(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024061420
(43)【公開日】2024-05-07
(54)【発明の名称】排ガス処理システム
(51)【国際特許分類】
B01D 53/86 20060101AFI20240425BHJP
F01N 3/20 20060101ALI20240425BHJP
B01D 53/94 20060101ALI20240425BHJP
【FI】
B01D53/86 222
B01D53/86 ZAB
F01N3/20 F
F01N3/20 U
B01D53/86 228
B01D53/94 222
B01D53/94 228
【審査請求】未請求
【請求項の数】9
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022169359
(22)【出願日】2022-10-21
(71)【出願人】
【識別番号】000005119
【氏名又は名称】日立造船株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100103517
【弁理士】
【氏名又は名称】岡本 寛之
(74)【代理人】
【識別番号】100149607
【弁理士】
【氏名又は名称】宇田 新一
(72)【発明者】
【氏名】清水 香奈
(72)【発明者】
【氏名】西 亜美
(72)【発明者】
【氏名】庄野 恵美
【テーマコード(参考)】
3G091
4D148
【Fターム(参考)】
3G091AA01
3G091AA04
3G091AB05
3G091BA14
3G091CA12
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3G091HA08
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(57)【要約】
【課題】排ガス中の窒素酸化物および亜酸化窒素を高効率で分解することができ、さらに、触媒の性能低下を抑制できる排ガス処理システムを提供する。
【解決手段】排ガス処理システム1は、排気通路10と、第1触媒装置21と、第2触媒装置31と、第3触媒装置41と、第1濃度センサ22と、第2濃度センサ32と、第1バイパス通路23と、第2バイパス通路33と、第1切替装置24と、第2切替装置34と、第1濃度センサ22および第2濃度センサ32により検知される各化合物の濃度に基づいて、第1切替装置24および第2切替装置34を制御する制御ユニット14とを備える。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
窒素酸化物、アンモニアおよび亜酸化窒素を含む排ガスの処理システムであって、
前記排ガスが流れる排気通路と、
前記排気通路に介在し、窒素酸化物を還元する第1触媒を有する第1触媒装置と、
前記排気通路に介在し、アンモニアを分解する第2触媒を有する第2触媒装置と、
前記排気通路に介在し、亜酸化窒素を分解する第3触媒を有する第3触媒装置と、
前記第1触媒装置の上流側に配置され、窒素酸化物の濃度を検知する第1濃度センサと、
前記第2触媒装置の上流側に配置され、アンモニアの濃度を検知する第2濃度センサと、
前記第1触媒装置を迂回する第1バイパス通路であって、前記第1触媒装置の上流側の前記排気通路に接続する一端と、前記第1触媒装置の下流側の前記排気通路に接続する他端を有する前記第1バイパス通路と、
前記第2触媒装置を迂回する第2バイパス通路であって、前記第2触媒装置の上流側の前記排気通路に接続する一端と、前記第2触媒装置の下流側の前記排気通路に接続する他端を有する前記第2バイパス通路と、
前記排ガスが前記第1触媒装置と前記第1バイパス通路とのいずれか一方を通過するように、前記排ガスの通路を切り替える第1切替装置と、
前記排ガスが前記第2触媒装置と前記第2バイパス通路とのいずれか一方を通過するように、前記排ガスの通路を切り替える第2切替装置と、
前記第1濃度センサにより検知される窒素酸化物の濃度に基づいて、前記第1切替装置を制御し、前記第2濃度センサにより検知されるアンモニアの濃度に基づいて、前記第2切替装置を制御する制御ユニットと
を備える、排ガス処理システム。
【請求項2】
前記第1触媒装置の下流側に、前記第2触媒装置が配置され、
前記第2触媒装置の下流側に、前記第3触媒装置が配置される、請求項1に記載の排ガス処理システム。
【請求項3】
前記第1触媒装置の下流側に、前記第3触媒装置が配置され、
前記第3触媒装置の下流側に、前記第2触媒装置が配置される、請求項1に記載の排ガス処理システム。
【請求項4】
前記第3触媒装置の上流側に配置され、亜酸化窒素の濃度を検知する第3濃度センサと、
前記第3触媒装置を迂回する第3バイパス通路であって、前記第3触媒装置の上流側の前記排気通路に接続する一端と、前記第3触媒装置の下流側の前記排気通路に接続する他端を有する前記第3バイパス通路と、
前記排ガスが、前記第3触媒装置と前記第3バイパス通路とのいずれか一方を通過するように、前記排ガスの通路を切り替える第3切替装置と
を、さらに備え、
前記制御ユニットは、前記第3濃度センサにより検知される亜酸化窒素の濃度に基づいて、前記第3切替装置を制御する、請求項1に記載の排ガス処理システム。
【請求項5】
前記第3触媒装置の下流側に、前記第1触媒装置が配置され、
前記第1触媒装置の下流側に、前記第2触媒装置が配置される、請求項4に記載の排ガス処理システム。
【請求項6】
前記第1触媒装置の上流側、および/または、前記第3触媒装置の上流側に、前記排気通路に還元剤を供給する還元剤供給部を備える、請求項1~5のいずれか一項に記載の排ガス処理システム。
【請求項7】
前記還元剤がアンモニアガス、アンモニア水または尿素水である、請求項6に記載の排ガス処理システム。
【請求項8】
前記還元剤供給部の上流側に、前記還元剤の濃度を検知する還元剤濃度センサを備える、請求項6に記載の排ガス処理システム。
【請求項9】
前記制御ユニットは、前記還元剤濃度センサにより検知される還元剤の濃度に基づいて、前記還元剤供給部より、還元剤を供給する供給量を調整する、請求項8に記載の排ガス処理システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、排ガスの処理システムに関する。詳しくは、本発明は、窒素酸化物(NOX)、アンモニア(NH3)および亜酸化窒素(N2O)を含む排ガスの処理システムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、排ガスを処理するために、排ガスの流れる排気通路に、排ガス処理用の触媒を配置して、排ガス中の有害物質を分解する技術が知られている。
【0003】
例えば、排ガスに含まれる窒素酸化物および亜酸化窒素の処理方法として、脱硝触媒、アンモニア分解触媒および亜酸化窒素分解触媒を順に配置し、窒素酸化物および亜酸化窒素を分解する技術が提案されている(例えば、特許文献1参照。)。
【0004】
