(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024061192
(43)【公開日】2024-05-07
(54)【発明の名称】リール巻き電子部品連の製造装置、リール巻き電子部品連の生産方法およびテープ剥離強度測定方法
(51)【国際特許分類】
B65B 15/04 20060101AFI20240425BHJP
【FI】
B65B15/04 N
【審査請求】未請求
【請求項の数】23
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022168970
(22)【出願日】2022-10-21
(71)【出願人】
【識別番号】000006231
【氏名又は名称】株式会社村田製作所
(74)【代理人】
【識別番号】100145713
【弁理士】
【氏名又は名称】加藤 竜太
(74)【代理人】
【識別番号】100165157
【弁理士】
【氏名又は名称】芝 哲央
(72)【発明者】
【氏名】丸林 央樹
(57)【要約】
【課題】効率的にキャリアテープとトップテープの剥離強度を測定することが可能なリール巻き電子部品連の製造装置、リール巻き電子部品連の生産方法およびテープ剥離強度測定方法を提供すること。
【解決手段】リール巻き電子部品連の製造装置Aは、キャリアテープCおよびトップテープTからなる包装テープPをリールに巻き取るリール巻き取り部23と、包装テープPの剥離強度を測定する剥離強度測定部22を備え、剥離強度測定部22は、搬送された包装テープPのうち、キャリアテープCのみを切断する切断機構22aと、切断部C1よりも下流側の包装テープPを第1の搬送方向F1に搬送するリール巻き取り部23と、切断部C1よりも上流側のキャリアテープCを第2の搬送方向F2に搬送するローラフィーダ22dと、切断部C1よりも上流側の包装テープPの剥離強度を検出する剥離強度検出部22cと、を備える。
【選択図】
図8
【特許請求の範囲】
【請求項1】
キャリアテープと、トップテープと、前記キャリアテープと前記トップテープの間に収容された複数の電子部品と、を含む電子部品連をリールに巻き取ってリール巻き電子部品連を製造するリール巻き電子部品連の製造装置であって、
搬送される前記キャリアテープおよび前記トップテープをリールに巻き取るリール巻き取り部と、
前記リール巻き取り部の搬送方向上流側に配置された、前記キャリアテープと前記トップテープの剥離強度を測定する剥離強度測定部と、を備え、
前記剥離強度測定部は、
搬送された前記キャリアテープおよび前記トップテープのうち、前記キャリアテープのみを切断する切断機構と、
前記切断機構により切断された切断部の位置よりも下流側の前記キャリアテープおよび前記トップテープを前記リール巻き取り部に搬送するための第1の搬送方向に搬送する第1の搬送駆動部と、
前記切断部の位置よりも上流側の前記キャリアテープを前記第1の搬送方向とは異なる第2の搬送方向に搬送する第2の搬送駆動部と、
前記切断部の位置よりも上流側の前記キャリアテープと前記トップテープの剥離強度を検出する剥離強度検出部と、を備える、リール巻き電子部品連の製造装置。
【請求項2】
前記剥離強度測定部は、
前記切断機構により切断される前記切断部の位置に対応する前記トップテープの部分を前記キャリアテープから離間させるテープ離間機構をさらに備え、
前記切断機構は、前記テープ離間機構により離間した前記トップテープと前記キャリアテープのうち、前記キャリアテープのみを切断する、請求項1に記載のリール巻き電子部品連の製造装置。
【請求項3】
前記テープ離間機構は、
前記トップテープを吸引する吸引部を備える、請求項2に記載のリール巻き電子部品連の製造装置。
【請求項4】
前記テープ離間機構は、
前記トップテープが前記キャリアテープから離間したことを検知する離間検知部をさらに有する、請求項2または3に記載のリール巻き電子部品連の製造装置。
【請求項5】
前記キャリアテープと前記トップテープが接着されていない非接着部と、前記非接着部の上流側であって、前記キャリアテープと前記トップテープが接着されている上流側接着部と、前記非接着部の下流側であって、前記キャリアテープと前記トップテープが接着されている下流側接着部と、が形成されるように、前記キャリアテープと前記トップテープとを接着する接着機構をさらに備え、
前記テープ離間機構は、前記接着機構により形成された前記非接着部における前記トップテープを前記キャリアテープから離間させ、
前記切断機構は、前記テープ離間機構により離間した前記トップテープと前記キャリアテープのうち、前記キャリアテープのみを切断する、請求項2または3に記載のリール巻き電子部品連の製造装置。
【請求項6】
前記剥離強度検出部は、
前記トップテープの一部の位置を規制するテープ位置規制部と、
剥離強度センサと、備え、
前記剥離強度センサは、前記テープ位置規制部によって前記トップテープの一部の位置が規制され、かつ前記第2の搬送駆動部が駆動した状態において、前記剥離強度を検出する、請求項1に記載のリール巻き電子部品連の製造装置。
【請求項7】
前記剥離強度センサは、センサ軸を有するトルクセンサであり、
前記テープ位置規制部は、前記トルクセンサの前記センサ軸に固定されている、請求項6に記載のリール巻き電子部品連の製造装置。
【請求項8】
前記剥離強度を検出する際の前記キャリアテープと前記トップテープのなす角は、前記テープ位置規制部の配置と、前記第2の搬送駆動部の配置に基づいて規定され、
前記剥離強度を検出する際の前記キャリアテープと前記トップテープのなす角は、160°以上180°以下である、請求項6または7に記載のリール巻き電子部品連の製造装置。
【請求項9】
前記第1の搬送方向と前記第2の搬送方向のなす角は、70°以上90°以下である、請求項1または2に記載のリール巻き電子部品連の製造装置。
【請求項10】
前記第2の搬送駆動部は、前記切断部の位置よりも上流側の前記キャリアテープを挟み込んで送り出すローラフィーダを含み、前記ローラフィーダは、第1のローラと、第2のローラと、第1のローラと第2のローラの間の間隔を変化させる間隔可変機構と、を備える、請求項1または2に記載のリール巻き電子部品連の製造装置。
【請求項11】
電子部品連をリール巻き取り部に搬送するための搬送ガイドをさらに備え、
前記切断機構により切断された前記切断部の位置よりも下流側の前記キャリアテープおよび前記トップテープは、搬送ガイドによってガイドされて搬送される、請求項1または2に記載のリール巻き電子部品連の製造装置。
【請求項12】
前記切断機構と連動して、前記切断部よりも下流側の前記キャリアテープおよび前記トップテープを押し上げるように作動する押し上げ機構をさらに有する、請求項1または2に記載のリール巻き電子部品連の製造装置。
【請求項13】
前記剥離強度を検出する際の前記キャリアテープと前記トップテープのなす角は、前記押し上げ機構の配置と、前記第2の搬送駆動部の配置に基づいて規定され、
前記剥離強度を検出する際の前記キャリアテープと前記トップテープのなす角は、160°以上180°以下である、請求項12に記載のリール巻き電子部品連の製造装置。
【請求項14】
リール巻き電子部品連の生産方法であって、
キャリアテープと、トップテープと、前記キャリアテープと前記トップテープの間に収容された複数の電子部品と、を含む電子部品連をリールに巻き取るリール巻き電子部品連製造工程と、
前記キャリアテープと前記トップテープの剥離強度を測定する剥離強度測定工程と、を備え、
前記剥離強度測定工程は、
搬送された前記キャリアテープおよび前記トップテープのうち、前記キャリアテープのみを切断する切断工程と、
前記切断工程により切断された切断部の位置よりも下流側の前記キャリアテープおよび前記トップテープを前記リール巻き取り部に搬送するための第1の搬送方向に搬送する第1の搬送工程と、
前記切断工程により切断された前記切断部の位置よりも上流側の前記キャリアテープを前記第1の搬送方向とは異なる第2の搬送方向に搬送する第2の搬送工程と、
前記切断工程により切断された前記切断部の位置よりも上流側の前記キャリアテープと前記トップテープの剥離強度を検出する剥離強度検出工程と、を備える、リール巻き電子部品連の生産方法。
【請求項15】
前記剥離強度測定工程は、
前記切断工程により切断される前記切断部の位置に対応する前記トップテープの部分を前記キャリアテープから離間させるテープ離間工程をさらに備え、
前記切断工程は、前記テープ離間工程により離間した前記トップテープと前記キャリアテープのうち、前記キャリアテープのみを切断する、請求項14に記載のリール巻き電子部品連の生産方法。
【請求項16】
前記キャリアテープと前記トップテープが接着されていない非接着部と、前記非接着部の上流側であって、前記キャリアテープと前記トップテープが接着されている上流側接着部と、前記非接着部の下流側であって、前記キャリアテープと前記トップテープが接着されている下流側接着部と、が形成されるように、前記キャリアテープと前記トップテープとを接着する接着工程をさらに備え、
前記テープ離間工程は、前記接着工程により形成された前記非接着部における前記トップテープを前記キャリアテープから離間させ、
前記切断工程は、前記テープ離間工程により離間した前記トップテープと前記キャリアテープのうち、前記キャリアテープのみを切断する、請求項15に記載のリール巻き電子部品連の生産方法。
【請求項17】
前記剥離強度検出工程は、
前記第1の搬送工程を停止する第1の搬送停止工程を備え、
前記第1の搬送停止工程により前記第1の搬送工程が停止されると共に前記トップテープの一部の位置が規制され、かつ第2の搬送工程によって前記切断部の位置よりも上流側の前記キャリアテープが第2の搬送方向に搬送されている状態において、前記剥離強度を検出する、請求項14~16のいずれか1項に記載のリール巻き電子部品連の生産方法。
【請求項18】
前記剥離強度検出工程において検出された剥離強度と、所定の閾値との比較に基づいて、前記リール巻き電子部品連製造工程を停止する停止工程をさらに備える、請求項14~16のいずれか1項に記載のリール巻き電子部品連の生産方法。
【請求項19】
前記剥離強度検出工程において検出された剥離強度と、所定の閾値との比較に基づいて、前記リール巻き電子部品連製造工程のチェックを促す報知を行う報知工程をさらに備える、請求項14~16のいずれか1項に記載のリール巻き電子部品連の生産方法。
【請求項20】
キャリアテープとトップテープの剥離強度を測定するテープ剥離強度測定方法であって、
搬送された前記キャリアテープおよび前記トップテープのうち、前記キャリアテープのみを切断する切断工程と、
