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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024061648
(43)【公開日】2024-05-07
(54)【発明の名称】扇風機用揮散製品
(51)【国際特許分類】
   F04D 25/08 20060101AFI20240425BHJP
   A61L 9/01 20060101ALI20240425BHJP
   A61L 9/12 20060101ALI20240425BHJP
   A01M 1/20 20060101ALI20240425BHJP
【FI】
F04D25/08 307E
A61L9/01 Q
A61L9/12
A01M1/20 E
【審査請求】未請求
【請求項の数】8
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023176997
(22)【出願日】2023-10-12
(31)【優先権主張番号】P 2022168100
(32)【優先日】2022-10-20
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(71)【出願人】
【識別番号】000207584
【氏名又は名称】大日本除蟲菊株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100141586
【弁理士】
【氏名又は名称】沖中 仁
(74)【代理人】
【識別番号】100171310
【弁理士】
【氏名又は名称】日東 伸二
(72)【発明者】
【氏名】浮田 涼子
(72)【発明者】
【氏名】大野 泰史
(72)【発明者】
【氏名】川尻 由美
(72)【発明者】
【氏名】中山 幸治
【テーマコード(参考)】
2B121
3H130
4C180
【Fターム(参考)】
2B121AA11
2B121CA02
2B121CA20
2B121CA22
2B121CA43
2B121CA64
2B121CA81
2B121CC02
2B121CC22
2B121FA13
2B121FA20
3H130AA13
3H130AB06
3H130AB13
3H130AB26
3H130AB52
3H130AC25
3H130AC27
3H130BA69A
3H130BA69Z
3H130BA95A
3H130BA95Z
3H130BA96A
3H130BA96Z
3H130CA21
3H130EA04A
3H130EA04Z
4C180AA02
4C180AA07
4C180AA13
4C180AA18
4C180CA06
4C180CA09
4C180EB02X
4C180EB03X
4C180EB04X
4C180EB05X
4C180EB06X
4C180EB07X
4C180EB08X
4C180EB12X
4C180EB15X
4C180EB17X
4C180EC01
4C180EC02
4C180HH05
4C180LL06
4C180MM09
(57)【要約】
【課題】揮散性物質を扇風機から発生する風に満遍なく乗せて良好に揮散させることができ、扇風機への着脱が容易であり、さらに、デザイン性の高い扇風機用揮散製品を提供する。
【解決手段】ファンガード31を備えた扇風機30に装着可能な装着部10aを有する扇風機用揮散製品1Aであって、装着部10aは、揮散性物質を含み、ファンガード31に装着した状態において、扇風機30のファン32を取り囲むようにファン32の回転中心Oに対して同心円状に構成される。
【選択図】図1

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ファンガードを備えた扇風機に装着可能な装着部を有する扇風機用揮散製品であって、
前記装着部は、揮散性物質を含み、前記ファンガードに装着した状態において、前記扇風機のファンを取り囲むように当該ファンの回転中心に対して同心円状に構成される扇風機用揮散製品。
【請求項2】
前記装着部は、伸縮可能な環状成形体、端部同士を結合若しくは近接させて環状に構成可能な帯状成形体、又は弾性変形可能な一部切り欠き環状成形体である請求項1に記載の扇風機用揮散製品。
【請求項3】
前記装着部は、前記ファンガードに装着した状態において、外側に突出する突出片を有する請求項1又は2に記載の扇風機用揮散製品。
【請求項4】
前記突出片は、前記扇風機に対して前記装着部を装着又は取り外す際に把持する把持部である請求項3に記載の扇風機用揮散製品。
【請求項5】
前記突出片は、動物又はキャラクターの耳、花びら、及び/又は装飾品を模したものとして構成される請求項3に記載の扇風機用揮散製品。
【請求項6】
前記突出片は、前記扇風機を首に掛けて使用するためのストラップを結び付ける結合部である請求項3に記載の扇風機用揮散製品。
【請求項7】
前記扇風機は、携帯可能なハンディファンである請求項1又は2に記載の扇風機用揮散製品。
