(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024061213
(43)【公開日】2024-05-07
(54)【発明の名称】競技能力評価システム
(51)【国際特許分類】
A63B 69/00 20060101AFI20240425BHJP
A63B 71/06 20060101ALI20240425BHJP
【FI】
A63B69/00 C
A63B71/06 M
A63B71/06 T
【審査請求】未請求
【請求項の数】10
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022169010
(22)【出願日】2022-10-21
(71)【出願人】
【識別番号】000000310
【氏名又は名称】株式会社アシックス
(74)【代理人】
【識別番号】110001748
【氏名又は名称】弁理士法人まこと国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】久野 宗郎
(72)【発明者】
【氏名】西村 典子
(72)【発明者】
【氏名】岩田 洋
(57)【要約】
【課題】被験者の競技に関する能力を適切に且つ自動的に評価することが可能な競技能力評価システムを提供する。
【解決手段】競技能力評価システム100は、被験者の競技に関する能力を評価するシステムであって、少なくともパワー、スピード及びスタミナの3つを評価項目とし、評価項目に関連する被験者の体力測定の結果が端末1から入力されるサーバ2を備える。サーバ2(評価値算出手段23)は、入力された被験者の体力測定の結果の線形和によって、評価項目毎に評価値を算出する。サーバ2(評価結果出力手段24)は、算出した評価項目毎の評価値を被験者の競技に関する能力の評価結果として出力する。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
被験者の競技に関する能力を評価する競技能力評価システムであって、
少なくともパワー、スピード及びスタミナの3つを評価項目とし、前記評価項目に関連する前記被験者の体力測定の結果が端末から入力されるサーバを備え、
前記サーバは、入力された前記被験者の前記体力測定の結果の線形和によって、前記評価項目毎に評価値を算出し、算出した前記評価項目毎の前記評価値を前記被験者の競技に関する能力の評価結果として出力する、
競技能力評価システム。
【請求項2】
前記評価項目として、アジリティ及びコーディネーションのうちの少なくとも何れか一方が更に含まれる、
請求項1に記載の競技能力評価システム。
【請求項3】
前記パワーに関連する体力測定として、少なくとも背筋力が測定され、
前記スピードに関連する体力測定として、少なくとも10m走の時間が測定され、
前記スタミナに関連する体力測定として、少なくともYoYoIRの往復回数が測定され、
前記サーバには、前記端末から前記被験者の前記体力測定の結果が入力される、
請求項1に記載の競技能力評価システム。
【請求項4】
前記アジリティに関連する体力測定として、少なくともヘキサゴンテストの時間が測定され、
前記コーディネーションに関連する体力測定として、少なくともターゲットパスの時間が測定され、
前記サーバには、前記端末から前記被験者の前記体力測定の結果が入力される、
請求項2に記載の競技能力評価システム。
【請求項5】
前記サーバは、
入力された複数の前記被験者の前記体力測定の結果の平均値及び標準偏差を算出し、
算出した前記平均値及び前記標準偏差に基づき、前記被験者毎の前記体力測定の結果を複数の段階に区分し、
前記被験者毎の前記段階の線形和によって、前記評価項目毎に前記評価値を算出し、算出した前記評価項目毎の前記評価値を前記被験者の競技に関する能力の評価結果として出力する、
請求項1に記載の競技能力評価システム。
【請求項6】
前記線形和の係数は、複数の前記被験者について、評価者が評価した前記被験者の前記評価項目毎の評価値を目的変数とし、前記被験者の前記体力測定の結果を説明変数とする、回帰分析によって決定されている、
請求項1に記載の競技能力評価システム。
【請求項7】
前記サーバには、前記評価値が高位又は低位である1つ以上の前記評価項目に紐付けられて、推奨するシューズの品目が記憶されており、
前記サーバは、算出した前記評価項目毎の前記評価値のうち、前記評価値が高位又は低位である1つ以上の前記評価項目に紐付けられた前記シューズの品目を選択し、前記被験者に対して推奨するシューズの品目として出力する、
請求項1に記載の競技能力評価システム。
【請求項8】
前記サーバには、前記評価値が高位又は低位である1つ以上の前記評価項目に紐付けられて、推奨するトレーニングの種目が記憶されており、
前記サーバは、算出した前記評価項目毎の前記評価値のうち、前記評価値が高位又は低位である1つ以上の前記評価項目に紐付けられた前記トレーニングの種目を選択し、前記被験者に対して推奨するトレーニングの種目として出力する、
請求項1に記載の競技能力評価システム。
【請求項9】
前記サーバは、前記被験者とは別の他の被験者の競技のポジションと、前記他の被験者の履いたシューズである推奨前シューズの品目と、前記他の被験者が前記推奨前シューズを履いたときの前記体力測定の結果から算出された最高位又は最低位の前記評価値と、前記評価値が最高位又は最低位である前記評価項目に紐付けられ、前記他の被験者に対して推奨されたシューズである推奨シューズの品目と、前記他の被験者が前記推奨シューズを履いたときの前記体力測定の結果から算出された最高位又は最低位の前記評価値と、が関連付けられたデータが、複数の前記他の被験者について記憶されたデータベースを有し、
前記サーバには、前記端末から、前記被験者の競技のポジションと、前記被験者の前記体力測定の結果が入力され、
前記サーバは、前記被験者の前記体力測定の結果に基づき、前記評価項目毎に前記評価値を算出し、前記データベースのうち、前記被験者の競技のポジションと、前記評価値が最高位又は最低位である前記評価項目とが合致する、前記他の被験者のデータを選択し、選択した前記他の被験者のデータのうち、前記他の被験者が前記推奨前シューズを履いたときの前記体力測定の結果から算出された最高位又は最低位の前記評価値よりも、前記他の被験者が前記推奨シューズを履いたときの前記体力測定の結果から算出された最高位又は最低位の前記評価値が大きい場合の前記推奨シューズの品目を、前記被験者に対して推奨するシューズの品目として出力する、
請求項7に記載の競技能力評価システム。
【請求項10】
前記スピードに関連する体力測定として、少なくとも10m走の時間及び30m走の時間が測定され、
前記サーバには、前記スピードの前記評価値が最高位又は最低位である場合に、前記スピードに紐付けられて、なお且つ、前記10m走の時間と前記30m走の時間との相関関係からのずれに応じて分類された、推奨するトレーニングの種目が記憶されており、
前記サーバは、前記端末から入力された前記被験者の前記体力測定の結果に基づき、前記スピードの前記評価値を算出し、前記スピードの前記評価値が最高位又は最低位である場合に、前記スピードに紐付けられた前記トレーニングの種目のうち、前記被験者の前記10m走の時間と前記30m走の時間との相関関係からのずれに応じた前記トレーニングの種目を選択し、前記被験者に対して推奨するトレーニングの種目として出力する、
