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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024061206
(43)【公開日】2024-05-07
(54)【発明の名称】洗米炊飯装置
(51)【国際特許分類】
   A47J 27/14 20060101AFI20240425BHJP
【FI】
A47J27/14 N
A47J27/14 G
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022168994
(22)【出願日】2022-10-21
(71)【出願人】
【識別番号】000000125
【氏名又は名称】井関農機株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100092794
【弁理士】
【氏名又は名称】松田 正道
(72)【発明者】
【氏名】弓達 武志
(72)【発明者】
【氏名】河原田 崇
(72)【発明者】
【氏名】丸岡 政司
【テーマコード(参考)】
4B054
【Fターム(参考)】
4B054AA02
4B054AA16
4B054AC02
4B054CE11
4B054CG10
(57)【要約】
【課題】洗米炊飯完了後に炊飯釜を持ち上げて作業者負担を軽減することを目的とする。
【解決手段】貯米タンク4及び洗米タンク5の下方に炊飯装置6を設ける洗米炊飯装置において、炊飯装置6は炊飯釜7、釜加熱用ガス台8、引出式の架台9を備え、架台9を洗米タンク5の直下位置と前方の引出位置とに移動する架台水平移動手段81を設け、引出位置において炊飯釜7をガス台8から切り離して上方所定高さに移動し又は上方所定高さ位置からガス台8に収まる姿勢に降下動させる炊飯釜昇降手段82,89を設ける。
【選択図】 図15


【特許請求の範囲】
【請求項1】
貯米タンク(4)及び洗米タンク(5)の下方に炊飯装置(6)を設ける洗米炊飯装置において、炊飯装置(6)は炊飯釜(7)、釜加熱用ガス台(8)、引出式の架台(9)を備え、架台(9)を洗米タンク(5)の直下位置と前方の引出位置とに移動する架台水平移動手段(81)を設け、引出位置において炊飯釜(7)をガス台(8)から分離して上方所定高さに移動し又は上方所定高さ位置からガス台(8)に収まる姿勢に降下動させる炊飯釜昇降手段(82,89)を設けたことを特徴とする洗米炊飯装置。
【請求項2】
前記炊飯釜昇降手段(82)を、上昇停止位置センサ(88a)又は下降停止位置センサ(88b)の検知結果に基づいて自動停止する構成とした請求項1に記載の洗米炊飯装置。
【請求項3】
炊飯釜昇降手段(82)を、左右一対の折畳リンク(82a,82b)によって構成し、電動シリンダ機構(85)の短縮又は伸出摺動に伴い折畳リンク(82a,82b)の姿勢を変更させる構成とした請求項1又は請求項2に記載の洗米炊飯装置。
【請求項4】
炊飯釜昇降手段(89)を、左右一対の折畳リンク(89a,89b)によって構成し、レバー部材(90)の操作により折畳リンク(89a,89b)の姿勢を変更させる構成とした請求項1に記載の洗米炊飯装置。
【請求項5】
貯米タンク(4)及び洗米タンク(5)の下方に炊飯装置(6)を設ける洗米炊飯装置において、台車(92)を設け、この台車(92)に2種類のロボットアーム(93)を備え、うち一台は炊飯装置(6)の炊飯釜(7)又は内釜(31)を係合して上昇させることができる炊飯釜昇降アーム(93a)とし、もう一台は先端に米飯撹拌具(94)を備え内釜(31)内の米飯を撹拌反転する米飯撹拌アーム(93b)とした洗米炊飯装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、洗米炊飯装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
洗米炊飯装置において、引出し用ガイド機構により炊飯装置を洗米タンクの下方の炊飯位置と支持フレームの前方の引出し位置に案内し、昇降用ガイド機構により炊飯装置を引出し位置においてこの引出し位置レベルより下方の取出し位置に案内する構成がある(特許文献1)。
【0003】
また、洗米炊飯完了後、洗米タンク等を横方向に移動して炊飯装置の上方に空間部を設け、反転レバ-を操作することにより反転ア-ムが上側に向けて回動して内釜を持ち上げ、その後反転して待機するボックス内に米飯を回収する構成がある(特許文献2)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2004-97260号公報
【特許文献2】特開平6-105742号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1によると、取出し位置が床面に近いほど、炊飯器載置台を安定に留置させることができ、炊飯米が入った内釜を炊飯器から取り出す作業や、炊飯器載置台から炊飯器を別の場所へ移動する作業を容易に行うことができる。ところが、取出し位置が床面に近いため作業者は屈んで作業をせざるを得ず不便である。
