】
上記目的を達成するための一実施の形態による作業管理方法は、1つ以上の圃場(500)において作業を行う作業装置(30)の稼働情報、または、1つ以上の圃場(500)において栽培する作物の作型に関する領域を表す作型領域情報に基づき、時間的に離れて作業が行われた第1作業領域(510-1)と第2作業領域(510-2)とを統合作業領域として統合することを含む。また、作業管理方法は、統合作業領域を表す領域情報を出力することを含む。
【0009】
上記目的を達成するための一実施の形態による作業管理システム(1000)は、領域統合部(160)と、出力部(170)とを備える。領域統合部(160)は、1つ以上の圃場(500)において作業を行う作業装置(30)の稼働情報、または、1つ以上の圃場(500)において栽培する作物の作型に関する領域を表す作型領域情報に基づき、時間的に離れて作業が行われた第1作業領域(510-1)と第2作業領域(510-2)とを統合作業領域として統合する。出力部(170)は、統合作業領域を表す領域情報を出力する。
【0010】
上記目的を達成するための一実施の形態による作業管理プログラム(420)は、1つ以上の圃場(500)において作業を行う作業装置(30)の稼働情報、または、1つ以上の圃場(500)において栽培する作物の作型に関する領域を表す作型領域情報に基づき、時間的に離れて作業が行われた第1作業領域(510-1)と第2作業領域(510-2)とを統合作業領域として統合することを演算装置(120、220)に実行させる。また、作業管理プログラム(420)は、統合作業領域を表す領域情報を出力することを演算装置(120、220)に実行させる。
【発明の効果】
【0011】
上記の形態によれば、ユーザによる営農管理を効率的に支援することができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【
図1】一実施の形態における作業管理システムの概略図である。
【
図2】一実施の形態において、作業装置により行われる作業を説明するための図である。
【
図3】一実施の形態における作業管理装置の構成を表す図である。
【
図4】一実施の形態における作業管理システムが実行する機能ブロックを表す図である。
【
図5】一実施の形態における端末の構成を表す図である。
【
図6A】一実施の形態における作業管理システムによる処理を表すフローチャートである。
【
図6B】一実施の形態における作業管理システムによる処理を表すフローチャートである。
【
図7】一実施の形態における端末が表示する領域画像を説明するための図である。
【
図8】一実施の形態における作型領域情報を説明するための図である。
【
図9A】一実施の形態における作業管理システムによる処理を表すフローチャートである。
【
図9B】一実施の形態における作業管理システムによる処理を表すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0013】
(実施の形態1)
本発明の本実施の形態による作業管理システム1000を、図面を参照して説明する。本実施の形態において、
図1に示すように、作業管理システム1000は、作業管理装置100と、端末200とを備える。作業管理装置100は、ネットワーク20、例えばインターネットを介して、作業装置30と、端末200とに通信可能に接続されている。
【0014】
作業装置30は、1つ以上の圃場500内を移動して作業、例えば植付を行う。例えば、作業装置30は、測位装置、例えばGNSS(Global Navigation Satellite System)の受信機を備える。測位装置は、作業装置30が1つ以上の圃場500内を作業しながら移動すると、
図2に示すように、各時刻における作業装置30の位置を表す測位位置600を測定する。測定された測位位置600を表す位置情報は、作業管理装置100に出力される。
【0015】
作業管理装置100は、測定された測位位置600を測定された時刻の順番に線で結ぶことで、作業装置30の軌道610を決定する。また、作業管理装置100は、作業装置30の測位位置600に基づき、作業装置30により作業が行われた作業領域510を決定する。作業管理装置100は、決定した作業領域510を表す領域情報をユーザ、例えば圃場500の所有者に提供する。ユーザは、領域情報を利用して、営農管理を行う。
【0016】
ここで、作業装置30は、同じ作物を同じ作型で栽培する場合でも、時間的に離れて、例えば2日の間隔をあけて作業を行う場合がある。例えば、
