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特開2024-61397情報処理装置、保障システム、保障方法、及び保障プログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024061397
(43)【公開日】2024-05-07
(54)【発明の名称】情報処理装置、保障システム、保障方法、及び保障プログラム
(51)【国際特許分類】
   G06Q 50/10 20120101AFI20240425BHJP
   G06Q 50/06 20240101ALI20240425BHJP
   G06Q 40/08 20120101ALI20240425BHJP
【FI】
G06Q50/10
G06Q50/06
G06Q40/08
【審査請求】有
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022169326
(22)【出願日】2022-10-21
(11)【特許番号】
(45)【特許公報発行日】2023-04-05
(71)【出願人】
【識別番号】000220262
【氏名又は名称】東京瓦斯株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001519
【氏名又は名称】弁理士法人太陽国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】江口 里佳
(72)【発明者】
【氏名】小川 吉平
(72)【発明者】
【氏名】小川 大輔
【テーマコード(参考)】
5L040
5L049
5L050
5L055
【Fターム(参考)】
5L040BB61
5L049CC06
5L049CC11
5L050CC06
5L050CC11
5L055BB61
(57)【要約】
【課題】固定費の対価として物品、サービス、又は使用権を提供する提供事業者が、顧客の不測の事態の発生時に保障行為を行う付加価値を提供する。
【解決手段】管理サーバー18は、顧客と、当該顧客に対して物品、サービス、又は使用権を提供する提供事業者と、の間で結ばれる提供契約であって、提供に対して固定費を支払う支払規定を含む提供契約に関する情報である提供契約情報を登録する登録部181Aと、顧客の不測の事態に対して保障する保障規定を含む保障契約に関する情報である保障契約情報を、提供契約情報に対応付ける対応付け部181Bと、保障契約による保障を伴う顧客の不測の事態が発生した場合に、固定費の少なくとも一部を減額する減額部181Eと、を備える。
【選択図】図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
顧客と、当該顧客に対して物品、サービス、又は使用権を提供する提供事業者と、の間で結ばれる提供契約であって、提供に対して固定費を支払う支払規定を含む前記提供契約に関する情報である提供契約情報を登録する登録部と、
前記顧客の不測の事態に対して保障する保障規定を含む保障契約に関する情報である保障契約情報を、前記提供契約情報に対応付ける対応付け部と、
前記保障契約による保障を伴う前記顧客の不測の事態が発生した場合に、前記固定費の少なくとも一部を減額する減額部と、
を備えた情報処理装置。
【請求項2】
前記顧客が使用する顧客端末から、前記不測の事態が発生したことを示す通知を受け付ける受付部を更に備え、
前記減額部は、前記受付部により前記通知を受け付けた場合に、前記顧客に代わり、前記顧客の不測の事態に対して保障を行う保障事業者が管理する別の情報処理装置に対して、前記顧客の保障を請求することを示す情報を送信し、当該情報に応じて、前記別の情報処理装置から受信される、前記請求に対応する保障額に基づいて、前記固定費を減額する
請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項3】
前記保障契約は、前記顧客の不測の事態に対して保障を行う保障事業者と前記顧客との間で結ばれる
請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項4】
前記保障契約は、前記顧客の不測の事態に対して保障を行う保障事業者と前記提供事業者との間で結ばれる
請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項5】
前記顧客の不測の事態は、前記顧客が健康上の不利益を受ける事態、前記顧客がエネルギー消費設備の異常に付随して不利益を受ける事態、及び、前記顧客が災害に付随して不利益を受ける事態の少なくとも1つを含む
請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項6】
請求項1~請求項5の何れか1項に記載の情報処理装置と、
顧客が使用する顧客端末と、
前記顧客の不測の事態に対して保障を行う保障事業者が管理する別の情報処理装置と、
を備え、
前記情報処理装置、前記顧客端末、及び前記別の情報処理装置が通信網で接続された保障システム。
【請求項7】
情報処理装置が、
顧客と、当該顧客に対して物品、サービス、又は使用権を提供する提供事業者と、の間で結ばれる提供契約であって、提供に対して固定費を支払う支払規定を含む前記提供契約に関する情報である提供契約情報を登録し、
前記顧客の不測の事態に対して保障する保障規定を含む保障契約に関する情報である保障契約情報を、前記提供契約情報に対応付け、
前記保障契約による保障を伴う前記顧客の不測の事態が発生した場合に、前記固定費の少なくとも一部を減額する、
保障方法。
【請求項8】
顧客と、当該顧客に対して物品、サービス、又は使用権を提供する提供事業者と、の間で結ばれる提供契約であって、提供に対して固定費を支払う支払規定を含む前記提供契約に関する情報である提供契約情報を登録し、
前記顧客の不測の事態に対して保障する保障規定を含む保障契約に関する情報である保障契約情報を、前記提供契約情報に対応付け、
前記保障契約による保障を伴う前記顧客の不測の事態が発生した場合に、前記固定費の少なくとも一部を減額することを、
コンピュータに実行させるための保障プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報処理装置、保障システム、保障方法、及び保障プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