特許文献1の排ガス処理方法は、第1工程で、還元剤として、アンモニアを加え、窒素酸化物を還元し、さらに、第2工程で、残存するアンモニアを分解することで、第3工程で、亜酸化窒素を分解する際に、アンモニアの影響を抑制できる。これにより、排ガス中の窒素酸化物および亜酸化窒素を効率的に分解することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、特許文献1の排ガスを処理する方法は、排ガス処理に用いられる触媒が直列に配置されているため、常に排ガスがすべての触媒に流通し、触媒の性能低下が著しく、寿命が短くなるという不具合がある。
【0007】
本発明は、排ガス中の窒素酸化物および亜酸化窒素を高効率で分解することができ、さらに、触媒の性能低下を抑制できる排ガス処理システムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明[1]は、窒素酸化物、アンモニアおよび亜酸化窒素を含む排ガスの処理システムであって、前記排ガスが流れる排気通路と、前記排気通路に介在し、窒素酸化物を還元する第1触媒を有する第1触媒装置と、前記排気通路に介在し、アンモニアを分解する第2触媒を有する第2触媒装置と、前記排気通路に介在し、亜酸化窒素を分解する第3触媒を有する第3触媒装置と、前記第1触媒装置の上流側に配置され、窒素酸化物の濃度を検知する第1濃度センサと、前記第2触媒装置の上流側に配置され、アンモニアの濃度を検知する第2濃度センサと、前記第1触媒装置を迂回する第1バイパス通路であって、前記第1触媒装置の上流側の前記排気通路に接続する一端と、前記第1触媒装置の下流側の前記排気通路に接続する他端を有する前記第1バイパス通路と、前記第2触媒装置を迂回する第2バイパス通路であって、前記第2触媒装置の上流側の前記排気通路に接続する一端と、前記第2触媒装置の下流側の前記排気通路に接続する他端を有する前記第2バイパス通路と、前記排ガスが前記第1触媒装置と前記第1バイパス通路とのいずれか一方を通過するように、前記排ガスの通路を切り替える第1切替装置と、前記排ガスが前記第2触媒装置と前記第2バイパス通路とのいずれか一方を通過するように、前記排ガスの通路を切り替える第2切替装置と、前記第1濃度センサにより検知される窒素酸化物の濃度に基づいて、前記第1切替装置を制御し、前記第2濃度センサにより検知されるアンモニアの濃度に基づいて、前記第2切替装置を制御する制御ユニットとを備える、排ガス処理システムを含む。
【0009】
このような排ガス処理システムでは、制御ユニットが、第1濃度センサにより検知される窒素酸化物の濃度に基づいて、排ガスが第1触媒装置と第1バイパス通路とのいずれか一方を通過するように、第1切替装置を制御し、第2濃度センサにより検知されるアンモニアの濃度に基づいて、排ガスが第2触媒装置と第2バイパス通路とのいずれか一方を通過するように、第2切替装置を制御する。
【0010】
その結果、排ガス中の窒素酸化物の濃度が低く、第1触媒により処理する必要がない場合、第1触媒を迂回し、また、排ガス中のアンモニア濃度が低く、第2触媒により処理する必要がない場合、第2触媒を迂回することができ、これらの触媒の性能低下を抑制し、触媒の寿命を延ばすことができる。
【0011】
本発明[2]は、前記第1触媒装置の下流側に、前記第2触媒装置が配置され、前記第2触媒装置の下流側に、前記第3触媒装置が配置される、[1]に記載の排ガス処理システムを含む。
【0012】
このような排ガス処理システムでは、第2触媒装置で、アンモニアを分解し、その後、第3触媒装置で、亜酸化窒素を分解する。
【0013】
その結果、亜酸化窒素を分解する際に、アンモニアの影響を受けず、より高効率に分解できる。
【0014】
本発明[3]は、前記第1触媒装置の下流側に、前記第3触媒装置が配置され、前記第3触媒装置の下流側に、前記第2触媒装置が配置される、[1]に記載の排ガス処理システムを含む。
【0015】
このような排ガス処理システムでは、第2触媒装置で、アンモニアを分解する前に、第1触媒装置および第3触媒装置で、窒素酸化物および亜酸化窒素を分解する。
【0016】
その結果、排ガス中のアンモニアを還元剤として利用でき、還元剤の使用量をより一層削減できる。
【0017】
本発明[4]は、前記第3触媒装置の上流側に配置され、亜酸化窒素の濃度を検知する第3濃度センサと、前記第3触媒装置を迂回する第3バイパス通路であって、前記第3触媒装置の上流側の前記排気通路に接続する一端と、前記第3触媒装置の下流側の前記排気通路に接続する他端を有する前記第3バイパス通路と、前記排ガスが、前記第3触媒装置と前記第3バイパス通路とのいずれか一方を通過するように、前記排ガスの通路を切り替える第3切替装置とを、さらに備え、前記制御ユニットは、前記第3濃度センサにより検知される亜酸化窒素の濃度に基づいて、前記第3切替装置を制御する、[1]に記載の排ガス処理システムを含む。
【0018】
このような排ガス処理システムでは、さらに、制御ユニットによって、第3濃度センサにより検知される亜酸化窒素の濃度に基づいて、排ガスが第3触媒装置と第3バイパス通路とのいずれか一方を通過するように、第3切替装置を制御する。
【0019】
その結果、排ガス中の亜酸化窒素の濃度が低く、第3触媒により処理する必要がない場合、第3触媒を迂回することができ、第1触媒および第2触媒に加えて、第3触媒の性能低下の抑制ができ、触媒の寿命を延ばすことができる。
【0020】
本発明[5]は、前記第3触媒装置の下流側に、前記第1触媒装置が配置され、前記第1触媒装置の下流側に、前記第2触媒装置が配置される、[1]または[4]に記載の排ガス処理システムを含む。
【0021】
このような排ガス処理システムでは、第1触媒装置で、窒素酸化物を分解する前に、第3触媒装置で、亜酸化窒素を分解する。
【0022】
第3触媒装置において、触媒の種類によっては、亜酸化窒素と窒素酸化物とを分解する作用を有するため、排ガス中の窒素酸化物の濃度が低くなり、第1触媒装置を迂回することで、第1触媒の性能低下をより一層抑制できる。
【0023】
本発明[6]は、前記第1触媒装置の上流側、および/または、前記第3触媒装置の上流側に、前記排気通路に還元剤を供給する還元剤供給部を備える、[1]~[5]のいずれか一項に記載の排ガス処理システムを含む。
【0024】
このような排ガス処理システムでは、窒素酸化物を還元する際に、第1触媒の種類に応じて、還元剤を供給し、また、亜酸化窒素を分解する際に、第3触媒の種類に応じて、還元剤を供給する。
【0025】
その結果、排ガス中の窒素酸化物および亜酸化窒素を、必要量の還元剤を含んだ状態で処理するため、より高効率に処理できる。
【0026】
本発明[7]は、前記還元剤がアンモニアガス、アンモニア水または尿素水である、[6]に記載の排ガス処理システムを含む。
【0027】
このような排ガス処理システムでは、排ガス中に含まれるアンモニアを還元剤として利用できる。その結果、排ガスにアンモニアが含まれる場合に、還元剤の供給量を削減できる。
【0028】