【0006】
また、特許文献2によると、作業者は炊飯装置から内釜を持ち上げて取り出す必要がないので、後処理作業が楽であるが、残米の処理や内釜の取出しなど関連作業の際には単に反転させるだけでは却って作業し難く、改善の余地がある。
【0007】
この発明は、上記に鑑みて、洗米炊飯完了後に炊飯釜を持ち上げて作業者負担を軽減することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
この発明は、上記課題を解決すべく次のような技術的手段を講じた。
【0009】
請求項1に記載の発明は、貯米タンク4及び洗米タンク5の下方に炊飯装置6を設ける洗米炊飯装置において、炊飯装置6は炊飯釜7、釜加熱用ガス台8、引出式の架台9を備え、架台9を洗米タンク5の直下位置と前方の引出位置とに移動する架台水平移動手段81を設け、引出位置において炊飯釜7をガス台8から分離して上方所定高さに移動し又は上方所定高さ位置からガス台8に収まる姿勢に降下動させる炊飯釜昇降手段82,89を設けた。
【0010】
請求項2に記載の発明は、請求項1記載の発明において、前記炊飯釜昇降手段82を、上昇停止位置センサ88a又は下降停止位置センサ88bの検知結果に基づいて自動停止する構成とした。
【0011】
請求項3に記載の発明は、請求項1又は請求項2に記載の発明において、炊飯釜昇降手段82を、左右一対の折畳リンク82a,82bによって構成し、電動シリンダ機構85の短縮又は伸出摺動に伴い折畳リンク82a,82bの姿勢を変更させる構成とした。
【0012】
請求項4に記載の発明は、請求項1に記載の発明において、炊飯釜昇降手段89を、左右一対の折畳リンク89a,89bによって構成し、レバー部材90の操作により折畳リンク89a,89bの姿勢を変更させる構成とした。
【0013】
請求項5に記載の発明は、貯米タンク4及び洗米タンク5の下方に炊飯装置6を設ける洗米炊飯装置において、台車92を設け、この台車92に2種類のロボットアーム93を備え、うち一台は炊飯装置6の炊飯釜7又は内釜31を係合して上昇させることができる炊飯釜昇降アーム93aとし、もう一台は先端に米飯撹拌具94を備え内釜31内の米飯を撹拌反転する米飯撹拌アーム93bとした。
【発明の効果】
【0014】
請求項1から請求項4に記載の発明によると、炊飯が完了後、架台水平移動手段81を作動すると架台9が移動して炊飯釜7はガス台8とともに引き出され所定位置に停止し、炊飯釜昇降手段82を作動すると炊飯釜7は上昇して所定高さで停止するものであるから、内釜取り出し等の炊飯釜7対応作業の際、作業者は立姿勢で作業でき対応が容易である。特に請求項2に記載の発明によると、炊飯釜昇降手段82を自動停止でき作業性が向上する。
【0015】
請求項5に記載の発明によると、洗米炊飯の完了した洗米炊飯装置2に台車92を接近させ、まず炊飯釜昇降アーム93aによって炊飯釜7を係合し、適宜に炊飯釜7を上昇させてガス台8から離反させて台車92を後退しながら作業し易い位置に移動でき、ここで米飯撹拌アーム93bに米飯撹拌具94を装着し炊飯釜7の内釜31内の米飯を撹拌できる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
図1】本発明の実施形態にかかる洗米炊飯装置の正面図である。
図2】同上洗米炊飯装置の側面図である。
図3】同上洗米炊飯装置の正断面図である。
図4】同上洗米炊飯装置の貯米タンクと洗米タンクの斜視図である。
図5】同上貯米タンクと洗米タンクの平面図である。
図6】同上洗米炊飯装置の計量部の側断面図である。
図7】同上洗米炊飯装置のドラムケースの断面図である。
図8】同上洗米炊飯装置の斜視図である。
図9】同上洗米炊飯装置の仕切り部材及び周辺配置機器の平面図である。
図10】同上洗米炊飯装置の仕切り部材及び周辺配置機器の斜視図である。
図11】同上洗米炊飯装置の全体の制御フローチャートである。
図12】(a)同上洗米炊飯装置の作用状態を示す側面図、(b)作用状態を示す平面図である。
図13】同上洗米炊飯装置の炊飯釜蓋開閉アームの作動状況を示す正面図である。
図14】(a)同上洗米炊飯装置の炊飯蓋の平面図、(b)炊飯蓋の側面図である。
図15】同上洗米炊飯装置の炊飯釜昇降手段等を示す洗米炊飯装置の斜視図である。
図16】同上洗米炊飯装置の要部の斜視図である。
図17】同上洗米炊飯装置のブロック図である。
図18】(A)同上洗米炊飯装置の炊飯釜昇降手段の別例を示す斜視図、(B)その一部の拡大斜視図である。
図19】同上洗米炊飯装置の炊飯釜昇降手段に支持された炊飯釜の拡大正面図である。
図20】(A)同上洗米炊飯装置と炊飯釜を取り出すロボットアームを備えた台車の斜視図、(B)台車の斜視図である。
