(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024061649
(43)【公開日】2024-05-07
(54)【発明の名称】チェーンドライブを備えたパークシステムインテグレーション
(51)【国際特許分類】
F16D 63/00 20060101AFI20240425BHJP
F16G 13/06 20060101ALI20240425BHJP
B60T 1/06 20060101ALI20240425BHJP
【FI】
F16D63/00 H
F16G13/06 B
B60T1/06 G
【審査請求】有
【請求項の数】3
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023177924
(22)【出願日】2023-10-14
(31)【優先権主張番号】18/048239
(32)【優先日】2022-10-20
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(71)【出願人】
【識別番号】500124378
【氏名又は名称】ボーグワーナー インコーポレーテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100093861
【弁理士】
【氏名又は名称】大賀 眞司
(74)【代理人】
【識別番号】100129218
【弁理士】
【氏名又は名称】百本 宏之
(72)【発明者】
【氏名】ジャンカー,マシュー イー.
(72)【発明者】
【氏名】グッドセル,ジョセフ ピー.
【テーマコード(参考)】
3J058
【Fターム(参考)】
3J058AB21
3J058CC06
3J058CC15
3J058CD35
3J058FA01
3J058FA07
(57)【要約】 (修正有)
【課題】車両のファイナルドライブ又はプライマリドライブに配置され、車両の車輪に接続された出力シャフトを係合又は解放するパーキング機構が開示される。
【解決手段】パーキング機構は、車両の車輪に接続された出力シャフト102を係合又は係合解除するために、車両のファイナルドライブ又はプライマリドライブに配置される。パーキング機構は、パーキングポウル208と係合するファイナルドライブ又はプライマリドライブのバックドライブチェーンを含む。カムアセンブリはパーキングポウルをバックドライブチェーンと係合するように付勢して、車輪の回転を防止する。
【選択図】
図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両の車輪に接続された出力シャフトを係合又は係合解除するために、車両のファイナルドライブ又はプライマリドライブに配置されたパーキング機構であって、
スプロケット歯を有し、車両の車輪を駆動するために出力シャフトに接続される第1のスプロケットと、
スプロケット歯を有する第2のスプロケットと、
前記第1のスプロケットの前記スプロケット歯及び前記第2のスプロケットの前記スプロケット歯と係合する無端ループチェーンとを含み、前記無端ループチェーンは、
第1のフランク、第2のフランク、及び平坦面を備えた背部を有する本体と、前記背部の反対側の股部によって接続された一対の歯と、前記一対の歯と前記背部との間にある一対の開口とを含む第1の内側リンクであって、前記背部は前記本体から横方向に延び、少なくとも前記股部、前記一対の歯の少なくとも一部、及び前記開口の少なくとも一部に対向する第1の内側リンクと、
背部を有する本体と、前記背部の反対側の股部によって接続された一対の歯と、前記一対の歯と前記背部との間にある一対の開口とを含む第2の内側リンクとを含み、
前記第1の内側リンクと前記第2の内側リンクは、横方向及び長手方向に交互にインターリーブした列に配置され、連結ピンによって枢動可能に接続され、
前記無端ループチェーンは、その最外側に配置され、前記連結ピンを収容して固定するガイドプレートをさらに含み、
前記パーキング機構は、
前記無端ループチェーンの前記第1の内側リンクの横方向に延びる前記背部と係合する係合位置と、前記無端ループチェーンの前記第1の内側リンクの横方向に延びる前記背部と係合解除される非係合位置との間で枢動可能に移動可能であるパーキングポウルであって、第1の端部、第2の端部、上面、及び前記上面の反対側の底面を有する本体と、前記第1の端部と前記第2の端部との間の前記底面の複数の交互の歯と凹部と、前記本体の前記第1の端部に回転可能に取り付けられたローラとを含むパーキングポウルと、