図2に示すように、作業装置30は、第1作業領域510-1における作業を行ってから数日後に、第2作業領域510-2における作業を行う場合がある。この場合、作業管理装置100は、第1作業領域510-1と、第2作業領域510-2とを異なる作業領域510として決定する場合がある。
【0017】
しかし、第2作業領域510-2で栽培される作物の作型が、第1作業領域510-1で栽培される作物の作型と同じとき、ユーザは、第1作業領域510-1と、第2作業領域510-2とを統合した領域で営農管理を行いたい場合がある。このため、作業管理装置100は、第1作業領域510-1と、第2作業領域510-2とを統合した統合作業領域を表す領域情報をユーザに提供する。これにより、作業管理システム1000は、ユーザによる営農管理を効率的に支援する。ここで、作型は、例えば、栽培される作物の種類、例えば品種と、栽培する期間との組み合わせを表す。
【0018】
作業装置30は、作業機械(例えば移植作業機、播種作業機、施肥散布機、ロータリー耕耘機など)を牽引するトラクター、作業機械と一体に形成された移植機、播種機、コンバイン、農薬を散布するドローンなどを含む。作業装置30は、作業装置30の各時刻における状態を表す状態情報を作業管理装置100に出力してもよい。状態情報は、例えば作業装置30の速度、操舵角、エンジン回転数、各種クラッチのON/OFF状況などを表す。また、作業装置30が作業機械を牽引する車両であるとき、状態情報は、作業機械に動力を伝達するときのPTO(power take-off)回転数、作業機械の姿勢を示すヒッチ高さやリフトアーム角度などの情報を含んでもよい。
【0019】
作業装置30は、位置情報と、状態情報とを含めた稼働情報を作業管理装置100に出力してもよい。
【0020】
(作業管理システムの構成)
図1に示す作業管理システム1000に含まれる作業管理装置100の構成を説明する。作業管理装置100は、
図3に示すように、入出力装置110と、演算装置120と、通信装置130と、記憶装置140とを備える。作業管理装置100は、例えば、コンピュータである。入出力装置110には、演算装置120が処理を実行するための情報が入力される。また、入出力装置110は、演算装置120が処理を実行した結果を出力する。入出力装置110は、様々な入力装置と出力装置とを含み、例えば、キーボード、マウス、マイク、ディスプレイ、スピーカー、タッチパネルなどを含む。入出力装置110は省略されてもよい。
【0021】
通信装置130は、ネットワーク20に電気的に接続され、ネットワーク20を介して各々の装置との通信を行う。通信装置130は、作業装置30から取得する位置情報を演算装置120に転送する。また、演算装置120が生成した信号を端末200に転送する。通信装置130は、例えば、NIC(Network Interface Card)、USB(Universal Serial Bus)などの種々のインタフェースを含む。
【0022】
記憶装置140は、管理する作業領域510を統合または分割するための様々なデータ、例えば領域データ410と、作業管理プログラム420とを格納する。記憶装置140は、作業管理プログラム420を記憶する非一時的記憶媒体(non-transitory tangible storage medium)として用いられる。作業管理プログラム420は、コンピュータ読み取り可能な記憶媒体1に記録されたコンピュータプログラム製品(computer program product)として提供されてもよく、または、サーバからダウンロード可能なコンピュータプログラム製品として提供されてもよい。
【0023】
領域データ410は、作業装置30により作業が行われた1つ以上の作業領域510を表す情報を格納する。例えば、領域データ410は、作業領域510の名前と、位置とを関連付けた情報を格納する。
【0024】
演算装置120は、作業管理プログラム420を記憶装置140から読み出し実行して、管理する作業領域510を統合または分割するための様々なデータ処理を行う。例えば、演算装置120は、中央演算処理装置(CPU;Central Processing Unit)などを含む。
【0025】
演算装置120は、作業管理プログラム420を読み出し実行することで、
図4に示すように、領域決定部150と、領域統合部160と、出力部170と、領域分割部180とを実現する。領域決定部150は、作業装置30の稼働情報に基づき、作業領域510を決定する。領域統合部160は、作業装置30の稼働情報に基づき、2つ以上の作業領域510を統合した統合作業領域を決定する。出力部170は、統合作業領域を表す領域情報を出力する。領域分割部180は、ユーザから入力される畝に関する情報に基づき、統合作業領域を分割した分割領域を決定する。
