(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024061370
(43)【公開日】2024-05-07
(54)【発明の名称】プログラム、コンピュータおよび情報処理方法
(51)【国際特許分類】
G06Q 40/12 20230101AFI20240425BHJP
【FI】
G06Q40/00 400
【審査請求】有
【請求項の数】8
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022169278
(22)【出願日】2022-10-21
(11)【特許番号】
(45)【特許公報発行日】2023-05-12
(71)【出願人】
【識別番号】514035947
【氏名又は名称】株式会社TOKIUM
(74)【代理人】
【識別番号】100131842
【弁理士】
【氏名又は名称】加島 広基
(72)【発明者】
【氏名】黒▲崎▼ 賢一
【テーマコード(参考)】
5L040
5L055
【Fターム(参考)】
5L040BB63
5L055BB63
(57)【要約】
【課題】仕訳データの仕訳フォーマットの作成・修正を自動で行うことができるプログラム、コンピュータおよび情報処理方法を提供する。
【解決手段】プログラムは、コンピュータ(例えば、管理サーバ10)を受付手段22と、仕訳データ作成手段24と、出力手段28として機能させる。受付手段22は、仕訳データが送付されるべきクライアント企業の仕訳フォーマットに関する情報を受け付けるとともに経費の申請情報を受け付ける。仕訳データ作成手段24は、受け付けたクライアント企業の仕訳フォーマットに関する情報に基づいて、受付手段22が受け付けた経費の申請情報を仕訳フォーマットに対応する所定の仕訳項目に沿った仕訳データに変換する。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
コンピュータを受付手段と、仕訳データ作成手段と、出力手段として機能させるプログラムであって、
前記受付手段は、仕訳データが送付されるべきクライアント企業の仕訳フォーマットに関する情報を受け付けるとともに経費の申請情報を受け付け、
前記仕訳データ作成手段は、前記受付手段が受け付けた前記クライアント企業の前記仕訳フォーマットに関する情報に基づいて、前記受付手段が受け付けた経費の申請情報を所定の仕訳項目に沿った仕訳データに変換し、
前記出力手段は、前記仕訳データ作成手段により作成された所定の仕訳項目に沿った仕訳データを出力する、プログラム。
【請求項2】
前記コンピュータを送信手段として更に機能させ、
前記送信手段は、前記出力手段により出力された仕訳データを前記クライアント企業の端末または前記クライアント企業により指定された所定のサーバに送信する、請求項1記載のプログラム。
【請求項3】
前記受付手段は、仕訳データが送付されるべき前記クライアント企業の前記仕訳フォーマットに関する情報として会計ソフトの種類の情報を受け付け、
前記仕訳データ作成手段は、受け付けた前記クライアント企業の前記会計ソフトの種類の情報に基づいて、前記受付手段が受け付けた経費の申請情報を前記会計ソフトの前記仕訳フォーマットに対応する所定の仕訳項目に沿った仕訳データに変換する、請求項1または2記載のプログラム。
【請求項4】
前記コンピュータを記憶手段として更に機能させ、
前記記憶手段は、前記受付手段が受け付けた前記クライアント企業の前記仕訳フォーマットに関する情報を前記クライアント企業の識別情報に紐付けて記憶部に記憶させ、
前記受付手段は、前記クライアント企業の識別情報を受け付け、
前記仕訳データ作成手段は、前記記憶部に記憶されている情報を参照して、前記受付手段が受け付けた前記クライアント企業の識別情報に対応する前記仕訳フォーマットに関する情報に基づいて、前記受付手段が受け付けた経費の申請情報を所定の仕訳項目に沿った仕訳データに変換する、請求項1または2記載のプログラム。
【請求項5】
前記コンピュータを記憶手段として更に機能させ、
前記記憶手段は、経費の申請情報から所定の仕訳項目への変換ルールを仕訳フォーマット毎に記憶部に記憶させ、
前記仕訳データ作成手段は、受け付けた前記クライアント企業の前記仕訳フォーマットに関する情報に基づいて、前記受付手段が受け付けた経費の申請情報を前記記憶部に記憶されている前記変換ルールに沿って前記仕訳フォーマットに対応する所定の仕訳項目に沿った仕訳データに変換する、請求項1または2記載のプログラム。
【請求項6】
プログラムを実行することにより受付手段と、仕訳データ作成手段と、出力手段として機能するコンピュータであって、
前記受付手段は、仕訳データが送付されるべきクライアント企業の仕訳フォーマットに関する情報を受け付けるとともに経費の申請情報を受け付け、
前記仕訳データ作成手段は、前記受付手段が受け付けた前記クライアント企業の前記仕訳フォーマットに関する情報に基づいて、前記受付手段が受け付けた経費の申請情報を所定の仕訳項目に沿った仕訳データに変換し、
前記出力手段は、前記仕訳データ作成手段により作成された所定の仕訳項目に沿った仕訳データを出力する、コンピュータ。
【請求項7】
コンピュータにより行われる情報処理方法であって、
前記コンピュータに、仕訳データが送付されるべきクライアント企業の仕訳フォーマットに関する情報を受け付けさせるとともに経費の申請情報を受け付けさせる工程と、
前記コンピュータに、受け付けた前記クライアント企業の前記仕訳フォーマットに関する情報に基づいて、受け付けた経費の申請情報を所定の仕訳項目に沿った仕訳データに変換させる工程と、
前記コンピュータに、作成された所定の仕訳項目に沿った仕訳データを出力させる工程と、
