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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024061367
(43)【公開日】2024-05-07
(54)【発明の名称】エンジン
(51)【国際特許分類】
   F02B 67/06 20060101AFI20240425BHJP
【FI】
F02B67/06 A
【審査請求】未請求
【請求項の数】2
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022169270
(22)【出願日】2022-10-21
(71)【出願人】
【識別番号】000000125
【氏名又は名称】井関農機株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100092794
【弁理士】
【氏名又は名称】松田 正道
(72)【発明者】
【氏名】竹▲崎▼ 直人
(72)【発明者】
【氏名】糸永 薫
(72)【発明者】
【氏名】森本 宏
(72)【発明者】
【氏名】荒木 宝
(72)【発明者】
【氏名】足立 憲司
(72)【発明者】
【氏名】大久保 真司
(72)【発明者】
【氏名】福山 尚尋
(72)【発明者】
【氏名】松本 秀昭
(57)【要約】
【課題】従来、エンジンの駆動軸にてベルト伝動機構を介して駆動されるラジエータファンが設けられている。然しながら、ベルト伝動機構は、エンジンの回転数が変動しても常にラジエータファンを駆動できるようにファンベルトに高い張力を付与する構成であった為に、ファンベルトの寿命が低下し、過剰な高い張力の付与により燃費を悪化させる課題があった。そこで、エンジンの回転数に応じてベルト伝動機構のファンベルトの張力を自動調節して、ファンベルトの寿命が低下することや燃費の悪化を防止したエンジンを提供する。
【解決手段】エンジンのファン駆動軸にてベルト伝動機構8を介して駆動されるファンを設け、該ベルト伝動機構8にエンジンの回転数に応じてファンベルト8dに張力を付与するテンション機構9を設けたエンジン。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
エンジン(1)のファン駆動軸(7)にてベルト伝動機構(8)を介して駆動されるファン(5)を設け、該ベルト伝動機構(8)にエンジン(1)の回転数に応じてファンベルト(8d)に張力を付与するテンション機構(9)を設けたことを特徴とするエンジン。
【請求項2】
テンション機構(9)のテンションプーリ(9c)が付勢機構(9e)を介してファンベルト(8d)に押圧されていることを特徴とする請求項1に記載のエンジン。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、トラクタやコンバインや運搬車両や土木作業機等の作業機に搭載するエンジンに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、エンジンの駆動軸にてベルト伝動機構を介して駆動されるラジエータファンが設けられている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2006-207426号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
然しながら、ベルト伝動機構は、エンジンの回転数が変動しても常にラジエータファンを駆動できるようにファンベルトに高い張力を付与する構成であった為に、ファンベルトの寿命が低下し、過剰な高い張力の付与により燃費を悪化させる課題があった。
【0005】
本発明は、上記に鑑みてなされたものであって、エンジンの回転数に応じてベルト伝動機構のファンベルトの張力を自動調節して、ファンベルトの寿命が低下することや燃費の悪化を防止したエンジンを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
