(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024061653
(43)【公開日】2024-05-07
(54)【発明の名称】アナログプログラマブル抵抗メモリ
(51)【国際特許分類】
H10B 63/00 20230101AFI20240425BHJP
H10N 70/20 20230101ALI20240425BHJP
G11C 11/56 20060101ALI20240425BHJP
G11C 13/00 20060101ALI20240425BHJP
【FI】
H10B63/00
H10N70/20
G11C11/56 500
G11C13/00 215
G11C13/00 480K
【審査請求】未請求
【請求項の数】20
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2023178709
(22)【出願日】2023-10-17
(31)【優先権主張番号】18/048,594
(32)【優先日】2022-10-21
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(71)【出願人】
【識別番号】523393324
【氏名又は名称】サイバースワーム・インコーポレイテッド
【氏名又は名称原語表記】CYBERSWARM,INC.
【住所又は居所原語表記】55 E., 3rd Avenue, San Mateo, California 94401, United States
(74)【代理人】
【識別番号】110003708
【氏名又は名称】弁理士法人鈴榮特許綜合事務所
(72)【発明者】
【氏名】バイオレル-ゲオルゲル・ドゥミトル
(72)【発明者】
【氏名】オクタバン-ナルシス・イオネスク
【テーマコード(参考)】
5F083
【Fターム(参考)】
5F083FZ10
5F083GA11
5F083GA27
5F083HA10
5F083JA36
5F083JA38
5F083JA39
5F083JA60
5F083LA11
5F083PR22
5F083ZA21
(57)【要約】 (修正有)
【課題】複数のメモリ状態を有する不揮発性アナログプログラマブル抵抗メモリを提供する。
【解決手段】プログラマブル抵抗メモリ100は、基板101、インジウムガリウム亜鉛酸化物(IGZO)抵抗層102及び電気接点103を含み、電気接点は、同じ平面内でIGZO層上に堆積され、電気接点の間に空間的可変距離を得るために様々な形状を有する。抵抗メモリの抵抗は、様々な持続時間及び様々な振幅を有する電圧パルスを印加することによって、並びに/又は1つ以上のDC電圧スイープを印加することによって、初期低値から複数の様々なより高い値にされる。また、DC電圧スイープ中の高い電圧限界は、数ボルトから数十ボルトの範囲にわたる値に設定される。このようにして、IGZOプログラマブル抵抗メモリは、複数のメモリ状態に設定される。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数のメモリ状態を有するアナログプログラマブル抵抗メモリであって、
インジウムガリウム亜鉛酸化物(IGZO)抵抗層と、
同じ平面内に位置付けられ、2つの電気接点の間に空間的可変距離を得るために予め構成された形状を有する前記2つの電気接点と
を備える、アナログプログラマブル抵抗メモリ。
【請求項2】
前記抵抗層の抵抗は、1つ以上の電圧パルスを印加することによって構成される、請求項1に記載のアナログプログラマブル抵抗メモリ。
【請求項3】
前記電圧パルスは、数ミリ秒から数百秒の持続時間と、数ボルトから数十ボルトの振幅とを有する、請求項2に記載のアナログプログラマブル抵抗メモリ。
【請求項4】
前記抵抗層の抵抗は、増加する振幅を有するプログラミング電圧パルスのシーケンスを印加することによって構成される、請求項1に記載のアナログプログラマブル抵抗メモリ。
【請求項5】
前記抵抗層の抵抗は、所定の電圧上限を有する1つ以上の電圧スイープを印加することによって構成される、請求項1に記載のアナログプログラマブル抵抗メモリ。
