(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024061255
(43)【公開日】2024-05-07
(54)【発明の名称】クレーン装置、およびアタッチメント降下引き起こし方法
(51)【国際特許分類】
B66C 23/26 20060101AFI20240425BHJP
B66C 23/36 20060101ALI20240425BHJP
B66C 23/66 20060101ALI20240425BHJP
【FI】
B66C23/26 C
B66C23/36 A
B66C23/66 Z
【審査請求】未請求
【請求項の数】14
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022169093
(22)【出願日】2022-10-21
(71)【出願人】
【識別番号】000246273
【氏名又は名称】コベルコ建機株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001841
【氏名又は名称】弁理士法人ATEN
(72)【発明者】
【氏名】長谷川 友希
(72)【発明者】
【氏名】中塚 健二
(72)【発明者】
【氏名】岩澤 敬博
【テーマコード(参考)】
3F205
【Fターム(参考)】
3F205AA07
3F205AC02
3F205CA02
3F205CA04
3F205CA09
3F205JA01
3F205JA10
(57)【要約】
【課題】アタッチメントの先端部に対する、フックが載せられる台車の、相対位置の自由度を確保する。
【解決手段】アタッチメントAは、クレーン本体11に起伏可能に取り付けられる。フック23は、アタッチメントAの先端部から巻上ロープ25を介して吊り下げられることが可能である。台車60は、フック23が載せられ、自走可能である。アタッチメント先端位置情報取得部(41)は、アタッチメントAの先端部の位置に関するアタッチメント先端位置情報を取得する。台車制御部55は、アタッチメント先端位置情報取得部(41)に取得されたアタッチメント先端位置情報に基づいて、アタッチメントAの先端部に追従するように台車60の走行を制御するアタッチメント先端追従制御を行う。
【選択図】
図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
クレーン本体と、
前記クレーン本体に起伏可能に取り付けられたアタッチメントと、
前記アタッチメントの先端部に取り付けられた巻上ロープと、
前記アタッチメントの先端部から前記巻上ロープを介して吊り下げられることが可能であるフックと、
前記フックが載せられ、自走可能な台車と、
前記アタッチメントの先端部の位置に関するアタッチメント先端位置情報を取得するアタッチメント先端位置情報取得部と、
前記アタッチメント先端位置情報取得部に取得された前記アタッチメント先端位置情報に基づいて、前記アタッチメントの先端部に追従するように前記台車の走行を制御するアタッチメント先端追従制御を行う台車制御部と、
を備える、
クレーン装置。
【請求項2】
請求項1に記載のクレーン装置であって、
前記台車の位置に関する台車位置情報を取得する台車位置情報取得部を備え、
前記台車位置情報は、前記アタッチメントの先端部に対する前記台車の相対位置の情報を含み、
前記台車制御部は、前記台車位置情報取得部に取得された前記相対位置が、前記台車制御部に設定された相対位置範囲内となるように、前記アタッチメント先端追従制御を行う、
クレーン装置。
【請求項3】
請求項1に記載のクレーン装置であって、
前記アタッチメントの先端部を移動させるための操作が行われるアタッチメント操作部を備え、
前記台車制御部は、前記アタッチメント操作部の操作に基づいて、前記アタッチメント先端追従制御を行う、
クレーン装置。
【請求項4】
請求項1に記載のクレーン装置であって、
前記台車制御部は、前記巻上ロープに前記フックを取り付ける作業が行われるフック取付作業位置に前記台車が配置されるように前記台車の走行を制御する、
クレーン装置。
【請求項5】
請求項4に記載のクレーン装置であって、
前記アタッチメントの先端部の接地状態を取得するアタッチメント先端接地状態取得部を備え、
前記台車制御部は、前記アタッチメントの先端部が接地している状態から接地していない状態に変化したことが前記アタッチメント先端接地状態取得部に取得されたときに、前記フック取付作業位置に前記台車が配置されるように前記台車の走行を制御する、
クレーン装置。
【請求項6】
請求項1に記載のクレーン装置であって、
前記台車の位置に関する台車位置情報を取得する台車位置情報取得部を備え、
前記巻上ロープの巻き取りおよび繰り出しを行う巻上ウインチと、
前記巻上ウインチの作動を制御する巻上ウインチ制御部と、
を備え、
前記巻上ウインチ制御部が前記巻上ウインチに前記フックを巻き下げさせる条件は、前記アタッチメントの先端部の真下に前記台車があることが前記台車位置情報取得部に取得されたことを含む、
クレーン装置。
【請求項7】
請求項1に記載のクレーン装置であって、
前記台車の位置に関する台車位置情報を取得する台車位置情報取得部と、
前記アタッチメントを制御するアタッチメント制御部と、
を備え、
前記台車に前記フックが載せられた状態で、前記アタッチメント制御部が前記アタッチメントの先端部を降下させる条件は、接触回避位置に前記台車があることが前記台車位置情報取得部に取得されたことを含み、
前記接触回避位置は、前記アタッチメントの先端部が接地したときに前記アタッチメントの先端部の周囲の位置になると予測される位置である、
クレーン装置。
【請求項8】
請求項1に記載のクレーン装置であって、
前記巻上ロープの巻き取りおよび繰り出しを行う巻上ウインチと、
前記巻上ウインチの作動を制御する巻上ウインチ制御部と、
前記フックの前記台車への搭載の状態を取得するフック搭載状態取得部と、
を備え、
前記巻上ウインチ制御部は、前記巻上ウインチに前記フックを巻き下げさせている状態で、前記フックが前記台車に搭載されていない状態から搭載された状態に変化したことが前記フック搭載状態取得部に取得されたときに、前記巻上ウインチに前記フックの巻き下げを停止させる、
クレーン装置。
【請求項9】
請求項1に記載のクレーン装置であって、
前記巻上ロープの巻き取りおよび繰り出しを行う巻上ウインチと、
前記巻上ウインチの作動を制御する巻上ウインチ制御部と、
を備え、
前記巻上ウインチ制御部は、前記アタッチメントの先端部が降下するときに、前記巻上ウインチに前記巻上ロープを巻き取らせるアタッチメント降下時巻上制御を行い、
前記巻上ウインチ制御部は、前記アタッチメント先端位置情報取得部に取得された前記アタッチメント先端位置情報に基づいて、前記アタッチメント降下時巻上制御を行う、
クレーン装置。
【請求項10】
請求項1に記載のクレーン装置であって、
前記巻上ロープの巻き取りおよび繰り出しを行う巻上ウインチと、
前記巻上ウインチの作動を制御する巻上ウインチ制御部と、
前記台車の位置に関する台車位置情報を取得する台車位置情報取得部と、
を備え、
前記台車位置情報は、前記アタッチメントの先端部に対する前記台車の相対位置の情報を含み、
前記巻上ウインチ制御部は、前記アタッチメントの先端部が降下するときに、前記巻上ウインチに前記巻上ロープを巻き取らせるアタッチメント降下時巻上制御を行い、
前記巻上ウインチ制御部は、前記台車位置情報取得部に取得された前記アタッチメントの先端部から前記台車までの距離に基づいて、前記アタッチメント降下時巻上制御を行う、
クレーン装置。
【請求項11】
請求項9または10に記載のクレーン装置であって、
前記巻上ウインチ制御部は、前記アタッチメント降下時巻上制御において、前記アタッチメントの先端部の地面からの高さが所定の巻取停止高さになったときに、前記巻上ウインチの作動を停止させる、
クレーン装置。
【請求項12】
請求項11に記載のクレーン装置であって、
前記アタッチメントの先端部の接地状態を取得するアタッチメント先端接地状態取得部を備え、
前記巻上ウインチ制御部は、前記アタッチメント降下時巻上制御において、前記アタッチメントの先端部が接地したことが前記アタッチメント先端接地状態取得部に取得されたときに、前記巻上ウインチの作動を停止させる、
クレーン装置。
【請求項13】
請求項1に記載のクレーン装置であって、
前記アタッチメントの一部であり、前記クレーン本体に起伏可能に取り付けられたブームと、
前記アタッチメントの一部であり、前記ブームに起伏可能に取り付けられたジブと、
前記ブームの起伏を制御するブーム起伏制御部と、
前記ジブの先端部の接地状態を取得するジブ先端接地状態取得部と、
前記台車の位置に関する台車位置情報を取得する台車位置情報取得部と、
を備え、
前記台車位置情報は、前記ジブの先端部に対する前記台車の相対位置の情報を含み、
前記ジブの先端部が接地したことが前記ジブ先端接地状態取得部に取得されているときに、前記ブーム起伏制御部が前記ブームを下げさせる条件は、前記ジブの先端部の周囲の追従可能位置に前記台車があることが前記台車位置情報取得部に取得されたことを含む、
クレーン装置。
【請求項14】
クレーン本体と、
前記クレーン本体に起伏可能に取り付けられたアタッチメントと、
前記アタッチメントの先端部に取り付けられた巻上ロープと、
前記アタッチメントの先端部から前記巻上ロープを介して吊り下げられることが可能であり、自走可能な台車に載せられる場合があるフックと、
を備えるクレーンに用いられるアタッチメント降下引き起こし方法であって、
前記アタッチメントの先端部の位置に関するアタッチメント先端位置情報を取得するアタッチメント先端位置情報取得ステップと、
前記アタッチメント先端位置情報取得ステップで取得された前記アタッチメント先端位置情報に基づいて、前記アタッチメントの先端部に追従するように前記台車の走行を制御するアタッチメント先端追従ステップと、
を備える、
アタッチメント降下引き起こし方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、アタッチメントを備えるクレーン装置、および、アタッチメントを備えるクレーンに用いられるアタッチメント降下引き起こし方法に関する。
【背景技術】
【0002】
例えば特許文献1に、フックが載せられる台車(特許文献1におけるフック置台)が記載されている。同文献に記載の技術では、アタッチメント(同文献ではジブ)の先端部の移動に伴って、フックを地面に干渉させずに移動させることが図られている(同文献の要約などを参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
同文献に記載の技術では、アタッチメントの先端部を支持する台(ジブ置台)と、フックが載せられる台車とが接続部材で接続されている。そのため、アタッチメントの先端部に対する台車の相対位置の自由度が制限される。
【0005】
そこで、本発明は、アタッチメントの先端部に対する、フックが載せられる台車の、相対位置の自由度を確保することができるクレーン装置、およびアタッチメント降下引き起こし方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
クレーン装置は、クレーン本体と、アタッチメントと、巻上ロープと、フックと、台車と、アタッチメント先端位置情報取得部と、台車制御部と、を備える。前記アタッチメントは、前記クレーン本体に起伏可能に取り付けられる。前記巻上ロープは、前記アタッチメントの先端部に取り付けられる。前記フックは、前記アタッチメントの先端部から前記巻上ロープを介して吊り下げられることが可能である。前記台車は、前記フックが載せられ、自走可能である。前記アタッチメント先端位置情報取得部は、前記アタッチメントの先端部の位置に関するアタッチメント先端位置情報を取得する。前記台車制御部は、前記アタッチメント先端位置情報取得部に取得された前記アタッチメント先端位置情報に基づいて、前記アタッチメントの先端部に追従するように前記台車の走行を制御するアタッチメント先端追従制御を行う。
【0007】
アタッチメント降下引き起こし方法は、クレーンに用いられる。前記クレーンは、クレーン本体と、アタッチメントと、巻上ロープと、フックと、を備える。前記アタッチメントは、前記クレーン本体に起伏可能に取り付けられる。前記巻上ロープは、前記アタッチメントの先端部に取り付けられる。前記フックは、前記アタッチメントの先端部から前記巻上ロープを介して吊り下げられることが可能である。アタッチメント降下引き起こし方法は、アタッチメント先端位置情報取得ステップと、アタッチメント先端追従ステップと、を備える。前記アタッチメント先端位置情報取得ステップは、前記アタッチメントの先端部の位置に関するアタッチメント先端位置情報を取得する。前記アタッチメント先端追従ステップは、前記アタッチメント先端位置情報取得ステップで取得された前記アタッチメント先端位置情報に基づいて、前記アタッチメントの先端部に追従するように前記台車の走行を制御する。
【発明の効果】
【0008】
上記のクレーン装置およびアタッチメント降下引き起こし方法のそれぞれにより、アタッチメントの先端部に対する、フックが載せられる台車の、相対位置の自由度を確保することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】クレーン装置1を示す図であって、作業姿勢のクレーン10などを横方向Yから見た図である。
【
図2】
図1に示すクレーン装置1のコントローラ50などを示すブロック図である。
【
図3】
図1に示す状態から、ジブ先端部17aが下げられた状態を横方向Yから見た図である。
【
図4】
図3に示す状態から、ジブ先端部17aが下げられた状態を横方向Yから見た図である。
【
図5】
図4に示すジブ先端部17aおよび台車60を前側X1から見た図である。
【
図6】
図4に示すジブ先端部17aおよび台車60を上側Z1から見た図である。
【
図7】
図4に示すジブ先端部17aが接地した状態を横方向Yから見た図である。
【
図8】
図7に示すアタッチメントA全体の降下が完了した状態を横方向Yから見た図である。
【
図9】
