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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024061275
(43)【公開日】2024-05-07
(54)【発明の名称】冷蔵庫用扉、及び冷蔵庫
(51)【国際特許分類】
   F25D 23/02 20060101AFI20240425BHJP
【FI】
F25D23/02 304C
F25D23/02 304Z
【審査請求】未請求
【請求項の数】8
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022169126
(22)【出願日】2022-10-21
(71)【出願人】
【識別番号】503376518
【氏名又は名称】東芝ライフスタイル株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000567
【氏名又は名称】弁理士法人サトー
(72)【発明者】
【氏名】尾渡 謙児
【テーマコード(参考)】
3L102
【Fターム(参考)】
3L102JA01
3L102KA01
3L102KB04
3L102KE01
3L102KE09
3L102MA01
3L102MA02
3L102MB22
3L102MB30
(57)【要約】
【課題】剛性の向上を図った冷蔵庫用扉、及び冷蔵庫を提供する。
【解決手段】冷蔵庫用扉は、貯蔵室の前側の開口に設けられる扉の前側の面を構成する前面板と、扉の後側の面を構成する庫内部材と、前面板と庫内部材との間に設けられ扉の外郭を構成する枠体と、枠体の幅方向における一方側の側面を構成する第1側枠の内側に設けられ第1側枠に沿って延びる第1補強部材と、枠体の幅方向における他方側の側面を構成する第2側枠の内側に設けられ第2側枠に沿って延びる第2補強部材と、一方の端部が第1補強部材に取付けられ他方の端部が第2補強部材に取付けられて、第1補強部材と第2補強部材とを繋ぐ橋渡し部材と、を備える。
【選択図】図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
貯蔵室の前側の開口に設けられる扉の前側の面を構成する前面板と、
前記扉の後側の面を構成する庫内部材と、
前記前面板と前記庫内部材との間に設けられ前記扉の外郭を構成する枠体と、
前記枠体の幅方向における一方側の側面を構成する第1側枠の内側に設けられ前記第1側枠に沿って延びる第1補強部材と、
前記枠体の幅方向における他方側の側面を構成する第2側枠の内側に設けられ前記第2側枠に沿って延びる第2補強部材と、
一方の端部が前記第1補強部材に取付けられ他方の端部が前記第2補強部材に取付けられて、前記第1補強部材と前記第2補強部材とを繋ぐ橋渡し部材と、
を備える冷蔵庫用扉。
【請求項2】
前記橋渡し部材は、前記前面板と前記庫内部材との間において前記前面板と前記庫内部材とは離れて設けられる、
請求項1に記載の冷蔵庫用扉。
【請求項3】
前記第1補強部材及び前記第2補強部材は、前記橋渡し部材を接合部材によって取付けるための取付部を有している、
請求項2に記載の冷蔵庫用扉。
【請求項4】
前記第1補強部材及び前記第2補強部材は、前記橋渡し部材を取付ける位置において前記橋渡し部材を保持する保持部を更に有する、
請求項3に記載の冷蔵庫用扉。
【請求項5】
前記第1補強部材又は前記第2補強部材の一方の前記保持部は、前記橋渡し部材の長手方向の一方の端部を差し込み可能に形成され、
前記第1補強部材又は前記第2補強部材の他方の前記保持部は、前記扉の幅方向の内側に向かって突出して形成され、少なくとも前記橋渡し部材の長手方向の他方の端部の下面に接触可能である、
請求項4に記載の冷蔵庫用扉。
【請求項6】
前記扉の内部空間は、第1部品が設置される第1領域と、前記第1部品と異なる第2部品が設置される第2領域と、に区分され、
前記橋渡し部材は、前記第1領域と前記第2領域との間に設けられる、
請求項1に記載の冷蔵庫用扉。
【請求項7】
前記第1部品は、板状に形成された断熱部材で構成されており、
前記橋渡し部材の長手方向の長さは、前記断熱部材の幅方向の長さよりも大きく設定されている、