請求項8に記載の競技能力評価システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、被験者の競技に関する能力を適切に且つ自動的に評価することが可能な競技能力評価システムに関する。
【背景技術】
【0002】
競技に関する能力を評価する上で重要な評価項目として、パワー、スピード、スタミナの3つが挙げられる。これらの評価項目は、競技能力の地盤となる基礎体力に関わる項目であり、非常に重要である。すなわち、何れの競技であっても、どれだけ早く移動できるか(スピード)、その移動時間をどれだけ持続できるか(スタミナ)が重要であり、そこにパワーを加えて評価することで、競技の選手が競技能力を発揮する上で必要な能力を適切に評価可能である。
【0003】
また、競技がサッカー等の球技である場合等には、競技能力を評価する上で、上記3つの評価項目に加えて、アジリティやコーディネーションも重要である。アジリティは、敏捷性を意味し、走行の加減速や、方向転換の速さ等の能力を意味する。コーディネーションは、周りの状況を目や耳などの五感で察知し、それを頭で判断し、筋肉を動かすという一連の行動をスムーズに行うための能力を意味する。
【0004】
従来、これらの評価項目は、適切な評価ができるように、選手が競技を行う場面に頻繁に接する機会を有し、なお且つ、当該競技に関する知識や経験の豊富な人物である、監督、コーチ、トレーナー等が評価している。このため、監督等が不在の時や不在の場所では、競技能力を評価できないという問題がある。したがって、競技に関する能力を適切に且つ自動的に評価できるシステムが望まれている。
【0005】
監督等が不在の時や不在の場所でも競技能力を評価することのできるシステムとして、例えば、特許文献1には、スポーツ能力評価システムが提案されている。しかしながら、特許文献1に記載のシステムは、利用者の体力測定の結果を利用するものではないため、競技能力を適切に評価できないおそれがある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明は、上記従来技術の問題点を解決するべくなされたものであり、被験者の競技に関する能力を適切に且つ自動的に評価することが可能な競技能力評価システムを提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
前記課題を解決するため、本発明は、被験者の競技に関する能力を評価する競技能力評価システムであって、少なくともパワー、スピード及びスタミナの3つを評価項目とし、前記評価項目に関連する前記被験者の体力測定の結果が端末から入力されるサーバを備え、前記サーバは、入力された前記被験者の前記体力測定の結果の線形和によって、前記評価項目毎に評価値を算出し、算出した前記評価項目毎の前記評価値を前記被験者の競技に関する能力の評価結果として出力する、競技能力評価システムを提供する。
【発明の効果】
【0009】
本発明に係る競技能力評価システムによれば、被験者の競技に関する能力を適切に且つ自動的に評価することが可能である。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図1】本発明の一実施形態に係る競技能力評価システムの概略構成を示す図である。
【
図2】本発明の一実施形態で設定される評価項目と、各評価項目に関連する体力測定の種類とを示す図である。
【
図3】球速、カウンタームーブメントジャンプ(CMJ)及びスクワットジャンプ(SJ)の概要を説明する図である。
【
図4】10m走及び30m走の概要を説明する図である。
【
図5】ヘキサゴンテストの概要を説明する図である。
【
図8】ヘキサゴンテスト(ランダム)の概要を説明する図である。
【
図10】
図1に示す段階区分手段22によって区分された複数の段階の一例を示す図である。
【
図11】
図1に示す推奨項目記憶手段25に記憶された推奨するシューズ(推奨シューズ)の品目の一例を示す図である。
【
図12】変形例2における推奨トレーニングの種目の選択方法の具体例を概略的に説明する図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、添付図面を適宜参照しつつ、本発明の一実施形態に係る競技能力評価システムについて説明する。本実施形態では、競技がサッカーである場合を例に挙げて説明する。
【0012】
(用語の説明)
最初に、本明細書で使用する主な用語の意味について説明する。
「体力測定の結果の線形和」とは、体力測定の種類が複数の場合には、文字通り、各種類の体力測定の結果の線形和を意味するが、体力測定の種類が単数の場合には、当該種類の体力測定の結果に所定の係数を乗算したものを意味する。
「10m走の時間」とは、スタート地点からゴール地点までの距離が10mである10m走を行ったときのスタート時刻からゴール時刻までの経過時間の他、10mよりも長い距離(例えば、30m)を走行したときのスタート地点から10mの地点までのラップタイムを含む概念である。
「YoYoIR」は、所定時間内に、所定距離(例えば、20m)だけ離れた目印(例えば、コーンやポール)の間を走って往復し、その往復回数を測定する体力測定である。被験者が所定時間内に往復できなくなった時点でその被験者に対する測定は終了し、それまでの往復回数が測定結果とされる。上記の所定時間は、徐々に短くなるように(すなわち、所定距離走るのに必要な走行速度が徐々に早くなるように)設定されている。また、往復する度に、所定の休憩時間(例えば、10sec)が設けられており、この休憩時間には、ジョギング又は歩行してよいことになっている。
「ヘキサゴンテスト」は、地面に描かれた一辺の長さが所定値(例えば、3m)の正六角形の中心に目印(例えば、コーンやポール)を配置し、正六角形の各頂点にセンサを配置して、被験者が各センサを時計回りに順に手でタッチして、最初のセンサにタッチしてから最後のセンサにタッチするまでの時間を測定する体力測定である。あるセンサにタッチしてから、次のセンサにタッチするまでの間に、必ず中央の目印に手でタッチすることが必要とされている。
「ターゲットパス」は、被験者の前方に配置された複数のターゲットにそれぞれランプが取り付けられ、ランダムに点灯したランプが取り付けられているターゲットに向けて、競技に用いるボールを放ち(競技がサッカーの場合には、ターゲットに向けてボールを蹴り)、ターゲットに複数回(例えば、5回)当たるまでの時間を測定する体力測定である。
「評価者」は、被験者が競技を行う場面に頻繁に接する機会を有し、なお且つ、当該競技に関する知識や経験の豊富な人物を意味する。「評価者」としては、例えば、監督、コーチ、トレーナーを挙げることができる。
【0013】
(競技能力評価システム)
以下、本実施形態に係る競技能力評価システムについて説明する。
図1は、本発明の一実施形態に係る競技能力評価システムの概略構成を示す図である。
図1(a)はシステム構成を示す模式図であり、
図1(b)はシステム構成を示すブロック図である。
図1に示すように、本実施形態に係る競技能力評価システム100は、被験者の競技に関する能力を自動的に評価するシステムであって、インターネット等の電気通信回線Nを介して、端末1と双方向通信可能に接続されたサーバ2を備えている。
【0014】
