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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024061190
(43)【公開日】2024-05-07
(54)【発明の名称】ガス遮断器
(51)【国際特許分類】
   H01H 33/915 20060101AFI20240425BHJP
【FI】
H01H33/915
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022168967
(22)【出願日】2022-10-21
(71)【出願人】
【識別番号】000005234
【氏名又は名称】富士電機株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110004185
【氏名又は名称】インフォート弁理士法人
(74)【代理人】
【識別番号】100121083
【弁理士】
【氏名又は名称】青木 宏義
(74)【代理人】
【識別番号】100138391
【弁理士】
【氏名又は名称】天田 昌行
(74)【代理人】
【識別番号】100132067
【弁理士】
【氏名又は名称】岡田 喜雅
(74)【代理人】
【識別番号】100120444
【弁理士】
【氏名又は名称】北川 雅章
(72)【発明者】
【氏名】山田 直人
(72)【発明者】
【氏名】磯崎 優
(72)【発明者】
【氏名】松本 誠治
【テーマコード(参考)】
5G001
【Fターム(参考)】
5G001AA01
5G001AA02
5G001AA11
5G001BB04
5G001CC02
5G001DD01
5G001DD03
5G001EE01
5G001EE09
5G001EE12
5G001FF03
5G001FF04
5G001GG01
5G001GG14
(57)【要約】
【課題】熱ガス流による絶縁材料の炭化を抑制して地絡の発生を防止でき、遮断性能低下を抑制すること。
【解決手段】ガス遮断器(1)は、絶縁支持体(6)の中空部(601)内に挿設され、先端部が可動側サポート(51)の中空部(512)内に突出可能な絶縁操作ロッド(59)と、可動側サポートの中空部内に挿設され、下端部に絶縁操作ロッドの先端部が連結され、上端部に可動アーク接触子(57)が設けられた可動排気パイプ(56)と、を具備する。可動排気パイプでは、アーク放電への消弧性ガスの吹付に伴って発生した熱ガス流が上端部側からその内部に流入し、下端部側から可動側サポートの中空部へ排気される。絶縁操作ロッド及び可動排気パイプの連結部分にフランジ形状部(11)が設けられる。フランジ形状部は昇圧抑制部となる下テーパ面(13)を有し、開路操作にて可動側サポートの中空部における排出口(511)より下側空間の圧力上昇を抑制する。
【選択図】図7
【特許請求の範囲】
【請求項1】
消弧性ガスを充填した容器内で、可動アーク接触子が固定アーク接触子から離間する際に発生するアーク放電に前記消弧性ガスを吹き付けて消弧するガス遮断器であって、
前記固定アーク接触子を支持する固定側サポートと、
前記容器内に配置された中空の絶縁支持体に支持され、前記固定側サポートに対向して配置された中空の可動側サポートと、
前記絶縁支持体の中空部内に挿設され、先端部が前記可動側サポートの中空部内に突出可能な絶縁操作ロッドと、
前記可動側サポートの中空部内に挿設され、その一端部に前記絶縁操作ロッドの前記先端部が連結され、その他端部に前記可動アーク接触子が設けられた可動排気パイプと、
前記絶縁操作ロッドの前記先端部と、前記可動排気パイプの前記一端部との連結部分に設けられたフランジ形状部と、を備え、
前記可動アーク接触子が前記固定アーク接触子から離間する際に、操作機構によって前記可動排気パイプ及び前記絶縁操作ロッドが軸方向に略平行な開路操作方向前方に移動され、
前記可動排気パイプは、前記アーク放電への前記消弧性ガスの吹付に伴って発生し、前記可動アーク接触子の流入孔から内部に流入した熱ガスを、前記一端部側から前記可動側サポートの中空部へ排気する排気孔を有し、
前記可動側サポートは、前記熱ガスを前記容器内に排出する排出口を備え、
前記フランジ形状部は、前記可動アーク接触子が前記固定アーク接触子から離間する際に、前記可動側サポートの中空部における前記排出口より前記絶縁支持体側の空間の圧力上昇を抑制する昇圧抑制部を備え、
前記昇圧抑制部は、前記フランジ形状部の前記開路操作方向前方の形成面が、前記フランジ形状部の基端から先端に向かい前記絶縁支持体から離れる方向に傾斜するテーパ面を有していることを特徴とするガス遮断器。
【請求項2】