請求項6に記載の冷蔵庫用扉。
【請求項8】
請求項1から7のいずれか一項に記載の冷蔵庫用扉を備える冷蔵庫。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、冷蔵庫用扉、及び冷蔵庫に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、冷蔵庫における貯蔵室を開閉する回転式の扉及び引き出し式の扉は、扉の前側の面を構成する前面板と、扉の後側の面を構成する内板と、前面板と内板を一体に連結する枠体との間に発泡充填された断熱材と、を有する構成が知られている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平5-133677号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、近年は冷蔵庫の外形寸法を維持したまま貯蔵室内の大容量化を図る要望が高まってきており、例えば扉の厚み方向の寸法を小さくすることが検討されている。しかしながら、従来構成では、貯蔵室内の大容量化を図るために、扉の厚み方向の寸法を小さくしようとすると、扉の剛性の低下を招くおそれがある。そのため、従来構成では、扉の剛性を向上させる点について課題があった。
【0005】
そこで、剛性の向上を図った冷蔵庫用扉、及び冷蔵庫を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
実施形態の冷蔵庫用扉は、貯蔵室の前側の開口に設けられる扉の前側の面を構成する前面板と、前記扉の後側の面を構成する庫内部材と、前記前面板と前記庫内部材との間に設けられ前記扉の外郭を構成する枠体と、前記枠体の幅方向における一方側の側面を構成する第1側枠の内側に設けられ前記第1側枠に沿って延びる第1補強部材と、前記枠体の幅方向における他方側の側面を構成する第2側枠の内側に設けられ前記第2側枠に沿って延びる第2補強部材と、一方の端部が前記第1補強部材に取付けられ他方の端部が前記第2補強部材に取付けられて、前記第1補強部材と前記第2補強部材とを繋ぐ橋渡し部材と、を備える。
【図面の簡単な説明】
【0007】
図1】一実施形態による冷蔵庫の一例の外観を示す正面図
図2】一実施形態による冷蔵室扉の一例を概略的に示す分解斜視図
図3】一実施形態による冷蔵室扉の一例を概略的に示す断面図
図4】一実施形態による冷蔵室扉の一例について、庫内部材を取り外した状態を示す背面図
図5】一実施形態による第1補強部材の一例を示す斜視図
図6】一実施形態による第2補強部材の一例を示す斜視図
図7】一実施形態による橋渡し部材の一例を示す斜視図
図8】一実施形態による冷蔵室扉の一例について、側枠内に第1補強部材が取り付けられた状態を示す斜視図
図9】一実施形態による冷蔵室扉の一例について、第1補強部材に橋渡し部材を取り付ける過程を示す概念図
図10】一実施形態による冷蔵室扉の一例について、側枠内に第2補強部材が取り付けられた状態を示す斜視図
図11】一実施形態による冷蔵室扉の一例について、第2補強部材に橋渡し部材を取り付ける過程を示す概念図
図12】一実施形態による冷蔵室扉の一例について、第1補強部材に橋渡し部材が取り付けられた状態を示す断面図
図13】一実施形態による冷蔵室扉の一例について、第2補強部材に橋渡し部材が取り付けられた状態を示す断面図
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下、実施形態について図面を参照しながら説明する。なお、以下の実施形態において、構成要素等に付された第1及び第2との語句は、類似した構成要素を単に区別するためのものであり、構成要素間の優劣や時間的要素を意味するものではない。
【0009】
図1に示す冷蔵庫10は、前面が開口した縦長矩形箱状の冷蔵庫本体20内に複数の貯蔵室を有して構成されている。以下の説明では、冷蔵庫本体20の開口側つまりユーザが貯蔵物等の出し入れに使用する側を冷蔵庫10の前側とし、当該開口とは反対側を冷蔵庫10の後側とする。また、冷蔵庫10を図1の姿勢で床面に設置した場合における重力方向に対する上下方向を、冷蔵庫10の上下方向つまり長手方向とする。冷蔵庫10を前方から見た場合における左右方向を、冷蔵庫10の左右方向つまり幅方向とし、冷蔵庫10の前後方向を、冷蔵庫10の奥行方向とする。
