(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024061350
(43)【公開日】2024-05-07
(54)【発明の名称】パネルスピーカ
(51)【国際特許分類】
H04R 7/04 20060101AFI20240425BHJP
H04R 1/00 20060101ALI20240425BHJP
H04R 5/02 20060101ALI20240425BHJP
G09F 9/00 20060101ALI20240425BHJP
H04R 1/02 20060101ALI20240425BHJP
【FI】
H04R7/04
H04R1/00 310Z
H04R5/02 Z
G09F9/00 351
H04R1/02 102Z
【審査請求】未請求
【請求項の数】8
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022169247
(22)【出願日】2022-10-21
(71)【出願人】
【識別番号】000237592
【氏名又は名称】株式会社デンソーテン
(74)【代理人】
【識別番号】110002860
【氏名又は名称】弁理士法人秀和特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】松井 一樹
【テーマコード(参考)】
5D011
5D016
5D017
5G435
【Fターム(参考)】
5D011AA02
5D016AA04
5D017AC20
5G435BB05
5G435CC09
5G435EE13
5G435EE49
5G435KK02
(57)【要約】
【課題】出力される音響の音質を向上するパネルスピーカを提供する。
【解決手段】第1のパネルの一方の面と第2のパネルの一方の面とが接着されて構成される単一の振動パネルと、前記振動パネルを駆動して振動させる第1の振動アクチュエータと、前記振動パネルを駆動して振動させる第2の振動アクチュエータと、を備え、前記振動パネルは、平面視で、前記第1のパネルと前記第2のパネルとが貼り合わされていない第1の非接着領域と第2の非接着領域とを有し、前記第1の振動アクチュエータは前記第1の非接着領域を駆動し、前記第2の振動アクチュエータは前記第2の非接着領域を駆動するように、前記第2のパネルの他方の面に結合されているパネルスピーカとする。
【選択図】
図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1のパネルの一方の面と第2のパネルの一方の面とが接着されて構成される単一の振動パネルと、
前記振動パネルを駆動して振動させる第1の振動アクチュエータと、
前記振動パネルを駆動して振動させる第2の振動アクチュエータと、を備え、
前記振動パネルは、平面視で、前記第1のパネルと前記第2のパネルとが貼り合わされていない第1の非接着領域と第2の非接着領域とを有し、
前記第1の振動アクチュエータは前記第1の非接着領域を駆動し、前記第2の振動アクチュエータは前記第2の非接着領域を駆動するように、前記第2のパネルの他方の面に結合されている、
パネルスピーカ。
【請求項2】
前記第1の非接着領域と前記第2の非接着領域とは、平面視で、前記振動パネルの長手方向の中心を通り、前記長手方向に直交する直線の両側にそれぞれ配置される、
請求項1に記載のパネルスピーカ。
【請求項3】
前記第1の非接着領域と前記第2の非接着領域とは、平面視で、前記直線に対して線対称に配置される、
請求項2に記載のパネルスピーカ。
【請求項4】
前記第1の振動アクチュエータには、ステレオ音響の左音響信号が入力され、
前記第2の振動アクチュエータには、前記ステレオ音響の右音響信号が入力される、
請求項1に記載のパネルスピーカ。
【請求項5】
前記振動パネルは、平面視で、前記第1の非接着領域と前記第2の非接着領域とを隔てる第3の非接着領域を有する、
請求項1に記載のパネルスピーカ。
【請求項6】
前記振動パネルは、平面視で、前記第1の非接着領域と前記第2の非接着領域とを含む、格子状に区画された複数の非接着領域を有する、
請求項1に記載のパネルスピーカ。
【請求項7】
前記第1パネルは、表示パネルである、
請求項1に記載のパネルスピーカ。
【請求項8】
前記第1パネルは、OLED(Organic Light Emitting Diode)パネルである、
請求項7に記載のパネルスピーカ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、パネルスピーカに関する。
【背景技術】
【0002】
圧電素子を用いたアクチュエータ(振動アクチュエータ)により、ディスプレイのディスプレイパネルを振動させることにより、ディスプレイをスピーカにするディスプレイスピーカがある。ディスプレイスピーカでは、振動アクチュエータは、ディスプレイパネル(振動パネル)の背面に取り付けられる。これにより、振動アクチュエータの振動を、ディスプレイパネルに伝えることができる。ディスプレイスピーカは、パネルスピーカの一例である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2019-191587号公報