を備えた、情報処理方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、プログラム、コンピュータおよび情報処理方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、業務活動において交通費や宿泊費等の経費が発生した場合、従業員が立て替えの支払いを行い後日に精算するという行為が日常的に行われている。特許文献1には、領収書やメモ等を保管する手間を不要とし、従業員が行うデータ入力の工程数を最小限に抑えることでデータ信頼性を高めると共に、時間や場所に制約されることなく経費精算の申請が行うことができ、さらに、いかなる支払い先であっても適用できる経費精算処理システムが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
従業員によって入力された経費の申請情報に基づいて仕訳データを作成する場合に、会計ソフトによって仕訳データのフォーマットが異なるため、それぞれの会計ソフトの仕訳データのフォーマットに応じてシステム提供会社のエンジニア等が手作業で経費の申請情報から仕訳データを作成しなければならず手間がかかるという問題があった。
【0005】
本発明は、このような点を考慮してなされたものであり、仕訳データの仕訳フォーマットの作成を自動で行うことができるプログラム、コンピュータおよび情報処理方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明のプログラムは、
コンピュータを受付手段と、仕訳データ作成手段と、出力手段として機能させるプログラムであって、
前記受付手段は、仕訳データが送付されるべきクライアント企業の仕訳フォーマットに関する情報を受け付けるとともに経費の申請情報を受け付け、
前記仕訳データ作成手段は、前記受付手段が受け付けた前記クライアント企業の前記仕訳フォーマットに関する情報に基づいて、前記受付手段が受け付けた経費の申請情報を所定の仕訳項目に沿った仕訳データに変換し、
前記出力手段は、前記仕訳データ作成手段により作成された所定の仕訳項目に沿った仕訳データを出力することを特徴とする。
【0007】
本発明のプログラムは、
前記コンピュータを送信手段として更に機能させ、
前記送信手段は、前記出力手段により出力された仕訳データを前記クライアント企業の端末または前記クライアント企業により指定された所定のサーバに送信してもよい。
【0008】
本発明のプログラムにおいては、
前記受付手段は、仕訳データが送付されるべき前記クライアント企業の前記仕訳フォーマットに関する情報として会計ソフトの種類の情報を受け付け、
前記仕訳データ作成手段は、受け付けた前記クライアント企業の前記会計ソフトの種類の情報に基づいて、前記受付手段が受け付けた経費の申請情報を前記会計ソフトの前記仕訳フォーマットに対応する所定の仕訳項目に沿った仕訳データに変換してもよい。
【0009】
本発明のプログラムは、
前記コンピュータを記憶手段として更に機能させ、
前記記憶手段は、前記受付手段が受け付けた前記クライアント企業の前記仕訳フォーマットに関する情報を前記クライアント企業の識別情報に紐付けて記憶部に記憶させ、
前記受付手段は、前記クライアント企業の識別情報を受け付け、
前記仕訳データ作成手段は、前記記憶部に記憶されている情報を参照して、前記受付手段が受け付けた前記クライアント企業の識別情報に対応する前記仕訳フォーマットに関する情報に基づいて、前記受付手段が受け付けた経費の申請情報を所定の仕訳項目に沿った仕訳データに変換してもよい。
【0010】
本発明のプログラムにおいては、
前記コンピュータを記憶手段として更に機能させ、
前記記憶手段は、経費の申請情報から所定の仕訳項目への変換ルールを仕訳フォーマット毎に記憶部に記憶させ、
前記仕訳データ作成手段は、受け付けた前記クライアント企業の前記仕訳フォーマットに関する情報に基づいて、前記受付手段が受け付けた経費の申請情報を前記記憶部に記憶されている前記変換ルールに沿って前記仕訳フォーマットに対応する所定の仕訳項目に沿った仕訳データに変換してもよい。
【0011】
本発明のコンピュータにおいては、
プログラムを実行することにより受付手段と、仕訳データ作成手段と、出力手段として機能するコンピュータであって、
前記受付手段は、仕訳データが送付されるべきクライアント企業の仕訳フォーマットに関する情報を受け付けるとともに経費の申請情報を受け付け、
前記仕訳データ作成手段は、前記受付手段が受け付けた前記クライアント企業の前記仕訳フォーマットに関する情報に基づいて、前記受付手段が受け付けた経費の申請情報を所定の仕訳項目に沿った仕訳データに変換し、
前記出力手段は、前記仕訳データ作成手段により作成された所定の仕訳項目に沿った仕訳データを出力することを特徴とする。
【0012】
本発明の情報処理方法は、
コンピュータにより行われる情報処理方法であって、
前記コンピュータに、仕訳データが送付されるべきクライアント企業の仕訳フォーマットに関する情報を受け付けさせるとともに経費の申請情報を受け付けさせる工程と、
前記コンピュータに、受け付けた前記クライアント企業の前記仕訳フォーマットに関する情報に基づいて、受け付けた経費の申請情報を所定の仕訳項目に沿った仕訳データに変換させる工程と、
前記コンピュータに、作成された所定の仕訳項目に沿った仕訳データを出力させる工程と、
を備えたことを特徴とする。
【発明の効果】
【0013】
本発明のプログラム、コンピュータおよび情報処理方法によれば、仕訳データの仕訳フォーマットの作成を自動で行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【
図1】本発明の実施の形態による情報処理システムの構成を概略的に示す図である。
【
図2】
図1に示す情報処理システムによる情報処理が行われるときの各構成要素間での情報の流れを示すチャート図である。
【
図3】
