IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 本田技研工業株式会社の特許一覧

特開2024-61634インターフェイス装置、出力方法、及び、記憶媒体
<>
  • 特開-インターフェイス装置、出力方法、及び、記憶媒体 図1
  • 特開-インターフェイス装置、出力方法、及び、記憶媒体 図2
  • 特開-インターフェイス装置、出力方法、及び、記憶媒体 図3
  • 特開-インターフェイス装置、出力方法、及び、記憶媒体 図4
  • 特開-インターフェイス装置、出力方法、及び、記憶媒体 図5
  • 特開-インターフェイス装置、出力方法、及び、記憶媒体 図6
  • 特開-インターフェイス装置、出力方法、及び、記憶媒体 図7
  • 特開-インターフェイス装置、出力方法、及び、記憶媒体 図8
  • 特開-インターフェイス装置、出力方法、及び、記憶媒体 図9
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024061634
(43)【公開日】2024-05-07
(54)【発明の名称】インターフェイス装置、出力方法、及び、記憶媒体
(51)【国際特許分類】
   G09B 19/00 20060101AFI20240425BHJP
   G09B 19/14 20060101ALI20240425BHJP
   G08G 1/00 20060101ALI20240425BHJP
【FI】
G09B19/00 H
G09B19/14
G08G1/00 D
【審査請求】有
【請求項の数】19
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023164645
(22)【出願日】2023-09-27
(31)【優先権主張番号】17/970,890
(32)【優先日】2022-10-21
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(71)【出願人】
【識別番号】000005326
【氏名又は名称】本田技研工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001081
【氏名又は名称】弁理士法人クシブチ国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】市野川 順平
【テーマコード(参考)】
5H181
【Fターム(参考)】
5H181AA01
5H181BB05
5H181BB06
5H181FF04
5H181FF10
5H181FF13
5H181FF22
5H181FF27
5H181FF33
(57)【要約】
【課題】ユーザによる操作を評価する場合の操作を、より簡単にする。
【解決手段】操作対象物に対するユーザの操作を評価する評価システムと、ユーザとの間の情報伝達をサポートするインターフェイス装置である。インターフェイス装置は、ユーザに対する情報を表示するディスプレイと、ユーザによる指示を受け付ける指示入力部と、評価システムにおけるユーザの操作の評価基準のレベルを示すレベル表示部をディスプレイに表示させる処理と、指示入力部に入力されるレベルのアップまたはダウンの指示に応じてレベル表示部の表示を切り替える処理と、レベル表示部の表示に対応したレベルを示す評価基準レベル情報を評価システムに出力する処理と、を実行するプロセッサと、を備える。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
操作対象物に対するユーザの操作を評価する評価システムと、前記ユーザとの間の情報伝達をサポートするインターフェイス装置であって、
前記ユーザに対する情報を表示するディスプレイと、
前記ユーザによる指示を受け付ける指示入力部と、
前記評価システムにおける前記ユーザの操作の評価基準のレベルを示すレベル表示部を前記ディスプレイに表示させる処理と、前記指示入力部に入力される前記レベルのアップまたはダウンの指示に応じて前記レベル表示部の表示を切り替える処理と、前記レベル表示部の表示に対応した前記レベルを示す評価基準レベル情報を前記評価システムに出力する処理と、を実行するプロセッサと、
を備えるインターフェイス装置。
【請求項2】
前記操作対象物は移動体であり、
前記評価基準は、前記ユーザによる前記移動体の運転操作に対する評価の厳しさを示す
請求項1に記載のインターフェイス装置。
【請求項3】
前記指示入力部は、前記ユーザによる前記レベルのアップ指示が入力されるアップ指示入力部と、前記ユーザによる前記レベルのダウン指示が入力されるダウン指示入力部とを含む
請求項1に記載のインターフェイス装置。
【請求項4】
前記アップ指示入力部と前記ダウン指示入力部と前記レベル表示部とが直線上に並ぶように配置される
請求項3に記載のインターフェイス装置。
【請求項5】
前記プロセッサは、前記レベル表示部として、前記レベルに対応して長さが設定されるバーを有するインジケータを、前記ディスプレイに表示させる
請求項1に記載のインターフェイス装置。
【請求項6】
前記プロセッサは、前記レベルがアップするたびに第1方向に延びる前記バーを前記ディスプレイに表示させ、
前記指示入力部は、前記ユーザによる前記レベルのアップ指示が入力されるアップ指示入力部と、前記ユーザによる前記レベルのダウン指示が入力されるダウン指示入力部とを含み、
前記アップ指示入力部及び前記ダウン指示入力部は、前記第1方向に並び、且つ、前記アップ指示入力部が前記バーが延びる側に位置するよう配置される
請求項5に記載のインターフェイス装置。
【請求項7】
前記アップ指示入力部と前記ダウン指示入力部と前記インジケータとが直線上に並ぶように配置される
請求項6に記載のインターフェイス装置。
【請求項8】
前記指示入力部は、前記操作の評価の開始、及び、停止のいずれかを指示するための操作を受け付ける実行指示入力部を含み、
前記実行指示入力部は、前記アップ指示入力部と前記ダウン指示入力部との間に位置する
請求項7に記載のインターフェイス装置。
【請求項9】
前記ディスプレイは、ディスプレイパネルと、前記ディスプレイパネルの表面に配置された前記指示入力部であるタッチセンサとを有するタッチパネルであり、
前記プロセッサは、前記アップ指示入力部であるアップ指示ボタンと、前記ダウン指示入力部であるダウン指示ボタンとを、前記第1方向で前記バーを挟む位置で、前記ディスプレイに表示させる
請求項6に記載のインターフェイス装置。
【請求項10】
前記プロセッサは、前記ディスプレイによって、前記アップ指示入力部、前記ダウン指示入力部、及び、前記実行指示入力部のそれぞれに対応するグラフィカルユーザインターフェイスを1つの画面に表示させる
請求項8に記載のインターフェイス装置。
【請求項11】
前記プロセッサは、前記ディスプレイの前記1つの画面に前記インジケータを表示させる
請求項10に記載のインターフェイス装置。
【請求項12】
前記プロセッサは、前記ディスプレイの前記1つの画面に、前記操作対象物の位置に対応する地図を表示させる
請求項10に記載のインターフェイス装置。
【請求項13】
前記プロセッサは、
前記ディスプレイの前記1つの画面に、前記操作対象物の位置に対応する地図を表示させ、
前記地図に、前記操作が行われた位置を示す表示オブジェクトを表示させる
請求項10に記載のインターフェイス装置。
【請求項14】
前記指示入力部は、評価の対象となる前記操作の種類の選択を受け付ける操作種別入力部を含み、
前記プロセッサは、前記操作種別入力部により選択された前記操作の種類を示す種類情報を前記評価システムに出力する処理を実行する
請求項1に記載のインターフェイス装置。
【請求項15】
出力部を備え、
前記プロセッサは、前記操作を評価した結果に基づくアドバイスを前記出力部により出力させる処理を実行する
請求項1に記載のインターフェイス装置。
【請求項16】
前記ディスプレイを有し、前記操作対象物に搭載される表示装置と、
前記プロセッサを有するモバイルデバイスと、を備え、
前記表示装置は、
前記モバイルデバイスと通信する第1通信装置と、
前記アップ指示入力部及び前記ダウン指示入力部により受け付けた指示を示す操作データを前記第1通信装置により前記モバイルデバイスに送信するディスプレイプロセッサと、を備え、
前記モバイルデバイスは、前記表示装置と通信する第2通信装置を備え、
前記プロセッサは、前記表示装置が送信する前記操作データを前記第2通信装置により受信する
請求項3に記載のインターフェイス装置。
【請求項17】
前記ディスプレイを有し、前記操作対象物に搭載される表示装置と、
前記プロセッサを有するモバイルデバイスと、を備え、
前記表示装置は、
前記モバイルデバイスと通信する第1通信装置と、
前記アップ指示入力部及び前記ダウン指示入力部により受け付けた指示を示す操作データを前記第1通信装置により前記モバイルデバイスに送信するディスプレイプロセッサと、を備え、
前記モバイルデバイスは、
前記表示装置と通信する第2通信装置と、
前記評価システムと通信する第3通信装置と、を備え、
前記プロセッサは、前記表示装置が送信する前記操作データを前記第2通信装置により受信する処理と、受信した前記操作データに基づき前記評価基準レベル情報を生成する処理と、前記評価基準レベル情報を前記第3通信装置によって前記評価システムに送信する処理と、を実行する
請求項3に記載のインターフェイス装置。
【請求項18】
操作対象物に対するユーザの操作を評価する評価システムと、前記ユーザとの間の情報伝達をサポートする出力方法であって、
前記ユーザに対する情報を表示するディスプレイ、及び、前記ユーザによる指示を受け付ける指示入力部を備えるインターフェイス装置によって、
前記評価システムにおける前記ユーザの操作の評価基準のレベルを示すレベル表示部を前記ディスプレイに表示させる処理と、