【0026】
次に、
図1に示す端末200の構成を説明する。端末200は、
図5に示すように、入出力装置210と、演算装置220と、通信装置230と、記憶装置240とを備える。端末200は、例えば、コンピュータ、タブレット、携帯電話などを含む。入出力装置210には、演算装置220が処理を実行するための情報が入力される。また、入出力装置210は、演算装置220が処理を実行した結果を出力する。入出力装置210は、様々な入力装置と出力装置とを含み、例えば、キーボード、マウス、マイク、ディスプレイ、スピーカー、タッチパネルなどを含む。
【0027】
通信装置230は、ネットワーク20に電気的に接続され、ネットワーク20を介して各々の装置との通信を行う。通信装置230は、作業管理装置100から取得する信号を演算装置220に転送する。また、演算装置220が生成した信号を作業管理装置100に転送する。通信装置230は、例えば、無線LAN(Local Area Network)やセルラーネットワークなどの無線通信に用いられる送受信機、NIC(Network Interface Card)、USB(Universal Serial Bus)などの種々のインタフェースを含む。
【0028】
記憶装置240は、作業管理装置100から取得する領域情報を表示するための様々なデータ、例えば表示プログラム430を格納する。記憶装置240は、表示プログラム430を記憶する非一時的記憶媒体(non-transitory tangible storage medium)として用いられる。表示プログラム430は、コンピュータ読み取り可能な記憶媒体2に記録されたコンピュータプログラム製品(computer program product)として提供されてもよく、または、サーバからダウンロード可能なコンピュータプログラム製品として提供されてもよい。
【0029】
演算装置220は、表示プログラム430を読み出し実行することで、
図4に示すように、入出力装置210と協働して、表示部250を実現する。表示部250は、作業管理装置100から取得した領域情報を表示する。
【0030】
(作業管理装置の動作)
図1に示す作業装置30は、圃場500での作業を行うと、位置情報と状態情報とを含む稼働情報を作業管理装置100の演算装置120に送信する。例えば、作業装置30は、エンジンを停止したときに、エンジンを起動してから停止するまでに測定した稼働情報を作業管理装置100の演算装置120に送信する。演算装置120は、作業装置30から稼働情報を受信すると、作業管理プログラム420を読み出し実行する。作業管理プログラム420が読み出し実行されると、演算装置120は、作業管理方法の一部である
図6A、
図6Bに示す処理を開始する。例えば、作業装置30は、
図2に示す第2作業領域510-2における作業を終了したときに、稼働情報を作業管理装置100に送信する。ここで、第1作業領域510-1における作業は、第2作業領域510-2における作業を開始するよりも数日前、例えば3日前に終了しているとする。
【0031】
図6Aに示すステップS110において、演算装置120により実現される領域決定部150は、作業装置30の稼働情報に基づき、作業領域510、例えば第2作業領域510-2を決定する。例えば、領域決定部150は、最初に、作業装置30の稼働情報のうち、作業を行っているときの稼働情報を抽出する。例えば、領域決定部150は、所定の範囲に含まれる速度を表す稼働情報を、作業を行っているときの稼働情報として抽出する。
【0032】
領域決定部150は、次に、抽出された稼働情報により表される測位位置600に基づき、作業領域510を決定する。例えば、領域決定部150は、測位位置600に対する凸包を作業領域510として決定する。領域決定部150は、作業装置30の作業幅を考慮して、作業領域510を決定してもよい。例えば、領域決定部150は、測位位置600の凸包に対して作業幅に応じて拡大した領域を作業領域510として決定してもよい。また、領域決定部150は、測位位置600の凸包に対して作業幅の半分の距離だけ拡大した領域を作業領域510として決定してもよい。
【0033】
また、領域決定部150は、作業装置30の軌道610を決定してもよい。例えば、領域決定部150は、
図2に示すように、測定された時刻が隣接する2つの測位位置600を結んだ線をつなげた経路を軌道610として決定する。軌道610は、例えば、作業装置30が直線的に移動する直線軌道611と、作業装置30が旋回する旋回軌道612とを含む。