図1(b)に示すように、端末1としては、被験者の体力測定の結果を入力するタッチパネル等の測定結果入力手段11を具備し、電気通信回線Nに無線接続又は有線接続可能で、電気通信回線Nを介して、入力された体力測定の結果をサーバ2に送信可能な構成である限りにおいて、タブレット、スマートフォン、ノート型パーソナルコンピュータなど、種々の端末を採用可能である。
【0015】
サーバ2としては、電気通信回線Nに無線接続又は有線接続可能で、電気通信回線Nを介して、体力測定の結果を端末1から受信可能な構成である限りにおいて、専用サーバや共用サーバ等の物理サーバや、クラウドサーバやVPS等の仮想サーバなど、種々のサーバを採用可能である。
図1(b)に示すように、本実施形態のサーバ2は、測定結果記憶手段21、段階区分手段22、評価値算出手段23、評価結果出力手段24、推奨項目記憶手段25、推奨項目選択手段26及び推奨項目出力手段27を具備する。測定結果記憶手段21及び推奨項目記憶手段25は、サーバ2が具備するROM、RAM等のメモリやハードディスク等によって構成されている。また、段階区分手段22、評価値算出手段23、評価結果出力手段24、推奨項目選択手段26及び推奨項目出力手段27は、サーバ2が具備するCPUと、サーバ2が具備するROM、RAM等のメモリやハードディスク等に記憶され、各手段22、23、24、26、27としての機能を奏するようにCPUを動作させるプログラムと、から構成されている。
【0016】
以下、端末1が具備する測定結果入力手段11、競技能力評価システム100が備えるサーバ2が具備する各手段21~27の構成や動作について、より具体的に説明する。
【0017】
[測定結果入力手段11]
測定結果入力手段11は、評価項目に関連する被験者の体力測定の結果を入力するために用いられる。
図2は、本実施形態で設定される評価項目と、各評価項目に関連する体力測定の種類とを示す図である。
図2に示すように、本実施形態では、評価項目として、パワー、スピード、アジリティ、コーディネーション及びスタミナの5つが設定されている。
本実施形態では、パワーに関連する体力測定の種類として、キックしたボールの球速、カウンタームーブメントジャンプ(CMJ)、スクワットジャンプ(SJ)が設定されている。スピードに関連する体力測定の種類として、10m走、30m走が設定されている。アジリティに関連する体力測定の種類として、ヘキサゴンテストが設定されている。コーディネーションに関連する体力測定の種類として、ターゲットパスが設定されている。スタミナに関連する体力測定の種類として、YoYoIRが設定されている。
また、スピード及びアジリティの双方に関連する体力測定の種類として、S180テストが設定されている。アジリティ及びコーディネーションの双方に関連する体力測定の種類として、ヘキサゴンテスト(ランダム)が設定されている。
さらに、全ての評価項目に共通して関連する体力測定として、体組成(身長、体重、体脂肪率、筋肉量)、握力、背筋力が設定されている。
以下、体組成、握力及び背筋力以外の各体力測定の内容について説明する。
【0018】
<球速>
図3は、球速、カウンタームーブメントジャンプ(CMJ)及びスクワットジャンプ(SJ)の概要を説明する図である。
図3(a)は球速の内容を説明する図であり、
図3(b)はCMJ及びSJの内容を説明する図である。
図3(a)に示すように、球速は、被験者がスピードガンに向けてボールをキックしたときに、スピードガンで測定する。具体的には、スピードガンの前方にネット(図示せず)を配置し、このネットに向けてキックしたボールの球速をスピードガンで測定する。測定は複数回(本実施形態では2回)行い、そのうち最も速いものが球速の測定結果とされる。ただし、これに限るものではなく、平均値を球速の測定結果としてもよい。
【0019】
<CMJ、SJ>
図3(b)に示すように、CMJは、マットスイッチと称される、感圧センサが内蔵されたマット上で被験者がジャンプして行う体力測定である。CMJでは、被験者が腰に手を添えることで上肢の動作を制限し、直立した状態から始めて、下肢を屈曲、伸展させ、被験者の足が離地してから着地するまでの時間(滞空時間)を、マットスイッチで測定する(具体的には、マットスイッチに内蔵された感圧センサがオンからオフになった時点(足が離地した時点)から再びオンになる時点(足が着地する時点)までの時間を測定する)。測定は複数回(本実施形態では2回)行い、そのうち最も長い時間がCMJの測定結果とされる。ただし、これに限るものではなく、平均値をCMJの測定結果としてもよい。
SJは、下肢を屈曲させた状態から始める(すなわち、下肢の反動動作を伴わない)点だけがCMJと異なる。SJについても、測定は複数回(本実施形態では2回)行い、そのうち最も長い時間がSJの測定結果とされる。ただし、これに限るものではなく、平均値をSJの測定結果としてもよい。
【0020】
<10m走、30m走>
図4は、10m走及び30m走の概要を説明する図である。
図4に示すように、30m走では、被験者がスタート地点からゴール地点まで30mの距離を走行したときのスタート時刻からゴール時刻までの経過時間を、ストップウォッチで測定する。本実施形態の10m走については、被験者が30m走を行ったときのスタート地点から10mの地点までのラップタイプをストップウォッチ又は光電センサで測定する。30m走は複数回(本実施形態では2回)行い、そのうち、ゴール時刻までの経過時間の最も短いもの平均値と、10m地点までのラップタイムの最も短いもの平均値とが、それぞれ30m走、10m走の測定結果とされる。ただし、これに限るものではなく、それぞれの平均値をそれぞれ30m走、10m走の測定結果としてもよい。
【0021】
<ヘキサゴンテスト>
図5は、ヘキサゴンテストの概要を説明する図である。
図5に示すように、ヘキサゴンテストは、地面に描かれた一辺の長さが所定値(本実施形態では3m)の正六角形の中心に目印(本実施形態ではコーン)を配置し、正六角形の各頂点にセンサS1~S6を配置して、被験者が各センサS1~S6を時計回りに順に手でタッチして、最初のセンサS1にタッチしてから最後のセンサS6にタッチするまでの時間(経過時間)を測定する体力測定である。あるセンサにタッチしてから、次のセンサにタッチするまでの間(例えば、センサS1にタッチしてから、センサS2にタッチするまでの間や、センサS2にタッチしてから、センサS3にタッチするまでの間)に、必ず中央のコーンに手でタッチすることが必要とされる。センサとしては、例えば、加速度センサや、光学式の近接センサが用いられる。手がセンサにタッチしたか否かは、加速度センサの場合には加速度の変化で、光学式の近接センサの場合には光のオン・オフで、自動的に検出されるため、最初のセンサS1にタッチしてから最後のセンサS6にタッチするまでの時間をタイマー等で計測することにより、ヘキサゴンテストの測定結果である時間を自動的に測定可能である。
【0022】
<S180テスト>
図6は、S180テストの概要を説明する図である。
図6に示すように、S180テストは、地面に複数(本実施形態では6個)のセンサS1~S6を配置し、被験者が、スタート地点に配置されたセンサS1からゴール地点に配置されたセンサS6まで順に手でタッチして、最初のセンサS1にタッチしてから最後のセンサS6にタッチするまでの時間(経過時間)を測定する体力測定である。
