(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024061248
(43)【公開日】2024-05-07
(54)【発明の名称】フレキシブルコンテナバッグ
(51)【国際特許分類】
B65D 88/22 20060101AFI20240425BHJP
【FI】
B65D88/22 A
【審査請求】有
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022169077
(22)【出願日】2022-10-21
(71)【出願人】
【識別番号】510303774
【氏名又は名称】有限会社五綾貿易
(74)【代理人】
【識別番号】110001519
【氏名又は名称】弁理士法人太陽国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】谷本 修
【テーマコード(参考)】
3E170
【Fターム(参考)】
3E170AA29
3E170AB11
3E170AB12
3E170AB13
3E170AB14
3E170AB21
3E170AB24
3E170DA12
3E170MA03
3E170SA20
3E170WG04
3E170WG06
3E170WG10
(57)【要約】
【課題】縫製部分からの収容対象物の漏洩を抑制するフレキシブルコンテナバッグを提供する。
【解決手段】フレキシブルコンテナバッグ1は、本体部11と、第1の内部シート21と、を備える。本体部11は、シートが筒状に形成された胴部12と、胴部12における筒状の一方の開口を塞ぐシートで形成された底部13とを有する。底部13は胴部12に対して縫製によって接続されている。第1の内部シート21は、本体部11の内部に設けられ、胴部12に固定されて、胴部12に固定された位置から底部13と胴部12との縫製部分までの長さを越える長さを有する。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
シートが筒状に形成された胴部と、前記胴部における前記筒状の一方の開口を塞ぐシートで形成された底部とを有し、前記底部は前記胴部に対して縫製によって接続されている、本体部と、
前記本体部の内部に設けられた第1の内部シートであって、前記胴部に固定され、前記胴部に固定された位置から前記底部と前記胴部との縫製部分までの長さを越える長さを有する、第1の内部シートと、を備える、
フレキシブルコンテナバッグ。
【請求項2】
前記第1の内部シートは、前記底部と前記胴部との縫製部分を越えて延びた端部が自由端である、
請求項1に記載のフレキシブルコンテナバッグ。
【請求項3】
前記第1の内部シートは、前記胴部に固定された部分に、前記第1の内部シートを前記胴部の前記筒状の周方向に部分的に重ねて形成されたタックが設けられている、
請求項1又は請求項2に記載のフレキシブルコンテナバッグ。
【請求項4】
前記第1の内部シートは、防液性を有する材料を用いて、前記底部を覆う状態で閉じられた袋状に形成されている、
請求項1に記載のフレキシブルコンテナバッグ。
【請求項5】
前記胴部に対して縫製によって接続されている吊りベルトと、
前記本体部の内部に設けられた第2の内部シートであって、前記胴部への前記吊りベルトの縫製位置に対して前記底部とは反対側で前記胴部に固定され、前記胴部に固定された位置から前記胴部と前記吊りベルトとの縫製部分までの長さを越える長さを有する第2の内部シートと、を備える、
請求項1又は請求項2に記載のフレキシブルコンテナバッグ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示はフレキシブルコンテナバッグに関し、特に縫製部分からの収容対象物の漏洩を抑制するフレキシブルコンテナバッグに関する。
【背景技術】
【0002】
フレキシブルコンテナバッグは、土、砂、その他の粉末や粒状物などの収容対象物を、保管や運搬するために収容する袋状の包装資材である。フレキシブルコンテナバッグは、筒状の胴部シートの一方の開口に、円形や四角形等の底部シートを縫製して製造されるのが一般的である(例えば、特許文献1参照。)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
筒状の胴部シートの一方の開口に底部シートを縫製して製造されるフレキシブルコンテナバッグは、収容対象物が収容された際の内圧で外側に押された場合に、胴部シートと底部シートとの縫製部分から、粉末等の収容対象物が漏れることがあった。
【0005】
本開示は上述の課題に鑑み、縫製部分からの収容対象物の漏洩を抑制するフレキシブルコンテナバッグを提供することに関する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示の第1の態様に係るフレキシブルコンテナバッグは、シートが筒状に形成された胴部と、前記胴部における前記筒状の一方の開口を塞ぐシートで形成された底部とを有し、前記底部は前記胴部に対して縫製によって接続されている、本体部と、前記本体部の内部に設けられた第1の内部シートであって、前記胴部に固定され、前記胴部に固定された位置から前記底部と前記胴部との縫製部分までの長さを越える長さを有する、第1の内部シートと、を備える。
