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特開2024-61134営農支援システム及び営農支援プログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024061134
(43)【公開日】2024-05-07
(54)【発明の名称】営農支援システム及び営農支援プログラム
(51)【国際特許分類】
   G06Q 50/02 20240101AFI20240425BHJP
【FI】
G06Q50/02
【審査請求】未請求
【請求項の数】3
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022168867
(22)【出願日】2022-10-21
(71)【出願人】
【識別番号】000104113
【氏名又は名称】カゴメ株式会社
(72)【発明者】
【氏名】松下 航
【テーマコード(参考)】
5L049
5L050
【Fターム(参考)】
5L049CC01
5L050CC01
(57)【要約】
【課題】 営農支援の利便性を実現すること。
【解決手段】 圃場状況が入力されると、営農支援が出力される。圃場状況の源泉は、利
用者である。営農支援の収容先は、利用者又は管理者である。ここで、圃場状況に含まれ
るのは、圃場画像、並びに、日付及び気象である。営農支援に含まれるのは、花数及び開
張幅、並びに、収穫日及び収穫量、施肥要否及び着果抑制要否である。
【選択図】 図9
【特許請求の範囲】
【請求項1】
営農支援システムであって、それを構成するのは、以下である:
出力装置、
撮影装置:これで撮影されるのは、圃場画像であり、そこに含まれるのは、植物画像及
び校正物画像であり、及び、
処理装置:これで制御されることで、前記出力装置が出力するのは、植物の開張幅であ
り、その際に用いられるのは、前記植物画像及び前記校正物画像である。
【請求項2】
請求項1のシステムであって、
前記撮影装置が設置され、或いは、持ち込まれるのは、圃場である。
【請求項3】
営農支援プログラムであって、それによって処理装置が実行するのは、以下の処理である

出力:ここで出力されるのは、植物の開張幅であり、その際に用いられるのは、圃場画
像であり、そこに含まれるのは、植物画像及び校正物画像である。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明が関係するのは、営農支援システム及び営農支援プログラムである。
【背景技術】
【0002】
従来から農業で求められているのは、収量の最大化である。我が国では、耕地面積が次
第に減少していることから、耕地面積当たりの収量増加は、急務である。そのため、様々
な情報処理装置が開発されている。具体的には、以下のとおりである。
【0003】
特許文献1で開示されるのは、農作物関連値導出装置であり、それで実現されるのは、
高精度の農作物関連値である。当該装置で出力されるのは、施肥量であり、その際に用い
られるのは、衛星画像及び日射量である。
【0004】
特許文献2で開示されるのは、情報処理装置であり、それで実現されるのは、高精度の
収量予測である。当該情報処理装置で出力されるのは、定植日からi日目のトマトの予測
収量であり、その際に用いられるのは、環境情報及びトマトの状態である。当該環境情報
の源泉は、屋内外のセンサである。
【0005】
特許文献3で開示されるのは、生育状態予測システムであり、それで実現されるのは、
高精度の生育予測である。当該生育状態予測システムを構成するのは、利用者端末及びサ
ーバである。前記利用者端末で送信されるのは、タマネギの生体情報であり、その送信先
は、前記サーバである。前記サーバで演算されるのは、タマネギの推定収穫日及び推定収
量であり、その際に用いられるのは、前記生体情報、及び、環境情報である。その後、前
記サーバで送信されるのは、前記推定収穫日及び前記推定収量であり、その送信先は、前
記利用者端末である。
【0006】