前記指示入力部に入力される前記レベルのアップまたはダウンの指示に応じて、前記レベル表示部の表示を切り替える処理と、
前記レベル表示部の表示に対応した前記レベルを示す評価基準レベル情報を前記評価システムに出力する処理と、を実行する
出力方法。
【請求項19】
ユーザに対する情報を表示するディスプレイと、ユーザによる指示を受け付ける指示入力部と、を有するインターフェイス装置のプロセッサにより実行されるプログラムであって、操作対象物に対する前記ユーザの操作を評価する評価システムと前記ユーザとの間の情報伝達をサポートするプログラムを記憶した記憶媒体であって、
前記プロセッサにより、
前記評価システムにおける前記ユーザの操作の評価基準のレベルを示すレベル表示部を前記ディスプレイに表示させる処理と、
前記指示入力部に入力される前記レベルのアップまたはダウンの指示に応じて、前記レベル表示部の表示を切り替える処理と、
前記レベル表示部の表示に対応した前記レベルを示す評価基準レベル情報を前記評価システムに出力する処理と、を実行するプログラムを記憶した非一時的コンピュータ可読記憶媒体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、インターフェイス装置、出力方法、及び、記憶媒体に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、交通参加者の中でも脆弱な立場にある人々にも配慮した持続可能な輸送システムへのアクセスを提供する取り組みが活発化している。この実現に向けて、車両等の操作技術の向上に関する研究開発を通して交通の安全性や利便性をより一層改善する研究開発に注力している。操作技術の向上に関する先行技術としては、従来、ユーザが行う操作を評価する手法が知られている。例えば、特許文献1には、車両の運転に関するアドバイスを運転者に対して出力し、車両の運転終了後に評価を行う装置が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2010-39138号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、ユーザによる操作を評価する場合、必要な操作をユーザが簡単に行えるようにすることが求められる。
本願は上記課題の解決のため、ユーザによる操作を評価する場合の操作を、より簡単にすることを目的とし、延いては持続可能な輸送システムの発展に寄与するものである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記目的を達成するための第1態様として、操作対象物に対するユーザの操作を評価する評価システムと、前記ユーザとの間の情報伝達をサポートするインターフェイス装置であって、前記ユーザに対する情報を表示するディスプレイと、前記ユーザによる指示を受け付ける指示入力部と、前記評価システムにおける前記ユーザの操作の評価基準のレベルを示すレベル表示部を前記ディスプレイに表示させる処理と、前記指示入力部に入力される前記レベルのアップまたはダウンの指示に応じて前記レベル表示部の表示を切り替える処理と、前記レベル表示部の表示に対応した前記レベルを示す評価基準レベル情報を前記評価システムに出力する処理と、を実行するプロセッサと、を備える、インターフェイス装置が挙げられる。
【0006】
上記目的を達成するための第2態様として、操作対象物に対するユーザの操作を評価する評価システムと、前記ユーザとの間の情報伝達をサポートする出力方法であって、前記ユーザに対する情報を表示するディスプレイ、及び、前記ユーザによる指示を受け付ける指示入力部を備えるインターフェイス装置によって、前記評価システムにおける前記ユーザの操作の評価基準のレベルを示すレベル表示部を前記ディスプレイに表示させる処理と、前記指示入力部に入力される前記レベルのアップまたはダウンの指示に応じて、前記レベル表示部の表示を切り替える処理と、前記レベル表示部の表示に対応した前記レベルを示す評価基準レベル情報を前記評価システムに出力する処理と、を実行する、出力方法が挙げられる。
【0007】
上記目的を達成するための第3態様として、ユーザに対する情報を表示するディスプレイと、ユーザによる指示を受け付ける指示入力部と、を有するインターフェイス装置のプロセッサにより実行されるプログラムであって、操作対象物に対する前記ユーザの操作を評価する評価システムと前記ユーザとの間の情報伝達をサポートするプログラムを記憶した記憶媒体であって、前記プロセッサにより、前記評価システムにおける前記ユーザの操作の評価基準のレベルを示すレベル表示部を前記ディスプレイに表示させる処理と、前記指示入力部に入力される前記レベルのアップまたはダウンの指示に応じて、前記レベル表示部の表示を切り替える処理と、前記レベル表示部の表示に対応した前記レベルを示す評価基準レベル情報を前記評価システムに出力する処理と、を実行するプログラムを記憶した、記憶媒体が挙げられる。
【発明の効果】
【0008】
上記構成によれば、操作対象物に対するユーザの操作を、ユーザの技量に対応するレベルにより評価するので、操作能力の異なる様々なユーザの操作を適切に評価できる。そして、簡単な操作によって、ユーザがレベルを選択あるいは指定することが可能となるため、ユーザに対して、ユーザの操作能力を評価する体験を、少ない操作負担で提供でき、延いては持続可能な輸送システムの発展に寄与できる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】運転評価システムの構成例を示す図。
図2】車両におけるディスプレイオーディオの配置例を示す図。
図3】ディスプレイオーディオの表示例を示す図。
図4】ディスプレイオーディオの表示例を示す図。
図5】ディスプレイオーディオの別の表示例を示す図。
図6】運転評価システムの動作を示すシーケンス図。
図7】運転評価システムの動作を示すフローチャート。
図8】運転評価システムの動作を示すフローチャート。
図9】運転評価システムの別の構成例を示す図。
【発明を実施するための形態】
【0010】
[1.運転評価システムの構成]
図1は、本実施形態の運転評価システム1の構成例を示す説明図である。
運転評価システム1は、車両Vに対するユーザの操作を評価するシステムである。車両Vは操作対象物の一例である。操作対象物は、ユーザの操作によって稼働する実物体、及び、映像や画像等の仮想物体のいずれであってもよく、例えば、ユーザの操作に基づき移動する移動体である。本実施形態では、移動体の一例として、車両Vに運転評価システム1を適用した例を説明する。
【0011】
運転評価システム1は、モバイルデバイス10及びディスプレイオーディオ(以下、DAと記載する)30を有するインターフェイス装置2を含む。DA30は、車両Vに搭載される表示装置の一例であり、ディスプレイとしてのタッチパネル34を備える。
【0012】
図2は、車両VにおけるDA30の配置例を示す図である。図2に示す配置例では、車両Vのインストゥルメントパネル60にタッチパネル34が埋め込み配置される。タッチパネル34は、メーターパネル61の側方に位置し、ステアリングホイール62の近傍に位置する。タッチパネル34は、車両Vを運転する運転者であるユーザが操作および視認しやすい位置に配置される。図2には、ステアリングホイール62にステアリングスイッチ部40が配置された構成を示す。ステアリングスイッチ部40は、例えば、複数のスイッチ41、42を含む。スイッチ41及びスイッチ42は押しボタン式のスイッチであってもよいし、接触操作を検出する静電容量センサであってもよい。
【0013】
図2に示す例では、DA30は、車両Vの内部に固定的に設置される装置である。DA30は、車両Vから取り外し可能な、携帯型の電子機器であってもよい。例えば、DA30は、ポータブル型のカーナビゲーション装置、或いは、タブレット型コンピュータであってもよい。
【0014】
DA30は、DAプロセッサ31、DAメモリ32、第1通信装置33、タッチパネル34、及び、車両I/F35を備える。
DAプロセッサ31は、CPU(Central Processing Unit)、MPU(Micro Processor Unit)、或いはその他の演算処理装置である。DAメモリ32は、プログラム、及び、データを記憶する不揮発性記憶装置である。DAプロセッサ31は、ディスプレイプロセッサの一例に対応する。
【0015】
DAプロセッサ31は、DAメモリ32が記憶する制御プログラム321を実行することにより、DA30の各部を制御する。DAプロセッサ31は、不図示の揮発性記憶装置、及び、DAメモリ32と統合されたSoC(System on Chip)であってもよい。
【0016】
第1通信装置33(トランスミッター/レシーバー、通信回路)は、モバイルデバイス10が備える第2通信装置13との間で、通信を実行する。第1通信装置33と第2通信装置13とは、通信回線37を介してデータ通信を実行する。通信回線37は、通信ケーブルで構成される有線通信回線、或いは、無線通信回線である。通信回線37は、例えば、USB(Universal Serial Bus)ケーブル、或いはその他のデータ通信ケーブルである。また、例えば、通信回線37は、Bluetooth(登録商標)、Wi-Fi(登録商標)、或いは、その他の無線通信規格に準拠する無線通信回線であってもよい。
【0017】
タッチパネル34は、タッチセンサ341、及び、ディスプレイパネル342を備える。ディスプレイパネル342は、DAプロセッサ31の制御に従って画像あるいは映像を表示する表示パネルである。ディスプレイパネル342は、例えば、LCD(Liquid Crystal Display)パネル、或いは、有機EL(Electro-Luminescence)表示パネルである。タッチセンサ341は、ディスプレイパネル342の表面に重ねて実装される。タッチセンサ341は、ディスプレイパネル342の表面にユーザがタッチ操作を行った場合に、タッチ操作を検出し、タッチ操作された位置を特定する。タッチセンサ341は、例えば、感圧式センサ、或いは、静電容量式センサで構成される。