【請求項8】
前記揮散性物質は、芳香剤、消臭剤、殺虫剤、及び害虫忌避剤からなる群から選択される少なくとも一つを含む請求項1又は2に記載の扇風機用揮散製品。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ファンガードを備えた扇風機に装着可能な装着部を有する扇風機用揮散製品に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、扇風機の送風を利用して、放散用容器内に収納した芳香剤及び薬剤等を空間に放散する扇風機用揮散物質放散装置が知られている(例えば、特許文献1を参照)。
【0003】
特許文献1に記載される扇風機用揮散物質放散装置は、揮散物質を内部に収容した放散用容器と、放散容器を扇風機に取り付けるための取付具とにより構成されており、取付具は、伸縮自在の環状のリング体と、リング体に移動自在に付き扇風機のガードに引っ掛かり可能となる複数の掛止体とを備えている。
【0004】
上記のような構成の扇風機用揮散物質放散装置においては、取り付け具の掛止体を扇風機のガードの所望の場所に引っ掛けることにより、家庭用扇風機や大型扇風機といった大きさや構造が大きく異なる扇風機にあっても、常に、揮散性物質を内部に収納した放散用容器を扇風機に取り付けることができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2007-32351号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
特許文献1の扇風機用揮散物質放散装置は、放散用容器を扇風機のガードの前面中央に配置しているが、通常、扇風機のガードの前面中央には、円盤形状のガードマークがあるため、ガードマークの上に放散容器を取り付けると、ガードマークによって送風気流が遮られることになり、揮散性物質を十分に揮散させることができない虞がある。また、ガードマークを避けて、放散用容器をガードマークの上部等に配置した場合には、扇風機から発生した風全体に揮散性物質を満遍なく乗せて良好に揮散させることが難しくなる。さらに、特許文献1の扇風機用揮散物質放散装置は、取付具の複数の掛止体を一つずつ扇風機のガードに引っ掛けて取り付ける構成のため、扇風機への着脱に手間がかかる。なお、特許文献1の扇風機用揮散物質放散装置は、デザイン性については何ら考慮されていない。
【0007】
本発明は、上記問題点に鑑みてなされたものであり、揮散性物質を扇風機から発生する風に満遍なく乗せて良好に揮散させることができ、扇風機への着脱が容易であり、さらに、デザイン性の高い扇風機用揮散製品を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記課題を解決するための本発明に係る扇風機用揮散製品の特徴構成は、
ファンガードを備えた扇風機に装着可能な装着部を有する扇風機用揮散製品であって、
前記装着部は、揮散性物質を含み、前記ファンガードに装着した状態において、前記扇風機のファンを取り囲むように当該ファンの回転中心に対して同心円状に構成されることにある。
【0009】
本構成の扇風機用揮散製品によれば、揮散性物質を含む装着部を、ファンガードを備えた扇風機に装着することで、扇風機の送風気流を利用して、揮散性物質を十分に揮散させることができる。ここで、装着部は、ファンガードに装着した状態において、扇風機のファンを取り囲むようにファンの回転中心に対して同心円状に構成されるため、揮散性物質は、扇風機のファンの周囲に揮散した後、扇風機の後方から前方に吹き出される風の流れに引き寄せられ、そのまま前方に拡がる。このように、本構成の扇風機用揮散製品によれば、扇風機から発生させた風全体に揮散性物質を満遍なく乗せて揮散性物質を良好に揮散させることができる。
【0010】
本発明に係る扇風機用揮散製品において、
前記装着部は、伸縮可能な環状成形体、端部同士を結合若しくは近接させて環状に構成可能な帯状成形体、又は弾性変形可能な一部切り欠き環状成形体であることが好ましい。
【0011】
本構成の扇風機用揮散製品によれば、装着部は、伸縮可能な環状成形体、端部同士を結合若しくは近接させて環状に構成可能な帯状成形体、又は弾性変形可能な一部切り欠き環状成形体であるため、何れも簡単な操作で扇風機に装着することができる。また、大きさや形状が異なる扇風機にも装着することができる。
【0012】
本発明に係る扇風機用揮散製品において、
前記装着部は、前記ファンガードに装着した状態において、外側に突出する突出片を有することが好ましい。
【0013】
本構成の扇風機用揮散製品によれば、ファンガードに装着した状態において、外側に突出する突出片を有するため、当該突出片にも揮散性物質を含ませることで、扇風機用揮散製品全体における揮散性物質の含有量を増やすことができる。また、扇風機が転倒した場合や落下した場合、クッションとなり、扇風機への衝撃を緩和することができる。
【0014】
