(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024061644
(43)【公開日】2024-05-07
(54)【発明の名称】包装品およびこれに用いられる保持部材
(51)【国際特許分類】
B65D 67/02 20060101AFI20240425BHJP
B65D 85/50 20060101ALI20240425BHJP
A47J 37/00 20060101ALI20240425BHJP
【FI】
B65D67/02 Z
B65D85/50 100
A47J37/00 C
【審査請求】未請求
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023176208
(22)【出願日】2023-10-11
(31)【優先権主張番号】P 2022169240
(32)【優先日】2022-10-21
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(71)【出願人】
【識別番号】522414257
【氏名又は名称】株式会社B.Continue
(71)【出願人】
【識別番号】503361813
【氏名又は名称】学校法人 中村産業学園
(74)【代理人】
【識別番号】100197642
【弁理士】
【氏名又は名称】南瀬 透
(74)【代理人】
【識別番号】100219483
【弁理士】
【氏名又は名称】宇野 智也
(72)【発明者】
【氏名】森下 慎也
(72)【発明者】
【氏名】島野 廣紀
【テーマコード(参考)】
3E035
3E067
4B040
【Fターム(参考)】
3E035BA01
3E035BA02
3E035BC01
3E067AA11
3E067AB01
3E067AC01
3E067BA06C
3E067BA18B
3E067BB01B
3E067BB01C
3E067BC02C
3E067BC04B
3E067DA08
3E067EA02
3E067EA18
3E067FA04
3E067FC01
4B040AA05
4B040JA02
4B040JA15
4B040JA19
4B040JA20
(57)【要約】
【課題】金属探知機が使用可能なクッキングシートを活用し、作業効率が低下しない包装品およびこれに用いられる保持部材の提供。
【解決手段】食品を包んで両端部を捻ることにより一対の絞り部10Aが形成されるクッキングシート10と、クッキングシート10を保持する保持部材13Aであり、一対の絞り部を保持する保持孔15と、一対の絞り部10Aをそれぞれ上方から保持孔15へ誘導する誘導溝16とを有する保持部材13Aとを含む包装品1である。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
食品を包んで両端部を絞ることにより一対の絞り部が形成されるクッキングシートと、
前記クッキングシートを保持する保持部材であり、前記一対の絞り部を保持する保持孔と、前記一対の絞り部をそれぞれ上方から前記保持孔へ誘導する誘導溝とを有する保持部材と
を含む包装品。
【請求項2】
前記保持部材は、金属を含まない材料により形成されたものである請求項1記載の包装品。
【請求項3】
前記保持部材は、前記クッキングシートの一対の絞り部の間を囲い込むものである請求項1または2に記載の包装品。
【請求項4】
前記保持部材は、前記クッキングシートの一対の絞り部の間を囲い込む側壁部と、前記クッキングシートが載置される底部とを有し、前記底部の下面は前記側壁部の底面よりも高い位置にある請求項1または2に記載の包装品。
【請求項5】
食品を包んで両端部を絞ることにより絞り部が形成されたクッキングシートを保持する保持部材であり、一対の絞り部を保持する保持孔と、前記一対の絞り部をそれぞれ上方から前記保持孔へ誘導する誘導溝とを有する保持部材。
【請求項6】
前記クッキングシートの一対の絞り部の間を囲い込む側壁部と、前記クッキングシートが載置される底部とを有し、前記底部の下面は前記側壁部の底面よりも高い位置にある請求項5記載の保持部材。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、魚等のホイル焼き商品等をクッキングシートにより包んだ包装品およびこれに用いられる保持部材に関する。
【背景技術】
【0002】
魚等のホイル焼き商品は、予め冷凍しておいた魚や野菜などの食品をアルミホイルに入れて包み、段ボールに詰めて出荷している。この商品を出荷する前には、金属探知機で出荷商品の安全性を確認する必要があるが、アルミホイルに包むと金属探知機による異物混入を検知できないという問題がある。
