(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024061278
(43)【公開日】2024-05-07
(54)【発明の名称】暖房制御システム
(51)【国際特許分類】
F24D 15/00 20220101AFI20240425BHJP
G08B 21/02 20060101ALI20240425BHJP
F24F 11/70 20180101ALI20240425BHJP
【FI】
F24D15/00 B
G08B21/02
F24F11/70
【審査請求】未請求
【請求項の数】10
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022169129
(22)【出願日】2022-10-21
(71)【出願人】
【識別番号】000222118
【氏名又は名称】artience株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100103894
【弁理士】
【氏名又は名称】家入 健
(74)【代理人】
【識別番号】100124936
【弁理士】
【氏名又は名称】秦 恵子
(72)【発明者】
【氏名】千阪 二郎
(72)【発明者】
【氏名】池上 智紀
(72)【発明者】
【氏名】丸山 健二郎
【テーマコード(参考)】
3L072
3L260
5C086
【Fターム(参考)】
3L072AB06
3L072AC01
3L072AC02
3L072AE06
3L072AF01
3L260AA02
3L260BA03
3L260BA80
3L260CA03
3L260CA07
3L260FB12
3L260FB23
3L260FB43
3L260FB48
3L260FB51
5C086AA22
5C086BA01
5C086BA04
5C086CA01
5C086CA15
5C086CB20
5C086DA40
(57)【要約】
【課題】プライバシーを保護しつつ適切に暖房を制御してヒートショックを抑制可能な暖房制御システムを提供すること。
【解決手段】本開示の一態様にかかる暖房制御システム1は、第1の部屋11の床に設置され、荷重を検出可能な床センサ13と、第1の部屋11に隣接した第2の部屋12に設けられた暖房装置14と、床センサ13の検出結果に応じて暖房装置14を制御する制御装置15と、を備える。制御装置15は、第1の部屋11に人が存在していることを検出した場合に、第2の部屋12の暖房装置の運転を開始する。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1の部屋の床に設置され、荷重を検出可能な床センサと、
前記第1の部屋に隣接した第2の部屋に設けられた暖房装置と、
前記床センサの検出結果に応じて前記暖房装置を制御する制御装置と、を備え、
前記制御装置は、前記第1の部屋に人が存在していることを検出した場合に、前記第2の部屋の暖房装置の運転を開始する、
暖房制御システム。
【請求項2】
前記制御装置は、前記第1の部屋に人が存在していることを検出し、かつ前記第1の部屋と前記第2の部屋との温度差が所定の温度差以上の場合に、前記第2の部屋の暖房装置の運転を開始する、
請求項1に記載の暖房制御システム。
【請求項3】
前記第1の部屋は脱衣所であり、
前記第2の部屋は浴室である、
請求項1または2に記載の暖房制御システム。
【請求項4】
前記制御装置は、前記第1の部屋において前記人が脱衣していることを検出した場合に、前記第2の部屋の暖房装置の運転を開始する、請求項3に記載の暖房制御システム。
【請求項5】
前記制御装置は、
前記床センサが前記人の両足を検出し、
前記人の一方の足が前記床センサから離れた後、再度、前記床センサが前記人の両足を検出し、
前記人の他方の足が前記床センサから離れた後、再度、前記床センサが前記人の両足を検出した場合に、前記人が脱衣していると判定する、
請求項4に記載の暖房制御システム。
【請求項6】
前記制御装置は、前記床センサが前記人の両足を検知した後、前記人の一方の足が前記床センサから離れ、その後、前記人の一方の足がつま先から前記床センサに接地したことを検知した場合に、前記人が脱衣していると判定する、
請求項4に記載の暖房制御システム。
【請求項7】
前記制御装置は、前記第2の部屋の暖房装置の運転を開始した後、所定の時間経過後に前記第2の部屋の暖房装置の運転を停止する、請求項1または2に記載の暖房制御システム。
