(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024061267
(43)【公開日】2024-05-07
(54)【発明の名称】情報処理装置および情報処理方法
(51)【国際特許分類】
G06Q 30/0207 20230101AFI20240425BHJP
G06Q 50/10 20120101ALI20240425BHJP
【FI】
G06Q30/02 320
G06Q50/10
【審査請求】未請求
【請求項の数】10
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022169114
(22)【出願日】2022-10-21
(71)【出願人】
【識別番号】000237592
【氏名又は名称】株式会社デンソーテン
(74)【代理人】
【識別番号】110001933
【氏名又は名称】弁理士法人 佐野特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】松井 涼
(72)【発明者】
【氏名】田中 真一
(72)【発明者】
【氏名】西山 奈津美
(72)【発明者】
【氏名】盛林 敏之
【テーマコード(参考)】
5L030
5L049
5L050
【Fターム(参考)】
5L030BB07
5L049BB07
5L049CC11
5L050CC11
(57)【要約】
【課題】クーポン等の特典の提供に適した技術を提供する。
【解決手段】例示的な本発明の情報処理装置は、処理部を備える。前記処理部は、特典を利用可能な場所の混雑状況を示す混雑情報と、前記特典の利用を希望するユーザ及び前記ユーザの同伴者に関する情報を含むユーザ情報とを取得する。前記処理部は、前記混雑情報と前記ユーザ情報とに基づき、前記特典の付与対象を決定する抽選の当選確率を調整する。
【選択図】
図7
【特許請求の範囲】
【請求項1】
処理部を備える情報処理装置であって、
前記処理部は、
特典を利用可能な場所の混雑状況を示す混雑情報と、前記特典の利用を希望するユーザ及び前記ユーザの同伴者に関する情報を含むユーザ情報とを取得し、
前記混雑情報と前記ユーザ情報とに基づき、前記特典の付与対象を決定する抽選の当選確率を調整する、
情報処理装置。
【請求項2】
前記ユーザがグループに属する場合、前記特典の付与対象は、当該グループの全員である、請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項3】
前記処理部は、前記ユーザが属するグループの属性又はグループ員の属性に基づき前記当選確率を調整する、請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項4】
前記ユーザ情報には、前記ユーザの画像情報および位置情報が含まれ、
前記処理部は、前記画像情報および前記位置情報に基づいて前記同伴者の推定を行う、請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項5】
前記処理部は、前記混雑情報から前記場所が混雑していないと判定される場合に、前記同伴者が存在しない前記ユーザに比べて、前記同伴者が存在する前記ユーザの前記当選確率を高くする、請求項1から4のいずれか1項に記載の情報処理装置。
【請求項6】
前記処理部は、グループに属する前記ユーザについて、前記グループの代表者である場合に前記抽選の対象者とし、前記グループの代表者でない場合には前記抽選の対象から除く、請求項1から4のいずれか1項に記載の情報処理装置。
【請求項7】
前記混雑情報は、前記特典を利用可能な場所に設置されるセンサから得られる情報である、請求項1から4のいずれか1項に記載の情報処理装置。
【請求項8】
前記混雑情報は、前記特典を利用可能な場所に存在する人が入力する情報である、請求項1から4のいずれか1項に記載の情報処理装置。
【請求項9】
前記特典を利用可能な場所は、前記ユーザが参加するイベントの開催に応じて前記特典を提供する施設を含む、請求項1から4のいずれか1項に記載の情報処理装置。
【請求項10】
特典を利用可能な場所の混雑状況を示す混雑情報と、前記特典の利用を希望するユーザ及び前記ユーザの同伴者に関する情報を含むユーザ情報とに基づき当選確率を調整して行った前記特典の抽選結果を前記ユーザに対して通知する処理を、装置が実行する情報処理方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、クーポン等の特典を提供する技術に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、順番待ちをする利用者にクーポンを発行するクーポン発行システムが開示される。当該クーポン発行システムは、入力部と、生成部と、記憶部と、選択部と、発行部とを具備する。入力部は、順番待ちの新規登録を受け付ける。生成部は、新規登録の受付内容に基づき、新規登録情報を生成する。記憶部は、クーポンの利用が可能な各施設のクーポン情報を記憶する。選択部は、新規登録情報に基づいてクーポン情報を選択する。発行部は、選択されたクーポン情報を、利用者に発行する。
【0003】
特許文献1に開示されるクーポン発行システムにおいては、クーポン発行サーバが自動的にお薦めのクーポンを選択する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、ライブやスポーツ観戦等のイベントの終了後においては、イベント会場からの退場者によって、イベント会場の周辺が混雑する。混雑緩和のために、イベント会場の周辺に存在する店舗等の施設で利用できるクーポンを提供して人流を誘導することが考えられる。特許文献1のようにお薦めのクーポンをシステムが自動的に選択してユーザに付与する場合、例えば、提供されたクーポンがユーザの好みに合わない等の理由で利用さない可能性がある。この結果、クーポンを利用した人流の誘導という目的が達成されない可能性がある。
