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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024061214
(43)【公開日】2024-05-07
(54)【発明の名称】作業車両
(51)【国際特許分類】
   A01C 11/02 20060101AFI20240425BHJP
   B60L 50/60 20190101ALI20240425BHJP
   B60L 50/16 20190101ALI20240425BHJP
   B60L 1/00 20060101ALI20240425BHJP
   B60K 6/442 20071001ALI20240425BHJP
【FI】
A01C11/02 313C
A01C11/02 311T
A01C11/02 350F
A01C11/02 350Z
A01C11/02 350M
B60L50/60
B60L50/16
B60L1/00 L
B60K6/442 ZHV
【審査請求】有
【請求項の数】7
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022169011
(22)【出願日】2022-10-21
(71)【出願人】
【識別番号】000000125
【氏名又は名称】井関農機株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100092794
【弁理士】
【氏名又は名称】松田 正道
(72)【発明者】
【氏名】堀田 直岐
(72)【発明者】
【氏名】山田 佳菜子
(72)【発明者】
【氏名】山下 英希
(72)【発明者】
【氏名】東 靖之
(72)【発明者】
【氏名】山崎 仁史
【テーマコード(参考)】
2B062
2B064
3D202
5H125
【Fターム(参考)】
2B062AA10
2B062AB01
2B062AB07
2B062BA01
2B062BA04
2B062BA12
2B062BA26
2B062BA28
2B064AA05
2B064AA07
2B064AB01
2B064AC01
2B064BA26
2B064BB06
2B064DB11
2B064DC02
3D202AA02
3D202EE17
5H125AA01
5H125AB01
5H125AC08
5H125AC12
5H125BA09
5H125BC29
5H125BD17
5H125CB02
5H125CD02
(57)【要約】
【課題】 従来の田植え機のような作業車両については、便利な機能を利用するときの使い勝手が必ずしもよくないことに本発明者は気付いた。
【解決手段】 エンジン210と、エンジン210のスターターとして機能する統合型スタータージェネレーター510と、高電圧のための高電圧バッテリー520と、高電圧より低い低電圧のための低電圧バッテリー530と、作業機900と、を備えており、統合型スタータージェネレーター510は、エンジン210の駆動で発電することにより、高電圧バッテリー520、および低電圧バッテリー530を充電し、作業機900は、高電圧バッテリー520を利用して駆動される田植え機である。
【選択図】 図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
エンジン(210)と、
前記エンジン(210)のスターターとして機能する統合型スタータージェネレーター(510)と、
高電圧のための高電圧バッテリー(520)と、
前記高電圧より低い低電圧のための低電圧バッテリー(530)と、
作業機(900)と、
を備えており、
前記統合型スタータージェネレーター(510)は、前記エンジン(210)の駆動で発電することにより、前記高電圧バッテリー(520)、および前記低電圧バッテリー(530)を充電し、
前記作業機(900)は、前記高電圧バッテリー(520)を利用して駆動されることを特徴とする作業車両。
【請求項2】
前記エンジン(210)により駆動される後輪(222)を備えており、
前記統合型スタータージェネレーター(510)は、モーターとして機能して前記エンジン(210)と協働することにより、前記後輪(222)を駆動することを特徴とする請求項1に記載の作業車両。
【請求項3】
前記高電圧バッテリー(520)を利用して前記後輪(222)を駆動する走行モーター(550)を備えており、
前記走行モーター(550)は、ジェネレーターとしても機能し、前記後輪(222)の駆動で発電することにより、前記高電圧バッテリー(520)を充電することを特徴とする請求項2に記載の作業車両。
【請求項4】
前記作業機(900)は、苗植付け装置(240)を有し、
前記苗植付け装置(240)の苗取り量調節機構(700)のモニター(701)は、前記低電圧バッテリー(530)を利用して駆動されることを特徴とする請求項3に記載の作業車両。
【請求項5】
前記苗植付け装置(240)は、
車体左右方向において移動可能である苗マット載置台(610)と、
前記苗マット載置台(610)を前記車体左右方向において移動可能に支持する、昇降可能な苗植付けメインフレーム(620)と、
前記苗マット載置台(610)を前記車体左右方向において移動可能に支持する苗マット載置台レール(630)と、
を有し、
前記苗取り量調節機構(700)は、
前記苗植付けメインフレーム(620)へ取付けられた苗取り量調節回動軸(710)と、
前記高電圧バッテリー(520)を利用して動作する、前記苗取り量調節回動軸(710)へ連結されたアクチュエーター部(720)と、
