(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024061521
(43)【公開日】2024-05-07
(54)【発明の名称】判定装置、試験システムおよび生成装置
(51)【国際特許分類】
H04L 25/02 20060101AFI20240425BHJP
G01R 31/3193 20060101ALI20240425BHJP
G01R 31/28 20060101ALI20240425BHJP
【FI】
H04L25/02 301J
G01R31/3193
G01R31/28 D
【審査請求】未請求
【請求項の数】8
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022169515
(22)【出願日】2022-10-21
(71)【出願人】
【識別番号】318010018
【氏名又は名称】キオクシア株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002147
【氏名又は名称】弁理士法人酒井国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】白石 幹雄
【テーマコード(参考)】
2G132
5K029
【Fターム(参考)】
2G132AA01
2G132AC03
2G132AD06
5K029KK00
5K029LL14
5K029LL19
(57)【要約】
【課題】クロックライクパターンであるか否かを簡易に判定する。
【解決手段】判定装置は、推定回路と、判定回路とを備える。推定回路は、第nサイクルより前に含まれる入力データと、第1生成多項式とに基づき、第nサイクルにおける入力データを推定した推定データを生成する。判定回路は、入力データと推定データとが一致するか否かを判定する。第1生成多項式は、第nサイクルにおける推定データを、第(n-1)サイクル以前の予め設定されたサイクル数に相当する第1期間に含まれる全ての入力データに対する論理和が0、または、第(n-1)サイクル以前の予め設定されたサイクル数に相当する第2期間に含まれる全ての入力データに対する論理積が1である場合、第(n-1)サイクルにおける入力データの反転値とし、論理和が0ではなく、且つ、論理積が1ではない場合、第(n-1)サイクルにおける入力データと同一の値とする、演算式である。
【選択図】
図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
0または1を示す入力データをクロックサイクル毎に含む入力信号における、第nサイクル(nは2以上の整数)より前に含まれる前記入力データと、予め定められた第1生成多項式とに基づき、前記第nサイクルにおける前記入力データを推定した推定データを生成する推定回路と、
前記第nサイクルにおける前記入力データと、前記第nサイクルにおける前記推定データとが一致するか否かを判定する判定回路と、
を備え、
前記第1生成多項式は、前記第nサイクルにおける前記推定データを、
第(n-1)サイクル以前の予め設定されたサイクル数に相当する第1期間に含まれる全ての前記入力データに対する論理和が0、または、前記第(n-1)サイクル以前の予め設定されたサイクル数に相当する第2期間に含まれる全ての前記入力データに対する論理積が1である場合、前記第(n-1)サイクルにおける前記入力データの反転値とし、
前記論理和が0ではなく、且つ、前記論理積が1ではない場合、前記第(n-1)サイクルにおける前記入力データと同一の値とする、演算式である
判定装置。
【請求項2】
前記判定回路は、前記クロックサイクル毎に前記入力データと前記推定データとが一致するか否かを判定する
請求項1に記載の判定装置。
【請求項3】
前記推定回路は、
第(n-1)サイクルから第(n-L)サイクルまでの前記入力データを記憶する記憶回路と、
演算回路と、
を含み、
Lは、前記第1期間のサイクル数を表し、
前記第nサイクルにおいて、前記演算回路は、
前記第(n-1)サイクルから前記第(n-L)サイクルまでの全ての前記入力データに対する前記論理和が0である場合、または、前記第(n-1)サイクルから前記第(n-L)サイクルまでの全ての前記入力データに対する前記論理積が1である場合、前記第(n-1)サイクルにおける前記入力データの反転値を前記推定データとして出力し、
前記論理和が0でなく且つ前記論理積が1でない場合、前記第(n-1)サイクルにおける前記入力データと同一の値を前記推定データとして出力する
請求項2に記載の判定装置。
【請求項4】
前記推定回路は、
第(n-1)サイクルから第(n-L)サイクルまでの前記入力データを記憶する記憶回路と、
演算回路と、
を含み、
Lは、前記第1期間のサイクル数を表し、
前記第nサイクルにおいて、前記演算回路は、
前記第(n-1)サイクルから前記第(n-L)サイクルまでの全ての前記入力データに対する前記論理和が0である場合、または、前記第(n-1)サイクルから第(n-M)サイクルまでの全ての前記入力データに対する前記論理積が1である場合、前記第(n-1)サイクルにおける前記入力データの反転値を前記推定データとして出力し、
前記論理和が0でなく且つ前記論理積が1でない場合、前記第(n-1)サイクルにおける前記入力データと同一の値を前記推定データとして出力し、
Mは、前記第2期間のサイクル数を表し、
M<Lである
請求項2に記載の判定装置。
【請求項5】
前記推定回路は、
第(n-1)サイクルから第(n-L)サイクルまでの前記入力データを記憶する記憶回路と、
演算回路と、
を含み、
Lは、前記第2期間のサイクル数を表し、
前記第nサイクルにおいて、前記演算回路は、
前記第(n-1)サイクルから第(n-M)サイクルまでの全ての前記入力データに対する前記論理和が0である場合、または、前記第(n-1)サイクルから前記第(n-L)サイクルまでの全ての前記入力データに対する前記論理積が1である場合、前記第(n-1)サイクルにおける前記入力データの反転値を前記推定データとして出力し、
前記論理和が0でなく且つ前記論理積が1でない場合、前記第(n-1)サイクルにおける前記入力データと同一の値を前記推定データとして出力し、
Mは、前記第1期間のサイクル数を表し、
M<Lである
請求項2に記載の判定装置。
【請求項6】
前記推定回路は、
前記クロックサイクル毎に第1カウント値をカウントアップし、前記入力信号に値1が含まれる場合または前記第1カウント値が前記第1期間を表す値となった場合、前記第1カウント値をリセットする第1カウンタと、
前記クロックサイクル毎に第2カウント値をカウントアップし、前記入力信号に値0が含まれる場合または前記第2カウント値が前記第2期間を表す値となった場合、前記第2カウント値をリセットする第2カウンタと、
出力回路と、
を含み、
前記クロックサイクル毎に、前記出力回路は、
前記第1カウント値が前記第1期間を表す値となった場合、または、前記第2カウント値が前記第2期間を表す値となった場合、前記第(n-1)サイクルにおける前記入力データの反転値を前記推定データとして出力し、
前記第1カウント値が前記第1期間を表す値でない場合、且つ、前記第2カウント値が前記第2期間を表す値でない場合、前記第(n-1)サイクルにおける前記入力データと同一の値を前記推定データとして出力する
請求項1に記載の判定装置。
【請求項7】
請求項1から6の何れか1項に記載の判定装置と、
前記入力データに対応する出力データをクロックサイクル毎に含む出力信号を生成する生成装置と、
を備え、
前記出力信号は、伝送デバイスに送信され、
前記判定装置は、前記伝送デバイスを介して前記出力信号を前記入力信号として取得し、
前記出力信号は、前記第1期間に0が連続し、前記第2期間に1が連続するパターンを繰り返す信号である
試験システム。
【請求項8】
0または1を示す出力データをクロックサイクル毎に含む出力信号を生成する生成装置であって、
第nサイクルより前に送信された前記出力データと、予め定められた第2生成多項式とに基づき、前記第nサイクルにおける前記出力データを生成し、
前記第2生成多項式は、前記第nサイクルにおける前記出力データを、
第(n-1)サイクル以前の予め設定されたサイクル数に相当する第1期間に含まれる全ての前記出力データに対する論理和が0、または、前記第(n-1)サイクル以前の予め設定されたサイクル数に相当する第2期間に含まれる全ての前記出力データに対する論理積が1である場合、前記第(n-1)サイクルにおける前記出力データの反転値とし、
前記論理和が0ではなく、且つ、前記論理積が1ではない場合、前記第(n-1)サイクルにおける前記出力データと同一の値とする、演算式である
生成装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
実施形態は、判定装置、試験システムおよび生成装置に関する。
【背景技術】
【0002】
0と1とを所定周期で交互に繰り返すクロックライクパターンを表すシリアル信号を用いて、送信回路および受信回路等の伝送試験をする方法が知られている。この伝送試験では、送信回路からクロックライクパターンを含むシリアル信号を送信させ、受信回路にシリアル信号を受信させる。そして、この伝送試験では、受信されたシリアル信号から再生されたデータ列が、クロックライクパターンであるか否かを判定する。これにより、この伝送試験では、クロックライクパターンのシリアル信号を伝送デバイスに送信した場合における特性を試験することができる。
【0003】
しかし、従来、この伝送試験では、受信したシリアル信号に対してビットアライメントをし、ビットアライメントをしたデータに対してクロックライクパターンとのパターンマッチングをすることがあった。この場合、この伝送試験を実行する機能を備える装置は、ビットアライメントをするための回路およびパターンマッチングをするための回路を備える必要があり、回路構成が大きくなってしまっていた。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特表平08-502365号公報
【特許文献2】特許第4778014号公報
【特許文献3】特開2010-096635号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
一つの実施形態は、入力信号がクロックライクパターンであるか否かを簡易に判定することができる判定装置、試験システムおよび生成装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
一つの実施形態によれば判定装置が提供される。前記判定装置は、推定回路と、判定回路とを備える。前記推定回路は、0または1を示す入力データをクロックサイクル毎に含む入力信号における、第nサイクル(nは2以上の整数)より前に含まれる前記入力データと、予め定められた第1生成多項式とに基づき、前記第nサイクルにおける前記入力データを推定した推定データを生成する。前記判定回路は、前記第nサイクルにおける前記入力データと、前記第nサイクルにおける前記推定データとが一致するか否かを判定する。前記第1生成多項式は、前記第nサイクルにおける前記推定データを、第(n-1)サイクル以前の予め設定されたサイクル数に相当する第1期間に含まれる全ての前記入力データに対する論理和が0、または、前記第(n-1)サイクル以前の予め設定されたサイクル数に相当する第2期間に含まれる全ての前記入力データに対する論理積が1である場合、前記第(n-1)サイクルにおける前記入力データの反転値とし、前記論理和が0ではなく、且つ、前記論理積が1ではない場合、前記第(n-1)サイクルにおける前記入力データと同一の値とする、演算式である。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【
図3】第1実施形態に係る推定回路および判定回路の構成図。
【
図9】第2実施形態に係る推定回路および判定回路の構成図。
【
図13】第3実施形態に係る試験システムの構成図。
【
図15】第3実施形態に係る推定回路および判定回路の構成図。
【
