(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024061324
(43)【公開日】2024-05-07
(54)【発明の名称】水中油型乳化組成物および乳化化粧料
(51)【国際特許分類】
A61K 8/06 20060101AFI20240425BHJP
A61K 8/64 20060101ALI20240425BHJP
A61K 8/39 20060101ALI20240425BHJP
A61K 8/34 20060101ALI20240425BHJP
A61K 8/86 20060101ALI20240425BHJP
A61Q 19/00 20060101ALI20240425BHJP
A61Q 17/04 20060101ALI20240425BHJP
【FI】
A61K8/06
A61K8/64
A61K8/39
A61K8/34
A61K8/86
A61Q19/00
A61Q17/04
【審査請求】未請求
【請求項の数】12
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022169196
(22)【出願日】2022-10-21
(71)【出願人】
【識別番号】592042750
【氏名又は名称】株式会社アルビオン
(74)【代理人】
【識別番号】100145403
【弁理士】
【氏名又は名称】山尾 憲人
(74)【代理人】
【識別番号】100150500
【弁理士】
【氏名又は名称】森本 靖
(72)【発明者】
【氏名】西本 昂平
(72)【発明者】
【氏名】坂本 朝香
【テーマコード(参考)】
4C083
【Fターム(参考)】
4C083AA032
4C083AA072
4C083AA112
4C083AA122
4C083AB032
4C083AB152
4C083AB172
4C083AB242
4C083AB282
4C083AB362
4C083AB382
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4C083AC072
4C083AC092
4C083AC102
4C083AC111
4C083AC121
4C083AC122
4C083AC172
4C083AC181
4C083AC182
4C083AC242
4C083AC342
4C083AC352
4C083AC372
4C083AC392
4C083AC422
4C083AC431
4C083AC432
4C083AC441
4C083AC442
4C083AC482
4C083AC532
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4C083AC622
4C083AC661
4C083AC662
4C083AC791
4C083AC792
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4C083AC902
4C083AD022
4C083AD072
4C083AD092
4C083AD152
4C083AD172
4C083AD212
4C083AD332
4C083AD352
4C083AD411
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4C083AD432
4C083AD452
4C083AD492
4C083AD642
4C083AD662
4C083BB05
4C083BB13
4C083CC03
4C083CC04
4C083CC05
4C083CC19
4C083DD01
4C083DD33
4C083EE01
4C083EE06
4C083EE07
4C083EE17
4C083FF05
(57)【要約】
【課題】透明性を有し、経時安定性に優れた水中油型乳化組成物、および水中油型乳化化粧料を提供する。
【解決手段】本発明は、(A)サーファクチンナトリウム、(B)液状の油剤、(C)ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油、脂肪酸ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油、ポリオキシエチレン脂肪酸ソルビタン、およびポリオキシアルキレンアルキルエーテルからなる群から選ばれる1種以上、(D)アニオン界面活性剤、および(E)多価アルコールを含む、透明または半透明である、水中油型乳化組成物、およびその製造方法、ならびに水中油型乳化化粧料に関する。
【選択図】なし
【特許請求の範囲】
【請求項1】
次の成分(A)~(E):
(A)サーファクチンナトリウム、
(B)液状の油剤、
(C)ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油、脂肪酸ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油、ポリオキシエチレン脂肪酸ソルビタン、およびポリオキシアルキレンアルキルエーテルからなる群から選ばれる1種以上、
(D)アニオン界面活性剤、および、
(E)多価アルコール、
を含む、透明または半透明である、水中油型乳化組成物。
【請求項2】
波長700nmにおける光の透過率が50%以上である、請求項1に記載の水中油型乳化組成物。
【請求項3】
成分(A)の含有量が、組成物全量に対して0.0001~1質量%である、請求項1または2に記載の水中油型乳化組成物。
【請求項4】
成分(B)の含有量が、組成物全量に対して0.001~15質量%である、請求項1~3のいずれか1項に記載の水中油型乳化組成物。
【請求項5】
成分(C)と成分(D)の含有量の比((C)/(D))が、質量比で、0.5~50である、請求項1~4のいずれか1項に記載の水中油型乳化組成物。
【請求項6】
成分(C)と成分(D)の含有量の合計が、組成物全量に対して5質量%以下である、請求項1~5のいずれか1項に記載の水中油型乳化組成物。
【請求項7】
成分(C)が、ポリオキシアルキレンアルキルエーテルである、請求項1~6のいずれか1項に記載の水中油型乳化組成物。
【請求項8】
成分(D)が、ステアロイルグルタミン酸ナトリウムおよびステアロイルメチルタウリンナトリウムから選ばれる1種以上である、請求項1~7のいずれか1項に記載の水中油型乳化組成物。
【請求項9】
成分(E)が、グリセリンおよび1,3-ブチレングリコールから選ばれる1種以上である、請求項1~8のいずれか1項に記載の水中油型乳化組成物。
【請求項10】
成分(A)~(E)を含む組成物が20~100℃の範囲内で加圧して乳化されたエマルジョン粒子を有する、請求項1~9のいずれか1項に記載の水中油型乳化組成物。
【請求項11】
請求項1~10のいずれか1項に記載の水中油型乳化組成物を含む、水中油型乳化化粧料。
【請求項12】
請求項1~11のいずれか1項に記載の水中油型乳化組成物の製造方法であって、成分(A)~(E)を含む組成物を、20~100℃の範囲内で加圧して乳化する工程を含む、水中油型乳化組成物の製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、透明または半透明な水中油型乳化組成物およびその製造方法、ならびにそれを用いた水中油型乳化化粧料に関する。
【背景技術】
【0002】
水中油型乳化組成物または水中油型乳化化粧料は、水中に油分をエマルジョンにして分散させていることから、白濁して不透明なものが多いが、ある用途や目的においては、透明または半透明な水中油型乳化組成物および乳化化粧料が求められることがある。特に水中油型乳化化粧料では、透明または半透明であると、さっぱりとした印象および使用感を与えることが可能になる。
【0003】
半透明な水中油型乳化化粧料として、例えば、特許文献1では、スクワラン、リン脂質、多価アルコール、およびジ脂肪酸アシルグルタミン酸リシン塩を、特定の配合量で含有する半透明な乳化化粧料が開示されている。また、特許文献2では、マンノシルエリスリトールリピッド、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油及びポリオキシエチレン脂肪酸ソルビタンから選択される1種又は2種以上、数平均分子量が200以上200000以下のポリアルキレングリコール、水、および油剤を、特定の条件(配合量や比率)で含有する透明性を有する水性化粧料が開示されている。
【0004】
しかしながら、特許文献1の発明によれば、油剤がスクワランに限られており、スクワラン以外の油剤を配合した場合に透明性が不十分となり、また、油相の分離が生じて乳化安定性が悪くなりやすい、と予想される。また、特許文献2の発明によれば、油剤の含有量が比較的多くなる(特に3質量%を超える)と透明性が不十分になりやすく、また油剤の分散性が悪くなり、安定性が低下しやすい、と予想される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特許第4659810号公報
【特許文献2】特開2017-14135号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は、透明性を有し、経時安定性に優れた水中油型乳化組成物、および該乳化組成物を用いた乳化化粧料を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、下記に挙げる実施態様を含むが、これらに限定されるものではない。
[1] 次の成分(A)~(E):
(A)サーファクチンナトリウム、
(B)液状の油剤、
(C)ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油、脂肪酸ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油、ポリオキシエチレン脂肪酸ソルビタン、およびポリオキシアルキレンアルキルエーテルからなる群から選ばれる1種以上、
(D)アニオン界面活性剤、および、
(E)多価アルコール、
を含む、透明または半透明である、水中油型乳化組成物(以下、本発明の水中油型乳化組成物を「本乳化組成物」という)。