【0003】
アルミホイルの代用品としてはクッキングシートが考えられる。しかしながら、操作性の観点から、クッキングシートではアルミホイルほど簡便に包む作業ができない。また、クッキングシートはアルミホイルのように形状を固定できないため、食事をする段階で調理品を皿に移す必要もある。
【0004】
従来、クッキングシートを利用した容器として、例えば、特許文献1には、シリコーンが被覆されたクッキングシートの周縁部に切れ目部を形成し、切れ目部をクロスすることで食品の内側形状にフィットさせるようにしたものが開示されている。また、特許文献2には、上面が開口され、食材を収容する深さを有する電子レンジ対応の外容器と、容器の上面開口を塞ぐ電子レンジ対応の外蓋と、外容器の内面に沿った形状に設けたクッキングシート製の内容器と、内容器とで食材を包覆するクッキングシート製の落とし蓋とからなる容器が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】実用新案登録第3209210号公報
【特許文献2】特開2008-7195号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は、金属探知機が使用可能なクッキングシートを活用し、作業効率が低下しない包装品およびこれに用いられる保持部材を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の包装品は、食品を包んで両端部を絞ることにより一対の絞り部が形成されるクッキングシートと、クッキングシートを保持する保持部材であり、一対の絞り部を保持する保持孔と、一対の絞り部をそれぞれ上方から保持孔へ誘導する誘導溝とを有する保持部材とを含むものである。
【0008】
本発明の包装部材は、食品を包んで両端部を絞ることにより絞り部が形成されたクッキングシートを保持する保持部材であり、一対の絞り部を保持する保持孔と、一対の絞り部をそれぞれ上方から保持孔へ誘導する誘導溝とを有するものである。
【0009】
上記発明によれば、食品を包んで両端部を絞ることにより絞り部が形成されたクッキングシートを、その絞り部を保持部材の上方から誘導溝により保持孔へ誘導するだけで、食品を包んだクッキングシートを安定保持することができる。
【0010】
保持部材は、金属を含まない材料により形成されたものであることが望ましい。これにより、食品を包んだクッキングシートを保持部材に保持した包装品の状態のまま、金属探知機により異物混入を検知することが可能となる。
【0011】
保持部材は、クッキングシートの一対の絞り部の間を囲い込むものであることが望ましい。これにより、クッキングシートに包まれた食品がこれを囲い込む保持部材により保護される。
【0012】
また、保持部材は、クッキングシートの一対の絞り部の間を囲い込む側壁部と、クッキングシートが載置される底部とを有し、底部の下面は側壁部の下面よりも高い位置にあることが望ましい。これにより、底部の下面と側壁部との間に空間が形成され、保持部材が皿やテーブル等の面上に置かれた際に、クッキングシートが載置された底部が皿やテーブル等の面に直接触れることがない。
【発明の効果】
【0013】
(1)食品を包んで両端部を絞ることにより絞り部が形成されたクッキングシートを保持する保持部材であり、一対の絞り部を保持する保持孔と、一対の絞り部をそれぞれ上方から保持孔へ誘導する誘導溝とを有する保持部材によれば、金属探知機が使用可能なクッキングシートを活用し、食品を包んで両端部を絞ることにより絞り部が形成されたクッキングシートを、その絞り部を保持部材の上方から誘導溝により保持孔へ誘導するだけで、諸品を包んだクッキングシートを安定保持することができるので、食品を包んだクッキングシートの姿勢制御が可能であり、作業効率が低下しない。
【0014】
(2)保持部材が金属を含まない材料により形成されたものであることにより、食品を包んだクッキングシートを保持部材に保持した包装品の状態のまま、金属探知機により異物混入を検知することが可能となり、魚等のホイル焼き商品等をクッキングシートにより包んだ包装品を効率良く製造することが可能となる。
【0015】
(3)保持部材がクッキングシートの一対の絞り部の間を囲い込むものであることにより、クッキングシートに包まれた食品がこれを囲い込む保持部材により保護されるので、包装品の梱包が容易となる。
【0016】