【0006】
一方で、ユーザ自身がクーポンを選択する構成とすると、人気のクーポンを提供する場所に人が集中する可能性がある。すなわち、クーポンを用いた人流の誘導が原因となって、かえって混雑が生じる可能性がある。このような混雑の発生を避けるために、クーポン等の特典を抽選方式でユーザに付与することが考えられる。特典を抽選方式でユーザに提供する場合において、人流の誘導による混雑緩和の効果を適切に得られる仕組みが望まれる。
【0007】
本発明は、上述の点に鑑み、クーポン等の特典の提供に適した技術を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
例示的な本発明の情報処理装置は、処理部を備える。前記処理部は、特典を利用可能な場所の混雑状況を示す混雑情報と、前記特典の利用を希望するユーザ及び前記ユーザの同伴者に関する情報を含むユーザ情報とを取得する。前記処理部は、前記混雑情報と前記ユーザ情報とに基づき、前記特典の付与対象を決定する抽選の当選確率を調整する。
【発明の効果】
【0009】
例示的な本発明によれば、特典を抽選方式でユーザに提供する場合において、人流の誘導による混雑緩和の効果を適切に得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図4】施設情報データベースに含まれる施設情報の一例を示す図
【
図5】ユーザ情報データベースに含まれるユーザ情報の一例を示す図
【
図6】特典情報データベースに含まれる特典情報の一例を示す図
【
図7】情報処理方法の流れを例示するフローチャート
【
図8】特典への応募を行うユーザ端末の画面の一例を示す図
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、本発明の例示的な実施形態について、図面を参照しながら詳細に説明する。
【0012】
<1.情報処理システムの概要>
図1は、本発明の実施形態に係る情報処理システム100の概略の構成を示す図である。情報処理システム100は、特典の利用を希望するユーザに対して特典を付与するシステムである。すなわち、情報処理システム100は、特典付与システムとも言える。なお、特典は、商品の販売やサービスの利用の促進を図るために配布されるものである。特典は、例えば、店舗等の施設で利用可能なクーポンである。クーポンは、例えば、引換券、割引券、優待券等である。特典は、施設ごとに提供される。すなわち、情報処理システム100で扱われる特典の種類は多種類であってよい。また、1つの施設が多種類の特典を提供してもよい。
【0013】
本実施形態では、情報処理システム100は、詳細には、イベント会場から退場する人の流れを制御するシステム(人流制御システム)に適用される。特典は、人流の誘導を目的として提供される。特典を受け取ったユーザは、施設に立ち寄ることが期待される。そして、ユーザが施設に立ち寄ることで、イベント会場の周辺における混雑が緩和されることが期待される。なお、イベント会場の周辺には、イベント会場の最寄りにある交通機関の停車場所(駅やバス停等)等も含まれてよい。
【0014】
図1に示すように、情報処理システム100は、情報処理装置1と、ユーザ端末2と、混雑情報通知装置3とを備える。
【0015】
情報処理装置1は、情報処理システム100を利用するユーザに特典を付与するための処理を行う。情報処理装置1は、特典付与装置とも言える。ユーザは、情報処理システム100を利用してクーポン等の特典を付与される者である。ユーザは、好ましくは、ライブやスポーツ観戦等のイベントへの参加者である。情報処理装置1が行う処理には、特典を付与するユーザを決定する抽選処理が含まれる。情報処理装置1は、インターネットや電話回線網等の通信ネットワーク4に、有線又は無線によって接続可能に設けられる。情報処理装置1の詳細については後述する。
【0016】
ユーザ端末2は、情報処理システム100のユーザが利用する端末装置である。ユーザ端末2は、詳細には、スマートフォン、タブレット端末、ノートパソコン等の携帯端末である。ユーザ端末2には、特典の付与のために利用されるアプリ(アプリケーションソフト)が、ダウンロード等によってインストールされてよい。ユーザ端末2は、通信ネットワーク4に無線等を利用して接続可能に設けられる。ユーザ端末2と情報処理装置1とは、通信ネットワーク4を介して通信可能に設けられる。情報処理装置1は、ユーザ端末2から各種の情報を取得することができる。また、情報処理装置1は、ユーザ端末2へ情報を送信することができる。
【0017】
なお、
図1に示す例では、通信ネットワーク4に接続されるユーザ端末2の数は1つであるが、好ましくは、通信ネットワーク4に接続されるユーザ端末2の数は複数である。
【0018】
混雑情報通知装置3は、情報処理装置1に対して混雑情報を通知する装置である。混雑情報は、詳細には、特典の提供元となる店舗等の施設の混雑状況を示す情報である。本実施形態では、混雑情報の通知が行われる施設は、イベント会場の周辺にある施設である。混雑情報は、施設を訪問している人数と、施設の収容可能人数とに基づいて決定される。混雑情報は、混雑状況を認識可能とする情報であればよい。例えば、混雑情報は、混雑の程度を複数のレベルに分けて示す混雑レベル情報であってよい。また、例えば、混雑情報は、施設を訪問している人数を、施設の収容可能人数で除して得られる混雑率であってもよい。また、例えば、情報処理装置1側で施設の収容人数が既知である場合には、混雑情報は、施設を訪問している人の数であってもよい。
【0019】
混雑情報通知装置3は、通信ネットワーク4に、有線又は無線によって接続可能に設けられる。なお、
図1には、通信ネットワーク4に接続される混雑情報通知装置3の数は1つである。ただし、混雑情報通知装置3は、通常、施設ごとに設けられる。このために、通信ネットワーク4に接続される混雑情報通知装置3の数は、通常は複数である。
【0020】
