(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024061429
(43)【公開日】2024-05-07
(54)【発明の名称】自動販売機
(51)【国際特許分類】
G07F 11/36 20060101AFI20240425BHJP
G07F 11/24 20060101ALI20240425BHJP
【FI】
G07F11/36
G07F11/24 C
【審査請求】未請求
【請求項の数】8
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022169369
(22)【出願日】2022-10-21
(71)【出願人】
【識別番号】000005234
【氏名又は名称】富士電機株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100104433
【弁理士】
【氏名又は名称】宮園 博一
(74)【代理人】
【識別番号】100172362
【弁理士】
【氏名又は名称】田中 達哉
(72)【発明者】
【氏名】市原 史基
【テーマコード(参考)】
3E046
【Fターム(参考)】
3E046BA01
3E046BB03
3E046CB04
3E046CC01
3E046CC04
3E046DA01
3E046EA13
3E046GA03
(57)【要約】
【課題】様々な大きさの商品を安定して払い出すことが可能な自動販売機を提供する。
【解決手段】この自動販売機100は、商品30が収納される収納部20と、収納部20内に設けられ、商品30を保持して、回転軸線A1周りに回転することにより商品30を収納部20から払い出す、螺旋構造を有する線材により構成されるスパイラル部21と、スパイラル部21の回転軸線A1の方向に沿って延びるようにスパイラル部21内に配置され、スパイラル部21内を仕切る板状の仕切部材22と、を備える。
【選択図】
図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
商品が収納される収納部と、
前記収納部内に設けられ、商品を保持して、回転軸線周りに回転することにより商品を前記収納部から払い出す、螺旋構造を有する線材により構成されるスパイラル部と、
前記スパイラル部の前記回転軸線の方向に沿って延びるように前記スパイラル部内に配置され、前記スパイラル部内を仕切る板状の仕切部材と、を備える、自動販売機。
【請求項2】
前記スパイラル部は、前記仕切部材に対して一方側および他方側の両方に商品が配置されて、前記商品を保持するように構成されている、請求項1に記載の自動販売機。
【請求項3】
前記スパイラル部は、上下方向に延びる前記回転軸線周りに回転するように構成され、
前記仕切部材は、前記スパイラル部内において、前記回転軸線を通って上下方向に沿って延びるように配置されている、請求項1に記載の自動販売機。
【請求項4】
前記スパイラル部の前記回転軸線の延びる方向に沿って前記スパイラル部の内周面側に配置され、前記スパイラル部が前記回転軸線と直交する方向に移動するのを規制する規制部材をさらに備え、
前記仕切部材は、前記規制部材に取り付けられている、請求項1に記載の自動販売機。
【請求項5】
前記仕切部材に接続され、前記スパイラル部により保持される商品を挟み込むように配置されたガイド部材をさらに備える、請求項1に記載の自動販売機。
【請求項6】
前記収納部は、商品を前記スパイラル部に配置する際に開けられる扉を含み、
前記ガイド部材は、前記収納部の扉側に配置された部分が可撓性を有している、請求項5に記載の自動販売機。
【請求項7】
前記ガイド部材は、前記仕切部材に対して着脱可能に構成されている、請求項5に記載の自動販売機。
【請求項8】
前記収納部を冷凍温度に冷却する冷却部をさらに備える、請求項1に記載の自動販売機。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、自動販売機に関し、特に、商品を保持するスパイラル部を備える自動販売機に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、商品を保持するとともに払い出す螺旋構造を有する線材により構成されるスパイラル部を備える自動販売機が知られている(たとえば、特許文献1参照)。
【0003】