【請求項8】
前記制御装置は、前記第2の部屋の暖房装置の運転を開始した後、前記人が前記第1の部屋から前記第2の部屋に移動してから所定の時間経過後に前記第2の部屋の暖房装置の運転を停止する、請求項1または2に記載の暖房制御システム。
【請求項9】
前記第1の部屋は浴室であり、
前記第2の部屋は脱衣所である、
請求項1または2に記載の暖房制御システム。
【請求項10】
前記第2の部屋の床に設置され、荷重を検出可能な床センサと、
前記第1の部屋に設けられた暖房装置と、を更に備え、
前記制御装置は、前記第2の部屋に人が存在していることを検出した場合に、前記第1の部屋の暖房装置の運転を開始する、
請求項1または2に記載の暖房制御システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、暖房制御システムに関する。
【背景技術】
【0002】
寒暖の温度差による血圧の急激な変化が、心筋梗塞、脳梗塞、失神などを誘発する、いわゆるヒートショックが知られている。ヒートショックは、温度差が大きい冬場の浴室で発生する場合が多い。特許文献1には、脱衣所にいる人の快適性を維持しつつヒートショックを抑制する技術が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1に開示されている技術では、赤外線センサを用いて脱衣所にいる人の表面温度を検知し、脱衣所にいる人が脱衣状態であるか着衣状態であるかを判定している。しかしながら、脱衣所は浴室に隣接するため湿度が高く、このため結露や湯気によって赤外線センサが検知不良となったり誤動作したりする恐れがある。
【0005】
また、脱衣所や浴室はプライバシーが重視される空間であるため、カメラを用いて人の存在を検出することは適切ではない。このため、脱衣所や浴室にいる人のプライバシーを保護しながら人の存在を検出し、適切に暖房を制御することでヒートショックを抑制する暖房制御システムが必要とされている。
【0006】
上記課題に鑑み本開示の目的は、プライバシーを保護しつつ適切に暖房を制御してヒートショックを抑制可能な暖房制御システムを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本開示の一態様にかかる暖房制御システムは、第1の部屋の床に設置され、荷重を検出可能な床センサと、前記第1の部屋に隣接した第2の部屋に設けられた暖房装置と、前記床センサの検出結果に応じて前記暖房装置を制御する制御装置と、を備える。前記制御装置は、前記第1の部屋に人が存在していることを検出した場合に、前記第2の部屋の暖房装置の運転を開始する。
【発明の効果】
【0008】
本開示により、プライバシーを保護しつつ適切に暖房を制御してヒートショックを抑制可能な暖房制御システムを提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】実施の形態1にかかる暖房制御システムの構成例を説明するための模式図である。
【
図2】実施の形態1にかかる暖房制御システムの構成例を説明するためのブロック図である。
【
図3】実施の形態1にかかる暖房制御システムの動作の一例を説明するための図である。
【
図4】実施の形態1にかかる暖房制御システムの動作の一例を説明するための図である。
【
図5】実施の形態1にかかる暖房制御システムの動作の一例を説明するための図である。
【
図6】実施の形態2にかかる暖房制御システムの構成例を説明するための模式図である。
【
図7】実施の形態3にかかる暖房制御システムの構成例を説明するための模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
本開示にかかる暖房制御システムは、第1の部屋の床に設置され、荷重を検出可能な床センサと、前記第1の部屋に隣接した第2の部屋に設けられた暖房装置と、前記床センサの検出結果に応じて前記暖房装置を制御する制御装置と、を備える。前記制御装置は、前記第1の部屋に人が存在していることを検出した場合に、前記第2の部屋の暖房装置の運転を開始するように構成されている。
【0011】
以下で説明する実施の形態1では、第1の部屋が脱衣所であり、第2の部屋が浴室である場合について説明する。また、実施の形態2(