前記フランジ形状部は、前記開路操作方向前方及び後方それぞれの形成面がテーパ面に形成されて基端から先端に向かい厚みを小さくすることを特徴とする請求項1に記載のガス遮断器。
【請求項3】
前記フランジ形状部にて、前記開路操作方向前方の前記形成面と前記開路操作方向後方の前記形成面とは、前記テーパ面の勾配角度が異なっていることを特徴とする請求項2に記載のガス遮断器。
【請求項4】
前記可動側サポートの中空部と、前記絶縁支持体の中空部とを連通する部分には、前記絶縁操作ロッドを貫通する筒壁部を備えたカバー部材が設けられ、
前記開路操作方向から見て、前記フランジ形状部の先端は、前記筒壁部の内面より外側に配置されることを特徴とする請求項1ないし請求項3のいずれかに記載のガス遮断器。
【請求項5】
前記筒壁部における前記フランジ形状部に対向する端部は、前記フランジ形状部側に突出しつつ外側面が傾斜形状に設けられていることを特徴とする請求項4に記載のガス遮断器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、絶縁性ガス中で電流の開閉を行うガス遮断器に関する。
【背景技術】
【0002】
ガス遮断器においては、固定側接点と可動側接点が開離する際、アーク接触子(固定アーク接触子及び可動アーク接触子)間にアーク放電が発生する。このように発生するアーク放電に対し、絶縁性ガスである消弧性ガスを吹き付けて消弧するパッファ形ガス遮断器が広く採用されている。(例えば、特許文献1~3参照)。
【0003】
このようなパッファ形ガス遮断器では、可動アーク接触子が可動排気パイプの一端部にて支持され、可動排気パイプの他端部が絶縁操作ロッドに連結される。絶縁操作ロッドは操作機構に接続され、操作機構からの駆動力によって絶縁操作ロッド及び可動排気パイプを移動し、固定アーク接触子から可動アーク接触子を離間する。この離間によるアーク放電の消弧の際に発生する熱ガス流が、可動排気パイプの一端部から流入し、他端部に形成された排気孔から流出される。
【0004】
また、消弧性ガスを充填した金属容器内には中空の絶縁支持体が配置され、絶縁支持体の中空部内には、絶縁操作ロッドが挿設される。絶縁支持体は、中空となる可動部を支持し、可動部の中空部内に可動排気パイプが挿設される。絶縁支持体の中空部及び可動部の中空部は開口部を介して互いに連通し、該開口部に絶縁操作ロッドの先端部が貫通して可動排気パイプの他端部に連結される。更に、可動部には排出口が設けられ、可動排気パイプの排気孔から流出した熱ガス流が排出口を通じて金属容器内に排出される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2017-224516号公報
【特許文献2】特開2019-75195号公報
【特許文献3】特開2015-106513号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
ここで、上述したガス遮断器にて、可動排気パイプと絶縁操作ロッドとを連結する連結部材に鍔状部を形成することが考えられる。かかる鍔状部によって、可動排気パイプの排気孔から流出した熱ガス流が絶縁支持体側に流れることを抑制しつつ可動部の排出口に案内され、熱ガス流に絶縁操作ロッドの先端部近傍が曝されることを抑制可能となる。
【0007】
ところが、鍔状部にあっては、絶縁支持体側の形成面が絶縁操作ロッドの移動方向に直交する平面によって形成されるので、鍔状部が絶縁支持体に接近する方向の移動により、それらの間の空間の圧力が上昇し易くなる。かかる圧力上昇によって、熱ガス流が、可動部及び絶縁支持体に連通して絶縁操作ロッドを貫通する開口部から、絶縁支持体の中空部に流入し、絶縁支持体の内面が熱ガス流に曝されるため、絶縁支持体を構成する絶縁材料が炭化するおそれがある。そのため、絶縁支持体の絶縁が低下し、系統の電圧が印加されると、地絡にいたる可能性がある。
【0008】
ここで、開口部の内周面に絶縁操作ロッドが接触して摺動する構成とすれば、絶縁支持体の中空部に流入する熱ガス流を抑制できる。しかし、この構成では、絶縁操作ロッドの動作抵抗が大きくなり、遮断器の遮断性能が低下する、という問題がある。
【0009】
