(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024061378
(43)【公開日】2024-05-07
(54)【発明の名称】感圧センサ
(51)【国際特許分類】
G01L 1/20 20060101AFI20240425BHJP
【FI】
G01L1/20 Z
【審査請求】未請求
【請求項の数】3
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022169290
(22)【出願日】2022-10-21
(71)【出願人】
【識別番号】000215833
【氏名又は名称】帝国通信工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100094226
【弁理士】
【氏名又は名称】高木 裕
(74)【代理人】
【識別番号】100087066
【弁理士】
【氏名又は名称】熊谷 隆
(72)【発明者】
【氏名】藤巻 賢史
(72)【発明者】
【氏名】内藤 俊司
(57)【要約】
【課題】部品点数の削減と厚みの薄型化が図れ、各構成要素間に組み立てによるずれが生じにくい感圧センサを提供すること。
【解決手段】基板10上に、配線パターン21,31と、各配線パターン21,31にそれぞれ接続される配線側接点パターン41,51と、何れの配線側接点パターン41,51にも接続しない独立した第1接点パターン61とを形成する。配線側接点パターン41,51と第1接点パターン61上に、圧力に応じて抵抗値が変化する感圧抵抗体71を形成する。感圧抵抗体71上の、配線側接点パターン41に対向する部分C1と第1接点パターン61に対向する部分C2との間を連結する位置と、配線側接点パターン51に対向する部分C3と第1接点パターン61に対向する部分C4との間を連結する位置に、第2接点パターン81A,81Bを形成する。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
押圧力に応じて抵抗値が変化する感圧センサにおいて、
押圧力に応じて厚み方向の抵抗値が変化する感圧抵抗体を基板上に配置し、当該感圧抵抗体の表裏面何れかに、
複数の配線側接点パターンと、
前記何れの配線側接点パターンにも接続しない独立した1又は複数の第1接点パターンと、
前記感圧抵抗体を介して前記配線側接点パターンに対向する部分と前記感圧抵抗体を介して前記第1接点パターンに対向する部分との間を連結し、さらに前記第1接点パターンが複数ある場合は前記感圧抵抗体を介して異なる第1接点パターンにそれぞれ対向する部分の間を連結する第2接点パターンと、
を形成することで、
前記複数の配線側接点パターン間を、前記第1接点パターンと前記第2接点パターンと前記感圧抵抗体の厚みとを介在して電気的に接続することを特徴とする感圧センサ。
【請求項2】
請求項1に記載の感圧センサであって、
前記第2接点パターンと、当該第2接点パターンに対向する前記配線側接点パターンまたは前記第1接点パターンは、何れも線状であって、前記感圧抵抗体を挟んで対向する部分は上から見て交差している部分であることを特徴とする感圧センサ。
【請求項3】
請求項1又は2に記載の感圧センサであって、
前記感圧抵抗体、前記配線側接点パターン、前記第1接点パターン、及び前記第2接点パターンは、前記基板上に印刷によって積層して形成されていることを特徴とする感圧センサ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、押圧力に応じて抵抗値が変化する感圧センサに関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、押圧力に応じて抵抗値が変化する感圧センサは、例えば特許文献1に示すように、下側電極を設けた下側回路基板と、上側電極を設けた上側回路基板とを、スペーサを介して積層し、その際スペーサに設けた開口部内において前記上側電極と下側電極とを対向させ、上側電極の背面側の上側回路基板を押圧してこれを下降させることで上側電極を下側電極に当接させ、当該当接力(荷重)の大きさ(当接面積)に応じて上側電極と下側電極間の抵抗値を変化させるように構成されていた。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし従来の感圧センサは、上述のように、2枚の回路基板とスペーサとを用いて構成されるので部品点数が多くなり、また製品の厚み寸法が厚くなり、さらに2枚の回路基板とスペーサの組み立て時のずれによって下側電極に対してスペーサの開口部や上側電極の位置がずれてしまう虞があった。
【0005】