図6では、図示の便宜上、全てのセンサS1~S6が一直線上に配置されていないが、実際には全てのセンサS1~S6が一直線上に配置されている。そして、センサS1、S6を除いて、あるセンサにタッチするまでの走行方向と次のセンサにタッチするまでの走行方向とが逆向きとなる(例えば、センサS2にタッチするまでの走行方向は
図6の右向きであるのに対して、センサS3にタッチするまでの走行方向は
図6の左向きである)ように、センサが配置されている。センサとしては、例えば、加速度センサや、光学式の近接センサが用いられる。
【0023】
<ターゲットパス>
図7は、ターゲットパスの概要を説明する図である。
図7に示すように、被験者の前方に配置された複数(本実施形態では3つ)のターゲットのそれぞれに、センサと、ランプ(図示せず)とが取り付けられ、ランダムに点灯したランプが取り付けられているターゲットに向けてボールを蹴り、そのターゲットに複数回(本実施形態では5回)ボールが当たるまでの時間(経過時間)を測定する体力測定である。ターゲットにボールが当たったことはセンサによって検出される。センサとしては、例えば、加速度センサや、光学式の近接センサが用いられる。
【0024】
<ヘキサゴンテスト(ランダム)>
図8は、ヘキサゴンテスト(ランダム)の概要を説明する図である。
図8に示すように、ヘキサゴンテスト(ランダム)は、前述の
図5に示すヘキサゴンテストと同様に、目印(本実施形態ではコーン)と、センサS1~S6とを配置するものの、センサS1~S6の各近傍にそれぞれランプ(図示せず)を取り付け、ランダムに点灯したランプ近傍のセンサ(
図8に示す例では、センサS6近傍のランプが点灯している)を被験者が順に手でタッチして、最初の1つ目のセンサにタッチしてから最後の6つ目のセンサにタッチするまでの時間(経過時間)を測定する体力測定である。あるセンサにタッチしてから、次のセンサにタッチするまでの間に、必ず中央のコーンに手でタッチすることが必要とされる。センサとしては、例えば、加速度センサや、光学式の近接センサが用いられる。
【0025】
<YoYoIR>
図9は、YoYoIRの概要を説明する図である。
図9に示すように、YoYoIRは、所定時間内に、所定距離(本実施形態では20m)だけ離れた目印(本実施形態ではコーンC1、C2)の間を走って往復し、その往復回数を測定する体力測定である。被験者が所定時間内に往復できなくなった時点でその被験者に対する測定は終了し、それまでの往復回数が測定結果とされる。上記の所定時間は、徐々に短くなるように(すなわち、所定距離走るのに必要な走行速度が徐々に早くなるように)設定されている。また、往復する度に、所定の休憩時間(本実施形態では10sec)が設けられており、この休憩時間には、コーンC1、C3の間をジョギング又は歩行してよいことになっている。
【0026】
以上に述べた体力測定の結果は、測定結果入力手段11によって端末1に入力され、端末1から電気通信回線Nを介してサーバ2に送信(入力)される。
【0027】
[測定結果記憶手段21]
測定結果記憶手段21には、端末1から電気通信回線Nを介して入力された被験者の体力測定の結果が記憶される。
【0028】
[段階区分手段22]
段階区分手段22は、測定結果記憶手段21に記憶された複数の被験者の体力測定の結果の平均値ave及び標準偏差σを算出する。体力測定の結果の平均値ave及び標準偏差σを算出する複数の被験者としては、例えば、同じサッカーチームの選手が選択される。ただし、これに限るものではなく、体力測定を行った全ての選手を選択してもよい。そして、段階区分手段22は、算出した平均値ave及び標準偏差σに基づき、被験者毎の体力測定の結果を複数の段階(本実施形態では10段階)に区分する。
図10は、段階区分手段22によって区分された複数の段階の一例を示す図である。
図10に示す例では、体力測定の結果Xがave-0.5σ≦X<aveの範囲に属する場合を段階5としている。そして、体力測定の結果Xが段階5の範囲よりも0.5σ分だけ小さい範囲に属する場合(すなわち、ave-1.0σ≦X<ave-0.5σの範囲に属する場合)を段階4とし、更に0.5σ分だけ小さい範囲に属する場合(すなわち、ave-1.5σ≦X<ave-1.0σの範囲に属する場合)を段階3としている。以下、同様にして、体力測定の結果Xの属する範囲が0.5σ分だけ小さくなる毎に段階を下げている。一方、体力測定の結果Xが段階5の範囲よりも0.5σ分だけ大きい範囲に属する場合(すなわち、ave≦X<ave+0.5σの範囲に属する場合)を段階6とし、更に0.5σ分だけ大きい範囲に属する場合(すなわち、ave+0.5σ≦X<ave+1.0σの範囲に属する場合)を段階7としている。以下、同様にして、体力測定の結果Xの属する範囲が0.5σ分だけ大きくなる毎に段階を上げている。例えば、複数の被験者の背筋力の測定結果の平均値aveがX
1、標準偏差σがX
2で、ある被験者の背筋力の測定結果XがX
1-1.0X
2≦X<X
1-0.5X
2であった場合、
図10に示す例では、段階4に区分されることになる。
【0029】
[評価値算出手段23]
評価値算出手段23は、入力された被験者の体力測定の結果の線形和によって、評価項目毎に評価値を算出する。具体的には、評価値算出手段23は、段階区分手段22によって区分された被験者の段階の線形和によって、評価項目毎に評価値を算出する。
以下に示す各式は、評価値算出手段23が各評価項目の評価値を算出するための計算式の一例を示す。
【数1】
上記の各式において、[ ]で示す項は段階を意味し、例えば、[背筋力]には、被験者の背筋力の測定結果を段階で表した数値(本実施形態では1~10の整数)が入ることになる。評価値算出手段23には、各式の右辺の係数(線形和の係数)a
1~a
3、b
1~b
3、c
1~c
3、d
1、d
2、e
1が予め記憶されており、評価値算出手段23は、段階区分手段22によって区分された各体力測定の結果の段階と、予め記憶された線形和の係数とを用いて、上記の各式によって、各評価項目の評価値を算出する。例えば、背筋力の段階が3、球速の段階が6、CMJの段階が4であるとすれば、パワーの評価値は、a
1×3+a
2×6+a
3×4として算出される。算出結果が整数ではなく小数点以下の値を有する場合には、必要に応じて小数点1桁を四捨五入して整数にしたものを算出結果としてもよい。
なお、本実施形態では、上記の各式における線形和の係数の合計値はいずれも1となっている。すなわち、a
1+a
2+a
3=b
1+b
2+b
3=c
1+c
2+c
3=d
1+d
2=e
1=1となっているため、各評価項目の評価値も、体力測定の結果の段階と同様に、1~10の値(小数点1桁を四捨五入する場合には、1~10の整数)として算出される。
【0030】
評価値算出手段23で用いられる線形和の係数は、複数の被験者について、被験者が所属するサッカーチームの監督、コーチ、トレーナー等の評価者が評価した被験者の評価項目毎の評価値を目的変数とし、被験者の体力測定の結果(段階)を説明変数とする、回帰分析(重回帰分析)によって決定され、評価値算出手段23に記憶されている。本実施形態では、何れの評価項目についても、説明変数として、
