(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024061137
(43)【公開日】2024-05-07
(54)【発明の名称】無線通信システム、無線通信システムの管理方法、及び管理装置
(51)【国際特許分類】
H04W 40/04 20090101AFI20240425BHJP
H04W 4/38 20180101ALI20240425BHJP
H04W 84/12 20090101ALI20240425BHJP
H04W 84/18 20090101ALI20240425BHJP
H04W 16/14 20090101ALI20240425BHJP
H04L 45/121 20220101ALI20240425BHJP
【FI】
H04W40/04
H04W4/38
H04W84/12
H04W84/18
H04W16/14
H04L45/121
【審査請求】未請求
【請求項の数】11
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022168870
(22)【出願日】2022-10-21
(71)【出願人】
【識別番号】000166247
【氏名又は名称】古野電気株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100125645
【弁理士】
【氏名又は名称】是枝 洋介
(74)【代理人】
【識別番号】100145609
【弁理士】
【氏名又は名称】楠屋 宏行
(74)【代理人】
【識別番号】100149490
【弁理士】
【氏名又は名称】羽柴 拓司
(72)【発明者】
【氏名】新居 隆之
【テーマコード(参考)】
5K030
5K067
【Fターム(参考)】
5K030GA02
5K030GA13
5K030HC09
5K030LB05
5K067AA11
5K067BB27
5K067EE02
5K067EE06
5K067EE25
5K067GG01
(57)【要約】
【課題】中継装置の過度な使用を抑制することが可能な無線通信システムを提供する。
【解決手段】無線通信システムは、802.11ahの無線通信により、センサデータを受信する上位通信装置と、802.11ahの無線通信により、センサデータを上位通信装置に中継する、複数の中継装置と、802.11ahの無線通信により、複数の中継装置のうち、中継装置の単位時間当たりの送信時間に基づいて選択された中継装置に対してセンサデータを送信する、複数のセンサ端末と、を備える。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
802.11ahの無線通信により、センサデータを受信する上位通信装置と、
802.11ahの無線通信により、前記センサデータを前記上位通信装置に中継する、複数の中継装置と、
802.11ahの無線通信により、前記複数の中継装置のうち、前記中継装置の単位時間当たりの送信時間に基づいて選択された中継装置に対して前記センサデータを送信する、複数のセンサ端末と、
を備える、無線通信システム。
【請求項2】
前記複数の中継装置の単位時間当たりの送信時間を取得し、予め定められた所定のルート上にある中継装置の前記送信時間が閾値以上である場合に、別のルート上にある他の中継装置にセンサ端末の送信先を変更する、ルート管理部を有するサーバを、さらに備える、
請求項1に記載の無線通信システム。
【請求項3】
前記ルート管理部は、前記送信時間が閾値未満の中継装置に送信先を変更する、
請求項2に記載の無線通信システム。
【請求項4】
前記センサ端末は前記サーバを備え、
前記ルート管理部は、前記所定のルートから前記別のルートの中継装置に送信先を変更するためのルート変更要求を前記複数の中継装置に送信する、
請求項2に記載の無線通信システム。
【請求項5】
前記所定のルートに含まれる前記中継装置は、前記ルート変更要求に応じて、前記所定のルートを表すペアリングデータを破棄する、
請求項4に記載の無線通信システム。
【請求項6】
前記別のルートに含まれる前記中継装置は、前記ルート変更要求に応じて、前記別のルートを表すペアリングデータを生成する、
請求項4に記載の無線通信システム。
【請求項7】
前記上位通信装置は、前記所定ルートに含まれる前記センサ端末に管理データを送信し、前記所定のルートから前記別のルートの前記中継装置に送信先が変更された場合に、前記別のルートに含まれる前記センサ端末に管理データを送信する、
請求項2に記載の無線通信システム。
【請求項8】
前記複数のセンサ端末の数は、前記複数の中継装置の数よりも多い、
請求項1に記載の無線通信システム。
【請求項9】
前記閾値は、前記単位時間当たりの送信時間の制限値よりも小さい、
請求項1に記載の無線通信システム。
【請求項10】
802.11ahの無線通信により、センサデータを受信する上位通信装置と、802.11ahの無線通信により、前記センサデータを前記上位通信装置に中継する、複数の中継装置と、802.11ahの無線通信により、前記センサデータを前記複数の中継装置の1つに送信する、複数のセンサ端末と、を備える無線通信システムにおいて、前記複数のセンサ端末は、前記複数の中継装置のうち、前記中継装置の単位時間当たりの送信時間に基づいて選択された中継装置に対して前記センサデータを送信する、
無線通信システムの管理方法。
【請求項11】