本発明は上述の点に鑑みてなされたものでありその目的は、部品点数の削減と厚みの薄型化が図れ、また各構成要素間に組み立てによるずれが生じる虞もない感圧センサを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、押圧力に応じて抵抗値が変化する感圧センサにおいて、押圧力に応じて厚み方向の抵抗値が変化する感圧抵抗体を基板上に配置し、当該感圧抵抗体の表裏面何れかに、複数の配線側接点パターンと、前記何れの配線側接点パターンにも接続しない独立した1又は複数の第1接点パターンと、前記感圧抵抗体を介して前記配線側接点パターンに対向する部分と前記感圧抵抗体を介して前記第1接点パターンに対向する部分との間を連結し、さらに前記第1接点パターンが複数ある場合は前記感圧抵抗体を介して異なる第1接点パターンにそれぞれ対向する部分の間を連結する第2接点パターンと、を形成することで、前記複数の配線側接点パターン間を、前記第1接点パターンと前記第2接点パターンと前記感圧抵抗体の厚みとを介在して電気的に接続することを特徴としている。
本発明によれば、1枚の基板上に各種パターンを形成することで感圧センサを構成できるので、部品点数の削減と厚みの薄型化が図れ、また配線側接点パターンや第1接点パターンや感圧抵抗体や第2接点パターン間に組み立てによるずれが生じる虞もない。
また従来のようにスペーサによる空間を設けないので、軽い力を印加するだけで抵抗値の変化が始まる。従って、軽い力で抵抗値の変化が始まって押圧力が大きくなるに伴ってさらに抵抗値が変化していく特性が要求される感圧センサとして用いて好適となる。
またこの感圧センサの電気回路は、感圧抵抗体(その厚み)による抵抗が直列に複数接続される構造の電気回路になるので、容易に感圧抵抗体による抵抗値を高くすることができ、分解能の高い感圧センサとすることができる。
また感圧抵抗体の厚みは薄いため、感圧抵抗体を挟んだ表裏の接点パターン間は、感圧抵抗体を介して上下(真上真下)に対向している部分のみで導通するので(抵抗値の変化が生じるので)、各配線側接点パターンと第1,第2接点パターン、感圧抵抗体の面積や形状を調整することで、容易に抵抗値の調整(例えば配線側接点パターンと第1パターンの対向面積を小さくすると抵抗値が大きくなる)を行うことができる。
【0007】
また本発明は、上記特徴に加え、前記第2接点パターンと、当該第2接点パターンに対向する前記配線側接点パターンまたは前記第1接点パターンは、何れも線状であって、前記感圧抵抗体を挟んで対向する部分は上から見て交差している部分であることを特徴としている。
本発明によれば、線状の第2接点パターンと線状の第1接点パターン同士、及び線状の第2接点パターンと線状の配線側接点パターン同士を上から見て交差するように配置したので、感圧抵抗体を介して上下に対向する部分の面積を、容易に所望の面積にすることができる。この効果は、特に各パターンを印刷によって形成した場合に好適である。即ち、各パターンを上下に積層する際に各パターン間に位置ずれが生じたとしても、対向するパターンの交差する面積は変わらない。このため感圧抵抗体を介在した当該交差する部分の抵抗値を常に正確に一定にすることができる。
【0008】
また本発明は、上記特徴に加え、前記感圧抵抗体、前記配線側接点パターン、前記第1接点パターン、及び前記第2接点パターンは、前記基板上に印刷によって積層して形成されていることを特徴としている。
これによって、1枚の基板上に各接点パターンを容易且つ正確な位置に形成することができ、部品点数の削減化と製造コストの低減化と厚みの薄型化とを図ることができる。また配線側接点パターンや第1,第2接点パターンや感圧抵抗体間に組み立てによるずれが生じにくくなる。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、部品点数の削減と厚みの薄型化を図ることができる。また感圧抵抗体(その厚み)による抵抗が直列に複数接続された構造の電気回路になるので、感圧センサの抵抗値を高くすることができ、分解能の高い感圧センサとすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図3】感圧センサ1-1の一具体例を示す平面図である。
【
図10】感圧センサ1-2の製造方法説明図である。
【
図13】感圧センサ1-3の製造方法説明図である。
【
図14】感圧センサ1-3の製造方法説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、本発明の実施形態を、図面を参照して詳細に説明する。
〔第1実施形態〕
図1は本発明の第1実施形態にかかる感圧センサ1-1の概略断面図(
図2のA-A概略断面図)、
図2は感圧センサ1-1の概略平面図である。これらの図に示すように、感圧センサ1-1は、基板10上に、一対の配線パターン21,31と、前記各配線パターン21,31にそれぞれ接続される配線側接点パターン41,51と、前記何れの配線側接点パターン41,51にも接続しない独立した1本の第1接点パターン61とを形成し、前記一対の配線側接点パターン41,51と前記第1接点パターン61上に圧力に応じて抵抗値が変化する感圧抵抗体(感圧抵抗層、感圧抵抗パターン)71を形成し、前記感圧抵抗体71上の、前記一方の配線側接点パターン41に対向する部分C1と前記第1接点パターン61に対向する部分C2との間を連結する位置、及び他方の配線側接点パターン51に対向する部分C3と前記第1接点パターン61に対向する部分C4との間を連結する位置にそれぞれ一対の第2接点パターン81A,81Bを形成することで、前記一対の配線側接点パターン41,51間を、前記第1接点パターン61と前記第2接点パターン81A,81Bと前記感圧抵抗体71の厚みとを介在して電気的に接続して構成されている。なお以下の説明において、「上」とは基板10から配線側接点パターン41,51などを形成した面側を見る方向をいい、「下」とはその反対方向をいうものとするが、これは、感圧センサ1-1を使用する際の方向を限定する趣旨ではない。
