(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024061253
(43)【公開日】2024-05-07
(54)【発明の名称】蓋体及び蓋体の使用方法
(51)【国際特許分類】
B65D 43/06 20060101AFI20240425BHJP
【FI】
B65D43/06 200
【審査請求】未請求
【請求項の数】4
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022169089
(22)【出願日】2022-10-21
(71)【出願人】
【識別番号】521289191
【氏名又は名称】有限会社芳美商事
(74)【代理人】
【識別番号】100139996
【弁理士】
【氏名又は名称】太田 洋子
(72)【発明者】
【氏名】熊木 裕高
【テーマコード(参考)】
3E084
【Fターム(参考)】
3E084AA02
3E084AA12
3E084AA34
3E084AB01
3E084BA01
3E084CB03
3E084CC10
3E084DA01
3E084DB13
3E084DB17
3E084DC10
3E084FC07
3E084FC09
3E084FC10
3E084GA08
3E084GB12
3E084HB02
3E084JA20
3E084KA20
(57)【要約】
【課題】 一種だけで種々のカップ開口部口径に対応可能とした便利で使い勝手のよいシンプルでコンパクトな構造の蓋体及び当該蓋体の使用方法を提供すること。
【解決手段】
上部開口部220,320,420の外径D1,D2,D3が夫々異なり内部に飲料を収容する複数のカップ200,300,400に着脱自在に装着される蓋体100であって、複数のカップ200,300,400夫々の上部開口部220,320,420に嵌合可能とする閉塞機構部122,124,126を有する装着機構部を有することを特徴とする。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
内部に飲料を収容するカップに着脱自在に装着される蓋体であって、
口径の異なる複数種のカップ夫々の上記開口部の周縁部に嵌合できる若しくは当該周縁部を圧接できる複数の閉塞機構部を備える装着機構部を有することを特徴とする蓋体。
【請求項2】
上記装着機構部は、螺旋状に突設され、所望する部位を切断または除去できることを特徴とする請求項1記載の蓋体。
【請求項3】
内部に飲料を収容するカップに着脱自在に装着される蓋体の使用方法であって、
口径の異なる複数種のカップ夫々の上記開口部の周縁部に嵌合できる若しくは当該周縁部を圧接できる複数の閉塞機構部を備える装着機構部を有する蓋体を用い、
上記複数の閉塞機構部のうち、所望のカップの口径に適合する第1の閉塞機構部を当該所望のカップの上部開口部の周縁部に嵌合させる、若しくは、上記第1の閉塞機構部を当該所望のカップの上部開口部の周縁部に圧接させることにより、当該所望のカップの上部開口部を閉塞するようにしたことを特徴とする蓋体の使用方法。
【請求項4】
内部に飲料を収容するカップに着脱自在に装着される蓋体の使用方法であって、
口径の異なる複数種のカップ夫々の上記開口部の周縁部に嵌合できる若しくは当該周縁部を圧接できる複数の閉塞機構部を備え、螺旋状に突設された装着機構部を有する蓋体を用い、
所望のカップの口径に適合する第1の閉塞機構部を特定し、上記装着機構部の所望の部位を切断若しくは除去して上記第1の閉塞機構部を当該所望のカップの上部開口部の周縁部に嵌合させる、若しくは、上記第1の装着機構部を当該所望のカップの上部開口部の周縁部に圧接させることにより、当該所望のカップの上部開口部を閉塞するようにしたことを特徴とする蓋体の使用方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は蓋体及び蓋体の使用方法に関し、特に持ち帰り(テイクアウト)で利用される携帯用カップ等に用いられる蓋体及び蓋体の使用方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、例えばファストフード店、コンビニエンスストアまたはコーヒーショップ等で飲料をテイクアウト用として注文すると、希望量(注文量)の飲料が注がれた紙製カップにて提供される。そして、提供される飲料は、注文量に応じた容量サイズのカップに収容されて提供されるのが一般的である。