【0007】
このように構成すると、内容物を収容したときに、第1の内部シートによって底部と胴部との縫製部分が覆われることで、内容物が当該縫製部分に直接当たらなくなり、当該縫製部分からの内容物の漏れを抑制することができる。
【0008】
また、本開示の第2の態様に係るフレキシブルコンテナバッグとして、上記本開示の第1の態様に係るフレキシブルコンテナバッグにおいて、前記第1の内部シートは、前記底部と前記胴部との縫製部分を越えて延びた端部が自由端であってもよい。
【0009】
このように構成すると、簡便な構成で縫製部分からの内容物の漏れを抑制することができる。
【0010】
また、本開示の第3の態様に係るフレキシブルコンテナバッグとして、上記本開示の第1の態様又は第2の態様に係るフレキシブルコンテナバッグにおいて、前記第1の内部シートは、前記胴部に固定された部分に、前記第1の内部シートを前記胴部の前記筒状の周方向に部分的に重ねて形成されたタックが設けられていてもよい。
【0011】
このように構成すると、第1の内部シートが本体部からめくれてしまうことを抑制することができる。
【0012】
また、本開示の第4の態様に係るフレキシブルコンテナバッグとして、上記本開示の第1の態様に係るフレキシブルコンテナバッグにおいて、前記第1の内部シートは、防液性を有する材料を用いて、前記底部を覆う状態で閉じられた袋状に形成されていてもよい。
【0013】
このように構成すると、第1の内部シートの内側又は外側に液体が存在する場合でも、当該液体が第1の内部シートの内外を往来することを防ぐことができる。
【0014】
また、本開示の第5の態様に係るフレキシブルコンテナバッグとして、上記本開示の第1の態様乃至第4の態様のいずれか1つの態様に係るフレキシブルコンテナバッグにおいて、前記胴部に対して縫製によって接続されている吊りベルトと、前記本体部の内部に設けられた第2の内部シートであって、前記胴部への前記吊りベルトの縫製位置に対して前記底部とは反対側で前記胴部に固定され、前記胴部に固定された位置から前記胴部と前記吊りベルトとの縫製部分までの長さを越える長さを有する第2の内部シートと、を備えていてもよい。
【0015】
このように構成すると、吊りベルトの接続部から内容物が漏れることを抑制することができる。
【0016】
また、本開示の第6の態様に係るフレキシブルコンテナバッグとして、上記本開示の第1の態様乃至第5の態様のいずれか1つの態様に係るフレキシブルコンテナバッグにおいて、前記第1の内部シートは、前記胴部に固定された側の端が折り返されて重ねられた状態で前記胴部に固定されていてもよい。
【0017】
このように構成すると、第1の内部シートが本体部からめくれてしまうことを抑制することができる。
【0018】
また、本開示の第7の態様に係るフレキシブルコンテナバッグとして、上記本開示の第1の態様第6の態様のいずれか1つの態様に係るフレキシブルコンテナバッグにおいて、前記第1の内部シートが前記胴部に固定されている位置において前記第1の内部シートの上に重ねられた重ね部材を備えていてもよい。ここで、重ね部材は、典型的には前記胴部の前記筒状の軸線方向に所定の長さを有する当て布であるが、樹脂や金属で形成されていてもよい。また、胴部の筒状の全周にわたって第1の内部シートに重ねる形状(長さ)でもよく、周方向に間欠的に設けられる形状(長さ)でもよい。
【0019】
このように構成すると、第1の内部シートが本体部からめくれてしまうことを抑制することができる。
【0020】
また、本開示の第8の態様に係るフレキシブルコンテナバッグとして、上記本開示の第1の態様第7の態様のいずれか1つの態様に係るフレキシブルコンテナバッグにおいて、前記第1の内部シートが前記胴部に対して固定される線として、前記胴部の前記筒状の周方向に延びる主線と、前記周方向に所定の間隔をあけて前記主線の近傍に設けられた前記主線よりも短い複数の短線と、を有していてもよい。
【0021】
このように構成すると、第1の内部シートが本体部からめくれてしまうことを抑制することができる。
【0022】
また、本開示の第9の態様に係るフレキシブルコンテナバッグとして、上記本開示の第1の態様第8の態様のいずれか1つの態様に係るフレキシブルコンテナバッグにおいて、前記第1の内部シートが前記胴部に対して固定される線が、前記胴部の前記筒状の周方向に曲線又は折れ線で延びていてもよい。
【0023】
このように構成すると、第1の内部シートが本体部からめくれてしまうことを抑制することができる。
【0024】
また、本開示の第10の態様に係るフレキシブルコンテナバッグとして、上記本開示の第1の態様第9の態様のいずれか1つの態様に係るフレキシブルコンテナバッグにおいて、前記第1の内部シートが前記胴部に対して固定される線が、所定の幅で前記胴部の前記筒状の周方向に延びており、前記所定の幅は、前記胴部の前記筒状の軸線方向の長さであって、前記線の近傍の前記線よりも前記底部側の前記第1の内部シートの部分が前記胴部に沿うように、前記第1の内部シートを前記胴部に近づけることができる幅であってもよい。
【0025】
このように構成すると、第1の内部シートが本体部からめくれてしまうことを抑制することができる。
【発明の効果】