前記パーキングポウルを前記係合位置と前記非係合位置との間で移動させるカムアセンブリをさらに含む、パーキング機構。
【請求項2】
前記パーキングポウルの前記第1の端部は、前記ローラを収容するために分岐している、請求項1に記載のパーキング機構。
【請求項3】
前記カムアセンブリは、
中央孔、バネ突起を有するアーム、及びストップを画定する固定レバープレートと、
中央孔、バネ突起、前記パーキングポウルの前記ローラと接触するように構成された付勢面、及び前記固定レバープレートの前記ストップと接触するように適合された停止面を画定する回転可能なカムプレートと、
前記固定レバープレートの前記中央孔及び前記回転可能なカムプレートの前記中央孔内に収容され、前記固定レバープレートに固定されるピボットピンと、
前記固定レバープレートの前記バネ突起と前記回転可能なカムプレートの前記バネ突起との間に取り付けられたバネとをさらに含む、請求項1に記載のパーキング機構。
【発明の詳細な説明】
【背景技術】
【0001】
本発明は、パーキングシステムに関し、具体的には、内燃機関、電気モータ、又はそれらの組み合わせ(ハイブリッド)ソリューションによる従来のパーキングシステムに代わる、パーキングシステムとして使用されるリンク機能を含むファイナルドライブ又はプライマリドライブ上のチェーンシステムに関する。
【0002】
トランスミッション用途では、パークシステムは、通常、
図1~2に示すように、出力シャフトにパーキングポウルとノッチ付きパーキングリングを備えたスタンドアロンシステムである。
【0003】
図1と3は、トランスミッションパーキングポウルが係合駐車位置にある従来のパークシステムを示す。
図2は、トランスミッションパーキングポウルが非係合位置にある従来のパークシステムを示す。出力シャフト102には、複数のノッチ105を備えた金属リング104が取り付けられる。トランスミッションパーキングポウル111は、係合位置と非係合位置に隣接し、係合位置と非係合位置との間で移動可能である。トランスミッションパーキングポウル111は、金属リング104のノッチ105の1つと係合可能な突起107を有する。トランスミッションパーキングポウル111が金属リング104のノッチ105に係合すると、金属リング104の移動が禁止され、したがって、出力シャフト102及び出力シャフト102に接続された駆動輪(図示せず)の回転が禁止される。トランスミッションパーキングポウル111は、車両が駐車されているとき、カム112によって駐車位置に向かって付勢される。カム112は、バネ108の付勢力に抗して、トランスミッションパーキングポウル111を金属リング104のノッチ105と係合するように付勢する。車両が駐車中でなく、カム112が係合していないとき、バネ108はトランスミッションパーキングポウル111を付勢し、それにより、突起107は金属リング104と係合せず、駆動輪に関連する出力シャフト102は自由に回転する。
【0004】
図3は、別の従来のパークシステムを示す。この従来のパークシステムでは、パーキングポウル126は、複数のノッチ105を有する金属リング104と係合するが、パーキングポウル126は、中心ボア150を画定するレバープレート144と、アーム端部149を備えたアーム148とを有するカムアセンブリ140によって係合される。レバープレート144の中心ボア150と位置合わせされたボア145を備えたカムプレート141がレバープレート144に隣接して配置される。カムプレート141は、さらに、カムプレート端部146と、パーキングポウル126と接触する付勢面142とを有する。カムプレート141のカムプレート端部146とレバープレート144のアーム148のアーム端部149との間には、バネ147が介在する。ピン143は、レバープレート144のボア150及びカムプレート141のボア145によって収容され、カムプレート141がレバープレート144に対して回転できるようにする。
【0005】
パーキングポウル126は、第1の端部128aと第2の端部128bを含む本体128を有する。第1の端部126aは、金属リング104の複数のノッチ105のうちの1つと係合する突起107を有する。突起107の反対側には、カムプレート付勢面142と接触するパーキングポウル付勢面127がある。パーキングポウル126の本体128の第2の端部128bは、パーキングポウル126がその中で枢動するボア120を画定する。