本発明は、このような実情に鑑みてなされたものであり、熱ガス流による絶縁支持体の炭化を抑制して地絡の発生を防止でき、遮断性能の低下を抑制することができるガス遮断器を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明における一態様のガス遮断器は、消弧性ガスを充填した容器内で、可動アーク接触子が固定アーク接触子から離間する際に発生するアーク放電に前記消弧性ガスを吹き付けて消弧するガス遮断器であって、前記固定アーク接触子を支持する固定側サポートと、前記容器内に配置された中空の絶縁支持体に支持され、前記固定側サポートに対向して配置された中空の可動側サポートと、前記絶縁支持体の中空部内に挿設され、先端部が前記可動側サポートの中空部内に突出可能な絶縁操作ロッドと、前記可動側サポートの中空部内に挿設され、その一端部に前記絶縁操作ロッドの前記先端部が連結され、その他端部に前記可動アーク接触子が設けられた可動排気パイプと、前記絶縁操作ロッドの前記先端部と、前記可動排気パイプの前記一端部との連結部分に設けられたフランジ形状部と、を備え、前記可動アーク接触子が前記固定アーク接触子から離間する際に、操作機構によって前記可動排気パイプ及び前記絶縁操作ロッドが軸方向に略平行な開路操作方向前方に移動され、前記可動排気パイプは、前記アーク放電への前記消弧性ガスの吹付に伴って発生し、前記可動アーク接触子の流入孔から内部に流入した熱ガスを、前記一端部側から前記可動側サポートの中空部へ排気する排気孔を有し、前記可動側サポートは、前記熱ガスを前記容器内に排出する排出口を備え、前記フランジ形状部は、前記可動アーク接触子が前記固定アーク接触子から離間する際に、前記可動側サポートの中空部における前記排出口より前記絶縁支持体側の空間の圧力上昇を抑制する昇圧抑制部を備え、前記昇圧抑制部は、前記フランジ形状部の前記開路操作方向前方の形成面が、前記フランジ形状部の基端から先端に向かい前記絶縁支持体から離れる方向に傾斜するテーパ面を有していることを特徴とする。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、フランジ形状部に上述したテーパ面を形成したので、可動アーク接触子が固定アーク接触子から離間する際に、可動側サポートの中空部における絶縁支持体付近にて圧力が上昇することを抑制することができる。これにより、熱ガス流が絶縁支持体に流れ込み難くなり、熱ガス流による絶縁支持体の炭化を抑制して地絡の発生を防止することができる。しかも、熱ガス流が絶縁支持体に流れ込み難くなるので、絶縁操作ロッドが絶縁支持体や可動側サポートに摺動せずに動作可能な構成を採用し易くなり、遮断性能の低下を抑制することができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1】本実施の形態に係るガス遮断器を示す部分断面図である。
図2】本実施の形態に係るガス遮断器における内部構造の説明図である。
図3】本実施の形態に係るガス遮断器におけるカバー部材を示す上面図である。
図4】本実施の形態に係るガス遮断器における消弧原理の説明図である。
図5】本実施の形態に係るガス遮断器における内部構造の拡大説明図である。
図6】本実施の形態に係るガス遮断器における内部構造の拡大説明図である。
図7図7Aは、本実施の形態に係るガス遮断器における内部構造の拡大説明図であり、図7Bは、参考例に係るガス遮断器における内部構造の拡大説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、本発明の一実施の形態に係るガス遮断器について、添付の図面を参照しながら詳細に説明する。なお、本発明に係るガス遮断器については、以下の実施の形態に限定されるものではなく、その趣旨の範囲内で種々変形して実施することができる。
【0014】
図1は、本実施の形態に係るガス遮断器を示す部分断面図である。図1に示すように、ガス遮断器1は、SF6ガス等の絶縁性ガス(消弧性ガス)を充填した金属容器(容器)2と、金属容器2内に配置された三相の消弧室3とを含んで構成される。金属容器2内には、密閉空間21が形成されている。この密閉空間21には、消弧性ガスが封入されており、数気圧(例えば、6気圧)に維持されている。三相の消弧室3は、密閉空間21内に設置されている。ガス遮断器1は、消弧室3内の電極間に発生するアーク放電(アーク)に対して消弧性ガスを吹き付けて大電流の短絡電流を瞬時に遮断するように構成されている。
【0015】
なお、図1に示すガス遮断器1においては、説明の便宜上、消弧室3が鉛直方向に延在する場合について説明している。しかしながら、ガス遮断器1の構成については、これに限定されるものではなく適宜変更が可能である。本発明は、消弧室3が水平方向に延在するガス遮断器1にも適用することができる。
【0016】
また、ガス遮断器1は、三相の消弧室3を備えているが、特に限定されず、例えば、一相の消弧室3のみを備えていてもよい。
【0017】
以下、消弧室3の内部構造について、図1及び図2を参照しながら説明する。図2は、本実施の形態に係るガス遮断器における内部構造の説明図である。図2においては、図1に示す電極(固定電極及び可動電極)周辺を拡大して示している。図2Aにおいては、ガス遮断器1における閉路状態を示し、図2Bにおいては、ガス遮断器1における開路状態を示している。なお、図2においては、説明の便宜上、可動側サポート51の一部のみを示している。
