(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024061672
(43)【公開日】2024-05-07
(54)【発明の名称】髄外装置
(51)【国際特許分類】
A61B 17/60 20060101AFI20240425BHJP
【FI】
A61B17/60
【審査請求】未請求
【請求項の数】36
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2023180689
(22)【出願日】2023-10-20
(31)【優先権主張番号】17/971044
(32)【優先日】2022-10-21
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(71)【出願人】
【識別番号】510116244
【氏名又は名称】ニューベイシブ スペシャライズド オーソペディックス,インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100107766
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠重
(74)【代理人】
【識別番号】100070150
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠彦
(74)【代理人】
【識別番号】100135079
【弁理士】
【氏名又は名称】宮崎 修
(72)【発明者】
【氏名】ジョージ ロペス カマチョ
(72)【発明者】
【氏名】ショーン プレイシー
(72)【発明者】
【氏名】ネイサン メイヤー
(72)【発明者】
【氏名】エモン チェン
(72)【発明者】
【氏名】ガブリエル ブエンビアヘ
(72)【発明者】
【氏名】ウーン キム
【テーマコード(参考)】
4C160
【Fターム(参考)】
4C160LL27
4C160LL29
4C160LL33
4C160LL35
(57)【要約】
【課題】 改善された、患者の体内の骨を動かすための髄外生体適合性インプラントを提供する。
【解決手段】本開示の一態様は、患者の体内の骨を動かすための髄外生体適合性インプラントに関する。一部の場合では、インプラントは、第1の位置で骨に連結されるように構成された第1のプレートと、第2の位置で骨に連結されるように構成された第2のプレートと、第1のプレートから延び、第2のプレート内で少なくとも部分的に収容されるディストラクタとを含み、ディストラクタは、ドライバと、該ドライバに連結されたギアシステムとを含む駆動システムを収容し、駆動システムは、第1のプレートに対する第2のプレートの移動をもたらすように構成されている。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
患者の体内の骨を動かすための生体適合性インプラントであって、当該インプラントは、
第1の位置で骨に取り付けられるように構成された第1のプレートと、
第2の位置で骨に取り付けられるように構成された第2のプレートと、
前記第1のプレートから延び、前記第2のプレート内に少なくとも部分的に含まれるディストラクタと、
を含み、
前記ディストラクタは、ドライバと、該ドライバに連結されるギアシステムとを含む駆動システムを収容し、該駆動システムは、前記第1のプレートに対する前記第2のプレートの移動をもたらすように構成されている、生体適合性インプラント。
【請求項2】
前記ドライバは、前記ギアシステムと前記第1のプレートとの間で軸方向に位置する、請求項1に記載の生体適合性インプラント。
【請求項3】
前記ドライバは、前記インプラントの近位端と前記ギアシステムとの間に位置し、前記ディストラクタの遠位端は、前記第2のプレート上の入力ドライバと嵌合するための出力ドライバを含む、請求項1に記載の生体適合性インプラント。
【請求項4】
前記ドライバの作動は前記ギアシステムに係合し、前記出力ドライバの回転を開始させる、請求項3に記載の生体適合性インプラント。
【請求項5】
前記ディストラクタと前記第2のプレートとの間の界面にある少なくとも1つの回転防止機構をさらに含む、請求項4に記載の生体適合性インプラント。
【請求項6】
前記ドライバの作動の間、前記回転防止機構は、前記第2のプレートの回転に抗して、前記第2のプレートの移動をもたらす、請求項5に記載の生体適合性インプラント。
【請求項7】
前記少なくとも1つの回転防止機構は、前記ディストラクタから径方向に延びる1つ以上の回転防止ペグと、前記第2のプレートにある1つ以上の対応する溝とを含む、請求項5に記載の生体適合性インプラント。
【請求項8】
前記1つ以上の回転防止ペグは、前記ディストラクタの軸方向長さの一部のみに沿って延びる、請求項7に記載の生体適合性インプラント。
【請求項9】
前記1つ以上の回転防止ペグは、その軸方向端部のそれぞれにノッチを含む、請求項8に記載の生体適合性インプラント。
【請求項10】
前記少なくとも1つの回転防止機構は、前記第2のプレート上にある一組の溝を含み、該一組の溝は、前記ディストラクタ上の第1の組の溝の回転に抗するように構成されている、請求項5に記載の生体適合性インプラント。
【請求項11】
前記少なくとも1つの回転防止機構は、前記第2のプレートと前記ディストラクタとの間の界面に1つ以上の直線面を含む、請求項5に記載の生体適合性インプラント。
【請求項12】
前記第1のプレートに対する前記第2のプレートの移動範囲を制限するために、前記ディストラクタの近位端にエンドキャップをさらに含む、請求項1に記載の生体適合性インプラント。
【請求項13】
前記ディストラクタを中心に少なくとも部分的に円周方向に延びる保持リングをさらに含み、該保持リングは、前記エンドキャップと前記第1のプレートとの間で軸方向に位置する、請求項12に記載の生体適合性インプラント。
【請求項14】
前記駆動システムの全体は前記ディストラクタ内に含まれる、請求項1に記載の生体適合性インプラント。
【請求項15】
前記ディストラクタは、非円形断面を有する外寸法を有し、前記第2のプレートは非円形断面を有する内寸法を有する、請求項1に記載の生体適合性インプラント。
【請求項16】
前記ディストラクタの外寸法の非円形断面と、前記第2のプレートの内寸法の非円形断面とが協働して、前記駆動システムの作動の間に前記第2のプレートの回転を制限する、請求項15に記載の生体適合性インプラント。
【請求項17】
前記第2のプレートの内部にジャム防止機構をさらに含む、請求項15に記載の生体適合性インプラント。
【請求項18】
前記ドライバと前記ギアシステムとの間で軸方向に位置するブレーキをさらに含む、請求項1に記載の生体適合性インプラント。
【請求項19】
前記第1のプレートは、前記ディストラクタを実質的に含む第1のハウジングと、該第1のハウジングから延びる第1の接続プレートとを含み、該第1の接続プレートは、骨アンカーを受容するための第1の一組の1つ以上の孔を含み、
前記第2のプレートは、スリーブを含む第2のハウジングと、該スリーブから延びる第2の接続プレートとを含み、該第2の接続プレートは、骨アンカーを受容するための第2の一組の1つ以上の孔を含む、請求項1に記載の生体適合性インプラント。
【請求項20】
前記スリーブは、前記ディストラクタと軸方向に重なるようなサイズを有する、請求項19に記載の生体適合性インプラント。
【請求項21】
前記インプラントは、完全にコンパクトな位置と完全に伸長された位置との間で移動可能であり、該完全に伸長された位置と該完全にコンパクトな位置との間の長さの差は約45ミリメートル(mm)~約55mmである、請求項20に記載の生体適合性インプラント。
【請求項22】
前記完全に伸長された位置と前記完全にコンパクトな位置との間の差は、少なくとも50mmである、請求項21に記載の生体適合性インプラント。
【請求項23】
前記完全にコンパクトな位置にある前記インプラントの軸方向の長さは約75mm~約83mmであり、
前記完全に伸長された位置にある前記インプラントの軸方向の長さは約125mm~約133mmである、請求項21に記載の生体適合性インプラント。
【請求項24】
前記第1のプレートの軸方向の範囲の大半は、前記ディストラクタの軸方向の範囲と重なり、
前記第1のプレートの一部及び前記ディストラクタの一部の両方が、前記ディストラクタの長さに垂直な平面で交差する場合、前記第1のプレートの該一部は前記ディストラクタと重なる、請求項1に記載の生体適合性インプラント。
【請求項25】
前記ドライバは、前記患者の身体の外部のコントローラによって作動されるように構成された磁気ドライバを含む、請求項1に記載の生体適合性インプラント。
【請求項26】
前記ドライバは、
前記患者の身体の外部の位置から、外部制御装置内のアクチュエータによって駆動されるように構成された電動ドライバ、又は
前記患者の身体の外部の位置から、外部制御装置内のアクチュエータによって駆動されるように構成された超音波駆動ドライバ
のうちの少なくとも1つを含む、請求項1に記載の生体適合性インプラント。
【請求項27】
前記インプラントは、前記患者の身体における四肢長の不一致又は骨欠損の治療を支援するため、患者の髄外留置されるように構成されている、請求項1に記載の生体適合性インプラント。
【請求項28】
前記第1のプレートは、アタッチメントを介して直接又は間接的に前記ディストラクタに連結され、
前記アタッチメントは、
ほぞ及びほぞ孔、
テーパー状のボスを通って延びる前記第1のプレートの第1の開口に嵌入する軸ネジ、
ピンアンドシャンクスリーブ連結器、
球状のボウル内に関節接合可能で、前記ディストラクタの長さと軸方向に延びるネジを介して取り付けられる球状のボス、又は
球状のボウル内に関節接合可能で、前記ディストラクタの長さに対して垂直に延びるネジを介して取り付けられる球状のボス、
を含む、請求項1に記載の生体適合性インプラント。
【請求項29】
請求項1に記載の生体適合性インプラントを用いて三焦点輸送手術を行うための方法。
【請求項30】
請求項1に記載の生体適合性インプラントを用いて患者の脛骨又は大腿骨のうちの1つの少なくとも一部を動かす方法。
【請求項31】
患者の体内の骨を動かすための生体適合性インプラントであって、当該インプラントは、
第1の位置で骨に取り付けられるように構成された第1の部分と、
第2の位置で前記骨に取り付けられるように構成された第2の部分と、
前記第1の部分から延び、前記第2の部分内に少なくとも部分的に含まれる内部延長コンポーネントであって、該内部延長コンポーネントは、前記第1の部分に対する前記第2の部分の移動をもたらすように構成された駆動システムを収容する、内部延長コンポーネントと、
を含み、
前記駆動システムの全体は前記内部延長コンポーネント内に含まれる、生体適合性インプラント。
【請求項32】
前記駆動システムは、ドライバと、該ドライバに連結されるギアシステムとを含む、請求項31に記載の生体適合性インプラント。
【請求項33】
前記ドライバは、前記ギアシステムと前記第1の部分との間で軸方向に位置する、請求項32に記載の生体適合性インプラント。
【請求項34】
前記ドライバは、前記インプラントの近位端部と前記ギアシステムとの間に位置し、前記内部延長コンポーネントの遠位端部は第1のねじ山付きの連結器を含み、該第1のねじ山付きの連結器は、前記第2の部分上の第2のねじ山付きの連結器と嵌合する、請求項32に記載の生体適合性インプラント。
【請求項35】
前記ドライバの作動は前記ギアシステムに係合し、前記第1のねじ山付きの連結器の回転を開始させる、請求項34に記載の生体適合性インプラント。
【請求項36】
前記第1の部分は、アタッチメントを介して前記内部延長コンポーネントに直接又は間接的に連結され、該アタッチメントは、
ほぞ及びほぞ孔、
テーパー状のボスを通って延びる前記第1のプレートの第1の開口に嵌入する軸ネジ、
ピンアンドシャンクスリーブ連結器、
球状のボウル内に関節接合可能で、前記ディストラクタの長さと軸方向に延びるネジを介して取り付けられる球状のボス、又は
球状のボウル内に関節接合可能で、前記ディストラクタの長さに対して垂直に延びるネジを介して取り付けられる球状のボス、
を含む、請求項31に記載の生体適合性インプラント。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本明細書で説明する主題は、髄外延長圧縮装置(extramedullary distraction and compression device)、システム及び関連方法に関する。