例えば、特許文献1には、発電事業者、需要家、エネルギーサービスプロバイダーが共通の通信網によって接続されている電力供給サービスシステムが記載されている。この電力供給サービスシステムは、予め定められた周期で発電事業者の発電電力実績値および消費電力実績値を時刻とともに順次記憶する運用データセンターと、発電事業者が保有する設備故障に対する保険を契約している保険会社の端末と、を通信網に接続し、保険金(保障金)申請にあたり保険会社は運用データセンターのデータを検索参照し、保険申請内容の確認を迅速に行うようにする。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2003-122926号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1では、エネルギーサービスプロバイダー等の提供事業者が、保険会社等の保障事業者に対して、故障設備、故障日時、設備停止期間等のデータを送り、保障金を申請し、保障事業者はデータを精査し、保障金の支払いの有無を決定する流れとなっており、提供事業者と需要家等の顧客との間での保障金の授受といった流れは発生していない。
【0005】
すなわち、特許文献1では、提供事業者が、積極的に、顧客を保障するものではなく、提供事業者は、顧客の使用量を証明するだけの役割を担っている。ここにおいて、固定費(例えば、エネルギー料金等)の減額という、顧客に対する迅速な保障行為まで対応することはできない。
【0006】
本発明は、上記事実を考慮し、固定費の対価として物品、サービス、又は使用権を提供する提供事業者が、顧客の不測の事態の発生時に保障行為を行う付加価値を提供することができる情報処理装置、保障システム、保障方法、及び保障プログラムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
第1態様に係る情報処理装置は、顧客と、当該顧客に対して物品、サービス、又は使用権を提供する提供事業者と、の間で結ばれる提供契約であって、提供に対して固定費を支払う支払規定を含む前記提供契約に関する情報である提供契約情報を登録する登録部と、前記顧客の不測の事態に対して保障する保障規定を含む保障契約に関する情報である保障契約情報を、前記提供契約情報に対応付ける対応付け部と、前記保障契約による保障を伴う前記顧客の不測の事態が発生した場合に、前記固定費の少なくとも一部を減額する減額部と、を備える。
【0008】
第2態様に係る情報処理装置は、第1態様に係る情報処理装置において、前記顧客が使用する顧客端末から、前記不測の事態が発生したことを示す通知を受け付ける受付部を更に備え、前記減額部が、前記受付部により前記通知を受け付けた場合に、前記顧客に代わり、前記顧客の不測の事態に対して保障を行う保障事業者が管理する別の情報処理装置に対して、前記顧客の保障を請求することを示す情報を送信し、当該情報に応じて、前記別の情報処理装置から受信される、前記請求に対応する保障額に基づいて、前記固定費を減額する。
【0009】
第3態様に係る情報処理装置は、第1態様又は第2態様に係る情報処理装置において、前記保障契約が、前記顧客の不測の事態に対して保障を行う保障事業者と前記顧客との間で結ばれる。
【0010】
第4態様に係る情報処理装置は、第1態様又は第2態様に係る情報処理装置において、前記保障契約が、前記顧客の不測の事態に対して保障を行う保障事業者と前記提供事業者との間で結ばれる。
【0011】
第5態様に係る情報処理装置は、第1態様~第4態様の何れか1態様に係る情報処理装置において、前記顧客の不測の事態が、前記顧客が健康上の不利益を受ける事態、前記顧客がエネルギー消費設備の異常に付随して不利益を受ける事態、及び、前記顧客が災害に付随して不利益を受ける事態の少なくとも1つを含む。
【0012】
第6態様に係る保障システムは、第1態様~第5態様の何れか1態様に係る情報処理装置と、顧客が使用する顧客端末と、前記顧客の不測の事態に対して保障を行う保障事業者が管理する別の情報処理装置と、を備え、前記情報処理装置、前記顧客端末、及び前記別の情報処理装置が通信網で接続される。
【0013】
第7態様に係る保障方法は、情報処理装置が、顧客と、当該顧客に対して物品、サービス、又は使用権を提供する提供事業者と、の間で結ばれる提供契約であって、提供に対して固定費を支払う支払規定を含む前記提供契約に関する情報である提供契約情報を登録し、前記顧客の不測の事態に対して保障する保障規定を含む保障契約に関する情報である保障契約情報を、前記提供契約情報に対応付け、前記保障契約による保障を伴う前記顧客の不測の事態が発生した場合に、前記固定費の少なくとも一部を減額する。
【0014】
第8態様に係る保障プログラムは、顧客と、当該顧客に対して物品、サービス、又は使用権を提供する提供事業者と、の間で結ばれる提供契約であって、提供に対して固定費を支払う支払規定を含む前記提供契約に関する情報である提供契約情報を登録し、前記顧客の不測の事態に対して保障する保障規定を含む保障契約に関する情報である保障契約情報を、前記提供契約情報に対応付け、前記保障契約による保障を伴う前記顧客の不測の事態が発生した場合に、前記固定費の少なくとも一部を減額することを、コンピュータに実行させる。
【発明の効果】
【0015】
以上説明したように本発明では、固定費の対価として物品、サービス、又は使用権を提供する提供事業者が、顧客の不測の事態の発生時に保障行為を行う付加価値を提供することができるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0016】
図1】第1の実施形態に係る保障システムの一例を示す図である。
図2】第1の実施形態に係る管理サーバーの電気的な構成の一例を示すブロック図である。
図3】第1の実施形態に係る管理サーバーの機能的な構成の一例を示すブロック図である。
図4】第1の実施形態に係る顧客、提供事業者、及び保障事業者の関係を模式的に示す図である。
図5】第1の実施形態に係る保障プログラムによる料金プラン生成処理の流れの一例を示すフローチャートである。
図6】第1の実施形態に係る保障プログラムによる顧客契約処理の流れの一例を示すフローチャートである。
図7】第1の実施形態に係る保障プログラムによる顧客保障処理の流れの一例を示すフローチャートである。
図8】第2の実施形態に係る顧客、提供事業者、及び保障事業者の関係を模式的に示す図である。
図9】第2の実施形態に係る保障プログラムによる料金プラン生成処理の流れの一例を示すフローチャートである。
図10】第3の実施形態に係る保障システムの一例を示す図である。
図11】第3の実施形態に係る顧客端末、契約管理サーバー、請求回収管理サーバー、保障実行管理サーバー、及び請求回収管理サーバーを用いた情報処理の流れの一例を示すシーケンス図である。
