(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024061398
(43)【公開日】2024-05-07
(54)【発明の名称】畦塗り機
(51)【国際特許分類】
A01B 35/00 20060101AFI20240425BHJP
【FI】
A01B35/00 C
【審査請求】未請求
【請求項の数】10
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022169327
(22)【出願日】2022-10-21
(71)【出願人】
【識別番号】390010836
【氏名又は名称】小橋工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000408
【氏名又は名称】弁理士法人高橋・林アンドパートナーズ
(72)【発明者】
【氏名】松岡 和輝
(72)【発明者】
【氏名】谷本 真太郎
【テーマコード(参考)】
2B034
【Fターム(参考)】
2B034AA02
2B034BA05
2B034BA10
2B034BB01
2B034BC06
2B034BD03
2B034BE03
2B034DA02
2B034DA08
2B034DB01
2B034DB05
2B034DB06
2B034DB07
2B034DB12
2B034DB13
2B034DB22
2B034DB28
2B034DB32
(57)【要約】
【課題】土の放擲性能及びメンテナンス性の向上を両立させた前処理部を備えた畦塗り機を提供すること。
【解決手段】複数の作業爪を含む作業ロータを回転させて元畦の一部を切り崩す前処理部と、前記前処理部の後方に位置し、前記元畦の側面に盛られた土を前記元畦に塗り付けて新たな畦を形成する整畦部と、を備え、前記作業ロータは、前記作業爪とともに回転する排土部品及び前記作業爪を保持する保持部をさらに含み、前記排土部品は、スクレーパ部と、排土部と、を有し、前記スクレーパ部は、前記保持部の近傍に配置され、前記作業ロータの少なくとも一部を覆うカバー部材と前記保持部との間に端部が位置し、前記排土部は、前記作業ロータの正面視において、その先端部が第1作業爪の刃先部と向かい合うように配置され、かつ前記作業ロータの側面視において、前記第1作業爪の回転軸の軸方向における幅の範囲内に位置する、畦塗り機。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の作業爪を含む作業ロータを回転させて元畦の一部を切り崩す前処理部と、
前記前処理部の後方に位置し、前記元畦の側面に盛られた土を前記元畦に塗り付けて新たな畦を形成する整畦部と、
を備え、
前記作業ロータは、前記作業爪とともに回転する排土部品及び前記作業爪を保持する保持部をさらに含み、
前記排土部品は、スクレーパ部と、排土部と、を有し、
前記スクレーパ部は、前記保持部の近傍に配置され、前記作業ロータの少なくとも一部を覆うカバー部材と前記保持部との間に端部が位置し、
前記排土部は、前記作業ロータの正面視において、その先端部が第1作業爪の刃先部と向かい合うように配置され、かつ前記作業ロータの側面視において、前記第1作業爪の回転軸の軸方向における幅の範囲内に位置する、畦塗り機。
【請求項2】
複数の作業爪を含む作業ロータを回転させて元畦の一部を切り崩す前処理部と、
前記前処理部の後方に位置し、前記元畦の側面に盛られた土を前記元畦に塗り付けて新たな畦を形成する整畦部と、
を備え、
前記作業ロータは、前記作業爪とともに回転する排土部品及び前記作業爪を保持する保持部をさらに含み、
前記排土部品は、スクレーパ部と、排土部と、を有すると共に、前記作業ロータの正面視において、その回転外径は、第1作業爪の回転外径よりも小さく構成され、
前記スクレーパ部は、前記保持部の近傍に配置され、前記作業ロータの少なくとも一部を覆うカバー部材と前記保持部との間に端部が位置し、
前記排土部は、前記作業ロータの正面視において、その先端部が前記第1作業爪の刃先部と向かい合うように配置される、畦塗り機。
【請求項3】
前記作業ロータの正面視において、前記排土部と前記第1作業爪との間の最短距離は、1cm以上3cm以下である、請求項1又は2に記載の畦塗り機。
【請求項4】
前記第1作業爪は、前記第1作業爪の回転軸と平行な第1方向に向かって湾曲し、
前記排土部は、前記第1作業爪の刃先部と向かい合う側の端部における前記第1方向とは逆方向の側に面取り部を有する、請求項1又は2に記載の畦塗り機。
【請求項5】
前記排土部品の前記排土部を支持する支持部は、前記保持部に脱着可能に装着される、請求項1又は2に記載の畦塗り機。
【請求項6】
前記排土部品は、前記支持部に固定された2つの板状部材を有し、
前記2つの板状部材は、前記保持部を挟むように配置される、請求項5に記載の畦塗り機。
【請求項7】
前記スクレーパ部は、前記2つの板状部材の少なくとも一方である、請求項6に記載の畦塗り機。
【請求項8】
前記保持部の少なくとも1つは、前記排土部品を保持する、請求項1又は2に記載の畦塗り機。
【請求項9】
請求項5に記載の畦塗り機における前記前処理部に設けられる、排土部品。
【請求項10】
