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特開2024-61328植物性冷菓用組成物、植物性冷菓、および植物性冷菓の作製方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024061328
(43)【公開日】2024-05-07
(54)【発明の名称】植物性冷菓用組成物、植物性冷菓、および植物性冷菓の作製方法
(51)【国際特許分類】
   A23G 9/34 20060101AFI20240425BHJP
   A23L 29/238 20160101ALI20240425BHJP
   A23L 29/256 20160101ALI20240425BHJP
   A23L 29/231 20160101ALI20240425BHJP
   A23G 9/42 20060101ALI20240425BHJP
【FI】
A23G9/34
A23L29/238
A23L29/256
A23L29/231
A23G9/42
【審査請求】未請求
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022169202
(22)【出願日】2022-10-21
(71)【出願人】
【識別番号】506009453
【氏名又は名称】オルガノフードテック株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001210
【氏名又は名称】弁理士法人YKI国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】磯村 遼
【テーマコード(参考)】
4B014
4B041
【Fターム(参考)】
4B014GB18
4B014GG01
4B014GG06
4B014GG07
4B014GG17
4B014GK08
4B014GK12
4B014GP02
4B014GP12
4B014GP13
4B014GP14
4B014GP26
4B014GP27
4B041LC01
4B041LC03
4B041LC10
4B041LD02
4B041LH04
4B041LH05
4B041LH07
4B041LH10
4B041LK09
4B041LK11
4B041LK25
4B041LK33
4B041LP01
4B041LP04
4B041LP16
4B041LP25
(57)【要約】
【課題】濃厚感のある風味となめらかな食感を有し、スプーン通りが良好なアイスクリーム類等の植物性冷菓を得ることができる植物性冷菓用組成物、その植物性冷菓用組成物を用いた植物性冷菓、および植物性冷菓の作製方法を提供する。
【解決手段】アマシードガムを含有する、植物性冷菓用組成物、その植物性冷菓用組成物を用いた植物性冷菓、および植物性冷菓の作製方法である。
【選択図】なし
【特許請求の範囲】
【請求項1】
アマシードガムを含有することを特徴とする植物性冷菓用組成物。
【請求項2】
請求項1の記載の植物性冷菓用組成物であって、
さらにグァーガム、ローカストビーンガム、タマリンドシードガム、タラガム、カラギナン、およびペクチンのうちの少なくとも1つを含有することを特徴とする植物性冷菓用組成物。
【請求項3】
アマシードガムを含有することを特徴とする植物性冷菓。
【請求項4】
請求項3の記載の植物性冷菓であって、
さらにグァーガム、ローカストビーンガム、タマリンドシードガム、タラガム、カラギナン、およびペクチンのうちの少なくとも1つを含有することを特徴とする植物性冷菓。
【請求項5】
アマシードガムを用いることを特徴とする植物性冷菓の作製方法。
【請求項6】
請求項5の記載の植物性冷菓の作製方法であって、
さらにグァーガム、ローカストビーンガム、タマリンドシードガム、タラガム、カラギナン、およびペクチンのうちの少なくとも1つを用いることを特徴とする植物性冷菓の作製方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、植物性冷菓用組成物、その植物性冷菓用組成物を含む植物性冷菓、および植物性冷菓の作製方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、動物性の乳を使用したアイスクリーム類等の冷菓の分野においてグァーガムやローカストビーンガムが一般的な品質改良剤として広く使用されている(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