請求項1記載の発明は、エンジン1のファン駆動軸7にてベルト伝動機構8を介して駆動されるファン5を設け、該ベルト伝動機構8にエンジン1の回転数に応じてファンベルト8dに張力を付与するテンション機構9を設けたエンジンである。
【0007】
請求項1記載の発明によれば、エンジン1のファン駆動軸7にてベルト伝動機構8を介して駆動されるファン5を設け、該ベルト伝動機構8にエンジン1の回転数に応じてファンベルト8dに張力を付与するテンション機構9を設けたので、ファンベルト8dの寿命の低下を防止し、エンジン1の燃費の向上を図ることができる。
【0008】
請求項2記載の発明は、テンション機構9のテンションプーリ9cが付勢機構9eを介してファンベルト8dに押圧されている請求項1に記載のエンジンである。
【0009】
請求項2記載の発明によれば、テンション機構9のテンションプーリ9cが付勢機構9eを介してファンベルト8dに押圧されているので、エンジン1の回転数変動やファンベルト8dのバタつき影響によるファンベルト8dの張力変動を抑えることができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】本発明の実施形態にかかるエンジンの斜視図である。
図2】同上エンジンのラジエータファンのベルト伝動機構の作用説明用の側面図である。
図3】同上エンジンのラジエータファンのベルト伝動機構の作用説明用の平面図である。
図4】同上エンジンのベルト伝動機構の他の実施形態を示す作用説明用の側面図である。
図5】同上エンジンのベルト伝動機構の他の実施形態を示す作用説明用の平面図である。
図6】同上エンジンのハイブリッド用の電動モータの伝動構成を示す正面図である。
図7】同上エンジンの回転をアシストする第1例の説明用のグラフである。
図8】同上エンジンの回転をアシストする第2例の説明用のグラフである。
図9】同上エンジンのDPF手動再生時の第1例の制御フロー図である。
図10】同上エンジンのDPF手動再生時の第2例の制御フロー図である。
図11】同上エンジンのDPF手動再生時の第3例の制御フロー図である。
図12】同上エンジンの他の制御フロー図である。
図13】同上エンジンのシリンダヘッドのバルブスプリング組付け部の斜視図である。
図14】同上エンジンのシリンダヘッドのバルブスプリング組付け部の断面図である。
図15】同上エンジンのオイルストレーナのストレーナクランプ部の斜視図である。
図16】同上エンジンのオイルストレーナのストレーナクランプ部の背面図である。
図17】同上エンジンのストレーナクランプ部の他の例を示す断面図である。
図18】同上エンジンのシリンダブロックの要部の側面図である。
図19】同上エンジンのクランクケース内のブリーザ構成を示す側面図である。
図20】同上エンジンのベアリングキャップ部の断面図である。
図21】同上エンジンのベアリングキャップの側面図である。
図22】同上エンジンの他の例を示すベアリングキャップ部の断面図である。
図23】同上エンジンの他の例を示すベアリングキャップ部の断面図である。
図24】同上エンジンの他の例を示すベアリングキャップの斜視図である。
図25】同上エンジンのシリンダブロックのリリーフバルブ部の断面図である。
図26】同上エンジンのシリンダブロックのリリーフバルブ部の斜視図である。
図27】同上エンジンの他の例を示すリリーフバルブ部の断面図である。
図28】同上エンジンの他の例を示すリリーフバルブ部の断面図である。
図29】同上エンジンの他の例を示すリリーフバルブの断面図である。
図30】同上エンジンの他の例を示すリリーフバルブの側面図である。
図31】同上エンジンの他の例を示すリリーフバルブの断面図である。
図32】同上エンジンの他の例を示すリリーフバルブの側面図である。
図33】同上エンジンの他の例を示すリリーフバルブの断面図である。
図34】同上エンジンの他の例を示すリリーフバルブの断面図である。
図35】同上エンジンのロッカーシャフトASSY部の斜視図である。
図36】同上エンジンのロッカーシャフトASSYの断面図である。
図37】同上エンジンの他の例を示すロッカーシャフトASSYの断面図である。
図38】同上エンジンの他の例を示すロッカーシャフトASSYの断面図である。