(4)保持部材が、クッキングシートの一対の絞り部の間を囲い込む側壁部と、クッキングシートが載置される底部とを有し、底部の下面は側壁部の下面よりも高い位置にあることにより、クッキングシートが載置された底部が皿やテーブル等の面に直接触れることがないため、底部からの放熱を防ぐことが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【
図1】本発明の第1実施形態における包装品の斜視図である。
【
図3】本発明の第2実施形態における包装品の斜視図である。
【
図5】本発明の第3実施形態における包装品の斜視図である。
【
図7】本発明の第4実施形態における包装品の斜視図である。
【
図9】本発明の第5実施形態における包装品の斜視図である。
【
図11】本発明の第6実施形態における包装品の斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
<実施の形態1>
図1は本発明の第1実施形態における包装品の斜視図、
図2は
図1の保持部材の展開図である。
【0019】
図1に示すように、本発明の第1実施形態における包装品1は、食品(図示せず。)を包んだクッキングシート10と、このクッキングシート10を保持する保持部材11とから構成される。
【0020】
クッキングシート10は、紙の表面にシリコーンまたはポリテトラフルオロエチレン(テフロン(登録商標))がコーティングされたものである。クッキングシート10は水に溶けることがない。また、クッキングシート10の耐熱性は250℃程度であり、直接火に触れなければ焦げたり燃えたりしない。クッキングシート10に包む食品は、魚等のホイル焼き商品等である。例えば、クッキングシート10に、予め冷凍しておいた魚や野菜などの食品を包み、両端部を捻って絞ることにより一対の絞り部10Aを形成する。
【0021】
図2に示すように、保持部材11は、クッキングシート10よりも厚い単一のシートから形成されている。単一のシートは、金属を含まない材料、例えば紙である。保持部材11は、平面視で長方形状の底面部12と、底面部12の長辺方向の両端部に設けられた保持部13A,13Bと、底面部12の短辺方向の両端部に設けられた包覆部14A,14Bとから構成される。
【0022】
保持部13A,13Bは、底面部12を水平にした状態でそれぞれ上方に折り曲げることにより垂直に立設される。保持部13A,13Bには、クッキングシート10に形成される一対の絞り部10Aを保持する保持孔15と、この一対の絞り部10Aを保持孔15へ誘導する誘導溝16とが形成されている。保持孔15は、クッキングシート10に食品を包んで捻った絞り部10Aを保持したときに、この絞り部10Aが拡がらない程度の大きさの円形状としている。
【0023】
誘導溝16は、保持孔15の直径よりも若干幅狭で、底面部12の短辺に対して直交方向に延びるように形成された切欠きである。誘導溝16は、保持部13A,13Bが垂直に立設された状態で、クッキングシート10の一対の絞り部10Aをそれぞれ上方から保持孔15へ誘導する。誘導溝16は、保持孔15の直径よりも若干幅狭であるため、保持孔15に保持された絞り部10Aが誘導溝16側に戻りにくくなっている。
【0024】
包覆部14A,14Bは、保持部13A,13Bとともに、クッキングシート10の一対の絞り部10Aの間を囲い込むものである(
図1参照。)。一方の包覆部14Aには、突出片17が設けられている。他方の包覆部14Bには、この突出片17が挿入される切込み18が設けられている。包覆部14A,14Bは、保持部13A,13Bにクッキングシート10に形成された一対の絞り部10Aを保持した状態でそれぞれ上方に折り曲げ、突出片17を切込み18に差し込むことで、クッキングシート10の一対の絞り部10Aの間の全体を包み込む。
【0025】
上記構成の包装品1では、食品を包んで両端部を捻って絞ることにより絞り部10Aが形成されたクッキングシート10を、その絞り部10Aを保持部材11の上方から誘導溝16により保持孔15へ誘導するだけで、食品を包んだクッキングシート10が安定保持されるので、食品を包んだクッキングシート10の姿勢制御が可能であり、作業効率が低下しない。また、この包装品1では、食品を包んだクッキングシート10を保持部材11に保持したままの状態で、調理および食事も可能である。
【0026】
また、上記構成の保持部材11では、クッキングシート10の一対の絞り部10Aの間が保持部13A,13Bおよび包覆部14A,14Bにより包み込まれるので、クッキングシート10に包まれた食品の全体が保護されており、包装品1の梱包が容易である。なお、クッキングシート10および保持部材11のいずれにも接着剤等は使用していないため、食品衛生上安全である。