【0018】
車両I/F(インターフェイス)35は、車両Vに搭載される装置に接続される接続装置(コネクタ、通信装置(トランスミッター/レシーバー、通信回路))である。図1の構成例では、車両I/F35は、スピーカ43に接続される。
【0019】
DAプロセッサ31は、入力検出部311、音声制御部312、及び、表示制御部313を有する。これらはソフトウェアにより構成される機能部である。これらは、具体的には、DAプロセッサ31が制御プログラム321を実行することによって構成される。
【0020】
入力検出部311は、タッチセンサ341により検出されたタッチ操作に関するデータを、第1通信装置33によりモバイルデバイス10に出力する。
音声制御部312は、モバイルデバイス10が送信する音声データを第1通信装置33により受信させる。音声制御部312は、第1通信装置33により受信した音声データに基づきスピーカ43から音声を出力させる。
表示制御部313は、モバイルデバイス10が送信する表示データを第1通信装置33により受信させる。表示制御部313は、第1通信装置33により受信した表示データに基づき、ディスプレイパネル342に画像や映像を表示させる。
タッチパネル34、及び、スピーカ43は、出力部の一例に対応する。
【0021】
車両I/F35は、スイッチ41、42に接続されてもよい。スイッチ41、42は、図2に示したように、ステアリングホイール62に設けられる。車両I/F35にスイッチ41、42が接続される場合、スイッチ41は、後述するアップ指示ボタン221と同様に、アップ指示入力部の一例に対応する。スイッチ42は、ダウン指示ボタン222と同様にダウン指示入力部の一例に対応する。この場合、入力検出部311は、スイッチ41またはスイッチ42の操作に応じて、操作されたスイッチを示すデータをモバイルデバイス10に出力する。
【0022】
車両I/F35は、車両Vが搭載するECU50(コンピュータ)に接続されてもよい。この場合、車両I/F35は、車両Vに設置されるCANバスに接続される。車両I/F35にECU50が接続される場合、DAプロセッサ31は、車両I/F35を介して、ユーザによる車両Vの操作に関するデータを取得する。このデータは、例えば、アクセルペダルの操作量、スロットル開度、ブレーキペダルの操作量、ステアリングホイール62の舵角を含む。この場合、入力検出部311は、ECU50から取得したデータをモバイルデバイス10に出力する。
【0023】
モバイルデバイス10は、プロセッサ11、メモリ12、第2通信装置13、IMU14、GNSS15、及び、第3通信装置16を備える。モバイルデバイス10は、携帯型の電子機器であり、例えば、スマートフォン、タブレット型コンピュータ、或いは、ノート型コンピュータである。モバイルデバイス10は、車両Vの車内に固定された装置であってもよい。モバイルデバイス10は、図1に示す構成のほか、ディスプレイ、スピーカ、マイク、及び、その他のデバイスを備えているが、それらの図示及び説明を省略する。
【0024】
プロセッサ11は、CPU、MPU、或いはその他の種類の演算処理装置である。メモリ12は、プログラム、及び、データを記憶する不揮発性記憶装置である。プロセッサ11は、メモリ12が記憶する制御プログラム121を実行することにより、モバイルデバイス10の各部を制御する。プロセッサ11は、不図示の揮発性記憶装置、及び、メモリ12と統合されたSoCであってもよい。
【0025】
第2通信装置13(トランスミッター/レシーバー、通信回路)は、DA30が備える第1通信装置33との間で、通信回線37を介して通信を実行する。
【0026】
IMU(Inertial Measurement Unit)14は、モバイルデバイス10が備える動きセンサの一例である。IMU14は、少なくとも加速度センサを含む統合センサユニットであり、ジャイロセンサ、及び、磁気センサのいずれかを含んでもよい。IMU14は、検出したデータをプロセッサ11に出力する。
【0027】
GNSS(Global Navigation Satellite System)15は、モバイルデバイス10の位置情報を検出し、位置情報を示すデータをプロセッサ11に出力する。
【0028】
プロセッサ11が後述する図6図7及び図8に示す処理を行う場合にIMU14が出力するデータを使用しない場合、モバイルデバイス10は、IMU14を備えていなくてもよい。GNSS15についても同様である。
【0029】
メモリ12は、制御プログラム121、DA制御アプリ122、評価アプリ123、設定データ124、及び、地図データ125を記憶する。制御プログラム121は、プロセッサ11がモバイルデバイス10を制御するための基本制御プログラムであり、例えば、モバイルデバイス10のOS(オペレーティングシステム)である。DA制御アプリ122及び評価アプリ123は、モバイルデバイス10にインストールされたアプリケーションプログラムである。
【0030】
プロセッサ11は、入力制御部111、出力制御部112、評価システム113、及び、レベル管理部114を備える。これらはソフトウェアにより構成される機能部である。これらは、具体的には、プロセッサ11が制御プログラム121を実行することによって構成される。
【0031】
プロセッサ11は、制御プログラム121を実行することにより、モバイルデバイス10の各部を制御する。プロセッサ11は、DA制御アプリ122を実行することにより、入力制御部111、出力制御部112、及び、レベル管理部114として機能する。プロセッサ11は、評価アプリ123を実行することによって、評価システム113として機能する。
【0032】
入力制御部111は、DA30が入力検出部311の機能により送信するデータを取得する。入力制御部111は、取得したデータを、評価システム113及び/またはレベル管理部114に出力する。出力制御部112は、評価システム113が生成するデータ、及び、レベル管理部114が生成するデータを第2通信装置13によってDA30に出力する。
【0033】
評価システム113は、ユーザによる車両Vの運転操作を評価する。評価システム113は、IMU14が検出したモバイルデバイス10の動きを示すデータ、或いは、入力制御部111がDA30から取得したデータに基づき、運転操作を評価する。例えば、評価システム113は、IMU14が検出したデータから、モバイルデバイス10が設置され、或いは搭載された車両Vの動きを推定する。評価システム113は、ユーザが操作を行った場合に、その操作を評価する。評価システム113は、ユーザの操作が良い操作であるか、良い操作に近い場合は高い評価を与え、ユーザの操作が悪い操作であるか、悪い操作に近い場合には低い評価を与える。例えば、評価システム113は、車両Vの動きに基づいて、ユーザによる運転操作が望ましい操作に近いか否かを示す評価点を算出する。評価点には上限と下限が設けられ、評価点が高い点であるほどユーザの操作が高く評価されたことを意味し、最も良い操作には上限の評価点が与えられる。また、評価点が低いことは、ユーザの操作が低く評価されたことを意味する。評価システム113は、モバイルデバイス10がECU50から取得したデータを用いて運転操作を評価してもよい。例えば、評価システム113は、ECU50に接続される不図示のIMUが検出したデータを利用して評価を行ってもよい。例えば、評価システム113は、モバイルデバイス10がECU50から取得した、アクセルペダルの操作量、スロットル開度、ブレーキペダルの操作量、ステアリングホイール62の舵角等のデータを利用して評価を行ってもよい。
【0034】
評価システム113は、運転操作を評価するレベルを設定可能である。評価システム113は、例えば、複数段階のレベルを設定可能であり、これら複数段階のレベルのうち選択されたレベルで運転操作を評価する。一例として、本実施形態の評価システム113には、レベル1、2、3、4、5の5段階のレベルのうち、いずれか1つのレベルを選択して設定可能である。レベル1~5は、数字が小さいほど低いレベルであり、数字が大きいほど高いレベルである。この観点で、レベルをグレードと呼ぶことができる。
【0035】
低いレベルは、運転操作が未熟なユーザの評価に適している。高いレベルは、運転操作の習熟度が高い、熟練したユーザの評価に適している。評価システム113は、各々のレベルに対応する評価基準を有する。評価システム113は、レベルが設定された場合、設定されたレベルに対応する評価基準を用いて、ユーザの運転操作を評価する。
【0036】
評価システム113は、ユーザの運転操作を評価したときに、評価点が所定の基準よりも高い場合、設定されているレベルを、1段階または2段階高いレベルに変更してもよい。これにより、ユーザの運転操作が上達すると、操作の上達に伴って評価システム113のレベルが上昇する。評価システム113は、ユーザの運転操作を評価したときに、評価点が所定の基準よりも低い場合、設定されているレベルを、1段階または2段階低いレベルに変更してもよい。
【0037】
評価システム113は、予め設定された時間毎、予め設定された量だけ車両Vが動く毎、或いは、予め設定された回数の操作が行われる毎に、ユーザの運転操作の評価を実行する。例えば、評価システム113は、車両Vが走行を開始してから、車両Vが停車するまでの間の全ての操作を対象として評価を行ってもよい。この場合、例えば、車両Vの走行開始は、車両Vの車速が第1基準速度以上となったときであり、車両Vの停車は、車両Vの車速が第2基準速度以下となったときである。
【0038】