混雑情報通知装置3は、例えば、特典の提供元となる各施設に配置されるセンサであってよい。混雑状況を示すセンサ値が、混雑情報通知装置3から情報処理装置1に送信されてよい。センサは、例えば施設の出入口に配置され、施設に出入りする人の数をカウントするセンサであってよい。このような人数カウントセンサは、例えば、赤外線センサ、カメラ、或いは、LiDAR(Light Detection and Ranging)等を用いて構成されてよい。センサが人数カウントセンサである場合、情報処理装置1に対して、施設内の人数や、施設内の人数を施設の収容可能人数で除して得られる混雑率が送信されてよい。
【0021】
なお、混雑情報通知装置3は、上述のセンサ自体であってよい。ただし、混雑情報通知装置3は、例えば、センサと、センサに有線や無線で接続されるパーソナルコンピュータ(PC)等の端末装置とで構成されてもよい。この場合、端末装置が通信ネットワーク4と接続可能に設けられてよい。そして、センサにより取得されたセンサ値等が、端末装置を介して情報処理装置1に送信されてよい。また、例えば、センサがカメラで構成される場合、混雑情報通知装置3は、カメラと端末装置とで構成されても、カメラと情報処理装置1とで構成されてもよい。
【0022】
また、混雑情報通知装置3は、店舗の店員等の施設員が利用可能な端末装置のみで構成されてもよい。この場合には、各施設の混雑状況は、施設員が端末装置に入力する構成としてよい。また、施設員が、施設内の状況を撮影して、撮影した画像自体を混雑情報としてもよい。この場合には、情報処理装置1側で、画像処理を行って混雑状況を推定してよい。施設員が利用可能な端末装置は、例えば、スマートフォン、タブレット、パーソナルコンピュータ(PC)等であってよい。
【0023】
図2は、混雑状況を入力する画面の一例を示す図である。
図2に示す画面は、例えば施設員が有するスマートフォンの画面である。
図2に示す画面は、例えば、スマートフォンにダウンロードされた専用のアプリを起動させることにより表示される画面である。
【0024】
図2に示す例では、混雑状況を示す複数(詳細には3つ)の選択肢が画面に表示されている。施設員は、混雑状況を示す複数の選択肢の中から1つを選んで、送信ボタン3aをタッチ等により操作して送信すればよい。なお、施設員は、例えば、施設を訪れている人の数を数えて、数えた人数を情報処理装置1に送信してもよい。ただし、
図2に示すような選択形式とした方が、施設員が、施設の混雑情報を簡単に情報処理装置1に送信することができる。
【0025】
なお、施設の混雑状況を決めるにあたって、施設を訪れている人の数は、実際の人の数から補正された数であってもよい。例えば、施設を訪れている人の年齢や体形等に応じて、一人の人を二人としてカウントする等の補正が行われてもよい。
【0026】
<2.情報処理装置>
本実施形態では、情報処理装置1は、コンピュータ装置によって構成されるサーバである。情報処理装置1は、物理サーバであってもクラウドサーバであってもよい。なお、本発明の情報処理装置は、単数のサーバで構成されても、複数のサーバで構成されてもよい。また、本発明の情報処理装置は、サーバだけでなく、サーバと端末とで構成されてもよい。
【0027】
図3は、本発明の実施形態に係る情報処理装置1の構成を示すブロック図である。なお、
図3においては、実施形態の特徴を説明するために必要な構成要素を示しており、一般的な構成要素についての記載は省略されている。
図3に示すように、情報処理装置1は処理部11を備える。情報処理装置1は、メモリ部12および通信部13をさらに備える。なお、情報処理装置1は、キーボード等の入力装置や、ディスプレイ等の出力装置を備える構成であってもよい。
【0028】
処理部11は、演算処理を行う演算回路で構成される。処理部11は、詳細には演算処理等を行うプロセッサを含む。プロセッサは、例えばCPU(Central Processing Unit)を含んで構成されてよい。処理部11は、1つのプロセッサで構成されてもよいし、複数のプロセッサで構成されてもよい。複数のプロセッサで構成される場合には、それらのプロセッサは互いに通信可能に接続されればよい。なお、情報処理装置1がクラウドサーバで構成される場合、プロセッサを構成するCPUは仮想CPUであってよい。
【0029】
メモリ部12は、揮発性メモリおよび不揮発性メモリを含んで構成される。揮発性メモリには、例えばRAM(Random Access Memory)が含まれてよい。不揮発性メモリには、例えば、ROM(Read Only Memory)、フラッシュメモリ、又は、ハードディスドライブが含まれてよい。不揮発性メモリには、コンピュータにより読み取り可能なプログラムおよびデータが格納される。
【0030】
通信部13は、通信ネットワーク4に接続するためのインターフェース回路を有する通信インターフェースとして構成される。
【0031】
図3に示すように、処理部11は、その機能として、取得部111と、推定部112と、抽選部113と、通知部114とを備える。本実施形態においては、処理部11の機能は、メモリ部12に記憶されるプログラムにしたがった演算処理をプロセッサが実行することによって実現される。
【0032】
なお、本実施形態の範囲には、情報処理装置1の少なくとも一部の機能をプロセッサ(コンピュータ)に実現させるコンピュータプログラムが含まれてよい。また、本実施形態の範囲には、そのようなコンピュータプログラムを記録するコンピュータ読取り可能な不揮発性記録媒体が含まれてよい。不揮発性記録媒体は、例えば、上述の不揮発性メモリの他、光記録媒体(例えば光ディスク)、光磁気記録媒体(例えば光磁気ディスク)、USBメモリ、又は、SDカード等であってよい。
【0033】
