(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024061414
(43)【公開日】2024-05-07
(54)【発明の名称】画像制御システム、および画像制御装置
(51)【国際特許分類】
H04N 7/14 20060101AFI20240425BHJP
G06T 19/00 20110101ALI20240425BHJP
H04N 7/18 20060101ALI20240425BHJP
【FI】
H04N7/14 110
G06T19/00 A
H04N7/14
H04N7/18 U
【審査請求】未請求
【請求項の数】15
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022169351
(22)【出願日】2022-10-21
(71)【出願人】
【識別番号】000213297
【氏名又は名称】中部電力株式会社
(71)【出願人】
【識別番号】313001631
【氏名又は名称】株式会社プロノハーツ
(74)【代理人】
【識別番号】100105957
【弁理士】
【氏名又は名称】恩田 誠
(74)【代理人】
【識別番号】100068755
【弁理士】
【氏名又は名称】恩田 博宣
(72)【発明者】
【氏名】岡本 雄司
(72)【発明者】
【氏名】山口 直記
(72)【発明者】
【氏名】宮坂 千穂
(72)【発明者】
【氏名】丸山 翼
【テーマコード(参考)】
5B050
5C054
5C164
【Fターム(参考)】
5B050AA08
5B050BA09
5B050BA13
5B050CA08
5B050DA04
5B050EA15
5B050EA26
5B050FA02
5C054CA04
5C054CC02
5C054FD02
5C054FD03
5C054HA25
5C164FA09
5C164GA07
5C164PA31
5C164VA04P
5C164VA07P
5C164VA21P
(57)【要約】
【課題】互いに離間した現実空間内の3次元画像を融合させるに際して、それらを整合させることができるようにした画像制御システムを提供する。
【解決手段】PU12(A)は、3次元センサ20(A)の出力に基づく点群データを所定のオブジェクトに対する相対座標に変換するデータを生成して、画像制御装置10(B)に送信する。拠点間の会議において、PU12(A)は、3次元センサ20(A)の出力に基づく点群データをリアルタイムで画像制御装置10(B)に送信する。PU12(B)は、上記相対座標に変換するデータを用いて、3次元センサ20(B)の出力に基づく点群データに、画像制御装置10(A)から送信された点群データを合成する。PU12(B)は、表示装置22(B)を操作することによって、合成された点群データが示す画像を表示する。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1取得処理、第2取得処理、および整合処理を実行するように構成され、
前記第1取得処理は、第1現実空間内の3次元画像を示す第1点群データを取得する処理であり、
前記第2取得処理は、第2現実空間内の3次元画像を示す第2点群データを取得する処理であり、
前記第1現実空間と前記第2現実空間とは、互いに異なる空間であり、
前記整合処理は、対応付けデータを用いて前記第1点群データが示す仮想空間を前記第2点群データが示す仮想空間に整合させる処理であり、
前記第1点群データが示す仮想空間は、前記第1点群データが示す3次元画像領域であり、
前記第2点群データが示す仮想空間は、前記第2点群データが示す3次元画像領域であり、
前記対応付けデータは、前記第1点群データが示す仮想空間と、前記第2点群データが示す仮想空間と、を対応付けるデータである画像制御システム。
【請求項2】
前記対応付けデータは、第1座標規定データおよび第2座標規定データを含み、
前記第1座標規定データは、前記第1点群データが示す前記3次元画像における座標系を定義するデータであり、
前記第2座標規定データは、前記第2点群データが示す前記3次元画像における座標系を定義するデータである請求項1記載の画像制御システム。
【請求項3】
前記第1座標規定データは、前記第1点群データが示す仮想空間内の各位置の基準点に対する相対座標を定めるためのデータであり、
前記第2座標規定データは、前記第2点群データが示す仮想空間内の各位置の基準点に対する相対座標を定めるためのデータであり、
第1生成処理、および第2生成処理を実行するように構成され、
前記第1生成処理は、前記第1点群データを入力として、前記第1座標規定データを生成する処理であり、
前記第2生成処理は、前記第2点群データを入力として、前記第2座標規定データを生成する処理であり、
前記第1生成処理の入力となる前記第1点群データは、前記第1現実空間に所定のオブジェクトを含むようにして撮影された3次元画像を示し、
前記第2生成処理の入力となる前記第2点群データは、前記第2現実空間に所定のオブジェクトを含むようにして撮影された3次元画像を示し、
前記基準点は、前記3次元画像中の前記所定のオブジェクトの位置である請求項2記載の画像制御システム。
【請求項4】
前記整合処理は、第1整合処理、および第2整合処理を含み、
第1実行装置、および第2実行装置を備え、
前記第1実行装置は、前記第1取得処理、前記第1生成処理、前記第1整合処理、第1送信処理、および第1受信処理を実行するように構成され、
前記第2実行装置は、前記第2取得処理、前記第2生成処理、前記第2整合処理、第2送信処理、および第2受信処理を実行するように構成され、
前記第1送信処理は、前記第1点群データおよび前記第1座標規定データを送信する処理であり、
前記第1受信処理は、前記第2点群データおよび前記第2座標規定データを受信する処理であり、
前記第2送信処理は、前記第2点群データおよび前記第2座標規定データを送信する処理であり、
前記第2受信処理は、前記第1点群データおよび前記第1座標規定データを受信する処理であり、
前記第1整合処理は、前記第1受信処理によって受信した前記第2点群データが示す仮想空間を、前記第1受信処理によって受信した前記第2座標規定データを用いて、前記第1点群データが示す仮想空間に整合させる処理であり、
前記第2整合処理は、前記第2受信処理によって受信した前記第1点群データが示す仮想空間を、前記第2受信処理によって受信した前記第1座標規定データを用いて、前記第2点群データが示す仮想空間に整合させる処理である請求項3記載の画像制御システム。
【請求項5】
前記整合処理は、第1整合処理、および第2整合処理を含み、
第1実行装置、および第2実行装置を備え、
前記第1実行装置は、前記第1取得処理、前記第2生成処理、前記第1整合処理、第1送信処理、および第1受信処理を実行するように構成され、
前記第2実行装置は、前記第2取得処理、前記第1生成処理、前記第2整合処理、第2送信処理、および第2受信処理を実行するように構成され、
前記第1送信処理は、前記第1点群データを送信する処理であり、
前記第1受信処理は、前記第2点群データを受信する処理であり、
前記第2送信処理は、前記第2点群データを送信する処理であり、
前記第2受信処理は、前記第1点群データを受信する処理であり、
前記第1整合処理は、前記第1受信処理によって受信した前記第2点群データが示す仮想空間を、前記第2生成処理によって生成された前記第2座標規定データを用いて前記第1点群データが示す仮想空間に整合させる処理であり、
前記第2整合処理は、前記第2受信処理によって受信した前記第1点群データが示す仮想空間を、前記第1生成処理によって生成された前記第1座標規定データを用いて前記第2点群データが示す仮想空間に整合させる処理である請求項3記載の画像制御システム。
【請求項6】
前記整合処理は、第1整合処理、および第2整合処理を含み、
第1実行装置、および第2実行装置を備え、
前記第1実行装置は、前記第1取得処理、前記第1生成処理、第1座標変換処理、前記第1整合処理、第1送信処理、および第1受信処理を実行するように構成され、
前記第2実行装置は、前記第2取得処理、前記第2生成処理、第2座標変換処理、前記第2整合処理、第2送信処理、および第2受信処理を実行するように構成され、
前記第1座標変換処理は、前記第1点群データを前記第1座標規定データに応じて前記相対座標に変換する処理であり、
前記第1送信処理は、前記相対座標に変換された前記第1点群データを送信する処理であり、
前記第1受信処理は、前記第2送信処理によって送信された前記第2点群データを受信する処理であり、