【特許文献2】特開2018-93468号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ディスプレイパネルにおいて、独立に制御される複数(例えば、2個)の振動アクチュエータをディスプレイパネルに取り付けることで、ステレオ音響を出力するステレオ駆動のディスプレイパネルとすることができる。ところで、ディスプレイパネルの背面側には伝達パネルが接着されていることがある。伝達パネルの詳細については後述する。伝達パネルは、両面粘着テープ等によって、ディスプレイパネルに固定される。振動アクチュエータは、伝達パネルに取付けられ、伝達パネルとディスプレイパネルを一体的に駆動する。すなわち、伝達パネルとディスプレイパネルが一体となって振動パネルを構成する。2個の振動アクチュエータが取り付けられたディスプレイパネルにおいて、一方の振動アクチュエータを振動させた際に、振動パネルの当該振動アクチュエータの周囲が振動するのみならず、振動パネルの他方の振動アクチュエータの周囲まで、振動することがある。また、当該ディスプレイパネルにおいて、他方の振動アクチュエータを振動させた際に、振動パネルの当該振動アクチュエータの周囲が振動するのみならず、振動パネルの一方の振動アクチュエータの周囲まで、振動することがある。よって、この場合、ディスプレイパネルから出力される音響が、ステレオ音響ではなく、モノラル音響のようになることがある。即ち、ステレオ駆動するディスプレイパネルにおける左右分離度(左右平均振動比)が低いという問題がある。
【0005】
本件開示の技術は、出力される音響の音質(特にステレオ音響の左右のチャネルの分離度)を向上するパネルスピーカを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するために、以下の手段を採用する。
即ち、第1の態様は、第1のパネルの一方の面と第2のパネルの一方の面とが接着されて構成される単一の振動パネルと、前記振動パネルを駆動して振動させる第1の振動アクチュエータと、前記振動パネルを駆動して振動させる第2の振動アクチュエータと、を備えるパネルスピーカである。前記振動パネルは、平面視で、前記第1のパネルと前記第2のパネルとが貼り合わされていない第1の非接着領域と第2の非接着領域とを有する。前記第1の振動アクチュエータは、前記第1の非接着領域を駆動し、前記第2の振動アクチュエータは前記第2の非接着領域を駆動するように、前記第2のパネルの他方の面に結合
されている。
【発明の効果】
【0007】
開示の技術によれば、出力される音響の音質(特にステレオ音響の左右のチャネルの分離度)を向上するパネルスピーカを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】
図1は、ディスプレイスピーカ800の分解斜視図である。
【
図2】
図2は、ディスプレイスピーカ800の第1振動アクチュエータ851、第2振動アクチュエータ852を通る、xz平面に平行な面の断面図である。
【
図3】
図3は、伝達パネル830、接着層820、第1結合部841、第2結合部842を背面側から見た図である。
【
図4】
図4は、ディスプレイスピーカ200の分解斜視図である。
【
図5】
図5は、ディスプレイスピーカ200の第1振動アクチュエータ251、第2振動アクチュエータ252を通る、xz平面に平行な面の断面図である。
【
図6】
図6は、伝達パネル230、接着層220、第1結合部241、第2結合部242を背面側から見た図である。
【
図7】
図7は、変形例1のディスプレイスピーカ200の伝達パネル230、接着層220、第1結合部241、第2結合部242を背面側から見た図である。
【
図8】
図8は、変形例2のディスプレイスピーカ200の伝達パネル230、接着層220、第1結合部241、第2結合部242を背面側から見た図である。
【
図9】
図9は、変形例3のディスプレイスピーカ200の伝達パネル230、接着層220、第1結合部241、第2結合部242を背面側から見た図である。
【
図10】
図10は、変形例4のディスプレイスピーカ200の伝達パネル230、接着層220、第1結合部241、第2結合部242を背面側から見た図である。
【
図11】
図11及び
図12は、本実施形態のディスプレイスピーカ200における伝達パネル230(ディスプレイパネル210)の振動の様子のシミュレーション結果を説明する図(1)である。
【
図12】
図11及び
図12は、本実施形態のディスプレイスピーカ200における伝達パネル230(ディスプレイパネル210)の振動の様子のシミュレーション結果を説明する図(2)である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、図面を参照して実施形態について説明する。実施形態の構成は例示であり、発明の構成は、開示の実施形態の具体的構成に限定されない。発明の実施にあたって、実施形態に応じた具体的構成が適宜採用されてもよい。
【0010】
