(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024061168
(43)【公開日】2024-05-07
(54)【発明の名称】住宅設備システム
(51)【国際特許分類】
H04L 41/0806 20220101AFI20240425BHJP
H04L 12/28 20060101ALI20240425BHJP
H04M 1/00 20060101ALI20240425BHJP
【FI】
H04L41/0806
H04L12/28 500F
H04M1/00 U
【審査請求】未請求
【請求項の数】3
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022168930
(22)【出願日】2022-10-21
(71)【出願人】
【識別番号】000115854
【氏名又は名称】リンナイ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000800
【氏名又は名称】デロイトトーマツ弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】浅井 幸治
【テーマコード(参考)】
5K127
【Fターム(参考)】
5K127BA03
5K127CB16
5K127DA12
5K127GD16
5K127NA16
(57)【要約】
【課題】住宅設備機器と携帯端末との無線LANを介した通信接続を確立するための操作をユーザが適切に遂行することを可能とする住宅設備システムを提供する。
【解決手段】住宅設備機器10の表示部12bには、通信接続の確立操作の実行中に、住宅設備機器10のリモコン12と無線LAN装置30との通信接続が確立したか否かを示す通信接続報知情報としての画像情報が表示される。該画像情報を携帯端末20にカメラ20dを介して入力したとき、携帯端末20は、リモコン12と無線LAN装置30との通信接続が確立したか否かを該画像情報から認識し、その認識結果に応じた案内情報を表示部20aに表示させる。
【選択図】
図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
音響情報又は画像情報から成る報知情報を出力可能な報知部と、無線通信モジュールとを有する住宅設備機器と、
前記住宅設備機器との無線通信を通じて該住宅設備機器の状態確認を可能とするアプリケーションがインストールされた携帯端末と、
前記住宅設備機器と前記携帯端末との間の無線LANを構成する無線LAN装置とを備える住宅設備システムであって、
前記アプリケーションは、前記住宅設備機器と前記携帯端末との前記無線LANを介した通信接続の確立操作用のアプリケーションを含んでおり、
前記報知部は、前記住宅設備機器と前記携帯端末との前記無線LANを介した通信接続の確立操作の実行中に、前記住宅設備機器と前記無線LAN装置との通信接続が確立したか否かを示す前記報知情報である通信接続報知情報を出力するように構成され、
前記通信接続の確立操作用のアプリケーションは、前記報知部から出力された通信接続報知情報を前記携帯端末に入力したとき、該通信接続報知情報が、前記住宅設備機器と前記無線LAN装置との通信接続の確立を示す情報であるか否かを前記携帯端末で認識し得るように構成されていると共に、前記住宅設備機器と前記携帯端末との前記無線LANを介した通信接続の確立操作の進行のために前記携帯端末からユーザに対して出力する案内情報を当該認識の結果に応じて変化させるように構成されていることを特徴とする住宅設備システム。
【請求項2】
請求項1記載の住宅設備システムにおいて、
前記報知部は、前記無線LAN装置に対する前記住宅設備機器の通信接続が確立したか否かに応じて異なる画像情報を前記通信接続報知情報として表示する表示部であり、前記通信接続の確立操作用のアプリケーションは、前記報知部で表示された画像情報を前記携帯端末のカメラを介して該携帯端末に入力したとき、当該入力された画像情報に基づいて、前記通信接続報知情報が前記住宅設備機器と前記無線LAN装置との通信接続の確立を示す情報であるか否かを認識するように構成されていることを特徴とする住宅設備システム。
【請求項3】
請求項1記載の住宅設備システムにおいて、