【0003】
また、カップのサイズに応じた蓋が用意されて飲料が提供されるケースもあれば、蓋が用意されないケースもある。しかし、テイクアウトに際しては、カップの蓋は、安全に安心して飲料を持ち運ぶ上で実用上は極めて重要な役割を担う。
【0004】
特許文献1には、上端部にカール部を有するカップ用の蓋が開示されている。このものにあっては、カップ式自動販売機や飲料ディスペンサ等で提供されるコーヒー飲料や清涼飲料の容器を想定したものである。そして、柔軟な材質の平面形状の薄板に、カール部を支承する係合形状を有する複数のカール部係合用スリットと、カール部係合用スリットの外方に形成されるタブとを設けることにより、製造コストが廉価で取り扱い安定性に優れ、カップと同じリサイクル分別ができるようにしたものである。
【0005】
特許文献2には、蓋に包装状態の飲み物製品を収容できる別途の収容空間が設けられたる飲み物用カップ蓋が開示されている。このものにあっては、蓋及び飲み物製品が実質的に一体形成された状態を提供することにより、使用者がより便利でありながら、且つ速かに飲み物製品を容器に入れた後、飲用可能な飲み物用カップ蓋及び飲み物用カップを提供することを意図としたものである。
【0006】
特許文献3には、封止性能及び構造強度を改良した負角パルプ成形カップ蓋が開示されている。このものにあっては、パルプで作られ頂部分及び頂部分の縁に連結されている側方部分を含む負角パルプ成形カップ蓋であって、側方部分の内側壁は内側円錐面を有し、内側円錐面を頂部分の下面と90度よりも小さい角度を形成し、内側円錐面の内径は頂から底まで漸進的に増大することで、構造が単純で製造し易く、強度並びに連結の信頼性、協働、及び封止効果の実現を意図したものである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】実用新案登録第3156720号公報
【特許文献2】特許第6328371号公報
【特許文献3】特表2021-511151号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
上述したように種々のカップ用の蓋が提案されている。しかし、特定サイズのカップには当該サイズに適合する特定の蓋が用いられるのが一般的である。即ち、カップの開口部(飲み口)口径に合致させた専用の蓋が用いられている。例えばLサイズのカップにはLサイズ用の蓋が、MサイズのカップにはMサイズ用の蓋が、SサイズのカップにはSサイズ用の蓋が用いられる。
【0009】
特許文献1乃至特許文献3に開示されたものは、何れもカップの開口部口径に合致させた専用の蓋を用いることが容易に推察される。
【0010】
しかしながら、カップの開口部口径に合致させた専用の蓋を用意することは、経済的及び生産的にも効率的ではない。また、使用後の処理を考慮すると、環境への悪影響も懸念される。
【0011】
本発明は、上記事情を考慮してなされたもので、一種だけで種々のカップ開口部口径に対応可能とした蓋体及び当該蓋体の使用方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0012】
本発明は、以下の態様を有することを特徴とする。
【0013】
(1)内部に飲料を収容するカップに着脱自在に装着される蓋体であって、口径の異なる複数種のカップ夫々の上記開口部の周縁部に嵌合できる若しくは当該周縁部を圧接できる複数の閉塞機構部を備える装着機構部を有することを特徴とする。
(2)上記(1)に記載の構成にあって、上記装着機構部は、螺旋状に突設され、所望する部位を切断または除去できることをその特徴とする。
【0014】
(3)内部に飲料を収容するカップに着脱自在に装着される蓋体の使用方法であって、口径の異なる複数種のカップ夫々の上記開口部の周縁部に嵌合できる若しくは当該周縁部を圧接できる複数の閉塞機構部を備える装着機構部を有する蓋体を用い、上記複数の閉塞機構部のうち、所望のカップの口径に適合する第1の閉塞機構部を当該所望のカップの上部開口部の周縁部に嵌合させる、若しくは、上記第1の閉塞機構部を当該所望のカップの上部開口部の周縁部に圧接させることにより、当該所望のカップの上部開口部を閉塞するようにしたことをその特徴とする。
【0015】