また、各機能部111~114は、1つのプログラムにより実現されてもよいが、例えば、機能部ごとに別々のプログラムにより実現される構成としてもよい。また、各機能部111~114が別々のサーバとして実現されてもよい。また、各機能部111~114は、上述のように、プロセッサにプログラムを実行させること、すなわちソフトウェアにより実現されてよいが、他の手法により実現されてもよい。各機能部111~114は、例えば、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)やFPGA(Field Programmable Gate Array)等を用いて実現されてもよい。すなわち、各機能部111~114は、専用のIC等を用いてハードウェアにより実現されてもよい。また、各機能部111~114は、ソフトウェアおよびハードウェアを併用して実現されてもよい。また、各機能部111~114は、概念的な構成要素である。1つの構成要素が実行する機能が、複数の構成要素に分散されてよい。また、複数の構成要素が有する機能が1つの構成要素に統合されてもよい。
【0034】
取得部111は、情報処理装置1の外部から情報を取得する。取得部111は、例えば、通信ネットワーク4および通信部13を介して外部から情報を取得する。通信ネットワーク4を介して得られる情報には、ユーザ端末2からの情報、および、混雑情報通知装置3からの情報が含まれる。また、取得部111は、入力装置を利用した手入力が行われることによって、外部から情報を取得してもよい。なお、入力装置は、情報処理装置1と接続される装置、または、情報処理装置1が備える装置である。また、取得部111は、光ディスク等の記録媒体から情報を読み取ることによって、外部から情報を取得してもよい。
【0035】
取得部111は、外部から取得した情報をメモリ部12に適宜記憶する。詳細には、取得部111は、外部から取得した情報の少なくとも一部をデータベースとしてメモリ部12に記憶する。なお、メモリ部12にデータベースとして記憶された情報の少なくとも一部は、所定期間が過ぎた時点で削除されてもよい。
【0036】
図3に示すように、取得部111は、施設情報、ユーザ情報、画像情報、および、特典情報をデータベースとして記憶する。すなわち、メモリ部12には、施設情報データベース121と、ユーザ情報データベース122と、画像情報データベース123と、特典情報データベース124とが格納される。なお、
図3において、「DB」は「データベース」のことである。
【0037】
図4は、施設情報データベース121に含まれる施設情報の一例を示す図である。施設情報は、例えば、入力装置を用いて手入力により入力された情報を含む。また、施設情報は、上述の混雑情報通知装置3から取得した情報を含む。
図4に示すように、施設情報は、テーブル化されてメモリ部12に記憶される。
図4に示す例では、施設情報は、施設IDと、混雑レベルと、特典番号と、通知装置IDと、施設種類とを含む。
【0038】
施設IDは、各施設を識別する識別情報である。混雑レベルは、混雑情報の具体例であり、各施設の混雑状況のレベルを示す。
図3に示す例では、混雑レベルが数字で示されている。例えば、混雑レベルが
図2に示す3段階で分類される場合、「1」が「混雑していない」、「2」が「残り数席」、「3」が「混雑(満席)」に対応する構成としてよい。
【0039】
なお、上述のように、混雑情報は、特典を利用可能な場所(具体例は店舗等の施設)に設置されるセンサから得られる情報であってよい。このような構成すると、例えば施設員が混雑状況を判断して通知する必要がなく、施設員の負担を低減することができる。取得部111は、例えば、センサ、または、センサと接続される端末装置から、混雑情報を定期的に取得する構成であってよい。この場合、施設情報に含まれる混雑レベルは、定期的に更新されてよい。
【0040】
また、混雑情報は、特典を利用可能な場所に存在する人(具体例は店員等の施設員)が入力する情報であってもよい。このような構成とすると、設備の導入に要する金銭的な負担や、設備を維持するために必要となる負担(作業やコストの負担)を低減することができる。施設員が混雑情報を入力する構成の場合、取得部111は、例えば、混雑情報が必要なタイミングで施設員が有する携帯端末に混雑情報の送信を要求してよい。また、施設員に対して所定の時間おきに混雑情報の入力を要求する構成としてもよい。混雑情報が得られる度に、施設情報に含まれる混雑レベルは更新されてよい。
【0041】
特典番号は、特典を識別する識別情報である。
図3に示す例では、例えば、施設「SH01」が特典番号「1」の特典を提供している。通知装置IDは、各施設に配置される混雑情報通知装置3を識別する識別情報である。通知装置IDは、例えばセンサや携帯端末等に割り当てられる。施設種類は、施設で提供するサービスの種類情報である。
【0042】
なお、施設情報には、その他、施設の名称、場所、連絡先、営業時間等の情報が含まれてよい。
【0043】
図5は、ユーザ情報データベース122に含まれるユーザ情報の一例を示す図である。ユーザ情報は、ユーザ端末2から取得した情報を含む。ユーザは、例えば、自身に関する情報を手入力で入力して、情報処理装置1に送信する。
図5に示すように、ユーザ情報は、テーブル化されてメモリ部12に記憶される。
図5に示す例では、ユーザ情報は、ユーザIDと、希望特典番号と、位置と、性別と、年齢と、画像IDと、同伴者IDとを含む。
【0044】
ユーザIDは、各ユーザを識別する識別情報である。希望特典番号は、ユーザが希望する特典の特典番号である。特典番号は、上述の施設情報の特典番号と同じ情報である。すなわち、施設情報とユーザ情報とを関連付けることができるようになっている。位置は、ユーザの現在位置情報である。現在位置情報は、例えば、ユーザ端末2に備えられるGPS(Global Positioning System)センサ等から得ることができる。現在位置情報は、例えば緯度および経度で表される。テーブル中の現在位置情報は、定期的に更新される。性別および年齢は、ユーザの人物属性情報の具体例である。
【0045】