【背景技術】
【0002】
仮骨延長術は、様々な欠陥を持つ患者の新しい骨を成長させるために用いられてきた技術である。例えば、脚延長術は、骨(例えば、大腿骨又は脛骨)の長さが延ばされ得る技術である。骨のカットである皮質骨切除術又は骨切り術を骨に行うことにより、骨の2つの箇所が特定の速度で(例えば、1日に1.0mm)互いに離れるようにすることで、それらが離れるときに、2つの箇所の間に新たな骨が再生することを可能にする。この脚延長術は、以前の骨折が正しく治癒しなかった患者又は成長板が成熟前に病気又は損傷を受けた患者等の一方の肢が他方の脚よりも長い場合に用いられる。一部の患者では身長延長術が望まれ、患者の身長を伸ばすために両方の大腿骨及び/又は両方の脛骨を伸ばすことによって実現される。
【0003】
脚延長術は外固定を用いて行われることがしばしばあり、その場合、皮膚を通過するピンによって外延長フレームが骨の2つの箇所に取り付けられる。治療の過程にわたってピン留置部位はいくぶん開いた創傷「ピン経路」としてとどまるため、ピンは感染部位になることがあり、患者にとってしばしば痛みを伴う。外固定フレームはかさばるため、患者が快適に座ったり、寝たり、動いたりすることが困難である。本明細書に参照により組み込まれる米国特許出願公開第2011/0060336号に記載されているような髄内延長装置も存在する。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0004】
本開示の第1の態様は、患者の体内の骨を動かすための生体適合性インプラントに関し、当該インプラントは、第1の位置で骨に取り付けられるように構成された第1のプレートと、第2の位置で骨に取り付けられるように構成された第2のプレートと、前記第1のプレートから延び、前記第2のプレート内に少なくとも部分的に含まれるディストラクタと、を含み、前記ディストラクタは、ドライバと、該ドライバに連結されるギアシステムとを含む駆動システムを収容し、該駆動システムは、前記第1のプレートに対する前記第2のプレートの移動をもたらすように構成されている。
【0005】
本開示の第2の態様は、患者の体内の骨を動かすための生体適合性インプラントに関し、当該インプラントは、第1の位置で骨に取り付けられるように構成された第1の部分と、第2の位置で前記骨に取り付けられるように構成された第2の部分と、前記第1の部分から延び、前記第2の部分内に少なくとも部分的に含まれる内部延長コンポーネントであって、該内部延長コンポーネントは、前記第1の部分に対する前記第2の部分の移動をもたらすように構成された駆動システムを収容する、内部延長コンポーネントと、を含み、前記駆動システムの全体は前記内部延長コンポーネント内に含まれる。
【0006】
実施は、以下の特徴のうちの1つ又はそれらの任意の組み合わせを含み得る。
【0007】
様々な実施では、骨は、骨の少なくとも一部を意味し、特定の場合では、骨の断片、例えば、断片に分割されたモノリシックな骨を意味する。
【0008】
特定の場合、前記ドライバは、前記ギアシステムと前記第1のプレートとの間で軸方向に位置する。
【0009】
一部の態様では、ド前記ドライバは、前記インプラントの近位端と前記ギアシステムとの間に位置し、前記ディストラクタの遠位端は、前記第2のプレート上の入力ドライバと嵌合するための出力ドライバを含む。特定の場合では、出力ドライバは第1のねじ山付きの連結器を含み、入力ドライバは第2の相補的なねじ山付きの連結器を含む。
【0010】
特定の実施では、前記ドライバの作動は前記ギアシステムに係合し、前記出力ドライバの回転を開始させる。
【0011】
特定の場合では、前記インプラントは、前記ディストラクタと前記第2のプレートとの間の界面にある少なくとも1つの回転防止機構をさらに含む。
【0012】
一部の態様では、前記ドライバの作動の間、前記回転防止機構は、前記第2のプレートの回転に抗して、前記第2のプレートの移動をもたらす。
【0013】
特定の実施では、前記少なくとも1つの回転防止機構は、前記ディストラクタから径方向に延びる1つ以上の回転防止ペグと、前記第2のプレートにある1つ以上の対応する溝とを含む。
【0014】
特定の場合では、前記1つ以上の回転防止ペグは、前記ディストラクタの軸方向長さの一部のみに沿って延びる。
【0015】
特定の態様では、前記1つ以上の回転防止ペグは、その軸方向端部のそれぞれにノッチを含む。
【0016】
一部の実施では、前記少なくとも1つの回転防止機構は、前記第2のプレート上にある一組の溝を含み、該一組の溝は、前記ディストラクタ上の第1の組の溝の回転に抗するように構成されている。
【0017】
特定の場合では、前記少なくとも1つの回転防止機構は、前記第2のプレートと前記ディストラクタとの間の界面に1つ以上の直線面を含む。
【0018】
一部の態様では、前記インプラントは、前記第1のプレートに対する前記第2のプレートの移動範囲を制限するために、前記ディストラクタの近位端にエンドキャップをさらに含む。
【0019】
特定の場合では、前記インプラントは、前記ディストラクタを中心に少なくとも部分的に円周方向に延びる保持リングをさらに含み、該保持リングは、前記エンドキャップと前記第1のプレートとの間で軸方向に位置する。
【0020】
一部の実施では、前記駆動システムの全体は前記ディストラクタ内に含まれる。
【0021】
一部の態様では、前記ディストラクタは、非円形断面を有する外寸法を有し、前記第2のプレートは非円形断面を有する内寸法を有する。
【0022】
特定の場合では、前記ディストラクタの外寸法の非円形断面と、前記第2のプレートの内寸法の非円形断面とが協働して、前記駆動システムの作動の間に前記第2のプレートの回転を制限する。
【0023】
特定の態様では、前記インプラントは、前記第2のプレートの内部にジャム防止機構(anti-jam feature)をさらに含む。
【0024】
一部の場合では、前記インプラントは、前記ドライバと前記ギアシステムとの間で軸方向に位置するブレーキをさらに含む。
【0025】
特定の実施では、前記第1のプレートは、前記ディストラクタを実質的に含む第1のハウジングと、該第1のハウジングから延びる第1の接続プレートとを含み、該第1の接続プレートは、骨アンカーを受容するための第1の一組の1つ以上の孔を含み、前記第2のプレートは、スリーブを含む第2のハウジングと、該スリーブから延びる第2の接続プレートとを含み、該第2の接続プレートは、骨アンカーを受容するための第2の一組の1つ以上の孔を含む。
【0026】
特定の場合では、前記スリーブは、前記ディストラクタと軸方向に重なるようなサイズを有する。
【0027】
一部の態様では、前記インプラントは、完全にコンパクトな位置と完全に伸長された位置との間で移動可能であり、該完全に伸長された位置と該完全にコンパクトな位置との間の長さの差は約45ミリメートル(mm)~約55mmである。
【0028】
特定の実施では、前記完全に伸長された位置と前記完全にコンパクトな位置との間の差は、少なくとも50mmである。
【0029】
一部の場合では、前記完全にコンパクトな位置にある前記インプラントの軸方向の長さは約75mm~約83mmである。より特定の態様では、前記完全にコンパクトな位置にある前記インプラントの軸方向の長さは約78~79mmである。
【0030】
特定の態様では、前記完全に伸長された位置にある前記インプラントの軸方向の長さは約125mm~約133mmである。より特定の態様では、前記完全に伸長された位置にある前記インプラントの軸方向の長さは約128~129mmである。
【0031】
一部の実施では、前記ドライバは、前記患者の身体の外部のコントローラによって作動されるように構成された磁気ドライバを含む。
【0032】
特定の態様では、前記ドライバは、前記患者の身体の外部の位置から、外部制御装置内のアクチュエータによって駆動されるように構成された電動ドライバ、又は前記患者の身体の外部の位置から、外部制御装置内のアクチュエータによって駆動されるように構成された超音波駆動ドライバのうちの少なくとも1つを含む。
【0033】
一部の場合では、インプラントの第1の部分は第1のプレートを含む。
【0034】
一部の場合では、インプラントは、患者の髄外留置されるように構成されている。
【0035】
特定の実施では、インプラントは、前記患者の身体における四肢長の不一致又は骨欠損の治療を支援するように構成されている。
【0036】
一部の場合では、三焦点輸送手術を行うための方法は前記生体適合性インプラントを用いる。
【0037】
特定の態様では、患者の脛骨又は大腿骨のうちの1つの少なくとも一部を動かす方法は、前記生体適合性インプラントを用いる。
【0038】
一部の実施では、駆動システムはドライバと、該ドライバに連結されるギアシステムとを含む。
【0039】
特定の場合では、前記ドライバは、前記ギアシステムと前記第1の部分との間で軸方向に位置する。
【0040】
特定の態様では、前記ドライバは、前記インプラントの近位端部と前記ギアシステムとの間に位置し、前記内部延長コンポーネントの遠位端部は第1のねじ山付きの連結器を含み、該第1のねじ山付きの連結器は、前記第2の部分上の第2のねじ山付きの連結器と嵌合する。
【0041】
一部の場合では、前記ドライバの作動は前記ギアシステムに係合し、前記第1のねじ山付きの連結器の回転を開始させる。
【0042】
特定の実施では、前記第1のプレートの軸方向の範囲の大半は、前記ディストラクタの軸方向の範囲と重なり、前記第1のプレートの一部及び前記ディストラクタの一部の両方が、前記ディストラクタの長さに垂直な平面で交差する場合、前記第1のプレートの該一部は前記ディストラクタと重なる。軸方向の範囲は軸方向の長さ又は延長の主軸に沿った長さともいう。
【0043】
この発明の概要欄に記載されたものを含む、本開示で説明する2つ以上の特徴は、本明細書で具体的に説明していない実施形態を形成するために組み合わされ得る。
【0044】
上記は、本発明の一部の態様の基本的な理解を提供するために、簡略化された概要を提示する。この概要は広範な概要ではない。鍵となるか又は重要な要素を特定すること又は本発明の範囲を画定することを意図としていない。その唯一の目的は、後で提示されるより詳細な説明の前段階として、一部の概念を簡略化した形で提示することである。
【0045】
1つ以上の実施の詳細は、添付の図面及び下記の説明に記載されている。他の特徴、目的及び利点は、説明、図面及び特許請求の範囲から明らかになる。
【図面の簡単な説明】
【0046】
本明細書に組み込まれ且つその一部を構成する添付の図面は、本明細書で開示する主題の特定の態様を示し、発明の詳細な説明とともに、開示された実施に関連する原則のいくつかを説明するのに役立つ。
【
図1】
図1は、本開示の実施形態に係る髄外延長圧縮装置のトップダウン図を示す。
【
図2】
図2は、
図1の線A-Aに沿った髄外延長圧縮装置の断面側面図を示す。
【
図3】
図3は、本開示の実施形態に係るリードスクリューの側面図を示す。
【
図5】
図5は、本開示の実施形態に係るリテーナクリップの拡大斜視図を示す。
【
図6】
図6は、本開示の実施形態に係るジャム防止リテーナ及びリングの拡大分解図を示す。
【
図7】
図7は、本開示の実施形態に係るギアセンブリ及びマグネットアセンブリの分解図を示す。
【
図8】
図8は、本開示の実施形態に係るリングギアの拡大斜視図を示す。
【
図9】
図9は、本開示の実施形態に係るインプラントのためのブレーキの拡大斜視図を示す。
【
図10】
図10は、本開示の実施形態に係る、ハウジングが取り除かれたロッドを中心とする回転の回転防止機構の拡大トップダウン図を示す。
【
図12】
図12は、本開示の別の実施形態に係る髄外延長圧縮装置のトップダウン図を示す。
【
図13】
図13は、本開示の別の実施形態に係る髄外延長圧縮装置のトップダウン図を示す。
【
図14】
図14は、本開示の別の実施形態に係る髄外延長圧縮装置の側面図を示す。
【
図15】
図15は、大腿骨の近位端に取り付け可能な、本開示に係る髄外延長圧縮装置の様々な実施形態を示す。
【
図16】
図16は、大腿骨のシャフトに取り付け可能な、本開示に係る髄外延長圧縮装置の様々な実施形態を示す。
【
図17】
図17は、大腿骨の遠位端に取り付け可能な、本開示に係る髄外延長圧縮装置の様々な実施形態を示す。
