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特開2024-61211物品識別システム、物品識別装置、及びプログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024061211
(43)【公開日】2024-05-07
(54)【発明の名称】物品識別システム、物品識別装置、及びプログラム
(51)【国際特許分類】
   G06Q 30/06 20230101AFI20240425BHJP
   G07G 1/00 20060101ALI20240425BHJP
   G07G 1/01 20060101ALI20240425BHJP
【FI】
G06Q30/06
G07G1/00 311D
G07G1/01 301D
【審査請求】未請求
【請求項の数】17
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022169002
(22)【出願日】2022-10-21
(71)【出願人】
【識別番号】000005267
【氏名又は名称】ブラザー工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100104178
【弁理士】
【氏名又は名称】山本 尚
(72)【発明者】
【氏名】伴野 貴昭
(72)【発明者】
【氏名】吉村 千里
【テーマコード(参考)】
3E142
5L030
5L049
【Fターム(参考)】
3E142AA01
3E142CA20
3E142DA08
3E142GA02
3E142GA03
3E142JA01
5L030BB56
5L030BB72
5L049BB56
5L049BB72
(57)【要約】
【課題】ユーザの操作負担を低減できる物品識別システム、物品識別装置、及びプログラムを提供する。
【解決手段】物品識別システムは、制御部を備える。制御部は、表示部に表示されたボタンの操作であって、価格情報を選択する操作を受け付ける(S105、S119)。制御部は、表示部に表示された複数の商品のうち何れかの商品を選択する操作を受け付ける(S107、S121)。制御部は、受け付けられた操作により選択された商品の価格を、受け付けられた操作により選択された価格情報に基づき変更する(S109、S123)。
【選択図】図17
【特許請求の範囲】
【請求項1】
物品識別システムであって、
複数の商品、及び、前記複数の商品ごとに付されたARマーカを撮影する撮影部と、
前記撮影部により撮影された前記複数の商品の撮影画像と、前記ARマーカに紐づけられた前記商品に関する情報とを表示可能な表示部と、
レジスターと通信を行い、前記撮影部により撮影された前記商品に関する情報を前記レジスターに送信する通信部と、
前記撮影部と前記表示部と前記通信部とを制御する制御部と
を備え、
前記制御部は、
前記表示部に表示されたボタンの操作であって、価格情報を選択する操作を受け付ける第1受付処理と、
前記表示部に表示された前記複数の商品のうち何れかの前記商品を選択する操作を受け付ける第2受付処理と、
前記第2受付処理により受け付けられた操作により選択された前記商品の価格を、前記第1受付処理により受け付けられた操作により選択された前記価格情報に基づき変更する変更処理と
を実行することを特徴とする物品識別システム。
【請求項2】
前記価格情報は、前記商品の税率であり、
前記表示部は、前記商品の税率を示す税率ボタンを表示し、
前記第1受付処理は、
前記税率ボタンを選択する操作を受け付け、
前記変更処理は、
前記第1受付処理により受け付けられた操作により選択された前記税率ボタンにより示される税率に基づいて前記商品の価格を変更する
ことを特徴とする請求項1に記載の物品識別システム。
【請求項3】
前記価格情報は、割引金額であり、
前記表示部は、前記割引金額を示す割引ボタンを表示し、
前記第1受付処理は、
前記割引ボタンを選択する操作を受け付け、
前記第2受付処理は、
前記商品を選択する操作を受け付け、
前記変更処理は、
前記第1受付処理により受け付けられた操作により選択された前記割引ボタンにより示される前記割引金額に基づいて、前記第2受付処理により受け付けられた操作により選択された前記商品の価格を変更する
ことを特徴とする請求項1又は2に記載の物品識別システム。
【請求項4】
前記表示部は、前記撮影画像に表示された前記複数の商品のうち何れかを取り消す為の取消ボタンを表示し、
前記制御部は、
前記取消ボタンを選択する操作を受け付ける第3受付処理と、
前記表示部に表示された前記複数の商品の何れかを選択する操作を受け付ける第4受付処理と、
前記第3受付処理により前記取消ボタンを選択する操作を受け付けた場合、前記第4受付処理により受け付けられた操作により選択された前記商品を取り消す取消処理と
を実行することを特徴とする請求項1に記載の物品識別システム。
【請求項5】
前記制御部は、
前記撮影部により撮影された前記複数の商品の総数を入力する操作を受け付ける第5受付処理と、
前記第5受付処理により受け付けられた前記操作により入力された前記総数から、前記取消処理により取り消された前記商品の個数を減ずる演算処理と、
前記演算処理による演算結果を、前記表示部に表示する表示処理と
を実行することを特徴とする請求項4に記載の物品識別システム。
【請求項6】
物品識別システムであって、
複数の商品、及び、前記複数の商品ごとに付されたARマーカを撮影する撮影部と、
前記撮影部により撮影された前記複数の商品の撮影画像と、前記ARマーカに紐づけられた前記商品に関する情報とを表示可能な表示部と、
レジスターと通信を行い、前記撮影部により撮影された前記商品に関する情報を前記レジスターに送信する通信部と、
前記撮影部と前記表示部と前記通信部とを制御する制御部と
を備え、
前記制御部は、
前記表示部に表示されたボタンであって、前記商品の価格情報以外の特定情報を示すボタンを選択する操作を受け付ける第1受付処理と、
前記第1受付処理により前記ボタンを選択する操作を受け付けた場合、受け付けられた前記ボタンにより示される前記特定情報を、前記商品に関連付けて前記表示部に表示する表示処理と
を実行することを特徴とする物品識別システム。
【請求項7】
前記制御部は、
前記表示処理により前記表示部に表示された前記特定情報と、前記商品に関する情報とを含む会計情報を、前記通信部に前記レジスターへ送信させる送信処理と、
前記送信処理により前記通信部に送信させた前記会計情報に基づき、前記特定情報を含むレシートを前記レジスターに生成させる生成処理と
を実行することを特徴とする請求項6に記載の物品識別システム。
【請求項8】
前記特定情報は、アレルゲンに関する情報であり、
前記表示部は、前記アレルゲンを表示する為のアレルゲンボタンを表示し、
前記第1受付処理は、前記アレルゲンボタンの選択を受け付け、
前記表示処理は、
前記第1受付処理により前記アレルゲンボタンを選択する操作を受け付けた場合、前記表示部に表示された前記複数の商品に含まれる前記アレルゲンに関する情報を、前記商品に関連付けて前記表示部に表示する
ことを特徴とする請求項6に記載の物品識別システム。
【請求項9】
前記特定情報は、栄養成分に関する情報であり、
前記表示部は、前記栄養成分を表示する為の栄養成分ボタンを表示し、
前記第1受付処理は、前記栄養成分ボタンの選択を受け付け、
前記表示処理は、
前記第1受付処理により前記栄養成分ボタンを選択する操作を受け付けた場合、前記表示部に表示された前記複数の商品の前記栄養成分に関する情報を、前記商品に関連付けて前記表示部に表示する
ことを特徴とする請求項6に記載の物品識別システム。
【請求項10】
前記栄養成分は、熱量に関する情報であり、
前記表示部は、前記熱量を表示する為の熱量ボタンを表示し、
前記第1受付処理は、前記熱量ボタンの選択を受け付け、
前記表示処理は、
前記第1受付処理により前記熱量ボタンを選択する操作を受け付けた場合、前記表示部に表示された前記複数の商品の前記熱量に関する情報を、前記商品に関連付けて前記表示部に表示する
ことを特徴とする請求項9に記載の物品識別システム。
【請求項11】
前記制御部は、
前記第1受付処理により前記栄養成分ボタンを選択する操作を受け付けた場合、前記表示部に表示された前記複数の商品の前記栄養成分を合算する合算処理
を実行し、
前記表示処理は、
前記合算処理により合算された合算結果を前記表示部に表示する
ことを特徴とする請求項9に記載の物品識別システム。
【請求項12】
前記特定情報は、消費期限に関する情報であり、
前記表示部は、前記消費期限を表示する為の消費期限ボタンを表示し、
前記第1受付処理は、前記消費期限ボタンの選択を受け付け、
前記表示処理は、
前記第1受付処理により前記消費期限ボタンを選択する操作を受け付けた場合、前記複数の商品の前記消費期限に関する情報を、前記商品に関連付けて前記表示部に表示する