評価システム113は、ユーザの運転操作を評価した結果に応じて、ユーザに対するアドバイスを出力する。ユーザに対するアドバイスは、表示または音声により出力される。例えば、評価システム113はアドバイスに関するデータを出力し、出力制御部112がアドバイスの表示データまたは音声データを生成して、モバイルデバイス10に出力する。モバイルデバイス10は、出力制御部112が生成した表示データに基づきタッチパネル34の表示を更新し、或いは、出力制御部112が生成した音声データに基づきスピーカ43により音声を出力する。
【0039】
評価システム113には、ユーザが行う運転操作のうち、評価の対象とする操作の種類、或いは、操作の種別を設定できる。操作の種類あるいは種別とは、例えば、アクセル操作、ブレーキ操作、ステアリング操作を含む。評価システム113は、評価の対象が設定されている場合に、設定された評価について、レベル毎の評価基準に基づき評価点を算出する。
【0040】
レベル管理部114は、評価システム113に評価のレベルを設定する。レベル管理部114は、タッチパネル34またはスイッチ41、42によって、レベルの変更を指示する操作が行われた場合に、操作に対応して、評価システム113に設定されているレベルを、より高いレベルまたはより低いレベルに変更する。レベル管理部114は、評価システム113のレベルを変更した場合、後述するように、タッチパネル34により表示されるインジケータ230の表示を更新する。
また、レベル管理部114は、ユーザの操作に従って、評価システム113に操作の種類あるいは種別を設定する。
評価システム113には、評価対象の操作の種類または種別、及び、評価のレベルについて、初期値が予め設定される。
【0041】
第3通信装置16(トランスミッター/レシーバー、通信回路)は、通信ネットワーク500に接続され、通信ネットワーク500を通じてサーバ400と通信を実行する。通信ネットワーク500は、データ通信ネットワークであればよく、公衆回線網を含む広域通信ネットワーク、LAN(Local Area Network)等が挙げられる。サーバ400は、モバイルデバイス10と相互にデータ通信を実行可能なサーバコンピュータである。サーバ400は、1台のサーバコンピュータであってもよいし、複数のサーバコンピュータが分散処理を行うことによりサーバ400として振る舞ってもよい。
【0042】
サーバ400は、例えば、モバイルデバイス10にDA制御アプリ122及び評価アプリ123を提供する。この場合、モバイルデバイス10は、サーバ400からDA制御アプリ122及び評価アプリ123をダウンロードし、インストールできる。また、モバイルデバイス10は、サーバ400からダウンロードするデータに基づいてDA制御アプリ122及び評価アプリ123を更新できる。
【0043】
[2.ユーザインターフェイスの構成]
図3及び図4は、DA30の表示例を示す図である。
図3に示す表示例は、ユーザの操作に従って評価システム113が動作する場合に表示される。この表示例では、タッチパネル34の表示可能領域のほぼ全体に画面200が表示される。画面200は、評価用の画面であり、本発明の1つの画面の一例に対応する。
【0044】
画面200の上部には入力領域210が配置される。入力領域210は、ユーザのタッチ操作により指示入力を受け付けることが可能な領域である。
入力領域210には、アップ指示ボタン221、ダウン指示ボタン222、及び、実行指示入力部223が配置される。アップ指示ボタン221、ダウン指示ボタン222、および実行指示入力部223は、指示入力部を構成する。アップ指示ボタン221はアップ指示入力部の一例に対応し、ダウン指示ボタン222はダウン指示入力部の一例に対応する。
【0045】
アップ指示ボタン221及びダウン指示ボタン222は、評価システム113に設定されている評価のレベルを変更させる指示の入力を受け付ける。アップ指示ボタン221は、評価のレベルを上昇させる、すなわち、より高いレベルに変更させる指示を入力するための指示入力部である。ダウン指示ボタン222は、評価のレベルを下降させる、すなわち、より低いレベルに変更させる指示を入力するための指示入力部である。
【0046】
実行指示入力部223は、評価システム113による評価の開始、及び、停止を指示するための指示入力部である。ユーザが実行指示入力部223の表示位置にタッチする操作を行う毎に、評価システム113の評価の開始、及び、停止の指示が受け付けられる。
【0047】
入力領域210には、インジケータ230が配置される。インジケータ230は、評価システム113に設定されているレベルを示す表示オブジェクトである。インジケータ230は、図中において左右方向に表示されるバーであり、レベルが高いほど、インジケータ230の表示が右方向に延びる。ここで、インジケータ230が延びる方向を、X方向とする。X方向は第1方向の一例に対応する。もっとも、インジケータ230で表示されるオブジェクトの態様はこれに限定されない。オブジェクトの態様とは、例えば、オブジェクトの形状、サイズ、模様、色である。すなわち、レベルを示す表示オブジェクトは、インジケータ230のようなバー形状に限られず、例えば、インジケータ230と同様のバーに、レベルを示すテキストが付加して表示されてもよい。また、例えば、インジケータ230は、円グラフ形状の表示オブジェクトであってもよいし、X方向と交差する方向に延びるバーであってもよい。インジケータ230はレベル表示部の一例である。
【0048】
インジケータ230のバーの長さは、評価システム113の評価のレベルが下降すると短くなり、評価のレベルが上昇すると長くなる。インジケータ230のバーの左端の位置は固定されているので、バーがX方向に長くなり、X方向とは逆方向に短くなる。図3の例では、インジケータ230は、5つの領域に区切られているので、5段階に伸縮する。インジケータ230のバーが最も短い状態はレベル1を示し、バーが最も長い状態はレベル5を示す。
【0049】
アップ指示ボタン221及びダウン指示ボタン222は、インジケータ230のバーの伸縮方向に対応するアイコンで構成される。例えば、アップ指示ボタン221は、インジケータ230のバーが伸びる方向を示す矢印の画像あるいはイラストである。ダウン指示ボタン222は、インジケータ230のバーが短くなる方向を示す矢印の画像あるいはイラストである。アップ指示ボタン221とダウン指示ボタン222とは、インジケータ230のバーが伸びる方向に合わせて配置される。すなわち、アップ指示ボタン221は、ダウン指示ボタン222よりも、インジケータ230のバーが伸びる方向、すなわちX方向に位置している。
【0050】
インジケータ230は、X方向に伸び、X方向とは反対方向に縮むバーである。そして、アップ指示ボタン221、及び、ダウン指示ボタン222は、インジケータ230のバーの伸縮方向に対応するアイコンを含むグラフィカルユーザインターフェイス(GUI)である。このようなアップ指示ボタン221、ダウン指示ボタン222及びインジケータ230の組合せと配置は、ユーザによる直感的な操作を可能とする。
【0051】
図3の構成では、インジケータ230が伸縮するバーを有し、アップ指示ボタン221が、バーが伸びる方向を示すアイコンである。このため、ユーザはアップ指示ボタン221のアイコンとインジケータ230とを見ることによって、評価のレベルを上昇させたい場合の操作方法を直感的に知ることができる。
図3の構成では、インジケータ230が伸縮するバーを有し、ダウン指示ボタン222が、バーが縮む方向を示すアイコンである。このため、ユーザはダウン指示ボタン222のアイコンとインジケータ230とを見ることによって、評価のレベルを下降させたい場合の操作方法を直感的に知ることができる。
【0052】
実行指示入力部223は、アップ指示ボタン221とダウン指示ボタン222との間に配置される。実行指示入力部223の位置は制限されないが、アップ指示ボタン221とダウン指示ボタン222との間に実行指示入力部223が位置することで、アップ指示ボタン221とダウン指示ボタン222との対比が鮮明になる。これにより、ユーザが、より直感的に操作を行うことが可能となる。
【0053】
さらに、入力領域210には、アップ指示ボタン221、及び、ダウン指示ボタン222に対し、X方向に並ぶようにインジケータ230が配置されている。より具体的には、アップ指示ボタン221と、ダウン指示ボタン222と、インジケータ230とが直線上に並ぶように配置される。このため、アップ指示ボタン221及びダウン指示ボタン222と、インジケータ230との対応が、ユーザにわかりやすい。これにより、ユーザが、評価のレベルを変更する操作を、より直感的に行うことが可能となる。
【0054】
入力領域210には、操作種別入力部224が配置される。操作種別入力部224は、評価の種類を指定する指示入力を受け付ける指示入力部である。本実施形態では、一例として、アクセル操作、ブレーキ操作、ステアリング操作、及び、これらの組合せを、評価の種類として設定可能である。
【0055】
操作種別入力部224に対するタッチ操作が行われると、モバイルデバイス10及びDA30は、画面200において設定用の画面を展開する。この画面の表示例を図4に示す。
【0056】
図4には、タッチパネル34に表示される操作種別選択領域250の表示例を示す。この操作種別選択領域250は、例えば、画面200に重ねて表示される。操作種別選択領域250には、評価システム113に設定する操作の種類を示すアイコン252~258が配置される。アイコン252は、アクセル操作を示す。アイコン253はステアリング操作を示す。アイコン254はブレーキ操作を示す。アイコン255はステアリング操作とアクセル操作の組合せを示し、アイコン256はアクセル操作とブレーキ操作の組合せを示し、アイコン257はステアリング操作とブレーキ操作の組合せを示す。アイコン258は、ステアリング操作とブレーキ操作とアクセル操作の全ての組合せを示す。
【0057】