図1に示す情報処理システムにおいて従業員が経費の申請を行うときの動作を示すフローチャートである。
【
図4】
図1に示す情報処理システムにおいてクライアント端末から仕訳フォーマットに関する情報が管理サーバに送信されたときの動作を示すフローチャートである。
【
図5】
図1に示す情報処理システムにおいて、経費の申請情報に基づいて作成された仕訳データを、クライアント企業の仕訳フォーマットに対応する所定の仕訳項目に沿った仕訳データに変換するときの動作を示すフローチャートである。
【
図6】仕訳項目に沿った仕訳データの一例を示す表である。
【
図7】管理サーバの記憶部に記憶されている、クライアント企業の仕訳フォーマットの一例に関する情報である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、図面を参照して本発明の実施の形態について説明する。
図1乃至
図7は、本実施の形態に係る情報処理システム1および当該情報処理システム1による情報処理方法を示す図である。
【0016】
本実施の形態による情報処理システム1は、管理サーバ10と、ユーザ端末40と、承認者の端末42と、クライアントサーバ50と、クライアント端末52とを備えている。本実施の形態による情報処理システム1は、クライアント企業の仕訳フォーマットに関する情報(例えば、クライアント企業の会計ソフト等)に基づいて、受け付けた経費の申請情報をクライアント企業の仕訳フォーマットに対応する所定の仕訳項目に沿った仕訳データに変換するものである。管理サーバ10は、インターネット回線を通じて利用できるサーバであり、インターネットでアクセスできる物理サーバ内に仮想的な専用サーバを構築した状態で提供される。管理サーバ10には、インターネット回線等のネットワークを介してユーザ端末40、承認者の端末42、クライアントサーバ50およびクライアント端末52がそれぞれ通信可能に接続されている。
【0017】
このような情報処理システム1の各構成要素について以下に説明する。
【0018】
ユーザ端末40は、情報処理システム1のサービス対象となるクライアント企業の従業員が所持するものであり、例えばパーソナルコンピュータ、スマートフォン、PCタブレット等を含む。従業員はユーザ端末40により経費の申請情報を入力することができるようになっている。経費の申請情報は、従業員が立替を行った領収書やレシートの情報、日当の情報、交通費の情報等を含む。具体的には、ユーザ端末40には経費申請アプリをインストールすることが可能となっており、ユーザ端末40においてこの経費申請アプリを起動した後に経費申請画面で従業員が立替を行った領収書やレシートの情報、日当の情報、交通費の情報等を入力することにより、ユーザ端末40において経費の申請情報が受け付けられる。また、ユーザ端末40のモニタに表示されるブラウザにより従業員は経費の申請情報を入力してもよい。
【0019】
より詳細には、従業員は領収書やレシートの利用日、金額、明細、プロジェクト名、自分の部署名、支払先名等の情報をユーザ端末40により入力する。なお、領収書やレシートの利用日とは、領収書やレシートが発行された発行日または領収書やレシートが紛失後に再発行された再発行日を含む。領収書やレシートの明細は、購入した物品やサービスの品目等に関する情報を含む。また、プロジェクト名は、従業員が関与する社内または社外の事業内容のことをいう。また、自分の部署名は、従業員が所属する部署の名前のことをいう。また、支払先名の情報は、従業員が立替で経費を支払った相手の情報のことをいう。また、従業員は出張を行ったときの日当について出張日、出張先、日当の金額、プロジェクト名、自分の部署名等の情報をユーザ端末40に入力する。また、従業員は交通費について交通機関の利用日、金額、プロジェクト名、自分の部署名、支払先名(具体的には、交通機関名)等の情報をユーザ端末40により入力する。
【0020】
また、例えばユーザ端末40にカメラが備え付けられている場合は、従業員は領収書やレシートをカメラで撮像してもよい。この場合、ユーザ端末40において領収書やレシートの画像が取得される。このような領収書やレシートの画像も経費の申請情報に含まれる。また、ユーザ端末40にICカードの読取機器が備え付けられている場合は、従業員は交通機関で交通費の自動精算を行うことができるICカードから交通費情報を読取機器により読み取ってもよい。この場合、ユーザ端末40において交通費について交通機関の利用日、金額、支払先名(交通機関名)等の情報が取得される。また、ユーザ端末40が例えばスマートフォンであり、このスマートフォンによって交通機関で交通費の自動精算を行うことができるようになっている場合も、ユーザ端末40において交通費について交通機関の利用日、金額、支払先名(交通機関名)等の情報が取得される。
【0021】
承認者の端末42は、クライアント企業の承認者(例えば、ユーザ端末40を操作する従業員の上長や管理者)が操作するパーソナルコンピュータ等を含み、承認者が自分のアカウントでログインして端末42を操作することにより管理サーバ10に対して情報の送受信を行うようになっている。具体的には、承認者が自分のアカウントでログインして端末42を操作することにより、ユーザ端末40から管理サーバ10に送信された経費の申請情報や管理サーバ10において作成された経費に関する申請書の承認を端末42のモニタに表示されるブラウザ等で行うことができるようになっている。
【0022】
クライアントサーバ50は、クライアント企業が所有するサーバであり、インターネットでアクセスできる物理サーバ内に仮想的な専用サーバを構築した状態で提供される。例えば、クライアントサーバ50にはクライアント企業に関する様々な情報が記憶されるようになっている。本実施の形態では、クライアント企業の従業員によって申請された経費の申請情報に基づいて作成される仕訳データがクライアントサーバ50に記憶されるようになっている。なお、このようなクライアントサーバ50が設けられておらず、管理サーバ10の管理を行う管理会社のサーバにクライアント企業に関する様々な情報(クライアント企業の従業員によって申請された経費の申請情報に基づいて作成される仕訳データを含む)が記憶されるようになっていてもよい。
