(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024061580
(43)【公開日】2024-05-07
(54)【発明の名称】貯蔵部ロボット、ピッキングシステム及びプログラム
(51)【国際特許分類】
B65G 1/06 20060101AFI20240425BHJP
B25J 13/08 20060101ALI20240425BHJP
B25J 5/00 20060101ALI20240425BHJP
【FI】
B65G1/06 Z
B25J13/08 Z
B25J5/00 A
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023012295
(22)【出願日】2023-01-30
(31)【優先権主張番号】P 2022168243
(32)【優先日】2022-10-20
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(71)【出願人】
【識別番号】591280485
【氏名又は名称】ソフトバンクグループ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001519
【氏名又は名称】弁理士法人太陽国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】孫 正義
【テーマコード(参考)】
3C707
3F022
【Fターム(参考)】
3C707AS01
3C707BS27
3C707CS08
3C707KS06
3C707KS10
3C707KS22
3C707KS30
3C707KS36
3C707KT02
3C707KT05
3C707KT06
3C707KV11
3C707KV18
3C707KX02
3C707MS08
3C707NS19
3C707WA16
3C707WK06
3F022AA05
3F022EE04
3F022FF01
3F022KK18
3F022KK20
3F022LL07
3F022LL38
3F022MM52
3F022NN50
3F022NN57
3F022QQ08
3F022QQ11
3F022QQ17
3F022QQ20
(57)【要約】
【課題】貯蔵部ロボットからカートロボットへのバスケットの受渡しを円滑にする。
【解決手段】貯蔵部ロボットは、貯蔵部のバスケットをピックアップするピックアップアームと、ピックアップアームの先端部に取り付けられたアームセンサ群と、車体センサ群で検出した情報及びアームセンサ群で検出した情報に基づき、ピックアップアームからカートロボットへのバスケットの受け渡し時におけるバスケットの向きを整えるようにピックアップアームを制御する制御部と、を有する。
【選択図】
図8
【特許請求の範囲】
【請求項1】
荷物が収容されたバスケットの貯蔵部に設けられ、前記バスケットをピックアップし、車体センサ群の監視の下でレーンに沿って移動するカートロボットに受け渡すための貯蔵部ロボットであって、
前記貯蔵部の前記バスケットをピックアップするピックアップアームと、
前記ピックアップアームの先端部に取り付けられたアームセンサ群と、
前記車体センサ群で検出した情報及び前記アームセンサ群で検出した情報に基づき、前記ピックアップアームから前記カートロボットへの前記バスケットの受け渡し時における前記バスケットの向きを整えるように前記ピックアップアームを制御する制御部と、を有する貯蔵部ロボット。
【請求項2】
前記制御部は、前記バスケットの受け渡し時における前記バスケットの把手を前記カートロボットがキャッチできるように、前記ピックアップアームを制御する、請求項1記載の貯蔵部ロボット。
【請求項3】
前記制御部は、前記レーンを移動する前記カートロボットの間隔に合わせて前記バスケットを差し出すように前記ピックアップアームを制御する、請求項1記載の貯蔵部ロボット。
【請求項4】
貯蔵部に置かれ荷物が収容されたバスケットを、低速レーンに沿って相対的に低速で移動する第1のカートロボットに受け渡し、さらに高速レーンに沿って相対的に高速で移動する第2のカートロボットへ受け渡す作業を、前記第1のカートロボット及び前記第2のカートロボットのそれぞれに取り付けた車体センサ群の監視の下で処理するピッキングシステムであって、
請求項1~3の何れか1項に記載の貯蔵部ロボットと、
前記第1のカートロボットに取り付けられ、前記ピックアップアームからの前記バスケットの受け取り及び前記第2のカートロボットへの受け渡しを実行するアームと、
前記アームの先端部に取り付けられたアームセンサ群と、
前記車体センサ群で検出した情報及び前記アームセンサ群で検出した情報に基づき、前記ピックアップアームから前記アームへの前記バスケットの受け渡し時における前記バスケットの向きを整えるように前記ピックアップアームを制御する制御部と、を有するピッキングシステム。
【請求項5】
コンピュータを、