図19】第4実施形態に係る試験システムの構成図。
【
図20】第4実施形態に係る推定回路および判定回路の構成図。
【
図27】第5実施形態に係る試験システムの構成図。
【
図28】第5実施形態に係る推定回路および判定回路の構成図。
【
図29】第1期間と第1期間設定値との関係を示す図。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下に添付図面を参照して、実施形態を詳細に説明する。なお、この実施形態により本発明が限定されるものではない。
【0009】
(第1実施形態)
図1は、第1実施形態に係る試験システム10の構成を示す図である。第1実施形態に係る試験システム10は、生成装置12と、送信装置14と、受信装置16と、判定装置18とを備える。
【0010】
生成装置12は、出力信号SOを生成する。生成装置12は、生成した出力信号SOを送信装置14に与える。
【0011】
出力信号SOは、0または1を示す出力データをクロックサイクル毎に含むシリアル信号である。より詳しくは、出力信号SOは、予め設定されたサイクル数に相当する第1期間に0が連続し、続いて、予め設定されたサイクル数に相当する第2期間に1が連続するパターンを繰り返すクロックライクパターンのシリアル信号である。第1実施形態において、第1期間および第2期間は、ともにLサイクル(Lは、2以上の整数)に相当する期間である。
【0012】
送信装置14は、生成装置12から出力信号SOを取得する。送信装置14は、取得した出力信号SOを増幅等した送信信号を伝送線路20へと送信する。伝送線路20は、伝送デバイスの一例である。送信装置14は、送信信号とともに、後述する動作クロックCLAのタイミングに対応するストローブ信号を、伝送線路20とは別の線路へと送信してもよい。
【0013】
受信装置16は、送信装置14から伝送線路20を介して送信信号を受信する。受信装置16は、送信装置14から受信した送信信号から、入力信号SIを再生する。
【0014】
入力信号SIは、0または1を示す入力データをクロックサイクル毎に含むシリアル信号である。受信装置16が送信信号をエラー無しで復調した場合には、入力信号SIは、出力信号SOと同一のクロックライクパターンのシリアル信号となる。
【0015】
さらに、受信装置16は、送信信号から、入力信号SIのクロックタイミングを示す動作クロックCLAを再生する。受信装置16は、送信信号とともに、伝送線路20とは別の線路からストローブ信号を受信してもよい。受信装置16は、送信信号から動作クロックCLAを再生してもよいし、ストローブ信号から動作クロックCLAを再生してもよい。受信装置16は、再生した入力信号SIおよび動作クロックCLAを判定装置18に与える。
【0016】
判定装置18は、受信装置16から入力信号SIおよび動作クロックCLAを取得する。判定装置18は、入力信号SIが、生成装置12により生成された出力信号SOと一致するか否かを判定する。例えば、判定装置18は、クロックサイクル毎に、入力信号SIに含まれる入力データが、出力信号SOに含まれていた出力データと一致するか否かを判定する。判定装置18は、入力信号SIが出力信号SOと一致するか否かを表す判定結果を出力する。例えば、判定装置18は、クロックサイクル毎の判定結果を表す検出信号SDを判定結果として出力してもよいし、一定時間内におけるエラーデータの割合を表すエラーレートを判定結果として出力してもよい。
【0017】
このような試験システム10は、受信装置16により再生された入力信号SIが、生成装置12により生成された出力信号SOと一致するか否かを判定することができる。これにより、試験システム10は、クロックライクパターンの伝送試験を実施することができる。
【0018】
生成装置12および判定装置18は、半導体装置またはモジュールに備えられるBIST(Built-In Self-Test)装置の一部に組み込まれてもよい。生成装置12および判定装置18がBIST装置の一部に組み込まれる場合、半導体装置またはモジュールにおける信号送信端子と信号受信端子とが伝送線路20によりループバック接続される。これにより、送信装置14と受信装置16とが接続され、半導体装置またはモジュールにより試験システム10を構成することができる。なお、送信装置14および受信装置16は、同一の半導体装置またはモジュール内に組み込まれずに、それぞれが別個の半導体装置またはモジュールに組み込まれてもよい。
【0019】
また、試験システム10は、伝送線路20に代えてまたは伝送線路20に加えて、増幅回路またはバッファ回路等の伝送デバイスを備えてもよい。これにより、試験システム10は、増幅回路またはバッファ回路等の伝送デバイスの伝送試験をすることができる。
【0020】
図2は、第1実施形態に係る判定装置18の構成を示す図である。判定装置18は、推定回路32と、判定回路34と、解析回路36とを有する。
【0021】
推定回路32は、入力信号SIと動作クロックCLAとを取得する。推定回路32は、0または1を示す推定データをクロックサイクル毎に含む推定信号SEを生成する。推定データは、各クロックサイクルにおいて受信すると推定される入力データの値を表す。
【0022】
推定回路32は、クロックサイクル毎に、入力信号SIおよび動作クロックCLAと、予め定められた第1生成多項式とに基づき、入力データの値を推定した推定データを生成する。より具体的には、推定回路32は、入力信号SIにおける第nサイクル(nは、任意のクロックサイクルを示す2以上の整数)より前のサイクルに含まれる複数の入力データと、第1生成多項式とに基づき、第nサイクルにおける入力データを推定した推定データを生成する。推定回路32は、クロックサイクル毎に推定データを含む推定信号SEを判定回路34に与える。
【0023】
第1生成多項式は、第nサイクルにおける推定データを、第(n-1)サイクル以前の予め設定されたサイクル数に相当する第1期間に含まれる全ての入力データに対する論理和が0、または、第(n-1)サイクル以前の予め設定されたサイクル数に相当する第2期間に含まれる全ての入力データに対する論理積が1である場合、第(n-1)サイクルにおける入力データの反転値とする、演算式である。さらに、第1生成多項式は、第nサイクルにおける推定データを、第(n-1)サイクル以前の第1期間に含まれる全ての入力データに対する論理和が0ではなく、且つ、第(n-1)サイクル以前の第2期間に含まれる全ての入力データに対する論理積が1ではない場合、第(n-1)サイクルにおける入力データと同一の値とする、演算式である。
【0024】
第1実施形態において、第1期間および第2期間におけるサイクル数は、ともにLである。従って、第1実施形態において、第1生成多項式は、式(1)により表される。
【数1】
【0025】
x(m)は、第mサイクルにおける入力データを表す。mは、任意のクロックサイクルを示す整数である。x(m)は、0または1を表す。
【0026】
x(m)の上にバーを付けた記号は、x(m)の反転値を表す。すなわち、x(m)の上にバーを付けた記号は、x(m)が1の場合には0を表し、x(m)が0の場合には1を表す。
【0027】
y(m)は、第mサイクルにおける推定データを示す。y(m)は、0または1を示す。
【0028】
式(1)において、Lは、第1期間および第2期間におけるサイクル数を表す。
【0029】
また、Σは、総和演算を表す記号である。Πは、総乗演算を表す記号である。kは、自然数が代入される変数である。そして、式(1)の右辺は、カンマの右の式に示す条件に一致する場合に、カンマの左の値となることを示す。
【0030】
すなわち、式(1)の右辺の上側の式は、x(n-k)をkを1からLまで変化させて総和演算をした結果が0である場合、または、x(n-k)をkを1からLまで変化させて総乗演算をした結果が1である場合、y(n)がx(n-1)の反転値となることを示す。また、式(1)の右辺の下側の式は、x(n-k)をkを1からLまで変化させて総和演算をした結果が0でない場合、且つ、x(n-k)をkを1からLまで変化させて総乗演算をした結果が1でない場合、y(n)がx(n-1)となることを示す。
【0031】
式(1)は、右辺の上側の式に示すように、0がLサイクル連続した場合、または、1がLサイクル連続した場合、y(n)を、x(n-1)の反転値とする。また、式(1)は、右辺の下側の式に示すように、0がLサイクル連続していない場合、且つ、1がLサイクル連続していない場合、y(n)を、x(n-1)の値とする。従って、推定回路32は、このような式(1)に示す第1生成多項式を用いることにより、過去の入力信号SIに基づき、入力信号SIが、0がLサイクル連続し、1がLサイクル連続するクロックライクパターンである場合に推定される推定データを生成することができる。
【0032】
判定回路34は、入力信号SIと、動作クロックCLAと、推定回路32により生成された推定信号SEとを取得する。判定回路34は、クロックサイクル毎に、入力信号SIに含まれる入力データと、推定信号SEに含まれる推定データとが一致するか否かを判定する。より具体的には、判定回路34は、入力データに含まれる第nサイクルにおける入力データと、第nサイクルにおける推定データとが一致するか否かを判定する。判定回路34は、クロックサイクル毎に、入力データと推定データとが一致するか否かを示す判定データを含む検出信号SDを解析回路36に与える。
【0033】
解析回路36は、判定回路34から検出信号SDを取得する。解析回路36は、取得した検出信号SDに基づき、伝送試験の結果を示す判定結果を生成して出力する。例えば、解析回路36は、検出信号SDをそのまま判定結果として出力してもよいし、検出信号SDからエラーレートを算出して判定結果として出力してもよい。
【0034】
図3は、第1実施形態に係る推定回路32および判定回路34の構成を示す図である。第1実施形態に係る推定回路32は、記憶回路42と、演算回路44とを含む。
【0035】
記憶回路42は、クロックサイクル毎に、入力信号SIに含まれる入力データを取得する。そして、記憶回路42は、第nサイクルにおいて、第(n-1)サイクルから第(n-L)サイクルまでの、L個の入力データを記憶する。
【0036】
例えば、記憶回路42は、L個のDフリップフロップ46を含む。L個のDフリップフロップ46は、L段のシフトレジスタを構成する。L個のDフリップフロップ46のそれぞれは、クロック端子に動作クロックCLAが与えられる。動作クロックCLAは、入力信号SIに含まれるデータのクロック周期に同期した信号である。L個のDフリップフロップ46のそれぞれは、動作クロックCLAのタイミングにおいて、D端子に入力されたデータを取得して記憶する。L個のDフリップフロップ46のそれぞれは、記憶しているデータをQ端子から出力する。
【0037】
L個のDフリップフロップ46のそれぞれは、例えば動作開始のタイミングにおいて、リセット端子に、非同期リセット信号RSAが与えられる。非同期リセット信号RSAは、動作クロックCLAとは非同期の信号であり、動作開始時またはリセット時等において外部の装置から与えられる信号である。L個のDフリップフロップ46のそれぞれは、非同期リセット信号RSAが0となった場合、記憶するデータを1または0の何れかの所定の値にリセットする。
【0038】
L個のDフリップフロップ46は、第1のDフリップフロップ46-1から第LのDフリップフロップ46-Lにより構成される。L個のDフリップフロップ46のうちの第1のDフリップフロップ46-1は、入力信号SIに含まれる入力データをD端子で取得する。L個のDフリップフロップ46のうちの第i(iは、2からLまでの任意の整数)のDフリップフロップ46-iは、L個のDフリップフロップ46のうちの第(i-1)のDフリップフロップ46-(i-1)のQ端子から出力されたデータを、D端子で取得する。
【0039】
このようなL個のDフリップフロップ46は、クロックサイクル毎に入力データを取得し、第nサイクルにおいて、第(n-1)サイクルから第(n-L)サイクルまでの、L個の入力データを記憶することができる。
【0040】