本発明[8]は、前記還元剤供給部の上流側に、前記還元剤の濃度を検知する還元剤濃度センサを備える、[6]または[7]に記載の排ガス処理システムを含む。
【0029】
本発明[9]は、前記制御ユニットは、前記還元剤濃度センサにより検知される還元剤の濃度に基づいて、前記還元剤供給部より、還元剤を供給する供給量を調整する、[8]に記載の排ガス処理システムを含む。
【0030】
このような排ガス処理システムでは、排ガス中に供給する還元剤が含まれている場合に、その濃度に基づいて、制御ユニットによって、還元剤の供給量を調整する。
【0031】
その結果、適切な量の還元剤を供給でき、還元剤の使用量を削減できる。
【発明の効果】
【0032】
本発明の排ガス処理システムは、排ガス中の窒素酸化物および亜酸化窒素を高効率で分解することができ、さらに、触媒の性能低下の抑制および還元剤の使用量を削減できる。
【図面の簡単な説明】
【0033】
【
図1】
図1は、本発明の第1実施形態に係る排ガス処理システムを示す概略構成図である。
【
図2】
図2は、
図1に示す上記排ガス処理システムの制御を説明するためのフローチャートである。
【
図3】
図3は、
図2に示す第1処理を説明するためのフローチャートである。
【
図4】
図4は、
図2に示す第2処理を説明するためのフローチャートである。
【
図5】
図5は、本発明の第2実施形態に係る排ガス処理システムを示す概略構成図である。
【
図6】
図6は、
図5に示す上記排ガス処理システムの制御を説明するためのフローチャートである。
【
図7】
図7は、本発明の第3実施形態Aに係る排ガス処理システムを示す概略構成図である。
【
図8】
図8は、本発明の第3実施形態Bに係る排ガス処理システムを示す概略構成図である。
【
図9】
図9は、
図7に示す上記排ガス処理システムの制御を説明するためのフローチャートである。
【
図11】
図11は、
図8に示す上記排ガス処理システムの制御を説明するためのフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0034】
(第1実施形態)
<排ガス処理システムの構成>
図1を参照して、本発明の第1実施形態としての排ガス処理システム1について説明する。
【0035】
排ガス処理システム1は、例えば、燃焼装置から排出される排ガスを、処理するためのシステムである。
【0036】
排ガスは、窒素酸化物、アンモニア、および、亜酸化窒素を含む排ガスであって、例えば、アンモニア燃料、または、化石燃料にアンモニア燃料を混合した燃料を使用する燃焼装置から排出される排ガス、および、化学プラントや発電所等から排出される排ガスが挙げられる。また、そのような燃焼装置としては、陸上エンジン、船舶エンジンなどの内燃機関が挙げられる。
【0037】
図1に示すように、第1実施形態の排ガス処理システム1は、例えば、排気通路10と、第1触媒ユニット11と、第2触媒ユニット12と、第3触媒ユニット13と、制御ユニット14とを備える。
【0038】
以降の説明において、上流側および下流側は、排ガスの流れ方向における上流側および下流側である。
【0039】
[排気通路]
排気通路10の上流側端部は、燃焼装置から排出される排ガスの排出口に接続される。燃焼装置から排出された排ガスは、排気通路10を流れる。また、排気通路10の下流側端部は、外気に開放されている、または、公知の後処理装置に接続されている。
【0040】
第1実施形態の排ガス処理システム1において、第1触媒ユニット11と、第2触媒ユニット12と、第3触媒ユニット13とは、排気通路10に沿って並ぶ。具体的には、第1触媒ユニット11の下流側に、第2触媒ユニット12が配置され、第2触媒ユニット12の下流側に、第3触媒ユニット13が配置される。つまり、上流側から下流側に向けて、第1触媒ユニット11と、第2触媒ユニット12と、第3触媒ユニット13とを順に備える。
【0041】
[第1触媒ユニット]
第1触媒ユニット11は、第2触媒ユニット12および第3触媒ユニット13の上流側に配置され、第1触媒装置21と、第1濃度センサ22と、第1バイパス通路23と、第1切替装置24と、第1還元剤供給部25と、第1還元剤濃度センサ26とを備える。
{第1触媒装置}
第1触媒装置21は、排気通路10に介在し、第2触媒装置31および第3触媒装置41の上流側に配置される。第1触媒装置21は、窒素酸化物を還元する第1触媒を有する触媒装置である。第1触媒装置21を排ガスが通過することで、排ガス中の窒素酸化物を還元する。
【0042】
第1触媒は、窒素酸化物を処理できる触媒であれば、特に制限されない。第1触媒としては、例えば、窒素酸化物を還元剤により還元する脱硝触媒が挙げられ、活性金属を含む。また、活性金属を触媒担体に担持させることもできる。
【0043】
活性金属としては、例えば、遷移金属および貧金属が挙げられ、好ましくは、遷移金属が挙げられる。遷移金属としては、例えば、モリブデン、バナジウム、タングステン、ニッケル、コバルトおよび鉄が挙げられる。
【0044】
活性金属は、単独使用または2種類以上併用できる。
【0045】
触媒担体としては、例えば、ゼオライト、チタニア、アルミナ、ジルコニアおよびシリカが挙げられ、好ましくはチタニアが挙げられる。
【0046】
触媒担体は、単独使用または2種類以上併用できる。
【0047】
脱硝触媒の調製法としては、活性金属を含有する担体を調製するための適宜の方法を用いることができ、例えば、含浸法、共沈法、混錬法およびアルコキシド法などが用いられる。
【0048】
また、脱硝触媒は、基材に担持されていてもよい。基材としては、例えば、無機繊維シートが挙げられる。無機繊維シートとしては、例えば、ガラス繊維シートおよびセラミックス繊維シートが挙げられる。
【0049】
{第1濃度センサ}
第1濃度センサ22は、第1触媒装置21の上流側における排気通路10に配置され、第1触媒ユニット11の最も上流側に位置する。第1濃度センサ22は、排ガス中の窒素酸化物の濃度を検知するものであればよく、例えば、非接触ガス濃度計が挙げられる。また、第1濃度センサ22は、後述する制御ユニット14に、電気的に接続されている。
【0050】
{第1バイパス通路}
第1バイパス通路23は、第1触媒装置21を迂回する通路であって、第1バイパス通路23の一端が第1触媒装置21の上流側の排気通路10に接続され、第1バイパス通路23の他端が第1触媒装置21の下流側の排気通路10に接続される。より具体的には、一端が第1濃度センサ22と第1触媒装置21との間で、排気通路10に接続され、他端が第1触媒装置21と第2触媒ユニット12の間で、排気通路10に接続される。つまり、第1バイパス通路23の他端は、第1触媒ユニット11の最も下流側に位置する。
【0051】
{第1切替装置}
第1切替装置24は、排気通路10を流れてきた排ガスが、第1触媒装置21と第1バイパス通路23とのいずれか一方を通過するように、排ガスの通路を切り替える。第1切替装置24は、三方弁であって、排気通路10と第1バイパス通路23との分岐部分(すなわち、第1バイパス通路23の一端で、排気通路10に接続された部分)に設けられている。また、第1切替装置24は、後述する制御ユニット14に、電気的に接続されている。