請求項4に記載のピッキングシステムの前記制御部として機能させるためのプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、貯蔵部ロボット、ピッキングシステム及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、倉庫のピッキング、工場での製造(部品組み立て)、パッキング作業等(以下、ピッキング作業等という)において、各作業員は異なるスピードで作業を行なっている。
【0003】
このような作業環境の中に、自動制御されるカートロボット(以下、単にカートという場合がある。)が導入されている。カートロボットは、予め定められたプログラムに従い移動するが、移動時はカートロボット自身の車体(ボディ)に設置されたセンサ類、及び倉庫内に設置されたセンサ群による監視の下、相互の干渉(接触や衝突等)を回避することができる。センサ類とは、カメラやLiDARに代表される状況把握のためのセンサに加え、温度、湿度、振動、硬度等、自然現象や人工物の機械的、電磁気的、熱的、音響的、化学的性質、空間情報、時間情報等を、例えば電気信号に置き換えるデバイスを含む。
【0004】
カートロボットは、複数のアーム(ピッキングアーム、パッシングアーム、及びレシービングアーム等)が取り付けられ、当該アームの姿勢を制御することで、荷物の受け渡しが実行される。
【0005】
例えば、特許文献1には、工場の生産ラインにおいて、作業を自動で行うためのロボットの姿勢制御について記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、カートロボットに設置されたセンサ類は、車体に取り付けるのが基本であり、自身の移動において障害物等の監視をするが、例えば、複数のアームの移動に伴って、死角が発生することがある。
【0008】
アームは、指令プログラムに基づき、不規則に移動するため(特に、先端部に近いほどその移動軌跡量が大きい)、時系列で死角が変化し、従来の車体に取り付けたセンサ群では、十分な監視ができない場合がある。また、アームが荷物が収用されたバスケットの中からものをピッキングしようとした際は、バスケットの中はカートロボット本体のセンサからは死角である。
【0009】
本開示は上記事情に鑑みなされたものであり、カートロボットの自動運転時に、周囲を監視するセンサ群の死角をなくすることができるピッキングシステム、プログラムを得ることを目的とする。
【0010】
また、貯蔵部ロボットからカートロボットへのバスケットの受渡しを円滑にすることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本開示による貯蔵部ロボットは、荷物が収容されたバスケットの貯蔵部に設けられ、前記バスケットをピックアップし、車体センサ群の監視の下でレーンに沿って移動するカートロボットに受け渡すための貯蔵部ロボットであって、前記貯蔵部の前記バスケットをピックアップするピックアップアームと、前記ピックアップアームの先端部に取り付けられたアームセンサ群と、前記車体センサ群で検出した情報及び前記アームセンサ群で検出した情報に基づき、前記ピックアップアームから前記カートロボットへの前記バスケットの受け渡し時における前記バスケットの向きを整えるように前記ピックアップアームを制御する制御部と、を有する。
【0012】
本開示によれば、貯蔵部ロボットの制御部は、バスケットの受け渡し指令を受け付けると、アームセンサ群や車体センサ群からのカートロボットの位置や速度状況等についての情報に基づきピックアップアームを制御して、受け渡し対象のバスケットを把持する。このとき、貯蔵部におけるバスケットの向きが様々であっても、貯蔵部ロボットの制御部は、上記情報に基づき、対象のバスケットを適切にピックアップすることができる。
【0013】
カートロボットがバスケットの受け渡し位置に到達すると、バスケットの受け渡しが行われる。このタイミングに合わせ、貯蔵部ロボットの制御部は、バスケットの向きを整え、カートロボットに向けて差し出すように、ピックアップアームを制御する。これにより、貯蔵部ロボットからカートロボットへのバスケットの受渡しを円滑にすることができる。
【0014】
本開示において、前記制御部は、さらに、前記バスケットの受け渡し時における前記バスケットの把手を前記カートロボットがキャッチできるように、前記ピックアップアームを制御してもよい。
【0015】
本開示において、前記制御部は、前記レーンを移動する前記カートロボットの間隔に合わせて前記バスケットを差し出すように前記ピックアップアームを制御してもよい。
【0016】
本開示に係るピッキングシステムは、貯蔵部に置かれ荷物が収容されたバスケットを、低速レーンに沿って相対的に低速で移動する第1のカートロボットに受け渡し、高速レーンに沿って相対的に高速で移動する第2のカートロボットへ受け渡す作業を、前記第1のカートロボット及び前記第2のカートロボットのそれぞれに取り付けた車体センサ群の監視の下で処理するピッキングシステムであって、上記貯蔵部ロボットと、前記第1のカートロボットに取り付けられ、前記ピックアップアームからの前記バスケットの受け取り及び前記第2のカートロボットへの受け渡しを実行するアームと、前記アームの先端部に取り付けられたアームセンサ群と、前記車体センサ群で検出した情報及び前記アームセンサ群で検出した情報に基づき、前記ピックアップアームから前記アームへの前記バスケットの受け渡し時における前記バスケットの向きを整えるように前記ピックアップアームを制御する制御部と、を有する。