前記第2座標変換処理は、前記第2点群データを前記第2座標規定データに応じて前記相対座標に変換する処理であり、
前記第2送信処理は、前記相対座標によって変換された前記第2点群データを送信する処理であり、
前記第2受信処理は、前記第1送信処理によって送信された前記第1点群データを受信する処理であり、
前記第1整合処理は、前記相対座標に変換された前記第2点群データが示す仮想空間を、前記相対座標に変換された前記第1点群データが示す仮想空間に整合させる処理であり、
前記第2整合処理は、前記相対座標に変換された前記第1点群データが示す仮想空間を、前記相対座標に変換された前記第2点群データが示す仮想空間に整合させる処理である請求項3記載の画像制御システム。
【請求項7】
前記第1点群データが示す仮想空間と前記第2点群データが示す仮想空間とが同一形状且つ同一寸法の領域であり、
前記対応付けデータは、前記第1点群データが示す仮想空間と、前記第2点群データが示す仮想空間とを一致させるためのデータである請求項1記載の画像制御システム。
【請求項8】
前記整合処理は、第1整合処理、および第2整合処理を含み、
第1実行装置、および第2実行装置を備え、
前記第1実行装置は、前記第1取得処理、前記第1整合処理、第1送信処理、第1受信処理、および第1表示処理を実行するように構成され、
前記第2実行装置は、前記第2取得処理、前記第2整合処理、第2送信処理、第2受信処理、および第2表示処理を実行するように構成され、
前記第1送信処理は、前記第1点群データを送信する処理であり、
前記第1受信処理は、前記第2点群データを受信する処理であり、
前記第2送信処理は、前記第2点群データを送信する処理であり、
前記第2受信処理は、前記第1点群データを受信する処理であり、
前記第1整合処理は、前記第1受信処理によって受信した前記第2点群データが示す仮想空間を、前記第1点群データが示す仮想空間に整合させる処理であり、
前記第2整合処理は、前記第2受信処理によって受信した前記第1点群データが示す仮想空間を、前記第2点群データが示す仮想空間に整合させる処理であり、
前記第1表示処理は、第1表示装置を操作することによって、前記第2点群データが示す画像であって前記第1点群データが示す仮想空間に整合された画像を前記第1現実空間に表示する処理を含み、
前記第2表示処理は、第2表示装置を操作することによって、前記第1点群データが示す画像であって前記第2点群データが示す仮想空間に整合された画像を前記第2現実空間に表示する処理を含む請求項1記載の画像制御システム。
【請求項9】
前記第1表示処理は、第1表示装置を操作することによって、前記第2点群データが示す画像であって前記第1点群データが示す仮想空間に整合された画像を前記第1現実空間に表示する際、前記第1点群データが示す画像の少なくとも一部を表示対象から削除する処理を含み、
前記第2表示処理は、第2表示装置を操作することによって、前記第1点群データが示す画像であって前記第2点群データが示す仮想空間に整合された画像を前記第2現実空間に表示する際、前記第2点群データが示す画像の少なくとも一部を表示対象から削除する処理を含む請求項8記載の画像制御システム。
【請求項10】
前記第1実行装置は、記憶処理を実行するように構成され、
前記記憶処理は、前記第1整合処理によって仮想空間同士が整合された前記第1点群データおよび前記第2点群データの合成データを記憶装置に記憶する処理であって且つ、該記憶装置に記憶された合成データには、前記第1表示処理によって表示対象から削除された画像に関するデータが含まれる請求項9記載の画像制御システム。
【請求項11】
前記第1取得処理は、2次元画像データおよび深度画像データを入力として前記第1点群データを生成することによって前記第1点群データを取得する処理であって且つ、隣接画素抽出処理、ノイズ判定処理、除去処理、および点群データ変換処理を実行するように構成され、
前記隣接画素抽出処理は、前記2次元画像データにおける隣接する画素を抽出する処理であり、
前記ノイズ判定処理は、前記2次元画像データが示す画素のそれぞれについて、当該画素に隣接する画素であって前記深度画像データに基づく相対深度が閾値以下の画素の数が所定数以下の場合、当該画素を示すデータをノイズと判定する処理であり、
前記除去処理は、前記ノイズと判定されたデータを、前記第1点群データのうちの表示対象とするデータから除去する処理であり、
前記点群データ変換処理は、前記除去処理が施された前記2次元画像データおよび前記深度画像データを前記第1点群データに変換する処理である請求項1記載の画像制御システム。
【請求項12】
位置合わせ処理、および再生処理を実行するように構成され、
前記第1取得処理は、前記第1現実空間に所定のオブジェクトを配置した状態で前記第1現実空間内の画像をカメラによって撮影することによって前記第1点群データを取得する処理であり、
前記位置合わせ処理は、前記第1点群データが示す前記所定のオブジェクトと前記第1現実空間における前記所定のオブジェクトとの位置合わせを行う処理であり、
前記再生処理は、前記位置合わせ処理に従って、前記第1点群データが示す前記3次元画像を前記第1現実空間に表示する処理である請求項1記載の画像制御システム。
【請求項13】
請求項8記載の画像制御システムにおける前記第1実行装置を備える画像制御装置。
【請求項14】
点群データ生成処理、位置合わせ処理、および再生処理を実行するように構成され、
前記点群データ生成処理は、現実空間に所定のオブジェクトを配置した状態で前記現実空間内の画像をカメラによって撮影することによって点群データを生成する処理であり、
前記位置合わせ処理は、前記点群データが示す前記所定のオブジェクトと前記現実空間における前記所定のオブジェクトとの位置合わせを行う処理であり、
前記再生処理は、前記位置合わせ処理に従って、前記点群データが示す3次元画像を前記現実空間に表示する処理である画像制御装置。
【請求項15】
前記点群データ生成処理は、2次元画像データと、深度画像データとを入力として前記点群データを生成する処理であって、且つ、隣接点抽出処理、ノイズ判定処理、および除去処理を含み、
前記隣接点抽出処理は、前記2次元画像データにおける隣接する画素を抽出する処理であり、
前記ノイズ判定処理は、前記2次元画像データが示す画素のそれぞれについて、当該画素に隣接する画素であって前記深度画像データに基づく相対深度が閾値以下の画素の数が所定数以下の場合、当該画素を示すデータをノイズと判定する処理であり、
前記除去処理は、前記ノイズと判定されたデータを、前記点群データのうちの表示対象とするデータから除去する処理である請求項14記載の画像制御装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像制御システム、および画像制御装置に関する。
【背景技術】
【0002】
たとえば下記特許文献1には、テレビ会議システムが記載されている。このシステムは、画像データおよび深度データを遠方の拠点に送信することによって、3次元の画像を遠方の拠点で表示する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、遠方の拠点の画像を表示しつつ、拠点間で会議を行う場合、表示される画像の向き等が重要となる。すなわち、たとえば、拠点間で表示する画像に整合性が欠けている場合、一方の拠点では、ユーザ同士が真正面に位置していても、他方の拠点では、表示されるユーザが側方を向いているといった事態が生じうる。
【課題を解決するための手段】
【0005】
以下、上記課題を解決するための手段およびその作用効果について記載する。
1.第1取得処理、第2取得処理、および整合処理を実行するように構成され、前記第1取得処理は、第1現実空間内の3次元画像を示す第1点群データを取得する処理であり、前記第2取得処理は、第2現実空間内の3次元画像を示す第2点群データを取得する処理であり、前記第1現実空間と前記第2現実空間とは、互いに異なる空間であり、前記整合処理は、対応付けデータを用いて前記第1点群データが示す仮想空間を前記第2点群データが示す仮想空間に整合させる処理であり、前記第1点群データが示す仮想空間は、前記第1点群データが示す3次元画像領域であり、前記第2点群データが示す仮想空間は、前記第2点群データが示す3次元画像領域であり、前記対応付けデータは、前記第1点群データが示す仮想空間と、前記第2点群データが示す仮想空間と、を対応付けるデータである画像制御システムである。
【0006】