【0012】
次に、上記感圧センサ1-1の構成を、その製造方法と共に説明する。
まず基板10を用意する。基板10は可撓性を有する合成樹脂フィルムによって構成されており、この例ではポリエチレンテレフタレート(PET)フィルムを用いている。
【0013】
次に、
図4に示すように、上記基板10上に配線パターン21と配線側接点パターン41、及び配線パターン31と配線側接点パターン51、及び第1接点パターン61を、導電ペースト(この例では銀ペースト)をスクリーン印刷することによって同時に形成する。
【0014】
一対の配線側接点パターン41,51は、何れも線状(直線状)の帯状で、両者同一幅で同一長さであり、同一直線上に所定の隙間を介して配置されている。配線パターン21は線状であり、その一端が配線側接点パターン41の一端に接続され、下記する感圧抵抗体71の外部に引き出されている。配線パターン31も線状であり、その一端が配線側接点パターン51の一端に接続され、下記する感圧抵抗体71の外部に引き出されている。
【0015】
第1接点パターン61は、線状(直線状)に形成され、且つ前記一対の配線側接点パターン41,51を結ぶ線(直線)に平行に沿うように所定寸法離間して設置されている。第1接点パターン61の幅寸法は、この例では配線側接点パターン41,51の幅寸法と同一寸法に形成されている。また第1接点パターン61は、何れの配線側接点パターン41,51にも接続しない独立した位置に形成されている。
【0016】
なお各パターン21,31,41,51,61の形状は他の各種形状であっても良いが、両配線側接点パターン41、51と第1接点パターン61は指などの押圧体によって同時に押圧できる位置に形成することが好ましい。
【0017】
次に、
図5に示すように、上記両配線側接点パターン41、51と第1接点パターン61の上面全体と、両配線パターン21,31の一部を覆うように、上記基板10上に感圧抵抗体71を、カーボンペーストをスクリーン印刷することによって形成する。感圧抵抗体71は、この例では円形(他の各種形状であっても良い)である。カーボンペーストは、硬化しても柔軟性を有する合成樹脂とカーボン粉と溶剤を混合した導電性塗料を用いて構成されている。
【0018】
次に、
図6に示すように、上記感圧抵抗体71の上面に、一対の第2接点パターン81A,81Bを、銀ペーストをスクリーン印刷することによって形成する。一対の第2接点パターン81A,81Bは、何れも同一形状の線状(直線状)であり、所定間隔を介して平行に設置されている。これら第2接点パターン81A,81Bは、感圧抵抗体71(その厚み)を介して、配線側接点パターン41、51と第1接点パターン61の真上の対向する位置、即ち、一方の第2接点パターン81Aは、感圧抵抗体41上の、一方の配線側接点パターン41の真上に対向する部分C1と前記第1接点パターン61の真上に対向する部分C2との間を電気的に連結する位置に形成され、他方の第2接点パターン81Bは、感圧抵抗体41上の、他方の配線側接点パターン51の真上に対向する部分C3と前記第1接点パターン61の真上に対向する部分C4との間を電気的に連結する位置に形成されている。
【0019】
即ち、上記各部分C1~C4(
図6の斜線で示す面)では、厚みの薄い感圧抵抗体41を介してその上下に接点パターンが対向しているので、感圧抵抗体41の厚み分の抵抗値を介して、その上下のパターン間が電気的に接続されている。感圧抵抗体71の厚みは薄いので、一対の配線パターン21,31間に抵抗体として作用するのは、感圧抵抗体71全体中の部分C1~C4の部分だけである。言い換えれば、感圧抵抗体71の上下において対向していないパターンの部分は、互いに導通しない。
【0020】
上述のように、第2接点パターン81A,81Bと、当該第2接点パターン81A,81Bに対向する配線側接点パターン41,51と第1接点パターン61は、何れも線状であって感圧抵抗体71を挟んで対向する部分C1~C4は、前記線状のパターン同士が上から見て交差している部分なので、感圧抵抗体71を介して上下に対向する部分C1~C4の面積を、容易に所望の面積にすることができる。この効果は、特に各パターンを印刷によって形成した場合に好適である。即ち各接点パターンを、感圧抵抗体71を挟んでその上下に積層する際、仮に円形点状のパターン同士を対向させた場合、両パターンの印刷ずれによって、対向している部分の面積が異なってしまい、その抵抗値が設定していた抵抗値と異なってしまう虞がある。これに対してこの実施形態のように、線状のパターン同士を交差させることで対向させた場合、両パターンの印刷ずれによって、対向するパターンの位置がずれたとしても、対向している部分の面積は変わらず、このため感圧抵抗体71を介在した当該交差する部分C1~C4の抵抗値を容易に一定にすることができる。