特許文献4で開示されるのは、農業システムであり、それで実現されるのは、高精度の
収量予測である。当該農業システムで出力されるのは、作物の収穫量であり、その際に用
いられるのは、収穫予定日及び予想環境測定値、並びに、過去データDBである。当該過
去データDBで対応付けるのは、収穫日及び環境測定値並びに収穫量である。当該環境測
定値の源泉は、屋内外のセンサである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特願2022‐60277号
【特許文献2】特願2022‐60782号
【特許文献3】特願2022‐93884号
【特許文献4】特願2022‐115817号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明が解決しようとする課題は、営農支援の利便性の実現である。従来の営農支援シ
ステムの欠点は、導入費用の高さである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
<第1の観点>収穫支援の利便性を実現するため、営農支援システムを構成するのは、
利用者装置及び管理者装置である。前記利用者装置で送信されるのは、圃場画像及び日付
である。前記管理者装置で受信されるのは、前記圃場画像及び前記日付である。前記管理
者装置で演算されるのは、収穫日及び収穫量の少なくとも一方であり、その際に用いられ
るのは、少なくとも、前記圃場画像及び前記日付である。管理者装置で送信されるのは、
前記収穫日及び前記収穫量である。それによって、前記利用者装置で受信され、かつ、出
力されるのは、前記収穫日及び前記収穫量の少なくとも一方である。
【0010】
営農支援プログラムによって処理装置が実行するのは、出力処理である。すなわち、当
該出力処理が実行されることで出力されるのは、収穫日及び収穫量の少なくとも一方であ
り、その際に用いられるのは、圃場画像及び日付である。
【0011】
<第2の観点>栽培支援の利便性を実現するため、営農支援システムを構成するのは、
利用者装置及び管理者装置である。前記利用者装置で送信されるのは、圃場画像及び日付
である。前記管理者装置で受信されるのは、前記圃場画像及び前記日付である。前記管理
者装置で演算されるのは、施肥要否及び着果抑制要否の少なくとも一方であり、その際に
用いられるのは、少なくとも、前記圃場画像及び前記日付である。前記管理者装置で送信
されるのは、前記収穫日及び前記収穫量である。それによって、前記利用者装置で受信さ
れ、かつ、出力されるのは、前記施肥要否及び前記着果抑制要否の少なくとも一方である
【0012】
営農支援プログラムによって処理装置が実行するのは、出力処理である。すなわち、当
該出力処理が実行されることで、出力されるのは、施肥要否及び着果抑制要否の少なくと
も一方であり、その際に用いられるのは、圃場画像及び日付である。
【0013】
<第3の観点>収穫支援又は栽培支援の利便性を実現するため、営農支援システムを構
成するのは、出力装置、撮影装置、及び、処理装置である。前記撮影装置で撮影されるの
は、圃場画像である。当該圃場画像に含まれるのは、植物画像及び校正物画像である。前
記処理装置で制御されることで、前記出力装置が出力するのは、植物の開張幅である。そ
の際に、前記処理装置で用いられるのは、前記植物画像及び前記校正物画像である。
【0014】
営農支援プログラムによって処理装置が実行するのは、出力処理である。当該出力処理
が実行されることで出力されるのは、植物の開張幅であり、その際に用いられるのは、圃
場画像である。当該圃場画像に含まれるのは、植物画像及び校正物画像である。
【0015】
<第4の観点>収穫支援又は栽培支援の利便性を実現するため、営農支援システムを構
成するのは、出力装置、撮影装置、及び、処理装置である。前記撮影装置で撮影されるの
は、圃場画像である。当該圃場画像に含まれるのは、植物画像である。前記処理装置で制
御されることで、前記出力装置が出力するのは、植物の花数である。その際に、前記処理
装置で用いられるのは、前記植物画像である。
