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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024006124
(43)【公開日】2024-01-17
(54)【発明の名称】油性化粧料およびその製造方法
(51)【国際特許分類】
   A61K 8/31 20060101AFI20240110BHJP
   A61K 8/72 20060101ALI20240110BHJP
   A61K 8/73 20060101ALI20240110BHJP
   A61K 8/895 20060101ALI20240110BHJP
   A61Q 1/06 20060101ALI20240110BHJP
   A61Q 1/10 20060101ALI20240110BHJP
   A61Q 1/08 20060101ALI20240110BHJP
   A61Q 1/12 20060101ALI20240110BHJP
   A61K 8/37 20060101ALI20240110BHJP
【FI】
A61K8/31
A61K8/72
A61K8/73
A61K8/895
A61Q1/06
A61Q1/10
A61Q1/08
A61Q1/12
A61K8/37
【審査請求】未請求
【請求項の数】10
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022106724
(22)【出願日】2022-06-30
(71)【出願人】
【識別番号】000145862
【氏名又は名称】株式会社コーセー
(72)【発明者】
【氏名】宗像 孝紀
【テーマコード(参考)】
4C083
【Fターム(参考)】
4C083AA121
4C083AA122
4C083AB172
4C083AB212
4C083AB232
4C083AB242
4C083AB322
4C083AB372
4C083AB382
4C083AB432
4C083AB442
4C083AC011
4C083AC012
4C083AC022
4C083AC102
4C083AC112
4C083AC122
4C083AC342
4C083AC351
4C083AC352
4C083AC372
4C083AC392
4C083AC421
4C083AC422
4C083AC442
4C083AC472
4C083AC512
4C083AC792
4C083AC842
4C083AC852
4C083AC912
4C083AD021
4C083AD022
4C083AD072
4C083AD091
4C083AD092
4C083AD151
4C083AD152
4C083AD171
4C083AD172
4C083AD241
4C083AD242
4C083AD262
4C083AD332
4C083AD662
4C083CC12
4C083CC13
4C083CC14
4C083DD21
4C083EE06
4C083EE07
(57)【要約】      (修正有)
【課題】本発明は、使用性に優れた油性化粧料を提供することを課題とする。
【解決手段】本発明は、融点が70℃~110℃のワックス、非晶質非晶性ポリマー、架橋型シリコーンエラストマー、および25℃で液状の油剤を特定の比率で組み合わせることで、着手のほぐれの均一性に優れながら、化粧膜が薄く、テカリのない仕上がりで、しわが目立ちにくい油性化粧料を提供する。
【選択図】なし
【特許請求の範囲】
【請求項1】
次の成分(A)~(D);
(A)融点が70~110℃であるワックス
(B)非晶性ポリマー
(C)架橋型シリコーンエラストマー
(D)25℃において液状である油剤
を含有し、前記成分(A)、成分(B)、成分(C)の含有質量割合、(C)/〔(A)+(B)〕=0.05~2.0であり、(A)/(B)=2~200である油性化粧料。
【請求項2】
前記成分(A)が炭化水素ワックスである請求項1記載の油性化粧料。
【請求項3】
前記成分(B)が、重量平均分子量(Mw)25000~100000であり、融点が60~100℃のポリプロピレン重合体、およびイソステアリン酸デキストリンから選ばれる1種または2種以上である請求項1又は2に記載の油性化粧料。
【請求項4】
前記成分(C)が非乳化性架橋型シリコーンエラストマーである請求項1又は2に記載の油性化粧料。
【請求項5】
さらに成分(E)油溶性皮膜形成剤を含有する請求項1又は2に記載の油性化粧料。
【請求項6】
前記成分(D)が、エステル油である請求項1又は2に記載の油性化粧料
【請求項7】
さらに成分(F)平均粒子径1~40μmの粉体を含有する請求項1又は2に記載の油性化粧料
【請求項8】
さらに、成分(G)揮発性油剤が3質量%以下である請求項1又は2に記載の油性化粧料。
【請求項9】
油性固形化粧料である請求項1又は2に記載の油性化粧料。
【請求項10】
成分(A)融点が70~110℃であるワックスと、(B)非晶性ポリマーと、(C)架橋型シリコーンエラストマーと、(D)25℃において液状である油剤を含有し、前記成分(A)、成分(B)、成分(C)の含有質量割合、(C)/〔(A)+(B)〕=0.05~2.0であり、(A)/(B)=2~200である油性化粧料の製造方法であって、前記成分(A)と成分(B)と成分(D)を温度80~120℃において溶融する組成物(1)の工程(1)、さらに組成物(1)に温度25~75℃において成分(C)を添加混合する組成物(2)とする工程(2)を有し、さらに組成物(2)を含む油性化粧料を温度90~120℃で溶融後に、容器に充填し、0℃以下で冷却する工程(3)を有する油性化粧料の製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、油性化粧料およびその製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
油性化粧料は、口紅、コンシーラー、アイライナー、アイシャドウ、チーク等のメイクアップ用化粧品に広く用いられている。近年は市場トレンドの多様化により、消費者に求められるその化粧膜の仕上がりや使用感も多様であるが、特に、マスクを着用する生活習慣の普及により、薄膜であり、テカリのない質感が好まれる傾向がある。
油性化粧料における、上記のテカリのないマットな質感を叶える技術としては、これまでにも、粉体や、架橋型エラストマー膨潤物を配合する手法が用いられてきた。例えば、特定量の部分架橋型オルガノポリシロキサン重合体とアミノ酸系油剤とを配合することにより、べたつき等の感触を改善し、のび広がりの良さに優れた油性化粧料が提案されている。(特許文献1参照)
一方で、薄膜にする技術としては、形状保持性に優れていることが重要であり、例えば、高分子量の特定のプロピレン重合体を、炭化水素ワックスとポリグリセリン脂肪酸エステルで構成される油性化粧料に配合することにより、高温の形状保持性に優れながらも、柔らかな使用感があり、肌および唇へのフィット感、化粧膜のツヤ感、発色の持続性に優れた化粧料が提案されている。(特許文献2参照)
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2022-044088号公報
【特許文献2】特開2008-247831号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、例えば特許文献1の技術では、架橋型エラストマー高配合によるテカリのない質感が実現できても、同時に、塗布時のほぐれ方が不均一になりやすく、仕上がり膜には厚みが出て、不均一な仕上がりになり、薄膜で、皮膚や口唇上のしわに膜がよれてしわが目立ちやすくなる点に課題が生じることがあった。
また、例えば特許文献2の技術では、着手のほぐれの均一性とテカリのない質感を両立するバランスの着想がなかった。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記実情に鑑み、本発明者鋭意検討の結果、融点が70~110℃のワックス、非晶性ポリマー、架橋型シリコーンエラストマー、および25℃で液状の油剤を特定の比率で組み合わせることで、着手のほぐれの均一性に優れながら、薄膜でテカリのない質感で、しわが目立ちにくい油性化粧料の課題を解決することを見出し、発明を完成させるに至った。
本発明は以下の通りである。
〔1〕
すなわち、本発明は、次の成分(A)~(D);
(A)融点が70~110℃であるワックス
(B)非晶性ポリマー
(C)架橋型シリコーンエラストマー
(D)25℃において液状である油剤
を含有し、前記成分(A)、成分(B)、成分(C)の含有質量割合、(C)/〔(A)+(B)〕=0.05~2.0であり、(A)/(B)=2~200である油性化粧料を提供するものである。
〔2〕
前記成分(A)が炭化水素ワックスである〔1〕記載の油性化粧料を提供するものである。
〔3〕
前記成分(B)が、重量平均分子量(Mw)25000~100000であり、融点が60~100℃のポリプロピレン重合体、およびイソステアリン酸デキストリンから選ばれる1種または2種以上である〔1〕又は〔2〕に記載の油性化粧料を提供するものである。
〔4〕
前記成分(C)が非乳化性架橋型シリコーンエラストマーである〔1〕又は〔2〕に記載の油性化粧料を提供するものである。
〔5〕
さらに成分(E)油溶性皮膜形成剤を含有する〔1〕又は〔2〕に記載の油性化粧料を提供するものである。
〔6〕
前記成分(D)が、エステル油である〔1〕又は〔2〕に記載の油性化粧料を提供するものである。
〔7〕
さらに成分(F)平均粒子径1~40μmの粉体を含有する〔1〕又は〔2〕に記載の油性化粧料を提供するものである。
〔8〕
