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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024061386
(43)【公開日】2024-05-07
(54)【発明の名称】硬貨処理装置
(51)【国際特許分類】
   G07D 9/00 20060101AFI20240425BHJP
   G07D 1/00 20060101ALI20240425BHJP
   B65B 11/56 20060101ALI20240425BHJP
   G07D 11/26 20190101ALI20240425BHJP
【FI】
G07D9/00 A
G07D1/00 401
B65B11/56 A
G07D11/26
【審査請求】未請求
【請求項の数】4
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022169300
(22)【出願日】2022-10-21
(71)【出願人】
【識別番号】000116079
【氏名又は名称】ローレルバンクマシン株式会社
(71)【出願人】
【識別番号】500267170
【氏名又は名称】ローレル機械株式会社
(71)【出願人】
【識別番号】500265501
【氏名又は名称】ローレル精機株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100141139
【弁理士】
【氏名又は名称】及川 周
(74)【代理人】
【識別番号】100161702
【弁理士】
【氏名又は名称】橋本 宏之
(74)【代理人】
【識別番号】100189348
【弁理士】
【氏名又は名称】古都 智
(72)【発明者】
【氏名】石井 亨紀
【テーマコード(参考)】
3E051
3E141
【Fターム(参考)】
3E051AA01
3E051AA03
3E051AB05
3E051AB09
3E051BA10
3E051CA01
3E051CB10
3E051HD07
3E051KA02
3E051KA07
3E051KB01
3E051LA04
3E051LB08
3E141AA08
3E141AA11
3E141EA06
3E141EA07
3E141GA06
3E141GB03
3E141LA34
(57)【要約】
【課題】包装紙が無くなる少し前に包装紙の交換の準備が行えるようにすることが可能となる硬貨処理装置を提供する。
【解決手段】包装紙Sのニアエンドを検知するニアエンド検知部123を有し、ニアエンド検知部123は、ベース部材151と、ベース部材151に設けられた回動軸152と、回動軸152を中心に回動可能に設けられた検知部材153と、検知部材153を回動付勢する回動付勢部材155と、検知部材153の回動を検知する検知センサ156とを有し、ベース部材151は、回動軸152がロール状の包装紙Sの半径方向に沿うと共に、検知部材153の回動時にロール状の包装紙Sの外周面と対向する検知部材153の対向部204が回動軸152に垂直状に広がる面内で移動するように、ベース部121に設けられる。
【選択図】図10
【特許請求の範囲】
【請求項1】
所定枚数集積されたバラ硬貨を包装紙で包装して棒金を作製する硬貨包装ユニットと、
前記硬貨包装ユニットに包装紙を供給する包装紙供給ユニットと、
を備え、
前記包装紙供給ユニットは、
ベース部と、
前記ベース部に回転可能に設けられ、着脱可能にロール状の包装紙が取り付けられる支持部と、
前記ベース部に設けられ、前記支持部に取り付けられた包装紙のニアエンドを検知するニアエンド検知部と、
を有し、
前記ニアエンド検知部は、
ベース部材と、
前記ベース部材に設けられた回動軸と、
前記回動軸を中心に回動可能に設けられた検知部材と、
前記検知部材を回動付勢する回動付勢部材と、
前記検知部材の回動を検知する検知センサと、
を有し、
前記ベース部材は、前記回動軸が前記ロール状の包装紙の半径方向に沿うと共に、前記検知部材の回動時に前記ロール状の包装紙の外周面と対向する前記検知部材の対向部が前記回動軸に垂直状に広がる面内で移動するように、前記ベース部に設けられる
ことを特徴とする硬貨処理装置。
【請求項2】
前記ベース部材には、前記検知部材が前記回動軸の軸方向に沿って移動可能に設けられると共に、前記検知部材を前記ロール状の包装紙の半径方向内方に移動付勢する移動付勢部材が設けられている
ことを特徴とする請求項1に記載の硬貨処理装置。
【請求項3】
前記検知部材の前記ロール状の包装紙の半径方向内方への移動限度を規制して、前記検知部材の前記検知センサとの干渉を規制する内方ストッパ部、及び、前記検知部材の前記ロール状の包装紙の半径方向外方への移動限度を規制して、前記検知部材の前記検知センサとの干渉を規制する外方ストッパ部の少なくとも一方を有する
ことを特徴とする請求項2に記載の硬貨処理装置。
【請求項4】
前記ベース部材を、前記ベース部に対して前記回動軸の軸方向に沿って位置調整可能とする位置調整部を有する
ことを特徴とする請求項1乃至3のいずれか一項に記載の硬貨処理装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、硬貨を処理する硬貨処理装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、バラ硬貨の入出金処理、包装硬貨いわゆる棒金の作製処理、及び、棒金の入出金処理が可能な硬貨処理装置がある(例えば、特許文献1参照)。
このような従来の硬貨処理装置は、包装部の硬貨集積包装ユニットがバラ硬貨を所定枚数集積させた集積硬貨を包装紙供給ユニットから供給された包装紙で包装することで棒金を作製する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2019-106124号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
包装紙供給ユニットに設けられたロール状の包装紙が無くなってから包装紙の交換の準備を行うのでは作業効率が悪い。このため、包装紙が無くなる少し前に包装紙の交換の準備が行えるようにすることが望まれている。
【0005】
