(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024006129
(43)【公開日】2024-01-17
(54)【発明の名称】情報処理システム、情報処理方法及びプログラム
(51)【国際特許分類】
G06Q 30/015 20230101AFI20240110BHJP
G06Q 30/0251 20230101ALI20240110BHJP
G06Q 20/06 20120101ALI20240110BHJP
【FI】
G06Q30/02 470
G06Q30/02 398
G06Q20/06
【審査請求】未請求
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022106738
(22)【出願日】2022-06-30
(71)【出願人】
【識別番号】515324349
【氏名又は名称】前田 充宏
(72)【発明者】
【氏名】矢沢 稔
(72)【発明者】
【氏名】星野 航
(72)【発明者】
【氏名】前田 充宏
【テーマコード(参考)】
5L049
5L055
【Fターム(参考)】
5L049BB08
5L055AA12
(57)【要約】
【課題】ユーザの興味対象を推測することができるようにする。
【解決手段】情報処理システムであって、ユーザのウォレットに記憶されているノンファンジブルトークンを特定する所有トークン特定部と、ノンファンジブルトークンに紐付くデジタルコンテンツの属性を取得する属性取得部と、属性に応じてユーザの興味対象を推定する推定部と、を備えることを特徴とする。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ユーザのウォレットに記憶されているノンファンジブルトークンを特定する所有トークン特定部と、
前記ノンファンジブルトークンに紐付くデジタルコンテンツの属性を取得する属性取得部と、
前記属性に応じて前記ユーザの興味対象を推定する推定部と、
を備えることを特徴とする情報処理システム。
【請求項2】
請求項1に記載の情報処理システムであって、
推定した前記興味対象に含まれる前記デジタルコンテンツに紐付く前記ノンファンジブルトークンであって前記ユーザの前記ウォレットに記憶されていない前記ノンファンジブルトークンを前記ユーザに提案する提案部を備えること、
を特徴とする情報処理システム。
【請求項3】
請求項1に記載の情報処理システムであって、
前記興味対象に応じた広告を前記ユーザに対して配信する広告配信部を備えること、
を特徴とする情報処理システム。
【請求項4】
請求項1に記載の情報処理システムであって、
ブロックチェーンを検証して、前記ウォレットから送出されたノンファンジブルトークンを特定する送出トークン特定部を備え、
前記属性取得部は、特定した前記送出されたノンファンジブルトークンの前記属性を取得し、
前記推定部は、前記ウォレットに記憶されている前記ノンファンジブルトークンの前記属性と、前記送出されたノンファンジブルトークンの前記属性とに応じて前記興味対象を推定すること、
を特徴とする情報処理システム。
【請求項5】
ユーザのウォレットに記憶されているノンファンジブルトークンを特定するステップと、
前記ノンファンジブルトークンに紐付くデジタルコンテンツの属性を取得するステップと、
前記属性に応じて前記ユーザの興味対象を推定するステップと、
をコンピュータが実行することを特徴とする情報処理方法。
【請求項6】
ユーザのウォレットに記憶されているノンファンジブルトークンを特定するステップと、
前記ノンファンジブルトークンに紐付くデジタルコンテンツの属性を取得するステップと、
前記属性に応じて前記ユーザの興味対象を推定するステップと、
をコンピュータに実行させるためのプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報処理システム、情報処理方法及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
記事コンテンツに応じた興味関心を推定することが行われている(特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
記事の閲覧動向と購買動向が一致するとは限らない。
【0005】
本発明はこのような背景を鑑みてなされたものであり、ユーザの興味対象を推測することができる技術を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するための本発明の主たる発明は、情報処理システムであって、ユーザのウォレットに記憶されているノンファンジブルトークンを特定する所有トークン特定部と、前記ノンファンジブルトークンに紐付くデジタルコンテンツの属性を取得する属性取得部と、前記属性に応じて前記ユーザの興味対象を推定する推定部と、を備えることを特徴とする。
【0007】
その他本願が開示する課題やその解決方法については、発明の実施形態の欄及び図面により明らかにされる。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、ユーザの興味対象を推測することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】本発明の一実施形態に係る情報処理システムの全体構成例を示す図である。
【
図2】管理サーバ2のハードウェア構成例を示す図である。
【
図3】管理サーバ2のソフトウェア構成例を示す図である。
【
図4】本実施形態の情報処理システムの動作について説明する。
【発明を実施するための形態】