【0017】
本開示によるプログラムは、コンピュータを、上記のピッキングシステム、の前記制御部として機能させる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【
図1】第1の実施形態に係るピッキングシステムが適用された倉庫のフロアの平面図である。
【
図2】第1の実施形態に係るローカルカートの斜視図である。
【
図3】第1の実施形態においてローカルカートから高速カートへバスケットを受け渡すときの状態を示す斜視図である。
【
図4】第1の実施形態に係るローカルカートによるバスケットのピックアップ処理制御ルーチンを示すフローチャートである。
【
図5】カートロボットの機能構成の一例を概略的に示す図である。
【
図6】本実施形態に係るアームの変形例であり、(A)及び(B)は5本指ハンドロボット、(C)及び(D)3本指簡易ハンドロボットの斜視図である。
【
図7】第2の実施形態において、貯蔵部ロボットが貯蔵部にあるバスケットを把持した状態を示す平面図である。
【
図8】第2の実施形態において、貯蔵部ロボットから、貯蔵部に接近したローカルカートのピッキングアームへバスケットを受け渡すときの状態を示す平面図である。
【
図9】本実施形態における人型ロボットの情報処理装置として機能するコンピュータハードウェアの一例を概略的に示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下、発明の実施形態を通じて本発明を説明するが、以下の実施形態は特許請求の範囲に係る発明を限定するものではない。また、実施形態の中で説明されている特徴の組み合わせの全てが発明の解決手段に必須であるとは限らない。
【0020】
[第1実施形態]
図1は、第1実施形態に係るピッキングシステムが適用された倉庫のフロア50の平面図である。
【0021】
ピッキング作業とは、必要な品物を集める(ピックアップする)仕事のことである。ピッキングスタッフ(本実施形態では、カートロボット52)は、倉庫内の品物を出荷するために欠かせない役割を持つため、あらゆるジャンルの倉庫に配置される。なお、カートロボットに限らず、人型ロボットであってもよい。
【0022】
例えば、予め指示されたリストや注文書を基に、指定の品物を集め、まとめたものを検品担当者や梱包担当者へと受け流していくのが主な仕事であり、倉庫規模が大きいほど、保管されている品物の種類や数も膨大で、そのため、多数のピッキングスタッフがフロア50内を移動することになる。
【0023】
図1に示されるフロア50には、貯蔵部(倉庫、棚等)54が設けられ、複数のバスケット56(
図3参照)が、貯蔵されている。この貯蔵部54の周囲を、カートロボット52が移動するようになっている。カートロボット52は、バスケット56の授受が主たる役目であり、移動経路として、Fast Lane58(高速レーン58)に沿って移動するカートロボット52としての、Fast Track Cart52A(高速カート52A)と、Local Picking Lane60(ローカルレーン60)に沿って移動するカートロボット52としての、Local Track Cart52B(ローカルカート52B)とに分類される。
【0024】
ローカルレーン60は、フロア50内の内側のレーンで、ローカルカート52Bが貯蔵部54に接近離間するように蛇行走行しながら、かつ、一時的に減速して、貯蔵部54からバスケット56のピックアップを行う。
【0025】
図2に示される如く、ローカルカート52Bは、2本の内側に設けたピッキングアーム62(Picking Arm)で荷物の入ったバスケット56をピックアップ後、3本の外側に設けたパッシングアーム64(Passing Arm)で高速レーン58を移動する高速カート52Aへバスケット56を渡す。
【0026】
なお、ローカルカート52Bは、転倒防止のカウンターバランスバッテリ(図示省略)を内蔵している。
【0027】
高速レーン58は、フロア50内の外側のレーンで、高速カート52Aが例えば時速20kmで走行し、ローカルレーン60を移動するローカルカート52Bから、
図3に示す、3本のレシービングアーム66(Receving Arm)でバスケット56を受け取る。
【0028】
一連の作業としては、ローカルレーン60のローカルカート52Bは、バスケット56をピックアップ後、一時的に加速して、外側の高速レーン58の高速カート52Aと時速20kmで並走しながら、外側の高速レーン58と時速20kmでリレーのバトン渡しの要領で、高速カート52Aと並走しながら、ローカルカート52Bの3本のパッシングアーム64(Passing Arm)と、高速カート52Aの3本のレシービングアーム66(Receving Arm)により、高速カート52Aへバスケット56を受け渡す。
【0029】