請求項8に記載の畦塗り機における前記前処理部に設けられる、排土部品。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、畦塗り機に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、水田の畦を形成する農作業機として畦塗り機が知られている。一般的に、畦塗り機は、切り崩した元畦に対して新たに土盛りを行い、畦の法面に当接させた整畦体を回転させて、盛られた土を元畦に対して押し固めることにより、新畦を形成する。元畦の切り崩し作業は、回転可能に配置された複数の作業爪を有する前処理部によって行われる。前処理部では、切り崩し作業の際に作業爪によって削り取られた土が元畦に対して放擲される。この土の放擲を効率よく行うために、特許文献1に記載の畦塗り機は、前処理部に、作業爪に加えて土を放擲する掬い爪が配置されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明の一実施形態の課題は、土の放擲性能及びメンテナンス性の向上を両立させた前処理部を備えた畦塗り機を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の一実施形態における畦塗り機は、複数の作業爪を含む作業ロータを回転させて元畦の一部を切り崩す前処理部と、前記前処理部の後方に位置し、前記元畦の側面に盛られた土を前記元畦に塗り付けて新たな畦を形成する整畦部と、を備え、前記作業ロータは、前記作業爪とともに回転する排土部品及び前記作業爪を保持する保持部をさらに含み、前記排土部品は、スクレーパ部と、排土部と、を有し、前記スクレーパ部は、前記保持部の近傍に配置され、前記作業ロータの少なくとも一部を覆うカバー部材と前記保持部との間に端部が位置し、前記排土部は、前記作業ロータの正面視において、その先端部が第1作業爪の刃先部と向かい合うように配置され、かつ前記作業ロータの側面視において、前記第1作業爪の回転軸の軸方向における幅の範囲内に位置する。
【0006】
本発明の一実施形態における畦塗り機は、複数の作業爪を含む作業ロータを回転させて元畦の一部を切り崩す前処理部と、前記前処理部の後方に位置し、前記元畦の側面に盛られた土を前記元畦に塗り付けて新たな畦を形成する整畦部と、を備え、前記作業ロータは、前記作業爪とともに回転する排土部品及び前記作業爪を保持する保持部をさらに含み、前記排土部品は、スクレーパ部と、排土部と、を有すると共に、前記作業ロータの正面視において、その回転外径は、前記第1作業爪の回転外径よりも小さく構成され、前記スクレーパ部は、前記保持部の近傍に配置され、前記作業ロータの少なくとも一部を覆うカバー部材と前記保持部との間に端部が位置し、前記排土部は、前記作業ロータの正面視において、その先端部が第1作業爪の刃先部と向かい合うように配置される。
【0007】
前記作業ロータの正面視において、前記排土部と前記第1作業爪との間の最短距離は、1cm以上3cm以下であってもよい。
【0008】
前記第1作業爪は、前記第1作業爪の回転軸と平行な第1方向に向かって湾曲していてもよい。このとき、前記排土部は、前記第1作業爪の刃先と向かい合う側の端部における前記第1方向とは逆方向の側に面取り部を有していてもよい。
【0009】
前記排土部品の前記排土部を支持する支持部は、前記保持部に脱着可能に装着されてもよい。
【0010】
前記排土部品は、前記支持部に固定された2つの板状部材を含んでいてもよい。前記2つの板状部材は、前記保持部を挟むように配置されてもよい。
【0011】
前記スクレーパ部は、前記2つの板状部材の少なくとも一方であってもよい。
【0012】
前記保持部の少なくとも1つは、前記排土部品を保持してもよい。
【0013】
本発明の他の実施形態は、上述の畦塗り機のいずれかにおける前記前処理部に設けられる、排土部品である。
【発明の効果】
【0014】
本発明によれば、土の放擲性能及びメンテナンス性の向上を両立させた前処理部を備えた畦塗り機を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【
図1】本発明の第1実施形態における畦塗り機の構成を、作業ロータを正面視した状態で模式的に示す図である。
【
図2】本発明の第1実施形態の畦塗り機における前処理部の構成を示す図である。
【
図3】本発明の第1実施形態の畦塗り機における排土部品の構成を示す図である。
【
図4】本発明の第1実施形態の畦塗り機における作業ロータの構成を示す図である。
【
図5】本発明の第1実施形態の畦塗り機における作業爪と排土部との配置関係等を説明するための図である。
【
図6】本発明の第2実施形態の畦塗り機における作業ロータの構成を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、図面を参照して本発明の一実施形態の畦塗り機について説明する。但し、本発明の一実施形態の畦塗り機は、多くの異なる態様で実施することが可能であり、以下に示す例の記載内容に限定して解釈されるものではない。なお、本実施の形態で参照する図面において、同一部分または同様な機能を有する部分には同一の符号を付し、その繰り返しの説明は省略する。
【0017】