図1に示すクレーン装置1でのアタッチメントA降下作業の手順を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0010】
図1~
図9を参照して、
図1に示すクレーン装置1について説明する。
【0011】
クレーン装置1は、クレーン10を含む装置である。クレーン装置1は、アタッチメントA(例えばブーム13およびジブ17)の、降下および引き起こしの少なくともいずれかを行う作業を容易に行えるように構成される。クレーン装置1は、クレーン10と、
図2に示すアタッチメント操作部33と、情報取得部40と、コントローラ50と、
図1に示す台車60と、を備える。
【0012】
クレーン10は、作業を行う機械であり、吊荷を吊り上げる作業などを行う機械である。クレーン10は、例えば建設作業を行う建設機械である。クレーン10は、クレーン本体11と、ブーム13(アタッチメントA)と、ブーム起伏装置15と、ジブ17(アタッチメントA)と、ジブ起伏装置19と、フック巻上装置20と、駆動制御部31(
図2参照)と、を備える。
【0013】
クレーン本体11は、クレーン10の本体部分である。クレーン本体11は、下部本体11aと、上部旋回体11bと、を備える。下部本体11aは、上部旋回体11bを支持する。下部本体11aは、地面Gに対して固定された構造物でもよく、地面Gを走行可能でもよい。地面Gは、クレーン10が設置される面であり、台車60が走行する面である。例えば、地面Gは、土やコンクリートなどの表面でもよく、板(金属板など)の上面でもよく、構造物(船など)の上面でもよい。クレーン10は、固定式クレーンでもよく、移動式クレーンでもよい。下部本体11aが走行可能である場合(下部走行体である場合)、下部本体11aは、クローラを備えてもよく、ホイールを備えてもよい。例えば、クレーン10は、クローラクレーンでもよく、ホイールクレーンでもよい。上部旋回体11bは、下部本体11aに旋回可能に搭載される。上部旋回体11bには、ブーム13などが取り付けられる。上部旋回体11bは、運転室11b1を備える。運転室11b1は、操作者がクレーン10を操作することが可能な部分である。
【0014】
(方向)
下部本体11aに対する上部旋回体11bの旋回の回転軸が延びる方向を、上下方向Zとする。上下方向Zにおいて、下部本体11aから上部旋回体11bに向かう側(向き)を上側Z1とし、その逆側を下側Z2とする。上部旋回体11b(クレーン本体11)に対するブーム13の起伏の回転軸が延びる方向を、横方向Yとする。上下方向Zおよび横方向Yのそれぞれに直交する方向を、前後方向Xとする。前後方向Xにおいて、ブーム13が倒伏姿勢(
図8参照、後述)のときに上部旋回体11bからブーム13に向かう側を前側X1とし、その逆側を後側X2とする。
【0015】
(アタッチメントA)
アタッチメントAは、上部旋回体11bに起伏可能(上下方向Zに回転可能)に取り付けられる。アタッチメントAは、ブーム13と、ジブ17と、を備えてもよい。また、アタッチメントAは、ブーム13を備え、ジブ17を備えなくてもよい。以下では、主に、アタッチメントAが、ブーム13と、ジブ17と、を備える場合について説明する。
【0016】
ブーム13は、上部旋回体11bに起伏可能(上下方向Zに回転可能)に取り付けられる。
図8に示すように、ブーム13は、ブーム13の長手方向に延びるブーム13の中心軸が水平方向または略水平方向に延びるように伏せられた姿勢(倒伏姿勢)になることが可能である。
図1に示すブーム13は、ラチス構造を有してもよく(ラチスブームでもよく)、箱型構造を有してもよく、伸縮可能でもよい(伸縮ブームでもよい)。ラチス構造を有しても箱型構造を有してもよいことは、ジブ17およびストラット19aも同様である。ブーム13の長手方向に延びるブーム13の中心軸と、水平方向と、がなす角度を、ブーム起伏角度θ13とする。
【0017】
ブーム起伏装置15(アタッチメント起伏装置)は、上部旋回体11bに対してブーム13を起伏させる装置である。ブーム起伏装置15は、マスト15aと、下部スプレッダ15bと、上部スプレッダ15cと、ブームガイライン15dと、ブーム起伏ロープ15eと、ブーム起伏ウインチ15wと、を備える。マスト15aは、上部旋回体11bに起伏可能に取り付けられる。下部スプレッダ15bは、複数のシーブを有する装置であり、上部旋回体11bの後側X2端部に設けられる。上部スプレッダ15cは、複数のシーブを有する装置であり、マスト15aの先端部に設けられる。ブームガイライン15dは、マスト15aの先端部とブーム13の先端部とに接続される。ブーム起伏ロープ15eは、下部スプレッダ15bのシーブと上部スプレッダ15cのシーブとに掛けられる。ブーム起伏ウインチ15wは、上部旋回体11bに搭載されるウインチである。ブーム起伏ウインチ15wが、ブーム起伏ロープ15eを、巻き取りおよび繰り出しする。すると、下部スプレッダ15bと上部スプレッダ15cとの間隔が変わる。すると、マスト15aが上部旋回体11bに対して起伏する。マスト15aの先端部とブーム13の先端部とがブームガイライン15dで接続されているので、マスト15aが上部旋回体11bに対して起伏すると、ブーム13が上部旋回体11bに対して起伏する。
【0018】
なお、ブーム起伏装置15の構成は、様々に変更可能である。例えば、マスト15aに代えてガントリ(図示なし)が設けられてもよい。この場合、ガントリは、コンプレッションメンバと、テンションメンバと、を備える。コンプレッションメンバは、上部旋回体11bに取り付けられ、マスト15aと同様の位置に配置される。テンションメンバは、コンプレッションメンバの先端部と上部旋回体11bの後端部とに接続される。コンプレッションメンバの先端部とブーム13の先端部とが、ブームガイライン15dおよびブーム起伏ロープ15eにより接続される。この場合も、ブーム起伏ウインチ15wがブーム起伏ロープ15eを巻き取りおよび繰り出しすることで、上部旋回体11bに対してブーム13が起伏する。また、クレーン10は、複数のマスト15aを備えてもよく、ガントリとマスト15aとを備えてもよい。
【0019】
ジブ17は、ブーム13に起伏可能に取り付けられる。ジブ17が設けられる理由は、次の通りである。クレーン10では、荷物(吊荷)を高く遠くに運べることが好ましい。ここで、クレーン10が、ブーム13を備え、ジブ17を備えない場合は、クレーン10の近傍(手前)に障害物(高い建物など)がある場合に、この障害物が邪魔になって荷物を遠くに運ぶことが困難になる。そこで、ジブ17が、ブーム13の先端部に起伏可能に取り付けられる。ブーム13の長さが障害物の高さ以下であれば、ジブ17は、障害物に干渉しにくい状態で移動(旋回、起伏)することができ、障害物を超えて遠方に荷物を運ぶことができる。ジブ17の長さ(ジブ17の長手方向におけるジブ17の長さ)は、ブーム13の長さ(ブーム13の長手方向におけるブーム13の長さ)に対して、短くてもよく、同じ程度でもよく、長くてもよい。ブーム13の長手方向に延びるブーム13の中心軸と、ジブ17の長手方向に延びるジブ17の中心軸と、がなす角度を、ジブオフセット角度θ17とする。ジブ17の先端部(ブーム13に取り付けられる側の端部(基端部)とは反対側の端部)を、ジブ先端部17a(アタッチメントAの先端部)とする。ジブ先端部17aの位置をジブ先端位置P17a(アタッチメント先端位置)ともいう。なお、アタッチメントAが、ブーム13を備え、ジブ17を備えない場合は、アタッチメントAの先端部は、ブーム13の先端部であり、アタッチメント先端位置は、ブーム13の先端部の位置である。ジブ17は、ジブ17の本体部であるジブ本体部17bと、ジブ先端ローラ17cと、を備える。ジブ先端ローラ17cは、ジブ先端部17aが接地した状態(
図7および
図8参照)で、ジブ先端部17aを地面Gに対して移動可能にする。ジブ先端ローラ17cは、ジブ先端部17aに設けられる。ジブ先端ローラ17cは、ジブ本体部17bに対して回転可能である。
【0020】
ジブ起伏装置19(アタッチメント起伏装置)は、ブーム13に対してジブ17を起伏させる装置である。ジブ起伏装置19は、ストラット19a(リアストラット19a1、およびフロントストラット19a2)と、ジブガイライン19bと、ストラットガイライン19cと、ジブ起伏ロープ19dと、ジブ起伏ウインチ19wと、を備える。リアストラット19a1は、シーブを備え、ブーム13の先端部に回転可能に取り付けられる。フロントストラット19a2は、シーブを備え、ブーム13の先端部、またはジブ17の基端部に、回転可能に取り付けられる。フロントストラット19a2は、クレーン10が作業可能な姿勢(クレーン姿勢)のときに、リアストラット19a1よりも上側Z1および前側X1に配置される。ジブガイライン19bは、フロントストラット19a2の先端部とジブ先端部17aとに接続される。ストラットガイライン19cは、ブーム13とリアストラット19a1の先端部とに接続される。ジブ起伏ロープ19dは、リアストラット19a1のシーブと、フロントストラット19a2のシーブとに掛けられる。ジブ起伏ウインチ19wは、上部旋回体11bまたはブーム13に搭載されるウインチである。ジブ起伏ウインチ19wが、ジブ起伏ロープ19dを、巻き取りおよび繰り出しする。すると、リアストラット19a1の先端部とフロントストラット19a2の先端部との間隔が変わる。すると、ブーム13に対してフロントストラット19a2が起伏する。フロントストラット19a2の先端部とジブ17の先端部とがジブガイライン19bで接続されているので、フロントストラット19a2がブーム13に対して起伏すると、ブーム13に対してジブ17が起伏する。
【0021】
なお、ジブ起伏装置19の構成は、様々に変更可能である。例えば、リアストラット19a1の先端部とフロントストラット19a2の先端部とが互いに連結および固定されたストラット19aが設けられてもよい。ストラット19aは、1本のみ設けられてもよい。この場合、例えば、1本のストラット19aの先端部と、ジブ17の先端部と、がジブガイライン19bにより接続される。ブーム13に対して1本のストラット19aが起伏すると、ブーム13に対してジブ17が起伏する。なお、クレーン10の作業時に、ブーム13およびジブ17が起伏してもよく、ブーム13およびジブ17の少なくともいずれかが起伏しなくてもよい。
【0022】
フック巻上装置20は、フック23の巻き上げおよび巻き下げ(昇降)を行う装置である。フック巻上装置20は、ポイントシーブ21と、巻上ロープ25と、フック23と、巻上ウインチ27と、を備える。
【0023】
ポイントシーブ21は、ジブ先端部17aに設けられる。ポイントシーブ21は、巻上ロープ25の方向を変えるシーブ(滑車)である。ポイントシーブ21は、1か所にのみ設けられてもよく、複数か所に設けられてもよい。例えば、ポイントシーブ21は、ジブ先端ローラ17cと同軸に設けられてもよく、ジブ先端ローラ17cよりもジブ17の基端側に設けられてもよい。
【0024】
フック23は、ジブ先端部17aから巻上ロープ25を介して吊り下げられることが可能である。フック23は、台車60に載せられる場合がある(後述)。フック23は、1つのみ設けられてもよく、複数設けられてもよい。
【0025】
巻上ロープ25は、ジブ先端部17aに取り付けられ、さらに詳しくはポイントシーブ21に掛けられる。巻上ロープ25は、フック23に取り付けられる。フック23とポイントシーブ21との間での巻上ロープ25は、1本掛けとされても、多本(複数本)掛けとされてもよい。「1本掛け」の場合、ポイントシーブ21から吊り下げられた1本の巻上ロープ25が、フック23に取り付けおよび固定される。「多本掛け」の場合、巻上ロープ25が、フック23に設けられたシーブおよびポイントシーブ21に掛けられ、例えばフック23に設けられたシーブおよびポイントシーブ21に掛け回される。なお、
図3、4、7、および8では、巻上ロープ25がフック23に多本掛けにされた例を示した。また、
図5、
図6では、巻上ロープ25がフック23に1本掛けにされた例を示し、巻上ロープ25の中心軸の概略の位置のみを図示した。
【0026】
巻上ウインチ27は、
図1に示す巻上ロープ25の巻き取りおよび繰り出しを行う。巻上ウインチ27は、上部旋回体11bまたはブーム13に搭載されるウインチである。巻上ウインチ27が、巻上ロープ25を巻き取りおよび繰り出しすると、フック23(さらに詳しくは空中のフック23)が巻き上げおよび巻き下げされる。
【0027】
駆動制御部31(
図2参照)は、クレーン10の作動を制御する。例えば、駆動制御部31は、ブーム起伏ウインチ15w、ジブ起伏ウインチ19w、および巻上ウインチ27(それぞれ油圧ウインチ)を制御する油圧回路である。
【0028】
アタッチメント操作部33(
図2参照)は、アタッチメントA(ブーム13およびジブ17)を操作するためのものである。アタッチメント操作部33は、クレーン10の操作者に操作されるものでもよい。アタッチメント操作部33は、クレーン10を自動操作するものでもよい。アタッチメント操作部33は、クレーン10に設けられてもよく、例えば、運転室11b1内に設けられてもよい。アタッチメント操作部33は、クレーン10の外部に設けられてもよく、例えば、クレーン10の遠隔操作を行う装置(遠隔操作部)などに設けられてもよい。アタッチメント操作部33は、例えばレバー(操作レバー)を備えてもよい。アタッチメント操作部33が、クレーン10を自動操作するものである場合などには、アタッチメント操作部33は、コントローラ50の一部の機能(例えばアタッチメント制御部51)でもよい。
【0029】
このアタッチメント操作部33(
図2参照)は、上部旋回体11bに対してブーム13を起伏させる指令(ブーム起伏ウインチ15wを作動させる指令)を出力することが可能である。アタッチメント操作部33は、ブーム13に対してジブ17を起伏させる指令(ジブ起伏ウインチ19wを作動させる指令)を出力することが可能である。アタッチメント操作部33は、ジブ先端部17aを移動(後述する降下、前進)させる指令を出力することが可能である。アタッチメント操作部33は、下部本体11aに対して上部旋回体11bを旋回させる指令を出力することが可能でもよい。
【0030】
情報取得部40(