上記特許文献1の自動販売機は、商品が収納される収納部と、収納部内に設けられ、商品を保持して、回転軸線周りに回転することにより商品を収納部から払い出すスパイラル部とを備えている。上記特許文献1の自動販売機は、スパイラル部の内部に回転軸が設けられ、回転軸を挟んで左右交互に商品がスパイラル部に収納されるように構成されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ここで、上記特許文献1の自動販売機のように、スパイラル部の回転軸を挟んで左右交互に商品を収納する構成の場合、商品の大きさが収納部の大きさに対して小さ過ぎる場合、商品が移動可能な空間が大きくなるため、左右交互に収納された商品がスパイラル部の回転方向に移動する場合がある。この場合、商品の移動に起因して、スパイラル部に商品が詰まったり、複数の商品が払い出されるなどの不具合が生じる場合がある。ここで、購入者の需要に応じるため、様々な商品を自動販売機により販売しようとする場合、商品の大きさが収納部の大きさに対して小さくなる場合もある。このような場合には上記のような不都合が生じる。そこで、様々な大きさの商品を安定して払い出すことが可能な自動販売機が望まれている。
【0006】
この発明は、上記のような課題を解決するためになされたものであり、この発明の1つの目的は、様々な大きさの商品を安定して払い出すことが可能な自動販売機を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成するために、この発明の一の局面による自動販売機は、商品が収納される収納部と、収納部内に設けられ、商品を保持して、回転軸線周りに回転することにより商品を収納部から払い出す、螺旋構造を有する線材により構成されるスパイラル部と、スパイラル部の回転軸線の方向に沿って延びるようにスパイラル部内に配置され、スパイラル部内を仕切る板状の仕切部材と、を備える。
【0008】
この発明の一の局面による自動販売機では、上記のように、スパイラル部の回転軸線の方向に沿って延びるようにスパイラル部内に配置され、スパイラル部内を仕切る板状の仕切部材を設ける。これにより、収納部の大きさに対して商品が小さい場合でも、仕切部材により商品の移動を規制することができるので、スパイラル部が回転した際に、商品が大きく移動するのを抑制することができる。その結果、商品の移動に起因して、スパイラル部に商品が詰まったり、複数の商品が払い出されるなどの不具合が生じるのを抑制することができる。これにより、小さな商品でも安定してスパイラル部から払い出すことができるので、様々な大きさの商品を安定して払い出すことができる。
【0009】
上記一の局面による自動販売機において、好ましくは、スパイラル部は、仕切部材に対して一方側および他方側の両方に商品が配置されて、商品を保持するように構成されている。このように構成すれば、仕切部材を挟むように両側に商品を配置することができるので、スパイラル部に多くの商品を収納することができる。
【0010】
上記一の局面による自動販売機において、好ましくは、スパイラル部は、上下方向に延びる回転軸線周りに回転するように構成され、仕切部材は、スパイラル部内において、回転軸線を通って上下方向に沿って延びるように配置されている。このように構成すれば、上下方向に延びるスパイラル部に商品を配置する際に、商品が左右対称に配置されるため、スパイラル部の回転により商品が大きく移動するのを仕切部材により抑制することができる。
【0011】
上記一の局面による自動販売機において、好ましくは、スパイラル部の回転軸線の延びる方向に沿ってスパイラル部の内周面側に配置され、スパイラル部が回転軸線と直交する方向に移動するのを規制する規制部材をさらに備え、仕切部材は、規制部材に取り付けられている。このように構成すれば、スパイラル部の移動を規制する規制部材に対して仕切部材を取り付けることができるので、仕切部材を取り付けるための取付部材を別途設ける必要がない。これにより、装置構成を簡素化することができるとともに、部品点数が増加するのを抑制することができる。
【0012】
上記一の局面による自動販売機において、好ましくは、仕切部材に接続され、スパイラル部により保持される商品を挟み込むように配置されたガイド部材をさらに備える。このように構成すれば、断面が円形形状などの曲面を有する商品の曲面部分をガイド部材により挟み込むことにより、商品の移動を規制することができる。