【0010】
冷蔵庫10は、冷蔵庫本体20を主体に構成されている。冷蔵庫本体20は、前面が開口した断熱性を有する矩形の箱体で構成されている。冷蔵庫本体20は、詳細は図示しないが、周知の冷凍サイクル装置や制御装置等を有している。冷蔵庫本体20は、貯蔵物を貯蔵するための複数の貯蔵室で区分されている。冷蔵庫10は、貯蔵室として、例えば冷蔵室21、野菜室22、製氷室23、小冷凍室24、及び冷凍室25を備えている。冷蔵室21及び野菜室22は、いずれも冷蔵温度帯の貯蔵室であり、例えば3~5℃程度に冷却される。一方、製氷室23、小冷凍室24、及び冷凍室25は、冷凍温度帯の貯蔵室であり、例えば-18℃以下に冷却される。冷蔵温度帯及び冷凍温度帯は、貯蔵物を冷蔵や冷凍して収容するのに適した温度帯である。なお、図1に示す冷蔵庫10の構成は一例であり、各貯蔵室の配置順が異なっていても良い。
【0011】
冷蔵室21は、冷蔵庫本体20の最上段に設けられている。野菜室22は、冷蔵室21の下方に設けられている。製氷室23及び小冷凍室24は、野菜室22の下方にあって、左右方向に並べて設けられている。そして、冷凍室25は、製氷室23及び小冷凍室24の下方、つまり冷蔵庫本体20の最下段に設けられている。また、冷蔵室21には、特別室26が設けられている。特別室26は、冷蔵室21内において、冷蔵室21内の大部分の温度帯である冷蔵温度帯とは異なる温度帯に維持可能に構成されている。特別室26は、例えば内部を例えば0℃前後のいわゆるチルド温度帯に維持可能なチルド室や、内部の温度を冷凍温度帯と冷蔵温度帯との間で切り替え可能な切り替え室、若しくは冷蔵温度帯よりもさらに高い温度帯に維持可能な高温室として構成することができる。
【0012】
冷蔵庫10は、冷蔵室扉30、野菜室扉41、製氷室扉42、小冷凍室扉43、冷凍室扉44、及び扉操作検知部51を備えている。冷蔵室扉30は、冷蔵庫用扉の一例である。冷蔵室扉30は、例えば片開きのヒンジ開閉式扉であって、冷蔵室21の前側の開口を開閉する。冷蔵庫10は、片開き式の扉41を備える構成に限らず、右側と左側との2枚の扉で構成された観音式の扉を備える構成であっても良い。
【0013】
野菜室扉41、製氷室扉42、小冷凍室扉43、及び冷凍室扉44は、いずれも引出し式であって、それぞれ野菜室22、製氷室23、小冷凍室24、及び冷凍室25の前側の開口を開閉する。各扉41、42、43、44は、例えば金属製又は合成樹脂製の枠部材の内部に断熱材を充填して構成されている。また、野菜室扉41は、図示しない野菜室容器が取り付けられている。野菜室容器は、貯蔵物を収容可能であり、野菜室扉41と一体的に出し入れ可能である。
【0014】
扉操作検知部51は、例えば静電容量式のタッチセンサ等の電気部品で構成され、冷蔵室扉30が閉じた状態でユーザによる接触又は近接、つまりタッチ操作を静電容量の変化に基づき検知する。扉操作検知部51は、図1に示すように、冷蔵室扉30の内部であって、例えば冷蔵室扉30の下辺付近の左端に設けられている。扉操作検知部51は、例えばソレノイド式のアクチュエータで構成された図示しない扉開装置に電気的に接続されている。扉開装置は、冷蔵庫本体20の冷蔵室扉30の上部に対応する位置に設けられている。扉開装置は、冷蔵室扉30が閉じた状態で、扉操作検知部51に対するユーザによるタッチ操作が検知されると、図示しないプランジャを前方に押し出して冷蔵室扉30を自動で開く。
【0015】
次に、冷蔵室扉30の具体的な構成について説明する。以下の説明では、冷蔵室扉30を単に扉30と称する場合がある。扉30は、図2及び図3に示すように、前面板31、庫内部材32、枠体33、断熱部材34、発泡断熱材35、第1補強部材36、第2補強部材37、及び橋渡し部材38を有している。前面板31は、扉30の前側の面つまり表面を構成する。前面板31は、例えばガラス製又は合成樹脂製の板材で構成されている。前面板31の幅方向及び長手方向の寸法は、扉30の幅方向及び長手方向の寸法に相当している。
【0016】