図2参照)は、クレーン装置1の作動に関する情報を取得する。この「取得」は、算出でもよく、検出でもよい。情報取得部40は、ジブ先端位置情報取得部41(アタッチメント先端位置情報取得部)(
図2参照)と、ジブ先端接地状態取得部43(アタッチメント先端接地状態取得部)(
図2参照)と、台車位置情報取得部45と、フック搭載状態取得部47と、を備える。
【0031】
ジブ先端位置情報取得部41(アタッチメント先端位置情報取得部)(
図2参照)は、ジブ先端部17aの位置(ジブ先端位置P17a)に関する情報であるジブ先端位置情報(アタッチメント先端位置情報)を取得する。この取得をジブ先端位置情報取得ステップ(アタッチメント先端位置情報取得ステップ)ともいう。ジブ先端位置情報は、ジブ先端位置P17aの座標の情報を含んでもよく(下記[例A1]参照)、ジブ先端位置P17aと相関のある情報を含んでもよい(下記[例A2]参照)。
【0032】
[例A1]ジブ先端位置情報取得部41(
図2参照)に取得されるジブ先端位置情報が、ジブ先端位置P17aの座標の情報を含む場合について説明する。ジブ先端位置P17aの座標の基準となる位置(原点の位置)は、クレーン10の特定部位(例えば下部本体11aの特定部位など)に設定されてもよく、クレーン装置1が作業を行う作業現場に設定されてもよい。ジブ先端位置P17aの座標は、上下方向Zの座標軸を含んでもよい。ジブ先端位置情報は、ジブ先端部17aの地面Gからの高さ(揚程)の情報を含んでもよい。この場合、ジブ先端位置情報取得部41は、クレーン10に設けられている揚程計の情報を取得してもよい。ジブ先端位置P17aの座標は、前後方向Xの座標軸を含んでもよく、横方向Y(上部旋回体11bの旋回方向)の座標軸を含んでもよい。ジブ先端位置P17aの座標は、様々な方法により取得(例えば、算出、検出)されてもよい。
【0033】
[例A1a(算出)]ジブ先端位置情報取得部41は、ジブ先端位置P17aの座標を、アタッチメントAの情報に基づいて算出してもよい。具体的には例えば、ジブ先端位置P17aの座標は、アタッチメントAの仕様と、アタッチメントAの姿勢と、に基づいて算出されてもよい。上記「アタッチメントAの仕様」は、具体的には例えば、ブーム13の長さ、およびジブ17の長さの情報を含む。アタッチメントAの仕様は、例えば、操作者がジブ先端位置情報取得部41に手動で入力した情報でもよく、センサなどにより検出された情報でもよい。上記「アタッチメントAの姿勢」は、具体的には例えば、ブーム起伏角度θ13、およびジブオフセット角度θ17の情報を含む。ブーム起伏角度θ13、およびジブオフセット角度θ17の情報は、例えば角度センサ(図示なし)などにより検出される。
【0034】
[例A1b(検出)]ジブ先端位置P17aの座標は、直接的に検出されてもよい。[例A1b-1]ジブ先端位置P17aの座標は、カメラ画像が画像認識されることなどにより検出されてもよい。例えば、ジブ先端位置P17aの座標は、ジブ先端部17aを含むカメラ画像が画像認識されることにより検出されてもよい。また、例えば、ジブ先端位置P17aの座標は、ジブ先端部17aに取り付けられた目印(AR(Augmented Reality)マーカなど)を含むカメラ画像が画像認識されることにより検出されてもよい。[例A1b-2]ジブ先端位置P17aの座標は、光や電波などを用いた測位システムにより検出されてもよい。例えば、測位システムは、衛星測位システムでもよく、例えばGNSS(global navigation satellite system)でもよい。例えば、測位システムは、衛星を用いない(地上の)発信機と受信機とを用いたシステムでもよい。例えば、測位システムは、トータルステーションを用いたものなどでもよい。
【0035】
[例A2]ジブ先端位置情報取得部41(
図2参照)に取得されるジブ先端位置情報は、ジブ先端位置P17aと相関のある情報を含んでもよい。ジブ先端位置情報取得部41は、ジブ先端位置P17aの座標を取得(例えば算出、検出)せずに、ジブ先端位置P17aと相関のある情報を取得してもよい。上記「ジブ先端位置P17aと相関のある情報」は、アタッチメント操作部33(
図2参照)によるアタッチメントAの操作の情報でもよい。上記「ジブ先端位置P17aと相関のある情報」は、アタッチメント操作部33による操作の内容の情報を含んでもよく、アタッチメント操作部33による操作量の情報を含んでもよい。例えば、上記「ジブ先端位置P17aと相関のある情報」は、ブーム13の起伏操作およびジブ17の起伏操作の情報を含んでもよく、上部旋回体11bの旋回操作の情報を含んでもよい。
【0036】
ジブ先端接地状態取得部43(アタッチメント先端接地状態取得部)(
図2参照)は、ジブ先端部17aの接地状態を取得する。さらに詳しくは、ジブ先端接地状態取得部43は、ジブ先端部17aが接地している状態(
図7参照)か否かを判別するための情報(ジブ先端接地状態判別情報)を取得する。ジブ先端接地状態判別情報は、ジブ先端部17aの地面Gからの高さの情報を含んでもよい。この場合、ジブ先端接地状態取得部43は、ジブ先端位置情報取得部41であってもよい。ジブ先端接地状態判別情報は、接触センサ(例えばリミットスイッチ)の検出結果の情報を含んでもよい。この接触センサは、例えば、ジブ先端部17aに設けられ、地面Gに接触するか否かに応じて出力信号(例えばオン、オフ)を切り替えるものなどである。ジブ先端接地状態判別情報は、ジブ先端ローラ17cに作用する荷重の検出値を含んでもよい。ジブ先端接地状態判別情報は、ジブ起伏装置19(具体的にはジブガイライン19b、ストラットガイライン19c、またはジブ起伏ロープ19d)に作用する荷重の検出値を含んでもよい。
【0037】
台車位置情報取得部45(
図2参照)は、台車60の位置に関する台車位置情報を取得する。[例B1(位置座標)]台車位置情報は、台車60の位置の座標の情報を含んでもよい。台車60の位置の座標の基準となる位置(原点の位置)は、クレーン10の特定部位(例えば下部本体11aの特定部位など)に設定されてもよく、クレーン装置1が作業を行う作業現場に設定されてもよい。[例B1a(算出)]ジブ先端部17aと台車60との相対位置の情報(下記の[例B2b(検出)]を参照)、および、ジブ先端位置P17aの座標に基づいて、台車60の位置の座標が算出されてもよい。[例B1b(検出)]台車60の位置の座標は、直接的に検出されてもよい。台車位置情報取得部45による台車60の位置の座標の検出の具体例は、ジブ先端位置情報取得部41によるジブ先端位置P17aの座標の検出の具体例(上記[例A1b(検出)]を参照)と同様である。例えば、台車60の位置の座標は、カメラ画像に基づいて検出されてもよく、測位システムなどにより検出されてもよい。
【0038】
[例B2(相対位置)]台車位置情報取得部45に取得される台車位置情報は、ジブ先端部17aに対する台車60の相対位置の情報を含んでもよい。[例B2a(算出)]ジブ先端部17aに対する台車60の相対位置は、ジブ先端位置情報取得部41に取得されたジブ先端位置P17aの座標と、検出された台車60の位置の座標(上記[例B1b(検出)]を参照)と、に基づいて算出されてもよい。[例B2b(検出)]ジブ先端部17aに対する台車60の相対位置は、次のように検出されてもよい。例えば、ジブ先端部17aに設けられたセンサ(図示なし)が、台車60の位置を検出することで、ジブ先端部17aに対する台車60の相対位置が検出されてもよい。例えば、台車60に設けられたセンサ(図示なし)が、ジブ先端部17aの位置を検出することで、ジブ先端部17aに対する台車60の相対位置が検出されてもよい。
【0039】
[例B3(その他)]台車位置情報取得部45に取得される台車位置情報は、台車60の位置の変化(速度)の情報を含んでもよい。例えば、台車位置情報は、台車60が走行しているか否か(停止しているか)の情報を含んでもよい。台車位置情報は、台車60の速度の大きさ(速さ)の情報を含んでもよい。台車位置情報は、台車60の走行方向の情報を含んでもよい。
【0040】
フック搭載状態取得部47(
図2参照)は、フック23の台車60への搭載の状態に関するフック搭載情報を取得する。フック搭載情報は、フック23が台車60に載っているか否かの情報を含む。
【0041】
[例C1]フック搭載状態取得部47に取得されるフック搭載情報は、台車60に設けられた荷重センサ(図示なし)の検出値を含んでもよい。フック23が台車60に載ったとフック搭載状態取得部47が判定する条件には、台車60に設けられた荷重センサが、フック23の自重に相当する荷重を検出したことが含まれてもよい。
【0042】
[例C2]フック搭載状態取得部47に取得されるフック搭載情報は、カメラ画像が画像認識された情報を含んでもよい。このカメラ画像は、フック23および台車60を含む画像でもよい。例えば、フック23が台車60に載ったとフック搭載状態取得部47が判定する条件には、台車60にフック23が載った状態であると画像認識されたことが含まれてもよい。また、このカメラ画像は、巻上ロープ25を含む画像でもよい。例えば、フック23が台車60に載ったとフック搭載状態取得部47が判定する条件には、巻上ロープ25が緩んだ状態であると画像認識されたことが含まれてもよい。
【0043】
[例C3]フック搭載状態取得部47に取得されるフック搭載情報は、巻上ロープ25にかかる負荷の情報を含んでもよい。フック23が台車60に載ったとフック搭載状態取得部47が判定する条件には、巻上ロープ25にかかる負荷が、フック23の自重に相当する分、減少したことが含まれてもよい。
【0044】
[例C4]フック搭載状態取得部47に取得されるフック搭載情報は、ジブ17にかかる負荷の情報を含んでもよい。例えば、フック23が台車60に載ったとフック搭載状態取得部47が判定する条件には、ジブ17に掛かる負荷が、フック23の自重に相当する分、減少したことが含まれてもよい。上記「ジブ17に掛かる負荷」は、ジブ起伏装置19に関する荷重(後述)の情報を含んでもよい。
【0045】
なお、情報取得部40(
図2参照)は、クレーン装置1の作動に関する情報であって、上記の各情報(ジブ先端位置情報、ジブ先端接地状態判別情報、台車位置情報、およびフック搭載情報)とは異なる情報を取得してもよい。情報取得部40は、ガイラインやロープに作用する荷重を取得してもよい。情報取得部40は、ブーム起伏装置15に関する荷重を取得してもよく、例えば、ブームガイライン15d、およびブーム起伏ロープ15eの少なくともいずれかに作用する荷重(張力)を取得してもよい。情報取得部40は、ジブ起伏装置19に関する荷重を取得してもよく、例えば、ストラットガイライン19c、ジブ起伏ロープ19d、およびジブガイライン19bの少なくともいずれかに作用する荷重(張力)を取得してもよい。情報取得部40は、巻上ロープ25に作用する荷重の情報を取得してもよい。情報取得部40は、巻上ウインチ27に巻かれている巻上ロープ25の長さ、および、巻上ウインチ27から繰り出されている巻上ロープ25の長さ、の少なくともいずれかを取得してもよい。この場合、例えば、巻上ウインチ27のカメラ画像が画像認識されることにより、巻上ウインチ27から繰り出される巻上ロープ25の位置(例えば巻上ウインチ27の何層目の何列目から巻上ロープ25が繰り出されているかなど)が検出されてもよい。
【0046】
この情報取得部40(
図2参照)は、クレーン10に通常設けられている過負荷防止装置(モーメントリミッタ)が有する情報を取得(利用)してもよい。通常、過負荷防止装置は、上記「アタッチメントAの仕様」、ブーム起伏角度θ13、ジブオフセット角度θ17、上記の「ブーム起伏装置15に関する荷重」、および上記の「ジブ起伏装置19に関する荷重」の情報を有する。情報取得部40は、これらの情報のうち少なくとも一部の情報を取得(利用)してもよい。
【0047】
コントローラ50(
図2参照)は、情報の入出力、および演算などを行うコンピュータである。例えば、コントローラ50には、アタッチメント操作部33が出力した指令、および情報取得部40が取得した情報などが入力される。コントローラ50は、クレーン10の作動を制御する。コントローラ50は、駆動制御部31(
図2参照)に信号を出力することで、クレーン10の作動を制御する。コントローラ50は、クレーン10に搭載されてもよく、クレーン10の外部に設けられてもよく、クレーン10の内部および外部の両方に設けられてもよい。コントローラ50は、アタッチメント制御部51(
図2参照)と、巻上ウインチ制御部53(
図2参照)と、台車制御部55と、を備える。
【0048】
アタッチメント制御部51(
図2参照)は、アタッチメントAの作動を制御する。アタッチメント制御部51は、ブーム起伏制御部51a(
図2参照)と、ジブ起伏制御部51b(
図2参照)と、を備える。ブーム起伏制御部51aは、ブーム13の起伏を制御し、具体的にはブーム起伏ウインチ15wの作動を制御する。ジブ起伏制御部51bは、ジブ17の起伏を制御し、具体的にはジブ起伏ウインチ19wの作動を制御する。
【0049】
巻上ウインチ制御部53(
図2参照)は、巻上ウインチ27の作動を制御する。巻上ウインチ制御部53は、巻上ウインチ27による、巻上ロープ25の巻き取りおよび繰り出しを制御する。フック23がジブ先端部17aから吊り下げられている場合は、巻上ウインチ制御部53は、フック23の巻き上げおよび巻き下げを制御する。
【0050】
台車制御部55(
図2参照)は、台車60の走行を制御する。台車制御部55は、後述するジブ先端追従制御(アタッチメント先端追従制御)などの制御を行う。台車制御部55は、クレーン10に設けられてもよい。この場合、台車制御部55は、台車60の走行を制御するための信号(走行制御信号)を台車60に送信してもよい。台車制御部55は、台車60に設けられてもよい。台車制御部55は、クレーン10の外部かつ台車60の外部に設けられてもよい。台車制御部55が台車60以外の位置に設けられる場合は、台車60は、台車60を走行させるための信号を受信可能に構成されてもよい。この信号の通信は、無線通信により行われてもよく、有線通信により行われてもよい。台車制御部55が行う台車60の走行の制御は、台車60の走行の開始および停止を含む。台車制御部55が行う台車60の走行の制御は、台車60の位置の制御を含んでもよく、台車60の走行速度の制御を含んでもよい。