上記構成では、対応付けデータを用いて第1点群データが示す仮想空間を第2点群データが示す仮想空間に整合させる。これにより、第2現実空間において、第1点群データが示す画像を適切に表示できる。
【0007】
2.前記対応付けデータは、第1座標規定データおよび第2座標規定データを含み、前記第1座標規定データは、前記第1点群データが示す前記3次元画像における座標系を定義するデータであり、前記第2座標規定データは、前記第2点群データが示す前記3次元画像における座標系を定義するデータである上記1記載の画像制御システムである。
【0008】
上記構成では、第1座標規定データによって、第1点群データが示す仮想空間における座標成分が規定される。また、上記構成では、第2座標規定データによって、第2点群データが示す仮想空間における座標成分が規定される。そしてそれら座標成分同士を整合させることにより、第1点群データが示す仮想空間と、第2点群データが示す仮想空間と、を整合させることができる。
【0009】
3.前記第1座標規定データは、前記第1点群データが示す仮想空間内の各位置の基準点に対する相対座標を定めるためのデータであり、前記第2座標規定データは、前記第2点群データが示す仮想空間内の各位置の基準点に対する相対座標を定めるためのデータであり、第1生成処理、および第2生成処理を実行するように構成され、前記第1生成処理は、前記第1点群データを入力として、前記第1座標規定データを生成する処理であり、前記第2生成処理は、前記第2点群データを入力として、前記第2座標規定データを生成する処理であり、前記第1生成処理の入力となる前記第1点群データは、前記第1現実空間に所定のオブジェクトを含むようにして撮影された3次元画像を示し、前記第2生成処理の入力となる前記第2点群データは、前記第2現実空間に所定のオブジェクトを含むようにして撮影された3次元画像を示し、前記基準点は、前記3次元画像中の前記所定のオブジェクトの位置である上記2記載の画像制御システムである。
【0010】
上記構成では、所定のオブジェクトを用いて基準点を定めることができる。そして、これにより、基準点に対する相対座標を定義できる。
4.前記整合処理は、第1整合処理、および第2整合処理を含み、第1実行装置、および第2実行装置を備え、前記第1実行装置は、前記第1取得処理、前記第1生成処理、前記第1整合処理、第1送信処理、および第1受信処理を実行するように構成され、前記第2実行装置は、前記第2取得処理、前記第2生成処理、前記第2整合処理、第2送信処理、および第2受信処理を実行するように構成され、前記第1送信処理は、前記第1点群データおよび前記第1座標規定データを送信する処理であり、前記第1受信処理は、前記第2点群データおよび前記第2座標規定データを受信する処理であり、前記第2送信処理は、前記第2点群データおよび前記第2座標規定データを送信する処理であり、前記第2受信処理は、前記第1点群データおよび前記第1座標規定データを受信する処理であり、前記第1整合処理は、前記第1受信処理によって受信した前記第2点群データが示す仮想空間を、前記第1受信処理によって受信した前記第2座標規定データを用いて、前記第1点群データが示す仮想空間に整合させる処理であり、前記第2整合処理は、前記第2受信処理によって受信した前記第1点群データが示す仮想空間を、前記第2受信処理によって受信した前記第1座標規定データを用いて、前記第2点群データが示す仮想空間に整合させる処理である上記3記載の画像制御システムである。
【0011】
上記構成では、第1実行装置は、第2座標規定データを用いることによって、第2点群データが示す仮想空間内の各点について、基準点に対する相対座標を定めることができる。一方、第1点群データが示す仮想空間内にも基準点が存在する。したがって、第2点群データが示す仮想空間内の各点に関する相対座標に従って、第1点群データが示す仮想空間に第2点群データが示す仮想空間を整合させることができる。
【0012】
上記構成では、第2実行装置は、第1座標規定データを用いることによって、第1点群データが示す仮想空間内の各点について、基準点に対する相対座標を定めることができる。一方、第2点群データが示す仮想空間内にも基準点が存在する。したがって、第1点群データが示す仮想空間内の各点に関する相対座標に従って、第2点群データが示す仮想空間に第1点群データが示す仮想空間を整合させることができる。
【0013】
5.前記整合処理は、第1整合処理、および第2整合処理を含み、第1実行装置、および第2実行装置を備え、前記第1実行装置は、前記第1取得処理、前記第2生成処理、前記第1整合処理、第1送信処理、および第1受信処理を実行するように構成され、前記第2実行装置は、前記第2取得処理、前記第1生成処理、前記第2整合処理、第2送信処理、および第2受信処理を実行するように構成され、前記第1送信処理は、前記第1点群データを送信する処理であり、前記第1受信処理は、前記第2点群データを受信する処理であり、前記第2送信処理は、前記第2点群データを送信する処理であり、前記第2受信処理は、前記第1点群データを受信する処理であり、前記第1整合処理は、前記第1受信処理によって受信した前記第2点群データが示す仮想空間を、前記第2生成処理によって生成された前記第2座標規定データを用いて前記第1点群データが示す仮想空間に整合させる処理であり、前記第2整合処理は、前記第2受信処理によって受信した前記第1点群データが示す仮想空間を、前記第1生成処理によって生成された前記第1座標規定データを用いて前記第2点群データが示す仮想空間に整合させる処理である上記3記載の画像制御システムである。
【0014】
上記構成では、第1実行装置は、第2点群データを入力として、第2座標規定データを生成する。そして、第1実行装置は、第2座標規定データを用いることによって、第2点群データが示す仮想空間内の各点について、基準点に対する相対座標を定めることができる。第1点群データが示す仮想空間内にも基準点が存在する。したがって、第2点群データが示す仮想空間内の各点に関する相対座標に従って、第1点群データが示す仮想空間に第2点群データが示す仮想空間を整合させることができる。
【0015】
上記構成では、第2実行装置は、第1点群データを入力として、第1座標規定データを生成する。そして、第2実行装置は、第1座標規定データを用いることによって、第1点群データが示す仮想空間内の各点について、基準点に対する相対座標を定めることができる。一方、第2点群データが示す仮想空間内にも基準点が存在する。したがって、第1点群データが示す仮想空間内の各点に関する相対座標に従って、第2点群データが示す仮想空間に第1点群データが示す仮想空間を整合させることができる。
【0016】
6.前記整合処理は、第1整合処理、および第2整合処理を含み、第1実行装置、および第2実行装置を備え、前記第1実行装置は、前記第1取得処理、前記第1生成処理、第1座標変換処理、前記第1整合処理、第1送信処理、および第1受信処理を実行するように構成され、前記第2実行装置は、前記第2取得処理、前記第2生成処理、第2座標変換処理、前記第2整合処理、第2送信処理、および第2受信処理を実行するように構成され、前記第1座標変換処理は、前記第1点群データを前記第1座標規定データに応じて前記相対座標に変換する処理であり、前記第1送信処理は、前記相対座標に変換された前記第1点群データを送信する処理であり、前記第1受信処理は、前記第2送信処理によって送信された前記第2点群データを受信する処理であり、前記第2座標変換処理は、前記第2点群データを前記第2座標規定データに応じて前記相対座標に変換する処理であり、前記第2送信処理は、前記相対座標によって変換された前記第2点群データを送信する処理であり、前記第2受信処理は、前記第1送信処理によって送信された前記第1点群データを受信する処理であり、前記第1整合処理は、前記相対座標に変換された前記第2点群データが示す仮想空間を、前記相対座標に変換された前記第1点群データが示す仮想空間に整合させる処理であり、前記第2整合処理は、前記相対座標に変換された前記第1点群データが示す仮想空間を、前記相対座標に変換された前記第2点群データが示す仮想空間に整合させる処理である上記3記載の画像制御システムである。
【0017】
上記構成では、第1整合処理および第2整合処理において、相対座標に変換された第2点群データが示す仮想空間と、相対座標に変換された第1点群データが示す仮想空間とを入力とする。これにより、第1点群データが示す仮想空間と第2点群データが示す仮想空間とを整合させることができる。
【0018】