【0034】
図6Aに示すステップS120において、領域統合部160は、領域データ410から、第2作業領域510-2において作業が開始された時刻に対して、所定の期間内に作業を行った作業領域510を検索する。例えば、領域統合部160は、第2作業領域510-2において作業が開始された時刻に対して、作業を終了した時刻が所定の期間内である作業領域510を検索する。所定の期間内に作業を行った作業領域510が存在する場合、領域統合部160はステップS130の処理を実行する。所定の期間内に作業を行った作業領域510が存在しない場合、処置はステップS150に移行する。ここで、所定の期間は、同じ作型の作物を栽培している作業領域510において、作業を休止する期間を表す。例えば、所定の期間は、作物の作型に応じた固定値を表す。
【0035】
ステップS130において、領域統合部160は、第2作業領域510-2における作業装置30の稼働情報が、検索された作業領域510、例えば第1作業領域510-1における作業装置30の稼働情報と類似するか否かを判定する。例えば、領域統合部160は、2つの稼働情報の類似する程度を表す類似度を決定し、決定された類似度に基づき、2つの稼働情報が類似するか否かを判定する。
【0036】
例えば類似度は、2つの稼働情報に含まれる2つの状態情報の類似度を表す。例えば、領域統合部160は、第2作業領域510-2における作業装置30の状態情報に表される第2速度と、第1作業領域510-1における作業装置30の状態情報に表される第1速度との差に基づき、類似度を決定する。例えば、領域統合部160は、第1速度と第2速度との差が大きいほど、類似度が小さくなるように決定される。第1速度と、第2速度とは、稼働情報に表された速度の統計値、例えば作業装置30の平均速度を表してもよく、稼働情報に表された複数の速度の中央値を表してもよい。
【0037】
領域統合部160は、例えば類似度が閾値より大きいとき、2つの稼働情報が類似すると判定する。2つの稼働情報が類似するとき、領域統合部160は、ステップS140の処理を実行する。2つの稼働情報が類似しないとき、処理は、ステップS150に移行する。
【0038】
ステップS140において、領域統合部160は、第2作業領域510-2と、検索された作業領域510、例えば第1作業領域510-1とを統合する。例えば、領域統合部160は、
図2に示すように、第1作業領域510-1と、第2作業領域510-2とを含む統合作業領域を決定する。
【0039】
ステップS150において、出力部170は、統合作業領域を表す領域情報を端末200に出力する。領域情報は、統合する前の作業領域510、例えば第1作業領域510-1と、第2作業領域510-2とを表す情報を含んでもよい。また、領域情報は、
図2に示す直線軌道611を、圃場500の畝の位置として表す情報を含んでもよい。また、出力部170は、統合作業領域を表す情報を領域データ410に格納する。
【0040】
図6Bに示すステップS160において、端末200の表示部250は、領域情報を表示し、作業領域510、例えば統合作業領域を分割するために、作業領域510に設けられた複数畝を分類して選択した選択情報を受け付ける。例えば、表示部250は、
図7に示すように、作業領域510を表す領域画像750を表示する。領域画像750は、例えば、第1作業領域510-1と、第2作業領域510-2とを統合した統合作業領域を表す。例えば、領域画像750において、第1作業領域510-1と、第2作業領域510-2とは、同じ表示形式、例えば色彩、模様などで表される。また、領域画像750は、作業装置30の直線軌道611を、複数の畝700として表す。
【0041】
ユーザ、例えば作業者は、作型が異なる作物、例えば種類が異なる作物を栽培する畝700を選択する選択操作を端末200の入出力装置210に入力する。例えば、第1畝700-1と、第2畝700-2とにおいて栽培している作物の作型が、第3畝700-3と、第4畝700-4と、第5畝700-5と、第6畝700-6と、第7畝700-7とにおいて栽培している作物の作型と異なるとする。このとき、ユーザは、第1畝700-1と、第2畝700-2とを第1畝群として選択し、第3畝700-3と、第4畝700-4と、第5畝700-5と、第6畝700-6と、第7畝700-7とを第2畝群として選択する操作を入力する。表示部250は、第1畝群と、第2畝群とを表す選択情報を作業管理装置100に出力する。
【0042】