【0027】
また、上記構成の保持部材11は、金属を含まない材料により形成されているため、食品を包んだクッキングシート10を保持部材11に保持した包装品1の状態のまま、金属探知機により異物混入を検知することが可能であり、魚等のホイル焼き商品等をクッキングシート10により包んだ包装品1を効率良く製造することが可能である。
【0028】
<実施の形態2>
図3は本発明の第2実施形態における包装品の斜視図、
図4は
図3の保持部材の展開図である。なお、以下の説明においては、上記第1実施形態における包装品1と共通する構成部分については同一符号を付し、その説明を省略する。
【0029】
図3に示すように、本発明の第2実施形態における包装品2は、食品を包んだクッキングシート10と、このクッキングシート10を保持する保持部材21とから構成される。
【0030】
図4に示すように、保持部材21は、前述の保持部材11の包覆部14A,14Bに代えて、側壁部22A,22Bを備えている。側壁部22A,22Bは、保持部13A,13Bとともに、クッキングシート10の一対の絞り部10Aの間を囲い込むものである(
図3参照。)。側壁部22A,22Bは、保持部13A,13Bにクッキングシート10に形成された一対の絞り部10Aを保持した状態でそれぞれ上方に折り曲げて立設することで、クッキングシート10の一対の絞り部10Aの間の周囲を囲い込む。
【0031】
上記構成の包装品2においても、食品を包んで両端部を捻って絞ることにより絞り部10Aが形成されたクッキングシート10を、その絞り部10Aを保持部材21の上方から誘導溝16により保持孔15へ誘導するだけで、食品を包んだクッキングシート10が安定保持されるので、食品を包んだクッキングシート10の姿勢制御が可能であり、作業効率は低下しない。また、この包装品2では、食品を包んだクッキングシート10を保持部材21に保持したままの状態で、調理および食事も可能である。
【0032】
また、上記構成の保持部材21では、クッキングシート10の一対の絞り部10Aの間が保持部13A,13Bおよび側壁部22A,22Bにより囲い込まれるので、クッキングシート10に包まれた食品の周囲が保護されており、包装品2の梱包が容易である。なお、クッキングシート10および保持部材21のいずれにも接着剤等は使用していないため、食品衛生上安全である。
【0033】
<実施の形態3>
図5は本発明の第3実施形態における包装品の斜視図、
図6は
図5の保持部材の展開図である。なお、以下の説明においては、上記第1実施形態における包装品1と共通する構成部分については同一符号を付し、その説明を省略する。
【0034】
図5に示すように、本発明の第3実施形態における包装品3は、食品を包んだクッキングシート10と、このクッキングシート10を保持する保持部材31とから構成される。
図6に示すように、保持部材31は、前述の保持部材11の包覆部14A,14Bを省略したものである。
【0035】
上記構成の包装品3においても、食品を包んで両端部を捻って絞ることにより絞り部10Aが形成されたクッキングシート10を、その絞り部10Aを保持部材31の上方から誘導溝16により保持孔15へ誘導するだけで、食品を包んだクッキングシート10が安定保持されるので、食品を包んだクッキングシート10の姿勢制御が可能であり、作業効率は低下しない。また、この包装品3では、食品を包んだクッキングシート10を保持部材31に保持したままの状態で、調理および食事も可能である。
【0036】
また、上記構成の保持部材31では、クッキングシート10の一対の絞り部10Aの間が保持部13A,13Bによって保護されるので、包装品3の梱包が容易である。なお、クッキングシート10および保持部材31のいずれにも接着剤等は使用していないため、食品衛生上安全である。
【0037】
<実施の形態4>
図7は本発明の第4実施形態における包装品の斜視図、
図8は
図7の保持部材の展開図である。なお、以下の説明においては、上記第1実施形態における包装品1と共通する構成部分については同一符号を付し、その説明を省略する。
【0038】
図7に示すように、本発明の第4実施形態における包装品4は、食品を包んだクッキングシート10と、このクッキングシート10を保持する一組の保持部材41とから構成される。
図8に示すように、保持部材41は、それぞれ単一のシートからなり、中央の折り目部42で折り曲げることにより形成される。