前記報知部は、前記無線LAN装置に対する前記住宅設備機器の通信接続が確立したか否かに応じて異なる音響情報を前記通信接続報知情報として発音する発音部であり、前記通信接続の確立操作用のアプリケーションは、前記報知部で発音された音響情報を前記携帯端末の音響入力部を介して該携帯端末に入力したとき、当該入力された音響情報に基づいて、前記通信接続報知情報が前記住宅設備機器と前記無線LAN装置との通信接続の確立を示す情報であるか否かを認識するように構成されていることを特徴とする住宅設備システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、住宅設備機器と携帯端末との無線通信用のシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
給湯装置等の住宅設備機器機器の状態をスマートフォン等の携帯端末を用いて確認したり、該携帯端末を用いて住宅設備機器を遠隔操作する場合、携帯端末で住宅設備機器との通信用のアプリケーションを起動した状態で、住宅設備機器が設置された住戸に構築された無線LANを介して携帯端末と住宅設備機器との通信接続が行われる。
例えば特許文献1には、給湯装置のリモコンと、携帯端末とを無線LANを介して接続するために、次のような通信接続処理を実行するようにしている。
【0003】
この処理では、まず、リモコンの無線通信モジュールをAPモード(アクセスポイントモード)動作させながら、携帯端末との通信接続を行った状態で、携帯端末からリモコンに無線LANの識別情報であるSSID及びパスワードが入力される。
【0004】
次いで、リモコンの無線通信モジュールをAPモードからSTAモード(ステーションモード)に切り替えた状態で、リモコンと無線LAN装置(無線ルータ)との通信接続が、リモコンに入力されたSSID及びパスワードを用いて行われる。
リモコンと無線LAN装置との通信接続が確立すると、無線LANに接続した携帯端末とリモコンとの間で無線LANを介した通信接続が行われる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
ところで、住宅設備機器と携帯端末とを無線LANを介して通信接続しようとした場合、住宅設備機器と無線LAN装置との通信接続を正常に確立できない状況が生じ得る。例えば、住宅設備機器の無線通信モジュールと無線LAN装置との間の障害物や距離等に起因して、住宅設備機器の無線通信モジュールと無線LAN装置との間の通信不良が生じたり、あるいは、住宅設備機器に間違ったSSID又はパスワードが入力されてしまう場合がある。このような場合に、住宅設備機器と無線LAN装置との通信接続を正常に確立できない状況が発生する。
【0007】
また、ユーザは、住宅設備機器と無線LAN装置との通信接続を確立できていなくても、該通信接続が完了したと思って、住宅設備機器と携帯端末とを無線LANを介して通信接続するための処理(住宅設備機器と無線LAN装置との通信接続が確立したことを前提とする処理)を進行させるように携帯端末を操作してしまう場合がある。
【0008】
例えば、前記特許文献1に見られる技術では、携帯端末から給湯装置のリモコンへのSSID及びパスワードの送信後、リモコンの無線通信モジュールがAPモードからSTAモードに切り替わるため、リモコンと携帯端末との通信接続が解除される。この解除状態では、リモコンは、無線LAN装置との通信接続が確立できたか否かを示す情報を携帯端末に通知することができない。
【0009】
このため、住宅設備機器と無線LAN装置との通信接続を確立できていなくても、ユーザが、住宅設備機器と携帯端末とを無線LANを介して通信接続するための処理を進行させるように携帯端末を操作してしまう場合がある。そして、この場合、住宅設備機器と携帯端末とを無線LANを介して通信接続することはできないので、ユーザは無駄な作業に労力と時間を費やしてしまうことになる。
【0010】
本発明はかかる背景に鑑みてなされたものであり、住宅設備機器と携帯端末との無線LANを介した通信接続を確立するための操作をユーザが適切に遂行することを可能とする住宅設備システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明の住宅設備システムは、上記の目的を達成するために、
音響情報又は画像情報から成る報知情報を出力可能な報知部と、無線通信モジュールとを有する住宅設備機器と、
前記住宅設備機器との無線通信を通じて該住宅設備機器の状態確認を可能とするアプリケーションがインストールされた携帯端末と、
前記住宅設備機器と前記携帯端末との間の無線LANを構成する無線LAN装置とを備える住宅設備システムであって、