【0016】
営農支援プログラムによって処理装置が実行するのは、出力処理である。当該出力処理
が実行されることで出力されるのは、植物の花数であり、その際に用いられるのは、圃場
画像である。当該圃場画像に含まれるのは、植物画像である。
【発明の効果】
【0017】
本発明が奏するのは、営農支援の利便性である。
【図面の簡単な説明】
【0018】
図1】営農支援システムの一実施の形態の構成である。
図2】ハードウエア構成である。
図3】画面遷移の一例である。
図4】ログイン画面の一例である。
図5】管理表画面の一例である。
図6】画像登録画面の一例である。
図7】解析結果画面の一例である。
図8】支援画面の一例である。
図9】営農支援のコンテキストである。
図10】営農支援のデータフローである。
図11】圃場画像の一例である。
図12】切出し画像の一例である。
図13】圃場画像の一例である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
<営農支援システム>営農支援システムとは、複数の装置の組合せであって、その用途
が営農支援であるものをいう。当該システムを構成するのは、少なくとも、出力装置、撮
影装置、及び処理装置である。これらの装置がそれぞれ実装されるのは、異なる装置又は
同一の装置である。例えば、前記出力装置及び前記撮影装置が実装されるのは、一の装置
であり、他方、前記処理装置が実装されるのは、他の装置である。
【0020】
図1で示すのは、営農支援システムの一実施の形態の構成である。営農支援システム1
で電子的に実現されるのは、営農支援の全部又は一部である。営農支援システム1を構成
するのは、利用者装置10及び管理装置20である。これらの装置を接続するのは、通信
回線30である。本実施の形態で採用するのは、クライアント‐サーバ型システムである
が、本発明で排除されないのは、スタンドアロン型システムである。
【0021】
<利用者装置>利用者装置とは、情報処理装置であって、それを操作するのが利用者(
例えば、農業法人の従業員や個人農家など)であるものをいう。前記利用者装置を例示す
ると、スマートフォンやタブレット端末などである。
【0022】
図2で示すのは、ハードウエア構成の一例である。利用者装置10を構成するのは、コ
ンピュータの基本要素であり、具体的には、入力装置11、出力装置12、通信装置13
、主記憶装置14、補助記憶装置15、及び、処理装置16である。さらに、本実施の形
態では、利用者装置10を更に構成するのは、撮影装置17である。これらの装置を接続
するのは、システムバスである。
【0023】
<管理装置>管理装置とは、情報処理装置であって、それを操作するのが管理者(例え
ば、農業サービス提供者など)であるものをいう。前記管理装置を例示すると、サーバ端
末などである。管理装置20を構成するのは、コンピュータの基本要素であり、具体的に
は、入力装置21、出力装置22、通信装置23、主記憶装置24、補助記憶装置25、
及び、処理装置26である。これらの装置を接続するのは、システムバスである。
【0024】
<入力装置>入力装置11、21の用途は、入力である。入力装置11、21は、汎用
されており、例示すると、キーボード、ポインティングデバイス、コードリーダ、ICリ
ーダ、OCRやマイクロホン等である。入力装置11、12で受け付けるのは、各種デー
タの入力である。
【0025】
<出力装置>出力装置12、22の用途は、出力である。出力に含まれるのは、表示、
投影、印刷、その他これらに類する態様である。出力装置12、22は、汎用されており
、例示すると、ディスプレイモニタ、プリンタ、プロジェクタ等である。出力装置12、
22で出力されるのは、各種データである。
【0026】
<撮影装置>撮影装置17の用途は、撮影である。撮影装置17は、汎用されており、
例示すると、スマートフォン内臓カメラや圃場設置カメラ等である。撮影装置17で出力
されるのは、圃場画像である。
【0027】
<通信装置>通信装置13、23の用途は、通信である。通信に含まれるのは、公衆回
