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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024061216
(43)【公開日】2024-05-07
(54)【発明の名称】画像記録装置
(51)【国際特許分類】
   B41J 2/01 20060101AFI20240425BHJP
   B41J 29/38 20060101ALI20240425BHJP
   B41J 11/08 20060101ALI20240425BHJP
【FI】
B41J2/01 305
B41J2/01 125
B41J2/01 401
B41J2/01 301
B41J29/38 302
B41J11/08
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022169015
(22)【出願日】2022-10-21
(71)【出願人】
【識別番号】000005267
【氏名又は名称】ブラザー工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100117101
【弁理士】
【氏名又は名称】西木 信夫
(74)【代理人】
【識別番号】100120318
【弁理士】
【氏名又は名称】松田 朋浩
(72)【発明者】
【氏名】清水 慶和
(72)【発明者】
【氏名】田中 貢
【テーマコード(参考)】
2C056
2C058
2C061
【Fターム(参考)】
2C056EA16
2C056HA29
2C056HA46
2C056HA60
2C058AB17
2C058AB18
2C058AB23
2C058AC07
2C058AC11
2C058AD01
2C058AD06
2C058AE04
2C058AE14
2C058AF06
2C058AF09
2C058AF12
2C058AF15
2C058AF20
2C058AF23
2C058AF35
2C058AF44
2C058AF51
2C058AF63
2C058DA11
2C058DA27
2C058DA38
2C058DB04
2C058DB19
2C061AP10
2C061AQ05
2C061AS07
2C061AS08
2C061HJ10
2C061HK06
2C061HK11
2C061HV09
(57)【要約】
【課題】湾曲した媒体が記録ヘッドに当接しない画像記録装置を提供すること。
【解決手段】プリンタ10は、ロールホルダ21と、シートSを搬送方向Pへ搬送する搬送ローラ対41と、プラテン74と、プラテン74と対向しノズル面58を有する記録ヘッド24と、記録ヘッド24の搬送方向下流に位置するヒータ26と、記録ヘッド24の搬送方向上流に位置するガイド85と、ヒータ26の搬送方向下流に位置するカッタ28と、コントローラ130とを備える。プラテン74は、シートSを搬送方向Pへ吸着搬送し、ガイド85は、搬送方向下流に向かうにつれプラテン74に近づく向きへシートSを案内するガイド面90を有し、コントローラ130は、カッタ28によりシートSを切断するように制御し、搬送ローラ対41によりシートSの先端が記録ヘッド24の上流に位置するまで搬送方向Pの逆向きに搬送するように制御する。
【選択図】図11
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ロール体を支持する支持部と、
上記ロール体から延びるシートを、搬送路に沿って搬送方向へ搬送する搬送部と、
プラテンと、
上記プラテンと対向しており、上記プラテンへ向かって液体を吐出するノズルが開口するノズル面を有する記録ヘッドと、
上記記録ヘッドより上記搬送方向の下流に位置する加熱部と、
上記記録ヘッドより上記搬送方向の上流に位置するガイドと、
上記加熱部より上記搬送方向の下流に位置するカッタと、
コントローラと、を備えており、
上記プラテンは、上記シートを吸着しつつ上記搬送方向へ搬送し、
上記ガイドは、上記搬送方向の下流に向かうにつれて、上記ノズル面より上記プラテンに近づく向きへ上記シートを案内するガイド面を有しており、
上記コントローラは、上記カッタにより上記シートを切断するように上記カッタを制御し、上記搬送部により上記シートの先端が上記記録ヘッドより上記搬送方向の上流に位置するまで上記搬送方向と逆向きに上記シートを搬送するように上記搬送部を制御する画像記録装置。
【請求項2】
上記プラテンは、
上記搬送方向に沿って延びており、上記記録ヘッドへ向かって開口する第1溝と、
上記搬送方向に沿って延びており、上記記録ヘッドへ向かって開口する第2溝と、
上記第1溝および上記第2溝とそれぞれ連通する吸引ファンと、を有している請求項1に記載の画像記録装置。
【請求項3】
上記第1溝と上記吸引ファンとの連通を開閉する第1開閉部と、
上記第2溝と上記吸引ファンとの連通を開閉する第2開閉部と、をさらに備えており、
上記コントローラは、上記シートの上記搬送方向に交差する交差方向の幅を示す幅情報に基づいて、上記第1開閉部または上記第2開閉部を選択的に開閉する請求項2に記載の画像記録装置。
【請求項4】
上記記録ヘッドを移動して、上記記録ヘッドの上記ノズル面と上記プラテンとの距離を変動する調整機構を更に備えた請求項1に記載の画像記録装置。
【請求項5】
上記ガイド面の上記搬送方向の下流端は、上記記録ヘッドの上記搬送方向の上流端よりも上記搬送方向の下流に位置する請求項1に記載の画像記録装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像記録装置に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1に記載された記録装置は、複数のローラ対と、インクを吐出する印刷ヘッドと、印刷ヘッドより搬送方向の下流に位置するヒータと、プラテンとを具備している。複数のローラ対は、ロール紙を搬送する。プラテンは、ロール紙を支持面に吸着する。ヒータは、ロール紙を加熱する。ロール紙の加熱により、ロール紙に付着したインクが乾燥する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2020-138407号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ロール紙は、ヒータの加熱により湾曲する。湾曲したロール紙が逆向きへ搬送されると、ロール紙の先端が印刷ヘッドに当接するおそれがある。ロール紙が印刷ヘッドに当接すると、紙詰まりが発生するという問題がある。また、ロール紙の先端が浮くとヘッドの下面を擦るため、ロール紙が汚れてしまうという問題がある。