802.11ahの無線通信により、センサデータを受信する上位通信装置と、802.11ahの無線通信により、前記センサデータを前記上位通信装置に中継する、複数の中継装置と、802.11ahの無線通信により、前記センサデータを前記複数の中継装置の1つに送信する、複数のセンサ端末と、を備える無線通信システムにおける、前記複数の中継装置の単位時間当たりの送信時間を取得する取得部と、
前記所定のルートに含まれる前記中継装置の前記送信時間が閾値以上である場合に、他の中継装置を経由する別のルートに変更する変更部と、
を備える、管理装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、無線通信システム、無線通信システムの管理方法、及び管理装置に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、センサとサーバとの間でゲートウェイの役割を実現するに際して、送信時間制限を考慮してゲートウェイ間でデータを集約し、ゲートウェイによるモバイル通信への同時接続数の削減を図る技術が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
IEEE標準規格802.11ahを使用可能な日本国内の920MHz帯では、電波法により単位時間当たりの送信時間(送信Dutyともいう)が10%に制限される。
【0005】
複数のセンサ端末からのセンサデータが中継装置を経由して上位通信装置へ送信される無線通信システムでは、中継装置の使用頻度が高まりやすい。
【0006】
本発明は、上記課題に鑑みてなされたものであり、その主な目的は、中継装置の過度な使用を抑制することが可能な無線通信システム、無線通信システムの管理方法、及び管理装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するため、本発明の一の態様の無線通信システムは、802.11ahの無線通信により、センサデータを受信する上位通信装置と、802.11ahの無線通信により、前記センサデータを前記上位通信装置に中継する、複数の中継装置と、802.11ahの無線通信により、前記複数の中継装置のうち、前記中継装置の単位時間当たりの送信時間に基づいて選択された中継装置に対して前記センサデータを送信する、複数のセンサ端末と、を備える。これによれば、中継装置の過度な使用を抑制することが可能となる。
【0008】
上記態様において、前記複数の中継装置の単位時間当たりの送信時間を取得し、予め定められた所定のルート上にある中継装置の前記送信時間が閾値以上である場合に、別のルート上にある他の中継装置にセンサ端末の送信先を変更する、ルート管理部を有するサーバを、さらに備えてもよい。これによれば、中継装置の過度な使用を抑制することが可能となる。
【0009】
上記態様において、前記送信時間が閾値未満の中継装置に送信先を変更してもよい。これによれば、中継装置の過度な使用を抑制することが可能となる。
【0010】
上記態様において、前記センサ端末は前記サーバを備え、前記ルート管理部は、前記所定のルートから前記別のルートの中継装置に送信先を変更するためのルート変更要求を前記複数の中継装置に送信してもよい。これによれば、中継装置にルートを変更させることが可能となる。
【0011】
上記態様において、前記所定のルートに含まれる前記中継装置は、前記ルート変更要求に応じて、前記所定のルートを表すペアリングデータを破棄してもよい。これによれば、所定のルートに含まれる中継装置からペアリングデータを削除することが可能となる。
【0012】
上記態様において、前記別のルートに含まれる前記中継装置は、前記ルート変更要求に応じて、前記別のルートを表すペアリングデータを生成してもよい。これによれば、別のルートに含まれる中継装置にペアリングデータを生成することが可能となる。
【0013】
上記態様において、前記上位通信装置は、前記所定ルートに含まれる前記センサ端末に管理データを送信し、前記所定のルートから前記別のルートの前記中継装置に送信先が変更された場合に、前記別のルートに含まれる前記センサ端末に管理データを送信してもよい。これによれば、管理データの送信による中継装置の過度な使用も抑制することが可能となる。
【0014】
上記態様において、前記複数のセンサ端末の数は、前記複数の中継装置の数よりも多くてもよい。これによれば、中継装置の使用頻度が高まりやすい状況であっても、中継装置の過度な使用を抑制することが可能となる。
【0015】
上記態様において、前記閾値は、前記単位時間当たりの送信時間の制限値よりも小さくてもよい。これによれば、送信時間が制限値に到達する前に、ルートを変更することが可能となる。
【0016】
また、本発明の他の態様の無線通信システムの管理方法は、802.11ahの無線通信により、センサデータを受信する上位通信装置と、802.11ahの無線通信により、前記センサデータを前記上位通信装置に中継する、複数の中継装置と、802.11ahの無線通信により、前記センサデータを前記複数の中継装置の1つに送信する、複数のセンサ端末と、を備える無線通信システムにおいて、前記複数のセンサ端末は、前記複数の中継装置のうち、前記中継装置の単位時間当たりの送信時間に基づいて選択された中継装置に対して前記センサデータを送信する。これによれば、中継装置の過度な使用を抑制することが可能となる。
【0017】