前記アクチュエーター部(720)の動作で駆動される、前記苗取り量調節回動軸(710)へ連結された苗取り量調節アーム(730)と、
を有し、
前記苗マット載置台レール(630)が前記アクチュエーター部(720)の前記動作で上下方向において移動可能であるように、前記苗取り量調節アーム(730)の先端部は前記苗マット載置台レール(630)の凹部へ嵌込まれていることを特徴とする請求項4に記載の作業車両。
【請求項6】
複数の苗取り量調節アシストばね(800)を備えており、
前記苗マット載置台レール(630)の前記上下方向における移動がアシストされるように、前記苗取り量調節アシストばね(800)の上端は前記苗マット載置台レール(630)の下面へ当接しており、前記苗取り量調節アシストばね(800)の下端は前記苗植付けメインフレーム(620)の上面へ当接していることを特徴とする請求項5に記載の作業車両。
【請求項7】
前記複数の苗取り量調節アシストばね(800)は、前記車体左右方向において並んで設けられており、
前記苗取り量調節回動軸(710)の捩れが低減されるように、前記複数の苗取り量調節アシストばね(800)のばね荷重はそれぞれ設定されていることを特徴とする請求項6に記載の作業車両。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、田植え機のような作業車両に関する。
【背景技術】
【0002】
田植え機のような作業車両が、知られている(たとえば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2004-222604号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、本発明者は、作業車両ユーザーのさまざまなニーズを考慮し、便利な機能がかくの如き作業車両へつぎつぎと実装される趨勢はますます加速すると考えている。
【0005】
しかしながら、上述された従来の田植え機のような作業車両については、便利な機能を利用するときの使い勝手が必ずしもよくないことに本発明者は気付いた。
【0006】
本発明は、上述された従来の課題を考慮し、使い勝手を向上することができる作業車両を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
第1の本発明は、エンジン(210)と、
前記エンジン(210)のスターターとして機能する統合型スタータージェネレーター(510)と、
高電圧のための高電圧バッテリー(520)と、
前記高電圧より低い低電圧のための低電圧バッテリー(530)と、
作業機(900)と、
を備えており、
前記統合型スタータージェネレーター(510)は、前記エンジン(210)の駆動で発電することにより、前記高電圧バッテリー(520)、および前記低電圧バッテリー(530)を充電し、
前記作業機(900)は、前記高電圧バッテリー(520)を利用して駆動されることを特徴とする作業車両である。
【0008】
第2の本発明は、前記エンジン(210)により駆動される後輪(222)を備えており、
前記統合型スタータージェネレーター(510)は、モーターとして機能して前記エンジン(210)と協働することにより、前記後輪(222)を駆動することを特徴とする第1の本発明の作業車両である。
【0009】
第3の本発明は、前記高電圧バッテリー(520)を利用して前記後輪(222)を駆動する走行モーター(550)を備えており、
前記走行モーター(550)は、ジェネレーターとしても機能し、前記後輪(222)の駆動で発電することにより、前記高電圧バッテリー(520)を充電することを特徴とする第2の本発明の作業車両である。
【0010】
第4の本発明は、前記作業機(900)は、苗植付け装置(240)を有し、
前記苗植付け装置(240)の苗取り量調節機構(700)のモニター(701)は、前記低電圧バッテリー(530)を利用して駆動されることを特徴とする第3の本発明の作業車両である。
【0011】
第5の本発明は、前記苗植付け装置(240)は、
車体左右方向において移動可能である苗マット載置台(610)と、
前記苗マット載置台(610)を前記車体左右方向において移動可能に支持する、昇降可能な苗植付けメインフレーム(620)と、
前記苗マット載置台(610)を前記車体左右方向において移動可能に支持する苗マット載置台レール(630)と、
を有し、
前記苗取り量調節機構(700)は、
前記苗植付けメインフレーム(620)へ取付けられた苗取り量調節回動軸(710)と、
前記高電圧バッテリー(520)を利用して動作する、前記苗取り量調節回動軸(710)へ連結されたアクチュエーター部(720)と、
前記アクチュエーター部(720)の動作で駆動される、前記苗取り量調節回動軸(710)へ連結された苗取り量調節アーム(730)と、
を有し、
前記苗マット載置台レール(630)が前記アクチュエーター部(720)の前記動作で上下方向において移動可能であるように、前記苗取り量調節アーム(730)の先端部は前記苗マット載置台レール(630)の凹部へ嵌込まれていることを特徴とする第4の本発明の作業車両である。
【0012】
第6の本発明は、複数の苗取り量調節アシストばね(800)を備えており、
前記苗マット載置台レール(630)の前記上下方向における移動がアシストされるように、前記苗取り量調節アシストばね(800)の上端は前記苗マット載置台レール(630)の下面へ当接しており、前記苗取り量調節アシストばね(800)の下端は前記苗植付けメインフレーム(620)の上面へ当接していることを特徴とする第5の本発明の作業車両である。
