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特開2024-61531ストッパー付き浮上式ストローとその使用方法
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  • 特開-ストッパー付き浮上式ストローとその使用方法 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024061531
(43)【公開日】2024-05-07
(54)【発明の名称】ストッパー付き浮上式ストローとその使用方法
(51)【国際特許分類】
   A47G 21/18 20060101AFI20240425BHJP
   B65D 23/00 20060101ALI20240425BHJP
【FI】
A47G21/18
B65D23/00 C
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022169531
(22)【出願日】2022-10-21
(71)【出願人】
【識別番号】597081156
【氏名又は名称】堤 義昭
(74)【代理人】
【識別番号】100195970
【弁理士】
【氏名又は名称】本夛 伸介
(72)【発明者】
【氏名】堤 義昭
【テーマコード(参考)】
3B115
3E062
【Fターム(参考)】
3B115AA17
3B115BA18
3E062AA09
3E062AB02
3E062BA04
3E062BB02
(57)【要約】
【課題】本発明は、上記のとおり、衛生的で飲料容器の操作性にすぐれたストッパー付き浮上式ストローとその使用方法を提供するものである。特に容器内の飲料用液体を飲むに際し、周囲に不快感を与えることなく、最後まで飲み干すことができる機能的なストローの提供とこれを使用する方法を提供することを主たる目的とするものである。
【解決手段】本発明によれば、ストローの最上部には飲料用容器の首丈以上の長さの蛇腹部と、該蛇腹部には、前記飲料用容器の首付け根部における口内径以上の直径サイズのストッパーとを備え、さらに前記ストローの最下部には液体の浮力を受けるために必要な浮き具を備えるストローの使用によって、飲料用容器内に充填された液体をストレスなくすべてを飲み干すことができる。
【選択図】 図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
飲料用容器内に充填された液体の浮力によって上昇する浮上式ストローであって、該ストローの最上部には容器の首丈以上の長さの蛇腹部と、該蛇腹部には、前記飲料用容器の首付け根部における口内径以上の直径サイズのストッパーとを備え、さらに前記ストローの最下部には液体の浮力を受けるために必要な浮き具を備えた浮上式ストロー。
【請求項2】
飲料容器内に充填された液体量が該飲料容器の首丈以上残存する場合において、前記液体の浮力によってストローが上昇し、ストッパーが前記飲料容器の首付け根部の位置で固定された際、前記ストロー最下部と前記飲料容器底面との距離が、前記首丈と同じ同一寸法であることを特徴とする請求項1に記載の浮上式ストロー。
【請求項3】
ストローの最上部の蛇腹部に設けたストッパーが、可動式であることを特徴とする請求項1又は請求項2いずれかに記載の浮上式ストロー。
【請求項4】
ストローの最上部の蛇腹部に設けたストッパーが、伸縮性および弾力性を有する樹脂で構成されることを特徴とする請求項1又は請求項2いずれかに記載の浮上式ストロー。
【請求項5】
請求項1に記載した浮上式ストローによって、飲料容器に充填された液体のすべてを前記飲料容器の口天部から一定の距離で吸引して飲み干すことができるストッパー付き浮上式ストローの使用方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ストッパー付き浮上式ストローとその使用方法に関するものである。詳細には飲料用容器内に充填された液体の浮力によって上昇する浮上式ストローであって、該ストローの最上部には容器の首丈以上の長さの蛇腹部と、該蛇腹部には、前記飲料用容器の首付け根部における口内径以上の直径サイズのストッパーとを備え、さらに前記ストローの最下部には液体の浮力を受けるために必要な浮き具を備えた浮上式ストローと当該浮上式ストローの使用方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