また、本発明の他の態様の管理装置は、802.11ahの無線通信により、センサデータを受信する上位通信装置と、802.11ahの無線通信により、前記センサデータを前記上位通信装置に中継する、複数の中継装置と、802.11ahの無線通信により、前記センサデータを前記複数の中継装置の1つに送信する、複数のセンサ端末と、を備える無線通信システムにおける、前記複数の中継装置の単位時間当たりの送信時間を取得する取得部と、前記所定のルートに含まれる前記中継装置の前記送信時間が閾値以上である場合に、他の中継装置を経由する別のルートに変更する変更部と、を備える。これによれば、中継装置の過度な使用を抑制することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【
図5】アクセスポイント用ペアリングデータの例を示す図である。
【
図6】中継装置用ペアリングデータの例を示す図である。
【
図7】センサ端末用ペアリングデータの例を示す図である。
【
図11】ペアリングデータの変更を説明するための図である。
【
図12】ペアリングデータの変更を説明するための図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下、本発明の実施形態について、図面を参照しながら説明する。
【0020】
[システム概要]
図1は、無線通信システム100の構成例を示すブロック図である。無線通信システム100は、アクセスポイント1、1又は複数の中継装置2、並びに複数のセンサ端末3を備えている。無線通信システム100は、サーバ4をさらに備えてもよい。
【0021】
アクセスポイント1及びサーバ4は、例えば有線LAN又はインターネット等の通信ネットワークに接続されている。アクセスポイント1は、上位無線装置の例である。これに限らず、上位無線装置は、例えばルーター等であってもよい。
【0022】
中継装置2は、アクセスポイント1とセンサ端末3の間の無線通信を中継する。センサ端末3は、センサを備える無線通信端末であり、センサにより検出されるセンサデータを送信する。センサ端末3は、いわゆるIoTデバイスである。
【0023】
センサ端末3のセンサには、例えば光センサ、イメージセンサ、圧力センサ、温度センサ、湿度センサ、又は加速度センサ等の種々のセンサが用いられる。
【0024】
アクセスポイント1、中継装置2、及びセンサ端末3は、920MHz帯を利用した無線通信が可能である。具体的には、アクセスポイント1、中継装置2、及びセンサ端末3は、例えばIEEE標準規格802.11ahを利用した無線通信が可能である。
【0025】
920MHz帯は長距離通信に適しており、さらにはアクセスポイント1とセンサ端末3の間に中継装置2が介在することで、無線通信システム100は、広大な範囲に配置された多数のセンサ端末3からセンサデータを収集することが可能である。
【0026】
但し、920MHz帯では、電波法により単位時間当たりの送信時間(送信Dutyともいう)が10%に制限される。具体的には、送信時間は、1時間当たり6分以内に制限される。
【0027】
それぞれのセンサ端末3は、1つの中継装置2を経由してアクセスポイント1に到達するルート(以下、「上りルート」ともいう)でセンサデータを送信する。すなわち、上りルートにおいて、センサデータは、センサ端末3から中継装置2に送信され、さらに中継装置2からアクセスポイント1に送信される。
【0028】
また、アクセスポイント1は、上りルートとは反対のルート(以下、「下りルート」ともいう)でセンサ端末3に管理データを送信する。すなわち、下りルートにおいて、管理データは、アクセスポイント1から中継装置2に送信され、さらに中継装置2からセンサ端末3に送信される。
【0029】
図2は、アクセスポイント1の構成例を示すブロック図である。アクセスポイント1は、制御部10、無線通信部11、及び有線通信部12を備えている。
【0030】
制御部10は、CPU、RAM、ROM、不揮発性メモリ、及び入出力インターフェース等を含むコンピュータである。制御部10のCPUは、ROM又は不揮発性メモリからRAMにロードされたプログラムに従って情報処理を実行する。
【0031】
プログラムは、例えば光ディスク又はメモリカード等の情報記憶媒体を介して供給されてもよいし、例えばインターネット又はLAN等の通信ネットワークを介して供給されてもよい。
【0032】
無線通信部11は、920MHz帯を利用した無線通信を可能とする。有線通信部12は、有線LANに接続される。制御部10は、無線通信部11に接続された無線通信端末と、有線通信部12に接続された有線LANとをブリッジする。
【0033】
図3は、中継装置2の構成例を示すブロック図である。中継装置2は、制御部20及び無線通信部21を備えている。制御部20及び無線通信部21は、上記アクセスポイント1の制御部10及び無線通信部11と同様の構成を有する。
【0034】
図4は、センサ端末3の構成例を示すブロック図である。センサ端末3は、制御部30、無線通信部31、及びセンサ33を備えている。制御部30及び無線通信部31は、上記アクセスポイント1の制御部10及び無線通信部11と同様の構成を有する。
【0035】
制御部10は、センサ33から出力される電気信号に基づいてセンサデータを生成する。また、制御部10は、受信された管理データに基づいて設定の変更などを行う。なお、センサ端末3が備えるセンサ33の数は、1つに限らず、複数であってもよい。