【請求項6】
前記複数のメモリ状態の各メモリ状態の抵抗は、前記抵抗メモリの抵抗状態に影響を及ぼさない低電圧パルスでバイアスされた、前記抵抗メモリを通る電流を測定することによって監視されるように構成される、請求項1に記載のアナログプログラマブル抵抗メモリ。
【請求項7】
複数のメモリ状態を有するアナログプログラマブル抵抗メモリを製造する方法であって、前記方法は、
基板上にインジウムガリウム亜鉛酸化物(IGZO)抵抗層を堆積させることと、
同じ平面上及び前記基板上で、同じ平面上に2つの電気接点を堆積させ、前記2つの電気接点の間に空間的可変距離を有するように特定の形状を有することと
を備える、方法。
【請求項8】
前記IGZO抵抗層を堆積させることは、
アルゴン(Ar)雰囲気中で前記IGZO抵抗層をスパッタリングすることを備える、請求項7に記載の方法。
【請求項9】
前記2つの電気接点を堆積させることは、
スパッタリング、電子銃蒸着、又は熱蒸着のうちの少なくとも1つを通して前記2つの電気接点の前記堆積を実行することを備える、請求項7に記載の方法。
【請求項10】
前記基板は、ガラスによって形成される、請求項7に記載の方法。
【請求項11】
前記2つの電気接点は、チタン(Ti)、金(Au)、アルミニウム(Al)、モリブデン(Mo)、パラジウム(Pd)、白金(Pt)のうちの1つ以上によって形成される、請求項7に記載の方法。
【請求項12】
1つ以上の電圧パルスを印加することによって前記抵抗層の抵抗をプログラミングすること
を更に備える、請求項7に記載の方法。
【請求項13】
前記電圧パルスは、数ミリ秒から数百秒の持続時間と、数ボルトから数十ボルトの振幅とを有する、請求項12に記載の方法。
【請求項14】
増加する振幅を有するプログラミング電圧パルスのシーケンスを印加することによって前記抵抗層の抵抗をプログラミングすること
を更に備える、請求項7に記載の方法。
【請求項15】
所定の電圧上限を有する1つ以上の電圧スイープを印加することによって前記抵抗層の抵抗をプログラミングすること
を更に備える、請求項7に記載の方法。
【請求項16】
前記抵抗メモリの抵抗状態に影響を及ぼさない低電圧パルスでバイアスされた、前記抵抗メモリを通る電流を測定することによって前記複数のメモリ状態の各メモリ状態の抵抗を監視すること
を更に備える、請求項7に記載の方法。
【請求項17】
アナログプログラマブル抵抗メモリから読み取る方法であって、前記方法は、
前記抵抗メモリのインジウムガリウム亜鉛酸化物(IGZO)抵抗層を通る電流フローを測定すること
を備え、前記測定は、同じ平面内に位置付けられ、2つの電気接点の間に空間的可変距離を有するために予め構成された形状を有する前記2つの電気接点を使用して実行される、方法。
【請求項18】
前記電流の測定は、前記抵抗層の抵抗状態を示す、請求項17に記載の方法。
【請求項19】
前記抵抗層の抵抗状態は、プログラミング電圧パルスのシーケンスの印加によってプログラミングされる、請求項17に記載の方法。
【請求項20】
前記IGZO抵抗層を通る前記電流フローを測定することは、
低電圧で前記IGZO抵抗層をバイアスすることを備える、請求項17に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【関連出願の相互参照】
【0001】
[001]本願は、2022年10月21日に出願された米国特許出願第18/048,594号に基づいており、その出願日の利益を得るものである。この出願の内容全体は、その全体が参照によって本明細書に援用される。
【背景技術】
【0002】
[002]プログラマブル抵抗メモリは、異なる抵抗状態として情報を記憶することができるデバイスである。多くの用途では、アナログプログラマブル抵抗メモリを有することが非常に望ましい。そのようなメモリは、アナログ様式で修正されることができる抵抗を有する。アナログプログラマブル抵抗メモリは、不揮発性ソリッドステートメモリ、プログラマブルロジック、パターン認識、ニューロモルフィックコンピューティング、等のような多くの分野で使用されることができる。例えば、アナログプログラマブル抵抗メモリは、ハードウェアで実装される人工ニューラルネットワーク中のシナプスとして、生物学的に着想を得たコンピューティングのために用いられることができる。この場合、異なるシナプス重みが、異なる抵抗状態として記憶される。