図12】第3の実施形態に係る顧客端末、契約管理サーバー、請求回収管理サーバー、保障実行管理サーバー、及び請求回収管理サーバーを用いた情報処理の流れの別の例を示すシーケンス図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、図面を参照して、本発明を実施するための形態の一例について詳細に説明する。なお、動作、作用、機能が同じ働きを担う構成要素及び処理には、全図面を通して同じ符号を付与し、重複する説明を適宜省略する場合がある。各図面は、本発明を十分に理解できる程度に、概略的に示してあるに過ぎない。よって、本発明は、図示例のみに限定されるものではない。また、本発明と直接的に関連しない構成や周知な構成については、説明を省略する場合がある。
【0018】
本実施形態に係る保障システムにおいては、物品、サービス、又は使用権の提供を受ける顧客と、顧客に対して物品、サービス、又は使用権を提供する対価として顧客から固定費を受け取る提供事業者と、の関係において、顧客に不測の事態が発生したときの損害の保障として、保障事業者に代わり、提供事業者が、固定費の少なくとも一部を減額するようにシステムが構成される。
【0019】
比較例として、不測の事態が発生した際に生じた損害の保障は、保険業法により保険会社等の保障事業者のみが行えるものとされている。これに対して、本実施形態に係る保障システムの枠組みにおいては、提供事業者が、顧客と保障事業者との間に介在することで、提供事業者が損害の保障に実質的に関与することを可能にする。
【0020】
以下において、本実施形態に係る「保障金」、「保障料」、「給付金」、「補償」、「不測の事態」、「固定費」、「提供事業者」、及び、「保障事業者」について定義する。
【0021】
「保障金」とは、保障事業者が顧客の不測の事態の発生時に支払う、当該不測の事態の対価を言い、「保険金」や「給付金」、「補償」という場合もあるが、本明細書では、「保障金」とする。
【0022】
「保障料」とは、顧客(被保険者)が被る不測の事態において本来顧客が提供事業者に支払う固定費を保障事業者が負担する対価として、顧客又は提供事業者が支払うお金のことをいう。
【0023】
「不測の事態」とは、例えば、顧客が健康上の不利益を受ける事態、顧客がエネルギー消費設備の異常に付随して不利益を受ける事態、及び、顧客が災害に付随して不利益を受ける事態の少なくとも1つを含む。但し、不測の事態は、これらに限定されるものではなく、保険業法で規定される生命保険業及び損害保険業で対象とされる、個人もしくは法人顧客が不利益を余儀なくされる事態全般を含むものとする。具体的に、不測の事態には、例えば、顧客個人の健康を害する特定疾病(例えば、三大疾病と称される「がん(悪性新生物)」、「心疾患」、「脳血管疾患」)の罹患、提供事業者の提供によるエネルギー供給を受けて動作するエネルギー消費設備の異常、又は、天災又は人災により顧客が受ける損失、損害等も含まれる。
【0024】
「固定費」とは、例えば、エネルギー又は設備、不動産、通信、上下水、保守点検などの物品、サービス、又は使用権などを提供する提供契約に基づき、請求される費用のことであり、提供事業者から顧客への請求に応じて、顧客から支払われる費用である。なお、固定費には、定額の固定料金の他、基本料金と従量制に基づく追加料金との組み合わせ等も含まれる。
【0025】
なお、エネルギーに関する固定費は、エネルギー料金ともいう。このエネルギー料金とは、対価としてエネルギーに関する卸売事業者、小売事業者、輸送事業者、製造事業者(総称して、エネルギー会社という)に支払われる料金である。エネルギーは、燃料(原油及び揮発油、重油その他経済産業省令で定める石油製品、可燃性天然ガス並びに石炭及びコークスその他経済産業省令で定める石炭製品)並びに熱、及び電気(動力を用いて燃料から生成されるもののほか、自然エネルギーを含む)を含む。また、本実施形態では、保守点検運用等、エネルギー供給に伴い供される関連サービスは、エネルギー料金に含まれていてもよい。
【0026】
「提供事業者」とは、固定費の対価として継続的に物品、サービス又は使用権を提供する提供契約を顧客と結び、顧客から固定費を受け取る事業者をいう。提供事業者には、一例として、各種エネルギー(電気、ガス等)を供給するエネルギー会社が含まれる。
【0027】
「保障事業者」とは、顧客の不測の事態に際して保障金を支払う保障契約を顧客又は提供事業者と結び、顧客又は提供事業者から保障料を受け取る事業者をいう。保障事業者には、一例として、保険業法で定められた生命保険業又は損害保険業を行う保険会社が含まれる。
【0028】
[第1の実施形態]
第1の実施形態では、提供事業者が保障事業者の代理店として、顧客と保障事業者との保障契約を仲介する形態について説明する。
【0029】
図1は、第1の実施形態に係る保障システム10の一例を示す図である。
【0030】
図1に示すように、保障システム10は、提供事業者12が管理する管理サーバー18と、顧客14が使用する顧客端末22と、保障事業者16が管理する保障実行管理サーバー24及び請求回収管理サーバー26と、を備えている。
【0031】
管理サーバー18、顧客端末22、保障実行管理サーバー24、及び請求回収管理サーバー26の各々は、ネットワーク17を介して通信可能に接続されている。なお、ネットワーク17は、例えば、インターネット、LAN(Local Area Network)、WAN(Wide Area Network)等の通信網である。
【0032】
ここで、管理サーバー18は、情報処理装置の一例であり、保障実行管理サーバー24は、別の情報処理装置の一例である。
【0033】
管理サーバー18は、主として、顧客14の顧客端末22との間で、提供契約処理を実行する。また、管理サーバー18は、顧客14の顧客端末22と保障事業者16の請求回収管理サーバー26との間で、不測の事態が発生したときの保障のための保障契約処理を実行する。また、管理サーバー18は、顧客14への固定費の請求及び顧客14からの固定費の支払いの確認処理を実行する。また、管理サーバー18は、顧客14の顧客端末22からの不測事態通知に基づいて、保障事業者16の保障実行管理サーバー24に対して、保障請求を行い、保障実行管理サーバー24からの保障の有無を確認する処理を実行する。
【0034】
顧客端末22は、主として、提供事業者12の管理サーバー18に対して、固定費の支払い処理を継続的に実行する。また、顧客端末22は、顧客14に不測の事態が発生した場合に、提供事業者12の管理サーバー18に対して、保障請求処理を実行する。
【0035】
保障実行管理サーバー24は、提供事業者12の管理サーバー18から保障請求があった場合に、管理サーバー18に対して、保障処理を実行する。一方、請求回収管理サーバー26は、提供事業者12の管理サーバー18からの保障料の支払い(顧客14の代行として)の有無を判定し、保障実行管理サーバー24へ、支払い確認通知の送出処理を実行する。この支払い確認通知により、保障実行管理サーバー24による保障処理が有効となる。
【0036】
図2は、第1の実施形態に係る管理サーバー18の電気的な構成の一例を示すブロック図である。
【0037】