画像IDは、画像情報データベース123に格納される各画像データを識別する識別情報である。すなわち、ユーザ情報と画像情報とを関連付けられるようになっている。画像情報については後述する。同伴者IDは、各ユーザと同伴する同伴者が有するユーザIDである。すなわち、同伴者IDを利用して、各ユーザのユーザ情報同士を関連付けられるようになっている。同伴者が居ない場合もあり、この場合には、同伴者IDは無しとなる。また、同伴者は、1人に限らず2人以上であってもよく、この場合には、同伴者IDが複数存在することになる。同伴者が存在する場合、当該ユーザはグループを構成していることになる。同伴者IDに代えて、或いは、同伴者IDに加えて、同伴者の有無や、同伴者の数が、ユーザ情報として登録されてよい。同伴者に関する詳細にはついては後述する。
【0046】
なお、ユーザ情報には、その他、ユーザの氏名、居住地、メールアドレス等の連絡先、嗜好等の情報が含まれてよい。
【0047】
画像情報データベース123(
図3参照)は、ユーザ端末2から送信される画像を、例えばユーザIDと関連付けて格納する。画像は、好ましくは、ユーザの顔を含む顔画像である。ユーザは、例えば、自身のユーザ端末2で自身の顔画像を撮影して、撮影画像を情報処理装置1に送信する。
【0048】
なお、処理部11は、送信された画像情報を処理して、ユーザの人物属性を推定してよい。例えば、処理部11は、送信された画像情報に対して顔検出を行い、当該検出された顔画像からユーザの年齢や性別等を推定してよい。そして、処理部11は、推定された情報をユーザ情報データベース122に含まれるテーブルに反映してよい。このような処理が行われる構成とすると、ユーザは、画像情報の送信により、自身の情報を手入力する負担を低減することができる。
【0049】
図6は、特典情報データベース124に含まれる特典情報の一例を示す図である。特典情報は、例えば、入力装置を用いて手入力により入力された情報を含む。
図6に示すように、特典情報は、テーブル化されてメモリ部12に記憶される。
図6に示す例では、特典情報は、特典番号と、提供施設と、特典内容と、上限数とを含む。
【0050】
特典番号は、上述の施設情報等に含まれる特典番号と同じ情報である。すなわち、特典情報と施設情報とは関連付けられるようになっている。また、提供施設は、特典を利用できる施設情報であり、施設IDで表示される。この点からも、特典情報と施設情報とは関連付けられるようになっている。特典内容は、特典の種別等の具体的な内容を示す情報である。上限数は、各施設が提供する特典の提供数の上限値を示す。特典は、原則として、上限数を超えて提供されない。
【0051】
なお、特典情報には、その他、ユーザ端末2で特典として機能する特典本体データ等が含まれてよい。特典本体データは、ユーザ端末2の画面に表示される情報であってよい。特典本体データは、例えば、バーコード情報やQRコード(登録商標)情報等であってよい。
【0052】
以上からわかるように、取得部111(処理部11)は、特典を利用可能な場所の混雑状況を示す混雑情報を取得する。特典を利用可能な場所は、例えば店舗等の施設である。特典を利用可能な場所は、ユーザが参加するイベントの開催に応じて特典を提供する施設を含む。これにより、イベント後の人流の制御を行うことができる。また、取得部111(処理部11)は、特典の利用を希望するユーザの情報であるユーザ情報を取得する。ユーザ情報は、ユーザが希望する特典や、ユーザの属性等の情報を含む。また、ユーザ情報は、ユーザの同伴者に関する情報を含む。ユーザ情報に同伴者に関する情報が含まれることによって、ユーザがグループに属するか否かを把握することができる。
【0053】
図3に戻って、推定部112は、特典の利用を希望するユーザの同伴者の推定(同伴者推定)を行う。同伴者推定は、ユーザ情報データベース122に格納されるユーザ情報(詳細には
図5に示すユーザ情報テーブル)に基づいて行われる。同伴者推定の結果は、ユーザ情報テーブルに登録されることが好ましい。
【0054】
なお、同伴者推定は、例えば、同伴者の数の推定を含む。すなわち、推定部112は、ユーザ情報に基づいて同伴者の数の推定を行う。同伴者の数は、0人、又は、1人以上のいずれかの数であると判定される場合がある。同伴者の数が0人である場合、ユーザは単独で行動するユーザ(一人のユーザ)である。同伴者の数が1人以上である場合、ユーザはグループに属する。また、同伴者推定には、同伴者のユーザIDの推定が含まれてもよい。
【0055】
例えば、推定部112は、ユーザによる同伴者に関する入力情報(同伴者入力情報)に基づいて同伴者推定を行ってよい。推定部112は、ユーザが入力した同伴者の数を、そのままユーザの同伴者数として推定してよい。また、推定部112は、ユーザの同伴者入力情報と、ユーザの位置情報とに基づいて同伴者推定を行ってもよい。詳細には、推定部112は、各ユーザの同伴者入力情報と、各ユーザが有するユーザ端末2の位置情報とに基づいて同伴者推定を行ってよい。例えば、推定部112は、同伴者入力情報に基づいて、人物属性が類似するユーザ(ユーザID)を抽出する。そして、推定部112は、抽出した複数のユーザのそれぞれが所有するユーザ端末2の位置情報からユーザ間の距離を推定する。推定部112は、人物属性が類似し、且つ、距離が近いユーザ(所定距離内にいるユーザ)を同伴者として推定する。この構成では、同伴者の数に加えて、同伴者のユーザIDを推定することもできる。
【0056】
また、例えば、推定部112は、ユーザが送信した画像情報に画像認識技術を適用して同伴者推定を行ってもよい。推定部112は、例えば、ユーザが送信した自身が属するグループの画像(写真)に基づいて、同伴者数を推定してもよい。また、グループ員のそれぞれが、画像情報を情報処理装置1に送信している場合には、画像認識によって、グループを構成する各ユーザのユーザIDを推定してもよい。なお、推定部112は、同伴者入力情報と画像情報との両方に基づいて、同伴者推定を行ってもよい。
【0057】