図21】(A)、(B)同上洗米炊飯装置の給水配管と周辺部の斜視図、(C)改良構成を付加した同斜視図である。
図22】(A)、(B)同上洗米炊飯装置の給水配管に付加した改良構成の側断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
本発明の実施の形態について、以下図面に基づいて詳細に説明する。
【0018】
縦に長い支持部材1によって洗米炊飯装置2は組付けられている。そしてコ型又は角筒材を縦横に枠組みする支持部材1は、下部にキャスタを備えた長方形状の台枠1aと、所定幅及び所定高さの左右支柱1b,1bと、左右支柱1b,1b間に支架した複数の横桟1c,1c…により構成されている。
【0019】
上記横桟1cには各機材を装着すべく平板状の仕切り部材3を設け、その上部に貯米タンク4を設け、この貯米タンク4の下方には洗米タンク5を設け、洗米タンク5の下方には、間隔をおいて炊飯装置6を配置する。この炊飯装置6は炊飯釜7、釜加熱用ガス台8と引出式の架台9等から構成されている。図1における架台9引出側を前側、奥側を後側とする。
【0020】
貯米タンク4は、断面方形状の上部の主タンク4aと、下部の漏斗状ホッパ部4bとからなり、このホッパ部4bの下端部に計量ドラムケース10が取り付けられている。該計量ドラムケース10内には、円筒状で切欠き部11を形成したドラム部11aと、前後の側壁部12a,12bとからなる計量ドラム13を設け、該前後の側壁部12a,12bを貫通すべく横軸14によって回転自在にドラムケース10に支持している。またこの軸14を直接連動すべくドラムケース10の後面側にモータ15を装着し、貯米タンク4から切欠き部11を介して計量ドラム13に一定量ずつ流下した米が充填され、回転によって切欠き部11位置が下方に反転してドラムケース10に形成した排出口16に至ると計量ドラム13から流下排出される構成である。
【0021】
前記仕切り部材3には排出口16に対応する開口17を備え、上記計量ドラム13を所定回転数だけ回転させることで、所定量の米を貯米タンク4から洗米タンク5に繰り出すよう構成されている。又、その繰り出し回数をカウントする回転センサ(図示せず)の検出によって所定量を供給できる構成としている。
【0022】
上記ドラムケース10と漏斗状ホッパ4bとは、一体的に構成され、上部の主タンク4aを取り外した後、このホッパ4bとドラムケース10との一体物は、仕切り部材3から外すことができるよう構成される。即ち、後方側は仕切り部材3に形成したフック状部18にドラムケース10の係合凸状部19を係脱可能に係合部20を設け、前方側にはこれら仕切り部材3とドラムケース10との間に螺子で着脱固定自在の着脱係合ステー21を設け、螺子22を緩めてステー21を螺子部中心に回動することにより、ドラムケース10との係合を解く構成である。ドラムケース10はその下端縁が仕切り部材3の長方形状の開口に嵌合すべく形成されるが、上記の係合ステー21の係合を外してその側を上方にやや持ち上げて上記下端縁の仕切り部材3からの嵌合を解き、前方から手前方向斜めに引き抜くことによって後方側の下端縁の嵌合を解きつつ係合部20の係合から解放できる。
【0023】
前記貯米タンク2及び計量部は、外方をカバー部材23で覆う構成で、左右側壁及び後側壁は適宜前記仕切り部材3等に固定して設けられ、前側壁下半部23aは例えば正面視右側部を支点として開閉可能な扉形態に構成される。なお、前側壁上半部23bは左右側壁に連結されて固定壁形態に構成される。従って、前記貯米タンク2やドラムケース10の点検着脱はこの前側壁下半部23aを解放した状態で行える。なお、24は主タンク4aを上方から着脱自在に施蓋する方形の覆板である。
【0024】
25は、漏斗状ホッパ部4bの一側(図例では前側)に設けた排米用の排出シャッタで、起立姿勢で排米を遮断し、軸支部回りに回動することによって傾斜案内シュート状になり内部の米を排出できる構成としている。
【0025】
図7は計量ドラム13部の断面図を示し、漏斗状の下部ホッパ4bとドラムケース10との間に米を傾斜案内するガスケット26a,26bを斜設し、計量ドラム13外周とドラムケース10内周との間隔を米の浸入によってもこれを圧砕しない程度の隙間t(例えば約1mm)を有する構成としている。
【0026】
前記計量ドラム13はモータ15によって一定方向イに回転、停止を繰り返すが、計量ドラム13の停止位置は図7にて示す位置としている。即ち、漏斗状ホッパ4bの側壁に加振手段(図例では後記空気供給用のポンプ66としている)を回転後方側ガスケット26bの存在側近傍の傾斜壁に装着して内部の米流動の促進を図る構成とし、併せて計量ドラム13はその開口端縁が当該加振側ガスケット26bの回転後位にて停止し、他方の開口端縁は非加振側ガスケット26aの前位にて停止するようになして、上記加振手段の振動によって入り込もうとする米を計量ドラム13をもって遮蔽する一方、非加振側では自然に計量ドラム13内に米を送り込むことにより供給量の精度を安定できる。