【0039】
上記構成の包装品4では、食品を包んで両端部を捻って絞ることにより絞り部10Aが形成されたクッキングシート10を、その絞り部10Aを保持部材41の上方から誘導溝16により保持孔15へ誘導するだけで、食品を包んだクッキングシート10が安定保持されるので、食品を包んだクッキングシート10の姿勢制御が可能であり、作業効率は低下しない。また、この包装品4では、食品を包んだクッキングシート10を保持部材41に保持したままの状態で、調理および食事も可能である。
【0040】
なお、クッキングシート10および保持部材41のいずれにも接着剤等は使用していないため、食品衛生上安全である。
【0041】
<実施の形態5>
図9は本発明の第5実施形態における包装品の斜視図、
図10は
図9の保持部材の展開図である。なお、以下の説明においては、上記第1実施形態における包装品1と共通する構成部分については同一符号を付し、その説明を省略する。
【0042】
図9に示すように、本発明の第5実施形態における包装品5は、食品を包んだクッキングシート10と、このクッキングシート10を保持する2つの保持部材51A,51Bとから構成される。
図10に示すように、保持部材51A,51Bは、クッキングシート10よりも厚い略長方形状のシートから形成されている。保持部材51A,51Bの長手方向の中央部には、クッキングシート10の一対の絞り部10Aを保持する保持孔15と、クッキングシート10の一対の絞り部10Aをそれぞれ上方から保持孔15へ誘導する誘導溝16とが形成されている。
【0043】
また、保持部材51A,51Bの長手方向の一端部には突出片52が設けられている。保持部材51A,51Bの長手方向の他端部には突出片52が挿入可能な切込み53が設けられている。保持部材51A,51Bは、一方の保持部材51Aの突出片52を他方の保持部材51Bの切込み53に差し込み、この保持部材51Bの突出片52を保持部材51Aの切込み53に差し込んで使用する。
【0044】
上記構成の包装品5では、食品を包んで両端部を捻って絞ることにより絞り部10Aが形成されたクッキングシート10を、その絞り部10Aを保持部材51A,51Bの上方から誘導溝16により保持孔15へ誘導するだけで、食品を包んだクッキングシート10が保持部材51A,51Bによって囲い込まれた状態で安定保持される。この包装品5においても、食品を包んだクッキングシート10の姿勢制御が可能であり、作業効率は低下しない。また、この包装品5では、食品を包んだクッキングシート10を保持部材51A,51Bに保持したままの状態で、調理および食事も可能である。
【0045】
また、上記構成の保持部材51A,51Bでは、クッキングシート10の一対の絞り部10Aの間が保持部材51A,51Bによって保護されるので、包装品5の梱包が容易である。なお、クッキングシート10および保持部材51A,51Bのいずれにも接着剤等は使用していないため、食品衛生上安全である。
【0046】
なお、上記実施形態では、2つの保持部材51A,51Bを使用した例について説明したが、1つの保持部材の突出片52を環状にし、この保持部材の切込み53に差し込んで使用する形態とすることも可能である。また、この場合、クッキングシート10の両端部の絞り部10Aを保持できるように、1つの保持部材に2つの保持孔15および誘導溝16を設けるようにする。
【0047】
以上説明した実施形態では、クッキングシート10に食品を包んで両端部を捻って絞ることにより絞り部10Aを形成した例について説明したが、両端部を捻らずに折り畳むことにより絞り部を形成することも可能である。
【0048】
【0049】
図11に示すように、本発明の第6実施形態における包装品6は、食品を包んだクッキングシート10と、このクッキングシート10を保持する保持部材61とから構成される。クッキングシート10は、両端部を捻らず、扇子のように折り畳んで絞ることにより一対の絞り部10Bが形成されている。
【0050】
保持部材61は、クッキングシート10の一対の絞り部10Bの間を囲い込む4つの側壁部62A,62B,62C,62Dと、クッキングシート10が載置される底部63とを有する。対向する側壁部62A,62Cには、クッキングシート10に形成される一対の絞り部10Bを保持する保持孔64と、この一対の絞り部10Bを保持孔64へ誘導する誘導溝65とが形成されている。また、保持孔64の底部から側壁部62A,62Cの上端部に向かって斜め方向に折り目67が形成されている。
【0051】