【0021】
以上の製造方法によって感圧センサ1-1が完成する。なお上記製造手順はその一例であり、他の各種異なる製造手順を用いて製造しても良いことはいうまでもない。
【0022】
以上のように構成された感圧センサ1-1は、
図1,
図7に示すように、一対の配線パターン21,31間に電圧を印可した場合、配線パターン21⇔配線側接点パターン41⇔部分C1の感圧抵抗体71⇔第2接点パターン81A⇔部分C2の感圧抵抗体71⇔第1接点パターン61⇔部分C4の感圧抵抗体71⇔第2接点パターン81B⇔部分C3の感圧抵抗体71⇔配線側接点パターン51⇔配線パターン31の経路で電流が流れる。
【0023】
つまり、一対の配線パターン21,31間の抵抗値は、配線側接点パターン41,51と第1接点パターン61と第2接点パターン81A,81Bの抵抗値がゼロと仮定して、また部分C1~C4の面積が同一として、感圧抵抗体71の部分C1の厚み分の抵抗値R[Ω]の4倍の4R[Ω]の抵抗値となる。
【0024】
そして基板10を図示しない基台上に載置し、一対の第2接点パターン81A,81B全体をその上側から指またはキートップなどの押圧体によって押圧すると、柔軟性を有する感圧抵抗体71が厚み方向に圧縮され、その厚みが薄くなって、感圧抵抗体71中のカーボン粉同士が強く接触することでカーボン粉間の接触面積が増大し、これによって配線側接点パターン41と第2接点パターン81A間(部分C1)の抵抗値と、第2接点パターン81Aと第1接点パターン61間(部分C2)の抵抗値と、第1接点パターン61と第2接点パターン81B間(部分C4)の抵抗値と、第2接点パターン81Bと配線側接点パターン51間(部分C3)の抵抗値が何れも小さくなる。
【0025】
一方、前記押圧を解除していけば、感圧抵抗体71の厚みがその弾性復帰力によって元の厚みに戻ってゆき、抵抗値は大きくなっていく。つまり、前記押圧する力(押圧力)の大きさに応じて、一対の配線パターン21,31間の抵抗値が異なり、これによって前記押圧力に応じた異なる出力が得られ、当該押圧力の大きさを検知することができる。
【0026】
上記感圧センサ1-1を押圧していないときの抵抗値は、より大きい方が、これを押下したときの抵抗値の変化幅が大きくなる(さらには押圧力に応じてリニアに変化するようになる)ので、より好ましい。そしてこの感圧センサ1-1においては、上述のように、その電気回路中において感圧抵抗体71を直列に4度通過するので、抵抗値が4倍になり、このため容易に感圧抵抗体71による抵抗値を高くすることができ、分解能の高い感圧センサ1-1とすることができる。
【0027】
なおこの感圧センサ1-1においては、接点パターン41,51,61,81A,81Bを複数設けることで、これら接点パターンが対向する部分C1~C4を複数設けたので、感圧抵抗体71の上面の偏った部分を偏って押圧しても、何れかの部分C1~C4が強く押されて抵抗値が大きく低下し、他の何れかの部分C1~C4が弱く押されて抵抗値が小さく変化し、それらの抵抗値の合計は平均化し、且つ確実に変化する。即ち各部分C1~C4での抵抗値のバラツキを平均化でき、全体の抵抗値のバラツキを少なくすることができ、且つ確実に抵抗値を変化させることができる。このことは、下記する他の実施形態においても同様である。
【0028】
上記感圧センサ1-1において、感圧抵抗体71の厚みを各接点パターンの厚みよりも厚く形成しておくことで抵抗値を高くすることが、より好ましいが、本発明はこれに限られず、各接点パターンの厚みと同等または薄い厚みとしても良い。また感圧抵抗体71は、この感圧センサ1-1のように、基台10上の、配線側接点パターン41,51と第1接点パターン61と第2接点パターン81A,81Bを形成している部分よりもその外形寸法を大きく形成し、確実にこれら各接点パターンを含む大きさに形成することが好ましい。
【0029】
図3は感圧センサ1-1の一具体例を示す平面図である。同図に示すように、基板10は、センサ本体形成部11と、センサ本体形成部11の外周に接続されて帯状に延びる出力引出部13とを具備して構成されている。センサ本体形成部11には感圧抵抗体71と感圧抵抗体71の上下面側に形成された前記各種パターンとが印刷形成され、出力引出部13には一対の配線パターン21,31が印刷形成されてそれらの先端に出力端子パターン23,33が印刷形成されている。これによって、容易に配線パターン21,31間に電圧を印可し、出力を得ることができる。
【0030】
〔第2実施形態〕
図8は本発明の第2実施形態にかかる感圧センサ1-2の概略平面図である。同図に示す感圧センサ1-2において、前記
図1~
図7に示す感圧センサ1-1と同一又は相当部分には同一符号を付す(但し、各符号には添え字「-2」を付す)。なお以下で説明する事項以外の事項については。前記
図1~
図7に示す実施形態と同じである。
【0031】
この感圧センサ1-2において上記感圧センサ1-1と相違する点は、一対の配線側接点パターン41-2、51-2の形状、第1接点パターン61-2A~Gの本数と形状、第2接点パターン81-2A~Hの本数と形状である。
【0032】