庫内部材32は、扉30の後側の面つまり裏面を構成する。庫内部材32は、例えば合成樹脂製で形成されている。庫内部材32は、スロート部321を有している。スロート部321は、例えば扉30の周縁部に沿って枠状に形成されており、庫内部材32から冷蔵庫本体20側へ向かって突出するように設けられている。スロート部321は、扉30が閉じた状態で冷蔵庫本体20の内側に位置することで、冷気の流出を抑制する機能を有する。また、スロート部321の内側には、詳細は図示しないが、複数のドアポケットが取付けられている。ドアポケットは、例えば容器状に形成され、貯蔵物や飲料容器等を収容することができる。
【0017】
枠体33は、前面板31と庫内部材32との間に設けられ、扉30の外郭を構成する。つまり、前面板31は枠体33の前面側に設けられ、庫内部材32は、枠体33の後面側に設けられる。そして、前面板31、庫内部材32、及び枠体33によって内部空間Sが形成される。枠体33は、例えば合成樹脂製又は金属製で、全体として略矩形状に構成されている。枠体33は、図2に示すように、上枠331、下枠332、及び側枠333を有している。上枠331、下枠332、及び側枠333の奥行方向の寸法は、略同一に設定されている。上枠331は、枠体33の上部に設けられ、枠体33の上面を構成する。下枠332は、枠体33の下部に設けられ、枠体33の下面を構成する。なお、本実施形態では、枠体33は、前面板31とは別体で構成されているが、枠体33は、前面板31とは一つの部品で構成しても良い。
【0018】
側枠333は、上枠331と下枠332との間に延びて形成され、枠体33の側面を構成する。側枠333は、第1側枠333a及び第2側枠333bを含んで構成されている。第1側枠333aは、枠体33の幅方向の一方側この場合左側の側面を構成する。一方、第2側枠333bは、枠体33の幅方向の他方側この場合右側の側面を構成する。上枠331、下枠332、及び側枠333は、例えばそれぞれ別部材で形成されており、一体となるように組み立てられる。上枠331、下枠332、及び側枠333の全部又は一部は、同一部材で構成しても良い。
【0019】
断熱部材34は、例えば真空断熱パネルや発泡スチロール等の板状に成型された断熱材で構成されており、枠体33の内側に設けられる。断熱部材34の厚み方向の寸法は、枠体33の側枠333の奥行方向の寸法よりも小さく設定されている。断熱部材34は、例えば両面テープや接着剤等によって、前面板31の裏面側に取り付けられる。
【0020】
本実施形態では、図4に示すように、扉30の内部空間Sは、例えば第1領域S1及び第2領域S2に上下方向に区分されている。第1領域S1は、第2領域S2の上方に位置している。第1領域S1及び第2領域S2は、それぞれ異なる機能を有する部品が収容されている。第1領域S1は、第1部品としての断熱部材34を収容し、一方、第2領域S2は、第2部品としての扉操作検知部51を収容している。また、扉操作検知部51は、前面板31及び第1側枠333aに対して、例えば両面テープや接着剤又はネジ部材等によって取り付けられる。
【0021】
発泡断熱材35は、例えば硬質発泡ウレタン等の発泡断熱材で構成されており、扉30の内部空間Sに充填されている。扉30の内部空間S内に注入された発泡断熱材35を形成する発泡液は、発泡によって前面板31、庫内部材32、及び枠体33に接着する。そして、発泡後の発泡体が硬化することによって発泡断熱材35が形成される。
【0022】
第1補強部材36及び第2補強部材37は、例えば合成樹脂製又は金属製で、側枠333の内側に設けられており、側枠333に沿って延びて形成されている。第1補強部材36及び第2補強部材37は、枠体33の変形を抑制し補強する機能を有する。第1補強部材36及び第2補強部材37は、例えば断面略Z形状に形成されている。第1補強部材36及び第2補強部材37は、断面略Z形状に限らず、断面略L形状や断面略T形状等の他の形状であっても良い。本実施形態では、第1補強部材36は、例えば両面テープや接着剤等によって第1側枠333aの内側に取り付けられている。一方、第2補強部材37は、例えば両面テープや接着剤等によって第2側枠333bの内側に取付けられている。なお、第1補強部材36を第2側枠333bの内側に設けて、第2補強部材37を第1側枠333aの内側に設ける構成としても良い。
【0023】
