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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024061454
(43)【公開日】2024-05-07
(54)【発明の名称】オープン型イヤホン
(51)【国際特許分類】
   H04R 1/10 20060101AFI20240425BHJP
【FI】
H04R1/10 104B
H04R1/10 104Z
【審査請求】有
【請求項の数】1
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022169420
(22)【出願日】2022-10-21
(11)【特許番号】
(45)【特許公報発行日】2023-08-03
(71)【出願人】
【識別番号】522264087
【氏名又は名称】株式会社Move
(74)【代理人】
【識別番号】100150142
【弁理士】
【氏名又は名称】相原 礼路
(74)【代理人】
【識別番号】110001014
【氏名又は名称】弁理士法人東京アルパ特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】保坂 明彦
【テーマコード(参考)】
5D005
【Fターム(参考)】
5D005BB00
(57)【要約】
【課題】耳への圧迫感がなく、周囲の環境音を聞き取り易く、且つ、遮音性が高くて音漏れしないオープン型イヤホンを提供すること。
【解決手段】少なくともスピーカー5を内蔵したイヤホン本体2と、該イヤホン本体2から斜めに延びて耳の外耳道11に挿入される音響ダクト3を備えたオープン型イヤホン1において、前記音響ダクト3に、前記スピーカー5と耳の外耳道11とを連通させる第1連通路6と、大気と耳の外耳道11とを連通させる第2連通路7とを形成する。前記第2連通路7は、前記音響ダクト3の外周面に形成された溝8によって構成されていてもよい。また、前記音響ダクト3に、一端が耳のトラガス12が当接し、他端が耳甲介の内壁13に当接するイヤーリング4を取り付けてもよい。さらに、前記イヤーリング4は、2つのリング4A,4Bを連結一体化して構成されていてもよい。
【選択図】図6
【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくともスピーカーを内蔵したイヤホン本体と、該イヤホン本体から斜めに延びて耳の外耳道に挿入される音響ダクトを備えたオープン型イヤホンであって、
前記音響ダクトに、前記スピーカーと耳の外耳道とを連通させる第1連通路と、大気と耳の外耳道とを連通させる第2連通路とを形成したことを特徴とするオープン型イヤホン。
【請求項2】
前記第2連通路は、前記音響ダクトの外周面に形成された溝によって構成されることを特徴とする請求項1に記載のオープン型イヤホン。
【請求項3】
前記音響ダクトに、一端が耳のトラガスが当接し、他端が耳甲介の内壁に当接するイヤーリングを取り付けたことを特徴とする請求項1または2に記載のオープン型イヤホン。
【請求項4】
前記イヤーリングは、2つのリングを連結一体化して構成されていることを特徴とする請求項3に記載のオープン型イヤホン。
【請求項5】
前記音響ダクトの前記イヤホン本体に対する傾斜角は、60°±10°に設定されていることを特徴とする請求項1または2に記載のオープン型イヤホン。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、周囲の環境音も取り入れることができるオープン型イヤホンに関する。
【背景技術】
【0002】
通常、空気によって伝達される音の振動は、耳の中にある鼓膜へ伝達され、鼓膜の振動は、鼓膜の中にある3つの耳小骨を介して蝸牛に伝達される。蝸牛にはリンパ液があり、このリンパ液の振動が電気信号に変換されながら聴覚神経へと伝達され、この電気信号を脳が音として認識する。
【0003】
ところで、ユーザーの耳に装着されるイヤホンは、耳に近接配置されたスピーカーに音声信号を印加することによって音声を再生するものがあるが、このイヤホンには、大別してインナーイヤー型とカナル(耳栓)型との2タイプがある。
【0004】
