IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 前田 充宏の特許一覧

<>
  • 特開-記録管理システム 図1
  • 特開-記録管理システム 図2
  • 特開-記録管理システム 図3
  • 特開-記録管理システム 図4
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024006133
(43)【公開日】2024-01-17
(54)【発明の名称】記録管理システム
(51)【国際特許分類】
   G06Q 50/34 20120101AFI20240110BHJP
   G06Q 50/10 20120101ALI20240110BHJP
【FI】
G06Q50/34
G06Q50/10
【審査請求】未請求
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022106742
(22)【出願日】2022-06-30
(71)【出願人】
【識別番号】515324349
【氏名又は名称】前田 充宏
(72)【発明者】
【氏名】矢沢 稔
(72)【発明者】
【氏名】星野 航
(72)【発明者】
【氏名】前田 充宏
【テーマコード(参考)】
5L049
【Fターム(参考)】
5L049CC22
5L049CC55
(57)【要約】
【課題】競技の結果を証明することができるようにする。
【解決手段】記録管理システムであって、競技の大会を示す情報及び競技の結果をメタデータに含むノンファンジブルトークンを発行する発行部を備えること、を特徴とする。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
競技の大会を示す情報及び前記競技の結果をメタデータに含むノンファンジブルトークンを発行する発行部を備えること、
を特徴とする記録管理システム。
【請求項2】
請求項1に記載の記録管理システムであって、
前記大会の運営者の第1のウォレットを示す第1のウォレットアドレスを記憶する第1の記憶部と、
前記大会において前記競技を行った競技者の第2のウォレットを示す第2のウォレットアドレスを記憶する第2の記憶部と、
を備え、
前記発行部は、前記第1のウォレットに前記ノンファンジブルトークンを送信し、
前記第1のウォレットから前記第2のウォレットに前記ノンファンジブルトークンを送信する送信部を備えること、
を特徴とする記録管理システム。
【請求項3】
請求項1に記載の記録管理システムであって、
前記大会が設定したスマートコントラクトを特定する情報を記憶する記憶部と、
前記ノンファンジブルトークンを特定する情報を含むリクエストを受信するリクエスト受信部と、
ブロックチェーンを検証することにより、前記リクエストにより特定される前記ノンファンジブルトークンが、前記スマートコントラクトにより発行されたか否かを判定する判定部と、
判定結果を応答する応答部と、
を備えることを特徴とする記録管理システム。
【請求項4】
請求項1に記載の記録管理システムであって、
前記大会のウォレットアドレスを記憶する記憶部と、
前記ノンファンジブルトークンを特定する情報を含むリクエストを受信するリクエスト受信部と、
ブロックチェーンを検証することにより、前記リクエストにより特定される前記ノンファンジブルトークンが、前記ウォレットアドレスが示す前記大会の運営者のウォレットから送信されたものであるか否かを判定する判定部と、
判定結果を応答する応答部と、
を備えることを特徴とする記録管理システム。
【請求項5】
請求項2に記載の記録管理システムであって、
前記発行部は、
前記ノンファンジブルトークンを第1のブロックチェーンネットワークにおいて発行し、
前記第1のウォレットが前記運営者のものであることを証明するトークンである証明トークンを第2のブロックチェーンネットワークにおいて発行し、
前記発行部は、前記ノンファンジブルトークンのメタデータに前記証明トークンを示す情報を設定して発行すること、
を特徴とする記録管理システム。
【請求項6】
請求項2に記載の記録管理システムであって、
前記発行部は、
前記ノンファンジブルトークンを第1のブロックチェーンネットワークにおいて発行し、
前記第1のウォレットが前記運営者のものであることを証明する証明データを第2のブロックチェーンネットワークの管理する分散台帳に登録し、
前記発行部は、前記ノンファンジブルトークンのメタデータに前記証明データを示す情報を設定して発行すること、
を特徴とする記録管理システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、記録管理システムに関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、競技の予想が的中したことの証明書を発行することが提案されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2002-132997号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