ここでは、複数の振動アクチュエータが、伝達パネルに取り付けられ、さらに、伝達パネルがディスプレイのディスプレイパネルに設けられ、当該ディスプレイをステレオ駆動のディスプレイスピーカとして機能させる場合について、説明する。パネルスピーカは、ディスプレイパネルを、振動アクチュエータによって、振動させることで、ディスプレイパネルから音波(音響)を出力(放出)させる装置である。ディスプレイスピーカは、パネルスピーカの一例である。パネルスピーカは、例えば、ディスプレイパネルなどの平面状のパネル(振動パネル)を振動させることにより音響を出力するスピーカである。
【0011】
〔実施形態〕
(比較例)
図1、
図2、
図3は、本実施形態の比較例のディスプレイスピーカ800の構成例を示す図である。
図1は、ディスプレイスピーカ800の分解斜視図である。ディスプレイスピーカ800は、ディスプレイパネル810、接着層820、伝達パネル830、第1結
合部841、第2結合部842、第1振動アクチュエータ851、第2振動アクチュエータ852を含む。ここで、ディスプレイパネル810を正面側から平面視したときの左から右へ方向をx方向、下から上への方向をy方向、正面から背面への方向をz方向とする。x方向、y方向、z方向は、互いに直交する。
図2は、ディスプレイスピーカ800の第1振動アクチュエータ851、第2振動アクチュエータ852を通る、xz平面に平行な面の断面図である。
図3は、伝達パネル830、接着層820、第1結合部841、第2結合部842を背面側から見た図である。
【0012】
ディスプレイパネル810は、板状の矩形のパネルである。ディスプレイパネル810の外形の各辺は、x軸またはy軸に平行である。
【0013】
接着層820は、ディスプレイパネル910の背面側と伝達パネル930の正面側とを接合する。
図1の例では、接着層820は、ディスプレイパネル810及び伝達パネル830とほぼ同じ形状、大きさである。接着層820は、例えば、両面粘着テープである。
図1の例では、接着層820は、矩形である。
【0014】
伝達パネル830は、ディスプレイパネル810の背面側であって、ディスプレイパネル810と、第1振動アクチュエータ851、第2振動アクチュエータ852との間に配置される。伝達パネル830は、正面から見てディスプレイパネル810とほぼ同じ大きさを有する矩形のパネルである。伝達パネル830は、例えば、アルミニウムプレートなどの金属板(金属プレート)である。伝達パネル830はディスプレイパネル810を背面側から支持して補強したり、ディスプレイパネル810で発生する熱を放散したり、ディスプレイパネル810で発生する電磁ノイズを遮蔽(シールド)する等の役割を持つ。なお伝達パネル830は、上記の役割をすべて備える必要はなく、例えば補強だけが目的であれば金属板でなくても、ガラス板やプラスチック板などの絶縁体であってもよい。伝達パネル830は、第1振動アクチュエータ851、第2振動アクチュエータ852の振動をディスプレイパネル810に伝達する。言い換えれば、伝達パネル830とディスプレイパネル810とは一体となって第1振動アクチュエータ851、第2振動アクチュエータ852によって駆動され、ディスプレイパネル810側の表面から音波を出力する振動パネルを構成する。なお、上述した伝達パネル830とディスプレイパネル810の機能は以下で説明するすべての実施形態の伝達パネルとディスプレイパネルに共通するものである。
【0015】
第1結合部841は、例えば、第1振動アクチュエータ851の正面側の全面にわたって配置され、伝達パネル830の背面側と第1振動アクチュエータ851の正面側とを接合する。第1結合部841は、例えば、両面粘着テープである。第1結合部841は、伝達パネル830を平面視した際の中心から-x方向に平行移動した位置に配置される。第2結合部842は、例えば、第2振動アクチュエータ852の正面側の全面にわたって配置され、伝達パネル830の背面側と第2振動アクチュエータ852の正面側とを接合する。第2結合部842は、例えば、両面粘着テープである。第2結合部842は、伝達パネル830を平面視した際の中心から+x方向に平行移動した位置に配置される。第1結合部841、第2結合部842は、x方向において、ディスプレイパネル810(伝達パネル830)の中心からの距離が等しい。また、第1結合部841、第2結合部842は、ディスプレイパネル810の中心を通るy軸に平行な直線を対称の中心軸として、線対称の位置に存在する。
【0016】
第1振動アクチュエータ851、第2振動アクチュエータ852は、伝達パネル830の背面側に配置される。第1振動アクチュエータ851、第2振動アクチュエータ852は、伝達パネル830よりも小さい板状の矩形の部材である。第1振動アクチュエータ851、第2振動アクチュエータ852は、例えば、圧電素子である。第1振動アクチュエ
ータ851、第2振動アクチュエータ852は、印加される駆動電圧に応じて伸縮し、振動する。第1振動アクチュエータ851、第2振動アクチュエータ852は、互いに独立して制御される。
【0017】