【0018】
各消弧室3は、図1に示す上下に対向して配置された固定部4及び可動部5と、可動部5を支持する絶縁支持体6とを備える。固定部4は、固定側サポート41と、固定主接触子42と、固定アーク接触子43とを有する。固定側サポート41は、上底を有する有底円筒形状を有し、下方側に開口している。固定側サポート41の側面には、開口部411が設けられている。固定主接触子42は、固定側サポート41の下端部の近傍に設けられ、後述する可動主接触子55の外周面に摺接可能な寸法を有している。固定アーク接触子43は、固定側サポート41の一部に支持されており、棒状導体で構成される。固定アーク接触子43は、固定側サポート41の中心に設けられ、図1に示す上下方向に延在して配置されている。これらの固定主接触子42及び固定アーク接触子43により固定接点(固定電極)が構成される。
【0019】
一方、可動部5は、可動側サポート51と、パッファシリンダ52と、摺動部53と、ノズル54と、可動主接触子55とを有する。可動側サポート51は、概して円筒形状を有し、上下方側に開口している。また、可動側サポート51の側面には、少なくとも1つ(本実施の形態では2つ)の排出口511が形成されている。パッファシリンダ52は、可動側サポート51の上端側に配置される。パッファシリンダ52の内側には、摺動部53が摺動可能に設けられている。
【0020】
ここで、本実施の形態に係るガスV1においては、可動側サポート51は、パッファシリンダ52を間に挟んで、固定側サポート41に対向して配置されている。本明細書及び特許請求の範囲において、2つの部材が「対向する」と言った場合、両者の間に他の部材が介在してもよいし、しなくてもよい。
【0021】
パッファシリンダ52の内側には、後述する可動排気パイプ56の外周面との間に機械パッファ室521が形成されている。また、摺動部53の内側には、後述するノズル内壁部542との間に熱パッファ室522が形成されている。摺動部53とノズル内壁部542との間には連通路523が形成され、連通路543の熱パッファ室522側には、逆止弁524が取り付けられている(図2A参照)。
【0022】
ノズル54は、図2Aに示すように、ノズル外壁部541とノズル内壁部542とで構成され、ノズル外壁部541とノズル内壁部542との間には連通路543が形成されている。ノズル内壁部542には、概して円筒形状を有し、後述する可動排気パイプ56の他端部(上端部)が嵌装される。一方、ノズル外壁部541は、摺動部53の上端部に嵌合して固定される。ノズル外壁部541は、可動主接触子55の内側に配置されている。ノズル外壁部541は、概して漏斗形状を有し、摺動部53の上面から上方側に延出している。
【0023】
また、可動主接触子55は、摺動部53の上端部の外周部に設けられている。可動主接触子55は、概して円筒形状を有し、摺動部53の上面から上方側に延出している。可動主接触子55は、固定主接触子42の内周面に摺接可能な寸法を有している。
【0024】
また、可動部5は、可動排気パイプ56と、可動アーク接触子57と、固定ピストン58と、絶縁操作ロッド59とを有する。
【0025】
可動排気パイプ56は、概して円筒形状を有する。可動排気パイプ56は、可動側サポート51、パッファシリンダ52及び摺動部53の中空内部に挿設されている。また、可動排気パイプ56の、絶縁支持体6側の一端部(下端部)には、後述する絶縁操作ロッド59の先端部が連結部材10を介して連結されている。連結部材10にはフランジ形状部11が形成されるが、フランジ形状部11の具体的構成については後述する。
【0026】
可動排気パイプ56の一端部の近傍には、排気孔561が形成され、可動排気パイプ56の中空内部は、可動側サポート51の中空部512と連通している。例えば、排気孔561は、可動側サポート51の排出口511に対し、可動側サポート51の中心軸周りに90°角度変位した位置に形成される。可動排気パイプ56にて、固定アーク接触子43に対向する他端部(上端部)は、可動アーク接触子57を支持している。
【0027】
可動アーク接触子57は、概して円筒形状を有する。可動アーク接触子57は、摺動部53の中央部分で図1に示す上下方向に延在している。可動アーク接触子57の上端部には、固定アーク接触子43に摺接可能な孔(流入孔)571が形成されている。これらの可動主接触子55及び可動アーク接触子57により可動接点(可動電極)が構成される。
【0028】