【0013】
この場合、好ましくは、収納部は、商品をスパイラル部に配置する際に開けられる扉を含み、ガイド部材は、収納部の扉側に配置された部分が可撓性を有している。このように構成すれば、扉を開けて商品をスパイラル部に配置する際に、ガイド部材を撓ませることができるので、ガイド部材を設けた場合でも、スパイラル部に商品を容易に配置することができる。
【0014】
上記ガイド部材を備える自動販売機において、好ましくは、ガイド部材は、仕切部材に対して着脱可能に構成されている。このように構成すれば、必要に応じてガイド部材を取り付けたり、取り外したりすることができるので、同じ収納部において、大きさや形状の異なる様々な商品を、需要に応じて選択して配置することができる。
【0015】
上記一の局面による自動販売機において、好ましくは、収納部を冷凍温度に冷却する冷却部をさらに備える。このように構成すれば、冷凍温度に冷却された収納部内において、スパイラル部の回転に伴って商品が大きく移動することがないので、意図しない位置に商品が凍結して貼り付いたりするのを抑制することができる。
【発明の効果】
【0016】
本発明によれば、上記のように、様々な大きさの商品を安定して払い出すことができる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【
図1】一実施形態による自動販売機を示した図である。
【
図2】一実施形態による自動販売機の構成を示したブロック図である。
【
図3】一実施形態による自動販売機の収納部を示した平面図である。
【
図4】一実施形態による自動販売機の収納部を示した斜視図である。
【
図5】一実施形態による仕切部材が配置された収納部を示した平面図である。
【
図6】一実施形態による仕切部材およびガイド部材が配置された収納部を示した平面図である。
【
図7】一実施形態によるスパイラル部、規制部材、仕切部材、およびガイド部材を示した分解斜視図である。
【
図8】一実施形態の変形例によるガイド部材を示した平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、本発明を具体化した実施形態を図面に基づいて説明する。
【0019】
図1~
図7を参照して、本発明の一実施形態による自動販売機100の構成について説明する。
【0020】
図1に示すように、自動販売機100は、飲料、食料、物品等の商品30を販売するための機器である。
【0021】
図2に示すように、自動販売機100は、制御部11と、通貨処理部12と、商品選択部13と、商品払出部14と、冷却部15とを備えている。
【0022】
制御部11は、自動販売機100の各部を制御するように構成されている。制御部11は、CPU(Central Processing Unit)と、ROM(Read Only Memory)およびRAM(Random Access Memory)などのメモリを含んでいる。
【0023】
通貨処理部12は、通貨投入口12a(
図1参照)から投入される通貨(硬貨および紙幣)を受け入れるように構成されている。また、通貨処理部12は、投入された通貨を識別するように構成されている。また、通貨処理部12は、識別した硬貨を金種毎に収納するように構成されている。また、通貨処理部12は、受け入れた通貨または釣銭を返す場合に、収納された硬貨を通貨返却口12b(
図1参照)に払い出すように構成されている。また、通貨処理部12は、受け入れた通貨の情報を制御部11に送信するように構成されている。
【0024】
商品選択部13は、自動販売機100の利用者(商品の購入者)が自動販売機100の商品30を選択するために操作される。たとえば、商品選択部13は、
図1に示すように、商品30を選択するための複数の商品選択ボタン13aを含む。また、商品選択部13は、商品見本および商品選択ボタンを表示して選択を受け付けるタッチパネルを含んでいてもよい。
【0025】
商品払出部14は、通貨の受け入れに基づいて商品30を払い出すように構成されている。商品払出部14は、利用者の選択に応じて選択された商品30を、商品取出口14a(
図1参照)に払い出すように構成されている。
【0026】