本発明は、包装紙が無くなる少し前に包装紙の交換の準備が行えるようにすることが可能となる硬貨処理装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明に係る一の態様は、所定枚数集積されたバラ硬貨を包装紙で包装して棒金を作製する硬貨包装ユニットと、前記硬貨包装ユニットに包装紙を供給する包装紙供給ユニットと、を備え、前記包装紙供給ユニットは、ベース部と、前記ベース部に回転可能に設けられ、着脱可能にロール状の包装紙が取り付けられる支持部と、前記ベース部に設けられ、前記支持部に取り付けられた包装紙のニアエンドを検知するニアエンド検知部と、を有し、前記ニアエンド検知部は、ベース部材と、前記ベース部材に設けられた回動軸と、前記回動軸を中心に回動可能に設けられた検知部材と、前記検知部材を回動付勢する回動付勢部材と、前記検知部材の回動を検知する検知センサと、を有し、前記ベース部材は、前記回動軸が前記ロール状の包装紙の半径方向に沿うと共に、前記検知部材の回動時に前記ロール状の包装紙の外周面と対向する前記検知部材の対向部が前記回動軸に垂直状に広がる面内で移動するように、前記ベース部に設けられることを特徴とする。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、包装紙が無くなる少し前に包装紙の交換の準備が行えるようにすることが可能となる硬貨処理装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】本発明に係る一実施形態の硬貨処理装置を示す斜視図である。
図2】本発明に係る一実施形態の硬貨処理装置を概略的に示す構成図である。
図3】本発明に係る一実施形態の硬貨処理装置の包装紙供給ユニットを示す斜視図である。
図4】本発明に係る一実施形態の硬貨処理装置の検知部材が回動状態且つ第1移動規制状態にあるニアエンド検知部を示す斜視図である。
図5】本発明に係る一実施形態の硬貨処理装置のニアエンド検知部を示す分解斜視図である。
図6】本発明に係る一実施形態の硬貨処理装置の検知部材が回動状態且つ第1移動規制状態にあるニアエンド検知部を示す断面図である。
図7】本発明に係る一実施形態の硬貨処理装置の検知部材が回動規制状態且つ第1移動規制状態にあるニアエンド検知部を示す斜視図である。
図8】本発明に係る一実施形態の硬貨処理装置の包装紙供給ユニットに、包装紙がニアエンドよりも多い包装紙ロールがセットされた状態を示す断面図である。
図9】本発明に係る一実施形態の硬貨処理装置の包装紙供給ユニットに、包装紙がニアエンドよりも多い包装紙ロールがセットされた状態を示す斜視図である。
図10】本発明に係る一実施形態の硬貨処理装置の包装紙供給ユニットにセットされた包装紙ロールがニアエンドになった状態を示す断面図である。
図11】本発明に係る一実施形態の硬貨処理装置の包装紙供給ユニットにセットされた包装紙ロールがニアエンドになった状態を示す斜視図である。
図12】本発明に係る一実施形態の硬貨処理装置のニアエンド検知部が包装紙ロールの半径方向における内側に取り付けられた状態を示す斜視図である。
図13】本発明に係る一実施形態の硬貨処理装置のニアエンド検知部が包装紙ロールの半径方向における外側に取り付けられた状態を示す斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
本発明に係る一実施形態の硬貨処理装置を図面を参照して以下に説明する。本実施形態の硬貨処理装置10は、バラ硬貨に関する処理を行うと共に、包装単位枚数のバラ硬貨を包装紙で包装して一体化した包装硬貨いわゆる棒金に関する処理を行うものである。以下の説明における「前」は硬貨処理装置10の操作者側、「後」は硬貨処理装置10の操作者とは反対側、「左」は硬貨処理装置10の操作者から見て左、「右」は硬貨処理装置10の操作者から見て右である。
【0010】
図1に示すように、硬貨処理装置10は、その筐体15の上面に、入金処理時に装置外からバラ硬貨が投入されるバラ硬貨入金部21が設けられている。
【0011】
また、硬貨処理装置10は、その筐体15の前面に、入金リジェクト部22と、返却部23と、バラ出金部24と、計数排出部25とが設けられている。
【0012】
入金リジェクト部22は、入金処理時にバラ硬貨入金部21に投入されたバラ硬貨のうち受け入れ不可と識別されたリジェクト硬貨を装置外に取り出し可能に収納する。
返却部23は、入金処理時にバラ硬貨入金部21に投入されたバラ硬貨のうち受け入れ可能と識別されたバラ硬貨を識別及び計数後にキャンセル操作の入力で装置外に取り出し可能に収納する。
【0013】
バラ出金部24は、装置内に収納したバラ硬貨を出金処理時に装置外に取り出し可能に収納する。
計数排出部25は、計数処理時にバラ硬貨入金部21に投入されたバラ硬貨のうち受け入れ可能と識別されたバラ硬貨を識別及び計数後に計数シュートを介して装置外に取り出し可能に収納する。
【0014】
また、硬貨処理装置10は、その筐体15の前面に、棒金出金部31と、棒金装填部32と、棒金一括出金部33と、棒金放出部34と、クリアボックス部35と、棒金出金リジェクト部36とを有している。
【0015】
棒金出金部31は、装置内に収納した棒金を出金処理時に装置外に取り出し可能に出金する。
棒金装填部32は、補充処理時に装置外から補充用の棒金が投入される。
棒金一括出金部33は、装置内に収納した棒金を出金処理時に装置外に複数一括して取り出し可能に出金する。
【0016】
棒金放出部34は、ローカル整理処理時にバラ硬貨入金部21に投入されたバラ硬貨で作製された棒金を装置外に取り出し可能に出金する。
クリアボックス部35は、装置内でバラ硬貨から棒金を作製する際に生じた包装単位枚数に満たないバラ硬貨を装置外に取り出し可能に出金する。
棒金出金リジェクト部36は、出金処理時に棒金を出金する際に出金不可と識別された棒金を装置外に取り出し可能に収納すると共に、装置内に収納しているバラ硬貨を回収する際に装置外に取り出し可能に収納する。
【0017】
図2に示すように、硬貨処理装置10は、筐体15内に設けられて何れも硬貨であるバラ硬貨及び棒金を処理する硬貨処理部61を有している。硬貨処理部61は、入金計数部62と、一時貯留部63と、バラ繰出収納部64と、出金搬送部65と、精査搬送部66とを有している。
【0018】
入金計数部62は、バラ硬貨入金部21に投入されたバラ硬貨を識別し、受け入れ不可と識別したバラ硬貨を入金リジェクト部22に搬送する一方、受け入れ可能と識別したバラ硬貨を計数すると共に計数排出部25、一時貯留部63及び後述する包装硬貨計数部70の何れか一つに選択的に搬送する。
【0019】
一時貯留部63は、入金計数部62で受け入れ可能と識別され計数されたバラ硬貨を一時貯留すると共に、一時貯留しているバラ硬貨を返却部23及びバラ繰出収納部64の何れか一方に選択的に搬送する。一時貯留部63は、入金計数部62で受け入れ可能と識別され計数されたバラ硬貨を汚損硬貨と還流硬貨とに分類し還流硬貨については更に金種別に分類してそれぞれ一時貯留する。
【0020】
バラ繰出収納部64は、一時貯留部63から搬送されたバラ硬貨を金種別に収納すると共に、収納しているバラ硬貨を繰り出す。バラ繰出収納部64は、汚損庫67と、還流庫68とを有している。汚損庫67は、一時貯留部63に一時貯留された汚損硬貨を収納する。還流庫68は、一時貯留部63に金種別に一時貯留された還流硬貨を金種別に分類して収納する。