図39】同上エンジンの他の例を示すロッカーシャフトASSYの断面図である。
図40】同上エンジンのロッカーシャフトASSYのブラケット部の斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、添付図面を参照して本願のエンジンの実施形態である作業車両に搭載されるディーゼルエンジン1(以下、エンジン1という)を詳細に説明する。なお、以下に示す実施形態によりこの発明が限定されるものではない。
【0012】
図1に示す如く、エンジン1は多気筒形態で、エンジンボデー2の上部にはシリンダヘッドやヘッドカバーを装備し、下部にはオイルパン3を装備し、前部にはギヤケース4及びラジエータファン5を装備し、後部にはフライホイル6を装備する。
【0013】
図1図3に示すように、ラジエータファン5は、ファン駆動軸7に装着された駆動プーリ8aとゼネレータ10を駆動するカウンタプーリ8bとラジエータファン5の回転軸5aに装着された従動プーリ8cに巻回されたファンベルト8dよりなるベルト伝動機構8にて駆動される。
【0014】
ファンベルト8dは、テンション機構9によりエンジン1の回転に合わせて張力が自動的に調節されて付与される。
【0015】
テンション機構9は、エンジンボデー2に設けた支点軸9aに回動自在に支持された搖動リンク9bの一端部にテンションプーリ9cを回転自在に設け、搖動リンク9bの他端部に回転ローラ9dを回転自在に設けて、該回転ローラ9dを従動プーリ8c内面に接当させている。
【0016】
即ち、テンション機構9の回転ローラ9dを従動プーリ8c内面に接当させているので、エンジン1の回転が速くなるほど、回転ローラ9dを設けた搖動リンク9bの他端部側が矢印(イ)方向に搖動して、搖動リンク9bの一端部に設けたテンションプーリ9cがファンベルト8dに強い張力を付与する。
【0017】
従って、ファンベルト8dに常に高い張力を付与している場合には、ファンベルト8dの寿命が低下し、過剰な高い張力の付与は燃費を悪化させるが、本実施形態では、エンジン1の回転が速くなるほど(エンジン1の回転数の増加に伴い)、テンション機構9の回転ローラ9dを設けた搖動リンク9bの他端部側が矢印(イ)方向に搖動して、搖動リンク9bの一端部に設けたテンションプーリ9cがファンベルト8dに強い張力を付与するので、エンジン1の回転の速さに応じて(エンジン1の回転数に応じて)ファンベルト8dに張力を付加することができ、ファンベルト8dの寿命の低下を防止し、エンジン1の燃費の向上を図ることができる。
【0018】
図4及び図5は、テンション機構9の他の実施形態を示す。
【0019】
即ち、搖動リンク9bの一端部に付勢機構としての圧縮バネ9eを介してテンションプーリ9cを設けている。
【0020】
従って、搖動リンク9bの一端部に付勢機構としての圧縮バネ9eを介してテンションプーリ9cを設けているので、エンジン1の回転数変動やファンベルト8dのバタつき影響によるファンベルト8dの張力変動を抑えることができる。
【0021】
図6は、エンジン1の回転をアシストするハイブリッド用の電動モータ11の伝動構成を示す。
【0022】
即ち、ギヤケース4にハイブリッド用の電動モータ11を装備し、該電動モータ11の駆動軸11aを電磁クラッチ12及び駆動シャフト13を介してエンジン1の駆動回転をアシストする。
【0023】
また、電動モータ11の駆動軸11aに駆動プーリ11bを装着し、ウオーターポンプ14の従動プーリ14aとの間に伝動ベルト15を巻回して、電動モータ11にてウオーターポンプ14を回転制御駆動する。
【0024】
なお、エンジン1の始動時には、電動モータ11にて電磁クラッチ12及び駆動シャフト13を介してエンジン1を始動し、該電動モータ11がスターターを兼用する。
【0025】
また、例えば、コンバイン等にエンジン1を搭載した際に、該電動モータ11がベルト伝動機構にてラジエータファン5を駆動する構成とし、該電動モータ11を逆回転させることにより、ラジエータに藁屑等が付着した場合のごみ詰りに対応する構成としても良い。
【0026】
図7は、トラクタにエンジン1を搭載した際に、ハイブリッド用の電動モータ11にてエンジン1の回転をアシストする第1例を示す。
