(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024061127
(43)【公開日】2024-05-07
(54)【発明の名称】ハンドドライヤ
(51)【国際特許分類】
A47K 10/48 20060101AFI20240425BHJP
【FI】
A47K10/48 A
A47K10/48 Z
【審査請求】未請求
【請求項の数】3
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022168859
(22)【出願日】2022-10-21
(71)【出願人】
【識別番号】000100562
【氏名又は名称】アール・ビー・コントロールズ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100106105
【弁理士】
【氏名又は名称】打揚 洋次
(72)【発明者】
【氏名】北中 浩次
(57)【要約】
【課題】従来のハンドドライヤでは、筐体を有し、その筐体内に濡れた手を挿入する必要があるため、ハンドドライヤは必然的に筐体の大きさになり、その筐体を手の届く位置に設置しなければならない。しかしながら、そのようなハンドドライヤを台所に設置する場合、筐体に相当する大きさのハンドドライヤを設置する場所がないという問題が生じる。
【解決手段】台所のシンク上部に位置し、内部に送風ファンを備え、左右方向に移動自在な本体と、上記送風ファンにより送出される空気を導き、上記本体に対して前後左右方向に傾けることのできる送風ノズルを設けた。
【選択図】
図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
台所に設置され、水仕事によって濡れた手の水分を風により吹き飛ばすハンドドライヤにおいて、台所のシンク上部に位置し、内部に送風ファンを備え、左右方向に移動自在な本体と、上記送風ファンにより送出される空気を導き、上記本体に対して前後左右方向に傾けることのできる送風ノズルを備えたことを特徴とするハンドドライヤ。
【請求項2】
上記送風ノズルから送出される送風にオゾンを添加し得るオゾン発生部を設けたことを特徴とする請求項1に記載のハンドドライヤ。
【請求項3】
上記送風ファンに吸引される吸気を本体内へと導き、上記本体に対して前後左右方向に傾けることのできる吸気ノズルを備えると共に、この吸気に含まれる水蒸気を冷却して水滴に戻す冷却部を上記送風ノズルに設けたことを特徴とする請求項1または請求項2に記載のハンドドライヤ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、台所に設置され、水仕事により手に付着した水滴を除去するハンドドライヤに関する。
【背景技術】
【0002】
濡れた手を乾燥させる装置としては、上記のように台所のほか、トイレなどに設置されるものが知られており、濡れた手に送風して、その送風により手の表面に付着している水滴を吹き飛ばすことにより手を乾燥させるように構成されている。
【0003】
また、送風だけでは水滴の除去を効率よくできないため、送風と共に超音波を手に照射するものが知られている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2021-81166号公報(請求項1、
図1)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上記特許文献1に記載されているものでは、筐体40内に濡れた手を挿入する必要があるため、ハンドドライヤは必然的に筐体の大きさになり、その筐体を手の届く位置に設置しなければならない。しかしながら、例えば上記特許文献1に記載されたハンドドライヤを台所に設置する場合、筐体に相当する大きさのハンドドライヤを設置する場所がないという問題が生じる。
【0006】
そこで本発明は、上記の問題点に鑑み、設置場所の自由度に優れたハンドドライヤを提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するために本発明によるハンドドライヤは、台所に設置され、水仕事によって濡れた手の水分を風により吹き飛ばすハンドドライヤにおいて、台所のシンク上部に位置し、内部に送風ファンを備え、左右方向に移動自在な本体と、上記送風ファンにより送出される空気を導き、上記本体に対して前後左右方向に傾けることのできる送風ノズルを備えたことを特徴とする。
【0008】
手に付着している水滴を除去するための送風を発生させる送風ファンを内蔵する本体をシンク上部に位置させ、送風自体は送風ノズルから送風するので、本体を手が届く位置に設置する必要がない。また、本体を左右方向に移動自在とすることによって、必要に応じて本体の左右位置を変更することによって送風ノズルの左右方向に位置を調節することができる。更には、送風ノズル自体を本体に対して前後左右方向に傾けることができるように構成することによって、送風ノズルの端部の開口からの風向を細かく調節することができる。
【0009】
台所のシンク内にはいわゆる三角コーナと呼ばれる生ゴミ入れが設置されている場合があるが、そのような場合には生ゴミから悪臭が発生する場合がある。そこで、上記送風ノズルから送出される送風にオゾンを添加し得るオゾン発生部を設けることにより、手に付着した水滴を除去する以外に、送風を三角コーナに吹きかけて、生ゴミからの悪臭の発生を防止することが望ましい。
【0010】