競技の結果を証明することのニーズが存在する。
【0005】
本発明はこのような背景を鑑みてなされたものであり、競技の結果を証明することができる技術を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するための本発明の主たる発明は、記録管理システムであって、競技の大会を示す情報及び前記競技の結果をメタデータに含むノンファンジブルトークンを発行する発行部を備えること、を特徴とする。
【0007】
その他本願が開示する課題やその解決方法については、発明の実施形態の欄及び図面により明らかにされる。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、競技の結果を証明することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】本発明の一実施形態に係る記録管理システムの全体構成例を示す図である。
図2】管理サーバ2のハードウェア構成例を示す図である。
図3】管理サーバ2のソフトウェア構成例を示す図である。
図4】本実施形態の記録管理システムの動作を説明する図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
<システムの概要>
図1は、本発明の一実施形態に係る記録管理システムの全体構成例を示す図である。本実施形態の記録管理システムは、管理サーバ2を含んで構成される。管理サーバ2は、ユーザ端末1と通信ネットワーク5を介して通信可能に接続される。通信ネットワーク5は、たとえばインターネットであり、公衆電話回線網や携帯電話回線網、無線通信路、イーサネット(登録商標)などにより構築される。
【0011】
管理サーバ2は、第1及び第2のブロックチェーンネットワーク3,4とも通信可能に接続される。第1及び第2のブロックチェーンネットワーク3,4はそれぞれ、複数のノード(コンピュータ)により構成され、台帳データを分散して管理することができる。分散台帳は、いわゆるブロックチェーンの仕組みにより改ざん困難に管理される。なお、ブロックチェーンによる分散台帳管理の仕組みについては一般的なものを採用するものとしてここでは詳細な説明を省略する。第1及び第2のブロックチェーンネットワーク3,4は、例えば、イーサリアムなどにより構築することができる。第1及び第2のブロックチェーンネットワーク3,4は異なる方式のブロックチェーンであってよい。
【0012】
イーサリアムなどのブロックチェーンネットワークによって発行可能なトークン(イーサリアムトークン)としては、ファンジブルトークンと、ノンファンジブルトークン(非代替性トークン;Non-Fungible Token:NFT)とがある。NFTは、ファンジブルトークンとは異なり、代替性を有さないトークンである。NFTは、他のNFTと区別される独自の価値を有することができる。このため、NFTは、他のNFTとの区別を可能にするための固有の識別子(NFT-ID)を有する。NFTは、例えば、ERC(Ethereum Request for Comments)721規格に従って発行されたトークンである。ERC721規格に準拠したNFTは、NFT-721トークンとも呼ばれる。本実施形態では、一例として、NFTは、NFT-721トークンであることを想定する。NFTは、ファンジブルトークンと同様に、ブロックチェーンネットワーク上において取引可能である。NFTの取引履歴は、ブロックチェーンネットワークにおいて記録される。ブロックチェーンネットワークの分散台帳では、NFTの所有者(オーナー)及び所有履歴も記録される。
【0013】
本実施形態では、第1のブロックチェーンネットワーク3においてERC721規格に準拠したNFTが発行され、第2のブロックチェーンネットワーク4においてウォレットの所有者を証明するための独自のNFTが発行されるものとする。
【0014】
本実施形態の記録管理システムは、スポーツ等の大会における記録をNFTとして発行しようとするものである。
【0015】
ユーザ端末1は、ユーザ(大会の運営者、競技者、及び第三者)が使用する例えばスマートフォンやタブレットコンピュータ、パーソナルコンピュータなどのコンピュータである。
【0016】
管理サーバ2は、NFTをユーザに提供するコンピュータであり、例えばワークステーションやパーソナルコンピュータのような汎用コンピュータとしてもよいし、あるいはクラウド・コンピューティングによって論理的に実現されてもよい。
【0017】
<管理サーバ>