以下の説明において、説明の便宜上、「上」、「下」、「前」、「後」、「右」、「左」といった方向を示す語句を用いるが、本発明の一実施形態の畦塗り機に対して、重力の働く方向が「下」であり、その逆が「上」である。また、作業時における進行方向が「前」であり、その逆が「後」である。さらに、「前」に向かって、右側が「右」であり、左側が「左」である。
【0018】
本明細書において、「作業ロータの正面視」とは、回転軸の軸方向に沿って作業ロータを正面から見た状態を意味し、「作業ロータの側面視」とは、回転軸の軸方向と直交する方向に沿って作業ロータを側面から見た状態を意味する。また、作業ロータの正面視において、視点から遠い側を「奥側」と呼び、近い側を「手前側」と呼ぶ。
【0019】
〈第1実施形態〉
[畦塗り機機の構成]
図1は、本発明の第1実施形態における畦塗り機100の構成を、作業ロータを正面視した状態で模式的に示す図である。
図1に示すように、畦塗り機100は、装着部110、動力伝達部120、オフセット機構部130、整畦部140、及び前処理部150を備えている。ただし、本実施形態の畦塗り機100の構成は、
図1に示した構成に限られるものではない。
【0020】
装着部110は、ロアリンク連結部111、トップリンク連結部112、ヒッチフレーム113、及び入力軸114を含むとともに、トラクタ等の走行機体(図示せず)の3点リンク機構に装着される。なお、畦塗り機100と走行機体との連結は、走行機体の3点リンク機構に装着されるオートヒッチフレームを介してもよい。
【0021】
ヒッチフレーム113は、入力軸114に伝達された動力を動力伝達部120に伝達する機構を備える。入力軸114は、走行機体のPTO軸に対しユニバーサルジョイント等の伝動継手を介して接続される。入力軸114には、走行機体から出力された動力が伝達される。なお、図示は省略するが、装着部110のヒッチフレーム113には、制御部が設けられている。制御部は、演算処理装置、記憶装置、通信装置等を備え、畦塗り機100の動作全般を制御する機能を有する。
【0022】
動力伝達部120は、装着部110に入力された動力を整畦部140及び前処理部150に伝達する機構である。図示は省略するが、本実施形態の畦塗り機100は、動力伝達部120が、巻き掛け伝動装置で構成されている。具体的には、動力伝達部120は、一対のスプロケット及びローラチェーンを有するチェーン駆動装置で構成されている。ただし、この例に限らず、動力伝達部120は、一対のプーリ及びベルトを有するベルト駆動装置であってもよいし、ユニバーサルジョイント等の伝動継手であってもよい。
【0023】
オフセット機構部130は、装着部110と整畦部140との間に配置され、装着部110に対して回動することにより整畦部140及び前処理部150を左右方向にオフセット移動させる機構である。オフセット機構部130は、装着部110及び整畦部140に対して回動可能に連結された平行リンク機構を含む。すなわち、オフセット機構部130が装着部110に対して回動することにより、整畦部140の向き(例えば、回転軸の方向)及び姿勢を維持したまま、整畦部140を左右方向に移動させることができる。ただし、オフセット機構部130の具体的な構成は、この例に限られるものではなく、整畦部140及び前処理部150を側方にオフセット移動させることが可能な機構であればよい。
【0024】
オフセット機構部130は、第1リンクアーム131、第2リンクアーム132及び第3リンクアーム133を含む。第1リンクアーム131の前方端は、ヒッチフレーム113に回動可能に連結され、後方端は、第3リンクアーム133に回動可能に連結される。また、第2リンクアーム132の前方端は、ヒッチフレーム113に回動可能に連結され、後方端は、第3リンクアーム133に回動可能に連結される。このとき、第1リンクアーム131と第2リンクアーム132とは略平行に配置される。また、第3リンクアーム133は、ヒッチフレーム113に対して略平行に配置される。このように、オフセット機構部130は、ヒッチフレーム113、第1リンクアーム131、第2リンクアーム132及び第3リンクアーム133で構成される平行リンク機構を含む。
【0025】
本実施形態のオフセット機構部130は、図示しないアクチュエータ(例えば、電動シリンダ)を用いて上述の平行リンク機構を作動させることにより、整畦部140及び前処理部150を左右方向にオフセット移動させることができる。
【0026】
整畦部140は、後述する前処理部150の後方に位置し、元畦の側面に盛られた土を元畦に塗り付けて新たな畦を形成する役割を有する。整畦部140は、回転自在に支持された略円錐台形状の法面整畦体141及び法面整畦体141の頂部に取付基部(図示を省略)を介して取り付けられた上面整畦体142を含む。整畦部140には、動力伝達部120を経由して伝達された動力が回転動力として入力される。法面整畦体141及び上面整畦体142は、入力された動力によって回転し、畦塗り機100の側方位置に畦を形成する。具体的には、法面整畦体141によって畦の法面が整畦され、上面整畦体142によって畦の上面(天場)が整畦される。
【0027】