【0023】
クライアント端末52は、例えばクライアント企業の経理担当者が操作するパーソナルコンピュータ等を含み、経理担当者がクライアント端末52を操作することにより管理サーバ10やクライアントサーバ50に対して情報の送受信を行うようになっている。具体的には、経理担当者が自分のアカウントでログインしてクライアント端末52を操作することにより、管理サーバ10において作成された経費に関する申請書や、管理サーバ10またはクライアントサーバ50に記憶されている仕訳データ等をクライアント端末52のモニタに表示されるブラウザ等で確認することができるようになっている。
【0024】
管理サーバ10は、制御部20と、記憶部36と、通信部38とを有している。制御部20は、所定のプログラムを実行することにより受付手段22、仕訳データ作成手段24、出力手段28、送信手段30および記憶手段32として機能する。受付手段22は外部装置(例えば、ユーザ端末40、承認者の端末42、クライアント端末52等)から様々な情報を受け付ける。本実施の形態では、受付手段22は、仕訳データが送付されるべきクライアント企業の仕訳フォーマットに関する情報や経費の申請情報を受け付けるようになっている。仕訳データ作成手段24は、受け付けた経費の申請情報に基づいて所定の仕訳項目に沿った仕訳データを作成する。ここで、所定の仕訳項目はクライアント企業が使用する会計ソフトに対応するものである。このような仕訳項目の詳細については後述する。出力手段28は、仕訳データ作成手段24により作成された所定の仕訳項目に沿った仕訳データを出力する。送信手段30は、出力手段28により出力された仕訳データをクライアント企業のクライアントサーバ50やクライアント端末52、あるいはクライアント企業により指定された所定のサーバやフォルダ等に送信する。記憶手段32は、受付手段22が受け付けたクライアント企業の仕訳フォーマットに関する情報を当該クライアント企業の識別情報に紐付けて記憶部36に記憶させる。これらの各手段22、24、28、30、32の機能の詳細については後述する。
【0025】
なお、制御部20により実行されるプログラムは記憶部36に記憶されたものであることに限定されることはない。制御部20により実行されるプログラムとして、外部装置から通信部38を介して制御部20に送信されるものや、管理サーバ10に装着されたUSBメモリ等の記憶媒体に記憶されているもの、管理サーバ10とは別のサーバ(例えば、クラウドサーバ)等に記憶されているもの等が用いられてもよい。
【0026】
記憶部36は例えばHDD(Hard Disk Drive)、RAM(Random Access Memory)、ROM(Read Only Memory)およびSSD(Solid State Drive)などで構成され、様々な情報が記憶部36に記憶されるようになっている。例えば、記憶部36には、受付手段22が受け付けたクライアント企業の仕訳フォーマットに関する情報が当該クライアント企業の識別情報に紐付けられて記憶されるようになっている。また、記憶部36には、経費の申請情報から所定の仕訳項目への変換ルールが仕訳フォーマット毎に記憶されるようになっていてもよい。また、記憶部36には、様々な会計ソフトの仕訳フォーマットにおける仕訳項目の情報が記憶されるようになっていてもよい。
【0027】
通信部38は、制御部20を外部装置(例えば、ユーザ端末40、承認者の端末42、クライアントサーバ50、クライアント端末52等)と通信可能に接続するものである。制御部20は通信部38を介して外部装置に対して信号の送受信を行うことができるようになっている。
【0028】
次に、このような情報処理システム1による情報処理方法について
図2乃至
図7を用いて説明する。
【0029】
まず、クライアント企業の従業員が経費の申請を行ったときの動作について
図2および
図3を用いて説明する。
図2は、
図1に示す情報処理システム1による情報処理が行われるときの各構成要素間での情報の流れを示すチャート図であり、
図3は、
図1に示す情報処理システム1において従業員が経費の申請を行うときの動作を示すフローチャートである。
【0030】
経費の申請を行いたいクライアント企業の従業員は、ユーザ端末40において経費申請アプリを起動し、この経費申請アプリの経費申請画面で経費の申請情報を入力する。なお、従業員はユーザ端末40のモニタに表示されるブラウザ等により経費の申請情報を入力してもよい。具体的には、従業員は、立替を行った領収書やレシートについて、利用日、金額、明細、プロジェクト名、自分の部署名、支払先名等の情報をユーザ端末40により入力する。また、従業員は出張を行ったときの日当について出張日、出張先、日当の金額、プロジェクト名、自分の部署名等の情報をユーザ端末40に入力する。また、従業員は交通費について交通機関の利用日、金額、プロジェクト名、自分の部署名、支払先名(交通機関名)等の情報をユーザ端末40により入力する。また、例えばユーザ端末40にカメラが備え付けられている場合は、従業員は領収書やレシートをカメラで撮像する。撮像された領収書やレシートの画像も経費の申請情報に含まれる。また、ユーザ端末40にICカードの読取機器が備え付けられている場合は、従業員は交通機関で交通費の自動精算を行うことができるICカードから交通費情報を読取機器により読み取らせる。読み取られた交通費情報における交通機関の利用日、金額、支払先名(交通機関名)の情報が経費の申請情報として取得される。また、ユーザ端末40が例えばスマートフォンであり、このスマートフォンによって交通機関で交通費の自動精算を行うことができるようになっている場合も、ユーザ端末40において交通費について交通機関の利用日、金額、支払先名(交通機関名)の情報が取得される。