【0036】
図5ないし
図7は、ペアリングデータの例を示す図である。アクセスポイント1、中継装置2、及びセンサ端末3のそれぞれは、センサデータ又は管理データが送信されるルートを規定するためのペアリングデータを保持している。ペアリングデータに規定されるルートは、上りルート及び下りルートの両方を含む。ペアリングデータは、ルート上のアクセスポイント1、中継装置2、及びセンサ端末3の識別子によって規定される。
【0037】
図5の例に示すように、アクセスポイント1用のペアリングデータは、アクセスポイント1を起点又は終点とするルートのデータを含んでいる。アクセスポイント1は、サーバ4から管理データを受信すると、ペアリングデータを参照し、管理データの送信先となる中継装置2を特定する。例えば、アクセスポイント「AP」は、センサ端末「ST1」へ管理データを送信するためのルート1に含まれる中継装置「RP1」に管理データを送信する。
【0038】
図6の例に示すように、中継装置2用のペアリングデータは、中継装置2を経由するルートのデータを含んでいる。中継装置2は、アクセスポイント1から管理データを受信すると、ペアリングデータを参照し、管理データの送信先となるセンサ端末3を特定する。例えば、中継装置「RP1」は、管理データを送信するためのルート1に含まれるセンサ端末「ST1」に管理データを送信する。
【0039】
また、中継装置2は、センサ端末3からセンサデータを受信すると、ペアリングデータを参照して、センサデータの送信先となるアクセスポイント1を特定する。例えば、中継装置「RP1」は、センサ端末「ST1」からのセンサデータを送信するためのルート1に含まれるアクセスポイント「AP」にセンサデータを送信する。
【0040】
図7の例に示すように、センサ端末3用のペアリングデータは、センサ端末3を起点又は終点とするルートのデータを含んでいる。センサ端末3は、ペアリングデータを参照して、センサデータの送信先となる中継装置2を特定する。例えば、センサ端末「ST1」は、センサデータを送信するためのルート1に含まれる中継装置「RP1」にセンサデータを送信する。
【0041】
[第1実施形態]
図8は、第1実施形態を説明するための図である。本実施形態では、無線通信システム100が、複数の中継装置2a,2bを備えている。また、本実施形態では、複数のセンサ端末3のそれぞれにルート管理部5が設置されている。ルート管理部5は、管理装置の例である。同図では、説明のため、1つのセンサ端末3のみを示しているが、センサ端末3の数は中継装置2の数よりも多い。
【0042】
ルート管理部5は、センサ端末3に限らず、例えば中継装置2に設置されてもよいし、アクセスポイント1に設置されてもよいし、サーバ4に設置されてもよいし、独立した装置として設置されてもよい。
【0043】
1つのセンサ端末3が2つの中継装置2a,2bと通信可能であるとき、センサ端末3がセンサデータを送信し、管理データを受信するするルートには、中継装置2aを経由するルートRaと、中継装置2bを経由するルートRbとがあり得る。ここでは、始めにルートRaが使用されているものとする。
【0044】
ルートRaは、センサデータがセンサ端末3から中継装置2aに送信され、さらに中継装置2aからアクセスポイント1に送信される上りルートを含む。また、ルートRaは、管理データがアクセスポイント1から中継装置2aに送信され、さらに中継装置2aからセンサ端末3に送信される下りルートを含む。
【0045】
ルートRbは、センサデータがセンサ端末3から中継装置2bに送信され、さらに中継装置2bからアクセスポイント1に送信される上りルートを含む。また、ルートRbは、管理データがアクセスポイント1から中継装置2bに送信され、さらに中継装置2bからセンサ端末3に送信される下りルートを含む。
【0046】
ところで、無線通信システム100のようにセンサ端末3からのセンサデータが中継装置2を経由してアクセスポイント1に送信されるシステムでは、中継装置2にデータが集中するため、中継装置2の送信時間がセンサ端末3又はアクセスポイント1と比べて増加しやすい。このような課題は、センサ端末3の数が多くなるほど顕著となる。
【0047】
そこで、本実施形態では、以下に説明するように中継装置2の使用実績に応じてルートを変更することで、中継装置2の過度な使用を抑制している。
【0048】
図9は、ルート管理部5の構成例を示すブロック図である。ルート管理部5は、センサ端末3のCPUがプログラムに従って情報処理を実行することによって実現される。ルート管理部5は、送信時間取得部51及びルート変更部52を備えている。
【0049】
送信時間取得部51は、中継装置2a,2bの単位時間当たりの送信時間を取得する。中継装置2a,2bは、1時間当たりの送信時間を計測しており、送信時間取得部51は、中継装置2a,2bから1時間当たりの送信時間の現在値を定期的に取得する。1時間当たりの送信時間は、例えば1時間ごとの時間枠における送信時間であってもよいし、直近の1時間における送信時間であってもよい。
【0050】