第1補強部材36は、図5に示すように、第1主体部361、第1前片362、第1後片363、第1取付部364、及び第1保持部365を有している。第1主体部361は、例えば板状に形成されており、第1補強部材36の主体を構成している。第1主体部361には、複数の充填用孔361aが形成されている。複数の充填用孔361aは、第1主体部361の上下方向に間隔をあけて設けられている。複数の充填用孔361aは、第1側枠333aと第1補強部材36との間に、発泡断熱材35を形成する発泡液を通過させるためのものである。
【0024】
第1前片362及び第1後片363は、第1主体部361に直交しており、互いに異なる方向に向かって延びている。本実施形態では、第1主体部361の下部側つまり扉30内部の第2領域S2側の前後方向の寸法は、第1主体部361の上部側つまり扉30内部の第1領域S1側の前後方向よりも小さく設定されている。そして、扉操作検知部51の少なくとも一部は、第1補強部材36の下部寄りであって、第1前片362と第1側枠333aの前壁との間に設けられる。
【0025】
第1前片362は、傾斜部362aを有している。傾斜部362aは、第1前片362の途中に設けられ、前方から後方に向かって下方に傾斜して構成されている。傾斜部362aは、扉30内部の第1領域S1と第2領域S2との間に位置している。第1取付部364は、傾斜部362aから右側つまり扉30の第1領域S1の内側に向かって突出して形成されている。第1取付部364は、貫通孔364aを有している。貫通孔364aは、第1取付部364を厚み方向に貫通して、例えば円形状に形成されている。貫通孔364aの内周面には、例えば雌ねじを形成することができる。
【0026】
第1保持部365は、第1主体部361から内側に突出して形成されており、例えば上下方向に延びている。第1保持部365は、例えば第1主体部361の一部を切り欠いて内側に折り曲げて形成されており、第1主体部361と一体に形成されている。第1保持部365は、第1主体部361と別体で構成しても良い。第1保持部365は、傾斜部362aと前後方向において重なる位置に設けられている。また、第1保持部365は、第1取付部364の貫通孔364aとは、第1補強部材36において異なる位置に設けられている。
【0027】
第2補強部材37は、図6に示すように、第2主体部371、第2前片372、第2後片373、及び第2保持部374を有している。第2主体部371は、例えば板状に形成されており、第2補強部材37の主体を構成している。第2主体部371は、第2取付部として機能する。第2主体部371の前後方向の寸法は、第2側枠333bの内寸と略等しく設定されている。
【0028】
第2主体部371には、複数の充填用孔371aが形成されている。複数の充填用孔371aは、第2主体部371の上下方向に間隔をあけて設けられている。複数の充填用孔371aは、第2側枠333bと第2補強部材37との間の隙間に、発泡断熱材35を形成する発泡液を通過させるためのものである。また、第2主体部371は、貫通孔371bを有している。貫通孔371bは、第2主体部371を厚み方向に貫通して、例えば円形状に形成されている。貫通孔371bの内周面には、例えば雌ねじを形成することができる。
【0029】
第2前片372及び第2後片373は、第2主体部371に直交しており、互いに異なる方向に向かって延びている。第2保持部374は、第2主体部371から内側に突出して形成されている。第2保持部374は、例えば第2主体部371の一部を切り欠いて内側に折り曲げて形成されており、第2主体部371と一体に形成されている。第2保持部374は、第2主体部371と別体で構成しても良い。
【0030】
第2保持部374は、縦片374a及び横片374bを含んで構成されている。縦片374aは、貫通孔371bと前後方向において重なる位置に設けられており、例えば上下方向に延びている。横片374bは、貫通孔371bと上下方向において重なる位置に設けられており、例えば前後方向に延びている。図6等に示すように、縦片374aと横片374bとは、前後方向において互いに離れて設けられている。横片374bは、縦片374aよりも下方に位置している。縦片374aと横片374bとは、例えば形状及び寸法は互いに同じである。縦片374aと横片374bとの形状及び寸法は、互いに異なっていても良い。また、第2保持部374は、第2主体部371の貫通孔371bとは、第2補強部材37において異なる位置に設けられている。