【0006】
バネプレート131は第1の端部131aと第2の端部131bを有し、第2の端部131bはパーキングポウル126の第2の端部128bに取り付けられる。第1の端部131aは、カムプレート141の縁部151と接触することができる。バネプレート131には、金属リング104のノッチ105との係合から外れるように枢動可能なパーキングポウルを付勢するバネ108が取り付けられる。バネ147は、カムプレート141を付勢して、パーキングポウル126の突起107を金属リング104のノッチ105内に付勢し、駆動輪に関連する出力シャフト102が回転するのを防止する。
【0007】
パーキングポウル126を金属リング104のノッチ105から係合解除するために、カムプレートはバネプレート131に向かって回転し、それにより、カムプレート141の縁部151は、バネプレート131の第1の端部131aと係合し、パーキングポウル126を金属リング104のノッチ105から遠ざけたり、金属リング104のノッチ105との係合から解除したりする。
【発明の概要】
【0008】
本発明の一実施形態によれば、車両のファイナルドライブ又はプライマリドライブに配置され、車両の車輪に接続された出力シャフトを係合又は解放するパーキング機構が開示される。パーキング機構は、スプロケット歯を有し、車両の車輪を駆動するために出力シャフトに接続される第1のスプロケットと、スプロケット歯を有する第2のスプロケットと、第1のスプロケットのスプロケット歯及び第2のスプロケットのスプロケット歯と係合する無端ループチェーンと、パーキングポウルが無端ループチェーンの第1の内側リンクの横方向に延びる背部と係合する係合位置と、パーキングポウルが無端ループチェーンの第1の内側リンクの横方向に延びる背部と係合解除される非係合位置との間で枢動可能に移動可能であり、パーキングポウルを係合位置と非係合位置との間で移動させるパーキングポウルとを含む。
【0009】
無端ループチェーンは、第1のフランク、第2のフランク、及び平坦面を備えた背部を有する本体と、背部の反対側の股部によって接続された一対の歯と、一対の歯と背部との間にある一対の開口とを含む第1の内側リンクであって、背部は本体から横方向に延び、少なくとも股部、一対の歯の少なくとも一部、及び開口の少なくとも一部に対向する第1の内側リンクと、背部を有する本体と、背部の反対側の股部によって接続された一対の歯と、一対の歯と背部との間にある一対の開口とを含む第2の内側リンクと、無端ループチェーンの最外側に配置され、連結ピンを収容して固定するガイドプレートとを含む。第1の内側リンクと第2の内側リンクは、横方向及び長手方向に交互にインターリーブした列に配置され、連結ピンによって枢動可能に接続される。
【0010】
パーキングポウルは、第1の端部、第2の端部、上面、及び上面の反対側の底面を有する本体と、第1の端部と第2の端部との間の底面の複数の交互の歯と凹部と、本体の第1の端部に回転可能に取り付けられたローラとを含む。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【
図1】
図1は、駐車位置にある従来のパークシステムを示す。
【
図2】
図2は、非駐車位置にある従来のパークシステムを示す。
【
図4】
図4は、パーキングポウルとファイナルドライブ又はプライマリドライブのチェーンとの係合の上面図を示す。
【
図5】
図5は、パーキングポウルとファイナルドライブ又はプライマリドライブのチェーンとの係合の側面図を示す。
【
図6】
図6は、パーキングポウルとチェーンとの係合の側面図を示す。
【
図7】
図7は、パーキングポウルとチェーンとの係合の上面図である。
【
図8】
図8は、パーキングポウルとチェーンの係合の別の図を示す。
【発明を実施するための形態】
【0012】
車両のトランスミッションでは、車両を所定の位置にしっかりと保持し、車両の動きを防ぐパーク機構が必要である。一般的には、トランスミッションの特定の歯車は、
図1~
図3の従来技術で説明したように、この歯車と係合するアームと係合する四角形の歯車を利用する。トランスミッションのコストと複雑さを軽減するために、本発明の実施形態は、トランスミッションで使用される追加の金属リングギアを、パーキングポウルと係合するファイナルドライブ又はプライマリドライブ上のバックドライブチェーンに置き換える。ファイナルドライブは後車軸又は出力シャフトにあり、車両の後輪に接続され、プライマリドライブは、前車軸又は出力シャフトにあり、車両の前輪に接続される。