【0021】
出金搬送部65は、バラ繰出収納部64から繰り出されたバラ硬貨をバラ出金部24、精査搬送部66及び後述する包装硬貨計数部70の何れか一つに選択的に搬送する。
【0022】
精査搬送部66は、バラ繰出収納部64から繰り出され出金搬送部65で搬送されてきたバラ硬貨をバラ繰出収納部64に搬送する。
【0023】
また、硬貨処理部61は、包装硬貨計数部70と、硬貨集積包装部71と、棒金振分部72と、棒金搬送部73と、棒金収納部74とを有している。
【0024】
包装硬貨計数部70は、入金計数部62から搬送されてきたバラ硬貨及びバラ繰出収納部64から繰り出され出金搬送部65で搬送されてきたバラ硬貨を識別しつつ計数する。
【0025】
硬貨集積包装部71は、包装硬貨計数部70で識別され計数されたバラ硬貨を所定の結束単位枚数(例えば100枚)集積させ、集積された集積硬貨の周囲に合成樹脂製或いは紙製の包装紙を巻き付けると共に、包装紙の両端部を加締めて棒金を作製する。
【0026】
棒金振分部72は、硬貨集積包装部71で作製された棒金を棒金搬送部73に搬送すると共に、バラ繰出収納部64から繰り出され出金搬送部65で搬送されて包装硬貨計数部70を通過したバラ硬貨及び後述する棒金搬送部73で搬送されてきた棒金を棒金出金リジェクト部36に搬送し、更に、硬貨集積包装部71で棒金を作製する際に生じた包装単位枚数に満たないバラ硬貨をクリアボックス部35に搬送する。
【0027】
棒金搬送部73は、棒金を棒金出金部31、棒金一括出金部33、棒金放出部34、棒金振分部72及び棒金収納部74の何れか一つに選択的に搬送すると共に、棒金装填部32から投入された棒金を搬送する。
【0028】
棒金収納部74は、棒金搬送部73で搬送されてきた棒金を金種別に収納すると共に、収納している棒金を棒金搬送部73に繰り出す。棒金収納部74から繰り出された棒金は、棒金搬送部73によって、棒金出金部31、棒金一括出金部33、棒金放出部34及び棒金振分部72の何れか一つに選択的に搬送される。
【0029】
硬貨処理装置10は、筐体15内に、各部に電源を供給する電源部77と、各部を制御する制御部78とを有している。
【0030】
硬貨集積包装部71は、バラ硬貨を所定の結束単位枚数集積させ、集積されたバラ硬貨を包装紙Sで包装して棒金を作製する硬貨包装ユニット81と、ロール状の包装紙Sである包装紙ロールRが着脱可能に取り付けられると共に包装紙ロールRの包装紙Sを硬貨包装ユニット81に供給する包装紙供給ユニット82とを備えている。包装紙ロールRは円筒状の芯部材rの周囲に包装紙Sが巻き付けられて構成されている。
【0031】
硬貨包装ユニット81は、包装硬貨計数部70で識別され計数されたバラ硬貨を複数の包装ローラ間に上下方向に所定の結束単位枚数(例えば100枚)集積させて集積硬貨を作成し、作成した集積硬貨の周囲に包装紙供給ユニット82から供給された包装紙Sを巻き付けると共に、包装紙の両端部を加締爪によって加締めて棒金を作製する。
【0032】
包装紙供給ユニット82は、図3に示すように、ベース部121と、支持部122と、ニアエンド検知部123と、エンド検知部124と、紙送り部125とを有している。
【0033】
ベース部121は、水平方向に広がる平板状の載置板131を有している。載置板131には、ニアエンド検知部123が出没するニアエンド検知用穴部132と、エンド検知部124が出没するエンド検知用穴部133とが設けられている。ニアエンド検知用穴部132及びエンド検知用穴部133は、何れも載置板131を上下方向、即ち載置板131の厚さ方向に貫通している。
【0034】
支持部122は、ベース部121に回転可能に設けられている。支持部122は、載置板131の上側に、支持軸141と、主体部142と、押圧部143とを有している。
【0035】
支持軸141は、円柱状であって載置板131に垂直に立てられている。
主体部142は、支持軸141の外周面を覆う円筒状であり、支持軸141に支持軸141を中心に回転可能となるように支持されている。主体部142は、支持軸141と中心軸線を一致させている。
【0036】
押圧部143は、主体部142に支持されており、主体部142の外周面から径方向に突出している。押圧部143は、主体部142に対して主体部142の半径方向に移動可能であり、これにより、主体部142の外周面に対して半径方向に前進及び後退可能となっている。押圧部143は、図示略の付勢部によって主体部142の外周面から突出する方向に付勢されている。支持部122は、押圧部143を、主体部142の周方向に等間隔で3箇所有している。
【0037】
紙送り部125は、載置板131の上側に垂直に立てられて支持部122と並んで設けられている。紙送り部125は、紙送りローラを紙送りモータによって一定速度で回転駆動させることで、その回転量に応じた長さだけ包装紙Sを包装紙ロールRから引き出すと共に、カッタによって包装紙Sを切断して、所定の長さの包装紙Sを硬貨包装ユニット81に向けて供給する。
【0038】
ここで、包装紙供給ユニット82は、載置板131の広がる方向において、支持部122の紙送り部125とは反対側にニアエンド検知用穴部132が配置されており、支持部122と紙送り部125との間にエンド検知用穴部133が配置されている。
【0039】
ニアエンド検知部123は、ベース部121に設けられている。図4に示すように、ニアエンド検知部123は、ベース部材151と、回動軸152と、検知部材153と、移動付勢部材154と、回動付勢部材155と、検知センサ156とを有している。ニアエンド検知部123は、図5に示すように、一対のEリング161と、ワッシャ162(内方ストッパ部)とを有している。
【0040】
ベース部材151は、一枚の板材が折り曲げ加工されることによって形成されている。ベース部材151は、取付部171と、第1軸支持部172(内方ストッパ部)と、第2軸支持部173と、回動ストッパ部174と、センサ支持部175と、係合部176とを有している。
【0041】
取付部171は、全体が平板状である。取付部171は、略矩形状の主板部181と、主板部181の長さ方向の中間部から主板部181の長さ方向に対し直交する方向に突出する突出板部182と、主板部181の突出板部182とは反対側の部分から主板部181の長さ方向に沿って一側に延出する延出板部183とを有している。
【0042】
主板部181には、第1ガイド長穴186、第2ガイド長穴187及び第3ガイド長穴188が、何れも主板部181を主板部181の厚さ方向に貫通して形成されている。第1ガイド長穴186、第2ガイド長穴187及び第3ガイド長穴188は、何れも主板部181の長さ方向に延びる長穴である。