【0005】
本発明は、上記点に鑑みてなされたものであり、その目的は、湾曲した媒体が記録ヘッドに当接しない画像記録装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
(1) 本発明に係る画像記録装置は、ロール体を支持する支持部と、上記ロール体から延びるシートを、搬送路に沿って搬送方向へ搬送する搬送部と、プラテンと、上記プラテンと対向しており、上記プラテンへ向かって液体を吐出するノズルが開口するノズル面を有する記録ヘッドと、上記記録ヘッドより上記搬送方向の下流に位置する加熱部と、上記記録ヘッドより上記搬送方向の上流に位置するガイドと、上記加熱部より上記搬送方向の下流に位置するカッタと、コントローラと、を備えている。上記プラテンは、上記シートを吸着しつつ上記搬送方向へ搬送し、上記ガイドは、上記搬送方向の下流に向かうにつれて、上記ノズル面より上記プラテンに近づく向きへ上記シートを案内するガイド面を有しており、上記コントローラは、上記カッタにより上記シートを切断、上記搬送部により上記シートの先端が上記記録ヘッドより上記搬送方向の上流に位置するまで上記搬送方向と逆向きに上記シートを搬送するように、上記カッタと上記搬送部を制御する。
【0007】
上記構成によれば、加熱部による加熱によって先端が湾曲したシートは、搬送方向と逆向きに搬送された後、再び搬送方向へ搬送される。シートの先端がガイドのガイド面により、記録ヘッドのノズル面とプラテンとの間に案内されて、プラテンに吸着される。これにより、シートの先端が記録ヘッドに当接することが抑制される。また、シートの前端がノズル面とプラテンとの間に案内されたときに、シートの前端がプラテンに早期に吸着され、シートの前端がノズル面に擦れず汚れることなく搬送される。
【0008】
(2) 好ましくは、上記プラテンは、上記搬送方向に沿って延びており、上記記録ヘッドへ向かって開口する第1溝と、上記搬送方向に沿って延びており、上記記録ヘッドへ向かって開口する第2溝と、上記第1溝および上記第2溝とそれぞれ連通する吸引ファンと、を有している。
【0009】
上記構成によれば、プラテンにおいて第1溝と第2溝とが交差方向へ並ぶので、シートの交差方向の端と中央寄りの部分とがプラテンに吸着される。
【0010】
(3) 好ましくは、上記第1溝と上記吸引ファンとの連通を開閉する第1開閉部と、上記第2溝と上記吸引ファンとの連通を開閉する第2開閉部と、をさらに備えており、上記コントローラは、上記シートの上記搬送方向に交差する交差方向の幅を示す幅情報に基づいて、上記第1開閉部または上記第2開閉部を選択的に開閉する。
【0011】
上記構成によれば、シートの幅に応じて、シートの端に対応する第1溝または第2溝に選択的に吸引力を付与できる。
【0012】
(4) 好ましくは、上記記録ヘッドを移動して、上記記録ヘッドの上記ノズル面と上記プラテンとの距離を変動する調整機構を更に備える。
【0013】
上記構成によれば、記録ヘッドのノズル面とプラテンとの距離が広げられることにより、シートとノズル面との接触が抑制される。
【0014】
(5) 好ましくは、上記ガイド面の上記搬送方向の下流端は、上記記録ヘッドの上記搬送方向の上流端よりも上記搬送方向の下流に位置する。
【0015】
上記構成によれば、ガイド面により、シートがプラテンへ確実に案内される。
【発明の効果】
【0016】
本発明によれば、湾曲した媒体が記録ヘッドに当接しない。
【図面の簡単な説明】
【0017】
図1図1(A)は、プリンタ10の外観を模式的に示す斜視図、図1(B)は、筐体カバー13が開位置にあるプリンタ10を模式的に示す斜視図である。
図2図2は、図1の線II-IIに沿うプリンタ10の縦断面を示す模式図である。
図3図3は、シートSを示す模式図である。
図4図4は、第1サイドガイド145および第2サイドガイド146を駆動ローラ42とともに示す斜視図である。
図5図5は、支持機構25を上方から視た模式図である。
図6図6(a)および(b)は、第1溝76および第2溝77に対する第1開閉部81および第2開閉部82の位置を示す図である。
図7図7は、ガイド85を上下逆の状態で示す図である。
図8図8は、搬送方向Pにおける記録ヘッド24に対するガイド85の位置を示す模式図である。
図9図9は、プリンタ10の機能ブロック図である。
図10図10は、コントローラ130によるプリンタ10の制御について説明するためのフローチャートである。
図11図11は、コントローラ130によるプリンタ10の制御について説明するためのフローチャートである。
図12図12は、プリンタ10におけるシートSの搬送について説明するための図である。
図13図13は、プリンタ10におけるシートSの搬送について説明するための図である。
図14図14は、プリンタ10におけるシートSの搬送について説明するための図である。
図15図15は、プリンタ10におけるシートSの搬送について説明するための図である。
図16図16は、プリンタ10におけるシートSの搬送について説明するための図である。
図17図17は、プリンタ10におけるシートSの搬送について説明するための図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、本発明の実施形態に係るプリンタ10について詳説する。なお、下記の実施形態は本発明の一例にすぎず、本発明の要旨を変更しない範囲で、実施形態を適宜変更できることは言うまでもない。
【0019】
実施形態では、矢印の起点から終点に向かう進みが向きと表現され、矢印の起点と終点とを結ぶ線上の往来が方向と表現される。プリンタ10が使用可能に設置された状態(図1(A)の状態)を基準として上下方向7が定義される。プリンタ10において排出口16が設けられている側を前側として、前後方向8が定義される。プリンタ10を前方から見て左右方向9が定義される。
【0020】
[プリンタ10の筐体1]
図1図2に示されるように、プリンタ10(画像記録装置の一例)は、外部情報機器に接続されており、インクジェット記録方式でシートSに画像を記録する。
【0021】
プリンタ10において、筐体1は、略直方体形状であり、プリンタ10の内部空間11を外部から区画する。筐体1は、筐体ケース12および筐体カバー13からなる。