前記アプリケーションは、前記住宅設備機器と前記携帯端末との前記無線LANを介した通信接続の確立操作用のアプリケーションを含んでおり、
前記報知部は、前記住宅設備機器と前記携帯端末との前記無線LANを介した通信接続の確立操作の実行中に、前記住宅設備機器と前記無線LAN装置との通信接続が確立したか否かを示す前記報知情報である通信接続報知情報を出力するように構成され、
前記通信接続の確立操作用のアプリケーションは、前記報知部から出力された通信接続報知情報を前記携帯端末に入力したとき、該通信接続報知情報が、前記住宅設備機器と前記無線LAN装置との通信接続の確立を示す情報であるか否かを前記携帯端末で認識し得るように構成されていると共に、前記住宅設備機器と前記携帯端末との前記無線LANを介した通信接続の確立操作の進行のために前記携帯端末からユーザに対して出力する案内情報を当該認識の結果に応じて変化させるように構成されていることを特徴とする(第1発明)。
【0012】
本発明によれば、住宅設備機器と無線LAN装置との通信接続が確立されたか否かを示す画像情報又は音響情報である通信接続報知情報が、住宅設備機器の報知部から出力される。そして、報知部から出力された通信接続報知情報を携帯端末に入力することで、住宅設備機器と無線LAN装置との通信接続が確立された場合と、確立できなかった場合とのそれぞれの場合に適合した案内情報を携帯端末から出力させることができる。
【0013】
このため、住宅設備機器と無線LAN装置との通信接続が確立された場合と、確立できなかった場合とのいずれの場合でも、ユーザは、住宅設備機器と携帯端末との無線LANを介した通信接続を確立するための操作を適切に遂行することが可能となる。
【0014】
上記第1発明では、前記報知部は、前記無線LAN装置に対する前記住宅設備機器の通信接続が確立したか否かに応じて異なる画像情報を前記通信接続報知情報として表示する表示部であり、前記通信接続の確立操作用のアプリケーションは、前記報知部で表示された画像情報を前記携帯端末のカメラを介して該携帯端末に入力したとき、当該入力された画像情報に基づいて、前記通信接続報知情報が前記住宅設備機器と前記無線LAN装置との通信接続の確立を示す情報であるか否かを認識するように構成されているという態様を採用し得る(第2発明)。
【0015】
これによれば、通信接続報知情報としての画像情報報を携帯端末に入力するために、携帯端末に一般的に備えられているカメラを利用することができる。ひいては、本発明の住宅設備システムを安価に構成できる。
【0016】
また、上記第1発明では、前記報知部は、前記無線LAN装置に対する前記住宅設備機器の通信接続が確立したか否かに応じて異なる音響情報を前記通信接続報知情報として発音する発音部であり、前記通信接続の確立操作用のアプリケーションは、前記報知部で発音された音響情報を前記携帯端末の音響入力部を介して該携帯端末に入力したとき、当該入力された音響情報に基づいて、前記通信接続報知情報が前記住宅設備機器と前記無線LAN装置との通信接続の確立を示す情報であるか否かを認識するように構成されているという態様を採用することもできる(第3発明)。
【0017】
これによれば、通信接続報知情報としての音響情報を携帯端末に入力するために、携帯端末に一般的に備えられているマイクロフォン等の音響入力部を利用することができる。ひいては、本発明の住宅設備システムを安価に構成できる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【
図1】本発明の実施形態(第1実施形態及び第2実施形態)の住宅設備システムとしての給湯システムの構成を示す図。
【
図2】
図2A~
図2Gは、第1実施形態での通信接続のための処理を説明するための図。
【
図3】
図3A~
図3Gは、第2実施形態での通信接続のための処理を説明するための図。
【発明を実施するための形態】
【0019】
[第1実施形態]
本発明の第1実施形態を
図1~
図2Gを参照して以下に説明する。
図1を参照して、本実施形態の住宅設備システムは、例えば給湯システムである。この給湯システムは、住宅設備機器としての給湯装置10と、該給湯装置10のユーザが使用する携帯端末20と、無線LAN31を構成する無線LAN装置としての無線ルータ30とを備える。なお、無線LAN装置は、無線ルータ機能を有するパソコン等により構成されていてもよい。
【0020】