【0027】
即ち、エンジン定格点からエンジン最大トルク点までの間に、エンジン1の燃料噴射を用いて第1のトルクライズを設定する。
【0028】
そして、最大トルク点より小さくLoアイドル回転より高い回転域にハイブリッド用の電動モータ11にて、第2のトルクライズを設ける。
【0029】
そして、Loアイドル回転より低い回転域に、ハイブリッド用の電動モータ11にて第3のトルクライズを設ける。
【0030】
従って、エンジン最大トルク点よりエンジン回転が低下するとエンジン回転数が低下しやすく、ターボエンジンなどでは、低い回転数でトルクを出すことが難しいが、低いエンジン回転領域でハイブリッド用の電動モータ11にてトルクライズを付与することで、低い回転数を使用する作業での作業性が向上する。また、第3のトルクライズにより発進時の回転低下を抑制する。
【0031】
図8は、コンバインにエンジン1を搭載した際に、ハイブリッド用の電動モータ11にてエンジン1の回転をアシストする第2例を示す。
【0032】
即ち、作業に適正な回転範囲(グリーンゾーン)に、エンジン1の燃料噴射を用いて第一の出力ライズを設定する。
【0033】
そして、グリーンゾーン内の回転域にハイブリッド用の電動モータ11にて、さらに第2の出力ライズを設け、該第2の出力ライズの入切や開始回転数が調整可能にする。
【0034】
従って、エンジン1の燃料噴射を増やし過ぎると、黒煙の発生やエンジンの損傷になり、出力ライズを燃料だけで高めることが難しいが、第2例によりグリーンゾーン外への回転低下を効率的に抑制することができる。
【0035】
図9は、DPFを装備するハイブリッドエンジン1を搭載した農業機械において、DPF手動再生時におけるポスト噴射前の暖機行程の制御フロー図の第1例を示す。
【0036】
DPF手動再生時は車体を動かすことが出来ず、ほぼ無負荷で暖機を行う必要があるため、水温がなかなか上がらず、手動再生にかかる時間が長くなり、いつまでも車体を動かすことが出来ない。
【0037】
また、吸気温が低い場合、暖機が終わらずDPF再生がタイムアウトする恐れもある。
【0038】
また、再生中は、冷却水温が一定値より下がると再生が中止される。
【0039】
また、外気温が低い場合、再生中に水温が下がりやすいため、中断される危険性が高い。
【0040】
そこで、DPFを装備するハイブリッドエンジン1を搭載した農業機械において、DPF手動再生時におけるポスト噴射前の暖機行程にて、吸気温が所定温度よりも低かった場合、発電用モーターを駆動させてバッテリーの充電を行うことでエンジン1に負荷を与え、暖機を早める制御とする。
【0041】
更に、DPF手動再生中の吸気温を計測し、吸気温が一定より低く(8度Cより低く)水温が低下する恐れがある場合、発電用モーターを駆動させてバッテリーの充電を行うことで、エンジンに負荷を与え、水温低下による再生中断を抑制する制御とする。
【0042】
従って、発電を行ってエンジン1に負荷をかけることで暖機を早め、再生中も負荷を与えることで、水温の低下を抑制し、再生中断を防ぐことができる。
【0043】
図10は、DPFを装備するハイブリッドエンジン1を搭載した農業機械において、DPF手動再生時におけるポスト噴射前の暖機行程の制御フロー図の第2例を示す。
【0044】
即ち、DPFを装備したハイブリッドエンジン1を搭載した農業機械において、DPF手動再生時におけるポスト噴射前の暖機行程にて、冷却水温が所定温度よりも低かった場合、発電用モーターを駆動させてバッテリーの充電を行うことでエンジン1に負荷を与え、暖機を早める制御とする。
【0045】
更に、DPF手動再生中の吸気温を計測し、吸気温が一定より低く(8度Cより低く)水温が低下する恐れがある場合、発電用モーターを駆動させてバッテリーの充電を行うことで、エンジンに負荷を与え、水温低下による再生中断を抑制する制御とする。
【0046】
図11は、DPFを装備するハイブリッドエンジン1を搭載した農業機械において、DPF手動再生時におけるポスト噴射前の暖機行程の制御フロー図の第3例を示す。
【0047】