図2に示すように、本実施形態に係る管理サーバー18は、CPU(Central Processing Unit)181と、ROM(Read Only Memory)182と、RAM(Random Access Memory)183と、入出力インタフェース(I/O)184と、記憶部185と、表示部186と、操作部187と、通信部188と、を備えている。管理サーバー18には、例えば、汎用的なコンピュータ装置が適用される。
【0038】
CPU181、ROM182、RAM183、及びI/O184は、バスを介して各々接続されている。I/O184には、記憶部185と、表示部186と、操作部187と、通信部188と、を含む各機能部が接続されている。これらの各機能部は、I/O184を介して、CPU181と相互に通信可能とされる。
【0039】
CPU181、ROM182、RAM183、及びI/O184によって制御部が構成される。制御部は、管理サーバー18の一部の動作を制御するサブ制御部として構成されてもよいし、管理サーバー18の全体の動作を制御するメイン制御部の一部として構成されてもよい。制御部の各ブロックの一部又は全部には、例えば、LSI(Large Scale Integration)等の集積回路又はICチップセットが用いられる。上記各ブロックに個別の回路を用いてもよいし、一部又は全部を集積した回路を用いてもよい。上記各ブロック同士が一体として設けられてもよいし、一部のブロックが別に設けられてもよい。また、上記各ブロックのそれぞれにおいて、その一部が別に設けられてもよい。制御部の集積化には、LSIに限らず、専用回路又は汎用プロセッサを用いてもよい。
【0040】
記憶部185としては、例えば、HDD(Hard Disk Drive)、SSD(Solid State Drive)、フラッシュメモリ等が用いられる。記憶部185には、本実施形態に係る保障処理を実行するための保障プログラム185Aが記憶される。なお、この保障プログラム185Aは、ROM182に記憶されていてもよい。
【0041】
保障プログラム185Aは、例えば、管理サーバー18に予めインストールされていてもよい。保障プログラム185Aは、不揮発性の記憶媒体に記憶して、又はネットワーク17を介して配布して、管理サーバー18に適宜インストールすることで実現してもよい。なお、不揮発性の記憶媒体の例としては、CD-ROM(Compact Disc Read Only Memory)、光磁気ディスク、HDD、DVD-ROM(Digital Versatile Disc Read Only Memory)、フラッシュメモリ、メモリカード等が想定される。
【0042】
表示部186には、例えば、液晶ディスプレイ(LCD:Liquid Crystal Display)、有機EL(Electro Luminescence)ディスプレイ等が用いられる。表示部186は、タッチパネルを一体的に有していてもよい。操作部187には、例えば、キーボード、マウス等の操作入力用のデバイスが設けられている。表示部186及び操作部187は、管理サーバー18のユーザから各種の指示を受け付ける。表示部186は、ユーザから受け付けた指示に応じて実行された処理の結果や、処理に対する通知等の各種の情報を表示する。
【0043】
通信部188は、一例として、インターネット、LAN、WAN等のネットワーク17に接続されており、顧客端末22、保障実行管理サーバー24、及び請求回収管理サーバー26の各々との間でネットワーク17を介して通信が可能とされる。
【0044】
なお、顧客端末22には、例えば、パーソナルコンピュータ(PC)、スマートフォン、タブレット端末等のコンピュータ装置が適用される。また、保障実行管理サーバー24及び請求回収管理サーバー26の各々には、管理サーバー18と同様に、汎用的なコンピュータ装置が適用される。
【0045】
本実施形態に係る管理サーバー18のCPU181は、ROM182又は記憶部185に記憶されている保障プログラム185AをRAM183に書き込んで実行することにより、図3に示す各部として機能する。
【0046】
図3は、第1の実施形態に係る管理サーバー18の機能的な構成の一例を示すブロック図である。
【0047】
図3に示すように、本実施形態に係る管理サーバー18のCPU11は、登録部181A、対応付け部181B、提示部181C、受付部181D、減額部181E、及び通知部181Fとして機能する。記憶部185には、提供契約情報DB(Data Base:データベース)185B及び保障契約情報DB185Cが格納されている。
【0048】
登録部181Aは、提供契約情報を提供契約情報DB185Bに登録し、保障契約情報を保障契約情報DB185Cに登録する。提供契約情報とは、顧客14と提供事業者12との間で結ばれる提供契約に関する情報である。提供契約は、提供事業者12による物品、サービス、又は使用権の提供に対して固定費を支払う支払規定を含む。提供契約情報は、提供事業者12により作成された情報でもよいし、外部から取得された情報でもよい。また、保障契約情報とは、顧客14と保障事業者16との間で結ばれる保障契約に関する情報である。保障契約は、顧客14の不測の事態に対して保障する保障規定を含む。この保障規定には、顧客14が支払う保障料が含まれる。保障契約情報は、提供事業者12からの代理店契約の依頼に応じて、保障事業者16から提供事業者12に提供される情報である。
【0049】
対応付け部181Bは、保障契約情報DB185Cに登録された保障契約情報を、提供契約情報DB185Bに登録された提供契約情報に対応付ける。具体的に、対応付け部181Bは、提供契約情報に含まれる提供内容及び固定費と、保障契約情報に含まれる保障内容及び保障料とに基づいて、提供と保障を組み合わせた料金プランを生成する。対応付け部181Bは、例えば、保険と電力提供を組み合わせた料金プラン、ガス消費設備保険とガス提供を組み合わせた料金プラン等、各種の料金プランを生成する。料金プランの料金は、例えば、提供にかかる固定費に対して、保障にかかる保障料を加えた料金とされる。対応付け部181Bによって生成された料金プランは、例えば、記憶部185に記憶される。
【0050】
提示部181Cは、顧客端末22からの料金プランの提示要求に応じて、対応付け部181Bによって生成された各種の料金プランを、顧客端末22に選択可能に提示する。そして、提示部181Cは、顧客端末22から、顧客14が選択した料金プランを受け付け、受け付けた顧客14の料金プランを登録する。これにより、顧客14との提供契約、保障契約が締結される。本実施形態の場合、提供契約は、顧客14と提供事業者12との間で締結され、保障契約は、提供事業者12を代理店として顧客14と保障事業者16との間で締結される。
【0051】
受付部181Dは、顧客14が使用する顧客端末22から、不測の事態が発生したことを示す通知を受け付ける。