[2] 波長700nmにおける光の透過率が50%以上である、[1]に記載の水中油型乳化組成物。
[2-1] エマルジョン粒子の粒子径が200nm以下である、[1]または[2]に記載の水中油型乳化組成物。
[3] 成分(A)の含有量が、組成物全量に対して0.0001~1質量%である、[1]または[2]もしくは[2-1]に記載の水中油型乳化組成物。
[4] 成分(B)の含有量が、組成物全量に対して0.001~15質量%である、[1]~[3]のいずれか1つに記載の水中油型乳化組成物。
[5] 成分(C)と成分(D)の含有量の比((C)/(D))が、質量比で、0.5~50である、[1]~[4]のいずれか1つに記載の水中油型乳化組成物。
[6] 成分(C)と成分(D)の含有量の合計が、組成物全量に対して5質量%以下である、[1]~[5]のいずれか1つに記載の水中油型乳化組成物。
[7] 成分(C)が、ポリオキシアルキレンアルキルエーテルである、[1]~[6]のいずれか1つに記載の水中油型乳化組成物。
[8] 成分(D)が、ステアロイルグルタミン酸ナトリウムおよびステアロイルメチルタウリンナトリウムから選ばれる1種以上である、[1]~[7]のいずれか1つに記載の水中油型乳化組成物。
[9] 成分(E)が、グリセリンおよび1,3-ブチレングリコールから選ばれる1種以上である、[1]~[8]のいずれか1つに記載の水中油型乳化組成物。
[10] 成分(A)~(E)を含む組成物が20~100℃の範囲内で加圧して乳化されたエマルジョン粒子を有する、[1]~[9]のいずれか1つに記載の水中油型乳化組成物。
[11] [1]~[10]のいずれか1つに記載の水中油型乳化組成物を含む、水中油型乳化化粧料(以下、本発明の水中油型乳化化粧料を「本乳化化粧料」という)。
[12] [1]~[11]のいずれか1つに記載の水中油型乳化組成物の製造方法であって、成分(A)~(E)を含む組成物を、20~100℃の範囲内で加圧して乳化する工程を含む、水中油型乳化組成物の製造方法。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、透明性を有し、経時安定性に優れた水中油型乳化組成物、および該乳化組成物を用いた乳化化粧料を提供することができる。
【発明を実施するための形態】
【0009】
本発明の水中油型乳化組成物は、次の成分(A)~(E):
(A)サーファクチンナトリウム、
(B)液状の油剤、
(C)ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油、脂肪酸ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油、ポリオキシエチレン脂肪酸ソルビタン、およびポリオキシアルキレンアルキルエーテルからなる群から選ばれる1種以上、
(D)アニオン界面活性剤、および、
(E)多価アルコール、
を含むものであり、透明または半透明である。
なお、本明細書中、(A)~(E)は成分の標識記号であり、以下、成分(A)などともいう。
【0010】
本乳化組成物は、透明性を有し、また経時安定性に優れる。ここで、本明細書において、透明とは、物体(乳化組成物)をある方向から見たときに、物体(乳化組成物)の反対側が透けて明瞭に見えることを意味し、半透明とは、同様に、曇りや歪みがありつつも、物体(乳化組成物)の反対側が透けて見えることを意味する。また、本明細書において、透明性とは、不透明から透明の間において、より透明に近いことを表す物性の尺度を意味する。したがって、「透明性を有する」とは、不透明が除かれるが、完全な透明だけを意味するのではなく、半透明であることも含み得る。また、「透明性に優れる」と述べるときは、透明のレベルがより高いことを意味し、半透明である場合も含み得る。透明または不透明は、本乳化組成物または本乳化化粧料が通常使用される状態で判断されるものであってよく、例えば、透明な容器に入れたときに、視覚的に、内容物である本乳化組成物等が透明または不透明を呈するものであってよい。具体的には、本明細書において、半透明とは、組成物について、分光光度計にて、例えば光路長1cmのセルに入れた組成物を透過する可視光(以下、単に「光」と称することがある)の透過率を測定したときに、波長700nmにおける光の透過率が少なくとも50%以上であることを意味する。また、透明とは、半透明よりも光の透過率が高いものであり、したがって、波長700nmにおける光の透過率は上記の値よりも大きいことを意味する。分光光度計の測定では、組成物のサンプルが、例えば、対照として水の透過率と比較されてもよい。経時安定性とは、乳化安定性が持続すること、および透明性が持続することを意味する。
【0011】
成分(A)
成分(A)は、サーファクチンナトリウムである。サーファクチンナトリウム(サーファクチンNaとも表記される)は、納豆に含まれている成分のサーファクチンから得られる天然由来の界面活性剤(バイオサーファクタント)であり、乳化剤として機能し得る成分である。サーファクチンナトリウムは、アミノ酸と脂肪酸からなる環状ペプチドの構造を有し、枯草菌(Bacillus subtilis)の発酵により得られる。サーファクチンナトリウムの化学構造は、アメリカ国立衛生研究所(NIH)が提供するインターネットサイトPubChem(https://pubchem.ncbi.nlm.nih.gov/)において「Sodium surfactin」の名称で確認可能である。サーファクチンナトリウムは、界面活性能が高く(中性~弱塩基性ではドデシル硫酸ナトリウムの1000倍と言われている)、また、皮膚刺激性が低く、タンパク変性阻害作用があり、安全性にも優れている。
【0012】
本乳化組成物では、サーファクチンナトリウムを配合することにより、サーファクチンナトリウムの高い界面活性能によって、透明性が高く、乳化分散性および経時安定性に優れた水中油型乳化組成物を得ることができる。また、サーファクチンナトリウムは、本乳化組成物のような系(配合組成)において、界面活性能が高いとされる他の界面活性剤よりも、それを含む組成物は優れた透明性と安定性を供することが確認されている(実施例参照)。サーファクチンナトリウムは、商業的に入手可能である。ここで、理論に限定されるものではないが、サーファクチンナトリウムは、一般的な界面活性剤よりも分子サイズが大きく、また水の表面に並びやすいため、ミセル形成に必要な濃度が低い性質があると考えられる。そのため、サーファクチンナトリウムが水の表面を優先的に覆い飽和となることで、ミセル形成が促進され、その他の界面活性剤と併用した際も、それら界面活性剤のミセル形成に必要な濃度を大きく低減できると推測される。ただし、本発明は、上記の推測に限定されるものではない。
【0013】
本乳化組成物における成分(A)の含有量は、これに限定されるものではないが、高い透明性および安定性を得る観点から、本乳化組成物全量(100質量%)に対して、例えば、0.000001~1質量%とすることができ、0.00001~0.8質量%であることが好ましく、0.0001~0.5質量%であることがより好ましい。さらに、成分(A)のサーファクチンナトリウムの含有量は、0.001~0.1質量%であることがさらに好ましい。
【0014】
成分(B)
成分(B)は、液状の油剤である。液状の油剤を含有することにより、肌なじみのよい使用感の優れた乳化組成物を得ることができる。液状の油剤は、本乳化組成物の通常の使用温度(具体的には例えば20℃)において液状である。例えば、液状の油剤は、20℃における粘度が1000mPa・s以下の液状の油剤であってよい。この粘度は、800mPa・s以下が好ましく、600mPa・s以下であることがより好ましい。粘度は、B型粘度計で測定することができる。
【0015】
成分(B)の油剤としては、例えば、天然または合成の、炭化水素油、エステル油、植物油、シリコーン油などが挙げられる。具体的には、油剤として、これに限定されるものではないが、炭化水素油としては、例えば、スクワラン、流動パラフィン(ミネラルオイルとも称される)、イソヘキサデカン、イソドデカン、水添ポリイソブテンなどが挙げられる。エステル油としては、例えば、2-エチルヘキサン酸セチル、イソノナン酸イソトリデシル、オレイン酸エチル、コハク酸ジ2-エチルヘキシル、メトキシケイヒ酸エチルヘキシル、トリメリト酸トリトリデシル、テトライソステアリン酸ペンタエリトリット、テトラヘキシルデカン酸アスコルビル、テトラエチルヘキサン酸ペンタエリスリチル、ジカプリン酸プロピレングリコール、トリ2-エチルヘキサン酸グリセリル、トリ(カプリル酸/カプリン酸)グリセリル、トリイソステアリン酸トリメチロールプロパン、トリエチルヘキサノイン、などが挙げられる。植物油としては、例えば、ホホバ種子油、マカデミア種子油、メドウフォーム油、水添ヤシ油、オリーブ油、などが挙げられる。シリコーン油としては、例えば、ジメチコン、メチルフェニルポリシロキサン、ジフェニルシロキシフェニルトリメチコン、などが挙げられる。
【0016】
成分(B)としては、スクワラン、ホホバ種子油、メドウフォーム油、ジメチコン、マカデミア種子油、エチルヘキサン酸セチル、トリイソステアリン酸トリメチロールプロパン、テトラエチルヘキサン酸ペンタエリスリチル、オレイン酸エチル、ジカプリン酸プロピレングリコール、トリエチルヘキサノイン、水添ポリイソブテン、イソノナン酸イソトリデシルがより好ましい。この場合、使用感のさらによい乳化組成物を得ることが容易になる。
【0017】
本乳化組成物に配合される成分(B)は、上記の成分の1種でもよいし、2種以上であってもよい。
【0018】
成分(B)の含有量(複数ある場合はその合計量)は、組成物全量(100質量%)に対して0.0001~20質量%であることが好ましい。それにより、肌馴染みがよく、後肌のべたつきのない乳化組成物を得ることができる。液状の油剤の含有量は、組成物全量に対して0.0005~18質量%がより好ましく、0.001~15質量%がさらに好ましい。さらに、油剤の含有量は、10質量%以下であってもよく、例えば、0.01~10質量%、さらには、0.1~10質量%であってもよい。液状の油剤の量が多くなると、肌馴染みがよい使用感の優れた乳化組成物が得られやすくなり、また、液状の油剤の量が少なくなると、べたつきがなく後肌の仕上がりのよい乳化組成物が得られやすくなる。