【0052】
このような第1切替装置24は、第1位置と第2位置とに切り替え可能である。切り替えにより、排気通路10および第1バイパス通路23のうちのいずれか一方を開状態にするとともに、他方を閉状態にすることができる。
【0053】
より具体的には、第1切替装置24を第1位置にすることで、排気通路10を開通させるとともに、第1バイパス通路23を閉塞させることができ、これにより、排ガスを第1触媒装置21に供給することができる。
【0054】
一方、第1切替装置24を第2位置にすることで、第1バイパス通路23を開通させるとともに、排気通路10を閉塞させることができ、これにより、排ガスを第1バイパス通路23に供給することができる。この場合、第1触媒装置21は、排ガスから回避される。
【0055】
{第1還元剤供給部}
還元剤供給部としての第1還元剤供給部25は、第1触媒装置21の上流側における排気通路10に接続される。より具体的には、第1還元剤供給部25は、第1触媒装置21と第1切替装置24との間の排気通路10に接続される。また、第1還元剤供給部25は、排気通路10に還元剤を供給する構成であればよく、例えば、還元剤を収容する図示しないタンクと、排気通路10へ還元剤を供給するための、図示しない定量ポンプと、バルブとを備える。第1還元剤供給部25は、例えば、供給量に応じて、定量ポンプの流量とバルブの開度を調整し、排気通路10に還元剤を供給する。第1還元剤供給部25は、後述する制御ユニット14に、電気的に接続されている。
【0056】
第1還元剤供給部25より、供給される還元剤としては、例えば、アンモニアガス、アンモニア水および尿素水が挙げられる。
【0057】
{第1還元剤濃度センサ}
還元剤濃度センサとしての第1還元剤濃度センサ26は、第1還元剤供給部25の上流側における排気通路10に配置される。より具体的には、第1還元剤濃度センサ26は、第1切替装置24と第1還元剤供給部25の間における排気通路10に配置される。また、第1還元剤濃度センサ26は還元剤の濃度を検知するものであればよく、例えば、非接触ガス濃度計が挙げられる。第1還元剤濃度センサ26は、後述する制御ユニット14に、電気的に接続されている。
【0058】
[第2触媒ユニット]
第2触媒ユニット12は、第1触媒ユニット11の下流側で、かつ、第3触媒ユニット13の上流側に配置され、第2触媒装置31と、第2濃度センサ32と、第2バイパス通路33と、第2切替装置34とを備える。
【0059】
{第2触媒装置}
第2触媒装置31は、排気通路10に介在し、第1触媒装置21の下流側で、かつ、第3触媒装置41の上流側に配置される。第2触媒装置31は、アンモニアを分解する第2触媒を有する触媒装置である。第2触媒装置31を排ガスが通過することで、排ガス中のアンモニアを分解する。
【0060】
第2触媒は、アンモニアを窒素と水に分解することができる触媒であれば、特に制限されない。第2触媒としては、例えば、アンモニア分解触媒が挙げられ、活性金属を含む。また、活性金属を触媒担体に担持させることもできる。
【0061】
活性金属としては、例えば、遷移金属および貧金属が挙げられ、好ましくは、遷移金属が挙げられる。遷移金属としては、例えば、モリブデン、バナジウム、タングステン、白金、パラジウム、ロジウム、ルテニウム、イリジウム、マンガン、銅、銀、コバルト、鉄およびニッケルが挙げられる。
【0062】
活性金属は、単独使用または2種類以上併用できる。
【0063】
触媒担体としては、例えば、ゼオライト、チタニア、アルミナ、ジルコニアおよびシリカが挙げられ、好ましくはアルミナが挙げられる。
【0064】
触媒担体は、単独使用または2種類以上併用できる。
【0065】
アンモニア分解触媒の調製法としては、活性金属を含有する担体を調製するための適宜の方法を用いる事ができ、例えば、含浸法、共沈法、混錬法およびアルコキシド法などが用いられる。
【0066】
また、アンモニア分解触媒は、基材に担持されていてもよい。基材としては、例えば、無機繊維シートが挙げられる。無機繊維シートとしては、例えば、ガラス繊維シートおよびセラミックス繊維シートが挙げられる。
【0067】
{第2濃度センサ}
第2濃度センサ32は、第2触媒装置31の上流側における排気通路10に配置され、第2触媒ユニット12の最も上流側に位置する。第2濃度センサ32は、排ガス中のアンモニアの濃度を検知するものであればよく、例えば、非接触ガス濃度計が挙げられる。また、第2濃度センサ32は、後述する制御ユニット14に、電気的に接続されている。
【0068】
{第2バイパス通路}
第2バイパス通路33は、第2触媒装置31を迂回する通路であって、第2バイパス通路33の一端が第2触媒装置31の上流側の排気通路10に接続され、第2バイパス通路33の他端が第2触媒装置31の下流側の排気通路10に接続される。より具体的には、一端が第2濃度センサ32と第2触媒装置31との間で、排気通路10に接続され、他端が第2触媒装置31と第3触媒ユニット13との間で、排気通路10に接続される。つまり、第2バイパス通路33の他端は、第2触媒ユニット12の最も下流側に位置する。
【0069】
{第2切替装置}
第2切替装置34は、排気通路10を流れてきた排ガスが、第2触媒装置31と第2バイパス通路33とのいずれか一方を通過するように、排ガスの通路を切り替える。第2切替装置34は、三方弁であって、排気通路10と第2バイパス通路33との分岐部分(すなわち、第2バイパス通路33の一端で、排気通路10に接続された部分)に設けられている。また、第2切替装置34は、後述する制御ユニット14に、電気的に接続されている。
【0070】
このような第2切替装置34は、第1位置と第2位置とに切り替え可能である。切り替えにより、排気通路10および第2バイパス通路33のうちのいずれか一方を開状態にするとともに、他方を閉状態にすることができる。
【0071】
より具体的には、第2切替装置34を第1位置にすることで、排気通路10を開通させるとともに、第2バイパス通路33を閉塞させることができ、これにより、排ガスを第2触媒装置31に供給することができる。
【0072】
一方、第2切替装置34を第2位置にすることで、第2バイパス通路33を開通させるとともに、排気通路10を閉塞させることができ、これにより、排ガスを第2バイパス通路33に供給することができる。この場合、第2触媒装置31は、排ガスから回避される。
【0073】
[第3触媒ユニット]
第3触媒ユニット13は、第1触媒ユニット11および第2触媒ユニット12の下流側に配置され、第3触媒装置41を備える。
【0074】
{第3触媒装置}
第3触媒装置41は、排気通路10に介在し、第1触媒装置21および第2触媒装置31の下流側に配置される。第3触媒装置41は、亜酸化窒素を分解する第3触媒を有する触媒装置である。第3触媒装置41を排ガスが通過することで、排ガス中の亜酸化窒素を分解する。
【0075】