インナーイヤー型イヤホン(例えば、特許文献1参照)は、耳の入口にある耳甲介と称される部分に引っ掛けて使用され、圧迫感がなく、周囲の環境音を聞き取り易いというメリットを有している。これに対して、カナル型イヤホン(例えば、特許文献2参照)は、耳栓型のイヤーピースを耳の中に入れて使用されるため、高い遮音性が得られ、音漏れしないというメリットを有している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2006-222492号公報
【特許文献2】特開2019-145962号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、インナーイヤー型イヤホンは、遮音性が低く音漏れし易いというデメリットを有している。これに対して、カナル型イヤホンは、イヤーピースを耳の奥に入れ込むため、耳への圧迫感が強く、周囲の環境音を聞き取りにくいというデメリットを有している。
【0007】
本発明は、上記問題に鑑みてなされたもので、その目的は、耳への圧迫感がなく、周囲の環境音を聞き取り易く、且つ、遮音性が高くて音漏れしないオープン型イヤホンを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記目的を達成するための本発明は、少なくともスピーカーを内蔵したイヤホン本体と、該イヤホン本体から斜めに延びて耳の外耳道に挿入される音響ダクトを備えたオープン型イヤホンであって、前記音響ダクトに、前記スピーカーと耳の外耳道とを連通させる第1連通路と、大気と耳の外耳道とを連通させる第2連通路とを形成したことを特徴とする。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、音響ダクトには、スピーカーと耳の外耳道とを連通させる第1連通路と、大気と耳の外耳道とを連通させる第2連通路とが形成されているため、周囲の環境音が第2連通路を通ってユーザーの耳の外耳道へと導入される。したがって、ユーザーは、第1連通路を通って外耳道へと導入されるスピーカー音と共に第2連通路を通って外耳道へと導入される周囲の環境音も同時に聞くことができる。そして、スピーカー音は、第1連通路を通過してさらに第2連通路を通って大気中に抜けるため、その経路が長くなり、該スピーカー音の外部への漏れ(音漏れ)が防がれる。さらに、環境音が大きな場所でもスピーカー音をはっきりと聞くことができるとともに、タッチノイズやユーザー自身の声が響くことがない。
【0010】
また、オープン型イヤホンは、音響ダクトをユーザーの耳の外耳道に挿入することによって装着されるため、音響ダクトが耳を圧迫することがなく、ユーザーに快適な装着感を与えることができる。
【0011】
したがって、本発明に係るオープン型イヤホンによれば、インナーイヤー型イヤホンとカナル型イヤホンの各デメリットを解消しつつ、両イヤホンのメリットのみを享受することができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1】本発明に係るオープン型イヤホンを斜め上方から見た斜視図である。
図2】本発明に係るオープン型イヤホンを斜め下方から見た斜視図である。
図3】本発明に係るオープン型イヤホンの側面図である。
図4】本発明に係るオープン型イヤホンの破断側面図である。
図5】本発明に係るオープン型イヤホンの分解斜視図である。
図6】本発明に係るオープン型イヤホンの使用状態を示すユーザーの耳部分の破断面図である。
図7】本発明の別形態に係るオープン型イヤホンを斜め下方から見た斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下に本発明の実施の形態を添付図面に基づいて説明する。なお、以下の説明においては、図1及び図3に示す矢印方向をそれぞれ「前後」方向、「上下」方向とする。
【0014】
本実施形態に係るオープン型イヤホン1は、平面視長円状のイヤホン本体2と、該イヤホン本体2から斜め下方に延びる円筒状の音響ダクト3と、該音響ダクト3から前方(図1図6の左方)に向かって延びるイヤーリング4を備えている。
【0015】
上記イヤホン本体2は、上ケース2Aと下ケース2Bとを接合一体化して構成されるケース体であって、下ケース2Bの前端部からは音響ダクト3の一部を構成する上ダクト片3Aが下方に向かって斜め後方に所定角度θ(図3参照)だけ傾斜するように一体に延びている。ここで、音響ダクト3は、上下に2分割されており、下ケース2Bに一体に形成された前記上ダクト片3Aと、該上ダクト片3Aに着脱可能な円筒状の下ダクト片3Bとで構成されている。以下、上ダクト片3Aと下ダクト片3Bの着脱構造について説明する。