ことを特徴とする請求項6に記載の物品識別システム。
【請求項13】
前記表示処理は、前記商品ごとに付された前記ARマーカに紐づけられた前記商品に関する情報と前記特定情報とを、前記商品の前記撮影画像に重畳して表示する
ことを特徴とする請求項6に記載の物品識別システム。
【請求項14】
複数の商品、及び、前記複数の商品ごとに付されたARマーカを撮影する撮影部、前記撮影部により撮影された前記複数の商品の撮影画像、前記ARマーカに紐づけられた前記商品に関する情報とを表示可能な表示部、及び、レジスターと通信を行い、前記撮影部により撮影された前記商品に関する情報を前記レジスターに送信する通信部を制御する制御部を備えた物品識別装置であって、
前記制御部は、
前記表示部に表示されたボタンの操作であって、価格情報を選択する操作を受け付ける第1受付処理と、
前記表示部に表示された前記複数の商品のうち何れかの前記商品を選択する操作を受け付ける第2受付処理と、
前記第2受付処理により受け付けられた操作により選択された前記商品の価格を、前記第1受付処理により受け付けられた操作により選択された前記価格情報に基づき変更する変更処理と
を実行することを特徴とする物品識別装置。
【請求項15】
複数の商品、及び、前記複数の商品ごとに付されたARマーカを撮影する撮影部、前記撮影部により撮影された前記複数の商品の撮影画像と、前記ARマーカに紐づけられた前記商品に関する情報とを表示可能な表示部、及びレジスターと通信を行い、前記撮影部により撮影された前記商品に関する情報を前記レジスターに送信する通信部を制御するコンピュータに実行させる為のプログラムであって、
前記表示部に表示されたボタンの操作であって、価格情報を選択する操作を受け付ける第1受付ステップと、
前記表示部に表示された前記複数の商品のうち何れかの前記商品を選択する操作を受け付ける第2受付ステップと、
前記第2受付ステップにより受け付けられた操作により選択された前記商品の価格を、前記第1受付ステップにより受け付けられた操作により選択された前記価格情報に基づき変更する変更ステップと
を前記コンピュータに実行させることを特徴とするプログラム。
【請求項16】
複数の商品、及び、前記複数の商品ごとに付されたARマーカを撮影する撮影部、前記撮影部により撮影された前記複数の商品の撮影画像と、前記ARマーカに紐づけられた前記商品に関する情報とを表示可能な表示部、及びレジスターと通信を行い、前記撮影部により撮影された前記商品に関する情報を前記レジスターに送信する通信部を制御する制御部を備えた物品識別装置であって、
前記制御部は、
前記表示部に表示されたボタンであって、前記商品の価格情報以外の特定情報を示すボタンを選択する操作を受け付ける第1受付処理と、
前記第1受付処理により前記ボタンを選択する操作を受け付けた場合、受け付けられた前記ボタンにより示される前記特定情報を、前記商品に関連付けて前記表示部に表示する表示処理と
を実行することを特徴とする物品識別装置。
【請求項17】
複数の商品、及び、前記複数の商品ごとに付されたARマーカを撮影する撮影部、前記撮影部により撮影された前記複数の商品の撮影画像と、前記ARマーカに紐づけられた前記商品に関する情報とを表示可能な表示部、及びレジスターと通信を行い、前記撮影部により撮影された前記商品に関する情報を前記レジスターに送信する通信部を制御するコンピュータに実行させる為のプログラムであって、
前記表示部に表示されたボタンであって、前記商品の価格情報以外の特定情報を示すボタンを選択する操作を受け付ける第1受付ステップと、
前記第1受付ステップにより前記ボタンを選択する操作を受け付けた場合、受け付けられた前記ボタンにより示される前記特定情報を、前記商品に関連付けて前記表示部に表示する表示ステップと
を前記コンピュータに実行させることを特徴とするプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、物品識別システム、物品識別装置、及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
複数の商品の情報を一括で認識できる装置が知られている。特許文献1に記載の商品登録装置は、トレー上の複数の商品を撮影し、撮影画像中の商品のバーコードを一括で読み取ることで、複数の商品をまとめて認識することができる。また、商品登録装置は、撮影した複数の商品の撮影画像、商品の名称、及び単価を表示画面に表示することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2016-177433号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ユーザは、複数の商品のうち何れかの商品の価格情報について税率等を変更したい場合がある。また、ユーザは、複数の商品に関する情報のうち価格情報以外の情報を参照したい場合がある。これらの場合、ユーザは、その処理を商品登録装置に実行させることが手間であった。故に、商品登録装置は、ユーザにとって、操作が負担になる可能性があった。
【0005】
本発明の目的は、ユーザの操作負担を低減できる物品識別システム、物品識別装置、及びプログラムを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の第1態様に係る物品識別システムは、物品識別システムであって、複数の商品、及び、前記複数の商品ごとに付されたARマーカを撮影する撮影部と、前記撮影部により撮影された前記複数の商品の撮影画像と、前記ARマーカに紐づけられた前記商品に関する情報とを表示可能な表示部と、レジスターと通信を行い、前記撮影部により撮影された前記商品に関する情報を前記レジスターに送信する通信部と、前記撮影部と前記表示部と前記通信部とを制御する制御部とを備え、前記制御部は、前記表示部に表示されたボタンの操作であって、価格情報を選択する操作を受け付ける第1受付処理と、前記表示部に表示された前記複数の商品のうち何れかの前記商品を選択する操作を受け付ける第2受付処理と、前記第2受付処理により受け付けられた操作により選択された前記商品の価格を、前記第1受付処理により受け付けられた操作により選択された前記価格情報に基づき変更する変更処理とを実行することを特徴とする。
【0007】
第1態様によれば、物品識別システムでは、ユーザは、商品の価格情報を選択し、且つ何れかの商品を選択するだけで、価格情報に基づき商品の価格を変更できる。故に、物品識別システムは、ユーザの操作負担を低減できる。
【0008】
本発明の第2態様に係る物品識別システムは、物品識別システムであって、複数の商品、及び、前記複数の商品ごとに付されたARマーカを撮影する撮影部と、前記撮影部により撮影された前記複数の商品の撮影画像と、前記ARマーカに紐づけられた前記商品に関する情報とを表示可能な表示部と、レジスターと通信を行い、前記撮影部により撮影された前記商品に関する情報を前記レジスターに送信する通信部と、前記撮影部と前記表示部と前記通信部とを制御する制御部とを備え、前記制御部は、前記表示部に表示されたボタンであって、前記商品の価格情報以外の特定情報を示すボタンを選択する操作を受け付ける第1受付処理と、前記第1受付処理により前記ボタンを選択する操作を受け付けた場合、受け付けられた前記ボタンにより示される前記特定情報を、前記商品に関連付けて前記表示部に表示する表示処理とを実行することを特徴とする。
【0009】
第2態様によれば、物品識別システムでは、ユーザは、表示部のボタンを選択するだけで、特定情報を商品に関連付けて表示できる。故に、物品識別システムは、ユーザの操作負担を低減できる。
【0010】
本発明の第3態様に係る物品識別装置は、複数の商品、及び、前記複数の商品ごとに付されたARマーカを撮影する撮影部、前記撮影部により撮影された前記複数の商品の撮影画像、前記ARマーカに紐づけられた前記商品に関する情報とを表示可能な表示部、及び、レジスターと通信を行い、前記撮影部により撮影された前記商品に関する情報を前記レジスターに送信する通信部を制御する制御部を備えた物品識別装置であって、前記制御部は、前記表示部に表示されたボタンの操作であって、価格情報を選択する操作を受け付ける第1受付処理と、前記表示部に表示された前記複数の商品のうち何れかの前記商品を選択する操作を受け付ける第2受付処理と、前記第2受付処理により受け付けられた操作により選択された前記商品の価格を、前記第1受付処理により受け付けられた操作により選択された前記価格情報に基づき変更する変更処理とを実行することを特徴とする。
【0011】
第3態様によれば、上記物品識別装置は、第1態様に係る物品識別システムと同様の効果を得る。
【0012】