【0013】
図9~11は、本発明の一実施形態のパーキングポウル208を示す。パーキングポウル208は、第1の端部208a、第2の端部208b、上面219、及び底面220を有する本体255を有する。
【0014】
第2の端部208bにおいて、本体255は、パーキングポウル208がその中で枢動できるボア209を画定する。ボア209はピン211を収容する。本体の第1の端部208aは、底部ポウル壁208eによって接続された第1のポウルアーム壁208cと第2のポウルアーム壁208dに分岐している。第1及び第2のポウルアーム壁208c、208dの間には、ピン212の周りを回転するローラ210があり、ピン212の端部は、第1及び第2のポウル壁アーム208c、208dのボア215a、215b内に収容される。
【0015】
底面220は、第2の端部208bから第1の端部208aまでの一連の歯214、213と凹部218、216、217で構成され、即ち、第1の凹部218、第1の歯214、第2の凹部216、第2の歯213、及び第3の凹部217で構成される。歯214、213は、それぞれ、第1のフランク214a、213a、第2のフランク214c、213c及び歯係合面214b、213bによって画定される。
【0016】
図13~16は、
図12に示すチェーンを含むリンクを示す。チェーン285は、横方向及び長手方向にインターリーブされた隆起背を有する第1の内側リンク265と第2の内側リンク275の交互のセットで構成され、連結ピン282と、チェーン285の最外側に配置され、連結ピン282を受けて固定するガイドプレート270とによって枢動可能に連結される。チェーン285は、ガイドプレート270と、ガイドプレート270と同じ長手方向位置に配置された隆起背を有する第1の内側リンク265からなる複数のガイド列280と、隣り合うガイド列280の間に配置された第2の内側リンクプレート275のみからなるリンク列281とを有する。
【0017】
図13を参照すると、外側ガイドリンク270は、一対のトー274の間に画定する股部271を有する本体270aを含む。一対のトー274の反対側には、凹状の背部273がある。本体270aはまた、一対のトー274のそれぞれにピン開口272を画定する。股部271は、各ピン開口272の上縁部272aよりも下方に延びる。
【0018】
図15を参照すると、第1の内側リンク265は、一対のトー268の間に画定する股部269及び背部266を有する本体265aを含む。本体265aは、さらに、一対の開口267を画定する。第1の内側リンク265の隆起背部266は、少なくとも股部269と、一対の開口267の少なくとも一部と、一対のトー268とに対向する。隆起背部266は、好ましくは平坦であり、本体265の縁部265bから横方向に外向きに延び、第1のフランク266a、第2のフランク266b、及び第1のフランク266aを第2のフランク266bに接続する平坦面266cを有する。一対のトー268のそれぞれは、外側フランク268bと内側フランク268aを有する。
【0019】
図14を参照すると、第2の内側リンク275は、一対のトー279の間に画定する股部277及び背部276を有する本体275aを含む。本体275aは、さらに、一対の開口278を画定する。第2の内側リンク275の背部276は、一対の開口278、一対のトー279及び股部277に対向する。背部276は平坦であることが好ましい。一対のトー279のそれぞれは、外側フランク279bと内側フランク279aを有する。
【0020】
第1の内側リンク275及び第2の内側リンク268の内側フランク279a、268a又は外側フランク279b、268bは、ファイナルドライブ又はプライマリドライブのスプロケットのスプロケット歯205、203と係合する。
【0021】
内側リンクは隆起背部を含むように示されているが、本発明の範囲内で、隆起背部はチェーンの外側リンク上に配置することもできる。
【0022】
図6~8は、パーキングポウルとチェーンの係合を示す。
【0023】