前処理部150は、複数の作業爪12を含む作業ロータ151を回転させて元畦の一部を切り崩しつつ、切り崩された土を整畦部140に供給する役割を有する。前処理部150は、元畦の切り崩し作業を行う作業ロータ151及び当該作業ロータ151の少なくとも一部を覆い、作業ロータ151から排出される土の周囲への飛散を抑制するカバー部材152を有する。
【0028】
作業ロータ151は、複数の作業爪12が回転軸10(
図2参照)の軸回りに放射状に配置された構造を有する。
図1に示す視点では、作業ロータ151は、反時計回りに回転する。回転させた複数の作業爪12は、元畦に接触すると元畦を切り崩すとともに整畦部140に向かって切り崩した土を放擲する。整畦部140では、前処理部150によって放擲された土を切り崩された元畦に塗り付けることにより新たな畦を形成する。作業ロータ151の具体的な構造については、後述する。
【0029】
カバー部材152は、作業ロータ151の奥側に配置された第1カバー部材152a、手前側に配置された第2カバー部材152b、及び第1カバー部材152aと第2カバー部材152bとを繋ぎ、複数の作業爪12の上方を覆う第3カバー部材152cを含む。第1カバー部材152a及び第2カバー部材152bは、作業ロータ151の回転軸10と直交する面を有している(
図2(B)参照)。なお、本実施形態の畦塗り機100では、作業ロータ151の回転軸10は、畦塗り機100の進行方向(前後方向)と平行ではなく、進行方向に対して畦側に傾斜した角度で配置されている。しかし、本実施形態は、
図1の構成に限られるものではなく、作業ロータ151の回転軸10が畦の長手方向と略直交するような角度(整畦部140の回転軸と(略)平行な状態)で配置されていてもよい。この場合、
図1に示した第3カバー部材152cが進行方向に対して前方側に配置され、第2カバー部材152bが装置外側(畦側)の側方側に、第1カバー部材152aが装置中心側の側方側に配置される構成となる。
【0030】
図示は省略するが、畦塗り機100は、天場処理部を備えていてもよい。天場処理部は、元畦の上面の一部を切り崩す役割を有する。天場処理部は、前処理部150と同様に、回転可能に設けられた複数の爪を有し、回転させた複数の爪により元畦の上面の一部を切り崩す。天場処理部によって切り崩された部分は、前処理部150から供給された土が盛られ、上面整畦体142によって圧せられて整畦される。
【0031】
[前処理部の構成]
図2は、本発明の第1実施形態の畦塗り機100における前処理部150の構成を示す図である。具体的には、
図2(A)は、前処理部150を回転軸10の軸方向に対して斜め方向から見た図であり、
図2(B)は、前処理部150を回転軸10の軸方向に対して側方から見た図である。なお、
図2(B)に示す視点から作業ロータ151を見た状態は、作業ロータ151の側面視に相当する。
【0032】
図2(A)に示す視点において、作業ロータ151は、回転軸10を中心として反時計回りに回転する。複数の作業爪12は、作業ロータの正面視において、回転方向Rと逆方向に湾曲した形状に構成され、かつ、回転軸10の軸方向における奥側又は手前側に湾曲した形状に構成されている。各作業爪12は、それぞれ回転軸10の軸回りに回転して元畦の切り崩し作業を行う。各作業爪12は、保持部11によって基部側が保持される。
図2(A)及び
図2(B)に示した保持部11は、ホルダと呼ばれるタイプの保持部である。詳細は後述するが、本実施形態の保持部11は、板状の保持プレート11aに略「コ」字状の保持枠11bを組み合わせて形成した中空部に作業爪12の基部が挿入され、ボルト等の固定具11cにより作業爪12が固定される。
【0033】
図2(B)に示すように、本実施形態の作業ロータ151は、各保持部11が奥行き方向(回転軸10の軸方向)に3つの位置に分けて配置されている。各位置には、2つずつ保持部11が配置され、合計6本の作業爪12が配置される。なお、本実施形態では、作業ロータ151の正面視において最も奥の位置(第1カバー部材152aに最も近い位置)の保持部11に保持される作業爪12が、回転軸10の軸方向におい奥側に湾曲し、他の作業爪12は、手前側に湾曲しているが、この例に限られるものではなく、作業爪12が全て同じ方向(奥側又は手前側のいずれかの方向)に湾曲する構成とすることも可能である。
【0034】
図2(A)に示すように、本実施形態の作業ロータ151は、排土部品20を含む。排土部品20は、作業ロータ151の正面視において最も奥側(第1カバー部材152aに最も近い位置:作業ロータ151の基部側)の保持部11に固定され、回転方向Rの前方側に隣接する奥行き方向真ん中の作業爪12と協働して作業ロータ151によって切り崩された土を元畦に向かって放擲するための補助部品である。排土部品20について、
図2及び
図3を用いて具体的に説明する。
【0035】
図3は、本発明の第1実施形態の畦塗り機100における排土部品20の構成を示す図である。具体的には、
図3(A)は、作業ロータ151の回転軸10の軸方向を基準として排土部品20を斜め方向から見た説明図であり、
図3(B)は、作業ロータ151の側面視における排土部品20の説明図であり、
図3(C)は、作業ロータの正面視における排土部品20の説明図であり、
図3(D)は、作業ロータ151の側面視において