【0003】
[003]それらは、情報の記憶及び処理の両方が可能なので、これらのデバイスは、インメモリコンピューティングを実現するのに非常に魅力的である。このようにして、メモリと処理ユニットとを分離するフォンノイマンアーキテクチャのメモリウォール問題が回避される。
【0004】
[004]IGZOは、透明薄膜トランジスタ(TFT)の実現のために広く使用されている。従って、IGZOベースの抵抗メモリは、TFT用に既に開発されている、しっかりと確立された技術プラットフォーム及びプロセスを製造のために用いるであろうことから、魅力的である。
【0005】
[005]優れた特性を有するIGZOベースのプログラマブル抵抗メモリは、垂直形状及び平面形状の両方で既に開発されている。
【0006】
[006]また、米国特許第10,902,914 B2号は、IGZO抵抗層と、同じ平面内でIGZO層上に堆積された2つの電気接点とを備える複数の抵抗状態を有するIGZOベースのプログラマブル抵抗器を説明している。
【0007】
[007]しかしながら、従来のアプローチは、抵抗器メモリの微細且つ精密な調整を可能にしない。
【発明の概要】
【0008】
[008]本明細書で開示される1つ以上の実施形態は、複数のメモリ状態を有する不揮発性アナログプログラマブル抵抗メモリを説明する。プログラマブル抵抗メモリは、基板、IGZO抵抗層、及び電気接点(例えば、2つの電気接点)を含む。電気接点は、同じ平面内でIGZO層上に堆積される。電気接点は、電気接点の間に可変距離(可変距離又は空間的可変距離とも呼ばれる)を得るために様々な形状を有し得る。抵抗メモリの抵抗は、様々な持続時間及び様々な振幅を有する電圧パルスを印加することによって、並びに/又は1つ以上のDC電圧スイープを印加することによって、初期低値から複数の様々なより高い値にされることができる。例えば、電圧パルスの持続時間は、数ミリ秒から数百秒であり得、電圧パルスの振幅は、数ボルトから数十ボルトであり得る。また、DC電圧スイープ中の高い電圧限界は、数ボルトから数十ボルトの範囲にわたる値に設定されることができる。このようにして、IGZOプログラマブル抵抗メモリは、複数の(例えば、多数の)メモリ状態に設定されることができる。
【0009】
[009]抵抗メモリの読み取りは、低電圧(0.1~1V)でバイアスされたときに抵抗器を通って流れる電流を測定することによって行われる。
【0010】
[0010]同じ平面内でIGZO層上に堆積され、電気接点の間に可変距離を得るために様々な形状を有する電気接点を用いることは、達成可能なメモリ状態の数と、抵抗メモリを所望の状態にプログラミングする精度とを増加させ、改善されたアナログプログラマブルメモリを得ることを可能にする。
【0011】
[0011]アナログプログラマブルメモリは、より高い抵抗状態に設定するために使用されるものとは反対の極性を有する電圧パルスまたは電圧スイープを印加することによって、部分的にリセットされることができる(いくらかより低い抵抗状態にされることができる)。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【
図1】[0012]本明細書で開示される原理による実例的なアナログプログラマブル抵抗メモリ構造を例示する。
【
図2】[0013]本明細書で開示される原理による別の実例的なアナログプログラマブル抵抗メモリ構造を例示する。
【
図3】[0014]本明細書で開示される原理による別の実例的なアナログプログラマブル抵抗メモリ構造を例示する。
【
図4】[0015]本明細書で開示される原理による別の実例的なアナログプログラマブル抵抗メモリ構造を例示する。
【
図5】[0016]本明細書で開示される原理による別の実例的なアナログプログラマブル抵抗メモリ構造を例示する。