線通信及び専用回線通信である。通信装置13、23は、汎用されており、例示すると、
Wi-Fi(登録商標)モデム、Bluetooth(登録商標)モデム等である。通信
装置13、23で授受されるのは、各種データである。
【0028】
<主記憶装置>主記憶装置14、24で一時的に記憶されるのは、各種データである。
主記憶装置14、24を例示すると、RAM等である。各種データを例示すると、コンピ
ュータ読み取り可能なプログラム(以下、「プログラム」という。)、演算テーブル、デ
ータベース、入出力値等である。
【0029】
<補助記憶装置>補助記憶装置15、25で恒常的に記憶されるのは、各種データであ
る。補助記憶装置15、25を例示すると、ROM、SSD、HDD等である。各種デー
タを例示すると、コンピュータプログラム、ルックアップテーブル、データベース、入出
力値等である。
【0030】
<処理装置>処理装置16、26の用途は、制御及び演算である。処理装置16、26
を具現化するのは、MPUやCPU等である。処理装置16、26で読み出されるのは、
コンピュータプログラムであり、それによって実行されるのは、各種処理である。
【0031】
<営農支援プログラム>営農支援プログラムを恒常的に記憶しているのは、補助記憶装
置25である。営農支援プログラムが読み出される先は、主記憶装置24である。処理装
置26で実行されるのは、読み出された営農支援プログラムであり、それによって実現さ
れるのは、以下の処理である。
【0032】
<画面遷移>図3で示すのは、画面遷移の一例である。出力装置12又は出力装置22
で出力されるのは、ログイン画面110、管理表画面120、画像登録画面130、解析
結果画面140、及び、支援画面150である。すなわち、ログイン画面110が最初に
出力され、次いで、管理表画面120が出力される。管理表画面120が出力されると、
画像登録画面130が出力される。画像登録画面130が出力されると、解析結果画面1
40が出力される。解析結果画面140が出力されると、支援画面150が出力される。
【0033】
<ログイン画面>図4で示すのは、ログイン画面の一例である。ログイン画面110が
出力されるのは、起動指示後である。ログイン画面110を構成するのは、ユーザ名枠1
11、パスワード枠111、選択釦113、及び、操作釦114である。
【0034】
ユーザ名枠111で表示されるのは、入力されたユーザ名である。ユーザ名を入力する
手段は、入力装置11である。入力されたユーザ名を一時的に記憶するのは、主記憶装置
24である。このユーザ名を恒常的に記憶するのは、補助記憶装置25である。換言する
と、当該ユーザ名は、データベースの一属性値である。
【0035】
パスワード枠112で表示されるのは、入力されたパスワードである。このパスワード
が許容するのは、覆い隠されることである。前記パスワードを入力する手段は、入力装置
11である。入力されたパスワードを一時的に記憶するのは、主記憶装置24である。こ
のパスワードを恒常的に記憶するのは、補助記憶装置25である。換言すると、当該パス
ワードは、データベースの一属性値である。
【0036】
選択釦113が選択されることで、ログイン状態が保存される。すなわち、入力された
ユーザ名及びパスワードを恒常的に記憶するのは、補助記憶装置15である。記憶された
ユーザ名及びパスワードが読み出されるのは、次回起動時である。
【0037】
操作釦114が操作されることで、画面が遷移する。また、それ以降の操作が許可され
る。さらに、通信装置13で送信されるのは、入力された各種値であり、その送信先は、
通信装置23である。ログイン画面110の設計に必要なのは、周知慣用技術である。
【0038】
<管理表画面>図5で示すのは、管理表画面の一例である。管理表画面120が出力さ
れるのは、操作釦114の操作後である。管理表画面120を構成するのは、ユーザ名1
21、管理表122、及び、操作釦123である。
【0039】
ユーザ名121で示すのは、入力されたユーザ名である。入力されたユーザ名を受信す