固定ピストン58は、図2Aに示すように、可動側サポート51の一部に取り付けられるフランジ部581と、パッファシリンダ52内で上下に延在するピストン部582とを有する。ピストン部582は、概して円筒形状を有している。ピストン部582は、パッファシリンダ52内の機械パッファ室521内に収容されている。ピストン部582の上端部は、摺動部53の内周面に摺接可能な寸法を有している。また、ピストン部582には、機械パッファ室521と可動側サポート51の中空部512とを互いに連通する連通路583が形成されている。連通路583の中空部512側には、放圧弁(リリース弁)584が取り付けられている。放圧弁584により、機械パッファ室521内の所定以上の圧力上昇を抑制することができる。
【0029】
絶縁操作ロッド59は、例えば、エポキシ樹脂等の絶縁材料で構成され、本実施の形態では、可動排気パイプ56と共に軸方向が図2中上下方向に延出する角柱状に形成される。絶縁操作ロッド59は、一端部(上端部)が可動側サポート51の中空部512内に突出可能とされて可動排気パイプ56に連結される一方、他端部(下端部)が操作機構7(図5B参照)に接続される。操作機構7は、絶縁操作ロッド59の下端部にピン71を介して回動可能な揺動部材72と、揺動部材72の回転軸73に回転駆動力を伝達する駆動源(不図示)とを備えている。駆動源は、ばね等を利用した適宜な回転機構により構成され、回転軸73に対して所定の回転角度範囲にて駆動力を伝達する。
【0030】
操作機構7の駆動力を受けることによって、絶縁操作ロッド59、可動排気パイプ56及び摺動部53は、可動側サポート51及びパッファシリンダ52内にて上下方向と略平行に移動する。可動排気パイプ56の上下移動に伴い、可動排気パイプ56に支持される可動アーク接触子57や、摺動部53の一部に設けられるノズル54及び可動主接触子55が一体的に移動可能に構成されている。
【0031】
図2Aは閉路状態、図2Bは開路状態となるので、図2Aの閉路状態から絶縁操作ロッド59及び可動排気パイプ56が下方向に移動されると、図2Bの開路状態となる。ここで、本実施の形態では、ガス遮断器1の「開路操作方向」が上下方向と略平行となり、下方が開路操作方向前方、上方が開路操作方向後方となる。図2Bの開路状態では、可動アーク接触子57が固定アーク接触子43から離間している。
【0032】
絶縁支持体6は、例えば、エポキシ樹脂等の絶縁材料で構成される。絶縁支持体6は、可動部5の下側に配置されている。絶縁支持体6は、一端部(下端部)が固定ベース61上に固定される一方(図1参照)、他端部(上端部)が可動部5の可動側サポート51の下端部に固定されている。すなわち、絶縁支持体6は、下側から可動側サポート51を支持する。固定ベース61は、金属容器2に電気的に接続された接地電位で構成される。
【0033】
可動部5の可動側サポート51の下端部には開口部513が形成され、絶縁支持体6の上端部にも開口部602が形成されている。各開口部513、602は、概ね同一の開口形状に形成されて連通し、絶縁支持体6の中空部601及び可動側サポート51の中空部512が互いに連通する部分として形成される。各開口部513、602にはカバー部材8が嵌合等によって取り付けられている。
【0034】
カバー部材8は、概してカップ形状に形成され、理由は後述するが、テフロン(登録商標)等の絶縁材料で構成されていることが好ましい。カバー部材8は、各開口部513、602を挿通する円筒状に形成された筒壁部81と、絶縁支持体6の開口部602内に位置する筒壁部81の下端部に形成された底部82とを備えている。筒壁部81には、絶縁操作ロッド59が貫通するよう配置される。底部82には、絶縁操作ロッド59が挿入される角穴(開口)821が形成されている。
【0035】
また、カバー部材8は、筒壁部81の上端寄りとなる外周に連なってフランジ状に形成される取付壁部83を備えている。カバー部材8において、筒壁部81の上端部は取付壁部83より上側(フランジ形状部11側)に環状に突出形成され、筒壁部81の上端部における外側面はテーパ状となる傾斜形状に設けられている。
【0036】
図3は、本実施の形態に係るガス遮断器におけるカバー部材を示す上面図である。図3に示すように、カバー部材8は、底部82に設けられた角穴821と、角柱状をなす絶縁操作ロッド59との間に隙間822が設けられている。絶縁操作ロッド59は断面形状が長方形状となり、角穴821の開口形状も長方形状に形成されている。
【0037】
ここで、絶縁操作ロッド59と、角穴821の形成縁との間に形成される隙間822の幅は、長方形状の長辺に沿う部分より、短辺に沿う部分の方が大きく形成される。これにより、図5Bに示すように操作機構7における揺動部材72の回動によって同図中左右方向にピン71が変位して絶縁操作ロッド59もピン71に応じて変位しても、絶縁操作ロッド59とカバー部材8との衝突を防ぐことができる。