前記切断工程により切断された切断部の位置よりも下流側の前記キャリアテープおよび前記トップテープを第1の搬送方向に搬送する第1の搬送工程と、
前記切断工程により切断された前記切断部の位置よりも上流側の前記キャリアテープを前記第1の搬送方向とは異なる第2の搬送方向に搬送する第2の搬送工程と、
前記切断工程により切断された前記切断部の位置よりも上流側の前記キャリアテープと前記トップテープの剥離強度を検出する剥離強度検出工程と、を備える、テープ剥離強度測定方法。
【請求項21】
前記切断工程により切断される前記切断部の位置に対応する前記トップテープの部分を前記キャリアテープから離間させるテープ離間工程をさらに備え、
前記切断工程は、前記テープ離間工程により離間した前記トップテープと前記キャリアテープのうち、前記キャリアテープのみを切断する、請求項20に記載のテープ剥離強度測定方法。
【請求項22】
前記キャリアテープと前記トップテープが接着されていない非接着部と、前記非接着部の上流側であって、前記キャリアテープと前記トップテープが接着されている上流側接着部と、前記非接着部の下流側であって、前記キャリアテープと前記トップテープが接着されている下流側接着部と、が形成されるように、前記キャリアテープと前記トップテープとを接着する接着工程をさらに備え、
前記テープ離間工程は、前記接着工程により形成された前記非接着部における前記トップテープを前記キャリアテープから離間させ、
前記切断工程は、前記テープ離間工程により離間した前記トップテープと前記キャリアテープのうち、前記キャリアテープのみを切断する、請求項21に記載のテープ剥離強度測定方法。
【請求項23】
前記剥離強度検出工程は、
前記第1の搬送工程を停止する第1の搬送停止工程を備え、
前記第1の搬送停止工程により前記第1の搬送工程が停止されると共に前記トップテープの一部の位置が規制され、かつ第2の搬送工程によって前記切断部の位置よりも上流側の前記キャリアテープが第2の搬送方向に搬送されている状態において、前記剥離強度を検出する、請求項20~22のいずれか1項に記載のテープ剥離強度測定方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、リール巻き電子部品連の製造装置、リール巻き電子部品連の生産方法およびテープ剥離強度測定方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、キャリアテープと、トップテープと、キャリアテープとトップテープの間に収容された複数の電子部品と、を含む電子部品連をリールに巻き取ってリール巻き電子部品連を製造する製造装置が知られている(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
ここで、リール巻き電子部品連から電子部品を取り出して実装を行う後工程において、電子部品を適切に取り出すことができるようにするために、キャリアテープとトップテープは一定の範囲内の強度で貼り付いている必要がある。例えば特許文献2には、キャリアテープとトップテープの剥離強度を測定するための剥離強度測定装置が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2020-066445号公報
【特許文献2】特開2013-047621号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、リール巻き電子部品連を製造する製造装置とは別に、このような測定装置を用いる場合、生産工程が非常に煩雑となる。例えば、製造装置で用いられる資材を交換するタイミングや製造装置の日常点検のタイミングにおいて、電子部品を収容していないテープのサンプルを作製し、このサンプルを測定装置に持ち込んで、サンプルの剥離強度に問題がないかを確認する必要がある。その間、検査対象となっている製造装置の稼働は停止させる必要がある。また、作業者は測定装置での作業にかかりきりになるため、他の製造装置の対応ができなくなる。よって、全体の生産効率が低下する。
【0006】
本発明は、効率的にキャリアテープとトップテープの剥離強度を測定することが可能なリール巻き電子部品連の製造装置、リール巻き電子部品連の生産方法およびテープ剥離強度測定方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明のリール巻き電子部品連の製造装置は、キャリアテープと、トップテープと、前記キャリアテープと前記トップテープの間に収容された複数の電子部品と、を含む電子部品連をリールに巻き取ってリール巻き電子部品連を製造するリール巻き電子部品連の製造装置であって、搬送される前記キャリアテープおよび前記トップテープをリールに巻き取るリール巻き取り部と、前記リール巻き取り部の搬送方向上流側に配置された、前記キャリアテープと前記トップテープの剥離強度を測定する剥離強度測定部と、を備え、前記剥離強度測定部は、搬送された前記キャリアテープおよび前記トップテープのうち、前記キャリアテープのみを切断する切断機構と、前記切断機構により切断された切断部の位置よりも下流側の前記キャリアテープおよび前記トップテープを前記リール巻き取り部に搬送するための第1の搬送方向に搬送する第1の搬送駆動部と、前記切断部の位置よりも上流側の前記キャリアテープを前記第1の搬送方向とは異なる第2の搬送方向に搬送する第2の搬送駆動部と、前記切断部の位置よりも上流側の前記キャリアテープと前記トップテープの剥離強度を検出する剥離強度検出部と、を備える。
【0008】
本発明のリール巻き電子部品連の生産方法は、リール巻き電子部品連の生産方法であって、キャリアテープと、トップテープと、前記キャリアテープと前記トップテープの間に収容された複数の電子部品と、を含む電子部品連をリールに巻き取るリール巻き電子部品連製造工程と、前記キャリアテープと前記トップテープの剥離強度を測定する剥離強度測定工程と、を備え、前記剥離強度測定工程は、搬送された前記キャリアテープおよび前記トップテープのうち、前記キャリアテープのみを切断する切断工程と、前記切断工程により切断された切断部の位置よりも下流側の前記キャリアテープおよび前記トップテープを前記リール巻き取り部に搬送するための第1の搬送方向に搬送する第1の搬送工程と、前記切断工程により切断された前記切断部の位置よりも上流側の前記キャリアテープを前記第1の搬送方向とは異なる第2の搬送方向に搬送する第2の搬送工程と、前記切断工程により切断された前記切断部の位置よりも上流側の前記キャリアテープと前記トップテープの剥離強度を検出する剥離強度検出工程と、を備える。
【0009】
本発明のテープ剥離強度測定方法は、キャリアテープとトップテープの剥離強度を測定するテープ剥離強度測定方法であって、搬送された前記キャリアテープおよび前記トップテープのうち、前記キャリアテープのみを切断する切断工程と、前記切断工程により切断された切断部の位置よりも下流側の前記キャリアテープおよび前記トップテープを第1の搬送方向に搬送する第1の搬送工程と、前記切断工程により切断された前記切断部の位置よりも上流側の前記キャリアテープを前記第1の搬送方向とは異なる第2の搬送方向に搬送する第2の搬送工程と、前記切断工程により切断された前記切断部の位置よりも上流側の前記キャリアテープと前記トップテープの剥離強度を検出する剥離強度検出工程と、を備える。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、効率的にキャリアテープとトップテープの剥離強度を測定することが可能なリール巻き電子部品連の製造装置、リール巻き電子部品連の生産方法およびテープ剥離強度測定方法を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【
図1】本発明の一実施形態に係る電子部品リール巻き電子部品連の製造装置を示す模式図である。
【
図2】本発明の一実施形態に係るリール巻き電子部品連製造装置の一部を示す模式図である。
【
図3】接着部と非接着部とが設けられた包装テープの一例を示す模式図である。
【
図4】本発明の一実施形態に係るテープ剥離強度測定方法におけるテープ離間工程を説明するための模式図である。
【
図5】本発明の一実施形態に係るテープ剥離強度測定方法における切断工程を説明するための模式図である。
【
図6】本発明の一実施形態に係るテープ剥離強度測定方法における搬送工程を説明するための模式図である。
【
図7】本発明の一実施形態に係るテープ剥離強度測定方法における剥離強度検出工程のうちの前半部分を説明するための模式図である。
【
図8】本発明の一実施形態に係るテープ剥離強度測定方法における剥離強度検出工程のうちの後半部分を説明するための模式図である。
【
図9】本発明の一実施形態に係るリール巻き電子部品連の生産工程を説明するためのフローチャートである。
【
図10】本発明の一実施形態に係る剥離強度測定工程を説明するためのフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0012】
<リール巻き電子部品連の製造装置>
以下、本発明の一実施形態に係るリール巻き電子部品連の製造装置Aについて、
図1~8を用いて説明する。
図1は、本発明の一実施形態に係るリール巻き電子部品連の製造装置Aを示す模式図である。
図2は、本発明の一実施形態に係るリール巻き機2の一部を示す模式図である。
図3は、接着部と非接着部とが設けられた包装テープの一例を示す模式図である。
図4は、本発明の一実施形態に係るテープ剥離強度測定方法におけるテープ離間工程を説明するための模式図である。
図5は、本発明の一実施形態に係るテープ剥離強度測定方法における切断工程を説明するための模式図である。
図6は、本発明の一実施形態に係るテープ剥離強度測定方法における搬送工程を説明するための模式図である。
図7は、本発明の一実施形態に係るテープ剥離強度測定方法における剥離強度検出工程のうちの前半部分を説明するための模式図である。
図8は、本発明の一実施形態に係るテープ剥離強度測定方法における剥離強度検出工程のうちの後半部分を説明するための模式図である。
【0013】
以下において、テーピング装置1からリール巻き機2へ包装テープPが搬送される方向を搬送方向とし、搬送方向におけるテーピング装置1側を上流側、搬送方向におけるリール巻き機2側を下流側として説明する。
【0014】