【0013】
第7の本発明は、前記複数の苗取り量調節アシストばね(800)は、前記車体左右方向において並んで設けられており、
前記苗取り量調節回動軸(710)の捩れが低減されるように、前記複数の苗取り量調節アシストばね(800)のばね荷重はそれぞれ設定されていることを特徴とする第6の本発明の作業車両である。
【発明の効果】
【0014】
第1の本発明により、使い勝手を向上することが可能である。
【0015】
第2の本発明により、第1の本発明の効果に加えて、利便性を向上することが可能である。
【0016】
第3の本発明により、第2の本発明の効果に加えて、利便性をさらに向上することが可能である。
【0017】
第4の本発明により、第3の本発明の効果に加えて、使い勝手をさらに向上することが可能である。
【0018】
第5の本発明により、第4の本発明の効果に加えて、作業者の負担を軽減することが可能である。
【0019】
第6の本発明により、第5の本発明の効果に加えて、構成を簡素化することが可能である。
【0020】
第7の本発明により、第6の本発明の効果に加えて、構成をさらに簡素化することが可能である。
【図面の簡単な説明】
【0021】
図1】本発明における実施の形態の田植え機の左側面図
図2】本発明における実施の形態の田植え機の伝動機構ブロック図
図3】本発明における実施の形態の田植え機の伝動機構線図
図4】本発明における実施の形態の田植え機の苗取り量精度向上の説明図(その一)
図5】(a)本発明における実施の形態の田植え機の苗取り量精度向上の説明図(その二)、(b)本発明における実施の形態の田植え機の苗取り量精度向上の説明図(その三)
図6】(a)本発明における実施の形態の田植え機の苗取り量精度向上の説明図(その四)、(b)本発明における実施の形態の田植え機の苗取り量精度向上の説明図(その五)
図7】本発明における実施の形態の田植え機の苗マット枚数カウント機能の説明図(その一)
図8】(a)本発明における実施の形態の田植え機の苗マット枚数カウント機能の説明図(その二)、(b)本発明における実施の形態の田植え機の苗マット枚数カウント機能の説明図(その三)
図9】本発明における実施の形態の田植え機の苗マット枚数カウント機能の説明図(その四)
図10】(a)本発明における実施の形態の田植え機の苗マット枚数カウント機能の説明図(その五)、(b)本発明における実施の形態の田植え機の苗マット枚数カウント機能の説明図(その六)
図11】本発明における実施の形態の田植え機の苗マット枚数カウント機能の説明図(その七)
図12】本発明における実施の形態の田植え機の苗マット枚数カウント機能の説明図(その八)
図13】本発明における実施の形態の田植え機の苗マット枚数カウント機能の説明図(その九)
図14】本発明における実施の形態の田植え機の苗マット枚数カウント機能の説明図(その十)
図15】本発明における実施の形態の田植え機の薬剤散布機回動機能の説明図
図16】(a)本発明における実施の形態の田植え機の田植え機マーカースライド機能の説明図(その一)、(b)本発明における実施の形態の田植え機の田植え機マーカースライド機能の説明図(その二)、(c)本発明における実施の形態の田植え機の田植え機マーカースライド機能の説明図(その三)、(d)本発明における実施の形態の田植え機の田植え機マーカースライド機能の説明図(その四)、(e)本発明における実施の形態の田植え機の田植え機マーカースライド機能の説明図(その五)、(f)本発明における実施の形態の田植え機の田植え機マーカースライド機能の説明図(その六)、(g)本発明における実施の形態の田植え機の田植え機マーカースライド機能の説明図(その七)
【発明を実施するための形態】
【0022】
図面を参照しながら、本発明における実施の形態について詳細に説明する。
【0023】
以下同様であるが、いくつかの構成要素は図面において示されていないこともあり、透視的にまたは省略的に示されていることもある。
【0024】
(1)はじめに、図1を主として参照しながら、本発明における実施の形態の田植え機の構成および動作について具体的に説明する。
【0025】
ここに、図1は、本発明における実施の形態の田植え機の左側面図である。
【0026】
本実施の形態の田植え機の動作について説明しながら、コントローラー300などにより実現される、本発明に関連した発明の作業車両動作制御方法についても説明する。
【0027】
本実施の形態の田植え機は、操舵装置230における手動操縦操作または自動操縦操作に基づいたコントローラー300の制御に応じて、左右一対の前輪221および後輪222を有する走行装置220で車体100を走行させながら、ローター261およびフロート262を有する整地装置260により圃場の整地を行って苗植付け具241を有する苗植付け装置240により圃場への苗植付けを行うとともに施肥装置250により圃場への施肥を行うための田植え機である。
【0028】
走行装置220ならびに苗植付け装置240、施肥装置250および整地装置260は、HSTである主変速装置410および副変速装置420を有する変速機構を介して伝達されるエンジン210の動力などにより駆動される。
【0029】
本実施の形態の田植え機は、本発明における作業車両の具体的な例である。
【0030】
(2)つぎに、本発明における実施の形態の田植え機の構成および動作についてより具体的に説明する。
【0031】