本発明の第4態様に係るプログラムは、複数の商品、及び、前記複数の商品ごとに付されたARマーカを撮影する撮影部、前記撮影部により撮影された前記複数の商品の撮影画像と、前記ARマーカに紐づけられた前記商品に関する情報とを表示可能な表示部、及びレジスターと通信を行い、前記撮影部により撮影された前記商品に関する情報を前記レジスターに送信する通信部を制御するコンピュータに実行させる為のプログラムであって、前記表示部に表示されたボタンの操作であって、価格情報を選択する操作を受け付ける第1受付ステップと、前記表示部に表示された前記複数の商品のうち何れかの前記商品を選択する操作を受け付ける第2受付ステップと、前記第2受付ステップにより受け付けられた操作により選択された前記商品の価格を、前記第1受付ステップにより受け付けられた操作により選択された前記価格情報に基づき変更する変更ステップとを前記コンピュータに実行させることを特徴とする。
【0013】
第4態様によれば、プログラムは、第1態様に係る物品識別システムと同様の効果を得る。
【0014】
本発明の第5態様に係る物品識別装置は、複数の商品、及び、前記複数の商品ごとに付されたARマーカを撮影する撮影部、前記撮影部により撮影された前記複数の商品の撮影画像と、前記ARマーカに紐づけられた前記商品に関する情報とを表示可能な表示部、及びレジスターと通信を行い、前記撮影部により撮影された前記商品に関する情報を前記レジスターに送信する通信部を制御する制御部を備えた物品識別装置であって、前記制御部は、前記表示部に表示されたボタンであって、前記商品の価格情報以外の特定情報を示すボタンを選択する操作を受け付ける第1受付処理と、前記第1受付処理により前記ボタンを選択する操作を受け付けた場合、受け付けられた前記ボタンにより示される前記特定情報を、前記商品に関連付けて前記表示部に表示する表示処理とを実行することを特徴とする。
【0015】
第5態様によれば、物品識別装置は、第2態様に係る物品識別システムと同様の効果を得る。
【0016】
本発明の第6態様に係るプログラムは、複数の商品、及び、前記複数の商品ごとに付されたARマーカを撮影する撮影部、前記撮影部により撮影された前記複数の商品の撮影画像と、前記ARマーカに紐づけられた前記商品に関する情報とを表示可能な表示部、及びレジスターと通信を行い、前記撮影部により撮影された前記商品に関する情報を前記レジスターに送信する通信部を制御するコンピュータに実行させる為のプログラムであって、前記表示部に表示されたボタンであって、前記商品の価格情報以外の特定情報を示すボタンを選択する操作を受け付ける第1受付ステップと、前記第1受付ステップにより前記ボタンを選択する操作を受け付けた場合、受け付けられた前記ボタンにより示される前記特定情報を、前記商品に関連付けて前記表示部に表示する表示ステップとを前記コンピュータに実行させることを特徴とする。
【0017】
第6態様によれば、プログラムは、第2態様に係る物品識別システムと同様の効果を得る。
【図面の簡単な説明】
【0018】
図1】物品識別システム1の斜視図である。
図2】物品識別システム1の電気的構成を示すブロック図である。
図3】識別テーブル90の概念図である。
図4】価格情報テーブル91の概念図である。
図5】特定情報テーブルの概念図である。
図6】商品に商品名を重畳して表示する場合の表示部43の表示態様を示す図である。
図7】税率変更を行う場合の表示部43の表示態様を示す図である。
図8】割引変更を行う場合の表示部43の表示態様を示す図である。
図9】アレルゲン表示を行う場合の表示部43の表示態様を示す図である。
図10】栄養成分表示を行う場合の表示部43の表示態様を示す図である。
図11】消費期限表示を行う場合の表示部43の表示態様を示す図である。
図12】商品取消処理を行う場合の表示部43の表示態様を示す図である。
図13】会計処理を行う場合の表示部43の表示態様を示す図である。
図14】レシート8を示す図である。
図15】物品識別処理のフローチャートである。
図16】物品識別処理のフローチャートであって、図15の続きである。
図17】第1個別処理のフローチャートである。
図18】第2個別処理のフローチャートである。
図19】第2個別処理のフローチャートであって、図18の続きである。
図20】商品取消処理のフローチャートである。
図21】会計処理のフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0019】
図面を参照し、本発明の一実施形態に係る物品識別システム1を説明する。物品識別システム1は、識別用のARマーカ28(図3図6参照)が夫々に設けられた複数の物品を撮影し、撮影画像内のARマーカ28の情報に基づき物品の価格を会計し、公知のレジスター7(図1参照)に出力するシステムである。物品識別システム1は、例えば物品を商品として販売する店舗において、会計時に複数の商品を一括して識別し、会計するシステムとして用いられる。
【0020】
図1に示すように、物品識別システム1は、撮影台2、撮影装置3、及び識別端末4を有する。撮影台2は、撮影対象の複数の商品を配置する為の台である。撮影台2には、撮影装置3による撮影範囲Sが設定されている。複数の商品を載せたトレー25が撮影台2に配置されると、複数の商品は撮影範囲S内に配置される。夫々の商品は、ラベル26が貼り付けられた袋に包装されている。ラベル26には、商品名、及び商品毎に異なるARマーカ28が印刷されている。
【0021】
撮影装置3は、撮影範囲Sを撮影台2の上方から撮影する装置である。撮影装置3は、撮影台2の側方に固定されて上方に延びる柱部3Aと、柱部3Aの上端において撮影台2の中央上方に向けて延びる腕部3Bと、腕部3Bの先端部に設けられる撮影部31とを有する。撮影部31は、下方に位置する撮影台2の撮影範囲Sを撮影するように、撮影方向及び画角が調整されている。撮影部31は、撮影範囲Sの静止画又は動画を撮影する。以下説明では、静止画と動画とを特に区別しない場合、撮影画像という。
【0022】
識別端末4は、例えば周知のタブレット端末であり、物品識別システム1を統括制御する。識別端末4は、例えば公知のUSB(Universal Serial Bus)ケーブル35により、撮影装置3及びレジスター7と接続する。識別端末4に対する、撮影装置3、レジスター7の接続方式は適宜変更してもよい。例えば、識別端末4とレジスター7とは、公知のCOMポートにより接続されてもよい。識別端末4に対する、撮影装置3、レジスター7の接続方式は、同じでもよいし、互いに異なっていてもよい。識別端末4は、図示しない販売時点情報管理(POS)システムの端末として使用してもよい。
【0023】
図2を参照して物品識別システム1の電気的構成について説明する。撮影装置3は、撮影部31、制御部32、及びUSBインターフェース(以下、USBI/F)33を有する。撮影部31は、公知のCCDイメージセンサ又はCMOSイメージセンサである。制御部32は、撮影部31が撮影した撮影画像の画像データを生成する。USBI/F33は、USB規格によるデータ通信を行う。
【0024】
識別端末4は、制御部41、記憶部42、表示部43、RTC46、及びUSBI/F47を有する。制御部41は、CPU、ROM、RAMを有する。CPUは、識別端末4の制御を司る。ROMには、ブートプログラム、初期設定情報等が記憶される。RAMには、CPUが演算したデータが一時的に記憶される。記憶部42は、例えばフラッシュメモリであり、後述の物品識別プログラム、後述のデータベース9等が記憶される。
【0025】
表示部43は、タッチパネル式の液晶ディスプレイである。詳細は後述する。RTC46は識別端末4の内部時計として現在の時刻を計時する。現在の時刻には、「年」「月」「日」「時」「分」等の情報が含まれる。USBI/F47は、撮影装置3及びレジスター7との間でUSB規格によるデータ通信を行う。例えば、USBI/F47は、レジスター7と通信を行い、後述の会計情報をレジスター7に送信する。
【0026】
図3図5を参照し、記憶部42に記憶されるデータベース9について説明する。データベース9には、識別テーブル90、価格情報テーブル91、特定情報テーブル92~94が含まれる。図3に示すように、例えば識別テーブル90には、ARマーカ28の夫々に対して、商品名及びID(識別子)が個別に紐づけられる。
【0027】
図4に示すように、価格情報テーブル91には、商品に関する情報のうち価格情報が記憶される。例えば、価格情報は、定価(税抜き)、税率、及び割引金額等である。価格情報テーブル91には、IDの夫々に対して、商品名、定価(税抜き)、税率、割引金額を示す情報が対応付けられる。
【0028】
図5に示すように、特定情報テーブル92~94には、特定情報が記憶される。特定情報は、価格情報以外の商品に関する情報である。例えば特定情報は、アレルゲン、栄養成分、及び消費期限に関する情報である。特定情報は、価格情報と同様にARマーカ28に紐づけられる。