ディスプレイスピーカ800では、第1振動アクチュエータ851を振動させたときに、伝達パネル830の第1振動アクチュエータ851の周囲だけでなく、伝達パネル830の第2振動アクチュエータ852の周囲も振動する。また、ディスプレイスピーカ800では、第2振動アクチュエータ852を振動させたときに、伝達パネル830の第2振動アクチュエータ852の周囲だけでなく、伝達パネル830の第1振動アクチュエータ851の周囲も振動する。よって、ステレオ音響を出力させるために、第1振動アクチュエータ851と、第2振動アクチュエータ852とに、別々の信号を入力して、振動させたとしても、ディスプレイスピーカ800はモノラル音響のような音響を出力することになる。即ち、ディスプレイスピーカ800では、音響の左右分離度(左右平均振動比)が低くなる。このとき、左右平均振動比は、1.1である。左右平均振動比は、例えば、左側の振動アクチュエータ(第1振動アクチュエータ851)を振動させ、右側の振動アクチュエータ(第2振動アクチュエータ852)を振動させない場合の、伝達パネル830の右側(伝達パネル830の第2振動アクチュエータ852付近)の領域における平均的な振動の大きさ(振幅または加速度)PRに対する、伝達パネル830の左側(伝達パネル830の第1振動アクチュエータ851付近)の領域における平均的な振動の大きさ(振幅または加速度)PLの比(PL/PR)である。なお、ここで、「領域における平均的な振動の大きさ」とは、例えば、その領域に含まれる微小領域における振動の大きさをその領域全体にわたり積分した値、または、それを領域の面積で割った値として定義できる。さらに、簡易的には、その領域に含まれるいくつかの測定点における振動の大きさを加算したもの、または、それを測定点の数で割ったものとして定義できる。この左右平均振動比(PL/PR)が1以上で大きいほど音響の左右分離度が高く、逆に1に近いほど左右分離度が低いといえる。なお、右側の振動アクチュエータ(第2振動アクチュエータ852)を振動させ、左側の振動アクチュエータ(第1振動アクチュエータ851)を振動させない場合の左右平均振動比はPR/PLで定義できる。
【0018】
(構成例)
図4、
図5、
図6は、本実施形態のディスプレイスピーカ200の構成例を示す図である。
図4は、ディスプレイスピーカ200の分解斜視図である。ディスプレイスピーカ200は、ディスプレイパネル210、接着層220、伝達パネル230、第1結合部241、第2結合部242、第1振動アクチュエータ251、第2振動アクチュエータ252を含む。ここで、ディスプレイパネル210を正面側から平面視したときの左から右へ方向をx方向、下から上への方向をy方向、正面から背面への方向をz方向とする。x方向、y方向、z方向は、互いに直交する。
図5は、ディスプレイスピーカ200の第1振動アクチュエータ251、第2振動アクチュエータ252を通る、xz平面に平行な面の断面図である。
図6は、伝達パネル230、接着層220、第1結合部241、第2結合部242を背面側から見た図である。ここでは、x方向は、ディスプレイパネル210の長手方向、y方向は、ディスプレイパネル210の短手方向である。
【0019】
ディスプレイパネル210は、板状の矩形のパネルである。ディスプレイパネル210の外形の各辺は、x軸またはy軸に平行である。即ち、ディスプレイパネル210の外形の矩形(長方形)の対向する2辺は、第1方向(x方向)に平行であり、他の対抗する2辺は、第1方向に直交する第2方向(y方向)に平行である。ディスプレイパネル210は、例えば、平面のガラスパネル、OLED(Organic Light Emitting Diode)パネルである。ディスプレイパネル210は、接着層220を介して、伝達パネル230と接合される。ディスプレイパネル210は、第1パネルの例である。また、ディスプレイパネル210等の形状は、矩形に限定されるものではなく、矩形でない四角形、三角形、多角形
、楕円形、円形などの他の形状であってもよい。ディスプレイパネル210は、例えば、コンピュータなどによる文字情報や画像を表示する表示パネルである。
【0020】
接着層220は、複数の領域に分割されて配置され、ディスプレイパネル210の背面側と伝達パネル230の正面側とを接合する。
図4の例では、接着層220は、第1接着領域221、第2接着領域222、第3接着領域223を含む。接着層220の各接着領域は、例えば、両面粘着テープである。接着層220の各接着領域は、接着剤であってもよい。各接着領域は、平面視で(正面側または背面側から見た場合、x方向及びy方向に直交する方向から見た場合)互いに重複しないように異なる位置に配置される。第1接着領域221、第2接着領域222、第3接着領域223は、y軸に平行な帯状の矩形である。第1接着領域221、第2接着領域222、第3接着領域223は、ディスプレイパネル210(伝達パネル230)の上部から下部にわたる。第1接着領域221、第2接着領域222、第3接着領域223は、互いに平行である。第1接着領域221と第3接着領域223とは同形状である。第1接着領域221と第2接着領域222とは同形状であってもよい。第1接着領域221、第2接着領域222、第3接着領域223は、それぞれ、y方向の幅がx方向の幅よりも大きい。ここでは、y方向は、第1接着領域221、第2接着領域222、第3接着領域223の長手方向である。x方向において、第1接着領域221とディスプレイパネル210の中心との距離(X11)と、第3接着領域223とディスプレイパネル210の中心との距離(X13)とは、等しい。また、平面視で、第1接着領域121、第3接着領域223は、ディスプレイパネル210の中心を対称の中心として、点対称の位置に存在する。第2接着領域222の形状は、ディスプレイパネル210の中心を通るy軸に平行な直線を対称の中心軸として、線対称の形状である
