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特開2024-61686物質含有量推定装置、物質含有量推定システム、物質含有量推定方法およびプログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024061686
(43)【公開日】2024-05-07
(54)【発明の名称】物質含有量推定装置、物質含有量推定システム、物質含有量推定方法およびプログラム
(51)【国際特許分類】
   G01N 21/17 20060101AFI20240425BHJP
   G06T 7/00 20170101ALI20240425BHJP
   G06T 7/62 20170101ALI20240425BHJP
【FI】
G01N21/17 A
G06T7/00 300F
G06T7/62
【審査請求】未請求
【請求項の数】7
【出願形態】書面
(21)【出願番号】P 2023191175
(22)【出願日】2023-10-20
(31)【優先権主張番号】P 2022179903
(32)【優先日】2022-10-21
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(71)【出願人】
【識別番号】522436802
【氏名又は名称】株式会社プラーツ
(72)【発明者】
【氏名】中嶋 元
(72)【発明者】
【氏名】中嶋 翼
【テーマコード(参考)】
2G059
5L096
【Fターム(参考)】
2G059AA01
2G059AA03
2G059BB08
2G059BB11
2G059FF01
2G059HH02
2G059KK04
2G059MM01
5L096AA03
5L096AA06
5L096BA08
5L096BA18
5L096CA02
5L096DA02
5L096FA59
5L096FA66
5L096JA11
(57)【要約】
【課題】被写体に含まれる材料の含有量を推定することができる物質含有量推定装置、物質含有量推定システム、物質含有量推定方法およびプログラムを提供する。
【解決手段】端末装置1は、撮像部107と、撮像部107により材料含有量の算出対象となる廃棄物を撮像して得られた撮像画像の中から廃棄物の画像を抽出する画像抽出部114と、抽出された画像から廃棄物の種類を特定する種類特定部115と、特定された廃棄物の種類に基づいて、廃棄物に含まれる材料および材料の含有量を推定する物質含有量推定部116と、を備える。
【選択図】図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
撮像部と、
前記撮像部により物質の含有量の算出対象となる被写体を撮像して得られた撮像画像の中から前記被写体の画像を抽出する画像抽出部と、
抽出された前記画像から前記被写体の種類を特定する種類特定部と、
特定された前記被写体の種類に基づいて、前記被写体に含まれる材料および前記材料の含有量を推定する含有量推定部と、を備える、
物質含有量推定装置。
【請求項2】
前記撮像部により前記被写体を撮像したときの撮像条件に基づいて、前記被写体の体積を推定する体積推定部を更に備え、
前記含有量推定部は、特定された前記被写体の種類と、推定された前記被写体の体積と、に基づいて、前記材料の含有量を推定する、
請求項1に記載の物質含有量推定装置。
【請求項3】
前記撮像条件に基づいて、前記被写体の撮像画像から算出した前記被写体を撮像方向から見たときの前記被写体の面積から前記被写体の体積を算出するときに用いられる変換係数を、前記被写体の種類に対応づけて記憶する変換係数記憶部を更に備え、
前記体積推定部は、前記撮像条件および特定した前記被写体の種類に基づいて前記変換係数を特定し、前記被写体の撮像画像から前記被写体を撮像方向から見たときの前記被写体の面積を算出し、前記変換係数と算出した面積との積から前記被写体の体積を推定する、
請求項2に記載の物質含有量推定装置。
【請求項4】
前記種類特定部が、前記被写体の種類を予め設定された複数種類の食品のうちのいずれかに特定した場合、特定した前記食品の炭素の含有量に基づいて、前記食品のカロリを算出するカロリ算出部を更に備え、
前記含有量推定部は、特定された前記食品の種類に基づいて、前記食品に含まれる炭素の含有量を推定し、
前記カロリ算出部は、推定された前記食品の炭素の含有量に基づいて、前記食品のカロリを算出する、
請求項1から3のいずれか1項に記載の物質含有量推定装置。
【請求項5】
撮像部と、
前記撮像部により材料含有量の算出対象となる被写体を撮像して得られた撮像画像の中から前記被写体の画像を抽出する画像抽出部と、
抽出された前記画像から前記被写体の種類を特定する種類特定部と、
特定された前記被写体の種類に基づいて、前記被写体に含まれる材料および前記材料の含有量を推定する含有量推定部と、を備える、
物質含有量推定システム。
【請求項6】
撮像部により材料含有量の算出対象となる被写体を撮像して得られた撮像画像の中から前記被写体の画像を抽出するステップと、
抽出された前記画像から前記被写体の種類を特定するステップと、
特定された前記被写体の種類に基づいて、前記被写体に含まれる材料および前記材料の含有量を推定するステップと、を含む、
物質含有量推定方法。
【請求項7】
コンピュータを、
撮像部により材料含有量の算出対象となる被写体を撮像して得られた撮像画像の中から前記被写体の画像を抽出する画像抽出部、
抽出された前記画像から前記被写体の種類を特定する種類特定部、
特定された前記被写体の種類に基づいて、前記被写体に含まれる材料および前記材料の含有量を推定する含有量推定部、
として機能させるためのプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、物質含有量推定装置、物質含有量推定システム、物質含有量推定方法およびプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