【
図18】
図18は、後内側脛骨の近位端に取り付け可能な、本開示に係る髄外延長圧縮装置の様々な実施形態を示す。
【
図19】
図19は、本開示に係る両皮質非ロックスクリューの側面図を示す。
【
図20】
図20は、本開示に係る両皮質ロックスクリューの側面図を示す。
【
図21】
図21は、本開示に係る髄外延長圧縮装置を非侵襲的に調整するための外部調整装置の内部構成要素を示す。
【
図22】
図22は、大腿骨内に埋め込まれた本開示の実施形態に係る髄外延長圧縮装置を調整するための構成にある外部調整装置を示す。
【
図23】
図23は、脛骨内に埋め込まれた髄外延長圧縮装置を調整するための構成にある、本開示の実施形態に係る外部調整装置を示す。
【
図24】
図24は、本開示の実施形態に係る、四肢内の骨に取り付けられた髄外延長圧縮装置を示す。
【
図25】
図25は、本開示の実施形態に係るリングギアの代替実施形態の拡大斜視図を示す。
【
図26】
図26は、本開示の実施形態に係るハウジングの断面斜視図を示す。
【
図27】
図27は、本開示の実施形態に係る回転防止機構の斜視図を示す。
【
図28】
図28は、本開示の実施形態に係るハウジングの斜視図を示す。
【
図29】
図29は、本開示の実施形態に係る、
図2の線C-Cに沿った装置の断面上面図を示す。
【
図30】
図30は、本開示の実施形態に係るエンドキャップの斜視図を示す。
【
図31】
図31は、本開示の様々な追加の実施形態に係るインプラントの部分断面を示す。
【
図34】
図34は、本開示の様々な追加の実施形態に係るインプラントの一部の斜視図である。
【
図35】
図35は、本開示の様々な実施形態に係るジャム防止機構の一部を示す。
【
図38A】
図38Aは、本開示の様々な実施形態に係るモジュール機能を有するインプラントの第1の部分の例を示す。
【
図39】
図39は、本開示の様々な実施形態に係る、中間コンポーネントを介してディストラクタに連結された第1の例の固定モジュールを有するインプラントを示す。
【
図40】
図40は、
図39と同様であるが、第2のモジュールコンポーネントを有するインプラントを示す。
【
図41】
図41は、
図39と同様であるが、第3のモジュールコンポーネントを有するインプラントを示す。
【
図42】
図42は、本開示の様々な実施形態に係る、分解状態にあるインプラントの斜視図を示す。
【
図43】
図43は、本開示の様々な実施形態に係る、分解状態にあるインプラントの斜視図を示す。
【
図44】
図44は、本開示の様々な実施形態に係る、インプラント及び取り付けコンポーネントの斜視図を示す。
【
図45】
図45は、本開示の様々な実施形態に係る、固定モジュールと中間コンポーネントとを接続するために、アタッチメントの別々の部分を整列させる斜視図を示す。
【
図46】
図46は、本開示の様々な実施形態に係る、中間コンポーネント(又はディストラクタ)の取り付けコンポーネントの斜視図を示す。
【
図47】
図47は、本開示の様々な実施形態に係る、モジュールコンポーネントの斜視図を示す。
【
図48】
図48は、本開示の様々な実施形態に係る、合体されたインプラントの斜視図を示す。
【
図49】
図49は、本開示の様々な実施形態に係るインプラントの断面図を示す。
【
図54】
図54は、本開示の様々な実施形態に係る、関節接合可能なモジュールコンポーネントを有する例示のインプラントを示す。
【
図55】
図55は、本開示の様々な実施形態に係る、関節接合可能なモジュールコンポーネントを有する例示のインプラントを示す。
【0047】
なお、主題の図面は必ずしも縮尺通りではない。図面は、主題の典型的な態様のみを描写することを意図しているため、開示された主題の範囲を限定するものとみなすべきではない。図面では、同様の参照符号は図面間の同様の要素を表す。
【発明を実施するための形態】
【0048】
本開示は、髄外装置の様々な実施形態、例えば、患者の体内で骨を動かすための生体適合性インプラントを説明する。様々な実施形態は、関連する骨調整装置、システム及び関連方法を含む。本明細書で説明する装置、システム及び方法は、とりわけ、長骨の開放及び閉鎖骨折固定、偽関節、癒合不全及び癒合不全のために用いることができる。本開示は、一式のプレートを移動させるための駆動システムを収容するディストラクタを有するインプラントを含む。ディストラクタに収容された駆動システムにより、インプラントは、比較的(長さが)小さな骨の調整に対応するようなサイズを有することができる。システムは髄外であるため、本システムは、髄内延長装置を収容するための管腔が不十分な患者にも解決策を提供する。
【0049】
本明細書で説明するように、様々な実施に従って開示されるインプラントは、患者の身体における四肢長の不一致又は骨欠損の治療を支援するように構成できる。四肢延長のための治療期間にわたって、骨が定期的に延長され、骨形成が起こり得る新たな分離を作り出す。「定期的に延長される」とは、延長が毎日又は数日おきに定期的に又は周期的に起こることを意味する。例示の延長の速度は1日1ミリであるが、他の延長速度が用いられ得る。延長療法は、様々な実施に従って本明細書で開示されるインプラントの長さを毎日約1ミリ伸ばすことを含み得る。これは、例えば、それぞれが0.25mmの延長を有する1日当たり4回の延長期間によって行われ得る。他の延長又は収縮レ療法が用いられ得る。本明細書で説明するように、「骨」とは、骨の単一のモノリシックな部位(又は区画)又は以前にモノリシックであった複数の(例えば、2つの)骨の部位を意味し得る。骨を成長させるか又は延長するために、骨は、既存の分離を有するか又は、骨を第1の区画と第2の区画とに分割する分離を作り出すために、意図的に切断又は破壊される(例、骨切り術による)。切断は、本明細書で開示するインプラントの移植の前又は後に、例えば、柔軟なギーリ鋸の使用によりなされ得る。場合によっては、三焦点輸送手術(trifocal transport procedure)を行う方法は、本明細書の様々な実施に従って開示される生体適合性インプラントを用いる。追加の場合では、患者の脛骨又は大腿骨の少なくとも一部を動かす方法は、本明細書の様々な実施に従って開示される生体適合性インプラントを用いる。
【0050】
図1は、本開示の実施形態に係る生体適合性インプラント(髄外延長圧縮装置ともいう)100のトップダウン図を示し、
図2は、線A-Aに沿ったインプラント100の断面図を示す。
図1及び
図2に示すように、インプラント100は、第1の位置で骨に連結されるように構成された第1のプレート102と、第2の位置で骨に連結されるように構成された第2のプレート108とを含み得る。インプラント100は、第1のプレート102から延在し、第2のプレート108内に少なくとも部分的に収容されるディストラクタ106(例えば、延長圧縮ロッド)をさらに含み得る。本明細書で説明するように、ディストラクタ106は、その内部にディストラクタ106を収容する第2のプレート108に対して後退(例えば、圧縮のために)及び/又は伸長(例えば、四肢延長のために)するように構成されている。インプラント100は、非侵襲的遠隔制御によって第2のプレート108に対して第1のプレート102が制御された正確な遷移をできるようにし、それ故に第2のプレート108に固定された第2の骨の区画に対して第1のプレート102に固定された第1の骨の区画が制御された正確な遷移をできるようにするように構成され得る。
【0051】
場合によっては、第1のプレート102は、第1のハウジング103と、第1のハウジング103から延びる第1の接続プレート105とを含む。様々な実施では、第1のハウジング103及び第1の接続プレート105は、連続した材料、例えばチタン等の生体適合性材料で形成されている。一部の実施では、第1のハウジング103及び第1の接続プレート105の外寸法(例えば、厚さ)は異なる。第1の接続プレート105は、骨アンカー(
図19及び
図20)を受容するための少なくとも1つの孔(又は固定開口)104を含み得る。
【0052】
場合によっては、第2のプレート108はスリーブ107と、スリーブ107から延存する第2の接続プレート109とを含み、第2の接続プレート109は骨アンカー(
図19及び
図20参照)を受容するための一式の追加の孔(又は固定孔)104を含む。様々な実施では、スリーブ107及び第2の接続プレート109は連続した材料で形成される。一部の実施では、スリーブ107及び第2の接続プレート109の外寸法(例えば、厚さ)は異なる。特定の場合、スリーブ107はディストラクタ106と軸方向に重なるようなサイズを有する。
図2に示すように、一部の実施形態では、第2のプレート108は、ディストラクタ106を受容するための開口118を有する端部を含む。1つ以上のOリング119は、ディストラクタ106と第2のプレート108との間でディストラクタ106を周囲に配置できる。一部の実施形態では、ディストラクタ106の外面の一部及び/又は第2のプレート108の内面の一部は、Oリング119を受容するために凹んでいてもよい。Oリング119は、インプラント100が埋め込まれたときに体液が第2のプレート108に入らないようにするために、第2のプレート108とディストラクタ106との間を適切に密封するのを促進するのに役立つ。第2のプレート108は、エンドキャップ120の取り付けによって他方の端で密封され得る。エンドキャップ120は、溶接、接着接合又は他の接合技術によって第2のプレート108に取り付けられ得る。また、Oリング119は、密封を提供するのを支援するためにエンドキャップ120と第2のプレート108との間に設けられ得る。
【0053】
様々な実施では、一方又は両方のプレート102、108は、インプラント100が骨のどこに固定されるか、どの骨に固定されるかに依存して、プレート102、108が骨の形状の輪郭を有するように、多数の異なる構成で湾曲又は角度付けされ得る。また、固定開口104は、第2のプレート108の接続プレート(又はバルジ部)109の周囲に配置され得る。
図2に最もよく示されているように、少なくとも1つの固定開口104は、本明細書で説明するように、固定ねじの頭部上のねじ山とねじ係合するための雌ねじ112を有するロックねじ孔であり得る。一部の実施形態では、全ての固定開口104は雌ねじ112を有する。
【0054】
一部の実施形態では、
図1及び
図2に示すように、インプラント100は、ディストラクタ106内に配置される駆動システム200を含む。駆動システム200は、プレート102、108間の距離を増加させる(例えば、第2のプレート108を第1のプレート102に対して変位させる)ように構成され得るため、第1の骨区画と第2の骨区画とを互いに離間させる(すなわち、延長)。駆動システム200は、第1のプレート102に対する第2のプレート108の移動(すなわち、軸(a)に沿った軸方向の移動)をもたらすように構成され得る。特定の場合、ディストラクタ106は、ドライバ202と、ドライバ202に連結されたギアシステム204とを含む駆動システム200を収容する。本明細書で言及するように、様々な実施では、駆動システム200の全体は、ディストラクタ106内に収容されている。ドライバ202は、外部から印加される磁場によって回転するように構成された磁気ドライバ(例えば、回転可能な永久磁石)を含み得る。外部磁石414、416(
図21)を含むコントローラ(例えば、
図21の外部調整装置400)は、ドライバ202の回転軸を中心に第1の方向又は第2の方向のいずれかにドライバ202の回転を作動させるように構成され得る。ドライバ202の作動の間、コントローラは患者の身体の外部に位置し、ドライバ202を経皮的に作動させるように構成され得る。加えて又はそれに代えて、ドライバ202の実施は、インプラント100の電力貯蔵ユニット(例えば、バッテリ、コンデンサ又は他の貯蔵ユニット)によって電力供給され、患者の身体の外部の位置から外部調整装置によって充電されるように構成された電気ドライバの1つ以上を含む。一部の例では、電力は電力貯蔵ユニットによって長期間(例えば、インプラントが電力を受信するセッションよりも後の延長セッションの間の使用のために貯蔵)貯蔵されない。さらなる例では、インプラントは、患者の身体の外部の位置から外部制御装置内の超音波アクチュエータから超音波的に電力を受信する。