【0031】
橋渡し部材38は、例えば合成樹脂製又は金属製で、一方の端部が第1補強部材36に取付けられ他方の端部が第2補強部材37に取付けられて、第1補強部材36と第2補強部材37とを繋いでいる。橋渡し部材38は、扉30の変形を抑制し補強する機能を有する。橋渡し部材38の前後方向の寸法は、第1補強部材36及び第2補強部材37の前後方向の寸法よりも小さく設定されている。
【0032】
橋渡し部材38は、図3に示すように、第1補強部材36及び第2補強部材37に取付けられた状態において、前面板31と庫内部材32とは離れて設けられる。つまり、橋渡し部材38は、前面板31と庫内部材32とは接触しない位置に設けられる。これにより、扉30の内部空間Sに充填される発泡断熱材35が第1領域S1及び第2領域S2間に行き渡るのが橋渡し部材38によって阻害されることが抑制されるとともに、発泡断熱材35によって橋渡し部材38を覆うことができる。
【0033】
また、橋渡し部材38は、図4に示すように、扉30の内部空間Sにおいて、第1領域S1と第2領域S2との間に設けられる。つまり、断熱部材34は、橋渡し部材38の上側にのみ配置されている。また、橋渡し部材38の長手方向つまり左右方向の長さは、断熱部材34の幅方向の長さよりも大きく設定されている。
【0034】
橋渡し部材38は、図7に示すように、例えば左右方向から見て後方が開口する断面略U形状又は断面略J形状に形成されている。橋渡し部材38は、底壁381、上側側壁382、下側側壁383、及び中間壁384を有している。底壁381は、橋渡し部材38の前面を構成する。上側側壁382は、橋渡し部材38の上面を構成しており、底壁381の上端から後方に向かって延びる。下側側壁383は、橋渡し部材38の下面を構成する。中間壁384は、底壁381と下側側壁383とを繋いでいる。中間壁384は、前方から後方に向かって下方に傾斜して構成されている。中間壁384は、固定用孔384aが形成されている。固定用孔384aは、例えば中間壁384の左側端部付近に設けられ、中間壁384を厚み方向に貫通して、例えば円形状に形成される。
【0035】
また、橋渡し部材38の長手方向における一方側の端面例えば左側端面385には、開口385aが形成されている。開口385aは、左側端面385を厚み方向に貫通して、例えば矩形状に形成されている。開口385aの大きさは、第1補強部材36の第1保持部365の大きさよりもやや大きく設定されている。橋渡し部材38の長手方向における他方側の端面例えば右側端面386には、固定用孔386aが形成されている。固定用孔386aは、右側端面386を厚み方向に貫通して、例えば円形状に形成されている。固定用孔386aは、橋渡し部材38の長手方向において、固定用孔384aとは対向しない位置に設けられている。
【0036】
扉30の組立時において、作業者は、図8及び図10に示すように、断熱部材34が取り付けられた前面板31を枠体33に取付けた後、側枠333内に第1補強部材36及び第2補強部材37を設置した状態で、扉30の後方側が上方を向くように載置させる。この状態で、図9に示すように、作業者は、まず第1補強部材36の第1保持部365に橋渡し部材38の左側端面385の開口385aを差し込み、橋渡し部材38の左側端部付近の中間壁384を第1補強部材36の傾斜部362a及び第1取付部364上に載せる。このようにして、橋渡し部材38の左側端部付近を支点として、橋渡し部材38を回転移動させることができる。また、第1保持部365が開口385aに差し込まれることで、橋渡し部材38の左側端面385側の前後方向及び上下方向の移動が規制される。
【0037】