図3(B)とは90度異なる方向から見た排土部品20の説明図である。
【0036】
図3に示すように、本実施形態の排土部品20は、支持部21、排土部22、スクレーパ部23、及び回転制止部24を含む。支持部21は、排土部22を支持する板状の部材であり、支持部21の一端(先端側)に排土部22が溶接されている。排土部22が溶接されていない支持部21の他端側(基部側)には、保持部11に装着するための貫通孔21aが形成されており、排土部品20は、
図3(D)に示す支持部21の当接面21bを保持部11に当接させた状態で固定される。本実施形態において、排土部22は、回転軸10に向かう側の面が凹面となるように湾曲した板状部材である。ただし、排土部22の形状は、これに限られるものではない。
【0037】
図2(A)に示したように、排土部22は、回転方向Rの前方側の端部が回転方向Rの前方側に隣接する作業爪12の刃先部と向かい合うように配置されており、回転方向Rの前方側に隣接する作業爪12の湾曲した凹部と排土部22の凹面とが向かい合うように構成される。排土部22の端部のうち、隣接する作業爪12の刃先部と向かい合う側の端部には、面取り部22aが設けられている。詳細は後述するが、排土部22の幅方向における面取り部の位置は、排土部22に隣接する作業爪12の刃部の湾曲方向(回転軸10の軸方向における湾曲方向)に応じて決定すればよい。
【0038】
排土部22は、保持部11に装着された支持部21によって支持されているため、作業爪12の回転とともに回転する。なお、本実施形態では、支持部21と排土部22とを別部材で構成し、それらを溶接により固定して一体化している。しかし、この例に限られるものではなく、支持部21と排土部22とは一体成形されたものであってもよい。
【0039】
スクレーパ部23は、近接するカバー部材、すなわち第1カバー部材152a(
図2参照)に付着した土を削ぎ落す役割を有している。スクレーパ部23は、支持部21の当接面21bに固定(溶接)され、作業ロータの側面視において支持部21から第1カバー部材152aに向かって突出する板状部材で構成される。スクレーパ部23の端部のうち、第1カバー部材152aに近い側の端部は、第1カバー部材152aと第1カバー部材152aに最も近接する(作業ロータ151の正面視において最も奥側に位置する)保持部11との間に位置する。
【0040】
このような構成とすることにより、作業中に切り崩された土が第1カバー部材152aに徐々に堆積しても、作業爪12とともに回転するスクレーパ部23が接触した土を削ぎ落していくため、第1カバー部材152aに付着する土の量を低減することができる。これにより、第1カバー部材152aに最も近接する保持部11が、カバー部材152内で堆積する土により摩耗することを防止することができる。なお、本実施形態では、スクレーパ部23を板状部材で構成しているが、この例に限られるものではなく、第1カバー部材152aに付着する土を除去する機能を有していれば、他の形状であってもよい。また、
図4(A)に示すように、作業ロータの回転方向Rにおいて、スクレーパ部23は、排土部品20が装着される保持部11よりも前側に突出した構成となっており、当該保持部11を効果的に保護できる構成となっている。
【0041】
回転制止部24は、スクレーパ部23と協働して、排土部品20(具体的には、支持部21)が保持部11に対して回転しないように制止する役割を有する。回転制止部24は、スクレーパ部23と同様、支持部21の当接面21bに固定(溶接)され、支持部21から第1カバー部材152aに向かって突出する板状部材で構成される。回転制止部24は、支持部21の貫通孔21aを挟んで、スクレーパ部23と対向する位置に配置されている。
【0042】
排土部品20は、排土作業の際に大きな負荷を受ける。本実施形態では、
図2(A)に示すように支持部21が保持部11に対して固定具11cを用いて固定されているため、排土部品20に大きな負荷を受けると、支持部21が回転してしまう虞がある。支持部21に固定された回転制止部24は、排土部品20が負荷を受けた際に保持部11に当接し、支持部21が固定具11cを中心として回転してしまうことを防ぐ。なお、回転制止部24の具体的な配置については後述する。
【0043】
[作業ロータの構成]
図4は、本発明の第1実施形態の畦塗り機100における作業ロータ151の構成を示す図である。具体的には、
図4(A)は、作業ロータ151の正面視に相当する図であり、
図4(B)は、作業ロータ151を正面視とは逆向きの方向から見た図である。説明の便宜上、排土部品20に対して回転方向Rの前方側に配置された作業爪12を「作業爪12-1」と表し、排土部品20が固定された保持部11に保持された作業爪12を「作業爪12-2」と表すこととする。
【0044】
図4(A)及び
図4(B)に示すように、保持部11は、保持プレート11a、保持枠11b及び固定具11cを含む。保持プレート11aは、回転軸10(
図2参照)の軸回りに回転可能に固定された部材であり、保持枠11bを固定するベース部材である。