操作種別選択領域250には、評価システム113に設定する操作の種別を選択するための選択表示251が配置される。選択表示251は、図中に符号+Y及び-Yで示す方向に移動可能である。操作種別選択領域250では、選択表示251とアイコン252~258とが相対的に移動可能であればよい。例えば、選択表示251の表示位置が固定され、操作種別選択領域250のアイコン252~258が+Y方向及び-Y方向に移動可能であってもよい。
【0058】
ユーザは、選択表示251を、アイコン252~258のうちの所望のアイコンに重ねる操作を行う。この操作は、例えばタッチ操作またはドラッグ操作である。モバイルデバイス10及びDA30は、選択表示251が重ねられたアイコンに対応する操作の種別、或いは、操作の種別の組合せを、評価システム113の評価の対象として設定する。
【0059】
図3に戻り、画面200において入力領域210を除く領域には、地図241が表示される。地図241が表示される領域は、地図領域、或いは、第2領域と呼んでもよい。地図241は、車両Vの現在位置を含む地図である。モバイルデバイス10の出力制御部112は、地図データ125を参照して、GNSS15が検出した現在位置を含む地図241の画像を生成し、タッチパネル34に表示させる。モバイルデバイス10が車両Vに設置または搭載されている場合、モバイルデバイス10が検出する位置を車両Vの位置と見做すことができる。また、モバイルデバイス10が車両I/F35を介して、車両Vに搭載されるカーナビゲーションシステムから現在位置を示すデータを取得可能な場合、出力制御部112は、モバイルデバイス10から取得したデータに基づいて地図241を表示してもよい。
【0060】
図241には、評価された操作をユーザが行った位置を示す評価位置アイコン242、及び、車両Vの現在位置を示す現在位置アイコン243が配置される。評価位置アイコン242は、評価システム113が評価した運転操作が行われた位置、或いは、評価システム113によって所定の評価点が与えられた運転操作が行われた位置を示す。例えば、評価位置アイコン242は、評価システム113によって第1閾値よりも高い評価点、または、第2閾値よりも低い評価点が与えられた運転操作が行われた位置を示す。評価位置アイコン242は、評価された運転操作の種別を示す画像またはイラストを含むアイコンであってもよい。評価位置アイコン242は、操作が行われた位置を示す表示オブジェクトの一例に対応する。第1閾値および第2閾値は予め設定された値であり、第1閾値は第2閾値よりも高い評価を示す値である。
【0061】
図5は、DA30の別の表示例を示す図である。
図5には、図3に示した画面200の変形例として画面201を示す。画面201が表示されるタイミング、及び、画面201の表示中におけるユーザの操作は画面200と同様である。画面201は、画面200と同様に評価用の画面であり、本発明の1つの画面の一例に対応する。
【0062】
画面201の上部には入力領域211が配置される。入力領域211は、ユーザのタッチ操作により指示入力を受け付けることが可能な領域である。入力領域211は、アップ指示ボタン221、ダウン指示ボタン222、実行指示入力部223、及び、操作種別入力部224を含む。入力領域211におけるアップ指示ボタン221、ダウン指示ボタン222、実行指示入力部223及び操作種別入力部224の配置は、入力領域210と同様である。
【0063】
画面201には地図241が表示される。地図241の表示態様、及び、地図241に重ねて表示される評価位置アイコン242及び現在位置アイコン243は、図3に示した画面200と同様である。
【0064】
入力領域211には、レベル表示部231が配置される。レベル表示部231は、評価システム113に設定されているレベルを示す表示オブジェクトである。レベル表示部231は、設定されているレベルをテキストによって示す文字列である。図5の例ではレベル表示部231が「レベル2」を示しているが、評価システム113に設定されるレベルが変更されることに伴い、レベル表示部231の表示は、「レベル1」や「レベル3」に更新される。
【0065】
入力領域211には、評価インジケータ235が配置される。評価インジケータ235は、評価システム113によりユーザの操作を評価した結果を示す表示オブジェクトである。評価インジケータ235は、例えば、レベル表示部231の下方に配置される。
【0066】
評価インジケータ235は、評価システム113により高い評価が与えられた操作の回数を示すバーである。高い評価が与えられた操作とは、例えば、評価システム113が算出した評価点が第1閾値よりも高い操作をいう。評価インジケータ235は、評価システム113により高い評価が与えられた運転操作が増加することに合わせて、X方向に延びる。また、評価システム113によって、第2閾値よりも低い評価点が与えられた操作の回数に応じて、評価インジケータ235が示す回数が減算され、評価インジケータ235は短くなる。
【0067】
評価インジケータ235の長さは、評価システム113がレベルを変更するときの条件に対応する。評価インジケータ235の長さが最大となることは、評価システム113が、設定されているレベルを、より高いレベルに変更する条件が満たされることに対応する。評価インジケータ235の長さが最も小さくなることは、評価システム113が、設定されているレベルを、より低いレベルに変更する条件が満たされることに対応する。
【0068】
評価インジケータ235は、ユーザの操作に対して評価システム113が与えた評価を、バーの長さによって、わかりやすくユーザに伝達する。このため、ユーザは、評価インジケータ235を視認することによって、現在の評価レベルにおいてユーザの操作がどの程度評価されているかを、容易に、直感的に知ることができる。
【0069】
[3.運転評価システムの動作]
図6は、運転評価システム1の動作を示すシーケンス図であり、モバイルデバイス10とDA30との基本的な動作を示す。図6のステップS11-S15は、モバイルデバイス10のプロセッサ11により実行される。ステップS21-S24は、DA30のDAプロセッサ31により実行される。
【0070】
DA30は、ユーザによる操作を検出した場合(ステップS21)、操作内容を示す操作データをモバイルデバイス10に送信する(ステップS22)。ステップS21で検出される操作は、例えば、入力領域210に対する操作、或いは、スイッチ41、42による操作である。
【0071】
モバイルデバイス10は、DA30が送信する操作データを受信した場合、操作データを解析する(ステップS11)。モバイルデバイス10は、操作データに基づく処理を実行する(ステップS12)。ステップS12では、例えば、評価システム113による評価の開始、評価システム113の評価のレベルの変更、評価対象の操作の種別の設定等が行われる。また、ステップS12は、評価システム113による評価の実行を含む。
【0072】
モバイルデバイス10は、ステップS12の処理の結果に基づいて、タッチパネル34に表示を行わせるための表示データを更新する(ステップS13)。モバイルデバイス10は、表示データをDA30に送信する(ステップS14)。また、モバイルデバイス10は、ステップS12の処理の結果に基づき音声を出力させる場合、音声データを生成する(ステップS15)。モバイルデバイス10は、生成した音声データをDA30に送信する(ステップS16)。
【0073】
DA30は、モバイルデバイス10が送信した表示データを受信し、受信した表示データに基づきタッチパネル34の表示を更新する(ステップS23)。また、DA30は、モバイルデバイス10が送信した音声データを受信した場合、受信した音声データに基づいて、スピーカ43から音声を出力する(ステップS24)。
【0074】
このように、運転評価システム1において、モバイルデバイス10とDA30とは、DA30に対する入力に応じてモバイルデバイス10が処理を実行し、処理結果に基づきDA30が表示の更新や音声出力を実行する。
【0075】
図7は、運転評価システム1の動作を示すフローチャートである。図7には、画面200の表示を含む動作を示す。
【0076】
図7の動作は、例えば、モバイルデバイス10がDA制御アプリ122を起動したときに開始される。図7の動作を開始する際、第2通信装置13と第1通信装置33との間で通信回線37が接続あるいは確立されている必要がある。また、図7の動作を実行する場合、モバイルデバイス10において評価アプリ123が起動していることが好ましい。
【0077】
出力制御部112は、タッチパネル34に、入力領域210のグラフィカルユーザインターフェイス、インジケータ230、及び、地図241を含む画面200を表示させる(ステップS31)。ステップS31で、出力制御部112は、画面200を表示するための表示データを生成し、DA30に送信し、タッチパネル34に画面200を表示させる。
【0078】
入力制御部111は、DA30が送信する操作データを受信することにより、操作データを取得する(ステップS32)。
入力制御部111は、取得した操作データが、評価開始を指示する操作を含むか否かを判定する(ステップS33)。評価開始を指示する操作は、例えば、実行指示入力部223に対する操作である。評価開始を指示する操作を含むと判定した場合(ステップS33;YES)、入力制御部111は、評価システム113に対して評価開始要求を出力し(ステップS34)、ステップS35に移行する。また、評価開始を指示する操作を含まないと判定した場合(ステップS33;NO)、入力制御部111はステップS34をスキップしてステップS35に移行する。
【0079】
ステップS35において、入力制御部111は、ステップS32で取得した操作データが、評価のレベル変更を指示する操作を含むか否かを判定する(ステップS35)。評価のレベル変更を指示する操作とは、例えば、アップ指示ボタン221に対する操作、及び、ダウン指示ボタン222に対する操作である。この操作は、スイッチ41、42の操作であってもよい。