【0038】
取付壁部83には複数の取付け孔831が形成され、ボルト等で可動側サポート51にねじ止めされる。
【0039】
ここで、本実施の形態に係るガス遮断器1における消弧原理について、図2及び図4を参照して説明する。図4は、本実施の形態に係るガス遮断器における消弧原理の説明図である。図4は、ガス遮断器1における消弧中状態を示している。
【0040】
図2Aに示す閉路状態においては、絶縁操作ロッド59により可動排気パイプ56が押し上げられている。可動排気パイプ56の上方移動に伴い、摺動部53、ノズル54、可動主接触子55、及び、可動アーク接触子57も押し上げられている。この場合、固定主接触子42は、可動主接触子55の外周面に接触している。また、固定アーク接触子43は、孔571に挿入され、可動アーク接触子57に接触している。一方、固定ピストン58は、可動側サポート51に固定されている。このため、摺動部53の上方移動に伴い、機械パッファ室521内に消弧性ガスが導入(吸引)された状態となっている。
【0041】
図2Aに示す閉路状態から開路状態に移行する場合には、図2Bに示すように、絶縁操作ロッド59により可動排気パイプ56が引き下げられる。可動排気パイプ56の下方移動に伴い、摺動部53、ノズル54、可動主接触子55、及び、可動アーク接触子57も引き下げられている。摺動部53の下方移動の過程において、可動主接触子55は、可動アーク接触子57に先立って固定主接触子42から離間する。すなわち、可動アーク接触子57は、固定主接触子42に対する可動主接触子55の離間よりも遅いタイミングで固定アーク接触子43から離間する。このため、固定アーク接触子43から可動アーク接触子57が離間する際、図4に示すように、これらのアーク接触子43、57間でアーク放電Aが発生する。
【0042】
熱パッファ室522内の消弧性ガスが、アーク放電Aの発生時の熱により加熱され、熱パッファ室522内の圧力が急速に上昇する。そして、消弧性ガスが、連通路543を通り、アーク放電Aに吹き付けられる。
【0043】
さらに、上述のように、固定ピストン58は、可動側サポート51に固定されている。このため、摺動部53の下方移動に伴い、固定ピストン58のピストン部582によって機械パッファ室521内に配置された消弧性ガスが圧縮され、機械パッファ室521の圧力が上昇する。そして、熱パッファ室522の圧力より上昇すると、機械パッファ室521と熱パッファ室522とを隔離していた逆止弁524が開放され、圧縮された消弧性ガスが、連通路523を介して熱パッファ室522に流入し、さらに連通路543を通り、アーク放電Aに吹き付けられる。これにより、固定アーク接触子43と可動アーク接触子57との間に発生したアーク放電Aが消弧される。
【0044】
ガス遮断器1においては、アーク放電Aの消弧に伴って熱ガス流が発生する。この熱ガス流は、高温且つ低密度のガス(以下、単に「高温ガス」という)で構成される。このような熱ガス流の一部は、固定側サポート41に導入されて冷却された後、固定側サポート41に形成された開口部411(図1参照)から金属容器2内に排出される。
【0045】
また、熱ガス流の一部は、可動排気パイプ56の他端部(上端部)側、すなわち可動アーク接触子57に形成された孔571からその内部に流入し、可動排気パイプ56の一端部(下端部)側、すなわち排気孔561から可動側サポート51の中空部512へ排気される。さらに、熱ガス流は、可動側サポート51に形成された排出口511から金属容器2内に排出される。
【0046】
ここで、本実施の形態に係るガス遮断器1では、可動側サポート51の中空部512において、可動排気パイプ56と絶縁操作ロッド59と連結する連結部材10により、可動側サポート51の中空部512内における熱ガス流の流動経路を調整している。以下、本実施の形態の連結部材10について説明する。
【0047】
図5及び図6は、本実施の形態に係るガス遮断器における内部構造の拡大説明図である。図5は、ガス遮断器1における消弧の中途状態を示しており、図4より可動排気パイプ56及び絶縁操作ロッド59が下降した状態を示す。図6は、ガス遮断器1の開路状態を示している。また、図5A及び図6Aは、ガス遮断器1を正面から見た状態を示し、図5B及び図6Bは、図5A及び図6Aに示すガス遮断器1を水平方向に90°回転させた状態を示す。図5及び図6中の矢印は、熱ガス流を示している。
【0048】
図5に示すように、連結部材10は、フランジ形状部11を備えている。言い換えると、絶縁操作ロッド59の先端部と可動排気パイプ56の下端部との連結部分に、フランジ形状部11が設けられている。フランジ形状部11は、先端が可動側サポート51の内壁面に向かって突出するよう形成され、先端の反対側(可動排気パイプ56の中心軸側)に基端が形成される。