【0026】
本開示によれば、内容物を収容したときに、第1の内部シートによって底部と胴部との縫製部分が覆われることで、内容物が当該縫製部分に直接当たらなくなり、当該縫製部分からの内容物の漏れを抑制することができる。
【図面の簡単な説明】
【0027】
【
図1】一実施の形態に係るフレコンバッグの斜視図である。
【
図2】一実施の形態に係るフレコンバッグの模式的部分展開図である。
【
図3】下部シートの固定線まわりの部分詳細図である。
【
図4】別の実施の形態に係るフレコンバッグの概略構成を示す縦断面図である。
【
図5】(A)は固定線まわりの変形例を示す部分縦断面図、(B)は固定線まわりの別の変形例を示す部分正面図、(C)は固定線まわりのさらに別の変形例を示す部分正面図である。
【
図6】(A)は固定線の変形例を示す部分正面図、(B)は固定線の別の変形例を示す部分正面図、(C)は固定線のさらに別の変形例を示す部分正面図である。
【発明を実施するための形態】
【0028】
以下、図面を参照して実施の形態について説明する。なお、各図において互いに同一又は相当する部材には同一あるいは類似の符号を付し、重複した説明は省略する。
【0029】
まず
図1を参照して、一実施の形態に係るフレキシブルコンテナバッグ1(以下「フレコンバッグ1」という。)を説明する。
図1は、フレコンバッグ1の斜視図である。フレコンバッグ1は、例えば、建設・土木業、廃棄物処理業、リサイクル業、製造業、農業等において、収容対象物(以下「内容物」という場合もある)を収容して保管したり輸送したりするバッグである。フレコンバッグ1に収容される収容対象物の例として、土、廃品、切り屑、粉末、粒状物等を挙げることができるが、収容可能なものであればその他様々な物体であってもよい。なお、フレコンバッグ1に収容される粉末や粒状物を例示すると、セメント、微粒な砂等の鉱産物、ベンガラ粉・着色原料粉等の工業製品、小麦粉、澱粉、米粒等を挙げることができる。
【0030】
フレコンバッグ1は、可撓性があって折り畳むことが可能になっている。このため、不使用時は折り畳んで積み重ねて保管することができる。また、フレコンバッグ1は、吊りベルト15が設けられていることで、フォークリフトやクレーンで吊り上げて運搬することができるようになっている。フレコンバッグ1は、袋体を構成する主要な部分(本体部11)が、シートを適切に裁断したものを縫製することにより構成されている。フレキシブルコンテナバッグは、一般的に、吊り上げたときに、内部に収容された内容物の重量や内圧により、フレキシブルコンテナバッグが拡張される方向の力が働く。このとき、フレキシブルコンテナバッグの縫製部分の縫い目が広がり、内容物が粉末や粒状物等の粒径が小さいものの場合は、広がった縫い目から内容物が漏れ出すことがある。本実施の形態に係るフレコンバッグ1は、後述する構成により、内容物の重量に起因して縫い目が広がる場合でも、内容物の漏洩を防ぐ又は減少させることができるものである。以下、フレコンバッグ1の構成を説明する。フレコンバッグ1は、本体部11と、吊りベルト15と、下部シート21と、上部シート22とを備えている。
【0031】
本体部11は、フレコンバッグ1の主要部を構成する部分であり、胴部12と底部13とを有している。胴部12は、筒状のシートで生成されている。胴部12は、筒状に成形された長尺のシートを必要な長さに切断したものを採用してもよく、矩形のシートの対向する一対の辺同士を繋ぎ合わせて筒状にしたものを採用してもよい。胴部12は、単独では、筒状の両端面が開口になっている。底部13は、両端面が開口した筒状に形成されている胴部12の一方の端面を塞ぐものである。底部13は、典型的には、胴部12と同一の素材のシートで形成されている。胴部12の一方の開口端面に底部13を取り付けることにより、袋状の本体部11となる。底部13は、フレコンバッグ1の意図する形状に応じて、様々な形状を採用することができる。例えば、本体部11を円筒状の袋体(いわゆる丸型)にする場合は底部13が円形に形成され、本体部11を直方体状の袋体(いわゆる角型)にする場合は底部13が矩形(正方形又は長方形)に形成される。底部13は、円形又は矩形のほか、楕円形、六角形や八角形等の多角形としてもよく、菱形やその他の任意の形状とすることもできる。
【0032】
胴部12及び底部13を形成するシートは、本体部11に可撓性を持たせることができる材料が用いられており、典型的にはポリプロピレン製の織布が用いられている。当該シートは、可撓性を有することで、折り畳み可能になっている。また、当該シートは、ポリプロピレン製で幅広の糸を用いて縦横に織った織物を用いることで、フレコンバッグ1に求められる強度(引張強度等)を有するものとなっている。ポリプロピレン製のシートは、フレコンバッグ1に求められる強度で溶着又は接着することが困難であることから、本実施の形態に係るフレコンバッグ1では、胴部12と底部13とが縫製によって接合されている。具体的には、胴部12の一方の開口端の全周にわたって、底部13の外周が縫製されている。胴部12と底部13とを接合する縫製糸として、典型的にはポリエステルの糸が用いられるが、その他の合成樹脂の糸や麻糸等、適切な素材の糸が用いられてもよい。なお、フレコンバッグ1は、可撓性を有しているため、支えが無い状態や内容物が充填されていない状態では、