7.前記第1点群データが示す仮想空間と前記第2点群データが示す仮想空間とが同一形状且つ同一寸法の領域であり、
前記対応付けデータは、前記第1点群データが示す仮想空間と、前記第2点群データが示す仮想空間とを一致させるためのデータである上記1記載の画像制御システムである。
【0019】
上記構成では、第1点群データが示す仮想空間と第2点群データが示す仮想空間とを一致させることによって、それらを整合させることができる。
8.前記整合処理は、第1整合処理、および第2整合処理を含み、第1実行装置、および第2実行装置を備え、前記第1実行装置は、前記第1取得処理、前記第1整合処理、第1送信処理、第1受信処理、および第1表示処理を実行するように構成され、前記第2実行装置は、前記第2取得処理、前記第2整合処理、第2送信処理、第2受信処理、および第2表示処理を実行するように構成され、前記第1送信処理は、前記第1点群データを送信する処理であり、前記第1受信処理は、前記第2点群データを受信する処理であり、前記第2送信処理は、前記第2点群データを送信する処理であり、前記第2受信処理は、前記第1点群データを受信する処理であり、前記第1整合処理は、前記第1受信処理によって受信した前記第2点群データが示す仮想空間を、前記第1点群データが示す仮想空間に整合させる処理であり、前記第2整合処理は、前記第2受信処理によって受信した前記第1点群データが示す仮想空間を、前記第2点群データが示す仮想空間に整合させる処理であり、前記第1表示処理は、第1表示装置を操作することによって、前記第2点群データが示す画像であって前記第1点群データが示す仮想空間に整合された画像を前記第1現実空間に表示する処理を含み、前記第2表示処理は、第2表示装置を操作することによって、前記第1点群データが示す画像であって前記第2点群データが示す仮想空間に整合された画像を前記第2現実空間に表示する処理を含む上記1~7のいずれか1つに記載の画像制御システムである。
【0020】
上記構成では、第1現実空間に、第1整合処理の施された第2点群データが示す画像を表示することにより、第1現実空間に第2点群データが示す画像を適切に表示できる。また、第2現実空間に、第2整合処理の施された第2点群データが示す画像を表示することにより、第2現実空間に第1点群データが示す画像を適切に表示できる。
【0021】
なお、上記8が、上記4,5の構成を有する場合、第1整合処理は、第2座標規定データを用いた処理とすればよい。また、第2整合処理は、第1座標規定データを用いた処理とすればよい。また、上記8が、上記6の構成を有する場合、第1整合処理および第2整合処理において、相対座標に変換された第2点群データが示す仮想空間と、相対座標に変換された第1点群データが示す仮想空間とを入力とすればよい。
【0022】
9.前記第1表示処理は、第1表示装置を操作することによって、前記第2点群データが示す画像であって前記第1点群データが示す仮想空間に整合された画像を前記第1現実空間に表示する際、前記第1点群データが示す画像の少なくとも一部を表示対象から削除する処理を含み、前記第2表示処理は、第2表示装置を操作することによって、前記第1点群データが示す画像であって前記第2点群データが示す仮想空間に整合された画像を前記第2現実空間に表示する際、前記第2点群データが示す画像の少なくとも一部を表示対象から削除する処理を含む上記8記載の画像制御システムである。
【0023】
第1点群データが示す画像は、第1現実空間内の物体を示す。そのため、第1現実空間に第1点群データが示す画像を表示する場合、現実の物体とその現実の物体を示す画像とが重なる。そこで、上記構成では、第1点群データが示す画像の少なくとも一部を表示対象から削除する。これにより、現実の物体とその現実の物体を示す画像とが重なることを抑制できる。
【0024】
同様に、第2点群データが示す画像は、第2現実空間内の物体を示す。そのため、第2現実空間に第2点群データが示す画像を表示する場合、現実の物体とその現実の物体を示す画像とが重なる。そこで、上記構成では、第2点群データが示す画像の少なくとも一部を表示対象から削除する。これにより、現実の物体とその現実の物体を示す画像とが重なることを抑制できる。
【0025】
10.前記第1実行装置は、記憶処理を実行するように構成され、前記記憶処理は、前記第1整合処理によって仮想空間同士が整合された前記第1点群データおよび前記第2点群データの合成データを記憶装置に記憶する処理であって且つ、該記憶装置に記憶された合成データには、前記第1表示処理によって表示対象から削除された画像に関するデータが含まれる上記9記載の画像制御システムである。
【0026】
上記構成では、第1表示処理によって表示対象から削除された画像に関するデータを含む点群データを記憶装置に記憶する。これにより、第1現実空間および第2現実空間を仮想的に融合した空間内の出来事を後になって再生することができる。
【0027】
11.前記第1取得処理は、2次元画像データおよび深度画像データを入力として前記第1点群データを生成することによって前記第1点群データを取得する処理であって且つ、隣接画素抽出処理、ノイズ判定処理、除去処理、および点群データ変換処理を実行するように構成され、前記隣接画素抽出処理は、前記2次元画像データにおける隣接する画素を抽出する処理であり、前記ノイズ判定処理は、前記2次元画像データが示す画素のそれぞれについて、当該画素に隣接する画素であって前記深度画像データに基づく相対深度が閾値以下の画素の数が所定数以下の場合、当該画素を示すデータをノイズと判定する処理であり、前記除去処理は、前記ノイズと判定されたデータを、前記第1点群データのうちの表示対象とするデータから除去する処理であり、前記点群データ変換処理は、前記除去処理が施された前記2次元画像データおよび前記深度画像データを前記第1点群データに変換する処理である上記1~9のいずれか1つに記載の画像制御システムである。
【0028】
点群データにノイズが含まれる場合、そのノイズに関する点は、隣接する点から空間的に孤立した点となる傾向がある。ここで、点群データの各点について隣接する点との空間的な隔たりを演算する場合、演算負荷が大きくなる。そこで上記構成では、2次元画像データにおける隣接する画素同士の相対深度が大きい場合に、空間的に隔たっているとみなす。これにより、孤立している点を簡易に把握できる。
【0029】
12.位置合わせ処理、および再生処理を実行するように構成され、前記第1取得処理は、前記第1現実空間に所定のオブジェクトを配置した状態で前記第1現実空間内の画像をカメラによって撮影することによって前記第1点群データを取得する処理であり、前記位置合わせ処理は、前記第1点群データが示す前記所定のオブジェクトと前記第1現実空間における前記所定のオブジェクトとの位置合わせを行う処理であり、前記再生処理は、前記位置合わせ処理に従って、前記第1点群データが示す前記3次元画像を前記第1現実空間に表示する処理である上記1記載の画像制御システムである。
【0030】
上記構成では、点群データが示す画像に含まれる所定のオブジェクトと、現実空間における所定のオブジェクトとの位置合わせを行う。そのため、第1現実空間内で撮影された点群データが示す画像を、再生処理によって、第1現実空間の適切な位置に再生できる。
【0031】
13.上記4~9のいずれか1つに記載の画像制御システムにおける前記第1実行装置を備える画像制御装置である。
14.点群データ生成処理、位置合わせ処理、および再生処理を実行するように構成され、前記点群データ生成処理は、現実空間に所定のオブジェクトを配置した状態で前記現実空間内の画像をカメラによって撮影することによって点群データを生成する処理であり、前記位置合わせ処理は、前記点群データが示す前記所定のオブジェクトと前記現実空間における前記所定のオブジェクトとの位置合わせを行う処理であり、前記再生処理は、前記位置合わせ処理に従って、前記点群データが示す3次元画像を前記現実空間に表示する処理である画像制御装置である。
【0032】
上記構成では、点群データが示す画像に含まれる所定のオブジェクトと、現実空間における所定のオブジェクトとの位置合わせを行う。そのため、第1現実空間内で撮影された点群データが示す画像を、再生処理によって、第1現実空間の適切な位置に再生できる。
【0033】