【0049】
フランジ形状部11は、上下方向に厚みを有しており、下方の形成面が下テーパ面(テーパ面、第1テーパ面)13、上方の形成面が上テーパ面(テーパ面、第2テーパ面)14として形成される。下テーパ面13は、フランジ形状部11の基端から先端に向かい絶縁支持体6から離れる方向となる上方向に傾斜して形成される。上テーパ面14は、フランジ形状部11の基端から先端に向かい絶縁支持体6に近付く方向となる下方向に傾斜して形成される。これにより、フランジ形状部11は、上方及び下方それぞれの形成面がテーパ面に形成されて基端から先端に向かい厚みを徐々に小さくするよう形成される。
【0050】
フランジ形状部11にて、下テーパ面13と上テーパ面14とは、上下方向(開路操作方向)と直交する面に対する勾配角度が異なって形成されている。更に述べると、上下方向と直交する面から下方向への下テーパ面13の勾配角度は、上方向への上テーパ面14の勾配角度より大きく形成されている。
【0051】
フランジ形状部11は、上下方向から見たときの外周縁の形状が略円形であり、かつ、可動排気パイプ56と略同心円状であることが好ましい。フランジ形状部11の先端は、可動側サポート51の内壁面から大きく離れており、可動側サポート51の内壁面に対して非接触となっている。また、上下方向から見て、フランジ形状部11の先端は、カバー部材8における筒壁部81の内面より外側に配置されるよう形成される。これにより、フランジ形状部11が図6に示す位置より下方へ移動する力が意図せず加わった場合でも、カバー部材8の内部にフランジ形状部11が嵌り込むことを防止できる。
【0052】
続いて、開路による上述したアーク放電A(図4参照)の消弧に伴い、可動排気パイプ56から可動側サポート51の中空部512を経て金属容器2(図1参照)に向かう熱ガス流の流れについて説明する。
【0053】
図5A及び図5Bで示す消弧の中途において、同図の矢印で示す熱ガス流は、可動排気パイプ56の内部を通って排気孔561から可動側サポート51の中空部512に排気される。かかる熱ガス流の一部は、可動側サポート51の内壁面に衝突したり、フランジ形状部11の上テーパ面14に当たって排出口511に誘導される(図5B参照)。このとき、熱ガス流の他の一部においては、図5Aに示すように、絶縁操作ロッド59に向おうとするが、カバー部材8における筒壁部81の上端部により熱ガス流を排出口511へ効率よく誘導できる(図5A参照)。更に述べると、筒壁部81における上端部(フランジ形状部11に対向する端部)がフランジ形状部11側となる上側に突出しつつ外側面が傾斜形状に設けられるので、排出口511へ熱ガス流を良好に誘導できるようになる。
【0054】
図6A及び図6Bで示す完全に開路した状態で、連結部材10のフランジ形状部11が、可動側サポート51における排出口511の下側(絶縁支持体6側)の端部の近傍まで移動する。この場合も、フランジ形状部11は、熱ガス流を排出口511へ誘導でき、熱ガス流を金属容器2内へ効率良く排出することができる。
【0055】
このように、熱ガス流がフランジ形状部11によって可動側サポート51の排出口511に誘導されるので、絶縁操作ロッド59及び絶縁支持体6の中空部601に向う熱ガス流を抑制できる。これにより、絶縁操作ロッド59及び絶縁支持体6を構成する絶縁材料の炭化を防ぐことができ、これらの絶縁性能の低下を抑止し、地絡発生を抑制することができる。
【0056】
また、カバー部材8によって絶縁支持体6の中空部601への熱ガス流の侵入を抑えつつ、カバー部材8をテフロン(登録商標)等の絶縁材料で構成した場合には、絶縁支持体6の内面の電界分布が損なわれるのを防ぐことができる。
【0057】
ここで、本実施の形態のガス遮断器1が完全に開路する直前であり、絶縁操作ロッド59が下限位置に達する直前において、可動側サポート51の下端側に発生する熱ガス流について、従来構造と比べて説明する。図7Aは、本実施の形態に係るガス遮断器における内部構造の拡大説明図であり、図7Bは、参考例に係るガス遮断器における内部構造の拡大説明図である。図7Bでは、本実施の形態と同様の構成については同一の符号を付す。図7中の矢印は、熱ガス流を示している。
【0058】
図7Bに示す参考例は、連結部材10におけるフランジ形状部11Aの下面11Bが上下方向(開路操作方向)と直交する面に対して平行に形成されている。
【0059】