【0022】
筐体ケース12の前壁15においては、排出口16を有する。排出口16は、左右方向9に沿って細長い長方形の貫通孔である。筐体カバー13には、操作部31が設けられている。操作部31は、画像記録の指示や各種設定のために操作されるボタンや、各種情報が表示される液晶ディスプレイなどによって構成されている。筐体カバー13は、筐体ケース12の後壁17に、軸受およびシャフト(不図示)により取り付けられる。
【0023】
筐体カバー13は、シャフトの回転軸18(図1(B)参照)の周方向に閉位置(図1(A)に示される位置)および開位置(図1(B)に示される位置)の間で回動する。回転軸18は、左右方向9と平行である。閉位置の筐体カバー13は、筐体ケース12における上端の開口19を閉塞する。開位置の筐体カバー13は、開口19を開放する。なお、図1(B)には、筐体1内の構成は示されていない。また、以下では、特に断り書きが無い場合、用語「筐体カバー13」は、「閉位置の筐体カバー13」を意味する。
【0024】
[プリンタ10の内部構成]
図2に示されるように、プリンタ10は、内部空間11に、ロールホルダ(支持部の一例)21、テンショナ22、シートセンサ23、搬送ローラ対41(搬送部の一例)、記録ヘッド24、支持機構25、ヒータ(加熱部の一例)26、ヒータカバー27、排出ローラ対51、カッタ28を備える。なお、プリンタ10は、さらに記録した画像を読取るCISユニット、およびその他の装置を有するものであってもよい。
【0025】
[ロールホルダ21]
内部空間11内で後方寄り且つ下方寄りには、隔壁36により収容空間37が区画される。ロールホルダ21は、収容空間37内で内部空間11内で左右両端付近に位置するフレーム29,30(図4参照)により支持される。ロールホルダ21には、ロール体38が装着され、シートSが芯管に巻回される。ロール体38は、芯管を有さないロール状に巻回されたシートSでもよい。図3に示されるように、シートSは、上面に複数のラベルLが一定の間隔を隔てて配置されている。シートSに画像記録される際には、ラベルL一つに対して1頁分の画像が記録される。シートSは、画像記録された後、1つ目のラベルL1と2つ目のラベルL2との間の位置で切断される。シートSの下面には各ラベルLに対応してマークが記されている。
【0026】
また、収容空間37には、シートSとして、長尺のファンフォールド紙、またはカット紙が収容可能であってもよい。隔壁36の後端と、後壁17との間には、シートSが通過する隙間39が形成されている。シートSは、ロール体38から引き出されて隙間39を通ってテンショナ22に向かって延びる。
【0027】
[テンショナ22]
図3に示されるように、テンショナ22は、筐体1に固定された左右一対のフレーム29,30に連結されている。テンショナ22は、支持部材60と、支持部材60の下方に位置する支持板61と、付勢部材62(図2参照)と、円弧部材63と、平坦部材64と、第1ローラ65とを有している。
【0028】
支持部材60は、軸心が左右方向9に延びる支持軸96と、回動軸97と、一対の連結部材98A,98Bとを有している。支持部材60は、円弧部材63の上寄りにおける前方に位置する。支持部材60は、テンショナ22をフレーム29,30に対して支持する。支持軸96は、一対の連結部材98A,98Bを回動可能に支持する。連結部材98Bは、第2サイドガイド146の右方に位置している。一対の連結部材98A,98Bには、回動軸97が挿通されている。回動軸97は、一対の連結部材98A,98Bに対して円弧部材63を回動可能に支持する。
【0029】
支持板61は、一対のフレーム29,30に連結された平板であり、主面が上下方向7および左右方向9に拡がる。付勢部材62は、前後方向8に延びるコイルバネであり、一端が支持板61に固定され、他端が平坦部材64に固定されている。
【0030】
円弧部材63は、回動軸97の軸心周りに回動可能に支持されている。円弧部材63は、湾曲するシートSの面に対して交差する方向、すなわち湾曲外向きおよび湾曲内向きへ移動可能である。円弧部材63は、湾曲外向きの第1湾曲面143を有している。第1湾曲面143は、左右方向9に沿って拡がる湾曲面であり、左右方向9から視て円弧形状である。平坦部材64は、円弧部材63の下端から下方へ延びる。第1平坦面144の上端は、第1湾曲面143の下端と連続している。
【0031】
テンショナ22には、第1サイドガイド145と、第2サイドガイド146とが取り付けられている。第1サイドガイド145は、第1平坦面144から第1湾曲面143に渡って位置する。第1サイドガイド145は、第1ガイド面147と、第1延出片148と、第2延出片149とを有する。
【0032】
第1ガイド面147は、第1サイドガイド145において左方を向く面である。第1ガイド面147は、上下方向7および前後方向8に拡がり且つシートSの搬送向きに沿って拡がる。
【0033】
第1延出片148は、第1ガイド面147の湾曲内向きの端付近から左方へ延びている。第1延出片148は、湾曲外向きの第2湾曲面150を有している。第2延出片149は、第1延出片148の下端から下方へ延びている。第2延出片149は、第1ガイド面147の湾曲内向きの端付近から左方へ延びている。第1延出片148および第2延出片149は、一体の部材である。
【0034】
第2サイドガイド146は、テンショナ22の左右方向9における中央に対して第1サイドガイド145と対称な形状である。第2サイドガイド146は、第1平坦面144から第1湾曲面143に渡って位置する。第2サイドガイド146は、第2ガイド面155と、第3延出片156と、第4延出片157とを有する
【0035】
第2ガイド面155は、第2サイドガイド146において右方を向く面である。第2ガイド面155は、左右方向9において第1ガイド面147に対向している。第2ガイド面155は、上下方向7および前後方向8に拡がり且つ搬送向きに沿って拡がる。第2ガイド面155は、左右方向9において第1サイドガイド145に対向している。
【0036】
第3延出片156は、第2ガイド面155の湾曲内向きの端付近から右方に延びている。第3延出片156は、湾曲外向きの第3湾曲面158を有している。第4延出片157は、第3延出片156の下端から下方に延びている。第4延出片157は、第2ガイド面155の湾曲内向きの端付近から左方へ延びている。第3延出片156および第4延出片157は、一体の部材である。