【0010】
<システムの概要>
図1は、本発明の一実施形態に係る情報処理システムの全体構成例を示す図である。本実施形態の情報処理システムは、管理サーバ2を含んで構成される。管理サーバ2は、ユーザ端末1と通信ネットワーク5を介して通信可能に接続される。通信ネットワーク5は、たとえばインターネットであり、公衆電話回線網や携帯電話回線網、無線通信路、イーサネット(登録商標)などにより構築される。
【0011】
管理サーバ2は、ブロックチェーンネットワーク3とも通信可能に接続される。ブロックチェーンネットワーク3は、複数のノード(コンピュータ)により構成され、台帳データを分散して管理することができる。分散台帳は、いわゆるブロックチェーンの仕組みにより改ざん困難に管理される。なお、ブロックチェーンによる分散台帳管理の仕組みについては一般的なものを採用するものとしてここでは詳細な説明を省略する。ブロックチェーンネットワーク3は、例えば、イーサリアムなどにより構築することができる。
【0012】
イーサリアムなどのブロックチェーンネットワークによって発行可能なトークン(イーサリアムトークン)としては、ファンジブルトークンと、ノンファンジブルトークン(非代替性トークン;Non-Fungible Token:NFT)とがある。NFTは、ファンジブルトークンとは異なり、代替性を有さないトークンである。NFTは、他のNFTと区別される独自の価値を有することができる。このため、NFTは、他のNFTとの区別を可能にするための固有の識別子(NFT-ID)を有する。NFTは、例えば、ERC(Ethereum Request for Comments)721規格に従って発行されたトークンである。ERC721規格に準拠したNFTは、NFT-721トークンとも呼ばれる。本実施形態では、一例として、NFTは、NFT-721トークンであることを想定する。NFTは、ファンジブルトークンと同様に、ブロックチェーンネットワーク3上において取引可能である。NFTの取引履歴は、ブロックチェーンネットワーク3において記録される。ブロックチェーンネットワーク3の分散台帳では、NFTの所有者(オーナー)及び所有履歴も記録される。
【0013】
本実施形態の情報処理システムは、ユーザのウォレットに入っているNFTを分析してユーザの興味対象を推定しようとするものである。また、本実施形態の情報処理システムでは、ウォレットから他のウォレットに送信されたNFTについても分析に加えて興味対象を推定することができる。
【0014】
ユーザ端末1は、ユーザが使用する例えばスマートフォンやタブレットコンピュータ、パーソナルコンピュータなどのコンピュータである。
【0015】
管理サーバ2は、各種の管理を行うコンピュータであり、例えばワークステーションやパーソナルコンピュータのような汎用コンピュータとしてもよいし、あるいはクラウド・コンピューティングによって論理的に実現されてもよい。
【0016】
<管理サーバ2>
図2は、管理サーバ2のハードウェア構成例を示す図である。なお、図示された構成は一例であり、これ以外の構成を有していてもよい。管理サーバ2は、CPU201、メモリ202、記憶装置203、通信インタフェース204、入力装置205、出力装置206を備える。記憶装置203は、各種のデータやプログラムを記憶する、例えばハードディスクドライブやソリッドステートドライブ、フラッシュメモリなどである。通信インタフェース204は、通信ネットワーク5に接続するためのインタフェースであり、例えばイーサネット(登録商標)に接続するためのアダプタ、公衆電話回線網に接続するためのモデム、無線通信を行うための無線通信機、シリアル通信のためのUSB(Universal Serial Bus)コネクタやRS232Cコネクタなどである。入力装置205は、データを入力する、例えばキーボードやマウス、タッチパネル、ボタン、マイクロフォンなどである。出力装置206は、データを出力する、例えばディスプレイやプリンタ、スピーカなどである。なお、後述する管理サーバ2の各機能部はCPU201が記憶装置203に記憶されているプログラムをメモリ202に読み出して実行することにより実現され、管理サーバ2の各記憶部はメモリ202及び記憶装置203が提供する記憶領域の一部として実現される。
【0017】
図3は、管理サーバ2のソフトウェア構成例を示す図である。管理サーバ2は、所有トークン特定部211と、属性取得部212と、推定部213と、提案部214と、広告配信部215と、送出トークン特定部216と、コンテンツ情報記憶部231と、広告情報記憶部232と、を備える。
【0018】
所有トークン特定部211は、ユーザのウォレットに記憶されているNFTを特定する。所有トークン特定部211は、ブロックチェーンネットワーク3に管理されているブロックチェーンを検証することによりウォレットに入っているNFTを特定することができる。
【0019】
属性取得部212は、NFTに紐付くデジタルコンテンツの属性を取得する。属性取得部212は、ユーザのウォレットに入っているNFTの属性をコンテンツ情報記憶部231から取得することができる。
【0020】
推定部213は、NFTに紐付くデジタルコンテンツの属性に応じてユーザの興味対象を推定する。
【0021】
送出トークン特定部216は、ウォレットから送出されたNFTを特定する。送出トークン特定部216は、ブロックチェーンネットワーク3に管理されているブロックチェーンを検証することにより、ウォレットから送出されたNFTを特定することができる。
【0022】