(2a)図2および3を主として参照しながら、いわゆるeアシスト田植え機について具体的に説明する。
【0032】
ここに、図2は本発明における実施の形態の田植え機の伝動機構ブロック図であり、図3は本発明における実施の形態の田植え機の伝動機構線図である。
【0033】
エンジン210のスターターとして機能する統合型スタータージェネレーター510は、エンジン210の駆動で発電することにより、高電圧のための高電圧バッテリー520、および高電圧より低い低電圧のための低電圧バッテリー530を充電する。作業機900は、高電圧バッテリー520を利用して駆動される。
【0034】
より具体的に説明すると、つぎの通りである。
【0035】
エンジン210により発生された駆動力は、主変速装置410、副変速装置420および、フロントギアケースとも呼ばれる、前輪ギアケース430を経由して左右の前輪221へ伝達される。
【0036】
エンジン210により発生された駆動力は、主変速装置410、副変速装置420、前輪ギアケース430および左の後輪ギアケース440を経由して左の後輪222および左の走行モーター550へも伝達され、主変速装置410、副変速装置420、前輪ギアケース430および右の後輪ギアケース440を経由して右の後輪222および右の走行モーター550へも伝達される。
【0037】
左右の走行モーター550も、それぞれ、高電圧バッテリー520を利用して左右の後輪222を駆動する。左右の走行モーター550は、それぞれ、左右の後輪ギアケース440へ伝達された後輪駆動力により発電することにより、高電圧バッテリー520を充電するジェネレーターとしても機能する。
【0038】
DC/DCコンバーター540は、高電圧バッテリー520と低電圧バッテリー530との間に挿入されたコンバーターである。
【0039】
作業機モーター560は、高電圧バッテリー520を利用して作業機900を駆動する。
【0040】
このように、内燃機関の動力を走行車輪に伝達する田植え機において、発電を行ってもよい、走行モーターが左右の後輪に独立して設けられており、発電モーターとしてのISGモーターにより内燃機関の駆動エネルギーで発電を行い、高圧バッテリーおよび低圧バッテリーへの蓄電を実現する。高圧バッテリーで蓄電された電力は、植付け部を駆動させる作業用モーターを駆動させるために主として利用されるが、左右の後輪の走行モーターを駆動するために利用されてもよい。低圧バッテリーで蓄電された電力は、ライトなどの電気機器を駆動させるために主として利用される。電動化およびカーボンニュートラル化が農業機械にも求められており、植付け部および車輪の電動駆動を行うことができるため、エンジン出力を下げることができ、燃料消費および排ガス排出量を抑制することができる。
【0041】
もちろん、ISGモーターは、エンジンの駆動スターターモーターの役割を果たす。
【0042】
かくの如く、内燃機関であるエンジン210の動力を駆動力として走行車輪へ伝達する水田作業機としての田植え機において、内燃機関の駆動エネルギーは、モーターなどを有する駆動装置の機能と、オルタネーターなどを有する充電装置の機能と、が統合されたISG(Integrated Starter Generator)モーターとも呼ばれる統合型スタータージェネレーター510を介して利用される。すなわち、内燃機関の動力を利用してISGモーターによる充電が行われ、ISGモーターによる高電圧バッテリー520および低電圧バッテリー530への蓄電が行われる。高電圧バッテリー520は作業機モーター560による作業機900の植付け部駆動などのためのバッテリーであり、低電圧バッテリー530は作業機900のアクセサリー電源などのためのバッテリーである。植付け部駆動は電動駆動として行われるので、エンジン出力を低減するとともに燃料消費および排ガス排出量を抑制することができる構成がしばしば実現しやすい。
【0043】
統合型スタータージェネレーター510は、モーターとして機能してエンジン210と協働することにより、エンジン210により駆動される後輪222を駆動する。
【0044】
このように、ISGモーターはエンジンの駆動力を補助するモーターそのものの役割を果たしてもよく、エンジンとHSTを通してではあるが、フロントタイヤである前輪221もモーターの駆動力の恩恵を享受する。
【0045】
かくの如く、統合型スタータージェネレーター510によるエンジン210の補助が、実現される。
【0046】
つまり、後輪222は、高電圧バッテリー520を利用する走行モーター550で駆動される。統合型スタータージェネレーター510はエンジン210へ駆動力を補助的に供給する駆動モーターとしての役割も果たす。前輪221も、走行モーター駆動力の恩恵をエンジン210および主変速装置410を介して享受することができる。
【0047】
高電圧バッテリー520を利用して後輪222を駆動する走行モーター550は、ジェネレーターとしても機能し、後輪222の駆動で発電することにより、高電圧バッテリー520を充電する。
【0048】
かくの如く、走行のためのモーターである走行モーター550が後輪222を利用して設けられており、高電圧バッテリー520による走行モーター550の駆動が行われる。走行モーター550は、発電のみならず高電圧バッテリー520の充電も行うことができる。
【0049】
作業機900は、苗植付け装置240を有する。苗植付け装置240の苗取り量調節機構700のモニター701は、低電圧バッテリー530を利用して駆動される。
【0050】