さらに、成分(G)揮発性油剤が3質量%以下である〔1〕又は〔2〕に記載の油性化粧料を提供するものである。
〔9〕
前記油性化粧料が油性固形化粧料である〔1〕又は〔2〕に記載の油性化粧料を提供するものである。
〔10〕
成分(A)融点が70~110℃であるワックスと、(B)非晶性ポリマーと、(C)架橋型シリコーンエラストマーと、(D)25℃において液状である油剤を含有し、前記成分(A)、成分(B)、成分(C)の含有質量割合、(C)/〔(A)+(B)〕=0.05~2.0であり、(A)/(B)=2~200である油性化粧料の製造方法であって、前記成分(A)と成分(B)と成分(D)を温度80~120℃において溶融する組成物(1)の工程(1)、さらに組成物(1)に温度25~75℃において成分(C)を添加混合する組成物(2)とする工程(2)を有し、さらに組成物(2)を含む油性化粧料を温度90~120℃で溶融後に、容器に充填し、0℃以下で冷却する工程(3)を有する油性化粧料の製造方法を提供するものである。
〔11〕
さらに以下の発明も追加することができる。
前記〔9〕の油性固形化粧料を以下のサンプル条件、測定条件にて針入荷重値を測定し、応力値と侵入距離の関係において、侵入0.5mm~3.0mmの範囲に、応力曲線の極大点とその直後の極小点の応力値の差が3g以上となる振幅が、4個以上である〔9〕に記載の油性化粧料を提供するものである。
〔サンプル条件:溶解温度110℃、充填温度95℃にて12mmφ円柱状に充填したのち、室温で10min静置し、-20℃で30min冷却し、測定時に室温25℃に放置30min後に測定。
測定条件:英弘精機株式会社製の「テクスチャーアナライザー」により、2mmφ円柱シリンダープローブ、プローブ侵入速度を0.01mm/sec、侵入距離を6mmとし、試料の長辺の先端から10mm、短辺の中央部を測定。〕
【発明の効果】
【0006】
本発明により、着手のほぐれの均一性に優れながら、薄膜で、テカリのない質感で、しわが目立ちにくい油性化粧料を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
図1】針入荷重測定条件を示す図である。
図2】実施例4:針入荷重値変化を示す図である。(以下、応力曲線の極大点とその直後の極小点の応力値の差が3g以上となる振幅を矢印で示すものとする。) 成分(B):ポリプロピレン重合体※7含有
図3】実施例9:針入荷重値変化を示す図である。 成分(B):水添スチレン/イソプレンコポリマー※8含有
図4】実施例10:針入荷重値変化を示す図である。 成分(B):水添スチレン/ブタジエンコポリマー※9含有
図5】実施例11:針入荷重値変化を示す図である。 成分(B):イソステアリン酸デキストリン含有
図6】比較例2:針入荷重値変化を示す図である。 成分(B):無し
図7】比較例3:針入荷重値変化を示す図である。 成分(B):無し+A:比較例2の2倍量
図8】比較例4:針入荷重値変化を示す図である。 成分(B):無し
【発明を実施するための最良の形態】
【0008】
本発明の好ましい実施形態について詳細に説明する。ただし、本発明は以下の好ましい実施形態に限定されず、本発明の範囲内で自由に変更することができるものである。尚、本明細書において百分率は特に断りのない限り質量による表示である。また、本明細書においては、「~」を用いて数値範囲を表す際は、その範囲は両端の数値を含むものとする。また、本発明における「平均粒子径」とは、走査型電子顕微鏡(日本電子製、JSM-7800prime)を用いて、表面状態を観察し、画像解析装置(ルーゼックスAP、ニレコ社製)による測定により求めた値(D50)を用いる。なお、非対称形状の場合、本発明においては最も大きい粒子径の分布から求めたメジアン径D50を平均粒子径とする。
【0009】
本発明に用いられる成分(A)融点が70~110℃であるワックスは、通常化粧料に使用されるものであれば特に限定されず、天然由来及び合成由来のいずれも使用することができる。例えば、炭化水素ワックス、エステルロウ、シリコーンワックス等が挙げられる。具体的には、パラフィンワックス、セレシンワックス、オゾケライトワックス、マイクロクリスタリンワックス、フィッシャートロプシュワックス、ポリエチレンワックス、エチレン・プロピレンコポリマーなどの炭化水素ワックス、キャンデリラワックス、カルナウバワックス、ビーズワックス、ライスワックス、モクロウ、ゲイロウ、ジロウ、モンタンワックス等のエステルロウ、シリコーンワックス等が挙げられ、これらの1種又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
【0010】
これらの中でも、炭化水素ワックスを含有する1種又は2種以上の組み合わせが好ましい。炭化水素ワックスを含有すると化粧膜の薄さの点で好ましい。
【0011】
本発明におけるワックスの融点は、以下の方法により測定することができる。試料を約2mg秤量し、アルミニウム試料パン中に入れる。このパンにアルミニウムカバーを取り付け、示差走査熱量計「DSC7020」(日立ハイテクサイエンス社製、製品名)中に設置する。電気冷却ユニット「Polyscience」(日立ハイテクサイエンス社製、製品名)を用いて、窒素ガス流量30~50mL/minのもと試料及び基準試料を-10℃で1分間保持した後、昇温速度10℃/minで-10℃から100℃まで昇温させ、降温条件-10℃/minで100℃から-10℃まで降温させ、再び昇温速度10℃/minで-10℃から100℃まで昇温することにより、融解吸熱カーブを得る。このときの2回目の昇温における融解吸熱カーブのピーク温度を融点として採用する。なお、ピーク温度が複数ある場合、融解温度が最も高いピーク温度を融点とする。本発明におけるワックスの融点は特に限定されないが、70℃以上が好ましく、80℃以上がより好ましい。この融点であると、着手のほぐれの均一性に優れる点で好ましい。
【0012】
本発明に用いられる成分(A)の含有量は、とくに限定しないが、油性化粧料全量に対し、下限としては、5質量%(以下%と記す)以上が好ましく、6%以上がより好ましく、8%以上がさらに好ましい。上限としては、25%以下が好ましく、20%以下がより好ましく、15%以下がさらに好ましい。範囲としては、5~25%が好ましく、6~20%がより好ましく、8~15%がさらに好ましい。この範囲であると、しわの目立ちにくさ、テカリのなさ、膜の薄さの点でより好ましい。
【0013】
本発明に用いられる成分(B)非晶性ポリマーにおいて、非晶性とは、単体で結晶形を持たない、または結晶性が低いものを指す。具体的には、特に限定しないが、パラクリスタル、準結晶、液晶、スピングラス、アモルファス(無定形)などが含まれる。ポリマーとは、繰り返し単位を有する高分子である。
本発明に用いられる成分(B)非晶性ポリマーは、通常化粧料に使用されるものであれば特に限定されず、例えば、炭化水素系ブロックコポリマー、デキストリン脂肪酸エステル、イヌリン脂肪酸エステル等が挙げられる。具体的には、ポリプロピレン、水添(スチレン/イソプレン)コポリマー、水添(スチレン/ブタジエン)コポリマー等の炭化水素系ポリマー、イソステアリン酸デキストリン、(パルミチン酸/エチルヘキサン酸)デキストリン等のデキストリン脂肪酸エステル、イソステアリン酸イヌリン等のイヌリン脂肪酸エステルが挙げられ、これらの1種又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
【0014】
これらの中でも、着手のほぐれの均一性、膜の均一性、化粧膜の薄さに優れる観点から、重量平均分子量(Mw)が25000~100000のポリプロピレン重合体、水添(スチレン/イソプレン)コポリマー、水添(スチレン/ブタジエン)コポリマー、イソステアリン酸デキストリンよりなる群から選択される1種または2種以上を用いることが好ましく、重量平均分子量(Mw)が25000~100000のポリプロピレン重合体、イソステアリン酸デキストリンを含む1種又は2種以上を組み合わせて用いることがより好ましい。これらの成分を用いると、前記成分(A)の結晶成長を制御する効果を持ち、着手のほぐれの均一性、膜の均一性、化粧膜の薄さにおいて優れた効果を発揮するため、好ましい。なお、重量平均分子量(Mw)が25000~100000であるポリプロピレン重合体の、より好ましい重量平均分子量(Mw)の範囲としては、30000~70000であり、融点は、60~100℃の範囲にあり、好ましい範囲としては、70~80℃である。これらの範囲であると、べたつき感がなく、ハンドリング性の良さや低温において結晶析出しない点で好ましい。
具体的な例としては、重量平均分子量(Mw)が25000~100000であり融点が60~100℃のポリプロピレン重合体としては、L-MODU S400(重量平均分子量(Mw):45000、融点:75℃)、L-MODU S600(重量平均分子量(Mw):75000、融点:85℃)(以上、出光興産社製)、イソステアリン酸デキストリンとしては、ユニフィルマHVY(千葉製粉社製)が挙げられる。
重量平均分子量(Mw)の算出は、GPC測定装置(カラム:TOSO GMHHR-H(S)HT、検出器:液体クロマトグラム用RI検出器 WATERS 150C)を用い、詳細な測定条件は溶媒として1,2,4-トリクロロベンゼン、測定温度は145℃、流速は1.0マイクロリットル、さらに、検量線はUniversal Calibration、解析プログラム:HT-GPC(Ver.1.0)とする。
融点の測定は、示差走査型熱量計(DSC6200、セイコーインスツルメンツ社製)を用い、資料を窒素雰囲気下-10℃で5分間保持した後、10℃/分で昇温させることにより得られた融解吸熱カーブの最も高温側に観測されるピークのピークトップとして定義される融点(Tm)とする。