【0052】
減額部181Eは、保障契約による保障を伴う顧客14の不測の事態が発生した場合に、固定費の少なくとも一部を減額する。具体的に、減額部181Eは、受付部181Dにより通知を受け付けた場合に、顧客14に代わり、保障事業者16が管理する保障実行管理サーバー24に対して、顧客14の保障を請求することを示す情報を送信し、当該情報に応じて、保障実行管理サーバー24から受信される、請求に対応する保障額に基づいて、固定費を減額する。これにより、顧客14についての固定費は、減額された固定費とされる。ここで、保障額とは、保障金の額であり、顧客14から支払われる保障料に応じて保障事業者16にて適切に決定される。固定費の減額方法は、特に限定されるものではないが、例えば、保障額をN回(N≧2)に分割した一定額を、毎月の固定費から減額し、保障額の全額が減額されるまで、固定費の減額を継続する方法等が挙げられる。
【0053】
通知部181Fは、顧客端末22に対して、減額部181Eによって減額された固定費を通知する。
【0054】
図4は、第1の実施形態に係る顧客14、提供事業者12、及び保障事業者16の関係を模式的に示す図である。なお、図4に示す各種処理は、上述したように、顧客端末22、管理サーバー18、請求回収管理サーバー26、及び保障実行管理サーバー24を用いた情報処理によって実行される。
【0055】
図4に示すように、管理サーバー18及び請求回収管理サーバー26は、提供事業者12と保障事業者16との間で代理店契約を締結する処理を行う。また、顧客端末22及び管理サーバー18は、上述の料金プランの提示、選択を受けて、顧客14と提供事業者12との間で提供契約を締結すると共に、保障事業者16の代理店として、顧客14と保障事業者16との間で保障契約を締結する処理を行う。
【0056】
次に、顧客端末22は、管理サーバー18に対して、提供契約に基づく固定費、及び、保障契約に基づく保障料を支払う処理を行う。なお、当該支払い処理においては、顧客14が例えばクレジットカード会社等の支払い能力を有する第三者と契約している場合、当該クレジットカード会社等による定期的な支払いを設定できる。このように、実際の支払い処理を、顧客端末22が実施していなくても、支払い処理のために必要な事前設定、事前連絡も、本実施形態においては、顧客端末22による支払い処理に含まれる。管理サーバー18は、保障事業者16の代理店として、顧客14に代わり、請求回収管理サーバー26に対して、保障事業者16への保障料の収納を代行する処理を行う。
【0057】
次に、顧客端末22は、顧客14に不測の実態が発生した場合、管理サーバー18に対して、不測の事態が発生したことを示す通知を送信する。管理サーバー18は、顧客端末22からの通知に応じて、顧客14に代わり、保障実行管理サーバー24に対して、顧客14の保障を請求することを示す情報を送信する。
【0058】
次に、保障実行管理サーバー24は、管理サーバー18からの保障請求に応じて、管理サーバー18に対して、請求に対応する保障額を送信する。管理サーバー18は、保障実行管理サーバー24からの保障額に基づいて、顧客14の固定費を減額し、減額した固定費の通知を顧客端末22に送信する。
【0059】
次に、図5図7を参照して、第1の実施形態に係る管理サーバー18の作用を説明する。
【0060】
図5は、第1の実施形態に係る保障プログラム185Aによる料金プラン生成処理の流れの一例を示すフローチャートである。
【0061】
保障プログラム185Aによる料金プラン生成処理の実行が指示されると、管理サーバー18のCPU181が、ROM182又は記憶部185に記憶されている保障プログラム185AをRAM183に書き込むことで実行される。
【0062】
図5のステップS101では、CPU181が、顧客14との間で結ばれる提供契約情報を提供契約情報DB185Bに登録する。
【0063】
ステップS102では、CPU181が、保障事業者16の請求回収管理サーバー26に対して、保障事業に関する代理店契約を依頼する情報を送信する。
【0064】
ステップS103では、CPU181が、保障事業者16の請求回収管理サーバー26から、顧客14との保障に関する保障契約情報を受信し、受信した保障契約情報を保障契約情報DB185Cに登録する。なお、保障契約情報の受信をもって提供事業者12と保障事業者16との間で代理店契約が締結される。
【0065】
ステップS104では、CPU181が、保障契約情報DB185Cに登録された保障契約情報を、提供契約情報DB185Bに登録された提供契約情報に対応付けて、上述したように、提供と保障を組み合わせた各種の料金プランを生成する。
【0066】
ステップS105では、CPU181が、ステップS104で生成した各種の料金プランを、例えば、記憶部185に記憶し、本保障プログラム185Aによる料金プラン生成処理を終了する。
【0067】
図6は、第1の実施形態に係る保障プログラム185Aによる顧客契約処理の流れの一例を示すフローチャートである。
【0068】
保障プログラム185Aによる顧客契約処理の実行が指示されると、管理サーバー18のCPU181が、ROM182又は記憶部185に記憶されている保障プログラム185AをRAM183に書き込むことで実行される。
【0069】
図6のステップS111では、CPU181が、顧客14の顧客端末22からの料金プランの提示要求に応じて、顧客端末22に対して、各種の料金プランを提示する。
【0070】
ステップS112では、CPU181が、顧客14の顧客端末22から、料金プランの選択を受け付け、受け付けた顧客14の料金プランを登録する。なお、顧客14の料金プランの受け付けをもって顧客14との提供契約、保障契約が締結される。
【0071】
ステップS113では、CPU181が、ステップS112で登録された顧客14の料金プランを、保障事業者16の請求回収管理サーバー26に通知し、本保障プログラム185Aによる顧客契約処理を終了する。
【0072】
図7は、第1の実施形態に係る保障プログラム185Aによる顧客保障処理の流れの一例を示すフローチャートである。
【0073】
保障プログラム185Aによる顧客保障処理の実行が指示されると、管理サーバー18のCPU181が、ROM182又は記憶部185に記憶されている保障プログラム185AをRAM183に書き込むことで実行される。
【0074】
図7のステップS121では、CPU181が、顧客14の顧客端末22から、顧客14に不測の事態が発生したことを示す通知を受け付けたか否かを判定する。通知を受け付けたと判定した場合(肯定判定の場合)、ステップS122に移行し、通知を受け付けないと判定した場合(否定判定の場合)、ステップS121で待機となる。
【0075】
ステップS122では、CPU181が、保障契約情報DB185Cを参照し、顧客14についての保障契約内容を確認する。