配線側接点パターン41-2,51-2は、円弧状に湾曲する線状のパターンであって同一円弧状に形成されており、また左右対称の形状に形成されている。
【0033】
配線側接点パターン41-2,51-2と同一の円周上には、3つの第1接点パターン61-2A,B,Cが、それぞれ独立して形成されている。またこれら配線側接点パターン41-2,51-2と第1接点パターン61-2A,B,Cが形成する円周と同心円状で内側の円周上には、4つの第1接点パターン61-2D,E,F,Gが、それぞれ独立して形成されている。即ち各第1接点パターン61-2A~Gは、何れも円弧状に湾曲する線状のパターンであって、他のパターンに直接は接続されず、各々独立するように形成されている。また4つの第1接点パターン61-2D,E,F,Gは、その外周を囲む配線側接点パターン41-2,51-2と第1接点パターン61-2A,B,Cの隙間部分S1~S4(下記する
図9参照)に対向する位置が中央部分となる位置に配置されている。
【0034】
第2接点パターン81-2A~Hは、何れも直線状に延びる線状のパターンであって、前記第1接点パターン61D,E,F,Gなどが形成する円弧の中心点を中心にして放射線状に等間隔に形成されている。その際、第2接点パターン81-2Aは配線側接点パターン41-2に対向(交差)する部分D1-2と第1接点パターン61-2Dに対向(交差)する部分D2-2との間を連結する位置に形成され、第2接点パターン81-2Bは第1接点パターン61-2Aに対向(交差)する部分D3-2と第1接点パターン61-2Dに対向(交差)する部分D4-2との間を連結する位置に形成され、第2接点パターン81-2Cは第1接点パターン61-2Aに対向(交差)する部分D5-2と第1接点パターン61-2Eに対向(交差)する部分D6-2との間を連結する位置に形成され、第2接点パターン81-2Dは第1接点パターン61-2Bに対向(交差)する部分D7-2と第1接点パターン61-2Eに対向(交差)する部分D8-2との間を連結する位置に形成され、第2接点パターン81-2Eは第1接点パターン61-2Bに対向(交差)する部分D9-2と第1接点パターン61-2Fに対向(交差)する部分D10-2との間を連結する位置に形成され、第2接点パターン81-2Fは第1接点パターン61-2Cに対向(交差)する部分D11-2と第1接点パターン61-2Fに対向(交差)する部分D12-2との間を連結する位置に形成され、第2接点パターン81-2Gは第1接点パターン61-2Cに対向(交差)する部分D13-2と第1接点パターン61-2Gに対向(交差)する部分D14-2との間を連結する位置に形成され、第2接点パターン81-2Hは配線側接点パターン51-2に対向(交差)する部分D15-2と第1接点パターン61-2Gに対向(交差)する部分D16-2との間を連結する位置に形成されている。
【0035】
次に、上記感圧センサ1-2の製造方法を説明すると、
図9に示すように、基板10-2上に配線パターン21-2と配線側接点パターン41-2、及び配線パターン31-2と配線側接点パターン51-2、及び7つの第1接点パターン61-2A~Gを、導電ペーストをスクリーン印刷することによって同時に形成する。
【0036】
一対の配線側接点パターン41-2,51-2は、何れも線状(弧状)の帯状で、両者同一幅で同一長さであり、同一円弧上に所定の隙間を介して配置される。配線パターン21-2は線状であり、その一端が配線側接点パターン41-2の一端に接続され、感圧抵抗体71-2の外部に引き出される。配線パターン31-2も線状であり、その一端が配線側接点パターン51-2の一端に接続され、感圧抵抗体71-2の外部に引き出される。
【0037】
第1接点パターン61-2A~Gは、上述のように線状(弧状)に形成され、且つ前記一対の配線側接点パターン41-2,51-2を結ぶ線(円弧線)上の3つの第1接点パターン61-2A~Cと、同心円状にその内側に形成される4つの第1接点パターン61-2D~Gとをそれぞれ他のパターンに接続しないように独立した位置に形成して構成されている。各第1接点パターン61-2A~Gの幅寸法は、この例では配線側接点パターン41-2,51-2の幅寸法と同一寸法に形成されている。
【0038】
両配線側接点パターン41-2、51-2と第1接点パターン61-2A~Gは指などの押圧体によって同時に押圧できる位置に形成することが好ましい。
【0039】
次に、
図10に示すように、上記両配線側接点パターン41-2、51-2と第1接点パターン61-2A~Gの上面全体と、両配線パターン21-2,31-2の一部を覆うように、基板10-2上に感圧抵抗体71-2を、カーボンペーストをスクリーン印刷することによって形成する。
【0040】
次に、
図10に示すように、上記感圧抵抗体71-2の上面に、8つの第2接点パターン81-2A~Hを、銀ペーストをスクリーン印刷することによって形成する。
【0041】
この実施形態の場合も、上述のように、感圧抵抗体71-2を挟んで対向する部分D1-2~D16-2は、線状の接点パターン同士が上から見て交差している部分なので、感圧抵抗体71-2を介して上下に対向する部分D1-2~D16-2の面積を、容易に所望の面積にすることができ、接点パターンの印刷ずれによって、対向する接点パターンの位置がずれたとしても、対向している部分の面積は変わらず、このため感圧抵抗体71-2を介在した当該交差する部分D1-2~D16-2の抵抗値を容易に一定にすることができる。