図2にさらに示すように、ドライバ202は、インプラント100の主軸(a)に沿って、ギアシステム204と第1のプレート102との間で軸方向に位置し得る。図示のドライバ202は、インプラント100の近位端199とギアシステム204との間に位置する。特定の場合、ディストラクタ106の遠位端208は、第2のプレート108上の入力ドライバ212と嵌合するための出力ドライバ210を含む。本明細書で述べるように、様々な実施によれば、ドライバ202の作動は、ギアシステム204と係合し、出力ドライバ210の回転を開始させる。特定の態様では、(ディストラクタ106の)出力ドライバ210及び(第2のプレート108の)入力ドライバ212は、相補的なねじ継手等のねじ連結器を含む。
【0055】
インプラント100は、ディストラクタ106と第2のプレート108との間の界面216(
図7、
図10、
図11)に、例えば、出力ドライバ210からの回転運動を第2のプレート108の移動運動に変換するのを助けるために、回転防止機構214をさらに含むことができる。使用中、ドライバ202の作動はギアシステム204と係合し、出力ドライバ210の回転を開始させる。特定の場合、ドライバ202の作動の間、出力ドライバ210は駆動されて(主軸(a)を中心に)回転する一方で、回転防止機構214は第2のプレート108の回転に抵抗し、第2のプレート108を主軸(a)に沿って軸方向に移動させる。
【0056】
特定の例示の実施では、
図7、
図10、
図11、
図27及び
図29に示すように、回転防止機構214Aは、ディストラクタ106から径方向に延びる1つ以上の回転防止ペグ218を含むことができる。回転防止ペグ218は、第2のプレート108(
図10、
図28)の対応する溝(又はガイド溝)220に嵌合するように構成され得る。これらの実施では、回転防止ペグ218は、ディストラクタ106の軸方向長さの一部のみに沿って(軸(a)に沿って)延在する。特定の例では、1つ以上の回転防止ペグ218は、その軸方向端にノッチ219を含む。特定の場合では、各回転防止ペグ218は、その軸方向端にノッチ219を含む(
図27)。特定の例では、回転防止ペグ218は、ペグ218の一部のみがディストラクタ106の外面から径方向外方に突出するように、ディストラクタ106(
図29)のスロット221内に位置することができる。様々な実施では、回転防止ペグ218は、(軸(a)に垂直な径方向に沿って測定される)径方向の深さよりも大きな(軸(a)に沿った)軸方向の長さを有する。特定の場合では、例えば、
図26の部分的に透明な図に示されているように、第2のプレート108内のガイド溝220は、第2のプレート108の軸方向の長さの一部のみに沿って延びることができ、例えば、回転防止ペグ218がガイド溝220の終端に達する軸方向のストップを提供する。さらなる実施では、
図3に示すように、出力ドライバ210は、その遠位端136に、例えば、第2のプレート108のジャム防止機構240の対応するペグ190を係合するための追加の回転防止ペグ218Aを含むことができる。他の実施形態では、出力ドライバ210は、その遠位端136に、例えば、第2のプレート108の1つ以上の対応するスロット221を係合させるための1つ以上の追加の回転防止ペグ218を含み得る。
【0057】
追加の例示の実施では、
図10及び
図26に示すように、回転防止機構214Bは、第2のプレート108上に、ディストラクタ106の第1の組の溝(又はねじ)224の回転に抵抗するように構成された一組の溝(又はねじ)222を含み得る。これらの場合、溝222及び溝224は互いに相互作用(例えば、嵌合)し、ディストラクタ106に対する第2のプレート108の回転を制限するように構成されている。
図26に示すように、溝222は、第2のプレート108の軸方向の範囲の一部のみに沿って位置することができ、例えば、ディストラクタ106の対応する溝224がその軸方向の位置に達するときに軸方向の長さを制限する。
【0058】
さらなる実施では、
図7及び
図8に示すように、回転防止機構214Cは、第2のプレート108とディストラクタ106との間の界面228に少なくとも1つの直線領域226を含む。これらの場合、第2のプレート108及び/又はディストラクタ106は界面228に直線領域226を含む。特定の例では、第2のプレート108及びディストラクタ106のそれぞれは、界面228に直線領域226を含み、直線領域226は、ディストラクタ106に対する第2のプレート108の回転を制限するために互いに補完し合う。一部の場合では、直線領域226は、本明細書でさらに説明するリングギア246の外面に沿って位置する。
【0059】
図10及び
図29に示すような特定の実施では、ディストラクタ106は、第2のプレート108の、第1のプレート102に対する移動範囲を制限するために(例えば、その近位端232に近い方に)エンドキャップ230をさらに含む。すなわち、エンドキャップ230は、第1のプレート102に対する第2のプレート108の移動を制限できる。一部の例では、保持リング234は、ディストラクタ106を中心に少なくとも部分的に周方向に延び、エンドキャップ230と第1のプレート102との間で軸方向に配置される。そのような場合、保持リング234は、エンドキャップ230及び延長ロッド106が第1のプレート102から分離するか又は離れるのを防止するのに役立つ。特定の場合では、追加の保持リング234Aが駆動システム200と出力ドライバ210との間で軸方向に位置する。保持リング234Aは、例えば、ディストラクタ106の本体の末端で、ディストラクタ106を中心に環状スロット235内に位置し得る。
【0060】
さらに別の実施では、
図4、
図7及び
図8に示すように、ディストラクタ106の外寸法236(例えば、外面)の一部は非円形断面を有し得る。特定の場合では、リングギア246の外寸法236(
図4、
図7、
図8及び
図25)は非円形断面、例えば、1つ以上の直線又は平坦な領域226を含み得る。追加の実施形態では、第2のプレート108は非円形断面を有する内寸法(例えば、内面)238を有する(
図4)。特定の実施によれば、ディストラクタ106の(非円形断面の)外寸法236及び第2のプレート108の(非円形断面の)内寸法238が協働して、駆動システム200の作動の間に第2のプレート108の回転を制限する。特定の実施では、リングギア246上の平坦領域226は、回転防止機構214Aの平坦区画と相互作用して、ディストラクタ106に対するリングギア246の回転を制限する。
【0061】
一部の例では、本明細書で述べるように、インプラント100(例えば、第2のプレート108)は、例えば、駆動システム200の作動の間にディストラクタ106と第2のプレート108との間の静的な表面摩擦(又はくっつき、ジャム)を克服するために、後退のためのバネ力を生成及び蓄積するために、例えば、スロット221に隣接するペグ190等の内部ジャム防止機構240を含む。
図6は、第2のプレート108から分離されたジャム防止機構240の一部を示し、ペグ218Aの対応する嵌合面を受容するためのペグ190の面を示す。ジャム防止機構240は、例えば、出力ドライバ210の第2の端部136を受容するための保持クリップ150(
図5)をさらに含み得る。捕捉スリーブ151は、保持クリップ150を少なくとも部分的に含むために保持クリップ150に隣接して配置される。保持リング捕捉スリーブ151は、保持クリップ150を実質的に取り囲み、出力ドライバ210に対する保持クリップ150の位置を維持するためのカラー153を含む(
図2)。ジャム防止機構240は、ディストラクタ106が完全に引っ込められた状態でのジャム又は詰まりを防止するように構成され得る。例えば、ジャム防止機構240は、ディストラクタ106においてジャム又は詰まりが起こるシナリオにおいて、ディストラクタ106の摩擦力を克服するためのバネ力を提供し得る。様々な実施では、ペグ190は、出力ドライバ210からペグ218Aと係合するように構成され、ジャム防止機構240に対するペグ218Aの動きを制限するように形成されたプロファイルを有することができる。
図6及び
図7の例に示すように、ジャム防止機構240は、実質的に円形のジャム防止リテーナ164及びそれに連結された半円形のジャム防止リング166を含む。ジャム防止リテーナ164は、ハウジング又は遠位キャップ120内に嵌合ねじを介して取り付けを可能にするキー状(例えば、六角形)のスロット221を有する開口180を含む。これにより、ジャム防止リテーナ164は、出力ドライバ210が回転するときに、ハウジング又は遠位キャップ120に対して回転固定される。この例に示すように、ジャム防止リテーナ164は、実質的に円形で、開口(例えば、六角形の開口)180のようなキー状を有さない内面を有するカラー182を含む。カラー182は、その外面に形成された溝(例えば、一組のねじ)184を含む。加えて、ジャム防止リング166は、そこから軸方向且つ径方向に延びるタブ及び/又は突起190を含み得る。特定の場合では、ジャム防止リテーナ164のバネカット192は、ジャム防止機構240において強化されたバネ力を提供する。ジャム防止リテーナ164は、ディストラクタ106が完全に引っ込められた状態でのジャム又は詰まりを防止できる。例えば、ディストラクタ106は、引っ込められた状態での摩擦力により、完全に引っ込められた状態でジャムが生じ得る。したがって、ジャムが生じた状態で摩擦力を克服するか又はジャンプスタートさせるために、外部調整装置400(
図21)によって提供されるトルクよりも大きいトルクが必要になり得る。その結果、ジャム防止機構は、外部調整装置400によって提供されるもの以上の追加の力を提供するために、インプラント100内に組み込まれた機構を提供し、それによりそのようなジャンプスタート力を提供する。具体的には、ジャムが生じた状態では、外部調整装置400は、(ドライバ202及びギアシステム204(
図4)を介して)出力ドライバ210を回転させるが、ディストラクタ106はジャムが生じていることにより軸方向に移動しない。ジャムが生じた状態では、ディストラクタ106の端部のペグ218A(
図29)は、ジャム防止リング166のタブ190に係合する。外部調整装置400がディストラクタ106を回転させ、ジャム防止リング166がハウジング又は遠位キャップに固定されると、出力ドライバ210上のタブ218Aがジャム防止リング166上のタブ190に接触して、ジャム防止タブ190をハウジングIDから飛び出させることにより、ジャムが生じた状態にあるディストラクタ106を保持する摩擦力を克服するのに十分な力を提供する。その結果、これはディストラクタ106のジャムを解消する。
【0062】
追加の実施では、
図4に示すように、ジャム防止リテーナ164及びリテーナクリップ150は、ギアシステム204と出力ドライバ210の遠位端との間で軸方向に位置し得る。ジャム防止リテーナ164は、それぞれが参照によりその全体が本願に組み込まれている米国特許出願第17/806552号(「延長損失磁石オンオフ機構」、2022年6月13日出願)及び特許協力条約(PCT)特許出願PCT/US202020/041701(髄外装置、システム及び方法、2021年7月14日出願)に記載されているように、
図7に示す(出力ドライバ210の遠位端136を係合するための)ジャム防止機構240として、追加の又は代替的なジャム防止機構を提供することができる。
【0063】
図2及び
図4を参照して、動作の間、ディストラクタ106は、出力ドライバ210によって第2のプレート108に対して軸方向に移動し得る。出力ドライバ210は、出力ドライバ210と第2のプレート108との間に位置するナット126を回転させるように構成され得る。ナット126は、出力ドライバ210が配置されるディストラクタ106の出力駆動ねじ172に固定できる。出力ドライバ210はドライバ202に回転可能に連結され得る。ドライバ202は、外部から印加された磁場によって回転するように構成された回転可能な永久磁石(例えば、円筒形永久磁石)を含み得る。外部調整装置400(
図21)は、第1の方向又は第2の方向のいずれかにドライバ202を回転させ、次に出力ドライバ210の回転を有効にするように構成され得る。次に、回転出力ドライバ210は、第2のプレート108に対するディストラクタ106の軸方向移動に変換される。
図3に示すように、出力ドライバ210は、第1の端部134及び第2の端部136を有するシャフト132を含む。シャフト132の第1の端部134は、例えばギアシステム204を介してドライバ202(
図2及び