図1に示すように自立(直立)することができないものであるが、
図1では、説明の便宜上、自立した状態を示している。
【0033】
吊りベルト15は、フレコンバッグ1をフォークリフトやクレーンで吊り上げるために設けられた帯状の部材である。吊りベルト15は、予定している内容物が充填されたフレコンバッグ1を吊り上げることに耐え得る強度(引張強度等)を有する長尺のベルトが用いられている。吊りベルト15は、典型的にはポリプロピレンで形成されているが、ポリプロピレン以外の合成樹脂又は合成樹脂以外の素材で形成されていてもよい。吊りベルト15は、本実施の形態では、2組が本体部11に取り付けられている。それぞれの吊りベルト15は、本実施の形態では、その長さの中間位置を本体部11の開口端面の側に配置し、当該中間位置から両端部の方向にそれぞれ離れた位置で胴部12の側面に縫製で固定されている。吊りベルト15が胴部12に固定された部分を「ベルト縫製部16」ということとする。なお、吊りベルト15の胴部12への固定は、必要な強度を確保できる場合は縫製以外の方法で行われていてもよい。吊りベルト15は、ベルト縫製部16よりも末端側が、胴部12の筒状の軸線方向に、胴部12の側面に沿って延びた後、折れ曲がって底部13の面に沿い、底部13の図心に向けて延びている。吊りベルト15の末端は、本実施の形態では、底部13の図心に到達せず、底部13の図心と外周縁との間に位置しており、その位置で底部13に固定されている。吊りベルト15の末端の底部13への固定は、典型的には縫製で行われるが、縫製以外の方法で行われてもよい。本実施の形態に係るフレコンバッグ1は、4つのベルト縫製部16を有している。
【0034】
4つのベルト縫製部16は、典型的には、筒状の胴部12の周方向に等間隔で配置されている。また、4つのベルト縫製部16は、それぞれ、典型的には、胴部12の筒状の軸線方向において、胴部12の長さ(筒状の両端面間の距離)の中間よりも本体部11の開口の側に配置されている。各ベルト縫製部16の、胴部12の筒状の軸線方向における位置(ベルト縫製部16の図心を基準とする)は、例えば、本体部11の開口の側の端面から、胴部12の長さの1/5~1/3の位置にあってもよく、胴部12の長さの1/4の位置にあってもよい。
【0035】
下部シート21は、本体部11の内側に設けられ、胴部12と底部13との接続部分(以下「胴底接続部14」という。)を覆うものであり、第1の内部シートに相当する。下部シート21は、本実施の形態では、プラスチックフィルムが用いられている。なお、フィルムは、薄いシートであることから、シートの一形態である。下部シート21を構成するプラスチックフィルムの合成樹脂の素材は、ポリエチレン、ポリプロピレン、塩化ビニル樹脂、ポリエステル、ナイロン、その他種々の素材を用いることができる。下部シート21の素材は、用途に応じた強度、本体部11への接続態様等を考慮して適宜決定するとよい。下部シート21として、本体部11の素材と同系の素材(例えば、ポリプロピレンの本体部11に対してポリプロピレン及び/又はポリエチレン)を用いることとすると、フレコンバッグ1の使用後のリサイクルをしやすくなり、好ましい。下部シート21の厚さは、特に制限はないが、軽量化を図る観点から、必要な強度を確保することができる範囲内で極力薄くすることが好ましい。
【0036】
下部シート21は、本実施の形態では長方形のフィルムが用いられている。下部シート21の幅は、胴部12の筒状の内周長以上の長さを有している。下部シート21の長さ(幅に直交する方向の長さであって、胴部12の筒状の軸線が延びる方向の長さ)は、下部シート21を胴部12に固定して本体部11の内側に沿わせたときに、少なくとも胴底接続部14を越える長さを有している。この下部シート21の長さは、底部13に固定された吊りベルト15の部分を覆うことができる長さを有していることが好ましい。また、この下部シート21の長さは、本体部11に内容物が充填されて下部シート21が本体部11に全体的に接触した状態で、胴底接続部14から100mm~300mm程度底部13の図心方向に延びる長さでもよい。あるいは、絶対的な長さに代えて、例えば、底部13が円形の場合はその直径に対して、底部13が正方形の場合は一辺に対して、1/4~2/3程度、あるいは1/3~1/2程度、胴底接続部14から底部13の図心方向に延びる長さでもよい。
【0037】
下部シート21は、幅方向が胴部12の筒状の内周に沿うようにして配置された状態で、長さ方向の一方の端辺で又は当該端辺の近傍で、胴部12に固定されている。下部シート21の、胴部12への取り付け位置(胴部12の筒状の軸線方向の位置)は、胴部12に固定された端辺とは反対側の端辺が、上述のように、胴底接続部14を越える位置に来る位置である。下部シート21は、典型的には、上述の一方の端辺で、胴部12の筒状の内周の全体にわたって、胴部12に固定されている。下部シート21は、この胴部12に固定された端辺以外では本体部11に固定されていない。下部シート21は、胴部12に固定された端辺とは反対側は自由端になっている。したがって、下部シート21は、胴部12への取り付けが比較的簡便であると共に、本体部11が折り畳まれた等で変形した場合に意図しない空気溜り等ができることなく本体部11の変形に追従することができる。なお、下部シート21は、長方形のもののほか、筒状に形成されたものであってもよい。