【0031】
ユーザ端末40において受け付けられたまたは取得された経費の申請情報は当該ユーザ端末40から管理サーバ10に送信される。また、この際に、ユーザの識別情報またはユーザ端末40の識別情報が経費の申請情報に紐付けられてユーザ端末40から管理サーバ10に送信される。このようにして、管理サーバ10の制御部20の受付手段22は、各従業員のユーザ端末40から経費の申請情報をユーザの識別情報またはユーザ端末40の識別情報に紐付けられた状態で受け付ける(
図3のSTEP1)。受付手段22により受け付けられた経費の申請情報は、ユーザの識別情報またはユーザ端末40の識別情報に紐付けられた状態で記憶部36に記憶される。
【0032】
また、従業員がユーザ端末40において経費申請アプリを起動したときに、この経費申請アプリの経費申請画面には今まで登録した経費の申請情報が表示されるとともに申請書作成申請ボタンが表示されるようになっていてもよい。具体的には、送信手段30は、申請書作成申請ボタンをユーザ端末40に表示させる表示指示信号をユーザ端末40に送信する。このことにより申請書作成申請ボタンが経費申請画面に表示される。そして、従業員がユーザ端末40のモニタに表示される画面において申請書作成申請ボタンを押すと、この従業員のユーザ端末40から管理サーバ10に申請書作成指示が送信される。管理サーバ10の制御部20の受付手段22がある従業員のユーザ端末40から申請書作成指示を受け付けると、受け付けていた1または複数の経費の申請情報がまとめられることにより一つまたは複数の申請書が作成される。
【0033】
その後、送信手段30は、受付手段22が受け付けた経費の申請情報または経費の申請情報に基づいて作成された申請書の情報を承認者のアカウントに関連する端末42に送信する(STEP2)。ここで、承認者のアカウントに関連する端末42とは、承認者のアカウントでログインした端末42のことをいう。そして、承認者が自分のアカウントで端末42にログインしてブラウザに表示される経費の申請情報または申請書の情報を見て承認の指示を端末42に入力すると、承認者の端末42から管理サーバ10に承認情報が送信される。管理サーバ10の制御部20の受付手段22が端末42から承認情報を受け付けると(
図3のSTEP3の「YES」)、制御部20により承認された経費の申請情報または申請書の情報が記憶部36に記憶される(
図3のSTEP4)。一方、承認者が経費の申請情報または申請書の情報の承認を行わなかった場合は、非承認情報が承認者の端末42から管理サーバ10に送信される(
図3のSTEP3の「NO」)。この場合は、承認されなかった経費の申請情報のステータスが差し戻し等に更新される(
図3のSTEP5)。
【0034】
次に、管理サーバ10の記憶部36にクライアント企業の仕訳フォーマットを登録する方法について
図4に示すフローチャートを用いて説明する。
図4は、
図1に示す情報処理システム1においてクライアント端末52から仕訳フォーマットに関する情報が管理サーバ10に送信されたときの動作を示すフローチャートである。クライアント企業の会計担当者はクライアント端末52によりクライアント企業の仕訳フォーマットに関する情報を管理サーバ10に送信する。具体的には、クライアント企業の会計担当者はクライアント端末52によりクライアント企業の仕訳フォーマットの各項目に関する情報を管理サーバ10に送信する。なお、クライアント企業の仕訳フォーマットの各項目に関する情報はクライアント端末52ではなくクライアントサーバ50から管理サーバ10に送信されるようになっていてもよい。あるいは、クライアント企業の会計担当者はクライアント端末52等によりクライアント企業の仕訳フォーマットに関する情報として会計ソフトの種類の情報を管理サーバ10に送信してもよい。また、クライアント企業の仕訳フォーマットに関する情報がクライアント端末52等から管理サーバ10に送信される際に、このクライアント企業の識別情報もクライアント端末52等から管理サーバ10に送信される。
【0035】
管理サーバ10の制御部20の受付手段22がクライアント端末52等から仕訳フォーマットに関する情報を受け付けると(
図4のSTEP11の「YES」)、記憶手段32は仕訳フォーマットに関する情報をクライアント企業の識別情報に紐付けて記憶部36に記憶させる(
図4のSTEP12)。このようにして、記憶部36には仕訳フォーマットに関する情報がクライアント企業の識別情報に紐付けられて記憶される。
図7は、記憶部36に記憶される、クライアント企業の仕訳フォーマットに関する情報である。
図7に示すように、クライアント企業の仕訳フォーマットに関する情報として、クライアント識別情報(
図7に示す例では001)、会計ソフトの種類の情報(
図7に示す例では会計ソフトAA)、および仕訳フォーマットの各項目(符号a001~h001に対応する「No.」「日付」「相手方」「借方科目」「借方金額」「貸方科目」「貸方金額」「備考」)が記憶部36に記憶される。
【0036】
なお、上記の態様では、
図1に示す情報処理システム1においてクライアント端末52から仕訳フォーマットに関する情報が管理サーバ10に送信されたときの動作について説明したが、本実施の形態はこのような態様に限定されることはない。クライアント端末52から仕訳フォーマットに関する情報が管理サーバ10に送信されるのではなく、管理サーバ10の管理を行う管理会社の社員がクライアント企業の仕訳フォーマットに関する情報を管理サーバ10に入力してもよい。
【0037】