【0080】
レベル変更を指示する操作を含むと判定した場合(ステップS35;YES)、入力制御部111は、評価システム113に対して評価基準レベル情報を出力する(ステップS36)。評価基準レベル情報は、評価のレベルを指定する情報であり、評価システム113の評価のレベルを設定するための情報である。ステップS36において、入力制御部111は、ユーザの操作によって指示された通りに評価システム113の評価のレベルを変更するための評価基準レベル情報を生成し、評価システム113に出力する。入力制御部111は、タッチパネル34が表示している画面200におけるインジケータ230の表示状態を切り替える(ステップS37)。ステップS37で、入力制御部111は、インジケータ230の表示状態を、評価基準レベル情報が示すレベルに対応するように変更させる。具体的には、入力制御部111は、変更後のレベルに対応するインジケータ230を含む表示データを生成してDA30に送信し、タッチパネル34による画面200の表示を更新させる。ステップS37を実行後、入力制御部111はステップS38に移行する。また、レベル変更を指示する操作を含まないと判定した場合(ステップS35;NO)、入力制御部111は、ステップS36-S37をスキップしてステップS38に移行する。
【0081】
ステップS38において、入力制御部111は、ステップS32で取得した操作データが、評価対象とする操作の種類を指示する操作を含むか否かを判定する(ステップS38)。評価対象とする操作の種類を指示する操作とは、例えば、操作種別入力部224に対する操作である。
【0082】
操作の種類を指示する操作を含むと判定した場合(ステップS38;YES)、入力制御部111は、評価システム113に対して種類情報を出力する(ステップS39)。種類情報は、評価対象とする操作の種類あるいは種別を指定する情報である。ステップS39で、入力制御部111は、ユーザの操作によって指示された種類の操作を、評価システム113の評価対象として設定するための種類情報を生成し、評価システム113に出力する。ステップS39を実行後、入力制御部111はステップS40に移行する。また、操作の種類を指示する操作を含まないと判定した場合(ステップS38;NO)、入力制御部111は、ステップS39をスキップしてステップS40に移行する。
【0083】
ステップS40で、入力制御部111は、ステップS32で取得した操作データが、評価の停止を指示する操作を含むか否かを判定する(ステップS40)。評価の停止を指示する操作とは、例えば、実行指示入力部223に対する操作である。
【0084】
評価の停止を指示する操作を含むと判定した場合(ステップS40;YES)、入力制御部111は、評価システム113に対して評価停止要求を出力し(ステップS41)、ステップS42に移行する。評価の停止を指示する操作を含まないと判定した場合(ステップS40;NO)、入力制御部111は、ステップS41をスキップしてステップS42に移行する。
【0085】
ステップS42では、出力制御部112が、評価システム113から表示要求が行われているか否かを判定する(ステップS42)。評価システム113が表示要求を行っていると判定した場合(ステップS42;YES)、出力制御部112は、表示要求に基づいてタッチパネル34の表示を更新させる(ステップS43)。ステップS43で、出力制御部112は、例えば、評価システム113が生成した評価結果及び/またはアドバイスをタッチパネル34に表示させるための表示データを生成してDA30に送信し、画面200の表示を更新させる。この場合、例えば、画面200の地図241に重ねて、評価結果やアドバイスを伝える文字列が表示される。
ステップS43を実行後、出力制御部112はステップS44に移行する。また、評価システム113から表示要求が行われていないと判定した場合(ステップS42;NO)、出力制御部112はステップS43をスキップしてステップS44に移行する。
【0086】
ステップS44では、出力制御部112が、評価システム113から出力要求が行われているか否かを判定する(ステップS44)。評価システム113が出力要求を行っていると判定した場合(ステップS44;YES)、出力制御部112は、出力要求に基づいて、DA30による出力を実行させる(ステップS45)。例えば、ステップS45で、出力制御部112は、評価システム113が生成した出力要求に基づき音声データを生成してDA30に送信し、スピーカ43から音声を出力させる。この場合、例えば、評価システム113が生成した評価結果やアドバイスを伝える音声が出力される。
ステップS45を実行後、出力制御部112はステップS46に移行する。また、評価システム113から出力要求が行われていないと判定した場合(ステップS44;NO)、出力制御部112はステップS45をスキップしてステップS46に移行する。
【0087】
ステップS46では、モバイルデバイス10が、DA制御アプリ122の動作を終了するか否かを判定する(ステップS46)。DA制御アプリ122の動作を終了する場合とは、例えば、ユーザがモバイルデバイス10を操作してDA制御アプリ122の終了を指示した場合、通信回線37による通信が途絶した場合、DA30が動作を停止した場合、及び、DA30の電源がオフになった場合が挙げられる。DA30の電源がオフになる場合とは、例えば、車両Vがイグニッションオフとなる場合である。
DA制御アプリ122の動作を終了する場合(ステップS46;YES)、モバイルデバイス10は、図7の動作を終了する。DA制御アプリ122の動作を終了しない場合(ステップS46;NO)、モバイルデバイス10はステップS32に戻る。
【0088】
図8は、運転評価システム1の動作を示すフローチャートである。図8には、評価システム113により実行される評価処理を示す。
評価システム113は、評価開始要求が入力されたか否かを判定し(ステップS51)、評価開始要求が入力されない間は(ステップS51;NO)、待機する。評価開始要求が入力された場合(ステップS51;YES)、評価システム113は、評価を開始する(ステップS52)。評価システム113は、評価用のデータを取得する(ステップS53)。ステップS53で、評価システム113は、例えばIMU14の検出値を取得する。評価システム113は、ステップS53でGNSS15により検出された位置情報を取得してもよい。評価システム113は、ステップS53で、モバイルデバイス10がECU50から取得したアクセルペダルの操作量、スロットル開度、ブレーキペダルの操作量、ステアリングホイール62の舵角等を示すデータを取得してもよい。評価システム113は、評価システム113に設定されている評価対象の操作の種別に対応するデータを、ステップS53で取得する。
【0089】
評価システム113は、ステップS53で取得したデータを、評価システム113に設定されているレベルの評価基準と比較する(ステップS54)。評価システム113は、ステップS54で比較を行った結果に基づいて、ユーザの操作に対する評価点を算出する(ステップS55)。
【0090】
評価システム113は、ステップS55で算出した評価点に基づいて、ユーザに対するアドバイスを生成し、出力する(ステップS56)。ステップS56で、評価システム113は、アドバイスをタッチパネル34に表示させるための表示要求、または、アドバイスを音声等としてDA30から出力させるための出力要求を生成し、出力制御部112に出力する。
【0091】
評価システム113は、ステップS53で取得したデータが示す操作が行われた位置に評価位置アイコン242を表示させるため、表示要求を生成して出力制御部112に出力する(ステップS57)。これにより、評価位置アイコン242が地図241に重ねて表示される。
【0092】
評価システム113は、ユーザの運転操作の評価が、レベル変更の基準に該当するか否かを判定する(ステップS58)。評価システム113は、例えば、ステップS55で算出した評価点、或いは、過去に算出した評価点の累積値や平均値を判定の指標とする。評価システム113は、判定の指標が、予め設定された所定の上昇基準よりも高い場合、評価システム113に設定されているレベルをより高いレベルに変更する基準に該当すると判定する。また、評価システム113は、判定の指標が、予め設定された所定の下降基準よりも低い場合に、評価システム113に設定されているレベルをより低いレベルに変更する基準に該当すると判定する。
【0093】
また、例えば、評価システム113は、評価システム113が第1閾値より高い評価点を算出した操作の回数をカウントする。評価システム113は、評価システム113が第2閾値より低い評価点を算出した操作がある場合、その操作の回数分だけカウント値を減算する。評価システム113は、カウント値が予め設定された上限に達した場合、評価システム113の評価のレベルを、より高いレベルに変更する基準に該当すると判定する。また、評価システム113は、カウント値が予め設定された下限に達した場合、評価のレベルを、より低いレベルに変更する基準に該当すると判定する。
【0094】
運転評価システム1がタッチパネル34により画面201を表示させる場合、評価システム113のカウント値は、評価インジケータ235のバーの長さに対応し、カウント値の上限および下限は、例えば、評価インジケータ235の長さの上限と下限に対応する。この場合、評価システム113は、カウント値を変更する毎に、画面201における評価インジケータ235の表示の更新を要求してもよい。この場合、評価システム113の表示要求に応じて、ステップS43で表示が更新され、評価インジケータ235のバーの長さが変更される。
【0095】