リール巻き電子部品連の製造装置Aは、積層セラミックコンデンサ等の電子部品をキャリアテープCとトップテープTとで包装して電子部品入りの包装テープPを製造し、電子部品入りの包装テープPをリール巻きにしてリール巻き電子部品連を製造する。なお、電子部品入りの包装テープPは、電子部品連と称される。
【0015】
また、電子部品としては、積層セラミックコンデンサが挙げられる。積層セラミックコンデンサは、例えば積層された複数の誘電体層としてのセラミック層と積層された複数の内部電極層とを含み、複数の内部電極層同士が高さ方向に誘電体層を介して対向するコンデンサ有効部としての有効層部が構成される積層体を有する。コンデンサ有効部において、容量が形成され、コンデンサの特性が発現する。なお、電子部品は、積層セラミックコンデンサに限らない。
【0016】
キャリアテープCは、電子部品を収容可能な複数の収容部が所定の間隔で形成されたテープである。収容部は、例えば電子部品が収容可能な凹形状である。収容部の構成は、これに限らず、電子部品を収容可能なキャリアテープCの両面に連通した穴形状でもよい。また、キャリアテープCの表面は、平滑でも凹凸が形成されていてもよい。キャリアテープCは、例えばプラスチックのエンボステープ、穴の開いた紙のキャリアテープにボトムテープを組み合わせたものを含む。なお、キャリアテープは、ベーステープともいう。
【0017】
トップテープTは、収納部に収容した電子部品が脱落しないよう収納部の凹形状や穴形状の開口部を覆うテープである。本実施形態で、収納部がキャリアテープCの一方の面に形成されているため、テーピング装置1は、キャリアテープCの収納部が形成された面にトップテープTを貼るように構成されている。しかし、上述のように収容部が電子部品を収容可能なキャリアテープCの両面に連通した穴形状である場合は、テーピング装置1は、キャリアテープCの両面にそれぞれトップテープTを貼るように構成される。トップテープTは、例えばプラスチックテープに使用されるカバーテープ、紙のキャリアテープに使用されるトップテープを含む。
【0018】
なお、本実施形態では、テーピング装置1は、キャリアテープCの片面にトップテープTを貼付けて包装テープPを作成するが、これに限らず、キャリアテープCの両面にトップテープTを貼付けて包装テープPを作製してもよい。
【0019】
リール巻き電子部品連の製造装置Aは、テーピング装置1と、リール巻き機2と、を有する。
【0020】
<テーピング装置>
テーピング装置1は、キャリアテープCと、トップテープTと、キャリアテープCとトップテープTの間に収容された複数の電子部品と、を含む電子部品連を製造する。
【0021】
テーピング装置1は、電子部品供給部11と、キャリアテープ供給部12と、トップテープ供給部13と、接着機構10と、を備える。電子部品供給部11は、接着機構10に電子部品を供給する構成である。キャリアテープ供給部12は、接着機構10にキャリアテープCを供給する構成である。トップテープ供給部13は、キャリアテープC上にトップテープTを供給する構成である。
【0022】
接着機構10は、キャリアテープCとトップテープTとをヒートシールにより接合する。接着機構10は、例えば、不図示のテープ送り部、部品投入部、および溶着機構を有する。テープ送り部は、キャリアテープCとトップテープTとを溶着機構を介してリール巻き機2に搬送する。部品投入部は、電子部品供給部11から供給された電子部品を、キャリアテープ供給部12から供給されるキャリアテープCに形成された複数の収容部に投入する。
【0023】
溶着機構は、不図示のヒートシールコテと、ヒートシールコテを昇降可能な不図示の昇降機構と、を有する。ヒートシールコテは、ヒータを有し、ヒータによって所定の温度に加熱される。昇降機構は、ヒートシールコテが搬送されるキャリアテープCおよびトップテープTと離間する離間位置と、ヒートシールコテが収納部に電子部品が収納されたキャリアテープCと、トップテープTと、に近接して溶着する溶着位置と、を昇降して移動可能である。このため、溶着機構は、昇降装置により溶着位置に移動したヒートシールコテによりキャリアテープCとトップテープTとを溶着することができる。従って、テーピング工程では、キャリアテープCの収容部に電子部品を配置した後、キャリアテープCとトップテープTをヒートシールすることにより、電子部品連としての電子部品入りの包装テープPを製造する。以下の説明において、キャリアテープCとトップテープTとが溶着された部分を接着部として説明する。溶着機構において製造された包装テープPは、テープ送り部によってリール巻き機2に搬送される。
【0024】
なお、本実施形態に係る接着機構10は、後述の剥離強度測定部22でキャリアテープCとトップテープTの剥離強度を測定するための準備として、接着部の途中に、キャリアテープCとトップテープTとが溶着されていない非接着部を形成することが可能である。具体的には、接着機構10は、
図3に示すようにキャリアテープCとトップテープTが接着されていない非接着部Nと、非接着部Nの上流側であって、キャリアテープCとトップテープTが接着されている上流側接着部A1と、非接着部Nの下流側であって、キャリアテープCとトップテープTが接着されている下流側接着部A2と、が形成されるように、キャリアテープCとトップテープTとを接着する。
【0025】
また、本実施形態に係る接着機構10は、非接着部Nにおいて、トップテープTを弛ませることもできる。例えば、接着機構10は、不図示の吸引部を備え、非接着部Nを形成後に上流側接着部A1を接着する時に、非接着部NにおけるトップテープTを吸引することで、トップテープTを非接着部N側に引き込み弛ませてもよい。これにより、後述する切断機構22aによりトップテープTを切断する際により確実にトップテープTのみを切断できる。この場合の吸引部は、例えば吸引ポンプと、吸引ラインにより構成されていてもよい。
【0026】
溶着機構の昇降機構は、搬送されるキャリアテープCおよびトップテープTにおける非接着部Nとすべき部分が搬送されるまで、ヒートシールコテを溶着位置に下降させ、キャリアテープCおよびトップテープTを溶着させ上流側接着部A1を形成させる。溶着機構の昇降機構は、非接着部Nとすべき部分が搬送されると、ヒートシールコテを上昇させ離間位置に移動させて、溶着機構がキャリアテープCおよびトップテープTを溶着させないようにし、非接着部Nが形成される。溶着機構の昇降機構は、非接着部Nとすべき部分が搬送しきると、ヒートシールコテを加工させて溶着位置に移動させて、再びヒートシールコテにキャリアテープCおよびトップテープTを溶着させ、下流側接着部A2が形成される。
【0027】
なお、キャリアテープCおよびトップテープTにおける非接着部Nとすべき部分か否かの判別は、例えば、搬送されるキャリアテープC等の位置を測定可能なロータリーエンコーダをテーピング装置1に設け、ロータリーエンコーダの測定結果に基づいてキャリアテープCおよびトップテープTにおける非接着部Nとすべき部分を特定できるようにしてもよい。
【0028】
また、本実施形態では、非接着部Nを形成する場合は、その周辺のキャリアテープCとトップテープTの間には、電子部品を収容しない。従って、非接着部Nは、電子部品のロットの切り替え時等に形成することが好ましい。
【0029】
<リール巻き機>
本実施形態のリール巻き機2は、電子部品連をリールRに巻き取ってリール巻き電子部品連を製造する。リール巻き機2は、リール巻き取り部23と、剥離強度測定部22と、を備える。また、本実施形態のリール巻き機2は、テープ送り出し部20と、搬送ガイド21と、制御装置24をさらに備える。
【0030】
リール巻き機2の工程の上流側には、電子部品連形成装置としてのテーピング装置1が設置されている。なお、本実施形態においては、テーピング装置1とリール巻き機2とが別体となっているが、テーピング装置1とリール巻き機2とは、一体的な装置により構成されていてもよい。なお、テーピング装置1とリール巻き機2とが別体の場合は、リール巻き機2をリール巻き電子部品連の製造装置と呼ぶこともできる。
【0031】
テープ送り出し部20は、テーピング装置1により製造された電子部品連、即ち複数の電子部品を収容し溶着されたキャリアテープCおよびトップテープTである包装テープPを搬送ガイド21内に送り出す。テープ送り出し部20は、ピンホイールと、ピンホイールを駆動する不図示のモータとによって構成されている。
【0032】
搬送ガイド21は、テープ送り出し部20により送り出された包装テープPをリール巻き取り部23に搬送するためのガイドである。搬送ガイド21は、搬送される包装テープPの上方に配置されるガイドレール21a1と、包装テープPの下方に配置されるガイドレール21a2と、で構成される。ガイドレール21a1とガイドレール21a2とで、包装テープPが通過する通路を形成する。また、ガイドレール21a1は、包装テープPの非接着部NにおけるトップテープTを離間させるテープ離間機構21bを有する。
【0033】
<テープ離間機構>
テープ離間機構21bは、後述の切断機構22aにより切断される切断部C1の位置に対応するトップテープTの部分をキャリアテープCから離間させる。具体的には、テープ離間機構21bは、接着機構10により形成された非接着部NにおけるトップテープTをキャリアテープCから離間させる。
【0034】
テープ離間機構21bは、例えばトップテープTを吸引する吸引部211bを備える。非接着部NにおけるトップテープTが吸引部211bにより吸引されることにより、非接着部NにおけるトップテープTがキャリアテープCから離間する。吸引部211bは、吸引ポンプと、吸引ラインにより構成されていてもよい。吸引ラインの開口部は、搬送ガイド21のガイドレール内において、トップテープTを吸引できるような位置に形成されている。なお、テープ離間機構21bによるトップテープTの離間方法は、吸引には限定されない。
【0035】
また、テープ離間機構21bは、トップテープTがキャリアテープCから離間したことを検知する離間検知部210bをさらに有していてもよい。この場合、離間検知部210bが、トップテープTがキャリアテープCから離間したことを検知した場合に、後述の切断機構22aがキャリアテープCを切断するための駆動を行う。
【0036】
離間検知部210bは、例えば回動軸210b1と、一端部が回動軸210b1に固定されたL字状の検知片210b2と、で構成される。回動軸210b1は、検知片210b2がトップテープT側に回動する方向にコイルバネ等により力をうけている。この場合、検知片210b2の他端部がトップテープT等に触れ押圧されることで、検知片210b2が回動軸210b1を中心にトップテープTから離れる方向に回動し、所定の角度だけ回動することで、不図示のスイッチを押圧しトップテープTがキャリアテープCから離間したことを検知する。