図6Bに示すステップS170において、作業管理装置100の領域分割部180は、端末200から選択情報を受け付け、受け付けた選択情報に基づき、統合作業領域を複数の分割領域710に分割する。例えば、領域分割部180は、
図7に示すように、第1作業領域510-1と第2作業領域510-2とを含む統合作業領域を、第1畝群を含む第1分割領域710-1と、第2畝群を含む第2分割領域710-2とに分割する。分割領域710の境界は、例えば、他の畝群に隣接する2つの畝700、例えば第2畝700-2と、第3畝700-3との間に設けられる。分割領域710の境界は、他の畝群と隣接する2つの畝700から等しい距離を有する点を結んだ線でもよい。
【0043】
図6Bに示すステップS180において、出力部170は、分割領域710を表す領域情報を端末200に出力する。領域情報は、作業領域510を表す情報を含んでもよい。また、領域情報は、複数の畝700を表す情報を含んでもよい。また、出力部170は、分割領域710を表す情報を領域データ410に格納する。さらに、出力部170は、分割する前の作業領域510、例えば統合作業領域に関する情報を領域データ410から削除してもよい。
【0044】
ステップS190において、端末200の表示部250は、作業管理装置100から取得した領域情報を表示する。例えば、表示部250は、
図7に示すように、第1分割領域710-1と、第2分割領域710-2とを表す画像を表示する。
【0045】
このように、作業管理システム1000は、時間的に離れて行われた作業領域510について、稼働情報の類似度に基づき作業内容の類似性を判定し、作業領域510の統合を行う。また、作業管理システム1000は、作業領域510が栽培されている作物の作型が異なる畝700を含むとき、作業領域510を分割する。これにより、作業管理システム1000は、ユーザによる営農管理を支援する。
【0046】
(変形例)
実施の形態において説明した構成は一例であり、機能を阻害しない範囲で構成を変更することができる。例えば、
図6Aに示すステップS130において、領域統合部160は、作業装置30の速度を、作業装置30の位置情報に基づき決定してもよい。例えば、領域統合部160は、測定された時刻が隣接する2つの位置情報において、測定された時間差と、2つの測位位置600の間の距離とに基づき、作業装置30の速度を決定してもよい。
【0047】
また、領域統合部160は、作業装置30による作業が類似している程度を表す任意の稼働情報に基づき、2つの稼働情報の類似度を決定してもよい。例えば、領域統合部160は、
図2に示すように、稼働情報に含まれる作業幅620に基づき、2つの稼働情報の類似度を決定してもよい。作業幅620は、進行方向に直交する方向において、作業装置30が作業を行う領域の長さを表す。例えば、領域統合部160は、第2作業領域510-2における作業装置30の第2作業幅620-2と、第1作業領域510-1における作業装置30の第1作業幅620-1との差に基づき、類似度を決定する。例えば、領域統合部160は、第1作業幅620-1と第2作業幅620-2との差が大きいほど、類似度が小さくなるように決定される。
【0048】
また、領域統合部160は、互いに隣接する2つの直線軌道611の間隔を表す軌道間隔630に基づき、2つの稼働情報の類似度を決定してもよい。例えば、領域統合部160は、第2作業領域510-2における第2軌道間隔630-2と、第1作業領域510-1における第1軌道間隔630-1との差に基づき、類似度を決定する。例えば、領域統合部160は、第1軌道間隔630-1と第2軌道間隔630-2との差が大きいほど、類似度が小さくなるように決定される。軌道間隔630は、作業領域510における複数の軌道間隔630の統計値、例えば複数の軌道間隔630の平均速度を表してもよく、複数の軌道間隔630の中央値を表してもよい。
【0049】
(実施の形態2)
作業管理システム1000は、1つ以上の圃場500において同じ作型で栽培する作物の領域を表す作型領域情報を用いて、作業領域510を統合してもよい。例えば、作型領域情報は、
図8に示すように、1つ以上の圃場500において、同じ作型で栽培する作物の領域を表す作型領域530を表す。例えば、第1作型領域530-1は第1作型で作物を栽培する領域を表し、第2作型領域530-2は第1作型と異なる第2作型で作物を栽培する領域を表す。作型領域情報は、予めユーザにより登録されている。
【0050】
(作業管理システムの構成)