【0019】
成分(C)
成分(C)は、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油、脂肪酸ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油、ポリオキシエチレン脂肪酸ソルビタン、およびポリオキシアルキレンアルキルエーテルからなる群から選ばれる1種以上である。成分(C)を配合することにより、本乳化組成物の安定性がさらに向上し得る。成分(C)の化合物は、いずれも、ノニオン界面活性剤に分類される物質である。
【0020】
成分(C)は、上記の成分の1つでもよいし、2つであってもよいし、3つまたは4つであってもよい。成分(C)が上記のうちの2つの成分以上である場合、その組み合わせはどのようなものであってもよい。例えば、成分(C)が上記のうちの2つの成分である場合、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油と脂肪酸ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油の組み合わせであってもよいし、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油とポリオキシエチレン脂肪酸ソルビタンの組み合わせであってもよいし、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油とポリオキシアルキレンアルキルエーテルの組み合わせであってもよいし、あるいは、ポリオキシエチレン脂肪酸ソルビタンとポリオキシアルキレンアルキルエーテルの組み合わせであってもよい。また、例えば、成分(C)が上記のうちの3つの成分である場合、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油、ポリオキシエチレン脂肪酸ソルビタン、およびポリオキシアルキレンアルキルエーテルの組み合わせなどであってもよい。
【0021】
ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油は、酸化エチレンの平均付加モル数(「E.O.」で表される)の異なるものが存在するが、例えば、E.O.が5~100のものを用いることができ、E.O.が10~60のものが好ましく、E.O.が10~40のものがより好ましい。ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油としては、具体的には、例えば、ポリオキシエチレン(EO20)硬化ヒマシ油、ポリオキシエチレン(EO30)硬化ヒマシ油、およびポリオキシエチレン(EO40)硬化ヒマシ油などを用いることができる。
【0022】
脂肪酸ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油は、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油と脂肪酸とのエステル化合物である。脂肪酸由来のアシル基は、直鎖でも分岐鎖であってもよく、炭素数は、8~24が好ましく、9~22がより好ましく、10~20がさらに好ましい。また、アシル基は、飽和であっても不飽和であってもよい。脂肪酸ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油は、酸化エチレンの平均付加モル数(「E.O.」で表される)の異なるものが存在するが、例えば、E.O.が5~100のものを用いることができ、E.O.が10~70のものが好ましく、E.O.が20~60のものがより好ましい。脂肪酸ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油としては、例えば、イソステアリン酸ポリオキシエチレン(50EO)硬化ヒマシ油などが挙げられる。
【0023】
ポリオキシエチレン脂肪酸ソルビタンは、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステルとも称される。脂肪酸由来のアシル基は、直鎖でも分岐鎖であってもよく、炭素数は、8~24が好ましく、9~22がより好ましく、10~20がさらに好ましい。また、アシル基は、飽和であっても不飽和であってもよい。ポリオキシエチレン脂肪酸ソルビタンは、酸化エチレンの平均付加モル数(「E.O.」で表される)の異なるものが存在するが、例えば、E.O.が5~100のものを用いることができ、E.O.が10~60のものが好ましく、E.O.が20~40のものがより好ましい。
【0024】
ポリオキシエチレン脂肪酸ソルビタンとしては、例えば、モノオレイン酸ポリオキシエチレンソルビタン(別名:ポリソルベート80)、ポリオキシエチレンヤシ油脂肪酸ソルビタン、モノパルミチン酸ポリオキシエチレンソルビタン、モノステアリン酸ポリオキシエチレンソルビタン(別名:ポリソルベート60)、トリオレイン酸ポリオキシエチレンソルビタンなどが挙げられ、モノオレイン酸ポリオキシエチレンソルビタンが好ましい。これらは、例えば、E.O.が20のものであってよい。
【0025】
ポリオキシアルキレンアルキルエーテルは、ポリオキシアルキレン基とアルキル基とが酸素原子(O)を介して結合したエーテル化合物を意味する。ポリオキシアルキレン基としては、ポリオキシエチレン基、またはポリオキシプロピレン基、およびその両方を含む基が挙げられる。ポリオキシアルキレンアルキルエーテルは、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンアルキルエーテル(ポリオキシエチレン基とポリオキシプロピレン基の両方を含むもの)がより好ましい。また、ポリオキシアルキレン基とエーテルを形成するアルキル基は、直鎖であっても分岐鎖であってもよい。アルキル基は、炭素数が、8~30が好ましく、9~28がより好ましく、10~26がさらに好ましい。アルキル基は、飽和であっても不飽和であってもよいが、飽和であることがより好ましい。ポリオキシアルキレンアルキルエーテルは、例えば、高級アルコールと酸化アルキレンとから形成されるエーテル化合物であってよい。
【0026】
ポリオキシアルキレンアルキルエーテルとしては、具体的には、例えば、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンデシルテトラデシルエーテル、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンセチルエーテル、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンデシルエーテル、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンブチルエーテル、などが好ましい。成分(C)としては、ポリオキシアルキレンアルキルエーテルが、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油およびポリオキシエチレン脂肪酸ソルビタンよりも好ましい。すなわち、一態様において、成分(C)は、好ましくは、ポリオキシアルキレンアルキルエーテルである。
【0027】
本乳化組成物に配合される成分(C)は、上記の成分の1種でもよいし、2種以上であってもよい。例えば、ポリオキシアルキレンアルキルエーテルおよびポリオキシエチレン脂肪酸ソルビタンは、炭素数の異なる複数種が存在するが、それらの異なる成分が複数配合されていてもよい。
【0028】
成分(C)の含有量(複数ある場合はその合計量)は、これに限定されるものではないが、高い透明性と乳化安定性を得る観点から、本乳化組成物全量(100質量%)に対して、0.1~4.5質量%であることが好ましく、0.2~4質量%であることがより好ましく、0.5~3質量%であることがさらに好ましい。特に、成分(C)の含有量は、3質量%以下であることが好ましい。
【0029】
成分(D)
成分(D)は、アニオン界面活性剤である。アニオン界面活性剤の配合により、透明性が向上するとともに、経時安定性が向上する。アニオン界面活性剤の具体例としては、これに限定されるものではないが、例えば、ステアロイルグルタミン酸ナトリウム等のN-アシルグルタミン酸塩、ステアロイルメチルタウリンナトリウム等の高級脂肪酸のアシルメチルタウリン塩、およびステアロイル乳酸ナトリウム等のアシル乳酸塩、ジステアロイルグルタミン酸リシンナトリウム、ジラウロイルグルタミン酸リシンナトリウム、ラウリン酸ナトリウム等の脂肪酸石鹸、ラウリル硫酸ナトリウム等の高級アルキル硫酸エステル塩、POE-ラウリル硫酸トリエタノールアミン等のアルキルエーテル硫酸エステル塩、POE-オレイルエーテルリン酸ナトリウム等のリン酸エステル塩、などが挙げられる。
【0030】
成分(D)としては、N-アシルグルタミン酸塩、および高級脂肪酸のアシルメチルタウリン塩が好ましく、ステアロイルグルタミン酸ナトリウム、およびステアロイルメチルタウリンナトリウムから選ばれる1種以上であることがより好ましい。これにより、本乳化組成物の透明性と安定性がより向上する。
【0031】
本乳化組成物に配合される成分(D)は、上記のアニオン界面活性剤の1種でもよいし、2種以上であってもよい。
【0032】
成分(D)の含有量(複数ある場合はその合計量)は、これに限定されるものではないが、透明性と安定性を得る観点から、本乳化組成物全量(100質量%)に対して、0.01~2.8質量%であることが好ましく、0.02~2.5質量%であることがより好ましく、0.05~2質量%であることがさらに好ましい。
【0033】
ここで、成分(C)と成分(D)の含有量の比((C)/(D))は、質量比で、0.2~100であることが好ましく、さらに、この比((C)/(D))は、質量比で、0.5~50であることがより好ましい。成分(D)の含有量に対する成分(C)の含有量の比が上記のようになることで、透明性が向上し、優れた安定性が得られるとともに、使用感の優れた乳化組成物をより得やすくなる。特に、成分(C)と成分(D)の含有量の比((C)/(D))が、質量比で、0.5~50であり、かつ成分(C)の含有量が、組成物全量に対して3質量%以下であることが好ましい。