演算回路44は、第nサイクルにおいて、記憶回路42に記憶されている第(n-1)サイクルから第(n-L)サイクルまでの、L個の入力データを取得する。第nサイクルにおいて、演算回路44は、第(n-1)サイクルから第(n-L)サイクルまでの全ての入力データに対する論理和が0である場合、または、第(n-1)サイクルから第(n-L)サイクルまでの全ての入力データに対する論理積が1である場合、第(n-1)サイクルにおける入力データの反転値を推定データとして出力する。また、第nサイクルにおいて、演算回路44は、第(n-1)サイクルから第(n-L)サイクルまでの全ての入力データに対する論理和が0でなく、且つ、第(n-1)サイクルから第(n-L)サイクルまでの全ての入力データに対する論理積が1でない場合、第(n-1)サイクルにおける入力データと同一の値を推定データとして出力する。
【0041】
例えば、演算回路44は、第1OR回路48と、第1NAND回路50と、第2NAND回路52と、第1EX-OR回路54とを含む。
【0042】
第1OR回路48は、記憶回路42に記憶されている第(n-1)サイクルから第(n-L)サイクルまでの、全ての入力データの論理和を算出する。第1NAND回路50は、記憶回路42に記憶されている第(n-1)サイクルから第(n-L)サイクルまでの、全ての入力データの論理積の反転値を算出する。
【0043】
第2NAND回路52は、第1OR回路48により算出された論理和と、第1NAND回路50により算出された論理積の反転値とを論理積演算して反転した値を算出する。これにより、第2NAND回路52は、第(n-1)サイクルから第(n-L)サイクルまでの全ての入力データに対する論理和が0である場合、または、第(n-1)サイクルから第(n-L)サイクルまでの全ての入力データに対する論理積が1である場合、1を出力することができる。また、第2NAND回路52は、第1OR回路48による論理和が0でない場合、且つ、第1NAND回路50による論理積が1でない場合、0を出力することができる。
【0044】
第1EX-OR回路54は、第2NAND回路52により算出されたデータを取得する。さらに、第1EX-OR回路54は、記憶回路42に含まれる第1のDフリップフロップ46-1のQ端子から、第(n-1)サイクルにおける入力データを取得する。第1EX-OR回路54は、取得した2つのデータの排他的論理和を、推定データとして出力する。すなわち、第nサイクルにおいて、第1EX-OR回路54は、第2NAND回路52から1が出力された場合、第(n-1)サイクルの入力データの反転値を、推定データとして出力する。また、第nサイクルにおいて、第1EX-OR回路54は、第2NAND回路52から0が出力された場合、第(n-1)サイクルの入力データと同一の値を、推定データとして出力する。
【0045】
このような構成の推定回路32は、クロックサイクル毎に、演算回路44により算出された推定データを判定回路34へと出力する。
【0046】
判定回路34は、クロックサイクル毎に、入力信号SIに含まれる入力データ、および、推定回路32から出力された推定データを取得する。判定回路34は、クロックサイクル毎に、入力データと推定データとが一致するか否かを判定する。具体的には、第nサイクルにおいて、判定回路34は、第nサイクルにおける入力データと、第nサイクルにおける推定データとが一致するか否かを判定する。そして、判定回路34は、入力データと推定データとが一致するか否かをクロックサイクル毎に示す検出信号SDを出力する。
【0047】
例えば、判定回路34は、EX-NOR回路56と、判定Dフリップフロップ58とを含む。
【0048】
EX-NOR回路56は、入力信号SIに含まれる第nサイクルの入力データ、および、推定回路32から出力された第nサイクルの推定データを取得する。EX-NOR回路56は、取得した2つのデータの排他的論理和の反転値を出力する。すなわち、第nサイクルにおいて、EX-NOR回路56は、第nサイクルの入力データと第nサイクルの推定データとが一致した場合には1、第nサイクルの入力データと第nサイクルの推定データとが不一致である場合には0を出力する。
【0049】
判定Dフリップフロップ58は、クロック端子に動作クロックCLAが与えられる。判定Dフリップフロップ58は、動作クロックCLAのタイミングにおいて、EX-NOR回路56から出力されたデータを取得して記憶する。判定Dフリップフロップ58は、記憶しているデータを、Q端子から検出信号SDとして出力する。また、判定Dフリップフロップ58は、リセット端子に、非同期リセット信号RSAが与えられる。判定Dフリップフロップ58は、非同期リセット信号RSAが0となった場合、記憶するデータを1または0の何れかの所定の値にリセットする。
【0050】
以上のような構成の推定回路32は、クロックサイクル毎に、式(1)に示す第1生成多項式の演算を行って、入力データを推定した推定データを生成することができる。また、以上のような構成の判定回路34は、クロックサイクル毎に、入力信号SIに含まれる入力データと、推定データとが一致するか否かを判定することができる。
【0051】
図4は、第1実施形態に係る生成装置12の構成を示す図である。
【0052】
生成装置12は、クロックサイクル毎に、動作クロックCLBと予め定められた第2生成多項式とに基づき、出力データを生成する。動作クロックCLBは、生成装置12から出力される出力信号SOに含まれるデータが同期するクロック信号である。より具体的には、生成装置12は、第nサイクルより前に生成(又は送信)された出力データと、第2生成多項式とに基づき、第nサイクルにおける出力データを生成する。
【0053】
第2生成多項式は、第nサイクルにおける出力データを、第(n-1)サイクル以前の第1期間に含まれる全ての出力データに対する論理和が0、または、第(n-1)サイクル以前の第2期間に含まれる全ての出力データに対する論理積が1である場合、第(n-1)サイクルにおける出力データの反転値とする、演算式である。さらに、第2生成多項式は、第nサイクルにおける出力データを、第(n-1)サイクル以前の第1期間に含まれる全ての出力データに対する論理和が0ではなく、且つ、第(n-1)サイクル以前の第2期間に含まれる全ての出力データに対する論理積が1ではない場合、第(n-1)サイクルにおける出力データと同一の値とする、演算式である。
【0054】
第1実施形態において、第1期間および第2期間におけるサイクル数は、ともにLである。従って、第1実施形態において、第2生成多項式は、式(2)により表される。
【数2】
【0055】
z(m)は、第mサイクルにおける出力データを表す。z(m)は、0または1を表す。
【0056】
z(m)の上にバーを付けた記号は、z(m)の反転値を表す。すなわち、z(m)の上にバーを付けた記号は、z(m)が1の場合には0を表し、z(m)が0の場合には1を表す。
【0057】
式(2)の右辺の上側の式は、z(n-k)をkを1からLまで変化させて総和演算をした結果が0である場合、または、z(n-k)をkを1からLまで変化させて総乗演算をした結果が1である場合、z(n)がz(n-1)の反転値となることを示す。また、式(2)の右辺の下側の式は、z(n-k)をkを1からLまで変化させて総和演算をした結果が0でない場合、且つ、z(n-k)をkを1からLまで変化させて総乗演算をした結果が1でない場合、z(n)がz(n-1)となることを示す。
【0058】
式(2)は、右辺の上側の式に示すように、0がLサイクル連続した場合、または、1がLサイクル連続した場合、z(n)を、z(n-1)の反転値とする。また、式(2)は、右辺の下側の式に示すように、0がLサイクル連続していない場合、且つ、1がLサイクル連続していない場合、z(n)を、z(n-1)の値とする。従って、生成装置12は、このような式(2)に示す第2生成多項式を用いることにより、0がLサイクル連続し、1がLサイクル連続するパターンを繰り返すクロックライクパターンの出力信号SOを生成することができる。
【0059】
第1実施形態に係る生成装置12は、第2生成多項式を用いて出力信号SOを生成する場合、例えば、記憶回路42と、演算回路44とを含む。
【0060】
記憶回路42は、
図3に示した記憶回路42の構成と同一の構成を有する。ただし、生成装置12に適用される記憶回路42は、第nサイクルにおいて、入力信号SIに含まれる第nサイクルの入力データを取得することに代えて、演算回路44により演算された第nサイクルのデータを、第nサイクルの入力データとして取得する。
【0061】
演算回路44は、
図3に示した演算回路44の構成と同一の構成を有する。ただし、生成装置12に適用される演算回路44は、推定データを判定回路34へと出力することに代えて、演算したデータを記憶回路42へとフィードバックする。
【0062】
そして、生成装置12は、記憶回路42に含まれるL個のDフリップフロップ46の何れかに記憶された出力データを、クロックサイクル毎に出力する。
図4に示す例においては、生成装置12は、第1のDフリップフロップ46-1に記憶された出力データを、クロックサイクル毎に出力することにより、出力信号SOを生成する。
【0063】
以上のような構成の生成装置12は、クロックサイクル毎に、式(2)に示す第2生成多項式の演算を行って、0がLサイクル連続し、続いて、1がLサイクル連続するパターンを繰り返すクロックライクパターンの出力信号SOを生成することができる。
【0064】
なお、生成装置12は、第2生成多項式を用いずに、動作クロックCLBをカウンタによりカウントすることにより、第1期間に0が連続し、第2期間に1が連続するパターンを繰り返す出力信号SOを生成してもよい。第1実施形態においては、第1期間および第2期間がともにLサイクルであるので、生成装置12は、動作クロックCLBをカウントすることにより、Lサイクル連続して0を発生し、Lサイクル連続して1を発生するパターンを繰り返す出力信号SOを生成することができる。
【0065】
図5は、第1実施形態に係る生成装置12により生成される出力信号SO等の波形の一例を示す図である。
【0066】
生成装置12は、非同期リセット信号RSBが0となった場合、記憶回路42に記憶されているL個のデータがリセットされる。そして、生成装置12は、非同期リセット信号RSBが1となったことに応じて、0がLサイクル連続し、続いて、1がLサイクル連続するパターンを繰り返すクロックライクパターンの出力信号SOを出力することができる。
図5に示す例においては、生成装置12は、非同期リセット信号RSBが1となったことに応じて、1がLサイクル連続した後に、0がLサイクル連続し、続いて、1がLサイクル連続するパターンを繰り返す出力信号SOを出力する。具体的には、
図5に示す例においては、生成装置12は、0が5サイクル、1が5サイクルのパターンを繰り返す出力信号SOを出力している。
【0067】
図6は、第1実施形態に係る判定装置18により生成される検出信号SD等の波形の一例を示す図である。
【0068】
判定装置18は、入力信号SIが予め定められたクロックライクパターンに一致するサイクルにおいて連続して1となり、一致しない場合に0となる検出信号SDを出力することができる。
図6に示す例においては、判定装置18は、入力信号SIが、0が5サイクル連続し、1が5サイクル連続するクロックライクパターンに一致する場合に連続して1となり、入力信号SIがこのようなクロックライクパターンに一致しない場合に0となる検出信号SDを出力している。
【0069】
以上のような構成の試験システム10は、クロックライクパターンのシリアル信号を伝送線路20に伝送させた場合における、伝送試験を実施することができる。
【0070】
従来、クロックライクパターンのシリアル信号を用いて伝送試験をする場合、クロックライクパターンは、例えば、ジョンソンカウンタを用いて生成されることがあった。また、シリアル信号からクロックライクパターンを検出する場合、シリアル信号に含まれるシリアルデータをシリアル/パラレル変換をし、シリアル/パラレル変換されたデータに対してビットアライメントをし、ビットアライメントをしたデータに対してパターンマッチングをすることがあった。