本発明に係る扇風機用揮散製品において、
前記突出片は、前記扇風機に対して前記装着部を装着又は取り外す際に把持する把持部であることが好ましい。
【0015】
本構成の扇風機用揮散製品によれば、突出片が把持部であるため、把持部を持つことで扇風機に対する装着部の着脱を容易に行うことができる。
【0016】
本発明に係る扇風機用揮散製品において、
前記突出片は、動物又はキャラクターの耳、花びら、及び/又は装飾品を模したものとして構成されることが好ましい。
【0017】
本構成の扇風機用揮散製品によれば、突出片は、動物又はキャラクターの耳、花びら、及び/又は装飾品を模したものとして構成されていることにより、装飾性に優れた装着部を提供することができ、デザイン性を高めることができる。また、装着部から揮散性物質が揮散されているときだけでなく、揮散性物質が揮散されなくなった後も、本構成の扇風機用揮散製品を扇風機用のアクセサリーのようにしておしゃれを楽しむことができ、使用者を視覚的に楽しませることができる。
【0018】
本発明に係る扇風機用揮散製品において、
前記突出片は、前記扇風機を首に掛けて使用するためのストラップを結び付ける結合部であることが好ましい。
【0019】
本構成の扇風機用揮散製品によれば、突出片が結合部であるため、この結合部にストラップを結び付けて扇風機に装着すれば、使用者の両手が塞がれることなく、利便性が向上する。また、元々首に掛けて使用することが想定されていない扇風機であっても、首掛け用の扇風機として使用することが可能となる。
【0020】
本発明に係る扇風機用揮散製品において、
前記扇風機は、携帯可能なハンディファンであることが好ましい。
【0021】
本構成の扇風機用揮散製品によれば、近年、購入者が増えている携帯可能なハンディファンに用いる製品とすることができ、持ち運びが容易であり、屋外のコンセントがない場所でも使用することができる。
【0022】
本発明に係る扇風機用揮散製品において、
前記揮散性物質は、芳香剤、消臭剤、殺虫剤、及び害虫忌避剤からなる群から選択される少なくとも一つを含むことが好ましい。
【0023】
本構成の扇風機用揮散製品によれば、揮散性物質として、芳香剤、消臭剤、殺虫剤、害虫忌避剤からなる群から選択される少なくとも一つを含むことで、扇風機の使用時に様々な効果を得ることができる。例えば、揮散性物質として害虫忌避剤を使用すると、夏に屋外で活動する場合において、涼を取りながら害虫が身体に接近することを防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【0024】
図1図1は、本発明の第一実施形態に係る扇風機用揮散製品の全体斜視図であり、扇風機のファンガードに装着する前の状態を示す。
図2図2は、本発明の第一実施形態に係る扇風機用揮散製品を扇風機のファンガードに装着した正面図であり、ファンガードの前部を外した状態を示す。
図3図3は、本発明の第二実施形態に係る扇風機用揮散製品の全体斜視図であり、(a)は未装着時の帯状成形体、(b)は端部同士を結合した状態を示す。
図4図4は、本発明の第三実施形態に係る扇風機用揮散製品の全体斜視図である。
図5図5は、本発明の第四実施形態に係る扇風機用揮散製品の説明図であり、(a)は全体斜視図、(b)は扇風機のファンガードに装着した正面図を示す。
図6図6は、本発明の第五実施形態に係る扇風機用揮散製品の説明図であり、(a)は全体斜視図、(b)は扇風機のファンガードに装着した正面図を示す。
【発明を実施するための形態】
【0025】
以下、本発明の扇風機用揮散製品に関する実施形態を図1図6を参照しながら説明する。ただし、本発明は、以下に説明する実施形態や図面に記載される構成に限定されることを意図しない。
【0026】
〔第一実施形態〕
図1は、本発明の第一実施形態に係る扇風機用揮散製品1Aの全体斜視図であり、扇風機30のファンガード31に装着する前の状態を示す。ファンガード31は、前部31aと後部31bとが組み合わされて構成されている。なお、図1では、扇風機30のファンガード31の内部にあるファン32(図2参照)については、図示を省略してある。図2は、本発明の第一実施形態に係る扇風機用揮散製品1Aを扇風機30のファンガード31に装着した正面図であり、ファンガード31の前部31aを外した状態を示す。図1及び図2に示す扇風機用揮散製品1Aは、扇風機30から発生する風に揮散性物質を乗せて揮散させるものである。揮散性物質の詳細については後述する。扇風機30としては、例えば、ハンディファン、ネックファン、家庭用扇風機、大型扇風機等が挙げられ、本実施形態の扇風機用揮散製品1Aは、特に、ハンディファンに装着する用途において好適に利用することができる。図1及び図2は、扇風機30として、持ち手33を備えたハンディファンを例示したものである。
【0027】