【0034】
また、成分(C)と成分(D)の含有量の合計が、組成物全量(100質量%)に対して5質量%以下であることが好ましい。成分(C)と成分(D)の含有量が少なくなると、優れた安定性が得られるとともに、使用感の優れた乳化組成物をさらに得やすくなる。成分(C)と成分(D)の含有量の合計は、4.5質量%以下であることが好ましく、4質量%以下であることがさらに好ましい。なお、成分(C)と成分(D)の含有量の合計の下限値は、特に限定されるものではないが、例えば、含有量合計を0.01%以上とすることができる。本乳化組成物では、特に、成分(C)と成分(D)の含有量の比((C)/(D))が、質量比で、0.5~50であり、かつ成分(C)と成分(D)の含有量の合計が、組成物全量に対して5質量%以下、さらに4.5質量%以下、またはさらに4質量%以下であることが好ましい。
【0035】
成分(E)
成分(E)は、多価アルコールである。多価アルコールは、分子内に水酸基(OH)を2個以上有するアルコールである。多価アルコールの配合により、安定性が向上する。多価アルコールは、2価~6価の多価アルコールが好ましい。多価アルコールは、液状の多価アルコールが好ましい。多価アルコールの液状とは、乳化組成物を使用する際の温度(例えば20℃)で液状であることを意味する。多価アルコールとしては、これに限定されるものではないが、グリセリン、ジグリセリン、1,3-ブチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、トリプロピレングリコール、およびエチルヘキシルグリセリンなどが挙げられる。成分(E)は、多価アルコールの1種を用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。成分(E)は、グリセリンおよび1,3-ブチレングリコールから選ばれる1種以上がより好ましい。その場合、安定性がさらに向上する。
【0036】
成分(E)の含有量(複数ある場合はその合計量)は、これに限定されるものではないが、安定性のよい乳化組成物を得る観点から、本乳化組成物全量(100質量%)に対して、1~40質量%とすることができ、好ましくは2~30質量%、より好ましくは5~20質量%とすることができる。
【0037】
上記以外の成分:水
本乳化組成物は、水を含有し得る。水中油型乳化組成物においては、乳化の形態が水中油型(O/W)となっており、水相が外相となり、油相が内相となる。水相には、水溶性の物質、および親水性の物質が含まれ得る。水は、これに限定されるものでないが、精製水が好ましく用いられる。
【0038】
水中油型となる本乳化組成物における水の含有量は、これに限定されるものではないが、1~99質量%とすることができ、好ましくは10~98質量%、より好ましくは20~95質量%、よりさらに好ましくは30~90質量%とすることができる。また、製剤の形態にもよるが、水の含有量は、50質量%以上であってもよく、60質量%以上であってもよい。
【0039】
その他の成分
本乳化組成物は、水中油型乳化組成物または水中油型乳化化粧料として配合され得る種々の成分を含有してもよい。そのような成分として、例えば、液状でない油剤、成分(C)以外のノニオン界面活性剤、カチオン界面活性剤、両性界面活性剤、1価のアルコール、保湿剤、増粘剤、高分子、色素、被膜形成剤、pH調整剤、褪色防止剤、酸化防止剤、消泡剤、粉体、美容成分、植物抽出エキス、防腐剤、香料などが挙げられる。
【0040】
液状でない油剤としては、半固形状または固形状の油剤が挙げられる。ここで、油剤の性状(半固形状または固形状)は、20℃における性状である。半固形状の油剤としては、これに限定されるものではないが、例えば、ワセリン、水添パーム油、ステアリン酸水添ヒマシ油、ヒドロキシステアリン酸コレステリル、ポリヒドロキシステアリン酸、水添ポリイソブテン(20℃においてペースト状のもの)、などを挙げることができる。固形状の油剤としては、これに限定されるものではないが、例えば、ステアリン酸グリセリル、キャンデリラロウ、ミツロウ、シア脂、ベヘニルアルコール、セトステアリルアルコール、バチルアルコール、ステアリン酸、パルミチン酸、などを挙げることができる。これらは1種でも、2種以上を組み合わせて用いてもよい。ただし、安定性の観点から、本乳化組成物においては、固形状の油剤を含まないことが好ましく、さらに、半固形状の油剤および固形状の油剤の両方を含まないことがより好ましい。
【0041】
成分(C)以外のノニオン界面活性剤としては、セスキイソステアリン酸ソルビオン、パルミチン酸ソルビオン、オレイン酸ソルビタン等のソルビタン脂肪酸エステル類、ショ糖脂肪酸エステル、などを挙げることができる。また、カチオン界面活性剤としては、例えば、ベヘニルPGトリモニウムクロリド、塩化ラウリルトリメチルアンモニウム等の第4級アンモニウム塩、ベヘニン酸ジメチルアミノプロピルアミド等のアミドアミン化合物、などを挙げることができる。両性界面活性剤としては、例えば、リン脂質(例えば、水素添加大豆リン脂質、レシチン、水添レシチンなど)、リン脂質類似物質(例えば、ベヘンジモニウムエチルリン酸ステアリルなど)、ラウリルジメチルベタイン等のアルキルベタイン型両性界面活性剤、オレイン酸アミドプロピルベタイン等のアミドプロピルベタイン型両性界面活性剤、ラウリルアミノプロピオン酸ナトリウム等のアミノ酸型両性界面活性剤、などを挙げることができる。
【0042】
ここで、本乳化組成物において、界面活性剤の総含有量は、組成物全量(100質量%)に対して6質量%以下であることが好ましい。界面活性剤の総含有量が少なくなると、界面活性剤の全体に占める割合を少なくすることができ、べたつきを抑え、使用感の優れた乳化組成物をさらに得やすくなる。界面活性剤の総含有量とは、成分(A)、成分(C)、成分(D)、およびそれ以外の任意の界面活性剤を含めた、全界面活性剤の総量を意味する。界面活性剤の総含有量は、5.5質量%以下であることが好ましく、5質量%以下であることがさらに好ましい。なお、界面活性剤の総含有量の下限値は、特に限定されるものではないが、例えば、総含有量を0.01%以上とすることができ、好ましくは、0.1%以上、より好ましくは0.2%以上、さらに好ましくは0.5%以上とすることができる。
【0043】
1価のアルコールとしては、例えば、エタノール、プロパノールなどが挙げられるが、これに限定されるものではない。
【0044】
本乳化組成物は、防腐剤を含有してもよい。防腐剤としては、これに限定されるものではないが、例えば、パラオキシ安息香酸メチル(別名:メチルパラベン)、フェノキシエタノールなどが挙げられる。
【0045】
本乳化組成物は、透明または半透明である。透明または半透明であると、さっぱりとした印象および使用感を与えることが可能になる。本乳化組成物は、無色透明であってもよい。あるいは、本乳化組成物は、例えば、白く曇った半透明であってもよい。また、本乳化組成物は、半透明または透明であるならば、着色(例えば、赤、青、緑、黄など)されていてもよい。乳化組成物は、例えば、可溶性の着色剤を使用することにより、着色され得る。透明または不透明の程度、すなわち透明性は、光(特に可視光)の透過率により、数値化することができる。
【0046】
本乳化組成物は、波長700nmにおける光の透過率が50%以上であることが好ましい。それにより、乳化組成物を、確実に透明または半透明にすることができる。光の透過率は、分光光度計で測定することができる。光の透過率は、60%以上であることが好ましく、70%以上であることがより好ましく、80%以上であることがさらに好ましい。例えば、光の透過率が50%以上になると、視覚的に、ガラス容器(例えば100mLのガラスサンプル瓶)に入れたときに少し濁りが見られるが、手に取ると透明になるような状態になり得る。またさらに、光の透過率が80%以上になると、視覚的に、ガラス容器(例えば100mLのガラスサンプル瓶)に入れた状態でも透明になり得る。光の透過率の上限値は特にないが、数値としては、完全に透明な100%が上限といえる。分光光度計の装置としては、例えば、GeneQuant 1300(BioChrom社製)を用いることができる。
【0047】
本乳化組成物において、光の透過率は、好ましくは、製造直後だけでなく、経時的に、光の透過率が上記の値を維持するものであることが好ましい。すなわち、安定な透明性を有することが好ましい。具体的には、本乳化組成物において、40℃で1ヶ月間放置した後の波長700nmにおける光の透過率が、50%以上であることが好ましく、60%以上であることが好ましく、70%以上であることがより好ましく、80%以上であることがさらに好ましい。あるいは、本乳化組成物において、室温で1年間放置した後の波長700nmにおける光の透過率が、50%以上であることが好ましく、60%以上であることが好ましく、70%以上であることがより好ましく、80%以上であることがさらに好ましい。
【0048】
本乳化組成物は、乳化されており、エマルジョン粒子を有する。本乳化組成物が透明性を有するためには、エマルジョン粒子は小さい方が有利である。この観点から、エマルジョン粒子の粒子径は、200nm以下が好ましく、180nm以下がより好ましく、150nm以下がさらに好ましい。エマルジョン粒子の粒子径の下限値は、とくに限定されるものではないが、例えば、10nm以上であってよい。エマルジョン粒子の粒子径(乳化粒子径)は、例えば、レーザーゼータ電位計を用いて25℃の光散乱強度を測定しキュムラント解析を行うことにより求めることができる。
【0049】
本乳化組成物は、成分(A)~(E)を含む組成物が20~100℃の範囲内で加圧して乳化されたエマルジョン粒子を有することが好ましい。加圧して乳化されたエマルジョン粒子は、粒子径がより小さくなるなどして、安定化しやすくなる。また、エマルジョンの粒子径が小さくなることにより、透明性がより高くなりやすい。加圧下で処理された乳化は、高圧乳化と称される。ここで、高圧乳化により、エマルジョンの粒子径が小さくなることが確認されており、例えば、エマルジョン粒子径は、高圧処理しない場合には、測定値が、1μm(1000nm)以上であり得るが、高圧処理した場合には、200nm以下であり得る。透過率は、粒子径サイズとある程度、相関のあるパラメータであり得るものであり、透過率が50%以上になる場合、エマルション粒子径は200nm程度以下の範囲にあることが多い。エマルション粒子径の上限値は、これに限定されるものではないが、500nmであることが好ましい。高圧乳化(加圧乳化)、さらに加温高圧乳化については、後述の製造方法で述べるが、製造方法の説明で述べた記載はすべて、乳化組成物の説明として援用される。
