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特開2024-6139誘導帯、誘導帯群、誘導システム、誘導方法及びプログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024006139
(43)【公開日】2024-01-17
(54)【発明の名称】誘導帯、誘導帯群、誘導システム、誘導方法及びプログラム
(51)【国際特許分類】
   G05D 1/43 20240101AFI20240110BHJP
【FI】
G05D1/02 E
【審査請求】未請求
【請求項の数】19
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022106754
(22)【出願日】2022-07-01
(71)【出願人】
【識別番号】000001443
【氏名又は名称】カシオ計算機株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001254
【氏名又は名称】弁理士法人光陽国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】山村 賢二
【テーマコード(参考)】
5H301
【Fターム(参考)】
5H301BB07
5H301EE08
5H301EE28
5H301FF16
(57)【要約】
【課題】被誘導体の装置構成を簡単にしつつ、被誘導体を容易に経路に沿って走行させることである。
【解決手段】誘導帯20は、被誘導体としての無人搬送車10が所定の経路C0に沿って移動するように無人搬送車10を誘導するための誘導帯である。誘導帯20は、経路C0に沿って連なるように配置された複数のサブパターン21を備える。複数のサブパターン21のそれぞれは、経路C0に直交する方向において一端側(-x方向側)から他端側(+x方向側)に向かって短くなる形状に形成されている。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
被誘導体が所定の経路に沿って移動するように前記被誘導体を誘導するための誘導帯であって、
前記経路に沿って連なるように配置された複数のサブパターンを備え、
前記複数のサブパターンのそれぞれは、前記経路に沿う方向の幅が前記経路に直交する方向において一端側から他端側に向かって短くなる形状に形成されている、
ことを特徴とする誘導帯。
【請求項2】
前記被誘導体は、前記誘導帯を光の出射及び反射光の受信により検出し、
前記誘導帯は、前記光を反射する表面を有する、
ことを特徴とする請求項1に記載の誘導帯。
【請求項3】
前記複数のサブパターンのそれぞれは、所定の順番のパターンの色が付されて前記経路に沿って配列されている、
ことを特徴とする請求項1又は2に記載の誘導帯。
【請求項4】
前記サブパターンは、前記経路に垂直な方向に沿って色が変化している、
ことを特徴とする請求項1又は2に記載の誘導帯。
【請求項5】
前記誘導帯は、前記被誘導体を停止させるための停止パターンを有する、
ことを特徴とする請求項1又は2に記載の誘導帯。
【請求項6】
前記経路は、曲線状であり、
前記複数のサブパターンは、前記経路上の前記被誘導体の横断時間が同じになるように配置されている、
ことを特徴とする請求項1又は2に記載の誘導帯。
【請求項7】
複数の前記被誘導体を並走させるための誘導帯群であって、
請求項1又は2に記載の誘導帯を複数備え、
前記複数の誘導帯は、並列に並べられている、
ことを特徴とする誘導帯群。
【請求項8】
前記複数の誘導帯のそれぞれは、同一の色が付されて前記経路に沿って配列された複数の前記サブパターンが配置され、
前記各誘導体のサブパターンの色は、互いに異なる、
ことを特徴とする請求項7に記載の誘導帯群。
【請求項9】
前記複数の誘導帯のそれぞれは、所定の順番の配列パターンの色が付されて前記経路に沿って配列された複数の前記サブパターンが配置され、
前記各誘導体の配列パターンは、互いに異なる、
ことを特徴とする請求項7に記載の誘導帯群。
【請求項10】
所定の誘導帯を検出することにより前記誘導帯に沿って被誘導体が移動する誘導システムであって、
前記誘導帯は、
経路に沿って連なるように配置された複数のサブパターンを備え、
前記複数のサブパターンのそれぞれは、前記経路に沿う方向の幅が前記経路に直交する方向において一端側から他端側に向かって短くなる形状に形成されており、
前記被誘導体は、
検出面が前記サブパターン及び前記サブパターンがない抜きパターンの少なくとも一方を横断する際の横断時間の長さを検出するセンサと、
前記センサにより検出される前記横断時間の長さに応じて、前記被誘導体の進行方向を制御する制御手段と、
を備える、
ことを特徴とする誘導システム。
【請求項11】
前記制御手段は、前記誘導帯の前記経路上の前記被誘導体の走行の基準となる横断時間の経時的なパターンである基準信号情報と、前記センサにより検出された検出信号とを比較し、比較結果に基づいて、前記被誘導体の進行方向を制御する、
ことを特徴とする請求項10に記載の誘導システム。
【請求項12】
前記センサは、前記誘導帯を光の出射及び反射光の受信により検出する光学センサであり、
前記誘導帯は、前記光を反射する表面を有する、
ことを特徴とする請求項10又は11に記載の誘導システム。
【請求項13】
前記センサは、前記進行方向に交わる方向の異なる位置に配置された第1のセンサ及び第2のセンサを有し、
前記制御手段は、前記第1のセンサにより検出される前記横断時間の開始時刻と、前記第2のセンサにより検出される前記横断時間の開始時刻と、の差分時間に基づいて、前記被誘導体の進行方向を制御する、
ことを特徴とする請求項10又は11に記載の誘導システム。
【請求項14】
前記複数のサブパターンのそれぞれは、所定の順番の配列パターンの色が付されて前記経路に沿って配列され、
前記センサは、前記サブパターンの色の検出が可能であり、
前記制御手段は、前記センサにより検出される色に応じて、前記被誘導体の位置情報を取得する、
ことを特徴とする請求項10又は11に記載の誘導システム。
【請求項15】
前記サブパターンは、前記経路に直交する方向に沿って色が変化しており、
前記センサは、前記サブパターンの色の検出が可能であり、
前記制御手段は、前記センサにより検出される色に応じて、前記被誘導体の位置情報を取得する、
ことを特徴とする請求項10又は11に記載の誘導システム。
【請求項16】
前記誘導帯は、前記被誘導体を停止させるための停止パターンを有し、
前記制御手段は、前記センサにより検出される検出信号に応じて、前記停止パターンを検出すると、前記被誘導体を停止制御する、
ことを特徴とする請求項10又は11に記載の誘導システム。
【請求項17】
前記経路は、曲線状であり、
前記センサは、前記進行方向に沿った異なる位置に配置された第3のセンサ及び第4のセンサを有し、
前記制御手段は、前記第3のセンサ及び前記第4のセンサにより検出される前記横断時間の長さに応じて、前記被誘導体の内輪差を小さくするように、前記被誘導体の進行方向を制御する、
ことを特徴とする請求項10又は11に記載の誘導システム。
【請求項18】
所定の経路に沿って連なるように配置された複数のサブパターンを備えた誘導帯と、前記サブパターン及び前記サブパターンがない抜きパターンの少なくとも一方を横断する際の横断時間の長さを検出するセンサを備えた被誘導体と、を備え、前記誘導帯に沿って前記被誘導体が移動する誘導システムが実行する誘導方法であって、
前記センサが検出した前記横断時間の長さに基づいて前記被誘導体の進行方向を制御する制御処理を含み、
前記複数のサブパターンのそれぞれは、前記経路に沿う方向の幅が前記経路に直交する方向において一端側から他端側に向かって短くなる形状に形成されている、
ことを特徴とする誘導方法。
【請求項19】
所定の経路に沿って連なるように配置された複数のサブパターンを備えた誘導帯と、前記サブパターン及び前記サブパターンがない抜きパターンの少なくとも一方を横断する際の横断時間の長さを検出するセンサを備えた被誘導体と、を備え、前記誘導帯に沿って前記被誘導体が移動する誘導システムのコンピュータを、
前記センサが検出した前記横断時間の長さに基づいて前記被誘導体の進行方向を制御する制御手段として機能させ、
前記複数のサブパターンのそれぞれは、前記経路に沿う方向の幅が前記経路に直交する方向において一端側から他端側に向かって短くなる形状に形成されている、
ことを特徴とするプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、誘導帯、誘導帯群、誘導システム、誘導方法及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、工場内において、被誘導体としての無人搬送車(AGV;Automatic Guided Vehicle)を目的の停止位置まで誘導する方式として、走行の開始位置から停止位置までの経路にガイドテープを床に貼り付けて配置し、無人搬送車がガイドテープを検出しつつ検出したガイドテープ上を走行する方式が一般的に知られている。
【0003】
例えば、ガイドテープの輪郭の明暗を検出する2つの受光素子アレイを、各受光素子アレイの複数の受光素子の配列方向が走行方向に垂直な中心線に対して45度の角度を成すように無人搬送車に取り付け、ガイドテープの幅方向の検出感度を大きく(√2倍)とった無人搬送車の誘導制御装置が知られている(特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開平7-5913号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかし、特許文献1に記載の無人搬送車の誘導制御装置は、複数の受光素子を配列した受光素子アレイを設ける必要があるので、無人搬送車の装置構成が複雑であり、コストも高かった。また、ガイドテープの幅方向の輪郭を瞬間的に検出して走行制御するため、滑らかな走行とならなかった。
【0006】