【0051】
台車60は、
図3に示すように、フック23が載せられ、フック23を支持(保持)する装置(フックホルダ)である。台車60は、自走可能である。台車60は、地面Gを移動可能であり、フック23を運搬可能である。台車60は、1つのみ設けられてもよく、複数設けられてもよい。台車60は、台車本体部61と、フック移動制限部65(
図6参照)と、移動部67と、を備える。
【0052】
台車本体部61は、フック23が載せられる部分である。例えば、台車本体部61は、蓋のない容器状でもよく、板状でもよく、枠状でもよく、網状などでもよい。
【0053】
フック移動制限部65は、
図6に示すように、台車本体部61に対するフック23の移動を制限する。例えば、フック移動制限部65は、台車本体部61にフック23を拘束するものでもよく、固定するものでもよい。フック移動制限部65は、紐状部材を備えてもよく、締結部材を備えてもよい。
【0054】
移動部67は、
図4に示すように、台車60が地面Gを走行することを可能にする。移動部67は、台車60が地面Gを走行可能となるようにするための部材(車輪、クローラなど)を備える。移動部67は、地面Gに対して移動自在な状態(非ブレーキ状態)と、地面Gに対する移動を制限する状態(ブレーキ状態(例えば走行ロック状態))と、に切り換え可能に構成されることが好ましい。移動部67は、自走可能であり、自走するための駆動装置を備える。移動部67の駆動装置は、モータを備えてもよく、内燃機関(エンジン)を備えてもよい。移動部67の駆動装置がモータを備える場合、このモータは、電動モータでもよく、流体圧モータ(例えば油圧モータ)でもよい。
【0055】
この移動部67は、作業者の手動操作により走行する場合があってもよく、自動操作により走行する場合があってもよい。[例D1]移動部67が自動操作により走行する場合は、台車制御部55(
図2参照)が、移動部67を自動的に走行させる。この場合、例えば、台車制御部55が、移動部67の走行を制御するための台車制御信号を出力する。そして、台車60が台車制御信号を受信し、台車制御信号に応じて移動部67が走行する。[例D2]移動部67が作業者の手動操作により走行する場合は、遠隔操作により移動部67が走行してもよい。この遠隔操作は、クレーン10で行われてもよく、例えば運転室11b1で行われてもよい。この遠隔操作は、クレーン10の外部で行われてもよい。移動部67を遠隔操作する作業者は、クレーン10の操作者でもよく、クレーン10の操作者でなくてもよい。[例D3]移動部67は、作業者の手作業(押す、引くなど)により走行する場合があってもよい。移動部67を走行させる作業を行う作業者は、クレーン10の操作者でもよく、クレーン10の操作者でなくてもよい。
【0056】
この移動部67の走行可能な方向は、一方向のみ(例えば前後方向Xのみ)でもよく、複数方向(例えば前後方向Xおよび横方向Y)でもよい。移動部67は、進行方向を変える装置(ステアリング装置)を備えてもよい。
【0057】
(作動)
図1に示すクレーン装置1は、以下のように作動するように構成される。アタッチメントA降下引き起こし方法は、次のように行われる。「アタッチメントA降下引き起こし方法」は、アタッチメントAの降下および引き起こしの少なくともいずれかを行う方法である。
【0058】
(アタッチメントA降下作業)
クレーン装置1では、アタッチメントA降下作業が行われる。アタッチメントA降下作業は、アタッチメントAが、作業姿勢(
図1参照)から、地面G(地上)に降下させられる作業である(
図1、
図3~
図8参照)。アタッチメントA降下作業は、クレーン10の分解時に行われてもよく、クレーン10の分解時以外に行われてもよい。本実施形態におけるアタッチメントA降下作業では、アタッチメントAは、作業姿勢(
図1参照)から、
図8に示す外張り姿勢に変えられる。外張り姿勢は、倒伏状態のブーム13よりも前側X1にジブ17が配置された姿勢である。アタッチメントAが外張り姿勢にされる理由の一例は、次の通りである。
図1に示すジブ17の長さがブーム13の長さ以下である場合は、ジブ17は、ブーム13に格納可能である。具体的には例えば、倒伏状態のブーム13の真下にジブ17を配置すること(内抱き姿勢にすること)などが可能である。一方、ジブ17がブーム13よりも長い場合は、ジブ17をブーム13に格納することはできない。そこで、アタッチメントAが、外張り姿勢(
図8参照)にされる。また、ジブ17の長さがブーム13の長さ以下であっても、アタッチメントAが外張り姿勢にされる場合がある。
【0059】
アタッチメントA降下作業の手順(
図9参照)の概要は、次の通りである。以下では、各ステップS11~S75については、
図9を参照して説明する。クレーン10が作業姿勢の状態から、ブーム13およびジブ17が下げられ(倒伏させられ)、
図3に示すように、アタッチメントAが横方向Yから見て略L字状に変えられる(ステップS11)。フック23が下げられ、フック23が台車60に載せられる(ステップS31、S33)。
図4に示すように、ブーム13が下げられることで、ジブ先端部17aが降下(下側Z2に移動)させられ、
図7に示すように、ジブ先端部17aが接地する(ステップS51~S54)。ブーム13がさらに下げられることで、
図8に示すように、ジブ先端部17aが、接地した状態で(地上で)、前進(前側X1に移動)させられる(ステップS71)。そして、ブーム13の先端部またはジブ17の基端部が接地すると、アタッチメントA全体が接地した状態(地上に降ろされた状態)になる(ステップS75)。また、フック23が、様々なタイミングでジブ先端部17aから取り外される。アタッチメントA降下作業の手順の具体例は、以下の通りである。なお、アタッチメントA降下作業の手順は様々に変更されてもよい。
【0060】
(フック23を下げる前のブーム13下げ)
図1に示すようにクレーン10が作業姿勢の状態から、
図3に示すようにブーム13が下げられ、ブーム起伏角度θ13が小さくされる。このとき、例えば、ブーム起伏角度θ13が、クレーン10が作業姿勢のときに設定可能なブーム起伏角度θ13のうち最小のブーム起伏角度θ13(最小作業角度)、または略最小作業角度に設定されてもよい。[手動操作の例]例えば、クレーン10の操作者が、手動操作により、
図2に示すアタッチメント操作部33を操作する。アタッチメント操作部33の操作に基づいて、駆動制御部31が、
図1に示すブーム起伏ウインチ15wを作動させる。そして、ブーム起伏ウインチ15wがブーム起伏ロープ15eを繰り出すことで、ブーム13が下げられてもよい。[自動操作の例]また、
図2に示すアタッチメント操作部33(例えばアタッチメント制御部51)が、自動操作により駆動制御部31を制御する。そして、駆動制御部31が、
図1に示すブーム起伏ウインチ15wを作動させることで、ブーム13が下げられてもよい。このように、クレーン装置1に関する作動が、手動操作により行われても、自動操作により行われてもよいことは、特に断らない限り、下記の各作動についても同様である。
【0061】
(フック23を下げる前のジブ17下げ(ステップS11))
クレーン10が作業姿勢の状態から、
図3に示すように、ジブ17が下げられ、ジブオフセット角度θ17が大きくされる(ステップS11)。ジブ17が下げられる理由は、例えば次の通りである。ジブ17が長いほど、ジブ17の質量が大きくなる。そして、ジブオフセット角度θ17が、作業姿勢(
図1参照)と同様の角度(いわば小さい角度)のままで、ジブ先端部17aが接地するまでブーム13を下げようとすると、アタッチメントAの重心が前側X1に大きく移動する。クレーン10全体の重心が、クレーン10の転倒支点(具体的には例えば下部本体11aの前側X1端部)よりも前側X1になると、クレーン10が転倒する、または、過負荷防止装置の機能により自動的にブーム13が停止してしまう。そこで、クレーン10全体の重心が、できるだけ転倒支点よりも後側X2になるように(クレーン10の安定度余裕を稼ぐために)、アタッチメントAの重心をできるだけクレーン本体11側(後側X2)に寄せることが重要である。具体的には例えば、ジブ17が下げられることで、ジブオフセット角度θ17が大きくされる。例えば、アタッチメントAが、横方向Yから見て略L字状とされる。
【0062】
(フック23の真下への台車60の配置(ステップS21、S23))
台車60が、フック23の真下に配置される(ステップS21、S23)。フック23の真下への台車60の移動(ステップS21)は、手作業により行われてもよく、手動操作により行われてもよく、自動操作により行われてもよい。例えば、フック23の真下への台車60の移動は、ジブ先端位置情報取得部41(
図2参照)に取得されたジブ先端位置P17aと、台車位置情報取得部45(
図2参照)に取得された台車60の位置と、に基づいて、自動操作により行われてもよい。例えば、フック23の真下への台車60の移動は、ジブ先端位置P17aに対する台車60の相対位置に基づいて、自動操作により行われてもよい。台車60が、フック23の真下の位置に配置され(ステップS23)、地面Gに対して停止する。例えば、台車60が、フック23の真下の位置で、地面Gに対する移動を制限する状態(ブレーキ状態、停止状態)となることが好ましい。
【0063】
(フック23の巻き下げ(ステップS31))
横方向Yから見てアタッチメントAが略L字状とされた状態で、フック23が下げられ(ステップS31)、フック23が台車60に載せられる(ステップS33)。さらに詳しくは、巻上ウインチ27が巻上ロープ25を繰り出す。すると、フック23が下がり、フック23が台車60(さらに詳しくは台車本体部61)に載せられる。フック23が巻き下げられている時には、台車60は、地面Gに対して停止した状態を維持する(ステップS31)。例えば、台車制御部55(
図2参照)は、フック23が巻き下げられているときに、台車60を停止させる。例えば、台車制御部55は、フック23が巻き下げられていることを示す信号が台車制御部55に入力されている(例えば受信している)ときに、台車60を停止させる。
【0064】
フック23が台車60に載せられる理由は、例えば次の通りである。フック23は、クレーン本体11から前側X1に離れた位置に配置される重量物である。そこで、クレーン10全体での重心が転倒支点よりもできるだけ後側X2になるようにするために(クレーン10の安定度余裕を稼ぐために)、フック23が下げられ、フック23が台車60に載せられる(下側Z2から支持される)。また、フック23が接地した状態(さらに詳しくは、フック23が地面Gに直接的に接触した状態)でジブ先端部17aが移動(後述)すると、フック23が地面Gで引きずられ、フック23が損傷するおそれがある。そこで、フック23の損傷を抑制するために、フック23が台車60に載せられる。また、フック23が接地した状態では、巻上ロープ25が接地するおそれがある。巻上ロープ25が接地した状態で、ジブ先端部17aが移動すると、巻上ロープ25が地面Gで引きずられ、巻上ロープ25が損傷するおそれがある(詳細は後述)。そこで、巻上ロープ25の損傷を抑制するために、フック23が台車60に載せられる。
【0065】
(フック巻下条件)
巻上ウインチ制御部53(
図2参照)は、フック巻下条件が満たされた場合に、巻上ウインチ27にフック23を巻き下げさせることが好ましい。フック巻下条件は、巻上ウインチ制御部53が巻上ウインチ27にフック23を巻き下げさせる条件である。フック巻下条件は、コントローラ50の巻上ウインチ制御部53に予め(フック23の巻き下げ前に)設定される。コントローラ50に予め条件が設定されることについては、フック巻下条件以外の各条件についても同様である。
【0066】
例えば、フック巻下条件は、ジブ先端部17aの真下に台車60が配置されたことが台車位置情報取得部45に取得されたことを含んでもよい。例えば、フック巻下条件は、台車60が地面Gに対して停止していることを含んでもよい。巻上ウインチ制御部53は、フック巻下条件が満たされた場合に、手動操作に応じた巻上ウインチ27の作動(さらに詳しくはフック23を巻き下げる作動)を許可してもよい。巻上ウインチ制御部53は、フック巻下条件が満たされた場合に、自動操作による巻上ウインチ27の作動(さらに詳しくはフック23を巻き下げる作動)を開始させてもよい。巻上ウインチ制御部53は、巻上ウインチ27がフック23を巻き下げしている時に、フック巻下条件が満たされなくなった場合に、巻上ウインチ27を停止させてもよい(巻き下げを禁止してもよい)。
【0067】
この例では、
図2に示す巻上ウインチ制御部53が、台車位置情報取得部45に取得された情報に基づいて、巻上ウインチ27(
図3参照)の作動の可否を判定した。これと同様に、巻上ウインチ制御部53は、情報取得部40に取得された情報であって台車位置情報取得部45に取得された情報以外の情報に基づいて、巻上ウインチ27の作動の可否を判定してもよい。また、コントローラ50は、情報取得部40に取得された情報に基づいて、クレーン10(
図3参照)の各種の作動の可否を判定してもよい。例えば、アタッチメント制御部51は、情報取得部40に取得された情報に基づいて、アタッチメントA(
図3参照)の作動の可否を判定してもよい。
【0068】
(フック23が台車60に載るときの作動(ステップS33、S35))
図3に示すフック23が巻き下げられ、フック23が台車60に載せられる(ステップS33)。このとき、巻上ウインチ27による巻上ロープ25の繰り出しが停止させられる(ステップS35)。よって、巻上ロープ25が過剰に繰り出されることが抑制され、巻上ロープ25が接地することが抑制される。
【0069】
例えば、クレーン10の操作者が、台車60にフック23が載ったことを確認し、巻上ウインチ27による巻上ロープ25の繰り出しを手動操作により停止させてもよい。また、例えば、巻上ウインチ制御部53(
図2参照)は、フック23が台車60に載ったことがフック搭載状態取得部47に取得(例えば検出)されたときに、巻上ウインチ27を自動的に停止させてもよい。さらに詳しくは、巻上ウインチ27にフック23を巻き下げさせている状態で、フック23が台車60に搭載されていない状態から搭載された状態に変化したことがフック搭載状態取得部47に取得される。このときに、巻上ウインチ制御部53は、巻上ウインチ27にフック23の巻き下げを停止させてもよい。