【0038】
図2はフレコンバッグ1の模式的部分展開図であり、フレコンバッグ1の内部の状態を示している。
図2は、本実施の形態では円筒状に形成されたフレコンバッグ1の内部の一部を視認できる状態で展開したものを部分的に示しており、胴底接続部14が直線状になるように展開している。
図2に示すように、下部シート21は、一方の端辺の近傍で、固定線51によって、胴部12に固定されている。また、下部シート21の固定線51の側とは反対側の端部は、拘束されずに自由に移動可能になっている。固定線51は、下部シート21が胴部12に固定されている線である。固定線51は、本実施の形態では縫い付けによって形成されているが、胴部12及び下部シート21の材質によっては、溶着、粘着テープ、接着剤等によって形成されていてもよい。固定線51は、前述のように、胴部12の筒状の全周にわたって形成されている。
【0039】
図3に、下部シート21の固定線51まわりの部分詳細を示す。下部シート21は、本実施の形態では、幅方向にフィルムが部分的に重ねられてタック(襞)が形成され、このタックが幅方向に適宜の間隔で複数形成された状態で、胴部12に縫い付けられている。このように構成すると、下部シート21がめくれたままの状態でフレコンバッグ1の中に内容物が充填されることを抑制することができる。仮に、下部シート21を胴部12に対して細い固定線51でタック無しで固定した場合、固定線51とは反対側が自由端になっている下部シート21は、めくれが生じて自由端がフレコンバッグ1の開口側に位置したままになってしまうことが生じ得る。このような状態は、可撓性を有するフレコンバッグ1を畳んだり広げたりしているうちに生じ得る。これに対し、下部シート21にタックが形成されている本実施の形態に係るフレコンバッグ1では、フレコンバッグ1を広げたときに、タックの存在により、下部シート21の自由端が底部13の方に延びた状態となる。このため、下部シート21がめくれたままの状態になってしまうことを抑制することができる。なお、下部シート21は、複数のタックが形成された状態で胴部12に取り付けられた場合であっても、幅方向の両端辺が重なっていると、胴底接続部14の全体にわたって隙間なく下部シート21で覆うことができるため好ましい。
【0040】
図1に戻ってフレコンバッグ1の説明を続ける。上部シート22は、本体部11の内部に設けられ、ベルト縫製部16を覆うものであり、第2の内部シートに相当する。上部シート22がベルト縫製部16を覆う態様は、
図2にも示されている。上部シート22は、典型的には、下部シート21と同じ素材が用いられるが、下部シート21として採用され得る別の素材が用いられてもよく、下部シート21としては採用されない素材が用いられてもよい。上部シート22は、本実施の形態では長方形のフィルムが用いられている。上部シート22の幅は、典型的には胴部12の筒状の内周長以上の長さを有している。上部シート22の長さ(幅に直交する方向の長さであって、胴部12の筒状の軸線が延びる方向の長さ)は、典型的にはベルト縫製部16の長さ以上の長さを有している。
【0041】
上部シート22は、本実施の形態では、胴部12の内側からベルト縫製部16を覆った態様で胴部12の筒状の内周に沿わせて配置し、少なくともフレコンバッグ1の開口側の端辺又はその近傍で胴部12に固定されている。このとき、上部シート22が胴部12に固定される位置は、フレコンバッグ1の開口側の胴部12の端とベルト縫製部16との間になっている。上部シート22は、ベルト縫製部16よりも底部13の側は、典型的には自由端になっている。しかしながら、上部シート22は、ベルト縫製部16よりも底部13の側でも本体部11に接続されていてもよく、長さ方向(胴部12の筒状の軸線方向)において全体的に又は部分的(間欠的を含む)に本体部11に接続されていてもよい。なお、上部シート22は、各ベルト縫製部16を覆うことができればその機能を果たすことができる。したがって、上部シート22は、すべてのベルト縫製部16を一括して覆うことができる大きさでなくてもよく、複数のベルト縫製部16を個別に又は任意の数ずつ覆うことができる大きさであってもよい。しかしながら、上部シート22が、すべてのベルト縫製部16を一括して覆うように構成されていると、部品点数の増加を抑制することができ、製造の複雑化を抑制することができるという利点がある。
【0042】
上述のように構成されたフレコンバッグ1は、使用していないとき、典型的には、折り畳まれて保管されている。このとき、フレコンバッグ1は、可撓性を有するので比較的自由に形状を変えることができると共に、積み重ねることもでき、複数を比較的少ないスペースで保管することができる。フレコンバッグ1を使用するときは、底部13を地面又は床面等に置き、フレコンバッグ1の開口面を鉛直上方に持ち上げるようにして、胴部12を引き延ばせばよい。このとき、吊りベルト15を利用して胴部12を引き延ばしてもよい。このように胴部12を引き延ばすと、上部シート22が、胴部12への固定部分から底部13の方に垂れ下がり、各ベルト縫製部16を覆うようになる。このとき、上部シート22は、典型的には胴部12に沿って垂れ下がることとなる。また、胴部12を引き延ばすと、下部シート21も、胴部12への固定部分から底部13の方に垂れ下がる。下部シート21は、タックが設けられているので、めくれ上がって底部13の方に垂れ下がらなくなってしまうことを防ぐことができる。胴部12を引き延ばしたとき、下部シート21は、自由端が底部13に接するものの、胴底接続部14付近と下部シート21との間に隙間が生じる場合があり得る。