【0029】
図5(A)に示すように、特定情報テーブル92には、IDの夫々に対して、商品名、商品のアレルゲンの情報を示すアレルゲン情報が対応付けられる。アレルゲンの情報として、例えば「小麦」「乳」「卵」「落花生」「そば」「えび」「かに」が挙げられる。図5(B)に示すように、特定情報テーブル93には、IDの夫々に対して、商品名、商品の栄養成分に関する情報が対応付けられる。栄養成分の情報として、例えば「熱量」「タンパク質」「脂質」「炭水化物」「食塩相当量」が挙げられる。図5(C)に示すように、特定情報テーブル94には、IDの夫々に対して、商品名、消費期限を示す特定情報が対応付けられる。
【0030】
図6を参照して、ARマーカ28の検出と商品名の表示について説明する。物品識別システム1の起動時、識別端末4の表示部43には待機画面(図6(A)参照)が表示される。表示部43には、表示領域44及び入力領域45が表示される。表示領域44の上部には、総数表示領域51が設けられる。総数表示領域51には、「1」~「10」までの数字が表示される。表示領域44の中央部には、撮影画像領域52が設けられる。撮影画像領域52には、撮影部31が撮影した撮影画像等が表示される。表示領域44の下部には、NGボタン85A、OKボタン84Aが表示される。
【0031】
入力領域45には、各種ボタン11~16が上下に並んで表示される。税率変更ボタン11は、商品の税率を変更する為のボタンである。割引変更ボタン12は、商品の割引を行う為のボタンである。アレルゲン表示ボタン13は、アレルゲンを表示する為のボタンである。栄養成分表示ボタン14は、栄養成分を表示する為のボタンである。消費期限表示ボタン15は、消費期限を表示する為のボタンである。取消ボタン16は、撮影画像に表示された複数の商品のうち何れかを取り消す為のボタンである。詳細は後述する。
【0032】
例えば、商品を載せたトレー25が撮影台2に載置され、待機画面(図6(A)参照)が表示された状態で、ユーザは、トレー25上の「クロワッサン」、「メロンパン」、「フランスパン」、「ピザ」を目視して、表示部43の総数表示領域51に配置された「4」の周辺を選択する。これにより、総数表示領域51の「4」が〇で囲われる(図6(A)参照)。つまり、表示部43は、ユーザの目視による商品の総数を総数表示領域51に表示できる。
【0033】
その後、撮影装置3は、撮影部31による撮影を開始し、撮影した撮影画像を撮影画像領域52に出力する(図6(B)参照)。これにより、トレー25上の商品が表示部43に表示される。
【0034】
識別端末4は、撮影画像の画像解析を行い、商品に付帯されたARマーカ28を抽出する。識別端末4は、商品に付されたARマーカ28に基づき、データベース9を参照して商品のIDを特定する。識別端末4は、特定したIDに基づき、対応する商品名を特定する。識別端末4は、特定した商品名を、ARマーカ28に重畳して表示部43に商品名を表示させる(図6(C)参照)。
【0035】
図7図8を参照して、第1個別処理について説明する。第1個別処理が実行されることで、商品の価格が変更される。商品の価格の変更とは、例えば、税率の変更、割引金額の変更等である。
【0036】
図7を参照して、商品の税率の変更について説明する。顧客が商品を持ち帰る場合と、その場で消費する場合では、税率が異なる。商品を持ち帰る場合、その商品の税率は「8%」である。商品をその場で消費する場合、その商品の税率は「10%」である。なお、物品識別システム1では、初期設定では商品の税率は「8%」に設定されているものとする。
【0037】
例えば、顧客がトレー25上の商品のうち「クロワッサン」と「メロンパン」をその場で消費する場合、ユーザは、「クロワッサン」と、「メロンパン」の税率を「8%」から「10%」に変更する必要がある。
【0038】
この場合、ユーザは、入力領域45の税率変更ボタン11を選択する(図7(A)参照)。税率変更ボタン11が選択されると、税率変更ボタン11の背景画像が黒色に変更され、「税率変更」の文字が白抜きに表示される。また、税率を示す税率ボタン11Aが入力領域45に表示される。
【0039】
ユーザは、税率ボタン11Aのうち「10%」を選択する。この場合、税率の税率ボタン11Aのうち「10%」の文字は、黒の背景に白抜きで表示される(図7(B)参照)。その後、ユーザは、撮影画像領域52に表示された「クロワッサン」と「メロンパン」を選択する。表示部43は、税率が変更されたことを示す為、「クロワッサン」と「メロンパン」の文字に重畳して、「10%」の文字を黒の背景に白抜きで表示する(図7(C)参照)。これにより、商品の税率が変更される。
【0040】
図8を参照して、商品の割引について説明する。ユーザは、例えば、トレー25上の商品のうち「クロワッサン」と、「メロンパン」の価格を割引したい場合がある。この場合、ユーザは、割引変更ボタン12を選択する(図8(A)参照)。割引変更ボタン12が選択されると、割引変更ボタン12の背景画像が黒色に変更され、「割引変更」の文字が白抜きで表示される。また、割引金額を示す割引ボタン12Aが入力領域45に表示される(図8(A)参照)。
【0041】
ユーザは、割引金額を選択する割引ボタン12Aのうち「-50円」を選択する。この場合、選択された「-50円」の文字が黒の背景に白抜きで表示される(図8(B)参照)。その後、ユーザは、撮影画像領域52に表示された「クロワッサン」と「メロンパン」を選択する。表示部43は、割引が適用されたことを示す為、「クロワッサン」と「メロンパン」の文字に重畳して、「-50円」の文字を黒の背景に白抜きで表示する(図8(C)参照)。これにより、商品の割引金額が設定される。
【0042】
図9図12を参照して、第2個別処理による商品の特定情報の表示について説明する。第2個別処理が実行されることで、商品ごとに付されたARマーカ28に紐づけられた商品に関する情報と特定情報とが、商品の撮影画像に重畳して表示される。例えば、識別端末4は、商品の価格情報以外の特定情報を示すボタン13~15を選択する操作を受け付ける。識別端末4は、ボタン13~15を選択する操作を受け付けた場合、受け付けられたボタン10により示される特定情報を、商品に関連付けて表示部43に表示する。
【0043】
図9を参照して、商品のアレルゲンの表示について説明する。例えば特定情報のうち商品のアレルゲンに関する情報を取得したい場合、ユーザは、アレルゲン表示ボタン13を選択する。アレルゲン表示ボタン13が選択されると、「アレルゲン表示」の文字が黒の背景に白抜きで表示される(図9(A)参照)。また、アレルゲンの種類を特定する為のアレルゲンボタン13Aが入力領域45に表示される。アレルゲンボタン13Aには、「小麦」「乳」「卵」「落花生」「そば」「えび」「かに」等の各種アレルゲンのボタンが表示される。
【0044】
ユーザは、アレルゲンの種類のうち、例えば「えび」の文字を選択する。これにより、アレルゲンボタン13Aは、「えび」の文字を黒の背景に白抜きで表示する(図9(B)参照)。この場合、制御部41は、データベース9を参照して、撮影画像に表示された商品のアレルゲンに関する情報を特定する。該当するアレルゲンの情報を示す為、撮影画像領域52の「ピザ」の文字の下に、「えび」の文字を黒の背景に白抜きで表示する(図9(C)参照)。「えび」の文字は、「ピザ」の文字に重畳して表示される。また、表示部43の総数表示領域51には、アレルゲンが表示された商品の総数として、「合計1品」の文字が黒の背景に白抜きで表示される(図9(C)参照)。
【0045】
図10を参照して、商品の栄養成分の表示について説明する。例えば特定情報のうち栄養成分の情報を取得したい場合、ユーザは、栄養成分表示ボタン14を選択する。栄養成分表示ボタン14が選択されると、「栄養成分表示」の文字が黒の背景に白抜きで表示される(図10(A)参照)。また、栄養成分の種類を特定する為の栄養成分ボタン14Aが入力領域45に表示される(図10(A)参照)。栄養成分ボタン14Aには、「熱量」「たんぱく質」「脂質」「食塩相当量」「炭水化物」のボタンが表示される。
【0046】
ユーザは、例えば栄養成分ボタン14Aのうち「熱量」のボタンを選択する。これにより、栄養成分ボタン14Aでは、「熱量」の文字が黒の背景に白抜きで表示する(図10(B)参照)。この場合、制御部41は、データベース9を参照して、撮影画像に表示された商品の「熱量」に関する情報を特定する。表示部43は、撮影画像領域52に表示された各商品名に重畳して、特定した熱量を夫々表示する(図10(C)参照)。
【0047】
表示部43は、撮影画像領域52の余白に、商品の合計の熱量として「計1379kcal」の文字を表示する(図10(C)参照)。また、熱量が表示された商品の総数として、総数表示領域51には、「合計4品」の文字が黒の背景に白抜きで表示される(図10(C)参照)。つまり、表示部43は、熱量を選択する操作を受け付けた場合、表示部43に表示された複数の商品の熱量に関する情報を、商品に関連付けて表示する。