次に、経費の申請情報に基づいてクライアント企業の仕訳フォーマットに対応する所定の仕訳項目に沿った仕訳データを作成するときの動作について説明する。
図5は、
図1に示す情報処理システム1において、経費の申請情報に基づいてクライアント企業の仕訳フォーマットに対応する所定の仕訳項目に沿った仕訳データを作成するときの動作を示すフローチャートである。
【0038】
管理サーバ10の制御部20の仕訳データ作成手段24は、受付手段22が受け付けた経費の申請情報やこの経費の申請情報に基づいて作成された申請書の情報に基づいて、クライアント企業の仕訳フォーマットに対応する所定の仕訳項目に沿った仕訳データを作成する(
図5のSTEP21)。
図6は、クライアント企業の仕訳フォーマットに対応する所定の仕訳項目に沿った仕訳データを示す表である。このような
図6に示す仕訳項目に沿った仕訳データはクライアント企業毎に設定されており、クライアント企業の識別情報に紐付けられた状態で仕訳項目に沿った仕訳データの仕訳フォーマットが記憶部36に記憶されている。
【0039】
具体的には、受付手段22が経費の申請情報やこの経費の申請情報に基づいて作成された申請書の情報を受け付けた場合は、仕訳データ作成手段24によって
図6に示すような仕訳項目に沿った仕訳データが作成される。具体的には、
図6に示すように、仕訳項目に沿った仕訳データを示す表では、例えば左から順にNo.、日付、相手方、借方科目、借方金額、貸方科目、貸方金額、備考の各項目がある。
図7は、識別符号a001~h001にこれらの各項目を割り当てた表である。このようにして、クライアント企業の従業員がユーザ端末40により経費の申請を行うことによって経費の申請情報がユーザ端末40から管理サーバ10に送信され、承認者の端末42によって経費の申請情報や申請書の情報が承認されると、仕訳データ作成手段24によってこの経費の申請情報に関する仕訳データが追加される。このようにして、クライアント企業の従業員がユーザ端末40により経費の申請を行うことによって経費の申請情報がユーザ端末40から管理サーバ10に送信され、承認者の端末42によって経費の申請情報や申請書の情報が承認されると、仕訳データ作成手段24によってこの経費の申請情報に関する仕訳データが追加される。
【0040】
また、仕訳データ作成手段24による仕訳データの作成方法は上述した態様に限定されることはない。他の態様として、経費の申請情報や申請書の情報から所定の仕訳項目への変換ルールが仕訳フォーマット毎に記憶部36に記憶されるようになっていてもよい。経費の申請情報や申請書の情報から所定の仕訳項目への変換ルールは、例えば経費の申請情報や申請書の情報における各値を、所定の仕訳項目の符号b001の「日付」、符号d001の「借方科目」、符号e001の「借方金額」、符号f001の「貸方科目」、符号g001の「貸方金額」、符号h001の「備考」の各値とするルールである。このような変換ルールが仕訳フォーマット毎に設定されている。この場合、仕訳データ作成手段24は、経費の申請情報や申請書の情報を、記憶部36に記憶されている仕訳ルールに基づいて、クライアント企業の仕訳フォーマットに関する情報に対応する仕訳項目に沿った仕訳データに変換する。このような情報処理方法でも、経費の申請情報や申請書の情報が、
図6に示す仕訳項目に沿った仕訳データにおける「日付」「借方金額」「貸方科目」「貸方金額」「備考」にそれぞれ入力されることにより、
図6に示すような仕訳項目に沿った仕訳データが作成される。
【0041】
また、更に他の態様として、受付手段22は、仕訳データが送付されるべきクライアント企業の仕訳フォーマットに関する情報として会計ソフトの種類の情報を受け付け、仕訳データ作成手段24は、受け付けたクライアント企業の会計ソフトの種類の情報に基づいて、経費の申請情報や申請書の情報を、会計ソフトの仕訳フォーマットに対応する所定の仕訳項目に沿った仕訳データに変換してもよい。この場合でも、経費の申請情報や申請書の情報が、
図6に示すようなクライアント企業の会計ソフトに対応する仕訳項目に沿った仕訳データに変換される。
【0042】
仕訳データ作成手段24により作成された所定の仕訳項目に沿った仕訳データは出力手段28により出力される。また、出力手段28により出力された仕訳データは送信手段30によりクライアントサーバ50やクライアント端末52に送信される(
図5のSTEP22)。このことにより、クライアント企業の経理担当者は、このクライアント企業の仕訳フォーマットに沿った仕訳データを取得することができる。また、出力手段28により出力された仕訳データをクライアント企業の経理担当者がクライアント端末52によりダウンロードすることができるようになっていてもよい。また、仕訳データ作成手段24により作成された所定の仕訳項目に沿った仕訳データが出力手段28により出力された後、管理サーバ10の管理を行う管理会社の社員やクライアント企業の経理担当者がクライアント端末52により仕訳データの修正や追記を行うことができるようになっていてもよい。この場合は、クライアント企業の経理担当者により修正や追記が行われた仕訳データが管理サーバ10からクライアントサーバ50やクライアント端末52に送信されるようになる。
【0043】