本発明の課題は、被誘導体の装置構成を簡単にしつつ、被誘導体を容易に経路に沿って走行させることである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するために、本発明の誘導帯は、被誘導体が所定の経路に沿って移動するように前記被誘導体を誘導するための誘導帯であって、前記経路に沿って連なるように配置された複数のサブパターンを備え、前記複数のサブパターンのそれぞれは、前記経路に沿う方向の幅が前記経路に直交する方向において一端側から他端側に向かって短くなる形状に形成されている、ことを特徴とする。
【0008】
また、本発明の誘導システムは、所定の誘導帯を検出することにより前記誘導帯に沿って被誘導体が移動する誘導システムであって、前記誘導帯は、経路に沿って連なるように配置された複数のサブパターンを備え、前記複数のサブパターンのそれぞれは、前記経路に沿う方向の幅が前記経路に直交する方向において一端側から他端側に向かって短くなる形状に形成されており、前記被誘導体は、検出面が前記サブパターン及び前記サブパターンがない抜きパターンの少なくとも一方を横断する際の横断時間の長さを検出するセンサと、前記センサにより検出される前記横断時間の長さに応じて、前記被誘導体の進行方向を制御する制御手段と、を備える、ことを特徴とする。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、被誘導体の装置構成を簡単にできつつ、被誘導体を容易に経路に沿って走行できる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】本発明の実施の形態の誘導システムを示す平面図である。
図2】実施の形態の無人搬送車の機能構成を示すブロック図である。
図3】光学センサの回路構成を示すブロック図である。
図4】(a)は、実施の形態の経路と、当該経路から左右に曲がった場合の径路とを示す平面図である。(b)は、(a)の経路に対応する検出信号を示す図である。
図5】第1の走行制御処理を示すフローチャートである。
図6】実施の形態の誘導帯における3つの経路と、各径路に対応する検出信号と、を示す図である。
図7】(a)は、第1の変形例の誘導帯の構成を示す平面図である。(b)は、第1の変形例の誘導帯の構成を示す平面図である。(c)は、第1の変形例の誘導帯の構成を示す平面図である。(d)は、第1の変形例の停止パターンの構成を示す平面図である。
図8】(a)は、第2の変形例の誘導帯群の構成を示す平面図である。(b)は、第2の変形例の誘導帯群の構成を示す平面図である。
図9】第3の変形例の無人搬送車の機能構成を示すブロック図である。
図10】第2の走行制御処理を示すフローチャートである。
図11】第4の変形例の誘導帯の構成を示す平面図である。
図12】第4の変形例の無人搬送車の機能構成を示すブロック図である。
図13】第4の変形例の誘導帯及び無人搬送車を示す平面図である。
図14】第5の変形例の無人搬送車の機能構成を示すブロック図である。
図15】第5の変形例の無人搬送車が経路上を走行中に右の光学センサがサブパターンを検出した状態と、無人搬送車が経路上を走行中に左の光学センサがサブパターンを検出した状態と、無人搬送車が経路から右に曲がった方向を走行中に左の光学センサがサブパターンを検出した状態と、無人搬送車が経路から左に曲がった方向を走行中に左の光学センサがサブパターンを検出した状態と、を示す平面図である。
図16】第5の変形例の無人搬送車がサブパターンの経路を走行する状態を示す平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、添付図面を参照して本発明に係る実施の形態及び第1~第5の変形例を順に詳細に説明する。なお、以下に述べる実施の形態及び第1~第5の変形例には、本発明を実施するために技術的に好ましい種々の限定が付されているが、本発明の範囲を以下の実施の形態及び図示例に限定するものではない。
【0012】
(実施の形態)
図1図6を参照して、本発明に係る実施の形態を説明する。まず、図1図3を参照して、本実施の形態の装置構成を説明する。図1は、本実施の形態の誘導システム1を示す平面図である。図2は、無人搬送車10の機能構成を示すブロック図である。図3は、光学センサ14の回路構成を示すブロック図である。
【0013】
図1に示すように、本実施の形態の誘導システム1は、被誘導体としての無人搬送車(AGV)10と、誘導帯20と、を備える。誘導システム1は、例えば、工場内に設けられる。無人搬送車10は、例えば、フォークリフトなどであり、工場内の作業工程に応じて、荷物などを載せて、工場内の所定の経路(コース)上を無人で自立走行する電気自動車である。誘導帯20は、工場内の例えば床面に配置された誘導帯であって、無人搬送車10を誘導帯20上の経路に誘導して走行させるためのガイド部であり、例えばテープ材で構成されている。
【0014】
無人搬送車10は、誘導帯20の所定の経路として経路C0上に誘導されて走行するものとする。経路C0は、無人搬送車10の進行すべき方向を延伸方向とする帯状の経路である。経路C0の幅(x軸方向の長さ)は、誘導帯20の後述するサブパターン21の最も-x方向側の端部から最も+x方向側の端部までの幅とする。図1において、誘導帯20の平面上(工場の床面上)で、誘導帯20の直線状の経路C0に沿う方向にy軸をとり、y軸の+方向を無人搬送車10の進行すべき方向にとり、y軸に直交する方向にx軸をとるもの(左手系)とし、他の誘導帯の図においても同様である。
【0015】
無人搬送車10は、筐体101と、車輪111,112,113,114と、光学センサ14と、を有する。筐体101は、無人搬送車10のボディであり、各種構成部を収容する。車輪111は、無人搬送車10の前進方向(+y方向)を前方向とした場合に、筐体101の左前(+y方向、+x方向側)に設けられた車輪(前輪)である。車輪112は、筐体101の右前(+y方向、-x方向側)に設けられた車輪(前輪)である。車輪113は、筐体101の左後ろ(-y方向、+x方向側)に設けられた車輪(後輪)である。車輪114は、筐体101の右後ろ(-y方向、-x方向側)に設けられた車輪(後輪)である。
【0016】
無人搬送車10は、例えば、前輪の車輪111,112が駆動輪である2輪駆動であるものとする。また、無人搬送車10は、車輪111,112の回転数の差により、左右の操舵を行う構成とし、前進方向に対する車輪111,112の角度を変更するステアリングの機能を有していないものとする。しかし、この構成に限定されるものではなく、4輪駆動などとしてもよい。
【0017】
光学センサ14は、例えば、筐体101の前方(+y方向側)かつ左右方向(x軸方向)の中心に配置され、誘導帯20を光学的に検出する光学センサである。光学センサ14は、例えば、反射型のフォトインタラプタにより構成され、工場の床面側に検出面を有し、床面側への光の出射及び床面側からの反射光の受信により、誘導帯20のサブパターン21又は停止パターン31に位置しているか(このとき、検出信号がオンとなる)位置していないか(このとき、検出信号がオフとなる)を検出する。無人搬送車10は、光学センサ14により検出された検出信号のオンオフの経時的なパターン(オンオフの時間軸パターン)に基づいて、操舵(進行方向の制御)などの走行制御を行う。
【0018】
誘導帯20は、複数のサブパターン21と、抜きパターン21Nと、停止パターン31と、を有する。サブパターン21は、経路C0に沿う方向(+y方向)の幅(長さ)が経路C0に直交する方向(x軸方向)において、一端(-x方向側の端部側)側から他端側(+x方向側の端部側)に向かって短くなる形状を有する。サブパターン21は、より具体的には、光の反射テープなどにより構成され、光を反射する表面を有するマーカーである。このマーカーは、三角形状である図形パターンを有する。停止パターン31もサブパターン21と同様に、光を反射する表面を有するものとする。抜きパターン21Nは、誘導帯20のうち、サブパターン21又は停止パターン31がなく、工場の床面が露出された部分である。複数の抜きパターン21Nのそれぞれは、無人搬送車10の進行方向において、複数のサブパターン21のそれぞれの間に1つずつ配置されている。
【0019】
誘導帯20のサブパターン21及び停止パターン31の表面は、光を反射するため、光学センサ14によるサブパターン21又は停止パターン31の検出により検出信号がオンになる。ここで、抜きパターン21Nは、サブパターン21又は停止パターン31とは異なり、光の反射が弱い表面を有するものとする。つまり、サブパターン21及び停止パターン31を、光学センサ14の検出信号により光学的に抜きパターン21Nから識別可能である。複数のサブパターン21は、経路C0に沿って、連なるように配置されている。
【0020】
停止パターン31は、経路C0の走行の最終位置に配置され、無人搬送車10を停止させるための図形パターンのマーカーであり、例えば、テープ材で構成されている。停止パターン31は、無人搬送車10を走行させるサブパターン21と識別されるように、例えば、サブパターン21における無人搬送車10の経路が最も長くなる-x側の辺211の長さより長いy軸方向の長さの辺311を有する矩形とする。
【0021】
ここで、経路C0のうちの1つの線状の経路を代表的に経路C1として表す。誘導帯20上における無人搬送車10の経路C1は、誘導帯20内のx軸方向の任意の位置にとることができる。経路C1は、走行制御の開始位置から停止パターン31までの直線状の経路となる。本実施の形態では、無人搬送車10が、工場内において、開始位置から走行を開始し、複数のサブパターン21上の経路C0を走行して、停止パターン31で停止される例を説明するが、無人搬送車10の走行の経路は、上記のものには限定されない。
【0022】
例えば、無人搬送車10の走行の経路は、屋外など、他の走行対象上に配置される構成としてもよい。また、無人搬送車10の走行の経路は、走行→停止の単純な経路例に限定されるものではなく、例えば、途中位置として隣接する2つのサブパターン21の間に停止パターンを追加的に配置した誘導帯で示される経路としてもよい。そして、この途中位置として配置される停止パターンは複数箇所に配置されてもよい。このような経路例では、サブパターン21での無人搬送車10の走行→停止パターンでの一時停止→…→サブパターン21での走行→停止パターン31での最終的な停止として走行制御される。
【0023】