図4(A)に示す例では、保持プレート11aは、回転軸10の軸方向において分けられた3つの位置に対応して回転軸10の軸方向に3つ配置されており、各保持プレート11aは、同じ位置に対応する2つの保持部11に共通である。保持プレート11aには、固定具11cを挿通するための貫通孔が設けられている。保持枠11bは、断面が「コ」字状の部材であり、保持プレート11aと組みわせることにより、作業爪12の基部(保持部11に取り付ける部分)が挿入される中空部を形成する。保持枠11bにも、固定具11cを挿通するための貫通孔が設けられている。固定具11cは、保持プレート11aと保持枠11bとを固定する部材である。例えば、固定具11cとして、ボルト及びナットを用いることができる。
【0045】
本実施形態において、排土部品20の支持部21は、作業爪12-2が保持された保持部11に固定されている。具体的には、支持部21は、当接面21bを保持枠11bに当接させ、保持枠11bに重ねて配置した状態で貫通孔21a(
図3参照)に固定具11cを挿通することにより保持枠11bに固定されている。また、図示はされていないが、保持部11の中空部に挿入された作業爪12の基部にも固定具11cを挿入するための貫通孔が設けられている。つまり、固定具11cのボルトは、保持プレート11a、作業爪12、保持枠11b、及び支持部21の順に、それぞれに設けられた貫通孔に挿通されている。なお、ここでは支持部21は当接面21bを保持枠11bに当接させて装着されているが、支持部21の当接面21bとは逆側の面を、保持プレート11aに当接させて支持部21を装着する構成としてもよい。
【0046】
本実施形態では、支持部21を保持枠11bに後付けで装着可能な構造となっているため、排土部品20を既存の保持部11に脱着可能に装着することができる。すなわち、本実施形態によれば、排土部品20を既存の作業ロータに対して脱着可能に装着することができる。そのため、排土部22が摩耗等により劣化した場合、排土部品20だけを容易に交換することが可能である。
【0047】
また、前述のとおり、回転制止部24は、排土部品20の支持部21が固定具11cの軸回りに回転してしまう不具合を防ぐために設けられている。
図4(B)に示すように、回転制止部24は、長手方向の略中心が固定具11cに最も近い位置となるように配置されている。つまり、回転制止部24の配置は、排土部品20が回転方向R及びその逆方向のどちらに向かって負荷を受けた場合であっても、保持プレート11aにほぼ均等な力で当接することにより、支持部21の回転に対して同等の抗力を生じるようになっている。
【0048】
また、
図4(B)に示すように、本実施形態の排土部品20は、スクレーパ部23が作業ロータ151の回転方向Rの前方側に配置され、回転制止部24が作業ロータ151の回転方向Rの後方側に配置されている。すなわち、本実施形態の排土部品20では、支持部21に固定された2つの板状部材(スクレーパ部23及び回転制止部24)が、保持部11の形状に合わせ、保持部11を挟むように配置されている。この場合、スクレーパ部23も支持部21が回転しようとすると保持プレート11aに当接して回転に対する抗力を生じる。つまり、本実施形態のスクレーパ部23は、回転制止部としての機能も兼ね備えている。本実施形態のように、2つの板状部材で保持部11を挟むことにより、排土部品20の負荷による不要な回転をより確実に防ぐことができる。なお、スクレーパ部23及び回転制止部24の配置は、上述の例に限定されるものではなく、例えば、スクレーパ部23を作業ロータ151の回転方向Rの後方側に配置し、回転制止部24を作業ロータ151の回転方向Rの前方側に配置することも可能である。また、本実施形態では、作業ロータ151の側面視において、スクレーパ部23は回転制止部24よりも第1カバー部材152a側に突出した構成としているが、第1カバー部材152a側に対する突出量をスクレーパ部23と回転制止部24とで同じ(同程度)としてもよい。
【0049】
ところで、
図4(A)に示すように、排土部22の先端部は、作業ロータ151の回転方向Rの前方側に隣接し、最も近接する作業爪12-1の刃先部と向かい合うように配置される。すなわち、作業ロータ151の正面視において、作業爪12-1の湾曲方向に対し、排土部22の湾曲方向は逆方向となるように構成されている。このように、本実施形態では、作業爪12-1と排土部22とを特定の位置関係で向かい合わせることにより、作業爪12-1により切り崩された土を作業爪12-1と排土部22とで抱え込ませて放擲することができ、効果的に整畦部140に土を供給できるようになっている。そして、本実施形態の畦塗り機100では、作業爪12-1に対する排土部22の配置を工夫することにより、作業ロータ151の土の放擲性能及びメンテナンス性を向上させている。この点について、
図5を用いて説明する。
【0050】
図5は、本発明の第1実施形態の畦塗り機100における作業爪12-1と排土部22との配置関係等を説明するための図である。具体的には、
図5(A)は、作業ロータの正面視において、作業爪12-1の刃先部及び排土部22の端部の近傍を拡大した図であり、
図5(B)は、作業ロータの側面視において、作業爪12-1の刃部及び排土部22の端部の近傍を拡大した図である。
【0051】