【0050】
本乳化化粧料は、本乳化組成物を含む。これにより、透明または半透明な水中油型乳化化粧料が提供され得る。本乳化組成物によって、透明性があり、安定性に優れ、肌馴染みがよく、べたつきの少ない使用感の良好な化粧料を得ることができる。本乳化化粧料は、上記で述べた本乳化組成物の配合成分を含み得るものであり、好ましくは、各成分の含有量およびそれらの含有比は本乳化組成物で説明したのと同様のものである。具体的には、本乳化化粧料中、成分(A)の含有量は、本乳化化粧料全量に対して0.0001~1質量%であることが好ましい。また、成分(B)の含有量は、本乳化化粧料全量に対して0.001~15質量%であることが好ましい。また、成分(C)と成分(D)の含有量の比((C)/(D))は、質量比で、0.5~50であることが好ましい。また、成分(C)と成分(D)の含有量の合計は、本乳化化粧料全量に対して5質量%以下であることが好ましい。
【0051】
本乳化化粧料は、本乳化組成物に加えて、化粧料の原料となり得る種々の原料成分が配合されてもよい。例えば、本乳化化粧料は、粉体を含有してもよい。粉体としては、マイカ、タルク、シリカ、酸化チタン、酸化亜鉛などの無機粉体、ナイロン、ポリエチレンなどの有機粉体が挙げられる。また、例えば、本乳化化粧料は、固形の油剤、半固形の油剤などの油剤を含有してもよい。また、本乳化化粧料は、上記の乳化組成物と、他の乳化組成物が混合して得られたものであってもよい。本乳化化粧料は、追加の配合成分により、不透明となり得る。しかしながら、本乳化化粧料が不透明な場合でも、上記で説明した透明または半透明な本乳化組成物を含んで形成されることで、エマルジョン粒子径の小さいエマルジョンが存在し、使用感がよく、経時的に安定な乳化化粧料を得ることができる。
【0052】
本乳化化粧料は、皮膚化粧料、または毛髪化粧料であり得る。本乳化化粧料は、皮膚化粧料(皮膚用の水中油型乳化化粧料)であることが特に好ましい。また、本乳化化粧料は、スキンケア製品およびメイク製品を含め、あらゆる用途の乳化化粧料として適用可能である。
【0053】
皮膚化粧料としては、水中油型乳化の形態をとるものであれば、特に限定されるものではなく、種々の用途の化粧料として利用することができる。例えば、化粧水、美容液、乳液、クリーム、ハンドクリーム、アイクリーム、ボディクリーム、メーキャップ化粧料、アイシャドウ(アイカラー)、化粧用下地、ジェル、クレンジング、日焼け止め、などの化粧料が例示される。皮膚化粧料の使用方法としては、手や指につけて塗布する方法、コットンで使用する方法、不織布などに含浸させて使用する方法、スプレーやミストで吹きつける方法などが挙げられる。
【0054】
毛髪化粧料としては、水中油型乳化の形態をとるものであれば、特に限定されるものではなく、種々の用途の化粧料として利用することができる。例えば、ヘアクリーム、ヘアワックス、ヘアリンス、ヘアマスク、ヘアトリートメント、毛髪用日焼け止め、シャンプー、コンディショナーなどの化粧料が例示される。毛髪化粧料の使用方法としては、手や指につけて塗布する方法、スプレーやミストで吹きつける方法などが挙げられる。
【0055】
本乳化組成物は、上記した成分を混合することにより製造することができる。例えば、通常の乳化組成物の製造と同様に、予め加熱および混合した水性成分と、予め加熱および混合した油性成分とを混合して乳化させ、その後、冷却する方法を利用することができる。あるいは、単に、上記した成分を加熱混合した後に冷却する方法であってもよい。製造においては、適宜の乳化機や混錬機(例えば、3本ローラー、ホモミキサーなど)を使用することができる。もちろん、本乳化組成物を製造する方法は、これに限定されるものではない。
【0056】
ここで、本乳化組成物においては、上記した成分を単に混合しただけでは、透明または半透明な乳化組成物が得られない場合があることが確認されている。組成物の成分として、油剤を含むため、乳化によって白濁が生じ得るからである。そこで、好ましくは、高圧乳化の処理を行う。高圧乳化の処理によって、透明または半透明な組成物がより得られやすくなる。ただし、上記の成分を混合して透明または半透明な組成物が得られるのであれば、高圧乳化の処理はなくてもよい。
【0057】
本発明は、一態様において、成分(A)~(E)を含む組成物を、20~100℃の範囲内で加圧して乳化する工程を含む、水中油型乳化組成物の製造方法、に関する。これにより、上述したように、本乳化組成物は、成分(A)~(E)を含む組成物が20~100℃の範囲内で加圧して乳化されたエマルジョン粒子を有することができる。そのため、透明性および乳化安定性が著しく向上するとともに、肌馴染みがよく、べたつきのない使用感の良好な乳化組成物を得ることができる。
【0058】
本乳化組成物の製造においては、例えば、成分(A)~(E)を含む成分を加熱混合して組成物(1次組成物)を調製し、この組成物を常温でまたは加温して高圧処理することによって、乳化組成物を形成することができる。それにより、透明性を有する安定な乳化組成物を得ることができる。好ましくは、加温した組成物を高圧処理し、その後、撹拌しながら冷却することにより、乳化が進行して乳化組成物が得られる。冷却温度は、室温(例えば20℃)以下であることが好ましく、15℃以下がより好ましい。冷却することにより、エマルジョン粒子が安定化され、より安定な乳化を得ることができる。ここで、高圧処理において、せん断を行う場合、せん断エネルギーを利用する装置は、撹拌から高圧処理のものまで、操作後に乳化組成物の温度が高くなりやすい。そのため、熱交換器等の冷却装置、もしくは自然冷却によって冷却工程を採用することが好ましい。
【0059】
1次組成物は、具体的には、例えば、成分(A)~(E)、およびその他の適宜の成分と水を混合して加熱して溶液を調製することにより得られる。加熱温度は、例えば、50~95℃にすることができ、60~90℃が好ましく、70~90℃がさらに好ましい。このとき、水溶性成分と油溶性成分が混合されるが、界面活性剤の存在下、加熱状態であると、均一な溶液が形成されやすくなる。1次組成物の調製後、1次組成物を冷却してもよいし、そのまま、次の工程(加圧処理)に進んでもよい。例えば、1次組成物が加温された状態をある程度維持したまま、加圧処理の工程に進むと、効率よく加温高圧処理を行うことができる。
【0060】
そして、上記の1次組成物を常温高圧処理または加温高圧処理する。高圧処理により、上記の組成物中の成分がより分散して、透明性のある乳化組成物がより得られやすくなる。高圧処理の圧力は、これに限定されるものではないが、例えば、50~250MPaにすることができ、60~200MPaであることが好ましく、70~150MPaであることがより好ましい。乳化組成物を加温高圧処理する場合、温度は、20~100℃の範囲で行うことができ、具体的には、これに限定されるものではないが、例えば、40~90℃であることが好ましく、50~90℃であることがより好ましく、60~85℃であることがさらに好ましい。さらに、加温高圧処理における温度および圧力の条件は、例えば、温度:40~90℃、圧力:50~250MPaの条件が好ましく、温度:50~90℃、圧力:50~150MPaの条件がさらに好ましい。高圧処理をするための装置としては、例えば、高圧ホモジナイザー(高圧乳化装置)を用いることができる。高圧ホモジナイザーは、圧力式のホモジナイザーを用いることができ、例えば、この機構に限定されるものではないが、流体(組成物)を加圧してホモバルブに通過させることにより、微細な隙間からの噴出による粒子同士やインパクトリング等への衝突、圧力差によるせん断力によって、ホモジナイズ(均質化)を行うことができる。高圧ホモジナイザーによる処理は、例えば、バッチ式ではなく、連続式に行うことが可能である。そして、組成物を高圧ホモジナイザーに通過させることによって、例えば、エマルジョン粒子などの粒子の粒径をより小さくしたり、組成物中の成分をさらに分散または溶解させたりすることができる。このような加温高圧処理によって、乳化安定性の優れた透明または半透明な乳化組成物をさらに得やすくすることができる。
【0061】
上記のような高圧処理によって乳化がされた組成物は、高圧処理前の組成物と比較して、エマルジョン粒子がより微細なものとなっている。このため、透明性があり経時的に安定な乳化組成物が得られるものである。
【0062】
上記で得た乳化組成物は、そのまま乳化化粧料として用いることもできるし、あるいは、さらに適宜の成分を加えて最終の乳化化粧料を得るために用いることもできる。乳化組成物は、安定化されており、適宜の成分を加えても、乳化が崩れにくい。また、乳化組成物は、他の成分を加えても、透明性を維持することも可能である。追加される成分としては、上記で述べた成分が挙げられ、例えば、油性成分、水性成分、粉体などであってよい。乳化組成物中に存在したエマルジョン粒子は、最終の乳化化粧料に引き続き存在することができる。最終の乳化化粧料は、本乳化組成物を含むものである。乳化組成物に成分を追加する場合、安定性の観点から、室温(例えば20℃)またはそれ以下の温度で追加することが好ましい。このようにして得られた乳化組成物および乳化化粧料は、安定性に優れたものとなり、透明性にも優れたものとなり得る。
【実施例0063】
以下、本発明に係る水中油型乳化組成物を実施例により説明するが、本発明は実施例に限定されるものではない。
【0064】
実施例1~19、比較例1~9
表1~2に、実施例1~19および比較例1~9の乳化化粧料(具体的には化粧水)の成分およびその配合量(質量%)、透明性(光透過率)、乳化安定性、使用感等の評価の結果を示す。
【0065】
【0066】
【0067】