【0043】
上述のように胴部12を引き延ばすと、フレコンバッグ1は袋状になっており、内容物を収容することができる。袋状になったフレコンバッグ1に内容物を投入すると、フレコンバッグ1の下部から内容物が堆積していく。フレコンバッグ1に投入された内容物は、堆積する際に胴部12の筒状の内壁まで広がっていく。フレコンバッグ1の内部で内容物が胴部12の内壁まで広がりながら堆積していくときに、下部シート21は、内容物の内圧で胴部12及び底部13に押し付けられ、全体が胴部12及び底部13に接触することとなる。このようにして、下部シート21が、内容物と胴部12及び底部13との間に挟まれることにより、内容物が、胴底接続部14(縫い目)に直接当たることがないため、内容物が粉体等の粒径が小さいものであっても、漏れを防ぐことができる。また、内容物が堆積していって、上部シート22の高さに達したときに、上部シート22が内容物とベルト縫製部16との間に挟まれることになる。このことにより、内容物が、ベルト縫製部16に直接当たることがないため、ベルト縫製部16から漏れることを防ぐことができる。内容物が充填されたフレコンバッグ1は、そのまま保管することができ、あるいは吊りベルト15をフォークリフトやクレーンで吊り上げて運搬することもできる。
【0044】
なお、フレコンバッグ1は、底部13にあらかじめ排出口が形成された「排出口付き」のものにも好適に適用することができる。排出口付きフレキシブルコンテナバッグは、排出口となる切り込みがあらかじめ底部に形成され、内容物の投入時及び運搬時は切り込みを閉じて束ねた底部のシートを紐等で括り付け、内容物排出時に紐等を解いて排出口を開口するものである。本実施の形態に係るフレコンバッグ1は、本体部11の内部に設けられた下部シート21の、固定線51の側とは反対側の端辺が、自由端になっていて開放されているので、排出口を開けたときに内容物を円滑に排出することができる。フレコンバッグ1を排出口付きとする場合で、排出口の周辺に内容物が漏洩し得る縫製線が存在する場合は、その縫製線をも下部シート21で覆うことができる大きさに、下部シート21を形成することが好ましい。
【0045】
以上で説明したように、本実施の形態に係るフレコンバッグ1によれば、下部シート21を備えているので、胴底接続部14からの内容物の漏洩を抑制することができる。また、上部シート22を備えているので、ベルト縫製部16からの内容物の漏洩を抑制することができる。また、本実施の形態に係るフレコンバッグ1は、上記のほか、以下の利点を有する。袋状のフレキシブルコンテナバッグに内袋を入れる方法に比べて、コストの上昇を抑制することができる。また、フレキシブルコンテナバッグの胴部と底部との間やベルト縫製部に布を挟み込む方法や縫い目を紐で押さえる方法に比べて、簡便な構成で内容物の漏洩を同等かそれ以上に効率的に防ぐことができる。フレキシブルコンテナバッグの製作時の縫製作業を行うときに、下部シート21や上部シート22を取り付ける作業を追加すればよいので、比較的簡単な追加作業で製造することができる。また、フレコンバッグ1は、排出口付きにも好適に対応することができる。
【0046】
次に
図4を参照して、別の実施の形態に係るフレキシブルコンテナバッグ2(以下「フレコンバッグ2」という。)を説明する。
図4は、フレコンバッグ2の概略構成を説明する縦断面図である。フレコンバッグ2は、通常、胴部12の筒状の軸線が鉛直に延びた状態で使用されることから、この通常の使用態様における胴部12の筒状の軸線に平行な断面を縦断面ということとする。フレコンバッグ2は、第1の内部シートとして、フレコンバッグ1(
図1参照)が備えていた下部シート21(
図1参照)に代えて、覆底シート25を備えている点において、主としてフレコンバッグ1とは異なっている。
【0047】
第1の内部シートに相当する覆底シート25は、胴部12に固定されていると共に、胴底接続部14を越えて延びている。また、覆底シート25は、フレコンバッグ2の内側において、胴部12の下部に加えて、底部13の全体を覆う形状になっている。換言すれば、覆底シート25は、本体部11の下部の形状に対して、典型的には、実質的に同じ形状に形成された、一方の端面が閉じられた袋状に形成されている。ここで、実質的に同じ形状とは、フレコンバッグ2内に投入された内容物がフレコンバッグ2内で堆積したときに、本体部11と覆底シート25との間に不必要な隙間が形成されない程度に同じ形状であることを意図している。なお、不必要な隙間は、覆底シート25の内部に存在する内容物が当該隙間の方に移動しようとする力によって、覆底シート25の破損を招来することになるような隙間である。
【0048】