【0071】
しかし、ビットアライメントは、通常、コンマパターンと呼ばれる特殊なシンボルを用いて行われる。このため、シリアル信号からクロックライクパターンを検出する場合、送信側において、シリアル信号に予めコンマパターンを含める必要があり、送信側の回路が煩雑となっていた。また、通常の通信時においてはビットアライメントを行わない受信回路は、試験のために別途にビットアライメントを実行する回路を搭載しなければならず、受信側の回路の構成も大きくなってしまっていた。
【0072】
これに対して、本実施形態に係る試験システム10は、第1生成多項式を用いて推定データを生成することにより、ビットアライメントを行わずに、入力信号SIが所定のクロックライクパターンであるか否かを判定することができる。これにより、本実施形態に係る試験システム10によれば、入力信号SIがクロックライクパターンであるか否かを簡易に判定することができる。
【0073】
(第2実施形態)
第2実施形態に係る試験システム10aは、第1実施形態に係る試験システム10と略同一の機能および構成を有する。第2実施形態に係る試験システム10aについては、第1実施形態と略同一の機能および構成を有する装置、回路および信号等に同一の名称および符号を付け、相違点を除き詳細な説明を省略する。
【0074】
図7は、第2実施形態に係る試験システム10aの構成を示す図である。試験システム10aは、生成装置12aと、送信装置14と、受信装置16と、判定装置18aとを備える。
【0075】
生成装置12aは、第1期間が第2期間よりも長い出力信号SOaを生成する。生成装置12aは、生成した出力信号SOaを送信装置14に与える。第2実施形態において、第1期間はLサイクル、第2期間はMサイクル(Mは、1以上L未満の整数)である。すなわち、第2実施形態において、出力信号SOaは、Lサイクルの期間に0が連続し、Mサイクルの期間に1が連続するパターンを繰り返すクロックライクパターンの信号である。なお、L>Mである。
【0076】
判定装置18aは、受信装置16から入力信号SIおよび動作クロックCLAを取得する。判定装置18aは、クロックサイクル毎に、入力信号SIに含まれる入力データが、出力信号SOaに含まれていた出力データと一致するか否かを判定する。そして、判定装置18aは、入力信号SIが出力信号SOaと一致するか否かを表す判定結果を出力する。
【0077】
このような試験システム10aは、0が連続する期間が、1が連続する期間よりも長いクロックライクパターンの伝送試験を実施することができる。そして、試験システム10aは、このような0が連続する期間が、1が連続する期間よりも長いクロックライクパターンの伝送試験の実施により、例えば、符号化干渉等により発生するエラー特性等も試験することができる。
【0078】
図8は、第2実施形態に係る判定装置18aの構成を示す図である。判定装置18aは、推定回路32aと、判定回路34と、解析回路36とを有する。
【0079】
推定回路32aは、入力信号SIと動作クロックCLAとを取得する。推定回路32aは、0または1を示す推定データをクロックサイクル毎に含む推定信号SEaを生成する。推定回路32aは、クロックサイクル毎に、入力信号SIおよび動作クロックCLAと、予め定められた第3生成多項式とに基づき、入力データの値を推定した推定データを生成する。推定回路32aは、クロックサイクル毎に、推定データを含む推定信号SEaを判定回路34に与える。
【0080】
第2実施形態において、第1期間におけるサイクル数はL、第2期間におけるサイクル数はMである。従って、第2実施形態において、第3生成多項式は、式(3)により表される。
【数3】
【0081】
式(3)の右辺の上側の式は、x(n-k)をkを1からLまで変化させて総和演算をした結果が0である場合、または、x(n-k)をkを1からMまで変化させて総乗演算をした結果が1である場合、y(n)がx(n-1)の反転値となることを示す。また、式(3)の右辺の下側の式は、x(n-k)をkを1からLまで変化させて総和演算をした結果が0でない場合、且つ、x(n-k)をkを1からMまで変化させて総乗演算をした結果が1でない場合、y(n)がx(n-1)となることを示す。
【0082】
式(3)は、右辺の上側の式に示すように、0がLサイクル連続した場合、または、1がMサイクル連続した場合、y(n)を、x(n-1)の反転値とする。また、式(3)は、右辺の下側の式に示すように、0がLサイクル連続していない場合、且つ、1がMサイクル連続していない場合、y(n)を、x(n-1)の値とする。従って、推定回路32aは、このような式(3)に示す第3生成多項式を用いることにより、過去の入力信号SIに基づき、入力信号SIが、0がLサイクル連続し、1がMサイクル連続するクロックライクパターンである場合に推定される推定データを生成することができる。
【0083】
図9は、第2実施形態に係る推定回路32aおよび判定回路34の構成を示す図である。第2実施形態に係る推定回路32aは、記憶回路42と、演算回路44aとを含む。
【0084】
演算回路44aは、第nサイクルにおいて、記憶回路42に記憶されている第(n-1)サイクルから第(n-L)サイクルまでの、L個の入力データを取得する。第nサイクルにおいて、演算回路44aは、第(n-1)サイクルから第(n-L)サイクルまでの全ての入力データに対する論理和が0である場合、または、第(n-1)サイクルから第(n-M)サイクルまでの全ての入力データに対する論理積が1である場合、第(n-1)サイクルにおける入力データの反転値を推定データとして出力する。また、第nサイクルにおいて、演算回路44aは、第(n-1)サイクルから第(n-L)サイクルまでの全ての入力データに対する論理和が0でなく、且つ、第(n-1)サイクルから第(n-M)サイクルまでの全ての入力データに対する論理積が1でない場合、第(n-1)サイクルにおける入力データと同一の値を推定データとして出力する。
【0085】
例えば、演算回路44aは、第1OR回路48と、第1NAND回路50aと、第2NAND回路52と、第1EX-OR回路54とを含む。
【0086】
第1NAND回路50aは、記憶回路42に記憶されている第(n-1)サイクルから第(n-M)サイクルまでの、全ての入力データの論理積の反転値を算出する。第1NAND回路50aは、算出したデータを第2NAND回路52に与える。第2NAND回路52は、第1OR回路48により算出された論理和と、第1NAND回路50aにより算出された論理積の反転値とを論理積演算して反転した値を算出する。このような構成の推定回路32aは、クロックサイクル毎に、演算回路44aにより算出された推定データを判定回路34へと出力する。
【0087】
以上のような構成の推定回路32aは、クロックサイクル毎に、式(3)に示す第3生成多項式の演算を行って、入力データを推定した推定データを生成することができる。
【0088】
図10は、第2実施形態に係る生成装置12aの構成を示す図である。
【0089】
第2実施形態に係る生成装置12aは、クロックサイクル毎に、動作クロックCLBと第4生成多項式とに基づき、出力データを生成する。第2実施形態において、第1期間におけるサイクル数はL、第2期間におけるサイクル数はMである。従って、第2実施形態において、第2生成多項式は、式(4)により表される。
【数4】
【0090】
式(4)の右辺の上側の式は、z(n-k)をkを1からLまで変化させて総和演算をした結果が0である場合、または、z(n-k)をkを1からMまで変化させて総乗演算をした結果が1である場合、z(n)がz(n-1)の反転値となることを示す。また、式(4)の右辺の下側の式は、z(n-k)をkを1からLまで変化させて総和演算をした結果が0でない場合、且つ、z(n-k)をkを1からMまで変化させて総乗演算をした結果が1でない場合、z(n)がz(n-1)となることを示す。
【0091】
式(4)は、右辺の上側の式に示すように、0がLサイクル連続した場合、または、1がMサイクル連続した場合、z(n)をz(n-1)の反転値とする。また、式(4)は、右辺の下側の式に示すように、0がLサイクル連続していない場合、且つ、1がMサイクル連続していない場合、z(n)をz(n-1)の値とする。従って、生成装置12aは、このような式(4)に示す第4生成多項式を用いることにより、0がLサイクル連続し、1がMサイクル連続するパターンを繰り返すクロックライクパターンの出力信号SOaを生成することができる。
【0092】
第2実施形態に係る生成装置12aは、第4生成多項式を用いて出力信号SOaを生成する場合、例えば、記憶回路42と、演算回路44aとを含む。
【0093】
記憶回路42は、
図9に示した記憶回路42の構成と同一の構成を有する。ただし、生成装置12aに適用される記憶回路42は、第nサイクルにおいて、入力信号SIに含まれる第nサイクルの入力データを取得することに代えて、演算回路44aにより演算された第nサイクルのデータを、第nサイクルの入力データとして取得する。
【0094】
演算回路44aは、
図9に示した演算回路44aの構成と同一の構成を有する。ただし、生成装置12aに適用される演算回路44aは、推定データを判定回路34へと出力することに代えて、演算したデータを記憶回路42へとフィードバックする。
【0095】
そして、生成装置12aは、記憶回路42に含まれるL個のDフリップフロップ46の何れかに記憶された出力データを、クロックサイクル毎に出力する。
図10に示す例においては、生成装置12aは、第1のDフリップフロップ46-1に記憶された出力データを、クロックサイクル毎に出力することにより、出力信号SOaを生成する。
【0096】
以上のような構成の生成装置12aは、クロックサイクル毎に、式(4)に示す第4生成多項式の演算を行って、Lサイクルに0が連続する第1期間と、Mサイクルに1が連続する第2期間とを交互に繰り返すクロックライクパターンの出力信号SOaを生成することができる。
【0097】
なお、生成装置12aは、第4生成多項式を用いずに、動作クロックCLBをカウンタによりカウントすることにより、第1期間に0が連続し、第2期間に1が連続するパターンを繰り返す出力信号SOaを生成してもよい。第2実施形態においては、第1期間がLサイクル、第2期間がMサイクルであるので、生成装置12aは、動作クロックCLBをカウントすることにより、Lサイクル連続して0を発生し、Mサイクル連続して1を発生するパターンを繰り返す出力信号SOaを生成する。
【0098】
図11は、第2実施形態に係る生成装置12aにより生成される出力信号SOa等の波形の一例を示す図である。
【0099】
生成装置12aは、0がLサイクル連続し、続いて、1がMサイクル連続するパターンを繰り返すクロックライクパターンの出力信号SOaを出力することができる。
図11に示す例においては、生成装置12aは、1がMサイクル連続した後に、0がLサイクル連続し、続いて、1がMサイクル連続するパターンを繰り返す出力信号SOaを出力する。具体的には、
図11に示す例においては、生成装置12aは、0が5サイクル連続し、1が3サイクル連続するパターンを繰り返す出力信号SOaを出力している。
【0100】
図12は、第2実施形態に係る判定装置18aにより生成される検出信号SD等の波形の一例を示す図である。
【0101】
判定装置18aは、入力信号SIが予め定められたクロックライクパターンに一致するサイクルにおいて連続して1となり、一致しない場合に0となる検出信号SDを出力することができる。
図12に示す例においては、判定装置18aは、入力信号SIが、0が5サイクル連続し、1が3サイクル連続するクロックライクパターンに一致する場合に連続して1となり、一致しない場合に0となる検出信号SDを出力している。
【0102】
(第3実施形態)
第3実施形態に係る試験システム10bは、第1実施形態に係る試験システム10と略同一の機能および構成を有する。第3実施形態に係る試験システム10bについては、第1実施形態と略同一の機能および構成を有する装置、回路および信号等に同一の名称および符号を付け、相違点を除き詳細な説明を省略する。