【0015】
本発明において成分(B)の含有量は、特に限定されないが、油性化粧料全量に対し、下限としては、0.05%以上が好ましく、0.1%以上がより好ましく、0.5%以上がさらにより好ましい。また、上限としては、5%以下が好ましく、3%以下がより好ましく、2%以下がさらにより好ましい。また、0.05~5%が好ましく、0.1~3%がより好ましく、0.5~2%がさらにより好ましい。尚、成分(B)の含有量は、有機溶媒に分散したものを用いる場合は、固形分換算として計算する。この範囲であれば、着手のほぐれの均一性、化粧膜の薄さにより優れより好ましい。
【0016】
本発明において、成分(B)に対する成分(A)の含有質量割合(A)/(B)は、2.0以上であり、2.5以上がより好ましく、3.0以上がさらにより好ましい。また、200以下であり、180以下がより好ましく、150以下がさらにより好ましい。また、2.0~200であり、2.5~180がより好ましく、3.0~150がさらにより好ましい。この範囲であると、着手のほぐれの均一性、化粧膜の薄さにより優れより好ましい。
【0017】
本発明に用いられる成分(C)の架橋型シリコーンエラストマーは、通常化粧料に使用されるものであれば特に限定されず使用することができ、3官能性シランの加水分解によって得られるシルセスキオキサン構造が連続する重合物、または、オルガノポリシロキサンを架橋結合させて得られる一部に三次元架橋構造を有するジメチコン構造を有する重合物である。具体的には、例えば、ジビニルジメチルポリシロキサンで架橋された(ジメチコン/ビニルジメチコン)クロスポリマー等の架橋型メチルポリシロキサン、(ジメチコン/フェニルジメチコン)クロスポリマー等の架橋型メチルフェニルポリシロキサンが挙げられる。また、分子中にアルキル基を含有する重合物としては、例えば、(ビニルジメチコン/ラウリルジメチコン)クロスポリマー等の架橋型アルキル変性シリコーン、アルキル基を架橋部分に有するジメチコンクロスポリマーが挙げられる。また、(ビニルジメチコン/メチコンシルセスキオキサン)クロスポリマー、(ジフェニルジメチコン/ビニルジフェニルジメチコン/シルセスキオキサン)クロスポリマー等の架橋型シリコーン・網状型シリコーンブロック共重合体等が挙げられる。また、分子中にポリオキシアルキレン基を含有する重合物としては、例えば、ジメチコン/(PEG-10/15))クロスポリマー等の架橋型ポリエーテル変性シリコーンが挙げられる。分子中にポリオキシアルキレン基及び長鎖アルキル基を含有する重合物としては、例えば、PEG-15ラウリルジメチコンクロスポリマー等の架橋型アルキル・ポリエーテル共変性シリコーンが挙げられる。分子中にグリセリル基を含有する重合物としては、例えば、(ジメチコン/ポリグリセリン-3)クロスポリマー等の架橋型ポリグリセリン変性シリコーンが挙げられる。これらを1種又は2種以上組み合わせて用いることができる。また、架橋型ポリエーテル変性シリコーンや架橋型ポリグリセリン変性シリコーンは親水基を持つため、乳化性架橋型メチルポリシロキサンと称されることもあり、前述のような親水基を持たないものは非乳化性架橋型メチルポリシロキサン、非乳化性架橋型シリコーンエラストマーと称されることがある。
これらの中でも、着手のほぐれの均一性、テカリのなさの観点から、非乳化性架橋型シリコーンエラストマーが好ましく、架橋型メチルポリシロキサン、架橋型メチルフェニルポリシロキサン、架橋型アルキル変性シリコーン、及び架橋型シリコーン・網状型シリコーンブロック共重合体よりなる群から選択される1種または2種以上がより好ましく、架橋型メチルポリシロキサン、及び架橋型アルキル変性シリコーンよりなる群から選択される1種または2種以上がさらにより好ましい。
【0018】
本発明に用いられる成分(C)の非乳化性架橋型メチルポリシロキサンの市販品として、例えば、ジメチコンクロスポリマーとしては、DOWSIL 9040 Silicone Elastomer Blend(88%揮発性シクロメチコン溶液)、DOWSIL EL-9140 Silicone Elastomer Blend(85%揮発性揮発性ジメチコン溶液)、DOWSIL 9541 Silicone Elastomer Blend(84%揮発性ジメチコン溶液)、DOWSIL EL-8040ID Silicone Organic Blend(82%揮発性イソドデカン溶液)(以上ダウ・東レ社製)、(ジメチコン/ビニルジメチコン)クロスポリマーとしては、KSG-15(95%揮発性シクロメチコン溶液)、KSG-16(75%ジメチコン6CS溶液)、KSG-016F(75%ジメチコン6CS溶液)、KSG-19(85%ジメチコン6CS溶液)(以上信越化学社製)、DOWSIL TREFIL E-506S、DOWSIL EP-9215 Cosmetic Powder(以上ダウ・東レ社製)、(ジメチコン/フェニルビニルジメチコン)クロスポリマーとしては、KSG-18A(ジフェニルシロキシフェニルトリメチコン溶液)、(ビニルジメチコン/ラウリルジメチコン)クロスポリマーとしては、KSG-41(70%ミネラルオイル溶液)、KSG-42A(80%揮発性イソドデカン溶液)、KSG-43(70%トリエチルヘキサノイン溶液)、(ラウリルポリジメチルシロキシエチルジメチコン/ビスビニルジメチコン)クロスポリマーとしては、KSG-042Z(揮発性イソドデカン溶液)が挙げられる。乳化性架橋型メチルポリシロキサンの市販品として、例えば、(ジメチコン/(PEG-10/15))クロスポリマーとしては、KSG-210(ジメチコン溶液)、(PEG-15/ラウリルジメチコン)クロスポリマーとしては、KSG-310(ミネラルオイル溶液)、(ジメチコン/ポリグリセリン-3)クロスポリマーとしては、KSG-710(ジメチコン溶液)(以上信越化学工業社製)が挙げられる。
【0019】
本発明に用いられる成分(C)の含有量は、特に限定されないが、油性化粧料全量に対し、1%以上が好ましく、1.5%以上がより好ましく、2.5%以上がさらにより好ましい。また、10%以下が好ましく、9%以下がより好ましく、8.5%以下がさらにより好ましい。また、1~10%が好ましく、1.5~9%がより好ましく、2.5~8.5%がさらにより好ましい。尚、成分(C)の含有量は、有機溶媒に分散したものを用いる場合は、固形分換算として計算する。この範囲であれば、テカリのなさ、しわの目立ちにくさにより優れより好ましい。
【0020】
本発明において、前記成分(A)~(C)は適宜含有することで効果が得られるものではあるものの、前記成分(A)及び前記成分(B)、前記成分(C)の含有質量割合を特定することにより、着手のほぐれの均一性、しわの目立ちにくさ、化粧膜の薄さにより優れるため、より好ましい。このような成分(A)および(B)に対する成分(C)の含有質量割合(C)/〔(A)+(B)〕は、0.05以上であり、0.1以上がより好ましく、0.15以上がさらにより好ましい。また、2.0以下であり、1.8以下がより好ましく、1.5以下がさらにより好ましい。また、0.05~2.0であり、0.1~1.8がより好ましく、0.15~1.5がさらにより好ましい。特に成分(C)/〔(A)+(B)〕の値が2.0を超えると、もろく崩れる傾向になりやすく、着手のほぐれの均一性に乏しく、化粧膜が厚くなる傾向があり、0.05を下回ると、化粧膜が厚くなり、しわが目立ちやすくなる傾向がある。
【0021】
本発明に用いられる成分(D)の25℃において液状である油剤は、常温(25℃)で流動性を有する液状の油分を意味する。通常化粧料に使用されるものであれば特に限定されず、天然由来及び合成由来のいずれも使用することができ、例えば、炭化水素油、植物油、動物油、鉱物油、エステル油、高級アルコール油、シリコーン油、フッ素油等が挙げられる。ここで、25℃において液状とは、1気圧25℃において流動性を有するものであり、ペースト状や半固形状の油剤は含まないが、揮発性、非揮発性は特に限定しない。揮発性の油剤とは、常圧における沸点が260℃以下のものとする。例えば、n-デカン、n-ウンデカン、n-ドデカン、イソデカン、イソドデカン、イソヘキサデカン、シクロデカン、シクロドデカン等が挙げられ、市販品としては、IPソルベント1620、IPソルベント2028(以上、出光石油化学社製)、PERMETHYL 99A(PRESPERS社製)、AECイソドデカン(A and E Connock(Perfumery and Cosmetics)Ltd.社製)、クレアシルID CG(CIT Sarl社製)、ファンコールID(Elementis Specialties社製)、オリスターIDD(オリエントスターズLLC社製)、パーメチル 99A(Presperse Corp社製)、ISODODECANE(IMCD INEOS Oligomers社製)、Ritacane ID(リタコーポレーション社製)等が挙げられる。これらの1種又は2種以上を組み合わせて用いることができる。油性化粧料全量に対し、揮発性の油剤は、5.0%以下が好ましく、3.0%以下がより好ましく、1.0%以下がさらにより好ましい。この範囲であると、着手のほぐれの均一性、化粧膜の薄さの点がより優れるため好ましい。
【0022】
本発明に用いられる成分(D)は、エステル油を1種または2種以上含有することが好ましい。エステル油とは、例えば、有機酸または無機酸のオキソ酸とアルコールまたはヒドロキシル基を含む化合物との縮合反応で得られる化合物であり、例えば、直鎖脂肪酸と低級アルコールとのエステル、直鎖脂肪酸と直鎖高級アルコールとのエステル、直鎖脂肪酸と分岐高級アルコールとのエステル、直鎖脂肪酸と多価アルコールとのエステル、分岐脂肪酸と低級アルコールとのエステル、分岐脂肪酸と直鎖高級アルコールとのエステル、分岐脂肪酸と分岐高級アルコールとのエステル、分岐脂肪酸と多価アルコールとのエステル、ヒドロキシカルボン酸と前記各種アルコールとのエステル、前記脂肪酸とヒドロキシ基を含む化合物とのエステル、ヒドロキシカルボン酸とヒドロキシ基を含む化合物とのエステル、ダイマー酸と前記各種アルコールとのエステル、ダイマー酸とダイマーアルコールとのエステル等が挙げられる。