扇風機用揮散製品1Aは、図1に示すように、扇風機30のファンガード31を備えた扇風機30に装着可能な装着部10aを有する。装着部10aは、図2に示すように、扇風機30のファンガード31に装着した状態において、扇風機30のファン32を取り囲むようにファン32の回転中心Oに対して同心円状に構成される。装着部10aからファン32の周囲に揮散した揮散性物質は、扇風機30の後方から前方に吹き出される風の流れに引き寄せられ、ファン32により撹拌されながら、吹き出される風と共に扇風機30の前方に拡がる。このように、扇風機用揮散製品1Aは、扇風機30のファンガード31に装着した状態において、扇風機30から発生させた風全体に揮散性物質を満遍なく乗せて揮散性物質を良好に揮散させることができる。
【0028】
装着部10aは、図1に示すように、環状成形体として構成される。装着部10aは、円筒形状(本実施形態では、直径約10cm、奥行き約2cm、厚み約3mm)に形成されており、その奥行きは、扇風機30のファンガード31の周縁部に収まるように形成される。ただし、装着部10aの形状やサイズは特に限定されず、使用する扇風機30の種類や形状やサイズに応じて適宜設定すればよい。本実施形態では、扇風機30に対し扇風機用揮散製品1Aを一つ装着しているが、装着する数は限定されず、装着部10aの奥行きが短いものを複数個装着し、複数種の揮散性物質の効果が得られるようにしてもよい。
【0029】
装着部10aは、伸縮可能な素材で構成されることが好ましい。装着部10aが伸縮可能であると、大きさや形状が異なる扇風機30にも装着することができ、扇風機30の持ち手33やファンガード31の縁により装着しづらい場合でも、装着部10aを伸縮させることで容易に装着することができる。
【0030】
装着部10aを構成する素材としては、ポリスチレン系樹脂、ポリオレフィン系樹脂、ポリウレタン系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリアミド系樹脂、ジエン系樹脂、塩化ビニル樹脂、フッ素樹脂、ポリカーボネート樹脂、フェノール樹脂、メラミン樹脂、エポキシ樹脂などの熱可塑性エラストマー、シリコーンゴム、フッ素ゴム、ウレタンゴム、イソプレンゴム、エチレンプロピレンゴム、天然ゴム、スチレンブタジエンゴム等の熱硬化性エラストマー、又は上掲の各素材の複合物等が挙げられるが、これらに限定されない。
【0031】
装着部10aにシリコーンゴムを使用した場合、気体透過性に優れ、かつ物性的に安定であり、香料の吸着・発散に優れるという特性を有する。これは、香料の分子構造は主鎖が炭素で構成されており、香料分子が3次元的に架橋しているゴムの分子構造の隙間に入り込み易いためと考えられている。シリコーンゴムは、室温硬化型、加熱硬化型、縮合タイプ、付加タイプ等の種類を問わず使用でき、通常、シリコーンコンパウンド又は液状シリコーンに、イオウ等の加硫剤、シリカ等の添加剤等を用いて加硫(架橋)を行い、成形される。なお、シリコーンゴムの架橋密度を調整したり、添加剤として用いるシリコーンオイルやフィラーの添加量を調整することで、後述する揮散性物質の揮散量をコントロールすることができる。
【0032】
装着部10aの硬度は、60度以下が好ましく、50度以下がより好ましい。例えば、シリコーンゴムを原料に使用した装着部10aの硬度が60度以下の場合、シリコーンゴムの分子構造が密になり過ぎないため、香料分子がゴムの分子構造の隙間に入り込み易くなり、シリコーンゴムの香料の吸着・発散に優れるという特性を生かすことができる。なお、装着部10aの硬度は、日本工業規格(JIS K 6253)に準拠した方法又は装置によって測定される。本発明では、上記規格に適合したデュロメータを用いて装着部10aの硬度が測定される。
【0033】
装着部10aを構成する素材は、単独又は組み合わせて使用することができる。例えば、装着部10aを構成する素材として、シリコーンゴムの他にフッ素ゴムが含まれている場合、耐久性の向上が期待される。
【0034】
装着部10aを扇風機30のファンガード31に装着する場合、装着部10aは伸縮可能な環状成形体であるため、装着部10aを伸ばしながら扇風機30のファンガード31の周囲に引っ掛けることで、容易に装着することができる。装着部10aは、図1に示すように、扇風機30の前方(ファンガード31の前部31a)から装着される構成が好ましいが、扇風機30の後方(ファンガード31の後部31b)から装着される構成でもよい。
【0035】
装着部10aは、図1に示すように、厚み方向や幅方向に穴等が形成されていない中実の形状であるが、装着部10aに少なくとも一つの中空(図示せず)が形成されたものであってもよい。中空を有する装着部10aは、中空がない装着部10aと比べて同等以上の伸縮性を保持することができる。また、装着部10aの幅方向に中空を有する構成とした場合、装着部10aを扇風機30のファンガード31に装着すると、扇風機30の周囲から取り込まれる風の一部が、中空を通り前方に吹き出されるため、揮散性物質の揮散量を向上させることができる。中空の形状としては、その輪郭が、図形又はキャラクター形状となるように構成されたものが挙げられる。したがって、デザイン性が高まり、装飾性に優れた装着部10aを提供することができる。さらに、装着部10aの中空は、中空を埋めて窪み状に改変することもできる。このようにすることによって、中空のデザイン性を保持しつつ、成形体の質量を増加させることで、装着部10aにおける揮散性物質の含有量を増やすことも可能となる。