ついで、図2及び図3を参照して、無人搬送車10の内部の機能構成を説明する。図2に示すように、無人搬送車10は、制御手段としてのCPU(Central Processing Unit)11と、操作部12と、RAM(Random Access Memory)13と、光学センサ14と、記憶部15と、駆動制御部16L,16Rと、モータ17L,17Rと、を備える。無人搬送車10において、モータ17L,17Rを除く各部は、バス18を介して接続されている。
【0024】
CPU11は、無人搬送車10の各部を制御する。CPU11は、記憶部15に記憶された各種プログラムのうち指定されたプログラムを読み出してRAM13に展開し、展開されたプログラムとの協働で、各種処理を実行する。
【0025】
操作部12は、作業員などのユーザからの各種の操作入力を受け付け、その操作信号をCPU11に出力する。
【0026】
RAM13は、情報を読み出し及び書き込み可能な揮発性の半導体メモリであり、CPU11に作業用のワークエリアを提供し、データ及びプログラムを一時的に記憶する。
【0027】
光学センサ14は、反射型のフォトインタラプタであり、誘導帯20の有無を検出し、検出した誘導帯20のオンオフを示す検出信号をCPU11に出力する。図3に示すように、光学センサ14は、発光部141と、受光部142と、抵抗143,144と、を有する。
【0028】
発光部141及び受光部142は、光学センサ14の検出面に一対に配置されている。発光部141は、LED(Light Emitting Diode)などの光源であり、電源部と接地部との間に、抵抗143を介して直列に接続され、電源電圧に基づき抵抗143を介した電圧が印加されて発光(オン)される。受光部142は、フォトトランジスタなどの受光部であり、電源部と接地部との間に、抵抗144を介して直列に接続され、発光部141から出射され工場の床面の誘導帯20で反射された光を受光すると、誘導帯20の検出に応じたオン信号の電圧が抵抗144によりプルアップされ、誘導帯20の検出信号としてCPU11に出力する。
【0029】
記憶部15は、フラッシュメモリなどの情報の読み出し及び書き込みが可能な記憶部により構成され、各種データ及び各種プログラムを記憶している。特に、記憶部15は、後述する第1の走行制御処理を実行するための第1の走行制御プログラムP1を記憶している。
【0030】
駆動制御部16Lは、CPU11からの制御に従い、PWM(Pulse Width Modulation)駆動などによりモータ17Lの回転速度及び回転量を制御する制御回路である。モータ17Lは、無人搬送車10の左方向の駆動輪である車輪111を回転するモータである。駆動制御部16Rは、CPU11からの制御に従い、PWM駆動などにより無人搬送車10の右方向の駆動輪であるモータ17Rの回転速度及び回転量を制御する制御回路である。モータ17Rは、無人搬送車10の右方向の駆動輪である車輪112を回転するモータである。
【0031】
つぎに、図4(a)~図6を参照して、無人搬送車10の動作を説明する。図4(a)は、経路C1と、経路C1から左右に曲がった場合の径路C1L,C1Rとを示す平面図である。図4(b)は、経路C1,C1L,C1Rに対応する検出信号SC1,SC1L,SC1Rを示す図である。図5は、第1の走行制御処理を示すフローチャートである。図6は、誘導帯20aにおける3つの経路C2,C3,C4と、各径路C2,C3,C4に対応する検出信号SC2,SC3,SC4と、を示す図である。
【0032】
まず、図4(a)、図4(b)を参照して、無人搬送車10の左右の操舵制御の例を説明する。図4(a)に示すように、無人搬送車10が誘導帯20上の線状の経路C1を走行させたい場合に、無人搬送車10が経路C1から左方向(+x方向)に曲がった場合の経路を経路C1Lとし、同様に右方向(-x方向)に曲がった場合の経路を経路C1Rとする。また、無人搬送車10は、所定の速度で走行(等速)しているものとする。
【0033】
図4(b)に示すように、経路C1,C1L,C1Rのそれぞれに対応する光学センサ14の検出信号を検出信号SC1,SC1L,SC1Rとする。光学センサ14の検出信号は、検出信号SC1,SC1L,SC1Rに示すように、サブパターン21の検出に対応するオン状態継続時間と、抜きパターン21Nの検出に対応するオフ状態継続時間と、が経時的に交互に現れる。オン状態継続時間は、無人搬送車10によるサブパターン21の横断時間に対応する。オフ状態継続時間は、無人搬送車10による抜きパターン21Nの横断時間に対応する。
【0034】
経路C1に対応する検出信号SC1は、時間軸に沿って、1回目のオン状態継続時間T1と、2回目のオン状態継続時間T2とが同じ時間の長さである。オン状態継続時間T1は、検出信号SC1の1番目のサブパターン21の検出開始(オン状態開始)に対応する立上りの時刻t11から、1番目のサブパターン21の検出終了(オン状態終了)の立下りの時刻t12までのオン状態の継続時間である。オン状態継続時間T2は、検出信号SC1の2番目のサブパターン21の検出開始(オン状態開始)に対応する立上りの時刻t21から、2番目のサブパターン21の検出終了(オン状態終了)の立下りの時刻t22までのオン状態の継続時間である。なお、1回目のオフ状態継続時間T1Nと、2回目のオフ状態継続時間T2Nとが同じ時間の長さである。オフ状態継続時間T1Nは、1番目のサブパターン21の検出終了(1番目の抜きパターン21Nの検出開始)に対応する立下りの時刻t12から、2番目のサブパターン21の検出開始(1番目の抜きパターン21Nの検出終了)に対応する立上りの時刻t21までのオフ状態の継続時間である。オン状態継続時間T2は、2番目のサブパターン21の検出終了(2番目の抜きパターン21Nの検出開始)に対応する立下りの時刻t22から、3番目のサブパターン21の検出開始(2番目の抜きパターン21Nの検出終了)の立上りの時刻t31(図示略)までのオフ状態の継続時間である。
【0035】
経路C1Lに対応する検出信号SC1Lは、時間軸に沿って、1回目のオン状態継続時間T1よりも、2回目のオン状態継続時間T2が短くなる(なお、2回目のオフ状態継続時間T1Nが、1回目のオフ状態継続時間T1Nよりも長くなる)。経路C1Rに対応する検出信号SC1Rは、時間軸に沿って、1回目のオン状態継続時間T1よりも、2回目のオン状態継続時間T2が長くなる(なお、2回目のオフ状態継続時間T2Nが、1回目のオフ状態継続時間T1Nよりも短くなる)。
【0036】
このため、検出信号SC1Lのオンオフの時間軸パターンを検出した場合に、CPU11は、経路C1から左方向(+x方向)に曲がった経路C1L上を走行していると判別して、駆動制御部16L,16Rを介して、モータ17Lの回転速度をモータ17Rの回転速度よりも大きく制御することで、右方向(-x方向)に操舵して無人搬送車10を進行すべき+y方向に進行させるように走行制御する。また、検出信号SC1Rのオンオフの時間軸パターンを検出した場合に、CPU11は、経路C1から右方向に曲がった経路C1R上を走行していると判別して、駆動制御部16L,16Rを介して、モータ17Rの回転速度をモータ17Lの回転速度よりも大きく制御することで、左方向に操舵して無人搬送車10を進行すべき+y方向に進行させるように走行制御する。
【0037】
ついで、図5を参照して、CPU11で実行される第1の走行制御処理を説明する。前提として、工場内に誘導帯20が配置されており、無人搬送車10は、図1の誘導帯20の経路C0内におけるx軸方向の任意の位置にとった開始位置から走行させる例とする。ここで、無人搬送車10は、開始位置の停止状態から所定の速度まで加速し、当該所定の速度を維持して、等速で走行するものとする。また、この加速の時間は十分短いものとする。
【0038】
あらかじめ、無人搬送車10は、x軸方向の走行させたい位置に対応する開始位置に、進行方向を+y方向に向けて配置されているものとする。無人搬送車10において、例えば、操作部12を介してユーザ(作業員)から第1の走行制御処理の実行指示が入力されたことをトリガとして、CPU11は、記憶部15に記憶された第1の走行制御プログラムP1に従い、第1の走行制御処理を実行する。
【0039】
図5に示すように、まず、CPU11は、駆動制御部16L,16Rを介して、所定の速度となるようにかつ操舵せずに、モータ17L,17Rを回転制御して走行制御を開始し、誘導帯20のオン状態継続維持間を含む検出信号を、1番目の検出信号として光学センサ14から取得する(ステップST1)。そして、CPU11は、変数iを1インクリメントする(ステップST2)。変数iの初期値は、1とする。そして、CPU11は、誘導帯20の次のオン状態継続維持間を含む検出信号を、i番目の検出信号として光学センサ14から取得する(ステップST3)。
【0040】
そして、CPU11は、ステップST3で取得されたi番目の検出信号が停止パターン31の検出信号に対応するか否かにより、停止パターン31を検出したか否かを判別する(ステップST4)。ステップST4では、例えば、検出信号の直前のオン状態継続時間が、停止パターン31の辺311の走行時間以上になる場合に、停止パターン31の検出と判別される。
【0041】
停止パターン31を検出していない場合(ステップST4;NO)、CPU11は、ステップST1又はST3で取得した(i-1)番目の検出信号とi番目の検出信号とのオン状態継続時間を比較し(差分を算出し)、比較結果(算出した差分)から、無人搬送車10を進行すべき方向に走行させるようなモータ17L,17Rの制御量(回転速度など)を算出する(ステップST5)。
【0042】
ステップST5では、例えば、図4(a)、図4(b)に示すように、無人搬送車10の進行方向が左又は右に曲がっている場合に、進行方向を進行すべき+y方向にするように操舵するためのモータ17L,17Rの制御量が算出される。
【0043】
そして、CPU11は、ステップST5で算出された制御量に応じて、駆動制御部16L,16Rを介して、モータ17L,17Rを回転制御し(ステップST6)、ステップST2に移行する。ステップST5,ST6により、光学センサ14の検出信号に対して、PWM駆動などにより俊敏に対応してモータ17L,17Rを回転制御できる。ステップST5,ST6を繰り返すことで、検出信号の差分波形(オン状態継続時間)は、徐々に収束する。停止パターン31を検出した場合(ステップST4;YES)、CPU11は、駆動制御部16L,16Rを介して、モータ17L,17Rを停止制御し(ステップST7)、第1の走行制御処理を終了する。