【0042】
以上のように構成された感圧センサ1-2は、
図8に示すように、一対の配線パターン21-2,31-2間に電圧を印可した場合、配線パターン21-2⇔配線側接点パターン41-2⇔部分D1-2の感圧抵抗体71-2⇔第2接点パターン81-2A⇔部分D2-2の感圧抵抗体71-2⇔第1接点パターン61-2D⇔部分D4-2の感圧抵抗体71-2⇔第2接点パターン81-2B⇔部分D3-2の感圧抵抗体71-2⇔第1接点パターン61-2A⇔部分D5-2の感圧抵抗体71-2⇔第2接点パターン81-2C⇔部分D6-2の感圧抵抗体71-2⇔第1接点パターン61-2E⇔部分D8-2の感圧抵抗体71-2⇔第2接点パターン81-2D⇔部分D7-2の感圧抵抗体71-2⇔第1接点パターン61-2B⇔部分D9-2の感圧抵抗体71-2⇔第2接点パターン81-2E⇔部分D10-2の感圧抵抗体71-2⇔第1接点パターン61-2F⇔部分D12-2の感圧抵抗体71-2⇔第2接点パターン81-2F⇔部分D11-2の感圧抵抗体71-2⇔第1接点パターン61-2C⇔部分D13-2の感圧抵抗体71-2⇔第2接点パターン81-2G⇔部分D14-2の感圧抵抗体71-2⇔第1接点パターン61-2G⇔部分D16-2の感圧抵抗体71-2⇔第2接点パターン81-2H⇔部分D15-2の感圧抵抗体71-2⇔配線側接点パターン51-2⇔配線パターン31-2の経路で電流が流れる。
【0043】
つまり、一対の配線パターン21-2,31-2間の抵抗値は、配線側接点パターン41-2,51-2と第1接点パターン61-2A~Gと第2接点パターン81-2A~Hの抵抗値がゼロと仮定して、また部分D1-2~D16-2の面積が同一として、感圧抵抗体71-2の部分D1-2の厚み分の抵抗値R[Ω]の16倍の16R[Ω]の抵抗値となる。
【0044】
そして基板10-2を図示しない基台上に載置し、第2接点パターン81-2A~H全体をその上側から押圧体によって押圧すると、感圧抵抗体71-2が厚み方向に圧縮され、感圧抵抗体71-2中のカーボン粉間の接触面積が増大し、各部分D1-2~D16-2の抵抗値が何れも小さくなる。一方、前記押圧を解除していけば、感圧抵抗体71の厚みがその弾性復帰力によって元の厚みに戻ってゆき、抵抗値は大きくなっていく。これによって押圧力に応じた異なる出力が得られ、当該押圧力の大きさを検知することができる。
【0045】
そしてこの感圧センサ1-2においては、上述のように、その電気回路中において感圧抵抗体71-2を直列に16度通過するので、抵抗値が16倍になり、このため感圧センサ1-1に比べてもさらに抵抗値を高くすることができ、さらに分解能の高い感圧センサ1-2とすることができる。
【0046】
〔第3実施形態〕
図11は本発明の第3実施形態にかかる感圧センサ1-3の概略平面図である。同図に示す感圧センサ1-3において、前記
図1~
図7に示す感圧センサ1-1と同一又は相当部分には同一符号を付す(但し、各符号には添え字「-3」を付す)。なお以下で説明する事項以外の事項については、前記
図1~
図7に示す実施形態と同じである。
【0047】
この感圧センサ1-3において上記感圧センサ1-1と相違する点は、一対の配線側接点パターン41-3,51-3の形状、第1接点パターン61-3の形状、第2接点パターン81-3の本数と形状である。さらに相違する点は、一対の配線側接点パターン41-3,51-3を感圧抵抗体71-3の表と裏にそれぞれ設けた点である。
【0048】
配線側接点パターン41-3,51-3は、小円状のパターンである。配線側接点パターン41-3は感圧抵抗体71―3上に形成され、配線側接点パターン51-3は基板10-3上に形成されている。
【0049】
基板10-3上には、1つの第1接点パターン61-3が、独立して形成されている。第1接点パターン61-3は、下記する
図13に示すように、両側に円形のパターン部E1,E1を有し、両パターン部E1,E1間を連結部E2によって接続する形状に形成されている。
【0050】
感圧抵抗体71-3の上面側には、1つの第2接点パターン81-3が、独立して形成されている。第2接点パターン81-3は、
図11に示すように、両側に円形のパターン部H1,H1を有し、両パターン部H1,H1間を連結部H2によって接続する形状に形成されている。
【0051】
次に、上記感圧センサ1-3の製造方法を説明する。まず
図13に示すように、基板10-3上に配線側接点パターン51-3とこの配線側接点パターン51-3に接続する配線パターン31-3と1つの第1接点パターン61-3を、導電ペーストをスクリーン印刷することによって同時に形成する。
【0052】
次に
図14に示すように、上記配線側接点パターン51-3及び第1接点パターン61-3の上面全体と、配線パターン31-3の一部を覆うように、基板10-3上に感圧抵抗体71-3を、カーボンペーストをスクリーン印刷することによって形成する。
【0053】