図6)では、第1の部屋が浴室であり、第2の部屋が脱衣所である場合について説明する。また、実施の形態3(
図7)では、第1の部屋が脱衣所であり、第2の部屋が浴室であり、第1の部屋および第2の部屋の両方に床センサおよび暖房装置が設けられた構成について説明する。
【0012】
<実施の形態1>
図1は、実施の形態1にかかる暖房制御システムの構成例を説明するための模式図である。
図1に示すように、本実施の形態にかかる暖房制御システム1は、床センサ13、暖房装置14、及び制御装置15を備える。床センサ13は、脱衣所(第1の部屋)11の床に設置されている。暖房装置14は、浴室(第2の部屋)12に設置されている。浴室12には浴槽18が設置されている。なお、
図1に示す構成例では浴室11に浴槽18が設定されている構成例を示しているが、本実施の形態は、浴室11に浴槽が無いシャワールームや、トイレを併設するタイプの浴室(ユニットバス)などにも適用することができる。
【0013】
図1に示すように、床センサ13は、脱衣所11の床に設置され、荷重を検出可能に構成されている。具体的には、脱衣所11の出入口にはドア16が設けられており、ドア16を開けて人が脱衣所11に入室すると、人によって床センサ13が踏まれて、床センサ13に人の体重に起因した荷重(圧力)が印加される。床センサ13は、この荷重の検出結果を制御装置15に出力する。床センサ13は、例えば、荷重を検出する複数の検出セル25(
図2参照)が行方向及び列方向にマトリックス状に配置されたセンサパネルを用いて構成することができる。このようなセンサパネルは、特開2019-060622号公報に開示されている。また、床センサ13として、圧電素子を用いた感圧シートや、静電容量検出素子を用いた静電容量センサを用いてもよい。なお、
図1では、脱衣所11の床全体に床センサ61を設けた構成例を示したが、本実施の形態では、脱衣が想定される場所に限定して床センサ61を設けてもよく、脱衣所11のドア16の近傍に限定して床センサ61を設けてもよい。
【0014】
暖房装置14は、脱衣所11に隣接した浴室12に設けられている。暖房装置14は、浴室12内を所定の温度に暖める機能を備える。暖房装置14には、例えば、温風ヒータ、床暖房、ハロゲンヒータ、ミストサウナ等を用いることができる。また、暖房装置14として、浴室12内にお湯を散乱させて浴室12内を暖めるスプリンクラーを用いてもよい。なお、これらの暖房装置14は一例であり、本実施の形態では浴室12内を所定の温度に暖める機能を備える暖房装置であればどのような暖房装置を用いてもよい。
【0015】
制御装置15は、床センサ13の検出結果に応じて暖房装置14を制御するように構成されている。具体的には制御装置15は、脱衣所11に人が存在していることを床センサ13で検出した場合に、浴室12の暖房装置14の運転を開始する。このとき、制御装置15は、脱衣所11に人が存在していることを検出し、かつ脱衣所11と浴室12との温度差が所定の温度差以上の場合に、浴室12の暖房装置14の運転を開始してもよい。ここで、所定の温度差とは、入浴者がヒートショックを起こす恐れがある温度差である。所定の温度差は、暖房制御システムの製造者が予め設定してもよく、ユーザが任意に設定できるようにしてもよい。また、制御装置15が所定の温度差を自動で設定できるようにしてもよい。例えば、制御装置15は、浴室12の温度、脱衣所11の温度、および/または、浴室12と脱衣所11の温度の平均値、を指標とし、指標が高く暖かければ所定の温度差が大きくなるように、指標が低く寒ければ所定の温度差が小さくなるように、所定の温度差を自動で設定してもよい。
【0016】
また、制御装置15は、脱衣所11に人が存在していることを検出し、かつ浴室12の温度が所定の温度以下の場合に、浴室12の暖房装置14の運転を開始するようにしてもよい。つまり、浴室12の温度が所定の温度以下の場合(つまり、浴室12が寒い場合)、ヒートショックを起こす可能性が高くなるので、このような場合に浴室12の暖房装置14の運転を開始するようにしてもよい。
【0017】