一方、豆乳等の植物性の乳を使用した冷菓については、例えば、特許文献1には、従来の冷菓用油脂とは異なる特定の油脂を使用する豆乳含有冷菓が開示されており、濃厚感のある風味となめらかな組織を有するとしている。
【0004】
特許文献2には、豆乳および油脂を含有する冷菓において、ポリデキストロースおよび難消化性デキストリンを含有する冷菓が開示されており、濃厚感のある風味となめらかな食感を有するとしている。
【0005】
特許文献1,2の豆乳を使用した植物性冷菓では、いずれも濃厚感のある風味となめらかな食感(組織)を有するとしてはいるが、動物性の乳を使用した冷菓と比べると濃厚感が不足し、なめらかな食感に欠けていた。また、豆乳を使用した植物性冷菓は、例えば-20℃の品温では硬いため、スプーン通りが悪いという問題もあった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特許第4451379号公報
【特許文献2】特許第4902177号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明の目的は、濃厚感のある風味となめらかな食感を有し、スプーン通りが良好なアイスクリーム類等の植物性冷菓を得ることができる植物性冷菓用組成物、その植物性冷菓用組成物を用いた植物性冷菓、および植物性冷菓の作製方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明は、アマシードガムを含有する、植物性冷菓用組成物である。
【0009】
前記植物性冷菓用組成物において、さらにグァーガム、ローカストビーンガム、タマリンドシードガム、タラガム、カラギナン、およびペクチンのうちの少なくとも1つを含有することが好ましい。
【0010】
本発明は、アマシードガムを含有する、植物性冷菓である。
【0011】
前記植物性冷菓において、さらにグァーガム、ローカストビーンガム、タマリンドシードガム、タラガム、カラギナン、およびペクチンのうちの少なくとも1つを含有することが好ましい。
【0012】
本発明は、アマシードガムを用いる、植物性冷菓の作製方法である。
【0013】
前記植物性冷菓の作製方法において、さらにグァーガム、ローカストビーンガム、タマリンドシードガム、タラガム、カラギナン、およびペクチンのうちの少なくとも1つを用いることが好ましい。
【発明の効果】
【0014】
本発明により、濃厚感のある風味となめらかな食感を有し、スプーン通りが良好なアイスクリーム類等の植物性冷菓を得ることができる植物性冷菓用組成物、その植物性冷菓用組成物を用いた植物性冷菓、および植物性冷菓の作製方法を提供することができる。
【発明を実施するための形態】
【0015】
本発明の実施の形態について以下説明する。本実施形態は本発明を実施する一例であって、本発明は本実施形態に限定されるものではない。
【0016】
<植物性冷菓用組成物>
本発明の実施の形態に係る植物性冷菓用組成物は、アマシードガムを含有する。本実施形態に係る植物性冷菓用組成物は、さらにグァーガム、ローカストビーンガム、タマリンドシードガム、タラガム、カラギナン、およびペクチンのうちの少なくとも1つを含有してもよい。
【0017】
本発明者らは、グァーガムやローカストビーンガムとは原料由来が異なるアマシードガムを用いて検討した結果、アマシードガムを添加することによって、濃厚感のある風味となめらかな食感を有し、スプーン通りが良好な植物性冷菓を得ることができることを見出した。植物性冷菓にアマシードガムを添加することによって、グァーガム、ローカストビーンガム等の他の増粘多糖類に比べて、かたさが低下してスプーン通りが改善し、乳化安定作用による濃厚感のある風味となめらかな食感が実現した。動物性の乳を使用した冷菓と同等以上の濃厚感のある風味となめらかな食感を有する植物性冷菓を得ることができる。また、アマシードガムは、ローカストビーンガム等に比べて、供給量等の問題が少ない。