図4)に連結されるように構成されている。第1の端部134は、外部キー面140(例えば、六角形)を有する第1の端部138と、第1の端部138から軸方向に分離された第2の端部142とを含み得る。第1の端部138は、本明細書で説明するように、ギアシステム(又はギアセンブリ)204(
図2、
図4及び
図7)の駆動ステージ250(
図4及び
図7)の開口252(
図7)内に係合するように構成されている。第2の部分142は、少なくとも1つのリテーナクリップ150(図示のもの)に隣接して位置する少なくとも1つのスラストベアリング146(
図4に示すもの)と係合するように構成されている。一部の例では、スラストベアリング146のそれぞれは2つの別個の案内溝から構成され、2つの案内溝の間にボールベアリングを有する。スラストベアリング146は、出力ドライバ210の回転及びそれに対するディストラクタ106の軸方向の移動の間に高い圧縮力を伝達するように構成されている。場合によっては、ディストラクタ106は、スラストベアリング146の間に配置された内部突起及び/又は出っ張りを含み得る。
【0064】
図3に戻って、第1の端部138と第2の端部142との間に配置された出力ドライバ210は、より小さな直径部分148があるように凹んでいる。小さな直径部分148は、リテーナクリップ150が第1及び第2のキー部138、142の間の小さな直径部分148によって画定される凹部内に配置されるように、リテーナクリップ150(
図4~
図5)を収容する及び/又は係合するようなサイズ及び形状を有する。
図5は、リテーナクリップ150の拡大図を示す。図示のように、リテーナクリップ150は、2つの別個の弓形部材152を含む。あるいは、リテーナクリップ150は、単一の実質的に円筒状の部材152を含み得る。部材152は、内部にOリング156を置くための凹部154を含む。出力ドライバ210は、小径部162から大径部172へのステップ170も含み得る。この大径部172は、第2のプレート108に対するディストラクタ106の軸方向移動を促進するために、少なくとも部分的にねじ止めされ、少なくとも部分的にナット126(
図2及び
図4)によって取り囲まれている。
【0065】
図4に戻って、駆動システム200はディストラクタ106内に位置し、例えば、エンドキャップ206を有するハウジング203内に収容される円筒状の径方向に極付けされた永久磁石等のドライバ202を含み得る。特定の例では、(例えば、磁気)ドライバ202は、ネオジム-鉄-ホウ素等の希土類磁石材料を含み得る。ドライバ202は保護フェノールコーティングを含み、エポキシ又は他の接着剤によってハウジング203及びエンドキャップ206内に静的に保持され得る。ハウジング203、エンドキャップ206及びエポキシは、ドライバ202をさらに保護するための密封を形成できる。ハウジング203は、密閉シールを作成するためにエンドキャップ206に溶接されてもよい。製造及び組立を支援するために、ハウジング203は、ドライバ(例えば磁石)202を収容するための別個のマグネットカップ207、209(
図7)を含み得る。エンドキャップ206は、低摩擦回転を可能にするためにラジアルベアリング213の内径内に適合する円筒状の延長部又は軸211を含み得る。ラジアルベアリング213の外径は、例えば
図4に見られるように、延長防止損失機構(又はブレーキ)219のキャビティ(
図9)内に嵌ることができる。
【0066】
ブレーキ(例えば、磁気ブレーキ)219の拡大図を
図9に示す。ブレーキ219は、患者の動きによってインプラント100が誤って調整されるのを防止する。ブレーキ219は、インプラント100内で駆動システム200に近接し、軸方向に間隔を置いて位置する。一部の例では、ブレーキ219は、400シリーズステンレス鋼等の磁気透過性材料でできている。ブレーキ219は概して円筒状で、間隙によって離隔された2つの離隔されたタブ及び/又は突起215を有する。インプラント100が調整されていない場合(例えば、外部調整装置を用いる場合)、径方向に極を有する円筒状の磁石の磁極はタブ215に磁気的に引き付けられる。しかしながら、(例えば、ドライバ202内の)径方向に極を有する円筒状の磁石上の十分に大きな回転磁場の影響により駆動システム200が回転させられると、駆動システム200はタブ215のより小さな引力を克服する。ブレーキ219は、エンドキャップ120及び/又は第2のプレート108と係合するためのフランジ付き延長部及び/又はフランジ付き延長フィンガー217を含み得る。ブレーキの追加の詳細については、本明細書に記載されているがごとくその全体が参照によって組み込まれる、2018年7月26日に出願された米国特許公開第2019/0015138号に記載されている。本明細書に記載されているがごとくその全体が参照によって組み込まれる、2011年8月4日出願の米国特許第8734488号及び2012年6月15日出願の米国特許出願第13/525058号に開示されたもの等の他のブレーキもある。
【0067】
図2、
図4及び
図7に示すように、ドライバ202はギアシステム(又はアセンブリ)204に連結されている。ギアシステム204は、出力ドライバ210を駆動システム200、例えばドライバ202に連結するように構成されている。特定の例では、
図7を参照して、ドライバ(例えば、磁気ドライバ)202は、ハウジング203と一体に形成された第1のサンギア718の反対側の端部で終端する。あるいは、第1のサンギア718は、例えば溶接によって磁石ハウジング203に連結するように構成された別個のコンポーネントを含み得る。第1のサンギア718は、外部から印加された磁場の印加により、ドライバ202の回転と共に(1:1の形式で)回転する。第1のサンギア718は、軸732によってフレーム728内で回転可能に保持された1つ以上の遊星ギア726を有する第1のギア段724の開口内に挿入され、回転可能に係合するように構成されている。
図7に示すように、第1のギア段724は、軸732によってフレーム728内で回転可能に保持された3つの遊星ギア726を含む。第1のギア段724の出力である第2のサンギア734はフレーム728と共に回転する。第3のサンギア738に出力する第2のギア段736と、駆動段250で終端する第4のギア段746に出力する第3のギア段742とは、同一のコンポーネントが存在する。駆動段250は、ドライバ202から最も遠いギアシステム204を中心に位置する。ギア段724、736、742、746が延びる長さに沿って、(
図8に示すように)リングギア246の内壁244には、回転の間に遊星ギア726の外方に延びる歯が係合する内側歯248を有する。
図7の例では、図示された4つのギア段のそれぞれは、駆動段250がドライバ202の256回毎に1回回転するように、4:1のギア比を有する。他の実施形態では、ギア段724、736、742、746は異なるギア比を含み得る。
【0068】
第4のギア段746のフレーム728は駆動段250を含む。駆動段250は、キー状の内面254を有する開口252を含む。キー状の内面254は、出力ドライバ210の第1の端部134のキー状の外面140と嵌合するように構成されている。キー状の面254、140の係合は、出力ドライバ210及び駆動ステージ250が互いに対して回転するのを防止する。キー状の面254、140は、例えば六角形であり得る。しかしながら、駆動段250に対する出力ドライバ210の回転を防止するように構成された他の形状も、開示で考えられる。出力ドライバ210を駆動段250内でさらに維持するために、第1のリテーナクリップ150が駆動段250の開口252内に設けられ、キー状の外面140に近接して出力ドライバ210を少なくとも部分的に取り囲み得る。具体的には、リテーナクリップ150は、捕捉スリーブ151の中央(例えば、軸方向の)開口内の小径部148(
図3)を中心に位置し得る。
【0069】
一部の例では、(例えば、磁気)ドライバ202上の回転磁場の作用によって駆動システム200に加えられるトルクは、それ故に出力ドライバ210の回転トルクに関して64倍で増大される。これにより、ディストラクタ106を高精度に動かすことができる。64:1のギア比により、インプラント100は、例えば軟部組織によって生じた激しい抵抗力に対して、ディストラクタ106に連結された骨の区画を軸方向に変位させることができる。
【0070】
スラストベアリング146は、駆動システム200及び駆動システムのギア装置204をいかなる大きな圧縮応力又は引張応力からも保護する役割を果たす。装置に圧縮力があるとき、例えば、骨を延長する場合、故に軟部組織の引張強度に抗する場合、スラストベアリング146は、スラストベアリングの間のリテーナクリップ150及び/又は出っ張りに当接する。加えて、インプラント100は骨を一緒に引っ張るためにさほど頻繁には用いられないが、これが望まれる一部の用途が存在し得る。例えば、特定の圧縮用途では、骨の2つの骨折部分を共に保持することが目標である。骨は不均一な又は粉砕された形で骨折することがあるため、インプラント100の所望の長さは、インプラントが移植され、完全に取り付けられた後まで決定するのが困難である。これらの状況では、長さを誤って判定することは容易であるため、骨の別個の区画又は断片の間に間隙が存在し得る。わずかに延長されたインプラント100を配置し、それを固定することにより、インプラント100は、それが骨断片内に固定された後、磁気的に引っ込められるため、2つの断片の間に所望の圧縮が加えられる。これらの圧縮用途では、インプラント100には引張力があり、スラストベアリング146はリテーナクリップ150又は出っ張りに当接する。双方の状況で、駆動システムの駆動システム200又はギアシステム204ではなく、スラスト軸受146及び出っ張りが大きな応力を受ける。
【0071】
ここで
図1に戻って、インプラント100は、当該技術分野で知られているように、インプラント100の移植の間にインプラント100を骨に対して保持するのを支援するために、ピンを受容するためのピン孔272を含み得る。図示のように、ピン孔272は、第1のプレート102、第2のプレート108及び/又はエンドキャップ120の周りの様々な位置に位置し得る。また、インプラント100は、本開示の態様から逸脱することなく、第1のプレート102、第2のプレート108及び/又はエンドキャップ120内に位置する任意の数の固定孔104を含み得る。一部の実施形態では、
図1のインプラント100は、骨の近位部、例えば大腿骨の近位端(
図15)又は骨の遠位部、例えば大腿骨の遠位端(
図17)に固定できる。また、インプラント100は、順行又は逆行に配置できる。
【0072】
図12~
図14は、本開示の他の実施形態に係る髄外延長圧縮装置を示す。具体的には、
図12~
図14のインプラント310、320、330は、その外側の構成又は寸法においてインプラント100(
図1)と異なる。また、ディストラクタ106及び/又はハウジング103の全体の長さは、インプラント100、310、320、330が固定されている特定の用途及び/又は骨に応じて調整できることを理解すべきである。インプラント310、320、330の内部コンポーネントは、インプラント100と同一又は実質的に同様であり得るため、その重複する説明は簡潔性のために省略する。異なる外側の構成又は寸法は、インプラント100、310、320、330が移植される骨における位置及び骨のサイズ又は長さによって決定され得る。
【0073】
例えば、
図12のインプラント310は、インプラント100(
図1)と実質的に同じ外側構成を有するが、インプラント310は、追加の固定開口314を含む第2のプレート108内のバルジ109Aから離間した第2のバルジ312を含む。インプラント100と同様に、このインプラント310は、骨の近位部、例えば大腿骨344(
図15)又は脛骨348(
図18)の近位部342、346又は骨の遠位部分、例えば大腿骨の遠位端349(
図17)に固定することもできる。
【0074】
図13に係るインプラント320は、インプラント100(
図1)と実質的に同じであるが、インプラント320の膨らみ109Bは、第2のプレート108の実質的な長さを延長する。また、インプラント320は、バルジ109Bを中心に第2のプレート108の実質的な長さに沿って延びる固定開口104を含み得る。インプラント310のこの実施形態は、