保持孔64は、クッキングシート10に食品を包んで折り畳んだ絞り部10Bを保持したときに、この絞り部10Bが広がらない程度の大きさの円形状である。誘導溝65は、保持孔64の最大径部分に連続し、側壁部62A,62Cの上方へ向かうにつれて幅狭となるように形成された切欠きである。誘導溝65は、クッキングシート10の絞り部10Bをそれぞれ上方から保持孔64へ誘導する。誘導溝65は、上方へ向かうに連れて幅狭となっているため、保持孔64に保持された絞り部10Bが上方へ戻りにくくなっている。
【0052】
保持部材61は、
図13に示すように単一のシート7から形成されている。
図13において、一点鎖線は山折り線、破線は谷折り線、斜線部分は切り抜き部である。山折り線および谷折り線には、折りやすくするためにスジ入れ加工(スジ押し加工)等が施されている。また、前述の折り目67にも同様のスジ入れ加工等が施される。
【0053】
また、
図13の実線、一点鎖線および破線により囲まれた各領域について、領域62A1,62A2は側壁部62Aを構成し、領域62B1,62B2は側壁部62Bを構成し、領域62C1,62C2は側壁部62Cを構成し、領域62D1,62D2は側壁部62Dを構成するが、領域62A2,62B2,62C2,62D2の高さ(短手方向の幅)H2は領域62A1,62B1,62C1,62D1の高さ(短手方向の幅)H1よりも高くなっている。底部63とその周囲の領域62A1,62B1,62C1,62D1とのそれぞれの境界線(破線)に沿って谷折りし、領域62A2,62B2,62C2,62D2と領域62A1,62B1,62C1,62D1との間の2つの境界線(一点鎖線)に沿ってそれぞれ山折りすることにより側壁部62A,62B,62C,62Dを形成したとき、底部63の下面63Aは側壁部62A,62B,62C,62Dのそれぞれの下面62A3,62B3,62C3,62D3よりも高い位置となる。
【0054】
また、シート7の四隅の部分は、保持孔64および誘導溝65が形成されている側壁部62A,62Cの裏側(領域62A1と領域62A2との間および領域62C1と領域62C2との間)へ織り込むようにする。このとき、折り目67よりも上方部分に重ならないように、かつ保持孔64および誘導溝65に重ならないように、シート7の四隅の部分に切り抜き部68が形成されている。
【0055】
上記構成の包装品6では、食品を包んで両端部を捻らず、折り畳んで絞ることにより絞り部10Bが形成されたクッキングシート10を、その絞り部10Bを保持部材61の上方から誘導溝65により保持孔64へ誘導するだけで、食品を包んだクッキングシート10が安定保持されるので、食品を包んだクッキングシート10の姿勢制御が可能であり、作業効率が低下しない。また、この包装品6では、食品を包んだクッキングシート10を保持部材61に保持したままの状態で、調理および食事も可能である。
【0056】
また、この包装品6では、底部63の下面63Aが側壁部62の下面62Aよりも高い位置にあるため、底部63の下面63Aと側壁部62との間に空間66が形成されている。したがって、調理後の包装品6が皿やテーブル等の面F上に置かれた際に、クッキングシート10が載置された底部63が皿やテーブル等の面Fに直接触れることがなく、底部63からの放熱を防ぐことができる。
【0057】
さらに、この包装品6では、食品を包んだクッキングシート10を保持孔64から取り出す際には折り目67に沿って側壁部62を折り曲げることで誘導溝65の幅が広がるので、容易に取り出すことが可能である。このとき、シート7の切り抜き部68によって、折り目67よりも上方部分には織り込まれたシート7の四隅の部分が重なっていないため、折り曲げ易くなっている。そして、この包装品6では、絞り部10Bが捻らずに折り畳んで絞ることにより形成されているため、食事をする際には、捻り返さずにそのまま拡げて開くことが可能であり、中の食品を容易に食べることができる。
【産業上の利用可能性】
【0058】
本発明は、魚等のホイル焼き商品等をクッキングシートにより包んだ包装品およびこれに用いられる保持部材として有用であり、特に、金属探知機が使用可能なクッキングシートを活用し、作業効率が低下しない包装品およびこれに用いられる保持部材として好適である。
【符号の説明】
【0059】
1,2,3,4,5,6 包装品
7 シート
10 クッキングシート
10A 絞り部
11,21,31,41,51A,51B,61 保持部材
12 底面部
13A,13B 保持部
14A,14B 包覆部
15,64 保持孔
16,65 誘導溝
22A,22B,62 側壁部
63 底部
66 空間