フロア50には、貯蔵部54に対応して、Docking Station68(ドッキングステーション68)が設置されている。
【0030】
ドッキングステーション68は、高速レーン58とローカルレーン60との結合点となっている。
【0031】
ドッキングステーション68には、20本のアームを備え、高速レーン58からバスケット56を受け取る機能を有している。
【0032】
ドッキングステーション68では、高速カート52Aが、一時的に、例えば、時速2kmまで減速し、例えば、1分以内にバスケット56の受け渡しをして、再加速する。
【0033】
フロア50には、カメラ、LiDARを含む倉庫内センサ群70が天井や壁に設置されている。
【0034】
これらの倉庫内センサ群70は、常に、高速カート52A及びローカルカート52Bの車間距離、速度を計測し、相互にシンクロナイズするための情報として利用される。
【0035】
また、高速カート52A及びローカルカート52Bにも、それぞれの車体(カートボディ)に、カメラ、LiDARを含む車体センサ群72が設置されており、車間距離が各レーンの長さに対するカート台数の割り算の等間隔となるように制御することで、必要な車間距離(例えば、3m以上)を空けるための予測が可能となっている。
【0036】
上記ピッキングシステムでは、フロア50内の高速カート52A及びローカルカート52Bが完全にシンクロしたテンポで作業を行うため、干渉(接触や衝突)等の事故が起きることがない。また、ピッキング作業を行うため、時間的無駄を最大限なくすことができる。
【0037】
ここで、本実施形態のカート(高速カート52A及びローカルカート52B)は、前述したように、それぞれの複数のアームを備えている。
【0038】
ローカルカート52Bは、2本のピッキングアーム62(Picking Arm)と、3本のパッシングアーム64(Passing Arm)とを備え、高速カート52Aは、3本のレシービングアーム66(Receving Arm)を備えている。以下、総称する場合、アーム62、64、66という。
【0039】
アーム62、64、66は、バスケット56のピッキング、カート間の受け渡し等の作業に基づき、三次元に移動するため、カートボディに設置された車体センサ群72の監視領域を横切ることになる。
【0040】
この三次元の移動に伴い、車体センサ群72の何れかに死角が発生することがある。アーム62、64、66は、不規則に移動し、特に、先端部に近いほどその移動軌跡量が大きい。さらに、車体センサ群72の死角は、時系列で変化する。
【0041】
そこで、本実施形態では、各カート(高速カート52A及びローカルカート52B)のそれぞれのアーム62、64、66の先端部に、小型のカメラ、LiDAR等のアームセンサ群74を取り付けた。
【0042】
アーム62、64、66の先端部のアームセンサ群74は、カートボディの車体センサ群72の死角を無くすことができる。
【0043】
また、例えば、アーム62、64、66の先端部のアームセンサ群74の種類として、温度センサや硬度センサ等を付加することで、バスケット56の受け渡し(把持)の際の、把持強度等を設定することができる。把持強度等の設定により、バスケット56の変形や損傷が防止できる。
【0044】
倉庫内センサ群70、車体センサ群72、及びアームセンサ群74としては、最高性能のカメラ、ソリッドステートLiDAR、マルチカラーレーザ同軸変位計、又はその他様々なセンサ群が採用され得る。また他には、振動計、サーモカメラ、硬度計、レーダー、LiDAR、高画素・望遠・超広角・360度・高性能カメラ、ビジョン認識、微細音、超音波、振動、赤外線、紫外線、電磁波、温度、湿度、スポットAI天気予報、高精度マルチチャネルGPS、低高度衛星情報、又はロングテールインシデントAI data等が挙げられる。
【0045】
なお、倉庫内センサ群70、車体センサ群72、及びアームセンサ群74は、上記の情報のほかに、画像、距離、振動、熱、匂い、色、音、超音波、紫外線、又は赤外線等を検知する。他に倉庫内センサ群70、車体センサ群72、及びアームセンサ群74が検知する情報としては、カートロボット52の重心移動、カートロボット52が設置される床の材質の検知、外気温度の検知、外気湿度の検知、床の上下横斜め傾き角度の検知、水分量の検知等が挙げられる。倉庫内センサ群70、車体センサ群72、及びアームセンサ群74は、これらの検知を例えばナノ秒毎に実施する。
【0046】
図5は、カートロボット52に搭載される車体センサ群72、アームセンサ群74、及び、情報処理装置14の制御系ブロック図である。
【0047】
情報処理装置14は、情報取得部140と、制御部142と、情報蓄積部144とを備えている。
【0048】
情報取得部140は、車体センサ群72及びアームセンサ群74によって検知された物体の情報を取得する。また、情報取得部140は、自身が搭載されているカートロボット52の車体センサ群72及びアームセンサ群74によって検知された物体の情報だけでなく、他のカートロボット52の車体センサ群72及びアームセンサ群74によって検知された物体の情報、さらには、倉庫内センサ群70によって検知された物体の情報を取得する。