【0016】
すなわち、図4及び図5に示すように、上ダクト片3Aの下端外周には嵌合溝3aが全周に亘って形成されており、上ダクト片3Aの嵌合溝3aの下方(下端部)には円環状の嵌合凸部3bが形成されている。また、下ダクト片3Bの上端部内周には嵌合溝3cが全周に亘って形成されており、下ダクト片3Bの上端内周には円環状の嵌合凸部3dが形成されている。したがって、下ダクト片3Bの上端部内周に上ダクト片3Aの下端部外周を上方から嵌め込み、図4に示すように、上ダクト片3Aの嵌合凸部3bを下ダクト片3Bの嵌合溝3cに嵌め込むとともに、下ダクト片3Bの嵌合凸部3dを上ダクト片3Aの嵌合溝3aに嵌め込むことによって、上ダクト片3Aと下ダクト片3Bとが連結一体化される。
【0017】
ここで、本実施形態では、音響ダクト3のイヤホン本体2に対する傾斜角θは、θ=60°に設定されているが、この傾斜角θは、60°±10°(50°~70°)に設定されるべきである。また、本実施形態では、イヤホン本体2(上ケース2Aと下ケース2B)と音響ダクト3は、剛性の高いABS樹脂などの硬質樹脂で構成されている。
【0018】
ところで、イヤホン本体2には、スピーカー5の他、各種電子部品を実装した基板などが収容されているが、スピーカー5は、図4に示すように、イヤホン本体2内の音響ダクト3の直上のユーザーの耳に接触しない位置に配置されている。このような位置にスピーカー5を配置することによって、該スピーカー5の音質を良くするために該スピーカー5の口径を十分大きくしても、このスピーカー5が耳の邪魔になることがない。なお、本実施形態では、スピーカー5をイヤホン本体2内に水平に収容したが、このスピーカー5を垂直に配置して収容するようにしてもよい。
【0019】
そして、音響ダクト3の下ダクト片3Bの前面からは、前記イヤーリング4が略水平に前方に向かって延びているが、このイヤーリング4は、円形リング状の2つのリング4A,4Bを連結一体化して構成されており、音響ダクト3の下ダクト片3Bと共にイヤホン本体2に着脱可能に取り付けられている。なお、イヤーリング4は、弾性変形可能な柔軟なシリコンまたはエラスマーによって構成されている。
【0020】
而して、本実施形態に係るオープン型イヤホン1においては、図4及び図6に示すように、音響ダクト3の軸中心部には、当該オープン型イヤホン1をユーザーが耳に装着した状態において、イヤホン本体2に内蔵されたスピーカー5と耳の外耳道11(図6参照)とを連通させる円孔状の第1連通路6が形成されている。すなわち、第1連通路6の上端は、イヤホン本体2内に開口しており、第1連通路6の下端は、耳の外耳道11に開口している。また、音響ダクト3の下ダクト片3Bの前面側(図4の左側)には、大気と耳の外耳道11とを連通させる第2連通路7が形成されている。この第2連通路7は、図2及び図5に示すように、その上端が下ダクト片3Bの上端部に形成された円孔7aを介して大気に開口しており、下端が下ダクト片3Bの底面に形成された円孔7bを介して耳の外耳道11に開口している。
【0021】
なお、以上はユーザーの一方(左または右)の耳に装着されるオープン型イヤホン1の構成について説明したが、他方(右または左)の耳に装着されるオープン型イヤホン1の構成は一方のそれと全く同じであるため、これについての図示及び説明は省略する。
【0022】
ここで、本実施形態に係るオープン型イヤホン1がユーザーの耳に装着されている状態を図6に示すが、当該オープン型イヤホン1は、イヤーリング4(リング4A)の端面が耳のトラガス(耳珠)12に当接する向きに装着される。すなわち、音響ダクト3が耳の外耳道11に挿入されることによって、当該オープン型イヤホン1がユーザーの耳に装着されるが、このとき、イヤーリング4が耳のトラガス12に当接する。すると、イヤーリング4がトラガス12によって押圧されるため、該イヤーリング4が耳甲介の内壁13に押し当てられ、リング4Bが弾性変形して円弧状に撓む。このため、イヤーリング4と音響ダクト3が耳のトラガス12と耳甲介の内壁13との間で挟持され、当該オープン型イヤホン1がユーザーの耳にフィットした状態で確実に装着される。
【0023】