第3触媒は、亜酸化窒素を効率よく分解できる触媒であれば、特に制限されない。第3触媒としては、例えば、亜酸化窒素分解触媒が挙げられ、活性金属を含む。また、活性金属を触媒担体に担持させることもできる。
【0076】
活性金属としては、例えば、遷移金属および貧金属が挙げられ、好ましくは、遷移金属が挙げられる。遷移金属としては、例えば、コバルト、ニッケルおよび鉄が挙げられ、より好ましくは、コバルトおよび鉄が挙げられる。
【0077】
活性金属は、単独使用または2種類以上併用できる。
【0078】
また、亜酸化窒素分解触媒は、活性金属とともに、助触媒成分を含むこともできる。
【0079】
助触媒成分としては、例えば、アルカリ金属およびアルカリ土類金属が挙げられ、好ましくは、アルカリ金属が挙げられる。
【0080】
触媒担体としては、例えば、ゼオライト、チタニア、アルミナ、ジルコニア、およびシリカが挙げられ、好ましくはゼオライトが挙げられる。
【0081】
触媒担体は、単独使用または2種類以上併用できる。
【0082】
亜酸化窒素分解触媒の調製法としては、活性金属を含有する担体を調製するための適宜の方法を用いる事ができ、例えば、含浸法、共沈法、混錬法およびアルコキシド法などが用いられる。
【0083】
亜酸化窒素分解触媒としては、例えば、鉄およびゼオライトを含む第3触媒Aと、コバルトおよびアルカリ金属、またはアルカリ土類金属を含む第3触媒Bが挙げられる。
【0084】
第3触媒Aは、亜酸化窒素を分解するために、還元剤を要する。
【0085】
第3触媒Bは、亜酸化窒素を分解するために、還元剤を要しない。
【0086】
第1実施形態では、第2触媒ユニット12で、アンモニアを分解する。そのため、第3触媒ユニット13には、還元剤(アンモニア)の供給が不十分である。よって、第3触媒としては、好ましくは、第3触媒Bが挙げられる。
【0087】
また、第1実施形態において、第3触媒ユニット13が、第3還元剤供給部45(後述)と、第3還元剤濃度センサ46(後述)とを備える場合、第3触媒として、第3触媒Aを使用することもできる。
【0088】
また、亜酸化窒素分解触媒は、基材に担持されていてもよい。基材としては、例えば、無機繊維シートが挙げられる。無機繊維シートとしては、例えば、ガラス繊維シートおよびセラミックス繊維シートが挙げられる。
【0089】
[制御ユニット]
制御ユニット14は、排ガス処理システム1における電気的な制御を実行するユニットである。制御ユニット14は、演算処理部(CPU)およびメモリ部などを備えるマイクロコンピュータから構成されている。制御ユニット14では、メモリ部に格納される制御プログラムに基づいて、排ガス処理システム1を制御する。
【0090】
また、制御ユニット14は、上記したように、第1濃度センサ22と、第1切替装置24と、第1還元剤濃度センサ26と、第1還元剤供給部25と、第2濃度センサ32と、第2切替装置34とに、電気的に接続されている。
【0091】
制御ユニット14は、詳しくは後述するように、第1濃度センサ22で検知される窒素酸化物の濃度に基づいて、第1切替装置24を制御し、第1還元剤濃度センサ26で検知される還元剤の濃度に基づいて、第1還元剤供給部25より、還元剤を供給する供給量を調整し、第2濃度センサ32で検知されるアンモニアの濃度に基づいて、第2切替装置34を制御する。
【0092】
<排ガス処理システムの制御>
図2~
図4を参照して、第1実施形態の排ガス処理システム1における制御について説明する。
【0093】
図2に示すように、第1実施形態における排ガス処理システム1の制御は、第1処理および第2処理を備える。排ガス処理システム1の制御は、燃焼装置の運転中に連続的に実行される。この制御が開始されると(スタート)、第1処理と第2処理とが順次実行された後、終了する(エンド)。
【0094】
[第1処理]
図3に示すように、第1処理では、まず、第1濃度センサ22により測定した窒素酸化物の濃度を検知し(S11)、窒素酸化物の濃度が第1閾値以上であるか否かを判断する(S12)。第1閾値としては、例えば、20ppmである。
【0095】
窒素酸化物の濃度が第1閾値以上である場合(S12:YES)に、第1切替装置24が第1位置に位置される(S13)。すると、排ガスは排気通路10を流れる。次いで、第1還元剤濃度センサ26により測定した還元剤の濃度を検知し(S14)、窒素酸化物の濃度に対する還元剤の濃度が第2閾値未満であるか否かを判断する(S15)。第2閾値としては、例えば、0.8である。
【0096】
窒素酸化物の濃度に対する還元剤の濃度が第2閾値未満である場合(S15:YES)、第1還元剤供給部25から還元剤が供給される(S16)。詳しくは、第1還元剤濃度センサ26で検知される還元剤の濃度に基づいて、第1還元剤供給部25より、還元剤を供給する供給量が調整される。
【0097】
すると、排気通路10を流れる排ガスに還元剤が混合される。混合された排ガスは、第1触媒装置21を通過する。第1触媒装置21では、第1触媒により、窒素酸化物が還元される。
【0098】
一方、窒素酸化物の濃度に対する還元剤の濃度が第2閾値未満でない場合(S15:NO)に、排ガスは排気通路10を流れ、第1還元剤供給部25より還元剤を供給されず、第1触媒装置21を通過する。第1触媒装置21では、第1触媒により、窒素酸化物が還元される。
【0099】
また、窒素酸化物の濃度が第1閾値以上でない場合(S12:NO)に、第1切替装置24が第2位置に位置され(S17)、排ガスは、第1触媒装置21を回避する。
【0100】
[第2処理]
図4に示すように、第2処理では、まず、第2濃度センサ32により測定したアンモニアの濃度を検知し(S21)、アンモニアの濃度が第3閾値以上であるか否かを判断する(S22)。第3閾値としては、例えば、10ppmである。
【0101】
アンモニアの濃度が第3閾値以上である場合(S22:YES)に、第2切替装置34が第1位置に位置される(S23)。すると、排ガスは排気通路10を流れる。次いで、第2触媒装置31を通過する。第2触媒装置31では、第2触媒により、アンモニアが分解される。
【0102】
一方、アンモニアの濃度が第3閾値以上でない場合(S22:NO)に、第2切替装置34が第2位置に位置され(S24)、排ガスは、第2触媒装置31を回避する。
【0103】
第2処理後、排ガスは、第3触媒装置41を通過する。第3触媒装置41では、第3触媒により、亜酸化窒素が分解される。
【0104】
<作用効果>
第1実施形態の排ガス処理システム1は、第1バイパス通路23および第1切替装置24と第2バイパス通路33および第2切替装置34とを備える。そのため、排ガス中の窒素酸化物の濃度が低く、第1触媒により処理する必要がない場合、第1触媒を迂回し、また、排ガス中のアンモニア濃度が低く、第2触媒により処理する必要がない場合、第2触媒を迂回することができる。各触媒を迂回することにより、触媒の性能低下を抑制し、触媒の寿命を延ばすことができる。
【0105】