作業管理装置100の構成は、実施の形態1と同様に、入出力装置110と、演算装置120と、通信装置130と、記憶装置140とを備える。作業管理装置100は、例えば、コンピュータである。入出力装置110と、通信装置130とは、実施の形態1と同様のため、説明を省略する。
【0051】
記憶装置140は、実施の形態1と同様に、管理する作業領域510を統合または分割するための様々なデータ、例えば領域データ410と、作業管理プログラム420とを格納する。記憶装置140は、領域データ410が作型領域情報を格納することを除き、実施の形態1と同様のため、説明を省略する。
【0052】
演算装置120は、実施の形態1と同様に、作業管理プログラム420を記憶装置140から読み出し実行して、管理する作業領域510を統合または分割するための様々なデータ処理を行う。演算装置120は、作業管理プログラム420を読み出し実行することで、
図4に示すように、領域決定部150と、領域統合部160と、出力部170と、領域分割部180とを実現する。領域決定部150と、出力部170と、領域分割部180とは、実施の形態1と同様のため、説明を省略する。領域統合部160は、決定された作業領域510の少なくとも一部において栽培される作物の作型に基づき、2つ以上の作業領域510を統合した統合作業領域を決定する。
【0053】
端末200の構成は、実施の形態1と同様のため、説明を省略する。
【0054】
(作業管理装置の動作)
実施の形態1と同様に、作業装置30は、圃場500での作業を行うと、位置情報と状態情報とを含む稼働情報を作業管理装置100の演算装置120に送信する。演算装置120は、作業装置30から稼働情報を受信すると、作業管理プログラム420を読み出し実行する。作業管理プログラム420が読み出し実行されると、演算装置120は、作業管理方法の一部である
図9A、
図9Bに示す処理を開始する。例えば、実施の形態1と同様に、作業装置30は、
図2に示す第2作業領域510-2における作業を終了したときに、稼働情報を作業管理装置100に送信する。ここで、第1作業領域510-1における作業は、第2作業領域510-2における作業を開始するよりも数日前、例えば3日前に終了しているとする。
【0055】
図9Aに示すステップS110の処理と、ステップS120の処理とは、実施の形態1の
図6Aに示すステップS110の処理と、ステップS120の処理と同様のため、説明を省略する。
【0056】
図9Aに示すステップS135において、領域統合部160は、第2作業領域510-2が、検索された作業領域510、例えば第1作業領域510-1の少なくとも一部に含まれる作型領域530と同じ作型領域530を含むか否かを判定する。例えば、領域統合部160は、第2作業領域510-2の少なくとも一部において栽培される作物の作型で、第1作業領域510-1の少なくとも一部において作物が栽培されているかを判定する。
【0057】
例えば、
図8に示すように、第2作業領域510-2に含まれる第2作型領域530-2が、第1作業領域510-1に含まれる。このとき、領域統合部160は、第2作業領域510-2の少なくとも一部において栽培される作物の作型で、第1作業領域510-1の少なくとも一部において作物が栽培されていると判定する。具体的には、第1作業領域510-1における第3畝700-3と、第4畝700-4とにおいて、第2作業領域510-2における畝700と同じ作型で作物が栽培されている。
【0058】
第1作業領域510-1の少なくとも一部において、第2作業領域510-2において栽培されている作型で、作物が栽培されているとき、領域統合部160は、
図9Aに示すステップS140の処理を実行する。第1作業領域510-1において、第2作業領域510-2において栽培されている作型で、作物が栽培されていないとき、処理は、
図9Aに示すステップS150に移行する。
【0059】
図9A、
図9Bに示すステップS140以降の処理は、実施の形態1の
図6Aに示すステップS140以降の処理と同様のため、説明を省略する。
【0060】
このように、作業管理システム1000は、予め登録された作型領域530を用いて、作業領域510を統合してもよい。
【0061】
(変形例)
実施の形態において説明した構成は一例であり、機能を阻害しない範囲で構成を変更することができる。例えば、作業管理装置100の領域分割部180は、1つ以上の圃場500において同じ作型で栽培する作物の領域を表す作型領域情報を用いて、作業領域510、例えば統合作業領域を分割してもよい。例えば、領域分割部180は、