かくの如く、圃場に苗を植付ける苗植付け装置240の苗植付け部の苗植付け動力と、苗取り量調節機構700の苗取り量調節動力と、を供給するモーター駆動などは高電圧バッテリー520を利用して行われるが、苗取り量調節設定のためのモニター701のモニター表示駆動などは低電圧バッテリー530を利用して行われる。
【0051】
(2b)図4、5(a)および5(b)ならびに6(a)および6(b)を主として参照しながら、苗取り量精度向上について具体的に説明する。
【0052】
ここに、図4、5(a)および5(b)ならびに6(a)および6(b)は、本発明における実施の形態の田植え機の苗取り量精度向上の説明図(その一から五)である。
【0053】
苗植付け装置240は、車体左右方向において移動可能である苗マット載置台610と、苗マット載置台610を車体左右方向において移動可能に支持する、昇降可能な苗植付けメインフレーム620と、苗マット載置台610を車体左右方向において移動可能に支持する苗マット載置台レール630と、を有する。苗取り量調節機構700は、苗植付けメインフレーム620へ取付けられた苗取り量調節回動軸710と、高電圧バッテリー520を利用して動作する、苗取り量調節回動軸710へ連結されたアクチュエーター部720と、アクチュエーター部720の動作で駆動される、苗取り量調節回動軸710へ連結された苗取り量調節アーム730と、を有する。苗マット載置台レール630がアクチュエーター部720の動作で上下方向において移動可能であるように、苗取り量調節アーム730の先端部は苗マット載置台レール630の凹部へ嵌込まれている。
【0054】
より具体的に説明すると、つぎの通りである。
【0055】
苗取り量調節アーム730が、アクチュエーター部720を利用して回動される、苗取り量調節回動軸710へ連結された苗取り量調節レバー740の回動で駆動されることにより、苗マット載置台レール630は苗取り量調節レバー740の回動で上下方向において移動可能である。いわゆるコの字プレートを利用して形成された苗マット載置台レール630の凹部へ嵌込まれた苗取り量調節アーム730が苗取り量調節回動軸710を回転させることにより、苗マット載置台レール630の高さが変化させられ、苗取り量が調節される。
【0056】
苗マット載置台レール630の上下方向における移動がアシストされるように、苗取り量調節アシストばね800の上端は苗マット載置台レール630の下面へ当接しており、苗取り量調節アシストばね800の下端は苗植付けメインフレーム620の上面へ当接している。
【0057】
図5(a)および5(b)において示されているように、苗マット載置台レール630の下方にスプリングを挿入して苗マット載置台レール630のガタ寄せ、苗取り量の変更が行われるときの荷重をサポートする。8条植え仕様では四か所で追加して左右でスプリング荷重を変えることで、いわゆる苗取りチューブとしての苗取り量調節回動軸710の捩れによる取り量の左右変化を防ぐことができる。
【0058】
このように、支持フレームと苗マット載置台レール630の下部に苗マット載置台レール630のガタを寄せるためのスプリングを配置する。苗取り量を増やす方向、減らす方向でガタの向きが変わり、苗取り量が安定しないことがあるが、苗マット載置台レール630のガタを寄せることで、常に苗取り量が安定する。
【0059】
複数の苗取り量調節アシストばね800は、車体左右方向において並んで設けられている。苗取り量調節回動軸710の捩れが低減されるように、複数の苗取り量調節アシストばね800のばね荷重はそれぞれ設定されている。
【0060】
より具体的に説明すると、つぎの通りである。
【0061】
苗取り量調節アシストばね800が、車体左右方向を基準として、上述された苗マット載置台レール630の凹部とは異なる位置で苗マット載置台レール630の底面を押上げることにより、捩れ低減をともなうアシスト効果を発揮する。もちろん、たとえば、苗取り量調節回動軸710が、回動しない固定軸へ遊嵌されているリング部材を利用して形成されている態様においては、これらのリング部材などの捩れが低減されるように、苗取り量調節アシストばね800のばね荷重は設定される。
【0062】
このように、スプリング荷重を左右それぞれの位置で変化させる。調整レバーが中央にない影響で、苗取りチューブの捩れにより左右で取り量が変わることがあるが、左右でスプリング荷重を調整することで、左右で取り量が変化することを防ぐことができ、苗取り量が安定する。
【0063】
たとえば、スプリングは、苗取り量最小でも荷重が残るようなセット長にしておく。苗満載で取り量最小にしても、苗取りチューブの捩れまたはレバーの撓みで取り量が最小にならないことがあるが、苗取りレバーおよびモーターの負荷をスプリングでサポートすることで、苗が満載であるときの苗取り量が意図された苗取り量と一致しない現象を防ぐことができる。
【0064】
図6(a)および6(b)において示されているように、スプリングは苗マット載置台レール630の稼働方向と平行に配置することで効率的にサポートできる。
【0065】
このように、スプリングは、苗マット載置台レール630の稼働方向と平行な力が働くように配置する。苗満載で取り量最小にしても、苗取りチューブの捩れまたはレバーの撓みで取り量が最小にならないことがあるが、アシストスプリングを苗マット載置台レール630の稼働方向と同じスプリングの力方向に配置することで、効率的に苗取りレバーおよびモーターの負荷をサポートことができる。
【0066】