冷却部15は、商品30を冷却するように構成されている。具体的には、冷却部15は、収納部20を冷凍温度に冷却する。冷却部15は、冷媒を循環させて、収納部20を冷却させる冷凍サイクルを含んでいる。冷却部15は、たとえば、収納部20内を-30℃~-10℃程度に冷却する。
【0027】
図3に示すように、商品30が収納される収納部20は、自動販売機100の筐体10内に複数設けられている。収納部20の前方側(Y1方向側)には、扉20aが設けられている。扉20aを開放することにより、収納部20に商品30が補充される。収納部20は、前後方向(Y方向)において、2列配置されている。前方側(Y1方向側)の収納部20は、後方側(Y2方向側)の収納部20よりも1つ少ない。また、前方側の収納部20は、左右方向(X方向)にスライド移動可能に構成されている。これにより、前方側の収納部20をスライド移動させることにより、後方側の収納部20にアクセスすることが可能である。
【0028】
図4に示すように、収納部20内には、商品30を保持するスパイラル部21が設けられている。スパイラル部21は、螺旋構造を有する線材により構成されている。スパイラル部21は、商品30を保持して、回転軸線A1周りに回転することにより商品30を収納部20から払い出すように構成されている。つまり、商品払出部14は、スパイラル部21と、スパイラル部21を回転させる駆動部とを含んでいる。スパイラル部21を回転させる駆動部は、たとえば、電動モータと、電動モータの回転を減速させるギアとを含んでいる。スパイラル部21は、回転することにより、保持している商品30を1つずつ払い出す。たとえば、スパイラル部21の左右方向(X方向)に交互に商品30が配置されている場合は、スパイラル部21は、半回転することにより、商品30を1つ払い出す。スパイラル部21は、ステンレスなどの金属の線材が螺旋状に巻かれて形成されている。
【0029】
ここで、本実施形態では、スパイラル部21内には、板状の仕切部材22が配置されている。仕切部材22は、スパイラル部21の回転軸線A1の方向(Z方向)に沿って延びるようにスパイラル部21内に配置されている。また、仕切部材22は、スパイラル部21内を仕切るように構成されている。
【0030】
図5に示す例では、比較的小さな四角形形状の商品30aを配置するために、仕切部材22がスパイラル部21内に設けられている。また、
図6に示す例では、比較的小さな円形形状の商品30bを配置するために、仕切部材22がスパイラル部21内に設けられている。また、
図6に示す例では、商品30bを挟み込むガイド部材24が設けられている。また、仕切部材22は、たとえば、ステンレスなどの金属により形成されている。
【0031】
また、スパイラル部21は、仕切部材22に対して一方側および他方側の両方に商品30が配置されて、商品30を保持するように構成されている。つまり、1つのスパイラル部21に対して、左右方向(X方向)の両側に商品30を配置することが可能である。
【0032】
また、収納部20内には、商品30の大きさに合わせて、商品30の平面方向(XY方向)の移動を規制する調整部材20bおよび20cが配置されている。調整部材20bは、収納部20の左右方向(X方向)の空間の大きさを調整する。調整部材20cは、収納部20の前後方向(Y方向)の空間の大きさを調整する。
【0033】
収納部20は、商品30をスパイラル部21に配置する際に開けられる扉20aを含む。扉20aは、
図3に示すように、収納部20の前方側(Y1方向側)に設けられ、回動することにより開閉される。扉20aは、左右方向に沿って一対設けられている。一対の扉20aは、左右方向の外側に設けられた回動軸に沿って各々回動する。
【0034】
図4に示すように、スパイラル部21は、上下方向(Z方向)に延びる回転軸線A1周りに回転するように構成されている。また、仕切部材22は、スパイラル部21内において、回転軸線A1を通って上下方向に沿って延びるように配置されている。
【0035】
図5に示すように、収納部20には、スパイラル部21が回転軸線A1と直交する方向に移動するのを規制する規制部材23が設けられている。規制部材23は、スパイラル部21の回転軸線A1の延びる方向に沿ってスパイラル部21の内周面側に配置されている。そして、仕切部材22は、規制部材23に取り付けられている。
【0036】
規制部材23は、たとえば、ステンレスなどの金属により形成されている。また、規制部材23は、上端部がスパイラル部21の固定金具21a(