具体的には、以下に挙げられるが、イソノナン酸イソノニル(分子量:284.5)、2―オクチルドデカノール(分子量:298.6)、イソノナン酸イソトリデシル(分子量:340.6)、デシルテトラデカノール(分子量:354.7)、ジ2-エチルヘキサン酸ネオペンチルグリコール(分子量:356.5)、2-エチルヘキサン酸セチル(分子量:368.6)、パルミチン酸オクチル(分子量:368.6)、コハク酸ジエチルヘキシル(分子量:342.5)、ジカプリン酸プロピレングリコール(分子量:384.6)、ジカプリン酸ネオペンチルグリコール(分子量:412.6)、ヒドロキシステアリン酸エチルへキシル(分子量:412.7)、モノイソステアリン酸ポリグリセリル-2(分子量:432.6)、炭酸ジアルキル(14,15)(分子量:468.8)、トリエチルヘキサノイン(分子量:470.7)、リンゴ酸ジイソステアリル(分子量:639.1)、テトラ2-エチルヘキサン酸ペンタエリスリット(分子量:640.9)、ジイソステアリン酸ポリグリセリル-2(分子量:699.1)、トリメリト酸トリトリデシル(分子量:752.2)、ステアロイルオキシステアリン酸オクチルドデシル(分子量:847.5)、トリイソステアリン(分子量:891.5)、トリイソステアリン酸ポリグリセリル-2(分子量:965.6)、デカイソステアリン酸ポリグリセリル-10(分子量:3383.2)、デカエチルヘキサン酸ポリグリセリル-10、ミネラルオイル、メチルポリシロキサン、トリメチルシロキシフェニルジメチコン、メチルフェニルポリシロキサン、ジフェニルシロキシフェニルトリメチコン、天然由来としては、ヒマシ油、マカダミアナッツ油、オリーブ油が挙げられ、これらの1種又は2種以上を組み合わせて用いることができる。特に、分子量が400~1000のエステル油を1種または2種以上含有することがより好ましい。この範囲であると、着手のほぐれの均一性、化粧膜の薄さに優れるためより好ましい。
【0023】
本発明に用いられる成分(D)の含有量は、とくに限定しないが、20~80%が好ましく、30~70%がより好ましく、40~65%がさらに好ましい。成分(D)中の、エステル油の含有質量割合は、特に限定しないが、20~100%であると好ましく、30~99%がより好ましく、40~90%がさらに好ましい。この範囲であると、着手のほぐれの均一性、化粧膜の薄さに優れるためより好ましい。
【0024】
本発明における油性化粧料は、さらに成分(E)として油溶性皮膜形成剤を含むことが好ましい。本発明に用いられる油溶性皮膜形成剤とは、揮発性溶媒等の任意の油剤に溶解させたのち、該混合溶液をシャーレに広げて乾燥させた後、皮膜を形成する性質を有するもののことであり、通常化粧料に使用されるものであれば特に限定されず利用することができる。ただし、得られた皮膜は乾燥に伴い割れが生じてもよいし、流動性を有してもよい。例えば、トリメチルシロキシケイ酸、ポリメチルシルセスキオキサン、アクリル変性シリコーン等のシリコーン樹脂、アクリルポリマーを主鎖とし側鎖に疎水基を有するアクリル樹脂、ロジン変性フェノール樹脂、ロジンエステル等のロジン酸系樹脂、水添ロジン酸ペンタエリスリチル、水添アビエチン酸グリセリル等の水添アビエチン酸系皮膜形成剤、キャンデリラロウエキス、カルナバロウエキス等の天然エステル樹脂、酢酸ビニル系樹脂、ポリビニルイソブチルエーテル、ポリイソブチレン等のイソブテン系皮膜形成剤等の油溶性樹脂が挙げられ、これらの1種又は2種以上を用いることができる。これらの中でも、シリコーン樹脂、ロジン酸系樹脂、ポリイソブチレンが、付着性に優れ、また汗や皮脂に強い膜を形成する点で好適に用いられる。これらの油溶性皮膜形成剤は、1種のみを単独で使用してもよいし、2種以上を組み合わせて使用してもよい。
【0025】
本発明に用いられる成分(E)の中でも、特に、シリコーン樹脂を用いることが、テカリのなさ、化粧膜の薄さにより優れる点等でより好ましく、具体的には、トリメチルシロキシケイ酸、ポリメチルシルセスキオキサン、ポリフェニルシルセスキオキサン、(アクリレーツ/アクリル酸ステアリル/メタクリル酸ジメチコン)コポリマー等が挙げられ、これらを1種又は2種以上含有することができる。市販品としては、SR1000(トリメチルシロキシケイ酸)、SILFORM FLEXIBLE RESIN(ポリメチルシルセスキオキサン)、DOWSIL 1686 RESIN(ポリフェニルシルセスキオキサン)(モメンティブ社製)、等が挙げられる。
【0026】
本発明に用いられる成分(E)の含有量は、特に限定されないが、油性化粧料全量に対し、1%以上が好ましく、1.5%以上がより好ましく、2.5%以上がさらにより好ましい。また、10%以下が好ましく、9%以下がより好ましく、8.5%以下がさらにより好ましい。また、1~10%が好ましく、1.5~9%がより好ましく、2.5~8.5%がさらにより好ましい。尚、成分(E)の含有量は、有機溶媒に分散したものを用いる場合は、固形分換算として計算する。この範囲であれば、化粧膜の薄さ、しわの目立ちにくさにより優れより好ましい。
【0027】
本発明における油性化粧料はさらに成分(F)として粉体を含むことが好ましい。本発明に用いられる成分(F)粉体は、通常化粧料に使用するものであればいずれのものも使用で、無機粉体でも有機粉体でも特に限定はしない。例えば酸化チタン、酸化亜鉛、酸化セリウム、硫酸バリウム等の白色無機顔料、酸化鉄、カーボンブラック、チタン・酸化チタン焼結物、酸化クロム、水酸化クロム、紺青、群青等の有色無機顔料、タルク、マイカ、セリサイト、無水ケイ酸、合成金雲母、カオリン、炭化珪素、ベントナイト、スメクタイト、酸化アルミニウム、酸化マグネシウム、酸化ジルコニウム、酸化アンチモン、珪ソウ土、ケイ酸アルミニウム、メタケイ酸アルミニウムマグネシウム、ケイ酸カルシウム、ケイ酸バリウム、ケイ酸マグネシウム、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、ヒドロキシアパタイト、窒化ホウ素等の白色無機体質粉体等、ポリエチレン系樹脂、ポリエステル系樹脂、フッ素系樹脂、セルロース系樹脂、スチレン-アクリル共重合樹脂等のコポリマー樹脂、ポリプロピレン系樹脂の有機高分子樹脂粉体、金属石鹸粉体、N-アシルリジン等の有機低分子性粉体、アクリルデンプン、コメデンプン等のデンプン粉末、ナイロン粉末、ガラス末、シルク粉末、セルロース粉末、デキストリン粉末等の天然有機粉体、シリコーン粉末、ポリメチルメタクリレート粉末、ポリスチレン粉末、ウレタン粉末等が挙げられる。シリコーン粉末は、成分(C)は除くものである。これらの中でも、無機粉体、または、金属石鹸粉体、N-アシルリジン等の有機低分子性粉体、アクリルデンプン、コメデンプン等のデンプン粉末、シルク粉末、セルロース粉末、デキストリン粉末等の天然有機粉体が好ましい。
また、本発明に用いられる成分(F)粉体は、リン脂質、アミノ酸、アミノ酸誘導体、セラミド、デキストリン誘導体、シリコーン化合物、脂肪酸金属塩、フッ素化合物、界面活性剤等の通常公知の処理剤により表面処理を施して用いても良い。
【0028】
本発明に用いられうる成分(F)の平均粒子径は、とくに限定しないが、1μm以上が好ましく、3μm以上がより好ましく、5μm以上がさらにより好ましい。また、40μm以下が好ましく、35μm以下がより好ましく、30μm以下がさらにより好ましい。また、1~40μmが好ましく、3~35μmがより好ましく、5~30μmがさらにより好ましい。この範囲であると、着手のほぐれの均一性、テカリのなさの点から、好ましい。
【0029】
本発明の油性化粧料の形状は特に限定されないが、化粧膜の薄さの観点から、油性固形化粧料であることが好ましい。ここで油性固形化粧料は、1気圧、25℃で流動性を有しない油性化粧料である。油性とは、油を連続相とするものを指す。本発明の油性化粧料は、実質的に水を含有しないことが好ましい。ここで、実質的に含有しないとは、全く含有しないか、含有したとしても、本発明に影響を与えない程度に微量であることを意味するものであり、含有量としては、例えば、5%未満が好ましく、1%未満がより好ましく、0.1%未満がさらに好ましい。
【0030】
本発明の油性化粧料の製造方法は特に限定されないが、着手のほぐれの均一性、化粧膜の薄さの観点から、成分(A)と成分(B)と成分(D)を温度80~120℃において溶融する組成物(1)の工程(1)、さらに組成物(1)に温度25~75℃において成分(C)を添加混合する組成物(2)とする工程(2)を有し、ここで、成分(C)の添加混合温度は、成分(A)結晶構造が形成される前に均一に分散させる点から、35℃~70℃がさらにより好ましい。また、必要に応じて前記(A)~(D)の一部または全部を含む組成物を、ロールミル等で処理することができる。また、さらに組成物(2)を含む油性化粧料を温度90~120℃で溶融後に、容器に充填し、0℃以下で冷却する工程(3)を有することがより好ましい。容器に充填する温度は、特に限定しないが、0~90℃の範囲であることが好ましく、30℃以上がより好ましく、50℃以上がさらに好ましい。この温度は、容器の耐熱性や形状や質、内容物の特性に応じて設定されることが好ましい。
【0031】
<針入荷重値測定方法>