15.前記点群データ生成処理は、2次元画像データと、深度画像データとを入力として前記点群データを生成する処理であって、且つ、隣接点抽出処理、ノイズ判定処理、および除去処理を含み、前記隣接点抽出処理は、前記2次元画像データにおける隣接する画素を抽出する処理であり、前記ノイズ判定処理は、前記2次元画像データが示す画素のそれぞれについて、当該画素に隣接する画素であって前記深度画像データに基づく相対深度が閾値以下の画素の数が所定数以下の場合、当該画素を示すデータをノイズと判定する処理であり、前記除去処理は、前記ノイズと判定されたデータを、前記点群データのうちの表示対象とするデータから除去する処理である請求項14記載の画像制御装置である。
【0034】
点群データにノイズが含まれる場合、そのノイズに関する点は、隣接する点から空間的に孤立した点となる傾向がある。ここで、点群データの各点について隣接する点との空間的な隔たりを演算する場合、演算負荷が大きくなる。そこで上記構成では、2次元画像データにおける隣接する画素同士の相対深度が大きい場合に、空間的に隔たっているとみなす。これにより、孤立している点を簡易に把握できる。
【図面の簡単な説明】
【0035】
【
図1】第1の実施形態にかかる画像制御システムの構成を示す図である。
【
図2】同実施形態にかかる3次元センサを示す斜視図である。
【
図3】同実施形態にかかるマーカの配置例を示す斜視図である。
【
図4】同実施形態にかかる画像制御システムが実行する処理の手順を示す流れ図である。
【
図5】同実施形態にかかる画像制御システムが実行する処理の手順を示す流れ図である。
【
図6】同実施形態にかかる画像制御システムが実行する処理の手順を示す流れ図である。
【
図8】(a)および(b)は、同実施形態および比較例の効果を示す図である。
【
図9】第2の実施形態にかかる画像制御システムが実行する処理の手順を示す流れ図である。
【
図10】第3の実施形態にかかる画像制御システムが実行する処理の手順を示す流れ図である。
【
図11】同実施形態にかかる画像制御システムが実行する処理の手順を示す流れ図である。
【
図12】第4の実施形態にかかる仮想空間同士を整合させる処理を例示する図である。
【
図13】第5の実施形態にかかる画像制御システムが実行する処理の手順を示す流れ図である。
【
図14】上記実施形態の変更例にかかる仮想空間同士を整合させる処理を例示する図である。
【発明を実施するための形態】
【0036】
<第1の実施形態>
以下、第1の実施形態について図面を参照しつつ説明する。
「システム構成」
図1に、画像制御システムの構成を示す。同システムは、互いに物理的に離れているために直接的なコミュニケーションが取れないユーザ同士のコミュニケーションを可能とするシステムである。
図1には、互いに物理的に離れた拠点の数が2個である場合を例示する。
【0037】
図1では、2個の拠点のそれぞれに配置されている部材同士を、それらの符号の最後に括弧が付与されたアルファベットを記載することによって識別している。すなわち、画像制御装置10(A),10(B)は、それぞれ、拠点A、拠点Bに配置されている端末である。なお、以下では、2個の拠点のそれぞれに配置されている部材を総括する場合、括弧が付与された数字を削除する。すなわち、画像制御装置10は、画像制御装置10(A),10(B)を総括した記載である。
【0038】
画像制御装置10は、PU12、記憶装置14、および通信機16を備えている。PU12は、CPU、GPU、およびTPU等のソフトウェア処理装置である。記憶装置14は、電気的に書き換え可能な不揮発性メモリ、およびディスク媒体等の記憶媒体を備える。画像制御装置10は、3次元センサ20の出力信号を取得する。
【0039】
図2に、3次元センサ20を示す。
図2に示すように、3次元センサ20は、深度センサ20aと、RGBカメラ20bとを備えている。RGBカメラ20bは、可視光を感知して、視野に含まれる所定の領域を複数に分割したそれぞれである画素領域に関する2次元画像データを生成する。2次元画像データは、レッド(R)、グリーン(G)、およびブルー(B)のそれぞれの輝度情報を含んだデータである。深度センサ20aは、近赤外線を外部に照射する装置と、照射した近赤外線の反射光を受光する装置とを備える。深度センサ20aは、反射光に基づき、近赤外線を反射した物体と深度センサ20aとの距離を計測する。距離の計測は、たとえばTOF(Time of Flight)方式によって実現できる。もっとも、TOF法式に限らず、たとえば、FMCW(Frequency Modulated Continuous Wave)方式にて実現してもよい。深度センサ20aによる距離データは、上記RGBカメラ20bが撮影する画素のそれぞれに対して生成される。これは、たとえば、近赤外線の照射方向を、上記複数の画素に対応した方向に順次走査しつつ近赤外線を照射することによって実現できる。以下では、深度センサ20aによって生成される距離に関するデータを深度画像データとも称する。
【0040】
図1に戻り、画像制御装置10は、表示装置22を操作することによって3次元の画像データを表示する処理を実行する。
通信機16は、ネットワーク30を介して別の拠点の画像制御装置10との通信を可能とする。
【0041】
「拠点間の空間の融合のためのデータ生成処理」
拠点Aにおける3次元センサ20(A)によって撮影された3次元画像と、拠点Bにおける3次元センサ20(B)によって撮影された3次元画像とを融合する際には、これらが整合することが望ましい。以下、整合させるための処理について説明する。なお、以下では、各拠点において、遠隔地とのコミュニケーションを図るユーザが存在する空間を現実空間と称する。また、各拠点において、現実空間のうちの3次元センサ20によって撮影された空間を仮想空間と称する。
【0042】
図3に、拠点間で仮想空間同士を対応付けるためのデータ生成のための前処理を示す。
図3に示す台40は、拠点Aおよび拠点Bのそれぞれにおける現実空間に配置される。台40には、マーカ50が配置されている。マーカ50は、2次元コードが表示されたシート状の部材である。マーカ50は、2次元コードが印刷された紙であってもよい。マーカ50に平行な平面において、x軸およびx軸に直交するy軸が定義される。また、マーカ50に垂直な方向にz軸が定義される。
【0043】
図4に、拠点Aの仮想空間と拠点Bの仮想空間とを融合するための前処理の手順を示す。
図4に示す処理は、記憶装置14に記憶されたプログラムをPU12がたとえば所定周期で繰り返し実行することによって実現される。なお、以下では、先頭に「S」が付与された数字によって各処理のステップ番号を表現する。また、
図4には、拠点Xにおける処理と拠点Yにおける処理とを記載している。ここで、(X,Y)=(A,B),(B,A)である。以下では、(X,Y)=(A,B)の場合を例にとって
図4に示す処理を説明する。
【0044】
図4に示す一連の処理において、拠点AのPU12(A)は、まず、点群データの生成処理を実行する(S10)。
図5に、S10の処理の詳細を示す。
【0045】
図5に示すように、PU12(A)は、まず、2次元画像データおよび深度画像データを取得する(S30)。次にPU12(A)は、2次元画像データの画素を1つ選択する(S32)。次にPU12(A)は、選択した画素に隣接する画素を全て抽出する(S34)。次にPU12(A)は、抽出した画素のそれぞれと上記選択された画素との深度画像データにおける相対深度Δdを算出する(S36)。相対深度Δdは、抽出した画素のそれぞれについて深度画像データが示す深度と、上記選択された画素について深度画像データが示す深度との差の絶対値とすればよい。次にPU32は、抽出した隣接画素の中に、相対深度Δdが閾値Δth以下となるものがないか否かを判定する(S38)。この処理は、選択した画素がノイズであるか否かを判定する処理である。
【0046】
すなわち、ノイズの場合、隣接する画素との距離が遠くなって周囲の画素から孤立する傾向にある。S38の処理は、選択した画素と距離が近い画素が存在するかを簡易的に判定する処理である。すなわち、2次元画像において隣接する画素同士の距離が近いことは、3次元空間における対応する2点が近いことの必要条件である。そして、隣接する画素において相対深度Δdが小さいのであれば、それらの画素が実際の距離が近いとみなせる。
【0047】
PU12(A)は、相対深度Δdが閾値Δth以下となるものがないと判定する場合(S38:YES)、選択した画素をノイズであるとして表示対象から除去する(S40)。
【0048】
PU12(A)は、S40の処理を完了する場合と、S38の処理において否定判定する場合と、には、S32の処理によって、2次元画像の全ての画素を選択したか否かを判定する(S42)。PU12(A)は、未だ選択していない画素があると判定する場合(S42:NO)、S32の処理に戻る。