。伝達パネル130の中心と各接着領域との関係についても同様である。ディスプレイパネル210と伝達パネル230との間で接着層220の各接着領域以外の部分では、ディスプレイパネル210と伝達パネル230とは接合されない。すなわち、ディスプレイパネル210と伝達パネル230との間で接着層220の各領域以外の部分は、例えば、空隙(非接着領域)となる。ディスプレイパネル210と伝達パネル230との間で接着層220の各接着領域以外の部分は、非接着領域である。上記の比較例と異なり、平面視で第1振動アクチュエータ251(第1結合部241)、第2振動アクチュエータ252(第2結合部242)と重複する部分に、接着層220の接着領域はない。接着層220の接着領域の数は、3つに限定されない。任意の位置と領域(例えば、接着領域)との距離とは、任意の位置と当該領域の中心との距離である。ディスプレイパネル210等の矩形(長方形)の中心は、例えば、当該矩形の対角線の交点位置として求められる。また、ここで使用する中心は、幾何学的中心に限定されるものではなく、幾何学的中心を含む一定の範囲内であればよい。幾何学的中心を含む一定の範囲内は、例えば、幾何学的中心を中心とする半径が2cmである円等の範囲内、幾何学的中心を中心とする半径がディスプレイパネル210の最大幅の5%である円の範囲内などである。また、ディスプレイパネル210等の中心は、重心、内心、外心、直交する2方向の幅の中心線の交点等によって定義されてもよい。また、第1接着領域221、第2接着領域222、第3接着領域223は、ディスプレイパネル210の外形に平行でなくてもよい。各接着領域の形状は、ここに記載したものに限定されるものではない。接着領域は、ディスプレイパネル210の中心を通るy軸に平行な直線を対称軸として、線対称である。接着層220は、非接着領域を含まないとする。接着層220は、ディスプレイパネル210の長手方向(x方向)を複数の非接着領域に区画する。一般に、ディスプレイパネル210の長手方向は、ディスプレイパネル210の左右方向である。当該方向に複数の非接着領域を設けることで、ディスプレイスピーカ200は、左の音響信号(左音響信号)に基づく音響を左側から、右の音響信号(右音響信号)に基づく音響を右側から出力することができる。
【0021】
伝達パネル230は、ディスプレイパネル210の背面側であって、ディスプレイパネル210と第1振動アクチュエータ251、第2振動アクチュエータ252との間に配置
される。伝達パネル230は、正面側から見て(平面視で)ディスプレイパネル210とほぼ同じ大きさを有する矩形のパネルである。伝達パネル230は、第1振動アクチュエータ251、第2振動アクチュエータ252の振動をディスプレイパネル210に伝達する。伝達パネル230は、例えば、アルミニウムプレートなどの金属板(金属プレート)である。平面視で、伝達パネル230の中心の位置と、ディスプレイパネル210の中心の位置とは、同じである。伝達パネル230は、第2パネルの例である。
【0022】
第1結合部241は、例えば、第1振動アクチュエータ251の正面側の全面にわたって配置され、伝達パネル230の背面側と第1振動アクチュエータ251の正面側とを接合する。第2結合部242は、例えば、第2振動アクチュエータ252の正面側の全面にわたって配置され、伝達パネル230の背面側と第2振動アクチュエータ252の正面側とを接合する。第1結合部241、第2結合部242は、例えば、両面粘着テープである。第1結合部241、第2結合部242は、接着剤であってもよい。第1結合部241、第2結合部242は、結合部の例である。第1結合部241、第2結合部242の代わりに、伝達パネル230に圧入したボスと当該ボスに第1振動アクチュエータ251、第2振動アクチュエータ252を固定するねじとが結合部とされてもよい。このとき、第1振動アクチュエータ251、第2振動アクチュエータ252にはねじが通るねじ穴が設けられている。結合部により、伝達パネル130と、第1振動アクチュエータ251、第2振動アクチュエータ252とが結合される。伝達パネル130と、第1振動アクチュエータ251、第2振動アクチュエータ252とを結合する結合部は、ここに記載したものに限定されるものではなく、他の構成により結合されるものであってもよい。結合部は、ディスプレイパネル210の中心を通るy軸に平行な直線を対称軸として、線対称である。
【0023】