たとえば、スプリングのステーは支持フレームで荷重を負担する構成とする。苗取りチューブのみで荷重を負担する構成も考えられるが、支持フレームで荷重を負担することで、確実に荷重を負担することができ、ステーが撓んで苗取り量が意図せず変化することを防ぐことができる。
【0067】
かくの如く、支持フレームである苗植付けメインフレーム620と、いわゆるマエイタである苗マット載置台レール630の下部と、の間には、ガタ寄せのためのスプリングとしての苗取り量調節アシストばね800が配置されている。苗取り量調節アシストばね800のスプリング荷重は左右それぞれの位置で変化させられてもよく、苗取り量が最小であっても荷重が残るように、苗取り量調節アシストばね800のスプリングセット長は設定されている。スプリングは矢印Aで示された苗マット載置台レール昇降稼働方向と平行である力を印加するように配置されており、苗取り量はこのようなガタ寄せで常に安定させられる。
【0068】
(3)つぎに、本発明における実施の形態の田植え機の構成および動作についてさらにより具体的に説明する。
【0069】
(3a)図7、8(a)および8(b)、9、10(a)および10(b)、11、12、13ならびに14を主として参照しながら、苗マット枚数カウント機能について具体的に説明する。
【0070】
ここに、図7、8(a)および8(b)、9、10(a)および10(b)、11、12、13ならびに14は、本発明における実施の形態の田植え機の苗マット枚数カウント機能の説明図(その一から十)である。
【0071】
図7において示されているように、苗マット載置台レール630から苗マットの長さの1/3以下の高さに、苗マット枚数カウントスイッチ1101が配置されている。
【0072】
このように、苗マット枚数カウントスイッチ1101を苗マット載置台レール630から苗マットの全長の1/3以下の高さ位置に配置する構成が、考えられる。たとえば、苗マット長さが600mmであるとき、苗マット載置台レール630から200mm以下の高さに、スイッチが配置される。スイッチが1回押されるごとに1枚の苗マットが消費されたことを示すカウントが行われる。作業が終了したとき、残り長さが全長の1/3以下である苗マットは、いわゆる補植のために利用されるしかなく、しばしば廃棄される。苗マット載置台610に載置されているが消費されていない苗はカウントされず、苗マットの消費枚数を正確にカウントすることができる。
【0073】
図8(a)および8(b)において示されているように、スイッチの上側のおよそ半分を覆う傾斜の付いたプレート1102が組付けられている。このような傾斜プレートの効果で、スイッチは苗マットの継ぎ目で押されるので、苗マット使用枚数を正確にカウントすることができる。
【0074】
このように、苗マット枚数カウントスイッチ1101の上部を覆う傾斜のついたプレート1102が苗マット載置台610に取付けられる構成が、考えられる。苗マットの減少を検出するためだけに、つぎの苗があればスイッチは押され続ける構成も考えられるが、つぎの苗が不必要に早くスイッチを押すことが防がれ、苗マットの継ぎ目を正確に判断することができる。スイッチは苗マットの継ぎ目で初めて押される構成が、望ましい。
【0075】
図9において示されているように、左右に苗送りベルト1103が存在する位置に苗マット枚数カウントスイッチ1101が配置される。上の苗がプレート1102で持上げられても、苗マットは苗送りベルト1103で保持されているので、滑落ちた上の苗が下の苗と重なることを防ぐことができる。
【0076】
このように、苗マット枚数カウントスイッチ1101が左右に苗送りベルト1103が存在する部分に取付けられる構成が、考えられる。このような部分は苗マットを保持している部分であるので、傾斜プレートであるプレート1102が苗を押上げても、上の苗が下の苗と重なることを防ぐことができる。
【0077】
図10(a)および10(b)において示されているように、苗マットの全体が押上げられると、苗が重なって苗送り不良および植付け不良を惹起しやすいので、苗マットの中央のみが押上げられる。
【0078】
このように、苗マット枚数カウントスイッチ1101の上部を覆う傾斜が設けられているプレート1102の形状は苗マットの中央のみを押上げる形状である構成が、考えられる。苗マット全体が押上げられると、上の苗が下の苗に乗上げて苗送り不良が発生しやすい。苗マットの中央のみが押上げられることにより、下の苗と重なっている苗マットの両端の乗上げの発生は抑制される。
【0079】
図11において示されているように、プレート1102が取付けられているスイッチは苗マット枚数カウントのために使用されるスイッチであり、プレート1102が取付けられていないスイッチは汎用の苗マット減少感知警告のために使用されるスイッチである。
【0080】
このように、プレート1102が二条ごとに取付けられており、片側のスイッチが苗マット減少感知警告のために使用され、片側のスイッチが苗マット枚数カウントのために使用される構成が考えられる。いわゆる畦クラッチは二条ごとにオフされ、ペアにされた二条の苗消費量は一致すると見做されるので、苗マット減少および苗マット枚数カウントを大きな構成の変更なしに行うことができる。
【0081】
図12において示されているように、苗マット枚数をカウントするためのプレート1102の両端が苗マット載置台610に突当てられている。
【0082】
このように、苗マット枚数をカウントするためのプレート1102の両端が苗マット載置台610に突当てられている構成が考えられる。プレート1102が苗マットの重量で撓んでも、スイッチは誤って動作しにくい。
【0083】