【0043】
第1ガイド長穴186及び第2ガイド長穴187は、主板部181の長さ方向に対し直交する方向における突出板部182と延出板部183との間の位置に配置されており、この方向の位置を互いに合わせて主板部181の長さ方向に並んでいる。第1ガイド長穴186は、主板部181の長さ方向において、第2ガイド長穴187よりも延出板部183側に配置されている。
【0044】
第3ガイド長穴188は、主板部181の長さ方向に対し直交する方向において、第1ガイド長穴186及び第2ガイド長穴187よりも、突出板部182とは反対側に設けられており、この方向の位置を延出板部183と重ね合わせている。
【0045】
第1軸支持部172及び第2軸支持部173は、何れも平板状であり、何れも主板部181の長さ方向に対し直交する方向における突出板部182と延出板部183との間位置に設けられている。第1軸支持部172は主板部181の長さ方向における延出板部183側の一端から、第2軸支持部173は主板部181の長さ方向における延出板部183とは反対側の他端から、それぞれ主板部181の厚さ方向に沿って一側に延出している。第1軸支持部172及び第2軸支持部173は、何れも主板部181の長さ方向に対し垂直に広がっており、互いに平行に広がっている。第1軸支持部172及び第2軸支持部173は、主板部181の長さ方向に対し直交する方向における位置を、第1ガイド長穴186及び第2ガイド長穴187と重ね合わせている。第1軸支持部172及び第2軸支持部173は、第1ガイド長穴186及び第2ガイド長穴187の長さ方向に対して垂直に広がっている。
【0046】
回動ストッパ部174は、平板状であり、突出板部182の主板部181とは反対側の端縁部から主板部181の厚さ方向に沿って第1軸支持部172及び第2軸支持部173と同側に延出している。回動ストッパ部174は、主板部181に対し垂直に延出している。回動ストッパ部174は、第1軸支持部172及び第2軸支持部173に対して垂直に広がっている。
【0047】
センサ支持部175は、全体が平板状である。センサ支持部175は、主板部181の長さ方向に対し直交する方向における主板部181及び延出板部183の回動ストッパ部174とは反対側の端縁部から主板部181の厚さ方向に沿って回動ストッパ部174と同側に延出している。センサ支持部175は、主板部181に対し垂直に延出しており、回動ストッパ部174と平行に広がっている。センサ支持部175は、図6に示すように、基板部190と、支持板部191と、移動ストッパ部192(外方ストッパ部)とを有している。
【0048】
図5に示すように、基板部190は、主板部181の長さ方向に対し直交する方向における主板部181及び延出板部183の回動ストッパ部174とは反対側の端縁部から主板部181の厚さ方向に沿って回動ストッパ部174と同側に延出している。
【0049】
支持板部191は、基板部190の延出板部183側の端部から、延出板部183の厚さ方向に沿って延出板部183とは反対側に延出すると共に、延出板部183の長さ方向に沿って主板部181とは反対側に広がっている。支持板部191には、センサ取付穴194が形成されている。センサ取付穴194は、支持板部191を支持板部191の厚さ方向に貫通している。
【0050】
移動ストッパ部192は、図6に示すように、基板部190の主板部181の長さ方向における第2軸支持部173側であって主板部181の厚さ方向における主板部181とは反対側の端部から、主板部181とは反対方向に突出している。
【0051】
図5に示すように、係合部176は、平板状であり、円弧状をなしている。係合部176は、延出板部183の長さ方向における支持板部191の主板部181側の端縁部から、センサ支持部175と同一平面をなすように形成されている。係合部176は、支持板部191の、この端縁部から延出板部183の長さ方向における主板部181側に突出した後、延出板部183から延出板部183の厚さ方向に離れるように、湾曲しつつ延出している。
【0052】
図4に示すように、回動軸152は、ベース部材151に設けられており、ベース部材151の第1軸支持部172及び第2軸支持部173に回動可能に支持されている。回動軸152は、第1軸支持部172及び第2軸支持部173に対し垂直に延びており、第1ガイド長穴186、第2ガイド長穴187及び第3ガイド長穴188の延びる方向に平行である。図6に示すように、回動軸152は、回動軸152の軸方向において第1軸支持部172及び第2軸支持部173よりも突出する両端部に形成された取付溝195にそれぞれEリング161が取り付けられており、これにより、第1軸支持部172及び第2軸支持部173に対する回動軸152の軸方向移動限度が規制される。
【0053】
図5に示すように、検知部材153は、一枚の板材が折り曲げ加工されることによって形成されている。検知部材153は、基体部201と、第1軸連結部202と、第2軸連結部203と、対向部204と、当接部205と、先端片部206と、中間立設部207と、延出部208と、検知片部209とを有している。
【0054】
基体部201は、全体が平板状である。基体部201は、略矩形状の基板部211と、基板部211の長さ方向の中間部から基板部211の長さ方向に対し直交する方向に突出する中間板部212と、中間板部212の基板部211とは反対側から基板部211の長さ方向に沿って一側に延出する先板部213とを有している。
【0055】
第1軸連結部202及び第2軸連結部203は、何れも平板状である。第1軸連結部202は基板部211の長さ方向の一端から、第2軸連結部203は基板部211の長さ方向の他端から、それぞれ基板部211の厚さ方向に沿って一側に延出している。第1軸連結部202及び第2軸連結部203、何れも基板部211に対し垂直に延出しており、互いに平行に広がっている。第1軸連結部202及び第2軸連結部203間の長さは、第1軸支持部172及び第2軸支持部173間の長さよりも短い。基板部211の長さ方向において、第1軸連結部202は、第2軸連結部203よりも先板部213とは反対側に配置されている。
【0056】
対向部204は、平板状であって、矩形状である。対向部204は、先板部213の中間板部212とは反対側の端縁部から基体部201の厚さ方向に沿って第1軸連結部202及び第2軸連結部203と同側に延出している。対向部204は、基体部201に対し垂直に延出しており、第1軸連結部202及び第2軸連結部203と平行に広がっている。ここで、対向部204は、基板部211の長さ方向において、第1軸連結部202よりも第2軸連結部203側に配置されている。
【0057】