【0049】
一方、PU12(A)は、2次元画像の全ての画素を選択したと判定する場合(S42:YES)、S40の処理が施された2次元画像データと深度画像データとを点群データに変換する(S44)。すなわち、変換対象となるデータは、2次元画像データと深度画像データとから、S40の処理によって除去された画素を示すデータおよび同画素に関する深度を示すデータが除かれたデータである。一方、点群データは、3次元画像を示すデータである。点群データは、たとえば、3次元座標のそれぞれについて、R,G,Bの輝度情報を有したデータであってよい。
【0050】
なお、PU12(A)は、S44の処理を完了する場合、
図4のS10の処理を完了する。
図4に戻り、PU12(A)は、点群データに基づき、座標規定データを生成する(S12)。座標規定データは、マーカ50に対する相対座標を定義するデータである。すなわち、マーカ50の中心を原点として、上述のx軸の座標成分、y軸の座標成分、およびz軸の座標成分を定めるためのデータである。これは、たとえばS10の処理によって生成された点群データを座標変換するためのデータであってもよい。この座標変換は、互いに直交する3つの方向に対する平行移動量と、3つのオイラー角とを定めるデータであってもよい。
【0051】
次にPU12(A)は、通信機16(A)を操作することによって、座標規定データを拠点Bの画像制御装置10(B)に送信する(S14)。
なお、PU12(A)は、S14の処理を完了する場合、
図4に示す一連の処理を一旦終了する。
【0052】
これに対し、拠点Bの画像制御装置10(B)のPU12(B)は、座標規定データを受信する(S20)。そして、PU12(B)は、記憶装置14(B)に、座標規定データを記憶する(S22)。
【0053】
なお、PU12(B)は、S22の処理を完了する場合、
図4に示す一連の処理を一旦終了する。
「拠点間コミュニケーション」
図6に、拠点Aと拠点Bとでコミュニケーションを図る際に実際に実行される処理の手順を示す。
図6に示す処理は、記憶装置14に記憶されたプログラムをPU12がたとえば所定周期で繰り返し実行することによって実現される。なお、
図6に示す処理は、拠点Aにおいて実行される処理と拠点Bにおいて実行される処理とが同等となることから、対応する処理については同一のステップ番号を付与する。以下では、拠点Bにおける現実空間に3次元画像を表示する処理を例にとって説明する。
【0054】
図6に示す一連の処理において、拠点AのPU12(A)は、まず、S10の処理と同様の処理によって、拠点Aの現実空間において3次元センサ20が撮影した画像の点群データを生成する(S50)。なお、実際には、ここで生成される点群データは、3次元センサ20(A)がとらえた物体の全ての画像を含むものとしなくてもよい。すなわち、たとえば、ユーザの画像に関するデータを抽出し、ユーザが位置する床面の画像等背景画像に関するデータを削除することが望ましい。次にPU12(A)は、通信機16(A)を操作することによって、拠点Bの画像制御装置10(B)に点群データを送信する(S52)。
【0055】
これに対し、拠点BのPU12(B)は、点群データを受信する(S54)。次にPU12(B)は、記憶装置14(B)から、S22の処理によって記憶した座標規定データを読み出す(S56)。この座標規定データは、拠点Aにおける現実空間の3次元画像を示す点群データを座標変換するためのデータである。PU12(B)は、座標変換データを用いて点群データを座標変換する(S58)。
【0056】
次にPU12(B)は、PU12(B)がS50の処理によって生成した拠点Bの画像を示す点群データに、S58の処理によって座標変換された拠点Aの画像を示す点群データを合成する(S60)。S60の処理において、PU12(B)は、拠点Bの画像を示す点群データの基準点からの相対的な位置に応じて、拠点Aの画像を示す点群データを合成する。
【0057】
次にPU12(B)は、記憶装置14(B)に、S60の処理によって合成された点群データを記憶する(S62)。次に、PU12(B)は、合成された点群データから、拠点Bの画像を示す点群データを削除する(S64)。そして、PU12(B)は、表示装置22を操作することによって、拠点Bの現実空間に、3次元画像を表示する(S66)。
【0058】
なお、S66の処理は、以下の設定を前提としている。すなわち、表示装置22(B)が拠点Bの現実空間の適切な位置に、拠点Bの現実空間に関する点群データが示す3次元画像を表示する設定がなされていることを前提としている。この設定は、たとえば3次元センサ20(B)の出力に基づく点群データを用いて、同点群データを変換する座標変換を規定することによって実現してもよい。また、これに代えて、表示装置22(B)がカメラを有する場合、表示装置22(B)のカメラがとらえたマーカ50の位置と、点群データが示すマーカ50の位置とを合わせ込む処理を実行することによって実現してもよい。
【0059】
ちなみに、PU12(B)は、S66の処理を完了する場合、
図6に示す一連の処理を一旦終了する。
「本実施形態の作用および効果」
図7に、拠点Aの画像を拠点Bに表示する処理を例示する。拠点Aの現実空間RS内の物体は、3次元センサ20(A)によって撮影される。
図7には、3次元センサ20(A)が撮影した領域である仮想空間VSを現実空間RS内に記載している。拠点Aの現実空間RSのうち仮想空間VSに対応する領域には、物体70が含まれる。PU12(A)は、仮想空間VSの基準点60に対する物体70の相対座標を得るための座標規定データを生成して拠点Bに送信する。
【0060】
これにより、拠点BのPU12(B)は、拠点Aの3次元センサ20(A)の出力に基づく点群データを、座標規定データに従って、拠点Bの点群データと合成する。すなわち、座標規定データによって、3次元センサ20(A)の出力に基づく点群データが示す画像の基準点に対する距離および方向が定まる。PU12(B)は、この基準点を、3次元センサ20(B)の出力に基づく点群データが示す画像の基準点に置き換える。すなわち、PU12(B)は、拠点Bの基準点に対する、3次元センサ20(A)の出力に基づく点群データが示す画像の距離および方向が、上記座標規定データによって定まった距離および方向となるように、点群データ同士を合成する。そして、PU12(B)は、合成した点群データから3次元センサ20(B)の出力に基づく点群データを削除した後に、これを拠点Bの現実空間RSに表示する。
【0061】
拠点Bの現実空間RSには物体72が存在する。物体72は、3次元センサ20(B)の出力に基づく点群データが示す画像に含まれるが、これは、表示装置22(B)によっては表示されない。一方、拠点Bに実際には存在しない拠点Aの物体70は、拠点Bの現実空間RS内の仮想空間VS内に表示される。
【0062】
ここで、座標規定データは、基準点からの相対座標を規定する。そのため、上記点群データの合成処理によれば、拠点Aの仮想空間と拠点Bの仮想空間とを整合させることができる。したがって、拠点Aと拠点Bとで表示される画像を整合させることができる。
【0063】
図8に、本実施形態の効果を示す。なお、
図8において、仮想空間VS内に実線にて記載された部分は実物であることを示す。一方、仮想空間VS内に一点鎖線にて記載された部分は、3次元画像であることを示す。
【0064】
図8(a)に示すように、拠点Aに位置するユーザ80と拠点Bに位置するユーザ82との位置関係は、拠点Aでも拠点Bでも同じとなっている。すなわち、拠点Aにおいては、ユーザ80の正面に、ユーザ82を示す3次元画像が表示されている。また、拠点Bにおいては、ユーザ82の正面に、ユーザ80を示す3次元画像が表示されている。
【0065】
これに対し、
図8(b)に、上記座標規定データを用いない場合を例示する。
図8(b)に示す例では、拠点Aに位置するユーザ80と拠点Bに位置するユーザ82との位置関係が、拠点Aと拠点Bとで異なる。そのため、たとえば、拠点Aにおいて、拠点Aのユーザ80が拠点Bのユーザ82を示す画像の真正面に位置したとしても、拠点Bにおいては、拠点Aのユーザ80を示す画像が拠点Bのユーザ82の方を向いていない状況が生じうる。
【0066】
<第2の実施形態>
以下、第2の実施形態について、第1の実施形態との相違点を中心に図面を参照しつつ説明する。
【0067】
上記実施形態では、点群データが示す画像に対応する拠点において、座標規定データを生成した。これに対し、本実施形態では、点群データの送信先の拠点で座標規定データを生成する。