たとえば、横送り回数レバー位置を検知できる田植え機の構成において、苗マット縦寸法が580mmであり、取り量の最大値が18mmであるとき、苗マット枚数カウントスイッチ1101が押されてからいわゆるピタ寄せスイッチが16(<16.1…=(580/18)/2)回押される前に苗マット枚数カウントスイッチ1101が押された場合において、誤検知が発生したと判断して苗マット枚数カウントを行わない構成が考えられる。苗取り量が最大であっても、1枚の苗マットが完全に消費されるまでにピタ寄せスイッチは16回以上押されるので、苗マット枚数カウントスイッチ1101が先立って押された場合において、誤検知の発生を判断することにより、使用された苗マットの枚数と対応する、正確な苗マット枚数カウントを促進することができる。
【0084】
さらに、電動苗取り量調整機構が実装されていて苗取り量を検知することができる田植え機において、苗取り量から算出される、一枚の苗マットを消費するまでの苗マット載置台往復回数を算出し、算出された回数への到達に先立って苗マット枚数カウントスイッチ1101が押された場合において、誤検知が発生したと判断して苗マット枚数カウントを行わない構成が考えられる。たとえば、苗取り量が10mmであるとき、一枚の苗マットを消費するまでの苗マット載置台往復回数は29(=(580/10)/2)回であるので、苗マット枚数カウントスイッチ1101が29回以下の苗マット載置台往復回数で押されても、苗マット枚数カウントは行われない。
【0085】
図13において示されているように、苗マット押さえ部材の苗マット枚数カウントスイッチ1101の上側の部分は、他の部分より強く苗を押付ける。
【0086】
このように、苗マット押さえ部材の苗マット枚数カウントスイッチ1101に対応する部分が他の部分と比べて苗マットをしっかりと押付けられる方向性で形成される構成が、考えられる。苗マット枚数カウントスイッチ1101は苗と苗との継ぎ目で確実に押されるので、使用された苗マットの枚数と対応する、正確な苗マット枚数カウントを促進することができる。
【0087】
図14において示されているように、苗取り量が最小値の8mmであっても、最低で32(=8×2×2)mmの苗送りが四回の苗送りをともなう苗マット載置台610の二往復で行われ、苗マット枚数カウントスイッチ1101が押されていない状態が実現されるはずである。苗マット枚数カウントスイッチ1101が押され続けていれば、苗が正常に送られず、苗詰まりが発生して植付け不良が惹起されやすい。
【0088】
このように、苗マット枚数カウントスイッチ1101が押されている状態で、ピタ寄せスイッチが2回以上押されたとき、苗マットが正常に送られていないと判断して、苗詰まりの警報を表示する構成が考えられる。これは、二往復の苗マット載置台610の移動が行われれば、32mmの苗マット送りが行われて苗マット枚数カウントスイッチ1101が押されていない状態が実現されるはずであり、苗が正常に送られずに苗マット枚数カウントスイッチ1101が押され続けている、苗詰まりなどの不具合が発生していると見做されるからである。
【0089】
(3b)図15を主として参照しながら、薬剤散布機回動機能について具体的に説明する。
【0090】
ここに、図15は、本発明における実施の形態の田植え機の薬剤散布機回動機能の説明図である。
【0091】
ナエタンクとも呼ばれる苗マット載置台610が折畳まれているとき、苗マット載置台610を相互干渉のために収納することがしばしばできないので、容器直立位置の作業状態と容器倒伏位置の収納状態との間での状態切換えにより散布機を収納位置にする必要がある。
【0092】
苗マット載置台610の折畳みが行われるとき、苗マット載置台610と薬剤散布機ステー1202との干渉を回避するためにステー回動を行う必要がある薬剤散布機1201において、回動部に近接スイッチ1203を設けることにより回動状態が認識可能である構成が、考えられる。適正な範囲への薬剤散布が薬剤散布機1201のセット忘れにともなって行われないことがあるので、薬剤散布機1201のセット忘れの防止は有効である。
【0093】
上述された構成で、収納位置で苗マット載置台610を動かした場合において、植付けスイッチなどがオンにならない態様が考えられる。
【0094】
上述された構成で、収納位置で苗マット載置台610を動かした場合において、植付けスイッチなどがオンにならず、収納位置から作業位置への切替えを行うよう注意表示をモニターで行う態様が考えられる。
【0095】
上述された構成で、収納位置で苗マット載置台610を動かした場合において、収納位置から作業位置への切替えを行うよう注意表示をモニターで行う態様が考えられる。
【0096】
(3c)図16(a)、16(b)、16(c)、16(d)、16(e)、16(f)および16(g)を主として参照しながら、田植え機マーカースライド機能について具体的に説明する。
【0097】
ここに、図16(a)、16(b)、16(c)、16(d)、16(e)、16(f)および16(g)は、本発明における実施の形態の田植え機の田植え機マーカースライド機能の説明図(その一から七)である。
【0098】