図1に示すように、浴室12の出入口にはドア17が設けられており、ドア17を開けて人が浴室12に入室する。本実施の形態において制御装置15は、脱衣所11に人が存在していることを検出した場合、人が浴室12に入室する前に浴室12の暖房装置14の運転を開始する。よって、脱衣所11と浴室12との温度差を小さくできるので、浴室12に入室した人がヒートショックを起こすことを抑制できる。また、本実施の形態では、脱衣所11に人が存在していることを、床センサ13を用いて検出しているので、入浴者のプライバシーを保護できる。したがって本実施の形態により、プライバシーを保護しつつ適切に暖房を制御してヒートショックを抑制可能な暖房制御システムを提供できる。
【0018】
図2は、実施の形態1にかかる暖房制御システムの構成例を説明するためのブロック図である。
図2に示す例では、床センサ13は、荷重を検出する複数の検出セル25が行方向及び列方向にマトリックス状に配置されて構成されている。床センサ13の検出結果は、制御装置15の検出回路21に供給される。検出回路21は、床センサ13の検出結果に基づいて所定の検出データを生成する。なお、検出回路21は、床センサ13の駆動回路として機能してもよい。
【0019】
例えば、検出回路21は、床センサ13の各々の検出セル25の位置情報と、各々の検出セル25の荷重検出の有無とを対応付けて、検出データを生成してもよい。この場合、検出データには、荷重を検出した検出セル25の位置情報が含まれる。
【0020】
制御装置15の演算部22は、検出回路21から供給された検出データを用いて、脱衣所11に人が存在しているか否かを判定する。例えば、
図3に示すように、脱衣所11の床センサ13が人の足31、32を検出した際に、脱衣所11に人が存在していると判定してもよい。なお、本明細書では荷重を検出している検出セル25をハッチングで示している。また、人が脱衣所11に入室して移動した際の軌跡33を検出することで、脱衣所11に人が存在していると判定してもよい。なお、人が移動した軌跡33は、人の足31、32の位置を経時的に検出することで求めることができる。
【0021】
また、演算部22は、脱衣所11の所定の区画に人が一定時間以上滞在している場合に、脱衣所11に人が存在していると判定してもよい。つまり、人が入浴する際は所定の区画に留まって脱衣するので、所定の区画に人が一定時間以上滞在している場合に、脱衣所11に人が存在していると判定できる。なお、所定の区画はユーザが任意に設定できる。
【0022】
また、演算部22は、脱衣所11において人が脱衣しているか否かを判定してもよい。具体的には、
図4に示すように、床センサ13が人の両足41、42を検出し(タイミングt=1)、人の一方の足41が床センサ13から離れた後(タイミングt=2)、再度、床センサ13が人の両足41、42を検出し(タイミングt=3)、人の他方の足42が床センサ13から離れた後(タイミングt=4)、再度、床センサ13が人の両足41、42を検出した場合(タイミングt=5)、演算部22は人が脱衣していると判定してもよい。つまり、演算部22は、人の足踏み動作(
図4参照)を検出した場合、人が脱衣していると判定してもよい。
【0023】
このとき演算部22は、床センサ13が人の両足を検知した後、人の一方の足が床センサ13から離れ、その後、人の一方の足がつま先から床センサ13に接地したことを検知した場合に、人が脱衣していると判定してもよい。
【0024】
具体的には、
図5に示すように、床センサ13が人の両足51、52を検出し(タイミングt=1)、人の一方の足51が床センサ13から離れた後(タイミングt=2)、人の一方の足がつま先53から床センサ13に接地し(タイミングt=3)、再度、床センサ13が人の両足51、52を検出し(タイミングt=4)、人の他方の足52が床センサ13から離れた後(タイミングt=5)、人の他方の足がつま先54から床センサ13に接地し(タイミングt=6)、再度、床センサ13が人の両足51、52を検出した場合(タイミングt=7)、演算部22は人が脱衣していると判定してもよい。
【0025】
なお、人が脱衣する場合は、所定の位置に留まって脱衣する。このため、人の両足41、42、51、52は所定の範囲内(例えば、所定の直径を有する円の範囲内)において検出され続ける。演算部22は、上記
図4、
図5に示した動作に加えて、人の両足41、42、51、52が所定の範囲内において検出され続けた場合に、人が脱衣していると判定してもよい。
【0026】