【0048】
図11を参照して、消費期限の表示について説明する。例えば特定情報のうち消費期限の情報を取得したい場合、ユーザは、消費期限表示ボタン15を選択する。消費期限表示ボタン15が選択されると、「消費期限表示」の文字が黒の背景に白抜きで表示される(図11(A)参照)。また、消費期限が何れの日かを選択する為の消費期限ボタン15Aが表示される。消費期限ボタン15Aには、「今日」「明日」「その他」の文字が表示される。
【0049】
ユーザは、例えば「今日」を選択する。「今日」が選択されると、「今日」の文字が黒の背景に白抜きで表示される(図11(B)参照)。この場合、制御部41は、データベース9を参照して、撮影画像に表示された商品の「消費期限」に関する情報を特定する。制御部41は、RTC46の情報を参照して、消費期限が「今日」の商品があるかを特定する。
【0050】
表示部43は、例えば「クロワッサン」と「ピザ」の文字の下に、「今日」の文字を黒の背景に白抜きで表示する(図11(C)参照)。また、消費期限の表示の対象となる商品の総数として、総数表示領域51には、「合計2品」の文字が黒の背景に白抜きで表示される(図11(C)参照)。なお、「その他」が選択された場合、明後日以降に消費期限を迎える商品又は消費期限切れの商品を特定可能となる。
【0051】
図12を参照して、商品取消処理について説明する。撮影画像領域52に表示された複数の商品のうち何れかを取消したい場合、ユーザは、取消ボタン16を選択する。取消ボタン16が選択されると、取消ボタン16が黒の背景に白抜きで表示される。
【0052】
例えば、ユーザは、撮影画像領域52の「フランスパン」を選択する。この場合、制御部41は、選択した「フランスパン」の取消処理を行う(図12(B)参照)。取消処理では、例えば、後述の会計情報から「フランスパン」の情報が削除される。その後、制御部41は、総数表示領域51に表示された商品の総数から取り消された商品の個数を減じた数を記憶部42に記憶する。より詳細には、総数「4」(図12(A)(B)参照)から取り消したフランスパンの個数「1」の分が減算され、「3」が記憶部42に記憶される。表示部43は、総数表示領域51の表示を、「4」から「3」へ変更する(図12(C)参照)。また、会計の対象となる商品の総数として、総数表示領域51には、「合計3品」の文字が黒の背景に白抜きで表示される(図11(C)参照)。
【0053】
この場合、物品識別システム1は、ユーザに、トレー25上の商品のうち取り消した商品の除外を促す。ユーザが指示に従って、取り消した商品をトレー25から除外すると、「フランスパン」が除外された撮影画像が撮影画像領域52に表示される(図12(C)参照)。
【0054】
図13を参照して、会計処理について説明する。以下ではユーザにより第1個別処理、及第2個別処理の少なくとも何れかが実行された後を想定する。ユーザによりOKボタン84Aが選択されると、識別端末4は、図13に示す会計情報を表示部43に表示させる。表示部43には、会計情報として、トレー25上に配置された商品の「商品名」「定価」「割引金額」「税率」「個数」「価格」が夫々表示される。また、各商品の「熱量」「合計熱量」「アレルゲン」の特定情報が表示部43に表示される。
【0055】
つまり、第1個別処理により価格の変更が実行されている場合には、変更後の価格が表示部43に表示される。また、第2個別処理により特定情報の表示が実行されている場合には、その情報が表示部43に表示される。
【0056】
会計情報の表示内容に誤りが無い場合、ユーザは、OKボタン84Aを選択して、会計情報をレジスター7に送信する。なお、表示内容に誤りがある場合、ユーザは、NGボタン85Aを選択して、例えば図6(C)に示す画面を表示し、価格情報の変更などを再度行ってもよい。
【0057】
図14を参照して、レシート8について説明する。ユーザは、出力された会計情報に基づきレジ処理を行い、レシート8を発行する。レシート8には、各商品の価格に加えて、ユーザが変更した商品の価格及びユーザが表示させた「税率」「割引金額」「アレルゲン」「消費期限」等の特定情報が印刷される。例えば、レシート8の「ピザ」の欄には、「熱量」の情報、「アレルゲン」の情報、「消費期限」の情報が印刷される。また、「熱量」については、商品の「合計熱量」も印刷される。例えば、会計前に顧客の要求に基づきこれらの情報の確認を行った場合、顧客はレシート8で再確認できる。
【0058】
図15図16を参照し、物品識別処理について説明する。店舗のユーザによって物品識別処理を実行する為の操作が行われた場合、制御部41は、記憶部42に記憶された物品識別プログラムを読み出して実行する。物品識別プログラムが実行されると、物品識別処理が開始される。なお、物品識別処理の開始時、商品を載せたトレー25が撮影台2に配置されている。
【0059】
物品識別処理か開始されると、制御部41は、レジアプリを起動して、例えば待機画面(図6(A)参照)を表示する(S1)。制御部41は、撮影部31により撮影された複数の商品の総数を入力する操作を受け付けたか否か判断する(S3)。
【0060】
例えば、ユーザは、識別端末4を操作し、撮影台2に配置された商品の総数を、総数表示領域51に入力する。撮影部31により撮影された複数の商品の総数を入力する操作を受け付けていないと判定した場合(S3:NO)、制御部41は処理を戻して待機する。撮影部31により撮影された複数の商品の総数を入力する操作を受け付けたと判定した場合(S3:YES)、制御部41は、総数表示領域51に総数を表示する(S5)。この場合、例えば総数表示領域51の文字「4」が「〇」で囲われる(図6(A)参照)。制御部41は、入力された商品の総数を記憶部42に記憶する(S7)。
【0061】
制御部41は、撮影装置3を制御して、撮影部31による複数の商品の撮影を開始する(S9)。撮影部31は、複数の商品、及び、複数の商品ごとにARマーカ28を撮影する。撮影装置3の制御部32は、撮影された撮影画像の画像データを生成し、識別端末4の制御部41に出力する。制御部41は、画像データを取得し、撮影画像領域52に撮影画像を表示する(S11)。この場合、例えば、図6(B)に示す画面が表示部43に表示される。
【0062】
制御部41は、取得した画像データからARマーカ28を抽出する(S13)。制御部41は、画像解析を行い、撮影画像におけるARマーカ28としての特徴部を有するオブジェクトを、ARマーカ28として抽出する。制御部41は、ARマーカ28を計数する(S15)。制御部41は、計数されたARマーカ28の個数を、記憶部42に記憶する(S17)。制御部41は、識別テーブル90に基づき、抽出したARマーカ28のIDを特定し、特定したIDを記憶部42に記憶する(S19)。この場合、抽出された全てのARマーカ28に対してIDの特定が行われる。
【0063】
制御部41は、識別テーブル90に基づき、抽出したARマーカ28に対応する商品名を特定する(S21)。制御部41は、撮影画像領域52に表示された撮影画像において、ARマーカ28に商品名29を重畳して表示する(S23)。この場合、例えば図6(C)に示す画面が表示部43に表示される。つまり、表示部43は、撮影部31により撮影された複数の商品の撮影画像と、ARマーカ28に紐づけられた商品名とを表示可能である。
【0064】
制御部41は、図17に示す第1個別処理を実行する(S25)。第1個別処理が実行されると、制御部41は、税率変更ボタン11を選択する操作を受け付けたか否かを判断する(S101)。税率変更ボタン11を選択する操作を受け付けたと判断された場合(S101:YES)、制御部41は、ユーザに税率を選択させる為の税率ボタン11Aを表示する(S103)。この場合、図7(A)に示す画面が表示部43に表示される。制御部41は、税率ボタン11Aのうち税率ボタン11Aを選択する操作を受け付けたか否か判断する(S105)。税率を選択する操作を受け付けていないと判断した場合(S105:NO)、制御部41は、処理を戻して待機する。
【0065】
税率を選択する操作を受け付けたと判断した場合(S105:YES)、制御部41は、表示部43に表示された複数の商品のうち税率を変更したい商品を選択する操作を受け付けたか否か判断する(S107)。税率を変更したい商品の選択を受け付けていないと判断した場合(S107:NO)、制御部41は、処理を戻して待機する。税率を変更したい商品の選択を受け付けたと判断した場合(S107:YES)、制御部41は、受け付けられた操作により選択された商品の価格を、受け付けられた操作により選択された税率ボタン11Aにより示される税率に基づいて変更する(S109)。この場合、図7(C)に示す画面が表示部43に表示される。制御部41は、変更した価格情報を、IDに関連付けて記憶部42に記憶する(S111)。制御部41は、処理をS113に進める。