以上のような構成からなる本実施の形態のプログラム、コンピュータ(具体的には、管理サーバ10)および情報処理方法によれば、プログラムはコンピュータを受付手段22と、仕訳データ作成手段24と、出力手段28として機能させる。受付手段22は、仕訳データが送付されるべきクライアント企業の仕訳フォーマットに関する情報を受け付けるとともに経費の申請情報を受け付ける。仕訳データ作成手段24は、受け付けたクライアント企業の仕訳フォーマットに関する情報に基づいて、受け付けた経費の申請情報を所定の仕訳項目に沿った仕訳データに変換する。出力手段28は、仕訳データ作成手段24により変換された所定の仕訳項目に沿った仕訳データを出力する。このようなプログラム、コンピュータおよび情報処理方法によれば、仕訳データの仕訳フォーマットの作成を自動で行うことができる。より詳細に説明すると、従来技術では、従業員によって入力された経費の申請情報に基づいて仕訳データを作成する場合に、会計ソフトによって仕訳データのフォーマットが異なるため、それぞれの会計ソフトの仕訳データのフォーマットに応じてシステム提供会社のエンジニア等が手作業で経費の申請情報から仕訳データを作成しなければならず手間がかかるという問題があった。これに対し、本実施の形態のプログラム、コンピュータおよび情報処理方法では、受け付けたクライアント企業の仕訳フォーマットに関する情報に基づいて、仕訳データ作成手段24によって経費の申請情報が仕訳フォーマットに対応する所定の仕訳項目に沿った仕訳データに自動で変換されるため、システム提供会社のエンジニアが手作業で仕訳データの仕訳フォーマットの作成・修正を行わなくても、仕訳データの仕訳フォーマットの作成を自動で行うことができるようになる。
【0044】
また、本実施の形態のプログラム、コンピュータおよび情報処理方法においては、上述したように、プログラムはコンピュータを送信手段30として更に機能させ、送信手段30は、出力手段28により出力された仕訳データをクライアント企業の端末(具体的には、クライアントサーバ50またはクライアント端末52)またはクライアント企業により指定された所定のサーバに送信する。この場合は、クライアント企業の経理担当者等は、クライアント企業の端末等によりこのクライアント企業の仕訳フォーマットに沿った仕訳データを取得することができる。
【0045】
また、本実施の形態のプログラム、コンピュータおよび情報処理方法においては、上述したように、受付手段22は、仕訳データが送付されるべきクライアント企業の仕訳フォーマットに関する情報として会計ソフトの種類の情報を受け付け、仕訳データ作成手段24は、受け付けたクライアント企業の会計ソフトの種類の情報に基づいて、経費の申請情報を会計ソフトの仕訳フォーマットに対応する所定の仕訳項目に沿った仕訳データに変換してもよい。この場合でも、クライアント企業の仕訳フォーマットに関する情報として会計ソフトの種類の情報を用いることにより、より確実に経費の申請情報をクライアント企業の仕訳フォーマットに対応する所定の仕訳項目に沿った仕訳データに変換することができる。
【0046】
また、本実施の形態のプログラム、コンピュータおよび情報処理方法においては、上述したように、プログラムはコンピュータを記憶手段32として更に機能させ、記憶手段32は、受付手段22が受け付けたクライアント企業の仕訳フォーマットに関する情報を当該クライアント企業の識別情報に紐付けて記憶部36に記憶させてもよい。この場合、受付手段22は、クライアント企業の識別情報を受け付け、仕訳データ作成手段24は、記憶部36に記憶されている情報を参照して、受付手段22が受け付けたクライアント企業の識別情報に対応する仕訳フォーマットに関する情報に基づいて、受付手段22が受け付けた経費の申請情報を所定の仕訳項目に沿った仕訳データに変換する。このようなプログラム、コンピュータおよび情報処理方法によれば、クライアント企業の仕訳フォーマットに関する情報を当該クライアント企業の識別情報に紐付けて記憶部36に記憶させることにより、クライアント企業の識別情報に基づいてクライアント企業の仕訳フォーマットを特定することができ、このためより確実に経費の申請情報をクライアント企業の仕訳フォーマットに対応する所定の仕訳項目に沿った仕訳データに変換することができる。
【0047】
また、本実施の形態のプログラム、コンピュータおよび情報処理方法においては、上述したように、プログラムはコンピュータを記憶手段32として更に機能させ、記憶手段32は、経費の申請情報から所定の仕訳項目への変換ルールを仕訳フォーマット毎に記憶部36に記憶させてもよい。また、仕訳データ作成手段24は、受け付けたクライアント企業の仕訳フォーマットに関する情報に基づいて、受付手段22が受け付けた経費の申請情報を記憶部36に記憶されている変換ルールに沿って仕訳フォーマットに対応する所定の仕訳項目に沿った仕訳データに変換してもよい。この場合でも、経費の申請情報から所定の仕訳項目への変換ルールを仕訳フォーマット毎に記憶部36に記憶させることにより、より確実に経費の申請情報をクライアント企業の仕訳フォーマットに対応する所定の仕訳項目に沿った仕訳データに変換することができる。
【0048】
なお、本実施の形態によるプログラム、管理サーバ10(コンピュータ)、情報処理方法は、上述したような態様に限定されることはなく、様々な変更を加えることができる。
【0049】
例えば、記憶部36に記憶されているクライアント企業の仕訳フォーマットに関する情報(例えば、仕訳フォーマットの各項目や順番)を管理サーバ10の管理を行う管理会社の社員やクライアント企業の経理担当者が変更することができるようになっていてもよい。この場合は、仕訳データ作成手段24は、経費の申請情報を、修正された仕訳フォーマットに対応する所定の仕訳項目に沿った仕訳データに変換するようになる。このことにより、仕訳データ作成手段24によって元の仕訳データから変換されるクライアント企業の仕訳フォーマットに沿った仕訳データの内容を自在に変更することができる。
【0050】
また、他の変形例として、記憶部36に記憶されている経費の申請情報から会計ソフト毎の所定の仕訳項目への変換ルールを管理サーバ10の管理を行う管理会社の社員やクライアント企業の経理担当者が変更することができるようになっていてもよい。
【0051】