【0070】
下記のステップS51でジブ先端部17aが降下させられる前に、台車60が接触回避位置に配置されてもよい(ステップS41)(詳細は後述)。
【0071】
(ジブ先端部17aの降下(ステップS51))
図4に示すように、フック23が台車60に載せられた状態で、ジブ先端部17aが降下させられる(ジブ先端部降下ステップ)(ステップS51)。具体的には例えば、ブーム13が下げられ、ブーム起伏角度θ13が小さくされる。このとき、例えば、ジブオフセット角度θ17は、一定とされる(変えられてもよい)。
【0072】
ジブ先端部17aが降下している時に、ジブ先端位置情報取得部41(
図2参照)は、ジブ先端位置情報を取得する(ジブ先端位置情報取得ステップ)。具体的には例えば、ジブ先端位置情報取得部41は、ジブ先端部17aの上下方向Zにおける位置(高さ、座標)を取得してもよい。ジブ先端位置情報取得部41は、ジブ先端部17aの前後方向Xにおける位置(座標)を取得してもよい。ジブ先端位置情報取得部41は、アタッチメント操作部33(
図2参照)の操作の情報を取得してもよい。
【0073】
ジブ先端部17aが降下している時に、情報取得部40(
図2参照)は、巻上ウインチ27から繰り出されている巻上ロープ25の長さを取得してもよい。この長さに基づいて、コントローラ50(
図2参照)は、巻上ロープ25の状態(例えば、巻上ロープ25のたるみの程度など)を判断してもよい。
【0074】
(ジブ先端部降下条件)
アタッチメント制御部51(
図2参照)は、ジブ先端部降下条件が満たされた場合に、ジブ先端部17aを降下させることが好ましい。ジブ先端部降下条件は、台車60にフック23が載せられた状態で、アタッチメント制御部51がジブ先端部17aを降下させる条件である。ジブ先端部降下条件は、ジブ先端部17aが接地したときにジブ先端部17aの周囲の位置になると予測される位置である接触回避位置(後述)に台車60があることが、台車位置情報取得部45に取得されたことを含んでもよい。ジブ先端部降下条件は、台車60が地面Gに対して停止していることを含んでもよい。アタッチメント制御部51は、ジブ先端部降下条件が満たされた場合に、手動操作に応じたジブ先端部17aの降下を許可してもよい。アタッチメント制御部51は、ジブ先端部降下条件が満たされた場合に、自動操作によるジブ先端部17aの降下を開始させてもよい。アタッチメント制御部51は、ジブ先端部17aが降下している時に、ジブ先端部降下条件が満たされなくなった場合に、ジブ先端部17aの降下を停止させてもよい(降下を禁止してもよい)。
【0075】
(ジブ先端部17aの降下時の巻上ロープ25の巻き取り(ステップS53))
上記のように、フック23が台車60に載せられた状態で、ジブ先端部17aが降下させられる(ジブ先端部降下ステップが行われる)。このときに、巻上ウインチ27が巻上ロープ25を巻き取る(ジブ降下時巻上ステップ)(ステップS53)。
【0076】
ジブ先端部17aの降下時に、巻上ウインチ27に巻上ロープ25を巻き取らせる理由は、次の通りである。
【0077】
[接地の問題]ジブ先端部17aが降下すると、フック23とジブ先端部17aとの距離が短くなる。そのため、巻上ウインチ27が巻上ロープ25を巻き取らなければ、ジブ先端部17a(さらに詳しくはポイントシーブ21)とフック23との間で、巻上ロープ25がたるみ(垂れ下がり)、巻上ロープ25が接地するおそれがある。例えば、このとき、巻上ロープ25が、コイル状に(とぐろを巻くような形で)接地する場合などがある。巻上ロープ25が接地すると、例えば次の問題が生じる。巻上ロープ25には、潤滑(例えばストランドの潤滑)のためにグリスが塗布されている。上記「ストランド」は、複数の素線(ワイヤ)がより合わされたものである。グリスが塗布された巻上ロープ25が接地すると、巻上ロープ25に異物(例えば、砂、泥など)がこびりつく。また、巻上ロープ25が接地した状態で引きずられると、巻上ロープ25からグリスが剥がれ落ち、巻上ロープ25の潤滑性が落ちる。異物のこびりつき、および、グリスの剥がれ落ち、の少なくともいずれかが生じた巻上ロープ25が、シーブを通過したり、巻上ウインチ27に巻き取られたりする。すると、巻上ロープ25の素線が傷付くおそれがあり、素線が切れるおそれがある。また、巻上ロープ25が接地した状態で引きずられることで、地面Gと巻上ロープ25との摩擦により、巻上ロープ25が損傷するおそれがある。
【0078】
[乱巻の問題]また、ジブ先端部17aの降下時に、巻上ウインチ27が巻上ロープ25を巻き取らなければ、巻上ロープ25の張力が過小となり、巻上ウインチ27で乱巻が生じるおそれがある。例えば上記の[接地の問題]および[乱巻の問題]などを抑制するために、ジブ先端部17aの降下時に、巻上ウインチ27が巻上ロープ25を巻き取る。
【0079】
(ジブ先端部17aの降下時の巻上ロープ25の巻き取りが自動操作の場合)
この巻上ロープ25の巻取り(ジブ降下時巻上ステップ)が自動操作により行われる場合は、巻上ウインチ制御部53(
図2参照)は、ジブ降下時巻上制御(アタッチメント降下時巻上制御)を行う。
【0080】
巻上ウインチ制御部53(
図2参照)がジブ降下時巻上制御を行うタイミングは、フック23が台車60に載せられた状態で、ジブ先端部17aが降下させられるとき、すなわちジブ先端部降下ステップが行われる状態のときである。例えば、巻上ウインチ制御部53は、情報取得部40(
図2参照)が取得した情報に基づいて、ジブ降下時巻上制御を行うタイミングであるか否かを判定する。この「情報取得部40が取得した情報」は、例えば、センサなどに検出された情報でもよい。具体的には例えば、「情報取得部40が取得した情報」は、アタッチメント操作部33の操作(例えばブーム13を下げる操作)の情報、および、フック搭載状態取得部47に取得されたフック搭載情報を含んでもよい。また、例えば、「情報取得部40が取得した情報」は、クレーン10の作業モードを示す情報であってコントローラ50に設定された情報などを含んでもよい。具体的には例えば、「情報取得部40が取得した情報」は、ジブ先端部17aの降下を行うモードが選択されているか否かを示す情報などを含んでもよい。
【0081】
[例E1]巻上ウインチ制御部53(
図2参照)は、ジブ先端位置情報取得部41(
図2参照)に取得されたジブ先端位置情報に基づいて、ジブ降下時巻上制御を行ってもよい。例えば、巻上ウインチ制御部53(
図2参照)は、ジブ先端部17aの上下方向Zにおける位置(例えばジブ先端部17aの降下量)に基づいて、ジブ降下時巻上制御を行ってもよい。例えば、巻上ウインチ制御部53は、ジブ先端部17aの前後方向Xにおける位置に基づいて、ジブ降下時巻上制御を行ってもよい。例えば、巻上ウインチ制御部53は、ジブ先端位置情報取得部41(
図2参照)に取得されたジブ先端位置P17aと相関のある情報(例えばアタッチメント操作部33の操作など)に基づいて、ジブ降下時巻上制御を行ってもよい。
【0082】
[例E2]巻上ウインチ制御部53(
図2参照)は、台車位置情報取得部45(
図2参照)に取得された、ジブ先端部17aに対する台車60の相対位置に基づいて、ジブ降下時巻上制御を行ってもよい。例えば、巻上ウインチ制御部53は、ジブ先端部17aから台車60までの距離に基づいて、ジブ降下時巻上制御を行ってもよい。
【0083】
[例E3]巻上ウインチ制御部53(
図2参照)は、巻上ロープ25の張力が所定範囲内(巻上ロープ所定張力範囲内)に維持されるように、ジブ降下時巻上制御を行ってもよい。巻上ウインチ制御部53は、情報取得部40に取得された巻上ロープ25の張力に基づいて、ジブ降下時巻上制御を行ってもよい。巻上ウインチ制御部53が、上記[例E1]や[例E2]のジブ降下時巻上制御を行う結果として、巻上ロープ25の張力が所定範囲内(巻上ロープ所定張力範囲内)に維持されてもよい。
【0084】
巻上ロープ25の張力が所定範囲内(巻上ロープ所定張力範囲内)に維持されるように、巻上ウインチ27に巻上ロープ25を巻き取らせる理由は次の通りである。ジブ先端部17aの降下に対して、巻上ロープ25の巻取りの量が少なすぎる場合は、例えば、巻上ロープ25が接地する問題、および、巻上ウインチ27で乱巻が起こる問題が生じるおそれがある。一方、ジブ先端部17aの降下に対して、巻上ロープ25の巻取りの量が多すぎる場合は、次の問題が生じ得る。フック23が台車60に固定されている場合は、フック23および台車60が、巻上ロープ25に吊り上げられ、地面Gから浮き上がる。また、フック23が台車60に固定されていない場合は、フック23が、巻上ロープ25に吊り上げられ、台車60から浮き上がる。フック23などが吊り上げられると、クレーン10全体の重心が前側X1に移動し、クレーン10の安定度余裕が低下する。そこで、巻上ウインチ制御部53(
図2参照)は、ジブ降下時巻上制御において、巻上ロープ25の張力が所定範囲内(巻上ロープ所定張力範囲内)に維持されるように、巻上ウインチ27に巻上ロープ25を巻き取らせる。具体的には、巻上ウインチ制御部53は、巻上ロープ25が垂れ下がって接地せず、かつ、フック23などが巻上ロープ25に吊り上げられないような、巻上ロープ25の張力が維持されるように、ジブ降下時巻上制御を行う。
【0085】
ジブ先端部17aが降下するときに、台車60が走行してもよい(ステップS55)。台車60の走行については後述する。
【0086】
(ジブ先端部17aの接地(ステップS57))
ジブ先端部17aが降下すると、
図7に示すように、ジブ先端部17a(例えばジブ先端ローラ17c)が接地する。
【0087】
(ジブ先端部17aの降下時の巻上ロープ25の巻き取りの停止(ステップS59))
ジブ先端部17aの地面Gからの高さが所定の巻取停止高さになったときに、巻上ウインチ27は、巻上ロープ25の巻き取りを停止する。巻上ウインチ27による巻上ロープ25の巻き取りが停止することで、フック23が巻上ロープ25に吊り上げられてジブ先端部17aに接触することが抑制される。例えば、巻上ウインチ制御部53(
図2参照)は、ジブ先端部17aの地面Gからの高さが巻取停止高さになったときに、自動的に巻上ウインチ27による巻上ロープ25の巻き取りを停止させる。この場合、巻取停止高さは、巻上ウインチ制御部53に予め(巻上ウインチ27による巻上ロープ25の巻き取りの停止よりも前に)設定される。
【0088】
巻取停止高さは、地面Gの高さ(ジブ先端部17aが接地したときのジブ先端部17aの高さ)でもよい。さらに詳しくは、巻上ウインチ制御部53(
図2参照)は、巻上ウインチ27を作動させている状態で、ジブ先端部17aが接地したことがジブ先端接地状態取得部43に取得されたときに、巻上ウインチ27の作動を停止させてもよい。また、巻取停止高さは、地面Gよりも上側Z1の高さ(ジブ先端部17aが接地する前のジブ先端部17aの高さ)でもよい。例えば、ジブ先端位置情報取得部41(
図2参照)がジブ先端部17aの高さを取得する場合、巻取停止高さは、ジブ先端位置情報取得部41が取得可能なジブ先端部17aの高さのうち、最も低い高さ(またはその近傍の高さ)でもよい。この場合、ジブ先端位置情報取得部41で取得不可能な高さにジブ先端部17aが配置されている状態で(不正確である可能性のあるジブ先端位置情報に基づいて)、巻上ウインチ制御部53がジブ降下時巻上制御を行うことが抑制される。
【0089】
(接触回避位置)
図4に示すように、ジブ先端部17aが降下し、ジブ先端部17aが地面Gの近傍まで降下したとき、または接地したときに、ジブ先端部17aと台車60との接触を抑制できることが好ましい。例えば、ジブ先端部17aが地面Gの近傍まで降下する前の時点で、
図5に示すように、フック23および台車60が、ジブ先端部17aに対してずらされることが好ましい。さらに詳しくは、フック23および台車60は「接触回避位置」に配置されてもよい(ステップS41)。
【0090】
例えば、接触回避位置は、ジブ先端部17aが接地したときに、ジブ先端部17aの周囲の位置になると予測される位置である。さらに詳しくは、接触回避位置は、次のような位置である。フック23および台車60よりも上側Z1にジブ先端部17aが配置された状態(例えば
図4参照)から、ジブ先端部17aが降下し、接地したと仮定する。接触回避位置は、このようにジブ先端部17aが接地したと仮定したときの、ジブ先端部17aの周囲の位置(ジブ先端部17aと重ならない位置)である。接触回避位置は、ジブ先端部17aが接地したときに、フック23および台車60と、ジブ先端部17aと、が接触しないと予測されるような、フック23および台車60の位置である。例えば、接触回避位置は、ジブ先端部17aが接地したときのジブ先端部17aから、所定距離だけ離れた位置になると予測される位置などである。具体的には例えば、接触回避位置は、ジブ先端部17aが接地したときに、ジブ先端部17aよりも横方向Y外側(ジブ幅方向外側Yo)の位置(領域)になると予測される位置を含んでもよい。さらに詳しくは、接触回避位置は、ジブ先端部17aが接地したときに、ジブ先端部17aのうち台車60と同じ高さに配置されると予測される部分(例えばジブ先端ローラ17cなど)よりも、ジブ幅方向外側Yoの位置を含んでもよい。
図6および
図7に示すように、接触回避位置は、ジブ先端部17aが接地したときのジブ先端部17aよりも前後方向X外側の位置になると予測される位置を含んでもよい。
【0091】
例えば、接触回避位置は、ジブ先端部17aが接地したときに、ジブ先端部17aの近傍の位置になると予測される位置に設定されることが好ましい。さらに詳しくは、ジブ先端部17aが接地したときにジブ先端部17aと台車60との距離が大きすぎる場合は、次の問題が生じ得る。この場合、巻上ロープ25の自重により、例えば台車60がジブ先端部17aに近づく向きに移動し、巻上ロープ25が垂れ下がり、巻上ロープ25が接地する可能性がある。そこで、接触回避位置は、ジブ先端部17aが接地したときのジブ先端部17aの近傍(巻上ロープ25が接地する問題を抑制できる程度に「近傍」)の位置になると予測される位置に設定されることが好ましい。