表1~2に示す実施例および比較例は、以下の方法により製造した。
実施例1~19の製造方法
A.成分(A)、(B)、(C)、(D)、(E)、および水を80℃に加熱溶解して組成物を得た。
B.上記の組成物を高圧乳化装置(高圧ホモジナイザー)で処理した。その際、加圧直前の温度を70℃(実施例1~17)または25℃(実施例18)または50℃(実施例19)に設定し、その設定した温度で70MPaの圧力で処理することで乳化した。
C.加圧処理後、上記の混合液を15℃以下の温度に冷却することで、各実施例の乳化化粧料を得た。
【0068】
比較例1~9の製造方法
比較例1は、成分(A)を配合しなかったこと(同量を精製水で置き換えた)以外は、実施例1と同様にして製造し、乳化化粧料を得た。
比較例2は、成分(A)の代わりにジラウロイルグルタミン酸リシンナトリウムを配合したこと以外は、実施例1と同様にして製造し、乳化化粧料を得た。なお、ジラウロイルグルタミン酸リシンナトリウムは、ジェミニ型界面活性剤であり、界面活性能が高いことが知られている。
比較例3は、成分(B)を配合しなかったこと(同量を精製水で置き換えた)以外は、実施例1と同様にして製造し、乳化化粧料を得た。
比較例4は、成分(B)の代わりにワセリンを配合したこと以外は、実施例1と同様にして製造し、乳化化粧料を得た。
比較例5は、成分(C)を配合しなかったこと(同量を精製水で置き換えた)以外は、実施例1と同様にして製造し、乳化化粧料を得た。
比較例6は、成分(C)の代わりにラウリン酸ポリグリセリル-10を配合したこと以外は、実施例1と同様にして製造し、乳化化粧料を得た。
比較例7は、成分(D)を配合しなかったこと(同量を精製水で置き換えた)以外は、実施例1と同様にして製造し、乳化化粧料を得た。
比較例8は、成分(E)を配合しなかったこと(同量を精製水で置き換えた)以外は、実施例1と同様にして製造し、乳化化粧料を得た。
比較例9は、高圧乳化装置での加圧乳化処理を行わなかったこと以外は、実施例1と同様にして製造し、乳化化粧料を得た。なお、比較例9の乳化化粧料は、白濁しており、不透明なものであった(半透明でも透明でもなかった)。
【0069】
評価
表1~2に示す実施例1~19および比較例1~9の乳化化粧料の評価は、以下の方法により行った。
【0070】
透明性
製造時の光透過率
実施例および比較例の各試料を分光光度計(GeneQuant 1300、BioChrom社製)により、波長700nmの光で透過率を測定して、下記の基準で評価した。
◎:光透過率が80%以上100%以下
○:光透過率が50%以上80%未満
×:光透過率が50%未満
【0071】
保存後の光透過率
実施例および比較例の各試料をガラス瓶に充填して密閉し、40℃の恒温槽において1ヶ月間保存した。保存後の試料を分光光度計(GeneQuant 1300、BioChrom社製)により、波長700nmの光で透過率を測定して、下記の基準で評価した。
◎:光透過率が80%以上100%以下
○:光透過率が50%以上80%未満
×:光透過率が50%未満
【0072】
乳化安定性(経時における製剤の安定性)
実施例および比較例の各試料をガラス瓶に充填して密閉し、40℃の恒温槽において1ヶ月間保存した。保存後の試料を、製造直後の状態を基準として、外観変化について目視にて観察し、下記の判定基準にて判定した。
◎:分離がない
○:わずかに分離があるが、混合すると消失する
△:わずかに分離があり、混合しても消失しない
×:分離が著しい
【0073】
使用感(肌馴染み、後肌のべたつきのなさ)
実施例および比較例の各試料について専門パネル20名による使用テストを行い、使用感を官能評価した。具体的には、化粧料を前腕に塗布し、2項目(肌馴染み、後肌のべたつきのなさ)について、アンケート結果(良好、普通、やや不良、不良からいずれかを選択)から下記の基準で評価した。
◎:20名中、15名以上が良好と回答
○:20名中、10~14名が良好と回答
△:20名中、5~9名が良好と回答
×:20名中、0~4名が良好と回答
【0074】
結果
成分(A)~(E)を含有する実施例1~19は、透明性に優れ、安定性がよく、使用感(肌馴染み、後肌のべたつきのなさ)が良好であった。一方、比較例1~9は、少なくとも1つの評価項目で、×があった。特に、比較例2の結果から、界面活性能の高い界面活性剤を単に使用したとしても透明または半透明な乳化化粧料が得られるわけではなく、成分(A)のサーファクチンナトリウムが有利であることが示唆された。また、比較例9の結果から、成分(A)~(E)を配合したとしても、透明または半透明な乳化化粧料を得ることができない場合があり、エマルジョン粒子の分散性が重要なことが示唆された。なお、実施例1と比較例9のエマルジョンの粒子径を測定して比較したところ、実施例1は、粒子径が200nm以下であったのに対し、比較例9は、粒子径が1μm(1000nm)以上であった。
【0075】
実施例(処方例)
水中油型乳化化粧料として、以下の実施例を製造した。なお、以下の実施例において、含有量は配合率(質量%)を意味し、「残量」とあるのは、合計量が100質量%となる量であることを意味する。光透過率は、分光光度計(GeneQuant 1300、BioChrom社製)により、波長700nmの光で測定した。
【0076】
処方例1:水中油型化粧水
(成分) (含有量)
1.サーファクチンナトリウム(成分A) 0.08%
2.スクワラン(成分B) 1.0%
3.ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンデシルテトラデシルエーテル(成分C)
0.4%
4.ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンセチルエーテル(成分C)0.4%
5.ステアロイルグルタミン酸ナトリウム(成分D) 0.1%
6.グリセリン(成分E) 20.0%
7.1,3-ブチレングリコール(成分E) 10.0%
8.EDTA-2Na 0.1%
9.精製水 残量
10.L-アスコルビン酸2-グルコシド 2.0%
11.フェノキシエタノール 0.2%
12.エチルヘキシルグリセリン(*1) 0.1%
13.ジャスミン花エキス、エーデルワイスエキス、ゼニアオイエキス、ビタミンEアセテート、テアニン、オーガニックペパーミントエキスの混合物(美容成分の混合物)
1.0%
14.エタノール 2.0%
15.香料 0.1%
(*1)アデカノール GE-RF(ADEKAケミカルサプライ社製)
【0077】
(製造方法)
A.成分1~8および成分9のうち50.0%(処方例総量中)を80℃に加熱溶解して組成物1を得た。
B.上記の組成物1を高圧乳化装置で処理した。その際、加圧直前の温度を50℃~80℃に設定し、その設定した温度で70MPa~100MPaの圧力で処理することで乳化した。
C.加圧処理後、上記の混合液を15℃以下の温度に冷却し、透明または半透明な乳化組成物として、乳化組成物2を得た。
D.上記の乳化組成物2に、成分9の残部および成分10~15を混ぜ合わせた。
E.上記の混合物を脱泡し、水中油型化粧水を得た。
【0078】
処方例1の化粧料は、透明または半透明であった。また、上記の乳化組成物2において、この乳化組成物2を全量(100%)としたとき、成分(A)の含有量は0.10%であり、成分(B)の含有量は1.22%であり、(C)/(D)=8.0(質量比)、(C)+(D)=1.10%、であった。
【0079】
処方例2:水中油型美容液1
(成分) (含有量)
1.サーファクチンナトリウム(成分A) 0.08%
2.ホホバ種子油(成分B) 3.5%
3.メドウフォーム油(成分B) 1.0%
4.マカデミア種子油(成分B) 0.5%
5.エチルヘキサン酸セチル(成分B) 1.5%
6.ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンセチルエーテル(成分C)2.0%
7.ポリオキシエチレン(20EO)硬化ヒマシ油(成分C) 1.0%
8.ステアロイルグルタミン酸ナトリウム(成分D) 0.08%
9.グリセリン(成分E) 15.0%
10.1,3-ブチレングリコール(成分E) 10.0%
11.EDTA-2Na 0.1%
12.リン酸Na 0.1%
13.リン酸2Na 0.1%
14.水酸化Na 0.005%
15.精製水 残量
16.トラネキサム酸 2.0%
17.フェノキシエタノール 0.3%
18.マツリカ花エキス、ブドウ葉エキス、セイヨウハッカ葉エキス、ビフィズス菌培養溶解質、サトザクラ花エキス、ポリクオタニウム-51、ノイバラ果実エキス、ハマナス花エキス、イザヨイバラエキス、酢酸トコフェロール、水溶性コラーゲン、ローヤルゼリーエキス、トウキ根エキス、センチフォリアバラ花エキス、ダマスクバラ花水、ローズマリー葉エキス、アセロラ果実エキス、アセチルグルタミン酸、テアニン、グリシン、加水分解ヒアルロン酸、およびヒアルロン酸Naの混合物(美容成分の混合物)
1.0%
19.エタノール 1.0%
20.香料 0.4%
【0080】
(製造方法)
A.成分1~10、成分15のうち50.0%(処方例総量中)を80℃に加熱溶解して組成物1を得た。
B.上記の組成物1を高圧乳化装置で処理した。その際、加圧直前の温度を50℃~80℃に設定し、その設定した温度で70MPa~100MPaの圧力で処理することで乳化した。
C.加圧処理後、上記の混合液を15℃以下の温度に冷却し、透明または半透明な乳化組成物として、乳化組成物2を得た。
D.上記の乳化組成物2に、成分11~14、成分15の残部、成分16~20を混ぜ合わせた。
E.上記の混合物を脱泡し、水中油型美容液1を得た。
【0081】
処方例2の化粧料は、透明または半透明であった。また、上記の乳化組成物2において、この乳化組成物2を全量(100%)としたとき、成分(A)の含有量は0.09%であり、成分(B)の含有量は7.68%であり、(C)/(D)=37.5(質量比)、(C)+(D)=3.64%、であった。
【0082】
処方例3:水中油型美容液2
(成分) (含有量)
1.サーファクチンナトリウム(成分A) 0.08%
2.スクワラン(成分B) 2.0%
3.トリイソステアリン酸トリメチロールプロパン(成分B) 1.0%