図2に示す制御装置15の制御部23は、脱衣所11に人が存在していることを検出した場合、浴室12の暖房装置14の運転を開始する。このとき、制御部23は、脱衣所11に人が存在していることを検出し、かつ脱衣所11と浴室12との温度差が所定の温度差以上の場合に、浴室12の暖房装置14の運転を開始してもよい。なお、脱衣所11の温度と浴室12の温度は、脱衣所11および浴室12の各々に設けられた温度センサを用いて検出できる。また、制御部23は、脱衣所11において人が脱衣していることを検出した場合に、浴室12の暖房装置の運転を開始するようにしてもよい。
【0027】
以上で説明したように、本実施の形態にかかる暖房制御システム1は、脱衣所11に人が存在しているか否かを床センサ13を用いて検出している。よって、脱衣所11に居る人のプライバシーを保護することができる。また、制御装置15は、脱衣所11に人が存在していることを検出した場合、浴室12の暖房装置14の運転を開始するようにしている。よって、人が浴室12に入室する前に浴室12の暖房装置14の運転を開始できるので、脱衣所11と浴室12の温度差を小さくでき、ヒートショックの発生を抑制できる。したがって、本実施の形態にかかる暖房制御システム1により、プライバシーを保護しつつ適切に暖房を制御してヒートショックを抑制可能な暖房制御システムを提供できる。
【0028】
本実施の形態にかかる暖房制御システム1において、制御装置15は、浴室12の暖房装置14の運転を開始した後、所定の時間経過後に浴室12の暖房装置14の運転を停止するようにしてもよい。ここで所定の時間とは、暖房装置14によって浴室12内が暖かくなるまでに必要な時間である。また、制御装置15は、浴室12の暖房装置14の運転を開始した後、脱衣所11と浴室12との温度差が所定の温度差以下となった場合に、浴室12の暖房装置14の運転を停止するようにしてもよい。
【0029】
また、制御装置15は、浴室12の暖房装置14の運転を開始した後、人が脱衣所11から浴室12に移動してから所定の時間経過後に浴室12の暖房装置の運転を停止してもよい。つまりこの場合は、人が脱衣所11から浴室12に移動したタイミングを所定の時間の計測開始としている。制御装置15は、床センサ13を用いて、人が脱衣所11から浴室12に移動したことを検出できる。例えば、人が浴室12の方向に移動した後、人の足が検出されなくなった場合に、人が脱衣所11から浴室12に移動したと判定できる。
【0030】
また本実施の形態にかかる暖房制御システムは、警告装置(不図示)を更に備えていてもよい。制御装置15は、浴室12の温度が所定の温度よりも低い場合、人が浴室12に入ることを抑制するために、警告装置を用いて人に警告してもよい。また、制御装置15は、脱衣所11と浴室12との温度差が所定の温度差以上の場合、人が浴室12に入ることを抑制するために、警告装置を用いて人に警告してもよい。
【0031】
例えば警告装置は表示部を備えていてもよく、当該表示部に警告メッセージを表示して警告するようにしてもよい。また、警告装置はスピーカを備えていてもよく、スピーカから警告音や警告メッセージを流すことで警告するようにしてもよい。また、警告装置はドアノブを振動させる機構を備えていてもよく、この場合は人が浴室12のドア17を開けようとした場合に、ドアノブを振動させて人に警告するようにしてもよい。また、警告装置はドアノブをロックする機構を備えていてもよく、この場合は浴室12のドア17のドアノブをロックすることで警告するようにしてもよい。
【0032】
また、本実施の形態にかかる暖房制御システムは、浴槽18や給湯装置(不図示)と連携するように構成してもよい。例えば、制御装置15は、浴槽18にお湯がない場合、暖房装置14を運転しないようにしてもよい。また、制御装置15は、給湯装置がお風呂モードではない場合、暖房装置14を運転しないようにしてもよい。例えば、浴室12を掃除する場合は、浴槽18にお湯がなかったり、給湯装置がお風呂モードではなかったりするので、このような場合、制御装置15は、暖房装置14を運転しないようにしてもよい。
【0033】
<実施の形態2>
次に、実施の形態2について説明する。
図6は、実施の形態2にかかる暖房制御システムの構成例を説明するための模式図である。
図6に示すように、実施の形態2にかかる暖房制御システム2は、浴室12(第1の部屋)に床センサ61が設けられており、脱衣所11(第2の部屋)に暖房装置63が設けられている。なお、本実施の形態において、床センサ61は実施の形態1で説明した床センサ13に対応しており、暖房装置63は実施の形態1で説明した暖房装置14に対応しており、制御装置62は実施の形態1で説明した制御装置15と対応しているので、これらの詳細な説明は省略する。