【0066】
一方、税率変更ボタン11を選択する操作を受け付けていないと判断した場合(S101:NO)、制御部41は、割引変更ボタン12を選択する操作を受け付けたか否か判断する(S115)。一方、割引変更ボタン12を選択する操作を受け付けたと判断した場合(S115:YES)、制御部41は、割引金額を選択する為の割引ボタン12Aを表示する(S117)。この場合、図8(A)に示す画面が表示部43に表示される。
【0067】
制御部41は、割引ボタン12Aを選択する操作を受け付けたか否か判断する(S119)。割引金額を選択する操作を受け付けていないと判断した場合(S119:NO)、制御部41は、処理を戻して待機する。割引金額を選択する操作を受け付けたと判断した場合(S119:YES)、制御部41は、割引したい商品を選択する操作を受け付けたか否か判断する(S121)。
【0068】
割引したい商品を選択する操作を受け付けていないと判断した場合(S121:NO)、制御部41は、処理を戻して待機する。割引したい商品を選択する操作を受け付けたと判断した場合(S121:YES)、制御部41は、受け付けられた操作により選択された割引ボタン12Aにより示される割引金額に基づいて、受け付けられた操作により選択された商品の価格を変更する(S123)。この場合、図8(C)に示す画面が表示部43に表示される。制御部41は、変更した商品の価格情報を記憶部42に記憶する(S125)。制御部41は、処理をS113に進める。
【0069】
一方、割引変更ボタン12が選択されていないと判断された場合(S115:NO)、制御部41は、処理をS113に進める。
【0070】
制御部41は、税率の変更又は割引を追加で行うか否か判断する(S113)。例えば、ユーザは、識別端末4の操作により、追加の変更があるかを入力する。追加変更があると判断した場合(S113:YES)、制御部41は、処理をS101に戻して待機する。追加変更がないと判断した場合(S113:NO)、制御部41は、物品識別処理に処理を戻して、S27の第2個別処理を実行する。
【0071】
S27の第2個別処理が実行されると、制御部41は、アレルゲン表示ボタン13を選択した操作を受け付けたか否か判断する(S201)。アレルゲン表示ボタン13を選択する操作を受け付けたと判断した場合(S201:YES)、制御部41は、アレルゲンの種類を選択する為のアレルゲンボタン13Aを表示する(S203)。この場合、図9(A)に示す画面が表示部43に表示される。
【0072】
制御部41は、アレルゲンボタン13Aを選択した操作を受け付けたか否か判断する(S205)。アレルゲンボタン13Aを選択する操作を受け付けていないと判断した場合(S205:NO)、制御部41は、処理を戻して待機する。アレルゲンボタン13Aを選択する操作を受け付けたと判断した場合(S205:YES)、制御部41は、アレルゲンボタン13Aの操作で選択されたアレルゲンに基づき、データベース9を参照して、選択されたアレルゲンが商品に含まれるかを特定する(S207)。制御部41は、アレルゲンが商品に含まれる場合、表示部43に表示された複数の商品に含まれるアレルゲンに関する情報を、商品に関連付けて表示部43に表示する(S209)。この場合、例えば図9(C)に示す画面が表示部43に表示される。制御部41は、処理をS211に進める。
【0073】
一方、アレルゲン表示ボタン13を選択する操作を受け付けていないと判断した場合(S201:NO)、制御部41は、栄養成分表示ボタン14を選択する操作を受け付けたか否か判断する(S213)。栄養成分表示ボタン14を選択する操作を受け付けたと判断した場合(S213:YES)、制御部41は、栄養成分の種類を選択する為の栄養成分ボタン14Aを表示する(S215)。
【0074】
制御部41は、栄養成分ボタン14Aを選択する操作を受け付けたか否か判断する(S217)。栄養成分ボタン14Aを選択する操作を受け付けていないと判断した場合(S217:NO)、制御部41は、処理を戻して待機する。栄養成分ボタン14Aを選択する操作を受け付けたと判断した場合(S217:YES)、制御部41は、栄養成分ボタン14Aで選択された栄養成分に基づき、データベース9を参照して、商品の栄養成分を特定する(S219)。この場合、例えば、栄養成分ボタン14Aの「熱量」のボタンが選択される。
【0075】
制御部41は、複数の商品のうち特定した栄養成分を合算する(S221)。制御部41は、表示部43に表示された複数の商品の栄養成分に関する情報を、商品に関連付けて表示部43に表示する(S223)。この場合、例えば制御部41は、特定した栄養成分を各商品に重畳して表示させ、且つ合算した栄養成分を空いたスペースに表示する。例えば、「熱量」が選択されていた場合、図10(C)に示す画面が表示部43に表示される。制御部41は、処理をS211に進める。
【0076】
一方、栄養成分ボタン14Aを選択する操作を受け付けていないと判断した場合(S213:NO)、制御部41は、消費期限表示ボタン15を選択する操作を受け付けたか否か判断する(S225)。消費期限表示ボタン15を選択する操作を受け付けたと判断した場合(S225:YES)、制御部41は、消費期限の消費期限ボタン15Aを表示する(S227)。この場合、例えば図11(A)に示す画面が表示部43に表示される。
【0077】
制御部41は、消費期限ボタン15Aを選択する操作を受け付けたか否か判断する(S229)。消費期限ボタン15Aを選択する操作を受け付けていないと判断した場合(S229:NO)、制御部41は、処理を戻して待機する。消費期限ボタン15Aを選択する操作を受け付けたと判断した場合(S229:YES)、制御部41は、消費期限ボタン15Aで選択された消費期限に基づき、データベース9を参照して、商品の消費期限を特定する(S231)。制御部41は、複数の商品の消費期限に関する情報を、商品に関連付けて表示部43に表示する(S233)。この場合、例えば図11(C)に示す画面が表示部43に表示される。制御部41は、処理をS211に進める。
【0078】
一方、消費期限表示ボタン15を選択する操作を受け付けていないと判断した場合(S225:NO)、制御部41は、処理をS211に進める。
【0079】
S211の処理では、制御部41は、追加表示させたい特定情報があるか否か判断する(S211)。ユーザは、識別端末4を操作して、追加で表示させたい特定情報があるか否かを入力する。追加で表示させしたい情報があると判断した場合(S211:YES)、制御部41は、S201に処理を戻す。追加で確認したい情報がないと判断した場合(S211:NO)、制御部41は、処理を物品識別処理に戻して、S29の商品取消処理を実行する。
【0080】
S29の商品取消処理が実行されると、制御部41は、取消ボタン16を選択する操作を受け付けたか否か判断する(S301)。取消ボタン16を選択する操作を受け付けたと判断した場合(S301:YES)、制御部41は、表示部43に表示された複数の商品の何れかを選択する操作を受け付けたか否か判断する(S303)。表示部43に表示された複数の商品の何れかを選択する操作を受け付けていないと判断した場合(S303:NO)、制御部41は処理を戻して待機する。
【0081】
表示部43に表示された複数の商品の何れかを選択する操作を受け付けたと判断した場合(S303:YES)、選択された商品を取り消す(S305)。この場合、制御部41は、例えば会計情報にある商品リストから受け付けた商品を取り消す。制御部41は、S3で受け付けられた操作により入力された総数から、取り消された商品の個数を減ずる(S307)。制御部41は、演算結果に基づき、表示部43は、商品の総数が表示された総数表示領域51を更新する(S309)。この場合、例えば、図12(C)に示す総数表示領域51が表示される。従って、ユーザは、改めて、トレー25上の総数を確認して入力する必要がなくなる。
【0082】
制御部41は、トレー25に配置された商品のうち取り消した商品がトレー25から除外されたか否か判断する(S311)。例えば、制御部41は、「取り消した商品を除外して下さい」等を表示してユーザに作業を促す。トレー25に取り消した商品が載置されていると判断した場合(S311:NO)、制御部41は、処理を戻して待機する。トレー25から取り消した商品が除外されたと判断した場合(S311:YES)、処理をS313に進める。この場合、例えば図12(C)に示す画面が表示部43に表示される。
【0083】
一方、取消ボタン16を選択する操作を受け付けていない場合(S301:NO)、制御部41は、処理をS313に進める。
【0084】