【0036】
装着部10aは、揮散性物質を含む。揮散性物質としては、例えば、芳香剤、消臭剤、殺虫剤、害虫忌避剤等が挙げられる。これらの揮散性物質は、単独で使用してもよく、あるいは複数種を組み合わせて使用してもよい。例えば、揮散性物質に冷感香料を含有する芳香剤を使用する場合、扇風機30から発生する風に冷感香料が乗って揮散されるため、さわやかな清涼感のある風を使用者に提供することができ、特に夏に好適に利用することができる。また、揮散性物質として害虫忌避剤を使用すると、夏に屋外で活動する場合において、涼を取りながら害虫が身体に接近することを防止することができる。
【0037】
冷感香料の具体例としては、l-メントール、メンチルアセテート、乳酸メンチル、l-メンチルグリセリルエーテル、メンチルピロリドンカルボン酸カンファー、N-エチル-p-メンタンカルボキシアミド、dl-カンファー、イソプレゴール、1,4-シネオール、1,8-シネオール、ボルネオール、チモール、スピラントール、酢酸リナリル、サリチル酸メチル、3-l-メトキシプロパンジオール、7-メチル-3,4-ジヒドロ-(2H)-1,5-ベンゾジオキセピン-3-オン、2,4-ジメチル-3-シクロヘキセニルカルボキシアルデヒド、メチル-N-3,7-ジメチル-7-ヒドロキシオクチリデン-アンスラニレート等が挙げられる。これらの冷感香料は、単独で用いてもよいし、複数種を混合して用いてもよい。
【0038】
揮散性物質にアロマ効果やリラックス効果のある香料成分や植物精油を含有する芳香剤を使用する場合、アロマ効果やリラックス効果のある風を使用者に供給することができ、アロマディフューザーや加湿器等の器具の代わりとして、夏以外の季節でも好適に利用することができる。
【0039】
アロマ効果やリラックス効果のある香料成分の具体例としては、ガラクソリド、ムスクケトン、ヘキシルシンナミックアルデヒド、イソイースーパー、メチルジヒドロジャスモネート、エチレンブラシレート、ゲラニオール、メチルアトラレート、ヘキシルサリシレート、トリシクロデセニルアセテート、オレンジャークリスタル、アンブロキサン、トナリド(6-アセチル-1,1,2,4,4,7-ヘキサメチルテトラリン)、γ-ウンデカラクトン、キャシュメラン、カロン、ヘリオトロピン、ジヒドロインデニル-2,4-ジオキサン、α-イソメチルイオノン、インドール、メチルセドリルケトン、メチルβ-ナフチルケトン、ローズフェノン、クマリン、バニリン、スチラックスレジノイド、ベンジルベンゾエート、ウンデカナール、ベンジルサリチレート、イオノン、α-イオノン、β-イオノン、リリーアルデヒド、3,5-ジニトロ-2,6-ジメチル-4-t-ブチルアセトフェノン、アセチルセドレン、2-シクロヘキシリデン-2-フェニルアセトアルデヒド、イソロンギホラノン、及びシス-3-ヘキセノール等が挙げられる。これらの香料成分は、単独で用いてもよいし、複数種を混合して用いてもよい。
【0040】
アロマ効果やリラックス効果のある植物精油の具体例としては、カモミール、ジャスミン、ゼラニウム、ラベンダー、オレンジ、グレープフルーツ、シトロネラ、ベルガモット、マンダリン、ライム、レモン、レモングラス、レモンユーカリ、スペアミント、セージ、ペパーミント、ローズマリー、シダーウッド、ティートリー、ローズウッド、イランイラン、サンダルウッド、パチュリー、カルダモン、コリアンダー、ジンジャー、ブラックペッパー等の植物より抽出された精油が挙げられる。これらの植物精油は、単独で用いてもよいし、複数種を混合して用いてもよい。
【0041】
揮散性物質に害虫忌避剤を使用する場合、香料成分を害虫忌避成分として使用することができる。害虫忌避成分について、以下に具体的に説明する。
【0042】
害虫忌避成分は、下記の(a)成分及び(b)成分を含有することが好ましい。
(a)成分として、一般式(I);
CH-COO-R1 ・・・ (I)
〔R1:炭素数6~12のアルコール残基〕
で表される単独物質又は混合物としての酢酸エステル化合物が挙げられる。
(b)成分として、モノテルペン系アルコール及び/又は炭素数10の芳香族アルコールが挙げられる。
【0043】
害虫忌避成分のうち、(a)成分として、さらに一般式(II);
R2-CH-COO-CH-CH=CH ・・・ (II)
〔R2:炭素数4~7のアルキル基、アルコキシ基、シクロアルキル基、シクロアルコキシ基、又はフェノキシ基〕
で表される単独物質又は混合物としてのアリルエステル化合物を含めることも可能である。この場合、(a)成分は、酢酸エステル化合物及びアリルエステル化合物の中から選択される少なくとも一種である。
【0044】