【0068】
図9に、本実施形態にかかる前処理の手順を示す。
図9に示す処理は、記憶装置14に記憶されたプログラムをPU12がたとえば所定周期で繰り返し実行することによって実現される。なお、
図9には、拠点Xにおける処理と拠点Yにおける処理とを記載している。ここで、(X,Y)=(A,B),(B,A)である。以下では、(X,Y)=(A,B)の場合を例にとって
図9に示す処理を説明する。
【0069】
図9に示す一連の処理において、拠点AのPU12(A)は、まず、
図4のS10の処理を実行する。次にPU12(A)は、通信機16(A)を操作することによって、点群データを拠点Bの画像制御装置10に送信する(S70)。なお、PU12(A)は、S70の処理を完了する場合、
図9に示す一連の処理を一旦終了する。
【0070】
一方、拠点BのPU12(B)は、点群データを受信する(S80)。次にPU12(B)は、受信した点群データを用いて、
図4のS12,S22と同様の処理を実行する。すなわち、PU12(B)は、座標変換データを生成した後(S12)、座標規定データを記憶装置14(B)に記憶する(S22)。なお、PU12(B)は、S22の処理を完了する場合、
図9に示す一連の処理を一旦終了する。
【0071】
<第3の実施形態>
以下、第3の実施形態について、第1の実施形態との相違点を中心に図面を参照しつつ説明する。
【0072】
「前処理」
図10に、本実施形態にかかる拠点間コミュニケーションのための前処理の手順を示す。
図10に示す処理は、記憶装置14に記憶されたプログラムをPU12が実行することによって実現される。
図10に示す処理は、拠点A,Bのそれぞれにおいて実行される処理であるが、以下では、拠点Aにおいて実行される場合を例にとって
図10の処理を説明する。
【0073】
図10に示す一連の処理において、PU12(A)は、
図9に示したS10,S12,S22の処理を順に行う。そして、PU12(A)は、
図10に示す一連の処理を一旦終了する。
【0074】
「拠点間コミュニケーション」
図11に、本実施形態にかかる拠点Aと拠点Bとでコミュニケーションを図る際に実際に実行される処理の手順を示す。
図11に示す処理は、記憶装置14に記憶されたプログラムをPU12が、たとえば所定周期で繰り返し実行することによって実現される。なお、
図11に示す処理は、拠点Aにおいて実行される処理と拠点Bにおいて実行される処理とが同等となることから、対応する処理については同一のステップ番号を付与する。なお、
図11において、
図6に示した処理に対応する処理については、便宜上、同一のステップ番号を付与している。以下では、拠点Bにおける現実空間に3次元画像を表示する処理を例にとって説明する。
【0075】
図11に示す一連の処理において、PU12(A)は、S50の処理を実行した後、記憶装置14(A)から座標規定データを読み出す(S90)。座標規定データは、
図10のS22の処理によって記憶装置14(A)に記憶されたデータである。すなわち、3次元センサ20(A)の出力に応じた点群データを相対座標に変換するためのデータである。次にPU12(A)は、点群データを、相対座標に変換する(S92)。そして、PU12は、通信機16(A)を操作することによって、変換した点群データを拠点Bに送信する(S52)。
【0076】
一方、拠点BのPU12(B)は、変換された点群データを受信する(S54)。次に、PU12(B)は、3次元センサ20(B)の出力に応じた点群データがS92の処理によって相対座標に変換されたデータに、受信した点群データを合成する(S60a)。そして、PU12(B)は、合成した点群データを、拠点Bの現実空間RSの座標系である絶対座標に変換する(S94)。ここでは、
図3に示したマーカ50とは異なる部材を用いて、拠点Bの現実空間RSに仮想空間VSを融合することを想定している。
【0077】
次にPU12(B)は、S94の処理を施した点群データを、記憶装置14(B)に記憶する(S62)。そして、PU12(B)は、記憶した点群データを読み出して、3次元センサ20(B)の出力に応じた点群データを削除する(S64)。そして、PU12(B)は、表示装置22(B)を操作することによって、拠点Bの現実空間RS内に点群データが示す3次元画像を表示する(S66)。
【0078】
なお、PU12(B)は、S66の処理を完了する場合、
図11に示した一連の処理を一旦終了する。
<第4の実施形態>
以下、第4の実施形態について、第1の実施形態との相違点を中心に図面を参照しつつ説明する。
【0079】
上記実施形態では、基準点に対する相対座標を定義することによって、拠点間の位置合わせを行った。これに対し、本実施形態では、拠点Aと拠点Bとで、仮想空間VSの寸法を同一とすることによって、仮想空間VS同士を一致させることで位置合わせを行う。
【0080】
図12に示すように、本実施形態では、点群データ同士を対応付けるためのデータを、仮想空間VSの6個の角のうちの3つの点P1~P3を示すデータとする。
図12には、仮想空間VSの底面の3つの角を点P1~P3としている。点P1~P3を示すデータには、仮想空間VSの幅方向、奥行方向、上下方向の情報が含まれる。
【0081】
なお、本実施形態においては、基準点に対する相対座標を用いることなく、拠点Aの仮想空間と拠点Bの仮想空間とを整合させることができる。すなわち、拠点Aの仮想空間と拠点Bの仮想空間とを整合させるうえで、マーカ50は不要である。
【0082】
<第5の実施形態>
以下、第5の実施形態について、第1の実施形態との相違点を中心に図面を参照しつつ説明する。
【0083】
上記第1の実施形態では、
図4の処理の完了後にマーカ50を配置したままにするか否かについて特に触れなかった。実際、上記第1の実施形態では、マーカ50を配置したままとするか否かは任意である。これに対し、本実施形態では、マーカ50を常時配置することとする。そして、本実施形態では、過去の拠点間コミュニケーションの3次元画像を再生する。
【0084】
図13に、上記再生に関する処理の手順を示す。
図13に示す一連の処理は、記憶装置14に記憶されたプログラムをPU12が実行することによって実現される。
図13に示す一連の処理において、PU12は、まず、現実空間RS内の画像を撮影して点群データを生成する(S100)。PU12は、点群データが示すマーカ50に従って、マーカ50の中心に対する相対座標が規定されたデータを、現実空間RS上の座標に変換するための座標規定データを生成する(S102)。そして、PU12は、S62の処理によって記憶装置14に記憶された点群データを読み出す(S104)。そして、PU12は、読み出した点群データを、S102の処理によって生成された座標規定データを用いて座標変換する(S106)。そして、PU12は、表示装置22を操作することによって、現実空間RSに、拠点間コミュニケーションに関する映像を再生する(S108)。
【0085】
PU12は、再生を終了するか否かを判定する(S110)。PU12は、たとえば記憶装置14に記憶された点群データを全て再生し終わったときに再生を終了すると判定すればよい。またPU12は、ユーザから再生を終了する指示を受けた場合に、再生を終了すると判定すればよい。PU12は、再生を終了しないと判定する場合(S110:NO)、S104の処理に戻る。一方、PU12は、再生を終了すると判定する場合、
図13に示す一連の処理を一旦終了する。
【0086】
<対応関係>
上記実施形態における事項と、上記「課題を解決するための手段」の欄に記載した事項との対応関係は、次の通りである。以下では、「課題を解決するための手段」の欄に記載した解決手段の番号毎に、対応関係を示している。[1]第1取得処理、第2取得処理は、S50の処理に対応する。整合処理は、
図6のS58,S60の処理と、