覆底シート25は、防液性を有する材料で形成されている。ここで、防液性を有するとは、フレコンバッグ2の用途に照らして許容範囲を超えた液体の通過を防ぐ性能を有している状態である。覆底シート25を形成する材料として、ポリエチレン、ポリプロピレン、塩化ビニル樹脂、ポリエステル、ナイロン、その他の合成樹脂を用いることができる。また、覆底シート25を形成する材料として、各種の合成樹脂のほか、織布又は不織布を防液性の素材でコーティングしたものを用いてもよい。
【0049】
覆底シート25は、底部13を覆う部分から離れた位置(典型的には端辺付近)で、下部シート21(
図1参照)と同様に、固定線51によって、胴部12に固定されている。胴底接続部14から固定線51までの距離は、フレコンバッグ2が置かれる環境における、生じ得る液深を考慮して、決定するとよい。例えば、置かれたフレコンバッグ2の周囲に雨水が最大50mm貯まる可能性がある場合は、胴底接続部14から固定線51までの距離を、50mmを越える距離にするとよい。このように、胴底接続部14から固定線51までの距離は、フレコンバッグ2が置かれる環境に応じて、例えば、30mm、50mm、100mm、150mm、200mmとすることができ、200mmを超える距離としてもよい。あるいは、胴底接続部14から固定線51までの距離は、フレコンバッグ2の周囲に生じ得る最大液深の1.1~2.0倍としてもよく、1.2~1.5倍、又は1.3倍程度としてもよい。また、状況に応じて、2倍を超える距離にしてもよい。
【0050】
フレコンバッグ2の上記以外の構成は、吊りベルト15及び上部シート22を備えている点を含み、フレコンバッグ1(
図1参照)と同様である。このように構成されたフレコンバッグ2は、投入された内容物の下部に堆積された部分の全体が、防液性を有する覆底シート25に覆われることとなる。このため、フレコンバッグ2の周囲に雨水等の液体が貯まった場合でも、フレコンバッグ2の内部に投入された内容物を、浸水(浸液)から防ぐことができる。なお、フレコンバッグ2の構造上、内部に投入する内容物を含液率(内容物に含まれる液体の割合)の高いものとすることもでき、この場合は覆底シート25の存在により、内容物からにじみ出た液体がフレコンバッグ2から漏洩することを防ぐことができる。
【0051】
以上の説明では、フレコンバッグ1、2が上部シート22を備えているとしたが、ベルト縫製部16からの内容物の漏洩が生じない場合は、上部シート22を省略してもよい。他方、例えば胴部12が複数の筒状のシートを縫製で繋ぎ合わせて形成されている場合は、その繋ぎ合わせた部分を内側から覆うシートを、上部シート22と同様の態様で設けるとよい。
【0052】
以上の説明では、胴部12及び底部13を形成するシートが、ポリプロピレン製の織布であるとしたが、フレコンバッグ1、2の用途に応じて、ポリエチレンや、その他の合成樹脂が用いられてもよい。また、当該シートは、織物に限らず不織布であってもよい。
【0053】
以上の説明では、第1の内部シートが、プラスチックフィルムで構成された下部シート21であるとしたが、フィルムよりも厚いプラスチックシートで構成されていてもよく、フィルム以外の織布や不織布であってもよい。つまり、第1の内部シートは、単一の材料を展延してフィルム状に形成したもののほか、単一又は複数の素材の織布又は不織布(例えばポリプロピレン/ポリエチレン織布又は不織布)を用いてもよい。素材も、プラスチックに限らず、綿、毛、麻等の自然素材が用いられていてもよい。しかしながら、強度、可撓性、重量等を総合的に勘案して、第1の内部シートはプラスチックフィルムで構成されていることが好ましい。
【0054】
以上の説明では、下部シート21(第1の内部シート)と上部シート22(第2の内部シート)とが別体であって、個別に本体部11に固定されていることとした。しかしながら、下部シート21と上部シート22とを一体に形成した長尺シートを、第1の内部シートと第2の内部シートとを兼用するものとして用いてもよい。下部シート21に代えて覆底シート25を備える場合も同様に、覆底シート25と上部シート22とを一体に形成したシートを、第1の内部シートと第2の内部シートとを兼用するものとして用いてもよい。このように、下部シート21又は覆底シート25と上部シート22とを一体に形成した場合は、胴底接続部14とベルト縫製部16とを一体的に覆うことができる。そのため、この一体に形成したシートとして気密性かつ防液性を有する材料を採用した場合は、外部との通気を遮断して、外部からの水濡れや、本体部11の織布の編目から内容物(粉体)が漏出することを防ぐことができる。つまり、この場合は、本体部11をラミ加工(コーティング加工)した場合と同様の効果を奏することができる。また、下部シート21又は覆底シート25と上部シート22とを一体に形成する場合及び別体に形成する場合のいずれの場合でも、上部シート22に相当するものに対して注入口(不図示)を一体に形成することとしてもよい。注入口は、一般に、本体部11の開口端に取り付けられて、上方に(底部13とは反対側に)延びるように設けられた、可撓性を有する筒状の部材である。注入口は、典型的には、胴部12と同じ輪郭(筒状の周長)となっている。また、注入口は、一般に、本体部11ほどの強度が求められないために、比較的薄くて軽量な材料(例えばポリプロピレン又はポリエチレンの織布)が用いられるが、その他の材料や本体部11と同じ材料が用いられてもよい。注入口は、本体部11に内容物を充填する際は上方に延ばされて使用されて内容物を本体部11に導くガイドとして機能し、本体部11に内容物が充填された後は束ねられて本体部11の蓋として機能する。上部シート22に相当するものと注入口とを一体に形成した場合は、当該シート部分を、注入口として利用可能な長さとベルト縫製部16を覆うことができる長さを合計した長さとし、長さの途中の部分を胴部12の上部に固定すればよい。