【0044】
以上、本実施の形態によれば、誘導システム1は、所定の誘導帯20を検出することにより誘導帯20に沿って無人搬送車10が移動する誘導システムである。誘導帯20は、経路C0に沿って連なるように配置された複数のサブパターン21を備える。複数のサブパターン21のそれぞれは、経路C0に沿う方向(y軸方向)の幅が経路C0に直交する方向(x軸方向)において一端側(-x方向)から他端側(+x方向)に向かって短くなる形状(三角形状)に形成されている。無人搬送車10は、検出面がサブパターン21を横断する際の横断時間(オン状態継続時間)の長さを検出する光学センサ14と、光学センサ14により検出される横断時間の長さ(オンオフの経時的なパターン)に応じて、無人搬送車10の進行方向を制御するCPU11と、を備える。
【0045】
このため、光学素子アレイやカメラを用いないので、無人搬送車10の装置構成を簡単にできるとともに、オンオフ時間の周期的な変化が経時的に連続した検出信号を用いるので、無人搬送車10を経路C0上に脱輪を回避して滑らかに走行させることができる。
【0046】
また、光学センサ14は、誘導帯20を光の出射及び反射光の受信により検出する。
誘導帯20は、光を反射する表面を有する。このため、誘導帯20を安価、迅速かつ正確に検出できる。
【0047】
また、誘導帯20は、無人搬送車10を停止させるための停止パターン31を有する。CPU11は、光学センサ14により検出される検出信号に応じて、停止パターン31を検出すると、無人搬送車10を停止制御する。このため、停止パターン31により、無人搬送車10を確実に停止できる。
【0048】
ここで、図6に示すように、誘導帯20に代えて、サブパターン21、抜きパターン21Nを、サブパターン22、抜きパターン22Nに代えた誘導帯20aを考える。サブパターン22は、サブパターン21と同様の構成及び配列であるが、その大きさがサブパターン21よりも大きいものとする。抜きパターン22Nは、抜きパターン21Nと同様の構成及び配列であるが、その大きさが抜きパターン21Nよりも大きいものとする。
【0049】
ここで、誘導帯20aの経路C0内に無人搬送車10の走行の経路C2,C3,C4をとるものとする。経路C2は、誘導帯20aの進行すべき方向の経路C0に沿う方向(+y方向)の直線状の経路であって、誘導帯20aの経路C0に沿う方向(+y方向)に直交する方向(x軸方向)の最大長の線分の中間位置を通過するように配置されているものとする。経路C3は、経路C2の+x方向側(無人搬送車10から見て左側)に配置された+y方向の直線状の経路である。経路C4は、経路C1の-x方向側(無人搬送車10から見て右側)に配置された+y方向の直線状の経路である。
【0050】
ここで、無人搬送車10は、等速で走行するため、経路C2~C4の進行すべき方向(+y方向)と、光学センサ14の検出信号の時間軸とは、同じ方向に対応付けられる。経路C2,C3,C4にそれぞれ対応する光学センサ14の検出信号SC2,SC3,SC4について、縦軸に時間軸をとって図6に図示した。
【0051】
経路C2上においてサブパターン22を無人搬送車10の光学センサ14が通過すると、検出信号SC2がオンされ、同様に抜きパターンの通過で光学センサ14がオフされる。経路C2~C4の走行方向が同じ方向であるが、経路C3に対応する検出信号SC2のオン状態が連続するオン状態継続時間は、経路C2に対応する検出信号SC2のオン状態継続時間よりも短く、検出信号SC3のオフ状態が連続するオフ状態継続時間が、検出信号SC2のオフ状態継続時間よりも長い。経路C4に対応する検出信号SC4のオン状態継続時間は、経路C2に対応する検出信号SC2のオン状態継続時間よりも長く、検出信号SC4のオフ状態継続時間が、検出信号SC2のオフ状態継続時間よりも短い。
【0052】
3台の無人搬送車10が経路C0内でぶつからないように、それぞれの走行制御の開始位置をx軸方向に十分な距離をあけていれば、光学センサ14の検出信号の経時的なパターンを用いてそれぞれ独立して走行制御できるので、3台の無人搬送車10が経路C0を並走できる。理想的には、3台の無人搬送車10のそれぞれが経路C2,C3,C4上を走行する。
【0053】
なお、上記の構成では、CPU11が、光学センサ14により検出されるサブパターン21を横断する際の横断時間(オン状態継続時間)の長さに基づいて、無人搬送車10の進行方向を制御する構成としたが、これに限定されるものではない。例えばCPU11が、光学センサ14により検出されるサブパターン21及び抜きパターン21Nの少なくとも一方を横断する際の横断時間(オン状態継続時間及びオフ状態継続時間の少なくとも一方)の長さに基づいて、無人搬送車10の進行方向を制御する構成としてもよい。
【0054】
(第1の変形例)
図7(a)~図7(d)を参照して、上記実施の形態の第1の変形例を説明する。図7(a)は、誘導帯20Aの構成を示す平面図である。図7(b)は、誘導帯20Bの構成を示す平面図である。図7(c)は、誘導帯20Cの構成を示す平面図である。図7(d)は、停止パターン32の構成を示す平面図である。
【0055】
上記実施の形態では、複数の三角形のサブパターン21と停止パターン31とを有する誘導帯20を説明したが、本変形例においては、サブパターン21以外の様々なサブパターンを有する誘導帯20A,20B,20Cと、停止パターン31とは異なる停止パターン32と、を説明する。なお、下記の誘導帯20A~20Cの説明において、誘導帯20A~20Cが抜きパターン及び停止パターンを有するが、その説明を省略するものとする。
【0056】
図7(a)に示すように、上記実施の形態の誘導帯20に代えて、誘導帯20Aを用いる構成としてもよい。誘導帯20Aは、複数のサブパターン23を有する。サブパターン23は、上記実施の形態のサブパターン21と同様であるが、その形状及び大きさが異なる。具体的には、サブパターン23は、サブパターン21に比べてy軸方向の幅が短い三角形状を有する。
【0057】
この構成により、y軸方向に沿った経路をとる場合に、当該経路の所定長の走行において、サブパターン23の検出数(オン状態継続時間の数)が、サブパターン21の検出数よりも大きくなる。このため、無人搬送車10において、経路を走行する所定時間における光学センサ14の検出信号のオンオフの回数が多くなり、誘導帯20Aに対する無人搬送車10の進行方向の制御を正確にする。
【0058】
また、図7(b)に示すように、上記実施の形態の誘導帯20に代えて、誘導帯20Bを用いる構成としてもよい。誘導帯20Bは、複数のサブパターン21,24を有する。サブパターン24は、上記実施の形態のサブパターン21と同様であるが、その大きさが小さい。また、サブパターン24のそれぞれは、複数のサブパターン21のそれぞれの間に配置されている。
【0059】
この構成により、y軸方向に沿った経路をとる場合に、当該経路の所定長の走行において、サブパターン21,24の検出数が、サブパターン21のみの検出数よりも大きくなる。このため、無人搬送車10において、経路を走行する所定時間における光学センサ14の検出信号のオンオフの回数が多くなり、誘導帯20Bに対する無人搬送車10の進行方向の制御を正確にする。ただし、上記実施の形態の第1の走行制御処理のステップST5の検出信号のオン状態継続時間の比較は、サブパターン21同士の比較と、サブパターン24同士の比較とで別々に行われるものとする。
【0060】
また、図7(c)に示すように、上記実施の形態の誘導帯20に代えて、誘導帯20Cを用いる構成としてもよい。誘導帯20Cは、複数のサブパターン25を有する。サブパターン25は、上記実施の形態のサブパターン21と同様な三角形状および大きさを有するが、さらに、x軸方向の位置に応じて、色がグラデーションにより変化している。つまり、無人搬送車10が通過中のサブパターン25の色を検出することで、無人搬送車10のx軸方向の位置が特定できる。
【0061】
ここで、光学センサ14として、誘導帯20C(サブパターン27)及びその色を検出可能なセンサを用いるものとする。このため、上記実施の形態の第1の走行制御処理において、ステップST5で、CPU11は、検出信号のオン状態継続時間を比較し、さらに、光学センサ14の検出信号における色(検出色とする)を取得し、検出信号の比較結果と、検出色に対応するx軸方向の位置情報とに基づいて、無人搬送車10を進行すべき方向に走行させるようなモータ17L,17Rの制御量を算出する。検出信号の比較結果に加えて、検出色を用いるので、無人搬送車10の進行方向の制御をより正確にする。
【0062】
また、図7(d)に示すように、上記実施の形態の停止パターン31に代えて、停止パターン32を用いる構成としてもよい。停止パターン32は、複数の帯状部321を有する。複数の帯状部321は、光を反射する表面を有し、経路に直交するx軸方向に延在する帯状部であり、y軸方向に所定間隔をあけて配置されている。
【0063】
第1の走行制御処理において、ステップST4で、CPU11は、ステップST3で取得された光学センサ14の検出信号に基づいて、停止パターン32を検出したか否かを判別する。
【0064】
以上、本変形例によれば、誘導帯20Bは、複数のサブパターンとして、経路に沿って連なるように配置された複数のサブパターン21と、複数のサブパターン21の間に配置されかつサブパターン21よりも小さい複数のサブパターン23と、を有する。このため、光学センサ14の検出信号の所定時間のオンオフの回数が多くなるので、誘導帯20Bに対する無人搬送車10について正確に進行方向を制御できる。
【0065】
また、誘導帯20Cにおいて、サブパターン25は、経路(y軸方向)に直交する方向(x軸方向)に沿って色が変化している。光学センサ14は、サブパターン25の色の検出が可能である。CPU11は、光学センサ14により検出される色に応じて、無人搬送車10のx軸方向の位置情報を取得する。このため、無人搬送車10のx軸方向の位置情報を用いて、誘導帯20Cに対する無人搬送車10についてより正確に進行方向を制御できる。
【0066】
(第2の変形例)