【
図6】[0017]本明細書で開示される原理による別の実例的なアナログプログラマブル抵抗メモリ構造を例示する。
【
図7】[0018]本明細書で開示される原理による、小さい(0.1V)ステップで増加する振幅を有するプログラミング電圧パルスのシーケンスを用いるアナログ抵抗メモリの実例的なプログラミングを例示する。
【
図8】[0019]本明細書で開示される原理による、
図7に図示されるプログラミング電圧パルスのシーケンス中の低電圧(0.1V)での実例的な電流読み取りを例示する。
【
図9】[0020]本明細書で開示される原理による、対数スケールで小さい(0.1V)ステップで増加する振幅を有するプログラミング電圧パルスのシーケンスを用いるアナログ抵抗メモリの実例的なプログラミングを例示する。
【
図10】[0021]本明細書で開示される原理による、1Vステップで増加する振幅を有するプログラミング電圧パルスのシーケンスを用いるアナログ抵抗メモリの実例的なプログラミングを例示する。
【
図11】[0022]本明細書で開示される原理による、様々な後続のスイープ上限を有するDC電圧スイープのシーケンスを用いるアナログ抵抗メモリの実例的なプログラミングを例示する。
【
図12】[0023]本明細書に開示される原理による、
図11に例示される様々な後続のスイープ上限を有するDCスイープを印加することによって抵抗器を異なる抵抗状態に設定した後にメモリ素子を通って流れる電流を測定することによる、アナログ抵抗メモリの実例的な読み取りを例示する。
【発明を実施するための形態】
【0013】
[0024]本明細書で開示される1つ以上の実施形態は、アナログプログラマブル抵抗メモリを提供する。メモリは、不揮発性であり得、アナログ様式でプログラムされることができる複数の状態を有し得る。
【0014】
[0025]
図1は、本明細書で開示される原理による実例的なアナログプログラマブル抵抗メモリ100を例示する。示される図は、上面図である。プログラマブル抵抗器メモリ100は、基板101、抵抗層102、及び電気接点103を含むことができる。基板101は、ガラスなどの材料から形成されることができる。抵抗層102は、例えばIGZO層から形成されることができる。電気接点103は、チタン(Ti)/金(Au)、アルミニウム(Al)、モリブデン(Mo)、パラジウム(Pd)、白金(Pt)、又はIGZO薄膜トランジスタの電気接点の実現のために通常用いられる任意の他のメタライゼーション方式によって形成されることができる。見受けられるように、抵抗層102の形状及び電気接点103の形状は、電気接点103の間に空間的可変距離を生成する。
【0015】
[0026]
図2は、本明細書で開示される原理による別の実例的なアナログプログラマブル抵抗メモリ200を例示する。示される図は、上面図である。プログラマブル抵抗器メモリ200は、基板201、抵抗層202、及び電気接点203を含むことができる。基板201は、ガラスなどの材料から形成されることができる。抵抗層202は、例えばIGZO層から形成されることができる。電気接点203は、Ti/Au、Al、Mo、Pd、Pt、又はIGZO薄膜トランジスタの電気接点の実現のために通常用いられる任意の他のメタライゼーション方式によって形成されることができる。見受けられるように、抵抗層202の形状及び電気接点203の形状は、電気接点203の間に空間的可変距離を生成する。
【0016】
[0027]
図3は、本明細書で開示される原理による別の実例的なアナログプログラマブル抵抗メモリ300を例示する。示される図は、上面図である。プログラマブル抵抗器メモリ300は、基板301、抵抗層302、及び電気接点303を含むことができる。基板301は、ガラスなどの材料から形成されることができる。抵抗層302は、例えばIGZO層から形成されることができる。電気接点303は、Ti/Au、Al、Mo、Pd、Pt、又はIGZO薄膜トランジスタの電気接点の実現のために通常用いられる任意の他のメタライゼーション方式によって形成されることができる。見受けられるように、抵抗層302の形状及び電気接点303の形状は、電気接点303の間に空間的可変距離を生成する。