【0027】
洗米タンク5は、図3に示すように、天井部に上記ドラムケース10から供給される米を案内する受け筒部31を備え、中間部に円筒状の胴部と、下部にホッパ状部を持つ構成である、洗米タンク5のホッパ状部の下方にジャケット部32を接続し、ホッパ状部とジャケット部32との境界部に米粒を漏下させない程度の開口を持つ網状体からなるフィルタ33を設けている。
【0028】
洗米タンク5の中心部には鉛直方向の回転軸34を設け、この回転軸34には棒状体を逆L型に折り曲げ成形した複数の攪拌棒35,35…を、これらの上側端部を軸34に溶接等によって取り付ける。回転軸34は洗米モータ36によりベベルギヤ機構37を介して回転され、回転によってタンク内の米と水とを撹拌すべく構成する。
【0029】
上記回転軸34は中空軸であり、内側の軸38は外側の中空軸34の内部に上下摺動自在に遊嵌されていて、下方に延出する。この軸38の下端に着脱自在に円錐形状の排米弁39を設ける。該軸38の上端を排米弁駆動用モータ40で駆動するカム41、後記投下アーム等の連動機構により上下動させて、排米弁39の開閉制御がなされる構成である。排米弁39が開くと、洗米タンク5内の米は下方の炊飯装置6の内釜内に落下するよう構成する。
【0030】
洗米タンク5への水の供給は水道蛇口に連通する主配水管46、上側給水弁47及び2連の可撓性の上給水管48,48、洗米タンク5の天井部の上部給水口49,49を経由する上側給水ルートと、上記主配水管46から分岐して下側給水弁50、配水管51、下部給水口52からジャケット部32を経由する下側給水ルートの2系統で行われる。なお各給水ルートには流量センサを備えている。
【0031】
即ち、前記ドラムケース10近傍で仕切り部材3をベースにして、主配水管46に通じる2本の上給水管48,48を配設すると共に、仕切り部材3を貫通状に設ける配水管51には下給水管53を接続している。
【0032】
55は前記電動モータ15と連繋して排出口16を開閉動するシャッタで、モータ15をリンク機構56,57を介してシャッタ支軸58部に連結しモータ15の回転でドラム開口部が排出口16に一致するときシャッタ55開状態となるよう連動構成している。このため、常時はシャッタ55が閉じ姿勢にあり、洗米タンク5における洗米途中での拡散水の飛散を防いで計量ドラム13内の水の浸入を防止している。
【0033】
なお、上記の上給水管48,48は平面視において、左右中央線上に位置すべく配置され、この位置は後記の洗米タンク5の平面視左右中央線上に当たるものである。また、この上給水管48,48の配置される位置よりも左側にドラムケース10が位置し、右側には後記の排米弁39用モータ40及び撹拌棒35,35…駆動用洗米モータ36を配置している。
【0034】
洗米タンク5の下部後方には排水箱60が設けられる。排水口61を有した排水箱60は、上端が洗米タンク5の上部側面に開口するオーバーフロー管62の下端部と、一端部が前記ジャケット部32に連通するジャケット部32の他端部とが接続されている。ジャケット部32からの排水は排水弁64の開閉で行われ、水位弁65で排水しながら洗米タンク5内の水位を調整する。
【0035】
常時、排水箱60は排水弁64及び水位弁65で閉鎖されているが、洗米タンク5内の水を排水する場合には、ジャケット部32のフィルタ33から、排水弁64及び/または水位弁65、排水箱60及び排水口61を経て排水される。排水弁64及び水位弁65は適宜の開閉出力によって開閉する。また、洗米タンク5内上部には洗米タンク5内の水量を検出する水位センサ68を備えている。
【0036】
ところで、前記オーバーフロー管62は、洗米タンク5の上端部付近に接続する水平管部62aとこの水平管部62aに接続する垂直管部62bとを有し、垂直管部62bの下端が前記排水箱60に連結されるものである。そして垂直管部62bの上端を上方に延長しこの延長管部62cは前記仕切り部材3を貫通する状態で、仕切り部材3の下面に設ける装着ホルダ69に適宜に固定支持されている。
【0037】
前記カバー部材23内であって、貯米タンク4の下方と仕切り部材3との間の略閉鎖された空間部Aには前記した計量部10、各種駆動部、配管類等を収容するものであるが、水蒸気の籠りを防止するために通気性を確保している。すなわち、カバー部材23の一側壁に送風ファン70を配置し、装置運転中常時通電して駆動され外部空気を空間部A内に供給できる構成としている。なお、空間部Aに入った空気は適宜に空間部Aを流通し後述の網目孔部等から機外に排気されるものである。したがって、炊飯中に立ち上る水蒸気を受けた空間部A内を外部空気の流通によって湿度低下が図れる。送風ファン70に対向する側のカバー部材23内面にはコントローラ71を配置しているが、このコントローラ71にも通気作用を与えることで湿気を除去できる。なお、コントローラ71の近傍、例えばコントローラ71の前部下方に延長管部62c上端開口をのぞませると適正な空気流れを生じてコントローラ71に作用した空気は効率的に延長管部62cに導入され得る。