図8(a)、図8(b)を参照して、上記実施の形態の第2の変形例を説明する。図8(a)は、誘導帯群G1の構成を示す平面図である。図8(b)は、誘導帯群G2の構成を示す平面図である。
【0067】
上記実施の形態では、y軸方向に一列に配列された複数の三角形のサブパターン21と停止パターン31とを有する誘導帯20を説明したが、本変形例においては、y軸方向に配列されたサブパターンを有する誘導帯を複数有する誘導帯群G1,G2を説明する。なお、下記の誘導帯群G1,2G2の各誘導帯の説明において、各誘導帯が抜きパターン及び停止パターンを有するが、その説明を省略するものとする。
【0068】
図8(a)に示すように、上記実施の形態の誘導帯20に代えて、誘導帯群G1を用いる構成としてもよい。誘導帯群G1は、誘導帯20D1,20D2,20D3を有する。誘導帯20D1は、複数のサブパターン25を有する。誘導帯20D2は、複数のサブパターン26を有する。誘導帯20D1は、複数のサブパターン27を有する。サブパターン25,26,27は、上記実施の形態のサブパターン21と同様な三角形状を有するが、さらに、それぞれの色が互いに異なる。
【0069】
誘導帯20D1において、複数のサブパターン25は、経路C01に沿って、連なるように一列に配置されている。経路C01は、無人搬送車10の進行すべき方向(+y方向)に延伸する帯状の経路である。誘導帯20D2において、複数のサブパターン26は、経路C02に沿って、連なるように一列に配置されている。経路C02は、無人搬送車10の進行すべき方向(+y方向)に延伸する帯状の経路である。誘導帯20D3において、複数のサブパターン27は、経路C03に沿って、連なるように一列に配置されている。経路C03は、無人搬送車10の進行すべき方向(+y方向)に延伸する帯状の経路である。経路C01,C02,C03は、互いにx軸方向の異なる位置に並列に配置されている。つまり、誘導帯群G1は、複数のサブパターン25からなる誘導帯20D1(経路C01に対応させた誘導帯)と、複数のサブパターン26からなる誘導帯20D2(経路C02に対応させた誘導帯)と、複数のサブパターン27からなる誘導帯20D3(経路C03に対応させた誘導帯)とが並行して配置されたものである。
【0070】
ここで、無人搬送車10の光学センサ14として、誘導帯20D1,20D2,20D3(サブパターン25,26,27)及びその色を検出可能なセンサを用いるものとする。上記実施の形態の第1の走行制御処理において、ステップST5で、CPU11は、ステップST3で取得した光学センサ14の検出信号のオン状態継続時間を比較し、さらに、光学センサ14の検出信号における色(検出色とする)を取得し、検出信号の比較結果と、検出色とに基づいて、無人搬送車10を経路C01,C02又はC03上を進行すべき方向に走行させるようなモータ17L,17Rの制御量を算出する。検出信号の比較結果に加えて、検出色を用いるので、無人搬送車10の進行方向の制御を正確にする。特に、3台の無人搬送車10のそれぞれを、誘導帯20D1,20D2,20D3のそれぞれの経路(経路C01,C02又はC03)上を独立して走行させることができるので、3台の無人搬送車10を並走させることができる。
【0071】
また、図8(b)に示すように、上記実施の形態の誘導帯20に代えて、誘導帯群G2を用いる構成としてもよい。誘導帯群G2は、誘導帯20E1,20E2,20E3を有する。誘導帯20E1は、誘導帯20E1,20E2,20E3のそれぞれは、複数のサブパターン25,26,27を有する。誘導帯20E1において、複数のサブパターン25,26,27は、経路C01に沿って、所定の色の順番の配列パターンで連なるように一列に配置されている。誘導帯20E2において、複数のサブパターン25,26,27は、経路C02に沿って、誘導帯20E1とは異なる所定の色の順番の配列パターンで連なるように一列に配置されている。誘導帯20E3において、複数のサブパターン25,26,27は、経路C03に沿って、誘導帯20E1,20E2とは異なる所定の色の順番の配列パターンで連なるように一列に配置されている。つまり、誘導帯群G2は、複数のサブパターン25、26、27が第1の繰り返し順の配列パターンで並べられた誘導帯20E1(経路C01に対応させた誘導帯)と、複数のサブパターン25、26、27が第2の繰り返し順の配列パターンで並べられた誘導帯20E2(経路C02に対応させた誘導帯)と、複数のサブパターン25、26、27が第3の繰り返し順の配列パターンで並べられた誘導帯20E3(経路C03に対応させた誘導帯)とが並行して配置されたものである。
【0072】
ここでも、光学センサ14として、誘導帯20E(サブパターン25,26,27)及びその色(検出色)を検出可能なセンサを用いるものとする。このため、第1の走行制御処理において、ステップST5で、CPU11は、ステップST3で取得した光学センサ14の検出信号のオン状態継続時間を比較し、さらに、光学センサ14の検出信号から検出色の配列パターンを取得し、検出信号の比較結果と、検出色の配列パターンとに基づいて、無人搬送車10を経路C01,C02又はC03上を進行すべき方向に走行させるようなモータ17L,17Rの制御量を算出する。検出信号の比較結果に加えて、検出色の配列パターンを用いるので、無人搬送車10の進行方向の制御をより正確にする。特に、3台の無人搬送車10のそれぞれを、誘導帯20E1,20E2,20E3のそれぞれの経路(経路C01,C02又はC03)上を独立して走行させることができるので、3台の無人搬送車10を並走させることができる。
【0073】
以上、本変形例によれば、誘導帯群G1,G2は、複数の無人搬送車10を並走させるための誘導帯群である。誘導帯群G1は、誘導帯20D1,20D2,20D3を備える。誘導帯20D1,20D2,20D3は、y軸に沿って延伸し、x軸方向の異なる位置に並列に並べられている。誘導帯20D1,20D2,20D3のそれぞれは、同一の色が付されて経路C01,C02又はC03に沿って配列された複数のサブパターン25,26又は27が配置されている。各誘導体20D1,20D2,20D3のサブパターン25,26,27の色は、互いに異なる。光学センサ14は、サブパターン25,26,27の色の検出が可能である。CPU11は、光学センサ14により検出される検出色に応じて、無人搬送車10のx軸方向の位置情報を取得する。このため、無人搬送車10のx軸方向の位置情報を用いて、誘導帯20D1,20D2,20D3に対する無人搬送車10についてより正確に進行方向を制御できる。
【0074】
また、誘導帯群G2は、誘導帯20E1,20E2,20E3を備える。誘導帯20E1,20E2,20E3は、y軸に沿って延伸し、x軸方向の異なる位置に並列に並べられている。誘導帯20E1,20E2,20E3のそれぞれは、所定の順番の配列パターンの色が付されて経路C01,C02又はC03に沿って配列された複数のサブパターン25,26,27が配置されている。各誘導体20D1,20D2,20D3の配列パターンは、互いに異なる。光学センサ14は、サブパターン25,26,27の色の検出が可能である。CPU11は、光学センサ14により検出される検出色の配列パターンに応じて、無人搬送車10のx軸方向の位置情報を取得する。このため、無人搬送車10のx軸方向の位置情報を用いて、誘導帯20E1,20E2,20E3に対する無人搬送車10についてより正確に進行方向を制御できる。
【0075】
(第3の変形例)
図9図10を参照して、上記実施の形態の第3の変形例を説明する。図9は、無人搬送車10Aの機能構成を示すブロック図である。図10は、第2の走行制御処理を示すフローチャートである。
【0076】
上記実施の形態では、無人搬送車10が、光学センサ14の前回と今回の検出信号のオン状態継続時間の比較結果に基づいて、帯状の経路C0上を走行するように進行方向の制御を行う構成とした。本変形例では、無人搬送車10Aに、検出信号のオンオフの経時的なパターンである基準信号情報をあらかじめ設定し、光学センサ14の検出信号と基準信号情報との比較結果に基づいて、線状の経路C1上を走行するように進行方向の制御を行う構成である。
【0077】
本実施の形態の装置構成として、図9に示す無人搬送車10Aを用いるものとする。ただし、無人搬送車10Aにおいて、実施の形態の無人搬送車10と同様の部分については、同じ符号を付して、その説明を省略する。
【0078】
本変形例では、図9に示す無人搬送車10Aが、図6に示す誘導帯20aの経路C2,C3又はC4を走行制御する例を説明する。誘導帯20aは、複数のサブパターン22と、抜きパターン22Nと、停止パターン31と、を有するものとする。図9に示すように、無人搬送車10Aは、CPU11と、操作部12と、RAM13と、光学センサ14と、記憶部15と、駆動制御部16L,16Rと、モータ17L,17Rと、を備える。
【0079】
記憶部15は、後述する第2の走行制御処理を実行するための第2の走行制御プログラムP2と、基準信号情報40と、を記憶している。基準信号情報40は、無人搬送車10Aが図9の誘導帯20aの所定の線状の経路(経路C2,C3,C4)上を走行する場合の光学センサ14の検出信号のオン状態継続時間、オフ状態継続時間の経時的なパターンに対応する情報であり、誘導帯20aの経路上の無人搬送車10の走行の基準となる情報である。
【0080】
つぎに、図10を参照して、無人搬送車10Aの動作を説明する。図6に示すように、誘導帯20aにおいて、無人搬送車10Aの走行の経路C2,C3,C4をとるものとする。
【0081】
図6に示すように、検出信号SC2~SC4のオンオフの経時的なパターンにより、無人搬送車10Aがどの経路C2,C3,C4を走行しているかを識別できる。このため、例えば、3台の無人搬送車10Aが、光学センサ14の検出信号の時間軸パターンを用いて経路C2~C4上をそれぞれ独立して走行制御できるので、3台の無人搬送車10Aが経路C2~C4を並走できる。
【0082】
ついで、図10を参照して、無人搬送車10Aで実行される第2の走行制御処理を説明する。前提として、工場内に誘導帯20aが配置されており、無人搬送車10Aは、図6の経路C2,C3,C4のいずれか1つを走行させる例とする。経路C2,C3,C4は、共に、誘導帯20の複数のサブパターン22が配列され、最後に停止パターン31が配置された誘導帯20a上の直線状の経路である。このため、基準信号情報40は、経路C2の基準信号情報と、経路C3の基準信号情報と、経路C4の基準信号情報と、を含むものとする。