また、第1実施形態の排ガス処理システム1は、第1還元剤供給部25および第1還元剤濃度センサ26を備える。そのため、排ガス中の窒素酸化物を還元する際に、排ガス中に供給する還元剤が含まれている場合、その濃度に基づいて、制御ユニットによって、還元剤の供給量を調整できる。その結果、適切な量の還元剤を供給できるため、還元剤の使用量を削減でき、排ガス中の窒素酸化物を、適切な量の還元剤を含んだ状態で処理するため、より高効率に処理できる。
【0106】
さらに、第1実施形態の排ガス処理システム1は、上流側から下流側に向けて、第1触媒ユニット11、第2触媒ユニット12および第3触媒ユニット13を順に備える。第2触媒ユニット12で、アンモニアを分解し、その後、第3触媒ユニット13で、亜酸化窒素を分解する。そのため、亜酸化窒素を分解する際に、アンモニアの影響を受けず、より高効率に分解できる。なお、第3触媒としては、還元剤が不要な第3触媒Bが好ましい。
【0107】
(第2実施形態)
図5を参照して、本発明の第2実施形態としての排ガス処理システム1について説明する。なお、上記した第1実施形態と同様の構成については、その詳細な説明を省略する。第2実施形態では、第2触媒ユニット12と第3触媒ユニット13とが、排ガスの流れ方向において、第1実施形態に対して、逆に配置される以外は、第1実施形態と同一の構成である。
【0108】
第2実施形態の排ガス処理システム1において、第1触媒ユニット11と、第3触媒ユニット13と、第2触媒ユニット12とは、排気通路10に沿って並ぶ。具体的には、第1触媒ユニット11の下流側に、第3触媒ユニット13が配置され、第3触媒ユニット13の下流側に、第2触媒ユニット12が配置される。つまり、上流側から下流側に向けて、第1触媒ユニット11と、第3触媒ユニット13と、第2触媒ユニット12とを順に備える。
【0109】
また、第2実施形態の排ガス処理システム1において、第1触媒装置21の下流側に、第3触媒装置41が配置され、第3触媒装置41の下流側に、第2触媒装置31が配置される。
【0110】
{第3触媒装置}
第2実施形態において、第2触媒ユニット12で、アンモニアを分解する前に、第3触媒ユニット13で亜酸化窒素を分解するため、排ガス中の、アンモニア濃度に基づいて、好適な触媒が異なる。第3触媒としては、例えば、排ガス中のアンモニア濃度が所定の閾値以上の場合、第3触媒Aが挙げられる。一方、排ガス中のアンモニア濃度が所定の閾値未満の場合、第3触媒Bが挙げられる。所定の閾値としては、例えば、10ppmである。
【0111】
第3触媒Aを用いる場合、第3触媒ユニット13が、第3濃度センサ42(後述)と、第3還元剤供給部45(後述)と、第3還元剤濃度センサ46(後述)とを備えることで、供給する還元剤の量を調整できる。
【0112】
図6を参照して、第2実施形態の排ガス処理システム2における制御について説明する。
【0113】
図6に示すように、第2実施形態における排ガス処理システム1の制御は、第1処理および第2処理を備える。排ガス処理システム1の制御は、例えば、燃焼装置の運転中に連続的に実行される。この制御が開始されると(スタート)、第1処理と第2処理とが順次実行された後、終了する(エンド)。
【0114】
ただし、上記同様に第1処理が実行され、窒素酸化物が分解された後、排ガスは、第3触媒装置41を通過する。第3触媒装置41では、第3触媒により、亜酸化窒素が分解される。その後、上記同様に第2処理が実行され、アンモニアが分解される。
【0115】
<作用効果>
第2実施形態の排ガス処理システム1は、第1バイパス通路23および第1切替装置24と第2バイパス通路33および第2切替装置34とを備える。そのため、排ガス中の窒素酸化物の濃度が低く、第1触媒により処理する必要がない場合、第1触媒を迂回し、また、排ガス中のアンモニア濃度が低く、第2触媒により処理する必要がない場合、第2触媒を迂回することができる。各触媒を迂回することにより、触媒の性能低下を抑制し、触媒の寿命を延ばすことができる。
【0116】
また、第2実施形態の排ガス処理システム1は、第1還元剤供給部25および第1還元剤濃度センサ26を備える。そのため、排ガス中の窒素酸化物を還元する際に、排ガス中に供給する還元剤が含まれている場合、その濃度に基づいて、制御ユニットによって、還元剤の供給量を調整できる。その結果、適切な量の還元剤を供給できるため、還元剤の使用量を削減でき、排ガス中の窒素酸化物を、適切な量の還元剤を含んだ状態で処理するため、より高効率に処理できる。
【0117】
さらに、第2実施形態の排ガス処理システム1は、上流側から下流側に向けて、第1触媒ユニット11、第3触媒ユニット13および第2触媒ユニット12を順に備える。第2触媒ユニット12で、アンモニアを分解する前に、第1触媒ユニット11および第3触媒ユニット13で、窒素酸化物および亜酸化窒素を分解する。そのため、排ガス中のアンモニアを還元剤として利用でき、還元剤の使用量をより一層削減できる。なお、第3触媒としては、排ガス中に含まれる還元剤(アンモニア)の量によって、第3触媒Aと第3触媒Bとを使い分けることができる。
【0118】
(第3実施形態)
図7および
図8を参照して、本発明の第3実施形態としての排ガス処理システム1について説明する。なお、上記した第1実施形態と同様の構成については、その詳細な説明を省略する。第3実施形態では、第1実施形態に対して、第3触媒ユニット13が、排ガスの流れ方向において、最上流側に配置され、また、第3触媒ユニット13が、第3濃度センサ42と、第3バイパス通路43と、第3切替装置44とをさらに備える以外は、第1実施形態と同一の構成である。
【0119】
第3実施形態の排ガス処理システム1において、第3触媒ユニット13と、第1触媒ユニット11と、第2触媒ユニット12とは、排気通路10に沿って並ぶ。具体的には、第3触媒ユニット13の下流側に、第1触媒ユニット11が配置され、第1触媒ユニット11の下流側に、第2触媒ユニット12が配置される。つまり、上流側から下流側に向けて、第3触媒ユニット13と、第1触媒ユニット11と、第2触媒ユニット12とを順に備える。
【0120】
また、第3実施形態の排ガス処理システム1において、第3触媒装置41の下流側に、第1触媒装置21が配置され、第1触媒装置21の下流側に、第2触媒装置31が配置される。
【0121】
第3実施形態において、第2触媒ユニット12で、アンモニアを分解する前に、第3触媒ユニット13で亜酸化窒素を分解するため、排ガス中の、アンモニア濃度に基づいて、好適な触媒が異なる。第3触媒としては、例えば、排ガス中のアンモニア濃度が所定の閾値以上の場合、第3触媒Aが挙げられる。一方、排ガス中のアンモニア濃度が所定の閾値未満の場合、第3触媒Bが挙げられる。所定の閾値としては、例えば、10ppmである。
【0122】
(第3実施形態A)
図7を参照して、第3触媒として、第3触媒Aを用いた場合について、説明する。
[第3触媒ユニット]
第3実施形態Aにおいて、第3触媒ユニット13は、第1触媒ユニット11および第2触媒ユニット12の上流側に配置され、第3触媒装置41と、第3濃度センサ42と、第3バイパス通路43と、第3切替装置44と、第3還元剤供給部45と、第3還元剤濃度センサ46とを備える。