給湯装置10は、給湯用水を加熱して出湯可能な熱源機11と、該熱源機11の運転操作用のリモコン12とを有する。リモコン12は、図示しない複数の操作スイッチにより構成される操作部12aと、ユーザによる設定情報(給湯温度の目標値等)や熱源機11の状態情報、後述する画像情報等を表示し得る表示部12bと、音声、報知音等の音響情報を出力(発音)し得る発音部12cと、無線通信モジュール12dと、制御部12eとを備え、熱源機11と通信を行い得るように有線接続されている。表示部12bは、液晶ディスプレイ等により構成され、発音部12cは、スピーカ等により構成される。なお、本実施形態では、表示部12bが本発明における報知部に相当するものである。
【0021】
無線通信モジュール12dは、本実施形態では、APモード(アクセスポイントモード)とSTAモード(ステーションモード)との2種類のモードで選択的に動作可能な通信モジュールである。APモードは、無線通信モジュール12dを、アクセスポイントとして動作させるモードである。このAPモードでは、無線通信モジュール12dは、携帯端末20との直接的な通信を行うことが可能である。
【0022】
また、STAモードは、無線通信モジュール12dが無線LAN31のクライアント(端末)として動作し得るモードである。このSTAモードでは、無線通信モジュール12dは、無線LAN31を介して携帯端末20との通信を行うことが可能である。
【0023】
制御部12eは、図示しないマイクロコンピュータ等のプロセッサ、メモリ(RAM、ROM等)、インターフェース回路等を含む電子回路ユニットにより構成され、操作部12aの操作データや、熱源機11との通信データ、無線通信モジュール12dによる通信データが入力される。そして、制御部12eは、実装されたハードウェア構成及びプログラム(ソフトウェア構成)により実現される機能によって、表示部12b、発音部12c、及び無線通信モジュール12dの作動制御を行うことが可能である。
【0024】
無線ルータ30は、固有の識別情報としてのSSID及びパスワードがあらかじめ定められた無線LAN31を構成する。そして、無線ルータ30は、該無線LAN31用のSSID及びパスワードが登録された端末だけを無線LAN31のクライントとして許可するように構成されている。
【0025】
携帯端末20は、スマートフォン、タブレット端末等により構成される通信端末であり、タッチパネル形式の表示部20a、発音部20b、音響入力部20c、及びカメラ20dを含む。この携帯端末20には、給湯装置10の状態確認等、給湯装置10に関する処理を携帯端末20で行うためのアプリケーション(以降、給湯サービスアプリという)がインストールされている。発音部20bは、スピーカ等により構成され、音響入力部20cは、マイクロフォン等により構成される。
【0026】
そして、携帯端末20は、給湯サービスアプリの起動時の初期設定において、無線LAN31用のSSID及びパスワードがあらかじめ登録されている。これにより、携帯端末20は、給湯サービスアプリの起動状態において、無線LAN31を使用した無線通信(無線ルータ30や、他のクライアントとの無線通信)を行うことが可能である。
【0027】
次に、携帯端末20により給湯装置10の状態確認等を行うために、携帯端末20とリモコン12との通信接続(無線LAN31を介した通信接続)を確立する処理について説明する。
【0028】
ここで、携帯端末20により、無線LANを介して給湯装置10の状態確認等を行う場合、給湯装置10の無線通信モジュール(本実施形態では、リモコン12に搭載された無線通信モジュール12d)を、携帯端末20が接続可能な無線LAN31に接続させる必要がある。そして、給湯装置10の初期状態では、リモコン12の無線通信モジュール12dは、無線LAN31に接続できないので、その接続を可能とするための接続設定(無線LAN31の識別情報(SSID及びパスワード)の登録等)をリモコン12に対して行っておく必要がある。
【0029】
この場合、リモコン12は、通常、多種類の文字や記号を入力し得る機能を持たないか、もしくは、該機能を持っていたとしても、文字や記号を入力するときの入力操作性が携帯端末20に比して劣る。このため、様々な文字や記号からなるSSIDやパスワードをリモコン12で直接的に入力することはできないか、もしくは、非常に手間がかかる。そこで、本実施形態では、リモコン12を無線LAN31に接続するための接続設定処理が以下に説明するように、携帯端末20を利用して行われる。