【0083】
あらかじめ、無人搬送車10Aは、走行させる経路上の開始位置に、進行方向を+y方向に向けて配置されているものとする。無人搬送車10Aにおいて、例えば、操作部12を介してユーザ(作業員)から第2の走行制御処理の実行指示が入力されたことをトリガとして、CPU11は、記憶部15に記憶された第2の走行制御プログラムP2に従い、第2の走行制御処理を実行する。
【0084】
図10に示すように、まず、CPU11は、操作部12を介して、初期設定情報の入力を受け付ける(ステップST11)。初期設定情報は、無人搬送車10Aを走行させる指定経路の識別情報(経路C2,C3又はC4)と、無人搬送車10Aを走行開始実行させる走行開始指示情報と、を含むものとする。
【0085】
そして、CPU11は、記憶部15に記憶されている基準信号情報40から、ステップST11で入力された初期設定情報のうちの指定経路の識別情報に従い、指定経路(経路C2,C3又はC4)の基準信号情報を読み出して取得し、駆動制御部16L,16Rを介して、所定の速度となるようにかつ操舵せずに、モータ17L,17Rを回転制御して走行制御を開始する(ステップST12)。
【0086】
そして、CPU11は、誘導帯20の検出信号を光学センサ14から取得する(ステップST13)。そして、CPU11は、ステップST13で取得された検出信号が停止パターン31の検出信号に対応するか否かにより、停止パターン31を検出したか否かを判別する(ステップST14)。ステップST14では、例えば、検出信号の直前のオン状態継続時間が、停止パターン31のy軸方向の長さ以上になる場合に、停止パターン31の検出と判別される。
【0087】
停止パターン31を検出していない場合(ステップST14;NO)、CPU11は、ステップST12で取得した指定経路の基準信号情報と、ステップST13で取得した検出信号とを比較し(差分を算出し)、比較結果(算出した差分)から、無人搬送車10Aを指定経路上を走行させるようなモータ17L,17Rの制御量(回転速度など)を算出する(ステップST15)。
【0088】
ステップST15では、例えば、図6に示すように、無人搬送車10Aが指定経路とは別の経路を走行している場合に、指定経路に移動するように操舵するためのモータ17L,17Rの制御量が算出される。また、図4(a)、図4(b)に示すように、無人搬送車10Aが指定経路から左右に曲がった経路上である場合に、指定経路に復帰するように操舵するためのモータ17L,17Rの制御量が算出される。
【0089】
そして、CPU11は、ステップST15で算出された制御量に応じて、駆動制御部16L,16Rを介して、モータ17L,17Rを回転制御し(ステップST16)、ステップST13に移行する。ステップST15,ST16を繰り返すことで、検出信号と基準信号波形との差分波形は、徐々に収束する。停止パターン31を検出した場合(ステップST14;YES)、CPU11は、駆動制御部16L,16Rを介して、モータ17L,17Rを停止制御し(ステップST17)、第2の走行制御処理を終了する。
【0090】
以上、本変形例によれば、CPU11は、誘導帯20aの線状の経路上の無人搬送車10Aの走行の基準となる横断時間(オン状態継続時間)の経時的なパターンである基準信号情報と、光学センサ14により検出された検出信号とを比較し、比較結果に基づいて、無人搬送車10Aの進行方向を制御する。このため、走行する経路の基準信号情報を事前登録しておくことで、当該経路上の無人搬送車10Aの正確な走行制御ができ、また複数の基準信号情報により複数の経路への応用が可能である。また、無人搬送車10Aが経路を逸脱(脱輪)しても、誘導帯20a上であれば、当該経路に容易に復帰できる。さらに、1つの誘導帯20a(1つのサブパターン22)上で複数の経路をとれるので、工場の構内レイアウト変更や、荷物置き場変更などに伴い誘導帯20a上で走行できない経路が発生しても、当該走行できない経路以外の経路を走行することで、誘導帯20aの貼り替えを不要にできる。
【0091】
なお、本変形例における基準信号情報40は、あらかじめ設定される構成としたが、これに限定されるものではない。例えば、誘導帯の複数のサブパターンの配置パターンが延伸方向で同様である場合に、サブパターンに対応する基準信号情報については、第2の走行制御処理において、無人搬送車が最初にサブパターンを通過した際の光学センサ14の検出信号(のオン状態継続時間、オフ状態継続時間)を、後に通過するサブパターンに対応する検出信号に対する基準信号情報として用いる構成としてもよい。
【0092】
(第4の変形例)
図11図13を参照して、上記実施の形態の第4の変形例を説明する。図11は、誘導帯20Fの構成を示す平面図である。図12は、無人搬送車10Bの機能構成を示すブロック図である。図13は、誘導帯20G及び無人搬送車10Bを示す平面図である。
【0093】
上記実施の形態では、直線の帯状の経路C0に沿った誘導帯20を説明したが、本変形例では、曲線の帯状の経路C0に沿った誘導帯20F,20Gと、誘導帯20F,20Gに適切な無人搬送車10Cと、を説明する。
【0094】
図11に示すように、本変形例の誘導帯20Fは、複数のサブパターン21を有する。誘導帯20Fにおいて、複数のサブパターン21は、進行すべき方向が曲線の帯状の経路C0に沿って配列されている。ここで、曲線状の経路C0のうちの1つの曲線状の経路C5を考える。例えば、サブパターン21において、経路C5に直交する方向の最大長の2端の間の長さの中間位置を経路C5が通り、かつ経路C5上の各サブパターン21の距離が等しくなり、経路C5上の抜きパターンの距離も等しくなるように、複数のサブパターン21が配列されているものとする。
【0095】
無人搬送車10が経路C5を走行する場合に、光学センサ14の検出信号の各サブパターン21の検出に対応する各オン状態継続時間が同じになり、同様に各抜きパターンの検出に対応する各オフ状態継続時間も同じになる。このため、誘導帯20と同様に、誘導帯20Fにおいても、無人搬送車10で第1の走行制御処理を実行して、曲線の帯状の経路C0内を走行する走行制御を行うことができる。
【0096】
ただし、無人搬送車10が経路C0を走行する場合に、筐体101における経路C0のカーブの内側の前輪(例えば、車輪111)とカーブの内側の後輪(例えば、車輪113)とで軌道が異なる内輪差が発生するおそれがある。筐体101のホイールベース(前輪と後輪との間の距離)が長いほど、内輪差も大きくなる。
【0097】
このため、本変形例の別例として、無人搬送車10に代えて、図12及び図13に示す無人搬送車10Bを用いるものとする。ただし、無人搬送車10Bについても、無人搬送車10と同様の部分については、同じ符号を付して、その説明を省略する。
【0098】
図12に示すように、無人搬送車10Bは、CPU11と、操作部12と、RAM13と、光学センサ14,14Eと、記憶部15と、駆動制御部16F、操舵制御部16Sと、モータ17F,17Sと、を備える。また、図13に示すように、無人搬送車10Bは、筐体101内に、光学センサ14,14Eに加えて、車輪111B,112B,113B,114Bを備える。
【0099】
光学センサ14は、上記実施の形態の光学センサ14と同様に、筐体101の前進方向の前側に設けられている。光学センサ14Eは、光学センサ14と同様の構成を有するが、筐体101の左右方向の中心でかつ前進方向の後側の位置に設けられている。
【0100】
駆動制御部16Fは、CPU11からの制御に従い、モータ17Fの回転速度及び回転量を制御する制御回路である。モータ17Fは、無人搬送車10Bの前輪としての駆動輪である車輪111B,112Bを軸方向に回転するモータである。
【0101】
車輪111Bは、筐体101の前進方向を基準に左前に設けられた車輪(前輪)である。車輪112Bは、筐体101の右前に設けられた車輪(前輪)である。車輪111B,112Bは、ドライブシャフトを介して接続され、モータ17Fにより回転駆動される駆動輪となる。車輪113Bは、筐体101の左後ろに設けられた車輪(後輪)である。車輪114Bは、筐体101の右後ろに設けられた車輪(後輪)である。
【0102】
操舵制御部16Sは、CPU11からの制御に従い、モータ17Sの回転速度及び回転量を制御して車輪111B~114Bの操舵角を制御する制御回路である。モータ17Sは、筐体101の前進方向を基準に、車輪111B,112B,113B,114Bの操舵角を変更するように回転するステアリングのモータである。
【0103】
図13に示すように、無人搬送車10Bは、誘導帯20G上の経路C0内の経路C5を走行する場合を考える。誘導帯20Gは、誘導帯20Fと同様に、複数のサブパターン21を有する。誘導帯20Gにおいて、複数のサブパターン21は、誘導帯20Fと同様に、曲線の帯状の経路C0上に配列されている。ただし、図13において、図を見やすくするために、サブパターン21を白抜きで図示している。なお、誘導帯20Gは、経路C5の終了位置に停止パターン31も有するものとする。
【0104】
無人搬送車10BのCPU11は、無人搬送車10と同様に、第1の走行制御処理を実行する。ただし、ステップST3において、CPU11は、光学センサ14の検出信号に加えて、光学センサ14Eの検出信号も取得する。ステップST5において、CPU11は、光学センサ14の検出信号のオン状態継続時間を比較し、さらに、その比較結果及び光学センサ14,14Eの検出信号に応じて、無人搬送車10Bにおいて、車輪111B,113Bの内輪差を小さくするように、モータ17F,17Sの制御量を算出する。
【0105】
ステップST6において、CPU11は、ステップST5で算出されたモータ17F,17Sの制御量に応じて、駆動制御部16F及び操舵制御部16Sを制御する。検出信号の比較結果に加えて、光学センサ14,14Eの検出信号を用いるので、無人搬送車10Bを正確に操舵して、かつ内輪差を小さく走行制御している。
【0106】