【0037】
図示は省略するが、第1サイドガイド145および第2サイドガイド146は、互いに左右方向9の内向きに延びるラックギアを有しており、テンショナ22において回転可能に支持されたピニオンギヤによって連動して移動可能である。つまり、第1サイドガイド145および第2サイドガイド146は、第1ガイド面147および第2ガイド面155において、左右方向9に沿って互いに近づく方向および互いに遠ざかる方向に移動可能である。
【0038】
[シートセンサ23]
シートセンサ23は、シートSの下面においてラベルL間に記されているマークMを読み取る。図2に示すように、搬送路33における搬送ローラ対41よりも搬送方向Pの下流であって、記録ヘッド24の搬送方向Pの上流に位置している。シートセンサ23は、搬送路33の下方に位置しており、搬送路33の上方に位置する支持面(不図示)に対向している。シートセンサ23は光学センサである。シートセンサ23は、プリンタ10の電源がオンであるとき、発光素子から所定光量の光を受光素子に向けて上方に出射する。シートセンサ23において、受光素子は、受光光量に応じてレベルが変化する信号をコントローラ130に出力する。本実施形態では、シートセンサ23の出射光がシートSに入光した場合、シートSでの反射光の一部が受光素子に入光する。しかし、シートセンサ23の出射光が支持面に入光した場合、その入射光は支持面に吸収される。そのため、信号は、搬送路33上においてシートセンサ23の直下にシートSが有るか無いかを示す。
【0039】
[搬送ローラ対41]
搬送ローラ対41は、ロール体38から引き出したシートSを排出口16へと搬送する。搬送ローラ対41は、駆動ローラ42と、ピンチローラ43とを有する。駆動ローラ42およびピンチローラ43は、テンショナ22より搬送方向Pの下流であって記録ヘッド24より上流においてフレーム29,30に支持され、各々の軸線が左右方向9に沿って延びる。駆動ローラ42は、ローラモータ101(図9参照)から駆動伝達されて回転する。ピンチローラ43は、駆動ローラ42の上端に上方から当接する。駆動ローラ42は、ピンチローラ43との間にシートSをニップしつつ前方または後方にシートSを搬送可能である。
【0040】
[排出ローラ対51]
排出ローラ対51は、ヒータ26から搬送されるシートSを排出口16へ排出する。排出ローラ対51は、カッタ28より搬送方向Pの上流であってヒータ26より搬送方向Pの下流に位置する。排出ローラ対51は、排出ローラ52と、ピンチローラ53とを有する。排出ローラ52およびピンチローラ53の各軸線は、左右方向9に沿って延びる。排出ローラ52は、ローラモータ101(図9参照)から駆動伝達されて回転する。ピンチローラ53は、排出ローラ52の上端に上方から当接する。排出ローラ52は、ピンチローラ53との間にシートSをニップしつつ前方または後方にシートSを搬送可能である。
【0041】
[記録ヘッド24]
記録ヘッド24は、搬送ローラ対41より搬送方向Pの下流であってヒータ26より上流に位置する。記録ヘッド24は、支持機構25の上方に位置する。記録ヘッド24は、支持機構25との間隔を調整可能な調整機構56を介してフレーム29,30に支持されている。記録ヘッド24は、記録ヘッド24の下面に形成された複数のノズル57が開口する面であるノズル面58と、圧電素子(不図示)とを有している。記録ヘッド24は、ノズル57から支持機構25によって支持されたシートSへ向かってインク(液体の一例)を吐出する。圧電素子は、コントローラ130(図9参照)により駆動される。記録ヘッド24は、インクタンク(不図示)からチューブ(不図示)を介してインクの供給を受ける。インクは、水、顔料、熱可塑性樹脂微粒子を含有する。
【0042】
[調整機構56]
調整機構56は、記録ヘッド24のノズル面58と支持機構25との距離D1(図8参照)を調整可能である。調整機構56は、所謂ボールネジ59である。ボールネジ59は、フレーム29,30に固定されており、記録ヘッド24を上下方向7へ移動可能に支持する。ボールネジ59は、コントローラ130に制御されて、記録ヘッド24を移動する。
【0043】
[支持機構25]
図2図5に示されるように、支持機構25は、搬送ローラ対41より搬送方向Pの下流であってヒータ26より上流に位置する。支持機構25は、記録ヘッド24の直下において、フレーム29,30により支持される。支持機構25は、プラテン74と、吸引ファン80と、支持ローラ71と、従動ローラ72と、搬送ベルト70とを有する。
【0044】
プラテン74は、搬送路33を搬送されるシートSの左右方向9における両端部分を支持する。プラテン74は、支持機構25の左右方向9における中央に位置する搬送ベルト70を挟んで左右に位置している。各プラテン74は、上方に向かって開口する第1溝76と、第1溝76の左右方向9における外方において上方に向かって開口する第2溝77とを有している。第1溝76は底部分において上下方向7に貫通する貫通孔78を有しており、第2溝77は、底部分において上下方向7に貫通する貫通孔79を有している。各貫通孔78,79は、それぞれ搬送方向Pの上流に位置している。各貫通孔78,79は、それぞれ吸引ファン80(図2参照)に連通している。
【0045】
第1溝76は、左右方向9よりも前後方向8に長い長方形の溝である。第1溝76は、前後方向8に沿って延びている。第1溝76は、搬送面75の左右にそれぞれ位置し、搬送面75に隣接している。つまり、各第1溝76は、プラテン74における左右方向(交差方向の一例)9の中央寄りに位置している。各第1溝76は、吸引ファン80との間に第1開閉部81が配置される。第1開閉部81は、コントローラ130によって制御されて、第1溝76と吸引ファン80との連通を開閉する。
【0046】
第2溝77は、第1溝76と同様、左右方向9よりも前後方向8に長い長方形の溝である。第2溝77は、前後方向に沿って延びている。第2溝77は、第1溝76の左右方向9における外方に隣接している。つまり、各第2溝77は、プラテン74における左右方向9の外寄りに位置している。各第2溝77は、吸引ファン80との間に第2開閉部82が配置される。第2開閉部82は、コントローラ130によって制御されて、第2溝77と吸引ファン80との連通を開閉する。吸引ファン80は、シートSが第1溝76または第2溝77上において搬送される際、シートSを吸引力によってプラテン74の上方に吸着させる。
【0047】