【0049】
制御部142は、情報取得部140が取得した情報とAI(Artificial intelligence)とを用いて、カートロボット52全体の移動動作(車輪の駆動)、及び、アーム62、64、66の動作等を制御する。また、制御部142は、本発明の補間制御部として機能する。
【0050】
例えば、制御部142は、以下の各処理を実行する。
【0051】
(1)物体をつかむことが可能なようにアーム62、64、66およびその先端の把持部を駆動する。
(2)貯蔵部54等の作業台の高さに合うように、上下に駆動する。
(3)転倒を防ぐために、バランスを取る。
(4)移動時の車輪の駆動を制御する。
【0052】
以下に本実施形態の作用を
図4のフローチャートに従い説明する。
【0053】
図4は、ローカルカート52Bによるバスケット56のピックアップ処理制御ルーチンを示すフローチャートである。
【0054】
ステップ100では、バスケット56のピックアップ指令を受け付ける。次のステップ102では、ローカルレーン60に沿って、通常速度で目的地へ移動開始する。
【0055】
次のステップ104では、目的のバスケット56を検出したか否かを判断し、肯定判定されると、ステップ106へ移行して、ピッキングアーム62によりバスケット56をピックアップし、ステップ108へ移行する。
【0056】
ステップ108では、ローカルカート52Bの速度を設定された速度(例えば、20km/h)となるように制御し、速度制御(例えば、20km/h)で移動し、次いで、ステップ110へ移行して、高速レーン58方向に蛇行しながら、高速カート52Aとドッキングさせる。
【0057】
次のステップ112では、ローカルカート52Bのパッシングアーム64(Passing Arm)と、高速カート52Aのレシービングアーム66(Receving Arm)とにより、バスケット56を、ローカルカート52Bから高速カート52Aへ受け渡し、ステップ114へ移行する。
【0058】
ステップ114では、ローカルカート52Bを通常速度走行に復帰させ、次の指令を待つため、このルーチンは終了する。
【0059】
ところで、アーム62、64、66は、バスケット56のピッキング、カート間の受け渡し等の作業に基づき、三次元に移動するため、カートボディに設置された車体センサ群72の監視領域を横切ることがあり、車体センサ群72の何れかに死角が発生することがある。
【0060】
しかし、本実施形態では、アーム62、64、66の先端部のアームセンサ群74により、カートボディの車体センサ群72の死角を無くすことができる。
【0061】
アーム62、64、66の先端部のアームセンサ群74が、温度センサや硬度センサ等の場合、バスケット56の受け渡し(把持)の際に、把持強度等が調整でき、バスケット56の変形や損傷が防止できる。また、アーム62、64、66の先端部は、人間の手のように5本の指を有しているハンドロボット62HAでも良く(
図6(A)及び(B)参照)、或いは、3本の指を有している簡易ハンドロボット62HBでも良い(
図6(C)及び(D)参照)。その場合は、アームセンサ群74は、人間の手首の部分に相当する部位に取り付けてあっても良く(
図6(A)及び(C)参照)、手の甲に相当する部分に取り付けてあっても良い(
図6(B)及び(D)参照)。これをIntelligent Hand Systemと呼ぶ。
【0062】
[第2実施形態]
以下に、本発明の第2実施形態について説明する。なお、本実施形態において、第1の実施の形態と同一構成部分については、同一の符号を付して、その構成の説明を省略する。
【0063】
図7、
図8において、本実施形態に係るピッキングシステムは、貯蔵部54に置かれ荷物が収容されたバスケット56を、貯蔵部54に設けられた貯蔵部ロボット75から、例えばローカルカート52B(ローカルレーン60に沿って相対的に低速で移動する第1のカートロボット)に受け渡し、さらに高速レーン58(
図1)に沿って相対的に高速で移動する高速カート52A(第2のカートロボット)へ受け渡す作業を、貯蔵部ロボット75、ローカルカート52B及び高速カート52Aのそれぞれに取り付けた車体センサ群72の監視の下で処理する。なお、貯蔵部ロボット75は、貯蔵部54内を移動可能な構造であってもよいし、また貯蔵部54に固定される構造であってもよい。
【0064】
このピッキングシステムは、ピックアップアーム76と、アームとしてのピッキングアーム62及びパッシングアーム64と、アームセンサ群74と、制御部142(
図5)と、を有する。
【0065】
ピックアップアーム76は、貯蔵部ロボット75に取り付けられ、貯蔵部54のバスケット56をピックアップするアームである。1台の貯蔵部ロボット75に例えば2本のピックアップアーム76が取り付けられている。ピックアップアーム76の先端部には、アームセンサ群74が取り付けられている。
【0066】