次に、
図11に示すように、上記感圧抵抗体71-3の上面に、1つの第2接点パターン81-3と配線側接点パターン41-3とこの配線側接点パターン41-3に接続する配線パターン21-3を、導電ペーストをスクリーン印刷することによって形成する。
【0054】
このとき第1接点パターン61-3の一方のパターン部E1は感圧抵抗体71-3を介して配線側接点パターン41-3に対向し、第1接点パターン61-3のもう一方のパターン部E1は感圧抵抗体71-3を介して第2接点パターン81-3の一方のパターン部H1に対向し、第2接点パターン81-3のもう一方のパターン部H1は感圧抵抗体71-3を介して配線側接点パターン51-3に対向している。またこのとき、配線側接点パターン41-3に接続された配線パターン21-3は、感圧抵抗体71-3の上面を通過した後、基板10-3上に至って引き出されている。
【0055】
以上のように構成された感圧センサ1-3は、一対の配線パターン21-3,31-3間に電圧を印可した場合、
図12に示すように、配線パターン21-3⇔配線側接点パターン41-3⇔感圧抵抗体71-3⇔第1接点パターン61-3⇔感圧抵抗体71-3⇔第2接点パターン81-3⇔感圧抵抗体71-3⇔配線側接点パターン51-3⇔配線パターン31-3の経路で電流が流れる。
【0056】
つまり、一対の配線パターン21-3,31-3間の抵抗値は、配線側接点パターン41-3,51-3と第1接点パターン61-3と第2接点パターン81-3の抵抗値がゼロと仮定して、感圧抵抗体71-3の厚み分の抵抗値R[Ω]の3倍の3R[Ω]の抵抗値となる。この実施形態のように、感圧抵抗体71-3の厚み分の抵抗値R[Ω]の奇数倍の抵抗値が必要な場合は、一対の配線側接点パターン41-3、51-3の内の一方を感圧抵抗体71-3の基板10-3側、他方を感圧抵抗体71-3の表面側に配置する構成とすればよい。
【0057】
そして基板10-3を図示しない基台上に載置し、第2接点パターン81-3と配線側接点パターン41-3全体をその上側から押圧体によって押圧すると、感圧抵抗体71-3が厚み方向に圧縮され、感圧抵抗体71-3中のカーボン粉間の接触面積が増大し、パターン部E1,H1同士の対向部分及びパターン部E1と配線側接点パターン41-3の対向部分及びパターン部H1と配線側接点パターン51-3の対向部分の抵抗値が何れも小さくなる。一方、前記押圧を解除していけば、感圧抵抗体71-3の厚みがその弾性復帰力によって元の厚みに戻ってゆき、抵抗値は大きくなっていく。これによって押圧力に応じた異なる出力が得られ、当該押圧力の大きさを検知することができる。
【0058】
感圧センサ1-3の場合、第1,第2接点パターン61-3,81-3と一対の配線側接点パターン41-3,51-3間の感圧抵抗体71-3を介しての電気的接続を、感圧抵抗体71-3を介して重ね合わせた円形のパターン部E1,H1と円形の配線側接点パターン41-3,51-3の部分において行っており、上記感圧センサ1-1,1-2のように交差させたパターンの交差部分で電気的接続を行う構成と比較して印刷ずれによる抵抗値の変動が生じる虞はあるが、他方で、パターン形成面積の小型化(コンパクト化)は行い易く、言い換えれば同じパターン形成面積であれば高抵抗化を図り易いという利点がある。なおパターン部E1,H1や配線側接点パターン41-3,51-3が円形以外の各種形状であっても良いことはいうまでもない。
【0059】
また上記第2実施形態と同様に、第1接点パターン61-3と第2接点パターン81-3の本数を増やして両者を感圧抵抗体71-3を介して電気的に接続していくことで、抵抗値を必要に応じて高くしていくこともできる。
【0060】
ところで、上記第1,第2実施形態では、基板10(10-2)上に、配線側接点パターン41,51(41-2,51-2)と、第1接点パターン61(61-2)とを形成し、その上に感圧抵抗体71(71-2)と第2の接点パターン81(81-2)を形成することで感圧センサ1-1(1-2)を構成したが、これらを上下反対に、基板10(10-2)上に、第2の接点パターン81(81-2)を形成し、その上に感圧抵抗体71(71-2)を形成し、その上に配線側接点パターン41,51(41-2,51-2)と、第1接点パターン61(61-2)とを形成することで感圧センサを構成しても良い。この場合は、配線側接点パターン41,51(41-2,51-2)は感圧抵抗体71(71-2)の上面からその外周を越えて基板10(10-2)上に引き出される。上記第3実施形態においても同様に、基板10-3上に、配線側接点パターン41-3と第2の接点パターン81-3を形成し、その上に感圧抵抗体71-3を形成し、その上に配線側接点パターン51-3と第1接点パターン61-3とを形成することで感圧センサを構成しても良い。
【0061】