4.テトラエチルヘキサン酸ペンタエリスリチル(成分B) 1.0%
5.ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンセチルエーテル(成分C)1.0%
6.イソステアリン酸ポリオキシエチレン(50EO)硬化ヒマシ油(成分C)
1.0%
7.ステアロイルメチルタウリンナトリウム(成分D) 0.04%
8.グリセリン(成分E) 10.0%
9.1,3-ブチレングリコール(成分E) 10.0%
10.精製水 残量
11.フェノキシエタノール 0.3%
12.キサンタンガム 0.02%
13.(アクリレーツ/アクリル酸アルキル(C10-30))クロスポリマー
0.02%
14.水酸化Na 0.06%
15.カラメル 0.02%
16.加水分解コンキオリン液、ゲンチアナエキス、加水分解シルク液、加水分解米エキス、海藻エキス、L-セリン、イワショウブ葉エキス、カワラヨモギ花エキス、ゲットウ葉エキス、サッカロミセスセレビシアエエキス、ザクロ果実エキス、ザクロ果皮エキス、テンニンカ果実エキス、ナス果実エキス、ハルパゴフィタム根エキス、パセリエキス、ローヤルゼリーエキス、ロサアルバ花エキス、アボカドエキス、アマチャズルエキス、カモミラ水、ムラサキシキブ果実エキス、リンゴエキス、レモングラス抽出液、一人静エキス、アスパラガスエキス、アルテミアエキス、グアバエキス、コーヒーエキス、タイソウエキス、ブドウ葉エキス、およびワレモコウエキスの混合物(美容成分の混合物)
1.0%
17.エタノール 5.0%
18.L-メントール 0.01%
19.香料 0.2%
【0083】
(製造方法)
A.成分1~8、成分9のうち5.0%(処方例総量中)、および成分10のうち50.0%(処方例総量中)を80℃に加熱溶解して組成物1を得た。
B.上記の組成物1を高圧乳化装置で処理した。その際、加圧直前の温度を50℃~80℃に設定し、その設定した温度で70MPa~100MPaの圧力で処理することで乳化した。
C.加圧処理後、上記の混合液を15℃以下の温度に冷却し、透明または半透明な乳化組成物として、乳化組成物2を得た。
D.上記の乳化組成物2に、成分9の残部、成分10の残部および成分11~19を混ぜ合わせた。
E.上記の混合物を脱泡し、水中油型美容液2を得た。
【0084】
処方例3の化粧料は、透明または半透明であった。また、上記の乳化組成物2において、この乳化組成物2を全量(100%)としたとき、成分(A)の含有量は0.11%であり、成分(B)の含有量は5.62%あり、(C)/(D)=50.0(質量比)、(C)+(D)=2.87%、であった。
【0085】
処方例4:水中油型乳液
(成分) (含有量)
1.サーファクチンナトリウム(成分A) 0.08%
2.ジカプリン酸プロピレングリコール(成分B) 3.0%
3.トリイソステアリン酸トリメチロールプロパン(成分B) 2.0%
4.テトラエチルヘキサン酸ペンタエリスリチル(成分B) 2.0%
5.オレイン酸エチル(成分B) 0.5%
6.ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンデシルテトラデシルエーテル(成分C)
1.0%
7.イソステアリン酸ポリオキシエチレン(50EO)硬化ヒマシ油(成分C)
1.5%
8.ポリソルベート80(成分C) 0.05%
9.ステアロイルメチルタウリンナトリウム(成分D) 0.1%
10.グリセリン(成分E) 10.0%
11.1,3-ブチレングリコール(成分E) 15.0%
12.精製水 残量
13.ステアリン酸 0.8%
14.ステアリン酸グリセリル 0.2%
15.オレイン酸ソルビタン 0.02%
16.セテアリルアルコール 0.4%
17.ベヘニルアルコール 0.2%
18.イソヘキサデカン 0.2%
19.(アクリル酸Na/アクリロイルジメチルタウリンNa)コポリマー
0.4%
20.TEA 0.6%
21.カルボマー 0.02%
22.シリカ(*2) 2.0%
23.フェノキシエタノール 0.3%
24.セイヨウニワトコ花エキス、チャ葉エキス、テンチャエキス、マツリカ花エキス、ポリクオタニウム-51、ノイバラ果実エキス、ハマナス花エキス、イザヨイバラエキス、水溶性コラーゲン、ローヤルゼリーエキス、トウキ根エキス、センチフォリアバラ花エキス、ダマスクバラ花水、ローズマリー葉エキス、アセロラ果実エキス、アセチルグルタミン酸、テアニン、グリシン、加水分解ヒアルロン酸、およびヒアルロン酸Naの混合物(美容成分の混合物) 1.0%
25.カラメル 0.02%
26.エタノール 5.0%
27.香料 0.2%
(*2)ゴッドボールD-11 796C(鈴木油脂工業株式会社製)
【0086】
(製造方法)
A.成分1~10、成分11のうち10.0(処方例総量中)、および成分12のうち40.0%(処方例総量中)を80℃に加熱溶解して組成物1を得た。
B.上記の組成物1を高圧乳化装置で処理した。その際、加圧直前の温度を50℃~100℃に設定し、その設定した温度で70MPa~100MPaの圧力で処理することで乳化した。
C.加圧処理後、上記の混合液を15℃以下の温度に冷却し、透明または半透明な乳化組成物として、乳化組成物2を得た。
D.成分13~19、22を80℃に加熱して混合し、混合物1を得た。
E.成分20~21と成分11の残部および成分12の残部を80℃に加熱して混合し、混合物2を得た。
F.上記の混合物1と混合物2を80℃で混ぜ合わせ、組成物3を得た。
G.乳化組成物2に、組成物3および成分23~27を室温で混ぜ合わせた。
H.上記の混合物を脱泡し、水中油型乳液を得た。
【0087】
処方例4では、上記の乳化組成物2において、この乳化組成物2を全量(100%)としたとき、成分(A)の含有量は0.11%であり、成分(B)の含有量は10.7%であり、(C)/(D)=25.5(質量比)、(C)+(D)=3.77%、であった。
【0088】
処方例5:水中油型クリーム
(成分) (含有量)
1.サーファクチンナトリウム(成分A) 0.08%
2.ジカプリン酸プロピレングリコール(成分B) 3.0%
3.トリエチルヘキサノイン(成分B) 3.0%
4.水添ポリイソブテン(成分B)(*3) 3.0%
5.ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンデシルテトラデシルエーテル(成分C)
1.5%
6.モノオレイン酸ポリオキシエチレンソルビタン(20EO)(成分C)
1.5%
7.ステアロイルメチルタウリンナトリウム(成分D) 0.1%
8.グリセリン(成分E) 10.0%
9.1,3-ブチレングリコール(成分E) 15.0%
10.精製水 残量
11.ステアリン酸グリセリル 0.2%
12.セテアリルアルコール 2.0%
13.ベヘニルアルコール 2.0%
14.トコフェロール 0.001%
15.キサンタンガム 0.02%
16.カルボマー 0.02%
17.窒化ホウ素(*4) 1.0%
18.酸化チタン・シリカ被覆マイカ(*5) 1.0%
19.酸化チタン・酸化鉄被覆マイカ(*6) 1.0%
20.シリカ(*7) 1.0%
21.ナイロン―12(*8) 0.1%
22.ニコチン酸アミド 5.0%
23.EDTA-2Na 0.04%
24.フェノキシエタノール 0.3%
25.甘草フラボノイド、ローズマリー葉エキス、アンズ核油、カニナバラ果実エキス、アーモンド油、コーン油の混合物(美容成分の混合物) 0.3%
26.水酸化Na 0.06%
27.カラメル 0.02%
28.エタノール 5.0%
29.香料 0.2%
(*3)パールリーム6(日油社製)
(*4)CCS102-JA BORON NITRIDE POWDER(モメンティブ・パフォーマンス・マテリアルズ・ジャパン社製)
(*5)TIMIRON SPLEMDID RED(メルク社製)
(*6)TIMICA RADIANT GOLD 222G(エンゲルハード社製)
(*7)サンスフェアNP-200(AGCエスアイテック社製)
(*8)ガンツパールGM-2800(日本光研工業社製)
【0089】
(製造方法)
A.成分1~8、成分9のうち10.0%(処方総量中)、および成分10のうち30.0%(処方例総量中)を80℃に加熱溶解して組成物1を得た。
B.上記の組成物1を高圧乳化装置で処理した。その際、加圧直前の温度を50℃~80℃に設定し、その設定した温度で70MPa~100MPaの圧力で処理することで乳化した。
C.加圧処理後、上記の混合液を15℃以下の温度に冷却し、透明または半透明な乳化組成物として、乳化組成物2を得た。
D.成分11~14および成分17~21を80℃に加熱して混合し、混合物1を得た。
E.成分15、16、26、成分9の残部および成分10の残部を80℃に加熱して混合し、混合物2を得た。
F.上記の混合物1と混合物2を80℃で混ぜ合わせ組成物3を得た。
G.上記の乳化組成物2に、組成物3および成分22~25、成分27~29を室温で混ぜ合わせた。
H.上記の混合物を脱泡し、水中油型クリームを得た。
【0090】
処方例5では、上記の乳化組成物2において、この乳化組成物2を全量(100%)としたとき、成分(A)の含有量は0.13%であり、成分(B)の含有量は14.5%であり、(C)/(D)=30.0(質量比)、(C)+(D)=4.99%、であった。
【0091】
処方例6:水中油型下地
(成分) (含有量)
1.サーファクチンナトリウム(成分A) 0.08%
2.テトラエチルヘキサン酸ペンタエリスリチル(成分B) 0.5%
3.トリイソステアリン酸トリメチロールプロパン(成分B) 0.5%
4.ジメチコン(粘度6cs)(成分B) 0.5%
5.ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンデシルテトラデシルエーテル(成分C)
1.0%
6.ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンセチルエーテル(成分C)0.5%
7.ステアロイルグルタミン酸ナトリウム(成分D) 0.1%
8.グリセリン(成分E) 10.0%
9.1,3-ブチレングリコール(成分E) 10.0%
10.精製水 残量
11.メトキシケイヒ酸エチルヘキシル 2.0%