例えば、図13に示すように、無人搬送車10Bが走行を開始し、光学センサ14が2番目のサブパターン21を通過して、光学センサ14のオン状態継続時間検出が終了し、前回検出のオン状態継続時間より長くなったことが判明し、右寄りを検出したものとする。すると、ステップST5,ST6で、前輪(車輪111B,112B)を左に傾ける操舵制御が行われる。そして、光学センサ14Eが2番目のサブパターン21を通過すると、光学センサ14Eのオン状態継続時間検出が終了し、光学センサ14Eの方は内輪差が発生するので大廻りした結果、光学センサ14の検出したオン状態継続時間よりも長くなる。ステップST5で、このオン状態継続時間の時間差の大きさで内輪差の大きさが算出され、次の検出周期(ステップST3)に向けて内輪差を最小化するための後輪(車輪113B,114B)の傾斜角度が設定され、ステップST6で軌道修正される。
【0107】
本変形例によれば、進行すべき方向の経路C0は、曲線状(曲線の帯状)である。複数のサブパターン21は、経路C0上の横断時間(オン状態継続時間)が同じになるように配置されている。このため、曲線状の経路C0上の無人搬送車10Bの進行方向を制御できる。
【0108】
また、無人搬送車10Bは、進行方向に沿った異なる位置に配置された光学センサ14,14Eを有する。CPU11は、光学センサ14,14Eにより検出される横断時間の長さ(オン状態継続時間)の経時的なパターンに応じて、無人搬送車10Bの内輪差を小さくするように、無人搬送車10Bの進行方向を制御する。このため、曲線の経路C0上の無人搬送車10Bの走行時の内輪差を小さくすることができ、起動修正時間の短縮がはかられ、走行中の車輪のスリップや急峻なカーブトレースに対応でき、無人搬送車10Bを経路C0から外れにくくすることができる。
また本変形例によれば、誘導帯20をループ状に形成し、無人搬送車10が走行と所定の位置での停止とを繰り返しながら同じルートを周回し続ける構成とすることも可能になる。
【0109】
(第5の変形例)
図14図16を参照して、上記実施の形態の第5の変形例を説明する。図14は、本変形例の無人搬送車10Cの機能構成を示すブロック図である。図15は、無人搬送車10Cが経路C1上を走行中に右の光学センサ14Rがサブパターン21を検出した状態aと、無人搬送車10Cが経路C1上を走行中に左の光学センサ14Lがサブパターン21を検出した状態bと、無人搬送車10Cが経路C1から右に曲がった方向を走行中に左の光学センサ14Lがサブパターン21を検出した状態cと、無人搬送車10Aが経路C1から左に曲がった方向を走行中に左の光学センサ14Lがサブパターン21を検出した状態dと、を示す平面図である。図16は、本変形例の無人搬送車10Dがサブパターン21の経路C1を走行する状態を示す平面図である。
【0110】
上記実施の形態では、1つの光学センサ14を備える無人搬送車10を用いる構成であったが、本変形例は、光学センサ14と、さらに光学センサ14L,14Rと、を備える無人搬送車10C,10Dを用いる構成である。
【0111】
まず、図14及び図15を参照して、本変形例の無人搬送車10Cを説明する。ただし、無人搬送車10C(及び後述する無人搬送車10Dの各部)について、無人搬送車10と同様の部分については、同じ符号を付して、その説明を省略する。
【0112】
図14に示すように、本変形例の無人搬送車10Cは、内部の機能構成として、CPU11と、操作部12と、RAM13と、光学センサ14、14L,14Rと、記憶部15と、駆動制御部16L,16Rと、モータ17L,17Rと、を備える。
【0113】
図15の無人搬送車10Cが経路C1上を走行中に光学センサ14Rが誘導帯20のサブパターン21を検出した状態aの図に示すように、光学センサ14Lは、光学センサ14と同様の構成であるが、無人搬送車10Cの前進方向を基準として光学センサ14の左側(+x方向側)に配置されている。光学センサ14Rは、光学センサ14と同様の構成であるが、光学センサ14の右側(-x方向側)に配置されている。このように、光学センサ14L,14,14Rは、筐体101の左右方向(x軸方向)の線上に、1列かつ等間隔に配列されている。
【0114】
図15の状態aに示すように、無人搬送車10Cは、誘導帯20のサブパターン21上に配置された経路C1を-y方向から+y方向へ走行するものとする。すると、状態aに示すように、光学センサ14L,14Rのうち、まず光学センサ14Rがサブパターン21の辺212を検出し、検出信号でオンの立上りが発生する。このオンの立上りの時刻を、時刻t0とする。辺212は、サブパターン21における無人搬送車10Cの進入側(-y方向側)の斜辺である。
【0115】
そして、図15の無人搬送車10Cが経路C1上を走行中に光学センサ14Lがサブパターン21を検出した状態bの図に示すように、経路C1を走行中の無人搬送車10Cにおいて、光学センサ14Lがサブパターン21の辺212を検出し、検出信号でオンの立上りが発生する。このオンの立上りの時刻を、時刻t1とする。時刻t1と時刻t0との差分時間Δt0=t1-t0が算出される。
【0116】
また、図15の状態aと同様に、無人搬送車10Cが経路C1から右に曲がった方向を走行中に光学センサ14Rがサブパターン21の辺212を検出し、検出信号でオンの立上りが発生した状態を考える。このオンの立上りの時刻も時刻t0とする。そして、図15の無人搬送車10Cが経路C1から右に曲がった方向を走行中に光学センサ14Lがサブパターン21の辺212を検出し、検出信号でオンの立上りが発生する状態cとなる。このオンの立上りの時刻を、時刻t1Rとする。時刻t1Rと時刻t0との差分時間ΔtR=t1R-t0<Δt0が算出される。
【0117】
また、図15の状態aと同様に、無人搬送車10Cが経路C1から左に曲がった方向を走行中に光学センサ14Rがサブパターン21の辺212を検出し、検出信号でオンの立上りが発生した状態を考える。このオンの立上りの時刻も時刻t0とする。そして、図15の無人搬送車10Cが経路C1から左に曲がった方向を走行中に光学センサ14Lがサブパターン21の辺212を検出し、検出信号でオンの立上りが発生した状態dとなる。このオンの立上りの時刻を、時刻t1Lとする。時刻t1Lと時刻t0との差分時間ΔtL=t1L-t0>Δt0が算出される。
【0118】
差分時間Δt0,ΔtL,ΔtRは、ΔtR<Δt0<ΔtLの関係を有する。つまり、光学センサ14L,14Rの検出信号からオン状態継続時間の開始時刻を取得することにより、それらの差分時間から、無人搬送車10Cが経路C1上を走行しているかと、経路C1から右方向に曲がった方向を走行しているか及びその右曲がりの度合いと、経路C1から左方向に曲がった方向を走行しているか及びその左曲がりの度合いと、を判別できる。Δt0は、例えば、あらかじめ測定されて記憶部15に記憶されているものとする。
【0119】
無人搬送車10CのCPU11は、無人搬送車10と同様に、第1の走行制御処理を実行する。ただし、ステップST3において、CPU11は、光学センサ14の検出信号に加えて、光学センサ14L,14Rの検出信号を取得する。ステップST5において、CPU11は、光学センサ14の検出信号を比較し、さらに、Δt0を記憶部15から取得して、光学センサ14L,14Rの検出信号のオンの立上りの差分時間を算出し、検出信号の比較結果と、差分時間及びΔt0の比較結果とに応じて、無人搬送車10Cを進行すべき方向に走行させるようなモータ17L,17Rの制御量を算出する。検出信号の比較結果に加えて、検出信号のオンの立上りの差分時間を用いるので、無人搬送車10Cをより正確に操舵する。
【0120】
以上、本変形例によれば、無人搬送車10Cは、進行方向(y軸方向)に直交する方向(x軸方向)の異なる位置に配置された光学センサ14L,14Rを有する。CPU11は、光学センサ14Lにより検出される横断時間(オン状態継続時間)の開始時刻(立上り時刻)と、光学センサ14Rにより検出される横断時間(オン状態継続時間)の開始時刻(立上り時刻)と、の差分時間に応じて、無人搬送車10Cの進行方向を制御する。このため、無人搬送車10Cの進行方向を正確に制御できる。特に、光学センサ14の検出信号の比較結果と、光学センサ14L,14Rの差分時間と、を組合せて無人搬送車10Aの進行方向の制御を行うので、無人搬送車10Cの進行方向をより正確に制御でき、工場の床面やタイヤスリップなどによる誤検出を軽減できる。
【0121】
なお、図16に示すように、無人搬送車10Cに代えて、無人搬送車10Dを用いる構成としてもよい。無人搬送車10Dの装置構成は、無人搬送車10Cの装置構成と同様であるが、光学センサ14L,14Rの位置が異なる。無人搬送車10Cでは、光学センサ14L,14,14Rが、前進方向に直交する線上(x軸方向)に等間隔に配置されていたが、無人搬送車10Dでは、光学センサ14L,14,14Rが、線140上に等間隔に配置されているものとする。
【0122】
ここで、線140は、辺212に平行な線分である。このため、無人搬送車10Dが経路C1上を走行している場合に、光学センサ14Lの検出信号のオンの立上りに基づく時刻t1と、光学センサ14Rの検出信号のオンの立上りに基づく時刻t0とが同時刻となり、差分時間Δt0=t1-t0=0となり、無人搬送車10Dが経路C1上を走行していることを簡単に判別できる。
【0123】
以上の説明では、本発明に係るプログラムのコンピュータ読み取り可能な媒体として記憶部15を使用した例を開示したが、この例に限定されない。その他のコンピュータ読み取り可能な媒体として、CD-ROMなどの可搬型記録媒体を適用することが可能である。また、本発明に係るプログラムのデータを通信回線を介して提供する媒体として、キャリアウエーブ(搬送波)も本発明に適用される。
【0124】
なお、上記実施の形態及び変形例における記述は、本発明に係る誘導帯、誘導帯群、誘導システム、誘導方法及びプログラムの一例であり、これに限定されるものではない。例えば、上記実施の形態及び第1~第4の変形例の少なくとも2つを適宜組み合わせる構成としてもよい。
【0125】
また、上記実施の形態及び変形例における誘導システムに、カメラ可視光通信システムを組み合わせる構成としてもよい。カメラ可視光通信システムは、例えば、無人搬送車にカメラを設置し、工場などの3次元空間内にあらかじめ設けられて位置情報が設定されている複数の光源を当該カメラで撮影して画像解析し、解析結果から、複数の光源に対する無人搬送車の位置情報を取得(測位)するシステムである。複数の光源のそれぞれは、複数色の光を互いに異なる所定(の順番の)パターンで発光するため、撮影された光の所定パターンの解析により各光源のIDが識別可能である。