【0076】
ステップS123では、CPU181が、ステップS122での確認結果に基づいて、保障成立か否かを判定する。保障成立と判定した場合(肯定判定の場合)、ステップS124に移行し、保障不成立と判定した場合(否定判定の場合)、例えば、顧客端末22に保障不成立の旨を通知し、本保障プログラム185Aによる顧客保障処理を終了する。
【0077】
ステップS124では、CPU181が、保障事業者16の保障実行管理サーバー24に対して、顧客14の保障を請求することを示す情報を送信する。
【0078】
ステップS125では、CPU181が、保障事業者16の保障実行管理サーバー24から、保障請求に対応する保障額を示す情報を受信する。
【0079】
ステップS126では、CPU181が、ステップS125で受信して得られた保障額に基づいて、物品、サービス、又は使用権の提供にかかる固定費を減額する。
【0080】
ステップS127では、CPU181が、顧客14の顧客端末22に対して、ステップS126で減額した固定費により保障確定を通知し、本保障プログラム185Aによる顧客保障処理を終了する。
【0081】
このように本実施形態によれば、提供事業者が保障事業者の代理店として、顧客と保障事業者との間で保障契約が締結され、顧客に不測の事態が発生した場合に提供事業者によって固定費が減額される。これにより、提供事業者が顧客の不測の事態の発生時に保障行為を行う付加価値を提供することが可能となる。
【0082】
[第2の実施形態]
上記第1の実施形態では、提供事業者が保障事業者の代理店として、顧客との保障契約を締結していたが、第2の実施形態では、提供事業者が直接保障事業者と保障契約を締結し、顧客の保障にかかる保障料を提供事業者が負担する形態について説明する。
【0083】
以下、上述の図3を参照して、上記第1の実施形態との相違点について説明する。
【0084】
登録部181Aは、提供契約情報を提供契約情報DB185Bに登録し、保障契約情報を保障契約情報DB185Cに登録する。本実施形態に係る保障契約情報は、提供事業者12と保障事業者16との間で結ばれる保障契約に関する情報である。保障契約は、顧客14の不測の事態に対して保障する保障規定を含む。この保障規定には、提供事業者12が支払う保障料が含まれる。つまり、保障対象は顧客14であり、保障にかかる保障料は提供事業者12が負担する。保障契約情報は、提供事業者12からの保障契約の依頼に応じて、保障事業者16から提供事業者12に提供される情報である。
【0085】
対応付け部181Bは、保障契約情報DB185Cに登録された保障契約情報を、提供契約情報DB185Bに登録された提供契約情報に対応付ける。具体的に、対応付け部181Bは、提供契約情報に含まれる提供内容及び固定費と、保障契約情報に含まれる保障内容及び保障料とに基づいて、提供と保障を組み合わせた料金プランを生成する。対応付け部181Bは、上述したように、各種の料金プランを生成するが、保障については提供事業者12が保障契約した内容に限定される。料金プランの料金は、例えば、保障にかかる保障料は含まず、提供にかかる固定費のみの料金とされる。つまり、保障については無料サービスとし、提供事業者12が保障料を全額負担する。また、保障料の一部を含めた固定費を料金プランの料金としてもよい。この場合、提供事業者12が保障料の一部を負担する。対応付け部181Bによって生成された料金プランは、例えば、記憶部185に記憶される。
【0086】
図8は、第2の実施形態に係る顧客14、提供事業者12、及び保障事業者16の関係を模式的に示す図である。なお、図8に示す各種処理は、上述したように、顧客端末22、管理サーバー18、請求回収管理サーバー26、及び保障実行管理サーバー24を用いた情報処理によって実行される。
【0087】
図8に示すように、管理サーバー18及び請求回収管理サーバー26は、提供事業者12と保障事業者16との間で、顧客14を保障対象とする保障契約を締結する処理を行う。また、顧客端末22及び管理サーバー18は、上述の料金プランの提示、選択を受けて、顧客14と提供事業者12との間で提供契約を締結する。
【0088】
次に、顧客端末22は、管理サーバー18に対して、提供契約に基づく固定費を支払う処理を行う。管理サーバー18は、請求回収管理サーバー26に対して、保障契約に基づく保障料を支払う処理を行う。
【0089】
次に、顧客端末22は、顧客14に不測の実態が発生した場合、管理サーバー18に対して、不測の事態が発生したことを示す通知を送信する。管理サーバー18は、顧客端末22からの通知に応じて、保障実行管理サーバー24に対して、顧客14の保障を請求することを示す情報を送信する。
【0090】
次に、保障実行管理サーバー24は、管理サーバー18からの保障請求に応じて、管理サーバー18に対して、請求に対応する保障額を送信する。管理サーバー18は、保障実行管理サーバー24からの保障額に基づいて、顧客14の固定費を減額し、減額した固定費の通知を顧客端末22に送信する。
【0091】
次に、図9を参照して、第2の実施形態に係る管理サーバー18の作用を説明する。
【0092】
図9は、第2の実施形態に係る保障プログラム185Aによる料金プラン生成処理の流れの一例を示すフローチャートである。
【0093】
保障プログラム185Aによる料金プラン生成処理の実行が指示されると、管理サーバー18のCPU181が、ROM182又は記憶部185に記憶されている保障プログラム185AをRAM183に書き込むことで実行される。
【0094】
図9のステップS131では、CPU181が、顧客14との間で結ばれる提供契約情報を提供契約情報DB185Bに登録する。
【0095】
ステップS132では、CPU181が、保障事業者16の請求回収管理サーバー26に対して、顧客14を保障対象とし、提供事業者12を契約者とする保障契約を依頼する情報を送信する。
【0096】
ステップS133では、CPU181が、保障事業者16の請求回収管理サーバー26から、顧客14との保障に関する保障契約情報を受信し、受信した保障契約情報を保障契約情報DB185Cに登録する。保障契約情報の受信をもって顧客14を保障対象とする保障契約が締結される。
【0097】
ステップS134では、CPU181が、保障契約情報DB185Cに登録された保障契約情報を、提供契約情報DB185Bに登録された提供契約情報に対応付けて、上述したように、提供と保障を組み合わせた各種の料金プランを生成する。
【0098】
ステップS135では、CPU181が、ステップS134で生成した各種の料金プランを、例えば、記憶部185に記憶し、本保障プログラム185Aによる料金プラン生成処理を終了する。
【0099】
以下、本実施形態においても、上記第1の実施形態と同様に、上述の図6に示す顧客契約処理、及び図7に示す顧客保障処理が実行される。