【0037】
なお、離間検知部210bは、吸引されたトップテープTによる押圧を検知することによってトップテープTがキャリアテープCから離間したことを検知する押圧センサであってもよいし、吸引されたトップテープTの接触を検知する接触センサであってもよいし、近接センサにより検知してもよい。
【0038】
<リール巻き取り部>
リール巻き取り部23は、搬送ガイド21によってガイドされて搬送された包装テープPをリールRに巻き取る。リール巻き取り部23は、巻き取りモータ23aと、巻き取りモータ23aの軸部に着脱自在に固定されるリールRと、によって構成される。リールRに所定量の包装テープPが巻き取られた後、リールRは交換される。なお、この巻き取りモータ23aとリールRを備えるリール巻き取り部23は、後述の剥離強度検出の際のリール巻き電子部品連の製造装置Aの第1の搬送部を構成する。
【0039】
<剥離強度測定部>
剥離強度測定部22は、キャリアテープCとトップテープTとが溶着された包装テープPの剥離強度を測定する。剥離強度測定部22が包装テープPの剥離強度を測定する場合には、電子部品が収容されていない状態の非接着部Nが設けられた包装テープPが、テーピング装置1から剥離強度測定部22に送り出される。
【0040】
本実施形態に係る剥離強度測定部22は、キャリアテープCとトップテープTとの接着部の剥離強度をJIS C 0806-3:2021に基づいて検出できるように構成されている。具体的には、第1の搬送方向F1にテープ位置規制部によってトップテープTを固定しつつ、第1の搬送方向F1に対して165°~180°となる第2の搬送方向F2にローラフィーダ22dによってキャリアテープCを引っ張ることでJISC 0806-3:2021に基づいた剥離強度測定可能とする。詳細は後述する。
【0041】
剥離強度測定部22は、リール巻き取り部23の搬送方向上流側の、搬送ガイド21中に配置されている。剥離強度測定部22は、切断機構22aと、押し上げ機構22bと、剥離強度検出部22cと、ローラフィーダ22dと、を備える。
【0042】
<切断機構>
切断機構22aは、搬送されたキャリアテープCおよびトップテープTのうち、キャリアテープCのみを切断する。具体的には、切断機構22aは、テープ離間機構21bにより離間したトップテープTとキャリアテープCのうち、キャリアテープCのみを切断する。
【0043】
切断機構22aは、例えば刃先が上向きのカット刃22a1と、カット刃22a1を上下駆動させるための不図示の切断駆動機構と、を有する。切断機構22aは、離間検知部210bが、トップテープTがキャリアテープCから離間したことを検知した場合に、キャリアテープCを切断するための動作を行う。なお、切断機構の構成は、これに限定されない。
【0044】
<押し上げ機構>
押し上げ機構22bは、切断機構22aによりキャリアテープCのみを切断できるように補助するための構成である。押し上げ機構22bは、キャリアテープCを押し上げる押し上げ片22b1と、一端部が押し上げ片22b1に接続され不図示の駆動源により上下方向に駆動される駆動軸22b2と、を有する。
【0045】
押し上げ機構22bは、切断機構22aのカット刃22a1と連動して駆動軸22b2が上昇し、切断部C1よりも下流側のキャリアテープCおよびトップテープTを押し上げ片22b1により押し上げるように作動する。押し上げ機構22bの上端位置と、カット刃22a1の刃先の位置が適切に設定されることにより、切断後のトップテープTが垂れて切断機構22aのカット刃22a1に触れて切断されることを抑制し、搬送されたキャリアテープCおよびトップテープTのうち、キャリアテープCのみを切断することができる。
【0046】
<剥離強度検出部>
剥離強度検出部22cは、剥離強度検出のための各種の機能を有する。剥離強度検出部22cの機能は、例えば剥離強度検出の前準備として搬送される包装テープPの非接着部NにおいてトップテープTとキャリアテープCとの搬送方向をそれぞれ第1の搬送方向F1と第2の搬送方向F2とに変換するテープ送り出し方向変換機能や、剥離強度検出のためにトップテープTの一部の位置を規制するテープ位置規制機能や、切断部C1の位置よりも上流側のキャリアテープCとトップテープTとの接着部の剥離強度を検出する剥離強度検出機能がある。なお、本実施形態では、テープ送り出し方向変換機能と、テープ位置規制機能と、剥離強度検出機能とは、剥離強度検出部22cに兼ねさせているが、これに限らず、それぞれ別々の構成でもよい。
【0047】
剥離強度検出部22cは、トップテープTの一部の位置を規制するテープ位置規制部およびテープ送り出し方向変換部としてのガイド片22c1と、不図示の剥離強度センサと、を有する。剥離強度センサは、センサ軸22c2を有するトルクセンサである。
【0048】
ガイド片22c1は、テープ位置規制部およびテープ送り出し方向変換部として機能する円柱部と、円柱部の周面に一端部を接続した板部と、で構成される。ガイド片22c1は、板部の一端側が剥離強度センサとしてのトルクセンサのセンサ軸22c2に固定され、センサ軸22c2と共に回動可能である。
【0049】
ガイド片22c1は、センサ軸22c2を軸中心として、トップテープTの一部の位置を規制するテープ位置規制位置と、剥離強度検出の際に送り出されるキャリアテープCの送り出し方向を第2の搬送方向F2に変換するテープ送り出し方向変換位置と、復帰処理の際に送り出されるキャリアテープCを第1搬送方向に送り出し方向を変換する復帰位置と、を回動可能である。
【0050】
ローラフィーダ22dは、トップテープTを第2の搬送方向F2に搬送するための構成である。例えば、ローラフィーダ22dは、切断部C1の位置よりも上流側のキャリアテープCを挟み込んで搬出する。ローラフィーダ22dは、第1のローラ22d1と、第2のローラ22d2と、間隔可変機構22d3と、を備える。第1のローラ22d1および第2のローラ22d2は、不図示のモータにより駆動される。間隔可変機構22d3は、第1のローラ22d1と第2のローラ22d2の間の間隔を変化させる。間隔可変機構は、例えば直動型のソレノイド等により第1のローラ22d1または第2のローラ22d2を直進移動させて間隔を変化させる。
【0051】
ローラフィーダ22dは、間隔可変機構22d3により、第1のローラ22d1と第2のローラ22d2の間の間隔が広い開放状態と、第1のローラ22d1と第2のローラ22d2によってキャリアテープCを挟み込む挟持状態と、に制御される。
【0052】
本実施形態では、第1のローラ22d1は、間隔可変機構22d3により搬送方向に移動可能に支持され、第2のローラ22d2は、所定の位置に固定されている。このため、間隔可変機構22d3は、第1のローラ22d1を、第2のローラ22d2と共にキャリアテープCを挟み込む挟持状態となる挟持位置と、第2のローラ22d2との間隔が広い開放状態となる開放位置と、の間で移動させる。なお、ローラフィーダ22dは、リール巻き電子部品連の製造装置Aの第2の搬送駆動部として機能する。
【0053】
<制御装置>
制御装置24は、リール巻き機2の各種の動作を制御する。制御装置24は、プロセッサ等を有し、プロセッサが演算処理を実行することにより各種の動作の制御が実現される。なお、制御部の構成は、これに限らず、例えば制御装置24は、リール巻き機2の各種の動作を制御可能な制御回路等のハードウェアにより構成されてもよい。
【0054】
次に、リール巻き電子部品連の製造装置Aの剥離強度検出の動作について、説明する。
リール巻き電子部品連の製造装置Aは、剥離強度検出において、テーピング装置1において接着機構10により包装テープPに非接着部Nを形成する等の準備動作を行い、リール巻き機2において剥離強度測定部22の各構成による剥離強度測定動作が行われる。
【0055】
まず、本実施形態に係る接着機構10は、剥離強度測定部22でキャリアテープCとトップテープTの剥離強度を測定するための準備として、接着部の途中に、キャリアテープCとトップテープTとが溶着されていない非接着部Nを形成する。
【0056】
次に、リール巻き電子部品連の製造装置Aは、非接着部Nが形成された包装テープPをテーピング装置1からリール巻き機2に搬送する。テープ送り出し部20は、テーピング装置1から搬送された非接着部Nが形成された包装テープPを搬送ガイド21に送り出す。テープ離間機構21bは、接着機構10により形成された非接着部NにおけるトップテープTをキャリアテープCから離間させる。押し上げ機構22bにより包装テープPを押し上げつつ、切断機構22aによりテープ離間機構21bにより離間したトップテープTとキャリアテープCのうち、キャリアテープCのみを切断する。
【0057】
切断機構22aによりキャリアテープCが切断された後は、切断部C1の位置よりも上流側のキャリアテープCは、前述のテープ送り出し部20により送り出される。本実施形態に係るリール巻き電子部品連の製造装置Aは、第1の駆動搬送部と、第2の駆動搬送部により、トップテープTとキャリアテープCとを、それぞれ第1の搬送方向F1、第2の搬送方向F2に搬送する。
【0058】
<第1の搬送駆動部>
第1の搬送駆動部は、切断機構22aにより切断された切断部C1の位置よりも下流側のキャリアテープCおよびトップテープTをリール巻き取り部23に搬送するための第1の搬送方向F1に搬送する。本実施形態の第1の搬送駆動部は、上述のように巻き取りモータ23aとリールRを備えるリール巻き取り部23により構成される。なお、切断機構22aにより切断された切断部C1の位置よりも下流側のキャリアテープCおよびトップテープTは、搬送ガイド21に沿って搬送される。
【0059】
<第2の搬送駆動部>
第2の搬送駆動部は、切断部C1の位置よりも上流側のキャリアテープCを第1の搬送方向F1とは異なる排出部側の方向の第2の搬送方向F2に搬送する。第2の搬送駆動部は、テープ送り出し部20と、剥離強度検出部22cのガイド片22c1と、送りローラとしてのローラフィーダ22dと、により構成される。
【0060】
送り出されたキャリアテープCの切断部C1の端部は、剥離強度検出部22cのガイド片22c1と接触する。ガイド片22c1は、搬送されるキャリアテープCよりも円柱部の中心が上方に位置するテープ送り出し方向変換位置に配置される。これにより、送り出されたキャリアテープCは、ガイド片22c1の円柱部に接触すると、周面に沿って第2の搬送方向F2に近づくように曲げられつつ、搬送される。なお、剥離強度検出部22cは、後述のテープ位置規制部を兼ねていてもよい。