属性取得部212は、送出トークン特定部216が特定した、ウォレットから過去に送出されたNFTの属性を取得する。属性取得部212は、例えばコンテンツ情報記憶部231から取得することができる。
【0023】
推定部213は、ユーザのウォレットに記憶されているNFTの属性に限らず、ユーザのウォレットから過去に送出されたNFTの属性にも応じてユーザの興味対象を推定することができる。さらに両方に応じて興味対象を推定することもできる。
【0024】
提案部214は、ユーザに対してNFTを提案する。提案部214は、推定部213が推定した興味対象に含まれるデジタルコンテンツに紐付くNFTを特定し、特定したNFTのうちユーザのウォレットに入っていないものをユーザに提案することができる。なお、提案部214は、NFTではなく、デジタルコンテンツを提案するようにしてもよい。この場合、デジタルコンテンツとともにNFTをミントする権利を販売するようにして、後からユーザが購入したデジタルコンテンツに紐付くNFTを取得してウォレットに格納することができるようにする。
【0025】
広告情報記憶部232は、広告に関する情報(以下、広告情報という。)を記憶する。広告情報には、広告を表示するための広告データ、広告の対象とするセグメントを特定するための対象条件、広告期間、料金などを含めることができる。広告データは、例えば、画像データや音声データなどである。対象条件は、本実施形態では、ユーザの興味対象に対する条件とすることができる。また、対象条件に、ユーザの属性に対する条件などを含めるようにしてもよい。
【0026】
広告配信部215は、ユーザに対して広告を配信する。広告配信部215は、推定部213が推定した興味対象に応じて広告を配信することができる。広告配信部215は、興味対象が対象条件を満たす広告情報を広告情報記憶部232から検索し、検索した広告情報に含まれる広告データをユーザ端末1に送信することができる。
【0027】
<動作>
図4は、本実施形態の情報処理システムの動作について説明する。
【0028】
管理サーバ2は、分析対象のユーザのそれぞれについて、ユーザのウォレット(なお、ユーザのウォレットアドレスは所与のものであるものとする。)に入っているNFTを特定し(S301)、また、ブロックチェーンネットワーク3に管理されているブロックチェーンを分析することにより、過去にユーザのウォレットから送出されたNFTを特定する(S302)。管理サーバ2は、特定したNFTの属性(NFTに紐付くデジタルコンテンツの属性)を取得して(S303)、取得した属性に基づいてユーザの興味対象を推定する(S304)。管理サーバ2は、推定した興味対象に応じてデジタルコンテンツ(又はそれに紐付くNFT)をユーザに提案し(S305)、興味対象に応じて広告を配信する(S306)。
【0029】
以上のようにして、本実施形態の情報処理システムによればユーザのウォレットに入っている及び/又はウォレットに入っていたNFT(に紐付くデジタルコンテンツ)の属性を分析して、ユーザの興味対象を推定することができ、その興味対象に合わせた別のデジタルコンテンツ及びそのNFTを提案し、また興味対象に合わせた広告を配信することができる。
【0030】
以上、本実施形態について説明したが、上記実施形態は本発明の理解を容易にするためのものであり、本発明を限定して解釈するためのものではない。本発明は、その趣旨を逸脱することなく、変更、改良され得ると共に、本発明にはその等価物も含まれる。
【0031】
<開示事項>
なお、本開示には、以下のような構成も含まれる。
[項目1]
ユーザのウォレットに記憶されているノンファンジブルトークンを特定する所有トークン特定部と、
前記ノンファンジブルトークンに紐付くデジタルコンテンツの属性を取得する属性取得部と、
前記属性に応じて前記ユーザの興味対象を推定する推定部と、
を備えることを特徴とする情報処理システム。
[項目2]
項目1に記載の情報処理システムであって、
推定した前記興味対象に含まれる前記デジタルコンテンツに紐付く前記ノンファンジブルトークンであって前記ユーザの前記ウォレットに記憶されていない前記ノンファンジブルトークンを前記ユーザに提案する提案部を備えること、
を特徴とする情報処理システム。
[項目3]
項目1に記載の情報処理システムであって、
前記興味対象に応じた広告を前記ユーザに対して配信する広告配信部を備えること、
を特徴とする情報処理システム。
[項目4]
項目1に記載の情報処理システムであって、
ブロックチェーンを検証して、前記ウォレットから送出されたノンファンジブルトークンを特定する送出トークン特定部を備え、
前記属性取得部は、特定した前記送出されたノンファンジブルトークンの前記属性を取得し、
前記推定部は、前記ウォレットに記憶されている前記ノンファンジブルトークンの前記属性と、前記送出されたノンファンジブルトークンの前記属性とに応じて前記興味対象を推定すること、
を特徴とする情報処理システム。
[項目5]
ユーザのウォレットに記憶されているノンファンジブルトークンを特定するステップと、
前記ノンファンジブルトークンに紐付くデジタルコンテンツの属性を取得するステップと、
前記属性に応じて前記ユーザの興味対象を推定するステップと、
をコンピュータが実行することを特徴とする情報処理方法。
[項目6]
ユーザのウォレットに記憶されているノンファンジブルトークンを特定するステップと、
前記ノンファンジブルトークンに紐付くデジタルコンテンツの属性を取得するステップと、
前記属性に応じて前記ユーザの興味対象を推定するステップと、
をコンピュータに実行させるためのプログラム。
【符号の説明】
【0032】
1 ユーザ端末
2 管理サーバ
3 ブロックチェーンネットワーク