るのは、通信装置23である。受信されたユーザ名を一時的に記憶するのは、主記憶装置
24である。
【0040】
管理表122を構成するのは、一つ以上のレコードである。各レコードを構成するのは
、各属性値であり、具体的には、圃場番号(No.)、圃場名、及び、品種名である。管
理表122が許容するのは、他の属性値が含まれることである。ユーザが選択するのは、
1つのレコード122aである。これらの属性値を定義するのは、データベースである。
当該データベースに含まれるのは、主キーである。当該主キーの候補は、通常、ユーザ名
である。前記データベースを記憶するのは、補助記憶装置25である。レコードの新規作
成時、圃場番号、圃場名及び品種名を入力する手段は、入力装置11である。その際、こ
れらの値に加えて、品種の定植日が同時に入力される。
【0041】
1つのレコード122aが選択されると、操作釦123が活性化する。操作釦123が
操作されることで、画面が遷移する。管理表画面120の設計に必要なのは、周知慣用技
術である。
【0042】
<画像登録画面>図6で示すのは、画像登録画面の一例である。画像登録画面130が
出力されるのは、操作釦123の操作後である。画像登録画面130を構成するのは、ユ
ーザ名131、圃場番号132、圃場名133、品種名134、定植日135、選択釦1
36、画像名136a、及び、操作釦137である。ユーザ名131に同一なのは、ユー
ザ名121であるから、その説明は、省略する。
【0043】
圃場番号132で示すのは、選択された圃場番号である。選択された圃場番号を記憶し
ているのは、補助記憶装置25である。記憶された圃場番号が読み出される先は、主記憶
装置24である。読み出された圃場番号が送信される先は、通信装置13である。
【0044】
圃場名133で示すのは、選択された圃場名である。選択された圃場名を記憶している
のは、補助記憶装置25である。記憶された圃場名が読み出される先は、主記憶装置24
である。読み出された圃場名が送信される先は、通信装置13である。
【0045】
品種名134で示すのは、選択された品種名である。選択された品種名を記憶している
のは、補助記憶装置25である。記憶された品種名が読み出される先は、主記憶装置24
である。読み出された品種名が送信される先は、通信装置13である。
【0046】
定植日135で示すのは、品種の定植日である。品種の定植日を記憶しているのは、補
助記憶装置25である。記憶された定植日が読み出される先は、主記憶装置24である。
読み出された定植日が送信される先は、通信装置13である。
【0047】
選択釦136の操作で登録されるのは、圃場画像である。当該圃場画像が登録されると
、画像名136aが出力される。前記圃場画像の源泉は、撮影装置17である。前記圃場
画像を記憶するのは、補助記憶装置15である。
【0048】
前記圃場画像が登録されると、操作釦137が活性化する。操作釦137が操作される
ことで、画面が遷移し、かつ、解析が実行される。その際、通信装置13で送信されるの
は、前記圃場画像に加えて、当該画像の撮影日であり、その送信先は、通信装置23であ
る。当該撮影日の源泉は、不問であり、例示すると、入力装置11、時計機能、圃場画像
の日付情報などである。
【0049】
<解析結果画面>図7で示すのは、解析結果画面の一例である。解析結果画面140が
出力されるのは、操作釦137の操作後である。解析結果画面140を構成するのは、ユ
ーザ名141、圃場番号142、圃場名143、品種名144、撮影日145、開張幅1
46、花数147、及び、操作釦148である。ユーザ名141、圃場番号142、圃場
名143、及び品種名144にそれぞれ同一なのは、ユーザ名131、圃場番号132、
圃場名133、及び品種名134であるから、これらの説明は、省略する。また、操作釦
148が操作されることで、画面が遷移する。
【0050】
撮影日145で示すのは、入力された圃場画像の撮影日である。当該撮影日を受信する
のは、通信装置23である。受信された撮影日を一時的に記憶するのは、主記憶装置24