ルート変更部52は、使用中のルートRaに含まれる中継装置2aの送信時間が閾値以上である場合に、他の中継装置2bを経由するルートRbに変更する。すなわち、ルート変更部52は、送信時間取得部51により取得された送信時間に基づいて、使用中のルートRaに含まれる中継装置2aの送信時間が閾値以上となった場合に、送信時間が閾値未満の中継装置2bを経由する別のルートRbに変更する。閾値は、例えば単位時間の送信時間の8%に設定され、10%に対してマージンを設ける。当該閾値および変更先の中継装置2bは、センサ端末が送信すべきデータ量、センサ端末と中継装置の距離、センサ端末の送信待機時間、時間帯、天候、通信のエラー回数などを含む無線通信状態、過去の一定期間に閾値に達した回数などに基づいて決定されてもよい。
【0051】
ルート変更部52は、ルートRaからルートRbに変更するためのルート変更要求を、アクセスポイント1、中継装置2a,2b、及びセンサ端末3に送信する。アクセスポイント1、中継装置2a,2b、及びセンサ端末3は、ルート変更要求を受信すると、ルートRaからルートRbに変更するようにペアリングデータを更新する。
【0052】
図10は、第1実施形態に係る無線通信システム100の管理方法の手順例を示すフロー図である。センサ端末3のCPUは、同図に示す情報処理をプログラムに従って実行することによって、ルート管理部5として機能する。
【0053】
中継装置2a,2bは、送信時間の現在値を送信する(S21,S31)。中継装置2a,2bは、例えばビーコンに送信時間の現在値を含めることで、送信時間の現在値を定期的に送信してもよいし、ルート管理部5からの定期的な要求に応じて、送信時間の現在値を送信してもよい。
【0054】
ルート管理部5は、中継装置2a,2bから送信時間の現在値を取得する(S11、送信時間取得部51としての処理)。
【0055】
ルート管理部5は、使用中のルートRaに含まれる中継装置2aの送信時間を監視し、中継装置2aの送信時間が閾値以上となった場合に(S12:YES)、ルート変更処理(S13ないしS15、ルート変更部52としての処理)を実行する。
【0056】
閾値は、単位時間当たりの送信時間の制限値(具体的には、1時間当たり6分)よりも小さく設定されることが好ましい。
【0057】
ルート変更処理において、ルート管理部5は、他の中継装置2bの送信時間が閾値未満であることを確認した上で(S13:YES)、センサ端末3が保持するペアリングデータを更新するとともに(S14)、中継装置2a,2bにルート変更要求を送信する(S15)。
【0058】
他の中継装置2bが複数ある場合には、ルート管理部5は、複数の中継装置2bの中から、送信時間が最も少ない中継装置2bを選択する。又は、ルート管理部5は、複数の中継装置2bの中から、電波強度が最も強い中継装置2bを選択してもよい。
【0059】
S11における他の中継装置2bからの送信時間の取得は、S13において他の中継装置2bの送信時間が閾値未満であることを確認するときに行われてもよい。
【0060】
S14のペアリングデータの更新では、ペアリングデータ(
図7参照)におけるセンサデータの送信先となる「中継装置」の部分が、中継装置2aから中継装置2bに変更される。
【0061】
中継装置2a,2bは、ルート変更要求を受信すると(S22,S32:YES)、ペアリンデータを更新する(S23,S33)。
【0062】
具体的には、中継装置2aは、ルート変更要求に応じて、ルートRaを表すペアリングデータを破棄する。例えば
図11に示すように、中継装置2aのペアリングデータでは、ルート変更要求を送信したセンサ端末3(ここでは「ST3」とする)のデータが破棄される。
【0063】
また、中継装置2bは、ルート変更要求に応じて、ルートRbを表すペアリングデータを生成する。例えば
図12に示すように、中継装置2bのペアリングデータでは、ルート変更要求を送信したセンサ端末3(ここでは「ST3」とする)のデータが新たに生成される。
【0064】
同様に、ルート管理部5はアクセスポイント1にもルート変更要求を送信し、アクセスポイント1は、ルート変更要求を受信すると、ペアリングデータ(
図5参照)において、ルートRaを表すペアリングデータを破棄するとともに、ルートRbを表すペアリングデータを生成する。
【0065】
以上の処理により、使用ルートがルートRaからルートRbに変更され、その結果、センサ端末3からのセンサデータは、中継装置2bを経由してアクセスポイント1に送信されるようになる。また、アクセスポイント1からの管理データも、中継装置2bを経由してセンサ端末3に送信されるようになる。
【0066】
本実施形態によれば、使用中のルートRaに含まれる中継装置2aの送信時間が閾値以上となった場合に、送信時間が閾値未満の中継装置2bを経由する別のルートRbを使用するように変更されるので、中継装置2aの送信時間が制限を超えることを抑制することが可能となる。
【0067】
[第2実施形態]
図13は、第2実施形態を説明するための図である。本実施形態では、サーバ4に送信管理部6が設置されている。送信管理部6は、管理装置の例である。同図では、説明を分かり易くするため、1つの中継装置2のみを示しているが、中継装置2は複数あってもよい。
【0068】
送信管理部6のサーバ4は、ネットワーク上のサーバ4に限らず、例えばアクセスポイント1に設置されてもよいし、中継装置2に設置されてもよいし、センサ端末3に設置されてもよいし、独立した装置として設置されてもよい。
【0069】
ところで、無線通信システム100のようにセンサ端末3からのセンサデータが中継装置2を経由してアクセスポイント1に送信されるシステムでは、複数のセンサ端末3によるセンサデータの送信タイミングが集中すると、中継装置2の送信時間が制限を超えるおそれがある。
【0070】