【0103】
図13は、第3実施形態に係る試験システム10bの構成を示す図である。試験システム10bは、生成装置12bと、送信装置14と、受信装置16と、判定装置18bとを備える。
【0104】
生成装置12bは、第2期間が第1期間よりも長い出力信号SObを生成する。生成装置12bは、生成した出力信号SObを送信装置14に与える。第2実施形態において、第1期間はMサイクル、第2期間はLサイクルである。すなわち、第3実施形態において、出力信号SObは、Mサイクルの期間に0が連続し、Lサイクルの期間に1が連続するパターンを繰り返すクロックライクパターンの信号である。なお、L>Mである。
【0105】
判定装置18bは、受信装置16から入力信号SIおよび動作クロックCLAを取得する。判定装置18bは、クロックサイクル毎に、入力信号SIに含まれる入力データが、出力信号SObに含まれていた出力データと一致するか否かを判定する。そして、判定装置18bは、入力信号SIが出力信号SObと一致するか否かを表す判定結果を出力する。
【0106】
このような試験システム10bは、1が連続する期間が、0が連続する期間よりも長いクロックライクパターンの伝送試験を実施することができる。そして、試験システム10bは、このような1が連続する期間が、0が連続する期間よりも長いクロックライクパターンの伝送試験の実施により、例えば、符号化干渉等により発生するエラー特性等も試験することができる。
【0107】
図14は、第3実施形態に係る判定装置18bの構成を示す図である。判定装置18bは、推定回路32bと、判定回路34と、解析回路36とを有する。
【0108】
推定回路32bは、入力信号SIと動作クロックCLAとを取得する。推定回路32bは、推定データをクロックサイクル毎に含む推定信号SEbを生成する。推定回路32bは、クロックサイクル毎に、入力信号SIおよび動作クロックCLAと、予め定められた第5生成多項式とに基づき推定データを生成する。推定回路32bは、クロックサイクル毎に、推定データを含む推定信号SEbを判定回路34に与える。
【0109】
第3実施形態において、第1期間におけるサイクル数はM、第2期間におけるサイクル数はLである。従って、第3実施形態において、第5生成多項式は、式(5)により表される。
【数5】
【0110】
式(5)の右辺の上側の式は、x(n-k)をkを1からMまで変化させて総和演算をした結果が0である場合、または、x(n-k)をkを1からLまで変化させて総乗演算をした結果が1である場合、y(n)がx(n-1)の反転値となることを示す。また、式(5)の右辺の下側の式は、x(n-k)をkを1からMまで変化させて総和演算をした結果が0でない場合、且つ、x(n-k)をkを1からLまで変化させて総乗演算をした結果が1でない場合、y(n)がx(n-1)となることを示す。
【0111】
式(5)は、右辺の上側の式に示すように、0がMサイクル連続した場合、または、1がLサイクル連続した場合、y(n)を、x(n-1)の反転値とする。また、式(5)は、右辺の下側の式に示すように、0がMサイクル連続していない場合、且つ、1がLサイクル連続していない場合、y(n)を、x(n-1)の値とする。従って、推定回路32bは、このような式(5)に示す第5生成多項式を用いることにより、過去の入力信号SIに基づき、入力信号SIが、0がMサイクル連続し、1がLサイクル連続するクロックライクパターンである場合に推定される推定データを生成することができる。
【0112】
図15は、第3実施形態に係る推定回路32bおよび判定回路34の構成を示す図である。第3実施形態に係る推定回路32bは、記憶回路42と、演算回路44bとを含む。
【0113】
演算回路44bは、第nサイクルにおいて、記憶回路42に記憶されている第(n-1)サイクルから第(n-L)サイクルまでの、L個の入力データを取得する。第nサイクルにおいて、演算回路44bは、第(n-1)サイクルから第(n-M)サイクルまでの全ての入力データに対する論理和が0である場合、または、第(n-1)サイクルから第(n-L)サイクルまでの全ての入力データに対する論理積が1である場合、第(n-1)サイクルにおける入力データの反転値を推定データとして出力する。また、第nサイクルにおいて、演算回路44bは、第(n-1)サイクルから第(n-M)サイクルまでの全ての入力データに対する論理和が0でなく、且つ、第(n-1)サイクルから第(n-L)サイクルまでの全ての入力データに対する論理積が1でない場合、第(n-1)サイクルにおける入力データと同一の値を推定データとして出力する。
【0114】
例えば、演算回路44bは、第1OR回路48bと、第1NAND回路50と、第2NAND回路52と、第1EX-OR回路54とを含む。
【0115】
第1OR回路48bは、記憶回路42に記憶されている第(n-1)サイクルから第(n-M)サイクルまでの、全ての入力データの論理和を算出する。第1OR回路48bは、算出した論理和を第2NAND回路52に与える。第2NAND回路52は、第1OR回路48bにより算出された論理和と、第1NAND回路50により算出された論理積の反転値とを論理積演算して反転した値を算出する。このような構成の推定回路32bは、クロックサイクル毎に、演算回路44bにより算出された推定データを判定回路34へと出力する。
【0116】
以上のような構成の推定回路32bは、クロックサイクル毎に、式(5)に示す第5生成多項式の演算を行って、入力データを推定した推定データを生成することができる。
【0117】
図16は、第3実施形態に係る生成装置12bの構成を示す図である。
【0118】
第3実施形態に係る生成装置12bは、クロックサイクル毎に、動作クロックCLBと第6生成多項式とに基づき、出力データを生成する。第3実施形態において、第1期間におけるサイクル数はM、第2期間におけるサイクル数はLである。従って、第3実施形態において、第6生成多項式は、式(6)により表される。
【数6】
【0119】
式(6)の右辺の上側の式は、z(n-k)をkを1からMまで変化させて総和演算をした結果が0である場合、または、z(n-k)をkを1からLまで変化させて総乗演算をした結果が1である場合、z(n)がz(n-1)の反転値となることを示す。また、式(6)の右辺の下側の式は、z(n-k)をkを1からMまで変化させて総和演算をした結果が0でない場合、且つ、z(n-k)をkを1からLまで変化させて総乗演算をした結果が1でない場合、z(n)がz(n-1)となることを示す。
【0120】
式(6)は、右辺の上側の式に示すように、0がMサイクル連続した場合、または、1がLサイクル連続した場合、z(n)をz(n-1)の反転値とする。また、式(6)は、右辺の下側の式に示すように、0がMサイクル連続していない場合、且つ、1がLサイクル連続していない場合、z(n)をz(n-1)の値とする。従って、生成装置12bは、このような式(6)に示す第6生成多項式を用いることにより、0がMサイクル連続し、1がLサイクル連続するパターンを繰り返すクロックライクパターンの出力信号SObを生成することができる。
【0121】
第3実施形態に係る生成装置12bは、第6生成多項式を用いて出力信号SObを生成する場合、例えば、記憶回路42と、演算回路44bとを含む。
【0122】
記憶回路42は、
図15に示した記憶回路42の構成と同一の構成を有する。ただし、生成装置12bに適用される記憶回路42は、第nサイクルにおいて、入力信号SIに含まれる第nサイクルの入力データを取得することに代えて、演算回路44bにより演算された第nサイクルのデータを、入力データとして取得する。
【0123】
演算回路44bは、
図15に示した演算回路44bの構成と同一の構成を有する。ただし、生成装置12bに適用される演算回路44bは、推定データを判定回路34へと出力することに代えて、演算したデータを記憶回路42へとフィードバックする。
【0124】
そして、生成装置12bは、記憶回路42に含まれるL個のDフリップフロップ46の何れかに記憶された出力データを、クロックサイクル毎に出力する。
図16に示す例においては、生成装置12bは、第1のDフリップフロップ46-1に記憶された出力データを、クロックサイクル毎に出力することにより、出力信号SObを生成する。
【0125】
以上のような構成の生成装置12bは、クロックサイクル毎に、式(6)に示す第6生成多項式の演算を行って、Mサイクルに0が連続する第1期間と、Lサイクルに1が連続する第2期間とを交互に繰り返すクロックライクパターンの出力信号SObを生成することができる。
【0126】
なお、生成装置12bは、第6生成多項式を用いずに、動作クロックCLBをカウンタによりカウントすることにより、第1期間に0が連続し、第2期間に1が連続するパターンを繰り返す出力信号SObを生成してもよい。第3実施形態においては、第1期間がMサイクル、第2期間がLサイクルであるので、生成装置12bは、動作クロックCLBをカウントすることにより、Mサイクル連続して0を発生し、Lサイクル連続して1を発生するパターンを繰り返す出力信号SObを生成する。
【0127】
図17は、第3実施形態に係る生成装置12bにより生成される出力信号SOb等の波形の一例を示す図である。
【0128】
生成装置12bは、0がMサイクル連続し、続いて、1がLサイクル連続するパターンを繰り返すクロックライクパターンの出力信号SObを出力することができる。
図17に示す例においては、生成装置12bは、1がLサイクル連続した後に、0がMサイクル連続し、続いて、1がLサイクル連続するパターンを繰り返す出力信号SObを出力する。具体的には、
図17に示す例においては、生成装置12bは、0が3サイクル連続し、1が5サイクル連続するパターンを繰り返す出力信号SObを出力している。
【0129】
図18は、第3実施形態に係る判定装置18bにより生成される検出信号SD等の波形の一例を示す図である。
【0130】
判定装置18bは、入力信号SIが予め定められたクロックライクパターンに一致するサイクルにおいて連続して1となり、一致しない場合に0となる検出信号SDを出力することができる。
図18に示す例においては、判定装置18bは、入力信号SIが、0が3サイクル連続し、1が5サイクル連続するクロックライクパターンに一致する場合に連続して1となり、一致しない場合に0となる検出信号SDを出力している。
【0131】
(第4実施形態)
第4実施形態に係る試験システム10cは、第1実施形態に係る試験システム10と略同一の機能および構成を有する。第4実施形態に係る試験システム10cについては、第1実施形態と略同一の機能および構成を有する装置、回路および信号等に同一の名称および符号を付け、相違点を除き詳細な説明を省略する。
【0132】
図19は、第4実施形態に係る試験システム10cの構成を示す図である。第4実施形態に係る試験システム10cは、生成装置12cと、送信装置14と、受信装置16と、判定装置18cとを備える。
【0133】
生成装置12cは、第1期間と第2期間は同一である出力信号SOcを生成する。生成装置12cは、生成した出力信号SOcを送信装置14に与える。第4実施形態において、第1期間はLサイクル、第2期間はLサイクルである。
【0134】
さらに、生成装置12cは、例えば生成装置12cを制御する装置から周期設定値PBが与えられる。周期設定値PBは、例えば第1期間(または第2期間)のサイクル数から1を減算した値によって表される。生成装置12cは、与えられた周期設定値PBに応じて、出力信号SOcの第1期間(および第2期間)を変更する。
【0135】
判定装置18cは、受信装置16から入力信号SIおよび動作クロックCLAを取得する。判定装置18cは、クロックサイクル毎に、入力信号SIに含まれる入力データが、出力信号SOcに含まれていた出力データと一致するか否かを判定する。そして、判定装置18cは、入力信号SIが出力信号SOcと一致するか否かを表す判定結果を出力する。
【0136】