図5Aに示すように、排気孔561から可動側サポート51の中空部512に排気される熱ガス流は、排出口511から排出されるが、その一部は、フランジ形状部11の下方であって可動側サポート51の下端部近傍に流れ込む。図7Bの参考例にあっては、同図に示す状態から更に連結部材10が下方に移動すると、フランジ形状部11Aの下面11Bが上下方向に直交する方向に形成されるので、該下面11Bと可動側サポート51の下端部とで熱ガス流の高温ガスを圧縮するようになる。このため、可動側サポート51の中空部512における排出口511より下側(絶縁支持体6側)の空間が圧力上昇し、絶縁支持体6の中空部601へ熱ガス流が侵入するおそれがある。
【0060】
これに対し、図7Aの本実施の形態では、フランジ形状部11の下方の形成面が下テーパ面13となるので、連結部材10の下方への移動にて下テーパ面13より下方の熱ガス流を可動側サポート51の内壁面寄りに逃がすようになる。言い換えると、フランジ形状部11の下テーパ面13によって、可動側サポート51の中空部512における排出口511より下側(絶縁支持体6側)の空間の圧力上昇を抑制することができる。これにより、排出口511から熱ガス流を金属容器2内に効率よく排出できる上、絶縁支持体6の中空部601への熱ガス流の侵入を抑えることができ、絶縁支持体6を構成する絶縁材料の炭化を防ぐことができる。ここにおいて、フランジ形状部11の下テーパ面13によって昇圧抑制部が構成される。
【0061】
上記実施の形態によれば、上述のようにフランジ形状部11の下テーパ面13によって可動側サポート51下側の圧力上昇を抑制して絶縁支持体6の中空部601へ熱ガス流が流入し難くなる。これにより、熱ガス流による絶縁支持体6の炭化を抑制して地絡の発生を防止することができる。
【0062】
可動側サポート51下側の圧力上昇を抑制できることで、カバー部材8の角穴821と絶縁操作ロッド59との間に隙間822を形成しても、絶縁支持体6の中空部601へ流入する熱ガス流を抑制可能となる。隙間822によって、絶縁操作ロッド59における開路方向の動作抵抗が発生することを回避でき、大電流の短絡電流を瞬時に遮断可能として遮断性能を良好に発揮することができる。このように、本実施の形態によれば、熱ガス流による地絡の発生防止と、遮断性能の低下抑制とを同時に達成することができる。
【0063】
また、フランジ形状部11の厚み方向両側の形成面を下テーパ面13及び上テーパ面14として傾斜形状としたので、上述した下テーパ面13による圧力上昇抑制と、上テーパ面14による熱ガス流の排出口511への誘導を同時に実施可能となる。これにより、熱ガス流が絶縁支持体6の中空部601へ流入することをより一層を良好に抑制することができる。
【0064】
更に、下テーパ面13と上テーパ面14とは勾配角度が異なって形成されるので、上テーパ面14にて熱ガス流の誘導に適した勾配角度としつつ、下テーパ面13にて圧力上昇抑制に適した勾配角度とする設計を採用可能となる。
【0065】
なお、本発明は上記実施の形態に限定されず、さまざまに変更して実施可能である。上記実施の形態において、添付図面に図示されている部材や孔などの大きさや形状などについては、これに限定されず、本発明の効果を発揮する範囲内で適宜変更が可能である。その他、本発明の目的の範囲を逸脱しない限りにおいて適宜変更して実施可能である。
【0066】
例えば、フランジ形状部11は、排気孔561よりも絶縁支持体6側に設けられていればよく、連結部材10と別の部材でもよい。
【0067】
また、フランジ形状部11の外周縁の形状は、完全な円形である必要はなく、種々の変更が可能であり、例えば、円形に対して一部が欠けた形状としてもよい。
【0068】
更に、フランジ形状部11の上方の形成面は上テーパ面14に限定されず、上下方向に直交する方向と平行な面としてもよい。但し、上記実施の形態のように上テーパ面14を傾斜させた方が、熱ガス流を排出口511に誘導し易くなる点で有利となる。
【産業上の利用可能性】
【0069】
本発明のガス遮断器によれば、熱ガス流による絶縁材料の炭化を抑制して地絡の発生を防止でき、且つ、遮断性能低下を抑制できるという効果を奏し、特に、金属容器内に複数相の消弧室が組み込まれたパッファ形ガス遮断器に好適に用いることができる。
【符号の説明】
【0070】
1 :ガス遮断器
2 :金属容器
4 :固定部
41 :固定側サポート
43 :固定アーク接触子
5 :可動部
51 :可動側サポート
56 :可動排気パイプ
57 :可動アーク接触子
59 :絶縁操作ロッド
81 :筒壁部
511 :排出口
512 :中空部
561 :排気孔
571 :孔(流入孔)
6 :絶縁支持体
601 :中空部
7 :操作機構
8 :カバー部材
11 :フランジ形状部
13 :下テーパ面(テーパ面、昇圧抑制部)
14 :上テーパ面(テーパ面)
A :アーク放電
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7