以上のように、オープン型イヤホン1がユーザーの左右の耳にフィットして装着されると、スピーカー5から発せられる音声(スピーカー音)は、図6に矢印aにて示すように、音響ダクト3の中心部に形成された第1連通路6を通って鼓膜を経て蝸牛へと伝わり、蝸牛のリンパ液の振動が電気信号に変換されながら聴覚神経へと伝達され、この電気信号を脳が音として認識する。また、周囲の環境音は、図6に矢印bにて示すように、音響ダクト3に形成された第2連通路7を通って鼓膜を経て蝸牛へと伝わり、蝸牛のリンパ液の振動が電気信号に変換されながら聴覚神経へと伝達され、この電気信号を脳が音として認識する。
【0024】
上述のように、本実施形態に係るオープン型イヤホン1においてば、音響ダクト3には、スピーカー5と耳の外耳道11とを連通させる第1連通路6と、大気と耳の外耳道11とを連通させる第2連通路7とが形成されているため、周囲の環境音が第2連通路7を通ってユーザーの耳の外耳道11へと導入される。したがって、ユーザーは、第1連通路6を通って外耳道へと導入されるスピーカー音と共に第2連通路7を通って外耳道11へと導入される周囲の環境音も同時に聞くことができる。そして、スピーカー音は、第1連通路6を通過してさらに第2連通路7を通って大気中に抜けるため、その経路が長くなり、該スピーカー音の外部への漏れ(音漏れ)が防がれる。さらに、環境音が大きな場所でもスピーカー音をはっきりと聞くことができるとともに、タッチノイズやユーザー自身の声が響くことがない。
【0025】
また、本実施形態に係るオープン型イヤホン1は、音響ダクト3をユーザーの耳の外耳道に挿入することによって装着され、イヤーリング4によってユーザーの耳に確実に装着されるため、音響ダクト3が耳を圧迫することがなく、ユーザーに快適な装着感を与えることができる。そして、本実施形態では、音響ダクト3の下ダクト片3Bとイヤーリング4とを一体に形成し、これらを上ダクト片3A(イヤホン本体2)に対して着脱可能に構成したため、イヤーリング4をユーザーの耳甲介や外耳道11の大きさや形状に適合するものに簡単に交換することができる。なお、イヤーリング4を単体で構成し、単体のイヤーリング4を音響ダクト3に対して着脱可能に取り付けるようにしてもよい。
【0026】
以上の結果、本実施形態に係るオープン型イヤホン1によれば、インナーイヤー型イヤホンとカナル型イヤホンの各デメリットを解消しつつ、両イヤホンのメリットのみを享受することができる。
【0027】
ところで、以上の実施形態では、第2連通路7を音響ダクト3(下ダクト片3B)の側壁の内部に形成したが、図7に示すように、音響ダクト3の外周の一部に縦方向に沿って形成された直線状の溝8によって第2通路を構成してもよい。
【0028】
なお、本発明は、以上説明した実施の形態に適用が限定されるものではなく、特許請求の範囲及び明細書と図面に記載された技術的思想の範囲内で種々の変形が可能であることは勿論である。
【符号の説明】
【0029】
1:オープン型イヤホン、2:イヤホン本体、2A:上ケース、2B:下ケース、
3:音響ダクト、3A:音響ダクトの上ダクト片、3B:音響ダクトの下ダクト片、
3a:上ダクト片の嵌合溝、3b:上ダクト片の嵌合凸部、
3c:下ダクト片の嵌合溝、3d:下ダクト片の嵌合凸部、4:イヤーリング、
4A,4B:リング、5:スピーカー、6:第1連通路、7:第2連通路、
7a,7b:第2連通路の円孔、8:溝(第2連通路)、11:外耳道、
12:トラガス、13:耳甲介の内壁
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
【手続補正書】
【提出日】2022-12-27
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくともスピーカーを内蔵したイヤホン本体と、該イヤホン本体から斜めに延びて耳の外耳道の少なくともトラガスよりも奥に挿入される音響ダクトを備えたオープン型イヤホンであって、
前記音響ダクトに、一端が耳のトラガスに当接し、他端が耳甲介の内壁に当接するイヤーリングを取り付けるとともに、
前記音響ダクトに、前記スピーカーと耳の外耳道とを連通させる第1連通路と、大気と耳の外耳道とを連通させる第2連通路とを形成したことを特徴とするオープン型イヤホン。
【請求項2】
前記音響ダクトを、前記イヤホン本体と一体に形成された上分割片と、該上分割片に対して着脱可能な下分割片とに2分割し、前記下分割片に前記イヤーリングを一体に形成したことを特徴とする請求項1記載のオープン型イヤホン。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0007