【0018】
アマシードガムは、アマ科アマ(Linum usitatissimum LINNE)の種子から得られたものであり、多糖類を主成分とするものである。アマシードガムとしては、一般に入手可能なものを制限なく使用することができる。
【0019】
グァーガムは、マメ科のグァー豆(Cyamopsis tetragonoloba)の種子の胚乳部から得られたものであり、多糖類を主成分とするものである。グァーガムとしては、一般に入手可能なものを制限なく使用することができる。
【0020】
ローカストビーンガムは、マンノースとガラクトースとを4:1のモル比で含有するガラクトマンナンであり、カロブビーンガムとも称される。ローカストビーンガムは、例えば、マメ科イナゴマメ(Ceratonia siliqua L.)の種子の胚乳部分を分離および精製することにより得られる。ローカストビーンガムとしては、一般に入手可能なものを制限なく使用することができる。
【0021】
タマリンドシードガムは、マメ科のタマリンド(Tamarindus indica L.)の種子の胚乳部から得られたものであり、多糖類を主成分とするものである。タマリンドシードガムとしては、一般に入手可能なものを制限なく使用することができる。
【0022】
タラガムは、マメ科のタラ豆(Tara spinosa)の種子の胚乳部から得られたものであり、多糖類を主成分とするものである。タラガムとしては、一般に入手可能なものを制限なく使用することができる。
【0023】
カラギナンは、紅藻類から抽出される多糖類であり、D-ガラクトース(または3,6-アンヒドロ-D-ガラクトース)と硫酸から構成され、以下に示すように、その硫酸基の結合状態により、ラムダカラギナン、イオタカラギナン、カッパカラギナンの3種に分類される。これらのうち、カラギナンとして、カッパカラギナンを含むことが好ましい。カラギナンとしては、一般に入手可能なものを制限なく使用することができる。
【化1】
【0024】
ペクチンは、りんごや柑橘類等の果皮に含まれる多糖類であり、ポリガラクツロン酸を主成分とするものである。ペクチンとしては、一般に入手可能なものを制限なく使用することができる。
【0025】
本実施形態に係る植物性冷菓用組成物において、グァーガム、ローカストビーンガム、タマリンドシードガム、タラガム、カラギナン、およびペクチンのうちの少なくとも1つを含有する場合のグァーガム、ローカストビーンガム、タマリンドシードガム、タラガム、カラギナン、およびペクチンのうちの少なくとも1つの含有量は、例えば、アマシードガム100質量%に対して、10質量%~300質量%の範囲であり、好ましくは10質量%~50質量%の範囲である。グァーガム、ローカストビーンガム、タマリンドシードガム、タラガム、カラギナン、およびペクチンのうちの少なくとも1つの含有量がアマシードガム100質量%に対して10質量%未満であると、効果が得られない場合があり、300質量%を超えると、加工適正の低下や食感が悪くなる場合がある。
【0026】
本実施形態に係る植物性冷菓用組成物の形態は、特に限定されず、例えば粉末の形態であってもよいし、粒状に造粒した顆粒の形態であってもよい。
【0027】
<植物性冷菓>
本実施形態に係る植物性冷菓は、上記植物性冷菓用組成物を含有する植物性冷菓であり、アマシードガムを含有する植物性冷菓である。本実施形態に係る植物性冷菓は、さらにグァーガム、ローカストビーンガム、タマリンドシードガム、タラガム、カラギナン、およびペクチンのうちの少なくとも1つを含有してもよい。
【0028】
植物性冷菓は、植物性の乳を使用した氷菓等が挙げられる。ここで、アイスクリーム類とは、食品衛生法の「乳及び乳製品の成分規格等に関する省令」で「生乳、牛乳若しくは特別牛乳またはこれらを原料として製造した食品を加工し、または主要原料として凍結したもので、乳固形分3.0%以上を含むもの(発酵乳を除く)」と定められており、アイスクリーム(乳固形分15.0%以上、うち乳脂肪分8.0%以上のもの)、アイスミルク(乳固形分10.0%以上、乳脂肪分3.0%以上のもの)、ラクトアイス(乳固形分3.0%以上、乳脂肪分規定なし)の3種類に大きく分けられる。氷菓(乳固形分3.0%未満)としては、アイスキャンデー、かき氷、かち割り氷、シャーベット等が挙げられる。これらのうち、上記植物性冷菓用組成物は、植物性の氷菓に好適に適用される。