第1振動アクチュエータ251、第2振動アクチュエータ252は、伝達パネル230の背面側に配置される。第1振動アクチュエータ251、第2振動アクチュエータ252は、伝達パネル230よりも小さい板状の矩形の部材である。第1振動アクチュエータ251、第2振動アクチュエータ252は、例えば、圧電素子である。第1振動アクチュエータ251、第2振動アクチュエータ252は、印加される駆動電圧に応じて伸縮し、振動する。第1振動アクチュエータ251、第2振動アクチュエータ252は、互いに独立して制御される。第1振動アクチュエータ251は、例えば、伝達パネル230を平面視した際の中心から-x方向に平行移動した位置に配置される。ここでは、伝達パネル230の中心と第1振動アクチュエータ251との間のx方向の距離は、X21とする。即ち、第1振動アクチュエータ251は、伝達パネル250の中心を通り、x方向に平行な直線上に配置される。第2結合部242は、伝達パネル230を平面視した際の中心から+x方向に平行移動した位置に配置される。ここでは、伝達パネル230の中心と第2振動アクチュエータ252との間のx方向の距離は、X22とする。即ち、第2振動アクチュエータ252は、伝達パネル250の中心を通り、x方向に平行な直線上に配置される。第1振動アクチュエータ851、第2振動アクチュエータ852は、x方向において、ディスプレイパネル210(伝達パネル230)の中心からの距離が等しい(X21=X22)。また、第1振動アクチュエータ851、第2振動アクチュエータ852は、ディスプレイパネル810の中心を通るy軸に平行な直線を対称の中心軸として、線対称の位置に存在する。第1振動アクチュエータ251、第2振動アクチュエータ252は、加振部の例である。第1振動アクチュエータ251、第2振動アクチュエータ252は、矩形以外の形状であってもよい。例えば、第1振動アクチュエータ251にステレオ音響の左音響信号が入力され、第2振動アクチュエータ252にステレオ音響の右音響信号が入力されることで、ディスプレイスピーカ200は、ステレオ音響を出力することができる。
【0024】
第1振動アクチュエータ251は、平面視で、第1接着領域221と第2接着領域222との間の非接着領域(第1非接着領域261)に配置される。第2振動アクチュエータ252は、平面視で、第3接着領域223と第2接着領域222との間の非接着領域(第
2非接着領域262)に配置される。平面視で、第1非接着領域261と、第2非接着領域262とは、第2接着領域222によって区画された、異なる非接着領域である。第1非接着領域261、第2非接着領域262は、帯状の領域である。平面視で、第1非接着領域261と第2非接着領域262とが第2接着領域222によって区画されることで、第1非接着領域261に取り付けられる第1振動アクチュエータ251の振動が、伝達パネル230の第2非接着領域262に伝わりにくくなる。同様に、伝達パネル230の第2非接着領域262に取り付けられる第2振動アクチュエータ252の振動が、伝達パネル230の第1非接着領域261に伝わりにくくなる。これにより、第1振動アクチュエータ251による振動と、第2振動アクチュエータ252による振動とが分離されやすくなる。このとき、ディスプレイスピーカ200の左右平均振動比は、1.3である。よって、ディスプレイスピーカ200は、比較例のディスプレイスピーカ800よりも、左右分離度が高くなる。ディスプレイスピーカ200によれば、ステレオ性能が向上する。
【0025】
比較例と異なり、平面視で、第1振動アクチュエータ251、第2振動アクチュエータ252と伝達パネル230とが接合された位置で、伝達パネル230とディスプレイパネル210とは接合されてない。平面視で、第1振動アクチュエータ251、第2振動アクチュエータ252と伝達パネル230とが接合された位置で、伝達パネル230とディスプレイパネル210とが接合されないことで、振動の抵抗が抑制され、ディスプレイパネル210が振動しやすくなる。また、平面視で、第1振動アクチュエータ251と第2振動アクチュエータ252との間で、伝達パネル230とディスプレイパネル210とが接合される。これにより、第1振動アクチュエータ251の振動と、第2振動アクチュエータ252の振動とが、伝達パネル230上で混ざりにくくなる。
【0026】
すなわち、本実施形態のディスプレイスピーカ200においては、伝達パネル230とディスプレイパネル210との間に平面視で2つの非接着領域を接着領域によって区画されるように設けることでディスプレイスピーカ200から出力される音響の音質(特にステレオ音響の左右のチャンネルの分離度)を高めることが出来る。特に、従来技術においては一枚の振動パネルに複数の振動アクチュエータを結合し、ステレオ音響を出力させる場合に、振動パネル上で左右の振動アクチュエータによる振動が混ざらないように、振動パネルに各振動アクチュエータを区画するようにリブ(壁)を設けることがあったが、本実施形態のディスプレイスピーカ200においては、このような壁(リブ)を設ける必要がなく、構造が簡略化されコストダウンに有利である。
【0027】
図11及び
図12は、本実施形態のディスプレイスピーカ200における伝達パネル230(ディスプレイパネル210)の振動の様子のシミュレーション結果を説明する図である。
図11は、シミュレーション結果のグラフを表し、
図11のグラフの領域(平行四辺形の領域)が、
図12に示した伝達パネル230(またはディスプレイパネル210)に対応する。また、グラフのz軸方向は振動の振幅または加速度を表している。
図11は第2振動アクチュエータ252を振動させ、第1振動アクチュエータ251を振動させない場合の伝達パネル230(またはディスプレイパネル210)の振動の様子を表しており、