(4)内部に飲料を収容するカップに着脱自在に装着される蓋体の使用方法であって、口径の異なる複数種のカップ夫々の上記開口部の周縁部に嵌合できる若しくは当該周縁部を圧接できる複数の閉塞機構部を備え、螺旋状に突設された装着機構部を有する蓋体を用い、所望のカップの口径に適合する第1の閉塞機構部を特定し、上記装着機構部の所望の部位を切断若しくは除去して上記第1の閉塞機構部を当該所望のカップの上部開口部の周縁部に嵌合させる、若しくは、上記第1の装着機構部を当該所望のカップの上部開口部の周縁部に圧接させることにより、当該所望のカップの上部開口部を閉塞するようにしたことをその特徴とする。
【0016】
上記構成によれば、一種だけで種々のカップ開口部口径に対応でき、便利で使い勝手がよく、実用的にも有用性の高い蓋体を提供できるものである。
【発明の効果】
【0017】
本発明は、一種の蓋体だけで種々のカップ開口部口径に対応可能としたので、便利で使い勝手のよいという実用的で有用な効果を奏するものである。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【
図1】本発明の第1の実施形態に係わる蓋体の外観を模式的に示す平面図である。
【
図2】同実施形態に係わり、蓋体の外観を模式的に示す側面図である。
【
図3】同実施形態に係わり、蓋体の使用方法の流れを示す図である。
【
図4】同実施形態に係わり、Sカップに蓋体を装着する前の状態を模式的に示す外観図である。
【
図5】同実施形態に係わり、Sカップに蓋体を装着した状態を模式的に示す外観図である。
【
図6】同実施形態に係わり、Mカップに蓋体を装着する前の状態を模式的に示す外観図である。
【
図7】同実施形態に係わり、Mカップに蓋体を装着した状態を模式的に示す外観図である。
【
図8】同実施形態に係わり、Lカップに蓋体を装着する前の状態を模式的に示す外観図である。
【
図9】同実施形態に係わり、Lカップに蓋体を装着した状態を模式的に示す外観図である。
【
図10】本発明の第2の実施形態に係わる蓋体の外観を模式的に示す平面図である。
【
図11】同実施形態に係わり、蓋体の外観を模式的に示す側面図である。
【
図12】同実施形態に係わり、蓋体の使用方法の流れを示す図である。
【
図13】同実施形態に係わり、Sカップに蓋体を装着した状態を模式的に示す外観図である。
【
図14】同実施形態に係わり、Mカップに蓋体を装着した状態を模式的に示す外観図である。
【
図15】同実施形態に係わり、Lカップに蓋体を装着した状態を模式的に示す外観図である。
【
図16】同実施形態の変形例に係わり、蓋体の外観を模式的に示す平面図である。
【
図17】同変形例に係わり、蓋体の外観を模式的に示す側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下、本発明の実施形態につき、図を参照して説明する。
【0020】
(第1の実施形態)
先ず、第1の実施形態について、
図1乃至
図9を参照して説明する。
本実施形態に係わる蓋体100は、普通の紙としてリサイクル可能な生分解性・堆肥化可能なパルプ及びコーティング用としての植物由来プラスチックから形成されている。そして、上部開口部220,320,420の外径D1,D2,D3が異なり、内部に飲料を収容する複数種の円筒状のカップ(高さがH1のSカップ,高さがH2のMカップ,高さがH3のLカップ)200,300,400に着脱自在に装着されるものである。ここで、各カップ200,300,400の飲料の収容量は、Sカップ<Mカップ<Lカップの関係にある。また、外径は、D1<D2<D3の関係にある。そして、高さは、H1<H2<H3の関係にある。
【0021】
また、蓋体100には、カップ200,300,400の夫々の上部開口部220,320,420に嵌合可能な閉塞機構部122,124,126が突設された装着機構部120が設けられている。
【0022】
装着機構部120、閉塞機構部122,124,126は、前述同様普通の紙としてリサイクル可能な生分解性・堆肥化可能なパルプ及び植物由来プラスチック素材から成る。而して、閉塞機構部122,124,126は、平面視円形状を呈し、カップ200,300,400の夫々の上部開口部220,320,420の外径D1,D2,D3に適合する径の大きさ(d1,d2,d3)にて蓋体100の内面部100a側に高さh1にて同心円状に設けられている。
【0023】