次に、図11に示すように、作業者は、第2補強部材37の第2保持部374における縦片374aに橋渡し部材38の下側側壁383を接触させるとともに、橋渡し部材38の底壁381を第2保持部374における横片374b上に載せる。つまり、橋渡し部材38を第2保持部374に接触させることで、橋渡し部材38の右側端面386側の上下方向における一方向この場合下方向及び前後方向における一方向この場合前方向への移動が規制される。このようにして、作業者は、第1補強部材36及び第2補強部材37に対して橋渡し部材38を取付ける位置において、橋渡し部材38を第1保持部365及び第2保持部374に保持させる。そして、橋渡し部材38を第1保持部365及び第2保持部374に保持されるように配置した場合に、第1取付部364の貫通孔364aと橋渡し部材38の固定用孔384aとが重なるとともに、第2主体部371の貫通孔371bと橋渡し部材38の固定用孔386aとが重なる。つまり、橋渡し部材38を第1保持部365及び第2保持部374によって保持させると、橋渡し部材38が第1補強部材36及び第2補強部材37に対して接合可能な位置に位置決めされる。
【0038】
その後、作業者は、図9及び図11に示すように、例えばネジ部材やボルト等で構成された接合部材61を、貫通孔364a及び固定用孔384aと貫通孔371b及び固定用孔386aとに挿入することで、橋渡し部材38を第1補強部材36及び第2補強部材37に取り付ける。このようにして、図12及び図13に示すように、橋渡し部材38によって第1補強部材36及び第2補強部材37が連結される。橋渡し部材38が第1補強部材36及び第2補強部材37に連結された状態で、発泡断熱材35が充填された後に庫内部材32が設置されて扉30が完成する。
【0039】
本実施形態では、上述したように、第1保持部365及び第1取付部364の貫通孔364aと、第2保持部374及び第2主体部371の貫通孔371bと、がそれぞれ異なる位置に設けられている。そのため、作業者が接合部材61を用いて橋渡し部材38を第1補強部材36及び第2補強部材37に取り付ける際に、各保持部365、374が邪魔になることがない。よって、扉30の組立作業を円滑に行うことができる。
【0040】
以上説明した実施形態によれば、冷蔵室扉30は、前面板31と、庫内部材32と、枠体33と、第1補強部材36と、第2補強部材37と、橋渡し部材38と、を備える。前面板31は、貯蔵室21の前側の開口に設けられる扉30の前側の面を構成する。庫内部材32は、扉30の後側の面を構成する。枠体33は、前面板31と庫内部材32との間に設けられ、扉30の外郭を構成する。第1補強部材36は、枠体33の幅方向における一方側の側面を構成する第1側枠333aの内側に設けられ第1側枠333aに沿って延びる。第2補強部材37は、枠体33の幅方向における他方側の側面を構成する第2側枠333bの内側に設けられ第2側枠333bに沿って延びる。橋渡し部材38は、一方の端部が第1補強部材36に取付けられ他方の端部が第2補強部材37に取付けられて、第1補強部材36と第2補強部材37とを繋ぐ。
【0041】
これによれば、第1補強部材36と第2補強部材37との間に橋渡し部材38を設けることで、第1補強部材36と第2補強部材37との間が補強されるため、扉30の剛性を向上させることができる。
【0042】
橋渡し部材38は、前面板31と庫内部材32との間において前面板31と庫内部材32とは離れて設けられる。これによれば、橋渡し部材38を前面板31と庫内部材32とに接触しないようにすることで、橋渡し部材38と前面板31及び庫内部材32との温度差によって、前面板31及び庫内部材32に表面結露が発生してしまうことを抑制することができる。これにより、扉30のメンテナンス性の向上を図ることができる。
【0043】
第1補強部材36及び第2補強部材37は、取付部364、371を有している。取付部364、371は、橋渡し部材38を接合部材61によって取付けるためのものである。これによれば、橋渡し部材38を第1補強部材36及び第2補強部材37の取付部364、371に対して、例えばネジ部材やボルト等の接合部材61によって取付けられるようにすることで、扉30の組み立て作業性の向上を図ることができる。
【0044】
第1補強部材36及び第2補強部材37は、保持部365、374を更に有している。保持部365、374は、橋渡し部材38を取付ける位置において橋渡し部材38を保持する。これによれば、橋渡し部材38を保持部365、374に保持させることで、第1補強部材36及び第2補強部材37に対する橋渡し部材38の位置決めを効率良く行うことができる。これにより、橋渡し部材38を第1補強部材36及び第2補強部材37に取付ける作業の作業性の向上を図ることができる。