また、台所であれば炊飯器を設置する場合があるが、炊飯時に炊飯器から生じる水蒸気や湯気が炊飯器の周囲に水滴となって付着するとカビなどの発生原因となるおそれが生じる。そこで、上記送風ファンに吸引される吸気を本体内へと導き、上記本体に対して前後左右方向に傾けることのできる吸気ノズルを備えると共に、この吸気に含まれる水蒸気を冷却して水滴に戻す冷却部を上記送風ノズルに設けることが考えられる。
【0011】
炊飯器から生じる水蒸気や湯気はこの吸気ノズルから吸引し、冷却部で水滴に戻してシンク内に滴下させれば、上記のようなカビの発生などの不具合が生じない。また、上記のように送風中にオゾンを添加していれば、ハンドドライヤ内にカビなどが発生することも防止できる。
【発明の効果】
【0012】
以上の説明から明らかなように、本発明は、本体をシンクの上方に設置することによって本体が邪魔にならない。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【
図2】ハンドドライヤの取り付け状態を下方から見た図
【発明を実施するための形態】
【0014】
図1から
図3を参照して、1は本発明によるハンドドライヤ2が設置される台所である。この台所1にはシンク11が設けられており、そのシンク11の上方には吊り戸棚12が設置されている。上記ハンドドライヤ2はこの吊り戸棚12の下面12aに取り付けられている。なお、13は生ゴミを貯留する三角コーナであり、14は炊飯器であり、15は壁面である。
【0015】
上記ハンドドライヤ2は左右に長手の本体21と、この本体21の下面の両端部近傍に各々取り付けられた送風ノズル22と吸気ノズル23とを備えている。
【0016】
吊り戸棚12の下面12aには壁面15に寄せて左右方向に長手のレール16が敷設されており、上記本体21はこのレール16に沿って左右方向に移動自在に保持されている。なお、上記送風ノズル22および吸気ノズル23は共に本体21に対して所定の範囲で左右に移動することができ、かつ左右方向および前後方向に揺動自在に連結されている。
【0017】
本体21内には送風ファン3が設けられており、
図3において、本体21内の空気を左側から右側方向へと送風するように設定されている。従って、この送風ファン3が作動すると吸気ノズル23を通して外気を吸引し、送風ノズル22から外部へと空気を送風することになる。
【0018】
本実施の形態では送風ノズル22内にオゾン発生部4を設けた。これによりオゾン発生部4を通過する空気にオゾンが付加されることになり、送風ノズル22から送風される空気にはオゾンが含まれることになる。なお、このオゾン発生部4は送風ノズル22内以外の他の位置、例えば本体21内の送風ファン3の上流側または下流側、あるいは吸気ノズル23内のいずれの位置に設けてもよい。
【0019】
また、送風ノズル22の出口近傍には、通過する空気を冷却して空気中に含まれる水蒸気等の水分を水滴に戻す冷却部5を設けた。この冷却部5は具体的にはペルチェ素子の吸熱側を送風ノズル22の内側に露出させることにより構成するが、通過する空気を冷却できるのであれば他の方式であってもよい。
【0020】
上記構成によるハンドドライヤ2では、濡れた手を送風ノズル22の先端開口に近づけ、その開口から送風される送風を手に当てることにより送風によって手に付着している水滴を吹き飛ばして除去する。なお、その際に手の表面を完全に乾燥させるのではなく、滴り落ちるほどの水滴を吹き飛ばすだけでよい。また、手に付着している水滴を除去するだけでよいのであれば、送風ファン3は水滴を除去する際のみ作動させればよいが、本実施の形態では、送風ファン3を常時作動させると共にオゾン発生部4も同時に作動させ、オゾンを含んだ送風を三角コーナ13に送風し、送風に含まれるオゾンによって三角コーナ13からの異臭の発生を防止するようにした。
【0021】
また炊飯器14を作動させて炊飯をする際には、吸気ノズル23の先端開口を炊飯器14に対向させ、炊飯器14から放出される水蒸気や湯気といった水分を吸気ノズル23で吸引するようにする。なお、その際には、吸気中に水分が含まれるので、冷却部5を作動させ、冷却部5を通過する空気を冷却して含まれる水分を水滴に戻し、送風ノズル22の先端開口からシンク11へと滴下させるようにした。そして、吸気中に水分が含まれる際にはオゾン発生部4を合わせて作動させて、ハンドドライヤ2内にカビなどが発生しないようにすることが望ましい。なお、上記送風ノズル22および吸気ノズル23は共に長手方向に伸縮自在に構成されている。従って、炊飯器14を作動させない状態では吸気ノズル23の長さを縮めると共に、壁面15側に倒して吸気ノズル23が邪魔にならないようにする。また、本体21の左右位置によって送風ノズル22の端部が三角コーナ13に適切な間隔で向くように、送風ノズル22の角度と共に長さを調節する。
【0022】
ところで、
図3に示した実施の形態では、送風ノズル22および吸気ノズル23は共に直線状であって長手方向に伸縮する、いわゆるテレスコープ構造を採用したが、ジャバラ管のように、送風ノズル22および吸気ノズル23自体が湾曲するように構成してもよい。
【0023】
なお、本発明は上記した形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において種々の変更を加えてもかまわない。
【符号の説明】
【0024】
1 台所
2 ハンドドライヤ
3 送風ファン
4 オゾン発生部
5 冷却部
11 シンク
13 三角コーナ
14 炊飯器
16 レール
21 本体
22 送風ノズル
23 吸気ノズル