パーキングポウル208は、係合位置と非係合位置との間で移動可能である。非係合位置では、パーキングポウル208の底面220が第2の内側リンク278の背部276及び第1の内側リンク275の隆起背部266から係合解除され、これにより、チェーン206及びスプロケット202、204が回転し続けることが可能となり、出力シャフトスプロケット204を介して出力シャフト102に接続された駆動輪(図示せず)が回転できるようになる。
【0024】
係合位置では、パーキングポウル208の底面220がチェーン206と係合し、それにより、パーキングポウル208の第1の歯214の第1のフランク214aは、第1の内側リンク278の隆起背部266の第2のフランク266aと係合し、第2の凹部216は、別の第1の内側リンク278の隆起背部266の平坦面266cと位置合わせされ、パーキングポウル208の第2の歯213の第1のフランク213aは、別の第1の内側リンク278の隆起背部266の第2のフランク266aと係合し、パーキングポウル208の第3の凹部217は、第3の第1の内側リンクの平坦面266cと位置合わせされる。パーキングポウル208の歯係合面214b、213bは、第2の内側リンク275の背部276と平行である。したがって、パーキングポウル208の歯214、213がチェーン206の第2の内側リンク275の背部276及びパーキングポウル208の歯214、213の間の凹部218、216、217に係合すると、パーキングポウル208の歯214、213とチェーン206の隆起背部266との係合により、出力スプロケット204及びチェーン206のさらなる回転が防止される。
【0025】
図4及び
図5は、パーキングポウル208を係合位置に付勢するカムアセンブリ220を示す。カムアセンブリ220は、中心ボア、アーム端部223を有するアーム222、及びレバープレート221から半径方向に延びるストップ231を画定する固定レバープレート221を有する。レバープレート221の中心ボアと位置合わせされたボア225を備えたカムプレート224がレバープレート221に隣接して配置される。カムプレート224はさらに、カムプレート端部229と、パーキングポウル208のローラ210と接触する付勢面228とを有する。付勢面228の反対側には、レバープレート221のストップ231と係合可能なストップ面232がある。カムプレート224のカムプレート端部229とレバープレート221のアーム222のアーム端部223との間には、バネ230が介在する。ピン227は、レバープレート221のボア及びカムプレート224のボア225によって収容され、ベアリング226によって所定の位置に保持され、それにより、カムプレート224がレバープレート221に対して回転することができる。又は、ピン227を固定レバープレート221に固定することもできる。カムプレート224は、バネバイアス(図示せず)の可能性を伴う機械的リンク機構又は電気アクチュエータのいずれかによって、回転してパーキングポウルのローラ210と係合する。
【0026】
パーキングポウル208をチェーン206から係合解除するために、カムプレート224は、バネバイアス(図示せず)の可能性を伴う機械的リンク機構又は電気アクチュエータによってストップ231から離れる方向に回転させられる。カムプレート224がストップ231から離れるように回転すると、付勢面228は、パーキングポウル208のローラ210と係合しなくなり、歯213、214はチェーン206の隆起背部266と係合しなくなる。
【0027】
カムプレート224とローラ210との係合又は係合解除を維持するカム又はオーバーセンタ機構が使用されてもよいことに注意する。オーバーセンタ機構は、カムプレート224の付勢面228とパーキングポウル208のローラ210の係合状態、又は枢動点として機能するベアリング226に対して係合解除状態に機械的に保持するオーバーセンタバネ機構であってもよい。オーバーセンタ機構は、一端が固定レバープレート221の固定構造に取り付けられ、他端がカムプレート224に取り付けられる引張バネを含んでもよい。
【0028】
又は、特定の減速セットに2つのチェーンを配置することで、2つの独立したチェーンを1つのパーキング機構に係合させることができ、万が一チェーンが破損した場合でも車両を静止状態に保持できる追加レベルの冗長性を追加することができる。例えば、二次電池式電気自動車のトランスミッションでは、電気モータの速度をほとんどの道路速度に適した低速に減速するために2つの減速比が使用される。チェーン上の本発明のパーキング機能は、トランスミッション内のチェーンのパッケージング及び位置に応じて、トランスミッション内のいずれかの減速比に使用することができる。