図8に示すように、統合作業領域、例えば第1作業領域510-1と第2作業領域510-2とに含まれる複数の畝700の位置を決定する。領域分割部180は、作型領域情報に基づき、複数の畝700が含まれる作型領域530を抽出する。例えば、領域分割部180は、第1畝700-1と、第2畝700-2とを含む第1作型領域530-1と、第3畝700-3から第7畝700-7を含む第2作型領域530-2とを抽出する。言い換えると、領域分割部180は、第1作型領域530-1に対応する第1作型で作物を栽培する第1畝700-1と、第2畝700-2とを第1畝群として抽出する。また、領域分割部180は、第2作型領域530-2に対応する第2作型で作物を栽培する第3畝700-3から第7畝700-7までを第2畝群として抽出する。領域分割部180は、作業領域510、例えば統合作業領域を抽出した畝群に対応する領域に分割する。この場合、
図6Bまたは
図9Bに示すステップS160の処理を省略してもよい。
【0062】
以上において説明した実施の形態および変形例は一例であり、各実施の形態および変形例で説明した構成は、機能を阻害しない範囲で、任意に変更してもよく、または/および、任意に組み合わせてもよい。さらに、必要となる機能を実現できれば、実施の形態および変形例で説明した一部の機能を省略してもよい。例えば、作業管理装置100の一部、または、すべての処理を端末200が実行してもよい。また、端末200の一部、または、すべての処理を作業管理装置100が実行してもよい。また、作業管理プログラム420は、表示プログラム430を含んでもよい。また、作業管理システム1000は、端末200を含まず、作業管理システム1000に含まれない外部端末に領域情報を表示させてもよい。
【0063】
また、
図6Aに示すステップS130において、作業管理装置100の領域統合部160は、作業装置30の稼働情報と、作型領域情報とを用いて、作業領域510を統合するか否かを判定してもよい。例えば、2つの作業領域510の少なくとも一部において同じ作型で作物が栽培され、かつ、2つの作業領域510における作業装置30の稼働情報の類似度が閾値より大きいとき、領域統合部160は、作業領域510を統合してもよい。
【0064】
また、作業管理装置100は、作業領域510を統合することなく、作型を用いて作業領域510を分割してもよい。この場合、
図6Aまたは
図9Aに示すステップS120からステップS140までの処理を省略してもよい。
【0065】
(付記)
各実施の形態で記載した作業管理方法と、作業管理システムと、作業管理プログラムとは以下のように言うことができる。
【0066】
第1の態様に係る作業管理方法は、
1つ以上の圃場において作業を行う作業装置の稼働情報、または、前記1つ以上の圃場において栽培する作物の作型に関する領域を表す作型領域情報に基づき、時間的に離れて作業が行われた第1作業領域と第2作業領域とを統合作業領域として統合することと、
前記統合作業領域を表す領域情報を出力することと、
を含む。
【0067】
第2の態様に係る作業管理方法は、第1の態様に係る作業管理方法であって、
前記第1作業領域と前記第2作業領域とを統合することは、
前記第1作業領域における前記作業装置の前記稼働情報を表す第1稼働情報と、前記第2作業領域における前記作業装置の前記稼働情報を表す第2稼働情報との類似の程度を表す類似度に基づき、前記第1作業領域と前記第2作業領域とを統合すること
を含む。
【0068】
第3の態様に係る作業管理方法は、第2の態様に係る作業管理方法であって、
前記稼働情報は、各時刻における前記作業装置の速度を表す情報を含み、
前記第1作業領域と前記第2作業領域とを統合することは、
前記作業装置が作業を行っているときの前記第1稼働情報における第1速度と、前記作業装置が作業を行っているときの前記第2稼働情報における第2速度との差に基づき前記類似度を決定することと、
前記類似度が閾値より大きいとき、前記第1作業領域と前記第2作業領域とを前記統合作業領域として統合することと、
を含む。
【0069】
第4の態様に係る作業管理方法は、第2または第3の態様に係る作業管理方法であって、
前記稼働情報は、前記1つ以上の圃場において前記作業装置が行った作業の作業幅を表す情報を含み、
前記第1作業領域と前記第2作業領域とを統合することは、
前記第1稼働情報における前記作業装置の作業幅を表す第1作業幅と、前記第2稼働情報における前記作業装置の作業幅を表す第2作業幅との差に基づき前記類似度を決定することと、
前記類似度が閾値より大きいとき、前記第1作業領域と前記第2作業領域とを前記統合作業領域として統合することと、
を含む。
【0070】