また、本実施形態では、ユーザ情報には、ユーザの画像情報および位置情報が含まれる(
図5参照)。このような構成では、推定部112(処理部11)は、画像情報および位置情報に基づいて同伴者の推定を行ってよい。画像認識技術を利用する構成とすることで、ユーザの入力負担を低減することができる。
【0058】
詳細には、推定部112は、各ユーザの画像情報と、各ユーザが有するユーザ端末2の位置情報とに基づいて同伴者推定を行ってよい。例えば、推定部112は、各ユーザの画像情報から顔を検出し、検出した顔画像に基づいて各ユーザの人物属性を推定する。そして、推定部112は、推定された人物属性が類似するユーザを抽出する。そして、推定部112は、抽出した複数のユーザのそれぞれが所有するユーザ端末2の位置情報からユーザ間の距離を推定する。推定部112は、人物属性が類似し、且つ、距離が近いユーザを同伴者として推定する。この構成では、同伴者の数に加えて、同伴者のユーザIDを推定することもできる。
【0059】
抽選部113は、特典の利用を希望するユーザの中から特典の付与対象を決定する抽選を行う。なお、特典の利用を希望するユーザの数が特典の上限数(
図6参照)に達しない場合には、抽選は行われなくてよい。
【0060】
本実施形態では、抽選部113(処理部11)は、上述の混雑情報とユーザ情報とに基づき、特典の付与対象を決定する抽選の当選確率を調整する。なお、混雑情報は、
図3に示す施設情報テーブルから得られる。ユーザ情報は、
図4に示すユーザ情報テーブルから得られる。このような構成とすると、混雑情報とユーザ情報とから特典の当選に適しているユーザを当選させ易くすることができる。施設が混雑し過ぎることを抑制しつつ、ユーザへの効果的な特典の提供を行うことができる。例えば、イベント後の人流の制御という目的を達成するのに適した者(ユーザ)に、特典が当たり易くすることができる。
【0061】
詳細には、抽選部113(処理部11)は、混雑情報と、ユーザ情報から得られる同伴者の情報とに基づき当選確率を調整する。このような構成とすると、施設の混雑状況を考慮して、同伴者が存在するユーザと、同伴者が存在しないユーザとで当選確率を異ならせることができる。換言すると、グループを構成するユーザと、一人のユーザとで当選確率を異ならせることができる。
【0062】
例えば、同伴者の数(グループを構成する人数)の増加に応じて当選確率を高くすることが考えられる。これにより、多くの人を一度に施設に誘導することが可能となる。すなわち、特典の提供によって、イベント後にイベント会場周辺の道路や駅等が混雑することを緩和するといった効果を大きくすることができる。なお、ユーザに提供する特典は、1つでグループ全員が使えるといった利用条件や、所定人数以上で利用できるといった利用条件を有することが好ましい。
【0063】
ただし、同伴者の数が多いことだけを優先して特典の付与を行うと、施設が混雑してしまう可能性がある。この結果、ユーザは、特典を即座に利用できず、施設の利用を諦める可能性がある。このような事態が発生すると、特典の提供によってイベント会場周辺の混雑を緩和するといった目的を充分に達成できない可能性がある。この点を考慮して、本実施形態では、同伴者の情報だけではなく、混雑情報を加味して当選確率を調整する構成となっている。
【0064】
本実施形態では、抽選部113(処理部11)は、混雑情報から特典を利用可能な場所が混雑していないと判定される場合に、同伴者が存在しないユーザに比べて、同伴者が存在するユーザの当選確率を高くする。すなわち、施設が混雑していない場合には、一人のユーザよりもグループに属するユーザの当選確率を高くする。これにより、施設における混雑の発生を抑制しつつ、多くの人を一度に施設に誘導することができる。すなわち、特典の提供によって、イベント後にイベント会場周辺の道路や駅等が混雑することを緩和するといった効果を大きくすることができる。また、施設における客数の向上を図ることができる。
【0065】
なお、本実施形態においては、ユーザに付与する特典は、一例として、1つでグループ全員が使えるといった利用条件を有するクーポンである。すなわち、ユーザがグループに属する場合、特典の付与対象は、当該グループの全員である。また、特典を利用可能な場所(施設)が混雑しているか否かの判定は、例えば、施設情報テーブル(
図4参照)における混雑レベルに応じて判定されてよい。例えば、混雑度合いが高くなるほど、混雑レベルのレベル値が高くなる構成が想定される。この場合には、混雑レベルが所定のレベル値以下であれば、混雑していないと判定されてよい。
【0066】
また、抽選部113は、混雑情報から特典を利用可能な場所が混雑していると判定される場合に、同伴者が存在しないユーザに比べて、同伴者が存在するユーザの当選確率を低くしてもよい。すなわち、施設が混雑している場合には、グループに属するユーザよりも一人のユーザの当選確率を高くしてよい。これにより、施設における過度の混雑の発生を抑制しつつ、イベント後にイベント会場周辺の道路や駅等が混雑することを緩和するといった効果を得ることができる。
【0067】
また、抽選部113は、特典を利用可能な場所が混雑していないと判定される場合に、同伴者の数の増加に応じて当選確率を高くしてもよい。すなわち、処理部11は、ユーザが属するグループの属性に基づき当選確率を調整してよい。例えば、2人のグループよりも4人のグループの方が当選し易くしてよい。逆に、抽選部113は、特典を利用可能な場所が混雑していると判定される場合に、同伴者の数の増加に応じて当選確率を低くしてもよい。
【0068】
また、本実施形態では、好ましい形態として、抽選部113(処理部11)は、グループに属するユーザについて、グループの代表者である場合に抽選の対象者とする。そして、抽選部113は、グループに属するユーザについて、グループの代表者でない場合には抽選の対象から除く。すなわち、同じグループに属する複数のユーザが同じ特典に応募しても、同じグループ内で特典を獲得できる者の数は最大一人である。なお、各ユーザがいずれのグループに属するかは、例えば、ユーザ情報テーブル(