図6(a)および(b)に示されるように、第1開閉部81は、第1サイドガイド145および第2サイドガイド146に連結されており、第1溝76の貫通孔78を開閉する。第1開閉部81は、第1サイドガイド145および第2サイドガイド146における搬送方向Pの下流端からプラテン74の下方へと延びている。各第1開閉部81は、平板形状である。各第1開閉部81は、プラテン74の左右方向9における中心を基準に左右対称の形状である。第1開閉部81は、プラテン74の下方において左右方向9にスライド移動可能である。図6(a)に示されるように、第1開閉部81は、第1サイドガイド145と第2サイドガイド146とが互いに遠ざかる位置にあるとき、上下方向7から視て第2溝77よりも左右方向9における内側に位置して第1溝76の貫通孔78を塞ぐ。
【0048】
第2開閉部82は、第1サイドガイド145および第2サイドガイド146に連結されており、第2溝77の貫通孔79を開閉する。第2開閉部82は、第1サイドガイド145および第2サイドガイド146における搬送方向Pの下流端からそれぞれプラテン74の下方へと延びている。各第2開閉部82は、左右方向9において第1開閉部81の外方に位置している。第2開閉部82は、第1開閉部81と一体に形成されている。各第2開閉部82は、平板形状である。第2開閉部82は、プラテン74の下方において左右方向9にスライド移動可能である。図6(b)に示されるように、各第2開閉部82は、プラテン74の左右方向9における中心を基準に左右対称の形状である。第2開閉部82は、第1サイドガイド145および第2サイドガイド146が互いに近づく位置にあるとき、第1溝76よりも左右方向9における外側に位置して第2溝77を塞ぐ。
【0049】
シートSは、互いに遠ざかる位置にある第1サイドガイド145および第2サイドガイド146に案内されて搬送されるとき、第2溝77から吸引されつつ搬送ローラ対41および搬送ベルト70から付与される搬送力によって搬送される。また、シートSは、互いに近づく位置にある第1サイドガイド145および第2サイドガイド146に案内されて搬送されるとき、第1溝76から吸引されつつ搬送ローラ対41および搬送ベルト70から付与される搬送力によって搬送される。
【0050】
図示は省略するが支持ローラ71、従動ローラ72が、プラテン74に回転可能に支持されている。図2図5に示されるように、支持ローラ71は、ローラモータ101(図9参照)で生成された動力よって左右方向9周りに回転する。従動ローラ72は、プラテン74に回転可能に支持されており、左右方向9周りに回転可能である。従動ローラ72は、支持ローラ71とともに搬送ベルト70が張架されており、支持ローラ71の回転にともなって回転する。
【0051】
搬送ベルト70は、搬送面75を有している。搬送面75は、搬送ベルト70の上端の矩形状の部分である。搬送面75は、搬送路33を挟んで記録ヘッド24のノズル面58と対向している。搬送面75は、左右方向9においてシートSよりも狭い幅を有しており、搬送ローラ対41とヒータ26の間を搬送されるシートSを下方から支持し、シートSに搬送力を付与する。
【0052】
[ガイド85]
ガイド85は、搬送ローラ対41から搬送されたシートSの先端をプラテン74に近接させて記録ヘッド24とプラテン74との間に案内する。図2に示されるように、ガイド85は、記録ヘッド24の搬送方向Pにおける上流に位置する。図7に示されるように、ガイド85は、取付部86と、本体部87とを有している。
【0053】
取付部86は、ガイド85を支持機構25に取り付ける部分である。取付部86は、ガイド85の左右端部に位置する。取付部86は、下面が平坦であり、当該下面において下方に突出する位置決め部88を有している。位置決め部88は、支持機構25の上面に形成された孔(不図示)に嵌められる。ガイド85は、位置決めされた状態でビス89によって支持機構25に固定される。
【0054】
図7図8に示されるように、本体部87は、プラテン74に対向して位置する。本体部87は、搬送方向Pに搬送されるシートSを案内するガイド面90を有している。ガイド面90は、本体部87において下方に向く面である。ガイド面90は、搬送方向Pにおける下流に向かうにつれて下方に傾斜してさらに搬送方向Pにおける下流に向かって平坦に延びている。搬送方向Pに搬送されるシートSは、前端がガイド面90に当接し、記録ヘッド24とプラテン74との間に搬送される。ガイド面90の搬送方向Pにおける上流端90aは、記録ヘッド24の搬送方向Pにおける上流端24aよりも上方に位置している。ガイド面90の搬送方向Pにおける下流端90bは、記録ヘッド24の搬送方向Pにおける上流端24aよりも下方に位置しており、且つ記録ヘッド24の搬送方向Pにおける上流端24aよりも下流に位置している。
【0055】
[ヒータ26]
ヒータ26は、支持機構25より前方でフレーム29,30に支持され、左右方向9に延びる。ヒータ26は、伝熱プレート46と、フィルムヒータ47とを有している。伝熱プレート46は、金属製であり、搬送ベルト70の搬送面75と概ね同じ上下位置に、前後方向8および左右方向9に拡がる支持面を有する。支持機構25から送り出されたシートSは、伝熱プレート46の支持面上で前方へと搬送される。フィルムヒータ47は、伝熱プレート46の下面に固定されている。熱は、伝熱プレート46を介して、伝熱プレート46上のシートSに伝わる。伝熱プレート46の熱は、シートSに吐出されたインク、或いはシートSに吐出されてシートSに含浸したインクを加熱して水分を蒸発させる。
【0056】
[ヒータカバー27]
ヒータカバー27は、ヒータ26から上方に若干離れて位置する。ヒータカバー27は、筐体カバー13の左壁14および右壁20(図1(B)参照)の間で前後左右に拡がる。ヒータカバー27は、伝熱プレート46の支持面全域を覆っている。
【0057】
[カッタ28]
カッタ28は、排出ローラ対51の前方に位置する。カッタ28は、コントローラ130の制御下で駆動され、搬送方向Pの上流側で支持された状態のシートSの前方において左右方向9に移動してシートSを切断する。切断されたシートSは、排出口16から筐体1の外部へと排出される。
【0058】
[コントローラ130]
以下、図9が参照されて、プリンタ10のコントローラ130によって制御される構成が説明される。コントローラ130は、プリンタ10の全体動作を制御するものである。コントローラ130は、CPU131、ASIC135、ROM132、RAM133、及びEEPROM134を備えている。CPU131、ASIC135、ROM132、RAM133、及びEEPROM134は、内部バス137によって接続されている。