ストローは、私どもの日常生活にすっかり定着したアイテムとなり、その利便性は取りたてて説明するまでもない。
一方では、生活シーンやライフスタイルは時代とともに変遷し、ストローの使用態様も時代とともに多様化している。
【0003】
その一因として、生活用品の進化が挙げられる。例えば、ペットボトル容器に充填された飲料が挙げられ、われわれ消費者はその恩恵を受けているところ、ストローの使用シーンは様々である。
ペットボトル飲料は、会議の席上での出席者への提供、セミナーや座談会での参加者への提供など、私的な使用、一般家庭での使用を超えて広く普及しているが、その一方で、静粛な会議の場では、飲料の飲み方にも配慮が必要なシーンが散見される。例えば、お茶を飲み干す際に、キャップの開閉音やその後に音を立て飲することが憚れる場合も多く、その際のストローは利便性がとても大きい。
【0004】
また近年、コロナ禍の影響によって、個々人の衛生観念および意識が高揚し、飲料容器の口天部に直接口をあてて飲み物を摂取することを避け、ストローを愛用する利用者も少なからず存在する。
このような状況下、ストロー開発においては、使用者の利便性をより追求した着想や実施品が古くから見受けられる。
【0005】
例えば特許文献1によれば、飲料物を飲みやすいように工夫した浮輪つきストローが提供されるところ、該ストローの先に円盤状の浮遊体を取り付けて使用する技術が開示されている。
これは前記浮遊体が浮輪の役目を果たし、ペットボトルのキャップを開けたとき、ペットボトルの飲料口より常にストローがふわりと上に浮き上がる効果を有するものである。
【0006】
前記特許文献1に係る発明は、従来技術の問題を解消するものであり、具体的には、「短いストローを入れた際の問題(取出すのが面倒で大変)だったこと」、「長いストローを入れた際の問題(折り曲げて入れ、指を差し込んで、ひっぱり出さなければならなかった)」 および「前記ストロー取り出しの際の衛生面(手が汚れていると、不衛生だった)。」というこれらの問題解決のためのものである。
【0007】
特許文献2には、特許文献1の着想をさらに発展させた技術を構成するものである。すわなち、特許文献2によれば、ストローを挿入しても簡単に蓋ができ、飲みたい時に簡単に開いてストローが持ち上がってくることを可能ならしめた ペットボトル専用ストローを提供するものであり、上位の着想としては、前記特許文献1に係る発明の目的と軌を一にするが、特許文献2においては、その技術課題の解決手段として浮力の手段が特許文献1とは異なっている。すなわち、ストローの末端付近に有する浮力手段として、合成樹脂の発砲素材を使ったウキを設けることを特徴とするストローを提供するものである。
【0008】
しかしながら、前記特許文献1及び特許文献2いずれについても、共通の致命的な欠点がある。それは、液面の位置に依存して浮き輪または発砲素材のウキが浮上することから、容器の蓋を開けた場合にすぐに液体を吸引しなければ、徐々にストロー全体が浮上し、口天部からストローが露出する。したがって、飲むたびに蓋の開閉が必須であること、液面が下がってきたとしても口天部が開放されている関係でストローの露出とその方向性が安定しないことから、ストロー上方部を手指で接触することになり、不衛生である。
このようなことから、前記特許文献1及び2は、従来の技術課題に対し、抜本的な解決になっておらず、未だ不十分である。
【0009】
特許文献3は、飲料水を収納し、適宜ストローにて吸い上げ飲料するストロー付きペットボトルに関する考案を開示するものである。
具体的には、ペットボトルと一体に携帯し、且つストローの衛生的保管、再使用に対応できると共に、ストローの下端吸込口が常時ペットボトルの底部の所定位置に存させ 、不安定な状態とならない様にする着想に基づく考案を開示するものである。
【0010】
特許文献3による考案によれば、ストロー中央部に蛇腹を設けることで、特許文献1及び2に見られる液面変化によるストローの昇降の問題は解消されるが、底面部を固定したとはいえ、口天部の開放により、ストロー上方部が不安定である問題が未だ解消されていない。さらに、底部の固定構造を備えることにより、受部の高さの分、液残りが生じる結果、容器内の吸引ロスが発生する。この点において、特許文献1及び2より劣り、技術としての進歩性がない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0011】