【0017】
[0028]
図4は、本明細書で開示される原理による別の実例的なアナログプログラマブル抵抗メモリ400を例示する。示される図は、上面図である。プログラマブル抵抗器メモリ400は、基板401、抵抗層402、及び電気接点403を含むことができる。基板401は、ガラスなどの材料から形成されることができる。抵抗層402は、例えばIGZO層から形成されることができる。電気接点403は、Ti/Au、Al、Mo、Pd、Pt、又はIGZO薄膜トランジスタの電気接点の実現のために通常用いられる任意の他のメタライゼーション方式によって形成されることができる。見受けられるように、抵抗層402の形状及び電気接点403の形状は、電気接点303の間に空間的可変距離を生成する。
【0018】
[0029]
図5は、本明細書で開示される原理による別の実例的なアナログプログラマブル抵抗メモリ500を例示する。示される図は、上面図である。プログラマブル抵抗器メモリ500は、基板501、抵抗層502、及び電気接点503を含むことができる。基板501は、ガラスなどの材料から形成されることができる。抵抗層502は、例えばIGZO層から形成されることができる。電気接点503は、Ti/Au、Al、Mo、Pd、Pt、又はIGZO薄膜トランジスタの電気接点の実現のために通常用いられる任意の他のメタライゼーション方式によって形成されることができる。見受けられるように、抵抗層502の形状及び電気接点503の形状は、電気接点503の間に空間的可変距離を生成する。
【0019】
[0030]
図6は、本明細書で開示される原理による別の実例的なアナログプログラマブル抵抗メモリ600を例示する。示される図は、上面図である。プログラマブル抵抗器メモリ600は、基板601、抵抗層602、及び電気接点603を含むことができる。基板601は、ガラスなどの材料から形成されることができる。抵抗層602は、例えばIGZO層から形成されることができる。電気接点603は、Ti/Au、Al、Mo、Pd、Pt、又はIGZO薄膜トランジスタの電気接点の実現のために通常用いられる任意の他のメタライゼーション方式によって形成されることができる。見受けられるように、抵抗層602の形状及び電気接点603の形状は、電気接点603の間に空間的可変距離を生成する。
【0020】
[0031]
図1~
図6に図示される抵抗メモリ素子は、同じ平面内でIGZO層上に堆積され、2つの電気接点の間に可変距離(即ち、上記のいくつかの実施形態で説明されたような空間的可変距離)を得るために様々な形状を有する2つの電気接点を有する。しかしながら、これらはいくつかの例に過ぎず、2つの電気接点の間に可変距離を得るために多くの他の異なる形状の電気接点が用いられることができることを理解されたい。
【0021】
[0032]
図1~
図6に提示される抵抗メモリ構造の製造のために、IGZO TFT製造のために用いられる標準的な手順が用いられることができる。IGZO抵抗層は、例えばアルゴン(Ar)雰囲気中でスパッタリングすることによって堆積されることができる。電気接点は、スパッタリング、電子銃蒸着、熱蒸着、又は当該技術分野で通常使用される任意の他の堆積方法によって実現されることができる。
【0022】
[0033]通常、IGZO TFT実現プロセスでは、特にAr雰囲気中でスパッタリングすることによって得られるIGZOの場合、製造後、デバイスは、IGZO層の抵抗率を増加させるために、空気中で高温アニールステップを受ける。IGZOプログラマブル抵抗メモリの実現のために、この高温アニーリングステップは、省略されることができる。代わりに、堆積されたままの高導電率IGZO抵抗器は、電圧パルス又は電圧スイープを用いることによって、より高い抵抗状態にされる。
【0023】