【0100】
このように本実施形態によれば、提供事業者と保障事業者との間で、顧客を保障対象とする保障契約が締結されると共に、顧客の保障にかかる保障料が提供事業者によって負担され、顧客に不測の事態が発生した場合に提供事業者によって固定費が減額される。これにより、提供事業者が顧客の不測の事態の発生時に保障行為を行う付加価値を提供することが可能となる。
【0101】
[第3の実施形態]
第3の実施形態では、提供事業者が管理する管理サーバーを、機能に応じた複数のサーバーで実現する形態について説明する。
【0102】
図10は、第3の実施形態に係る保障システム10Aの一例を示す図である。
【0103】
図10に示すように、提供事業者12は、契約管理サーバー18A及び請求回収管理サーバー18Bを管理する。これらの契約管理サーバー18A及び請求回収管理サーバー18Bは、上述の図1に示す管理サーバー18を、機能に応じて複数のサーバーで実現したものである。なお、本実施形態に係る契約管理サーバー18A及び請求回収管理サーバー18Bは、提供事業者12を保障事業者16の代理店とする形態について説明するが、提供事業者12が保障事業者16の保障料を負担する形態についても同様に適用可能である。
【0104】
なお、上述の図3に示す各部(登録部181A、対応付け部181B、提示部181C、受付部181D、減額部181E、及び通知部181F)は、契約管理サーバー18A及び請求回収管理サーバー18Bのいずれかに設けられる。例えば、契約管理サーバー18Aには、登録部181A、対応付け部181B、提示部181C、受付部181D、及び通知部181Fが設けられ、請求回収管理サーバー18Bには、減額部181Eが設けられる。
【0105】
契約管理サーバー18Aは、主として、顧客14の顧客端末22との間で、提供契約処理を実行する。また、契約管理サーバー18Aは、顧客14の顧客端末22と保障事業者16の請求回収管理サーバー26との間で、不測の事態が発生したときの保障のための保障契約処理を実行する。また、請求回収管理サーバー18Bは、顧客14への固定費の請求及び顧客14からの固定費の支払いの確認処理を実行する。また、請求回収管理サーバー18Bは、顧客14の顧客端末22からの不測事態発生通知に基づいて、保障事業者16の保障実行管理サーバー24に対して、保障請求を行い、保障実行管理サーバー24からの保障の有無を確認する処理を実行し、契約管理サーバー18Aに対して、保障が確認された旨を通知する処理を実行する。
【0106】
保障実行管理サーバー24は、提供事業者12の請求回収管理サーバー18Bから保障請求があった場合に、請求回収管理サーバー18Bに対して保障処理を実行する。一方、請求回収管理サーバー26は、提供事業者12の請求回収管理サーバー18Bからの保障料の支払い(顧客14の代行として)の有無を判定し、保障実行管理サーバー24へ、支払い確認通知の送出処理を実行する。この支払い確認通知により、保障実行管理サーバー24による保障処理が有効となる。
【0107】
図11は、第3の実施形態に係る顧客端末22、契約管理サーバー18A、請求回収管理サーバー18B、保障実行管理サーバー24、及び請求回収管理サーバー26を用いた情報処理の流れの一例を示すシーケンス図である。
【0108】
図11に示すように、顧客端末22は、上述の料金プランの提示、選択に基づいて、契約管理サーバー18Aとの間で、顧客14と提供事業者12との提供契約を締結すると共に、提供事業者12を代理店として、顧客14と保障事業者16との保障契約を締結する処理を実行する。
【0109】
次に、顧客端末22は、請求回収管理サーバー18Bに対して、提供にかかる固定費の支払い処理を実行する。請求回収管理サーバー18Bは、固定費の支払いを確認し、確認結果を契約管理サーバー18Aに送信する。
【0110】
次に、顧客端末22は、請求回収管理サーバー18Bに対して、保障にかかる保障料の支払い処理を実行する。請求回収管理サーバー18Bは、顧客14に代えて、請求回収管理サーバー26に対して、保障料の支払い(収納代行)を実行する。請求回収管理サーバー26は、保障料の支払いを確認し、確認結果を保障実行管理サーバー24に送信する。
【0111】
次に、顧客14に不測の事態が発生した場合、顧客端末22は、契約管理サーバー18Aに対して、不測事態発生を示す通知を行う。契約管理サーバー18Aは、請求回収管理サーバー18Bに対して、保障依頼を行う。請求回収管理サーバー18Bは、保障実行管理サーバー24に対して、顧客14の保障を請求することを示す情報を送信する。保障実行管理サーバー24は、請求回収管理サーバー18Bに対して、請求に対応する保障額を含み、保障実行を示す情報を送信し、請求回収管理サーバー18Bは、保障確認を行うと共に、請求に対応する保障額に基づいて、提供にかかる固定費を減額し、契約管理サーバー18Aに対して、減額した固定費を含み、保障確認を示す情報を送信する。
【0112】
次に、契約管理サーバー18Aは、顧客端末22に対して、減額した固定費を含む保障内容の通知を行う。
【0113】
図12は、第3の実施形態に係る顧客端末22、契約管理サーバー18A、請求回収管理サーバー18B、保障実行管理サーバー24、及び請求回収管理サーバー26を用いた情報処理の流れの別の例を示すシーケンス図である。
【0114】
図12に示すように、顧客端末22は、上述の料金プランの提示、選択に基づいて、契約管理サーバー18Aとの間で、顧客14と提供事業者12との提供契約を締結すると共に、請求回収管理サーバー26との間で、顧客14と保障事業者16との保障契約を締結する処理を実行する。
【0115】
次に、顧客端末22は、請求回収管理サーバー18Bに対して、提供にかかる固定費の支払い処理を実行する。請求回収管理サーバー18Bは、固定費の支払いを確認し、確認結果を契約管理サーバー18Aに送信する。
【0116】
次に、顧客端末22は、請求回収管理サーバー26に対して、保障にかかる保障料の支払い処理を実行する。請求回収管理サーバー26は、保障料の支払いを確認し、確認結果を保障実行管理サーバー24に送信する。
【0117】
次に、顧客14に不測の事態が発生した場合、顧客端末22は、契約管理サーバー18Aに対して、不測事態発生を示す通知を行う。契約管理サーバー18Aは、請求回収管理サーバー18Bに対して、保障依頼を行う。請求回収管理サーバー18Bは、保障実行管理サーバー24に対して、顧客14の保障を請求することを示す情報を送信する。保障実行管理サーバー24は、請求回収管理サーバー18Bに対して、請求に対応する保障額を含み、保障実行を示す情報を送信し、請求回収管理サーバー18Bは、保障確認を行うと共に、請求に対応する保障額に基づいて、提供にかかる固定費を減額し、契約管理サーバー18Aに対して、減額した固定費を含み、保障確認を示す情報を送信する。