【0092】
(接触回避位置への配置のタイミング)
図5に示すフック23および台車60が接触回避位置に配置されるタイミング(ステップS41が行われるタイミング)は、ジブ先端部17aが地面Gの近傍まで降下する前である。フック23および台車60が接触回避位置に配置されるタイミングは、ジブ先端部降下ステップが行われる前(ステップS51の前)でもよく、ジブ先端部降下ステップが行われている時(ステップS51の後)でもよい。
【0093】
(接触回避位置への配置方法)
図3に示すフック23および台車60は、ジブ先端部17aの真下に配置された状態から、例えば次のように接触回避位置に配置される。ジブ17が移動させられることで、フック23および台車60が接触回避位置に配置されてもよい。具体的には例えば、下部本体11aに対して上部旋回体11bが旋回させられることで、フック23および台車60が、ジブ先端部17aに対して横方向Yにずらされ、接触回避位置に配置されてもよい。また、例えば、ジブオフセット角度θ17が変えられることで、フック23および台車60が、ジブ先端部17aに対して前後方向Xにずらされ、接触回避位置に配置されてもよい。また、地面Gに対して台車60が移動させられることで、フック23および台車60が、接触回避位置に配置されてもよい。この場合、台車60が、地面Gに対して横方向Yに移動させられてもよく、地面Gに対して前後方向X(例えば後側X2)に移動させられてもよい。
【0094】
後述するように、ジブ先端部17aが降下するときに、台車60が、ジブ先端部17aに追従して移動する場合がある(ステップS55)。このとき、フック23および台車60が接触回避位置に配置された状態を維持するように、台車60がジブ先端部17aに追従移動することが好ましい。例えば、ジブ先端部17aが降下している時に、台車60は、ジブ先端部17aよりも横方向Y外側(ジブ幅方向外側Yo)の位置を移動する。また、例えば、ジブ先端部17aが降下している時に、台車60は、ジブ先端部17aが接地したと仮定したときのジブ先端部17aの位置よりも前後方向X外側の位置を移動する。
【0095】
なお、フック23が台車60に載せられた(ステップS23)ときの、フック23および台車60の位置が、接触回避位置となっていてもよい(ステップS41が行われなくてもよい)。例えば、
図4に示すように、ジブ先端部降下ステップにおいて、ジブ先端部17aが降下しながら前側X1に移動する場合がある。この場合、フック23および台車60がステップS23のときの位置のままでも、ジブ先端部17aが地面Gの近傍まで降下したときに、台車60とジブ先端部17aとの前後方向Xの間隔を確保できる場合がある。
【0096】
(ジブ先端部17aの接地時および接地後の作動)
図7に示すように、ジブ先端部17aが接地したとき、ブーム13下げが停止させられてもよく、ブーム13下げが継続されてもよい。例えば、ジブ先端部17aが接地したときにブーム13下げが停止させられ、巻上ロープ25からフック23が取り外される作業(後述)が行われてもよい。例えば、ジブ先端部17aが接地したときにブーム13下げが停止させられ、ジブ先端部17a、フック23、および台車60などの状態の確認が、作業者により行われてもよい。このとき、ジブ先端部17aに対する台車60の相対位置が、追従可能位置とされてもよい(後述)(ステップS61)。
【0097】
(ジブ先端部17aの地面Gでの前進(ステップS71、S73))
ジブ先端部17aが接地した後(ジブ先端部降下ステップによりジブ先端部17aが接地した後)、
図8に示すように、ジブ先端部17aが前進させられる(ステップS71)。さらに詳しくは、ジブ先端部17aが接地した状態で、ブーム13が下げられる(ジブ接地ブーム下げステップ)。すると、ジブ17は、ブーム13に前側X1に押される。すると、ジブ先端部17aは、接地した状態で、滑るように前側X1に移動する(前進する)。具体的には例えば、ジブ先端ローラ17cが、地面Gに接触しながら、ジブ本体部17bに対して回転する(転がる)。以下では、ジブ先端部17aの地面Gでの前進を、単に「前進」ともいう。ジブ先端部17aが前進すると、
図7に示すジブオフセット角度θ17が小さくなる。すると、アタッチメントAは、横方向Yから見たときに、略L字状(
図7参照)から、略直線状(
図8参照)に変化する。
【0098】
(ジブ先端部前進条件)
ブーム起伏制御部51a(アタッチメント制御部51)(
図2参照)は、ジブ先端部前進条件が満たされた場合に、ブーム13を下げる(ジブ先端部17aを前進させる)ことが好ましい。ジブ先端部前進条件は、ジブ先端部17aが接地したことがジブ先端接地状態取得部43(
図2参照)に取得されているときに、ブーム起伏制御部51aがブーム13を下げさせる条件である。ジブ先端部前進条件は、台車位置情報取得部45に取得されたジブ先端部17aに対する台車60の相対位置が所定範囲内であることを含んでもよい。ジブ先端部前進条件には、これ以外の条件が設定されてもよい。ブーム起伏制御部51aは、ジブ先端部前進条件が満たされた場合に、手動操作に応じたブーム13下げを許可してもよい。ブーム起伏制御部51aは、ジブ先端部前進条件が満たされた場合に、自動操作によるブーム13下げを開始させてもよい。ブーム起伏制御部51aは、ジブ先端部17aが前進している時に、ジブ先端部前進条件が満たされなくなった場合に、ジブ先端部17aの前進を停止させてもよい(降下を禁止してもよい)。
【0099】
ジブ先端部17aが前進する際に、フック23が巻上ロープ25から取り外されていない場合は、フック23および台車60が、ジブ先端部17aの移動に追従して移動する(ジブ接地台車走行ステップ)(ステップS73)。台車60の走行については後述する。
【0100】
(ジブ先端部17aの前進時のジブ起伏ロープ19dの巻き取り)
ジブ先端部17aが前進するとき、ジブ起伏ウインチ19wがジブ起伏ロープ19dを巻き取る。ジブ先端部17aの前進時にジブ起伏ロープ19dが巻き取られない場合、次の問題が生じ得る。この場合、ジブ起伏ロープ19dが緩み、ジブ起伏ロープ19dの乱巻きがジブ起伏ウインチ19wで生じるおそれがある。また、フロントストラット19a2が、ジブ17と干渉するおそれがある。一方、ジブ起伏ロープ19dが巻き取られすぎると、ジブ先端部17aが地面Gから浮き、クレーン10全体の重心が前側X1に移動し、クレーン10の安定度余裕が低下する。そこで、ジブ先端部17aが前進するとき、ジブ起伏ウインチ19wがジブ起伏ロープ19dを巻き取る。
【0101】
ジブ先端部17aが前進するとき、ジブ起伏ウインチ19wがジブ起伏ロープ19dを巻き取ると、フロントストラット19a2がリアストラット19a1側に回転する。そして、フロントストラット19a2のリアストラット19a1側への回転が、図示しないストラットバックストップにより制限され、フロントストラット19a2が回転不可能な状態になる。その後、ブーム起伏ウインチ15wが、さらにブーム起伏ロープ15eを繰り出し、ブーム13がさらに下げられる。すると、ジブオフセット角度θ17がさらに小さくなり、
図8に示すように、ジブガイライン19bが垂れ下がる(緩む)。
【0102】
(ブーム13などの接地(ステップS75))
ブーム13が下げられ、ジブ先端部17aが前進すると、ブーム13の先端部またはジブ17の基端部が接地する。このとき、ブーム13の先端部またはジブ17の基端部は、台S(例えば台木)などを介して接地してもよい。また、ブーム13の本体部分と一体的に設けられた支持部(図示なし)が、接地してもよい。ブーム13の先端部またはジブ17の基端部が接地することで、アタッチメントAの全体が接地した状態(降下が完了した状態)になる。このとき、アタッチメントAの全体は、略直線状に延びた状態である。
【0103】
(追従可能位置)
ジブ先端部17aが前進する際に、フック23が巻上ロープ25から取り外されていない場合は、フック23および台車60が、ジブ先端部17aの移動に追従して移動する(後述)(ステップS73)。このとき、ジブ先端部17aと台車60との接触を抑制できることが好ましい。例えば、ジブ先端部17aが前進するときに、台車60が、「追従可能位置」に配置されることが好ましい(ステップS61参照)。
【0104】
追従可能位置は、ジブ先端部17aが接地しているときのジブ先端部17aの周囲の位置(ジブ先端部17aと重ならない位置)である。追従可能位置は、台車60のジブ先端部17aへの追従移動に適した、ジブ先端部17aに対する台車60の位置である。追従可能位置は、フック23および台車60と、ジブ先端部17aと、が接触しないような、フック23および台車60の位置である。例えば、追従可能位置は、ジブ先端部17aから所定距離だけ離れた位置などである。具体的には例えば、追従可能位置は、ジブ先端部17aよりも横方向Y外側(ジブ幅方向外側Yo)の位置を含んでもよい。さらに詳しくは、追従可能位置は、ジブ先端部17aのうち台車60と同じ高さに配置される部分(例えばジブ先端ローラ17cなど)よりも、ジブ幅方向外側Yoの位置を含んでもよい。
図6および
図7に示すように、追従可能位置は、ジブ先端部17aよりも前後方向X外側の位置を含んでもよい。
【0105】
例えば、追従可能位置は、
図7に示すジブ先端部17aの近傍の位置が好ましい。さらに詳しくは、ジブ先端部17aと台車60との距離が大きすぎる場合は、次の問題が生じ得る。この場合、巻上ロープ25の自重により、例えば台車60がジブ先端部17aに近づく向きに移動し、巻上ロープ25が垂れ下がり、巻上ロープ25が接地する可能性がある。そこで、追従可能位置は、巻上ロープ25が接地する問題を抑制できるようにジブ先端部17aの近傍の位置に設定されることが好ましい。
【0106】
(追従可能位置への配置方法)
ジブ先端部17aに対する台車60の位置は、例えば次のように追従可能位置とされる。ジブ先端部17aが接地したとき(ステップS57のとき)に、ブーム13下げが停止させられ、ジブ先端部17aに対する台車60の位置が追従可能位置に調整されてもよい。また、ジブ先端部17aの接地前(
図4参照)(ステップS57よりも前)に、台車60が、追従可能位置に配置されてもよい。この場合、ジブ先端部17aに対する台車60の位置が、上記の接触回避位置とされるとき(ステップS41のとき)に、追従可能位置に配置されてもよい。この場合、ジブ先端部17aの接地前に、ジブ先端部17aに対する台車60の位置が接触回避位置とされることで、ジブ先端部17aの接地後には、ジブ先端部17aに対する台車60の位置が追従可能位置となる。よって、ジブ先端部17aの接地後にフック23および台車60の位置調整(再調整)が行われる必要が無い。この場合は、ジブ先端部17aの接地後に速やかに、フック23および台車60をジブ先端部17aの移動に追従させることができる。
【0107】
(フック23取り外し作業)
クレーン装置1では、巻上ロープ25から(ジブ先端部17aから)フック23を取り外す作業(フック23取り外し作業、フック取り外しステップ)が行われる。フック23取り外し作業が行われるとき、台車60は、地面Gに対する移動を制限する状態(ブレーキ状態)とされることが好ましい。フック23取り外し作業が行われるときの台車60の位置は、様々に選択可能である。フック23取り外し作業が行われるときの、ジブ先端部17aの位置、および、ジブ先端部17aが接地しているか否かは、様々に選択可能である。
【0108】
[例F1]フック23取り外し作業は、
図7および
図8に示すように、ジブ先端部17aが接地した状態で行われることが好ましい。さらに詳しくは、
図4に示すようにジブ先端部17aが接地していない状態(地面Gから浮いた状態)でフック23取り外し作業が行われる場合は、作業者は、クレーン10の安定度に気を使いながら、時間のかかるフック23取り外し作業を行う必要がある。一方、
図7および
図8に示すように、ジブ先端部17aが接地した状態でフック23取り外し作業が行われる場合、クレーン10が安定した状態で、作業者がフック23取り外し作業を行うことができる。よって、クレーン10の安定度に気を使いながら作業者が作業することを抑制することができる。
【0109】
[例F1-1]
図7に示すように、フック23取り外し作業は、ジブ先端部17aが接地し、ジブ先端部17aが前進していない状態(接地直後のジブ先端位置P17a-1にある状態)で行われてもよい。
【0110】
[例F1-2]
図8に示すように、フック23取り外し作業は、接地直後のジブ先端部17aのジブ先端位置P17a-1よりも前側X1にジブ先端部17aが配置された状態(前進後のジブジブ先端位置P17a-2に配置された状態)で行われてもよい。[例F1-2a]フック23取り外し作業は、ジブ先端部17aが接地し、アタッチメントA全体の降下が完了していない状態(ジブ先端部17aが前進途中のジブ先端位置P17a-2aにある状態)で行われてもよい。[例F1-2b]フック23取り外し作業は、ジブ先端部17aが接地し、アタッチメントA全体の降下が完了し、ジブ先端部17aが最も前側X1に移動した状態(前進完了後のジブ先端位置P17a-2bにある状態)で行われてもよい。
【0111】
[例F2]なお、フック23取り外し作業は、ジブ先端部17aが接地していない状態で行われてもよい。例えば、
図4に示すジブ先端部17aの降下が行われ、ジブ先端部17aが地面Gに接近し、接地はしていない状態で、フック23取り外し作業が行われてもよい。
【0112】
(フック23取り外し作業の後の台車60)
フック23取り外し作業が行われると、
図7に示すフック23は、巻上ロープ25が外された状態で(ジブ先端部17aとの縁が切れた状態で)、台車60に載せられた状態になる。例えば、この状態で、台車60およびフック23の少なくともいずれかは、移動させられてもよく、例えばジブ17から(アタッチメントAから)離れるように移動させられてもよい。例えば、台車60およびフック23の少なくともいずれかは、作業者の手作業により移動させられてもよく、図示しない運搬車両(例えばフォークリフトなど)により移動させられてもよい。台車60は、自走してもよく、牽引されてもよく、押されてもよい。台車60およびフック23が移動させられる場合は、台車60とフック23とが、一体的に移動させられてもよく、別々に移動させられてもよい。
