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特開2024-61251NFC規格の識別IDシールを使用した登園管理システム
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  • 特開-NFC規格の識別IDシールを使用した登園管理システム 図1
  • 特開-NFC規格の識別IDシールを使用した登園管理システム 図2
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024061251
(43)【公開日】2024-05-07
(54)【発明の名称】NFC規格の識別IDシールを使用した登園管理システム
(51)【国際特許分類】
   G06Q 50/10 20120101AFI20240425BHJP
   G06Q 50/40 20240101ALI20240425BHJP
【FI】
G06Q50/10
G06Q50/30
【審査請求】未請求
【請求項の数】3
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022169084
(22)【出願日】2022-10-21
(71)【出願人】
【識別番号】301032621
【氏名又は名称】株式会社藤田電機製作所
(72)【発明者】
【氏名】鈴木俊輔
【テーマコード(参考)】
5L049
5L050
【Fターム(参考)】
5L049CC11
5L050CC11
(57)【要約】      (修正有)
【課題】フェールセーフ機能を有する登園管理システムを提供する。
【解決手段】園児登園管理システムは、NFC(Near Field Communication)規格の通信機能を有する識別IDシールを、園児の名札などに固定することにより、あらかじめ設定されたチェックポイントとタイミングで、園児の正常な居場所確認が成立しない限り次のステップに進めないフェールセーフ機能およびNFC規格の通信機能を有するデータ―ロガーを、園児の名札などに固定することにより、あらかじめ設定されたチェックポイントとタイミングで、園児の正常な居場所確認が成立しない限り次のステップに進めないフェールセーフ機能を有する。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
NFC規格の通信機能を有する識別IDシールを、園児の名札などに固定することにより、あらかじめ設定されたチェックポイントとタイミングで、園児の正常な居場所確認が成立しない限り次のステップに進めないフェールセーフ機能を有することを特長とする園児登園管理システム。
【請求項2】
NFC規格の通信機能を有するデータ―ロガーを、園児の名札などに固定することにより、あらかじめ設定されたチェックポイントとタイミングで、園児の正常な居場所確認が成立しない限り次のステップに進めないフェールセーフ機能を有することを特長とする園児登園管理システム
【請求項3】
NFC規格の通信機能を有するデータ―ロガーを、園児の名札などに固定することにより、あらかじめ設定されたチェックポイントとタイミングで、園児の正常な居場所確認が成立しない限り次のステップに進めないフェールセーフ機能を有することを特長とする園児登園管理システムにおいて、該データ―ロガーに記録された温度や衝撃の記録データを活用できることを特長とする園児登園管理システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、園バス事故防止対策として、NFC規格の通信機能を有する識別IDシールを、園児の名札などに固定することにより、あらかじめ設定されたチェックポイントとタイミングで、園児の正常な居場所確認が成立しない限り次のステップに進めないフェールセーフ機能を有することを特長とする園児登園管理システムを、スマホ、PC、サーバーといった汎用機器を用いたインターネット環境で、柔軟に、簡単にかつ確実に実現するものである。

【背景分野】
【0002】
園バスに園児が置き去りにされ、熱中症などで死亡する事故が毎年発生している。
【0003】
事故の発生原因は、スタッフの人数確認不足によるものであるが、該ヒューマンンエラーは頻度の差はあれども、完全にゼロにすることは難しいと思われる事象である。
【0004】
該ヒューマンエラーを回避するために導入が検討されている案として、例えば置き去り防止装置を園バスに設置し、園児がバスに残っていることをブザーで知らせるといったハードウエアに依存した手段が提案されているが、この場合、該装置が正常に動作していることの確認や該装置の運用自体に人的要素が入ってしまうと、元の木阿弥になってしまうという問題が残ってしまう。
【発明の概要】
【0005】
本発明は、園バス事故防止対策として、あくまで園児の命を守ることを優先したシステムを、近距離無線通信規格NFC(Near Field Communication)規格が持つ特長、数センチとごく短い通信範囲を逆手に取った、対応機器同士が軽く触るくらい近づけないと通信できないことの特長を活かして、園児の居場所確認が成立しない限り次のステップに進めないフェールセーフ機能を有することを特長とした登園管理システムを実現するものである。