即ち、閉塞機構部122は、その内径d1がD1に略等しくまたはD1より僅かに大であり、他の閉塞機構部132,142に比べて蓋体100の最内周側に形成されている。そして、閉塞機構部122は、カップ(Sカップ)200の上部開口部220の外周縁部220aを内方へ圧接するよう上部開口部220の上部に着脱自在に嵌め込むことにより装着されて、上部開口部220を閉塞状態にするよう機能するものである。
【0024】
また、閉塞機構部132は、その内径d2がD2に略等しくまたはD2より僅かに大であり、他の閉塞機構部122,142の間に形成されている。そして、閉塞機構部132は、カップ(Mカップ)300の上部開口部320の外周縁部320aを内方へ圧接するよう上部開口部320の上部に着脱自在に嵌め込むことにより装着されて、上部開口部320を閉塞状態にするよう機能するものである。
【0025】
さらに、閉塞機構部142は、その内径d3がD3に略等しくまたはD3より僅かに大であり、他の閉塞機構部122,132に比べて蓋体100の最外周側に形成されている。そして、閉塞機構部142は、カップ(Lカップ)400の上部開口部420の外周縁部420aを内方へ圧接するよう上部開口部420の上部に着脱自在に嵌め込むことにより装着されて、上部開口部420を閉塞状態にするよう機能するものである。
【0026】
なお、本実施形態では、上部開口部220,320,420の径(または口径)として外径D1,D2,D3を採用したが、内径であってもよいことは勿論である。また、カップ200,300,400の形状は円筒状としたが、これに限らず他の形状、例えば内部が中空の円錐台を逆さまにして底面側を上部開口部としたものであってもよい。
【0027】
上記構成につき、先ず、カップ(Sカップ)200の上部開口部220に蓋体100を装着する場合を説明する。
【0028】
カップ200の上部開口部220の上方から下方に向けて(
図4中、矢印A1方向)蓋体100を移動させる(
図3のステップS302参照)。上部開口部220の外周縁部220aに対し、最内周に存する閉塞機構部122を、その内周側面にて内方へ圧接するよう嵌め込む(ステップS304)。そして、閉塞機構部122の内周底面即ち内面部100aをカップ200の上端部200aに当接させると、上部開口部220が閉塞状態になり(ステップS306)、カップ200への蓋体100の装着が完了する(
図5中、閉塞機構部122のみを点線で示す)。
【0029】
装着された蓋体100をカップ200から取り外すには、蓋体100を上部開口部220から上方へ向けて(反矢印A1方向)移動させて開放すればよい。
【0030】
次に、カップ(Mカップ)300の上部開口部320に蓋体100を装着する場合を説明する。
【0031】
カップ300の上部開口部320の上方から下方に向けて(矢印A1方向)蓋体100を移動させる(ステップS302)。上部開口部320の外周縁部320aに対し、閉塞機構部122と閉塞機構部126の間に存する閉塞機構部124を、その内周側面にて内方へ圧接するよう嵌め込む(ステップS304)。そして、閉塞機構部124の内周底面即ち内面部100aをカップ300の上端部300aに当接させると、上部開口部320が閉塞状態になり、(ステップS306)、カップ300への蓋体100の装着が完了する(
図7中、装着機構部124のみを点線で示す)。
【0032】
装着された蓋体100をカップ300から取り外すには、蓋体100を上部開口部320から上方へ向けて(反矢印A1方向)移動させて開放すればよい。
【0033】
最後にカップ(Lカップ)400の上部開口部420に蓋体100を装着する場合を説明する。
【0034】
カップ400の上部開口部420の上方から下方に向けて(矢印A1方向)蓋体100を移動させる(ステップS302)。上部開口部420の外周縁部420aに対し、最外周に存する閉塞機構部126を、その内周側面にて内方へ圧接するよう嵌め込む(ステップS304)。そして、閉塞機構部126の内周底面即ち内面部100aをカップ400の上端部400aに当接させると、上部開口部420が閉塞状態になり、(ステップS306)、カップ400への蓋体100の装着が完了する(
図9中、閉塞機構部126のみを点線で示す)。
【0035】
装着された蓋体100をカップ400から取り外すには、蓋体100を上部開口部420から上方へ向けて(反矢印A1方向)移動させて開放すればよい。
【0036】