さらに、判定装置18cは、例えば判定装置18cを制御する装置から、生成装置12cに与えられた周期設定値PBと同一の周期設定値PAが与えられる。判定装置18cは、与えられた周期設定値PAに応じて、推定信号SEcの第1期間および第2期間を変更する。例えば、判定装置18cは、前述した第1生成多項式における第1期間および第2期間を、周期設定値PAに応じて変更する。より具体的には、判定装置18cは、式(1)に示した第1生成多項式におけるL(サイクル数)の値を、周期設定値PAに応じて変更する。
【0137】
このような試験システム10cは、第1期間および第2期間が同一であるクロックライクパターンの伝送試験を、クロックライクパターンの周期を変化させて実施することができる。
【0138】
図20は、第4実施形態に係る推定回路32cおよび判定回路34の構成を示す図である。第4実施形態に係る判定装置18cは、第1実施形態に係る判定装置18と比較し、推定回路32に代えて、
図20に示す推定回路32cを含む。
【0139】
推定回路32cは、第1カウンタ62と、第1比較器64と、第1反転回路66と、第1AND回路68と、第2カウンタ70と、第2比較器72と、第2AND回路74と、第1のDフリップフロップ46-1と、出力回路76とを含む。
【0140】
第1カウンタ62は、クロック端子に動作クロックCLAが与えられる。第1カウンタ62は、nビット幅(nは、所定の整数)の第1カウント値を記憶する。nは、少なくとも第1期間(および第2期間)の最大値をバイナリで表現可能なビット数である。第1カウンタ62は、動作クロックCLAが与えられる毎に、第1カウント値を所定値カウントアップする。本実施形態においては、第1カウンタ62は、動作クロックCLAが与えられる毎に、第1カウント値を1インクリメントする。
【0141】
第1カウンタ62は、第1リセット端子に、非同期リセット信号RSAが与えられる。第1カウンタ62は、非同期リセット信号RSAが0となった場合、第1カウント値を所定値、例えば0にリセットする。
【0142】
第1カウンタ62は、第2リセット端子に、第1AND回路68から出力される第1同期リセット信号が与えられる。第1カウンタ62は、第1同期リセット信号が0となった場合、動作クロックCLAに同期して第1カウント値を所定値、例えば0にリセットする。
【0143】
第1カウンタ62は、第1リセット端子および第2リセット端子が共に1の場合、動作クロックCLAに同期して、記憶内容を更新(インクリメント)する。
【0144】
第1比較器64は、周期設定値PAと、第1カウンタ62から出力された第1カウント値とを取得する。周期設定値PAおよび第1カウント値のそれぞれは、nビット幅で表される2以上の整数である。第1比較器64は、0または1で表される第1比較結果を出力する。第1比較器64は、第1カウント値と周期設定値PAとが一致した場合、第1比較結果として0を出力し、第1カウント値と周期設定値PAとが一致しない場合、第1比較結果として1を出力する。
【0145】
すなわち、第1比較器64は、第1カウント値が第1期間を表す値となった場合、第1比較結果として0を出力する。また、第1比較器64は、第1カウント値が第1期間を表す値以外の場合、第1比較結果として1を出力する。本実施形態においては、第1比較器64は、第1カウント値が(L-1)となった場合、第1比較結果として0を出力し、第1カウント値が(L-1)以外の場合、第1比較結果として1を出力する。
【0146】
第1反転回路66は、入力信号SIを反転させ、反転された入力信号SIを出力する。
【0147】
第1AND回路68は、第1反転回路66により反転された入力信号SIと、第1比較器64から出力された第1比較結果とが与えられる。第1AND回路68は、入力データの反転値が1であり且つ第1比較結果が1である場合、第1同期リセット信号として1を出力し、入力データの反転値および第1比較結果の少なくとも一方が0の場合、第1同期リセット信号として0を出力する。
【0148】
このような第1カウンタ62は、クロックサイクル毎に、第1カウント値をカウントアップする。そして、第1カウンタ62は、入力信号SIに1が含まれる場合、または、第1カウント値が第1期間を表す値となった場合、第1カウント値を所定値(例えば0)にリセットする。これにより、第nサイクルにおいて、第1カウンタ62は、第nサイクルの直前までの期間において連続する0の個数を表す値を、第1カウント値として記憶することができる。
【0149】
また、第1比較器64は、第nサイクルにおいて、第1期間に相当するサイクル数分の連続した0が入力信号SIに含まれた場合、第1比較結果として0を出力することができる。また、第1比較器64は、第nサイクルにおいて、第1期間に相当するサイクル数分の連続した0が入力信号SIに含まれていない場合、第1比較結果として1を出力することができる。これにより、第1比較器64は、第1期間に含まれる全ての入力データに対する論理和が0である場合、第1比較結果として0を出力し、第1期間に含まれる全ての入力データに対する論理和が0ではない場合、第1比較結果として1を出力することができる。
【0150】
第2カウンタ70は、クロック端子に動作クロックCLAが与えられる。第2カウンタ70は、nビット幅の第2カウント値を記憶する。第2カウンタ70は、動作クロックCLAが与えられる毎に、第2カウント値を所定値カウントアップする。本実施形態においては、第2カウンタ70は、動作クロックCLAが与えられる毎に、第2カウント値を1インクリメントする。
【0151】
第2カウンタ70は、第1リセット端子に、非同期リセット信号RSAが与えられる。第2カウンタ70は、非同期リセット信号RSAが0となった場合、第2カウント値を所定値、例えば0にリセットする。
【0152】
第2カウンタ70は、第2リセット端子に、第2AND回路74から出力される第2同期リセット信号が与えられる。第2カウンタ70は、第2同期リセット信号が0となった場合、動作クロックCLAに同期して第2カウント値を所定値、例えば0にリセットする。
【0153】
第2カウンタ70は、第1リセット端子および第2リセット端子が共に1の場合、動作クロックCLAに同期して、記憶内容を更新(インクリメント)する。
【0154】
第2比較器72は、周期設定値PAと、第2カウンタ70から出力された第2カウント値とを取得する。周期設定値PAおよび第2カウント値のそれぞれは、nビット幅で表される2以上の整数である。第2比較器72は、0または1で表される第2比較結果を出力する。第2比較器72は、第2カウント値と周期設定値PAとが一致した場合、第2比較結果として0を出力し、第2カウント値と周期設定値PAとが一致しない場合、第2比較結果として1を出力する。
【0155】
すなわち、第2比較器72は、第2カウント値が第2期間を表す値となった場合、第2比較結果として0を出力する。また、第2比較器72は、第2カウント値が第2期間を表す値以外の場合、第2比較結果として1を出力する。本実施形態においては、第2比較器72は、第2カウント値が(L-1)となった場合、第2比較結果として0を出力し、第2カウント値が(L-1)以外の場合、第2比較結果として1を出力する。
【0156】
第2AND回路74は、入力信号SIと、第2比較器72から出力された第2比較結果とが与えられる。第2AND回路74は、入力データが1であり且つ第2比較結果が1である場合、第2同期リセット信号として1を出力し、入力データおよび第2比較結果の少なくとも一方が0の場合、第2同期リセット信号として0を出力する。
【0157】
このような第2カウンタ70は、クロックサイクル毎に、第2カウント値をカウントアップする。そして、第2カウンタ70は、入力信号SIに0が含まれる場合、または、第2カウント値が第2期間を表す値となった場合、第2カウント値を所定値(例えば0)にリセットする。これにより、第nサイクルにおいて、第2カウンタ70は、第nサイクルの直前までの期間において連続する1の個数を表す値を、第2カウント値として記憶することができる。
【0158】
また、第2比較器72は、第nサイクルにおいて、第2期間に相当するサイクル数分の連続した1が入力信号SIに含まれた場合、第2比較結果として0を出力することができる。また、第2比較器72は、第nサイクルにおいて、第2期間に相当するサイクル数分の連続した1が入力信号SIに含まれていない場合、第2比較結果として1を出力することができる。これにより、第2比較器72は、第2期間に含まれる全ての入力データに対する論理積が1である場合、第2比較結果として0を出力し、第2期間に含まれる全ての入力データに対する論理積が1ではない場合、第2比較結果として1を出力することができる。
【0159】
第1のDフリップフロップ46-1は、クロック端子に動作クロックCLAが与えられる。第1のDフリップフロップ46-1は、入力信号SIに含まれる入力データをD端子から取得する。第1のDフリップフロップ46-1は、動作クロックCLAのタイミングにおいて、D端子に入力されたデータを取得して記憶する。第1のDフリップフロップ46-1は、動作クロックCLAに応じて、記憶しているデータをQ端子から出力する。
【0160】
第1のDフリップフロップ46-1は、例えば動作開始のタイミングにおいて、リセット端子に、リセット信号が与えられる。第1のDフリップフロップ46-1は、リセット信号が0となった場合、記憶するデータを1または0の何れかの所定の値にリセットする。このような第1のDフリップフロップ46-1は、第nサイクルにおいて、第(n-1)サイクルの入力データをQ端子から出力することができる。
【0161】
出力回路76は、第nサイクルにおいて、第1のDフリップフロップ46-1から、第(n-1)サイクルの入力データを取得する。また、出力回路76は、第1比較器64から第1比較結果を取得し、第2比較器72から第2比較結果を取得する。そして、クロックサイクル毎に、出力回路76は、第1カウント値が第1期間を表す値となった場合、または、第2カウント値が第2期間を表す値となった場合、第(n-1)サイクルにおける入力データの反転値を、第nサイクルにおける推定データとして出力する。また、クロックサイクル毎に、出力回路76は、第1カウント値が第1期間を表す値でない場合、且つ、第2カウント値が第2期間を表す値でない場合、第(n-1)サイクルにおける入力データと同一の値を、第nサイクルにおける推定データとして出力する。
【0162】
例えば、出力回路76は、第3NAND回路78と、第2EX-OR回路80とを含む。
【0163】
第3NAND回路78は、第1比較器64から出力された第1比較結果と、第2比較器72から出力された第2比較結果とを論理積演算して反転した値を算出する。従って、第nサイクルにおいて、第3NAND回路78は、第(n-1)サイクルから第(n-L)サイクルまでの全ての入力データに対する論理和が0である場合、または、第(n-1)サイクルから第(n-L)サイクルまでの全ての入力データに対する論理積が1である場合、1を出力する。また、第nサイクルにおいて、第3NAND回路78は、第(n-1)サイクルから第(n-L)サイクルまでの全ての入力データに対する論理和が0でない場合、且つ、第(n-1)サイクルから第(n-L)サイクルまでの全ての入力データに対する論理積が1でない場合、0を出力する。
【0164】
第2EX-OR回路80は、第3NAND回路78により算出されたデータを取得する。さらに、第2EX-OR回路80は、第1のDフリップフロップ46-1のQ端子からのデータを取得する。第2EX-OR回路80は、取得した2つのデータの排他的論理和を、推定データとして出力する。すなわち、第nサイクルにおいて、第2EX-OR回路80は、第3NAND回路78から1が出力された場合、第(n-1)サイクルの入力データの反転値を、推定データとして出力する。また、第nサイクルにおいて、第2EX-OR回路80は、第3NAND回路78から0が出力された場合、第(n-1)サイクルの入力データと同一の値を推定データとして出力する。
【0165】