である。
【0051】
開張幅146で示すのは、植物の開張幅である。当該開張幅を得るために、処理装置2
6で処理されるのは、少なくとも、圃場画像である。この処理の設計に必要なデータフロ
ーは、後述する。
【0052】
花数147で示すのは、植物の花数である。当該花数を得るために、その際、処理装置
26で処理されるのは、少なくとも、圃場画像である。この処理の設計に必要なデータフ
ローは、後述する。
【0053】
<支援画面>図8で示すのは、支援画面の一例である。支援画面150が出力されるの
は、操作釦148の操作後である。支援画面150を構成するのは、ユーザ名151、圃
場番号152、圃場名153、品種名154、収穫日155、収穫量156、施肥要否1
57、着果抑制要否158、及び、操作釦159である。ユーザ名151、圃場番号15
2、圃場名153、及び品種名154にそれぞれ同一なのは、ユーザ名131、圃場番号
132、圃場名133、及び品種名134であるから、これらの説明は、省略する。また
、操作釦159が操作されることで、画面が閉じられる。
【0054】
収穫日155で示すのは、植物の収穫日である。その際、処理装置26で処理されるの
は、少なくとも、圃場画像、並びに、日付及び気象(例えば、気温や天候等。以下、同じ
。)である。この処理の設計に必要なデータフローは、後述する。
【0055】
収穫量156で示すのは、植物の収穫量である。当該収穫量を得るために、その際、処
理装置26で処理されるのは、少なくとも、圃場画像、並びに、日付及び気象である。こ
の処理の設計に必要なデータフローは、後述する。
【0056】
施肥要否157で示すのは、植物への施肥要否である。その際、処理装置26で処理さ
れるのは、少なくとも、圃場画像、及び、日付である。この処理の設計に必要なデータフ
ローは、後述する。
【0057】
着果抑制要否158で示すのは、植物への着果抑制要否である。その際、処理装置26
で処理されるのは、少なくとも、圃場画像、及び、日付である。この処理の設計に必要な
データフローは、後述する。
【0058】
<営農支援のコンテキスト>図9で示すのは、営農支援のコンテキストである。圃場状
況が入力されると、営農支援が出力される。圃場状況の源泉は、利用者である。営農支援
の収容先は、利用者又は管理者である。ここで、圃場状況に含まれるのは、圃場画像、並
びに、日付及び気象である。営農支援に含まれるのは、花数及び開張幅、並びに、収穫日
及び収穫量、施肥要否及び着果抑制要否である。
【0059】
<営農支援のデータフロー>図10で示すのは、営農支援のデータフローである。営農
支援を構成するのは、大まかには、4つの処理であり、具体的には、花数演算P1、デー
タベース(DB)更新P2、開張幅演算P3、収穫解析P4、及び、栽培解析P5である
【0060】
<花数演算P1>花数演算P1で演算されるのは、植物の花数である。すなわち、圃場
画像が変換されて得られるのは、花数である。花数認識P1を構成するのは、大まかには
、画像切出し、花認識、及び、計数である。
【0061】
<画像切出し>先ず、圃場画像が入力されると、圃場画像の全部又は一部が切り出され
る。すなわち、切出し画像が得られる。図11で示すのは、圃場画像の一例である。圃場
画像200に含まれるのは、少なくとも、植物画像201、及び、土壌画像202である
。本実施の形態では、植物画像201の幅Lが認識される。図12で示すのは、切出し画
像の一例である。幅Lが認識されると、正方形領域(L×L)が指定される。すなわち、
切出し画像200aの縦の長さは、Lであり、横の長さもLである。
【0062】
<花認識>次に、切出し画像200aに含まれる花画像203が認識される。本実施の
形態で用いるのは、公知の画像認識API(例えば、“YOLOv5”(提供元:Ult
ralytics社)など)である。花画像203が認識されると、タグ204が付され
る。
【0063】
<計数>最後に、付されたタグ204が計数される。得られたタグ204の数に対応す
るのは、花の数である。得られた花数は、一時的に記憶される。