【0061】
ローラフィーダ22dにキャリアテープCが挟み込まれる前は、ローラフィーダ22dは開放状態である。剥離強度検出部22cによって第2の搬送方向F2に近づくように曲げられたキャリアテープCの切断部C1の端部は、開放状態の第1のローラ22d1と第2のローラ22d2の間に挿入される。
【0062】
なお、剥離強度検出部22cとローラフィーダ22dの間に、キャリアテープCがローラフィーダ22dの方向に向かうように搬送方向を規制する追加のガイドレールを設けてもよい。
【0063】
キャリアテープCが第1のローラ22d1と第2のローラ22d2の間に挿入されたタイミングで、第1のローラ22d1と第2のローラ22d2の間の間隔が狭くなるように、第1のローラ22d1および第2のローラ22d2の少なくとも一方が移動するように制御される。キャリアテープCが第1のローラ22d1と第2のローラ22d2の間に挿入されたタイミングは、例えば包装テープPを所定量送り出したタイミングである。これにより、ローラフィーダ22dが挟持状態となる。この状態で第1のローラ22d1および第2のローラ22d2の少なくとも一方が回転することにより、ローラフィーダ22dは、切断部C1の位置よりも上流側のキャリアテープCを第2の搬送方向F2に搬送する。
【0064】
なお、第1の搬送方向F1と第2の搬送方向F2とがなす角のうちの鋭角θは、70°以上90°以下であることが好ましい。また、第1の搬送方向F1と第2の搬送方向F2のなす角θは、75°以上90°以下であることがより好ましい。これにより、後述する剥離強度を検出する際のキャリアテープCとトップテープTのなす角φを、適切な範囲に設定しやすくなる。
【0065】
剥離強度検出部22cは、
図7に示されるように、テープ位置規制部としてのガイド片22c1によってトップテープTの一部の位置が規制され、かつ第2の搬送駆動部が駆動した状態において、剥離強度を検出する。即ち、トルクセンサは、ローラフィーダ22dによってキャリアテープCが第2の搬送方向F2に搬送されているときの、ガイド片22c1にかかるトルクを測定することにより、キャリアテープCからトップテープTが剥離するときに剥離強度を検出する。
【0066】
剥離強度を検出する際のキャリアテープCとトップテープTのなす角φは、
図8に示されるように、ガイド片22c1の配置と、第2の搬送駆動部としてのローラフィーダ22dの配置に基づいて規定される。また、剥離強度を検出する際のキャリアテープCとトップテープTのなす角φは、押し上げ機構22bの配置と、第2の搬送駆動部としてのローラフィーダ22dの配置に基づいて規定される。より詳細には、剥離強度を検出する際のキャリアテープCとトップテープTのなす角φは、ガイド片22c1の配置と、押し上げ機構22bの配置と、第2の搬送駆動部としてのローラフィーダ22dの配置とに基づいて規定される。剥離強度を検出する際のキャリアテープCとトップテープTのなす角φは、160°以上180°以下である。なお、剥離強度を検出する際のキャリアテープCとトップテープTのなす角は、165°以上180°以下であることがより好ましい。
【0067】
本発明の一実施形態に係る剥離強度測定部22では、切断機構22aによって切断されたキャリアテープCの切断部C1が所定の距離搬送された時に、非接着部Nと上流側接着部A1との境目Bが
図8に示される位置となるように、ガイド片22c1の配置と、押し上げ機構22bの配置と、第2の搬送駆動部としてのローラフィーダ22dの配置と、が予め調整される。これにより、切断機構22aによりキャリアテープCを切断してから所定の距離搬送することで、剥離強度を検出する際のキャリアテープCとトップテープTのなす角を165°以上180°以下に調整することができる。
【0068】
なお、非接着部Nと上流側接着部A1との境目Bを検知する検知部を設け、境目BがキャリアテープCとトップテープTのなす角を165°以上180°以下となる位置に検知された時に剥離強度を検出するようにしてもよい。この場合の検知部は、例えば撮像して画像処理することにより非接着部Nと上流側接着部A1との境目Bを認識して検知してもよい。
【0069】
〔工程フローの説明〕
次に、本実施形態に係るリール巻き電子部品連の製造装置Aが適用されるリール巻き電子部品連の生産方法について、
図9、10を用いて説明する。
図9は、本発明の一実施形態に係るリール巻き電子部品連の生産工程を説明するためのフローチャートである。
図10は、本発明の一実施形態に係る剥離強度測定工程を説明するためのフローチャートである。
【0070】
本実施形態に係るリール巻き電子部品連の生産方法は、
図9に示されるように剥離強度測定工程(ステップS10)と、リール巻き電子部品連製造工程(ステップS14)と、を含む。剥離強度測定工程(ステップS10)は、リール巻き電子部品連製造工程(ステップS14)よりも前に行われる。即ち、本実施形態に係るリール巻き電子部品連の生産方法では、包装テープPの剥離強度が問題ないことを確認した上でリール巻き電子部品連を製造する。これにより、本実施形態に係るリール巻き電子部品連の生産方法では、所定の剥離強度を備えたリール巻き電子部品連を生産できる。
【0071】
また、リール巻き電子部品連の生産方法は、剥離強度測定工程において検出された剥離強度と、所定の閾値との比較に基づいて、報知工程(ステップS12)を行ってもよい。即ち、剥離強度測定工程(ステップS10)により剥離強度に問題があった場合に、作業者等に剥離強度に問題がある旨を報知する。
【0072】
また、本実施形態では、
図9に示されるように剥離強度に問題がある場合は、リール巻き電子部品連の生産方法を終了する。即ち、剥離強度測定工程(ステップS10)により剥離強度に問題があった場合に、リール巻き電子部品連の生産を停止する。以下に、本実施形態に係るリール巻き電子部品連の生産方法の詳細について説明する。
【0073】
本実施形態に係るリール巻き電子部品連の生産方法において、まず剥離強度測定(ステップS10)を行う。
【0074】
<剥離強度測定工程>
次に、剥離強度測定工程(ステップS10)について、説明する。剥離強度測定工程(ステップS10)は、上述のようにリール巻き電子部品連製造工程(ステップS14)の前に、キャリアテープCとトップテープTの剥離強度を測定する工程である。詳細は、後述する。
【0075】
次に、剥離強度測定工程(ステップS10)において測定した剥離強度と閾値とを比較して問題がないか否かを確認する(ステップS11)。剥離強度に問題がある場合(ステップS11:NO)、報知工程(ステップS12)を行い、リール巻き電子部品連の生産を終了する。
【0076】
言い換えると、本実施形態に係るリール巻き電子部品連の生産方法では、報知工程(ステップS12)の後にリール巻き電子部品連の製造工程のチェックのためにリール巻き電子部品連の製造装置Aを停止させる。
【0077】
即ち、報知工程(ステップS12)は、剥離強度測定工程(ステップS10)において検出された剥離強度と、所定の閾値との比較に基づいて、リール巻き電子部品連製造工程(ステップS14)を停止する停止工程をさらに備えてもよい。具体的には、検出された剥離強度が、0.1Nよりも低い場合、あるいは0.6Nよりも高い場合に、リール巻き電子部品連製造工程(ステップS14)を停止してもよい。
【0078】
また、本実施形態に係るリール巻き電子部品連の生産方法は、後述する剥離強度検出工程(ステップS25)において検出された剥離強度と、所定の閾値との比較に基づいて、リール巻き電子部品連製造工程(ステップS14)におけるチェックのための運搬停止および確認を促す報知を行ってもよい。具体的には、検出された剥離強度が、0.1Nよりも低い場合、あるいは0.6Nよりも高い場合に、リール巻き電子部品連製造工程のチェックを促す報知を行ってもよい。
【0079】
また、ステップS11において、剥離強度に問題がない場合(ステップS11:YES)、リール巻き電子部品連の製造装置Aにおいて、復帰処理(ステップS13)が行われる。
【0080】
本実施形態に係るリール巻き電子部品連の生産方法は、ステップS13において、さらに復帰処理(ステップS13)を備える。上述のように、剥離強度測定工程(ステップS10)において、キャリアテープCおよびトップテープTは、剥離強度測定後に切断機構22aによって剥離強度測定を行った切断部C1よりも上流側が切り離され、キャリアテープCをリール巻き取り部23に搬送出来ない状態となっている。
【0081】
従って、本実施形態では、ステップS13において、切断機構22a、押し上げ機構22b、テープ位置規制部としての剥離強度検出部22cの位置を適切に制御した上で、テープ送り出し部20を駆動して、切断されたキャリアテープCおよびトップテープTを第1の搬送方向F1に送り出す復帰処理を行う。
【0082】
例えば、復帰処理(ステップS13)は、ローラフィーダ22dを開放状態にしつつガイド片22c1をテープ送り出し方向変換位置に移動させたうえで、テープ送り出し部20と、リール巻き取り部23を逆回転させ、第2の搬送方向F2に搬送されていた切断後の上流側キャリアテープCおよび第1の搬送方向F1に搬送されていたトップテープTを搬送方向上流側に戻す。
【0083】
次に、ガイド片22c1をテープ送り出し方向変換位置よりも下方の復帰位置に移動させた状態で、再びリール巻き取り部23およびテープ送り出し部20を正回転させて、切断後の上流側キャリアテープCおよびトップテープTを搬送方向に送り出す。切断後の上流側キャリアテープCは、ガイド片22c1の円柱部の中心軸よりも上の上向きの周面に接触しながら、当該周面に沿って第1の搬送方向F1に搬送される。これにより、切断されたキャリアテープCおよびトップテープTは搬送ガイド21を通じてリール巻き取り部23に向かう。以上のような動作により、復帰処理(ステップS13)が行われる。
【0084】
<リール巻き電子部品連製造工程>
次にリール巻き電子部品連製造工程(ステップS14)が行われる。リール巻き電子部品連製造工程(ステップS14)は、キャリアテープCと、トップテープTと、キャリアテープCとトップテープTの間に収容された複数の電子部品と、を含む電子部品連としての包装テープPをリールRに巻き取り、リール巻き電子部品連を製造する工程である。
【0085】
より詳細には、リール巻き電子部品連製造工程(ステップS14)では、テーピング装置1により収納部に電子部品を収納した状態のキャリアテープCにトップテープTを覆って溶着し包装テープPを作製する。次に、テーピング装置1で作製された包装テープPをリール巻き機2によりリールRに巻き取り、リール巻き電子部品連を製造する。