【0034】
本実施の形態にかかる暖房制御システム2において、制御装置62は、浴室12に人が存在していることを検出した場合に、脱衣所11の暖房装置63の運転を開始する。このとき制御装置62は、浴室12に人が存在していることを検出し、かつ浴室12と脱衣所11との温度差が所定の温度差以上の場合に、脱衣所11の暖房装置63の運転を開始してもよい。ここで、所定の温度差とは、入浴者が入浴後に脱衣所11に移動した際にヒートショックを起こす恐れがある温度差である。所定の温度差は、暖房制御システムの製造者が予め設定してもよく、ユーザが任意に設定できるようにしてもよい。また、制御装置62が所定の温度差を自動で設定できるようにしてもよい。
【0035】
また、制御装置62は、浴室12に人が存在していることを検出し、かつ脱衣所11の温度が所定の温度以下の場合に、脱衣所11の暖房装置63の運転を開始するようにしてもよい。つまり、脱衣所11の温度が所定の温度以下の場合(つまり、脱衣所11が寒い場合)、ヒートショックを起こす可能性が高くなるので、このような場合に脱衣所11の暖房装置63の運転を開始するようにしてもよい。
【0036】
このとき制御装置62は、浴室12に人が存在していることを検出した後(つまり人が浴室12に入室した後)、所定の時間経過後に脱衣所11の暖房装置63の運転を開始するようにしてもよい。ここで所定の時間は、人が浴室12に入室している平均時間を考慮して決定してもよい。つまり、入浴後に人が浴室12から脱衣所11に移動した際に脱衣所11が暖まっているように、予め脱衣所11の暖房装置63の運転を開始するように、所定の時間を決定する。
【0037】
なお、
図6では、浴室12の床のうち浴槽18が設けられている場所以外の床に床センサ61を設けた構成例を示したが、本実施の形態では浴室12のドア17の近傍に限定して床センサ61を設けてもよい。このように、ドア17の近傍に限定して床センサ61を設けた場合は、設置する床センサ61の面積を小さくしつつ、人の浴室12への入退室を精度よく検出できる。
【0038】
本実施の形態にかかる暖房制御システム2において、制御装置62は、脱衣所11の暖房装置63の運転を開始した後、所定の時間経過後に脱衣所11の暖房装置63の運転を停止するようにしてもよい。ここで所定の時間とは、暖房装置63によって脱衣所11内が暖かくなるまでに必要な時間である。また、制御装置62は、脱衣所11の暖房装置63の運転を開始した後、脱衣所11と浴室12との温度差が所定の温度差以下となった場合に、脱衣所11の暖房装置63の運転を停止するようにしてもよい。
【0039】
また、制御装置62は、脱衣所11の暖房装置14の運転を開始した後、人が脱衣所11から退室した際に脱衣所11の暖房装置63の運転を停止してもよい。人が脱衣所11から退室することは、例えば、ドア16に開閉センサを設けることで検出することができる。
【0040】
また本実施の形態にかかる暖房制御システム2は、警告装置(不図示)を更に備えていてもよい。制御装置62は、脱衣所11の温度が所定の温度よりも低い場合、人が浴室12から脱衣所11に移動することを抑制するために、警告装置を用いて人に警告してもよい。また、制御装置62は、脱衣所11と浴室12との温度差が所定の温度差以上の場合、人が浴室12から脱衣所11に移動することを抑制するために、警告装置を用いて人に警告してもよい。
【0041】
例えば警告装置は表示部を備えていてもよく、当該表示部に警告メッセージを表示して警告するようにしてもよい。また、警告装置はスピーカを備えていてもよく、スピーカから警告音や警告メッセージを流すことで警告するようにしてもよい。また、警告装置はドアノブを振動させる機構を備えていてもよく、この場合は人が浴室12のドア17を開けようとした場合に、ドアノブを振動させて人に警告するようにしてもよい。
【0042】
以上で説明した本実施の形態にかかる暖房制御システムにより、プライバシーを保護しつつ適切に暖房を制御してヒートショックを抑制することができる。
【0043】
<実施の形態3>
次に、実施の形態3について説明する。
図7は、実施の形態3にかかる暖房制御システムの構成例を説明するための模式図である。