【0029】
パーキング機構は、チェーンがパーキングポウルと係合するための隆起背を備えている限り、任意のチェーンレイアウトで使用できることに注意する。
【0030】
したがって、本明細書に記載された本発明の実施形態は、本発明の原理の適用例にすぎないことが理解されるべきである。本明細書において示された実施形態の詳細への参照は特許請求の範囲の範囲を限定することを意図するものではなく、それら自体が本発明に不可欠であるとみなされる特徴を列挙している。
【手続補正書】
【提出日】2024-04-15
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両の車輪に接続された出力シャフトを係合又は係合解除するために、車両のファイナルドライブ又はプライマリドライブに配置されたパーキング機構であって、
スプロケット歯を有し、車両の車輪を駆動するために出力シャフトに接続される第1のスプロケットと、
スプロケット歯を有する第2のスプロケットと、
前記第1のスプロケットの前記スプロケット歯及び前記第2のスプロケットの前記スプロケット歯と係合する無端ループチェーンとを含み、前記無端ループチェーンは、
第1のフランク、第2のフランク、及び、背部を有する本体と、前記背部の反対側の股部によって接続された一対の歯と、前記一対の歯と前記背部との間にある一対の開口とを含む第1の内側リンクであって、前記背部は平坦面を備え、当該平坦面は、前記股部、前記一対の歯の少なくとも一部、及び前記開口の少なくとも一部に対向する第1の内側リンクと、
背部を有する本体と、前記背部の反対側の股部によって接続された一対の歯と、前記一対の歯と前記背部との間にある一対の開口とを含む第2の内側リンクとを含み、
前記第1の内側リンクからなる複数の列と前記第2の内側リンクからなる複数の列が交互に配置されたセットで構成され、連結ピンと、前記無端ループチェーンの最外側に配置され、前記連結ピンを受けて固定するガイドプレートとによって枢動可能に連結され、
前記パーキング機構は、
前記無端ループチェーンの前記第1の内側リンクの前記背部と係合する係合位置と、前記背部と係合解除される非係合位置との間で枢動可能に移動可能であるパーキングポウルであって、第1の端部、第2の端部、上面、及び前記上面の反対側の底面を有する本体と、前記第1の端部と前記第2の端部との間の前記底面の複数の交互の歯と凹部と、前記本体の前記第1の端部に回転可能に取り付けられたローラとを含むパーキングポウルと、
前記ローラとの係合又は非係合によって、前記パーキングポウルを前記係合位置と前記非係合位置との間で移動させるカムアセンブリをさらに含む、パーキング機構。
【請求項2】
前記パーキングポウルの前記第1の端部は、前記ローラを収容するために分岐している、請求項1に記載のパーキング機構。
【請求項3】
前記カムアセンブリは、
中央孔、バネ突起を有するアーム、及びストップを画定する固定レバープレートと、
中央孔、バネ突起、前記パーキングポウルの前記ローラと接触するように構成された付勢面、及び前記固定レバープレートの前記ストップと接触するように適合された停止面を画定する回転可能なカムプレートと、
前記固定レバープレートの前記中央孔及び前記回転可能なカムプレートの前記中央孔内に収容され、前記固定レバープレートに固定されるピボットピンと、
前記固定レバープレートの前記バネ突起と前記回転可能なカムプレートの前記バネ突起との間に取り付けられたバネとをさらに含む、請求項1に記載のパーキング機構。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0011
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0011】
【
図1】駐車位置にある従来のパークシステムを示す。
【
図2】非駐車位置にある従来のパークシステムを示す。
【
図4】パーキングポウルとファイナルドライブ又はプライマリドライブのチェーンとの係合の上面図を示す。
【
図5】パーキングポウルとファイナルドライブ又はプライマリドライブのチェーンとの係合の側面図を示す。
【
図6】パーキングポウルとチェーンとの係合の側面図を示す。
【
図7】パーキングポウルとチェーンとの係合の上面図である。
【
図8】パーキングポウルとチェーンの係合の別の図を示す。