【0123】
{第3触媒装置}
第3実施形態Aにおいて、第3触媒としては、第3触媒Aが用いられる。
【0124】
{第3濃度センサ}
第3濃度センサ42は、第3触媒装置41の上流側における排気通路10に配置され、第3触媒ユニット13の最も上流側に位置する。第3濃度センサ42は、排ガス中の亜酸化窒素の濃度を検知するものであればよく、例えば、非接触ガス濃度計が挙げられる。また、第3濃度センサ42は、制御ユニット14に、電気的に接続されている。
【0125】
{第3バイパス通路}
第3バイパス通路43は、第3触媒装置41を迂回する通路であって、第3バイパス通路43の一端が第3触媒装置41の上流側の排気通路10に接続され、第3バイパス通路43の他端が第3触媒装置41の下流側の排気通路10に接続される。より具体的には、一端が第3濃度センサ42と第3触媒装置41との間で、排気通路10に接続され、他端が第3触媒装置41と第1触媒ユニット11の間で、排気通路10に接続される。つまり、第3バイパス通路43の他端は、第3触媒ユニット13の最も下流側に位置する。
【0126】
{第3切替装置}
第3切替装置44は、排気通路10を流れてきた排ガスが、第3触媒装置41と第3バイパス通路43とのいずれか一方を通過するように、排ガスの通路を切り替える。第3切替装置44は、三方弁であって、排気通路10と第3バイパス通路43との分岐部分(すなわち、第3バイパス通路43の一端で、排気通路10に接続された部分)に設けられている。また、第3切替装置44は、制御ユニット14に、電気的に接続されている。
【0127】
このような第3切替装置44は、第1位置と第2位置とに切り替え可能である。切り替えにより、排気通路10および第3バイパス通路43のうちのいずれか一方を開状態にするとともに、他方を閉状態にすることができる。
【0128】
より具体的には、第3切替装置44を第1位置にすることで、排気通路10を開通させるとともに、第3バイパス通路43を閉塞させることができ、これにより、排ガスを第3触媒装置41に供給することができる。
【0129】
一方、第3切替装置44を第2位置にすることで、第3バイパス通路43を開通させるとともに、排気通路10を閉塞させることができ、これにより、排ガスを第3バイパス通路43に供給することができる。この場合、第3触媒装置41は、排ガスから回避される。
【0130】
{第3還元剤供給部}
還元剤供給部としての第3還元剤供給部45は、第3触媒装置41の上流側における排気通路10に接続される。より具体的には、第3還元剤供給部45は、第3触媒装置41と第3切替装置44との間の排気通路10に接続される。また、第3還元剤供給部45は、排気通路10に還元剤を供給する構成であればよく、例えば、還元剤を収容する図示しないタンクと、排気通路10へ還元剤を供給するための、図示しない定量ポンプと、バルブとを備える。第3還元剤供給部45は、例えば、供給量に応じて、定量ポンプの流量とバルブの開度を調整し、排気通路10に還元剤を供給する。第3還元剤供給部45は、制御ユニット14に、電気的に接続されている。
【0131】
第3還元剤供給部45より、供給される還元剤としては、例えば、アンモニアガス、アンモニア水および尿素水が挙げられる。
【0132】
{第3還元剤濃度センサ}
還元剤濃度センサとしての第3還元剤濃度センサ46は、第3還元剤供給部45の上流側における排気通路10に配置される。より具体的には、第3還元剤濃度センサ46は、第3切替装置44と第3還元剤供給部45の間における排気通路10に配置される。また、第3還元剤濃度センサ46は還元剤の濃度を検知するものであればよく、例えば、非接触ガス濃度計が挙げられる。第3還元剤濃度センサ46は、制御ユニット14に、電気的に接続されている。
【0133】
[制御ユニット]
制御ユニット14は、上記したように、第1濃度センサ22と、第1切替装置24と、第1還元剤供給部25と、第1還元剤濃度センサ26と、第2濃度センサ32と、第2切替装置34と、第3濃度センサ42と、第3切替装置44と、第3還元剤供給部45と、第3還元剤濃度センサ46とに、電気的に接続されている。
【0134】
制御ユニット14は、詳しくは後述するように、第1濃度センサ22で検知される窒素酸化物の濃度に基づいて、第1切替装置24を制御し、第1還元剤濃度センサ26で検知される還元剤の濃度に基づいて、第1還元剤供給部25より、還元剤を供給する供給量を調整し、第2濃度センサ32で検知されるアンモニアの濃度に基づいて、第2切替装置34を制御し、第3濃度センサ42で検知される亜酸化窒素の濃度に基づいて、第3切替装置44を制御し、第3還元剤濃度センサ46で検知される還元剤の濃度に基づいて、第3還元剤供給部45より、還元剤を供給する供給量を調整する。
【0135】
図9および
図10を参照して、第3実施形態Aの排ガス処理システム1における制御について説明する。
【0136】
図9に示すように、第3実施形態Aにおける排ガス処理システム1の制御は、第3処理A、第1処理および第2処理を備える。排ガス処理システム1の制御は、燃焼装置の運転中に連続的に実行される。この制御が開始されると(スタート)、第3処理Aと第1処理と第2処理とが順次実行された後、終了する(エンド)。
【0137】
[第3処理A]
図10に示すように、第3処理Aでは、まず、第3濃度センサ42により測定した亜酸化窒素の濃度を検知し(S31)、亜酸化窒素の濃度が第4閾値以上であるか否かを判断する(S32)。第4閾値としては、例えば、10ppmである。
【0138】
亜酸化窒素の濃度が第4閾値以上である場合(S32:YES)に、第3切替装置44が第1位置に位置される(S33)。すると、排ガスは排気通路10を流れる。次いで、第3還元剤濃度センサ46により測定した還元剤の濃度を検知し(S34)、亜酸化窒素の濃度に対する還元剤の濃度が第5閾値未満であるか否かを判断する(S35)。第5閾値としては、例えば、2.5である。
【0139】
亜酸化窒素の濃度に対する還元剤の濃度が第5閾値未満である場合(S35:YES)、第3還元剤供給部45から還元剤が供給される(S36)。詳しくは、第3還元剤濃度センサ46で検知される還元剤の濃度に基づいて、第3還元剤供給部45より、還元剤を供給する供給量が調整される。
【0140】
すると、排気通路10を流れる排ガスに還元剤が混合される。混合された排ガスは、第3触媒装置41を通過する。第3触媒装置41では、第3触媒により、亜酸化窒素が分解される。
【0141】
一方、亜酸化窒素の濃度に対する還元剤の濃度が第5閾値未満でない場合(S35:NO)に、第3還元剤供給部45より還元剤を供給されず、排ガスは第3触媒装置41を通過する。第3触媒装置41では、第3触媒により、亜酸化窒素が分解される。
【0142】
また、亜酸化窒素の濃度が第4閾値以上でない場合(S32:NO)に、第3切替装置44が第2位置に位置され(S37)、排ガスは、第3触媒装置41を回避する。
【0143】
その後、上記と同様に第1処理が実行され、窒素酸化物が分解され、第2処理が実行され、アンモニアが分解される。