図7参照)に接続されている。固定金具21aは、円板形状に形成され、スパイラル部21の上端に溶接により接合されている。また、規制部材23は、下端部が収納部20の筐体に固定されている。また、規制部材23は、スパイラル部21に内側から当接して、スパイラル部21の平面方向(XY方向)の移動を規制するように構成されている。
【0037】
仕切部材22は、規制部材23に固定的に取り付けられていてもよいし、規制部材23に着脱可能に取り付けられていてもよい。
【0038】
図6に示すように、仕切部材22に接続され、スパイラル部21により保持される商品30を挟み込むように配置されたガイド部材24を設ける。ガイド部材24は、カップアイスなどの円柱形状の商品30bをスパイラル部21に配置する際に用いられる。
【0039】
ガイド部材24は、第1部分24aおよび第2部分24bを有している。第1部分24aは、収納部20の扉20a側(Y1方向側)に配置されている。第2部分24bは、収納部20の後側(Y2方向側)に配置されている。第1部分24aは、可撓性を有している。たとえば、第1部分24aは、ゴムなどの可撓性を有する材料により形成されている。第2部分24bは、ステンレスなどの金属により形成されている。スパイラル部21に商品30bを配置する場合には、前方から商品30bをガイド部材24の第1部分24aに押し当てながら後方に商品30bを押し込むことにより、第1部分24aが変形して、商品30bがスパイラル部21内に移動する。その後、第1部分24aが元の位置に戻ることにより、第1部分24aにより商品30bがガイドされる。
【0040】
図7に示すように、ガイド部材24は、仕切部材22に対して着脱可能に構成されている。つまり、ガイド部材24を使用しない場合には、仕切部材22からガイド部材24を外して、仕切部材22のみを、スパイラル部21内に配置することが可能である。
【0041】
また、スパイラル部21に比較的大きな商品30を配置する場合には、スパイラル部21内に仕切部材22を配置しないで商品30を販売することが可能である。
【0042】
また、スパイラル部21は、収納部20内から取り外すことが可能である。仕切部材22もスパイラル部21とともに、収納部20内から取り外すことが可能である。具体的には、スパイラル部21の取り付けを解除するとともに、規制部材23の取り付けを解除することにより、収納部20の前方側(Y1方向側)から、スパイラル部21、仕切部材22、規制部材23を取り出すことが可能である。また、スパイラル部21は、商品30の厚み(Z方向の大きさ)に応じて、異なるピッチのものに変更することが可能である。
【0043】
(本実施形態の効果)
本実施形態では、以下のような効果を得ることができる。
【0044】
本実施形態では、上記のように、スパイラル部21の回転軸線A1の方向(Z方向)に沿って延びるようにスパイラル部21内に配置され、スパイラル部21内を仕切る板状の仕切部材22を設ける。これにより、収納部20の大きさに対して商品30が小さい場合でも、仕切部材22により商品30の移動を規制することができるので、スパイラル部21が回転した際に、商品30が大きく移動するのを抑制することができる。その結果、商品30の移動に起因して、スパイラル部21に商品30が詰まったり、複数の商品30が払い出されるなどの不具合が生じるのを抑制することができる。これにより、小さな商品30でも安定してスパイラル部21から払い出すことができるので、様々な大きさの商品30を安定して払い出すことができる。
【0045】
また、本実施形態では、上記のように、スパイラル部21は、仕切部材22に対して一方側および他方側の両方に商品30が配置されて、商品30を保持するように構成されている。これにより、仕切部材22を挟むように両側に商品30を配置することができるので、スパイラル部21に多くの商品30を収納することができる。
【0046】
また、本実施形態では、上記のように、スパイラル部21は、上下方向(Z方向)に延びる回転軸線A1周りに回転するように構成されている。また、仕切部材22は、スパイラル部21内において、回転軸線A1を通って上下方向に沿って延びるように配置されている。これにより、上下方向に延びるスパイラル部21に商品30を配置する際に、商品30が左右対称に配置されるため、スパイラル部21の回転により商品30が大きく移動するのを仕切部材22により抑制することができる。