図7に示すように、実施の形態3にかかる暖房制御システム3は、脱衣所11に床センサ13と暖房装置63が設けられており、浴室12に暖房装置14と床センサ61が設けられている。つまり、実施の形態3にかかる暖房制御システム3は、実施の形態1にかかる暖房制御システム1と実施の形態2にかかる暖房制御システム2とを組み合わせた構成を備える。
【0044】
なお、本実施の形態において、床センサ13、61は実施の形態1、2で説明した床センサ13、61に対応しており、暖房装置14、63は実施の形態1、2で説明した暖房装置14、63に対応しており、制御装置70は実施の形態1、2で説明した制御装置15、62に対応しているので、これらの詳細な説明は適宜省略する。
【0045】
本実施の形態にかかる暖房制御システム3において、制御装置70は、脱衣所11の床センサ13の検出結果に応じて浴室12の暖房装置14を制御するように構成されている。具体的には制御装置70は、脱衣所11に人が存在していることを床センサ13で検出した場合に、浴室12の暖房装置14の運転を開始する。このとき、制御装置70は、脱衣所11に人が存在していることを検出し、かつ脱衣所11と浴室12との温度差が所定の温度差以上の場合に、浴室12の暖房装置14の運転を開始してもよい。ここで、所定の温度差とは、入浴者がヒートショックを起こす恐れがある温度差である。所定の温度差は、暖房制御システムの製造者が予め設定してもよく、ユーザが任意に設定できるようにしてもよい。また、制御装置70が所定の温度差を自動で設定できるようにしてもよい。
【0046】
また、制御装置70は、脱衣所11に人が存在していることを検出し、かつ浴室12の温度が所定の温度以下の場合に、浴室12の暖房装置14の運転を開始するようにしてもよい。つまり、浴室12の温度が所定の温度以下の場合(つまり、浴室12が寒い場合)、ヒートショックを起こす可能性が高くなるので、このような場合に浴室12の暖房装置14の運転を開始するようにしてもよい。
【0047】
本実施の形態にかかる暖房制御システム3において、制御装置70は、浴室12に人が存在していることを検出した場合に、脱衣所11の暖房装置63の運転を開始する。このとき制御装置70は、浴室12に人が存在していることを検出し、かつ浴室12と脱衣所11との温度差が所定の温度差以上の場合に、脱衣所11の暖房装置63の運転を開始してもよい。ここで、所定の温度差とは、入浴者が入浴後に脱衣所11に移動した際にヒートショックを起こす恐れがある温度差である。所定の温度差は、暖房制御システムの製造者が予め設定してもよく、ユーザが任意に設定できるようにしてもよい。また、制御装置70が所定の温度差を自動で設定できるようにしてもよい。
【0048】
また、制御装置70は、浴室12に人が存在していることを検出し、かつ脱衣所11の温度が所定の温度以下の場合に、脱衣所11の暖房装置63の運転を開始するようにしてもよい。つまり、脱衣所11の温度が所定の温度以下の場合(つまり、脱衣所11が寒い場合)、ヒートショックを起こす可能性が高くなるので、このような場合に脱衣所11の暖房装置63の運転を開始するようにしてもよい。
【0049】
その他の構成および動作については、実施の形態1、2で説明した場合と同様であるので重複した説明を省略する。
【0050】
以上で説明した本実施の形態にかかる暖房制御システム3により、プライバシーを保護しつつ適切に暖房を制御してヒートショックを抑制することができる。特に本実施の形態にかかる暖房制御システム3は、脱衣所11と浴室12の両方に暖房装置14、63を設けているので、入浴者が入浴時に脱衣所11から浴室12に移動した際にヒートショックを起こすこと、また、入浴者が入浴後に浴室12から脱衣所11に移動した際にヒートショックを起こすことを効果的に抑制することができる。
【0051】
以上、本発明を上記実施の形態に即して説明したが、本発明は上記実施の形態の構成にのみ限定されるものではなく、本願特許請求の範囲の請求項の発明の範囲内で当業者であればなし得る各種変形、修正、組み合わせを含むことは勿論である。
【符号の説明】
【0052】
1、2、3 暖房制御システム
11 脱衣所
12 浴室
13、61 床センサ
14、63 暖房装置
15、62、70 制御装置
16、17 ドア
18 浴槽
21 検出回路
22 演算部
23 制御部
25 検出セル
41、42、51、52 足
53、54 つま先