本発明の油性化粧料において、例えば、図1に示すように、英弘精機株式会社製の「テクスチャーアナライザー」を測定機器として使用し、TPA(texture profile analysis)測定において、針入荷重値により本発明の効果を評価することができる。具体的に相関する効果としては、着手のほぐれの均一性および化粧膜の薄さに主に影響すると考えられる。具体的な方法としては、特に条件は限定しないが、例えば、油性化粧料を直径12φmmの円筒棒状容器もしくは円筒形金型に充填したものを試料とし、TPA測定条件として、2mmφシリンダープローブ、プローブ侵入速度を0.01mm/sec、測定距離を60mmとし、試料の長辺の最も短い先端から10mm、短辺の中央部を測定位置とし、プローブを試料に侵入する際に検出される応力を縦軸、試料への侵入距離を横軸としてプロットした際に得られるグラフ中の、試料内部の結晶構造の破断を意味する波形の極大ピークの数によって評価することができる。
【0032】
<針入荷重値解析方法>
前記手法により得られるグラフの内、侵入距離が0~0.5mmまでの位置に発生する極大ピークは、テクスチャーアナライザーの測定プローブが試料へ侵入する際の試料最表面の結晶構造破断を表すものであり、充填成型性には関与するものの、本発明の効果に直接関与するものではない。本発明における着手のほぐれの均一性および化粧膜の薄さに影響する、内部結晶破断ピーク数とは、前記のグラフ中の侵入距離0.5mm~3.0mmに発生する特異的な細かい応力変動の極大ピークの数で表される。極大ピークは、本発明においては、応力曲線の極大点とその直後の極小点の応力値の差が、3g以上の変動振幅と定義する。この内部結晶破断ピーク数が多いほど、油性化粧料中の結晶構造が微細であることを意味し、内部も均一な硬さを維持し、着手のほぐれの均一性および化粧膜の薄さに優れる。また、前記のグラフ中、全体の応力値が増加する傾向がみられるが、これはテクスチャーアナライザーの測定プローブが試料内部へ侵入するに伴い、プローブ側面に試料が付着することに起因する抵抗応力であり、本発明の効果に直接関与するものではない。侵入距離0.5mm~3.0mmまでの範囲において、極大ピークが多く観察されるものが好ましく、4個以上観察されるものがより好ましい。これらの波形の極大ピークが少ないと、大きくもろく崩れるようなほぐれ方による膜厚で不均一な塗布膜にはなりやすい。特に、成分(C)/〔(A)+(B)〕の値が2.0を超えると、もろく崩れる傾向になりやすく、波形の極大ピーク数が少なくなる傾向にある。
【0033】
本発明の油性化粧料は、上記の成分(A)~(F)の他に、通常化粧料に使用される成分、例えば、粉体、油性成分、ゲル化剤、界面活性剤、繊維、アルコール類(一価アルコール、多価アルコール等)、水溶性高分子、保湿剤等の水性成分、糖類、酸化防止剤、消泡剤、美容成分、防腐剤、香料等を本発明の効果を妨げない範囲で含有することができる。本発明の化粧料の好ましい態様としては、以下に示すものを挙げることができる。
【0034】
本発明において、成分(D)以外の油剤(以下、その他の油剤と呼ぶ)を含有することができる。本発明におけるその他の油剤は、通常化粧料に使用される油剤であれば、固形、半固形、ペースト状などの性状により特に限定されず、いずれのものも使用できる。例えば、ポリブテン、水添ポリイソブテン、ワセリン、ラノリン、ジイソステアリン酸ダイマージリノレイル、ダイマージリノール酸ジ(イソステアリル/フィトステリル)、(ヘキサデセン/ビニルピロリドン)コポリマー、(ビニルピロリドン/エイコセン)コポリマー、ダイマージリノール酸ダイマージリノレイルビスイソステアリル、ダイマージリノレイル水添ロジン縮合物、ラウロイルグルタミン酸ジ(フィトステリル/オクチルドデシル)、ラウロイルグルタミン酸ジ(オクチルドデシル/フィトステリル/ベヘニル)、ステアリルジメチコン、パラフィン、ミツロウ、ロジン酸ペンタエリスリトールが挙げられ、これらの1種又は2種以上を用いることができる。
【0035】
本発明において、成分(F)以外の粉体(以下、その他の粉体と呼ぶ)を含有することができる。本発明におけるその他の粉体は、通常化粧料に使用される粉体であれば、紡錘状、針状、繊維状等の形状、煙霧状、微粒子、顔料級などの粒子径、多孔質、無孔質等の粒子構造等により特に限定されず、いずれのものも使用できる。例えば、成分(F)以外の大きさの粉体、赤色201号、赤色202号、赤色205号、赤色218号、赤色223号、赤色226号、赤色228号、橙色203号、橙色204号、青色404号、黄色401号等の有機顔料粉体、赤色3号、赤色104号、赤色106号、橙色205号、黄色4号、黄色5号、緑色3号、青色1号等のジルコニウム、バリウム又はアルミニウムレーキ等の有機顔料粉体、アルミニウム粉、金粉、銀粉等の金属粉体が挙げられ、これらの1種又は2種以上を用いることができる。なお、これらの粉体と成分(F)が複合化されていても、全量成分(F)として考えるものとする。
【0036】
本発明の油性化粧料は、溶融後、容器に充填され静置されたものが好ましく、その硬さは特に制限しない。容器形状も特に限定せず、皿等の容器に充填されても、棒状でも、筒状でも構わないが、充填再表面から内部0.5mm以上の深さにおいて緻密な結晶構造を有するものが好ましい。なお、皮膚に直接、または指にとって、または小道具にとって用いてもよく、その際の着手のほぐれの均一性が重要であり、再表面が使用により除去されたのちも一定の構造を保持していることが重要である。以上の点から、固形化粧料が好ましく、さらに棒状化粧料がより好ましい。
【0037】
本発明の油性化粧料は、特に限定されず、リップクリーム、リップエッセンス、口紅、リップグロス、チーク、アイカラー、ファンデーション、コンシーラー、日焼け止め、美白化粧料、美爪料、化粧油、毛髪保護料等が挙げられるが、特に粉が配合されるメイクアップ化粧料、日焼け止め化粧料であると、着手のほぐれの均一性やしわの目立ちにくさの効果が重要であるため好ましい。中でも口唇化粧料やコンシーラーがより好ましい。
【0038】
さらに以下の発明も追加することができる。
〔12〕
すなわち、本発明は、次の成分(A)~(D);
(A)融点が70~110℃であるワックス
(B)非晶性ポリマー
(C)架橋型シリコーンエラストマー
(D)25℃において液状である油剤
を含有し、前記成分(A)、成分(B)、成分(C)の含有質量割合、(C)/〔(A)+(B)〕=0.05~2.0であり、(A)/(B)=2~200である油性化粧料であり、
前記成分(C)が非乳化性架橋型シリコーンエラストマーである〔1〕~〔3〕に記載の油性化粧料を提供するものである。
〔13〕
さらに成分(E)油溶性皮膜形成剤を含有する〔1〕~〔4〕に記載の油性化粧料を提供するものである。
〔14〕
前記成分(D)が、エステル油である〔1〕~〔5〕に記載の油性化粧料を提供するものである。
〔15〕
さらに成分(F)平均粒子径1~40μmの粉体を含有する〔1〕~〔6〕に記載の油性化粧料を提供するものである。
〔16〕
さらに、成分(G)揮発性油剤が3質量%以下である〔1〕~〔7〕に記載の油性化粧料を提供するものである。
〔17〕
前記油性化粧料が油性固形化粧料である〔1〕~〔8〕に記載の油性化粧料を提供するものである。
【実施例0039】
以下に実施例をあげて本発明を詳細に説明する。尚、これらは本発明を何ら限定するものではない。
【0040】
実施例1~35及び比較例1~8:口紅(固形スティック)
下記表1~4に示す処方の口紅を調製し、着手のほぐれの均一性、しわの目立ちにくさ、テカリのなさ、化粧膜の薄さについて下記評価方法により評価した。その結果も併せて表1~4に示す。
【0041】
【表1】
※1:EPSワックス(日本ナチュラルプロダクツ社製)
※2:CIREWAX 80(CIREBELLE社製)
※3:CIREWAX 90(CIREBELLE社製)
※4:LIPWAX A-4(日本ナチュラルプロダクツ社製)
※5:精製キャンデリラワックス SR-3(日本ナチュラルプロダクツ社製)
※6:TOWAX 1F-3(東亜化成社製)
※7:L-MODU S400(出光興産社製)
※8:Ellamera BI-THIN 402(KRATON社製)
※9:Ellamera PER-SUST 504(KRATON社製)
※10:KSG-016F(信越化学工業社製)
※13:KSG-41A(信越化学工業社製)
※18:リソカスタ ODSHS(高級アルコール社製)
※19:SILFORM FLEXBLE RESIN(モメンティブ・パフォーマンス・マテリアルズ・ジャパン社製)
※22:KP-561P(信越化学工業社製)
※23:エルデュウ PS-203(味の素社製)
※24:PARACERA 256(PARAMELT社製、融点56-61℃)
※25:パールリーム46(日油社製)
※26:CHIFFONSIL P-3R(日揮触媒化成社製、粒子径7μm,吸油量20mL)
※27:マイクログラス シルキーフレーク FTD025FY-F12(日本板硝子社製、粒子径25μm)
※28:SLM-15(トピー工業社製)
※29:CELLULOBEADS D-30(レンゴー社製、粒子径30μm 吸油量50ml/100g)
【0042】
【表2】
※11:KSG-16(信越化学工業社製)
※12:KSG-43(信越化学工業社製)
※14:DOWSIL 9041 SILICONE ELASTOMER BLEND(ダウ・東レ社製)
※15:KSG-310(信越化学工業社製)
※16:DOWSIL EP-9610 COSMETIC POWDER(ダウ・東レ社製)
※17:KSP-100(信越化学工業社製)
【0043】
【表3】
※20:SR1000(モメンティブ・パフォーマンス・マテリアルズ・ジャパン社製)
※21:DOWSIL 1686 RESIN(ダウ・東レ社製)