【0038】
ところで、前記のようにオーバーフロー管62の延長部62cを仕切り部材3を貫通させることで、上端開口部が空間部Aにのぞむこととなり、送風ファン70からの通気がオーバーフロー管62を通して洗米タンク5内に供給されることとなる。つまり、オーバーフロー管62の延長管部62c上端から入った空気が、延長部62c、水平管部62aを経て洗米タンク5内に入るものとなる。したがって洗米タンク5内を乾燥させる効果がある。このように、空間部Aと洗米タンク5との間に、オーバーフロー管62の延長管部62cのような通気部Bを構成することで、送風ファン70による流通空気を洗米タンク5内に導入でき、洗米タンク5内を乾燥させることができる。
【0039】
なお、通気部Bとしてオーバーフロー管62の延長管部62cを設ける構成とすると、空間部Aの塵埃が空気によって搬送されても、この塵埃はオーバーフロー管62の垂直管部62bを経て落下し排水箱60に至り、洗米タンク5内に入る恐れが少ない。
【0040】
延長管部62c(通気部B)の上端部には通気網又はパンチングメタルからなる網状体73を装着して異物進入を防止してもよい。
【0041】
前記カバー部材23と仕切り部材3等で囲われる空間部Aの底面下部には、空洞部Cを設けて、各種ハーネス(図示せず)を収容している。詳述すると、仕切り部材3は絞り形成して側壁を一体成形してなり、その下方に施蓋状に底板72を設け、空洞部Cとしている。なお、仕切り部材3の適所には空洞部Cに連通すべく通気網又はパンチングメタルからなる網状体74を装着している。この場合、延長管部62c(通気部B)の上端部の前記網状体73の目合いは、仕切り部材3の適所に配設する上記網状体74の目合いよりも小さなものとして、異物、特に微小サイズの昆虫類の進入防止効果を高めている。
【0042】
次いで、前記水位センサ68について説明する。水位センサ68は、洗米タンク5水量がオーバーフロー状態に達する直前乃至オーバーフロー状態に至っている水位であることを検出するために設けられ、所定水位に達することを検出電極68a(水位検出部)を備えて水位の有無に基づく静電容量の変化を検出して当該所定水位に達したことを検知できる公知の構成である。そして水位センサ68を前記仕切り部材3に着脱自在に支持するものである。検出電極68aは支持するベース部材68bに連結固定される。すなわち前記仕切り部材3の上面においてカバー部材23の前記前側壁下半部23aに接近した箇所に位置してベース部材68bに連結固定されている。なお、水位センサ68のベース部材68bの固定は、左右2箇所に配設された回動ロック片75をそれぞれ蝶ボルト76で締結・弛緩する構成であり、蝶ボルト76の回動操作は手指で実施できるものとし所謂工具レスに設けている。ベース部材68bを取り外すと、仕切り部材3に形成した大型の開口部77を開放できる。したがって、作業員は、カバー部材23の前記前側壁下半部23aを開くことで、手前側に開口する開口部77を通して洗米タンク5内を目視できる。
【0043】
水位センサ68の水位検出部として上記実施例では静電容量の有無を検出しうる電極形態としたが、所謂フロートの上昇に伴って電気的接点をON,OFFしうるフロート形態など種々の構成とすることができる。
【0044】
前記洗米タンク5への水の供給は、洗米タンク5の天井部の上部給水口48を経由する上部給水ルートと、下部給水口51からジャケット部32を経由する下部給水ルートの2系統で行われる構成とするが、下部給水ルートの下給水管52に並列して、ポンプ66に連通して空気を噴出する空気噴出管67を配置し、下部給水ルートの水と並列して空気を併せてジャケット部32内に噴出する構成としており、下部給水管52、空気噴出管67は、それぞれ図12(b)において、ジャケット部32の中心より偏芯した位置に設けられ、空気と水が混合された旋回流が生じやすくしている。
【0045】
そして、洗米タンク5での洗米作業時には、洗米タンク5内の回転軸34に設けられている大小の攪拌棒35,35…の回転方向と、下部給水ルートからの水噴出方向及び空気噴出管67からの空気噴出方向を互いに逆方向となるように構成している。
【0046】
なお、空気噴出管67による空気供給を洗米タンク5が空の状態で実行することで洗米タンク5内の乾燥に寄与する。このため、洗米作用時以外にもポンプ66を駆動するスイッチ手段をオンにできる構成とし、作業員が任意に洗米タンク5乾燥を実行できるよう構成する。このポンプ66駆動による空気供給は単独にて行ってもよく、前記連通部Bからの空気供給と重複して実行できる形態でもよい。
【0047】
次に、炊飯装置の操作について説明する。
【0048】