当接部205は、平板状であって、矩形状である。当接部205は、基体部201の厚さ方向における対向部204の基体部201とは反対側の端縁部から対向部204の厚さ方向において基体部201とは反対側に延出している。当接部205は、対向部204に対し垂直に延出しており、基体部201と平行に広がっている。
【0058】
先端片部206は、平板状であって、矩形状である。先端片部206は、対向部204の厚さ方向における当接部205の対向部204とは反対側の端縁部から当接部205の厚さ方向において基体部201側に延出している。先端片部206は、当接部205に対し鈍角をなしており、当接部205との境界線が、対向部204と当接部205との境界線と平行となっている。
【0059】
中間立設部207は、平板状であって、矩形状である。中間立設部207は、基板部211の中間板部212とは反対側の端縁部から基体部201の厚さ方向に沿って第1軸連結部202及び第2軸連結部203と同側に延出している。中間立設部207は、基体部201に対し垂直に延出しており、第1軸連結部202及び第2軸連結部203に対し垂直に広がっている。
【0060】
延出部208は、全体が平板状である。延出部208は、基体部201の厚さ方向における中間立設部207の基体部201とは反対側の端縁部から延びている。延出部208は、基体部201に平行に広がっている。延出部208は、基側板部221と、先側板部222とを有している。基側板部221は、基体部201の厚さ方向における中間立設部207の基体部201とは反対側の端縁部から中間立設部207の厚さ方向における基体部201とは反対側に延出している。先側板部222は、中間立設部207の厚さ方向における基側板部221の中間立設部207とは反対側から基板部211の長さ方向に沿って一側に延出している。先側板部222は、基側板部221から、基板部211の長さ方向において先板部213とは反対側に延出している。先側板部222には、その基側板部221側に係合穴223が形成されている。係合穴223は、先側板部222を先側板部222の厚さ方向に貫通している。
【0061】
検知片部209は、平板状であって、先側板部222の基側板部221とは反対側の端縁部から延出部208の厚さ方向に沿って中間立設部207と同側に突出している。検知片部209は、延出部208に対し垂直に突出しており、第1軸連結部202及び第2軸連結部203に対し平行に広がっている。
【0062】
図6に示すように、検知部材153は、第1軸連結部202及び第2軸連結部203が、第1軸支持部172と第2軸支持部173との間に配置されて回動軸152に回動可能に支持される。その際に、コイル状の圧縮バネである移動付勢部材154が、内側に回動軸152を挿通させた状態で、第2軸支持部173と第2軸連結部203との間に縮長状態で配置される。また、その際に、円板状のワッシャ162が、内側に回動軸152を挿通させた状態で、第1軸支持部172と第1軸連結部202との間に配置される。そして、図4に示すように、検知部材153の係合穴223と、ベース部材151の係合部176との間に、検知部材153を回動付勢する引っ張りバネである回動付勢部材155が介装される。検知部材153は、回動軸152を中心に回動可能に設けられている。
【0063】
回動軸152に支持された状態で、検知部材153は、基体部201が、回動軸152から回動軸152の半径方向において取付部171の突出板部182と同側に延出し、回動ストッパ部174に対向するように配置される。検知部材153は、回動付勢部材155の付勢力によって、図4に示す状態から図7に示すように基体部201を回動ストッパ部174に近づける第1の方向に回動することになり、図7に示すように基体部201を回動ストッパ部174に当接させることで、それ以上の回動が規制される回動規制状態になる。検知部材153は、回動付勢部材155の付勢力に抗して図7に示す回動規制状態から図4に示すように基体部201を回動ストッパ部174から離す第2の方向に回動して図4に示す回動状態になる。
【0064】
検知部材153は、回動軸152に回動軸152の軸方向に沿って移動可能に設けられている。図6に示すように、検知部材153は、その第2軸連結部203とベース部材151の第2軸支持部173との間に設けられた移動付勢部材154によって、第1軸連結部202と第1軸支持部172との間にワッシャ162を挟むように付勢される。移動付勢部材154は、検知部材153をベース部材151の第1軸支持部172に向けて付勢することで、回動軸152の軸方向に移動可能な検知部材153が回動軸152の軸方向にガタつくのを防止する。
【0065】
検知部材153は、移動付勢部材154の付勢力によって移動する際に、その第1軸連結部202をワッシャ162に当接させ、ワッシャ162をベース部材151の第1軸支持部172に当接させることで、それ以上に第1軸連結部202を第1軸支持部172に近づける方向の移動限度が規制される第1移動規制状態となる。検知部材153は、移動付勢部材154の付勢力に抗して移動する際に、その延出部208の基側板部221を、ベース部材151の移動ストッパ部192に当接させることで、それ以上に第2軸連結部203を第2軸支持部173に近づける方向の移動限度が規制される第2移動規制状態となる。検知部材153は、上記した回動規制状態から上記した回動状態までの全回動範囲で、常に第1移動規制状態と第2移動規制状態との範囲内で移動する。
【0066】
回動軸152に支持された状態で、検知部材153は、対向部204が回動軸152の中心軸線に対して垂直に広がっている。これにより、検知部材153の対向部204は、回動軸152を中心として、回動軸152に垂直状に広がる平面内で移動する。
【0067】
図4に示すように、検知センサ156は、ベース部材151のセンサ支持部175に取り付けられている。検知センサ156は、支持板部191のセンサ取付穴194に嵌合されている。検知センサ156は、第1検知部231及び第2検知部232を有している。第1検知部231及び第2検知部232は、何れもセンサ支持部175の厚さ方向において取付部171とは反対側に延出しており、延出板部183の延びる方向に並んでいる。延出板部183の延びる方向において、第2検知部232は第1検知部231よりも主板部181側にある。第1検知部231には、何れも図示略の発光素子及び受光素子のうちの一方が設けられており、第2検知部232には、これら発光素子及び受光素子のうちの他方が設けられている。発光素子は受光素子で受光される光路を形成する。
【0068】