【0047】
また、本実施形態では、上記のように、スパイラル部21の回転軸線A1の延びる方向に沿ってスパイラル部21の内周面側に配置され、スパイラル部21が回転軸線A1と直交する方向に移動するのを規制する規制部材23が設けられている。仕切部材22は、規制部材23に取り付けられている。これにより、スパイラル部21の移動を規制する規制部材23に対して仕切部材22を取り付けることができるので、仕切部材22を取り付けるための取付部材を別途設ける必要がない。これにより、装置構成を簡素化することができるとともに、部品点数が増加するのを抑制することができる。
【0048】
また、本実施形態では、上記のように、仕切部材22に接続され、スパイラル部21により保持される商品30を挟み込むように配置されたガイド部材24を設ける。これにより、断面が円形形状などの曲面を有する商品30の曲面部分をガイド部材24により挟み込むことにより、商品30の移動を規制することができる。
【0049】
また、本実施形態では、上記のように、収納部20は、商品30をスパイラル部21に配置する際に開けられる扉20aを含む。ガイド部材24は、収納部20の扉20a側に配置された第1部分24aが可撓性を有している。これにより、扉20aを開けて商品30をスパイラル部21に配置する際に、ガイド部材24の第1部分24aを撓ませることができるので、ガイド部材24を設けた場合でも、スパイラル部21に商品30を容易に配置することができる。
【0050】
また、本実施形態では、上記のように、ガイド部材24は、仕切部材22に対して着脱可能に構成されている。これにより、必要に応じてガイド部材24を取り付けたり、取り外したりすることができるので、同じ収納部20において、大きさや形状の異なる様々な商品30を、需要に応じて選択して配置することができる。
【0051】
また、本実施形態では、上記のように、収納部20を冷凍温度に冷却する冷却部15を設ける。これにより、冷凍温度に冷却された収納部20内において、スパイラル部21の回転に伴って商品30が大きく移動することがないので、意図しない位置に商品30が凍結して貼り付いたりするのを抑制することができる。
【0052】
(変形例)
なお、今回開示された実施形態は、すべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は、上記した実施形態の説明ではなく特許請求の範囲によって示され、さらに特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更(変形例)が含まれる。
【0053】
たとえば、上記実施形態では、スパイラル部の回転軸線が上下方向に延びる構成の例を示したが、本発明はこれに限られない。本発明では、スパイラル部の回転軸線が水平方向に延びていてもよい。この場合、スパイラル部内に配置される仕切部材もスパイラル部の回転軸線と同じ水平方向に延びるように配置されている。
【0054】
また、上記実施形態では、商品を冷凍温度に冷却する構成の例を示したが、本発明はこれに限られない。本発明では、商品を加温してもよいし、常温のままで販売してもよい。
【0055】
また、上記実施形態では、ガイド部材が仕切部材に対して着脱可能である構成の例を示したが、本発明はこれに限られない。本発明では、ガイド部材が仕切部材に対して固定的に設けられていてもよい。
【0056】
また、上記実施形態では、通貨を受け付けて、商品を販売する構成の例を示したが、本発明はこれに限られない。本発明では、キャッシュレス決裁により、通貨を受け付けずに、商品を販売してもよい。この場合、自動販売機とサーバとが通信を行い、決裁を行ってもよい。
【0057】
また、上記実施形態では、ガイド部材の第1部分の全体が可撓性を有するゴムにより形成されている構成の例を示したが、本発明はこれに限られない。本発明では、たとえば、
図8に示す例のように、ガイド部材24の第1部分24aの根元部分241は板金により形成され、根元部分241に接続する先端側の部分242が可撓性の材料(たとえば、ゴムなど)により形成されていてもよい。
【符号の説明】
【0058】
15 冷却部
20 収納部
20a 扉
21 スパイラル部
22 仕切部材
23 規制部材
24 ガイド部材
30、30a、30b 商品
100 自動販売機