上記実施形態によれば、一種の蓋体100だけで3種の飲み口の口径即ち外径D1,D2,D3が異なるカップ200,300,400に対応可能としたので、便利で使い勝手がよく実用的に有用である。しかも、シンプルでコンパクトな構造なため、また従来のように専用の夫々異なるサイズの専用の蓋を用意する必要がなくなるため、効率的で生産性及び経済性の面で優れるものである。
【0037】
なお、上記実施形態では、閉塞装着部122,124,126の内径d1,d2,d3がそれぞれ上部開口部220,320,420の外径D1,D2,D3と略等しくまたはそれらより僅かに大としたが、閉塞装着部122,124,126の外径を上部開口部220,320,420の内径と略等しくまたはそれらより僅かに小とし、上部開口部220,320,420の内周縁部220b,320b,420bに対し、閉塞装着部122,124,126の外周側面を外方へ圧接するよう嵌め込むことにより、蓋体100をカップ200,300,400に装着するようにしてもよい。
【0038】
また、上記実施形態によれば、蓋体100は、普通の紙としてリサイクル可能な生分解性・堆肥化可能なパルプ及び植物由来プラスチックにて形成したので、リサイクルが可能で環境への負荷も少なく、SDGsの持続可能な生産消費形態の確保にも大いに寄与できるものである。
【0039】
(第2の実施形態)
次に、第2の実施形態について、
図10乃至
図15を参照して説明する。上述第1の実施形態と同一部分、同一機能については、同一の符号を付して説明する。
【0040】
本実施形態に係わる蓋体500は、普通の紙としてリサイクル可能な生分解性・堆肥化可能なパルプ及びコーティング用としての植物由来プラスチックから形成されている。そして、上部開口部220,320,420の外径D1,D2,D3が異なり、内部に飲料を収容する複数の円筒状のカップ(Sカップ,Mカップ,Lカップ)200,300,400に着脱自在に装着されるものである。ここで、各カップ200,300,400の飲料の収容量は、Sカップ<Mカップ<Lカップの関係にある。また、外径は、D1<D2<D3の関係にある。そして、高さは、H1<H2<H3の関係にある。
【0041】
また、蓋体500には、カップ200,300,400の夫々の上部開口部220,320,420の側面部を圧接する機能を有する閉塞機構部521,522,523を有する装着機構部520が外面部500b側に高さh2で突設されている。
【0042】
装着機構部520、閉塞機構部521,522,523は、前述同様普通の紙としてリサイクル可能な生分解性・堆肥化可能なパルプ及び植物由来プラスチック素材から成る。而して装着機構部520は、平面視螺旋状で側面視凸状(山形状)を呈し、所望する部位を自在に切断または除去できるようにしてある。
【0043】
上記構成につき、先ず、カップ(Sカップ)200の上部開口部220に蓋体500を装着する場合を説明する。
【0044】
最初に、カップ200の上部開口部220の外径D1と略同等の径となる閉塞機構部521を残すよう、閉塞機構部522近傍に円状の切込みを入れて螺旋状に連続した状態を切断し、閉塞部522,523を除去する(
図12のステップS1202参照)。次に、上方から下方に向けて(矢印A2方向)蓋体500を移動させる(ステップS1204)。上部開口部220の外周縁部220aに対し、螺旋状の装着機構部520の閉塞機構部521の内周側面にて、外周縁部220aを内方へ圧接するようこれを嵌め込む。または、上部開口部220の内周縁部220bに対し、閉塞機構部521の外周側面にて内周縁部220bを外方へ圧接するようこれを嵌め込む(ステップS1206)。そして、蓋体500の内面部500b側をカップ200の上端部200aに当接させると、上部開口部220が閉塞状態になり(ステップS1208)、カップ200への蓋体500の装着が完了する。
【0045】
装着された蓋体500をカップ200から取り外すには、蓋体500を上部開口部220から上方へ向けて(反矢印A2方向)移動させて開放すればよい。
【0046】
続いて、カップ(Mカップ)300の上部開口部320に蓋体500を装着する場合を説明する。
【0047】