評価システム113は、レベル変更の基準に該当すると判定した場合(ステップS58;YES)、評価システム113に設定されているレベルを変更し(ステップS59)、ステップS60に移行する。評価システム113は、レベル変更の基準に該当しないと判定した場合(ステップS58;NO)、ステップS59をスキップしてステップS60に移行する。
【0096】
ステップS60で、評価システム113は、評価停止要求が入力されたか否かを判定する(ステップS60)。評価停止要求が入力されたと判定した場合(ステップS60;YES)、評価システム113は本処理を終了する。評価停止要求が入力されていないと判定した場合(ステップS60;NO)、評価システム113はステップS53に戻る。
【0097】
上記実施形態では、モバイルデバイス10が評価アプリ123を実行することによって、評価システム113による評価を行う構成を説明したが、運転評価システム1は、インターフェイス装置2とは異なる装置が評価を行う構成であってもよい。
【0098】
図9は、運転評価システム1の別の構成例として、運転評価システム1Aの構成を示す図である。
運転評価システム1Aは、運転評価システム1において、サーバ400が評価システム401を有する。モバイルデバイス10は、評価を行わないので、評価アプリ123がインストールされていなくてもよい。すなわち、モバイルデバイス10において、プロセッサ11は評価システム113として機能しなくてもよい。また、メモリ12は評価アプリ123を記憶していなくてもよい。
【0099】
図9の構成では、図8の動作を評価システム401が実行する。評価システム401は、サーバ400が有する不図示のサーバプロセッサが、評価アプリ123と同様のアプリケーションプログラムを実行することによって実現される。この構成では、モバイルデバイス10は、入力制御部111、出力制御部112、及び、レベル管理部114の機能により、図7の動作を実行する。すなわち、モバイルデバイス10は、ステップS34で、第3通信装置16によってサーバ400に評価開始要求を送信する。同様に、モバイルデバイス10は、ステップS36、S39、S41で、第3通信装置16によってサーバ400に評価基準レベル情報、種類情報、評価停止要求等を送信する。また、モバイルデバイス10は、サーバ400が送信するデータを第3通信装置16によって受信することにより、評価システム401からの出力要求や表示要求を検出する。このように、ユーザの運転操作の評価を、サーバ400を利用して実行する場合、モバイルデバイス10の処理負荷を増大させることなく、より高精度の評価を行うことができる。
【0100】
[4.他の実施形態]
上記実施形態は本発明を適用した一具体例を示すものであり、発明が適用される形態を限定するものではない。
【0101】
上記実施形態では、操作対象物である移動体として車両Vを示し、図2には車両Vが四輪自動車である例を示したが、これは一例である。移動体は、一輪車、自転車、自動二輪車、或いは、その他の車両であってもよい。移動体は、船舶あるいは飛行体であってもよい。移動体は、ユーザが搭乗する物体であってもよいし、ユーザが搭乗しないものであってもよい。移動体の駆動源は、内燃機関、モータ、人力のいずれであってもよく、その他の駆動源を備えてもよい。
【0102】
上記実施形態では、DA30がディスプレイとしてディスプレイパネル342を備える構成を例示したが、これは一例である。例えば、DA30は、車両Vのフロントガラス、或いは、その他の投影板に映像や画像を投影するヘッドアップディスプレイであってもよい。この場合、アップ指示入力部及びダウン指示入力部として、スイッチ41、42を用いてもよい。或いは、DA30がマイクを備え、マイクで集音したユーザの音声によるコマンド入力を受け付け可能な構成であってもよい。この場合、DA30は、マイクをアップ指示入力部及びダウン指示入力部として利用し、評価システム113の評価のレベルを変更する指示を受け付ける構成であってもよい。
【0103】
上記実施形態では、モバイルデバイス10とDA30とが別体で構成されるものとして説明したが、これは一例である。例えば、モバイルデバイス10とDA30とが一体として構成されてもよい。この場合、第1通信装置33及び第2通信装置13は、一体の装置内部における通信インターフェイスに対応する。
【0104】
図1は、本願発明の理解を容易にするために、運転評価システム1に含まれる各装置の機能構成を主な処理内容により区分して示した概略図であり、各装置の構成を限定するものではない。
制御プログラム121、DA制御アプリ122、及び、評価アプリ123は、持ち運び可能な、或いは固定的な、情報記憶媒体に記憶された状態で移動および/または取引可能である。この情報記憶媒体は、非一時的コンピュータ可読記憶媒体の一例である。情報記憶媒体は、ハードディスク等の磁気的記憶媒体、CD等の光学的記憶媒体、USBメモリやSSD(Solid State Drive)等の半導体記憶デバイスが挙げられるが、その他の記憶媒体を用いることも可能である。プロセッサ11は、上記の情報記憶媒体から制御プログラム121、DA制御アプリ122、或いは評価アプリ123を読み出して実行してもよい。
【0105】
[5.上記実施形態によりサポートされる構成]
上記実施形態は、以下の構成の具体例である。
【0106】
(構成1)操作対象物に対するユーザの操作を評価する評価システムと、前記ユーザとの間の情報伝達をサポートするインターフェイス装置であって、前記ユーザに対する情報を表示するディスプレイと、前記ユーザによる指示を受け付ける指示入力部と、前記評価システムにおける前記ユーザの操作の評価基準のレベルを示すレベル表示部を前記ディスプレイに表示させる処理と、前記指示入力部に入力される前記レベルのアップまたはダウンの指示に応じて前記レベル表示部の表示を切り替える処理と、前記レベル表示部の表示に対応した前記レベルを示す評価基準レベル情報を前記評価システムに出力する処理と、を実行するプロセッサと、を備える、インターフェイス装置。
構成1のインターフェイス装置によれば、操作対象物に対するユーザの操作を、ユーザの操作能力に対応して適切に評価できる。また、ユーザが簡単な操作によってレベルを選択あるいは指定できる。これにより、ユーザの操作能力を評価する体験を、少ない操作負担で提供することができ、延いては持続可能な輸送システムの発展に寄与できる。
【0107】
(構成2)前記操作対象物は移動体であり、前記評価基準は、前記ユーザによる前記移動体の運転操作に対する評価の厳しさを示す、構成1に記載のインターフェイス装置。
構成2のインターフェイス装置によれば、ユーザが行う移動体の運転操作を、レベルにより厳しさが異なる評価基準に基づいて、適切に判定できる。
【0108】
(構成3)前記指示入力部は、前記ユーザによる前記レベルのアップ指示が入力されるアップ指示入力部と、前記ユーザによる前記レベルのダウン指示が入力されるダウン指示入力部とを含む、構成1または構成2に記載のインターフェイス装置。
構成3のインターフェイス装置によれば、ユーザがレベルのアップ指示及びダウン指示を容易に入力できるので、操作性のより一層の向上を図ることができる。
【0109】
(構成4)前記アップ指示入力部と前記ダウン指示入力部と前記レベル表示部とが直線上に並ぶように配置される、構成3に記載のインターフェイス装置。
構成4のインターフェイス装置によれば、ユーザがレベル表示部を見ながらレベルのアップ指示及びダウン指示を容易に行うことができる。このため、ユーザの直感的な操作が可能となり、操作性のより一層の向上を図ることができる。
【0110】
(構成5)前記プロセッサは、前記レベル表示部として、前記レベルに対応して長さが設定されるバーを有するインジケータを、前記ディスプレイに表示させる、構成1から構成4のいずれかに記載のインターフェイス装置。
構成5のインターフェイス装置によれば、ユーザの操作を評価するレベルを、ユーザが直感的に理解しやすい態様で、ユーザに提示できる。これにより、評価に関する操作性の向上を図ることができる。
【0111】
(構成6)前記プロセッサは、前記レベルがアップするたびに第1方向に延びる前記バーを前記ディスプレイに表示させ、前記指示入力部は、前記ユーザによる前記レベルのアップ指示が入力されるアップ指示入力部と、前記ユーザによる前記レベルのダウン指示が入力されるダウン指示入力部とを含み、前記アップ指示入力部及び前記ダウン指示入力部は、前記第1方向に並び、且つ、前記アップ指示入力部が前記バーが延びる側に位置するよう配置される、構成1から構成5のいずれかに記載のインターフェイス装置。
構成6のインターフェイス装置によれば、評価のレベルの変更に用いられるアップ指示入力部及びダウン指示入力部が、評価のレベルを示すインジケータのバーの方向と対応するように、並べて配置される。これにより、ユーザが評価のレベルを変更させる操作が、より簡単な操作となるので、操作性のより一層の向上を図ることができる。
【0112】
(構成7)前記アップ指示入力部と前記ダウン指示入力部と前記インジケータとが直線上に並ぶように配置される、構成6に記載のインターフェイス装置。
構成7のインターフェイス装置によれば、ユーザがインジケータを見ながらレベルのアップ指示及びダウン指示を容易に行うことができる。このため、ユーザの直感的な操作が可能となり、操作性のより一層の向上を図ることができる。
【0113】
(構成8)前記指示入力部は、前記操作の評価の開始、及び、停止のいずれかを指示するための操作を受け付ける実行指示入力部を含み、前記実行指示入力部は、前記アップ指示入力部と前記ダウン指示入力部との間に位置する、構成1から構成7のいずれかに記載のインターフェイス装置。
構成8のインターフェイス装置によれば、ユーザが、実行指示入力部を利用して、評価の開始および停止を簡単な操作によって指示できる。そして、評価のレベルを変更させる操作を行うためのアップ指示入力部とダウン指示入力部、及び、評価の開始と停止を指示するための実行指示入力部が、直感的に理解しやすい順序で並べて配置されるので、評価に関する操作性のより一層の向上を図ることができる。