【特許文献1】特開2005-13684号公報
【特許文献2】特開2006-204840号公報
【特許文献3】実用新案登録第3162406号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0012】
本発明は、上記の問題点に鑑みて提案されたものであって、衛生的で飲料容器の操作性にすぐれたストッパー付き浮上式ストローとその使用方法を提供するものである。特に容器内の飲料用液体を飲むに際し、周囲に不快感を与えることなく、最後まで飲み干すことができる機能的なストローの提供とこれを使用する方法を提供することを主たる目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0013】
上記課題解決のため、種々検討した結果、最適には所定の位置にストッパーと特定素材の浮き具を組み合わせることによってその目的を達成し、所望の効果を発揮できる本発明を完成するに至った。
【0014】
すなわち、下記(1)乃至(5)の構成により、所望の目的が達成される。
(1)飲料用容器内に充填された液体の浮力によって上昇する浮上式ストローであって、該ストローの最上部には容器の首丈以上の長さの蛇腹部と、該蛇腹部には、前記飲料用容器の首付け根部における口内径以上の直径サイズのストッパーとを備え、さらに前記ストローの最下部には液体の浮力を受けるために必要な浮き具を備えた浮上式ストロー。
(2)飲料容器内に充填された液体量が該飲料容器の首丈以上残存する場合において、前記液体の浮力によってストローが上昇し、ストッパーが前記飲料容器の首付け根部の位置で固定された際、前記ストロー最下部と前記飲料容器底面との距離が、前記首丈と同じ同一寸法であることを特徴とする(1)に記載の浮上式ストロー。
(3)ストローの最上部の蛇腹部に設けたストッパーが、可動式であることを特徴とする(1)又は(2)いずれかに記載の浮上式ストロー。
(4)ストローの最上部の蛇腹部に設けたストッパーが、伸縮性および弾力性を有する樹脂で構成されることを特徴とする(1)又は(2)いずれかに記載の浮上式ストロー。
(5)に記載した浮上式ストローによって、飲料容器に充填された液体のすべてを前記飲料容器の口天部から一定の距離で吸引して飲み干すことができるストッパー付き浮上式ストローの使用方法。
【発明の効果】
【0015】
本発明によれば、ストローの最上部には飲料用容器の首丈以上の長さの蛇腹部と、該蛇腹部には、前記飲料用容器の首付け根部における口内径以上の直径サイズのストッパーとを備え、さらに前記ストローの最下部には液体の浮力を受けるために必要な浮き具を備えるストローの使用によって、飲料用容器内に充填された液体をストレスなくすべてを飲み干すことができる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
図1】飲料を充填した飲料用容器(ペットボトル)に本発明のストッパー付き浮上式ストローを飲料用容器(ペットボトル)に使用した一例を示す断面図である。左側は容器の蓋を開放した状態であり、右側は容器の蓋を閉め、ストローを抑え込んだ状態である。
図2】飲料を充填した飲料用容器(ペットボトル)に本発明のストッパー付き浮上式ストローを飲料用容器(ペットボトル)に使用した場合において、容器内液量が下がっても、蛇腹部の口天部からの突出寸法が常に一定であることを示す断面図である。
図3】飲料無充填の飲料用容器(ペットボトル)に本発明のストッパー付き浮上式ストローを挿入した状態を示した断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、本発明の実施の形態につき、その奏する効果を含めて詳述する。
【0018】
本発明は、上記のとおり、衛生的で飲料容器の操作性にすぐれたストッパー付き浮上式ストローとその使用方法を提供するものである。特に容器内の飲料用液体を飲むに際し、周囲に不快感を与えることなく、最後まで飲み干すことができる機能的なストローの提供とこれを使用する方法を提供することを主たる目的とするものである。
【0019】