図2を参照して前述した全ての体力測定の結果(段階)を用いて回帰分析を行い、算出された係数の値が大きくなった体力測定の結果(段階)だけを、各評価項目の評価値を算出するための前述の計算式に用いている。この際、各式における線形和の係数の合計値がいずれも1となるように、回帰分析によって算出された係数の値を微調整している。
以上のようにして線形和の係数を決定することにより、被験者の体力測定の結果(段階)の線形和によって算出される各評価項目の評価値が、評価者が評価する場合の評価値に近似した適切な値になることが期待できる。
【0031】
なお、前述の計算式では、被験者の体力測定の結果が何れも同じ数値範囲(1~10の整数)の段階で表されているため、各段階に乗算される係数の値は、各評価項目に対するその段階で表された体力測定の結果の寄与度を表しているといえる。パワーの場合、a
1、a
2、a
3の順に値が大きくなっている。このため、値の最も大きな係数a
1が乗算される背筋力が、パワーを適切に評価する上で、最も寄与度の高い体力測定であるといえる。このため、
図2を参照して前述した全ての体力測定を実行できない場合であっても、パワーを適切に評価する上では、少なくとも背筋力を測定することが好ましいといえる。同様に、スピードの場合、b
1、b
2、b
3の順に値が大きくなっている。このため、スピードを適切に評価する上では、少なくとも10m走の時間を測定することが好ましいといえる。同様に、アジリティの場合、c
1、c
2、c
3の順に値が大きくなっている。このため、アジリティを適切に評価する上では、少なくともヘキサゴンテストの時間を測定することが好ましいといえる。同様に、コーディネーションの場合、d
1、d
2の順に値が大きくなっている。このため、コーディネーションを適切に評価する上では、少なくともターゲットパスの時間を測定することが好ましいといえる。スタミナについては、e
1のみであるため、スタミナを適切に評価する上では、少なくともYoYoIRの往復回数を測定することが好ましいといえる。
【0032】
[評価結果出力手段24]
評価結果出力手段24は、評価値算出手段23によって算出された評価項目毎の評価値を被験者の競技(本実施形態ではサッカー)に関する能力の評価結果として出力する。具体的には、評価結果出力手段24は、評価結果を、電気通信回線Nを介して、被験者の体力測定の結果を入力した端末1に送信する。
なお、評価結果出力手段24は、端末1への送信に限るものではなく、電気通信回線Nに接続された別の端末に評価結果を送信するように構成してもよいし、サーバ2が具備するモニタに評価結果を表示したり、サーバ2に接続されたプリンタ等から評価結果を印刷するように構成することも可能である。
【0033】
[推奨項目記憶手段25]
推奨項目記憶手段25には、評価値が高位又は低位である1つ以上(本実施形態では2つ)の評価項目に紐付けられて、推奨するシューズの品目(本実施形態では型番)が記憶されている。
図11は、推奨項目記憶手段25に記憶された推奨するシューズ(推奨シューズ)の品目の一例を示す図である。
図11に示す例は、評価値が高位(第1位又は第2位)である評価項目に紐付けられた推奨シューズの品目である。図示を省略するが、本実施形態の推奨項目記憶手段25には、評価値が低位(第4位又は第5位)である評価項目に紐付けられた推奨シューズの品目も記憶されている。
また、図示を省略するが、本実施形態の推奨項目記憶手段25には、評価値が高位又は低位である1つ以上(本実施形態では2つ)の評価項目に紐付けられて、推奨するトレーニング(推奨トレーニング)の種目が記憶されている。
なお、本明細書では、推奨シューズの品目及び推奨トレーニングの種類を総称して、適宜、「推奨項目」と称する。
【0034】
[推奨項目選択手段26]
推奨項目選択手段26は、評価値算出手段23が算出した評価項目毎の評価値のうち、評価値が高位又は低位である1つ以上(本実施形態では2つ)の評価項目に紐付けられて推奨項目記憶手段25に記憶された推奨シューズの品目を選択する。例えば、
図11に示す例では、評価値算出手段23が算出した評価値の第1位がパワーで、第2位がスピードである場合、或いは、第1位がスピードで、第2位がパワーである場合、推奨項目選択手段26は、推奨シューズとして、「シューズA」を選択することになる。
評価値が低位(第4位又は第5位)である評価項目に紐付けられた推奨シューズの品目を選択する場合、評価値が高位(第1位又は第2位)である評価項目に紐付けられた推奨トレーニングの種目を選択する場合、評価値が低位(第4位又は第5位)である評価項目に紐付けられた推奨トレーニングの種目を選択する場合も同様である。
【0035】
[推奨項目出力手段27]
推奨項目出力手段27は、推奨項目選択手段26によって選択された推奨項目を出力する。具体的には、推奨項目出力手段27は、推奨項目を、電気通信回線Nを介して、被験者の体力測定の結果を入力した端末1に送信する。この際、推奨項目記憶手段25に、各推奨項目の特徴や推奨する理由等も高位又は低位の評価項目に紐付けて予め記憶しておき、推奨項目と纏めて送信することが好ましい。また、評価結果出力手段24から出力された評価結果と纏めて送信することが好ましい。
なお、推奨項目出力手段27は、端末1への送信に限るものではなく、電気通信回線Nに接続された別の端末に推奨項目を送信するように構成してもよいし、サーバ2が具備するモニタに推奨項目を表示したり、サーバ2に接続されたプリンタ等から推奨項目を印刷するように構成することも可能である。
【0036】
以上に説明した本実施形態に係る競技能力評価システム100によれば、サーバ2(評価値算出手段23)が5つの評価項目毎の評価値を、評価項目に関連する被験者の体力測定の結果の線形和によって算出するため、被験者の競技能力を適切に評価できる。また、端末1からサーバ2に対して体力測定の結果を入力するだけで、サーバ2が評価項目毎の評価値を算出するため、監督等が不在であっても、被験者の競技能力を自動的に評価できる。
また、本実施形態に係る競技能力評価システム100によれば、サーバ2(推奨項目選択手段26、推奨項目出力手段27)が、被験者について算出した評価項目毎の評価値のうち、評価値が高位又は低位である2つの評価項目に紐付けられた推奨項目を選択し、被験者に対して推奨する推奨項目として出力するため、被験者は、自らの競技能力を高めるために適切なシューズやトレーニングを選択する上で有益な情報を知ることができる。
なお、本実施形態では、評価項目として、パワー、スピード、アジリティ、コーディネーション及びスタミナの5つが設定されており、競技が本実施形態で例示したサッカー等の球技である場合において、被験者の競技能力を適切に評価できる点で好ましい。ただし、本発明はこれに限るものではなく、競技能力の地盤となる基礎体力に関わるパワー、スピード及びスタミナの3つを少なくとも評価項目とし、評価項目毎の評価値を、評価項目に関連する被験者の体力測定の結果の線形和によって算出する構成を採用することも可能である。
【0037】
また、本実施形態では、推奨項目選択手段26が、
図11に示すように、評価値が高位又は低位である2つの評価項目に紐付けられて推奨項目記憶手段25に記憶された推奨項目を選択し、推奨項目出力手段27が、被験者に対して推奨する推奨項目として出力する態様について説明したが、本発明はこれに限るものではなく、以下に述べる変形例1、2のような態様を採用することも可能である。