第5の態様に係る作業管理方法は、第2から第4の態様のいずれか1つに係る作業管理方法であって、
前記稼働情報は、前記作業装置の各時刻における位置を表す位置情報を含み、
前記第1作業領域と前記第2作業領域とを統合することは、
前記位置情報に基づき、前記第1作業領域と、前記第2作業領域とにおいて、前記作業装置が直線的に移動した直線軌道を決定することと、
前記第1作業領域において隣接する2つの直線軌道の距離と、前記第2作業領域とにおいて隣接する2つの直線軌道の距離とに基づき、類似度を決定することと、
前記類似度が閾値より大きいとき、前記第1作業領域と前記第2作業領域とを前記統合作業領域として統合すること
を含む。
【0071】
第6の態様に係る作業管理方法は、第1から第5の態様のいずれか1つに係る作業管理方法であって、
前記第1作業領域と前記第2作業領域とを統合することは、
前記作型領域情報において、前記第1作業領域の少なくとも一部において栽培される作物の第1作型と、前記第2作業領域の少なくとも一部において栽培される作物の第2作型とに基づき、前記第1作業領域と前記第2作業領域とを統合すること
を含む。
【0072】
第7の態様に係る作業管理方法は、第1から第6の態様のいずれか1つに係る作業管理方法であって、
前記統合作業領域において栽培される作物の作型に基づき、複数の畝を有する前記統合作業領域を、第1畝群を含む第3領域と、前記第1畝群で栽培される作物の作型と異なる作型の作物を栽培する第2畝群を含む第4領域とに分割することをさらに含む。
【0073】
第8の態様に係る作業管理方法は、第7の態様に係る作業管理方法であって、
前記統合作業領域を前記第3領域と前記第4領域とに分割することは、
前記領域情報の出力に対する応答として、前記統合作業領域に含まれる前記複数の畝のうち、前記第1畝群と前記第2畝群とが選択された選択情報を受け付けることと、
前記選択情報に基づき、前記統合作業領域における前記複数の畝を前記第1畝群と前記第2畝群とに分類すること、
を含む。
【0074】
第9の態様に係る作業管理方法は、第7の態様に係る作業管理方法であって、
前記統合作業領域を前記第3領域と前記第4領域とに分割することは、
前記作型領域情報において、第3作型で作物を栽培する領域に含まれる前記複数の畝を前記第1畝群として決定することと、
前記作型領域情報において、前記第3作型と異なる第4作型で作物を栽培する領域に含まれる前記複数の畝を前記第2畝群として決定することと、
を含む。
【0075】
第10の態様に係る作業管理方法は、第1から第9の態様のいずれか1つに係る作業管理方法であって、
前記第1作業領域と前記第2作業領域とを統合することは、
前記第1作業領域において前記作業装置が作業を行った第1期間と、前記第2作業領域において前記作業装置が作業を行った第2期間との時間差が第1閾値より小さいとき、前記第1作業領域と前記第2作業領域とを統合すること
を含む。
【0076】
第11の態様に係る作業管理システムは、
1つ以上の圃場において作業を行う作業装置の稼働情報、または、前記1つ以上の圃場において栽培する作物の作型に関する領域を表す作型領域情報に基づき、時間的に離れて作業が行われた第1作業領域と第2作業領域とを統合作業領域として統合する領域統合部と、
前記統合作業領域を表す領域情報を出力する出力部と、
を備える。
【0077】
第12の態様に係る作業管理プログラムは、
1つ以上の圃場において作業を行う作業装置の稼働情報、または、前記1つ以上の圃場において栽培する作物の作型に関する領域を表す作型領域情報に基づき、時間的に離れて作業が行われた第1作業領域と第2作業領域とを統合作業領域として統合することと、
前記統合作業領域を表す領域情報を出力することと、
を演算装置に実行させる。
【符号の説明】
【0078】
1、2 :記憶媒体
20 :ネットワーク
30 :作業装置
100 :作業管理装置
110 :入出力装置
120 :演算装置
130 :通信装置
140 :記憶装置
150 :領域決定部
160 :領域統合部
170 :出力部
180 :領域分割部
200 :端末
210 :入出力装置
220 :演算装置
230 :通信装置
240 :記憶装置
250 :表示部
410 :領域データ
420 :作業管理プログラム
430 :表示プログラム
500 :圃場
510 :作業領域
530 :作型領域
600 :測位位置
610 :軌道
611 :直線軌道
612 :旋回軌道
620 :作業幅
630 :軌道間隔
700 :畝
710 :分割領域
750 :領域画像
1000 :作業管理システム