図11のS92,S60aの処理と、に対応する。対応付けデータは、座標規定データに対応する。[2]第1~第3、第5の実施形態に対応する。[3]第1生成処理が拠点Xで実行される場合、第1生成処理は、S12の処理に対応する。第2生成処理が拠点Xで実行される場合、第2生成処理は、S12の処理に対応する。所定のオブジェクトは、マーカ50に対応する。[4]第1の実施形態に対応する。第1実行装置、および第2実行装置は、それぞれ、PU12(A)およびPU12(B)に対応する。第1送信処理、第2送信処理は、S52の処理に対応する。第1受信処理、第2受信処理は、S54の処理に対応する。第1整合処理、第2整合処理は、S58,S60の処理に対応する。[5]第2の実施形態に対応する。第1実行装置、および第2実行装置は、それぞれ、PU12(A)およびPU12(B)に対応する。第1送信処理、第2送信処理は、S52の処理に対応する。第1受信処理、第2受信処理は、S54の処理に対応する。第1整合処理、第2整合処理は、S58,S60の処理に対応する。[6]第3の実施形態に対応する。第1実行装置、および第2実行装置は、それぞれ、PU12(A)およびPU12(B)に対応する。第1送信処理、第2送信処理は、S52の処理に対応する。第1受信処理、第2受信処理は、S54の処理に対応する。第1整合処理、第2整合処理は、S92,S60aの処理に対応する。[7]
図12に対応する。[8]第1実行装置、および第2実行装置は、それぞれ、PU12(A)およびPU12(B)に対応する。第1送信処理、第2送信処理は、S52の処理に対応する。第1受信処理、第2受信処理は、S54の処理に対応する。第1整合処理、第2整合処理は、
図6のS58,S60の処理と、と、
図11のS92,S60aの処理と、に対応する。[9]S64の処理に対応する。[10]記憶処理は、S62の処理に対応する。[11]隣接画素抽出処理は、S34の処理に対応する。ノイズ判定処理は、S38の処理に対応する。除去処理は、S40の処理に対応する。点群データ変換処理は、S44の処理に対応する。[12]再生処理は、S108の処理に対応する。位置合わせ処理は、S106の処理に対応する。[13]画像制御装置は、画像制御装置10(A)、画像制御装置10(B)に対応する。[14]点群データ生成処理は、S100の処理に対応する。再生処理は、S108の処理に対応する。位置合わせ処理は、S106の処理に対応する。[15]隣接画素抽出処理は、S34の処理に対応する。ノイズ判定処理は、S38の処理に対応する。除去処理は、S40の処理に対応する。
【0087】
<その他の実施形態>
なお、本実施形態は、以下のように変更して実施することができる。本実施形態および以下の変更例は、技術的に矛盾しない範囲で互いに組み合わせて実施することができる。
【0088】
「第1座標規定データ、および第2座標規定データについて」
・第1座標規定データ、および第2座標規定データとしては、基準点に対する相対座標を定義するデータに限らない。たとえば、
図14に示すように、仮想空間上に定義された任意の座標系であってもよい。ただし、その場合、拠点Aの仮想空間VSにおける座標成分と拠点Bの仮想空間VSにおける座標成分との所定割合が重複していることが望ましい。
図14には、拠点Aの仮想空間VSにおける座標成分が拠点Bの仮想空間VSにおける座標成分を包含している例を示している。そのため、拠点Bの仮想空間VSに位置する画像は、拠点Aの仮想空間VSに表示可能である。また、
図14にドットにて示すように、拠点Aの仮想空間VSにおける座標成分と拠点Bの仮想空間VSにおける座標成分とが重複する領域が、拠点Aの仮想空間VSの大部分を占めている。そのため、拠点Aの現実空間RSのうちの仮想空間VSが融合する部分に位置する物体の画像を、拠点Bの仮想空間VSに十分表示可能である。そして、拠点Aの仮想空間VSと拠点Bの仮想空間VSとに座標系を定めているために、
図8に例示した問題などが生じる事態を避けることができる。
【0089】
ちなみに、上記実施形態のように相対座標を定める場合であっても、拠点Aの仮想空間VSにおける座標成分と拠点Bの仮想空間VSにおける座標成分との所定割合が重複していることが望ましい。
【0090】
「整合処理について」
・整合処理が、点群データ同士の合成処理によって実現されることは必須ではない。たとえば、S60の処理において、PU12(B)は、拠点Bに対応する仮想空間であって点群データを一切含まない空間に、3次元センサ20(A)の出力に基づく点群データを埋め込んでもよい。
【0091】
「再生処理について」
・再生処理としては、拠点間コミュニケーションを映した画像を再生する処理に限らない。たとえば、1つの作業現場で作業をするところを撮影しておくことによって、その作業工程を第3者が学ぶために再生する処理であってもよい。その場合であっても、所定のオブジェクトを基準点とすることによって、作業現場のどこで作業員が作業をしたかを正確に再生することができる。
【0092】
なお、S102の処理後には、マーカ50等の所定のオブジェクトを除いてもよい。
「再生処理のための座標規定データの生成処理について」
・位置決めのために現実空間の画像を新たに撮影する代わりに、再生対象となる画像中の所定のオブジェクトと現実空間内の現実の所定のオブジェクトとを用いて座標規定データを生成してもよい。
【0093】
・上記実施形態では、3次元センサ20を用いて位置決めのための点群データを生成したが、これに限らない。たとえば表示装置22が備えるカメラを用いて、所定のオブジェクトを基準点とした再生を実行させてもよい。なお、その場合、再生処理の間、表示装置22が備えるカメラがとらえた所定のオブジェクトを基準点として、3次元画像の表示位置を逐次フィードバック制御してもよい。
【0094】
「所定のオブジェクトについて」
・基準点を定める所定のオブジェクトがマーカ50であることは必須ではない。たとえば、椅子、掛け時計、ペットボトル、車等であってもよい。また現実空間を区画する壁に設けられたコンセントの差込み口等であってもよい。
【0095】
なお、所定のオブジェクトを常時配置しておく場合には、現実空間RSに固定されている物体を所定のオブジェクトとすることが望ましい。すなわち、たとえば掛け時計、壁に設けられたコンセントの差込口等とすることが望ましい。
【0096】
「ノイズ除去処理について」
・
図5には、相対深度Δdが閾値Δth以下となる隣接画像が1つもない場合に、ノイズと判定したが、これに限らない。たとえば、相対深度Δdが閾値Δth以下となる隣接画像が2つ以上ない場合に、ノイズと判定してもよい。もっとも、ノイズと判定するための所定数は、0または1に限らない。
【0097】
・ノイズを除去する処理としては、上記実施形態およびその変更例に例示した処理に限らない。たとえば、点群データを直接用いて、3次元空間におけるあらゆる2点間の距離を算出することによってノイズを判定する処理を含んでもよい。もっとも、ノイズを除去する処理を実行すること自体必須ではない。
【0098】
「点群データを生成するためのカメラについて」
・深度センサ20aが照射する電磁波が近赤外線であることは必須ではない。
・3次元センサが、深度センサ20aおよびRGBカメラ20bが一体的に形成されたセンサであることは必須ではない。たとえば、深度センサ20aおよびRGBカメラ20bが個別のセンサである場合、使用する際にそれらを近接して配置すればよい。ただし、その場合、RGBカメラ20bの視野角と、深度センサ20aの照射角とを整合させる。
【0099】
・3次元センサとしては、深度センサ20aと、RGBカメラ20bとを備えるセンサに限らない。たとえば画像データを生成するセンサを、モノクロのカメラとしてもよい。
・点群データを生成するためのカメラとしては、3次元センサ20に限らない。たとえば、RGBカメラ20bのみであってもよい。その場合、RGBカメラ20bの2次元画像から機械学習によって深度を推定すればよい。これによって、深度画像データを生成できる。
【0100】
「拠点の数について」
・上記実施形態では、拠点の数を2個としたが、これに限らない。たとえば、3個以上としてもよい。
【0101】
「実行装置について」
・実行装置としては、ソフトウェア処理を実行するものに限らない。たとえば、上記実施形態においてソフトウェア処理されたものの少なくとも一部を、ハードウェア処理するたとえばASIC等の専用のハードウェア回路を備えてもよい。すなわち、実行装置は、以下の(a)~(c)のいずれかの構成であればよい。(a)上記処理の全てを、プログラムに従って実行する処理装置を備える。(b)上記処理の一部をプログラムに従って実行する処理装置と、残りの処理を実行する専用のハードウェア回路とを備える。(c)上記処理の全てを実行する専用のハードウェア回路を備える。ここで、各処理をプログラムに従って実行する処理装置や、専用のハードウェア回路は複数であってもよい。
【符号の説明】
【0102】
10…画像制御装置
14…記憶装置
16…通信機
20…3次元センサ
20a…深度センサ
20b…RGBカメラ
30…ネットワーク
40…台
50…マーカ
60…基準点
70,72…物体
80,82…ユーザ