【0038】
<変形例1>
変形例1では、サーバ2が、推奨シューズの品目を出力する被験者とは別の他の被験者の競技のポジションと、他の被験者の履いたシューズである推奨前シューズの品目と、他の被験者が推奨前シューズを履いたときの体力測定の結果から算出された最高位(第1位)又は最低位(本実施形態では第5位)の評価値と、評価値が最高位又は最低位である評価項目に紐付けられ、他の被験者に対して推奨されたシューズである推奨シューズの品目と、他の被験者が推奨シューズを履いたときの体力測定の結果から算出された最高位又は最低位の評価値と、が関連付けられたデータが、複数の他の被験者について記憶されたデータベースを有する構成を採用する。
また、サーバ2には、端末1から、被験者の競技のポジションと、被験者の体力測定の結果が入力される構成を採用する。
そして、サーバ2(評価値算出手段23)は、前述と同様に、端末1から入力された被験者の体力測定の結果に基づき、評価項目毎に評価値を算出する。次に、サーバ2(推奨項目選択手段26)は、前記データベースのうち、被験者の競技のポジションと、評価値が最高位又は最低位である評価項目とが合致する、他の被験者のデータを選択する。また、サーバ2(推奨項目選択手段26)は、選択した他の被験者のデータのうち、他の被験者が推奨前シューズを履いたときの体力測定の結果から算出された最高位又は最低位の評価値よりも、他の被験者が推奨シューズを履いたときの体力測定の結果から算出された最高位又は最低位の評価値が大きい場合の推奨シューズの品目を選択する。最後に、サーバ2(推奨項目出力手段27)は、選択した推奨シューズの品目を被験者に対して推奨するシューズの品目として出力する。
以上に述べた変形例1の態様によれば、被験者と同じ特性を有する(競技のポジションや、評価値が最高位又は最低位である評価項目が被験者と同じである)他の被験者が履くことによって実際に評価値が大きくなった推奨シューズの品目を、被験者に対して推奨するシューズの品目として出力するため、被験者は、自らの競技能力を高めるために適切なシューズを選択する上で極めて有益な情報を知ることができる。
【0039】
<変形例2>
変形例2では、サーバ2(推奨項目記憶手段25)に、スピードの評価値が最高位又は最低位である場合に、スピードに紐付けられて、なお且つ、10m走の時間と30m走の時間との相関関係からのずれに応じて分類された、推奨トレーニングの種目が記憶される。そして、サーバ2(評価値算出手段23)は、前述と同様に、端末1から入力された被験者の体力測定の結果に基づき、スピードの評価値を算出する。次に、サーバ2(推奨項目選択手段26)は、スピードの評価値が最高位又は最低位である場合に、スピードに紐付けられてサーバ2(推奨項目記憶手段25)に記憶された推奨トレーニングの種目のうち、被験者の10m走の時間と30m走の時間との相関関係からのずれに応じた推奨トレーニングの種目を選択する。最後に、サーバ2(推奨項目出力手段27)は、選択した推奨トレーニングの種目を被験者に対して推奨するトレーニングの種類として出力する。以下、変形例2について、より具体的に説明する。
【0040】
図12は、変形例2における推奨トレーニングの種目の選択方法の具体例を概略的に説明する図である。
複数の被験者が10m走及び30m走を行った場合、
図12に示すように、10m走の時間を横軸(X軸)にし、30m走の時間を縦軸(Y軸)にして、測定した10m走の時間及び30m走の時間をプロットすると、10m走の時間と30m走の時間とは、破線で示す線形の相関関係(近似直線Y=aX+bで表される相関関係)を有するのが一般的である。この近似直線Y=aX+bは、例えば、複数の被験者の10m走の時間と30m走の時間との関係を最小二乗法等の近似法を用いて直線近似することによって得られる。なお、
図12に示す例では、近似直線Y=aX+bを得るのに用いた複数の被験者について測定した30m走の時間の標準偏差をσ
yとした場合に、aX+b-σ
y≦Y≦aX+b+σ
yを満たす領域(
図12においてハッチングを施した領域B)を近似直線Y=aX+bの近傍と定義している。
そして、ある被験者について測定した10m走の時間及び30m走の時間が近似直線Y=ax+bの近傍にプロットされる(ハッチングを施した領域B内にプロットされる)のであれば、その被験者はスピードに関して一般的な能力を有すると評価できる。10m走の時間及び30m走の時間が近似直線Y=ax+bの近傍よりも上方にプロットされる(
図12に示す領域Aにプロットされる)のであれば、その被験者はトップスピードに至るまでに掛かる時間が短いと評価できる。
図12に「〇」で示すように、10m走の時間及び30m走の時間が近似直線Y=aX+bの近傍よりも下方にプロットされる(
図12に示す領域Cにプロットされる)のであれば、その被験者はトップスピードに至るまでに掛かる時間が長いと評価できる。このため、被験者がこれらのうちの何れのタイプに該当するかに応じて、推奨するトレーニングの種目を変えれば、被験者が適切なトレーニングを選択する上で、より有益になると考えられる。
【0041】
変形例2では、サーバ2(推奨項目記憶手段25)に、10m走の時間と30m走の時間との相関関係からのずれに応じて(具体的には、
図12に示す領域A~Cの何れの領域であるかに応じて)分類された、推奨トレーニングの種目が記憶される。例えば、トップスピードに至るまでに掛かる時間が長いと評価できる領域Cに対しては、瞬発系のトレーニングの種目を推奨トレーニングの種目として記憶すること等が考えられる。そして、サーバ2(推奨項目選択手段26)が、被験者の10m走の時間と30m走の時間との相関関係からのずれに応じた(被験者の10m走の時間及び30m走の時間が領域A~Cの何れの領域にプロットされるかに応じた)推奨トレーニングの種目を選択し、サーバ2(推奨項目出力手段27)が被験者に対して推奨するトレーニングの種目として出力する。このため、被験者は、自らの競技能力を高めるために適切なトレーニングを選択する上でより有益な情報を知ることができる。
【0042】
(本開示のまとめ)
以上をまとめると、本発明は、以下の[1]~[10]の事項に関する。
[1]被験者の競技に関する能力を評価する競技能力評価システムであって、少なくともパワー、スピード及びスタミナの3つを評価項目とし、前記評価項目に関連する前記被験者の体力測定の結果が端末から入力されるサーバを備え、前記サーバは、入力された前記被験者の前記体力測定の結果の線形和によって、前記評価項目毎に評価値を算出し、算出した前記評価項目毎の前記評価値を前記被験者の競技に関する能力の評価結果として出力する、競技能力評価システム。
上記[1]によれば、競技能力の地盤となる基礎体力に関わるパワー、スピード及びスタミナの3つを少なくとも評価項目とし、評価項目毎の評価値を、評価項目に関連する被験者の体力測定の結果の線形和によって算出するため、被験者の競技能力を適切に評価できる。また、端末からサーバに対して体力測定の結果を入力するだけで、サーバが評価項目毎の評価値を算出するため、監督等が不在であっても、被験者の競技能力を自動的に評価できる。
【0043】
[2]前記評価項目として、アジリティ及びコーディネーションのうちの少なくとも何れか一方が更に含まれる、[1]に記載の競技能力評価システム。