【0029】
植物性の乳としては、特に制限はないが、例えば、豆乳、アーモンドミルク、オーツミルク、ライスミルク、マカダミアミルク、ヒヨコマメミルク等が挙げられる。
【0030】
本実施形態に係る植物性冷菓中の植物性の乳の含有量は、植物性冷菓全体の質量に対して、例えば、90質量%以下であり、好ましくは80質量%以下である。植物性冷菓中の植物性の乳の含有量が、植物性冷菓全体の質量に対して90質量%を超えると、加工適正の低下や食感が悪くなる場合がある。
【0031】
本実施形態に係る植物性冷菓中のアマシードガムの含有量は、植物性冷菓全体の質量に対して、例えば、0.01質量%~1.0質量%の範囲であり、好ましくは0.1質量%~0.4質量%の範囲である。植物性冷菓中のアマシードガムの含有量が、植物性冷菓全体の質量に対して0.01質量%未満であると、効果が得られない場合があり、1.0質量%を超えると、加工適正の低下や食感が悪くなる場合がある。
【0032】
グァーガム、ローカストビーンガム、タマリンドシードガム、タラガム、カラギナン、およびペクチンのうちの少なくとも1つを含有する場合の本実施形態に係る植物性冷菓中のグァーガム、ローカストビーンガム、タマリンドシードガム、タラガム、カラギナン、およびペクチンのうちの少なくとも1つの含有量は、植物性冷菓全体の質量に対して、例えば、0.01質量%~1.0質量%の範囲であり、好ましくは0.1質量%~0.4質量%の範囲である。植物性冷菓中のグァーガム、ローカストビーンガム、タマリンドシードガム、タラガム、カラギナン、およびペクチンのうちの少なくとも1つの含有量が、植物性冷菓全体の質量に対して0.01質量%未満であると、効果が得られない場合があり、1.0質量%を超えると、加工適正の低下や食感が悪くなる場合がある。
【0033】
本実施形態に係る植物性冷菓は、上記植物性冷菓用組成物の他に、一般的に植物性冷菓に用いられる砂糖、水飴、植物油脂、澱粉、乳化剤、香料、甘味料等の他の成分を含んでもよい。
【0034】
植物性冷菓中の他の成分の含有量は、各種植物性冷菓の製造の常法に従えばよく、特に制限はない。
【0035】
本実施形態に係る植物性冷菓は、上記植物性冷菓用組成物を含有することにより、濃厚感のある風味となめらかな食感を有し、スプーン通りが良好である。
【0036】
本実施形態に係る植物性冷菓は、-20℃での16時間保管から出した直後の硬度が、例えば、100N以下であり、好ましくは50N以下である。この硬度が100Nを超えると、スプーン通りが悪くなる場合がある。
【0037】
<植物性冷菓の作製方法>
本実施形態に係る植物性冷菓の作製方法は、アマシードガムを含有する植物性冷菓用組成物を用いる方法であり、アマシードガムを用いる方法である。本実施形態に係る植物性冷菓の作製方法は、さらにグァーガム、ローカストビーンガム、タマリンドシードガム、タラガム、カラギナン、およびペクチンのうちの少なくとも1つを用いることが好ましい。
【0038】
植物性冷菓の作製方法は、各種植物性冷菓の製造の常法に従えばよく、特に制限はない。
【0039】
植物性の氷菓は、例えば、次の方法で作製すればよい。植物性の乳に粉体(グラニュー糖、アマシードガム等の増粘剤等)を混合して予備混合物を得る。予備混合物を加熱する(例えば45~50℃達温)。加熱した予備混合物に水飴等を加え、混合して混合物を得る。得られた混合物を高圧ホモジナイザー等を用いて均質化する。均質化した混合物の殺菌処理を行ってもよい(例えば68℃、30分)。殺菌処理を行った混合物を冷却(例えば25℃以下)後、エージング(例えば4±1℃、12時間以上)して、冷菓ミックスを得る。冷菓ミックスにバニラエッセンス等を加えてもよい。この冷菓ミックスを、アイスクリームメーカー等を用いてフリージング処理を行う。容器に充填し、凍結した後(例えば-40℃以下、30~60分)、冷凍保管し(例えば-20℃、16時間以上)、冷菓を得る。