図5(A)に示す作業ロータ151の正面視において、作業爪12-1の刃先部と排土部22の端部(作業爪12-1の刃先部と向かい合う側の端部)との間の最短距離L(換言すれば、作業爪12-1と排土部22との間の最短距離L)は、1cm以上3cm以下であることが望ましい。最短距離Lが狭すぎると、作業爪12-1と排土部22とが接触するリスクが高まり、最短距離Lが広すぎると、隙間に根石等の障害物が挟まりやすくなり、作業ロータ151の損傷を招くリスクが高まるためである。
【0052】
また、
図5(A)に示す作業ロータ151の正面視において、排土部品20の回転外径は、作業爪12-1の回転外径よりも小さいことが望ましい。ここで「回転外径」とは、物体が所定の軸回りに回転したときに、当該物体の回転軌跡(当該物体の回転中心から最も遠い部分が描く軌跡)R1の直径を指す。つまり、排土部品20の回転外径は、排土部品20の回転軌跡R1の直径に相当し、作業爪12-1の回転外径は、作業爪12-1の回転軌跡R2の直径に相当する。排土部品20の回転外径が作業爪12-1の回転外径と同等以上になると、作業爪12-1に保護され難くなるため、排土部22が障害物に接触して損傷するリスクが高まる。
【0053】
さらに、
図5(B)に示す作業ロータ151の側面視において、排土部22は、作業爪12-1の回転軸10の軸方向における幅W1の範囲内に位置することが望ましい。すなわち、排土部22の幅W2は、作業爪12-1の幅W1よりも小さく、かつ、排土部22の幅方向における端部が、幅W1の範囲外に飛び出さないように配置されている。
【0054】
図5(B)に示すように、作業爪12-1は、基部を含む平板状部分12-1cから所定の方向に向かって徐々に湾曲した形状を有する。
図5(B)に示す例では、作業爪12-1は、図面の左方向に向かって湾曲しているが、この方向は、回転軸10の軸方向に沿って奥側に向く方向(第1カバー部材152aに向かう方向)である。
【0055】
このように作業爪12-1は、刃部の一部(通常は、横刃部と呼ばれる部分)が湾曲しており、当該湾曲部12-1bで土を掬って放擲する機能を有する。
図5(B)において幅W1で示した範囲内は、回転する作業爪12-1が土壌に対して作用する領域(切削可能な領域)であり、「作用域」や「切削範囲」とも呼ばれる。つまり、作業爪12-1が回転することにより土が切り崩される領域が作用域であり、幅W1は、回転軸10の軸方向における作用域(切削範囲)の幅を意味する。
【0056】
本実施形態では、作業ロータ151の側面視において、上述の作用域(すなわち、幅W1の範囲内)に排土部22が収まるため、作業爪12-1の湾曲部12-1bと排土部22とで土を効率よく抱え込むことができ、作業ロータ151の土の放擲性能を向上させることができる。また、幅方向において排土部22が作業爪12-1の作用域の内側に収まるようにすることにより、作業時に作業爪12-1が排土部22を保護して、排土部22が根石等の障害物に衝突するリスクを低減することができる。
【0057】
さらに、
図5(B)に示すように、排土部22は、回転方向Rの前方側(作業爪12-1の刃先部と向かい合う側)の端部に面取り部22aを有する。面取り部22aは、幅方向において、平板状部分12-1cが位置する側、すなわち、作業爪12-1の湾曲方向とは逆方向側に設けられている。作業爪12-1の刃部が湾曲していることにより、立体的に見た場合、前述の作用域の幅は、実際には刃先部に近づくにつれて狭くなる。そのため、できるだけ排土部22が作用域から飛び出さないように、面取り部22aは、作業爪12-1の湾曲方向とは逆方向側に配置される。
【0058】
以上説明したように、本実施形態の畦塗り機100が備える前処理部150は、排土部品20は、隣接する作業爪12-1と特定の位置関係にある排土部品20を含む。具体的には、第1の構成として、作業ロータ151の側面視において、排土部22は、作業爪12-1の回転軸10の軸方向における幅W1の範囲内に位置する。第1の構成により、排土部22は、その幅方向において作業爪12-1の作用域(切削範囲)から飛び出さないため、障害物に衝突するリスクを低減することができる。
【0059】
また、第2の構成として、作業ロータ151の正面視において、排土部品20の回転外径は、作業爪12-1の回転外径よりも小さい。第2の構成により、排土部22は、その回転の径方向において作業爪12-1の作用域(切削範囲)から飛び出さないため、障害物に衝突するリスクを低減することができる。
【0060】
以上のように、本実施形態の前処理部150は、第1の構成及び第2の構成の両方を備えることにより、土の放擲性能及び安全性の向上を両立させている。しかし、本実施形態で説明した畦塗り機100は、好ましい一例に過ぎず、第1の構成及び第2の構成のいずれか一方の構成だけを備えていても、従来技術に比べて土の放擲性能及び安全性の向上を両立できることに変わりはない。
【0061】
さらに、本実施形態の排土部品20は、排土部22を支持する支持部21(の当接面21b)にスクレーパ部23が設けられており、排土機能に加えて、近接するカバー部材に付着する土を除去する機能をも有する。スクレーパ部23を配置することにより、カバー部材152内に土が付着することを抑制し、カバー部材152内に付着した土と保持部11又は作業爪12とが接触して摩耗が進んだり、保持部11に土が付着して作業ロータ151の全体の重量が増し、作業ロータ151の駆動トルク(回転に要するトルク)が増大したりする不具合を低減することができる。さらに、本実施形態の排土部品20は、保持部11に対して着脱可能に構成されているため、作業に伴い排土部品20が摩耗し、その機能が低下したとしても簡単に交換することができる。