【0030】
ユーザがリモコン12の操作部12aで所定の操作を行うことで、リモコン12の無線通信モジュール12dがAPモードで動作する状態になる。また、前記給湯サービスアプリには、携帯端末20とリモコン12との通信接続の確立操作用のアプリケーション(以降、通信接続確立用アプリという)が含まれており、給湯サービスアプリの起動状態における初期画面等において、ユーザが携帯端末20の所定の操作を行うことで、通信接続確立用アプリが起動される。
【0031】
このとき、リモコン12と携帯端末20との通信接続がAPモードで確立される。そして、
図2Aに例示する如く、携帯端末20の表示部20aに、無線LAN31用のSSIDとパスワードとを入力する画面が表示される。この例では、無線LAN31用のSSID及びパスワードの入力後に「設定」ボタンを押すようになっている。
【0032】
ユーザが、SSID及びパスワードの入力後に「設定」ボタンを押すと、該SSID及びパスワードは、携帯端末20からリモコン12に送信される。そして、リモコン12では、制御部12eが、無線通信モジュール12dを介して受信したSSID及びパスワードを記憶する。さらに、制御部12eは、無線通信モジュール12dのモードをAPモードからSTAモードに切り替えて、受信したSSID及びパスワードを用いて無線ルータ30との通信接続を行うことを試行する。
【0033】
このとき、無線通信モジュール12dから無線ルータ30への通信が正常に行われ、且つ、SSID及びパスワードが正しければ、リモコン12と無線ルータ30とのSTAモードでの通信接続が確立される。これにより、リモコン12は、無線LAN31にクライアントとして組み込まれる。そして、リモコン12の制御部12eは、
図2Bに示すように、リモコン12の表示部12bに、無線ルータ30との通信接続が完了した旨を示す通信接続報知情報としての画像情報(文字情報)を表示させる。以降、この画像情報を接続成功画像情報という。
【0034】
また、無線通信モジュール12dから無線ルータ30への通信不良が生じた場合、あるいは、携帯端末20に対して誤ったSSIDもしくはパスワードが入力された場合には、リモコン12は、無線ルータ30との通信接続を確立することができない。この場合には、リモコン12の制御部12eは、
図2Eに示すように、リモコン12の表示部12bに、無線ルータ30との通信接続が失敗した旨を示す通信接続報知情報としての画像情報(文字情報)を表示させる。以降、この画像情報を接続失敗画像情報という。
【0035】
一方、リモコン12の無線通信モジュール12dのモードがAPモードからSTAモードに切り替わることで、携帯端末20とリモコン12とのAPモードでの通信接続は解除され、携帯端末20は、登録済のSSID及びパスワードを用いて無線ルータ30との通信接続を確立する。これにより、携帯端末20は、無線LAN31にクラインアントとして組み込まれた状態になる。
【0036】
このとき、携帯端末20の通信接続確立用アプリは、リモコン12の表示部12bで表示された画像情報(接続成功画像情報又は接続失敗画像情報)を携帯端末20のカメラ20dで読み込むことを促すメッセージを携帯端末20の表示部20aで表示させる。なお、当該メッセージの表示の代わりに、あるいは、当該メッセージの表示に加えて、当該メッセージと同内容の音声情報を携帯端末20の発音部20bから出力させてもよい。
【0037】
上記メッセージを認識したユーザは、リモコン12の表示部12bに接続成功画像情報又は接続失敗画像情報が表示されている状態で、携帯端末20のカメラ20dをリモコン12の表示部12bに近づけて対向させることで、接続成功画像情報又は接続失敗画像情報を携帯端末20に入力する。
【0038】
このとき、携帯端末20の通信接続確立用アプリは、入力された画像情報(接続成功画像情報又は接続失敗画像情報)に対して画像認識処理を実行することで、該画像情報が、リモコン12と無線ルータ30との通信接続が確立したことを示す接続成功画像情報であるか、リモコン12と無線ルータ30との通信接続が失敗したことを示す接続失敗画像情報でるかを判定する。
【0039】
この場合、当該画像認識処理の実行中には、携帯端末20の表示部20aには、
図2C又は
図2Fに示すように、処理中であることを示す情報として、例えば、「しばらくお待ちください。」というメッセージが表示される。なお、当該メッセージの表示の代わりに、あるいは、当該メッセージの表示に加えて、当該メッセージと同内容の音声情報を携帯端末20の発音部20bから出力させてもよい。