害虫忌避成分は、害虫忌避成分の揮散時の忌避効果持続成分として、20℃における蒸気圧が0.2~20Paのグリコール及び/又はグリコールエーテルをさらに含有することが好ましい。
【0045】
害虫忌避成分のうち、(a)成分である一般式(I)で表される酢酸エステル化合物の具体例としては、p-tert-ブチルシクロヘキシルアセテート、o-tert-ブチルシクロヘキシルアセテート、p-tert-ペンチルシクロヘキシルアセテート、トリシクロデセニルアセテート、ベンジルアセテート、フェニルエチルアセテート、スチラリルアセテート、アニシルアセテート、シンナミルアセテート、テルピニルアセテート、ジヒドロテルピニルアセテート、リナリルアセテート、エチルリナリルアセテート、シトロネリルアセテート、ゲラニルアセテート、ネリルアセテート、ボルニルアセテート、及びイソボルニルアセテート等が挙げられる。これらの酢酸エステル化合物は、単独で使用してもよいし、複数種を組み合わせて使用してもよい。
【0046】
害虫忌避成分のうち、(a)成分である一般式(II)で表されるアリルエステル化合物の具体例としては、アリルヘキサノエート、アリルヘプタノエート、アリルオクタノエート、アリルイソブチルオキシアセテート、アリルn-アミルオキシアセテート、アリルシクロヘキシルアセテート、アリルシクロヘキシルプロピオネート、アリルシクロヘキシルオキシアセテート、及びアリルフェノキシアセテート等が挙げられる。これらのアリルエステル化合物は、単独で使用してもよいし、複数種を組み合わせて使用してもよい。また、これらのアリルエステル化合物は、上述の酢酸エステル化合物と任意に組み合わせて使用することも可能である。
【0047】
害虫忌避成分のうち、(b)成分であるモノテルペン系アルコール及び/又は炭素数10の芳香族アルコールの具体例としては、テルピネオール、ゲラニオール、ジヒドロミルセノール、ボルネオール、メントール、シトロネロール、ネロール、リナロール、エチルリナロール、チモール、オイゲノール、及びp-メンタン-3,8-ジオール等が挙げられる。これらのモノテルペン系アルコール及び/又は炭素数が10の芳香族アルコールは、単独で使用してもよいし、複数種を組み合わせて使用してもよい。
【0048】
害虫忌避成分として、上記以外の香料成分、例えば、ベンジルベンゾエート、シンナミルフォーメート、ゲラニルフォーメート等の他のエステル化合物、リモネン等のモノテルペン系炭化水素、メントン、カルボン、プレゴン、カンファー、ダマスコン等のモノテルペン系ケトン、シトラール、シトロネラール、ネラール、ペリラアルデヒド等のモノテルペン系アルデヒド、フェニルエチルアルコール、ジフェニルオキサイド、インドールアロマ等を適宜添加してもよい。さらには、上記香料成分を含む種々の精油類、例えば、ジャスミン油、ネロリ油、ペパーミント油、ベルガモット油、オレンジ油、ゼラニウム油、プチグレン油、レモン油、シトロネラ油、レモングラス油、シナモン油、ユーカリ油、レモンユーカリ油、タイム油等を適宜添加してもよい。
【0049】
揮散性物質には、殺虫成分、消臭成分、除菌・抗菌成分等を含んでもよい。殺虫成分としては、常温揮散性ピレスロイド系のエムペントリン、プロフルトリン、トランスフルトリン、メトフルトリン等が挙げられるが、殺虫成分を配合する場合は、極力微量に留めるのが好ましい。消臭成分としては、イネ科、ツバキ科、イチョウ科、モクセイ科、クワ科、ミカン科、キントラノオ科、カキノキ科の中から選ばれる植物抽出物が代表的である。また、「緑の香り」と呼ばれる青葉アルコールや青葉アルデヒド等を添加してリラックス効果を付与することもできる。
【0050】
揮散性物質には、必要に応じ、溶剤、界面活性剤、可溶化剤、分散剤、安定化剤、pH調整剤、着色剤等を適宜配合してもよい。また、揮散性物質を、例えば、マイクロカプセル化したり、サイクロデキストリン化することにより、当該揮散性物質の安定化を図ったり、揮散性を調節することも可能である。
【0051】
揮散性物質を扇風機用揮散製品1Aの装着部10aに含有させる方法としては、特に限定されず、従来公知の方法を適宜採用することができる。例えば、装着部10aの表面積が大きい場合は、揮散性物質を薬液分注方式や塗布方式によって担持させる。装着部10aの表面積が小さい場合は、多数個の扇風機用揮散製品1Aを密閉容器に入れ、これに揮散性物質を必要に応じて溶剤と共に加えて噴霧又は滴下し、扇風機用揮散製品1Aの装着部10aに浸透させる。さらに、揮散性物質の液中に扇風機用揮散製品1Aを適当時間浸漬させたり、あるいは高濃度に揮散性物質を含有させた扇風機用揮散製品1Aと無処理の扇風機用揮散製品1Aを密閉容器中に混在させ、適当時間放置して扇風機用揮散製品1Aの装着部10a全体にわたって香料組成物濃度を平均化させる方法によって、製造することも可能である。装着部10aを構成する素材として、熱可塑性プラスチックエラストマーを使用する場合は、例えば、熱可塑性プラスチックエラストマーに揮散性物質を加えて均一に混合し、金型形状へ射出成型することで、揮散性物質を装着部10aに含有させることができる。