【0040】
本実施形態に係る植物性冷菓用組成物を植物性冷菓に添加することにより、濃厚感のある風味となめらかな食感を有し、スプーン通りが良好なアイスクリーム類等の植物性冷菓を得ることができる。
【実施例0041】
以下、実施例および比較例を挙げ、本発明をより具体的に詳細に説明するが、本発明は、以下の実施例に限定されるものではない。
【0042】
<実施例1,2、比較例1,2、参考例1>
植物性の乳として無調整豆乳を用い、表1に示す配合比率(質量%)で、以下の手順で冷菓を作製した。
【0043】
(冷菓の作製手順)
(1)無調整豆乳に粉体(グラニュー糖、アマシードガム等の増粘剤)を混合して予備混合物を得る。
(2)予備混合物を加熱する(45℃達温)。
(3)加熱した予備混合物に水飴を加え、混合して混合物を得る。
(4)混合物を均質化する(高圧ホモジナイザー(エスエムテー社製、LAB1000)500bar)。
(5)均質化した混合物の殺菌処理を行う(68℃、30分)。
(6)殺菌処理を行った混合物を流水で20℃まで冷却後、冷蔵庫(4±1℃)で一晩(16時間)エージングして、冷菓ミックスを得る。
(7)この冷菓ミックスを、アイスクリームメーカー(カルピジャーニ・ジャパン社製、プロント4/カウンター)を用いてフリージング処理を行う。
(8)容器に充填し、急速凍結する(-60℃、30分間)。
(9)-20℃の冷凍庫に移し、保管し(16時間)、冷菓を得た。
【0044】
得られた冷菓について、以下の方法で、かたさの測定、なめらかさおよび濃厚感の官能評価を行った。結果を表2に示す。
【0045】
[かたさの測定]
クリープメーター(山電製、RE2-33005C)を用いて、くさび型プランジャーを1mm/秒の速度で-20℃の冷凍庫から出した直後の冷菓に貫入させ、10mm貫入時の応力を測定し、その値(N)をかたさとした。
【0046】
[官能評価]
パネラー5名でなめらかさ、濃厚感について官能評価を実施し、平均値を算出した。官能評価についての評価基準は以下の通りである。
【0047】
(なめらかさ)
4:なめらか(全くシャリシャリしていない)
3:ややなめらか(ほとんどシャリシャリしていない)
2:ややシャリシャリしている
1:すごくシャリシャリしている
(濃厚感)
4:とても濃厚感を感じる
3:やや濃厚感を感じる
2:あまり濃厚感を感じない
1:全く濃厚感を感じない
【0048】
【表1】
【0049】
【表2】
【0050】
実施例の冷菓は、濃厚感、なめらかさに優れ、かたさも良好であった。
【0051】
<実施例3,4、参考例2,3>
植物性の乳として無調整豆乳の代わりにアーモンドミルクまたはオーツミルクを用い、表3に示す配合比率(質量%)で、実施例1と同じ冷菓の作製手順で冷菓を作製した。
【0052】
得られた冷菓について、実施例1と同様にして、かたさの測定、なめらかさおよび濃厚感の官能評価を行った。結果を表4に示す。
【0053】
【表3】
【0054】
【表4】
【0055】
植物性の乳としてアーモンドミルクまたはオーツミルクを用いて得られた冷菓についても、濃厚感、なめらかさに優れ、かたさも良好であった。
【0056】
<実施例5,6、比較例3、参考例4>
増粘剤として特許文献4で用いられているポリデキストロースおよび難消化性デキストリンとの比較を行った。植物性の乳として無調整豆乳を用い、表5に示す配合比率(質量%)で、実施例1と同じ冷菓の作製手順で冷菓を作製した。
【0057】
得られた冷菓について、実施例1と同様にして、かたさの測定、なめらかさおよび濃厚感の官能評価を行った。結果を表6に示す。
【0058】
【表5】
【0059】
【表6】
【0060】
効果を比較した結果、ポリデキストロース+難消化性デキストリンよりもアマシードガムを用いた方が各項目で高い効果が確認され、濃厚感、なめらかさに優れ、かたさも良好であった。
【0061】
このように、実施例の植物性冷菓用組成物によって、濃厚感のある風味となめらかな食感を有し、スプーン通りが良好な植物性冷菓を得ることができた。