【0086】
リール巻き電子部品連の製造が終了したら、次の生産があるか否かを確認する(ステップS15)。次の生産がない場合(ステップS15:NO)は、リール巻き電子部品連の生産は、終了する。次の生産がある場合(ステップS15:YES)は、ステップS10に戻り、剥離強度測定工程(ステップS10)を行う。
【0087】
次に、剥離強度測定工程(ステップS10)の詳細について説明する。剥離強度測定工程(ステップS10)は、
図10に示されるように、切断工程(ステップS22)と、第1の搬送工程と第2の搬送工程とを含む搬送工程(ステップS23)と、剥離強度検出工程(ステップS25)と、を備える。また、剥離強度測定工程(ステップS10)は、接着工程(ステップS20)と、テープ離間工程(ステップS21)と、第1の搬送停止工程としての搬送停止工程(ステップS24)と、を備えてもよい。即ち、本実施形態に係るリール巻き電子部品連の生産方法は、接着工程(ステップS20)と、テープ離間工程(ステップS21)と、搬送停止工程(ステップS24)と、をさらに備えてもよい。
【0088】
まずは、接着工程(ステップS20)を行う。接着工程(ステップS20)は、
図3に示されるように、キャリアテープCとトップテープTが接着されていない非接着部Nと、非接着部Nの上流側であって、キャリアテープCとトップテープTが接着されている上流側接着部A1と、非接着部Nの下流側であって、キャリアテープCとトップテープTが接着されている下流側接着部A2と、が形成されるように、キャリアテープCとトップテープTとを接着する工程である。
【0089】
次に、テープ離間工程(ステップS21)を行う。テープ離間工程(ステップS21)は、
図4に示されるように、接着工程(ステップS20)により形成された非接着部NにおけるトップテープTをキャリアテープCから離間させる工程である。別の視点では、切断工程(ステップS22)により切断される切断部C1の位置に対応するトップテープTの部分をキャリアテープCから離間させる工程であるといえる。
【0090】
次に、切断工程(ステップS22)を行う。切断工程(ステップS22)は、
図5に示されるように、搬送されキャリアテープCおよびトップテープTのうち、キャリアテープCのみを切断する工程である。また、別の視点では、切断工程(ステップS22)は、テープ離間工程(ステップS21)により離間したトップテープTとキャリアテープCのうち、キャリアテープCのみを切断するといえる。
【0091】
次に、搬送工程(ステップS23)を行う。搬送工程(ステップS23)は、第1の搬送工程と、第2の搬送工程とを備える。第1の搬送工程は、切断工程(ステップS22)により切断された切断部C1の位置よりも下流側のキャリアテープCおよびトップテープTをリール巻き取り部23に搬送するための第1の搬送方向F1に搬送する工程である。第2の搬送工程は、切断工程(ステップS22)により切断された切断部C1の位置よりも上流側のキャリアテープCを第1の搬送方向F1とは異なる第2の搬送方向F2に搬送する工程である。
図6には、搬送工程の初期の状態が示される。
【0092】
次に、搬送停止工程(ステップS24)を行う。搬送停止工程(ステップS24)は、第1の搬送工程による搬送を停止する。別の観点では、剥離強度検出工程(ステップS25)は、第1の搬送工程による搬送を停止する第1の搬送停止工程を備えるといえる。
【0093】
次に、剥離強度検出工程(ステップS25)を行う。剥離強度測定工程(ステップS11)における剥離強度検出工程(ステップS25)は、
図7および
図8に示されるように第1の搬送停止工程により第1の搬送工程(ステップS23)が停止されると共にトップテープTの一部の位置が規制され、かつ第2の搬送工程によって切断部C1の位置よりも上流側のキャリアテープCが第2の搬送方向F2に搬送されている状態において、剥離強度を検出する。その後、剥離強度検出工程(ステップS25)は終了し、剥離強度測定工程(ステップS10)は終了する。
【0094】
以上のように構成されるリール巻き電子部品連の製造装置Aは、キャリアテープCと、トップテープTと、キャリアテープCとトップテープTの間に収容された複数の電子部品と、を含む包装テープPをリールRに巻き取ってリール巻き電子部品連を製造するリール巻き電子部品連の製造装置Aであって、搬送されるキャリアテープCおよびトップテープTをリールRに巻き取るリール巻き取り部23と、リール巻き取り部23の搬送方向上流側に配置された、キャリアテープCとトップテープTの剥離強度を測定する剥離強度測定部22と、を備え、剥離強度測定部22は、搬送されたキャリアテープCおよびトップテープTのうち、キャリアテープCのみを切断する切断機構22aと、切断機構22aにより切断された切断部C1の位置よりも下流側のキャリアテープCおよびトップテープTをリール巻き取り部23に搬送するための第1の搬送方向F1に搬送するリール巻き取り部23と、切断部C1の位置よりも上流側のキャリアテープCを第1の搬送方向F1とは異なる第2の搬送方向F2に搬送するテープ送り出し部20およびローラフィーダ22dと、切断部C1の位置よりも上流側のキャリアテープCとトップテープTの剥離強度を検出する剥離強度検出部22cと、を備える。
【0095】
これにより、効率的にキャリアテープCとトップテープTの剥離強度を測定することができる。
【0096】
また、本実施形態に係るリール巻き電子部品連の製造装置Aにおいては、剥離強度測定部22は、切断機構22aにより切断される切断部C1の位置に対応するトップテープTの部分をキャリアテープCから離間させるテープ離間機構21bをさらに備え、切断機構22aは、テープ離間機構21bにより離間したトップテープTとキャリアテープCのうち、キャリアテープCのみを切断する。
【0097】
これにより、剥離強度測定の準備が自動できるため、さらに効率的にキャリアテープCとトップテープTの剥離強度を測定することができる。
【0098】
また、本実施形態に係るリール巻き電子部品連の製造装置Aにおいては、テープ離間機構21bは、トップテープTを吸引する吸引部211bを備える。
【0099】
これにより、テープ離間が非接触でできるため、テープを傷つけることなく効率的にキャリアテープCとトップテープTの剥離強度を測定することができる。
【0100】
また、本実施形態に係るリール巻き電子部品連の製造装置Aにおいては、テープ離間機構21bは、トップテープTがキャリアテープCから離間したことを検知する離間検知部210bをさらに有する。
【0101】
これにより、より確実にトップテープTがキャリアテープCから離間したことを検知できるため、剥離強度測定の準備も確実になり、効率的にキャリアテープCとトップテープTの剥離強度を測定することができる。
【0102】
また、本実施形態に係るリール巻き電子部品連の製造装置Aは、キャリアテープCとトップテープTが接着されていない非接着部Nと、非接着部Nの上流側であって、キャリアテープCとトップテープTが接着されている上流側接着部A1と、非接着部Nの下流側であって、キャリアテープCとトップテープTが接着されている下流側接着部A2と、が形成されるように、キャリアテープCとトップテープTとを接着する接着機構10をさらに備え、テープ離間機構21bは、接着機構10により形成された非接着部NにおけるトップテープTをキャリアテープCから離間させ、切断機構22aは、テープ離間機構21bにより離間したトップテープTとキャリアテープCのうち、キャリアテープCのみを切断する。
【0103】
これにより、より確実にキャリアテープCのみを切断して剥離強度測定の準備ができ、効率的にキャリアテープCとトップテープTの剥離強度を測定することができる。
【0104】
また、本実施形態に係るリール巻き電子部品連の製造装置Aにおいては、剥離強度検出部22cは、トップテープTの一部の位置を規制するガイド片22c1と、剥離強度検出部22cと、備え、剥離強度検出部22cは、ガイド片22c1によってトップテープTの一部の位置が規制され、かつローラフィーダ22dが駆動した状態において、剥離強度を検出する。
【0105】
これにより、通常の生産時と同じリール巻き電子部品連の製造装置A内で剥離強度を測定できるため、生産中でも剥離強度測定することもでき、効率的にキャリアテープCとトップテープTの剥離強度を測定できる。
【0106】
また、本実施形態に係るリール巻き電子部品連の製造装置Aにおいては、剥離強度検出部22cは、センサ軸22c2を有するトルクセンサであり、ガイド片22c1は、トルクセンサのセンサ軸22c2に固定されている。
【0107】
これにより、剥離強度検出部22cと、ガイド片22c1とを同一の部品で行うことができ、装置を省コスト、軽量化しつつ、効率的にキャリアテープCとトップテープTの剥離強度を測定することができる。
【0108】
また、本実施形態に係るリール巻き電子部品連の製造装置Aにおいては、剥離強度を検出する際のキャリアテープCとトップテープTのなす角φは、ガイド片22c1の配置と、ローラフィーダ22dの配置に基づいて規定され、剥離強度を検出する際のキャリアテープCとトップテープTのなす角φは、160°以上180°以下である。
【0109】
これにより、JIS 0806-3:2021に沿った剥離強度測定ができ、より確実かつ効率的にキャリアテープCとトップテープTの剥離強度を測定することができる。
【0110】
また、本実施形態に係るリール巻き電子部品連の製造装置Aにおいては、第1の搬送方向F1と第2の搬送方向F2のなす角θは、70°以上90°以下である。
【0111】
これにより、剥離強度を検出する際のキャリアテープCとトップテープTのなす角φを、適切な範囲に設定しやすくなる。
【0112】
また、本実施形態に係るリール巻き電子部品連の製造装置Aにおいては、第2の搬送駆動部は、切断部C1の位置よりも上流側のキャリアテープCを挟み込んで送り出すローラフィーダ22dを含み、ローラフィーダ22dは、第1のローラ22d1と、第2のローラ22d2と、第1のローラ22d1と第2のローラ22d2の間の間隔を変化させる間隔可変機構22d3と、を備える。
【0113】
これにより、自動でローラフィーダ22dにより、切断部C1の位置よりも上流側キャリアテープCを挟み込むことができるため、効率的にキャリアテープCとトップテープTの剥離強度を測定することができる。
【0114】