【0052】
扇風機用揮散製品1Aにおける揮散性物質の配合量は、扇風機用揮散製品1Aの使用用途、使用期間、及び装着部10aの種類やその仕様等によって適宜決定すればよい。
【0053】
〔第二実施形態〕
図3は、本発明の第二実施形態に係る扇風機用揮散製品1Bの全体斜視図であり、(a)は未装着時の帯状成形体、(b)は端部同士を結合した状態を示す。なお、第二実施形態において、第一実施形態と同一又は同様のものについては、その詳細な説明を省略することとし、以下においては、第二実施形態に特有の部分を中心に説明することとする。
【0054】
装着部10bは、図3に示すように、第一実施形態における装着部10aとは異なる形状に形成されている。
【0055】
装着部10bは、図3に示すように、端部同士を結合若しくは近接させて環状に構成可能な帯状成形体として構成される。装着部10bは、図3(a)に示すように、使用前の形状が帯状に形成されている。また、装着部10bの両端には、突起部11と、受け部12とが一体に形成されている。使用時には、図3(b)に示すように、突起部11及び受け部12を結合又は近接させて環部を形成する。装着部10bは、細長い形状(本実施形態では、幅約2cm、長さ約30cm、厚み約3mm)に形成されている。ただし、装着部10bの形状やサイズは特に限定されず、使用する扇風機30の種類や形状やサイズに応じて適宜設定すればよい。
【0056】
突起部11及び受け部12は、使用時に装着部10bを環状に変化させて仮固定するものである。突起部11及び受け部12により、形成される環部の大きさを調整することができるため、大きさや形状が異なる扇風機30にも装着することができる。本実施形態では、受け部12として丸型の貫通孔を長さ方向に沿って複数個配設し、その何れかに、T字型の突起部11を嵌めて環部を形成させるように構成しているが、受け部12や突起部11の形状は、装着部10bのデザインに合わせて適宜設定すればよい。また、図示は省略するが、受け部12として丸型の貫通孔を長さ方向に沿って6~10個配設し、当該貫通孔に、2~4個の丸形の突起部11を嵌めて環部を形成するように構成してもよい。
【0057】
装着部10bを構成する素材としては、第一実施形態で説明したものと同様の素材を使用することができる。装着部10bは、突起部11及び受け部12により、形成される環部の大きさを調整することができるため、非伸縮の素材で構成された場合も、大きさや形状が異なる扇風機30に装着することができる。また、揮散性物質を装着部10aに含有させる方法についても、第一実施形態で説明したものと同様の方法を採用することができる。
【0058】
〔第三実施形態〕
図4は、本発明の第三実施形態に係る扇風機用揮散製品1Cの全体斜視図である。なお、第三実施形態において、第一実施形態と同一又は同様のものについては、その詳細な説明を省略することとし、以下においては、第三実施形態に特有の部分を中心に説明することとする。
【0059】
装着部10cは、図4に示すように、第一実施形態における装着部10aとは異なる形状に形成されている。
【0060】
装着部10cは、図4に示すように、一部切り欠き環状成形体として構成される。装着部10cは、円筒形状(本実施形態では、直径約10cm、奥行き約2cm、厚み約3mm)の下部を全体の1/6程度切り欠いてアルファベットの「C」の形状に形成されており、その奥行きは、扇風機30のファンガード31の周縁部に収まるように形成される。ただし、装着部10cの切り欠きの大きさは特に限定されず、使用する扇風機30の種類や形状やサイズに応じて適宜設定すればよい。環状成形体の一部が切り欠いて形成されることにより、扇風機30の持ち手33に重なることがないため、装着部10cを扇風機30に綺麗に装着することができる。
【0061】
装着部10cを構成する素材としては、第一実施形態で説明したものと同様の素材を使用することができるが、本実施形態の場合、装着部10cの切り欠きを拡げて扇風機30のファンガード31に装着することになるため、ある程度の剛性を有しながら弾性変形可能な素材で構成されることが好ましい。従って、装着部10cの素材としては、第一実施形態で説明した素材の中でも、特に、熱可塑性エラストマーとして挙げた素材が好ましい。また、揮散性物質を装着部10aに含有させる方法についても、第一実施形態で説明したものと同様の方法を採用することができる。
【0062】
〔第四実施形態〕
図5は、本発明の第四実施形態に係る扇風機用揮散製品1Dの説明図であり、(a)は全体斜視図、(b)は扇風機30のファンガード31に装着した正面図を示す。なお、第四実施形態において、第一実施形態と同一又は同様のものについては、図に同一記号を付すに留めてその詳細な説明を省略することとし、以下においては、第四実施形態に特有の部分を中心に説明することとする。扇風機用揮散製品1Dは、図5(a)に示すように、装着部10dに突出片20を設けたものである。
【0063】