図5参照)の同伴者IDから判定されてよい。グループの代表者は、例えば、抽選部113が無作為に選出する構成としてよい。また、グループの代表者は、ユーザが入力する登録情報中に含まれてもよい。
【0069】
グループのうちの一人だけが抽選の対象者とされると、同じのグループに属する複数のユーザに特典が付与された結果、使用されない特典が発生するといった事態を避けることができる。すなわち、人流の制御を目的として提供された特典が有効利用されない事態の発生を抑制することができる。
【0070】
なお、抽選に際しては、施設における座席の利用状況に応じて特典の当選確率が調整されてもよい。例えば、4人用のテーブル席が空いている場合には、3人又は4人のグループの当選確率を高くしてもよい。また、カウンター席のみが空いている場合には、同伴者が存在しない一人のユーザの当選確率を高くしてもよい。ユーザが事前に登録する情報(ユーザ情報)に「カウンター席でもよい」といった事項が含まれる場合には、カウンター席のみが空いている場合に、そのようなユーザの当選確率を高くしてもよい。
【0071】
また、抽選に際しては、ユーザ個人やグループの属性に応じて特典の当選確率が調整されてもよい。抽選部113(処理部11)は、ユーザが属するグループの属性又はグループ員の属性に基づき当選確率を調整してよい。例えば、ユーザ個人やグループの属性と、施設の属性との相性に応じて特典の当選確率が調整されてもよい。グループの属性は、例えば、ユーザ情報テーブル(
図5参照)や画像情報データベース123から得られる情報に基づいて推定されてよい。また、施設の属性は、施設情報テーブル(
図4参照)から得られる情報に基づいて推定されてよい。
【0072】
具体的には、高齢のユーザや、複数の高齢者で構成されるグループに属するユーザの当選確率について、特典の提供元である施設が騒がしい施設である場合に、当選確率を低くしてよい。また、成人のユーザや、成人のみで構成されるグループに属するユーザの当選確率について、特典の提供元である施設が飲酒可能な施設である場合に、当選確率を高くしてよい。また、ベビーカーを有するグループの場合、例えば、ベビーカーが1つの座席分の空間を占有することを考慮して、ベビーカー1台分を1人分としてカウントして抽選の当選確率を調整してよい。また、例えば、ベビーカーを有するグループに属するユーザについて、特典の提供元である施設が騒がしい施設である場合に、当選確率を低くするか、当選(抽選)対象としないこととしてよい。また、ベビーカーを有するグループに属するユーザについて、特典の提供元である施設がベビーカー歓迎の施設である場合に、当選確率を高くしてよい。また、ユーザ個人が車椅子を使用する場合、或いは、グループに車椅子を使用する者が居る場合、車椅子対応の施設のみを当選(抽選)対象としてよい。車椅子対応の施設は、例えば、建物の2階以上にある施設の場合、建物にエレベータが設置されている施設等であってよい。また、ユーザ個人の足が悪い、或いは、グループに足の悪い者が居て座敷を利用できない場合、これらの者に座敷席が当たることが無いように、当選確率の調整が行われてよい。
【0073】
通知部114(
図3参照)は、抽選部113で行われた抽選結果を、特典の利用希望者の募集に応募したユーザに対して通知する。ユーザは、情報処理装置1と通信ネットワーク4に接続される自身のユーザ端末2によって、抽選結果を確認することができる。なお、抽選結果の通知に合わせて、特典として機能する特典本体データもユーザ端末2に送信されてよい。別の例として、抽選結果の通知に合わせて、特典本体データのダウンロードを可能とする情報(URL情報等)が、ユーザ端末2に送信されてもよい。
【0074】
<3.情報処理方法>
次に、情報処理装置1を用いて行われる情報処理方法について説明する。装置1が実行する情報処理方法では、特典を利用可能な場所の混雑状況を示す混雑情報と、特典の利用を希望するユーザの情報であるユーザ情報とに基づき当選確率を調整して行った特典の抽選結果を、ユーザに対して通知する。これにより、特典を提供する施設が混雑し過ぎることを抑制しつつ、人流の制御を目的とした特典のユーザへの効果的な提供を行うことができる。
【0075】
図7は、本発明の実施形態に係る情報処理方法の流れを例示するフローチャートである。
図7は、スポーツ観戦等のイベントの終了後における人流の制御を狙って提供される特典を対象とした情報処理方法を例示する。
図7に示す処理は、特典の利用希望者の募集が開始された時点で開始される。なお、特典は、複数の施設から提供されるものであり、通常、提供される特典の種類は複数存在する。ただし、提供される特典の種類は一種類であってもよい。
図7においては、特典が複数種類存在することを前提として説明を行う。
【0076】
なお、本実施形態の情報処理方法の少なくとも一部をコンピュータ装置に実現させるコンピュータプログラムは、本実施形態の範囲に含まれる。また、そのようなコンピュータプログラムを記録するコンピュータ読取り可能な不揮発性記録媒体は、本実施形態の範囲に含まれる。
【0077】
ステップS1では、取得部111が特典への応募の有無を監視する。ユーザは、ユーザ端末2を用いて、特典への応募を行う。
図8は、特典への応募を行うユーザ端末2の画面2aの一例を示す図である。
図8に示す例では、ユーザは、画面2aにしたがって、応募対象の特典の選択、登録情報の入力、および、登録画像の選択等を適宜行う。そして、ユーザは、各種の選択や入力を行った後に、画面2a中に表示される送信ボタン2bを操作する。これにより、ユーザが選択や入力を行った情報が、情報処理装置1に送信される。取得部111は、当該送信が行われた場合に、送信された情報をユーザ情報として取得し、特典への応募があったことを認識する。特典への応募があった場合(ステップS1でYes)、次のステップS2に処理が進められる。一方、特典への応募がない場合(ステップS1でNo)、ステップS1の処理を繰り返す。