アームは、ローカルカート52Bに取り付けられ、ピックアップアーム76からのバスケット56の受け取り及び高速カート52Aへの受け渡しを実行する部位である。このアームは、例えば第1実施形態と同様のピッキングアーム62と、パッシングアーム64とを有している。ピッキングアーム62及びパッシングアーム64の先端部には、アームセンサ群74が取り付けられている。
【0067】
制御部142は、車体センサ群72で検出した情報及びアームセンサ群74で検出した情報に基づき、ピックアップアーム76からピッキングアーム62へのバスケット56の受け渡し時におけるバスケット56の向きを整えるようにピックアップアーム76を制御する。
【0068】
制御部142は、さらに、バスケット56の受け渡し時におけるバスケット56の把手56Aをピッキングアーム62がキャッチできるように、ピックアップアーム76を制御してもよい。
【0069】
以下、第2実施形態におけるバスケット56の受け渡し時の動作の一例について説明する。
【0070】
図7の状態では、ローカルカート52Bは、バスケット56のピックアップ指令を受け、貯蔵部54に対するバスケット56の受け渡し位置に向かって進んでいる。貯蔵部ロボット75の制御部142は、バスケット56の受け渡し指令を受け付けると、ローカルカート52Bの位置や速度状況等の情報を情報取得部140(
図5)から取得し、ピックアップアーム76を制御して、受け渡し対象のバスケット56の例えば把手56Aを把持する。このとき、貯蔵部ロボット75が貯蔵部54内を移動することで、貯蔵部54におけるバスケット56の向きが様々であっても、貯蔵部ロボット75の制御部142は、情報取得部140からの情報に基づき、対象のバスケット56を適切にピックアップすることができる。
【0071】
なお、貯蔵部ロボット75が貯蔵部54に固定される構造の場合、例えば貯蔵部54にバスケット56を循環搬送するコンベアを設置し、該コンベアで搬送されて来た対象のバスケット56を固定式の貯蔵部ロボット75がピックアップする構造であってもよい。この固定式の貯蔵部ロボット75は、例えば鉛直方向を回転軸として自在に回転可能とされる。また、固定式の貯蔵部ロボット75の他に、対象のバスケット56を該貯蔵部ロボット75がピックアップできる位置に移動させるロボットを配置してもよい。このロボットとしては、自走式のものや、クレーン式のもの等を用いることができる。
【0072】
図8の状態では、ローカルカート52Bがバスケット56の受け渡し位置に到達し、バスケット56の受け渡しが行われる。このタイミングに合わせ、貯蔵部ロボット75の制御部142は、バスケット56の向きを整え、ローカルカート52Bのピッキングアーム62に向けて差し出すように、ピックアップアーム76を制御する。なお、バスケット56に把手56Aが設けられている場合には、貯蔵部ロボット75の制御部142は、この把手56Aをピッキングアーム62がキャッチし易くなるように、ピックアップアーム76を制御する。ピッキングアーム62はこのバスケット56をピックアップアーム76から受け取る。この後の作業については、第1実施形態と同様である。
【0073】
貯蔵部ロボット75の制御部142は、情報取得部140からの情報に基づき、ローカルレーン60を移動するローカルカート52Bの間隔に合わせてバスケット56を差し出してもよい。
【0074】
このように、本実施形態によれば、貯蔵部ロボット75からローカルカート52Bへのバスケット56の受渡しが円滑になる。また、バスケット56をローカルカート52Bへ受け渡した後に、別のバスケット56をピックアップしてローカルカート52Bへ受け渡すことができる。このようにして、貯蔵部54からローカルカート52Bへのバスケット56の受渡しを次々と行うことができる。
【0075】
(カートロボット52の情報処理装置14の実施態様)
図9は、情報処理装置14として機能するコンピュータ1200のハードウェア構成の一例を概略的に示す。コンピュータ1200にインストールされたプログラムは、コンピュータ1200を、本実施形態に係る装置の1又は複数の「部」として機能させ、又はコンピュータ1200に、本実施形態に係る装置に関連付けられるオペレーション又は当該1又は複数の「部」を実行させることができ、および/又はコンピュータ1200に、本実施形態に係るプロセス又は当該プロセスの段階を実行させることができる。そのようなプログラムは、コンピュータ1200に、本明細書に記載のフローチャートおよびブロック図のブロックのうちのいくつか又は全てに関連付けられた特定のオペレーションを実行させるべく、CPU1212によって実行されてよい。
【0076】
本実施形態によるコンピュータ1200は、CPU1212、RAM1214、およびグラフィックコントローラ1216を含み、それらはホストコントローラ1210によって相互に接続されている。コンピュータ1200はまた、通信インタフェース1222、記憶装置1224、DVDドライブ、およびICカードドライブのような入出力ユニットを含み、それらは入出力コントローラ1220を介してホストコントローラ1210に接続されている。DVDドライブは、DVD-ROMドライブおよびDVD-RAMドライブ等であってよい。記憶装置1224は、ハードディスクドライブおよびソリッドステートドライブ等であってよい。コンピュータ1200はまた、ROM1230およびキーボードのような入出力ユニットを含み、それらは入出力チップ1240を介して入出力コントローラ1220に接続されている。