図2は、管理サーバ2のハードウェア構成例を示す図である。なお、図示された構成は一例であり、これ以外の構成を有していてもよい。管理サーバ2は、CPU201、メモリ202、記憶装置203、通信インタフェース204、入力装置205、出力装置206を備える。記憶装置203は、各種のデータやプログラムを記憶する、例えばハードディスクドライブやソリッドステートドライブ、フラッシュメモリなどである。通信インタフェース204は、通信ネットワーク5に接続するためのインタフェースであり、例えばイーサネット(登録商標)に接続するためのアダプタ、公衆電話回線網に接続するためのモデム、無線通信を行うための無線通信機、シリアル通信のためのUSB(Universal Serial Bus)コネクタやRS232Cコネクタなどである。入力装置205は、データを入力する、例えばキーボードやマウス、タッチパネル、ボタン、マイクロフォンなどである。出力装置206は、データを出力する、例えばディスプレイやプリンタ、スピーカなどである。なお、後述する管理サーバ2の各機能部はCPU201が記憶装置203に記憶されているプログラムをメモリ202に読み出して実行することにより実現され、管理サーバ2の各記憶部はメモリ202及び記憶装置203が提供する記憶領域の一部として実現される。
【0018】
図3は、管理サーバ2のソフトウェア構成例を示す図である。管理サーバ2は、発行部211と、送信部212と、リクエスト受信部213と、判定部214と、判定結果応答部215と、大会情報記憶部231と、競技者情報記憶部232と、を備える。
【0019】
大会情報記憶部231は、大会に関する情報(以下、大会情報という。)を記憶する。大会情報には、大会を示す大会IDに対応付けて、大会の名称(大会名)と、大会の運営者のウォレット(第1のウォレット)を示すウォレットアドレス(第1のウォレットアドレス)と、NFTをミントするためのスマートコントラクトを示すコントラクトアドレスとが含まれる。大会情報記憶部231は、管理サーバ2のメモリ202及び記憶装置203が提供する記憶領域の一部として実現するようにしてもよいし、第1及び第2のブロックチェーンネットワーク3,4が管理する分散台帳で実現するようにしてもよい。なお、大会情報は運営者のKYC情報を確認したうえで登録されるものとする。
【0020】
競技者情報記憶部232は、競技者に関する情報(以下、競技者情報という。)を記憶する。競技者情報には、競技者を特定する競技者IDに対応付けて、競技者のウォレット(第2のウォレット)を示すウォレットアドレス(第2のウォレットアドレス)が含まれる。競技者情報記憶部232は、管理サーバ2のメモリ202及び記憶装置203が提供する記憶領域の一部として実現するようにしてもよいし、第1及び第2のブロックチェーンネットワーク3,4が管理する分散台帳で実現するようにしてもよい。なお、競技者情報は競技者のKYC情報を確認したうえで登録されるものとする。
【0021】
発行部211は、第1のブロックチェーンネットワーク3においてNFTを発行する。発行部211は、NFTのメタデータに、競技の大会を示す大会IDと、競技を示す競技IDと、競技者を示す競技者IDと、当該競技の結果とを設定する。発行部211は、例えば、大会の運営者からのリクエストに応じてNFTを発行することができる。大会の運営者からのリクエストには、大会ID、競技ID、競技者ID及び競技の結果が含まれる。
【0022】
発行部211は、大会情報記憶部231に記憶されているウォレットアドレスにNFTを送信することができる。その後、発行部211は、大会運営者のウォレットアドレス(第1のウォレットアドレス)から、競技者情報記憶部232に記憶されている競技者のウォレットアドレス(第2のウォレットアドレス)に、NFTを送信することができる。
【0023】
また、発行部211は、大会運営者のウォレット(第1のウォレット)が運営者のものであることを証明するトークンである証明トークンを第2のブロックチェーンネットワーク4において発行することができる。またこの場合に発行部211は、発行するNFTのメタデータに証明トークンを示す情報を設定することができる。
【0024】
リクエスト受信部213は、NFTが正規のものであるかどうかを問い合わせるリクエストを受け付ける。リクエストには、NFTを特定する情報が含まれる。
【0025】
判定部214は、NFTが正規のものであるかどうかを判定する。
【0026】
判定部214は、リクエストにより特定されるNFTに設定されている大会IDに対応するコントラクトアドレスを大会情報記憶部231から読み出し、第1のブロックチェーンネットワーク3に管理されるブロックチェーンを検証することにより(ブロックチェーンでリンクされているブロックを辿って)、リクエストにより特定されるNFTが、コントラクトアドレスにより発行されたものであるか否かを判定し、これによりNFTが正規のものであるかどうかを判定することができる。
【0027】