図16に示すように、骨のシャフト、例えば大腿骨344のシャフトの周りで用いられ得る。また、このインプラント320は、第2のプレート108のバルジ109Aに異なる数の固定孔104を含むことができる。
【0075】
図14に係るインプラント330は、インプラント100(
図1)実質的に同じであるが、この装置の第2のプレート108は実質的に湾曲し、脛骨348の後内側位置で脛骨348の近位端346に固定されるように構成できる。例えば、インプラント330の第2のプレート108は、脛骨348の内側部に固定されるように構成された第1の固定開口332と、脛骨348の後部分に固定されるように構成された少なくとも1つの他の固定開口334とを含み得る。
【0076】
図15は、大腿骨344の近位部342で使用可能なインプラント100、310の例を示す。図示のように、最近位固定開口104は、インプラント100の長手軸Lに対して傾斜しているため、該開口内に位置するねじの角度A
PMはとなり、大腿骨344の頭部に向かって延びる。一部の実施形態では、最近位固定開口104は、インプラント100の長手軸Lに対して約115°~約125°の角度A
PMを有するのに対して、残りの固定開口104内に位置するねじは、インプラント100の長手軸Lに対して約90°の角度A
Rで延びている。
【0077】
次に
図19及び
図20に移って、インプラント100、310、320、330を骨に固定するために用いることができるネジの例を示す。
図19は、非ロックネジ810を示す。図示のように、非ロックネジ810は、ねじ軸812及びねじ頭814を含む。ねじ頭814にはねじ山が付いておらず、実質的に丸みを帯びた形状を有する。ねじ頭814は、工具、例えばドライバ(図示せず)と係合するための凹部815を含み得る。
図20はロックねじ820を示す。図示のように、ロックねじ820は、ねじ軸812と、ねじ山付きのねじ頭816とを含む。ねじ山付きのねじ頭816は、工具、例えばドライバと係合するための凹部815を含み得る。ねじ山付きのねじ頭816は、第2のプレート108及び/又はディストラクタ106に対するロックねじ820の角度方向を固定するために、固定開口104の雌ねじ112(
図2)とねじ係合するように構成されている。ロック及び/又は非ロックねじ810、820の組み合わせは、本開示の態様から逸脱することなく、インプラント100、310、320、330を骨に取り付けるために用いることができることが理解されよう。また、ねじ付きの及び非ねじ付きの固定開口104の組み合わせを第1のプレート102、第2のプレート108及び/又はディストラクタ106内で用いることができることが理解されよう。
【0078】
図21~
図23は、移動磁場を適用して、説明したように、インプラント100、310、320、330内でドライバ(例えば、永久磁石)202を回転させることにより、インプラント100、310、320、330(及び本明細書で開示した他のインプラント)の非侵襲的な調整を可能にするように構成された外部調整装置400を示す。
図21は、外部調整装置400の内部コンポーネントを示し、明確な参照のために、インプラント100、310、320、330のドライバ(例えば永久磁石)202をアセンブリの残りの部分を含まない状態で示す。特定の実施形態では、外部調整装置400の内部作動コンポーネントは、参照により本明細書に組み込まれる米国特許出願公開第2012/0004494号に記載のものと同様であり得る。ギアボックス404を備えるモータ402は、モータギア406に出力する。モータギア406は、第1及び第2の磁石ギア410、412を同一の回転速度で回転させるために適切な数の歯を有する中央(アイドラー)ギア408と係合し回転させる。第1及び第2の磁石414、416は、それぞれ第1及び第2の磁石ギア410、412と同時に回転する。各磁石414、416は、それぞれの(部分的に示す)磁石カップ418内で保持される。例示の回転速度は60RPM以下である。この速度範囲は、国際的なガイドライン又は基準を満たすために、身体組織及び体液に誘導される電流密度の量を制限するために望ましい。
図21に示すように、第1の磁石414のS極422は、第2の磁石416のN極424と同じ方向を向いており、同様に、第1の磁石414のN極426は、第2の磁石416のS極428と同じ方向を向いている。これらの2つの磁石414、416が共に同期的に回転すると、それらは、径方向に磁極を有し、N極432及びS極434を有するドライバ202に相補的且つ付加的な移動磁場を印加する。複数のN極(たとえば、2つ)及び複数のS極(たとえば、2つ)を有する磁石も、各装置において考えられる。2つの磁石414、416が第1の回転方向442(例えば、反時計回り)に回転すると、磁気結合はドライバ(例えば、永久磁石)202を第2の反対の回転方向444(例えば、時計回りに)に回転させる。モータ402の回転方向及び磁石414、416の対応する回転方向は、ボタン446、448によって制御される。1つ以上の回路基板452は、磁石414、416の回転を感知し、磁石414、416の回転を制御する制御回路を含む。
【0079】
図22及び23は、大腿骨(
図22)又は脛骨(
図23)に配置されたインプラント100、310、320、330と共に用いるための外部調整装置400を示す。外部調整装置400は、外部調整装置400を搬送するため又は安定させるための、例えば、(
図22に示すように)上部脚456に又は(
図23に示すように)下部脚457に対して安定させるための第1のハンドル454を有する。調整可能なハンドル458は、枢動点460、462で外部調整装置400に回転可能に取り付けられている。枢動点460、462は、ハウジング464に対する調整可能なハンドル458の所望の角度を調整し、その向きでロックすることができるように、バネ仕掛けブレーキ、ラチェット又は締付けねじ等の容易にロック/アンロック可能な機構を有する。調整可能なハンドル458を、
図22及び
図23の2つの異なる位置に示す。
図22では、調整可能なハンドル458は、ループ468の頂点466がハウジング464によって支えられるように設定されている。この位置では、患者470は、調整手順(例えば、骨を0.10mm~1.50mmの間で移送する)が行われている間に、グリップ472、474の一方又は両方を保持することができる。この手順は、骨延長装置のための延長手順又は骨の外部に取り付けられた延長プレートのための延長手順であってもよいと考えられる。
図23に移って、骨移送インプラント100、310、320、330が脛骨に移植される場合、調節可能なハンドル458は、外部調節装置400の磁石領域476がドライバ202を含むインプラント100、310、320、330の部分の上で保持されるように、患者470が頂部466に把持できる位置に変更され得る。どちらの場合も、患者470は、ディスプレイ482を含む制御パネル478を明確に見ることができる。
図21の2つの方向ボタン414、416とは異なる構成では、制御パネル478は、開始ボタン484、停止ボタン486及びモードボタン488を含む。回路基板452に含まれる制御回路は、外科医が各特定の患者の特定の側面に関連する重要な情報を記憶するために用いられ得る。例えば、一部の患者では、インプラントが脛骨に順行的に配置され得る。他の患者では、インプラントが大腿骨の周囲に順行的に又は逆行的に配置され得る。これらの3つの場合のそれぞれで、骨を遠位から近位へ又は近位から遠位に動かすことが望ましい。外部調整装置400に各特定の患者に固有なこの種の情報を記憶する能力を有することにより、外部調整装置400は、磁石414、416が正しい方向に自動的に向くように構成できる一方、患者は外部調整装置400を所望の位置に置き、開始ボタン484を押すだけでいい。1日当たりの最大で許容可能な骨移送長及びセッション当たりの1日当たりの最大で許容可能な骨移送長の情報も、安全のために外科医によって入力及び記憶できる。これらは、SDカード又はUSBデバイスを介して又はワイヤレス入力により追加され得る。追加の特徴は、皮膚の上に置かれる外部調整デバイス400の部分にあるカメラである。例えば、カメラは、第1の磁石414と第2の磁石416との間に位置し得る。ドライバ(例えば磁石)202の真上の皮膚は消えないインクでマーキングされ得る。そして、カメラからのライブ画像がコントロールパネル478のディスプレイ482に表示され、ユーザは、第1の磁石414、第2の磁石416を皮膚上のマーキングされた領域の真上に置くことができる。ディスプレイ482上で、十字線をライブ画像の上に重ねることができ、ユーザは、十字線の間の皮膚上のマーキングを整列させ、外部調整装置400を最適に配置することができる。
【0080】
本明細書で説明した延長装置を作動させるために他の外部調整装置を用いることができる。そのような外部調整装置には、例えば、本明細書に記載されているかのごとくその全体が参照により組み込まれる、米国特許第8382756号(2009年11月20日出願)、米国特許第9248043号(2011年6月29日出願)、米国特許第9078711号(2012年6月6日出願)、米国特許第9044281号(2012年10月18日出願)、米国特許出願第14/698665号(2015年4月28日出願)、米国特許出願第14/932904号(2015年11月4日出願)、米国特許出願第16/004099号(2016年12月12日出願)及び国際出願第PCT/US2020/017338号(2020年2月7日出願)に記載のものを含む。
【0081】
図24に移って、本開示の態様は四肢を延長する方法にも関する。本方法は、髄外延長圧縮インプラント310を準備することを含み得る。
図24は、大腿骨344の近位端に取り付けられたインプラント310を示す。しかしながら、本方法は、
図15~
図18に関連して説明したように、脛骨348の大腿骨344の他の部位について本明細書で開示した他のインプラント100、320、330にも同様に適用可能である。本明細書で説明したように、延長インプラント310は、第1の固定開口104を含む第2のプレート108、ディストラクタ106及び第2の固定開口104を含む第1のプレート102を有し得る。ディストラクタ106は、第2のプレート108に対して第1のプレート102を動かすために延長又は後退するように構成されている。本方法は、少なくとも1つの固定孔104内に少なくとも1つのねじ、例えばロックねじ420(
図20)を挿入することにより、第1の位置502で第2のプレート108を四肢の骨、例えば大腿骨344に取り付けることと、少なくとも1つの固定孔104内に少なくとも1つのねじ、例えばロックねじ420を挿入することにより、第2の位置504でディストラクタ106を骨に取り付けることとを含む。本明細書で図示説明するように、インプラント310は、インプラント310を骨に取り付けるために2つ以上のねじを用いることができるように任意の数のねじ孔を有することができる。また、インプラント310を骨に取り付けるためにロックねじ及び非ロックねじの組み合わせを用いることができることが理解されよう。インプラント100を骨に取り付けるためにロックねじが用いられる場合、骨とインプラント100の部分との間にいくらかのスペースがあるように装置の底が骨に直接達しないようにインプラント100を取り付けることが望ましい。これにより、2つの骨区画が互いに相対的に動くときに、2つの骨区画の間の横方向の動きを補償できる。インプラント310を骨に取り付ける前に、本方法は、第1の位置502と第2の位置504との間に骨切り術506を形成することを含み得る。
【0082】
また、インプラント310が骨に取り付けられると、外部調整装置400を用いてインプラント310を作動させ、第2のプレート108に対してディストラクタ106を動かすことにより、第1の骨位置502を第2の骨位置504に対して動かすことができる。具体的には、外部調整装置400の少なくとも1つの磁石からの磁場の発生によって、インプラント310内の駆動システム200が回転させられ、次いで出力ドライバ210を回転させる。出力ドライバ210が回転すると、出力ドライバ210はナット126と相互作用し、第2のプレート108を第1のプレート102に対して移動させる。第2のプレート108の移動によって、それに取り付けられた骨を延長させ、次に、骨切り部位506の周りに新たな骨508の成長(又は骨形成)をもたらす。作動の間、ねじ山付きのねじ頭416(
図20)がねじ固定開口104のねじ112(