【0062】
〈第2実施形態〉
本実施形態は、第1実施形態の畦塗り機100において、作業ロータ151に代えて、作業ロータ151aを配置した例について説明する。なお、本実施形態において、第1実施形態で説明した構成要素と同じ構成要素については、同じ符号を用いて説明を省略することがある。また、作業ロータ151a以外の畦塗り機としての構成は、第1実施形態と同様であるため、ここでの説明は省略する。
【0063】
図6は、本発明の第2実施形態の畦塗り機100における作業ロータ151aの構成を示す図である。具体的には、
図6は、作業ロータ151aの正面視に相当する図である。
【0064】
図6に示すように、本実施形態の作業ロータ151aは、排土部品30が作業爪12-1と同様に、保持部11に保持されている。具体的には、排土部品30は、支持部31及び排土部32で構成され、支持部31が保持部11の中空部に挿入されて保持された構造となっている。支持部31は、作業ロータ151aの正面視において、回転方向Rに着目したときに作業爪12-1とは異なる方向(逆方向)に湾曲した部材であり、その先端付近(回転方向Rの前方側)に排土部32が固定されている。排土部32と作業爪12-1との関係、例えば、作業爪12-1に対する排土部32の配置関係や作業爪12-1の作用域と排土部32の形状に関する関係等は、第1実施形態と同様である。ただし、支持部31の形状は、この例に限られるものではない。
【0065】
図示は省略するが、作業ロータ151aは、スクレーパ部をさらに含んでもよい。この場合、排土部品30は、カバー部材152の最も奥側(第1カバー部材152aに最も近い位置:作業ロータ151の基部側)の保持部11に装着することが好ましい。なお、スクレーパ部は、支持部31に固定(溶接)して設けてもよい。例えば、支持部31に固定され、支持部31から近接するカバー部材(本実施形態では、第1カバー部材152a)に向かって突出する板状部材をスクレーパ部として用いることができる。また、例えば、スクレーパ部を支持部31とは別部材で用意し、保持部11に固定して配置してもよい。本実施形態の場合、支持部31が保持部11に保持されているため、第1実施形態で説明した回転制止部24は省略することができる。
【0066】
(変形例)
第1実施形態及び第2実施形態では、排土部品20に隣接する作業爪12-1が、作業ロータ151の回転軸10の軸方向において第1カバー部材152aの位置する側(作業ロータ151の正面視における奥側)に湾曲した例を示した。しかし、この例に限られるものではなく、本発明は、逆方向(作業ロータ151の正面視における手前側)に湾曲した作業爪に対しても適用することが可能である。
【0067】
以上、本発明について図面を参照しながら説明したが、本発明は前述の各実施形態に限られるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更することが可能である。例えば、各実施形態を基にして、当業者が適宜構成要素の追加、削除もしくは設計変更を行ったものも、本発明の要旨を備えている限り、本発明の範囲に含まれる。上述の実施形態では、畦に対し、作業ロータ151の回転軸10が傾斜した畦塗り機100に本発明を適用した例を説明したが、回転軸10が畦塗り機100の進行方向と(略)平行、すなわち畦に対して回転軸10が(略)平行な構成の畦塗り機や、回転軸10が畦塗り機100の進行方向と(略)直交する方向、すなわち畦に対して回転軸10が(略)直交する構成の畦塗り機に対しても本発明を適用できることは言うまでもない。さらに、前述した各実施形態は、相互に矛盾がない限り適宜組み合わせが可能であり、各実施形態に共通する技術事項については、明示の記載がなくても各実施形態に含まれる。
【0068】
前述した各実施形態の態様によりもたらされる作用効果とは異なる他の作用効果であっても、本明細書の記載から明らかなもの、又は、当業者において容易に予測し得るものについては、当然に本発明によりもたらされるものと解される。
【符号の説明】
【0069】
10…回転軸、11…保持部、11a…保持プレート、11b…保持枠、11c…固定具、12、12-1…作業爪、12-1b…湾曲部、12-1c…平板状部分、12-2…作業爪、20…排土部品、21…支持部、21a…貫通孔、22…排土部、22a…面取り部、23…スクレーパ部、24…回転制止部、30…排土部品、31…支持部、32…排土部、100…畦塗り機、110…装着部、111…ロアリンク連結部、112…トップリンク連結部、113…ヒッチフレーム、114…入力軸、120…動力伝達部、130…オフセット機構部、131…第1リンクアーム、132…第2リンクアーム、133…第3リンクアーム、140…整畦部、141…法面整畦体、142…上面整畦体、150…前処理部、151、151a…作業ロータ、152…カバー部材、152a…第1カバー部材、152b…第2カバー部材、152c…第3カバー部材