以上説明したように、感圧センサ1-1(1-2,1-3)は、押圧力に応じて厚み方向の抵抗値が変化する感圧抵抗体71(71-2,71-3)を基板10(10-2,10-3)上に配置し、当該感圧抵抗体71(71-2,71-3)の表裏面何れかに、配線側接点パターン41,51(41-2,51-2,41-3,51-3)と、前記何れの配線側接点パターン41,51(41-2,51-2,41-3,51-3)にも接続しない独立した1又は複数の第1接点パターン61(61-2,61-3)と、前記感圧抵抗体71(71-2,71-3)を介して前記配線側接点パターン41,51(41-2,51-2,51-3)に対向する部分と前記感圧抵抗体71(71-2,71-3)を介して前記第1接点パターン61(61-2,61-3)に対向する部分との間を連結し、さらに前記第1接点パターン61-2が複数ある場合は前記感圧抵抗体71-2を介して異なる第1接点パターン61-2にそれぞれ対向する部分の間を連結する第2接点パターン81(81-2,81-3)と、を形成することで、前記配線側接点パターン41,51(41-2,51-2,41-3,51-3)間を、前記第1接点パターン61(61-2,61-3)と前記第2接点パターン81(81-2,81-3)と前記感圧抵抗体71(71-2,71-3)の厚みとを介在して電気的に接続する構成としている。この感圧センサ1-1(1-2,1-3)によれば、1枚の基板10(10-2,10-3)上に各種パターンを形成することで感圧センサ1-1(1-2,1-3)を構成できるので、部品点数の削減と厚みの薄型化が図れ、また配線側接点パターン41,51(41-2,51-2,41-3,51-3)や第1接点パターン61(61-2,61-3)や感圧抵抗体71(71-2,71-3)や第2接点パターン81(81-2,81-3)間に組み立てによるずれが生じる虞もない。
【0062】
また従来のようにスペーサによる空間を設けないので、軽い力を印加するだけで抵抗値の変化が始まる。従って、軽い力で抵抗値の変化が始まって押圧力が大きくなるに伴ってさらに抵抗値が変化していく特性が要求される感圧センサ1-1(1-2,1-3)として用いて好適となる。
【0063】
またこの感圧センサ1-1(1-2,1-3)の電気回路は、感圧抵抗体71(71-2,71-3)(その厚み)による抵抗が直列に複数接続されている構造の電気回路になるので、容易に感圧抵抗体71(71-2,71-3)による抵抗値を高くすることができ、分解能の高い感圧センサとすることができる。
【0064】
以上本発明の実施形態を説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲、及び明細書と図面に記載された技術的思想の範囲内において種々の変形が可能である。なお直接明細書及び図面に記載がない何れの形状や構造や材質であっても、本願発明の作用・効果を奏する以上、本願発明の技術的思想の範囲内である。例えば、上記感圧センサ1-1によれば抵抗値が4倍になるように構成し、上記感圧センサ1-2によれば抵抗値が16倍になるように構成し、上記感圧センサ1-3によれば抵抗値が3倍になるように構成したが、第1接点パターン61,61-2,61-3や第2接点パターン81,81-2,81-3の本数を増減することで、容易に他の複数倍の抵抗値を得ることができる。
【0065】
また上記各実施形態では、感圧抵抗体を一対の配線側接点パターンと1又は複数の第1接点パターンと1又は複数の第2接点パターンの全体を囲む大きさに構成することで、感圧抵抗体の印刷位置がずれても抵抗値が変動しないように構成したが、本発明はこれに限られず、感圧抵抗体は、少なくとも、配線側接点パターンと第2接点パターンが対向する部分、及び第1接点パターンと第2接点パターンが対向する部分、及び場合によってはさらに配線側接点パターンと第1接点パターンが対向する部分の間に形成されていればよい。
【0066】
また上記基板、配線パターン、配線側接点パターン、第1接点パターン、感圧抵抗体、第2接点パターンの形状や配置位置に種々の変更が可能であることはいうまでもない。
【0067】
また上記各実施形態では、各種パターンや感圧抵抗体の形成にスクリーン印刷を用いたが、他の各種印刷方法(例えばオフセット印刷、インクジェット印刷)、さらには印刷以外の各種パターン形成方法(例えばエッチング方法)を用いて形成しても良い。また上記各実施形態では、基板としてフレキシブル基板を用いたが、硬質の基板を用いても良い。
【0068】
また配線側接点パターン及び配線パターンは3つ以上であっても良い。また第2接点パターンの上に別途絶縁層や絶縁フィルムを設置し、その上から押圧体によって押圧するように構成しても良い。
【0069】
また、上記記載及び各図で示した実施形態は、その目的及び構成等に矛盾がない限り、互いの記載内容を組み合わせることが可能である。また、上記記載及び各図の記載内容は、その一部であっても、それぞれ独立した実施形態になり得るものであり、本発明の実施形態は上記記載及び各図を組み合わせた一つの実施形態に限定されるものではない。
【符号の説明】
【0070】
1,1-2,1-3 感圧センサ
10,10-2,10-3 基板
21,21-2,21-3 配線パターン
31,31-2,31-3 配線パターン
41,41-2,41-3 配線側接点パターン
51,51-2,51-3 配線側接点パターン
61,61-2,61-3 第1接点パターン
71,71-2,71-3 感圧抵抗体
81,81-2,81-3 第2接点パターン