【0114】
(構成9)前記ディスプレイは、ディスプレイパネルと、前記ディスプレイパネルの表面に配置された前記指示入力部であるタッチセンサとを有するタッチパネルであり、前記プロセッサは、前記アップ指示入力部であるアップ指示ボタンと、前記ダウン指示入力部であるダウン指示ボタンとを、前記第1方向で前記バーを挟む位置で、前記ディスプレイに表示させる、構成4に記載のインターフェイス装置。
構成9のインターフェイス装置によれば、タッチパネルに配置されるアップ指示ボタン及びダウン指示ボタンを利用して、ユーザが、評価のレベルを変更させる操作を簡単に行うことができる。
【0115】
(構成10)前記プロセッサは、前記ディスプレイによって、前記アップ指示入力部、前記ダウン指示入力部、及び、前記実行指示入力部のそれぞれに対応するグラフィカルユーザインターフェイスを1つの画面に表示させる、構成8または構成9に記載のインターフェイス装置。
構成10のインターフェイス装置によれば、アップ指示入力部、ダウン指示入力部、及び、実行指示入力部が、1つの画面に配置されるグラフィカルユーザインターフェイスであるため、ユーザの操作をより簡単にし、操作性を向上させることができる。
【0116】
(構成11)前記プロセッサは、前記ディスプレイの前記1つの画面に前記インジケータを表示させる、構成10に記載のインターフェイス装置。
構成11のインターフェイス装置によれば、アップ指示入力部、ダウン指示入力部、及び、実行指示入力部とともに、ディスプレイにインジケータが表示される。このため、ユーザは、インジケータを見ながら、タッチパネルによりレベル変更の操作を行うことができる。このため、評価に関するユーザの操作をより簡単にし、操作性を向上させることができる。
【0117】
(構成12)前記プロセッサは、前記ディスプレイの前記1つの画面に、前記操作対象物の位置に対応する地図を表示させる、構成10または構成11に記載のインターフェイス装置。
構成12のインターフェイス装置によれば、ユーザが、操作対象物の位置を地図により認識できる。このため、ユーザの操作を効果的に補助することにより、ユーザが操作を行いやすい状況を演出するので、ユーザの技量を適切に評価できる。
【0118】
(構成13)前記プロセッサは、前記ディスプレイの前記1つの画面に、前記操作対象物の位置に対応する地図を表示させ、前記地図に、前記操作が行われた位置を示す表示オブジェクトを表示させる、構成10から構成12のいずれかに記載のインターフェイス装置。
構成13のインターフェイス装置によれば、ユーザが、評価の対象となった操作を具体的に理解できる。これにより、ユーザの操作に対する評価を、ユーザの能力向上に役立てることができる。
【0119】
(構成14)前記指示入力部は、評価の対象となる前記操作の種類の選択を受け付ける操作種別入力部を含み、前記プロセッサは、前記操作種別入力部により選択された前記操作の種類を示す種類情報を前記評価システムに出力する処理を実行する、構成1から構成13のいずれかに記載のインターフェイス装置。
構成14のインターフェイス装置によれば、操作対象物に対してユーザが行う操作のうち、評価の対象を、特定の種類の操作に限定できる。これにより、ユーザの操作に対する評価を、容易に、ユーザの能力向上に役立てることができる。
【0120】
(構成15)出力部を備え、前記プロセッサは、前記操作を評価した結果に基づくアドバイスを前記出力部により出力させる処理を実行する、構成1から構成14のいずれかに記載のインターフェイス装置。
構成15のインターフェイス装置によれば、ユーザの操作を評価した結果を、ユーザに対して効果的にフィードバックすることができ、ユーザの能力向上に貢献できる。
【0121】
(構成16)前記ディスプレイを有し、前記操作対象物に搭載される表示装置と、前記プロセッサを有するモバイルデバイスと、を備え、前記表示装置は、前記モバイルデバイスと通信する第1通信装置と、前記アップ指示入力部及び前記ダウン指示入力部により受け付けた指示を示す操作データを前記第1通信装置により前記モバイルデバイスに送信するディスプレイプロセッサと、を備え、前記モバイルデバイスは、前記表示装置と通信する第2通信装置を備え、前記プロセッサは、前記表示装置が送信する前記操作データを前記第2通信装置により受信する、構成3から構成15のいずれかに記載のインターフェイス装置。
構成16のインターフェイス装置によれば、ユーザの操作を評価し、評価のレベルを変更する操作を容易に行うことが可能なインターフェイス装置を、表示装置とモバイルデバイスとを組み合わせることによって実現できる。
【0122】
(構成17)前記ディスプレイを有し、前記操作対象物に搭載される表示装置と、前記プロセッサを有するモバイルデバイスと、を備え、前記表示装置は、前記モバイルデバイスと通信する第1通信装置と、前記アップ指示入力部及び前記ダウン指示入力部により受け付けた指示を示す操作データを前記第1通信装置により前記モバイルデバイスに送信するディスプレイプロセッサと、を備え、前記モバイルデバイスは、前記表示装置と通信する第2通信装置と、前記評価システムと通信する第3通信装置と、を備え、前記プロセッサは、前記表示装置が送信する前記操作データを前記第2通信装置により受信する処理と、受信した前記操作データに基づき前記評価基準レベル情報を生成する処理と、前記評価基準レベル情報を前記第3通信装置によって前記評価システムに送信する処理と、を実行する、構成3から構成15のいずれかに記載のインターフェイス装置。
構成17のインターフェイス装置によれば、ユーザの操作を評価する評価システムを利用し、評価のレベルを変更する操作を容易に行うことが可能なインターフェイス装置を、表示装置とモバイルデバイスとを組み合わせることによって実現できる。また、モバイルデバイスの第3通信装置を利用することにより、評価システムが実行する評価の結果を容易に利用できる。
【0123】
(構成18)操作対象物に対するユーザの操作を評価する評価システムと、前記ユーザとの間の情報伝達をサポートする出力方法であって、前記ユーザに対する情報を表示するディスプレイ、及び、前記ユーザによる指示を受け付ける指示入力部を備えるインターフェイス装置によって、前記評価システムにおける前記ユーザの操作の評価基準のレベルを示すレベル表示部を前記ディスプレイに表示させる処理と、前記指示入力部に入力される前記レベルのアップまたはダウンの指示に応じて、前記レベル表示部の表示を切り替える処理と、前記レベル表示部の表示に対応した前記レベルを示す評価基準レベル情報を前記評価システムに出力する処理と、を実行する、出力方法。
構成18の出力方法によれば、操作対象物に対するユーザの操作を、ユーザの操作能力に対応して適切に評価できる。また、ユーザが簡単な操作によってレベルを選択あるいは指定できる。これにより、ユーザの操作能力を評価する体験を、少ない操作負担で提供することができ、延いては持続可能な輸送システムの発展に寄与できる。
【0124】
(構成19)ユーザに対する情報を表示するディスプレイと、ユーザによる指示を受け付ける指示入力部と、を有するインターフェイス装置のプロセッサにより実行されるプログラムであって、操作対象物に対する前記ユーザの操作を評価する評価システムと前記ユーザとの間の情報伝達をサポートするプログラムを記憶した記憶媒体であって、前記プロセッサにより、前記評価システムにおける前記ユーザの操作の評価基準のレベルを示すレベル表示部を前記ディスプレイに表示させる処理と、前記指示入力部に入力される前記レベルのアップまたはダウンの指示に応じて、前記レベル表示部の表示を切り替える処理と、前記レベル表示部の表示に対応した前記レベルを示す評価基準レベル情報を前記評価システムに出力する処理と、を実行するプログラムを記憶した、非一時的コンピュータ可読記憶媒体。
構成19の記憶媒体が記憶したプログラムを実行することによって、操作対象物に対するユーザの操作を、ユーザの操作能力に対応して適切に評価できる。また、ユーザが簡単な操作によってレベルを選択あるいは指定できる。これにより、ユーザの操作能力を評価する体験を、少ない操作負担で提供することができ、延いては持続可能な輸送システムの発展に寄与できる。
【符号の説明】
【0125】
1、1A…運転評価システム、2…インターフェイス装置、10…モバイルデバイス、11…プロセッサ、12…メモリ、13…第2通信装置、14…IMU、15…GNSS、16…第3通信装置、30…ディスプレイオーディオ(表示装置)、31…DAプロセッサ(ディスプレイプロセッサ)、32…DAメモリ、33…第1通信装置、34…タッチパネル(ディスプレイ、出力部)、35…車両I/F、37…通信回線、41…スイッチ(アップ指示入力部)、42…スイッチ(ダウン指示入力部)、43…スピーカ(出力部)、50…ECU、111…入力制御部、112…出力制御部、113…評価システム、114…レベル管理部、121…制御プログラム、122…DA制御アプリ、123…評価アプリ、124…設定データ、125…地図データ、200、201…画面、210、211…入力領域、221…アップ指示ボタン(アップ指示入力部、指示入力部)、222…ダウン指示ボタン(ダウン指示入力部、指示入力部)、223…実行指示入力部(指示入力部)、224…操作種別入力部(指示入力部)、230…インジケータ(レベル表示部)、231…レベル表示部、235…評価インジケータ、241…地図、242…評価位置アイコン(表示オブジェクト)、243…現在位置アイコン、250…操作種別選択領域、311…入力検出部、312…音声制御部、321…制御プログラム、341…タッチセンサ、342…ディスプレイパネル、400…サーバ、401…評価システム、500…通信ネットワーク、V…車両(操作対象物、移動体)。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9