【0113】
なお、アタッチメントA降下作業が行われる場合に、フック23取り外し作業が行われなくてもよい。例えば、ジブ先端部17aにフック23が取り付けられたままアタッチメントAが降下させられ、ジブ先端部17aにフック23が取り付けられたままアタッチメントAが起こされ、例えばクレーン10が作業姿勢(
図1参照)にされてもよい。
【0114】
(ジブ先端部17aに追従する台車60の走行(ステップS55、S73))
ジブ先端部17aが移動するとき、台車60は、アタッチメントAの先端部(この例ではジブ先端部17a)に追従するように走行する。この追従走行を、ジブ先端追従ステップ(アタッチメント先端追従ステップ)(ステップS55、S73)ともいう。台車制御部55(
図2参照)は、ジブ先端部17aに追従するように台車60の走行を制御する、ジブ先端追従制御(アタッチメント先端追従制御)を行う。
【0115】
ジブ先端追従制御が行われるタイミングは、例えば次の通りである。[例G1]台車制御部55(
図2参照)は、
図4に示すように、ジブ先端部17aが接地していない状態で、ジブ先端追従制御を行ってもよい。さらに詳しくは、台車制御部55は、ジブ先端部17aが接地していない状態であることをジブ先端接地状態取得部43(
図2参照)が取得しているときに、ジブ先端追従制御を行ってもよい。具体的には例えば、台車制御部55は、ジブ先端部17aの降下中に、ジブ先端追従制御を行ってもよい。台車制御部55は、ジブ先端部17aの上昇中(上側Z1への移動中)に、ジブ先端追従制御を行ってもよい。[例G2]台車制御部55は、
図7に示すように、ジブ先端部17aが接地している状態で、ジブ先端追従制御を行ってもよい。さらに詳しくは、台車制御部55は、ジブ先端部17aが接地している状態であることをジブ先端接地状態取得部43(
図2参照)が取得しているときに、ジブ先端追従制御を行ってもよい。具体的には例えば、台車制御部55は、ジブ先端部17aの前進中に、ジブ先端追従制御を行ってもよい。台車制御部55は、ジブ先端部17aの後進中(後側X2への移動中)に、ジブ先端追従制御を行ってもよい。
【0116】
ジブ先端追従制御での、ジブ先端部17aへの台車60の追従は、例えば次のように行われる。[例H1]台車制御部55(
図2参照)は、台車位置情報取得部45(
図2参照)に取得されたジブ先端部17aに対する台車60の相対位置が、所定の相対位置範囲内となるように台車60の走行を制御してもよい。上記の相対位置範囲は、台車制御部55に設定される。例えば、台車制御部55は、ジブ先端部17aに対する台車60の水平方向における相対位置が相対位置範囲内となるように台車60の走行を制御する。そして、ジブ先端部17aに対する台車60の水平方向における相対位置が変化した場合(例えば相対位置の変化量が所定の変化量範囲よりも大きい場合)に、変化前の相対位置を維持するように、台車60の走行を制御する。[例H2]台車制御部55は、ジブ先端部17aを移動させる操作であってアタッチメント操作部33によるアタッチメントAの操作(手動操作または自動操作)に基づいて台車60の走行を制御してもよい。この場合、台車制御部55は、アタッチメントAの操作と、台車60の走行と、を連動させる。アタッチメントAの操作が手動操作の場合、クレーン10の操作者は、アタッチメントAの操作を行えば、台車60の走行も操作することができる。
【0117】
台車制御部55(
図2参照)のジブ先端追従制御での台車60の制御の内容は、例えば次の通りである。[例I1]台車制御部55は、台車60を走行させるか否かを制御してもよい。[例I1a]具体的には例えば、ジブ先端部17aに対する台車60の相対位置の変化量が所定の変化量範囲よりも大きい場合に、台車制御部55は、台車60を走行させてもよい。また、ジブ先端部17aに対する台車60の相対位置の変化量が所定の変化量範囲内である場合に、台車制御部55は、台車60を停止させてもよい。
【0118】
[例I1b]また、例えば、台車制御部55(
図2参照)は、アタッチメントAの操作が行われているときに台車60を走行させ、アタッチメントAの操作が行われていないときに台車60を停止させてもよい。例えば、台車制御部55は、ジブ先端部17aが停止したときに、台車60の走行を停止させてもよい。さらに詳しくは、ジブ先端部17aが地面Gに対して停止したことがジブ先端位置情報取得部41(
図2参照)に取得されたときに、台車60の走行を停止させてもよい。例えば、ジブ先端部17aの水平方向への移動(例えば前進)が停止したときに、台車制御部55は、台車60の走行を停止させてもよい。例えば、ジブ先端部17aの上下方向Zへの移動(例えば降下)が停止したときに、台車制御部55は、台車60の走行を停止させてもよい。台車制御部55が台車60を停止させることで、台車60がジブ先端部17aに近づき過ぎることが抑制され、台車60がジブ先端部17aに接触することが抑制される。この場合、ジブ先端部17a、台車60、および台車60に載せられたフック23の少なくともいずれかの損傷を抑制することができる。また、台車制御部55が台車60を停止させることで、台車60がジブ先端部17aから離れすぎることが抑制される。この場合、台車60が無駄な走行をすることを抑制することができる。また、この場合、巻上ロープ25が垂れて接地することが抑制されてもよく、台車60からフック23が脱落することが抑制できてもよい。
【0119】
[例J2]台車制御部55(
図2参照)は、上記[例J1]以外の、台車60の走行速度を制御してもよい。台車制御部55は、台車60の走行速度の向き(走行方向)を制御してもよく、台車60の走行速度の大きさを制御してもよい。台車制御部55は、ジブ先端部17aの移動速度に基づいて、台車60の走行速度を制御してもよい。台車制御部55は、アタッチメント操作部33(
図2参照)の操作(手動操作または自動操作)の内容(操作方向、量など)に基づいて、台車60の走行速度を制御してもよい。
【0120】
(アタッチメントA引き起こし作業)
接地したアタッチメントAを引き起こす作業(アタッチメントA引き起こし作業)は、アタッチメントA降下作業とは逆または略逆の手順により行われる。
【0121】
アタッチメントA引き起こし作業において、巻上ロープ25にフック23を取り付ける作業(フック取付作業)が行われる場合がある。この場合、台車60は、フック取付作業が行われる位置(フック取り付け作業位置)に台車60が配置されてもよい。フック取付作業位置は、フック取付作業が行われるときの台車60の位置である。フック取付作業位置は、フック取付作業を作業者が容易に行えるような位置に設定されることが好ましい。例えば、フック取付作業位置は、ジブ先端部17aの近傍かつジブ先端部17aの周囲などに設定される。具体的には例えば、フック取付作業位置は、ジブ先端部17aに対して水平方向の外側(横方向Y外側および前後方向X外側の少なくともいずれか)にずれた位置である。例えば、フック取付作業が行われる前に、台車60は、フック取付作業位置に移動する。
【0122】
フック取付作業は、フック取り外し作業と同様に、様々なタイミングで行うことができる。例えば、フック取付作業は、ジブ先端部17aが接地している状態で行われてもよい。フック取付作業は、
図4に示すように、ジブ先端部17aが接地していない状態(地切りした状態)で行われてもよい。フック取付作業は、ジブ先端部17aが接地していない状態(地切りした状態)で行われ、かつ、自動操作により台車60がフック取付作業位置に走行する場合は、台車制御部55(
図2参照)は、次のように台車60の走行を制御する。ジブ先端部17aが地切りされると、ジブ先端接地状態取得部43(
図2参照)が、ジブ先端部17aが接地している状態から接地していない状態に変化したことを取得する。このとき、台車制御部55は、ジブ先端部17aの周囲の所定位置(フック取付作業位置)に台車60が配置されるように、台車60を走行させる。
【0123】
(検討)
上記実施形態では、ジブ先端部17aの降下時に、巻上ウインチ27により巻上ロープ25が巻き取られた(ステップS53)。一方、ジブ先端部17aの降下時に、巻上ロープ25が巻き取られない場合は、巻上ロープ25が接地する(例えばコイル状に、とぐろを巻くような形で接地する)問題がある。さらに、巻上ロープ25が接地した状態で、接地したジブ先端部17aが前進すると、巻上ロープ25が引きずられる。そのため、巻上ロープ25が損傷する問題がある(詳細は上述)。また、ジブ先端部17aが前進し、巻上ロープ25がたるんだ状態から直線状に変わる(延びる)と、フック23が引きずられ、フック23が損傷する問題がある。
【0124】
また、上記実施形態では、ジブ先端部17aに台車60が追従して移動した(ステップS55、S73)ので、ジブ先端部17aの近傍でフック23取り外し作業を行うことが可能であった。一方、巻上ロープ25からフック23を取り外す作業が行われる位置が、ジブ先端部17aから遠い位置である場合は、次の問題が生じ得る。この場合、巻上ロープ25からフック23が取り外された後、巻上ウインチ27が巻上ロープ25を巻き取ると、巻上ロープ25が地面Gで引きずられる問題がある。
【0125】
また、上記実施形態では、フック23が、台車60に載せられた状態(ステップS33)で移動可能であった。一方、フック23が、台車60に載せられず、図示しない運搬車両(例えばフォークリフトなど)で移動させられる場合は、運搬車両が必要になる。そのため、クレーン10の作業現場に運搬車両が無い場合には、アタッチメントA降下作業を行えない、または、フック23および巻上ロープ25を接地させたり引きずったりする問題が生じてしまう。また、クレーン10の作業現場に運搬車両があっても、運搬車両の運転手がいない場合には、同様の問題が生じてしまう。また、クレーン10が手動操作される場合は、クレーン10の操作者とは別に、運搬車両の運転手が必要になる。
【0126】
なお、クレーン装置1では、上記の問題の一部のみが解決されてもよい。
【0127】
(第1の発明の効果)
図4に示すクレーン装置1による効果は、次の通りである。クレーン装置1は、クレーン本体11と、アタッチメントAと、巻上ロープ25と、フック23と、台車60と、ジブ先端位置情報取得部41(
図2参照)(アタッチメント先端位置情報取得部)と、台車制御部55(
図2参照)と、を備える。アタッチメントAは、クレーン本体11に起伏可能に取り付けられる。巻上ロープ25は、ジブ先端部17a(アタッチメントAの先端部)に取り付けられる。フック23は、ジブ先端部17aから巻上ロープ25を介して吊り下げられることが可能である。台車60は、フック23が載せられ、自走可能である。ジブ先端位置情報取得部41(
図2参照)は、ジブ先端部17aの位置に関するジブ先端位置情報(アタッチメント先端位置情報)を取得する。
【0128】
[構成1]台車制御部55(
図2参照)は、ジブ先端位置情報取得部41(
図2参照)に取得されたジブ先端位置情報に基づいて、ジブ先端部17aに追従するように台車60の走行を制御するジブ先端追従制御を行う(ステップS55、S73参照)。
【0129】
上記[構成1]により、フック23が台車60に載せられた状態で、ジブ先端部17aに追従して台車60を走行させることができる。よって、フック23が接地することを抑制することができ、また、フック23に取り付けられた巻上ロープ25が接地することを抑制することができる。
【0130】
台車60は、自走可能である。よって、ジブ先端部17aに対する台車60の相対位置の自由度を確保することができる。例えば、ジブ先端部17aに台車60を追従させるために、ジブ先端部17aを支持するジブ先端支持台車と、フック23を支持する台車60と、を接続する必要はない。
【0131】
(第2の発明の効果)
[構成2]クレーン装置1は、台車位置情報取得部45(
図2参照)を備える。台車位置情報取得部45は、台車60の位置に関する台車位置情報を取得する。台車位置情報は、ジブ先端部17aに対する台車60の相対位置の情報を含む。台車制御部55は、台車位置情報取得部45に取得された相対位置が、台車制御部55に設定された相対位置範囲内となるように、ジブ先端追従制御(アタッチメント先端追従制御)を行う。
【0132】
上記[構成2]により、ジブ先端部17aに対する台車60の相対位置を、台車制御部55に設定された相対位置範囲内に収めることができる。よって、相対位置範囲が適切な範囲に設定されることで、ジブ先端部17aに対して台車60が離れすぎることを抑制でき、巻上ロープ25の接地を確実に抑制することができる。また、相対位置範囲が適切な範囲に設定されることで、ジブ先端部17aに対して台車60が近すぎることを抑制でき、ジブ先端部17aへの台車60の接触を抑制することができる。
【0133】
(第3の発明の効果)
[構成3]クレーン装置1は、ジブ先端部17aを移動させるための操作が行われるアタッチメント操作部33(
図2参照)を備える。台車制御部55は、アタッチメント操作部33の操作に基づいて、ジブ先端追従制御を行う。
【0134】
上記[構成3]により、アタッチメント操作部33の操作と台車60の走行の制御とを連動させることができる。よって、ジブ先端部17aおよび台車60の位置の座標が取得(算出や検出)されなくても、アタッチメント操作部33の操作に基づいて台車60の走行を制御することができる。また、アタッチメント操作部33の操作が手動操作である場合は、クレーン10の操作者は、ジブ先端部17aを移動させるための操作をすることで、台車60の走行も操作することができる。よって、ジブ先端部17aの移動および台車60の走行の操作を、操作者に容易に行わせることができる。
【0135】
(第4の発明の効果)
[構成4]台車制御部55(
図2参照)は、フック取付作業位置に台車60が配置されるように台車60の走行を制御する(自動操作する)。フック取付作業位置は、巻上ロープ25にフック23を取り付ける作業(フック取付作業)が行われる位置である。
【0136】