検知部材153が回動することにより、検知片部209が、検知センサ156の第1検知部231及び第2検知部232の間位置に対して、図4に示すように退避したり、図7に示すように入り込んだりする。検知部材153は、図4に示す回動状態から第1の方向に回動して図7に示すように基体部201が回動ストッパ部174に当接する回動規制状態になると、第1検知部231及び第2検知部232間の光路を検知片部209が遮光する。検知センサ156は、光路が遮断されることにより、検知部材153が回動規制状態になったことを検知する。
【0069】
また、検知部材153は、回動規制状態から回動付勢部材155の付勢力に抗して第2の方向に回動し、図4に示すように基体部201が回動ストッパ部174から離れる回動状態になると、第1検知部231及び第2検知部232間の光路を検知片部209が遮断しない。検知センサ156は、光路が遮断されない状態になることにより、検知部材153が回動状態になったことを検知する。このように、検知センサ156は検知部材153の回動を検知する。
【0070】
ここで、検知部材153は、回動軸152の軸方向に移動可能となっているが、図7に示すように、検知片部209が、第1検知部231及び第2検知部232の間にあっても、第1検知部231及び第2検知部232の何れにも接触しないように移動範囲が規定されている。即ち、検知部材153は、第1検知部231及び第2検知部232の間にある検知片部209が第1検知部231に近づく方向に移動すると、検知片部209が第1検知部231に当接する前に、図6に示すように第1軸連結部202がワッシャ162に当接し、ワッシャ162をベース部材151の第1軸支持部172に当接させた第1移動規制状態となって、それ以上に、図7に示す検知片部209が第1検知部231に近づく方向の移動限度が規制される。言い換えれば、ニアエンド検知部123は、検知部材153の第1検知部231に近づく方向の移動限度を規制して、検知片部209の第1検知部231との干渉を規制する図6に示すワッシャ162及び第1軸支持部172を有している。
【0071】
また、検知部材153は、図7に示すように第1検知部231及び第2検知部232の間にある検知片部209が第2検知部232に近づく方向に移動すると、検知片部209が第2検知部232に当接する前に、図6に示す基側板部221が移動ストッパ部192に当接する第2移動規制状態となって、それ以上に、図7に示す検知片部209が第2検知部232に近づく方向の移動限度が規制される。言い換えれば、ニアエンド検知部123は、検知部材153の第2検知部232に近づく方向の移動限度を規制して、検知片部209の第2検知部232との干渉を規制する図6に示す移動ストッパ部192を有している。
【0072】
図8に示すように、ベース部121は、載置板131の下面に取り付けられる介在部材235を有している。ニアエンド検知部123は、ベース部材151の取付部171において、載置板131の下面に介在部材235を介して取り付けられる。例えば、ニアエンド検知部123は、図示略の取付ネジによって介在部材235にネジ止めされる。図示略の取付ネジは、そのネジ軸部を取付部171の図7等に示す第1ガイド長穴186、第2ガイド長穴187及び第3ガイド長穴188にそれぞれ載置板131の下面側から挿通された後に、介在部材235のネジ穴に螺合される。これにより、図示略の取付ネジが、その頭部と図8に示す介在部材235との間に取付部171を挟持する。このようにして、ニアエンド検知部123は、介在部材235に取り付けられる。すると、ベース部材151の取付部171は、載置板131と平行に広がる状態となる。
【0073】
この状態で、ニアエンド検知部123は、回動軸152が支持部122の半径方向、即ち支持軸141及び主体部142の半径方向に沿う状態になる。具体的には、回動軸152が、支持部122の中心軸線側、即ち支持軸141及び主体部142の中心軸線側から、この中心軸線から離れる方向に支持部122の半径方向に沿って延びる状態になる。また、この状態で、ニアエンド検知部123は、検知部材153の対向部204及び先端片部206が、載置板131のニアエンド検知用穴部132内に配置される。
【0074】
検知部材153は、回動付勢部材155による付勢力で回動規制状態にあるとき、図10及び図11に示すように、対向部204、当接部205及び先端片部206が、ニアエンド検知用穴部132から載置板131の上面よりも上方に突出する。検知部材153は、回動規制状態にあるとき、対向部204が、支持部122の中心軸線側から支持部122の半径方向外方に延びる仮想直線上に配置されて、この仮想直線に垂直状に広がる。
【0075】
ニアエンド検知部123は、検知部材153が回動付勢部材155による付勢力に抗して第2の方向に回動して、図8及び図9に示すように、回動状態になると、対向部204、当接部205及び先端片部206が、載置板131のニアエンド検知用穴部132内で下方に移動して、当接部205の上面が載置板131の上面と面一状になる。検知部材153は、回動状態にあるときも、対向部204が、支持部122の中心軸線側から支持部122の半径方向外方に延びる仮想直線上に配置されて、この仮想直線に垂直状に広がる。
【0076】
言い換えれば、ニアエンド検知部123は、検知部材153の対向部204と、支持部122の中心軸線側とを結ぶ方向に沿って回動軸152が配置されている。
【0077】
また、ベース部材151の図4図7に示す第1ガイド長穴186、第2ガイド長穴187及び第3ガイド長穴188が、回動軸152の軸方向、即ち支持軸141及び主体部142の半径方向に沿って延びる長穴であるので、ベース部材151を、ベース部121に対して回動軸152の軸方向、即ち支持軸141及び主体部142の半径方向に沿って位置調整可能とする位置調整部241を構成している。
【0078】
ここで、図8及び図10に示す載置板131のニアエンド検知用穴部132は、図8及び図10に示すようにベース部材151が最も支持部122の中心軸線側にあり且つ検知部材153が最も支持部122の中心軸線側の第1移動規制状態にあっても、対向部204に、支持部122側の端縁部が当接せず、所定距離離れる大きさとなっている。また、載置板131のニアエンド検知用穴部132は、ベース部材151が最も支持部122の中心軸線とは反対側にあり且つ検知部材153が最も支持部122の中心軸線とは反対側の第2移動規制状態にあっても、先端片部206に、支持部122とは反対側の端縁部が当接せず、所定距離離れる大きさとなっている。
【0079】
図8及び図9に示すように、包装紙Sがニアエンドよりも多い状態、例えば新品状態の包装紙ロールRが内側に支持部122を嵌合させて載置板131の上面に載置される。支持部122には、着脱可能にロール状の包装紙Sである包装紙ロールRが取り付けられる。包装紙ロールRは、円筒状の芯部材rと、芯部材rの周囲に巻き付けられた帯状の包装紙Sとを有している。支持部122は、主体部142の外径が、芯部材rの内径よりも小径であり、主体部142に対して最大量突出している複数の押圧部143の外接円の径が、芯部材rの内径よりも大径となっている。