また、本実施形態に係るリール巻き電子部品連の製造装置Aは、包装テープPをリール巻き取り部23に搬送するための搬送ガイド21をさらに備え、切断機構22aにより切断された切断部C1の位置よりも下流側のキャリアテープCおよびトップテープTは、搬送ガイド21によってガイドされて搬送される。
【0115】
これにより、剥離強度の測定対象のキャリアテープCおよびトップテープTを剥離強度測定の準備の際に安定して搬送できるため、より確実かつ効率的にキャリアテープCとトップテープTの剥離強度を測定することができる。
【0116】
また、本実施形態に係るリール巻き電子部品連の製造装置Aは、切断機構22aと連動して、切断部C1よりも下流側のキャリアテープCおよびトップテープTを押し上げるように作動する押し上げ機構22bをさらに有する。
【0117】
これにより、剥離強度測定の準備の際に切断後のキャリアテープCおよびトップテープTが垂れて切断機構22aにより切断されることを抑制でき、より確実かつ効率的にキャリアテープCとトップテープTの剥離強度を測定することができる。
【0118】
また、本実施形態に係るリール巻き電子部品連の製造装置Aは、剥離強度を検出する際のキャリアテープCとトップテープTのなす角φは、押し上げ機構22bの配置と、ローラフィーダ22dの配置に基づいて規定され、剥離強度を検出する際のキャリアテープCとトップテープTのなす角φは、160°以上180°以下である。
【0119】
これにより、装置の構成により剥離強度を検出する際のキャリアテープCとトップテープTのなす角φを規定できるため、より確実かつ効率的にキャリアテープCとトップテープTの剥離強度を測定することができる。
【0120】
また、本実施形態に係るリール巻き電子部品連の生産方法は、リール巻き電子部品連の生産方法であって、キャリアテープCと、トップテープTと、キャリアテープCとトップテープTの間に収容された複数の電子部品と、を含む電子部品連をリールRに巻き取るリール巻き電子部品連製造工程(ステップS14)と、キャリアテープCとトップテープTの剥離強度を測定する剥離強度測定工程(ステップS10)と、を備え、剥離強度測定工程(ステップS10)は、搬送されたキャリアテープCおよびトップテープTのうち、キャリアテープCのみを切断する切断工程(ステップS22)と、切断工程(ステップS22)により切断された切断部C1の位置よりも下流側のキャリアテープCおよびトップテープTをリール巻き取り部23に搬送するための第1の搬送方向F1に搬送する第1の搬送工程(ステップS23)と、切断工程(ステップS22)により切断された切断部C1の位置よりも上流側のキャリアテープCを第1の搬送方向F1とは異なる第2の搬送方向F2に搬送する第2の搬送工程(ステップS23)と、切断工程(ステップS22)により切断された切断部C1の位置よりも上流側のキャリアテープCとトップテープTの剥離強度を検出する剥離強度検出工程(ステップS25)と、を備える。
【0121】
これにより、効率的にキャリアテープCとトップテープTの剥離強度を測定することができる。
【0122】
また、本実施形態に係るリール巻き電子部品連の生産方法は、剥離強度測定工程(ステップS10)は、切断工程(ステップS22)により切断される切断部C1の位置に対応するトップテープTの部分をキャリアテープCから離間させるテープ離間工程(ステップS21)をさらに備え、切断工程(ステップS22)は、テープ離間工程(ステップS21)により離間したトップテープTとキャリアテープCのうち、キャリアテープCのみを切断する。
【0123】
これにより、より確実にキャリアテープCのみを切断して剥離強度測定の準備ができ、効率的にキャリアテープCとトップテープTの剥離強度を測定することができる。
【0124】
また、本実施形態に係るリール巻き電子部品連の生産方法は、キャリアテープCとトップテープTが接着されていない非接着部Nと、非接着部Nの上流側であって、キャリアテープCとトップテープTが接着されている上流側接着部A1と、非接着部Nの下流側であって、キャリアテープCとトップテープTが接着されている下流側接着部A2と、が形成されるように、キャリアテープCとトップテープTとを接着する接着工程(ステップS20)をさらに備え、テープ離間工程(ステップS21)は、接着工程(ステップS20)により形成された非接着部NにおけるトップテープTをキャリアテープCから離間させ、切断工程(ステップS22)は、テープ離間工程(ステップS20)により離間したトップテープTとキャリアテープCのうち、キャリアテープCのみを切断する。
【0125】
これにより、テープ離間工程(ステップS21)においてより確実にトップテープTをキャリアテープCから離間してキャリアテープCのみを切断して剥離強度測定の準備ができ、効率的にキャリアテープCとトップテープTの剥離強度を測定することができる。
【0126】
また、本実施形態に係るリール巻き電子部品連の生産方法は、剥離強度検出工程(ステップS25)は、第1の搬送工程(ステップS23)を停止する搬送停止工程(ステップS24)を備え、搬送停止工程(ステップS24)により第1の搬送工程(ステップS23)が停止されると共にトップテープTの一部の位置が規制され、かつ第2の搬送工程(ステップS23)によって切断部C1の位置よりも上流側のキャリアテープCが第2の搬送方向F2に搬送されている状態において、剥離強度を検出する。
【0127】
これにより、より確実かつ効率的にキャリアテープCとトップテープTの剥離強度を測定することができる。
【0128】
また、本実施形態に係るリール巻き電子部品連の生産方法は、剥離強度検出工程(ステップS25)において検出された剥離強度と、所定の閾値との比較に基づいて、リール巻き電子部品連製造工程(ステップS10、S13)を停止する停止工程をさらに備える。
【0129】
これにより、効率的にキャリアテープCとトップテープTの剥離強度を測定しつつ、剥離強度不足の電子部品連によりリール巻き電子部品連が製造されることを抑制できる。
【0130】
また、本実施形態に係るリール巻き電子部品連の生産方法は、剥離強度検出工程(ステップS25)において検出された剥離強度と、所定の閾値との比較に基づいて、リール巻き電子部品連製造工程(ステップS10、S13)のチェックを促す報知を行う報知工程をさらに備える。
【0131】
これにより、効率的にキャリアテープCとトップテープTの剥離強度を測定しつつ、剥離強度不足の電子部品連によりリール巻き電子部品連が製造されることを抑制できる。
【0132】
また、本実施形態に係るテープ剥離強度測定方法は、キャリアテープCとトップテープTの剥離強度を測定するテープ剥離強度測定方法であって、搬送されたキャリアテープCおよびトップテープTのうち、キャリアテープCのみを切断する切断工程(ステップS22)と、切断工程(ステップS22)により切断された切断部C1の位置よりも下流側のキャリアテープCおよびトップテープTを第1の搬送方向F1に搬送する第1の搬送工程(ステップS23)と、切断工程(ステップS22)により切断された切断部C1の位置よりも上流側のキャリアテープCを第1の搬送方向F1とは異なる第2の搬送方向F2に搬送する第2の搬送工程(ステップS23)と、切断工程(ステップS22)により切断された切断部C1の位置よりも上流側のキャリアテープCとトップテープTの剥離強度を検出する剥離強度検出工程(ステップS25)と、を備える。
【0133】
これにより、効率的にキャリアテープCとトップテープTの剥離強度を測定することができる。
【0134】
また、本実施形態に係るテープ剥離強度測定方法は、切断工程(ステップS22)により切断される切断部C1の位置に対応するトップテープTの部分をキャリアテープCから離間させるテープ離間工程(ステップS21)をさらに備え、切断工程(ステップS22)は、テープ離間工程(ステップS21)により離間したトップテープTとキャリアテープCのうち、キャリアテープCのみを切断する。
【0135】
これにより、より確実にキャリアテープCのみを切断して剥離強度測定の準備ができ、効率的にキャリアテープCとトップテープTの剥離強度を測定することができる。
【0136】
また、本実施形態に係るテープ剥離強度測定方法は、キャリアテープCとトップテープTが接着されていない非接着部Nと、非接着部Nの上流側であって、キャリアテープCとトップテープTが接着されている上流側接着部A1と、非接着部Nの下流側であって、キャリアテープCとトップテープTが接着されている下流側接着部A2と、が形成されるように、キャリアテープCとトップテープTとを接着する接着工程(ステップS20)をさらに備え、テープ離間工程(ステップS21)は、接着工程(ステップS20)により形成された非接着部NにおけるトップテープTをキャリアテープCから離間させ、切断工程(ステップS229)は、テープ離間工程(ステップS21)により離間したトップテープTとキャリアテープCのうち、キャリアテープCのみを切断する。
【0137】
これにより、テープ離間工程(ステップS21)においてより確実にトップテープTをキャリアテープCから離間してキャリアテープCのみを切断して剥離強度測定の準備ができ、効率的にキャリアテープCとトップテープTの剥離強度を測定することができる。
【0138】
また、本実施形態に係るテープ剥離強度測定方法は、剥離強度検出工程(ステップS25)は、第1の搬送工程(ステップS23)を停止する搬送停止工程(ステップS24)を備え、搬送停止工程(ステップS24)により第1の搬送工程(ステップS23)が停止されると共にトップテープTの一部の位置が規制され、かつ第2の搬送工程(ステップS23)によって切断部C1の位置よりも上流側のキャリアテープCが第2の搬送方向F2に搬送されている状態において、剥離強度を検出する。
【0139】
これにより、より確実かつ効率的にキャリアテープCとトップテープTの剥離強度を測定することができる。
【0140】
なお、本発明は、上記実施形態の構成に限定されるものではなく、本発明の要旨を変更しない範囲において適宜変更して適用することができる。なお、上記実施形態において記載する個々の望ましい構成を2つ以上組み合わせたものもまた本発明である。
【0141】
<1>
キャリアテープと、トップテープと、前記キャリアテープと前記トップテープの間に収容された複数の電子部品と、を含む電子部品連をリールに巻き取ってリール巻き電子部品連を製造するリール巻き電子部品連の製造装置であって、
搬送される前記キャリアテープおよび前記トップテープをリールに巻き取るリール巻き取り部と、
前記リール巻き取り部の搬送方向上流側に配置された、前記キャリアテープと前記トップテープの剥離強度を測定する剥離強度測定部と、を備え、
前記剥離強度測定部は、