カップ300の上部開口部320の外径D2と略同等の径となる閉塞機構部522を残すよう、閉塞機構部523近傍に円状の切込みを入れて螺旋状に連続した状態を切断し、装着機構部520の余分な部分を除去する(ステップS1202)。次に、上方から下方に向けて(矢印A2方向)蓋体500を移動させる(ステップS1204)。上部開口部320の外周縁部320aに対し、螺旋状の装着機構部520の閉塞機構部522の内周側面にて、外周縁部320aを内方へ圧接するようこれを嵌め込む。または、上部開口部320の内周縁部320bに対し、閉塞機構部522の外周側面にて内周縁部320bを外方へ圧接するようこれを嵌め込む(ステップS1206)。そして、蓋体500の内面部500b側をカップ300の上端部300aに当接させると、上部開口部320が閉塞状態になり(ステップS1208)、カップ300への蓋体500の装着が完了する。
【0048】
装着された蓋体500をカップ300から取り外すには、蓋体500を上部開口部320から上方へ向けて(反矢印A2方向)移動させて開放すればよい。
【0049】
最後に、カップ(Lカップ)400の上部開口部420に蓋体500を装着する場合を説明する。
【0050】
カップ400の上部開口部420の外径D3と略同等の径となる閉塞機構部523を残すよう、閉塞機構部523よりも外方に存する装着機構部520に円状の切込みを入れて螺旋状に連続した状態を切断し、装着機構部520の余分な部分を除去する(ステップS1202)。次に、上方から下方に向けて(矢印A2方向)蓋体500を移動させる(ステップS1204)。上部開口部420の外周縁部420aに対し、螺旋状の装着機構部520の閉塞機構部521の内周側面にて、外周縁部420aを内方へ圧接するようこれを嵌め込む。または、上部開口部420の内周縁部420bに対し、閉塞機構部521の外周側面にて内周縁部420bを外方へ圧接するようこれを嵌め込む(ステップS1206)。そして、蓋体500の内面部500b側をカップ400の上端部400aに当接させると、上部開口部420が閉塞状態になり(ステップS1208)、カップ400への蓋体500の装着が完了する。
【0051】
装着された蓋体500をカップ400から取り外すには、蓋体500を上部開口部420から上方へ向けて(反矢印A2方向)移動させて開放すればよい。
【0052】
上記実施形態によれば、一種の蓋体500だけで3種の飲み口の口径即ち外径D1,D2,D3が異なるカップ200,300,400に対応可能としたので、便利で使い勝手がよく実用的に有用である。しかも、シンプルでコンパクトな構造なため、また従来のように専用の夫々異なるサイズの専用の蓋を用意する必要がなくなるため、効率的で生産性及び経済性の面で優れるものである。
【0053】
また、上記実施形態によれば、蓋体500は、普通の紙としてリサイクル可能な生分解性・堆肥化可能なパルプ及び植物由来プラスチックにて形成したので、環境への負荷も少なく、SDGsの持続可能な生産消費形態の確保にも大いに寄与できるものである。
【0054】
なお、上記実施形態では、カップ200,300,400の径D1,D2,D3に合わせて装着機構部520に切込みを入れて、所望の部位を除去して上部開口部220,320,420の上端部を閉塞したが、蓋体500の内面部500a側が露呈するよう上部開口部220,320,420を閉塞してもよい。即ち、蓋体500の外面部500b側がカップ200,300,400内に存するように、蓋体500を逆さまにして上部開口部220,320,420を閉塞してもよい。
【0055】
さて、
図16及び
図17は、上記実施形態の変形例である。上述第2の実施形態と同一部分、同一機能については、同一の符号を付して説明は省略する。
【0056】
本変形例の蓋体500には、カップ200,300,400の夫々の上部開口部220,320,420の側面部を圧接する機能を有する閉塞機構部を有する装着機構部540が平面視螺旋状に突設して形成されている。装着機構部540は、前述同様普通の紙としてリサイクル可能な生分解性・堆肥化可能なパルプ及び植物由来プラスチック素材から成る。
【0057】
而して装着機構部540は、蓋体500の内底面から所定の均一の高さ(h3)にて形成されており、所望する部位を切断または除去できるようにしてある。
【0058】
斯様な構成により、上記第2の実施形態と同様の作用・効果を奏するものである。
【0059】
本発明は上記実施形態及び変形例に限定されることなく、要旨を逸脱しない限り種々の変形が可能なことは勿論である。
【符号の説明】
【0060】
100 …蓋体
100a …内面部
122,124,126,521,522,523 …閉塞機構部
200,300,400 …カップ
220,320,420 …上部開口部
500 …蓋体
500a …内面部
500b …外面部
520,540 …装着機構部