【0055】
以上の説明では、下部シート21(第1の内部シート)が、複数のタックが形成されてた状態で胴部12に固定されていることとしたが、下部シート21のめくれ防止の方策として、以下に示す態様で胴部12に固定されることとしてもよい。
【0056】
一例として、
図5(A)に示すように、固定線51の側の下部シート21の端辺を、本体部11の内部の方向に折り返し、折り返して重なった2枚のフィルムを一緒に胴部12に固定することとしてもよい。このようにすると、本体部11の内側に位置する折り返した部分のフィルムによって、底部13に向かって延びるフィルムを押さえることができ、底部13に向かって延びるフィルムがめくれてしまうことを抑制することができる。
【0057】
別の例として、
図5(B)に示すように、下部シート21を固定する位置に、重ね部材53を下部シート21の上から重ねたうえで、重ね部材53と下部シート21とを一緒に胴部12に固定することとしてもよい。このとき、胴部12と重ね部材53との間に、下部シート21の端部が挟まることとなる。重ね部材53は、典型的には所定の幅を有する当て布であるが、フィルムやプラスチックシート等の樹脂であってもよく、金属であってもよい。ここでの所定の幅(固定線51が延びる方向に直交する方向の長さ)は、下部シート21を胴部12に沿うように押さえることができる幅であり、下部シート21の硬さに応じて適切な幅にすることができる。また、重ね部材53は、典型的には、
図5(B)に示すように、胴部12の筒状の全周にわたって下部シート21に重ねることができるように細長い長方形の部材を環状に形成したものが用いられる。この他、重ね部材53は、
図5(C)に示すように、複数の小片で構成されていてこれらを胴部12の筒状の周方向に間欠的に設けることとしてもよい。
図5(B)又は
図5(C)に示すように、重ね部材53を用いることとすると、底部13に向かって延びるフィルムを重ね部材53で押さえることができ、底部13に向かって延びるフィルムがめくれてしまうことを抑制することができる。
【0058】
さらに別の例として、
図6(A)に示すように、前述した胴部12の筒状の周方向に延びる固定線51に加えて、この固定線51よりも短い固定線52を、胴部12の筒状の周方向に間隔をあけて設けることとしてもよい。ここで、固定線51を主線と、固定線52を短線と、それぞれ見ることができる。固定線52は、固定線51の近傍に設けられる。ここでいう「固定線51の近傍」には、固定線51に接触することを含む。固定線52は、
図6(A)に示す例では固定線51に直角であるが、固定線51に対して、任意の角度(例えば、15°、30°、45°、60°、75°等)を有していてもよく、固定線51に対して平行であってもよい。固定線52は、固定線51から最も離れた部分が、下部シート21のめくれを適切に抑制することができる範囲で固定線51に極力近いことが好ましい。このような観点から、固定線52の長さや、固定線51の近傍の範囲を決定することができる。
【0059】
あるいは
図6(B)に示すように、固定線51を、胴部12の筒状の周方向に曲線状に延びるようにしてもよい。固定線51は、
図6(B)に示す例では不規則な波形の曲線状になっているが、この他、正弦波状等の規則的な波形の曲線状であってもよい。また、固定線51は、曲線状に限らず、折れ線状であってもよい。折れ線状の例として、方形波状、三角波状、のこぎり波状等が挙げられる。
【0060】
あるいは
図6(C)に示すように、固定線51が所定の幅を有するものであってもよい。ここでの所定の幅は、固定線51よりも底部13の側における固定線51の近傍の下部シート21の部分が、胴部12に沿うように、下部シート21を胴部12に近づけることができる幅である。このように固定線51の幅を、線状のように細いものではなく、帯状のように太くすると、下部シート21の弾性により、下部シート21が胴部12から離れるようにめくれてしまうことを抑制することができる。
図6(A)~
図6(C)に示すように固定線51を工夫することで、底部13に向かって延びるフィルムがめくれてしまうことを抑制することができる。
【0061】
上述の
図5(A)~
図6(C)に示しためくれ防止措置は、下部シート21のみならず、上部シート22、長尺シート、及び覆底シート25を本体部11に固定する際にも適用することができる。
【符号の説明】
【0062】
1、2 フレコンバッグ(フレキシブルコンテナバッグ)
11 本体部
12 胴部
13 底部
15 吊りベルト
16 ベルト縫製部
21 下部シート(第1の内部シート)
22 上部シート(第2の内部シート)
25 覆底シート(第1の内部シート)