即ち、DPFを装備したハイブリッドエンジン1を搭載した農業機械において、DPF手動再生時におけるポスト噴射前の暖機行程にて、冷却水温が所定温度よりも低かった場合、発電用モーターを駆動させてバッテリーの充電を行うことでエンジン1に負荷を与え、暖機を早める制御とする。
【0048】
更に、DPF手動再生中の冷却水温を計測し、冷却水温が一定より低く(8度Cより低く)DPF再生が中断される恐れがある場合、発電用モーターを駆動させてバッテリーの充電を行うことで、エンジンに負荷を与え、水温低下による再生中断を抑制する制御とする。
【0049】
図12は、エンジン1の他の制御フロー図を示す。
【0050】
エンジン1にかかる負荷が低く、エンジン1の排気温度が低い状態が連続すると、DPFにたまる煤の量が多くなり、再生の頻度が増える。
【0051】
また、DOCの閉塞による再生不良、故障が起きやすくなる。
【0052】
そこで、DPFを装備したハイブリッドエンジン1を搭載した農業機械において、運転中の負荷率を計測し、負荷率が一定以下の状態、且つ、DOC入口の排気温が一定以下の状態で、尚且つ、その状態が長時間連続した場合、バッテリー充電用のモーターを駆動させ、エンジンに負荷を与え、排気温を上昇させる制御とする。
【0053】
従って、バッテリー充電を行ってエンジン1に負荷をかけて排気温度を上昇させることで、DPFの自然再生を促し、煤の堆積を抑制することができる。
【0054】
図13及び図14は、シリンダヘッド20のバルブスプリング組付け部21の構成を示す。
【0055】
即ち、シリンダヘッド20のバルブスプリング組付け部21の座グリ22に一カ所切欠き22aを設ける。
【0056】
従って、シリンダヘッド20のバルブスプリング組付け部21の座グリ22に一カ所切欠き22aを設けることで、座グリ22部に溜まったオイルの排出を改善することができる。
【0057】
図15及び図16に示すように、オイルストレーナ23の位置決め部品であるストレーナクランプ24をシリンダブロック25下面のボス部25aに挟み組付けし、ロックピン26にて固定する。
【0058】
従って、従来のボルトで固定した構成に比して、部品低減によるコスト低減及びクランプ組付け工数の低減を図ることができる。
【0059】
図17に示すように、オイルストレーナ23の位置決め部品であるストレーナクランプ24をオイルパンと一体品にする。
【0060】
従って、オイルストレーナ23の位置決め部品であるストレーナクランプ24をオイルパンと一体品にすることで、部品点数の削減を図ることができる。
【0061】
図18に示すように、ギヤケース4内は油圧リリーフバルブによって、オイルが溜まることになり、そのオイルを戻す回路として、シリンダブロック25前面に通路穴27を設ける。
【0062】
従って、シリンダブロック25前面に通路穴27を設けたので、ギヤケース4内に溜まったオイルをオイルパン3へ戻すことができる。
【0063】
図19に示すように、クランクケース内のブリーザ構成として、従来はリヤオイルシール組付け部28のベアリングキャップ29側にブリーザ穴を設定していたが、キャップ29にはクランクシャフトからの荷重がかかるので強度が必要となり、大きな穴設定ができないので2カ所穴を設けていた。そこで、シリンダブロック25にブリーザ穴30を設けることで、燃焼による荷重は上側にはかからないので適切な穴形状の設定ができる。
【0064】
図20及び図21に示すように、ベアリングキャップ29のオイル孔31を段付きにし、オイルパン3側を従来のオイル孔より上方へ設定することで、オイルパン3からのオイルがオイルシール32側へ流れるのを少なくしオイル漏れを防止することができる。
【0065】
図22に示すように、ベアリングキャップ29のオイル孔31を下方に向く斜めにし、オイルシール32部にオイルが溜まらないようにすることでオイル漏れを防止することができる。
【0066】
図23及び図24に示すように、ベアリングキャップ29のオイル孔31下方に突起31aを設け、クランクウエイト33との隙間を小さくし、オイルパン3からの飛沫オイルがオイルシール32側へ入らないようにすることでオイルシール32からのオイル漏れを防止する。
