(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024006134
(43)【公開日】2024-01-17
(54)【発明の名称】シロップ
(51)【国際特許分類】
A23L 29/30 20160101AFI20240110BHJP
A23L 27/00 20160101ALI20240110BHJP
A23L 2/00 20060101ALN20240110BHJP
A23L 2/52 20060101ALN20240110BHJP
【FI】
A23L29/30
A23L27/00 E
A23L27/00 101Z
A23L2/00 B
A23L2/52
【審査請求】有
【請求項の数】2
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022106744
(22)【出願日】2022-06-30
(71)【出願人】
【識別番号】520321535
【氏名又は名称】株式会社知財事業研究所
(74)【代理人】
【識別番号】100170449
【弁理士】
【氏名又は名称】山本 英彦
(72)【発明者】
【氏名】大賀 信幸
【テーマコード(参考)】
4B041
4B047
4B117
【Fターム(参考)】
4B041LC01
4B041LK11
4B041LK27
4B041LK29
4B041LP01
4B041LP22
4B047LB02
4B047LB09
4B047LE01
4B047LF07
4B047LF09
4B047LG23
4B047LG38
4B047LG45
4B047LP05
4B047LP20
4B117LC02
4B117LC14
4B117LG04
4B117LG07
4B117LK04
4B117LK12
(57)【要約】 (修正有)
【課題】柑橘系成分以外の成分を混合することで、渋味成分を生じさせずに安定化させた黒糖生姜シロップを提供する。
【解決手段】柑橘系成分を混合するのに代えて、梅成分を混合する。例えば、小鍋にすりおろし生姜を入れ、火にかけながら、黒糖粉末を溶かすように煮る。黒糖粉末が溶けた状態で、pH4.0以下となるように梅ペーストを加えていく。pH4.0以下となったシロップは、容器に密閉すれば常温で保存可能となる。
【選択図】なし
【特許請求の範囲】
【請求項1】
生姜と、黒糖と、梅成分とを混合し、
pH4.0以下である、シロップ。
【請求項2】
前記生姜は、すりおろし生姜からなり、
前記黒糖は、黒糖粉末からなり、
前記梅成分は、梅ペーストからなる、シロップ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、シロップに関し、詳細には、生姜と黒糖を原料としたシロップに関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、生姜と黒糖を原料とした飲料やシロップがある。一般に、生姜はジンゲロン、ショウガオール、ジンギベレンという栄養素を含み、特にショウガオール(辛味成分)の作用により、血行が促進されるので、生姜湯を飲むと身体が暖まることが知られている。また、生姜湯のような生姜飲料に黒糖を混合し、飲みやすくした飲料やシロップもある。
【0003】
例えば、特許文献1に記載の有機生姜黒糖は、生姜本来の作用に加えて、食物繊維の摂取ができるうえ、黒糖の甘味の中に「こく」と「とろみ」とを確保し、また原料全体を顆粒状としたものがある。この有機生姜黒糖を液体に溶くことで黒糖生姜飲料が容易に生成できる。
【0004】
また、すりおろした生姜汁に黒糖粉末を混合した黒糖生姜シロップもある。このような黒糖生姜シロップは、液体に溶けやすく、お湯などに溶くことで容易に黒糖生姜飲料を生成することができる。
【0005】
ところで、生の食材(生姜)を原材料としたシロップは、その保管の観点から、pHを酸性になるように調整する必要がある。特に、一般的には、pH4.0以下であることが望ましい。保管を前提とした黒糖生姜シロップにおいては、柑橘系の成分を混合することで、pH4.0以下を実現するものがあった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかし、柑橘系の成分を混合した黒糖生姜シロップは、渋味成分を生じてしまい、飲みにくくなってしまうという課題があった。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上述のような課題に対して、本発明の発明者は、柑橘系の成分に代えて、梅成分を混合することで、渋味の発生を抑止し、飲みやすい黒糖生姜飲料や黒糖生姜シロップを生成することができるとの知見を得た。
【0009】
(1)これらの知見に基づき、本発明に係るシロップは、生姜と、黒糖と、梅成分とを混合し、pH4.0以下であることを特徴とする。
【0010】
前述したシロップにおいて、前記生姜は、すりおろし生姜からなり、前記黒糖は、黒糖粉末からなり、前記梅成分は、梅ペーストからなるようにしてもよい。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、飲みやすい黒糖生姜飲料を提供することができる。
【発明を実施するための形態】
【0012】
本発明の実施形態に係るシロップは、生姜と、黒糖と、梅成分とを原材料として混合することで作製される。ここで、生姜は、すりおろし生姜を用い、黒糖は、黒糖粉末を用い、梅成分は、梅ペーストを用いて作製される。しかし、シロップは、生姜成分と、黒糖成分と、梅成分とを含めば、他の原材料を用いて作製されてもよい。
【0013】
シロップは、pH4.0以下に調整される。生姜成分と黒糖成分は、主に、中性(pH7.0程度)であるため、梅成分の量によりpHが調整される。例えば、すりおろし生姜と黒糖粉末とを、1対1の重量比で混合し、梅ペーストの量を調整することでpH4.0以下にすることができる。
【0014】
シロップは、例えば、小鍋にすりおろし生姜を入れ、火にかけながら、黒糖粉末を溶かすように煮る。黒糖粉末が溶けた状態で、pH4.0以下となるように梅ペーストを加えていく。pH4.0以下となったシロップは、容器に密閉すれば常温で保存可能となる。
【0015】
シロップは、白湯、水、炭酸水などで割って飲料とすることができる。また、紅茶やお菓子などに砂糖の代わりとして使用することもできる。
【0016】
なお、pH調整に梅成分、柑橘系成分、pH調整剤を混合したシロップの味を比較したところ、梅成分を混合したシロップが一番おいしいとの評価(サンプル10人)を得た。
【産業上の利用可能性】
【0017】
本発明は、黒糖生姜シロップに利用できる。