【0040】
通信接続確立用アプリは、画像認識処理により、入力された画像情報が接続成功画像情報であると判定された場合には、
図2Dに例示するように、リモコン12と無線ルータ30との通信接続が完了した旨と、次の操作手順(携帯端末20とリモコン12とをSTAモードで通信接続するための操作手順)とを示すメッセージ(案内情報)を携帯端末20の表示部20aに表示させる。なお、当該メッセージの表示の代わりに、あるいは、当該メッセージの表示に加えて、当該メッセージと同内容の音声情報を携帯端末20の発音部20bから出力させてもよい。
【0041】
補足すると、リモコン12と無線ルータ30との通信接続が確立した場合、リモコン12の制御部12eは、所定時間の間、無線通信モジュール12dから無線LAN31に対してブロードキャストを周期的に送信する。そして、当該ブロードキャストを受信した携帯端末20では、ユーザが給湯装置10のリモコン12を通信相手として選択し得る状態になり、その選択をユーザが行うことで、携帯端末20とリモコン12との通信接続(無線LAN31を介した通信接続)が確立される。ひいては、ユーザは、携帯端末20を操作することで、給湯装置10の状態を確認することや、熱源機11の遠隔操作等を実行できるようになる。
【0042】
一方、通信接続確立用アプリは、画像認識処理により、入力された画像情報が接続失敗画像情報であると判定された場合には、
図2Gに例示するように、リモコン12と無線ルータ30との通信接続が失敗した旨と、リモコン12と無線ルータ30との距離を確認した上で、通信接続のための操作を再度実行すべき旨とを示すメッセージ(案内情報)を携帯端末20の表示部20aに表示させる。なお、当該メッセージの表示の代わりに、あるいは、当該メッセージの表示に加えて、当該メッセージと同内容の音声情報を携帯端末20の発音部20bから出力させてもよい。
【0043】
以上説明した第1実施形態によれば、リモコン12と無線ルータ30との通信接続が確立されたか否かを示す通信接続報知情報としての画像情報(接続成功画像情報又は接続失敗画像情報)がリモコン12の表示部12bで表示される。そして、その画像情報を携帯端末20のカメラ20dを介して該携帯端末20に入力することで、リモコン12と無線ルータ30との通信接続が成功した場合と、失敗した場合とのそれぞれの場合に適合したメッセージ(携帯端末20とリモコン12との通信接続を確立する操作を進行させるための案内情報)が携帯端末20から出力される。これにより、ユーザは、携帯端末20とリモコン12との通信接続を確立する操作を正しく実行することができる。
【0044】
[第2実施形態]
次に本発明の第2実施形態を
図3A~
図3Gを参照して以下に説明する。なお、本実施形態は、携帯端末20とリモコン12との通信接続を行う場合において、リモコン12で通信接続報知情報を出力させる形態と、該通信接続報知情報を携帯端末20に入力する形態だけが第1実施形態と相違するものであるので、第1実施形態と同一事項については説明を省略する。なお、
図3A、
図3C、
図3D、
図3F、
図3Gは、第1実施形態における
図2A、
図2C、
図2D、
図2F、
図2Gとそれぞれ同じ内容の図である。
【0045】
本実施形態では、携帯端末20からリモコン12に、第1実施形態と同様に、無線LAN31用のSSID及びパスワードを送信した後に、リモコン12と無線ルータ30との通信接続が確立された場合には、リモコン12の制御部12eは、
図3Bに示すように、リモコン12の発音部12cから、無線ルータ30との通信接続が完了した旨を示す通信接続報知情報としての音響情報を複数回、間欠的に出力させる。この場合に出力される音響情報は、本実施形態では、音声情報である。以降、この音響情報を接続成功音響情報という。
【0046】
また、携帯端末20からリモコン12に、第1実施形態と同様に、無線LAN31用のSSID及びパスワードを送信した後に、リモコン12と無線ルータ30との通信接続が確立できなかった場合には、リモコン12の制御部12eは、
図3Eに示すように、リモコン12の発音部12cから、無線ルータ30との通信接続が失敗した旨を示す通信接続報知情報としての音響情報を複数回、間欠的に出力させる。この場合に出力される音響情報も、本実施形態では、音声情報である。以降、この音響情報を接続失敗音響情報という、