【0077】
CPU1212は、ROM1230およびRAM1214内に格納されたプログラムに従い動作し、それにより各ユニットを制御する。グラフィックコントローラ1216は、RAM1214内に提供されるフレームバッファ等又はそれ自体の中に、CPU1212によって生成されるイメージデータを取得し、イメージデータがディスプレイデバイス1218上に表示されるようにする。
【0078】
通信インタフェース1222は、ネットワークを介して他の電子デバイスと通信する。記憶装置1224は、コンピュータ1200内のCPU1212によって使用されるプログラムおよびデータを格納する。DVDドライブは、プログラム又はデータをDVD-ROM等から読み取り、記憶装置1224に提供する。ICカードドライブは、プログラムおよびデータをICカードから読み取り、および/又はプログラムおよびデータをICカードに書き込む。
【0079】
ROM1230はその中に、アクティブ化時にコンピュータ1200によって実行されるブートプログラム等、および/又はコンピュータ1200のハードウェアに依存するプログラムを格納する。入出力チップ1240はまた、様々な入出力ユニットをUSBポート、パラレルポート、シリアルポート、キーボードポート、マウスポート等を介して、入出力コントローラ1220に接続してよい。
【0080】
プログラムは、DVD-ROM又はICカードのようなコンピュータ可読記憶媒体によって提供される。プログラムは、コンピュータ可読記憶媒体から読み取られ、コンピュータ可読記憶媒体の例でもある記憶装置1224、RAM1214、又はROM1230にインストールされ、CPU1212によって実行される。これらのプログラム内に記述される情報処理は、コンピュータ1200に読み取られ、プログラムと、上記様々なタイプのハードウェアリソースとの間の連携をもたらす。装置又は方法が、コンピュータ1200の使用に従い情報のオペレーション又は処理を実現することによって構成されてよい。
【0081】
例えば、通信がコンピュータ1200および外部デバイス間で実行される場合、CPU1212は、RAM1214にロードされた通信プログラムを実行し、通信プログラムに記述された処理に基づいて、通信インタフェース1222に対し、通信処理を命令してよい。通信インタフェース1222は、CPU1212の制御の下、RAM1214、記憶装置1224、DVD-ROM、又はICカードのような記録媒体内に提供される送信バッファ領域に格納された送信データを読み取り、読み取られた送信データをネットワークに送信し、又はネットワークから受信した受信データを記録媒体上に提供される受信バッファ領域等に書き込む。
【0082】
また、CPU1212は、記憶装置1224、DVDドライブ(DVD-ROM)、ICカード等のような外部記録媒体に格納されたファイル又はデータベースの全部又は必要な部分がRAM1214に読み取られるようにし、RAM1214上のデータに対し様々なタイプの処理を実行してよい。CPU1212は次に、処理されたデータを外部記録媒体にライトバックしてよい。
【0083】
様々なタイプのプログラム、データ、テーブル、およびデータベースのような様々なタイプの情報が記録媒体に格納され、情報処理を受けてよい。CPU1212は、RAM1214から読み取られたデータに対し、本開示の随所に記載され、プログラムの命令シーケンスによって指定される様々なタイプのオペレーション、情報処理、条件判断、条件分岐、無条件分岐、情報の検索/置換等を含む、様々なタイプの処理を実行してよく、結果をRAM1214に対しライトバックする。また、CPU1212は、記録媒体内のファイル、データベース等における情報を検索してよい。例えば、各々が第2の属性の属性値に関連付けられた第1の属性の属性値を有する複数のエントリが記録媒体内に格納される場合、CPU1212は、当該複数のエントリの中から、第1の属性の属性値が指定されている条件に一致するエントリを検索し、当該エントリ内に格納された第2の属性の属性値を読み取り、それにより予め定められた条件を満たす第1の属性に関連付けられた第2の属性の属性値を取得してよい。
【0084】
上で説明したプログラム又はソフトウエアモジュールは、コンピュータ1200上又はコンピュータ1200近傍のコンピュータ可読記憶媒体に格納されてよい。また、専用通信ネットワーク又はインターネットに接続されたサーバシステム内に提供されるハードディスク又はRAMのような記録媒体が、コンピュータ可読記憶媒体として使用可能であり、それによりプログラムを、ネットワークを介してコンピュータ1200に提供する。
【0085】