このような構成の推定回路32cは、第nサイクルにおいて、第(n-1)サイクルから第(n-L)サイクルまでの全ての入力データに対する論理和が0である場合、または、第(n-1)サイクルから第(n-L)サイクルまでの全ての入力データに対する論理積が1である場合、第(n-1)サイクルにおける入力データの反転値を推定データとして出力することができる。また、第nサイクルにおいて、推定回路32cは、第(n-1)サイクルから第(n-L)サイクルまでの全ての入力データに対する論理和が0でなく、且つ、第(n-1)サイクルから第(n-L)サイクルまでの全ての入力データに対する論理積が1でない場合、第(n-1)サイクルにおける入力データと同一の値を推定データとして出力することができる。
【0166】
そして、推定回路32cは、クロックサイクル毎に、算出した推定データを含む推定信号SEcを判定回路34へと出力する。
【0167】
以上のような構成の推定回路32cは、クロックサイクル毎に、式(1)に示す第1生成多項式の演算を行って、入力データを推定した推定データを生成することができる。さらに、推定回路32cは、周期設定値PAに応じて、検出すべき入力信号SIの周期を変更することができる。
【0168】
図21は、検出すべき入力信号SIの周期と、周期設定値PAとの関係を示す図である。周期設定値PAは、出力信号SOcの周期のサイクル数の1/2から、1を減算した値である。従って、例えば、周期設定値PAは、周期が2サイクルの場合には、0となり、周期が4サイクルの場合には1となり、周期が2Lサイクルの場合には、L-1となる。
【0169】
図22は、第1カウンタ62の構成の一例を示す図である。第1カウンタ62は、例えば
図22に示すように構成される。
【0170】
例えば、第1カウンタ62は、n個のカウンタDフリップフロップ82(82-1~82-n)と、第2反転回路84と、(n-2)個の第3AND回路86(86-2~86-(n-1))と、(n-1)個の第3EX-OR回路88(88-2~88-n)と、n個の第4AND回路90(90-1~90-n)とを備える。
【0171】
n個のカウンタDフリップフロップ82のそれぞれは、クロック端子に動作クロックCLAが与えられる。N個のカウンタDフリップフロップ82のそれぞれは、動作クロックCLAのタイミングにおいて、D端子に入力されたデータを取得して記憶する。n個のカウンタDフリップフロップ82のそれぞれは、動作クロックCLAに応じて、記憶しているデータをQ端子から出力する。
【0172】
n個のカウンタDフリップフロップ82のそれぞれは、例えば動作開始のタイミングにおいて、リセット端子に、非同期リセット信号RSAが与えられる。n個のカウンタDフリップフロップ82のそれぞれは、非同期リセット信号RSAが0となった場合、記憶するデータを0にリセットする。
【0173】
n個のカウンタDフリップフロップ82は、2進数により表された第1カウント値における第1ビットから第nビットまでのnビットに対応する。n個のカウンタDフリップフロップ82のうちの第jビットに対応するカウンタDフリップフロップ82-j(jは、1からnまでの任意の整数)は、n個の第4AND回路90のうちの第jビットに対応する第4AND回路90-jから出力された値を、D端子を介して取得する。
【0174】
第2反転回路84は、nビットのうちの第1ビットに対応する。第2反転回路84は、n個のカウンタDフリップフロップ82のうちの第1ビットに対応するカウンタDフリップフロップ82-1のQ端子から出力されるデータの反転値を出力する。
【0175】
(n-2)個の第3AND回路86は、nビットのうちの第2ビットから第(n-1)ビットに対応する。(n-2)個の第3AND回路86のうちの第kビット(kは、2から(n-1)までの任意の整数)に対応する第3AND回路86-kは、第(k-1)ビットに対応するカウンタDフリップフロップ82-(k-1)のQ端子から出力されるデータと、第kビットに対応するカウンタDフリップフロップ82-kのQ端子から出力されるデータとをAND演算した結果を出力する。
【0176】
(n-1)個の第3EX-OR回路88は、nビットのうちの第2ビットから第nビットに対応する。(n-1)個の第3EX-OR回路88のうちの第2ビットに対応する第3EX-OR回路88-2は、第1ビットに対応するカウンタDフリップフロップ82-1のQ端子から出力されるデータと、第2ビットに対応するカウンタDフリップフロップ82-2のQ端子から出力されるデータとを排他的論理和演算した結果を出力する。(n-1)個の第3EX-OR回路88のうちの第pビット(pは、3からnまでの任意の整数)に対応する第3EX-OR回路88-pは、第(p-1)ビットに対応する第3AND回路86-(p-1)から出力されたデータと、第pビットに対応するカウンタDフリップフロップ82-pのQ端子から出力されるデータとの排他的論理和演算した結果を出力する。
【0177】
n個の第4AND回路90は、nビットのうちの第1ビットから第nビットに対応する。n個の第4AND回路90のうちの第1ビットに対応する第4AND回路90-1は、第1AND回路68から出力される第1同期リセット信号と、第2反転回路84から出力されるデータとを論理積演算した結果を出力する。n個の第4AND回路90のうちの第rビット(rは、2からnまでの任意の整数)に対応する第4AND回路90-rは、第1同期リセット信号と、第rビットに対応する第3EX-OR回路88-rから出力されるデータとを論理積演算した結果を出力する。
【0178】
そして、第1カウンタ62は、n個のカウンタDフリップフロップ82のそれぞれが記憶しているデータを、第1カウント値における対応するビットの値として出力する。
【0179】
このような第1カウンタ62は、n個のカウンタDフリップフロップ82に、nビットの2進数で表された第1カウント値を記憶し、クロックサイクル毎に第1カウント値を1ずつ増加させることができる。さらに、第1カウンタ62は、第1同期リセット信号が0となった場合、第1カウント値を0にリセットすることができる。
【0180】
なお、第2カウンタ70は、第1AND回路68から出力される第1同期リセット信号に代えて、第2AND回路74から出力される第2同期リセット信号を取得する。また、第2カウンタ70は、第1カウント値に代えて第2カウント値を出力する。第2カウンタ70は、これらの点において、第1カウンタ62と異なるが、他の構成は第1カウンタ62と同一である。
【0181】
図23は、第1比較器64の構成の一例を示す図である。第1比較器64は、例えば
図23に示すように構成される。
【0182】
例えば、第1比較器64は、n個の第2EX-NOR回路92と、第4NAND回路94とを備える。
【0183】
n個の第2EX-NOR回路92は、nビットのうちの第1ビットから第nビットに対応する。n個の第2EX-NOR回路92のうちの第jビットに対応する第2EX-NOR回路92-jは、第1カウンタ62から出力された第1カウント値のjビット目の値と、周期設定値PAのjビット目の値とを取得する。第jビットに対応する第2EX-NOR回路92-jは、取得した2つのデータが一致した場合に1、一致しない場合に0を出力する。
【0184】
第4NAND回路94は、n個の第2EX-NOR回路92から出力された全てのデータを論理積演算して反転した値を、第1比較結果として出力する。このような構成の第1比較器64は、第1カウンタ値と周期設定値PAとが一致した場合に0、一致しない場合に1を表す第1比較結果を出力することができる。
【0185】
なお、第2比較器72は、第1カウンタ62から出力された第1カウント値に代えて、第2カウンタ70から出力された第2カウント値を取得する。また、第2比較器72は、第1比較結果に代えて、第2比較結果を出力する。第2比較器72は、これらの点において、第1比較器64と異なるが、他の構成は第1比較器64と同一である。
【0186】
図24は、第4実施形態に係る生成装置12cの構成を示す図である。
【0187】
第4実施形態に係る生成装置12cは、
図20に示す推定回路32cの構成と略同一の構成を有する。ただし、生成装置12cは、第nサイクルにおいて、入力信号SIに含まれる第nサイクルの入力データを取得することに代えて、生成装置12cにより生成された第nサイクルのデータを、入力データとして取得する。すなわち、生成装置12cは、第nサイクルにおいて、推定データを判定回路34へと出力することに代えて、生成したデータを自身にフィードバックする。そして、生成装置12cは、第1のDフリップフロップ46-1に記憶された出力データを、クロックサイクル毎に出力することにより、出力信号SOcを生成する。
【0188】
以上のような構成の生成装置12cは、クロックサイクル毎に、式(2)に示す第2生成多項式の演算を行って、Lサイクルに0が連続する第1期間と、Lサイクルに1が連続する第2期間とを交互に繰り返すクロックライクパターンの出力信号SOcを生成することができる。なお、生成装置12cは、第2生成多項式を用いずに、動作クロックCLBをカウンタによりカウントすることにより、第1期間に0が連続し、第2期間に1が連続するパターンを繰り返す出力信号SOcを生成してもよい。
【0189】
図25は、第4実施形態に係る生成装置12cにより生成される出力信号SOc等の波形の一例を示す図である。
【0190】
生成装置12cは、周期設定値PBが与えられる。生成装置12cは、与えられた周期設定値PBに応じて、0がLサイクル連続し、続いて、1がLサイクル連続するパターンを繰り返すクロックライクパターンの出力信号SOcを出力することができる。
図25に示す例においては、生成装置12cは、周期設定値PBとして、16進数の“0bh”が与えられている。また、
図25に示す例においては、生成装置12cは、0が12サイクル連続し、1が12サイクル連続するパターンを繰り返す出力信号SOcを出力している。
【0191】
図26は、第4実施形態に係る判定装置18cにより生成される検出信号SD等の波形の一例を示す図である。
【0192】
判定装置18cは、周期設定値PAが与えられる。判定装置18cは、入力信号SIが、与えられた周期設定値PAに応じたクロックライクパターンに一致するサイクルにおいて連続して1となり、一致しない場合に0となる検出信号SDを出力することができる。
図26に示す例においては、判定装置18cは、周期設定値PAとして、16進数の“0bh”が与えられている。また、
図26に示す例においては、入力信号SIが、0が12サイクル連続し、1が12サイクル連続するクロックライクパターンに一致する場合に1、一致しない場合に0となる検出信号SDを出力している。
【0193】
(第5実施形態)
第5実施形態に係る試験システム10dは、第4実施形態に係る試験システム10cと略同一の機能および構成を有する。第5実施形態に係る試験システム10dについては、第4実施形態と略同一の機能および構成を有する装置、回路および信号等に同一の名称および符号を付け、相違点を除き詳細な説明を省略する。
【0194】
図27は、第5実施形態に係る試験システム10dの構成を示す図である。第5実施形態に係る試験システム10dは、生成装置12dと、送信装置14と、受信装置16と、判定装置18dとを備える。
【0195】
生成装置12dは、第1期間と第2期間とが異なる出力信号SOdを生成する。生成装置12dは、生成した出力信号SOdを送信装置14に与える。
【0196】
例えば、第1期間はLサイクル、第2期間はMサイクルに対応する。この場合、出力信号SOdは、Lサイクルに0が連続し、Mサイクルに1が連続するパターンを繰り返すクロックライクパターンの信号である。
【0197】
また、第1期間はMサイクル、第2期間はLサイクルに対応してもよい。この場合、出力信号SOdは、Mサイクルに0が連続し、Lサイクルに1が連続するパターンを繰り返すクロックライクパターンの信号である。
【0198】
さらに、生成装置12dは、例えば生成装置12dを制御する装置から第1期間設定値TB1および第2期間設定値TB2が与えられる。第1期間設定値TB1は、例えば第1期間のサイクル数から1を減算した値によって表される。第2期間設定値TB2は、例えば第2期間のサイクル数から1を減算した値によって表される。生成装置12dは、与えられた第1期間設定値TB1に応じて、第1期間を変更する。生成装置12dは、与えられた第2期間設定値TB2に応じて、第2期間を変更する。