制御部41は、他の商品を取り消すか否か判断する(S313)。他の商品を取り消すと判断した場合(S313:YES)、制御部41は、処理をS301に戻す。他の商品を取り消さないと判断した場合(S313:NO)、制御部41は、処理を物品識別処理に戻して、S30の処理を実行する。
【0085】
制御部41は、OKボタン84Aが選択されたことを受け付けたか否か判断する(S30)。OKボタン84Aが選択されたことを受け付けていないと判断した場合(S30:NO)、制御部41は、NGボタン85Aが選択されたことを受け付けたか否か判断する(S35)。NGボタン85Aが選択されたことを受け付けていないと判断した場合(S35:NO)、制御部41は、S25に処理を進める。一方、NGボタン85Aが押下されたことを受け付けたと判断した場合(S35:YES)、制御部41は、処理をS1に戻す。
【0086】
一方、OKボタン84Aが選択されたことを受け付けた場合(S30:YES)、制御部41は、入力された商品の総数と、計数したARマーカ28の個数が一致するか否か判断する(S31)。入力された商品の総数と、計数したARマーカ28の個数が一致しないと判断した場合(S31:NO)、制御部41は、警告表示を行う(S33)。この場合、例えば、制御部41は、撮影部31によりARマーカ28を検出できなかった可能性があるので、「商品の配置位置を変更して下さい」等の文字を識別端末4に表示させる。ユーザは、撮影部31がARマーカ28を検出できるように、トレー25上の商品を並べかえる。制御部41は、S3に処理を進める。この処理でユーザは、商品の個数の入力に誤りがないか再確認して、商品の個数を入力する。
【0087】
入力された商品の総数と、計数したARマーカ28の個数が一致すると判断した場合(S31:YES)、制御部41は、図21に示す会計処理を実行する(S37)。
【0088】
S37の会計処理が実行されると、制御部41は、商品の会計情報を表示部43に表示する(S401)。この場合、制御部41は、例えば図13に示す「商品名」「定価」「割引金額」・・・・「合計金額」等の会計情報を表示する。制御部41は、NGボタン85Aが選択されたか否か判断する(S403)。NGボタン85Aが選択されたと判断した場合(S403:YES)、制御部41は、物品識別処理に戻して、S35の処理を実行する。
【0089】
一方、NGボタン85Aが選択されていないと判断した場合(S403:NO)、制御部41は、OKボタン84Aが選択されたか否か判断する(S405)。OKボタン84Aが選択されていないと判断した場合(S405:NO)、制御部41は、処理をS403に戻す。
【0090】
OKボタン84Aが選択されたと判断した場合(S405:YES)、制御部41は、表示部43に表示された特定情報と、商品に関する情報とを含む会計情報を、USBI/F47にレジスター7へ送信させる(S407)。また、制御部41は、USBI/F47に送信させた会計情報に基づき、特定情報を含むレシート8をレジスター7に生成させる指示をレジスター7に送信する(S409)。この場合、例えば、図14に示すレシート8がレジスター7により生成される。制御部41は、物品識別処理に処理を戻して、S35の処理を実行する。
【0091】
会計処理が終了し、物品識別処理に処理を戻すと、制御部41は、会計処理においてNGボタン85Aが選択されたか否か判断する(S35)。会計処理においてNGボタン85Aが選択されたと判断した場合(S35:YES)、制御部41は、処理をS3に戻す。一方、会計処理においてNGボタン85Aが選択されていないと判断した場合(S35:NO)、制御部41は、処理をS1に戻す。この場合、ユーザは、次の顧客の会計を行う。
【0092】
以上説明したように、物品識別システム1の制御部41は、表示部43に表示されたボタンの操作であって、価格情報を選択する操作を受け付ける。制御部41は、表示部43に表示された複数の商品のうち何れかの商品を選択する操作を受け付ける。制御部41は、受け付けられた操作により選択された商品の価格を、受け付けられた操作により選択された価格情報に基づき変更する。
【0093】
上記物品識別システム1では、ユーザは、商品の価格情報を選択し、且つ何れかの商品を選択するだけで、価格情報に基づき商品の価格を変更できる。故に、物品識別システム1は、ユーザの操作負担を低減できる。
【0094】
制御部41は、受け付けられた操作により選択された税率ボタン11Aにより示される税率に基づいて商品の価格を変更する。ユーザは、税率ボタン11Aを選択し、且つ商品を選択するだけで、商品の税率を変更することができる。
【0095】
制御部41は、受け付けられた操作により選択された割引ボタン12Aにより示される割引金額に基づいて、受け付けられた操作により選択された商品の価格を変更する。ユーザは、割引ボタン12Aを選択し、且つ商品を選択するだけで、商品の価格を割引できる。
【0096】
制御部41は、取消ボタン16を選択する操作を受け付けた場合、受け付けられた操作により選択された商品を取り消す。物品識別システム1は、誤って会計されている商品を、簡易な操作で取り消しできる。
【0097】
制御部41は、撮影部31により撮影された複数の商品の総数を入力する操作を受け付ける。制御部41は、受け付けられた操作により入力された総数から、取り消された商品の個数を減ずる。制御部41は、演算結果を、表示部43に表示する。物品識別システム1は、取り消した商品を撮影部31の撮影範囲Sから除外しなくても、商品の総数を正しく表示部43に表示できる。商品の取り消しが行われた後、ユーザは、取り消した商品を撮影部31の撮影範囲Sから除外するだけでよい。この場合、ユーザは、商品の総数を再入力する必要が無い。故に、物品識別システム1は、ユーザの操作負担を低減できる。
【0098】
制御部41は、商品の価格情報以外の特定情報を示すボタン12A~15Aを選択する操作を受け付ける。制御部41は、ボタン12A~15Aを選択する操作を受け付けた場合、受け付けられたボタン12A~15Aにより示される特定情報を、商品に関連付けて表示部43に表示する。
【0099】
上記物品識別システム1では、ユーザは、表示部43のボタン12A~15Aを選択するだけで、特定情報を商品に関連付けて表示できる。故に、物品識別システム1は、ユーザの操作負担を低減できる。
【0100】
制御部41は、表示部43に表示された特定情報と、商品に関する情報とを、USBI/F47にレジスター7へ送信させる。制御部41は、送信処理によりUSBI/F47に送信させた特定情報と商品に関する情報とに基づき、特定情報を含むレシート8をレジスター7に生成させる。物品識別システム1では、ユーザは、特定情報をレシート8で顧客に提供できる。
【0101】
制御部41は、アレルゲンボタン13Aを選択する操作を受け付けた場合、表示部43に表示された複数の商品に含まれるアレルゲンに関する情報を、商品に関連付けて表示部43に表示する。ユーザは、簡易な操作により、商品のアレルゲンを把握できる。
【0102】
制御部41は、栄養成分ボタン14Aを選択する操作を受け付けた場合、表示部43に表示された複数の商品の栄養成分に関する情報を、商品に関連付けて表示部43に表示する。ユーザは、簡易な操作により、商品の栄養成分を把握できる。
【0103】
制御部41は、栄養成分ボタン14Aの「熱量」のボタンを選択する操作を受け付けた場合、表示部43に表示された複数の商品の熱量に関する情報を、商品に関連付けて表示部43に表示する。ユーザは、簡易な操作により、商品の熱量を把握できる。
【0104】
制御部41は、栄養成分ボタン14Aのボタンを選択する操作を受け付けた場合、表示部43に表示された複数の商品の栄養成分を合算する。表示部43は、合算結果を商品に関連付けて表示部43に表示する。故に、ユーザは、合計の栄養成分を簡単に確認できる。
【0105】
制御部41は、消費期限ボタン15Aを選択する操作を受け付けた場合、複数の商品の消費期限に関する情報を、商品に関連付けて表示部43に表示する。ユーザは、簡易な操作により、商品の消費期限を把握できる。
【0106】
制御部41は、商品ごとに付されたARマーカ28に紐づけられた商品に関する情報と特定情報とを、商品の撮影画像に重畳して表示する。ユーザは、商品と商品に関する情報と特定情報とを視覚的に認識できる。
【0107】
上記実施形態において、USBI/F47は本発明の「通信部」に相当する。制御部41が実行するS105、S119の処理は本発明の「第1受付処理」に相当する。制御部41が実行するS107、S121の処理は本発明の「第2受付処理」に相当する。制御部41が実行するS109、S123の処理は本発明の「変更処理」に相当する。制御部41が実行するS301の処理は本発明の「第3受付処理」に相当する。制御部41が実行するS303の処理は本発明の「第4受付処理」に相当する。制御部41が実行するS305の処理は本発明の「取消処理」に相当する。制御部41が実行するS3の処理は本発明の「第5受付処理」に相当する。制御部41が実行するS307の処理は本発明の「演算処理」に相当する。制御部41が実行するS309の処理は本発明の「表示処理」に相当する。