まず、図外コンピュータの制御部に、炊飯量、洗米時間(攪拌棒35の回転時間)、研米時間(攪拌棒35の回転時間)、洗米タンク乃至釜内での浸漬時間などの炊飯装置稼働に必要な条件を前記カバー部材23の前側壁下半部23aに配設した操作パネル(操作表示装置)80により設定するよう構成する。液晶表示画面を備え、周囲のスイッチ群操作の機能や操作手順等を表示案内しながら洗米炊飯に必要な上記条件を設定できる。
【0049】
上例の作用について説明する。
【0050】
電源スイッチをオンにし、操作パネル80のスイッチ群各操作に従って炊飯条件の設定を行ない、各種の炊飯条件を設定の後、スタートスイッチをオンすると、図11で示す炊飯フローのように運転開始される。
【0051】
即ち、まず電源スイッチをオン(ステップ1)後、炊飯条件の設定入力を行い(ステップ2)、スタートスイッチ75を押すと(ステップ3)、ステップ4で貯米タンク4の米を計量ドラムで計量し、洗米タンク5に設定量の米を供給し、ステップ5で洗米する。
【0052】
ステップ5の洗米工程は、水をたれ流しながら米を攪拌する糠抜き工程、一旦給水した後水切りし米を湿潤状態で攪拌する研米工程、所定水位で米を攪拌する荒ゆすぎ工程、水をタンクよりオーバーフローしながら攪拌する仕上げゆすぎ工程からなる。
【0053】
上記ステップ5の洗米工程の次は、ステップ6の水加減処理工程に進む。
【0054】
ステップ7では、洗米タンク5内の洗米済の米とステップ3の水加減の計量された水が、排米弁139の開閉により炊飯釜7に投下される。
【0055】
ステップ8では、炊飯釜7内の米は規定時間にわたり水に浸漬される。規定時間経過後に、ステップ9で点火、ステップ10で炊飯、ステップ11で蒸らしを行い、ステップ12で炊き上り、所定の米飯ができあがる。
【0056】
尚、スタートスイッチをオンする前に、予約スイッチ操作によって予約画面を出力し、炊き上がり時刻等を予約設定することにより予定の時刻に炊きあげることができる。
【0057】
また上記実施例では、水加減を洗米タンクの満量状態から水位弁65の開放によって順次減じながら所定水量を確保する形態としたが、この形態に限らず例えば、流量センサを設けて給水量を管理する構成でもよい。
【0058】
前記送風ファン70は、スタートスイッチオン後、洗米炊飯運転中継続的に駆動するが、炊飯運転後も所定時間に亘り駆動するよう構成している。このように構成することで、炊飯運転終了後に洗米タンク5内を乾燥することができる。なお、炊飯運転後において、送風ファン70駆動時の排水弁64及び投下弁39の状態は、投下弁39は閉で排水弁64は開となるよう設定している。したがって、送風ファン70による送風空気は、延長管部62cから導入され、水平管部62aを通して洗米タンク5上部側に入る一方、垂直管部62b,排水箱60を通して洗米タンク5下部側に入ることとなって上部側のみからの空気供給に対して乾燥効率をアップできる。
【0059】
本実施例の前記排水箱60は、洗米タンク5の側方(図1例では右側方)に設けたから、排水箱60のメンテナンスを行い易い。また、後述の釜蓋開閉アーム78が左右方向に移動し、蓋開姿勢においては排水箱60の直下方に位置するよう構成すると(図13)、洗米タンク5着脱時に邪魔にならない。
【0060】
尚、炊飯釜7について、図14において、炊飯釜7は、内釜31とその内釜31の本体開口を塞いで中心部が高い中高形状の炊飯蓋32を着脱可能に備え、この炊飯蓋32には、中心部に供給孔32hを形成し、この供給孔32hを塞ぐように供給孔開閉手段としてのスライドシャッタ33Sを開閉可能に取付ける。
【0061】
前記スライドシャッタ33Sは、水平左右方向の案内レール33a,33aにそってスライド自在に設けられ、前記供給孔32hを開くことで、洗米タンク5から落下する米や水加減水を内釜31内に供給できる構成である。なお、スライドシャッタ33Sは、前記釜蓋開閉アーム78が内釜31の中央のノブ32cを係合し左右動制御によって供給孔32hを開閉でき、前記したように蓋開姿勢においては排水箱60の直下方に位置する構成である。
【0062】
次いで、図15図17に基づき、炊飯装置6又は炊飯釜7の架台水平移動手段81及び炊飯釜昇降手段82について説明する。前記のように炊飯装置6は、炊飯釜7、釜加熱用ガス台8、引出式の架台9等から構成されている。引出式の架台9は台枠1aに構成した左右レール部材9aに沿い移動可能に設けられ、ガス台8に炊飯釜7をセットした状態でこの炊飯釜7が洗米タンク5の直下位置から前方の引出位置に移動しうる構成である。そして、架台9と台枠1aの奥側部との間にパンタグラフ式の折畳リンク81aからなる架台水平移動手段81を介在している。また電動シリンダ機構83を備え、そのシリンダ部83a基端側を台枠1aに、ピストン部83bの途中部を折畳リンク81aの枢支部に連結することにより、電動シリンダ機構83の短縮又は伸出摺動に伴い折畳リンク機構81aの姿勢を変更させ、もって架台9を左右レール部材9aに沿って摺動させることができる構成としている。なお電動シリンダ機構83の短縮作動又は伸出作動は作業者による引出スイッチ84a又は収納スイッチ84b操作に基づくものである。