図1)に係合することにより、第2のプレート108に対するロックねじ420の角度方向が維持され、第1のプレート102に対するロックねじ420の角度方向が維持される。
【0083】
特定の追加の実施では、
図31に示すように、患者の体内で骨を動かうように構成されたインプラント100Aを示す。インプラント100Aは、
図31の完全に伸長された位置(PE)に示され、
図1及び
図12~
図14に示すインプラント100及び310~330の閉鎖位置と同様の
図32(PC)の完全に閉じた位置(断面で)に示す。様々な実施では、インプラント100Aは、インプラント100(
図1)を参照して説明した任意の方法で骨を動かす際に用いるのに適していることが理解されよう。また、インプラント100とインプラント100Aとの間の同様に標識されたコンポーネントは、実質的に同様のコンポーネントであることが理解されよう。一部の場合では、インプラント100Aは、例えば、骨アンカーを受容するための1つ以上の孔(又は固定孔)104を介して、第1の位置で骨に取り付けられるように構成された第1の部分600を含む。これらの場合、インプラント100Aの第2の部分602は、例えば、1つ以上の孔(又は固定孔)104を介して、第2の位置で骨に取り付けられるように構成されている。以下でより詳細に説明するように、インプラント100A(又は本明細書で説明する任意のインプラント)の1つ以上の態様は、モジュール化されるように構成され得る(例えば、
図38参照)。特定の例では、第1の部分600及び第2の部分602は、それぞれ第1及び第2のプレートである。内部延長コンポーネント(internal distraction component)(ディストラクタともいう)604は第1の部分600から延び、少なくとも部分的に第2の部分602内に含まれる。内部延長コンポーネント604は、
図1を参照して説明した駆動システム200と同様の駆動システム606を収容できる。特定の場合では、駆動システム606(駆動システム200と同様)は、第1の部分600に対して第2の部分602を移動させるように構成されている。特定の例では、駆動システム606の全体は、内部延長コンポーネント604内に含まれる。
【0084】
駆動システム200(
図1)と同様に、駆動システム606は、ドライバ608と、ドライバ608に連結されたギアシステム610とを含み得る。特定の場合、ドライバ608は、ギアシステム610と第1の部分(又はプレート)600との間で軸方向に位置する。特定の例では、ドライバ608は、インプラント100Aの近位端612とギアシステム610との間に位置する。特定の実施によれば、内部延長コンポーネント(例えば、ディストラクタ)604の遠位端614は、第2の部分602の第2のねじ山が付いた連結器618に嵌合するための第1のねじ山が付いた連結器(first threaded coupler)616を含む。一部の場合では、ドライバ608は作動によりギアシステム610と係合し、第1のねじ山が付いた連結器616の回転を開始する。特定の実施では、第1のプレート600の(軸(a)に沿った)軸方向の範囲の大半はディストラクタ604の軸方向の範囲と重なり、第1のプレート600の部分620及びディストラクタ604の部分622の両方が、ディストラクタ604の(軸方向)長さに垂直な平面(P)と交差する場合、第1のプレート600の部分620はディストラクタ604と重なる。本明細書で説明するように、軸方向の範囲は軸方向の長さ又はディストラクタ(a)の主軸に沿った長さともいう。
【0085】
さらなる実施では、例えば
図31及び
図33に示すように、インプラント100は、ドライバ608とギアシステム610との間で軸方向に位置するブレーキ(例えば、「パーキング」ブレーキ)630をさらに含み得る。ブレーキ630は、出力ドライバ210の移動を休止又は停止するように作用できる。特定の場合では、ドライバ608が磁気アクチュエータ等の外部装置によって駆動されていない(例えば、回転させられていない)場合、ブレーキ630内の歯は、移動を制限するためにスプリングギア(例えば、ばねを介して)にロックされた状態で留まる。ドライバ608が作動されると(例えば、外部装置によって回転されると)、ブレーキ630は後退し、軸力を第1の遊星歯車キャリアに伝達する。すなわち、ドライバ210及びインプラント100Aを移動させる。様々な実施では、ブレーキ630は、非円形断面、例えば
図33に示すように横長形状を有するディストラクタ604の区画に位置する。特定の追加の実施では、第1のプレート602の部分620はディストラクタ604から分離され、例えば間隙632を画定する。これらの場合、間隙632は、第1のプレート602の部分620の第1の面634と、ディストラクタ604の第2の面636との間に画定される。特定の場合では、第1の面634及び第2の面636は、それらの間の間隙632を最小化するような輪郭を有する。特定の場合では、第1の面634及び第2の面636は同様の輪郭を有し、より特定の場合には、相補的な形状を有する。
【0086】
図34は、第1部分600(例えば、第1のプレート)及び第2の部分(例えば、プレート)602から分離されたディストラクタ604を示し、ジャム防止機構640を示す。ジャム防止機構640は、
図35及び
図36の一部に示す。
図35は、出力ドライバ210(
図31、
図34)の遠位端部644に嵌合するナット642を示し、
図36は、第2の部分(プレート)602の内面に連結され、例えば、ディストラクタ604のジャムを防止する際にナット642と相互作用するジャム防止部材646を示す。ジャム防止部材646はねじ山が付いた区画648及び螺旋状区画(例えば、螺旋状カット区画)650を含み、ねじ山が付いた区画648は、第2の部分(プレート)602の相補的なねじ山付きの区画に連結され、螺旋区画650は、ナット642上のアーム652と相互作用するように構成されている。螺旋状区画650は、部材646の周りに軸方向及び径方向の両方に延びるスロットを含み得る。螺旋状区画650は、軸方向(a)の圧縮力に対するばね型の抵抗を提供できる。特定の場合では、アーム652は両側で異なる輪郭を有し、例えば、アーム652の第1の側に傾斜した輪郭654を、アーム652の反対側に直線的な(通常の)輪郭656を有する。これらの場合、ディストラクタ604のジャムを緩和するために、アーム652は回転して、螺旋状区画650を第1の(回転)方向で直線的な輪郭656と係合させるように構成されている。
図37に、アーム652と螺旋状区画650との間の相互作用がより詳細に示す。
【0087】
図1のインプラント100を参照して本明細書で説明したように、特定の場合では、第2のプレート108のスリーブ107は、ディストラクタ106と軸方向に重なるようなサイズを有する。他の特徴のうちで、ディストラクタ106及び第2のプレート108(例えば、スリーブ107)の構成は、従来のインプラントと比べて、インプラント100を比較的コンパクトにすることを可能にする。同様の利点は、本明細書で図示説明するインプラントの追加の実施、例えば、
図12~
図14のインプラント310、320、330から実現される。また、インプラント100A(
図31~
図33)も、
図1のインプラント100と同様に有益なコンパクトな構成を有しており、例えば、スリーブ107が軸方向にディストラクタ604と重なるようなサイズを有し、特定の場合には、スリーブ107の一部が第1のプレート600の部分620と軸方向に重なる(例えば、部分620が1つ以上の固定開口104を含む場合)。インプラント100(
図1、
図2、
図3)及びインプラント100A(
図31~
図33)の両方を参照して、一部の例では、インプラント100、100Aは、完全にコンパクトな位置PC(
図32)と完全に伸長した位置PE(
図31)との間で可動である。特定の実施では、完全に伸長した位置PEと完全にコンパクトな位置PCとの間の長さ(すなわち、軸(a)に沿った軸方向の長さ)の差は約45ミリメートル(mm)~約55mmである。より具体的な例では、完全に伸長した位置PEと完全にコンパクトな位置PCとの間の差は少なくとも50mmである。特定の例では、完全にコンパクトな位置PCにおけるインプラント100の軸方向の長さ(La)は約75mm~約83mmであり、より具体的な例では、約78mm~79mmである。特定の例では、完全に伸長した位置PEにおけるインプラント100の軸方向の長さ(La)は約125mm~約133mmであり、より具体的な例では約128mm~129mmである。
【0088】
上述したように、本明細書で説明したインプラントは、骨アンカー(例えば、ねじ、ピン、ブレード又は釘)を受容するための1つ以上の孔を介して様々な位置で骨に取り付けられるように構成された第1及び第2の部分(例えば、インプラント100Aの600及び602)を含み得る。異なる患者又は外科医は、異なる孔又は孔の構成を提供し得る異なる構成の部分から利益を得られ得る。インプラント又はその部分は、ユーザ又は製造業がインプラントをカスタマイズできるように、モジュール設計用に構成できる。
【0089】
1つの例では、モジュールコンポーネントは、テーパー状に加工されたくさびを介して互いに嵌合される。例えば、くさびは、長方形、三角形、円形、長円形、楕円形、ピーナッツ形又はカッシーニ楕円形、他の形状又はそれらの組み合わせの形状を有する断面を有し得る。その後、コンポーネントは互いに圧入できる。
【0090】
図38~
図55は、それに連結可能な異なるモジュールを有する例示のモジュールインプラントの例を示す。例えば、インプラントに異なる固定能力を与えるために、インプラントの本体に接続可能な複数の異なる固定モジュールがあり得る。例えば、固定モジュール(例えば、固定器)は異なるサイズ及び固定開口構成を有し得る。固定モジュールはキットの一部として提供でき、ユーザは、特定の患者又は外科的シナリオで用いる特定の固定モジュールを選択できる。
【0091】
図38A及び
図38Bからなる
図38は、(前でより詳細に説明した)モジュール機能を有するインプラントの第1の部分600の例を示す。
図38Bは、
図38Aの線B-Bに沿った断面図である。第1の部分600は、固定モジュール3800に連結されたディストラクタ604を含む。固定モジュール3800は1つ以上の固定開口104を含む。固定モジュール3800は、インプラント(例えば、そのディストラクタ)と連結可能なモジュールであり得る固定コンポーネント(例えば、プレート)である。例えば、インプラントは、インプラントの能力(例えば、固定能力)を変更するために複数の異なる固定モジュール3800をモジュールインプラントに連結できるようにモジュール式にすることができる。固定モジュール3800は、アタッチメント3802を介してディストラクタ604に直接連結される。図示するように、アタッチメント3802は、止めねじ3808と共に保持されたほぞ孔3804及びほぞ3806の接続を含む。他の実施では、アタッチメント3802は他の形態をとり得る。アタッチメント3802は、アセンブラ(例、術前又は術中)が、患者によりよく適合するように、異なるモジュールコンポーネント3800を交換することを可能にする。
【0092】
図39~
図41は、追加の例示のインプラント100を示す。
図39は、中間コンポーネント3902を介してディストラクタ604に連結された第1の例示の固定モジュール3800を有するインプラントを示す。ここで、中間コンポーネント3902は、1つ以上の固定開口104を有する第1のプレート(600以上)と同様の形状を有する。アタッチメント3802は、固定モジュール3800と中間コンポーネント3902との間に形成されている。アタッチメント3802は、
図38に記載の構成等の様々な形態のいずれかを取ることができる。第1の例示のモジュールコンポーネント3900の図示の例は、インプラント100の長さに対して垂直に延びる線に沿って延びる少なくとも2つの固定開口104を含む。第1の例示のモジュールコンポーネント3900は、中間コンポーネント3902の最大幅を超えて延びるローブを含む。
【0093】
図40は、
図39と同様であるが、第2のモジュールコンポーネント3800を有するインプラント100を示す。第2の固定モジュール3800は、三角形の配置を有する3つの固定開口104を含む。この例では、三角形の配置は、中間コンポーネントの開口104を通過する線に沿った2つの開口104と、ディストラクタ604に沿って通る線に沿った2つの開口104とを有する直角三角形である。他の例では、2つの開口は、ディストラクタ604に沿って通る線に沿っており、1つの開口のみが中間コンポーネント3902の開口104を通過する線上にある。