乗用田植え機の線引きマーカー1301またはサイドマーカー1302のマーカースライドスイッチ1304でオンオフされる、電動シリンダーであるシリンダー1305によるスライド機能が実装されており、通常の植付けと比べて一条の開きが形成される植付けを容易に行うことができ、植付け部が上昇する、旋回操作が行われたとき、スライド機能がオフされて本来のマーカー状態への復帰が行われる構成が考えられる。近年、収穫作業が行われるとき、コンバインの作業効率および機械の破損防止などのために、圃場の外周に位置する一本の苗植付け条に対応するエリアが空白エリアとして形成されるように苗植付けを行うユ-ザ-が増えているが、空白エリアを正確に形成するための走行は必ずしも容易ではない。このような構成により、一条の開きが形成されるように植始めの基準位置が定められるので、直進性が向上される。
【0099】
たとえば、乗用田植え機のサイドマーカー部分にスライド機能が実装されており、線引きマーカー1301の反対側のサイドマーカー1302を利用することにより、通常の植付けと比べて一条の開きが形成される植付けを容易に行うことができるのみならず、植付け部が上昇する、旋回操作が行われたとき、スライド機能がオフされて本来のマーカー状態への復帰が行われる構成が考えられる。
【0100】
たとえば、乗用田植え機のサイドマーカー部分にスライド機能が実装されており、通常の植付けと比べて一条の開きが形成される植付けを容易に行うことができるのみならず、一定操舵角度を超えるハンドル1303の切り操作が行われる、旋回操作が行われたとき、スライド機能がオフされて本来のマーカー状態への復帰が行われる構成が考えられる。
【0101】
たとえば、乗用田植え機のサイドマーカー部分に、任意の位置への位置調節を運転席から行うことができる、スライド機能が実装されており、通常の植付けと比べて任意条数の開きが形成される植付けを容易に行うことができるのみならず、植付け部が上昇する、旋回操作が行われたとき、スライド機能がオフされて本来のマーカー状態への復帰が行われる構成が考えられる。このような構成により、任意条数の開きが形成されるように植始めの基準位置が定められるので、直進性が向上される。
【0102】
たとえば、乗用田植え機の線引きマーカー部分にスライド機能が実装されており、最終一工程のいわゆる回り植付けが行われるとき、通常の植付けと比べて一条の開きが形成される植付けを容易に行うことができるのみならず、植付け部が上昇する、旋回操作が行われたとき、スライド機能がオフされて本来のマーカー状態への復帰が行われる構成が考えられる。
【0103】
なお、本発明に関連した発明のプログラムは、上述された本発明に関連した発明の作業車両動作制御方法の全部または一部のステップ(または工程、動作および作用など)の動作をコンピュータに実行させるためのプログラムであって、コンピュータと協働して動作するプログラムである。
【0104】
また、本発明に関連した発明の記録媒体は、上述された本発明に関連した発明の作業車両動作制御方法の全部または一部のステップ(または工程、動作および作用など)の全部または一部の動作をコンピュータに実行させるためのプログラムを記録した記録媒体であり、読取られたプログラムがコンピュータと協働して利用されるコンピュータ読取り可能な記録媒体である。
【0105】
なお、上述された「一部のステップ(または工程、動作および作用など)」は、それらの複数のステップの内の一つまたはいくつかのステップを意味する。
【0106】
また、上述された「ステップ(または工程、動作および作用など)の動作」は、上述されたステップの全部または一部の動作を意味する。
【0107】
また、本発明に関連した発明のプログラムの一利用形態は、インターネット、光、電波または音波などのような伝送媒体の中を伝送され、コンピュータにより読取られ、コンピュータと協働して動作するという形態であってもよい。
【0108】
また、記録媒体としては、ROM(Read Only Memory)などが含まれる。
【0109】
また、コンピュータは、CPU(Central Processing Unit)などのような純然たるハードウェアに限らず、ファームウェア、OS(Operating System)、そしてさらに周辺機器を含んでもよい。
【0110】
なお、上述されたように、本発明の構成は、ソフトウェア的に実現されてもよいし、ハードウェア的に実現されてもよい。
【産業上の利用可能性】
【0111】
本発明における作業車両は、使い勝手を向上することができ、田植え機のような作業車両に利用する目的に有用である。
【符号の説明】
【0112】
100 車体
210 エンジン
220 走行装置
221 前輪
222 後輪
230 操舵装置
240 苗植付け装置
241 苗植付け具
250 施肥装置
260 整地装置
261 ローター
262 フロート
300 コントローラー
410 主変速装置
420 副変速装置
430 前輪ギアケース
440 後輪ギアケース
510 統合型スタータージェネレーター
520 高電圧バッテリー
530 低電圧バッテリー
540 DC/DCコンバーター
550 走行モーター
560 作業機モーター
610 苗マット載置台
620 苗植付けメインフレーム
630 苗マット載置台レール
700 苗取り量調節機構
701 モニター
710 苗取り量調節回動軸
720 アクチュエーター部
730 苗取り量調節アーム
740 苗取り量調節レバー
800 苗取り量調節アシストばね
900 作業機
1101 苗マット枚数カウントスイッチ
1102 プレート
1103 苗送りベルト
1201 薬剤散布機
1202 薬剤散布機ステー
1203 近接スイッチ
1301 線引きマーカー
1302 サイドマーカー
1303 ハンドル
1304 マーカースライドスイッチ
1305 シリンダー
A 矢印
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16