本発明の請求項1によれば、飲料用容器内(図1付番5)に充填された液体の浮力によって上昇する浮上式ストロー(図1付番1)であって、該ストローの最上部には容器の首丈(図1付番7)以上の長さの蛇腹部(図1附番2)と、該蛇腹部には、前記飲料用容器の首付け根部(図1付番6)における口内径以上の直径サイズのストッパー(図1付番3)とを備え、さらに前記ストローの最下部には液体の浮力を受けるために必要な浮き具(図1付番4)を備えた浮上式ストローが提供される。
【0020】
ここで、ストッパー3は、容器5の寸法によってそのサイズを適宜変更して使用するが、円形平板のものであり、その直径は、容器の口内径を越えたサイズで設計されたものを使用する。首付けね部6でストローの上昇を固定する機能を担保するための必須条件だからであるが、容器長手方向に対するストッパーの位置は、液体吸引時に容器の首丈7に対して、ストローの先端部が口元で吸いやすい位置範囲で突出するのが良く、その塩梅は、蛇腹部1において適時に調整する。当該調整を容易にすべく、ストッパー材質は伸縮性と弾力性付与できる樹脂素材を適用する。ストロー最下部に備える浮き具4は、ストロー荷重に対して、容器内を長手上方に上昇させる浮力を得るものであれば、その大きさと形状は任意である。また、浮き具の材質は、安全性が飲料用として許容できるものであれば特に制約はされず、任意である。
【0021】
すなわち、本発明の請求項2によれば、飲料容器内に充填された液体量が該飲料容器の首丈以上残存する場合において、前記液体の浮力によってストローが上昇し、ストッパーが前記飲料容器の首付け根部の位置で固定された際、前記ストロー最下部と前記飲料容器底面との距離が、前記首丈と同じ同一寸法であることを特徴とする請求項1に記載の浮上式ストローが提供され、
また、本発明の請求項3によれば、ストローの最上部の蛇腹部に設けたストッパーが、可動式であることを特徴とする請求項1又は請求項2いずれかに記載の浮上式ストローが提供され、
さらに、本発明の請求項4によれば、ストローの最上部の蛇腹部に設けたストッパーが、伸縮性および弾力性を有する樹脂で構成されることを特徴とする請求項1又は請求項2いずれかに記載の浮上式ストローが提供されるものである。
【0022】
上記機能を有する本発明のストローを利用することによって、清潔・衛生的に飲料を吸引でき、容器底面部にも前記ストローが密着できることから、容器内の液体を飲み干すことができる。
【0023】
すなわち、本発明の請求項5によれば、請求項1に記載した浮上式ストローによって、飲料容器に充填された液体のすべてを前記飲料容器の口天部から一定の距離で吸引して飲み干すことができるストッパー付き浮上式ストローの使用方法が提供されるものである。
【0024】
以下に、本発明におけるキャップの使用態様について述べる。図1の右側に例示したように、附番8が本発明で使用する典型的な回転式のねじ山式キャップであるが、該キャップを締めることによって、ストロー上方部の蛇腹部は収縮し、ストッパーは容器の下方部に移動する。前記ストッパー移動の距離は、蛇腹部の抵抗力と浮力とのバランスによる。
【0025】
キャップを開け、容器口天部を開放したのが図1の左であるが、浮力によってストローは上昇するが、ストッパーの固定機能によって、口天部から突出するストロー蛇腹部は常に一定である。首丈相当の寸法より容器内の液量が下がると、口天部から突出した蛇腹部は徐々に下降するも、浮き具が容器底面部に到達するまで、容器内の飲料をすべて飲み干すことができる。
【0026】
なお、前記キャップのバリエーションに特段の制限はなく、図1で採用した回転式のねじ山タイプの他にもキャップの一部を口天部付近に固定したワンタッチ式など公知のものを採用可能である。
また、屋外での利便性を考慮した場合、セパレート式のキャップにおいては、キャップ天井に紐通しの穴を設けることで、キャップの紛失を防止する手立てを講じることも任意であり、キャップ内部に固定ジョイントを設け、容器の口内部コーナーに固定する仕様とすることも便宜である。
【符号の説明】
【0027】
1 本発明を構成するストロー
2 ストロー上方部に備える蛇腹部
3 蛇腹部に設計付与するストッパー
4 ストロー下方部に備える浮き具
5 飲料容器
6 飲料容器の首の付け根部
7 飲料容器の首丈
8 飲料容器のキャップ(蓋)
図1
図2
図3