【0078】
ステップS2では、取得部111がユーザ端末2から取得した情報を、ユーザ情報データベース122に記憶する処理を行う。詳細には、ユーザ情報テーブル(
図5参照)が更新される。また、ユーザ端末2から送信された情報に画像情報が含まれる場合には、取得部111は、画像情報データベース123に画像情報を記憶する処理を行う。メモリ部12への情報の記憶処理が行われると、ステップS3に処理が進められる。
【0079】
ステップS3では、推定部112が、ユーザ情報に基づいて同伴者推定を行う。推定部112は、同伴者推定に際して、必要に応じて画像情報データベース123に記憶される画像情報を利用する。本実施形態では、同伴者推定には、同伴者の数、および、同伴者のユーザIDの推定が含まれる。推定部112は、同伴者推定の結果を、ユーザ情報テーブル(
図5参照)に適宜登録する。同伴者推定が完了すると、次のステップS4に処理が進められる。
【0080】
ステップS4では、抽選部113が、特典への応募の募集期間が終了したか否かを判定する。特典への応募の募集期間の終了時刻は、例えば、イベントの終了時刻、或いは、当該終了時刻の前後所定時間以内に設定される。所定時間以内とは、例えば15分以内である。なお、例えば野球等のスポーツ観戦では、イベントの終了時刻が必ずしも一定ではない。このような場合は、イベントの終了時刻は、試合の状況に応じて適当なタイミングで決定される予想終了時刻であってよい。また、例えば野球の試合の観戦等においては、序盤に大差がつき、多くの観戦者が試合の終了予想時刻よりもかなり前の時刻に帰宅を開始することがある。このために、特典への応募の募集期間の終了時刻は、イベントの終了時刻を基準に一律に設定されるのではなく、イベントの進行状況に応じて変更される構成であってもよい。
【0081】
特典への応募の募集期間が終了したと判定された場合(ステップS4でYes)、次のステップS5に処理が進められる。特典への応募の募集期間が終了していないと判定された場合(ステップS4でNo)、ステップS1に処理が戻され、ステップS1以降の処理が繰り返される。
【0082】
ステップS5では、抽選部113が、特典ごとのループ処理を開始する。特典が複数種類存在することを考慮する構成である。特典ごとのループ処理が開始されると、ステップS6に処理が進められる。
【0083】
ステップS6では、抽選部113は、抽選が必要であるか否かを判定する。抽選部113は、特典への応募者数が特典の提供の上限数以下である場合、抽選を行う必要がないと判定する。抽選を行う必要がないと判定された場合(ステップS6でNo)、ステップS10に処理が進められる。一方、抽選部113は、特典への応募者数が特典の提供の上限数よりも多い場合、抽選を行う必要があると判定する。抽選を行う必要があると判定された場合(ステップS6でYes)、ステップS7に処理が進められる。
【0084】
ステップS7では、抽選部113は、特典を提供する施設の混雑状況を確認する。混雑状況は、施設情報テーブル(
図3参照)に含まれる。抽選部113は、例えば、施設情報テーブルに含まれる情報に応じて施設が混雑しているか否かを判定する。混雑状況の確認が行われると、次のステップS8に処理が進められる。
【0085】
ステップS8では、抽選部113は、特典の当選確率の調整を行う。当選確率の調整は、先に確認した施設の混雑状況と、ユーザ情報テーブルに含まれる同伴者の情報とを用いて行われる。例えば、抽選部113は、特典を提供する施設が混雑していない場合には、同伴者が存在するユーザの当選確率を、同伴者が存在しないユーザに比べて高くする。一方、抽選部113は、特典を提供する施設が混雑している場合には、同伴者が存在するユーザの当選確率を、同伴者が存在しないユーザに比べて低くする。当選確率の調整が完了すると、次のステップS9に処理が進められる。
【0086】
ステップS9では、抽選部113は、先に調整した当選確率で抽選を実施する。なお、本実施形態では、グループを構成するユーザについては、グループの代表者である場合に抽選対象とされ。代表者でない場合には抽選の対象から外される。グループの代表者は一人であり、例えば、抽選部113が自動的に決定してよい。抽選が完了すると、次のステップS10に処理が進められる。
【0087】
ステップS10では、通知部114は、特典への応募結果を各ユーザに対して通知する。通知は、例えば、通信ネットワーク4を利用してユーザ端末2に対して行われる。例えば、抽選が行われた場合には、抽選に当選した者と、抽選に外れた者との両方に対して抽選の結果が通知される。また、例えば、抽選が行われなかった場合には、特典の提供に応募したユーザの全てを当選者として通知が行われる。なお、応募結果の通知に際して、ユーザ端末2で画面表示等の利用が可能な特典本体データ(QRコード等)が、ユーザ端末2に送信されてよい。結果の通知が行われると、次のステップS11に処理が進められる。
【0088】
ステップS11では、抽選部113が、特典ごとのループ処理が全ての特典に対して実行されたか否かを判定する。全ての特典に対してループ処理が実行されていない場合(ステップS11でNo)、ステップS6に処理が戻され、ループ処理が行われていない次の特典について、ステップS6以降の処理が行われる。一方、全ての特典に対してループ処理が実行された場合(ステップS11でYes)、
図7に示す処理が終了する。
【0089】
<4.留意事項等>
本明細書の、発明を実施するための形態に開示される種々の技術的特徴は、その技術的創作の主旨を逸脱しない範囲で種々の変更を加えることが可能である。また、本明細書の、発明を実施するための形態に開示される複数の実施形態および変形例は可能な範囲で組み合わせて実施されてよい。
【符号の説明】
【0090】
1・・・情報処理装置
2・・・ユーザ端末
3・・・混雑情報通知端末
11・・・処理部