【0059】
ROM132には、CPU131が各種動作を制御するためのプログラムなどが格納されている。RAM133は、CPU131が上記プログラムを実行する際に用いるデータや信号等を一時的に記録する記憶領域、或いはデータ処理の作業領域として使用される。EEPROM134には、電源オフ後も保持すべき設定やフラグ等が格納される。
【0060】
ASIC135には、ホルダモータ100、ローラモータ101、吸引モータ106、カッタ駆動モータ102、キャリッジモータ103、ピニオン用モータ104、ボールネジモータ105が接続されている。ASIC135には、各モータを制御する駆動回路が組み込まれている。CPU131は、各モータを回転させるための駆動信号を各モータに対応する駆動回路に出力する。駆動回路は、CPU131から取得した駆動信号に応じた駆動電流を、対応するモータへ出力する。これにより、対応するモータが回転する。
【0061】
具体的には、コントローラ130は、ホルダモータ100を駆動して、ロールホルダ21からシートSを供給または巻取りを実行する。コントローラ130は、ローラモータ101を駆動して各ローラ42,52,71を搬送方向Pまたは搬送方向Pと逆方向にシートSを搬送する。コントローラ130は、吸引モータ106を駆動して吸引ファン80を運転する。コントローラ130は、カッタ駆動モータ102を駆動して、カッタ28によってシートSを切断する。コントローラ130は、キャリッジモータ103を駆動して、記録ヘッド24を走査方向に移動させる。コントローラ130は、ボールネジモータ105を駆動して、記録ヘッド24を上下方向7に移動する。コントローラ130は、ピニオン用モータ104を駆動して、第1サイドガイド145および第2サイドガイド146の位置を調整する。このとき第1開閉部81および第2開閉部82が第1溝76および第2溝77に対してスライド移動される。
【0062】
ASIC135には、シートセンサ23が接続されている。コントローラ130は、シートセンサ23の位置にシートSが存在するか否かを検知する。コントローラ130は、シートSが搬送方向Pに搬送されるときにおいて、シートセンサ23の位置にシートSの先端が到達しシートセンサ23から受け取った電気信号がハイレベルからローレベルに変化してからローラモータ101の回転量によって、シートSの先端の位置を判定する。ASIC135には、ヒータ26が接続されている。コントローラ130は、ヒータ26に給電することによって発熱させる。
【0063】
[コントローラ130によるプリンタ10の制御]
以下、プリンタ10において加熱されたシートSを各ローラ42,52,71によって搬送して画像を記録する動作について、図10図11のフローチャートおよび図12図17を参照しつつ説明する。図10図11に示されるように、コントローラ130は、ステップS10~S37を実行する。プリンタ10のコントローラ130による制御に先立って、プリンタ10の電源がオンにされ、収容空間37にシートSが装填される。ユーザは、収容空間37に装填したシートSの先端を隙間39から引き出してテンショナ22に沿って湾曲させて搬送ローラ対41に狭持させる。
【0064】
プリンタ10の電源がオンにされると、ヒータ26に給電され加熱が開始される。ヒータによる加熱は、プリンタ10の電源がオフにされるまで行わるため、ヒータ26の上方を通過するシートSは常に加熱される。
【0065】
シートSの装填において、ユーザは、操作部31を通じてシートSの種類等の入力を行う。例えば、EEPROM134に、シートSの種類に応じた幅情報が記憶されている。コントローラ130は、入力されたシートSに対応する幅情報をEEPROM134から読み出して、幅情報に応じて第1サイドガイド145および第2サイドガイド146の左右方向9における位置を調整すべく、ピニオン用モータ104を駆動する。
【0066】
ピニオン用モータ104が駆動されると、第1サイドガイド145および第2サイドガイド146が互いに近づく方向に調整される。このとき、第2溝77が第2開閉部82によって閉じられ、第1溝76が開口した状態となる。
【0067】
また、EEPROM134に、シートSの種類に応じた厚み情報が記憶されており、コントローラ130は、入力されたシートSに対応する厚み情報をEEPROM134から読み出して、厚み情報に応じて記録ヘッド24の上下方向7における位置を調整すべく、ボールネジ59を駆動する。
【0068】
本実施形態においては、1枚目ラベルL1と2枚目のラベルL2の間に位置するシートSが切断されるときにおいて、2枚目のラベルL2の後端と、3枚目のラベルL3の前端とがヒータ26の直上に位置して加熱される。このとき、ラベルL2の前端は加熱されておらず湾曲していない。以下においては、説明の便宜上、ラベルL2の前端が搬送される工程についての説明が省略される。
【0069】
プリンタ10のコントローラ130による制御は、外部情報機器からラベルLに画像記録する印刷データを受信したときから開始される。まず、コントローラ130は、印刷データを受信したことに応じて、吸引モータ106を駆動し吸引ファン80の運転を開始する(S10)。吸引モータ106が駆動されることで、プラテン74の第1溝76から空気が吸引され、プラテン74上を通過するシートSが吸着可能な状態になる。
【0070】
次に、コントローラ130は、ホルダモータ100を駆動する(S11)とともに、ローラモータ101を駆動する(S12)。図12に示されるように、ホルダモータ100およびローラモータ101が駆動されたとき、シートSは、駆動ローラ42とピンチローラ43とにニップされた状態から搬送方向Pに搬送されてシートセンサ23の上方を通過する。シートセンサ23の上方を通過したシートSは、さらに記録ヘッド24へと搬送される。このとき、図13に示されるように、シートSの前端が、ガイド85のガイド面90に当接した後、ガイド面90に沿って記録ヘッド24とプラテン74との間に案内されつつ、プラテン74に吸着される。
【0071】