突出片20は、図5(b)に示すように、ファンガード31に装着した状態において、外側に突出するように構成される。装着部10d及び突出片20は、扇風機30のファンガード31に装着した状態において、扇風機30が転倒した場合や落下した場合、クッションとなり、扇風機30への衝撃を緩和することができる。
【0064】
突出片20を装着部10dに形成する方法としては、特に限定されず、例えば、装着部10dから突出片20を1箇所又は数箇所分枝させて一体に形成することができる。ただし、装着部10dと突出片20とは別体であってもよく、例えば、装着部10dに別部材(素材の同異は問わない)を取り付けて突出片20を形成することも可能である。このように装着部10dに突出片20を形成することによって、扇風機30に装飾性が付与される。突出片20は、揮散性物質を含んでもよく、この場合、扇風機用揮散製品1Dに保持される揮散性物質の含有量を増やすことができる。その結果、より長い時間にわたって、揮散性物質の効果を得ることができる。
【0065】
突出片20は、扇風機30に対して装着部10dを装着又は取り外す際に把持する把持部として機能することができる。例えば、装着部10dが伸縮性のある素材で構成される場合、装着部10dを扇風機30のファンガード31に装着した状態において、突出片20を把持して引っ張ると、装着部10dが伸びるため、容易に扇風機30から取り外すことができる。
【0066】
突出片20は、動物又はキャラクターの耳、花びら、及び/又は装飾品を模したものとして構成される。具体例としては、ウサギ、クマ、ネコ等の耳、ヒマワリの花びら、王冠、リボン等、様々なものが挙げられるが、これらに限定されない。このように構成することで、装飾性に優れた装着部10dを提供することができ、デザイン性を高めることができる。図5(b)に示すように、装着部10dの厚みを小さくすると、正面から見たときに、装着部10dは扇風機30のファンガード31の輪郭と一体化しているものとして認識され、その結果、扇風機30に動物の耳がついているように見え、デザイン性をより高めることができる。また、装着部10dから揮散性物質が揮散されているときだけでなく、揮散性物質が揮散されなくなった後も、本実施形態の扇風機用揮散製品1Dは、扇風機30のアクセサリーとしておしゃれを楽しむことができ、使用者を視覚的に楽しませることができる。
【0067】
装着部10dを構成する素材としては、第一実施形態で説明したものと同様の素材を使用することができる。また、揮散性物質を装着部10d及び突出片20に含有させる方法についても、第一実施形態で説明したものと同様の方法を採用することができる。
【0068】
第四実施形態に係る扇風機用揮散製品1Dにおいて、装着部10dは第一実施形態に係る扇風機用揮散製品1Aの装着部10aと同じ形状のものを示しているが、第二実施形態に係る扇風機用揮散製品1Bの装着部10b、又は第三実施形態に係る扇風機用揮散製品1Cの装着部10cと同じ形状のものを採用することも可能である。
【0069】
〔第五実施形態〕
図6は、本発明の第五実施形態に係る扇風機用揮散製品1Eの説明図であり、(a)は全体斜視図、(b)は扇風機30のファンガード31に装着した正面図を示す。なお、第五実施形態において、第一実施形態又は第四実施形態と同一又は同様のものについては、図に同一記号を付すに留めてその詳細な説明を省略することとし、以下においては、第五実施形態に特有の部分を中心に説明することとする。扇風機用揮散製品1Eは、図6(a)に示すように、装着部10eに突出片20を設けたものである。
【0070】
突出片20は、ストラップ22を結び付ける結合部21として機能する。結合部21には、ストラップ22を通す孔21aが形成されており、図6(b)に示すように、結合部21の孔21aにストラップ22を通して結び付けることで、使用者は扇風機30を首に掛けて使用することができる。このように、結合部21を備えた扇風機用揮散製品1Eを扇風機30に装着すれば、使用者の両手が塞がれることなく、利便性が向上する。また、元々首に掛けて使用することが想定されていない扇風機であっても、首掛け用の扇風機として使用することが可能となる。
【0071】
以上、本発明の扇風機用揮散製品について、複数の実施形態に基づいて説明したが、発明は上記実施形態に記載した構成に限定されるものではなく、各実施形態に記載した構成を適宜組み合わせる等、その趣旨を逸脱しない範囲において適宜その構成を変更することができる。
【産業上の利用可能性】
【0072】
本発明の扇風機用揮散製品は、種々のタイプの扇風機に利用可能であるが、特に、携帯型の扇風機(ハンディファン)において好適に利用可能である。
【符号の説明】
【0073】
1A、1B、1C、1D、1E 扇風機用揮散製品
10a、10b、10c、10d、10e 装着部
20 突出片(把持部)
21 結合部
30 扇風機(ハンディファン)
31 ファンガード
32 ファン
O 回転中心

図1
図2
図3
図4
図5
図6