【0047】
そして、携帯端末20では、無線LAN31用のSSID及びパスワードをリモコン12に送信した後に、通信接続確立用アプリが、リモコン12の発音部12cから出力された音響情報(接続成功音響情報又は接続失敗音響情報)を携帯端末20の音響入力部20cに入力することを促すメッセージを携帯端末20の表示部20aで表示させる。なお、当該メッセージの表示の代わりに、あるいは、当該メッセージの表示に加えて、当該メッセージと同内容の音声情報を携帯端末20の発音部20bから出力させてもよい。
【0048】
上記メッセージを認識したユーザは、リモコン12の発音部12cから接続成功音響情報又は接続失敗音響情報が出力されている状態で、携帯端末20の音響入力部20cをリモコン12の発音部12cに近づけることで、接続成功音響情報又は接続失敗音響情報を携帯端末20に入力する。
【0049】
このとき、携帯端末20の通信接続確立用アプリは、入力された音響情報(接続成功音響情報又は接続失敗音響情報)に対して音声認識処理を実行することで、該音響情報が、リモコン12と無線ルータ30との通信接続が確立したことを示す接続成功音響情報であるか、リモコン12と無線ルータ30との通信接続が失敗したことを示す接続失敗音響情報であるかを判定する。
【0050】
この場合、当該音声認識処理の実行中には、携帯端末20の表示部20aには、
図3C又は
図3Fに示すように、処理中であることを示す情報として、例えば、「しばらくお待ちください。」というメッセージが表示される。なお、当該メッセージの表示の代わりに、あるいは、当該メッセージの表示に加えて、当該メッセージと同内容の音声情報を携帯端末20の発音部20bから出力させてもよい。
【0051】
そして、携帯端末20に入力された音響情報(音声情報)が接続成功音響情報であるか接続失敗音響情報であるかの判定後には、携帯端末20とリモコン12との通信接続を確立する操作を進行させるためのメッセージ(案内情報)が、第1実施形態と同様に、当該判定の結果に応じて携帯端末20で出力される。例えば、
図3D又は
図3Gに例示する如く、メッセージが携帯端末20の表示部20aで表示される。
【0052】
本実施形態は、以上説明した事項以外は、第1実施形態と同じである。なお、本実施形態では、リモコン12の発音部12cが本発明における報知部に相当するものである。
【0053】
以上説明した第2実施形態によれば、リモコン12と無線ルータ30との通信接続が確立されたか否かを示す通信接続報知情報としての音響情報(接続成功音響情報又は接続失敗音響情報)がリモコン12の発音部12cから出力される。そして、その音響情報を携帯端末20に入力することで、リモコン12と無線ルータ30との通信接続が成功した場合と、失敗した場合とのそれぞれに適合したメッセージ(携帯端末20とリモコン12との通信接続を確立する操作を進行させるための案内情報)が携帯端末20から出力される。これにより、ユーザは、第1実施形態と同様に、携帯端末20とリモコン12との通信接続を確立する操作を正しく実行することができる。
【0054】
[他の実施形態]
なお、本発明は、以上説明した第1実施形態及び第2実施形態に限定されるものではなく、他の実施形態を採用することもできる。以下に他の実施形態をいくつか例示する。前記第1実施形態では、リモコン12の表示部12bで表示させる画像情報は、文字情報であるが、当該画像情報は、例えば、携帯端末20とリモコン12との通信接続を確立したか否かで異なる図形情報、あるいはQRコード(登録商標)、あるいは、バーコード等の画像情報であってもよい。
【0055】
また、前記第2実施形態では、リモコン12の発音部12cから出力させる音響情報は、音声情報であるが、当該音響情報は、例えば、携帯端末20とリモコン12との通信接続を確立したか否かで異なる周波数を有する鳴動音、あるいは、メロディが異なるメロディ音等の音響情報であってもよい。
【0056】
また、本願発明の住宅設備システムは、住宅設備機器として給湯装置10を備える給湯システムに限らず、住宅設備機器として、例えば暖房装置、冷房装置等の空調装置、あるいは、食器洗浄機、衣類乾燥機、コンロ等の加熱調理器を備えるシステムであってもよい。
【符号の説明】
【0057】
10…給湯装置(住宅設備機器)、12b…表示部(報知部)、12c…発音部(報知部)、12d…無線通信モジュール、20…携帯端末、20c…音響入力部、30…無線ルータ(無線LAN装置)、31…無線LAN。