※30:PEMULEN TR-2(Lubrizol Advanced Materials, Inc社製)
【0044】
【表4】
【0045】
(製造方法)(表1~4において、記載のない成分は含まないものとする。)
A:成分(1)~(10)および成分(19)~(31)を80~120℃で加温混合し、均一に溶解する。
B:Aに成分(11)~(18)を45~75℃で添加し、均一に混合する。
C:Bに成分(32)~(45)を添加し、均一にローラーミルで混合する。
D:Cを100~120℃で加熱混合した後脱泡し、70~100℃で口紅スティック容器に充填し放冷する。
E:Dを0℃以下に冷却した後、室温にて口紅を得た。
【0046】
(評価方法)着手のほぐれの均一性、しわの目立ちにくさ、テカリのなさ、化粧膜の薄さ
上記の項目について、各試料について化粧品評価専門パネル15名による使用テストを行った。下記評価項目に対し、パネル各人が良好か否かを回答し、良好の回答数に応じて、下記判定基準に基づき判定を行った。
【0047】
<評価項目>
着手のほぐれの均一性:各試料を唇に塗布する際に、ほぐれが均一で、塗布量にムラが発生しないかどうか。
しわの目立ちにくさ:各試料の唇への塗布直後の化粧膜を観察し、化粧膜がしわの内部に入り込み、しわが目立つことがないかどうか(しわが目立たない場合に良好と回答)。
テカリのなさ:各試料の唇への塗布直後の化粧膜を観察し、油由来の不自然なテカリがないかどうか。
化粧膜の薄さ(薄膜):各試料を唇に塗布した直後の化粧膜に、隠蔽感を感じさせない自然で肌なじみのよい膜薄の仕上がりを感じるかどうか。
【0048】
<判定基準>
(判定):(評価)
AA :15人中、13人以上が良好と回答
A :15人中、10人以上が良好と回答
B :15人中、7人以上9人以下が良好と回答
C :15人中、4人以上6人以下が良好と回答
D :15人中、3人以下が良好と回答
【0049】
表1~3の結果から明らかなように、本発明の実施品である実施例1~35スティック状口紅は、着手のほぐれの均一性、しわの目立ちにくさ、テカリのなさ、化粧膜の薄さすべての項目に優れるものであった。
一方、成分(A)を含有していない比較例1では、着手のほぐれの均一性、しわの目立ちにくさ、テカリのなさ、化粧膜の薄さすべての項目において満足する品質が得られず、
また、成分(B)を含有していない比較例2では、着手のほぐれの均一性、テカリのなさ、化粧膜の薄さにおいて満足する品質が得られず、
また、比較例2から化粧膜の薄さを改善するために、成分(A)をより多く含有する比較例3では、着手のほぐれの均一性、テカリのなさにおいて満足する品質が得られず、
また、成分(C)を含有していない比較例4では着手のほぐれの均一性、テカリのなさにおいて満足する品質が得られず、
また、成分(A)及び成分(B)の含有量に対する成分(C)の含有比率が請求項1の範囲から外れる比較例5では、しわの目立ちにくさ、テカリのなさ、化粧膜の薄さにおいて満足する品質が得られず、
また、成分(A)及び成分(B)の含有量に対する成分(C)の含有比率が請求項1の範囲から外れる比較例6では、特に着手のほぐれの均一性、化粧膜の薄さにおいて満足する品質が得られず、
また、成分(B)に対する成分(A)の含有比率が請求項1の範囲から外れる比較例7では、着手のほぐれの均一性、しわの目立ちにくさ、テカリのなさ、化粧膜の薄さにおいて満足する品質が得られず、
また、成分(B)に対する成分(A)の含有比率が請求項1の範囲から外れる比較例8では、着手のほぐれの均一性、テカリのなさにおいて満足する品質が得られなかった。
【0050】
<評価項目>針入荷重測定
なお、実施例1~35、比較例1~8の口紅の表面からの針入荷重測定を行った。
【0051】
<評価項目>針入荷重値測定方法
《サンプル条件》
成形サイズ;12mmφ
溶解温度:110℃
充填温度:95℃
冷却条件:RTで10min静置のち、-20℃で30min冷却
測定時の条件:
《測定条件》
測定機器:英弘精機株式会社製の「テクスチャーアナライザー」
プローブ:2mmφ円柱シリンダープローブ
侵入速度:0.01mm/sec
侵入距離:6mmまで
測定位置:試料の長辺の先端(最短)から10mm、短辺の中央部を測定
グラフ:プローブを試料に侵入する際に検出される応力を縦軸、試料への侵入距離mmを横軸とした際のプロットと、応力曲線の極大点とその直後の極小点の応力値の差が3g以上となる振幅の数
【0052】
<評価結果>針入荷重値測定結果
実施例1~35は、侵入距離0.5mm~3.0mmまでの範囲で、特異的な細かい応力変動を測定することを確認した。一方、成分(B)を含まない比較例2、3は、なだらかなピークを有し、振幅幅も小さく、少ないことを確認した。
代表例として、実施例4,9~11と、比較例2~4の結果を図2~8に示す。
侵入距離0.5mm~3.0mmまでの範囲において、実施例4は、極大ピークを6個、実施例9は、6個、実施例10は、7個、実施例11は、7個であるのに対し、比較例2は、2個、比較例3は、成分(A)を増量したにもかかわらず3個とあまり変化が無かった。成分(C)を含まない比較例4は、成分(A)の結晶性を成分(C)が妨げることが無いため、5個であった。この結果は、成分(B)と成分(C)が、成分(D)に溶融した状態で配合される成分(A)の結晶性に影響を及ぼし、侵入距離0~0.5mmまでは、最表面のワックス構造に由来する硬さを表現し、侵入距離0.5mm~3.0mmまでの範囲において、最表層を除く内部のワックス構造の緻密さを表現していると考える。
【0053】
実施例36:油性アイカラー(パレット状)
成分 %
1. (エチレン/プロピレン)コポリマー※1 2.0
2. キャンデリラロウ※5 1.0
3. トリエチルヘキサノイン 20.0
4. ポリプロピレン※7 1.0
5. ジカプリン酸PG 10.0
6. トリイソステアリン酸ポリグリセリル-2 残量
7. ジメチコン(20CS)※31 3.5
8. ポリメチルシルセスキオキサン※19 2.0
9. 1,2-オクタンジオール 0.2
10. (ジメチコン/ビニルジメチコン)クロスポリマー混合物※10 13.0
11. (ビニルジメチコン/メチコンシルセスキオキサン)クロスポリマー※32
9.0
12. ナイロン粉末※34 8.0
13. 無水ケイ酸※35 3.0
14. マイカ※33 9.0
15. 酸化チタン※36 7.0
16. 酸化鉄 0.1
17. 雲母チタン※37 4.0
18. 雲母チタン※38 5.0
※31:KF-96(20CS)(信越化学工業株式会社製)
※32:KSP-102(信越化学工業株式会社製)
※33:MICA POWDER Y-2300(株式会社ヤマグチマイカ製)
※34:オルガソール2002 EXD(アルケマ株式会社製)
※35:サンスフェアNP-100(AGCエスアイテック製)
※36:OTS-3 チタン JR-800(大東化成工業株式会社製)
※37:SAS-フラメンコスパークルレッド(三好化成株式会社製)
※38:SA-フラメンコウルトラスパークル4500(三好化成株式会社製)
【0054】
(製造方法)
A:成分(1)~(8)を80~120℃にて均一に混合する。
B:Aに成分(9)および(11)を25~45℃で加え、均一に混合分散する。
C:Bに成分(12)~(18)を加え、均一に混合分散する。
D:Cを100~120℃に加熱混合し脱泡した後、金皿に流し込み充填し、室温に冷却して成形し、油性アイカラーを得た。
【0055】
上記実施例36の油性アイカラー(パレット)は、着手のほぐれの均一性、しわの目立ちにくさ、テカリのなさ、化粧膜の薄さに優れたものであった。
【0056】
実施例37:油性アイカラー(スティック状)
成分 %
1.合成ワックス 5.0
2.(エチレン/プロピレン)コポリマー※1 2.0
3.ポリエチレン※39 3.0
4.リンゴ酸ジイソステアリル 5.0
5.トリエチルヘキサノイン 10.0
6.トリイソステアリン酸ポリグリセリル-2 残量
7.ポリプロピレン※7 0.5
8.ポリメチルシルセスキオキサン※19 3.0
9.ワセリン 5.0
10.ラウロイルグルタミン酸ジ(オクチルドデシル/フィトステリル/ベヘニル)
※40 2.0
11.スクワラン 1.0
12.(ジメチコン/ビニルジメチコン)クロスポリマー混合物※10 35.0
13.BHT 0.02
14.DPG 0.5
15.ヒアルロン酸 0.01
16.ジメチルシリル化シリカ※41 2.0
17.アモジメチコン処理マイカ(処理量3%)※42 10.0
18.無水ケイ酸※43 10.0
19.炭酸カルシウム 0.5
20.赤202 0.3
21.黄色4号 1.0
22.レシチン処理・水酸化Al酸化チタン混合物(処理量0.5%) 3.0
23.黒酸化鉄(ハイドロゲンジメチコン1.5%処理) 0.3
※39:PERFOMALENE 655(ニューフェーズテクノロジー社製、融点:95~105℃)
※40:エルデュウPS―304(味の素社製)
※41:AEROSIL 972S(日本アエロジル株式会社製)
※42:マイカY-2300WA3(株式会社ヤマグチマイカ製)
※43:サンスフェアNP-30(AGCエスアイテック製)
【0057】
(製造方法)
A:成分(1)~(11)を80~120℃にて均一に混合する。
B:Aに成分(12)を55~75℃で加え、均一に混合分散する。
C:Bに成分(13)~(23)を加え、均一に混合分散する。
D:Cを100~120℃で均一に溶解混合し脱泡後、金型に流し込み放冷し、0℃以下に冷却して成形し、室温にて油性アイカラー(スティック状)を得た。
【0058】
上記実施例37の油性アイカラー(スティック状)は、着手のほぐれの均一性、しわの目立ちにくさ、テカリのなさ、化粧膜の薄さに優れたものであった。