【0080】
包装紙ロールRは、芯部材rの内側に支持部122が嵌合されて載置板131に載置された状態で、支持部122に支持される。その際に、支持部122は、3箇所の押圧部143がそれぞれ図示略の付勢部の付勢力によって芯部材rに押し付けられる。3箇所の押圧部143が包装紙ロールRを半径方向に均等に押圧するため、包装紙ロールRの中心軸線と、支持部122の中心軸線とは同軸状に配置される。包装紙ロールRは、支持部122の主体部142及び3箇所の押圧部143と共に、支持軸141を中心に回転可能となっている。
【0081】
包装紙Sがニアエンドよりも多い状態で支持部122に取り付けられた包装紙ロールRは、包装紙Sの芯部材rに巻き付けられた部分において、ニアエンド検知部123の検知部材153の当接部205に上から当接して、当接部205を下方に押圧する。すると、それまで回動規制状態にあった検知部材153が、図8に示す回動付勢部材155の付勢力に抗してベース部材151に対し第2の方向に回動して、図8に示すように当接部205の上面を載置板131の上面の位置まで押し下げると共に、図4に示すように検知片部209を上方に移動させる回動状態になる。すると、検知センサ156が、検知部材153の検知片部209による光路の遮断が解除され、光路が遮断されない状態になる。これにより、制御部78は、図8及び図9に示すように、支持部122に、所定のニアエンドよりも多い包装紙Sを有する包装紙ロールRがセットされていると判定する。回動状態になると、ニアエンド検知部123は、対向部204が、包装紙ロールRの中心軸線側から支持部122の半径方向外方に延びる仮想直線上に配置されて、この仮想直線に垂直状に広がる。
【0082】
包装紙ロールRから引き出された包装紙Sは、紙送り部125に挿入された後、硬貨包装ユニット81の包装ローラの近傍まで延びている。
【0083】
図3に示す載置板131のエンド検知用穴部133は、その際の、包装紙ロールRと紙送り部125との間にある包装紙Sの経路上に設けられている。エンド検知部124は、エンド検知用穴部133内に配置されており、載置板131の上面よりも上方に突出する状態と、載置板131の上面と面一状になる状態とで昇降可能となっている。エンド検知部124は、包装紙ロールRから引き出された包装紙Sが、包装紙ロールRと紙送り部125との間にあれば、包装紙ロールRの包装紙Sの残量とは無関係に、包装紙Sによって下方に押圧されて載置板131の上面と面一状になり、これにより、制御部78が、包装紙供給ユニット82に包装紙Sがあることを検知する。エンド検知部124は、包装紙ロールRから包装紙Sが全て紙送り部125によって引き出されてエンド検知部124上になくなると、図示略の付勢手段の付勢力によって載置板131の上面よりも上方に突出する状態になり、これにより、制御部78が、包装紙供給ユニット82に包装紙Sがないことを検知する。
【0084】
図8及び図9に示すように支持部122に取り付けられた包装紙ロールRから包装紙Sが図3に示す紙送り部125で引き出されると、包装紙ロールRは半径が小さくなる。包装紙ロールRは、図10及び図11に示すように半径が所定値以下となり包装紙Sがニアエンドになると、検知部材153の当接部205を下方へ押圧できなくなる。すると、検知部材153は、回動付勢部材155の付勢力によってベース部材151に対し第1の方向に回動して、対向部204、当接部205及び先端片部206をニアエンド検知用穴部132から載置板131の上面よりも上側に突出させると共に、図7に示すように検知片部209を下方に移動させる回動規制状態になる。よって、検知センサ156が、検知部材153の検知片部209によって光路が遮断される状態になる。これにより、制御部78は、包装紙ロールRの包装紙Sがニアエンドになったと判定して、図示略の操作表示部等に、その旨を報知させる。すると、使用者は、次の包装紙ロールRを準備する。
【0085】
図10及び図11に示すようにベース部121に設けられたニアエンド検知部123が、このようにして支持部122に取り付けられた包装紙ロールRの包装紙Sのニアエンドを検知する。ニアエンド検知部123は、包装紙ロールRの包装紙Sの残量がニアエンドになると、上記のように検知部材153が回動して回動規制状態になる。すると、検知部材153は、対向部204が、包装紙ロールRの外周面と、包装紙ロールRの軸方向における位置を重ね合わせて包装紙ロールRの半径方向に対向する。回動規制状態にあるとき、ニアエンド検知部123は、対向部204が、包装紙ロールRの中心軸線側から支持部122の半径方向外方に延びる仮想直線上に配置されて、この仮想直線に垂直状に広がる。
【0086】
検知部材153の対向部204は、図8に示す回動状態と図10に示す回動規制状態との間で検知部材153が回動する際に、回動軸152に垂直状に広がる平面内で移動する。ニアエンド検知部123のベース部材151は、回動軸152が包装紙ロールRの半径方向に沿って、包装紙ロールRの中心軸線側から包装紙ロールRの半径方向外方に延びるように、ベース部121に設けられている。よって、検知部材153の対向部204は、図8に示す回動状態と図10に示す回動規制状態との間で検知部材153が回動する際に、包装紙ロールRの中心軸線側から支持部122の半径方向外方に延びる仮想直線に垂直に広がる平面内で移動する。
【0087】
ここで、図10に示すように包装紙ロールRがニアエンド状態になって検知部材153が回動規制状態になると、対向部204が包装紙ロールRの外周面と対向する状態になるが、包装紙ロールRは、外周面が偏心していると、その後の回転位置によっては、対向部204と対向する位置の半径が大きくなってしまう場合がある。ニアエンド検知部123は、ベース部材151に、検知部材153が回動軸152の軸方向に沿って移動可能に設けられている。言い換えれば、ニアエンド検知部123は、ベース部材151に、検知部材153が包装紙ロールRの半径方向に沿って移動可能に設けられている。そして、ニアエンド検知部123は、移動付勢部材154が、検知部材153を包装紙ロールRの半径方向内方に移動付勢している。このため、包装紙ロールRの対向部204と対向する位置の半径が大きくなった場合に、検知部材153は、対向部204が、包装紙ロールRの半径の拡大に追従して回動軸152上を移動付勢部材154の付勢力に抗して第2軸連結部203を第2軸支持部173に近づけるように包装紙ロールRの半径方向外方に移動する。これにより、包装紙ロールRに過度な負荷を与えることを抑制し、包装紙Sの破損や傷付きを抑制する。
【0088】