図11においてグラフの第2振動アクチュエータ252に対応する位置にピークがあり、振動の振幅または加速度が大きいことを示している一方、グラフの第1振動アクチュエータ251に対応する位置にはピークがなく、振動の振幅または加速度が小さいことを示している。すなわち、ディスプレイスピーカ200左右平均振動比が大きいことがわかる。
【0028】
(変形例1)
次に変形例1について説明する。変形例1は、上記の構成例との共通点を有する。従って、主として相違点について説明し、共通点については、説明を省略する。また、上記の構成例と同様の構成を有するものについては、同じ符号を用いる。
【0029】
図7は、変形例1のディスプレイスピーカ200の伝達パネル230、接着層220、第1結合部241、第2結合部242を背面側から見た図である。変形例1のディスプレイスピーカ200は、上記の構成例と同様に、第1接着領域221、第2接着領域222、第3接着領域223を含む接着層220を備える。また、接着層220は、第1接着領域221の上部と第2接着領域222の上部とを接続する接着領域224-1、第1接着領域221の下部と第2接着領域222の下部とを接続する接着領域224-2を含む。さらに、接着層220は、第3接着領域223の上部と第2接着領域222の上部とを接続する接着領域224-3、第3接着領域223の下部と第2接着領域222の下部とを接続する接着領域224-4を含む。接着領域224-1、接着領域224-2、接着領域224-3、接着領域224-4は、x軸に平行な帯状の矩形である。第1非接着領域261は、第1接着領域221、第2接着領域222、接着領域224-1、接着領域224-2に囲まれる領域である。第2非接着領域262は、第3接着領域223、第2接着領域222、接着領域224-3、接着領域224-4に囲まれる領域である。非接着領域が接着領域に囲まれることで、第1振動アクチュエータ251による振動と、第2振動アクチュエータ252による振動とがより分離されやすくなる。変形例1のディスプレイスピーカ200の左右平均振動比は、1.6である。
【0030】
(変形例2)
次に変形例2について説明する。変形例2は、上記の構成例との共通点を有する。従って、主として相違点について説明し、共通点については、説明を省略する。また、上記の構成例と同様の構成を有するものについては、同じ符号を用いる。
【0031】
図8は、変形例2のディスプレイスピーカ200の伝達パネル230、接着層220、第1結合部241、第2結合部242を背面側から見た図である。変形例1のディスプレイスピーカ200は、上記の構成例と同様に、第1接着領域221、第3接着領域223を含む接着層220を備える。また、接着層220は、第2接着領域222の代わりに、接着領域225-1、接着領域225-2を含む。接着領域225-1、接着領域225-2は、y軸に平行な帯状の矩形である。接着領域225-1、接着領域225-2は、ディスプレイパネル210(伝達パネル230)の上部から下部にわたる。x方向において、接着領域225-1とディスプレイパネル210の中心との距離と、接着領域225-2とディスプレイパネル210の中心との距離とは、等しい。接着領域225-1は、ディスプレイパネル210の中心から-x側に配置される。接着領域225-2は、ディスプレイパネル210の中心から+x側に配置される。接着領域225-1と接着領域225-2との間には、非接着領域263が設けられる。第1非接着領域261は、第1接着領域221と接着領域225-1とに囲まれる領域である。第2非接着領域262は、第3接着領域223と接着領域225-2とに囲まれる領域である。第1非接着領域261と第2非接着領域262とが、接着領域225-1、非接着領域263、接着領域225-2によって分離されることで、第1振動アクチュエータ251による振動と、第2振動アクチュエータ252による振動とがより分離されやすくなる。
【0032】
(変形例3)
次に変形例3について説明する。変形例3は、上記の変形例1との共通点を有する。従って、主として相違点について説明し、共通点については、説明を省略する。また、上記の変形例1と同様の構成を有するものについては、同じ符号を用いる。
【0033】
図9は、変形例3のディスプレイスピーカ200の伝達パネル230、接着層220、第1結合部241、第2結合部242を背面側から見た図である。変形例3のディスプレイスピーカ200は、変形例1と同様に、第1接着領域221、第2接着領域222、第3接着領域223、接着領域224-1、接着領域224-2、接着領域224-3、接
着領域224-4を含む接着層220を備える。また、接着層220は、第1接着領域221の中央部と第2接着領域222の中央部とを接続する接着領域224-5、第3接着領域223の中央部と第2接着領域222の中央部とを接続する接着領域224-6を含む。接着領域224-5、接着領域224-6は、x軸に平行な帯状の矩形である。第1非接着領域261は、第1接着領域221、第2接着領域222、接着領域224-1、接着領域224-5に囲まれる領域である。第2非接着領域262は、第3接着領域223、第2接着領域222、接着領域224-3、接着領域224-6に囲まれる領域である。非接着領域264は、第1接着領域221、第2接着領域222、接着領域224-2、接着領域224-5に囲まれる領域である。非接着領域265は、第3接着領域223、第2接着領域222、接着領域224-4、接着領域224-6に囲まれる領域である。非接着領域264、非接着領域265にも、振動アクチュエータ(結合部)が配置され得る。接着領域224-1、接着領域224-2、接着領域224-3、接着領域224-4は、省略されてもよい。ここでは、4つの格子状の非接着領域としているが、より多くの接着領域を設けることで、より多くの格子状の非接着領域が配置されてもよい。振動アクチュエータ(結合部)が配置されない非接着領域が存在してもよい。