【発明が解決しようとする課題】
【0006】
園バス事故防止対策として、従来から提案されているバスへの置き去り防止装置の各バスへの設置や、スタッフによる人数確認をダブルチェックすることや、安全管理マニュアルの周知徹底などの対策に共通して言えることは、「ヒューマンエラーが完全にゼロになることはあり得ない」という原則をクリアできず、これらの対策を施すことで事故発生確率は下がるものの、発生をゼロにすることは難しいという課題があった。

【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、園バス事故の本質的重大性が、バスに閉じ込めてしまうことではなく、園児の命が奪われてしまうことにあるということに着眼し、問題を解決するための手段として、必ずしもバスに置き去りにすることを防止することにこだわらず、NFC規格の通信機能を有する識別IDシールを、園児の名札などに固定することにより、あらかじめ設定されたチェックポイントとタイミングで、園児の正常な居場所確認が成立しない限り次のステップに進めないフェールセーフ機能を有することを特長とする園児登園管理システムを運用することにより、登園システム全体で問題解決を図るものである。


【発明の効果】
【0008】
本発明は、園バスに園児が取り残され熱中症などで死亡してしまうという園バス事故が、スタッフのヒューマンエラーに起因していることに対して、NFC規格の通信機能を有する識別IDシールを、園児の名札などに固定することにより、あらかじめ設定されたチェックポイントとタイミングで、園児の正常な居場所確認が成立しない限り次のステップに進めないフェールセーフ機能を有する登園管理システムを運用することにより、万一ヒューマンエラーが発生しても園児の命を守ることが可能であるという利点がある。

【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】は、登園管理システムとして、NFC識別IDシールを使用して、園児の適正な居場所を確認できるシステム概要図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
朝、各家庭で園児が家を出る時に見送り情報として、親がスマホで園児の名札に貼付されたNFC規格の識別IDを読み取る。(読み取ったIDは、自動的にサーバーに転送される)
【0011】
朝、園でおはようございますの挨拶時に、登園情報として、園のスタッフがスマホで園児の名札に貼付されたNFC規格の識別IDを読み取る。(読み取ったIDは、自動的にサーバーに転送される)
【0012】
コンピュータは、あらかじめ設定された時刻又は園のイベント実行時に、園側の登園情報で各家庭からの見送り情報を消し込むことによって、登園状態に関する異常の有無を判定し、異常と判定した場合は、該異常内容の解決が確認され、園の責任者の承認作業が得られるまで登園管理システムが次のステップに進めないものとする。
【0013】
午後、園でさようならの挨拶時に、退園情報として、園のスタッフがスマホで園児の名札に貼付された識別IDを読み取る。(読み取ったIDは、自動的にサーバーに転送される)
【0014】
午後、各家庭で帰宅時に帰宅情報として、親がスマホで園児の名札を読み取る。(読み取った識別IDは、自動的にサーバーに転送される)
【0015】
コンピュータは、あらかじめ設定された時刻又は園のイベント実行時に、各家庭からの帰宅情報で、園側の退園情報を消し込むことによって、登園状態に関する異常の有無を判定し、異常と判定した場合は、該異常内容の解決が確認され、園の責任者の承認作業が得られるまで登園管理システムが次のステップに進めないものとする。