【0064】
<データベース更新P2>データベース更新P2で更新されるのは、データベースであ
る。すなわち、得られた花数は、日付及び気象とともに恒常的に記憶される。
【0065】
<開張幅演算P3>開張幅演算P3で演算されるのは、植物の開張幅である。すなわち
、圃場画像が変換されて得られるのは、開張幅である。開張幅認識P3を構成するのは、
大まかには、対象認識、及び、演算である。図13で示すのは、圃場画像の一例である。
圃場画像300に含まれるのは、少なくとも、植物画像301、土壌画像302、及び、
校正物画像303である。
【0066】
<対象認識>まず、圃場画像300が入力されると、植物画像301及び校正物画像3
03が認識される。本実施の形態で用いるのは、公知の画像認識API(例えば、Com
puter Vision andPattern Recognition “Singl
e Shot MultiBox Detector”(提供元:Cornell Univ
ersity)など)である。この際、植物画像301の幅L1及び校正物画像303の
幅L2が得られる。幅L1及び幅L2は、一時的に記憶される。
【0067】
<演算>幅L1及び幅L2が得られると、植物の開張幅Wpが演算される。得られた開
張幅Wpは、一時的に記憶される。数1で示すのは、演算式である。ここで、校正物の幅
Woは、当該校正物の実寸幅(単位:cm又はm)である。つまり、実寸の比に等しいの
は、画像幅の比である。演算精度向上のため採用しうるのは、機械学習である。この場合
、数1の右辺に乗じるのは、係数である。そして、機械学習で最適化されるのは、当該係
数である。
【0068】
【数1】
【0069】
<収穫解析P4>収穫解析P4で演算されるのは、植物の収穫日及び収穫量である。収
穫解析P4を構成するのは、大まかには、収穫日演算、及び、収穫量演算である。これら
の演算の説明は、以下のとおりである。
【0070】
<収穫日演算>植物の収穫日Dhが演算される。すなわち、花数、日付及び気象が用い
られて得られるのは、植物の収穫日Dhである。得られた収穫日Dhは、一時的に記憶さ
れる。数2及び数3で示すのは、演算式である。数2及び数3の一方が用いられる。
【0071】
数2において、開花初日Dfは、日付であり、当該日付で花数(ゼロではない値。)が
初めて記憶される。積算温度T1は、定数である。積算温度T1の対象期間の始期は、開
花初日である。積算温度T1が依存するのは、品種である。例えば、植物「トマト」の品
種がKGM197(日本国品種登録出願34406号)である場合、積算温度T1は、1
500℃である。平均気温t2の対象期間は、圃場の開花初日から収穫日までである。平
均気温t2の源泉は、当該圃場のある地域の気象庁である。係数c1を決めるのは、気象
である。係数c1が反比例するのは、気温又は天候である。例えば、高温が続き、或いは
、晴天が続けば、係数c1が採る値は、定数(例えば、「1」。)より小さい。他方、低
温が続き、或いは、曇天又は雨天が続けば、係数c1が採る値は、前記定数より大きい。
機械学習で最適化されうるのは、必要積算温度T1及び係数c1である。
【0072】
【数2】
【0073】
数3において、開花数最大日Dmxは、日付であり、当該日付で花数(ゼロではない値
。)が最大である。積算温度T2は、定数である。積算温度T2の対象期間の始期は、開
花数最大日である。積算温度T2が依存するのは、品種である。例えば、品種がKGM1
97である場合、積算温度T2は、1000℃である。係数c2を決めるのは、気象であ
る。係数c2が反比例するのは、気温又は天候である。例えば、高温が続き、或いは、晴
天が続けば、係数c2が採る値は、定数(例えば、「1」。)より小さい。他方、低温が
続き、或いは、曇天又は雨天が続けば、係数c2が採る値は、前記定数より大きい。機械
学習で最適化されうるのは、積算温度T2及び係数c2である。
【0074】
【数3】
【0075】
<収穫量演算>植物の収穫量Hpが演算される。すなわち、花数、日付及び気象が用い