【0034】
(変形例4)
次に変形例4について説明する。変形例4は、上記の構成例との共通点を有する。従って、主として相違点について説明し、共通点については、説明を省略する。また、上記の構成例と同様の構成を有するものについては、同じ符号を用いる。
【0035】
図10は、変形例4のディスプレイスピーカ200の伝達パネル230、接着層220、第1結合部241、第2結合部242を背面側から見た図である。変形例4のディスプレイスピーカ200は、上記の構成例と同様に、第1接着領域221、第2接着領域222、第3接着領域223を含む接着層220を備える。第2接着領域222のx方向の幅は、第1接着領域221、第3接着領域223のx方向の幅よりも大きい。例えば、第2接着領域222のx方向の幅は、第1接着領域221、第3接着領域223のx方向の幅の2倍である。第2接着領域222のx方向の幅をより大きくすることで、第1振動アクチュエータ251による振動と、第2振動アクチュエータ252による振動とがより分離されやすくなる。
【0036】
(その他)
各非接着領域は、接着領域によって完全に分離されていなくてもよく、接着領域内に設けられる非接着部分によって、隣り合う非接着領域同士が接続されてもよい。接着領域内に設けられる非接着部分は、例えば、当該接着領域の半分の面積を超えないものとする。また、ディスプレイパネル210の周囲の接着領域(例えば、第1接着領域221、第3接着領域223等)に、非接着部分が設けられてもよい。非接着領域、非接着部分が大きくなることで、伝達パネル230がより振動しやすくなる。
【0037】
ここでは、ディスプレイスピーカ200は、ステレオ音響を出力するとしているが、ディスプレイパネル210に表示される画像(オブジェクト)に連動して、当該画像の位置から、当該画像に関連する音響を出力するようにしてもよい。即ち、ディスプレイスピーカ200は、平面視で、当該画像の位置に存在する振動アクチュエータに当該画像に関連する音響の信号を入力することにより、当該画像の位置から、当該画像に関連する音響を出力する。
【0038】
(実施形態の作用、効果)
本実施形態のディスプレイスピーカ200は、ディスプレイパネル210、接着層220、伝達パネル230、第1結合部241、第2結合部242、第1振動アクチュエータ251、第2振動アクチュエータ252を備える。ディスプレイパネル210の背面側と
伝達パネル230の正面側とは、接着層220を介して接合される。伝達パネル230の背面側と第1振動アクチュエータ251、第2振動アクチュエータ252の正面側とは、第1結合部241、第2結合部242を介して接合される。接着層220は、複数の帯状の領域を含む。接着層220の各接着領域は、平面視において、各結合部と重複しない。各結合部は、平面視において、非接着領域に配置される。平面視で、振動アクチュエータと伝達パネル230とが接合された位置で、伝達パネル230とディスプレイパネル210とが接合されないことで、振動の抵抗が抑制され、ディスプレイパネル210が振動しやすくなる。第1非接着領域261と第2非接着領域262とが分離されることで、第1振動アクチュエータ251による振動と、第2振動アクチュエータ252による振動とが分離されやすくなる。即ち、第1振動アクチュエータ251による振動と、第2振動アクチュエータ252による振動とが干渉しにくくなる。これにより、単一のディスプレイパネル210を有するディスプレイスピーカ200から出力される音響のセパレーションが向上する。ディスプレイスピーカ200によれば、左右の信号を分離して、出力されるステレオ音響の音質を向上するパネルスピーカを提供することができる。また、ディスプレイスピーカ200によれば、従来技術のように振動パネルに各振動アクチュエータを区画するようにリブ(壁)を設ける必要がないため、構造が簡略化されコストダウンに有利である。
【0039】
以上、本発明の実施形態を説明したが、これらはあくまで例示にすぎず、本発明はこれらに限定されるものではなく、特許請求の範囲の趣旨を逸脱しない限りにおいて、当業者の知識に基づく種々の変更が可能である。以上の構成例、変形例は、可能な限りこれらを組み合わせて実施され得る。
【符号の説明】
【0040】
200 ディスプレイスピーカ
210 ディスプレイパネル
220 接着層
221 第1接着領域
222 第2接着領域
230 伝達パネル
241 第1結合部
242 第2結合部
251 第1振動アクチュエータ
252 第2振動アクチュエータ
800 比較例のディスプレイスピーカ
810 ディスプレイパネル
820 接着層
830 伝達パネル
841 第1結合部
842 第2結合部
851 第1振動アクチュエータ
852 第2振動アクチュエータ