[0034]電圧パルスは、達成されるべき所望の抵抗状態に応じて、様々な持続時間及び様々な振幅を有することができる。例えば、電圧パルスの持続時間は、数ミリ秒から数百秒であり得、電圧パルスの振幅は、数ボルトから数十ボルトであり得る。抵抗メモリを特定の抵抗値によって特徴付けられる特定の抵抗状態に設定するために、増加する振幅を有するプログラミング電圧パルスのシーケンスを印加することが有利である。1つのプログラミング電圧パルスを印加した後、抵抗メモリの抵抗状態に影響を及ぼさない低電圧パルス(0.1V~1V)でバイアスされたときに抵抗メモリを通って流れる電流を測定することによって、抵抗メモリの抵抗を読み取ることが有利である。抵抗メモリの読み取り値と所望の値との間の差がある特定の量よりも大きい場合、プログラミング電圧パルスシーケンスの印加は、もう1つのステップを継続し、その後、抵抗メモリの抵抗値が再び読み取られる。抵抗メモリの読み取り値と所望の値との間の差がある特定の量よりも小さい場合、プログラミング電圧パルスシーケンスの印加が停止される。
【0024】
[0035]同じ平面内でIGZO層上に堆積され、2つの電気接点の間に可変距離を得るために様々な形状を有する2つの電気接点を用いることは、達成可能なメモリ状態の数と、抵抗メモリを所望の状態にプログラミングする精度とを増加させ、改善されたアナログプログラマブルメモリを得ることを可能にする。
【0025】
[0036]ある特定のより高い抵抗状態に設定されると、アナログプログラマブルメモリは、より高い抵抗状態に設定するために使用されるものとは反対の極性を有する電圧パルス又は電圧スイープを印加することによって、部分的にリセットされることができる(いくらかより低い抵抗状態にされることができる)。
【0026】
[0037]
図7は、本明細書で開示される原理による、小さい(0.1V)ステップで増加する振幅を有するプログラミング電圧パルスのシーケンスを用いるアナログ抵抗メモリの実例的なプログラミングを示す。各プログラミング電圧パルスの後、アナログプログラマブル抵抗器は、低電圧(0.1V)でバイアスされたときに抵抗器を通って流れる電流を測定することによって読み取られる。
【0027】
[0038]
図8は、本明細書で開示される原理による、
図7に図示されるプログラミング電圧パルスのシーケンス中の低電圧(0.1V)での実例的な電流読み取りを例示する。
【0028】
[0039]
図9は、本明細書で開示される原理による、対数スケールで小さい(0.1V)ステップで増加する振幅を有するプログラミング電圧パルスのシーケンスを用いるアナログ抵抗メモリの実例的なプログラミングを例示する。各プログラミング電圧パルスの後、アナログプログラマブル抵抗器は、低電圧(0.1V)でバイアスされたときに抵抗器を通って流れる電流を測定することによって読み取られる。
【0029】
[0040]
図10は、本明細書で開示される原理による、1Vステップで増加する振幅を有するプログラミング電圧パルスのシーケンスを用いるアナログ抵抗メモリの実例的なプログラミングを例示する。プログラミング電圧パルスを印加する前後に、アナログプログラマブル抵抗器は、低電圧(1V)でバイアスされたときに抵抗器を通って流れる電流を測定することによって読み取られる。
【0030】
[0041]また、堆積されたままのIGZO抵抗器を様々なより高い抵抗状態に設定するために、電圧スイープが用いられることができる。電圧スイープの上限及びそれぞれの電圧上限で行われるスイープサイクルの数を設定することによって、抵抗の異なる値が得られることができる。スイープ中の高い電圧限界は、数ボルトから数十ボルトの範囲にわたる値に設定されることができる。このようにして、メモリ状態の数が大幅に増加する。
【0031】
[0042]
図11は、本明細書で開示される原理による、様々な後続のスイープ上限を有するDC電圧スイープのシーケンスを用いるアナログ抵抗メモリの実例的なプログラミングを例示する。
【0032】
[0043]
図12は、本明細書に開示される原理による、
図11に例示される様々な後続のスイープ上限を有するDCスイープを印加することによって抵抗器を異なる抵抗状態に設定した後にメモリ素子を通って流れる電流を測定することによる、アナログ抵抗メモリの実例的な読み取りを例示する。
【外国語明細書】