本実施形態におけるフローチャートおよびブロック図におけるブロックは、オペレーションが実行されるプロセスの段階又はオペレーションを実行する役割を持つ装置の「部」を表してよい。特定の段階および「部」が、専用回路、コンピュータ可読記憶媒体上に格納されるコンピュータ可読命令と共に供給されるプログラマブル回路、および/又はコンピュータ可読記憶媒体上に格納されるコンピュータ可読命令と共に供給されるプロセッサによって実装されてよい。専用回路は、デジタルおよび/又はアナログハードウェア回路を含んでよく、集積回路(IC)および/又はディスクリート回路を含んでよい。プログラマブル回路は、例えば、フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)、およびプログラマブルロジックアレイ(PLA)等のような、論理積、論理和、排他的論理和、否定論理積、否定論理和、および他の論理演算、フリップフロップ、レジスタ、並びにメモリエレメントを含む、再構成可能なハードウェア回路を含んでよい。
【0086】
コンピュータ可読記憶媒体は、適切なデバイスによって実行される命令を格納可能な任意の有形なデバイスを含んでよく、その結果、そこに格納される命令を有するコンピュータ可読記憶媒体は、フローチャート又はブロック図で指定されたオペレーションを実行するための手段を作成すべく実行され得る命令を含む、製品を備えることになる。コンピュータ可読記憶媒体の例としては、電子記憶媒体、磁気記憶媒体、光記憶媒体、電磁記憶媒体、半導体記憶媒体等が含まれてよい。コンピュータ可読記憶媒体のより具体的な例としては、フロッピー(登録商標)ディスク、ディスケット、ハードディスク、ランダムアクセスメモリ(RAM)、リードオンリメモリ(ROM)、消去可能プログラマブルリードオンリメモリ(EPROM又はフラッシュメモリ)、電気的消去可能プログラマブルリードオンリメモリ(EEPROM)、静的ランダムアクセスメモリ(SRAM)、コンパクトディスクリードオンリメモリ(CD-ROM)、デジタル多用途ディスク(DVD)、ブルーレイ(登録商標)ディスク、メモリスティック、集積回路カード等が含まれてよい。
【0087】
コンピュータ可読命令は、アセンブラ命令、命令セットアーキテクチャ(ISA)命令、マシン命令、マシン依存命令、マイクロコード、ファームウェア命令、状態設定データ、又はSmalltalk(登録商標)、JAVA(登録商標)、C++等のようなオブジェクト指向プログラミング言語、および「C」プログラミング言語又は同様のプログラミング言語のような従来の手続型プログラミング言語を含む、1又は複数のプログラミング言語の任意の組み合わせで記述されたソースコード又はオブジェクトコードのいずれかを含んでもよい。
【0088】
コンピュータ可読命令は、汎用コンピュータ、特殊目的のコンピュータ、若しくは他のプログラム可能なデータ処理装置のプロセッサ、又はプログラマブル回路が、フローチャート又はブロック図で指定されたオペレーションを実行するための手段を生成するために当該コンピュータ可読命令を実行すべく、ローカルに又はローカルエリアネットワーク(LAN)、インターネット等のようなワイドエリアネットワーク(WAN)を介して、汎用コンピュータ、特殊目的のコンピュータ、若しくは他のプログラム可能なデータ処理装置のプロセッサ、又はプログラマブル回路に提供されてよい。プロセッサの例としては、コンピュータプロセッサ、処理ユニット、マイクロプロセッサ、デジタル信号プロセッサ、コントローラ、マイクロコントローラ等を含む。
【0089】
以上、本発明を実施形態を用いて説明したが、本発明の技術的範囲は上記実施形態に記載の範囲には限定されない。上記実施形態に、多様な変更又は改良を加えることが可能であることが当業者に明らかである。そのような変更又は改良を加えた形態も本発明の技術的範囲に含まれ得ることが、特許請求の範囲の記載から明らかである。
【0090】
特許請求の範囲、明細書、および図面中において示した装置、システム、プログラム、および方法における動作、手順、ステップ、および段階などの各処理の実行順序は、特段「より前に」、「先立って」などと明示しておらず、また、前の処理の出力を後の処理で用いるのでない限り、任意の順序で実現しうることに留意すべきである。特許請求の範囲、明細書、および図面中の動作フローに関して、便宜上「まず、」、「次に、」などを用いて説明したとしても、この順で実施することが必須であることを意味するものではない。
【符号の説明】
【0091】
14 情報処理装置、50 フロア、52 カートロボット、54 貯蔵部、52A 高速カート(第2のカートロボット)、52B ローカルカート(第1のカートロボット)、56 バスケット、56A 把手、58 高速レーン、60 ローカルレーン、62 ピッキングアーム(アーム)、64 パッシングアーム(アーム)、66 レシービングアーム(アーム)、68 ドッキングステーション、70 倉庫内センサ群、72 車体センサ群、74 アームセンサ群、75 貯蔵部ロボット、76 ピックアップアーム、142 制御部、1200 コンピュータ、1210 ホストコントローラ、1212 CPU、1214 RAM、1216 グラフィックコントローラ、1218 ディスプレイデバイス、1220 入出力コントローラ、1222 通信インタフェース、1224 記憶装置、1230 ROM、1240 入出力チップ