上記[構成4]では、台車60にフック23が載せられた状態で、フック取付作業位置に台車60が配置された場合は、フック23をフック取付作業位置に自動的に配置することができる。よって、作業者に、フック取付作業を容易に行わせることができる。上記[構成4]では、フック取付作業位置に台車60を自走させることができる。よって、取付作業位置に台車60を手作業で移動させる作業が不要である。また、取付作業位置に台車60を、運搬車両(例えばフォークリフトなど)により移動させる作業が不要である。
【0137】
(第5の発明の効果)
[構成5]クレーン装置1は、ジブ先端部17aの接地状態を取得するジブ先端接地状態取得部43(アタッチメント先端接地状態取得部)(
図2参照)を備える。台車制御部55(
図2参照)は、ジブ先端部17aが接地している状態から接地していない状態に変化したこと(地切り)がジブ先端接地状態取得部43に取得されたときに、次の制御を行う。このとき、台車制御部55は、フック取付作業位置(上記[構成4]参照)に台車60が配置されるように台車60の走行を制御する(自動操作する)。
【0138】
上記[構成5]により、ジブ先端部17aの地切り時に、フック取付作業位置に台車60を自動的に配置することができる。よって、ジブ先端部17aの地切り時に、作業者に、フック取付作業を容易に行わせることができる。
【0139】
(第6の発明の効果)
クレーン装置1は、台車位置情報取得部45(
図2参照)と、巻上ウインチ27と、巻上ウインチ制御部53(
図2参照)と、を備える。台車位置情報取得部45は、台車60の位置に関する台車位置情報を取得する。巻上ウインチ27は、巻上ロープ25の巻き取りおよび繰り出しを行う。巻上ウインチ制御部53は、巻上ウインチ27の作動を制御する。
【0140】
[構成6]巻上ウインチ制御部53(
図2参照)が巻上ウインチ27にフック23を巻き下げ(ステップS31)させる条件は、ジブ先端部17aの真下に台車60があること(ステップS23)が台車位置情報取得部45(
図2参照)に取得されたことを含む。
【0141】
上記[構成6]により、フック23が巻き下げられたときに、フック23を台車60に確実に載せることができる。よって、フック23が接地することを抑制することができる。また、フック23に取り付けられた巻上ロープ25が接地することを抑制することができる。
【0142】
(第7の発明の効果)
クレーン装置1は、台車位置情報取得部45(
図2参照)と、アタッチメント制御部51(
図2参照)と、を備える。台車位置情報取得部45は、台車60の位置に関する台車位置情報を取得する。アタッチメント制御部51は、アタッチメントAを制御する。
【0143】
[構成7]台車60にフック23が載せられた状態で、アタッチメント制御部51(
図2参照)がジブ先端部17aを降下させる(ステップS51)条件は、接触回避位置に台車60があることが台車位置情報取得部45(
図2参照)に取得されたことを含む。上記「接触回避位置」(ステップS41参照)は、ジブ先端部17aが接地したときに、ジブ先端部17aの周囲の位置になると予測される位置である。
【0144】
上記[構成7]では、台車60が接触回避位置に配置された状態で、ジブ先端部17aを降下させることができる。よって、ジブ先端部17aが地面Gに接近したとき、および接地したときの、ジブ先端部17aと台車60との接触を抑制することができる。
【0145】
(第8の発明の効果)
クレーン装置1は、巻上ウインチ27と、巻上ウインチ制御部53(
図2参照)と、フック搭載状態取得部47(
図2参照)と、を備える。巻上ウインチ27は、巻上ロープ25の巻き取りおよび繰り出しを行う。巻上ウインチ制御部53は、巻上ウインチ27の作動を制御する。フック搭載状態取得部47は、フック23の台車60への搭載の状態を取得する。
【0146】
[構成8]巻上ウインチ制御部53(
図2参照)は、次の条件αが満たされたときに、巻上ウインチ27にフック23の巻き下げを停止させる(ステップS59)。上記「条件α」は、巻上ウインチ27にフック23を巻き下げさせている状態で、フック23が台車60に搭載されていない状態から搭載された状態に変化したことがフック搭載状態取得部47に取得されたことである。
【0147】
上記[構成8]では、フック23が巻き下げられ、フック23が台車60に載ったときに、巻上ウインチ27にフック23の巻き下げを停止(自動停止)させることができる。よって、巻上ウインチ27による巻上ロープ25の繰出しが過剰になることを抑制することができる。よって、巻上ロープ25が垂れ下がることを抑制することができ、巻上ロープ25が接地することを抑制することができる。
【0148】
(第9の発明の効果)
クレーン装置1は、巻上ウインチ27と、巻上ウインチ制御部53(
図2参照)と、を備える。巻上ウインチ27は、巻上ロープ25の巻き取りおよび繰り出しを行う。巻上ウインチ制御部53は、巻上ウインチ27の作動を制御する。
【0149】
[構成9-1]巻上ウインチ制御部53(
図2参照)は、ジブ降下時巻上制御(アタッチメント降下時巻上制御)を行う(ステップS53)。ジブ降下時巻上制御は、ジブ先端部17aが降下するときに、巻上ウインチ27に巻上ロープ25を巻き取らせる制御である。
【0150】
[構成9-2]
巻上ウインチ制御部53(
図2参照)は、ジブ先端位置情報取得部41に取得されたジブ先端位置情報に基づいて、ジブ降下時巻上制御を行う。
【0151】
上記[構成9-1]により、ジブ先端部17aが降下するときに、巻上ロープ25が巻き取られる。よって、巻上ロープ25が垂れ下がることを抑制でき、巻上ロープ25が接地することを抑制することができる。
【0152】
上記[構成9-2]では、降下するジブ先端部17aに関するジブ先端位置情報に基づいて、巻上ロープ25を巻き取ることができるので、巻上ロープ25の巻き取りが、過剰または不十分となることを抑制することができる。巻上ロープ25の巻き取りが過剰になることを抑制できるので、フック23が台車60から浮く(巻上ロープ25に吊り上げられる)ことを抑制することができる。また、巻上ロープ25の巻き取りが過剰になることを抑制できるので、フック23が台車60から外れ、台車60から落下することを抑制することができる。また、巻上ロープ25の巻き取りが不十分になることを抑制できるので、巻上ロープ25が垂れ下がることを抑制することができ、巻上ロープ25が接地することを抑制することができる。
【0153】
(第10の発明の効果)
クレーン装置1は、巻上ウインチ27と、巻上ウインチ制御部53(
図2参照)と、台車位置情報取得部45(
図2参照)と、を備える。巻上ウインチ27は、巻上ロープ25の巻き取りおよび繰り出しを行う。巻上ウインチ制御部53は、巻上ウインチ27の作動を制御する。
【0154】
[構成10-1]台車位置情報取得部45は、台車60の位置に関する台車位置情報を取得する。台車位置情報は、ジブ先端部17aに対する台車60の相対位置の情報を含む。
【0155】
[構成10-2]巻上ウインチ制御部53(
図2参照)は、ジブ降下時巻上制御を行う(ステップS53)。ジブ降下時巻上制御は、ジブ先端部17aが降下するときに、巻上ウインチ27に巻上ロープ25を巻き取らせる制御である。
【0156】
[構成10-3]巻上ウインチ制御部53(
図2参照)は、台車位置情報取得部45に取得されたジブ先端部17aから台車60までの距離に基づいて、ジブ降下時巻上制御を行う。
【0157】
上記[構成10-2]により、ジブ先端部17aが降下するときに、巻上ロープ25が巻き取られる。よって、巻上ロープ25が垂れ下がることを抑制でき、巻上ロープ25が接地することを抑制することができる。
【0158】
上記[構成10-1]および[構成10-3]により、巻上ロープ25の巻き取りが過剰または不十分になることを抑制することができる(上記[構成9-2]による効果と同様)。
【0159】
(第11の発明の効果)
[構成11]巻上ウインチ制御部53は(
図2参照)、ジブ降下時巻上制御(上記[構成9-2]、[構成10-2]参照)において、ジブ先端部17aの地面Gからの高さが所定の巻取停止高さになったときに、巻上ウインチ27の作動を停止させる。
【0160】
上記[構成11]により、ジブ先端部17aの地面Gからの高さが所定の巻取停止高さになったときに、巻上ウインチ27の作動が停止(自動停止)する。よって、巻上ウインチ27が巻上ロープ25を巻き取り続け、巻上ロープ25の巻き取りが過剰となることを抑制することができる。
【0161】
(第12の発明の効果)
クレーン装置1は、ジブ先端部17aの接地状態を取得するジブ先端接地状態取得部43(
図2参照)を備える。
【0162】
[構成12]巻上ウインチ制御部53(
図2参照)は、ジブ降下時巻上制御(上記[構成12]参照)において、
図7に示すジブ先端部17aが接地したことがジブ先端接地状態取得部43(
図2参照)に取得されたときに、巻上ウインチ27の作動を停止させる。
【0163】
上記[構成12]により、ジブ先端部17aが接地したときに、巻上ウインチ27の作動が停止(自動停止)する。よって、ジブ17が接地したにもかかわらず巻上ウインチ27が巻上ロープ25を巻き取り続けることがない。よって、巻上ロープ25の巻き取りが過剰となることを抑制することができる。
【0164】
(第13の発明の効果)
クレーン装置1は、ブーム13と、ジブ17と、ブーム起伏制御部51a(
図2参照)と、ジブ先端接地状態取得部43(
図2参照)と、台車位置情報取得部45(
図2参照)と、を備える。ブーム13は、アタッチメントAの一部であり、クレーン本体11に起伏可能に取り付けられる。ジブ17は、アタッチメントAの一部であり、ブーム13に起伏可能に取り付けられる。ブーム起伏制御部51aは、ブーム13の起伏を制御する。ジブ先端接地状態取得部43は、ジブ先端部17aの接地状態を取得する。台車位置情報取得部45は、台車60の位置に関する台車位置情報を取得する。台車位置情報は、ジブ先端部17aに対する台車60の相対位置の情報を含む。
【0165】
[構成13]ジブ先端部17aが接地したことがジブ先端接地状態取得部43(
図2参照)に取得されているときに、ブーム起伏制御部51a(
図2参照)がブーム13を下げさせる条件は、次の条件βを含む。条件βは、ジブ先端部17aの周囲の追従可能位置に台車60があることが台車位置情報取得部45(
図2参照)に取得されたことである(ステップS61参照)。
【0166】
上記[構成13]により、ジブ先端部17aが接地した状態でブーム13を下げる際に(ジブ先端部17aの前進時に)、台車60を適切にジブ先端部17aに追従させることができる。追従可能位置が適切に設定された場合、ジブ先端部17aの前進時に台車60がジブ先端部17aと接触することを抑制することができ、また、ジブ先端部17aから台車60が離れすぎることを抑制することができる。
【0167】
(第14の発明の効果)
本実施形態のアタッチメントA降下引き起こし方法による効果は、次の通りである。アタッチメントA降下引き起こし方法は、
図4に示すクレーン10に用いられる。クレーン10は、クレーン本体11と、アタッチメントAと、巻上ロープ25と、フック23と、を備える。アタッチメントAは、クレーン本体11に起伏可能に取り付けられる。巻上ロープ25は、ジブ先端部17a(アタッチメントAの先端部)に取り付けられる。フック23は、ジブ先端部17aから巻上ロープ25を介して吊り下げられることが可能である。フック23は、自走可能な台車60に載せられる場合がある。アタッチメントA降下引き起こし方法は、ジブ先端位置情報取得ステップ(アタッチメント先端位置情報取得ステップ)と、ジブ先端追従ステップ(アタッチメント先端追従ステップ)と、を備える。
【0168】
[構成14]ジブ先端位置情報取得ステップは、ジブ先端部17aの位置に関するジブ先端位置情報を取得する。ジブ先端追従ステップは、ジブ先端位置情報取得ステップで取得されたジブ先端位置情報に基づいて、ジブ先端部17aに追従するように台車60の走行を制御する。
【0169】
上記[構成14]により、上記「(第1の発明の効果)」と同様の効果が得られる。
【0170】
(変形例)
上記実施形態は様々に変形されてもよい。例えば、上記実施形態の構成要素(変形例を含む)の数が変更されてもよく、構成要素の一部が設けられなくてもよい。例えば、上記実施形態の変形例どうしが様々に組み合わされてもよい。例えば、構成要素どうしの固定や連結などは、直接的でも間接的でもよい。例えば、
図2に示す各構成要素の接続は変更されてもよい。例えば、各構成要素の配置は様々に変更されてもよい。例えば、構成要素の包含関係は様々に変更されてもよく、ある上位の構成要素に含まれる下位の構成要素として説明したものが、この上位の構成要素に含まれなくてもよく、他の構成要素に含まれてもよい。例えば、互いに異なる複数の部材や部分として説明したものが、一つの部材や部分とされてもよい。例えば、一つの部材や部分として説明したものが、互いに異なる複数の部材や部分に分けて設けられてもよい。例えば、各種パラメータ(例えば位置や張力の範囲など)は、コントローラ50などに予め設定されてもよく、作業者の手動操作により直接的に設定されてもよい。例えば、各種パラメータは、変えられなくてもよく、手動操作により変えられてもよく、何らかの条件に応じてコントローラ50などが自動的に変えてもよい。例えば、各構成要素は、各特徴(作用機能、配置、形状、作動など)の一部のみを有してもよい。
【0171】
例えば、上記実施形態において自動操作により行われたこと(制御されたこと)が、手動操作により行われる場合があってもよい。例えば、上記実施形態において情報取得部40により取得された情報が、作業者の目視などによって確認される場合があってもよい。
【符号の説明】
【0172】
1 クレーン装置
10 クレーン
11 クレーン本体
13 ブーム(アタッチメント)
17 ジブ(アタッチメント)
23 フック
25 巻上ロープ
27 巻上ウインチ
33 アタッチメント操作部
41 ジブ先端位置情報取得部(アタッチメント先端位置情報取得部)
43 ジブ先端接地状態取得部(アタッチメント先端接地状態取得部)
45 台車位置情報取得部
47 フック搭載状態取得部
51 アタッチメント制御部
51a ブーム起伏制御部
53 巻上ウインチ制御部
55 台車制御部
60 台車
A アタッチメント