【0094】
図41は、
図39と同様であるが、第3のモジュールコンポーネント3900を有するインプラント100を示す。第3のモジュールコンポーネント3900は、いわゆる「コブラヘッド」配置を有する複数の固定開口104を含む。
図42~
図44は、アタッチメント4200を介して中間コンポーネント3902に連結された固定モジュール3800を有するインプラント100の部分斜視図を示す。とりわけ、
図42及び
図43は、分解状態のインプラント100の斜視図を示す。
図44は、組み立てられた状態のインプラント100の斜視図を示す。この例では、モジュールコンポーネント3900は、コブラヘッドの配置の複数の固定開口104を含むが、この技術は様々な配置のいずれにも適用できる。この例では、アタッチメントは、固定モジュール3800の第1の開口4204を貫通し、中間コンポーネント3902の第2の開口4212に嵌合する軸ネジ4202を含む。図示のように、第1の開口4204は、テーパー状のボス4206(例えば、3度のテーパー)を貫通する。ボス4206は、第2の開口4212と整合するのを促進することができる。第2の開口4212は、モジュールコンポーネント3800を固定するために、軸ネジ4202が第2の開口4212のねじ山にねじ込むことができるようにねじ山を有する。ねじ4202は、ディストラクタ604の長さと同軸であるという点で軸ネジであり得る。図示するように、第2の開口4212は中間コンポーネント3902の一部であるが、そうである必要はない。例えば、第2の開口4212はディストラクタ604又は他のコンポーネントの一部であり得る。アタッチメント4200は、整列及び安定性を促進するために整列開口4214に嵌合する整列ピン4206を含み得る。図示のように、整列ピン4208は固定モジュール3800から延び、整列開口4214は中間コンポーネント3902によって画定される。
【0095】
図45~
図48は、アタッチメント4400を介して中間コンポーネント3902に連結された固定モジュール3800を有するインプラント100の斜視図を示す。
図45は、固定モジュール3800と中間コンポーネント3902とを接続するためにアタッチメント4400の別々の部分を整列させる斜視図を示す。
図46は、中間コンポーネント3902(又はディストラクタ604)のアタッチメント4400のコンポーネントの斜視図を示す。
図47は、モジュールコンポーネント3800の斜視図を示す。
図48は、組み立てられたインプラント100の斜視図を示す。
【0096】
アタッチメント4400は、相補レシーバ4412に嵌合するように構成されたピンアンドシャンクスリーブ連結器の形態の突起4402を含む。図示のように、突起4402はモジュールコンポーネント3800から延びており、相補レシーバ4412は中間コンポーネント3902又はディストラクタ604の一部である。突起4402は、そこから実質的に垂直に延びるピン4404を含む。相補レシーバ4412は、突起4402及びピン4404の一部の断面形状と相補的な嵌合を提供するように構成された断面形状を有し得る。例えば、レシーバ4412は、内部で突起4402及びピン4404に嵌合するように構成された断面形状を有する開口を含み得る。ピン4404は、突起4402の軸方向の範囲に沿った点に配置でき、使用時には、回転方向に関係なく、突起4402の端部をレシーバに挿入するか又は引き出すことができるが、ピン4404と、ピン4404を超える突起4402の部分の挿入には、ピン4404をレシーバ4412の開口の輪郭に回転して整合させる必要がある。ピン4404とレシーバ4412とが整合すると、突起4402及びピン4404をレシーバ4412に挿入できる。挿入されると、固定モジュール3800をインプラントの残りの部分に対して回転させることができ、それによってピン4404が整合から逸れるように回転される。ピン4404が整合から逸れると、固定モジュール3800はそれによってインプラント100の残りの部分に連結される。アタッチメント4400は、ピン4404とレシーバ4412との整合が、インプラント100の移植されたままの形態において典型的でないように構成できる。例えば、
図45に示すように、ピン4404は、挿入を実現できるが、固定モジュール3800は適切な移植を妨げるような方法で回転されるようにレシーバ4412と整合する。対照的に、
図48は、より典型的な移植されたままの形態での移植片100を示すが、この形態では、ピン4404は位置合わせされておらず、固定モジュール3800は結合されている。図示された例では、固定モジュール3800は、
図45の位置から
図48の位置に移動するために90度回転される。
【0097】
図示のように、アタッチメント4400は、別のコンポーネント内の切り欠き4414に嵌合する1つのコンポーネントから延びるタブ4406をさらに含み得る。タブ4406及び切り欠き4414はねじ4408によって固定できる。これらは、ピン4404及びレシーバ4412を介した取り付けが完了した後に係合する補助的な取り付け構造とすることができる。
【0098】
固定モジュール3800は、様々な形態のいずれかをとることができる。この場合、固定モジュール3800は、概して、インプラント100の長さに対して垂直である。加えて、固定モジュール3800は湾曲した底面形状を有する。固定モジュール3800は、中間コンポーネント3902の曲率に一致するように誇張された曲率を有する部分をさらに含む。
【0099】
図49~
図53は、関節接合可能なモジュールコンポーネント3800を有する第1の例示のインプラント100を示す。固定モジュール3800は固定開口104を含む。
図49はインプラント100の断面図を示す。固定モジュール3800は、ディストラクタ604に対する固定モジュール3800の角度調整を可能にするアタッチメント4800を備えるディストラクタ604(又は中間コンポーネント)に接続されている。図示のように、角度調整は、固定モジュール3800に連結された球状ボス4802と、ディストラクタ604の球状ボウル4810との間の相互作用の間で促進される。ボス4802及び球状ボウル4810は、球状ヘッドねじ4806及び任意のワッシャ4804によって連結できる。この接続は、ヘッドねじ4806がディストラクタ604に軸方向に延びるようにすることができる。この接続は、固定モジュール3800が所望の角度又は位置に動かし、その後に締め付けることができる接続である。この接続は、少なくとも3つの自由度(例えば、ピッチ、ロール及びヨー)があるような接続とすることができる。
図50~
図53は、ディストラクタ604に対する固定モジュール3800の例示の関節の斜視図を示す。
【0100】
図54及び
図55は、関節接合可能(articulable)なモジュールコンポーネントを有する例示のインプラント100を示す。固定モジュール3800は固定開口104を含む。固定モジュール3800は、ディストラクタ604に対する固定モジュール3800の角度調整を可能にするアタッチメント5300を備えるディストラクタ604(又は中間コンポーネント)に接続されている。図示のように、角度調整は、固定モジュール3800に連結された球状ボス5302と、ディストラクタ604の球状ボウル5310との間の相互作用の間で促進される。ボス5302及び球状ボウル5310は、球状ヘッドねじ5306及び任意のワッシャによって連結できる。この接続は、ヘッドねじ5306がディストラクタ604に対して垂直に延びるような接続とすることができる。この接続は、固定モジュール3800を所望の角度又は位置に動かし、その後に締め付けることができるような接続とすることができる。この接続は、少なくとも3つの自由度(例えば、ピッチ、ロール及びヨー)があるような接続とすることができる。
【0101】
なお、本明細で図示又は説明されるインプラント(例えば、インプラント100、100A、310、320、330)の任意の部分は、別々に形成され、その後に組み合わされ得るか又は一体部分のように集合的に形成され得る。例えば、本明細書で説明したディストラクタ(及び関連するシャフト)、スリーブ及び/又はプレートは、互いに一体的に形成される及び/又は別々に形成され、後で組み合わされ得る。場合によっては、ドライバ202等の駆動コンポーネントは、ディストラクタとドライバの内部ハウジングとの間の直径の差を解消する(account for)キャップを備える、ディストラクタ106又はディストラクタ604等のディストラクタに組み付けることができる。加えて、本明細書のインプラントに関連して図示説明されるコンポーネントは、コンポーネントの互いに対する調整を補助するために低摩擦材料で形成できる。
【0102】
様々な実施は、患者の身体で骨の変位を可能にし、コンパクトで効果的な調整機構を提供する。本明細書で開示したインプラントは、サイズ(例えば、軸寸法)がより大きい特定の従来のインプラントよりも、長さが比較的小さい骨の治療を可能にする。(とりわけ)ディ延長損失機構及びジャム防止機能等の追加の特徴は、インプラントの信頼性を高め、より少ない処置合併症で長さがより小さい骨を調整するのを支援する。また、様々な実施に従って開示したもの等のモジュール式のインプラントは、術中の柔軟性を提供できる。
【0103】
上記の説明及び特許請求の範囲では、「少なくとも1つの」又は「1つ以上の」なる表現が、要素又は特徴の連用形リストに続いて現れ得る。「及び/又は」という用語は、2つ以上の要素又は特徴のリストに現れ得る。それが用いられている文脈によって暗黙的に又は明示的に矛盾しない限り、そのような用語は、一覧の要素又は特徴のいずれかを個別に又は記載された要素又は特徴のいずれかと、他の記載された要素又は特徴のいずれかとの組み合わせを意味することを意図している。例えば、「A及びBのうちの少なくとも1つ」、「A及びBのうちの少なくも1つ」、「A及び/又はB」という用語は、それぞれ「Aのみ、Bのみ又はAとBの両方」を意味する。同様の解釈は、3つ以上のアイテムを含む一覧に対しても意図されている。例えば、「A、B及びCのうちの少なくとも1つ」
「A、B及びCのうちの1つ以上」及び「A、B及び/又はC」という用語は、それぞれ「Aのみ、Bのみ、Cのみ、A及びBの両方、A及びCの両方、B及びCの両方又はA及びB及びCの全て」を意味する。上記及び特許請求の範囲における「に基づく」という用語の使用は、「少なくとも部分的に基づく」ことを意味することを意図しているため、未記載の特徴又は要素も許容される。
【0104】
本明細書で用いられている用語は、特定の実施形態を説明する目的でのみ用いられており、本開示を限定することを意図していない。本明細書で用いられている「第1」、「第2」等の用語は順序、量又は重要性を何ら示すものではなく、むしろ1つの要素を別の要素から区別するために用いられており、本明細書の「a」及び「an」という用語は量の限定を示すものではなく、むしろ参照されたアイテムのうちの少なくとも1つの存在を示す。「含む」及び/又は「含まれる」という用語は、本明細書で用いられる場合、記載された特徴、整数、ステップ、動作、要素及び/又はコンポーネントの存在を指定するが、1つ以上の他の特徴、整数、ステップ、動作、要素、コンポーネント及び/又はグループの存在又は追加を除外するものではないことがさらに理解されよう。本明細書で用いられる場合、「実質的に」とは、大部分において、本開示と同じ技術的利益を提供する完全に特定されたもの又はわずかな逸脱するものを意味する。
【0105】
上記の説明で記載した実施は、本明細書で説明した主題と一致する全ての実施を表すものではない。代わりに、それらは説明した主題に関連する態様と一致する一部の例にすぎない。一部の変形例を本明細書で詳細に説明したが、他の修正又は追加も可能である。とりわけ、本明細書で説明したものに加えて、さらなる特徴及び/又は変形を提供できる。例えば、上述の実施は、開示した特徴の様々な組み合わせ及びサブ組み合わせ、及び/又は本明細書で開示したものよりもさらなる1つ以上の特徴の組み合わせ及びサブ組み合わせに関する。加えて、添付の図面及び/又は本明細書で説明する論理フローは、望ましい結果を得るために、必ずしも示された特定の順序又は連続した順序を必要としない。以下の特許請求の範囲は他の実施又は実施形態を含み得る。
【外国語明細書】