12.ビスエチルヘキシル安息香酸ヘキシル 1.0%
13.セテリアルアルコール 0.5%
14.ミリスチン酸ポリグリセリルー10 0.5%
15.ステアリン酸ポリグリセリルー10 0.5%
16.セスキステアリン酸ソルビタン 0.3%
17.ジ(カプリル酸/カプリン酸)プロピレングリコール 3.0%
18.(アクリレーツ/アクリル酸アルキル(C10-30))クロスポリマー
0.1%
19.水酸化Na 0.1%
20.キサンタンガム 0.1%
21.水溶性コラーゲン、センチフォリアバラ花エキス、ローヤルゼリーエキス、オレンジ花水の混合物(美容成分の混合物) 0.3%
22.エタノール 5.0%
23.メチルパラベン 0.1%
24.水酸化Al3%処理酸化チタン(平均粒子径0.25μm)(*9)
1.0%
25.アルミナ・ステアリン酸処理酸化チタン(70.0%)/ナイロン-12(30.0%)(*10) 1.0%
26.硫酸バリウム 0.1%
27.ポリメチルシルセスキオキサン 0.1%
28.シリカ(*11) 1.0%
29.香料 0.2%
(*9)MP-1133(テイカ社製)
(*10)MTXO-70NL(ハヤテマテリアル社製)
(*11)シリカマイクロビード P-1505(日揮触媒化成社製)
【0092】
(製造方法)
A.成分1~8と成分9のうち5.0%(処方例総量中)、および成分10のうち50.0%(処方例総量中)を80℃に加熱溶解して組成物1を得た。
B.上記の組成物1を高圧乳化装置で処理した。その際、加圧直前の温度を50℃~80℃に設定し、その設定した温度で70MPa~100MPaの圧力で処理することで乳化した。
C.加圧処理後、上記の混合液を15℃以下の温度に冷却し、透明または半透明な乳化組成物として、乳化組成物2を得た。
D.成分11~17と成分24~28を80℃で加熱溶解して、混合物1を得た。
E.成分18~20と成分9の残部、成分10の残部を混ぜ合わせ、混合物2を得た。
F.上記の混合物1と混合物2を75℃で混ぜ合わせ、組成物3を得た。
G.上記の乳化組成物2に、組成物3および成分21~23、成分29を室温で混ぜ合わせた。
H.上記の混合物を脱泡し、水中油型下地を得た。
【0093】
処方例6では、上記の乳化組成物2において、この乳化組成物2を全量(100%)としたとき、成分(A)の含有量は0.12%であり、成分(B)の含有量は2.20%であり、(C)/(D)=15.0(質量比)、(C)+(D)=2.35%、であった。
【0094】
処方例7:水中油型日焼け止め1
(成分) (含有量)
1.サーファクチンナトリウム(成分A) 0.08%
2.イソノナン酸イソトリデシル(成分B) 0.5%
3.ジメチコン(粘度6cs)(成分B) 1.5%
4.ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンセチルエーテル(成分C)2.0%
5.ポリオキシエチレン(20EO)硬化ヒマシ油(成分C) 0.1%
6.ポリソルベート60(成分C) 0.3%
7.ポリソルベート80(成分C) 0.1%
8.ステアロイルグルタミン酸ナトリウム(成分D) 0.2%
9.グリセリン(成分E) 10.0%
10.1,3-ブチレングリコール(成分E) 10.0%
11.精製水 残量
12.メトキシケイヒ酸エチルヘキシル 4.0%
13.ポリシリコーンー15 0.5%
14.メチレンビスベンゾトリアゾリルテトラブチルフェノール 1.0%
15.ジカプリン酸ネオペンチルグリコール 0.5%
16.ジフェニルシロキシフェニルトリメチコン 0.5%
17.シクロペンタシロキサン 1.0%
18.(アクリレーツ/ジメチコン)コポリマー 0.1%
19.セテリアルアルコール 0.5%
20.ステアリン酸 0.5%
21.PEG-30フィトステロール 0.3%
22.オレイン酸ソルビタン 0.1%
23.セスキステアリン酸メチルグルコース 0.2%
24.ステアリン酸グリセリル 0.2%
25.(アクリル酸Na/アクリロイルジメチルタウリンNa)コポリマー
0.4%
26.イソヘキサデカン 0.1%
27.(アクリレーツ/アクリル酸アルキル(C10-30))クロスポリマー
0.1%
28.カルボマー 0.01%
29.キサンタンガム 0.1%
30.TEA 1.0%
31.EDTA-2Na 0.01%
32.甘草フラボノイド、ローズマリー葉エキス、アンズ核油、カニナバラ果実エキス、アーモンド油、コーン油の混合物(美容成分の混合物) 0.3%
33.酢酸DL-α-トコフェロール 0.01%
34.エタノール 3.0%
35.フェノキシエタノール 0.2%
36.レシチン0.5%処理および水酸化アルミニウム3%処理酸化チタン(0.25μm) 0.5%
37.ジメチコン・水酸化アルミニウム・含水シリカ処理酸化チタン(平均粒子径:0.030μm)(*12) 1.0%
38.酸化チタン・酸化スズ被覆ホウケイ酸(Ca/Al)(*13)
0.1%
39.香料 0.4%
(*12)SMT-500SAM(テイカ社製)
(*13)マイクログラスメタシャインMT1080RS(日本板硝子社製)
【0095】
(製造方法)
A.成分1~9と成分10のうち5.0%(処方例総量中)、および成分11のうち45.0%(処方例総量中)を80℃に加熱溶解して組成物1を得た。
B.上記の組成物1を高圧乳化装置で処理した。その際、加圧直前の温度を50℃~80℃に設定し、その設定した温度で70MPa~100MPaの圧力で処理することで乳化した。
C.加圧処理後、上記の混合液を15℃以下の温度に冷却し、透明または半透明な乳化組成物として、乳化組成物2を得た。
D.成分12~26、成分33、成分36~38を80℃に加熱して混合し、混合物1を得た。
E.成分27~31と成分10の残部および成分11の残部を80℃に加熱溶解し、混合物2を得た。
F.上記の混合物1と混合物2を80℃で混ぜ合わせ、組成物3を得た。
G.上記の乳化組成物2に、組成物3および成分32、34、35、39を室温で混ぜ合わせた。
H.上記の混合物を脱泡し、水中油型日焼け止め1を得た。
【0096】
処方例7では、上記の乳化組成物2において、この乳化組成物2を全量(100%)としたとき、成分(A)の含有量は0.12%であり、成分(B)の含有量は3.09%であり、(C)/(D)=12.5(質量比)、(C)+(D)=4.17%、であった。
【0097】
処方例8:水中油型日焼け止め2
(成分) (含有量)
1.サーファクチンナトリウム(成分A) 0.08%
2.ホホバ種子油(成分B) 0.5%
3.ジメチコン(粘度6cs)(成分B) 1.5%
4.トリエチルヘキサノイン(成分B) 0.5%
5.オレイン酸エチル(成分B) 0.1%
6.ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンデシルテトラデシルエーテル(成分C)
1.2%
7.ポリオキシエチレン(20EO)硬化ヒマシ油(成分C) 1.5%
8.ポリソルベート80(成分C) 0.3%
9.ステアロイルグルタミン酸ナトリウム(成分D) 0.1%
10.グリセリン(成分E) 10.0%
11.1,3-ブチレングリコール(成分E) 10.0%
12.精製水 残量
13.メトキシケイヒ酸エチルヘキシル 7.0%
14.アジピン酸ジブチル 1.0%
15.イソドデカン 1.0%
16.水添ポリイソブテン(*14) 1.0%
17.セテリアルアルコール 0.2%
18.ベヘニルアルコール 0.2%
19.セスキオレイン酸ソルビタン 0.3%
20.ジ(C12-15)パレス-8リン酸 0.1%
21.イソステアリン酸ポリグリセリル-2 0.2%
22.(アクリレーツ/アクリル酸アルキル(C10-30))クロスポリマー
0.1%
23.カルボマー 0.1%
24.キサンタンガム 0.1%
25.水酸化Na 0.1%
26.マツリカ花エキス、ブドウ葉エキス、セイヨウハッカ葉エキス、ビフィズス菌培養溶解質、サトザクラ花エキス、ポリクオタニウム-51、ノイバラ果実エキス、ハマナス花エキス、イザヨイバラエキス、酢酸トコフェロール、水溶性コラーゲン、ローヤルゼリーエキス、トウキ根エキス、センチフォリアバラ花エキス、ダマスクバラ花水、ローズマリー葉エキス、アセロラ果実エキス、アセチルグルタミン酸、テアニン、グリシン、加水分解ヒアルロン酸、およびヒアルロン酸Naの混合物(美容成分の混合物)
1.0%
27.エタノール 3.0%
28.フェノキシエタノール 0.2%
29.アルミナ2%処理/シリカ 10%処理酸化チタン(平均粒子径0.4μm)(*15) 0.5%
30.水酸化Al3%処理酸化チタン(平均粒子径0.25μm)(*16)
0.3%
31.シリカ(*17) 0.5%
32.香料 0.2%
(*14)Dedraflow5(CIT Sarl社製)
(*15)SYMPHOLIGHT WW-E(日揮触媒化成社製)
(*16)TIPAQUE CR-50(石原産業社製)
(*17)ゴッドボールE-90C(鈴木油脂工業株式会社製)
【0098】
(製造方法)
A.成分1~10と成分11のうち5.0%(処方例総量中)、および成分12のうち45.0%(処方例総量中)を80℃に加熱溶解して組成物1を得た。
B.上記の組成物1を高圧乳化装置で処理した。その際、加圧直前の温度を50℃~80℃に設定し、その設定した温度で70MPa~100MPaの圧力で処理することで乳化した。
C.加圧処理後、上記の混合液を15℃以下の温度に冷却し、透明または半透明な乳化組成物として、乳化組成物2を得た。
D.成分13~21と成分29~31を80℃で加熱溶解して、混合物1を得た。
E.成分22~25、成分11の残部および成分12の残部を混ぜ合わせ、混合物2を得た。
F.上記の混合物1と混合物2を75℃で混ぜ合わせ、組成物3を得た。
G.上記の乳化組成物2に、組成物3および成分26~28、32を室温で混ぜ合わせた。
H.上記の混合物を脱泡し、水中油型日焼け止め2を得た。
【0099】
処方例8では、上記の乳化組成物2において、この乳化組成物2を全量(100%)としたとき、成分(A)の含有量は0.12%であり、成分(B)の含有量は3.95%であり、(C)/(D)=30.0(質量比)、(C)+(D)=4.71%、であった。