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0007】
本発明は、上記問題に鑑みてなされたもので、その目的は、ユーザーの耳にフィットした状態で圧迫感なく確実に装着されるとともに、周囲の環境音を聞き取り易く、且つ、遮音性が高くて音漏れしないオープン型イヤホンを提供することにある。
【手続補正3】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0008
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0008】
上記目的を達成するための本発明は、少なくともスピーカーを内蔵したイヤホン本体と、該イヤホン本体から斜めに延びて耳の外耳道の少なくともトラガスよりも奥に挿入される音響ダクトを備えたオープン型イヤホンであって、前記音響ダクトに、一端が耳のトラガスに当接し、他端が耳甲介の内壁に当接するイヤーリングを取り付けるとともに、前記音響ダクトに、前記スピーカーと耳の外耳道とを連通させる第1連通路と、大気と耳の外耳道とを連通させる第2連通路とを形成したことを特徴とする。
【手続補正4】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0010
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0010】
また、オープン型イヤホンは、音響ダクトをユーザーの耳の外耳道の少なくとのトラガスよりも奥に挿入するとともに、音響ダクトに、一端が耳のトラガスに当接し、他端が耳甲介の内壁に当接するイヤーリングを取り付けたため、該イヤーリングと音響ダクトが耳のトラガスと耳甲介の間で挟持され、当該オープン型イヤホンがユーザーの耳にフィットした状態で圧迫感なく確実に装着される。
【手続補正5】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0011
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0011】
したがって、本発明に係るオープン型イヤホンによれば、ユーザーの耳にフィットした状態で圧迫感なく確実に装着することができるとともに、インナーイヤー型イヤホンとカナル型イヤホンの各デメリットを解消しつつ、両イヤホンのメリットのみを享受することができる。
【手続補正6】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0024
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0024】
上述のように、本実施形態に係るオープン型イヤホン1において、音響ダクト3には、スピーカー5と耳の外耳道11とを連通させる第1連通路6と、大気と耳の外耳道11とを連通させる第2連通路7とが形成されているため、周囲の環境音が第2連通路7を通ってユーザーの耳の外耳道11へと導入される。したがって、ユーザーは、第1連通路6を通って外耳道へと導入されるスピーカー音と共に第2連通路7を通って外耳道11へと導入される周囲の環境音も同時に聞くことができる。そして、スピーカー音は、第1連通路6を通過してさらに第2連通路7を通って大気中に抜けるため、その経路が長くなり、該スピーカー音の外部への漏れ(音漏れ)が防がれる。さらに、環境音が大きな場所でもスピーカー音をはっきりと聞くことができるとともに、タッチノイズやユーザー自身の声が響くことがない。
【手続補正書】
【提出日】2023-04-10
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくともスピーカーを内蔵したイヤホン本体と、該イヤホン本体から斜めに延びて耳の外耳道の少なくともトラガスよりも奥に挿入される音響ダクトを備えたオープン型イヤホンであって、
前記音響ダクトは、前記イヤホン本体と一体に形成された上分割片と、該上分割片に対して着脱可能な下分割片とに2分割されており、
前記音響ダクトの前記下分割片に、一端が耳のトラガスに当接し、他端が耳甲介の内壁に当接するイヤーリングを取り付けるとともに、
前記音響ダクトに、前記スピーカーと耳の外耳道とを連通させる第1連通路と、大気と耳の外耳道とを連通させる第2連通路とを形成したことを特徴とするオープン型イヤホン。