そこで、本実施形態では、以下に説明するようにして、複数のセンサ端末3によるセンサデータの送信タイミングを管理している。
【0071】
図14は、送信管理部6の構成例を示すブロック図である。送信管理部6は、サーバ4のCPUがプログラムに従って情報処理を実行することによって実現される。送信管理部6は、決定部61及び設定部62を備えている。
【0072】
決定部61は、複数のセンサ端末3がセンサデータを送信する送信タイミングを予め決定する。設定部62は、決定部61により決定された送信タイミングを複数のセンサ端末3に設定する。
【0073】
決定部61は、センサデータに関連するデータが記憶されたデータベース(
図15参照)を参照して、複数のセンサ端末3がセンサデータを送信する送信タイミングを決定する。
【0074】
図15に示すように、データベースは、「センサ端末」、「センサデータ」、「データ量」、及び「送信周期」等のフィールドを含んでいる。「センサ端末」は、センサ端末3の識別子を表す。
【0075】
「センサデータ」は、センサ端末3が送信するセンサデータを表す。1つのセンサ端末3が複数のセンサ33を備える場合には、当該センサ端末3に複数のセンサデータが関連付けられる。
【0076】
「データ量」は、センサデータのデータ量を表す。データ量は、正確な値である必要はなく、例えばデータ量の目安又は等級などであってもよい。「送信周期」は、センサデータの送信周期を表す。
【0077】
決定部61は、タイムテーブル(
図16参照)における所定時間(具体的には1時間)ごとの時間枠にセンサデータの送信タイミングを割り振る。ここで、時間枠が区切られる所定時間は、920MHz帯において単位時間当たりの送信時間が制限される、当該単位時間と同じである。
【0078】
このとき、決定部61は、一部のセンサ端末3によるセンサデータの送信タイミングを第1の時間枠に割り振り、他のセンサ端末3によるセンサデータの送信タイミングを第1の時間枠とは別の第2の時間枠に割り振ることで、送信タイミングを分散させる。例えば
図16に示すように、センサ端末ST1,ST2,ST4のセンサデータD1,D2,D4は14時の時間枠に割り振られ、センサ端末ST3のセンサデータD31,D32は15時の時間枠に割り振られる。
【0079】
また、決定部61は、データベース(
図15参照)に記憶されたセンサデータの送信周期を考慮して、時間枠にセンサデータの送信タイミングを割り振る。例えば、センサデータD1,D2の送信周期T1,T2が2時間とした場合、センサデータD1,D2が14時と16時の時間枠に割り振られると、他のセンサデータD31,D32は14時と16時を避けて15時の時間枠に割り振られる。
【0080】
また、決定部61は、1つの時間枠に割り振るセンサデータの送信タイミングの数を、所定数以下に制限する。例えば、1つの時間枠に割り振るセンサデータの送信タイミングの数を3つ以下に制限するとき、3つのセンサデータD1,D2,D4が14時の時間枠に割り振られると、他のセンサデータD31,D32は15時の時間枠に割り振られる。
【0081】
また、決定部61は、データベース(
図15参照)に記憶されたセンサデータのデータ量に応じて、センサデータの送信タイミングを時間枠に割り振る。例えば、センサデータD1,D2,D4のデータ量A1,A2,A4の合計が1時間分のデータ量に近い場合、センサデータD1,D2,D4が14時の時間枠に割り振られると、他のセンサデータD31,D32は15時の時間枠に割り振られる。
【0082】
本実施形態によれば、複数のセンサ端末3によるセンサデータの送信タイミングを分散させて、センサデータを中継する中継装置2の送信時間が制限を超えることを抑制することが可能となる。
【0083】
図17は、第2実施形態に係る無線通信システム100の管理方法の手順例を示すフロー図である。サーバ4のCPUは、同図に示す情報処理をプログラムに従って実行することによって、送信管理部6として機能する。
【0084】
以下では、新たなセンサ端末3が増設されるとき、又は何れかのセンサ端末3に新たなセンサ33が増設されるときに、センサデータの送信タイミングを決定する処理例について説明する。これに限らず、センサデータの送信タイミングは一斉に決定されてもよい。
【0085】
センサ端末3は、増設を検知すると(S51:YES)、送信管理部6に増設を通知する(S52)。すなわち、センサ端末3は、自機が設置されるとき、又は自機に新たなセンサ33が追加されるときに、送信管理部6に増設を通知する。
【0086】
送信管理部6は、センサ端末3から増設が通知されると(S41:YES)、センサ端末3がセンサデータを送信する送信タイミングを決定し(S42、決定部61としての処理)、決定された送信タイミングをセンサ端末3に通知する(S43、設定部としての処理)。
【0087】
送信タイミングの決定は、上述したように、タイムテーブル(
図16参照)における他のセンサ端末3によるセンサデータの送信タイミングを考慮して行われる。すなわち、複数のセンサデータの送信タイミングが特定の時間枠に集中せず分散されるように、新たなセンサデータの送信タイミングが決定される。
【0088】
センサ端末3は、送信管理部6から送信タイミングが通知されると(S51:YES)、通知された送信タイミングを設定する(S52)。以後、センサ端末3は、設定された送信タイミングが到来すると、センサデータを中継装置2に送信する。