【0059】
実施例38:油性リップクリーム(スティック状)
成分 %
1. (エチレン/プロピレン)コポリマー※1 3.0
2. 合成ワックス※2 3.0
3. コメヌカロウ※44 1.0
4. キャンデリラロウ※5 1.0
5. デカエチルヘキサン酸ポリグリセリル-10※45 5.0
6. トリイソステアリン酸ポリグリセリル-2 残量
7. ヘキサイソノナン酸ジペンタエリスリチル※46 9.0
8. イソステアリン酸デキストリン 0.5
9. ポリメチルシルセスキオキサン※19 1.0
10. ビスジグリセリルポリアシルアジペート-2※47 5.0
11. ポリブテン※48 5.0
12. トリエチルヘキサノイン 15.0
13. 乳酸セチル※49 3.0
14. ヒドロキシステアリン酸エチルヘキシル※50 5.0
15. トリメリト酸トリトリデシル 15.0
16. ダイマージリノール酸(フィトステリル/イソステアリル/セチル/ステアリル/ベヘニル)
※51 5.0
17. (ジメチコン/ビニルジメチコン)クロスポリマー混合物※10 5.0
18. ジメチコン(20CS)※31 0.1
19. BHT 0.01
20. DPG 0.4
21. ジメチルシリル化シリカ※53 2.5
22. 赤酸化鉄 0.05
23. (アクリル酸/アクリル酸アルキル(C10-30))コポリマー※30
0.05
24. 赤色223 0.02
25. 無水ケイ酸※26 10.0
※44:ライスワックスSS―I(ボーソー油脂社製、融点78~80℃)
※45:KEH-1010(阪本薬品工業社製)
※46:ハイルーセントDPIN(高級アルコール工業社製)
※47:SOFTISAN649(SASOL GERMANY GMBH社製)
※48:日石ポリブテンHV―100F(SB)(日本ナチュラルプロダクツ社製)
※49:CERAPHYL 28(ASHLAND SPECIALITY INGREDIENTS社製)
※50:リソカスタIOHS(高級アルコール工業社製)
※51:PLANDOOL-S(日本精化株式会社製)
※52:サンスフェアNP-200(AGCエスアイテック製)
※53:AEROSIL 976S(日本アエロジル株式会社製)
【0060】
(製造方法)
A:成分(1)~(16)を80~120℃にて均一に混合する。
B:Aに成分(17)を40~60℃で加え、均一に混合分散する。
C:Bに成分(18)~(25)を加え、均一に混合分散する。
D:Cを100~120℃で均一に溶解混合し脱泡後、70~100℃でゴム型に流し込み放冷し、0℃以下に冷却して成形し、室温にて油性リップクリーム(スティック状)を得た。
【0061】
上記実施例38の油性リップクリーム(スティック状)は、着手のほぐれの均一性、しわの目立ちにくさ、テカリのなさ、化粧膜の薄さに優れたものであった。
【0062】
実施例39:油性リップ下地
成分 %
1. フィッシャートロプシュワックス・キャンデリラロウエステルズ・
カルナウバロウ混合物※54 8.0
2. キャンデリラロウ炭化水素※55 2.5
3. パラフィン・マイクロクリスタリンワックス混合物※56 6.0
4. ポリプロピレン※7 1.0
5. ポリブテン※57 3.0
6. トリイソステアリン酸ポリグリセリル-2 残量
7. マカダミアンナッツ油 1.0
8. オリーブ油 1.0
9. イソノナン酸イソトリデシル 20.0
10. ポリメチルシルセスキオキサン※19 5.0
11. (ビニルジメチコン/メチコンシルセスキオキサン)クロスポリマー※60
5.0
12. 無水ケイ酸※26 10.0
13. 煙霧状無水ケイ酸※58 2.0
14. 疎水化処理酸化亜鉛 (メチルポリシロキサン10%、トリエトキシカプリリルシラン3%処理)
5.0
15. ジメチコン(20CS) 0.1
16. BHT 0.01
17. DPG 0.4
18. パラメトキシケイ皮酸2-エチルヘキシル※59 7.0
19. イソドデカン 3.0
※54:SMART WAX 7743S(日本ナチュラルプロダクツ社製)
※55:精製キャンデリラワックス MD-21(日本ナチュラルプロダクツ社製)
※56:合成セレシン SP-273P(STRAHL&PITSCHINC社製)
※57:日石ポリブテンHV―1900F(JX日鉱日石エネルギー社製)
※58:AEROSIL 380S(日本アエロジル株式会社製)
※59:UVINUL MC80(BASF社製)
※60:KSP-101(信越化学工業社製)
【0063】
(製造方法)
A:成分(1)~(10)を80~120℃にて均一に混合する。
B:Aに成分(11)を30~50℃で加え、均一に混合分散する。
C:Bに成分(12)~(19)を加え、均一に混合分散する。
D:Cを100~120℃で均一に溶解混合し脱泡後、70~100℃で金型に流し込み放冷し、0℃以下に冷却して成形し、室温にて油性リップ下地(スティック状)を得た。
【0064】
上記実施例39の油性リップ下地は、着手のほぐれの均一性、しわの目立ちにくさ、テカリのなさ、化粧膜の薄さに優れたものであった。
【0065】
実施例40:油性口紅(砲弾型)
成分 %
1. (エチレン/プロピレン)コポリマー※1 4.0
2. 合成ワックス※3 1.0
3. キャンデリラロウ※5 3.0
4. 水添(スチレン/イソプレン)コポリマー※61 0.5
5. (ベヘン酸/エイコサンニ酸)グリセリル※62 2.0
6. トリイソステアリン酸ポリグリセリル-2 残量
7. トリエチルヘキサノイン 10.0
8. 2-エチルヘキサン酸セチル 10.0
9. ポリメチルシルセスキオキサン※19 3.0
10. ジフェニルジメチコン※63 30.0
11. (ビニルジメチコン/ラウリルジメチコン)クロスポリマー※12
(固形分30%溶媒トリエチルヘキサノイン) 9.0
12. ジメチルシリル化シリカ※53 ※976S 1.5
13. ナイロン粉末※64 5.0
14. 炭酸カルシウム 0.5
15. BHT 0.01
16. DPG 0.5
17. ジメチコン(10CS)※65 0.1
18. 赤202 0.2
19. 赤201 0.3
20. 黄色4 1.4
21. イソプロピルチタネート処理酸化チタン 4.0
22. 黒酸化鉄 0.1
23. 赤酸化鉄 0.1
24. 香料 0.05
※61:Ellamera RAD-THICK 501(KRATON社製)
※62:ノムコート HK-G(日清オイリオグループ社製)
※63:KF-54(信越化学工業株式会社)
※64:オルガソール2002D(アルケマ株式会社製)
※65:KF-96(10CS)(信越化学工業株式会社製)
【0066】
(製造方法)
A:成分(1)~(10)を80~120℃にて均一に混合する。
B:Aに成分(11)(12)を45~75℃で加え、均一に混合分散する。
C:Bに成分(13)~(24)を加え、均一に混合分散する。
D:Cを100~120℃で均一に溶解混合し脱泡後、70~100℃で金型に流し込み放冷し、0℃以下に冷却して成形し、室温にて油性口紅(砲弾型)を得た。
【0067】
上記実施例40の油性口紅(砲弾型)は、着手のほぐれの均一性、しわの目立ちにくさ、テカリのなさ、化粧膜の薄さに優れたものであった。
【0068】
実施例41:油性口紅(パレット状)
成分 %
1. (エチレン/プロピレン)コポリマー※1 6.0
2. マイクロクリスタリンワックス※66 4.0
3. キャンデリラロウ※5 1.5
4. 水添(スチレン/ブタジエン)コポリマー※67 1.0
5. (エイコセン/ビニルピロリドン)コポリマー※68 5.0
6. デカイソステアリン酸ポリグリセリル-10※69 10.0
7. トリイソステアリン酸ポリグリセリル-2 残量
8. トリエチルヘキサノイン 25.0
9. イソノナン酸イソトリデシル 5.0
10. テトラ2-エチルヘキサン酸ペンタエリスリット 8.0
11. ジイソステアリン酸ポリグリセリル-2 1.0
12. ポリメチルシルセスキオキサン※19 2.0
13. ダイマージリノール酸(フィトステリル/イソステアリル/セチル/ステアリル/
べヘニル) ※51 5.0
14. ラウロイルグルタミン酸ジ(オクチルドデシル/フィトステリル/ベヘニル)※70
3.0
15. (ジメチコン/ビニルジメチコン)クロスポリマー混合物※10 25.0
16. ジフェニルシロキシフェニルトリメチコン※71 7.0
17. レシチン処理タルク 1.0
18. メタクリル酸メチルクロスポリマー※72 2.0
19. 水添レシチン処理セルロース※73 2.0
20. トコフェロール 0.0
21. 赤202 1.0
22. 黄色4 3.0
23. イソステアリン酸イロプロピルチタネート・ハイドロゲンジメチコン・
水酸化Al処理酸化チタン 3.6
24. 黒酸化鉄 0.3
25. 赤酸化鉄 0.1
26. 香料 0.2
※66:MULTIWAX W445(SONNEBORN,LLC社製)
※67:Ellamera PER-SUST 804(KRATON社製)
※68:ANTARON V-220F(ASHLAND SPECIALTY INGREDIENTS社製)
※69:KIS-1010(阪本薬品工業社製)
※70:エルデュウ PS-306(味の素社製)
※71:KF-56(信越化学工業株式会社製)
※72:マツモトマイクロスフェアM-305QD7(松本油脂製薬者製)
※73:スノーリーフCL-Lt(オーケン社製)
【0069】
(製造方法)
A:成分(1)~(14)を80~120℃にて均一に混合する。
B:Aに成分(15)を45~65℃で加え、均一に混合分散する。
C:Bに成分(16)~(26)を加え、均一に混合分散する。