搬送された前記キャリアテープおよび前記トップテープのうち、前記キャリアテープのみを切断する切断機構と、
前記切断機構により切断された切断部の位置よりも下流側の前記キャリアテープおよび前記トップテープを前記リール巻き取り部に搬送するための第1の搬送方向に搬送する第1の搬送駆動部と、
前記切断部の位置よりも上流側の前記キャリアテープを前記第1の搬送方向とは異なる第2の搬送方向に搬送する第2の搬送駆動部と、
前記切断部の位置よりも上流側の前記キャリアテープと前記トップテープの剥離強度を検出する剥離強度検出部と、を備える、リール巻き電子部品連の製造装置。
<2>
前記剥離強度測定部は、
前記切断機構により切断される前記切断部の位置に対応する前記トップテープの部分を前記キャリアテープから離間させるテープ離間機構をさらに備え、
前記切断機構は、前記テープ離間機構により離間した前記トップテープと前記キャリアテープのうち、前記キャリアテープのみを切断する、<1>に記載のリール巻き電子部品連の製造装置。
<3>
前記テープ離間機構は、
前記トップテープを吸引する吸引部を備える、<2>に記載のリール巻き電子部品連の製造装置。
<4>
前記テープ離間機構は、
前記トップテープが前記キャリアテープから離間したことを検知する離間検知部をさらに有する、<2>または<3>に記載のリール巻き電子部品連の製造装置。
<5>
前記キャリアテープと前記トップテープが接着されていない非接着部と、前記非接着部の上流側であって、前記キャリアテープと前記トップテープが接着されている上流側接着部と、前記非接着部の下流側であって、前記キャリアテープと前記トップテープが接着されている下流側接着部と、が形成されるように、前記キャリアテープと前記トップテープとを接着する接着機構をさらに備え、
前記テープ離間機構は、前記接着機構により形成された前記非接着部における前記トップテープを前記キャリアテープから離間させ、
前記切断機構は、前記テープ離間機構により離間した前記トップテープと前記キャリアテープのうち、前記キャリアテープのみを切断する、<2>~<4>のいずれか1つに記載のリール巻き電子部品連の製造装置。
<6>
前記剥離強度検出部は、
前記トップテープの一部の位置を規制するテープ位置規制部と、
剥離強度センサと、備え、
前記剥離強度センサは、前記テープ位置規制部によって前記トップテープの一部の位置が規制され、かつ前記第2の搬送駆動部が駆動した状態において、前記剥離強度を検出する、<1>~<5>のいずれか1つに記載のリール巻き電子部品連の製造装置。
<7>
前記剥離強度センサは、センサ軸を有するトルクセンサであり、
前記テープ位置規制部は、前記トルクセンサの前記センサ軸に固定されている、<6>に記載のリール巻き電子部品連の製造装置。
<8>
前記剥離強度を検出する際の前記キャリアテープと前記トップテープのなす角は、前記テープ位置規制部の配置と、前記第2の搬送駆動部の配置に基づいて規定され、
前記剥離強度を検出する際の前記キャリアテープと前記トップテープのなす角は、160°以上180°以下である、<6>または<7>に記載のリール巻き電子部品連の製造装置。
<9>
前記第1の搬送方向と前記第2の搬送方向のなす角は、70°以上90°以下である、<1>~<8>のいずれか1つに記載のリール巻き電子部品連の製造装置。
<10>
前記第2の搬送駆動部は、前記切断部の位置よりも上流側の前記キャリアテープを挟み込んで送り出すローラフィーダを含み、前記ローラフィーダは、第1のローラと、第2のローラと、第1のローラと第2のローラの間の間隔を変化させる間隔可変機構と、を備える、<1>~<9>のいずれか1つに記載のリール巻き電子部品連の製造装置。
<11>
電子部品連をリール巻き取り部に搬送するための搬送ガイドをさらに備え、
前記切断機構により切断された前記切断部の位置よりも下流側の前記キャリアテープおよび前記トップテープは、搬送ガイドによってガイドされて搬送される、<1>~<10>のいずれか1つに記載のリール巻き電子部品連の製造装置。
<12>
前記切断機構と連動して、前記切断部よりも下流側の前記キャリアテープおよび前記トップテープを押し上げるように作動する押し上げ機構をさらに有する、<1>~<11>のいずれか1つに記載のリール巻き電子部品連の製造装置。
<13>
前記剥離強度を検出する際の前記キャリアテープと前記トップテープのなす角は、前記押し上げ機構の配置と、前記第2の搬送駆動部の配置に基づいて規定され、
前記剥離強度を検出する際の前記キャリアテープと前記トップテープのなす角は、160°以上180°以下である、<12>に記載のリール巻き電子部品連の製造装置。
<14>
リール巻き電子部品連の生産方法であって、
キャリアテープと、トップテープと、前記キャリアテープと前記トップテープの間に収容された複数の電子部品と、を含む電子部品連をリールに巻き取るリール巻き電子部品連製造工程と、
前記キャリアテープと前記トップテープの剥離強度を測定する剥離強度測定工程と、を備え、
前記剥離強度測定工程は、
搬送された前記キャリアテープおよび前記トップテープのうち、前記キャリアテープのみを切断する切断工程と、
前記切断工程により切断された切断部の位置よりも下流側の前記キャリアテープおよび前記トップテープを前記リール巻き取り部に搬送するための第1の搬送方向に搬送する第1の搬送工程と、
前記切断工程により切断された前記切断部の位置よりも上流側の前記キャリアテープを前記第1の搬送方向とは異なる第2の搬送方向に搬送する第2の搬送工程と、
前記切断工程により切断された前記切断部の位置よりも上流側の前記キャリアテープと前記トップテープの剥離強度を検出する剥離強度検出工程と、を備える、リール巻き電子部品連の生産方法。
<15>
前記剥離強度測定工程は、
前記切断工程により切断される前記切断部の位置に対応する前記トップテープの部分を前記キャリアテープから離間させるテープ離間工程をさらに備え、
前記切断工程は、前記テープ離間工程により離間した前記トップテープと前記キャリアテープのうち、前記キャリアテープのみを切断する、<14>に記載のリール巻き電子部品連の生産方法。
<16>
前記キャリアテープと前記トップテープが接着されていない非接着部と、前記非接着部の上流側であって、前記キャリアテープと前記トップテープが接着されている上流側接着部と、前記非接着部の下流側であって、前記キャリアテープと前記トップテープが接着されている下流側接着部と、が形成されるように、前記キャリアテープと前記トップテープとを接着する接着工程をさらに備え、
前記テープ離間工程は、前記接着工程により形成された前記非接着部における前記トップテープを前記キャリアテープから離間させ、
前記切断工程は、前記テープ離間工程により離間した前記トップテープと前記キャリアテープのうち、前記キャリアテープのみを切断する、<15>に記載のリール巻き電子部品連の生産方法。
<17>
前記剥離強度検出工程は、
前記第1の搬送工程を停止する第1の搬送停止工程を備え、
前記第1の搬送停止工程により前記第1の搬送工程が停止されると共に前記トップテープの一部の位置が規制され、かつ第2の搬送工程によって前記切断部の位置よりも上流側の前記キャリアテープが第2の搬送方向に搬送されている状態において、前記剥離強度を検出する、<14>~<16>のいずれか1つに記載のリール巻き電子部品連の生産方法。
<18>
前記剥離強度検出工程において検出された剥離強度と、所定の閾値との比較に基づいて、前記リール巻き電子部品連製造工程を停止する停止工程をさらに備える、<14>~<17>のいずれか1つに記載のリール巻き電子部品連の生産方法。
<19>
前記剥離強度検出工程において検出された剥離強度と、所定の閾値との比較に基づいて、前記リール巻き電子部品連製造工程のチェックを促す報知を行う報知工程をさらに備える、<14>~<18>のいずれか1つに記載のリール巻き電子部品連の生産方法。
<20>
キャリアテープとトップテープの剥離強度を測定するテープ剥離強度測定方法であって、
搬送された前記キャリアテープおよび前記トップテープのうち、前記キャリアテープのみを切断する切断工程と、
前記切断工程により切断された切断部の位置よりも下流側の前記キャリアテープおよび前記トップテープを第1の搬送方向に搬送する第1の搬送工程と、
前記切断工程により切断された前記切断部の位置よりも上流側の前記キャリアテープを前記第1の搬送方向とは異なる第2の搬送方向に搬送する第2の搬送工程と、
前記切断工程により切断された前記切断部の位置よりも上流側の前記キャリアテープと前記トップテープの剥離強度を検出する剥離強度検出工程と、を備える、テープ剥離強度測定方法。
<21>
前記切断工程により切断される前記切断部の位置に対応する前記トップテープの部分を前記キャリアテープから離間させるテープ離間工程をさらに備え、
前記切断工程は、前記テープ離間工程により離間した前記トップテープと前記キャリアテープのうち、前記キャリアテープのみを切断する、<20>に記載のテープ剥離強度測定方法。
<22>
前記キャリアテープと前記トップテープが接着されていない非接着部と、前記非接着部の上流側であって、前記キャリアテープと前記トップテープが接着されている上流側接着部と、前記非接着部の下流側であって、前記キャリアテープと前記トップテープが接着されている下流側接着部と、が形成されるように、前記キャリアテープと前記トップテープとを接着する接着工程をさらに備え、
前記テープ離間工程は、前記接着工程により形成された前記非接着部における前記トップテープを前記キャリアテープから離間させ、
前記切断工程は、前記テープ離間工程により離間した前記トップテープと前記キャリアテープのうち、前記キャリアテープのみを切断する、<21>に記載のテープ剥離強度測定方法。
<23>
前記剥離強度検出工程は、
前記第1の搬送工程を停止する第1の搬送停止工程を備え、
前記第1の搬送停止工程により前記第1の搬送工程が停止されると共に前記トップテープの一部の位置が規制され、かつ第2の搬送工程によって前記切断部の位置よりも上流側の前記キャリアテープが第2の搬送方向に搬送されている状態において、前記剥離強度を検出する、<20>~<22>のいずれか1つに記載のテープ剥離強度測定方法。
【符号の説明】
【0142】
A リール巻き電子部品連の製造装置
C キャリアテープ
F1 第1の搬送方向
F2 第2の搬送方向
T トップテープ
R リール
20 テープ送り出し部(第2の搬送駆動部)
22 剥離強度測定部
22a 切断機構
22c 剥離強度検出部
22c1 ガイド片(第2の搬送駆動部)
23 リール巻き取り部
23a 巻き取りモータ(第1の搬送駆動部)