【0089】
これによれば、新たなセンサ端末3が増設されるとき、又は何れかのセンサ端末3に新たなセンサ33が増設されるときに、新たなセンサデータの送信タイミングを、他のセンサ端末3によるセンサデータの送信タイミングと集中しないように決定することが可能となる。
【0090】
[第3実施形態]
図18は、第3実施形態を説明するための図である。本実施形態では、サーバ4に頻度管理部7が設置されている。頻度管理部7は、管理装置の例である。同図では、説明を分かり易くするため、1つの中継装置2のみを示しているが、中継装置2は複数あってもよい。
【0091】
頻度管理部7は、サーバ4に限らず、例えばアクセスポイント1に設置されてもよいし、中継装置2に設置されてもよいし、センサ端末3に設置されてもよいし、独立した装置として設置されてもよい。
【0092】
ところで、無線通信システム100のようにセンサ端末3からのセンサデータが中継装置2を経由してアクセスポイント1に送信されるシステムでは、緊急度などに応じてセンサデータの送信頻度が変動することがあり、送信頻度が過度に増加すると、中継装置2の送信時間が制限を超えるおそれがある。
【0093】
そこで、本実施形態では、以下に説明するようにセンサデータの送信頻度の均衡を図ることによって、中継装置2の過度な使用を抑制している。
【0094】
図19は、頻度管理部7の構成例を示すブロック図である。頻度管理部7は、サーバ4のCPUが情報処理を実行することによって実現される。頻度管理部7は、監視部71及び変更部72を備えている。
【0095】
監視部71は、複数のセンサ端末3のセンサデータの送信頻度を監視する。変更部72は、複数のセンサ端末3のうちの、1つのセンサ端末3(以下、「センサ端末3a」という)のセンサデータの送信頻度が増加した場合に、他のセンサ端末3(以下、「センサ端末3b」という)のセンサデータの送信頻度を減少させる。
【0096】
監視部71は、センサ端末3aのセンサデータの送信頻度の増加を、センサデータの送信頻度が閾値以上になった場合に検知してもよいし、センサデータの送信頻度の変化率が閾値以上になった場合に検知してもよいし、センサデータの送信頻度の微分値が閾値以上になった場合に検知してもよい。
【0097】
また、監視部71は、センサ端末3aからセンサデータの送信頻度が増加した通知を受けた場合に、センサ端末3aのセンサデータの送信頻度の増加を検知してもよい。また、監視部71は、複数のセンサ端末3のセンサデータに基づいて緊急度を判定してもよい。
【0098】
変更部72は、センサデータの送信頻度減少をセンサ端末3bに指示する。センサ端末3bは、頻度管理部7から送信頻度減少の指示を受けると、センサデータの送信頻度を減少させる。また、変更部72は、センサ端末3bのセンサデータの送信を停止させてもよい。
【0099】
図20ないし
図22は、第3実施形態に係る無線通信システム100の管理方法の手順例を示すフロー図である。サーバ4のCPUは、同図に示す情報処理をプログラムに従って実行することによって、頻度管理部7として機能する。重複するステップについては、同番号を付すことで詳細な説明を省略することがある。
【0100】
図20は、第1例のフロー図である。センサ端末3aは、センサデータに基づいて緊急度を判定し(S71)、緊急状態が検知された場合、すなわち緊急度が所定以上である場合に(S72:YES)、センサデータの送信頻度を増加させる(S73)。
【0101】
センサ端末3aは、かかる緊急度の判定を定期的に実施する。緊急度は、センサ33により監視される対象の緊急度であり、例えばセンサデータの値の大きさに応じた階級で表される。
【0102】
頻度管理部7は、センサデータの送信頻度を監視し(S61、監視部71としての処理)、センサ端末3aによるセンサデータの送信頻度の増加を検知した場合に(S62:YES)、送信頻度を減少させるセンサ端末3bを決定し(S63)、送信頻度減少をセンサ端末3bに指示する(S64:変更部72としての処理)。
【0103】
センサ端末3a以外のセンサ端末3が複数ある場合には、頻度管理部7は、例えばセンサデータに基づいて判定される緊急度が最も低いセンサ端末3を、送信頻度を減少させるセンサ端末3bとして決定する。
【0104】
センサ端末3bは、頻度管理部7から送信頻度減少の指示を受けると(S81:YES)、センサデータの送信頻度を減少させる(S82)。
【0105】
図21は、第2例のフロー図である。センサ端末3aは、センサデータに基づいて緊急度を判定し(S71)、緊急状態が検知された場合(S72:YES)、センサデータの送信頻度を増加させるとともに(S73)、送信頻度が増加した通知を頻度管理部7に送信する(S74)。送信頻度増加の通知は、緊急状態の通知でもある。
【0106】
頻度管理部7は、送信頻度増加の通知を受けると(S65:YES)、送信頻度を減少させるセンサ端末3bを決定し(S63)、送信頻度減少をセンサ端末3bに指示する(S64)。センサ端末3bは、頻度管理部7から送信頻度減少の指示を受けると(S81:YES)、センサデータの送信頻度を減少させる(S82)。
【0107】
図22は、第3例のフロー図である。頻度管理部7は、複数のセンサ端末3のセンサデータを監視し、それらのセンサデータに基づいて何れかのセンサ端末3が緊急状態であるか否か、すなわち緊急度が所定以上であるか否か判定する(S66ないしS67、監視部71としての処理)。