上記の[2]によれば、競技がサッカー等の球技である場合等において、被験者の競技能力や、適切なタイミングで適切な強さのボールのパスを狙ったところに正確に出す能力等を適切に評価できる。
【0044】
[3]前記パワーに関連する体力測定として、少なくとも背筋力が測定され、前記スピードに関連する体力測定として、少なくとも10m走の時間が測定され、前記スタミナに関連する体力測定として、少なくともYoYoIRの往復回数が測定され、前記サーバには、前記端末から前記被験者の前記体力測定の結果が入力される、[1]又は[2]に記載の競技能力評価システム。
本発明者らの知見によれば、パワーの適切な評価値を算出する上で、最も影響の大きな体力測定は背筋力である。また、スピードの適切な評価値を算出する上で、最も影響の大きな体力測定は10m走である。さらに、スタミナの適切な評価値を算出する上で、最も影響の大きな体力測定はYoYoIRである。
このため、上記の[3]によれば、被験者のパワー、スピード及びスタミナの評価値を適切に算出でき、ひいては、被験者の競技能力を適切に評価できる。
【0045】
[4]前記アジリティに関連する体力測定として、少なくともヘキサゴンテストの時間が測定され、前記コーディネーションに関連する体力測定として、少なくともターゲットパスの時間が測定され、前記サーバには、前記端末から前記被験者の前記体力測定の結果が入力される、[2]に記載の競技能力評価システム。
本発明者らの知見によれば、アジリティの適切な評価値を算出する上で、最も影響の大きな体力測定はヘキサゴンテストである。また、コーディネーションの適切な評価値を算出する上で、最も影響の大きな体力測定はターゲットパスである。
このため、上記の[4]によれば、被験者のアジリティ及びコーディネーションの評価値を適切に算出でき、ひいては、被験者の競技能力を適切に評価できる。
【0046】
[5]前記サーバは、入力された複数の前記被験者の前記体力測定の結果の平均値及び標準偏差を算出し、算出した前記平均値及び前記標準偏差に基づき、前記被験者毎の前記体力測定の結果を複数の段階に区分し、前記被験者毎の前記段階の線形和によって、前記評価項目毎に前記評価値を算出し、算出した前記評価項目毎の前記評価値を前記被験者の競技に関する能力の評価結果として出力する、[1]から[4]の何れかに記載の競技能力評価システム。
上記の[5]によれば、各被験者の体力測定の結果が、複数の被験者の体力測定の結果の平均値及び標準偏差に基づき、複数の段階(例えば、10段階)に区分される。このため、種類の異なる(単位の異なる)体力測定の結果を、区分された段階によって、同等に取り扱うことができ、各評価項目に対する各体力測定の影響(寄与度)を適切に評価できる。また、複数の被験者を年代別(例えば、小学生、中学生、高校生)に分類し、年代毎の体力測定の結果の平均値及び標準偏差に基づき、年代毎に複数の段階に区分することも可能である。このように、年代毎に複数の段階に区分することで、幅広い年代の被験者の競技能力を適切に評価できる。
【0047】
[6]前記線形和の係数は、複数の前記被験者について、評価者が評価した前記被験者の前記評価項目毎の評価値を目的変数とし、前記被験者の前記体力測定の結果を説明変数とする、回帰分析によって決定されている、[1]から[5]の何れかに記載の競技能力評価システム。
上記の[6]によれば、線形和の係数が、評価者が評価した被験者の評価項目毎の評価値を目的変数とし、被験者の体力測定の結果を説明変数とする、回帰分析によって決定されている。このため、被験者の体力測定の結果の線形和によって算出される評価項目毎の評価値が、評価者が評価する場合の評価値に近似した適切な値になることが期待できる。
【0048】
[7]前記サーバには、前記評価値が高位又は低位である1つ以上の前記評価項目に紐付けられて、推奨するシューズの品目が記憶されており、前記サーバは、算出した前記評価項目毎の前記評価値のうち、前記評価値が高位又は低位である1つ以上の前記評価項目に紐付けられた前記シューズの品目を選択し、前記被験者に対して推奨するシューズの品目として出力する、[1]から[6]の何れかに記載の競技能力評価システム。
上記の[7]において、推奨するシューズの品目に紐付けられる評価項目が1つの場合には、「評価値が高位又は低位である」とは、最も値が大きな又は最も値が小さな評価値(最高位又は最低位の評価値)であることを意味する。また、推奨するシューズの品目に紐付けられる評価項目が複数(N個)の場合、「評価値が高位又は低位である」とは、値が最も大きなものから降順にN個の評価値又は値が最も小さなものから昇順にN個の評価値であることを意味する。さらに、「評価値が高位又は低位である・・・評価項目に紐付けられて、推奨するシューズの品目が記憶されて」いるとは、評価値が高位である評価項目に紐付けられた品目のみが記憶されている場合、評価値が低位である評価項目に紐付けられた品目のみが記憶されている場合、及び、評価値が高位である評価項目に紐付けられた品目と評価値が低位である評価項目に紐付けられた品目との双方が記憶されている場合、のいずれの場合も含む概念である。
上記の[7]によれば、評価値が高位又は低位である1つ以上の評価項目に紐付けられた、推奨するシューズの品目(例えば、シューズの型番)が記憶されている。評価値が高位である評価項目に紐付けられるシューズの品目としては、例えば、当該評価項目を更に向上させる機能を有するシューズの品目が挙げられる。また、評価値が低位である評価項目に紐付けられるシューズの品目としては、例えば、当該評価項目の欠点を補う機能を有するシューズの品目が挙げられる。そして、上記の好ましい構成によれば、サーバが、被験者について算出した評価項目毎の評価値のうち、評価値が高位又は低位である1つ以上の評価項目に紐付けられたシューズの品目を選択し、被験者に対して推奨するシューズの品目として出力するため、被験者は、自らの競技能力を高めるために適切なシューズを選択する上で有益な情報を知ることができる。
【0049】
[8]前記サーバには、前記評価値が高位又は低位である1つ以上の前記評価項目に紐付けられて、推奨するトレーニングの種目が記憶されており、前記サーバは、算出した前記評価項目毎の前記評価値のうち、前記評価値が高位又は低位である1つ以上の前記評価項目に紐付けられた前記トレーニングの種目を選択し、前記被験者に対して推奨するトレーニングの種目として出力する、[1]から[7]の何れかに記載の競技能力評価システム。
上記の[8]において、推奨するトレーニングの種目に紐付けられる評価項目が1つの場合には、「評価値が高位又は低位である」とは、最も値が大きな又は最も値が小さな評価値(最高位又は最低位の評価値)であることを意味する。また、推奨するトレーニングの品目に紐付けられる評価項目が複数(N個)の場合、「評価値が高位又は低位である」とは、値が最も大きなものから降順にN個の評価値又は値が最も小さなものから昇順にN個の評価値であることを意味する。さらに、「評価値が高位又は低位である・・・評価項目に紐付けられて、推奨するトレーニングの種目が記憶されて」いるとは、評価値が高位である評価項目に紐付けられた種目のみが記憶されている場合、評価値が低位である評価項目に紐付けられた種目のみが記憶されている場合、及び、評価値が高位である評価項目に紐付けられた種目と評価値が低位である評価項目に紐付けられた種目との双方が記憶されている場合、のいずれの場合も含む概念である。