【0063】
次いで、炊飯釜昇降手段82について、架台9が前方移動した引出位置において、架台9と炊飯釜7との間に、左右一対のパンタグラフ式の折畳リンク82a,82bからなる炊飯釜昇降手段82を介在している。左右それぞれには電動シリンダ機構85を備え、そのシリンダ部85a基端側を架台9に、ピストン部85bの途中部を折畳リンク82a,82bの枢支部に連結することにより、電動シリンダ機構85の短縮又は伸出摺動に伴い折畳リンク機構82a,82bの姿勢を変更させ、もって炊飯釜7をガス台8から切り離して上方に移動し、又は上方位置からガス台8に収まる姿勢に降下動させることができる構成としている。なお電動シリンダ機構85の伸出作動又は短縮作動は作業者による上昇スイッチ86a又は下降スイッチ86b操作に基づくものであるが、左右の電動シリンダ機構85の短縮動又は伸出動は一致して行うものであるから上昇スイッチ86a及び下降スイッチ86bはそれぞれ単一に設けるものとしている。
【0064】
前記パンタグラフ式の折畳リンク81aからなる架台水平移動手段81の折畳リンク81aの架台9側に最も近いリンク81a1,81a2のいずれか一方(図例では81a1側)に、最伸停止位置センサ87aと最短停止位置センサ87bを設けている。なお、上記リンク81a1,81a2の各先端部は伸出し側のガイドレール81gに位置して一方のリンク81a2の先端部は枢支状態とされ他方のリンク81a1先端部はローラ等を備えてガイドレール81gに沿って移動し得る構成である。そして折畳リンク81aが伸出し状態となり所定に設定された最伸び状態に達するとリンク81a1の一側面がリミットスイッチ形態の最伸停止位置センサ87aに接当してこれを検知しON信号出力できる。一方折畳リンク81aが短縮状態となり最短状態に達するとリンク81a1の他側面がリミットスイッチ形態の最短停止位置センサ87bに接当してこれを検知してON信号出力する構成である。したがって、最伸停止位置センサ87aと最短停止位置センサ87bの各検知によるON信号によって架台水平移動手段81は自動的に所定の位置にて停止できる。
【0065】
また、前記パンタグラフ式の伸縮折畳リンク82a,82bを備えた炊飯釜昇降手段82の伸縮折畳リンク82a側の架台9側に最も近いリンク82c,82dのいずれか一方(図例では82c側)に、上昇停止位置センサ88aと下降停止位置センサ88bを設けている。なお、上記リンク82c,82dの各先端部は基部側のガイドレール82gに位置して一方のリンク82dの先端部は枢支状態とされ他方のリンク82c下端部はローラ等を備えてガイドレール82gに沿って移動し得る構成である。そして折畳リンク82aが伸出し状態となり所定に設定された最伸び状態に達するとリンク82cの一側面がリミットスイッチ形態の上昇停止位置センサ88aに接当してこれを検知しON信号出力できる。一方折畳リンク82aが短縮状態となり最短状態に達するとリンク82cの他側面がリミットスイッチ形態の下端停止位置センサ88bに接当してこれを検知してON信号出力する構成である。したがって、上昇停止位置センサ88aと下端停止位置センサ88bの各検知によるON信号によって炊飯釜昇降手段82は自動的に所定の位置にて停止できる。
【0066】
前記実施例においては、炊飯が完了すると、引出スイッチ84aを操作して架台水平移動手段81を作動する。すると架台9が移動して炊飯釜7はガス台8とともに引き出され所定位置に停止する。次いで上昇スイッチ86aを操作して炊飯釜昇降手段82を作動する。すると炊飯釜7は上昇して所定高さで停止する。したがって作業者は立姿勢で作業でき炊飯釜7の内釜31を取り出し易い。なお、上昇高さの設定は任意に調整できる構成が望ましく、作業者の体格や作業場所に適応した高さとするとよい。例えば前記上昇停止位置センサ88aのガイドレール82gに対する設置位置をその長手方向に調整できる構成とするものである。
【0067】
なお、前記実施例においては引出スイッチ84a及び収納スイッチ84bを設けて手動操作を可能に構成し、炊飯釜昇降手段82においても上昇スイッチ86a及び下降スイッチ86bを設けて手動操作する構成であるが、制御部が炊飯完了を判定すると炊飯完了信号を出力し、この炊飯完了信号出力後直ちに又は所定時間経過後に、前記架台水平移動手段81の電動シリンダ機構83及び炊飯釜昇降手段82の電動シリンダ機構85に駆動指令信号を出力し、自動的に架台9の引出しと炊飯釜7上昇を実行すべく制御するよう構成することができる。このように構成すると手動スイッチ操作を省いて自動的に炊飯釜の移動・上昇を行うことができて便利である。なお、炊飯釜7や架台9を元の位置に復帰する場合には、下降スイッチ86bや収納スイッチ84bの操作によるもよく、下降スイッチ86b操作一つで収納スイッチ84bの機能を付加させておくこともできる。さらには、炊飯釜上昇後所定時間経過後に自動的に炊飯釜7を下降し架台9を収納位置に戻す制御とすることもできる。