【実施例0016】
本発明の一実施例を、NFC識別IDタグシールの代わりにNFC通信機能を有するデータ―ロガーを使用したシステムを例にとり、図2を参照して説明する。
【0017】
朝、各家庭で園児が家を出る時に見送り情報として、親がスマホで園児に付帯したデータ―ロガーを読み取る。
【0018】
読み取ったデータには、識別IDの他に、データ―ロガーに記録されている直近までの温度データや衝撃データが含まれ、自動的にサーバーに転送される。
【0019】
サーバーへの送信とは別に、読み取ったデータ―ロガーに記録されている直近までの温度データや衝撃データの内容が、あらかじめ設定された異常規格値を示す場合は、あらかじめ設定されたメールアドレス先に、その情報が自動送信される。
【0020】
朝、園でおはようございますの挨拶時に、登園情報として、園のスタッフがスマホで園児に付帯したデータ―ロガーを読み取る。
【0021】
読み取ったデータには、識別IDの他に、データ―ロガーに記録されている直近までの温度データや衝撃データが含まれ、自動的にサーバーに転送される。
【0022】
サーバーへの送信とは別に、読み取ったデータ―ロガーに記録されている直近までの温度データや衝撃データの内容が、あらかじめ設定された異常規格値を示す場合は、あらかじめ設定されたメールアドレス先に、その情報が自動送信される。
【0023】
コンピュータは、あらかじめ設定された時刻又は園のイベント実行時に、園側の登園情報で各家庭からの見送り情報を消し込むことによって、登園状態に関する異常の有無を判定し、異常と判定した場合は、該異常内容の解決が確認され、園の責任者の承認作業が得られるまで登園管理システムが次のステップに進めないものとする。
【0024】
園で午前10時と正午12時に、在園情報として、園のスタッフがスマホで園児に付帯したデータ―ロガーを読み取る。


【0025】
読み取ったデータには、識別IDの他に、データ―ロガーに記録されている直近までの温度データや衝撃データが含まれ、自動的にサーバーに転送される。
【0026】
サーバーへの送信とは別に、読み取ったデータ―ロガーに記録されている直近までの温度データや衝撃データの内容が、あらかじめ設定された異常規格値を示す場合は、あらかじめ設定されたメールアドレス先に、その情報が自動送信される。
【0027】
午後、園でさようならの挨拶時に、退園情報として、園のスタッフがスマホで園児に付帯したデータ―ロガーを読み取る。
【0028】
読み取ったデータには、識別IDの他に、データ―ロガーに記録されている直近までの温度データや衝撃データが含まれ、自動的にサーバーに転送される。
【0029】
サーバーへの送信とは別に、読み取ったデータ―ロガーに記録されている直近までの温度データや衝撃データの内容が、あらかじめ設定された異常規格値を示す場合は、あらかじめ設定されたメールアドレス先に、その情報が自動送信される。
【0030】
午後、各家庭で帰宅時に帰宅情報として、親がスマホで園児に付帯したデータ―ロガーを読み取る。(読み取った識別データは、自動的にサーバーに転送される)
【0031】
読み取ったデータには、識別IDの他に、データ―ロガーに記録されている直近までの温度データや衝撃データが含まれ、自動的にサーバーに転送される。
【0032】
サーバーへの送信とは別に、読み取ったデータ―ロガーに記録されている直近までの温度データや衝撃データの内容が、あらかじめ設定された異常規格値を示す場合は、あらかじめ設定されたメールアドレス先に、その情報が自動送信される。
【0033】
コンピュータは、あらかじめ設定された時刻又は園のイベント実行時に、各家庭からの帰宅情報で、園側の退園情報を消し込むことによって、退園状態に関する異常の有無を判定し、異常と判定した場合は、該異常内容の解決が確認され、園の責任者の承認作業が得られるまで登園管理システムが次のステップに進めないものとする。
【0034】
各ポイントでロガーから読み取った温度及び衝撃のデータは、サーバーに保存され、その内容は随時アクセス権限のあるPCおよびスマホで閲覧できる。

【産業上の利用の可能性】
【0035】
園バス事故防止対策に適用できる。

【符号の説明】
【0036】
1:サーバー
2:スマホ
3:NFC識別タグ
4:PC
図1
図2
【手続補正書】
【提出日】2022-12-02
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0009
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0009】
図1】登園管理システムとして、NFC識別IDシールを使用して園児の適正な居場所を確認できるシステム概要図である。
図2】登園管理システムとして、システムの本質的機能は同じであるがNFC識別IDシールの代わりに、NFC通信機能を有するデーターロガーを使用した園児の適正な居場所を確認できるシステムの実施例を説明するためのシステム概要図である。