また、記憶手段32は、受付手段22が受け付けたクライアント企業の仕訳フォーマットに関する情報を記憶部36ではなく管理サーバ10とは別に設けられたサーバ(例えば、クラウドサーバ)や機器の記憶部等に記憶させてもよい。この場合は、仕訳データ作成手段24がクライアント企業の仕訳フォーマットに関する情報に基づいて仕訳データを作成する際に、管理サーバ10の制御部20は管理サーバ10とは別に設けられたサーバや機器の記憶部等からクライアント企業の仕訳フォーマットに関する情報を読み出すようになる。
【符号の説明】
【0052】
1 情報処理システム
10 管理サーバ
20 制御部
22 受付手段
24 仕訳データ作成手段
28 出力手段
30 送信手段
32 記憶手段
36 記憶部
38 通信部
40 ユーザ端末
42 端末
50 クライアントサーバ
52 クライアント端末
【手続補正書】
【提出日】2023-03-13
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
コンピュータを受付手段と、仕訳データ作成手段と、出力手段と、送信手段として機能させるプログラムであって、
前記受付手段は、仕訳データが送付されるべきクライアント企業の仕訳フォーマットに関する情報を受け付けるとともに経費の申請情報を受け付け、受け付けられた経費の申請情報がユーザの識別情報またはユーザ端末の識別情報に紐付けられた状態で記憶部に記憶され、
前記受付手段が前記ユーザ端末から申請書作成指示を受け付けると、受け付けていた1または複数の経費の申請情報がまとめられることにより一つまたは複数の申請書が作成され、前記仕訳データ作成手段は、作成された申請書の情報に基づいて、前記受付手段が受け付けた前記クライアント企業の仕訳フォーマットに対応する所定の仕訳項目に沿った仕訳データを作成し、
前記出力手段は、前記仕訳データ作成手段により作成された所定の仕訳項目に沿った仕訳データを出力する、プログラム。
【請求項2】
前記送信手段は、前記出力手段により出力された仕訳データを前記クライアント企業の端末または前記クライアント企業により指定された所定のサーバに送信する、請求項1記載のプログラム。
【請求項3】
前記受付手段は、仕訳データが送付されるべき前記クライアント企業の前記仕訳フォーマットに関する情報として会計ソフトの種類の情報を受け付け、
前記仕訳データ作成手段は、受け付けた前記クライアント企業の前記会計ソフトの種類の情報に基づいて、前記受付手段が受け付けた経費の申請情報を前記会計ソフトの前記仕訳フォーマットに対応する所定の仕訳項目に沿った仕訳データに変換する、請求項1または2記載のプログラム。
【請求項4】
前記コンピュータを記憶手段として更に機能させ、
前記記憶手段は、前記受付手段が受け付けた前記クライアント企業の前記仕訳フォーマットに関する情報を前記クライアント企業の識別情報に紐付けて記憶部に記憶させ、
前記受付手段は、前記クライアント企業の識別情報を受け付け、
前記仕訳データ作成手段は、前記記憶部に記憶されている情報を参照して、前記受付手段が受け付けた前記クライアント企業の識別情報に対応する前記仕訳フォーマットに関する情報に基づいて、前記受付手段が受け付けた経費の申請情報を所定の仕訳項目に沿った仕訳データに変換する、請求項1または2記載のプログラム。
【請求項5】
前記コンピュータを記憶手段として更に機能させ、
前記記憶手段は、経費の申請情報から所定の仕訳項目への変換ルールを仕訳フォーマット毎に記憶部に記憶させ、
前記仕訳データ作成手段は、受け付けた前記クライアント企業の前記仕訳フォーマットに関する情報に基づいて、前記受付手段が受け付けた経費の申請情報を前記記憶部に記憶されている前記変換ルールに沿って前記仕訳フォーマットに対応する所定の仕訳項目に沿った仕訳データに変換する、請求項1または2記載のプログラム。
【請求項6】
前記送信手段は、申請書作成申請ボタンを前記ユーザ端末に表示させる表示指示信号を前記ユーザ端末に送信し、このことにより申請書作成申請ボタンが前記ユーザ端末に表示され、前記ユーザ端末において申請書作成申請ボタンが押されると、前記ユーザ端末から前記コンピュータに申請書作成指示が送信される、請求項1または2記載のプログラム。
【請求項7】
プログラムを実行することにより受付手段と、仕訳データ作成手段と、出力手段と、送信手段として機能するコンピュータであって、
前記受付手段は、仕訳データが送付されるべきクライアント企業の仕訳フォーマットに関する情報を受け付けるとともに経費の申請情報を受け付け、受け付けられた経費の申請情報がユーザの識別情報またはユーザ端末の識別情報に紐付けられた状態で記憶部に記憶され、
前記受付手段が前記ユーザ端末から申請書作成指示を受け付けると、受け付けていた1または複数の経費の申請情報がまとめられることにより一つまたは複数の申請書が作成され、前記仕訳データ作成手段は、作成された申請書の情報に基づいて、前記受付手段が受け付けた前記クライアント企業の仕訳フォーマットに対応する所定の仕訳項目に沿った仕訳データを作成し、
前記出力手段は、前記仕訳データ作成手段により作成された所定の仕訳項目に沿った仕訳データを出力する、コンピュータ。
【請求項8】
コンピュータにより行われる情報処理方法であって、
前記コンピュータに、仕訳データが送付されるべきクライアント企業の仕訳フォーマットに関する情報を受け付けさせるとともに経費の申請情報を受け付けさせ、受け付けられた経費の申請情報をユーザの識別情報またはユーザ端末の識別情報に紐付けられた状態で記憶部に記憶させる工程と、
前記コンピュータにおいて、前記ユーザ端末から申請書作成指示を受け付けると、受け付けていた1または複数の経費の申請情報がまとめられることにより一つまたは複数の申請書が作成され、作成された申請書の情報に基づいて、受け付けた前記クライアント企業の仕訳フォーマットに対応する所定の仕訳項目に沿った仕訳データを作成させる工程と、
前記コンピュータに、作成された所定の仕訳項目に沿った仕訳データを出力させる工程と、
を備えた、情報処理方法。