【0118】
次に、契約管理サーバー18Aは、顧客端末22に対して、減額した固定費を含む保障内容の通知を行う。
【0119】
以上、実施形態に係る情報処理装置の一例として管理サーバーを例示して説明した。実施形態は、情報処理装置が備える各部の機能をコンピュータに実行させるためのプログラムの形態としてもよい。実施形態は、これらのプログラムを記憶したコンピュータが読み取り可能な非一時的記憶媒体の形態としてもよい。
【0120】
その他、上記実施形態で説明した情報処理装置の構成は、一例であり、主旨を逸脱しない範囲内において状況に応じて変更してもよい。
【0121】
また、上記実施形態で説明したプログラムの処理の流れも、一例であり、主旨を逸脱しない範囲内において不要なステップを削除したり、新たなステップを追加したり、処理順序を入れ替えたりしてもよい。
【0122】
また、上記実施形態では、プログラムを実行することにより、実施形態に係る処理がコンピュータを利用してソフトウェア構成により実現される場合について説明したが、これに限らない。実施形態は、例えば、ハードウェア構成や、ハードウェア構成とソフトウェア構成との組み合わせによって実現してもよい。
【符号の説明】
【0123】
10、10A 保障システム
12 提供事業者
14 顧客
16 保障事業者
17 ネットワーク
18 管理サーバー
18A 契約管理サーバー
18B 請求回収管理サーバー
22 顧客端末
24 保障実行管理サーバー
26 請求回収管理サーバー
181 CPU
181A 登録部
181B 対応付け部
181C 提示部
181D 受付部
181E 減額部
181F 通知部
182 ROM
183 RAM
184 I/O
185 記憶部
185A 保障プログラム
185B 提供契約情報DB
185C 保障契約情報DB
186 表示部
187 操作部
188 通信部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
【手続補正書】
【提出日】2023-03-07
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
顧客と、当該顧客に対して物品、サービス、又は使用権を提供する提供事業者と、の間で結ばれる提供契約であって、提供に対して固定費を支払う支払規定を含む前記提供契約に関する情報である提供契約情報を登録する登録部と、
前記顧客の不測の事態に対して保障する保障規定を含む保障契約であって、前記顧客の不測の事態に対して保障を行う保障事業者と前記顧客との間、又は、前記顧客の不測の事態に対して保障を行う保障事業者と前記提供事業者との間で結ばれる前記保障契約に関する情報である保障契約情報を、前記提供契約情報に対応付け、前記提供契約情報及び前記保障契約情報に基づいて、提供と保障を組み合わせた各種の料金プランを生成する対応付け部と、
前記顧客が使用する顧客端末からの料金プランの提示要求に応じて、前記対応付け部により生成された各種の料金プランを、前記顧客端末に選択可能に提示し、前記顧客端末から、前記顧客が選択した料金プランを受け付け、受け付けた料金プランを登録する提示部と、
前記保障契約による保障を伴う前記顧客の不測の事態が発生した場合に、前記固定費の少なくとも一部を減額する減額部と、
を備えた情報処理装置。
【請求項2】
記顧客端末から、前記不測の事態が発生したことを示す通知を受け付ける受付部を更に備え、
前記減額部は、前記受付部により前記通知を受け付けた場合に、前記顧客に代わり、前記顧客の不測の事態に対して保障を行う保障事業者が管理する別の情報処理装置に対して、前記顧客の保障を請求することを示す情報を送信し、当該情報に応じて、前記別の情報処理装置から受信される、前記請求に対応する保障額に基づいて、前記固定費を減額する
請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項3】
前記顧客の不測の事態は、前記顧客が健康上の不利益を受ける事態、前記顧客がエネルギー消費設備の異常に付随して不利益を受ける事態、及び、前記顧客が災害に付随して不利益を受ける事態の少なくとも1つを含む
請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項4】
請求項1~請求項の何れか1項に記載の情報処理装置と、
顧客が使用する顧客端末と、
前記顧客の不測の事態に対して保障を行う保障事業者が管理する別の情報処理装置と、
を備え、
前記情報処理装置、前記顧客端末、及び前記別の情報処理装置が通信網で接続された保障システム。
【請求項5】
情報処理装置が、
顧客と、当該顧客に対して物品、サービス、又は使用権を提供する提供事業者と、の間で結ばれる提供契約であって、提供に対して固定費を支払う支払規定を含む前記提供契約に関する情報である提供契約情報を登録し、
前記顧客の不測の事態に対して保障する保障規定を含む保障契約であって、前記顧客の不測の事態に対して保障を行う保障事業者と前記顧客との間、又は、前記顧客の不測の事態に対して保障を行う保障事業者と前記提供事業者との間で結ばれる前記保障契約に関する情報である保障契約情報を、前記提供契約情報に対応付け、前記提供契約情報及び前記保障契約情報に基づいて、提供と保障を組み合わせた各種の料金プランを生成し
前記顧客が使用する顧客端末からの料金プランの提示要求に応じて、前記生成された各種の料金プランを、前記顧客端末に選択可能に提示し、前記顧客端末から、前記顧客が選択した料金プランを受け付け、受け付けた料金プランを登録し、
前記保障契約による保障を伴う前記顧客の不測の事態が発生した場合に、前記固定費の少なくとも一部を減額する、
保障方法。
【請求項6】
顧客と、当該顧客に対して物品、サービス、又は使用権を提供する提供事業者と、の間
で結ばれる提供契約であって、提供に対して固定費を支払う支払規定を含む前記提供契約に関する情報である提供契約情報を登録し、
前記顧客の不測の事態に対して保障する保障規定を含む保障契約であって、前記顧客の不測の事態に対して保障を行う保障事業者と前記顧客との間、又は、前記顧客の不測の事態に対して保障を行う保障事業者と前記提供事業者との間で結ばれる前記保障契約に関する情報である保障契約情報を、前記提供契約情報に対応付け、前記提供契約情報及び前記保障契約情報に基づいて、提供と保障を組み合わせた各種の料金プランを生成し
前記顧客が使用する顧客端末からの料金プランの提示要求に応じて、前記生成された各種の料金プランを、前記顧客端末に選択可能に提示し、前記顧客端末から、前記顧客が選択した料金プランを受け付け、受け付けた料金プランを登録し、
前記保障契約による保障を伴う前記顧客の不測の事態が発生した場合に、前記固定費の少なくとも一部を減額することを、
コンピュータに実行させるための保障プログラム。