【0144】
(第3実施形態B)
図8を参照して、第3触媒として、第3触媒Bを用いた場合について、説明する。
[第3触媒ユニット]
第3実施形態Bにおいて、第3触媒ユニット13は、第1触媒ユニット11および第2触媒ユニット12の上流側に配置され、第3触媒装置41と、第3濃度センサ42と、第3バイパス通路43と、第3切替装置44とを備える。
【0145】
{第3触媒装置}
第3実施形態Bにおいて、第3触媒としては、第3触媒Bが用いられる。
【0146】
[制御ユニット]
制御ユニット14は、上記したように、第1濃度センサ22と、第1切替装置24と、第1還元剤供給部25と、第1還元剤濃度センサ26と、第2濃度センサ32と、第2切替装置34と、第3濃度センサ42と、第3切替装置44とに、電気的に接続されている。
【0147】
制御ユニット14は、詳しくは後述するように、第1濃度センサ22で検知される窒素酸化物の濃度に基づいて、第1切替装置24を制御し、第1還元剤濃度センサ26で検知される還元剤の濃度に基づいて、第1還元剤供給部25より、還元剤を供給する供給量を調整し、第2濃度センサ32で検知されるアンモニアの濃度に基づいて、第2切替装置34を制御し、第3濃度センサ42で検知される亜酸化窒素の濃度に基づいて、第3切替装置44を制御する。
【0148】
図11および
図12を参照して、第3実施形態Bの排ガス処理システム1における制御について説明する。
【0149】
図11に示すように、第3実施形態Bにおける排ガス処理システム1の制御は、第3処理B、第1処理および第2処理を備える。排ガス処理システム1の制御は、燃焼装置の運転中に連続的に実行される。この制御が開始されると(スタート)、第3処理Bと第1処理と第2処理とが順次実行された後、終了する(エンド)。
【0150】
[第3処理B]
図12に示すように、第3処理Bでは、まず、第3濃度センサ42により測定した亜酸化窒素の濃度を検知し(S41)、亜酸化窒素の濃度が第4閾値以上であるか否かを判断する(S42)。第4閾値としては、例えば、10ppmである。
【0151】
亜酸化窒素の濃度が第4閾値以上である場合(S42:YES)に、第3切替装置44が第1位置に位置される(S43)。すると、排ガスは排気通路10を流れる。次いで、第3触媒装置41を通過する。第3触媒装置41では、第3触媒により、亜酸化窒素が分解される。
【0152】
一方、亜酸化窒素の濃度が第4閾値以上でない場合(S42:NO)に、第3切替装置44が第2位置に位置され(S44)、排ガスは、第3触媒装置41を回避する。
【0153】
その後、上記と同様に第1処理が実行され、窒素酸化物が分解され、第2処理が実行され、アンモニアが分解される。
【0154】
<作用効果>
第3実施形態の排ガス処理システム1は、第1バイパス通路23および第1切替装置24と、第2バイパス通路33および第2切替装置34と、第3バイパス通路43および第3切替装置44とを備える。そのため、排ガス中の窒素酸化物の濃度が低く、第1触媒により処理する必要がない場合、第1触媒を迂回し、また、排ガス中のアンモニア濃度が低く、第2触媒により処理する必要がない場合、第2触媒を迂回し、排ガス中の亜酸化窒素濃度が低く、第3触媒により処理する必要がない場合、第3触媒を迂回することができる。各触媒を迂回することにより、触媒の性能低下を抑制し、触媒の寿命を延ばすことができる。
【0155】
また、第3実施形態の排ガス処理システム1は、第1還元剤供給部25および第1還元剤濃度センサ26を備える。そのため、排ガス中の窒素酸化物を還元する際に、排ガス中に供給する還元剤が含まれている場合、その濃度に基づいて、制御ユニットによって、還元剤の供給量を調整できる。その結果、適切な量の還元剤を供給できるため、還元剤の使用量を削減でき、排ガス中の窒素酸化物を、適切な量の還元剤を含んだ状態で処理するため、より高効率に処理できる。
【0156】
第3実施形態Aの排ガス処理システム1では、さらに、第3還元剤供給部45および第3還元剤濃度センサ46を備える。そのため、排ガス中の亜酸化窒素を還元する際に、排ガス中に供給する還元剤が含まれている場合、その濃度に基づいて、制御ユニットによって、還元剤の供給量を調整できる。その結果、適切な量の還元剤を供給できるため、還元剤の使用量を削減でき、排ガス中の亜酸化窒素を、適切な量の還元剤を含んだ状態で処理するため、より高効率に処理できる。
【0157】
さらに、第3実施形態の排ガス処理システム1は、上流側から下流側に向けて、第3触媒ユニット13、第1触媒ユニット11および第2触媒ユニット12を順に備える。第2触媒ユニット12で、アンモニアを分解する前に、第1触媒ユニット11および第3触媒ユニット13で、窒素酸化物および亜酸化窒素を分解する。そのため、排ガス中のアンモニアを還元剤として利用でき、還元剤の使用量をより一層削減できる。なお、第3触媒としては、排ガス中に還元剤(アンモニア)の量によって、第3触媒Aと第3触媒Bとを使い分けることができる。
【0158】
第3実施形態Aの排ガス処理システム1では、第1触媒ユニット11で、窒素酸化物を分解する前に、第3触媒ユニット13で、亜酸化窒素を分解する。第3触媒Aにおいて、触媒(例えば、ゼオライトを担体とする触媒)によっては、亜酸化窒素と窒素酸化物とを分解する作用を有するため、排ガス中の窒素酸化物の濃度が低くなり、第1触媒を迂回することで、第1触媒の性能低下をより一層抑制できる。
【0159】
(変形例1)
上記した第1実施形態としての排ガス処理システム1では、第3触媒ユニットが、第3触媒装置41のみを備えているが、第3濃度センサ42と、第3バイパス通路43と、第3切替装置44と、第3還元剤供給部45と、第3還元剤濃度センサ46とを、さらに備えることもできる。なお、上記した第3実施形態と同様の構成については、その詳細な説明を省略する。
【0160】
(変形例2)
上記した第2実施形態としての排ガス処理システム1では、第3触媒ユニットが、第3触媒装置41のみを備えているが、第3濃度センサ42と、第3バイパス通路43と、第3切替装置44と、第3還元剤供給部45と、第3還元剤濃度センサ46とを、さらに備えることもできる。なお、上記した第3実施形態と同様の構成については、その詳細な説明を省略する。
【0161】
上記実施の形態および各変形例における構成は、相互に矛盾しない限り適宜組み合わされてよい。特に、第1触媒ユニット、第2触媒ユニット、第3触媒ユニットは、順不同で設置することができる。
【符号の説明】
【0162】
1 排ガス処理システム
10 排気通路
11 第1触媒ユニット
12 第2触媒ユニット
13 第3触媒ユニット
14 制御ユニット
21 第1触媒装置
22 第1濃度センサ
23 第1バイパス通路
24 第1切替装置
25 第1還元剤供給部
26 第1還元剤濃度センサ
31 第2触媒装置
32 第2濃度センサ
33 第2バイパス通路
34 第2切替装置
41 第3触媒装置
42 第3濃度センサ
43 第3バイパス通路
44 第3切替装置
45 第3還元剤供給部
46 第3還元剤濃度センサ