上記の[8]によれば、評価値が高位又は低位である1つ以上の評価項目に紐付けられた、推奨するトレーニングの種目が記憶されている。評価値が高位である評価項目に紐付けられるトレーニングの種目としては、例えば、当該評価項目を更に向上させる目的を有するトレーニングの種目が挙げられる。また、評価値が低位である評価項目に紐付けられるトレーニングの種目としては、例えば、当該評価項目を向上させる目的を有するトレーニングの種目が挙げられる。例えば、評価値が低位であるパワーに筋力トレーニングを紐付けたり、評価値が低位であるアジリティの場合にステッピングを紐付けること等が考えられる。そして、上記の好ましい構成によれば、サーバが、被験者について算出した評価項目毎の評価値のうち、評価値が高位又は低位である1つ以上の評価項目に紐付けられたトレーニングの種目を選択し、被験者に対して推奨するトレーニングの種目として出力するため、被験者は、自らの競技能力を高めるために適切なトレーニングを選択する上で有益な情報を知ることができる。
【0050】
[9]前記サーバは、前記被験者とは別の他の被験者の競技のポジションと、前記他の被験者の履いたシューズである推奨前シューズの品目と、前記他の被験者が前記推奨前シューズを履いたときの前記体力測定の結果から算出された最高位又は最低位の前記評価値と、前記評価値が最高位又は最低位である前記評価項目に紐付けられ、前記他の被験者に対して推奨されたシューズである推奨シューズの品目と、前記他の被験者が前記推奨シューズを履いたときの前記体力測定の結果から算出された最高位又は最低位の前記評価値と、が関連付けられたデータが、複数の前記他の被験者について記憶されたデータベースを有し、前記サーバには、前記端末から、前記被験者の競技のポジションと、前記被験者の前記体力測定の結果が入力され、前記サーバは、前記被験者の前記体力測定の結果に基づき、前記評価項目毎に前記評価値を算出し、前記データベースのうち、前記被験者の競技のポジションと、前記評価値が最高位又は最低位である前記評価項目とが合致する、前記他の被験者のデータを選択し、選択した前記他の被験者のデータのうち、前記他の被験者が前記推奨前シューズを履いたときの前記体力測定の結果から算出された最高位又は最低位の前記評価値よりも、前記他の被験者が前記推奨シューズを履いたときの前記体力測定の結果から算出された最高位又は最低位の前記評価値が大きい場合の前記推奨シューズの品目を、前記被験者に対して推奨するシューズの品目として出力する、[7]に記載の競技能力評価システム。
上記の[9]のサーバは、競技のポジションと、推奨前シューズの品目と、推奨前シューズを履いたときの最高位又は最低位の評価値と、評価値が最高位又は最低位である評価項目に紐付けられた推奨シューズの品目と、推奨シューズを履いたときの最高位又は最低位の評価値と、が関連付けられたデータが、複数の他の被験者について記憶されたデータベースを有する。そして、サーバは、まず、データベースのうち、被験者の競技のポジションと、評価値が最高位又は最低位である評価項目とが合致する、他の被験者のデータを選択する。具体的には、例えば、被験者の競技のポジションがサッカーのフォワードであり、評価値が最低位の評価項目がスピードである場合、サーバは、データベースのうち、競技のポジションがフォワードで、推奨シューズの品目に紐付けられた最低位の評価項目がスピードである他の被験者のデータを選択する。
次に、サーバは、選択した他の被験者のデータのうち、他の被験者が推奨前シューズを履いたときの最高位又は最低位の評価値よりも、他の被験者が推奨シューズを履いたときの最高位又は最低位の評価値が大きい場合の推奨シューズの品目を、被験者に対して推奨するシューズの品目として出力する。すなわち、サーバは、選択した他の被験者が推奨シューズを履くことによって、推奨前シューズを履いたときよりも評価値が大きくなった推奨シューズの品目を、競技のポジションや、評価値が最高位又は最低位である評価項目が、選択した他の被験者と合致する被験者(換言すれば、選択した他の被験者と同じ特性を有する被験者)に対して推奨する。
上記の[9]によれば、被験者と同じ特性を有する他の被験者が履くことによって実際に評価値が大きくなったシューズの品目を、被験者に対して推奨するシューズの品目として出力するため、被験者は、自らの競技能力を高めるために適切なシューズを選択する上で極めて有益な情報を知ることができる。
【0051】
[10]前記スピードに関連する体力測定として、少なくとも10m走の時間及び30m走の時間が測定され、前記サーバには、前記スピードの前記評価値が最高位又は最低位である場合に、前記スピードに紐付けられて、なお且つ、前記10m走の時間と前記30m走の時間との相関関係からのずれに応じて分類された、推奨するトレーニングの種目が記憶されており、前記サーバは、前記端末から入力された前記被験者の前記体力測定の結果に基づき、前記スピードの前記評価値を算出し、前記スピードの前記評価値が最高位又は最低位である場合に、前記スピードに紐付けられた前記トレーニングの種目のうち、前記被験者の前記10m走の時間と前記30m走の時間との相関関係からのずれに応じた前記トレーニングの種目を選択し、前記被験者に対して推奨するトレーニングの種目として出力する、[8]に記載の競技能力評価システム。
複数の被験者が10m走(30m走で10mを通過する場合を含む)及び30m走を行った場合、例えば、10m走の時間を横軸にし、30m走の時間を縦軸にして、測定した10m走の時間及び30m走の時間をプロットすると、10m走の時間と30m走の時間とは、線形の相関関係(近似直線で表される相関関係)を有するのが一般的である。
そして、ある被験者について測定した10m走の時間及び30m走の時間が上記の相関関係を表す近似直線の近傍にプロットされるのであれば、その被験者はスピードに関して一般的な能力を有すると評価できる。10m走の時間及び30m走の時間が上記の相関関係を表す近似直線の近傍よりも上方にプロットされるのであれば、その被験者はトップスピードに至るまでに掛かる時間が短いと評価できる。10m走の時間及び30m走の時間が上記の相関関係を表す近似直線の近傍よりも下方にプロットされるのであれば、その被験者はトップスピードに至るまでに掛かる時間が長いと評価できる。このため、被験者がこれらのうちの何れのタイプに該当するかに応じて、推奨するトレーニングの種目を変えれば、被験者が適切なトレーニングを選択する上で、より有益になると考えられる。
上記の[10]によれば、サーバには、10m走の時間と30m走の時間との相関関係からのずれに応じて分類された、推奨するトレーニングの種目が記憶されており、サーバが、被験者の10m走の時間と30m走の時間との相関関係からのずれに応じたトレーニングの種目を選択し、被験者に対して推奨するトレーニングの種目として出力するため、被験者は、自らの競技能力を高めるために適切なトレーニングを選択する上でより有益な情報を知ることができる。
【符号の説明】
【0052】
1・・・端末
2・・・サーバ
11・・・測定結果入力手段
21・・・測定結果記憶手段
22・・・段階区分手段
23・・・評価値算出手段
24・・・評価結果出力手段
25・・・推奨項目記憶手段
26・・・推奨項目選択手段
27・・・推奨項目出力手段
100・・・競技能力評価システム
N・・・電気通信回線