【0199】
判定装置18dは、受信装置16から入力信号SIおよび動作クロックCLAを取得する。判定装置18dは、クロックサイクル毎に、入力信号SIに含まれる入力データが、出力信号SOdに含まれていた出力データと一致するか否かを判定する。そして、判定装置18dは、入力信号SIが出力信号SOdと一致するか否かを表す判定結果を出力する。
【0200】
さらに、判定装置18dは、例えば判定装置18dを制御する装置から、生成装置12dに与えられた第1期間設定値TB1および第2期間設定値TB2と同一の第1期間設定値TA1および第2期間設定値TA2が与えられる。判定装置18dは、与えられた第1期間設定値TA1および第2期間設定値TA2に応じて、検出信号SDの第1期間および第2期間を変更する。例えば、判定装置18dは、前述した第3生成多項式または第5生成多項式における第1期間および第2期間を、第1期間設定値TA1および第2期間設定値TA2に応じて変更する。
【0201】
より具体的には、判定装置18dは、第1期間が第2期間より長い場合、式(3)に示した第3生成多項式におけるL(サイクル数)の値を第1期間設定値TA1に応じて変更し、M(サイクル数)の値を第2期間設定値TA2に応じて変更する。また、判定装置18dは、第2期間が第1期間より長い場合、式(5)に示した第5生成多項式におけるM(サイクル数)の値を第1期間設定値TA1に応じて変更し、L(サイクル数)の値を第2期間設定値TA2に応じて変更する。
【0202】
このような試験システム10dは、第1期間と第2期間とが異なるクロックライクパターンの伝送試験を、クロックライクパターンの周期およびデューティ比を変化させて実施することができる。
【0203】
図28は、第5実施形態に係る推定回路32dおよび判定回路34の構成を示す図である。第5実施形態に係る判定装置18dは、
図20に示す判定装置18dの構成と略同一の構成を有する。ただし、推定回路32dは、周期設定値PAに代えて、第1期間設定値TA1および第2期間設定値TA2が与えられる。第1期間設定値TA1および第2期間設定値TA2のそれぞれは、nビット幅で表される2以上の整数である。
【0204】
第5実施形態において、第1比較器64は、周期設定値PAに代えて第1期間設定値TA1を取得する。第1比較器64は、第1カウント値と第1期間設定値TA1とが一致した場合、第1比較結果として0を出力し、第1カウント値と第1期間設定値TA1とが一致しない場合、第1比較結果として1を出力する。例えば、第1期間のサイクル数がLであれば、第1比較器64は、第1カウント値が(L-1)となった場合、第1比較結果として0を出力し、第1カウント値が(L-1)以外の場合、第1比較結果として1を出力する。第1期間のサイクル数がMであれば、第1比較器64は、第1カウント値が(M-1)となった場合、第1比較結果として0を出力し、第1カウント値が(M-1)以外の場合、第1比較結果として1を出力する。
【0205】
第5実施形態において、第2比較器72は、周期設定値PAに代えて第2期間設定値TA2を取得する。第2比較器72は、第2カウント値と第2期間設定値TA2とが一致した場合、第2比較結果として0を出力し、第2カウント値と第2期間設定値TA2とが一致しない場合、第2比較結果として1を出力する。例えば、第2期間のサイクル数がMであれば、第2比較器72は、第2カウント値が(M-1)となった場合、第2比較結果として0を出力し、第2カウント値が(M-1)以外の場合、第2比較結果として1を出力する。第2期間のサイクル数がLであれば、第2比較器72は、第2カウント値が(L-1)となった場合、第2比較結果として0を出力し、第2カウント値が(L-1)以外の場合、第2比較結果として1を出力する。
【0206】
第1期間のサイクル数がLであり、第2期間のサイクル数がMである場合、推定回路32dは、第nサイクルにおいて、第(n-1)サイクルから第(n-L)サイクルまでの全ての入力データに対する論理和が0である場合、または、第(n-1)サイクルから第(n-M)サイクルまでの全ての入力データに対する論理積が1である場合、第(n-1)サイクルにおける入力データの反転値を推定データとして出力することができる。また、第nサイクルにおいて、推定回路32dは、第(n-1)サイクルから第(n-L)サイクルまでの全ての入力データに対する論理和が0でなく、且つ、第(n-1)サイクルから第(n-M)サイクルまでの全ての入力データに対する論理積が1でない場合、第(n-1)サイクルにおける入力データと同一の値を推定データとして出力することができる。
【0207】
また、第1期間のサイクル数がMであり、第2期間のサイクル数がLである場合、推定回路32dは、第nサイクルにおいて、第(n-1)サイクルから第(n-M)サイクルまでの全ての入力データに対する論理和が0である場合、または、第(n-1)サイクルから第(n-L)サイクルまでの全ての入力データに対する論理積が1である場合、第(n-1)サイクルにおける入力データの反転値を推定データとして出力することができる。また、第nサイクルにおいて、推定回路32dは、第(n-1)サイクルから第(n-M)サイクルまでの全ての入力データに対する論理和が0でなく、且つ、第(n-1)サイクルから第(n-L)サイクルまでの全ての入力データに対する論理積が1でない場合、第(n-1)サイクルにおける入力データと同一の値を推定データとして出力することができる。
【0208】
そして、推定回路32dは、クロックサイクル毎に、算出した推定データを含む推定信号SEdを判定回路34へと出力する。
【0209】
以上のような構成の推定回路32dは、第1期間のサイクル数がLであり、第2期間のサイクル数がMである場合、クロックサイクル毎に、式(3)に示す第3生成多項式の演算を行って、入力データを推定した推定データを生成することができる。また、推定回路32dは、第1期間のサイクル数がMであり、第2期間のサイクル数がLである場合、クロックサイクル毎に、式(5)に示す第5生成多項式の演算を行って、入力データを推定した推定データを生成することができる。さらに、推定回路32cは、出すべき入力信号SIの周期およびデューティ比を変更することができる。
【0210】
図29は、第1期間(または第2期間)と、第1期間設定値TA1(または第2期間設定値TA2)との関係を示す図である。第1期間設定値TA1は、第1期間の周期のサイクル数から1を減算した値である。従って、例えば、第1期間設定値TA1は、第1期間が1サイクルの場合には0となり、第1期間が2サイクルの場合には1となり、第1期間がMサイクルの場合にはM-1となり、第1期間がLサイクルの場合にはL-1となる。
【0211】
また、第2期間設定値TA2も、第2期間の周期のサイクル数から1を減算した値である。本実施形態において、第1期間のサイクル数と第2期間のサイクル数とは異なってもよいし、同一であってもよい。
【0212】
図30は、第5実施形態に係る生成装置12dの構成を示す図である。
【0213】
第5実施形態に係る生成装置12dは、
図28に示す推定回路32dの構成と略同一の構成を有する。ただし、生成装置12dは、第nサイクルにおいて、入力信号SIに含まれる第nサイクルの入力データを取得することに代えて、生成装置12dにより生成された第nサイクルのデータを、入力データとして取得する。すなわち、生成装置12dは、第nサイクルにおいて、推定データを判定回路34へと出力することに代えて、生成したデータを自身にフィードバックする。そして、生成装置12dは、第1のDフリップフロップ46-1に記憶された出力データを、クロックサイクル毎に出力することにより、出力信号SOdを生成する。
【0214】
以上のような構成の生成装置12dは、第1期間のサイクル数がLであり、第2期間のサイクル数がMである場合、クロックサイクル毎に、式(4)に示す第4生成多項式の演算を行って、Lサイクルに0が連続する第1期間と、Mサイクルに1が連続する第2期間とを交互に繰り返すクロックライクパターンの出力信号SOdを生成することができる。また、生成装置12dは、第1期間のサイクル数がMであり、第2期間のサイクル数がLである場合、クロックサイクル毎に、式(6)に示す第2生成多項式の演算を行って、Mサイクルに0が連続する第1期間と、Lサイクルに1が連続する第2期間とを交互に繰り返すクロックライクパターンの出力信号SOdを生成することができる。
【0215】
なお、生成装置12dは、第2生成多項式を用いずに、動作クロックCLBをカウンタによりカウントすることにより、第1期間に0が連続し、第2期間に1が連続するパターンを繰り返す出力信号SOdを生成してもよい。
【0216】
図31は、第5実施形態に係る生成装置12dにより生成される出力信号SOd等の波形の一例を示す図である。
【0217】
生成装置12dは、第1期間設定値TB1および第2期間設定値TB2が与えられる。生成装置12dは、与えられた第1期間設定値TB1および第2期間設定値TB2に応じた周期およびデューティ比のクロックライクパターンの出力信号SOdを出力することができる。
図31に示す例においては、生成装置12dは、第1期間設定値TB1として、16進数の“10h”が与えられ、第2期間設定値TB2として、16進数の“06h”が与えられている。また、
図31に示す例においては、生成装置12dは、0が17サイクル連続し、1が7サイクル連続するパターンを繰り返す出力信号SOdを出力している。
【0218】
図32は、第5実施形態に係る判定装置18dにより生成される検出信号SD等の波形の一例を示す図である。
【0219】
判定装置18dは、第1期間設定値TA1および第2期間設定値TA2が与えられる。判定装置18dは、入力信号SIが、与えられた第1期間設定値TA1および第2期間設定値TA2に応じたクロックライクパターンに一致するサイクルにおいて連続して1となり、一致しない場合に0となる検出信号SDを出力することができる。
図32に示す例においては、判定装置18dは、第1期間設定値TA1として、16進数の“10h”が与えられ、第2期間設定値TA2として、16進数の“06h”が与えられている。また、
図32に示す例においては、入力信号SIが、0が17サイクル連続し、1が7サイクル連続するクロックライクパターンに一致する場合に1、一致しない場合に0となる検出信号SDを出力している。
【0220】
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
【符号の説明】
【0221】
10,10a,10b 試験システム
12,12a,12b,12c,12d 生成装置
14 送信装置
16 受信装置
18,18a,18b,18c,18d 判定装置
20 伝送線路
32,32a,32b,32c, 推定回路
34 判定回路
36 解析回路
42 記憶回路
44,44a,44b 演算回路
46 Dフリップフロップ
46-1 第1のDフリップフロップ
46-i 第iのDフリップフロップ
48,48b 第1OR回路
50,50a 第1NAND回路
52 第2NAND回路
54 第1EX-OR回路
56 EX-NOR回路
58 判定Dフリップフロップ
62 第1カウンタ
64 第1比較器
66 第1反転回路
68 第1AND回路
70 第2カウンタ
72 第2比較器
74 第2AND回路
76 出力回路
78 第3NAND回路
80 第2EX-OR回路
82 カウンタDフリップフロップ
84 第2反転回路
86 第3AND回路
88 第3EX-OR回路
90 第4AND回路
92 第2EX-NOR回路
94 第4NAND回路
SI 入力信号
CLA,CLB 動作クロック
SO,SOa,SOb,SOc,SOd 出力信号
SE,SEa,SEb,SEc,SEd 推定信号
RSA、RSB 非同期リセット信号
SD 検出信号
PA,PB 周期設定値
TA1,TB1 第1期間設定値
TA2,TB2 第2期間設定値