られて得られるのは、植物の収穫量Hpである。得られた収穫量Hpは、一時的に記憶さ
れる。数4で示すのは、演算式である。ここで、積算花数ΣNfとは、花数の総和であっ
て、対象期間が開花初日からK(例えば、K=40)日後までのものをいう。係数c3を
決めるのは、気象である。係数c3が比例するのは、気温又は天候である。例えば、高温
が続き、或いは、晴天が続けば、係数c3が採る値は、定数(例えば、「1」。)より大
きい。他方、低温が続き、或いは、曇天又は雨天が続けば、係数c3が採る値は、前記定
数より小さい。機械学習で最適化されうるのは、係数c3である。
【0076】
【数4】
【0077】
<栽培解析P5>栽培解析P5で演算されるのは、施肥要否及び着果抑制要否である。
栽培解析P5を構成するのは、大まかには、施肥要否演算及び着果抑制要否演算である。
これらの演算の説明は、以下のとおりである。
【0078】
<施肥要否演算>施肥要否が演算される。すなわち、開張幅、花数及び日付が用いられ
て得られるのは、植物への施肥の要否である。得られた施肥要否は、一時的に記憶される
。施肥要否を決めるのは、主に、差分開張幅ΔW、及び、差分花数ΔNである。表1で示
すのは、施肥要否、差分開張幅ΔW、及び、差分花数ΔNの関係である。定数aが定義さ
れるのは、開花初日からの経過日数(以下、「開花後日数」という。)毎である。また、
定数bが定義されるのは、開花後日数毎である。施肥要否が演算されるのは、通常、開花
後7日目及び開花後42日目である。
【0079】
【表1】
【0080】
数5で示すのは、差分開張幅ΔWの演算式である。すなわち、差分開張幅ΔWは、植物
の開張幅Wp及びモデル開張幅Wmの差分である。開張幅Wpに対応付けられるのは、開
花後日数である。モデル開張幅Wmが定義されているのは、開花後日数毎である。
【0081】
【数5】
【0082】
数6で示すのは、差分花数ΔNの演算式である。すなわち、差分花数ΔNは、植物の花
数Np及びモデル花数Nmの差分である。花数Npに対応付けられるのは、開花後日数で
ある。モデル開張幅Wmが定義されているのは、開花後日数毎である。
【0083】
【数6】
【0084】
<着果抑制要否演算>着果抑制要否が演算される。すなわち、花数及び日付が用いられ
て得られるのは、植物への着果抑制(措置)の要否である。得られた着果抑制要否は、一
時的に記憶される。着果抑制要否を決めるのは、主に、所定の開花後日数(例えば、開花
初日から30日目)の花数Nps、又は、所定の開花後日数(例えば、開花初日から30
日目)での花数の増加率ΔNpである。
【0085】
表2で示すのは、着果抑制要否及び花数Npsの関係である。定数cが定義されるのは
、開花後日数毎である。
【0086】
【表2】
【0087】
表3で示すのは、着果抑制要否及び花数の増加率ΔNpの関係である。増加率ΔNpが
ゼロ以上であれば、花数Npの傾向は、増加である。他方、増加率ΔNpがゼロ未満であ
れば、花数Npの傾向は、減少である。数7で示すのは、増加率ΔNpの演算式である。
花数Npd1とは、花数であって、定植後d1日目のものをいう。花数Npd2とは、花
数であって、定植後d2日目のものをいう。定植後d2日目が到来するのは、定植後d1
日目よりも後である。
【0088】
【表3】
【0089】
【数7】
【0090】
<効果>本実施の形態で奏されるのは、営農支援の利便性であり、具体的には、収穫支
援の利便性や栽培支援の利便性である。
【産業上の利用可能性】
【0091】
本発明が有用な分野は、農業である。
【符号の説明】
【0092】
1 営農支援システム
10 利用者装置
20 管理者装置
12、22 出力装置
17 撮影装置
26 処理装置
146 開張幅
147 花数
155 収穫日
156 収穫量
157 施肥要否
158 着果抑制要否
200、300 圃場画像
200a 圃場画像(正方形)
201、301 植物画像
303 校正物画像
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13