コントローラ130は、シートセンサ23がシートSのマークを検知してからのローラモータ101の回転量に基づいて、シートSの1つ目のラベルL1がインク滴が吐出される印字位置に到達したか否かを判断する(S13)。コントローラ130は、ラベルL1が印字位置に到達していないと判断したとき(S13:No)、ホルダモータ100およびローラモータ101の駆動を継続してシートSを搬送する。コントローラ130は、ラベルL1が印字位置に到達したと判断したとき(S13:Yes)、圧電素子への給電を開始して画像記録を行う(S14)。
【0072】
コントローラ130は、1ラベル分の画像記録が終了したか否かを判断する(S15)。コントローラ130は、1ラベル分の画像記録が終了していないと判断したとき(S15:No)、ラベルL1への画像記録を継続する(S14)。コントローラ130は、1ラベル分の画像記録が終了したと判断したとき(S15:Yes)、圧電素子への給電を終了して画像記録を停止する(S16)。
【0073】
コントローラ130は、ホルダモータ100およびローラモータ101を駆動して、シートSを搬送する(S17)。このとき、シートSは、図14に示されるように、ヒータ26の上方を搬送されつつ、ヒータ26の熱によって乾燥される。コントローラ130は、シートセンサ23がシートSのマークを検知してからのローラモータ101の回転量に基づいて、シートSにおける1枚目のラベルL1と2枚目のラベルL2の間が切断位置に到達したか否かを判断する(S18)。ここで、図15に示されるように、シートSにおけるラベルL1とラベルL2の間がカッタ28の下方の切断位置に位置するとき、ラベルL1は、切断位置から前方に出た状態になる。
【0074】
コントローラ130は、シートSにおけるラベルL1とラベルL2の間が切断位置に到達していないと判断したとき(S18:No)、ホルダモータ100およびローラモータ101の駆動を継続する(S17)。コントローラ130は、シートSにおけるラベルL1とラベルL2の間が切断位置に到達したと判断したとき(S18:Yes)、ホルダモータ100およびローラモータ101の駆動を停止しシートSの搬送を停止する(S19)。コントローラ130は、搬送が停止された状態でカッタ駆動モータ102を駆動してカッタ28を左右方向9に沿って移動することにより、印刷されたラベルの分だけシートSから切断して切り離す(S20)。
【0075】
カッタ28が左右方向9に沿って移動する間、シートSは搬送されず停止している。シートSが停止されている間、ヒータ26の直上に位置するシートSの一部分が、ヒータ26によって加熱される。図15に示されるように、本実施形態では、シートSにおける2枚目のラベルL2の後端と3枚目のラベルL3の前端の間が加熱されて湾曲する。
【0076】
コントローラ130は、ホルダモータ100およびローラモータ101を逆方向に駆動して、シートSを搬送方向Pの逆向きに搬送する(S21)。コントローラ130は、シートセンサ23がシートSのマークを検知してからのローラモータ101の回転量に基づいて、切断位置に位置するラベルL2の前端が、シートセンサ23の上方へ到達したか否かを判断する(S22)。コントローラ130は、ラベルL2の前端がシートセンサ23に到達していないと判断したとき(S22:No)、ホルダモータ100およびローラモータ101の駆動を継続し、シートSを搬送方向Pの逆向きに搬送する(S21)。コントローラ130は、ラベルL2の前端がシートセンサ23の位置に到達したと判断したとき(S22:Yes)、ホルダモータ100およびローラモータ101の駆動を停止しシートSの搬送方向Pの逆向きへの搬送を停止する(S23)。
【0077】
ここで、コントローラ130は、次の印刷データを受信したことに応じてシートSを搬送し、ラベルL2に画像を記録し、加熱およびラベルL2のシートSを切断する。このとき、シートSにおけるラベルL3の後端とラベルL4の前端とがヒータ26の上方に停止して加熱されて湾曲(図17参照)する。この状態において、コントローラ130の指令によってシートSが切断されると、ラベルL3を先頭とするシートSが搬送方向Pの逆向きに搬送されて、ラベルL3の前端がシートセンサ23の上方に到達する。これらラベルL2に関する搬送などの工程については上述したとおり図10において記載を省略する。次に、前端が湾曲したラベルL3が、搬送、画像記録され、切断される工程について、図11に則して説明する。
【0078】
コントローラ130は、ラベルL3に画像記録する印刷データがRAM133に残存しているか否かを判断する(S24)。コントローラ130は、RAM133に印刷データが残存していないと判断したとき(S24:No)、吸引モータ106への給電を停止し、印刷を終了する(S25)。コントローラ130は、RAM133に印刷データが残存していると判断したとき(S24:Yes)、ホルダモータ100およびローラモータ101を駆動しシートSを搬送方向Pに搬送する(S26)。さらにシートSが搬送されると、図16に示されるように、湾曲したシートSの前端が、ガイド面90に当接した後、ガイド面90に沿って記録ヘッド24とプラテン74との間に案内されつつ、プラテン74に吸着される。
【0079】
コントローラ130は、シートセンサ23がシートSのマークを検知してからのローラモータ101の回転量に基づいて、シートSのラベルL3がインク滴が吐出される印字位置に到達したか否かを判断する(S27)。コントローラ130は、ラベルL3が印字位置に到達していないと判断したとき(S27:No)、ホルダモータ100およびローラモータ101の駆動を継続してシートSを搬送する。コントローラ130は、ラベルL1が印字位置に到達したと判断したとき(S27:Yes)、圧電素子への給電を開始して画像記録を行う(S28)。
【0080】
コントローラ130は、1ラベル分の画像記録が終了したか否かを判断する(S29)。コントローラ130は、1ラベル分の画像記録が終了していないと判断したとき(S29:No)、ラベルL3への画像記録を継続する(S28)。コントローラ130は、1ラベル分の画像記録が終了したと判断したとき(S29:Yes)、圧電素子への給電を終了して画像記録を停止する(S30)。
【0081】
コントローラ130は、ホルダモータ100およびローラモータ101を駆動して、シートSを搬送する(S31)。このとき、シートSは、ヒータ26の上方を搬送されつつ、ヒータ26の熱によって乾燥される。コントローラ130は、シートセンサ23がシートSのマークを検知してからのローラモータ101の回転量に基づいて、シートSにおける3枚目のラベルL3と4枚目のラベルL4の間が切断位置に到達したか否かを判断する(S32)。ここで、シートSにおけるラベルL3とラベルL4の間がカッタ28の下方の切断位置に位置するとき、ラベルL3は、切断位置から前方に出た状態になる。