判定部214は、リクエストにより特定されるNFTに設定されている大会IDに対応するウォレットアドレスを大会情報記憶部231から読み出し、第1のブロックチェーンネットワーク3に管理されるブロックチェーンを検証し(ブロックチェーンでリンクされているブロックを辿って)、リクエストにより特定されるNFTの送信元の連鎖を辿って、ウォレットアドレスに辿り着くかどうかにより、大会運営者のウォレットから送出されたものであるか否かを判定し、これによりNFTが正規のものであるかどうかを判定することができる。
【0028】
判定結果応答部215は、判定部214による判定結果をリクエストの送信元に応答する。
【0029】
<動作>
図4は、本実施形態の記録管理システムの動作を説明する図である。
【0030】
管理サーバ2は、大会の運営者を証明する証明トークンを第2のブロックチェーンネットワーク4において発行し(S301)、大会IDと、競技IDと、競技者IDと、競技の結果と、証明トークンを特定する情報とをメタデータに設定したNFTを第1のブロックチェーンネットワーク3において発行し(S302)、NFTを大会運営者のウォレットに送信し(S303)、その後に競技者のウォレットに送信する(S304)。
【0031】
以上、本実施形態について説明したが、上記実施形態は本発明の理解を容易にするためのものであり、本発明を限定して解釈するためのものではない。本発明は、その趣旨を逸脱することなく、変更、改良され得ると共に、本発明にはその等価物も含まれる。
【0032】
例えば、本実施形態では、第2のブロックチェーンネットワーク4においてウォレットの所有者を証明するための独自のNFTが発行されるものとしたが、ウォレットの所有者を証明する証明書データが分散台帳に管理されるようにしてもよい。また、分散台帳ではなくIPFSやファイルサーバ等に証明書データが格納されるようにしてもよい。この場合、証明書データを特定する情報(例えばURLであってよい)が、第1のブロックチェーンネットワーク3において発行されるNFTのメタデータに設定される。
【0033】
<開示事項>
なお、本開示には、以下のような構成も含まれる。
[項目1]
競技の大会を示す情報及び前記競技の結果をメタデータに含むノンファンジブルトークンを発行する発行部を備えること、
を特徴とする記録管理システム。
[項目2]
項目1に記載の記録管理システムであって、
前記大会の運営者の第1のウォレットを示す第1のウォレットアドレスを記憶する第1の記憶部と、
前記大会において前記競技を行った競技者の第2のウォレットを示す第2のウォレットアドレスを記憶する第2の記憶部と、
を備え、
前記発行部は、前記第1のウォレットに前記ノンファンジブルトークンを送信し、
前記第1のウォレットから前記第2のウォレットに前記ノンファンジブルトークンを送信する送信部を備えること、
を特徴とする記録管理システム。
[項目3]
項目1に記載の記録管理システムであって、
前記大会が設定したスマートコントラクトを特定する情報を記憶する記憶部と、
前記ノンファンジブルトークンを特定する情報を含むリクエストを受信するリクエスト受信部と、
ブロックチェーンを検証することにより、前記リクエストにより特定される前記ノンファンジブルトークンが、前記スマートコントラクトにより発行されたか否かを判定する判定部と、
判定結果を応答する応答部と、
を備えることを特徴とする記録管理システム。
[項目4]
項目1に記載の記録管理システムであって、
前記大会のウォレットアドレスを記憶する記憶部と、
前記ノンファンジブルトークンを特定する情報を含むリクエストを受信するリクエスト受信部と、
ブロックチェーンを検証することにより、前記リクエストにより特定される前記ノンファンジブルトークンが、前記ウォレットアドレスが示す前記大会の運営者のウォレットから送信されたものであるか否かを判定する判定部と、
判定結果を応答する応答部と、
を備えることを特徴とする記録管理システム。
[項目5]
項目2に記載の記録管理システムであって、
前記発行部は、
前記ノンファンジブルトークンを第1のブロックチェーンネットワークにおいて発行し、
前記第1のウォレットが前記運営者のものであることを証明するトークンである証明トークンを第2のブロックチェーンネットワークにおいて発行し、
前記発行部は、前記ノンファンジブルトークンのメタデータに前記証明トークンを示す情報を設定して発行すること、
を特徴とする記録管理システム。
[項目6]
項目2に記載の記録管理システムであって、
前記発行部は、
前記ノンファンジブルトークンを第1のブロックチェーンネットワークにおいて発行し、
前記第1のウォレットが前記運営者のものであることを証明する証明データを第2のブロックチェーンネットワークの管理する分散台帳に登録し、
前記発行部は、前記ノンファンジブルトークンのメタデータに前記証明データを示す情報を設定して発行すること、
を特徴とする記録管理システム。
【符号の説明】
【0034】
1 ユーザ端末
2 管理サーバ
3 第1のブロックチェーンネットワーク
4 第2のブロックチェーンネットワーク
図1
図2
図3
図4