【0068】
なお、図15において、前記炊飯蓋32に構成するスライドシャッタ33S構成は省略してある。
【0069】
次いで炊飯釜昇降手段の別例について説明する。図18において、前記炊飯釜昇降手段82に類似のパンタグラフ式伸縮折畳リンク89a,89bを左右一対に備えた炊飯釜昇降手段89は、架台9側に固定されたガイドレール89gに基部リンク89c,89dのうち一方89cを枢支し、他方89dをローラ(図示せず)を介して移動自在に設けている。そして、この移動側の基部リンク89cと一体的にレバー部材90を設け、レバー部材90には一方の基部リンク89d側に形成したガイド溝91に嵌合して摺動可能にピン部材(図示せず)を備えレバー部材90をガイド溝91の両端部91a,91bにおいてロックすることによって炊飯釜7上昇位置と下降位置とに固定できる構成としている(図18(B))。
【0070】
このように構成すると、レバー部材90の操作によって炊飯釜昇降手段89を炊飯釜上昇姿勢とすることができ、作業者は炊飯釜7の内釜31を取り出し易い。なお、図例では左右のリンク機構89a,89bを左右連結すべく連結枠92を前後一対に設けて補強している。
【0071】
図19には、炊飯釜昇降手段82,89における炊飯釜7の支持構成を示す。炊飯釜7の左右には取っ手97を軸97a周りに回動自在に設け、この取っ手97を横張り出し状に配置してその下方に取っ手受けステー98を設けている。この取っ手受けステー97は前記ガイドレール82g,89gと対をなすもので、パンタグラフ式伸縮折畳リンク82a,82b、89a,89bの上部リンク82e,89eを枢支し、バランスよく炊飯釜7を支持できるものである。そして、取っ手97の回動中心部付近には出退可能な検知部99aを備えたリミットスイッチ形態の釜検知センサ99を構成し、炊飯釜7の適所に当接して退避動し炊飯釜7の有り検知を行うことができる構成としている。炊飯釜7に代替し内釜31を昇降させる構成でも良く、その場合は内釜31検知センサとなる。
【0072】
次いで図20に基づき、炊飯釜7の内釜31取り出し構成について説明する。洗米炊飯装置2本体と別に台車92を設ける。この台車92には2種類のロボットアーム93を備えて、うち一台は左右一対であって先端にそれぞれ係合フックを備え、炊飯装置6の炊飯釜7又は内釜31を係合して上昇させることができる構成の炊飯釜昇降アーム93aとしている。もう一台は先端に米飯撹拌具94が着脱自在に設けられ内釜31内にて適宜に米飯を撹拌反転する米飯撹拌アーム93bとしている。94aはしゃもじ状の米飯撹拌具94を収容する収容部である。作業者は、別途配設するロボットアーム作動用スイッチ(図示せず)を操作し、洗米炊飯の完了した洗米炊飯装置2に台車92を接近させ、まず炊飯釜昇降アーム93aによって炊飯釜7を係合する。適宜に炊飯釜7を上昇させてガス台8から離反させて台車92を後退しつつ作業し易い位置に移動する。ここで米飯撹拌アーム93bに米飯撹拌具94を装着し別途配設するロボットアーム作動用スイッチ(図示せず)を操作し、米飯撹拌アーム93bを作動させて、炊飯釜7の内釜31内の米飯を撹拌できる。
【0073】
次いで、給水手段の改良構成について説明する。前記のように、洗米タンク5への水の供給は水道蛇口に連通する主配水管46、上給水管48,48を経由する上側給水ルートと、上記主配水管46から分岐して配水管51、下給水管53、ジャケット部32を経由する下側給水ルートの2系統で行われる。ところで複数の洗米炊飯装置2を併設して炊飯作業を行う規模の大きい設備においては、本来給水状態(図21(A))の配管が逆の吸引水配管となる(同図(B))。そこで逆止弁95付きで洗米タンク5に連結させた空気取りのための配管96を追加した(同図(C))。詳細は図22に示すように、配管96内にはフロート弁96aを備え、通水時は弁閉じ状態となって通常給水状態となり(図22(B))、負圧時は弁が開して空気流入できる(同図(A))。これによって洗米タンク5中から空気を吸う配管96を設けたことで給水配管53には空気しか戻さず、汚水対応ができた。
【符号の説明】
【0074】
2 洗米炊飯装置
4 貯米タンク
5 洗米タンク
6 炊飯装置
7 炊飯釜
8 釜加熱用ガス台
9 架台
31 内釜
81 架台水平移動手段
82 炊飯釜昇降手段
82a 折畳リンク
82b 折畳リンク
85 電動シリンダ機構
88a 上昇停止位置センサ
88b 下降停止位置センサ
89 炊飯釜昇降手段
89a 折畳リンク
89b 折畳リンク
90 レバー部材
92 台車
93 ロボットアーム
93a 炊飯釜昇降アーム
93b 米飯撹拌アーム
94 米飯撹拌具
図1
図2
図3
図4
図5
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