【0067】
図25及び図26に示すように、シリンダブロック25に設けた切欠き部34からリリーフバルブ35のオイルが下方のオイルパン3へ流れ落ちることで、落下するオイルがコンロッド36やクランクシャフトと干渉することを防止しオイル温度上昇を防止することができる。
【0068】
図27に示すように、リリーフバルブ35に円筒形リング37を組付け、リリーフバルブ35のオイル孔35aからのオイルをシリンダブロック25内壁面方向へ流すようにすることで、コンロッド36等とオイルが当たらないようにしてオイル温度上昇を防止することができる。
【0069】
図28及び図29に示すように、リリーフバルブ35に円筒形リング37を組付け、円筒形リング37のオイル孔37aはリリーフバルブ35のオイル孔35aと異なる大きさとすることで、リリーフ圧力を任意に変更することができる。
【0070】
図30及び図31に示すように、リリーフバルブ35の油圧制御にてオイルを逃がすオイル孔35aの形状がピストン38の移動量により徐々に開口面積が大きくなるような穴形状とすることで、急激なオイル圧力変動が生じないようにすることができる。
【0071】
図32に示すように、リリーフバルブ35の油圧制御にて通常のオイルを逃がすオイル孔35aに追加して径が小さいリリーフ穴35bを設ける。ピストン38の移動量により、始めは穴径が小さいリリーフ穴35bから開くことで、急激なオイル圧力変動が生じないようにすることができる。
【0072】
図33に示すように、リリーフバルブ35の油圧制御にてピストン38の先端部を段付き形状(段付き部38a)とする。ピストン38の移動量により、初めは段付き部38aとリリーフ本体35cとの隙間が小さい部位からオイルがリリーフされることで、急激なオイル圧力変動が生じないようにすることができる。
【0073】
図34に示すように、リリーフバルブ35の油圧制御にてリリーフ本体35cの内径を一部大きくしたケース内径大部35dを形成する。ピストン38の移動量により、初めはケース内径大部35dとピストン38の隙間部位からオイルがリリーフされることで、急激なオイル圧力変動が生じないようにすることができる。
【0074】
図35及び図36に示すように、ロッカーシャフトASSY40のロッカーアーム40aのロッカーシャフト41を潤滑するオイルがアーム端面40bから吐出することで、油圧が低下しロッカーアーム40aとバルブ接触部42へのオイル供給が少なくなる。そこで、アーム端面40bにオイル流出を防止するスペーサ43を設けることで、ロッカーシャフトASSY40のアーム端面40bとの潤滑部位のオイル吐出による圧力低下を防止することができる。
【0075】
図37及び図38に示すように、ロッカーシャフトASSY40のロッカーシャフト41との潤滑部位において、ロッカーシャフト41からロッカーアーム40aへのオイル穴45の下方穴45bの孔径を上方穴45aの孔径よりも小さくすることで、オイル流出による油圧低下を抑え、上方穴45aからロッカーアーム40aへオイルを流すことで、バルブ接触部42の潤滑量を増やすことができる。
【0076】
図39に示すように、ロッカーシャフト41内のオイルがエンジン1下方へ抜け出ることを防止するため、ロッカーシャフト41にパイプ50を組付ける。パイプ50はロッカーシャフト41内部へ突き出た構成とし、それにより下方へのオイル流出を防止することができる。
【0077】
従って、エンジン1を長期保管する際、ロッカーシャフトASSY40内のオイルが抜けて再始動したときに、摺動部(バルブとバルブガイドなど)へオイル供給が遅れ、焼付きを発生することを防止することができる。
【0078】
図40に示すように、ロッカーアーム40aとブラケット60が接触する面の摺動抵抗を抑えるため、オイル供給用の溝61を設ける。
【符号の説明】
【0079】
1 エンジン
5 ファン(ラジエータファン)
7 ファン駆動軸
8 ベルト伝動機構
8d ファンベルト
9 テンション機構
9c テンションプーリ
9e 付勢機構(圧縮バネ)
図1
図2
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