D:Cを100~120℃で均一に溶解混合し脱泡後、70~100℃で金皿に流し込み放冷し、油性口紅(パレット状)を得た。
【0070】
上記実施例41の油性口紅(パレット状)は、着手のほぐれの均一性、しわの目立ちにくさ、テカリのなさ、化粧膜の薄さに優れたものであった。
【0071】
実施例42:油性口紅(アプリケータ付き容器)
成分 %
1. 合成ワックス※2 7.0
2. (エチレン/プロピレン)コポリマー※1 4.0
3. ワセリン 5.0
4. イソステアリン酸デキストリン 0.2
5. ジカプリン酸ネオペンチルグリコール※74 10.0
6. ジイソステアリン酸ポリグリセリル-2 残量
7. PEG-9 ポリジメチルシロキシエチルジメチコン※75 0.05
8. ジメチルシステアリルアンモニウムヘクトラクト 0.5
9. トリメチルシロキシケイ酸※20 15.0
10. (ジメチコン/ビニルジメチコン)クロスポリマー混合物※10 10.0
11. イソドデカン 3.0
12. 無水ケイ酸※58 2.0
13. ジメチコン(100CS)※76 10.0
14. 無水ケイ酸※26 5.0
15. セルロース※76 5.0
16. 合成金雲母※77 10.0
17. BG 0.1
18. 黄色4 6.0
19. 赤202 4.0
20. 黒酸化鉄 0.1
21. 赤酸化鉄 0.1
22. レシチン処理・水酸化Al酸化チタン混合物(処理量0.5%) 0.4
23. BHT 0.02
24. DPG 0.3
25. 炭酸カルシウム 0.5
※74:エステモールN-01(日清オイリオグループ社製)
※75:KF-6028P(信越化学工業株式会社社製)
※76:KF-96(100CS)(信越化学工業株式会社製)
※77:CELLULOBEADS D-5(レンゴー株式会社製)
※78:NK-20G(日本光研株式会社製)
【0072】
(製造方法)
A:成分(1)~(9)を80~120℃にて均一に混合する。
B:Aに成分(10)を45~75℃で加え、均一に混合分散する。
C:Bに成分(11)~(25)を加え、均一に混合分散する。
D:Cを容器へ充填し、油性口紅(アプリケータ付き容器)を得た。
【0073】
上記実施例42の油性口紅(アプリケータ付き容器)は、着手のほぐれの均一性、しわの目立ちにくさ、テカリのなさ、化粧膜の薄さに優れたものであった。
【0074】
実施例43:油性リップトリートメント(チューブ容器)
成分 %
1. (エチレン/プロピレン)コポリマー※1 2.0
2. 合成ワックス※2 6.0
3. イソステアリン酸デキストリン 1.0
4. 2-エチルヘキサン酸セチル 15.0
5. トリイソステアリン酸ポリグリセリル-2 残量
6. ラウロイルグルタミン酸ジ(オクチルドデシル/フィトステリル/ベヘニル)※70
30.0
7. ポリブテン※57 5.0
8. ワセリン 10.0
9. ダイマージリノール酸ダイマージリノレイルビスイソステアリル※79
5.0
10. ポリメチルシルセスキオキサン※19 1.0
11. (ジメチコン/ビニルジメチコン)クロスポリマー混合物※10 15.0
12. 無水ケイ酸※26 5.0
13. DPG 0.3
14. BHT 0.01
15. ジメチルシリル化シリカ※976S 3.0
16. 赤酸化鉄 0.01
17. 香料 0.2
※79:LUSPLAN DA-DD-IS(日本精化株式会社製)
【0075】
(製造方法)
A:成分(1)~(10)を80~120℃にて均一に混合する。
B:Aに成分(11)を45~75℃で加え、均一に混合分散する。
C:Bに成分(12)~(17)を加え、均一に混合分散する。
D:Cを容器へ充填し、油性リップトリートメント(チューブ付き容器)を得た。
【0076】
上記実施例43の油性リップトリートメント(チューブ付き容器)は、着手のほぐれの均一性、しわの目立ちにくさ、テカリのなさ、化粧膜の薄さに優れたものであった。
【0077】
実施例44:油性チーク(パレット状)
成分 %
1. パラフィン・マイクロクリスタリンワックス混合物※80 2.0
2. ポリプロピレン※7 2.0
3. ジメチコン(6CS) 7.0
4. トリエチルヘキサノイン 残量
5. フェニルトリメチコン※81 3.5
6. スクワラン 0.1
7. DPG 0.1
8. エタノール 0.05
9. 水 0.06
10. トリメチルシロキシケイ酸※20 5.0
11. (ジメチコン/ビニルジメチコン)クロスポリマー混合物※11 35.0
12. ポリメタクリル酸メチル※82 8.0
13. 無水ケイ酸※26 4.0
14. 無水ケイ酸※83 1.5
15. 合成金雲母※84 4.0
16. マイカ※85 2.0
17. 酸化チタン(平均粒子径0.4μm) 4.0
18. 酸化鉄 1.4
19. 赤226 0.1
※80:合成セレシン JNP-81(日本ナチュラルプロダクツ社製)
※81:SH556 FLUID(東レ・ダウコーニング社製)
※82:ガンツパールGM2800(アイカ工業社製)
※83:AEROSIL 300(日本アエロジル株式会社製)
※84:PDM-40L(トピー工業社製)
※85:MICA POWDER Y-3000(ヤマグチマイカ社製)
【0078】
(製造方法)
A:成分(1)~(10)を80~120℃にて均一に混合する。
B:Aに成分(11)を45~75℃で加え、均一に混合分散する。
C:Bに成分(12)~(19)を加え、均一に混合分散する。
D:Cを100~120℃で均一に溶解混合し脱泡後、70~100℃で金皿に流し込み放冷し、油性チーク(パレット状)を得た。
【0079】
上記実施例44の油性チーク(パレット状)は、着手のほぐれの均一性、しわの目立ちにくさ、テカリのなさ、化粧膜の薄さに優れたものであった。
【0080】
実施例45:油性コンシーラー(パレット状)
成分 %
1. ポリエチレン※86 3.5
2. ポリプロピレン※7 1.0
3. トリイソステアリン酸ポリグリセリル-2 10.0
4. ジエチルヘキサン酸ネオペンチルグリコール 残量
5. ワセリン 10.0
6. ジカプリン酸PG 4.5
7. トリエチルヘキサノイン 1.0
8. ミネラルオイル 3.0
9. トリメチルシロキシケイ酸※20(SR1000) 1.5
10. DPG 0.5
11. 水 0.06
12. (ジメチコン/ビニルジメチコン)クロスポリマー混合物※10
35.0
13. メタクリル酸メチルクロスポリマー※87 10.0
14. 無水ケイ酸 ※26 3.0
15. セリサイト ※88 1.2
16. 酸化チタン ※89 7.0
17. 赤色酸化鉄(トリエトキシカプリリルシラン処理2%) 0.6
18. 黄色酸化鉄(トリエトキシカプリリルシラン処理2%) 2.4
19. 黒色酸化鉄(トリエトキシカプリリルシラン処理2%) 0.1
※86:PERFORMALENE500(株式会社ニューフェーズテクノロジー製、融点83~92℃)
※87:MX-3000C(綜研化学株式会社製)
※88:SA-S-JS-1(三好化成株式会社製)
※89:TIPAQUE CR-50(石原産業株式会社製)
【0081】
(製造方法)
A:成分(1)~(11)を80~120℃にて均一に混合する。
B:Aに成分(12)を65~75℃で加え、均一に混合分散する。
C:Bに成分(13)~(19)を加え、均一に混合分散する。
D:Cを100~120℃で均一に溶解混合し脱泡後、70~100℃で金皿に流し込み放冷し、油性コンシーラー(パレット状)を得た。
【0082】
上記実施例45の油性コンシーラー(パレット状)は、着手のほぐれの均一性、しわの目立ちにくさ、テカリのなさ、化粧膜の薄さに優れたものであった。
【0083】
実施例46:ハイライター(スティック状)
成分 %
1. (エチレン/プロピレン)コポリマー※1 1.0
2. パラフィン・マイクロクリスタリンワックス混合物※80 4.0
3. ポリプロピレン※7 1.0
4. トリエチルヘキサノイン 5.0
5. トリ(カプリン酸/カプリル酸)グリセリル※90 3.0
6. イソノナン酸イソトリデシル 5.0
7. DPG 0.3
8. ジメチコン(6CS) 残量
9. ポリメチルシルセスキオキサン※19 5.0
10. (ジメチコン/ビニルジメチコン)クロスポリマー混合物※10 35.0
11. ポリメチルシルセスキオキサン ※91 7.0
12. ポリメチルシルセスキオキサン※92 4.0
13. 無水ケイ酸※26 11.0
14. トリエトキシカプリリルシラン・水酸化アルミニウム処理酸化チタン※93
10.0
15. 酸化鉄 1.5
16. マイカ 4.4
17. ジメチルシリル化シリカ※41 1.0
18. 香料 0.2
※90:トリエスターF-810(日本サーファクタント工業社製)
※91:TOSPEARL 3000A(モメンテイブ・パフォーマンス・マテリアルズ・ジャパン社製)
※92:TOSPEARL 150K(モメンテイブ・パフォーマンス・マテリアルズ・ジャパン社製)
※93:NAI-チタンMP-1133(三好化成株式会社社製)
【0084】
(製造方法)
A:成分(1)~(9)を80~120℃にて均一に混合する。
B:Aに成分(10)を25~45℃で加え、均一に混合分散する。
C:Bに成分(11)~(18)を加え、均一に混合分散する。
D:Cを100~120℃で均一に溶解混合し脱泡後、70~100℃でスティック容器に充填し放冷した後、0℃以下に冷却して成形し、室温にて油性ハイライター(スティック状)を得た。
【0085】
上記実施例46の油性ハイライター(スティック状)は、着手のほぐれの均一性、しわの目立ちにくさ、テカリのなさ、化粧膜の薄さに優れたものであった。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8