【0082】
コントローラ130は、シートSにおけるラベルL3とラベルL4の間が切断位置に到達していないと判断したとき(S32:No)、ホルダモータ100およびローラモータ101の駆動を継続する(S31)。コントローラ130は、シートSにおけるラベルL3とラベルL4の間が切断位置に到達したと判断したとき(S32:Yes)、ホルダモータ100およびローラモータ101の駆動を停止しシートSの搬送を停止する(S33)。コントローラ130は、搬送が停止された状態でカッタ駆動モータ102を駆動してカッタ28を左右方向9に沿って移動することにより、印刷されたラベルの分だけシートSから切断して切り離す(S34)。
【0083】
カッタ28が左右方向9に沿って移動する間、シートSは搬送されず停止している。図17に示されるように、シートSが停止している間、シートSにおける4枚目のラベルL4の後端と5枚目のラベルL5の前端の間が加熱されて湾曲する。
【0084】
コントローラ130は、ホルダモータ100およびローラモータ101を逆方向に駆動して、シートSを搬送方向Pの逆向きに搬送する(S35)。コントローラ130は、シートセンサ23がシートSのマークを検知してからのローラモータ101の回転量に基づいて、切断位置に位置するラベルL5の前端が、シートセンサ23の上方へ到達したか否かを判断する(S36)。コントローラ130は、ラベルL5の前端がシートセンサ23に到達していないと判断したとき(S36:No)、ホルダモータ100およびローラモータ101の駆動を継続し、シートSを搬送方向Pの逆向きに搬送する(S35)。コントローラ130は、ラベルL5の前端がシートセンサ23の位置に到達したと判断したとき(S36:Yes)、ホルダモータ100およびローラモータ101の駆動を停止しシートSの搬送方向Pの逆向きへの搬送を停止する(S37)。以下、印刷データがなくなるまで連続して搬送、画像記録、切断、逆搬送が繰り返される。
【0085】
[プリンタ10の作用効果]
実施形態では、シートSがヒータ26による加熱によって前端が湾曲した状態で、切断後に搬送ローラ対41によって搬送方向Pと逆向きに搬送される。その後、シートSは再び搬送方向Pへ搬送される。このとき、シートSの前端がガイド85のガイド面90に当接し、記録ヘッド24のノズル面58とプラテン74との間に案内されて、プラテン74に吸着される。これにより、シートSの前端が記録ヘッド24に当接して紙詰まりするのが抑制される。また、シートSの前端がノズル面58とプラテン74との間に案内されたときに、シートSの前端がプラテン74に早期に吸着され、シートSの前端がノズル面58に擦れず、シートSが汚れることなく搬送される。
【0086】
実施形態では、プラテン74において第1溝76と第2溝77とが交差方向へ並ぶ。このため、プラテン74には、シートSの左右方向9における左右の端と左右方向9における中央寄りの部分とが吸着される。
【0087】
実施形態では、コントローラ130によって第1開閉部81および第2開閉部82を開閉し、シートSの左右方向9における寸法に応じたシートSの端に対応する第1溝76または第2溝77に選択的に吸引力を付与できる。
【0088】
実施形態では、調整機構56によって記録ヘッド24が上方に移動されることによって、記録ヘッド24のノズル面58とプラテン74との距離D1が広げられる。これにより、シートSの前端が湾曲する場合であっても、ノズル面58との接触が抑制され、シートSが汚れるのが抑制される。
【0089】
実施形態では、シートSが搬送方向Pに搬送されるとき、シートSの前端がガイド面90に当接して、ガイド面90に沿いつつ記録ヘッド24とプラテン74の間に確実に案内される。
【0090】
[変形例]
実施形態では、第1開閉部81および第2開閉部82が、第1サイドガイド145および第2サイドガイド146と連結されており、第1サイドガイド145および第2サイドガイド146における搬送方向Pの下流端からプラテン74の下方へと延びる場合を例にあげて説明したがこの構成に限らない。第1開閉部81および第2開閉部82は、コントローラ130の制御によって、第1溝76および第2溝77を開閉可能な蓋であってもよい。
【0091】
実施形態では、第1溝76および第2溝77が、長方形の貫通孔である場合を例にあげて説明したが、この形状に限らない。第1溝76および第2溝77は、円形或いは楕円形の貫通孔であってもよい。第1溝76および第2溝77は、複数が前後方向8に沿って並んでいてもよく、プラテン74において少なくともガイド面90の下方に一つ位置していればよい。
【0092】
実施形態では、プリンタ10の動作を制御するモータとして、ホルダモータ100、ローラモータ101、吸引モータ106、カッタ駆動モータ102、キャリッジモータ103、ピニオン用モータ104、ボールネジモータ105等の複数のモータによって各駆動対象が制御される場合を例にあげて説明したが、この構成に限らない。各駆動対象は、一つのモータによって駆動されるギヤを介して駆動されてもよい。
【0093】
実施形態では、記録ヘッド24が調整機構56を介してフレーム29,30に支持されている場合を例にあげて説明したが、この構成に限らない。記録ヘッド24は、調整機構56を介して支持機構25に支持されるものであってもよい。
【0094】
実施形態では、記録ヘッド24がボールネジ59によって支持されており、上下方向に移動可能である場合を例にあげて説明したが、この構成に限らない。記録ヘッド24は、例えば、複数のリンクによってフレームに上下方向7に移動可能に支持されており、モータの駆動力によってリンクを回動することで、記録ヘッド24を上下移動されてもよい。
【符号の説明】
【0095】
10・・・プリンタ(画像記録装置)
21・・・ロールホルダ(支持部)
24・・・記録ヘッド
26・・・ヒータ(加熱部)
28・・・カッタ
38・・・ロール体
41・・・搬送ローラ対(搬送部)
56・・・調整機構
57・・・ノズル
58・・・ノズル面
74・・・プラテン
76・・・第1溝
77・・・第2溝
80・・・吸引ファン
81・・・第1開閉部
82・・・第2開閉部
85・・・ガイド
90・・・ガイド面
130・・・コントローラ
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17