【0126】
また、カメラ可視光通信システムは、別の構成として、無人搬送車に光源を設置し、工場などの3次元空間内にあらかじめ設けられて位置情報が設定されている複数のカメラを設置し、無人搬送車を含む3次元空間内を複数のカメラで撮影して画像解析し、解析結果から、光源位置に対応する無人搬送車の位置情報を取得(測位)する。
【0127】
カメラ可視光通信システムを組み合わせた誘導システムにおいて、例えば、工場などの3次元空間内に設けられた誘導帯の位置情報をあらかじめ設定しておき、上記実施の形態及び変形例の無人搬送車が、経路の走行時に、車輪のスリップなどにより、経路を含む誘導帯から外れてしまった場合に、カメラ可視光通信システムの測位により、無人搬送車の位置情報を取得し、当該位置情報に基づいて、無人搬送車を誘導帯及び経路に復帰させることができる。
【0128】
また、上記実施の形態及び変形例では、無人搬送車が光学センサを用いて誘導体を検出する構成としたが、これに限定されるものではない。例えば、誘導帯を検出する構成として、光学センサに代えて磁気センサを用い、誘導帯を磁気テープなどの磁性体により構成することとしてもよい。
【0129】
また、誘導帯を検出する構成として、光学センサに代えて静電容量型近接センサを用い、誘導帯を、静電容量により検出可能な所定物質により構成することとしてもよい。静電容量型近接センサは、電界を利用した非接触型のセンサであり、静電容量の変化により対象物の有無を検出する。対象物は、金属などの導体、誘電体である水、油、ガラス、プラスチック、紙などを用いることができる。このため、対象物としての誘導帯の所定物質として、金属などの導体、プラスチックなどの誘電体を用いることができる。
【0130】
また、誘導帯を検出する構成として、光学センサに代えて測距センサを用い、誘導帯を、立体的な構造にする構成としてもよい。測距センサは、xy平面に直交する下方向の露出面(誘導帯のサブパターン又は抜きパターンの表面)までの距離を測定するセンサである。例えば、誘導帯の停止パターンを、平面板上に複数の突起部を配置した構成とする。
【0131】
本発明の実施の形態及び変形例を説明したが、本発明の範囲は、上述の実施の形態及び変形例に限定するものではなく、特許請求の範囲に記載された発明の範囲とその均等の範囲を含む。
以下に、この出願の願書に最初に添付した特許請求の範囲に記載した発明を付記する。付記に記載した請求項の項番は、この出願の願書に最初に添付した特許請求の範囲の通りである。
〔付記〕
<請求項1>
被誘導体が所定の経路に沿って移動するように前記被誘導体を誘導するための誘導帯であって、
前記経路に沿って連なるように配置された複数のサブパターンを備え、
前記複数のサブパターンのそれぞれは、前記経路に沿う方向の幅が前記経路に直交する方向において一端側から他端側に向かって短くなる形状に形成されている、
ことを特徴とする誘導帯。
<請求項2>
前記被誘導体は、前記誘導帯を光の出射及び反射光の受信により検出し、
前記誘導帯は、前記光を反射する表面を有する、
ことを特徴とする請求項1に記載の誘導帯。
<請求項3>
前記複数のサブパターンのそれぞれは、所定の順番のパターンの色が付されて前記経路に沿って配列されている、
ことを特徴とする請求項1又は2に記載の誘導帯。
<請求項4>
前記サブパターンは、前記経路に垂直な方向に沿って色が変化している、
ことを特徴とする請求項1又は2に記載の誘導帯。
<請求項5>
前記誘導帯は、前記被誘導体を停止させるための停止パターンを有する、
ことを特徴とする請求項1又は2に記載の誘導帯。
<請求項6>
前記経路は、曲線状であり、
前記複数のサブパターンは、前記経路上の前記被誘導体の横断時間が同じになるように配置されている、
ことを特徴とする請求項1又は2に記載の誘導帯。
<請求項7>
複数の前記被誘導体を並走させるための誘導帯群であって、
請求項1又は2に記載の誘導帯を複数備え、
前記複数の誘導帯は、並列に並べられている、
ことを特徴とする誘導帯群。
<請求項8>
前記複数の誘導帯のそれぞれは、同一の色が付されて前記経路に沿って配列された複数の前記サブパターンが配置され、
前記各誘導体のサブパターンの色は、互いに異なる、
ことを特徴とする請求項7に記載の誘導帯群。
<請求項9>
前記複数の誘導帯のそれぞれは、所定の順番の配列パターンの色が付されて前記経路に沿って配列された複数の前記サブパターンが配置され、
前記各誘導体の配列パターンは、互いに異なる、
ことを特徴とする請求項7に記載の誘導帯群。
<請求項10>
所定の誘導帯を検出することにより前記誘導帯に沿って被誘導体が移動する誘導システムであって、
前記誘導帯は、
経路に沿って連なるように配置された複数のサブパターンを備え、
前記複数のサブパターンのそれぞれは、前記経路に沿う方向の幅が前記経路に直交する方向において一端側から他端側に向かって短くなる形状に形成されており、
前記被誘導体は、
検出面が前記サブパターン及び前記サブパターンがない抜きパターンの少なくとも一方を横断する際の横断時間の長さを検出するセンサと、
前記センサにより検出される前記横断時間の長さに応じて、前記被誘導体の進行方向を制御する制御手段と、
を備える、
ことを特徴とする誘導システム。
<請求項11>
前記制御手段は、前記誘導帯の前記経路上の前記被誘導体の走行の基準となる横断時間の経時的なパターンである基準信号情報と、前記センサにより検出された検出信号とを比較し、比較結果に基づいて、前記被誘導体の進行方向を制御する、
ことを特徴とする請求項10に記載の誘導システム。
<請求項12>
前記センサは、前記誘導帯を光の出射及び反射光の受信により検出する光学センサであり、
前記誘導帯は、前記光を反射する表面を有する、
ことを特徴とする請求項10又は11に記載の誘導システム。
<請求項13>
前記センサは、前記進行方向に交わる方向の異なる位置に配置された第1のセンサ及び第2のセンサを有し、
前記制御手段は、前記第1のセンサにより検出される前記横断時間の開始時刻と、前記第2のセンサにより検出される前記横断時間の開始時刻と、の差分時間に基づいて、前記被誘導体の進行方向を制御する、
ことを特徴とする請求項10又は11に記載の誘導システム。
<請求項14>
前記複数のサブパターンのそれぞれは、所定の順番の配列パターンの色が付されて前記経路に沿って配列され、
前記センサは、前記サブパターンの色の検出が可能であり、
前記制御手段は、前記センサにより検出される色に応じて、前記被誘導体の位置情報を取得する、
ことを特徴とする請求項10又は11に記載の誘導システム。
<請求項15>
前記サブパターンは、前記経路に直交する方向に沿って色が変化しており、
前記センサは、前記サブパターンの色の検出が可能であり、
前記制御手段は、前記センサにより検出される色に応じて、前記被誘導体の位置情報を取得する、
ことを特徴とする請求項10又は11に記載の誘導システム。
<請求項16>
前記誘導帯は、前記被誘導体を停止させるための停止パターンを有し、
前記制御手段は、前記センサにより検出される検出信号に応じて、前記停止パターンを検出すると、前記被誘導体を停止制御する、
ことを特徴とする請求項10又は11に記載の誘導システム。
<請求項17>
前記経路は、曲線状であり、
前記センサは、前記進行方向に沿った異なる位置に配置された第3のセンサ及び第4のセンサを有し、
前記制御手段は、前記第3のセンサ及び前記第4のセンサにより検出される前記横断時間の長さに応じて、前記被誘導体の内輪差を小さくするように、前記被誘導体の進行方向を制御する、
ことを特徴とする請求項10又は11に記載の誘導システム。
<請求項18>
所定の経路に沿って連なるように配置された複数のサブパターンを備えた誘導帯と、前記サブパターン及び前記サブパターンがない抜きパターンの少なくとも一方を横断する際の横断時間の長さを検出するセンサを備えた被誘導体と、を備え、前記誘導帯に沿って前記被誘導体が移動する誘導システムが実行する誘導方法であって、
前記センサが検出した前記横断時間の長さに基づいて前記被誘導体の進行方向を制御する制御処理を含み、
前記複数のサブパターンのそれぞれは、前記経路に沿う方向の幅が前記経路に直交する方向において一端側から他端側に向かって短くなる形状に形成されている、
ことを特徴とする誘導方法。
<請求項19>
所定の経路に沿って連なるように配置された複数のサブパターンを備えた誘導帯と、前記サブパターン及び前記サブパターンがない抜きパターンの少なくとも一方を横断する際の横断時間の長さを検出するセンサを備えた被誘導体と、を備え、前記誘導帯に沿って前記被誘導体が移動する誘導システムのコンピュータを、
前記センサが検出した前記横断時間の長さに基づいて前記被誘導体の進行方向を制御する制御手段として機能させ、
前記複数のサブパターンのそれぞれは、前記経路に沿う方向の幅が前記経路に直交する方向において一端側から他端側に向かって短くなる形状に形成されている、
ことを特徴とするプログラム。
【符号の説明】
【0132】
1 誘導システム
10,10A,10B,10C,10D 無人搬送車
101 筐体
111,112,113,114,111B,112B,113B,114B 車輪
11 CPU
12 操作部
13 RAM
14,14L,14R,14E 光学センサ
141 発光部
142 受光部
143,144 抵抗
15 記憶部
16L,16R,16F 駆動制御部
16S 操舵制御部
17L,17R,17F,17S モータ
18 バス
G1,G2 誘導帯群
20,20a,20A,20B,20C,20D1,20D2,20D3,20E1,20E2,20E3,20F,20G 誘導帯
21,22,23,24,25,26,27 サブパターン
21N,22N 抜きパターン
211,212 辺
31,32 停止パターン
311 辺
321 帯状部
C0,C01,C02,C03,C1,C1L,C1R,C2,C3,C4,C5 経路
図1
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図3
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