但し、ベース部材151に設けられた図6に示す移動ストッパ部192が、検知部材153の、図7に示す検知片部209を第2検知部232に近づける方向、即ち包装紙ロールRの半径方向外方への移動限度を規制して、検知部材153の検知センサ156との干渉を規制する。また、ベース部材151に図6に示す設けられたワッシャ162及び第2軸支持部173が、検知部材153の、図7に示す検知片部209を第1検知部231に近づける方向、即ち包装紙ロールRの半径方向内方への移動限度を規制して、検知部材153の検知センサ156との干渉を規制する。
【0089】
制御部78は、図3に示すエンド検知部124が、包装紙Sがないことを検知すると、包装紙ロールRがエンド状態になったと判定して、図示略の操作表示部等に、その旨を報知させる。
【0090】
ここで、図10に示すようにニアエンド検知部123がニアエンドを検知した時点で包装紙ロールRに残す包装紙Sの量を少なくしたい場合、使用者は、位置調整部241の図示略の取付ネジを緩め、ベース部材151を、第1ガイド長穴186、第2ガイド長穴187及び第3ガイド長穴188の範囲内で包装紙ロールRの半径方向における内側にずらして、図示略の取付ネジを締め付ける。すると、図12に示すように、回動規制状態にある検知部材153の対向部204が、ニアエンド検知用穴部132内で包装紙ロールRの半径方向における内側に位置する。また、ニアエンド検知部123がニアエンドを検知した時点で包装紙ロールRに残す包装紙Sの量を多くしたい場合、使用者は、位置調整部241の図示略の取付ネジを緩め、ベース部材151を、第1ガイド長穴186、第2ガイド長穴187及び第3ガイド長穴188の範囲内で包装紙ロールRの半径方向における外側にずらして、図示略の取付ネジを締め付ける。すると、図13に示すように、回動規制状態にある検知部材153の対向部204が、ニアエンド検知用穴部132内で包装紙ロールRの半径方向における外側に位置する。
【0091】
また、包装紙ロールRのメーカーによって包装紙ロールRの芯部材rの外径が異なる場合にも、使用者は、ベース部材151を、第1ガイド長穴186、第2ガイド長穴187及び第3ガイド長穴188の範囲内で包装紙ロールRの半径方向に移動させて、ニアエンド検知部123がニアエンドを検知したときに包装紙ロールRに残す包装紙Sの量を調整する。すなわち、ニアエンド状態で同様の量の包装紙Sを残す場合に、芯部材rの外径が小さい場合は、図12に示すように、回動規制状態にある検知部材153の対向部204をニアエンド検知用穴部132内で包装紙ロールRの半径方向における内側に位置させる。他方、芯部材rの外径が大きい場合は、図13に示すように、回動規制状態にある検知部材153の対向部204をニアエンド検知用穴部132内で包装紙ロールRの半径方向における外側に位置させる。
【0092】
本実施形態の硬貨処理装置10は、ベース部121に、支持部122に取り付けられた包装紙Sのニアエンドを検知するニアエンド検知部123が設けられているため、ニアエンドを検知した時点で報知を行うことで、包装紙Sが無くなる少し前のニアエンドの状態で包装紙Sの交換の準備が行えるようにすることが可能となる。
【0093】
また、硬貨処理装置10は、ニアエンド検知部123の回動軸152が包装紙ロールRの半径方向に沿うと共に、検知部材153の回動時に包装紙ロールRの外周面と対向する検知部材153の対向部204が回動軸152に垂直状に広がる面内で移動する。このため、硬貨処理装置10は、包装紙ロールRの半径が所定値以下になると、包装紙ロールRの軸方向に近い軌道で対向部204を移動させることができる。したがって、硬貨処理装置10は、ニアエンド検知部123でニアエンドを検知した際に包装紙ロールRに残る包装紙Sの量のばらつきを抑えることができる。
【0094】
また、硬貨処理装置10は、検知部材153が回動軸152の軸方向に沿って移動可能に設けられている。このため、ニアエンド状態の包装紙ロールRの外周面に偏心があった場合に、対向部204で包装紙ロールRに傷を付けてしまうこと等を抑制することができる。しかも、検知部材153を包装紙ロールRの半径方向内方に移動付勢する移動付勢部材154が設けられているため、検知部材153がガタついて異音等を発生させてしまうことを抑制することができる。
【0095】
また、硬貨処理装置10は、移動ストッパ部192が、検知部材153の包装紙ロールRの半径方向外方への移動限度を規制する。これにより、検知部材153の検知センサ156との干渉を規制することができるため、検知センサ156に生じる不具合を抑制することができる。
【0096】
また、硬貨処理装置10は、ワッシャ162及びベース部材151の第1軸支持部172が、検知部材153の包装紙ロールRの半径方向内方への移動限度を規制する。これにより、検知部材153の検知センサ156との干渉を規制することができるため、検知センサ156に生じる不具合を抑制することができる。
【0097】
また、硬貨処理装置10は、ニアエンド検知部123のベース部材151を、ベース部121に対して回動軸152の軸方向に沿って位置調整可能とする位置調整部241を有する。このため、ニアエンド検知時に包装紙ロールRに残す包装紙Sの量を調整することができ、包装紙ロールRの芯部材rの外径違い等にも対応できる。
【0098】
<変形例>
なお、硬貨処理装置10は、使用者がベース部121の位置調整部241によって手動でニアエンド検知部123の位置を調整することで、ニアエンドを報知した際に包装紙ロールRに残す包装紙Sの量を調整することに限定されるものではなく、自動的に行えるようにしても良い。例えば、ベース部121にベース部材151を移動させるベース駆動部をさらに備えるようにして、操作部の操作表示部等に、包装紙Sを製造したメーカー、包装紙Sの製品名及び包装紙Sのニアエンドを報知するニアエンド枚数(残り枚数、即ち包装可能本数)等が入力されると、制御部78は、これらの条件に適したニアエンド検知部123の位置を算出し、その位置にベース駆動部でニアエンド検知部123のベース部材151を移動させるようにしても良い。
【符号の説明】
【0099】
10…硬貨処理装置、81…硬貨包装ユニット、82…包装紙供給ユニット、121…ベース部、122…支持部、123…ニアエンド検知部、151…ベース部材、152…回動軸、153…検知部材、154…移動付勢部材、155…回動付勢部材、156…検知センサ、162…ワッシャ(内方ストッパ部)、172…第1軸支持部(内方ストッパ部)、177…移動ストッパ部(外方ストッパ部)、204…対向部、241…位置調整部、R…包装紙ロール(ロール状の包装紙)、S…包装紙。
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