【0108】
頻度管理部7は、緊急度が所定以上のセンサ端末3aを検知すると(S67:YES)、センサ端末3aに緊急状態を通知する(S68)。緊急状態の通知は、送信頻度増加の指示でもある。センサ端末3aは、頻度管理部7から緊急状態の通知を受けると(S75:YES)、センサデータの送信頻度を増加させる(S73)。
【0109】
さらに、頻度管理部7は、緊急度が低いセンサ端末3bを送信頻度減少の対象として決定し(S63)、送信頻度減少をセンサ端末3bに指示する(S64)。センサ端末3bは、頻度管理部7から送信頻度減少の指示を受けると(S81:YES)、センサデータの送信頻度を減少させる(S82)。
【0110】
本実施形態によれば、センサ端末3aのセンサデータの送信頻度が増加したときに、センサ端末3bのセンサデータの送信頻度を減少させることで、センサデータを中継する中継装置2の送信時間が制限を超えることを抑制することが可能となる。さらには、緊急状態にあるセンサ端末3aがセンサデータを送信できなくなることを回避することが可能となる。
【0111】
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は以上に説明した実施形態に限定されるものではなく、種々の変更が当業者にとって可能であることはもちろんである。また、以上に説明した複数の実施形態は、適宜組み合わせることが可能である。
【0112】
以下、本発明の代表的な実施形態を列挙する。
【0113】
(1)
802.11ahの無線通信により、センサデータを受信する上位通信装置と、
802.11ahの無線通信により、前記センサデータを前記上位通信装置に中継する、複数の中継装置と、
802.11ahの無線通信により、前記複数の中継装置のうち、前記中継装置の単位時間当たりの送信時間に基づいて選択された中継装置に対して前記センサデータを送信する、複数のセンサ端末と、
を備える、無線通信システム。
【0114】
(2)
前記複数の中継装置の単位時間当たりの送信時間を取得し、予め定められた所定のルート上にある中継装置の前記送信時間が閾値以上である場合に、別のルート上にある他の中継装置にセンサ端末の送信先を変更する、ルート管理部を有するサーバを、さらに備える、
(1)に記載の無線通信システム。
【0115】
(3)
前記ルート管理部は、前記送信時間が閾値未満の中継装置に送信先を変更する、
(2)に記載の無線通信システム。
【0116】
(4)
前記センサ端末は前記サーバを備え、
前記ルート管理部は、前記所定のルートから前記別のルートの中継装置に送信先を変更するためのルート変更要求を前記複数の中継装置に送信する、
(2)または(3)に記載の無線通信システム。
【0117】
(5)
前記所定のルートに含まれる前記中継装置は、前記ルート変更要求に応じて、前記所定のルートを表すペアリングデータを破棄する、
(4)に記載の無線通信システム。
【0118】
(6)
前記別のルートに含まれる前記中継装置は、前記ルート変更要求に応じて、前記別のルートを表すペアリングデータを生成する、
(4)に記載の無線通信システム。
【0119】
(7)
前記上位通信装置は、前記所定ルートに含まれる前記センサ端末に管理データを送信し、前記所定のルートから前記別のルートの前記中継装置に送信先が変更された場合に、前記別のルートに含まれる前記センサ端末に管理データを送信する、
(2)ないし(6)の何れかに記載の無線通信システム。
【0120】
(8)
前記複数のセンサ端末の数は、前記複数の中継装置の数よりも多い、
(1)ないし(7)の何れかに記載の無線通信システム。
【0121】
(9)
前記閾値は、前記単位時間当たりの送信時間の制限値よりも小さい、
(1)ないし(8)の何れかに記載の無線通信システム。
【0122】
(10)
802.11ahの無線通信により、センサデータを受信する上位通信装置と、802.11ahの無線通信により、前記センサデータを前記上位通信装置に中継する、複数の中継装置と、802.11ahの無線通信により、前記センサデータを前記複数の中継装置の1つに送信する、複数のセンサ端末と、を備える無線通信システムにおいて、前記複数のセンサ端末は、前記複数の中継装置のうち、前記中継装置の単位時間当たりの送信時間に基づいて選択された中継装置に対して前記センサデータを送信する、
無線通信システムの管理方法。
【0123】
(11)
802.11ahの無線通信により、センサデータを受信する上位通信装置と、802.11ahの無線通信により、前記センサデータを前記上位通信装置に中継する、複数の中継装置と、802.11ahの無線通信により、前記センサデータを前記複数の中継装置の1つに送信する、複数のセンサ端末と、を備える無線通信システムにおける、前記複数の中継装置の単位時間当たりの送信時間を取得する取得部と、
前記所定のルートに含まれる前記中継装置の前記送信時間が閾値以上である場合に、他の中継装置を経由する別のルートに変更する変更部と、
を備える、管理装置。
【符号の説明】
【0124】
1 アクセスポイント(上位通信装置の例)、2 中継装置、3 センサ端末、4 サーバ、5 ルート管理部、6 送信管理部、7 頻度管理部、10 制御部、11 無線通信部、12 有線通信部、20 制御部、21 無線通信部、30 制御部、31 無線通信部、33 センサ、51 送信時間取得部、52 ルート変更部、61 決定部、62 設定部、71 監視部、72 変更部