【0045】
第1補強部材36又は第2補強部材37の一方の保持部365は、橋渡し部材38の長手方向の一方の端部を差し込み可能に形成され、第1補強部材36又は第2補強部材37の他方の保持部374は、扉30の幅方向の内側に向かって突出して形成され、少なくとも橋渡し部材38の長手方向の他方の端部の下面383に接触可能である。これによれば、第1補強部材36及び第2補強部材37に対して橋渡し部材38を容易に位置決めすることができる。これにより、扉30の組み立て作業性の向上を図ることができる。
【0046】
また、扉30の内部空間Sは、第1領域S1及び第2領域S2に区分される。第1領域S1は、第1部品34が設置される。第2領域S2は、第1部品34と異なる第2部品51が設置される。そして、橋渡し部材38は、第1領域S1と第2領域S2との間に設けられる。これによれば、扉30の内部空間Sにおいて、橋渡し部材38を第1部品34及び第2部品51に干渉しない位置に設けることができる。これにより、扉30の内部空間S内を有効に活用しつつ、扉30の剛性の向上を図ることができる。
【0047】
また、扉30内部つまり前面板31と庫内部材32との間に第1部品34及び第2部品51を含む2以上の部品を設ける場合、上下に区分けされた第1領域S1及び第2領域S2のそれぞれに部品が存在するように橋渡し部材38が配置される。これにより、橋渡し部材38の上側又は下側のいずれか一方のみに部品が存在する配置よりも扉30に作用する力の不均衡を減らすことができる。更に、前面板31と庫内部材32との間に設けられる部品が3以上存在する場合、それら部品のうち最も上下方向に長い部品を第1部品34又は第2部品51とする。これにより、橋渡し部材38を挟んだ上側の部分と下側の部分との長さの不均衡をできるだけ減らすことができる。
【0048】
第1部品34は、板状に形成された断熱部材で構成されており、橋渡し部材38の長手方向の長さは、断熱部材34の幅方向の長さよりも大きく設定されている。これによれば、例えば橋渡し部材38を第1補強部材36及び第2補強部材37に取り付ける際に、橋渡し部材38の長手方向の両端部が断熱部材34に干渉してしまうことを抑制することができる。これにより、扉30の組み立て作業性の向上を図ることができる。
【0049】
上記実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。この新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
【0050】
例えば、上記した実施形態では、冷蔵庫用扉として冷蔵室扉30を例にした場合について説明したが、扉30以外の扉41~44にも本発明を適用することができる。また、上記した実施形態では、第1補強部材36に保持部365を設け、橋渡し部材38に開口385aを設けているが、これとは逆の構成であっても良い。つまり、第1補強部材36に開口385aを設け、橋渡し部材38に保持部365を設ける構成としても良い。更に、第2保持部374は、縦片374aを含まない構成としても良いし、例えば横片374bの前側を橋渡し部材38の中間壁384の傾斜角度に沿って延びる構成として、横片374bが橋渡し部材38の下側側壁383及び中間壁384に接触可能にしても良い。また、橋渡し部材38は、扉30の上下方向において複数設けても良い。
【符号の説明】
【0051】
10…冷蔵庫、21…貯蔵室、30…冷蔵室扉(冷蔵庫用扉)、31…前面板、32…庫内部材、33…枠体、333a…第1側枠、333b…第2側枠、34…断熱部材(第1部品)、36…第1補強部材、364…第1取付部(取付部)、365…第1保持部(保持部)、37…第2補強部材、371…第2主体部(取付部)、374…第2保持部(保持部)、38…橋渡し部材、51…扉操作検知部(第2部品)、61…接合部材、S…内部空間、S1…第1領域、S2…第2領域
図1
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図13