【0108】
制御部41が実行するS205、S217、S229の処理は本発明の「第1受付処理」に相当する。制御部41が実行するS209、S223、S233の処理は本発明の「表示処理」に相当する。制御部41が実行するS407の処理は本発明の「送信処理」に相当する。制御部41が実行するS409の処理は本発明の「生成処理」に相当する。制御部41が実行するS221の処理は本発明の「合算処理」に相当する。
【0109】
本発明は上記実施形態に限定されず、種々の変更が可能である。上記実施形態では、識別端末4は、タブレット端末としたが、パーソナルコンピュータ、スマートフォン等、他のデバイスを用いてもよい。また、タブレット端末に搭載されたカメラ機能を、撮影装置3として用いてもよい。この場合、カメラ機能を有するタブレット端末は、物品識別装置として動作し、上記実施形態の物品識別システム1として単体で機能することができる。
【0110】
物品識別処理を実行させる為の指令を含むプログラムは、制御部41が、対応するプログラムを実行するまでに、記憶部42等に記憶されればよい。従って、プログラムの取得方法、取得経路及びプログラムを記憶する機器の各々は、適宜変更してもよい。制御部41が実行するプログラムは、ケーブル又は無線通信を介して他の装置から受信し、記憶部42に記憶されてもよい。他の装置は、例えば、PC、及びネットワーク網を介して接続されるサーバを含む。
【0111】
物品識別処理は、識別端末4とは別体の専用又は汎用の装置により実行されてもよい。例えば、識別端末4を公知のパーソナルコンピュータとした場合、パーソナルコンピュータが制御部41、記憶部42、及びUSBI/F47を有し、パーソナルコンピュータと、パーソナルコンピュータに対して外付けされる表示部43との組み合わせも本発明の識別端末4に含まれる。識別端末4は、表示部43の代わりに、表示領域44として例えばモニタ、入力領域45として例えばキーボード、マウスを有してもよい。例えば、識別端末4の代わりに、レジスター7又はPOSシステムの識別端末に撮影装置3を接続し、レジスター7の制御部又はPOSシステムの識別端末が物品識別処理を実行してもよい。
【0112】
物品識別処理の各ステップは、制御部41によって実行される例に限定されず、一部又は全部が他の電子機器(例えば、ASIC)によって実行されてもよい。物品識別処理の各ステップは、複数の電子機器(例えば、複数のCPU)によって分散処理されてもよい。物品識別処理の各ステップは、必要に応じて順序の変更、ステップの省略、及び追加が可能である。
【0113】
識別端末4にARマーカ28を登録可能にするアプリケーションソフトをインストールし、データベース9の設定を行ってもよい。識別端末4にラベルシールの印刷が可能な印刷装置を接続し、識別テーブル90に設定されたARマーカ28、商品名をラベルシールに印刷してもよい。
【0114】
商品には、ARマーカ28の他に、公知のコード(例えば、バーコード、QRコード(登録商標)等)、又は独自のマーカが別途付帯されてもよい。商品には、商品の価格以外の情報(例えば、製造年月日、アレルギー情報等)を識別する為の、ARマーカ28と異なるARマーカ28が別途付されてもよい。
【0115】
上記実施形態では、商品を「パン」を例に説明したがこれに限らない。上記物品識別システムは、「パン」以外の商品を識別してもよい。また、4つの「パン」の識別を例に説明がなされたがこれに限らず。3以下、又は、5以上の「パン」を識別可能であってもよい。
【0116】
上記実施形態では、図6に示す画像が表示部43に表示されたがこれに限らない。表示部43の総数表示領域51、撮影画像領域52、入力領域45、OKボタン84A、NGボタン85Aのレイアウトは、適宜変更してもよい。
【0117】
上記実施形態では、図6に示すように各種ボタン11~16が45に表示されたがこれに限らない。各種ボタン11~16の表示態様は適宜変更してよい。例えば、各種ボタン11~16の大きさ、レイアウト、色等は適宜変更してもよい。また、各ボタン11A~15Aの大きさ、レイアウト、色等は適宜変更してもよい。
【0118】
上記実施形態では、税率ボタン11Aは、「8%」と「10%」の何れかであったがこれに限らない。例えば、システムが使用される国の税制度に応じて、税率の項目が選択可能であってもよい。また、割引ボタン12Aは、「‐10円」、「-50円」、「-100円」の何れかを選択可能であったがこれに限らない。例えば、その他の割引金額を選択可能であってもよいし、割引率又は割引後の金額であってもよいし、直接割引金額を入力してもよい。また、割引ボタン12Aは、システムが使用される国の通貨に応じて表示態様を変更すればよい。
【0119】
上記実施形態では、アレルゲンボタン13Aは「小麦」「乳」「卵」「落花生」「そば」「えび」「かに」のボタンを選択可能であったがこれに限らない。アレルゲンボタン13Aは、これら以外のアレルゲンを選択可能であってもよい。
【0120】
上記実施形態では、栄養成分ボタン14Aは、「熱量」「たんぱく質」「脂質」「食塩相当量」「炭水化物」のボタンを選択可能であったがこれに限らない。栄養成分ボタン14Aは、これら以外の栄養成分を選択可能であってもよい。
【0121】
上記実施形態では、消費期限ボタン15Aは、「本日」「明日」「その他」のボタンを選択可能であったがこれに限らない。栄養成分ボタン14Aは、これら以外の日付を選択可能であってもよい。
【0122】
上記実施形態では、制御部41は、撮影画像領域52に表示された撮影画像の商品に重畳して、商品名を表示したがこれに限らない。例えば、撮影画像の商品に重畳して、商品名を重畳して表示しなくてもよい。撮影画像と、商品名とが撮影画像領域52に表示されていればよい。
【0123】
上記実施形態では、撮影画像領域52に表示された撮影画像の商品に重畳して、特定情報が表示されたがこれに限らない。例えば、撮影画像と、特定情報とが撮影画像領域52に表示されていればよい。表示部43は、特定情報を表示する専用の表示領域を備えてもよい。
【0124】
上記実施形態では、制御部41は、第1個別処理において、税率を変更した後に、商品を選択したがこれに限らない。例えば、制御部41は、商品を選択した後に、税率を変更してもよい。また、制御部41は、第1個別処理において、割引金額を選択した後に、商品を選択したがこれに限らない。例えば、制御部41は、商品を選択した後に、割引金額を選択してもよい。
【0125】
上記実施形態では、税率、及び割引金額が表示されたがこれに限らない。例えば、変更後の商品の金額(税抜き、税込み)が表示されてもよい。
【0126】
上記実施形態では、制御部41は、第2個別処理において、アレルゲンボタン13A、栄養成分ボタン14A、消費期限ボタン15Aの選択を受け付けた後に、商品を選択したがこれに限らない。例えば、制御部41は、商品の選択を受け付けた後に、アレルゲンボタン13A、栄養成分ボタン14A、消費期限ボタン15Aの選択を受け付けてもよい。
【0127】
上記実施形態では、制御部41は、商品取消処理において、取消ボタン16の選択を受け付けた後に、商品の選択を受け付けたがこれに限らない。例えば、制御部41は、商品の選択を受け付けた後に、取消ボタン16の選択を受け付けてもよい。
【0128】
上記実施形態では、制御部41は、S305の処理で取消処理を実行し、S307で総数表示領域51を更新したがこれに限らない。例えば、制御部41は、画像処理により撮影画像から商品を消してもよい。これにより、ユーザは、商品が取り消されたことを目視できる。
【0129】
上記実施形態では、図6(A)に示す待機画面が表示された状態で、ユーザは、トレー25上の商品の総数を目視して、商品の総数を把握したがこれに限らない。例えば、ユーザは、図6(B)に示す撮影画像を目視して、商品の総数を把握し、総数を入力してもよい。これに応じて、物品識別処理のフローは適宜変更されればよい。
【0130】
上記実施形態の物品識別処理では、物品識別手段としてARマーカ28を使用したが、ARマーカ28に代えて、QRコード(登録商標)、カメレオンコード(登録商標)等の2次元コード、バーコード、RFIDタグ等を使用してもよい。
【符号の説明】
【0131】
1 物品識別システム
3 撮影装置
4 識別端末
7 レジスター
9 データベース
11A、12A、13A、14A、15A、16 ボタン
28 ARマーカ
31 撮影部
41 制御部
42 記憶部
43 表示部
47 USBI/F
図1
図2
図3
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