廃棄物の3次元画像を撮像する3Dカメラと、撮像装置で撮像された廃棄物の画像データを画像処理する画像処理部と、廃棄物の重量を計測する重力センサと、を備え、画像処理した画像データおよび廃棄物の重量に基づいて、廃棄物の重量、体積、比重等の素材情報を特定し、特定した素材情報に基づいて廃棄物に含まれる材料の種類を特定して選別する選別システムが提案されている(例えば特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特許第5969685号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、廃棄物収集、リサイクル事業等を行う事業所、各種工場の生産ラインや組み立てライン、あるいは化学工場等では、廃棄物、リサイクル材、その他工業材料や各種工業製品や部材に含まれる材料の含有量を特定し、特定した廃棄物の材料の含有量の累積値に基づいて、廃棄物による環境負荷を評価することが要請されている。しかしながら、特許文献1に記載された選別システムでは、廃棄物に含まれる材料の種類を特定することができるが、その材料の含有量を推定することができない。
【0005】
本発明は、上記事由に鑑みてなされたもので、被写体に含まれる材料の含有量を推定することができる物質含有量推定装置、物質含有量推定システム、物質含有量推定方法およびプログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するため、本発明に係る物質含有量推定装置は、
撮像部と、
前記撮像部により物質の含有量の算出対象となる被写体を撮像して得られた撮像画像の中から前記被写体の画像を抽出する画像抽出部と、
抽出された前記画像から前記被写体の種類を特定する種類特定部と、
特定された前記被写体の種類に基づいて、前記被写体に含まれる物質および前記物質の含有量を推定する含有量推定部と、を備える。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、種類特定部が、被写体の画像から被写体の種類を特定し、含有量推定部が、特定された被写体の種類に基づいて、被写体に含まれる物質および物質の含有量を推定する。これにより、被写体に含まれる物質の種類および物質の含有量を推定することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】本発明の実施の形態に係る物質含有量推定システムの構成の一例を示す図
図2】実施の形態に係る物質含有量推定システムのハードウェア構成を示すブロック図
図3】実施の形態に係る物質含有量推定システムの機能構成を示すブロック図
図4】(A)は実施の形態に係る重量材質記憶部が記憶する情報の一例を示す図であり、(B)は実施の形態に係る含有率記憶部が記憶する情報の一例を示す図である。
図5】実施の形態に係る物質含有量推定システムの動作を説明するためのシーケンス図
図6】実施の形態に係る端末装置が実行する含有量推定処理の流れの一例を示すフローチャートである。
図7】変形例に係る端末装置の機能構成を示すブロック図
図8】(A)は変形例に係る重量材質記憶部が記憶する情報の一例を示す図であり、(B)は変形例に係る変換係数記憶部が記憶する情報の一例を示す図である。
図9】変形例に係る端末装置が実行する含有量推定処理の流れの一例を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本発明の実施の形態に係る物質含有量推定装置について図面を参照しながら説明する。本実施の形態に係る物質含有量推定装置は、撮像部と、撮像部により物質の含有量の算出対象となる被写体を撮像して得られた撮像画像の中から被写体の画像を抽出する画像抽出部と、抽出された画像から前記被写体の種類を特定する種類特定部と、特定された被写体の種類に基づいて、被写体に含まれる物質および物質の含有量を推定する含有量推定部と、を備える。
【0010】
本実施の形態に係る物質含有量推定システムは、図1に示すように、端末装置1と、含有物質情報管理サーバ2と、を備える。端末装置1と含有物質情報管理サーバ2とは、ネットワークNW1を介して互いに通信可能となっている。ネットワークNW1は、例えばインターネットである。
【0011】
含有物質管理サーバ2は、図2に示すように、CPU(Central Processing Unit)201と、主記憶部202と、補助記憶部203と、通信部206と、これらを相互に接続するバス109と、を備える。CPU201は、例えばマルチコアプロセッサである。主記憶部202は、RAM(Random Access Memory)のような揮発性メモリを有し、CPU201の作業領域として使用される。補助記憶部203は、大容量の不揮発性メモリから構成され、含有物質管理サーバ2の各種機能を実現するためのプログラムを記憶する。通信部206は、広域ネットワークNW1に接続されている。
【0012】
CPU201は、補助記憶部203が記憶するプログラムを主記憶部202に読み出して実行することにより、図3に示すように、重量材質通知部211、含有率通知部212、推定含有量情報取得部213および推定含有量情報管理部214として機能する。また、図2に示す補助記憶部203は、図3に示すように、重量材質記憶部231と、含有率記憶部232と、推定含有量記憶部233と、を有する。重量材質記憶部231は、端末装置1で撮像する対象となる複数種類の被写体それぞれについて、それらの重量を示す重量情報および材質を示す材質情報を、被写体を識別する被写体識別情報に対応づけて記憶する。ここで、被写体識別情報としては、その大きさまでを含めて識別できる情報が採用される。例えば被写体が「ペットボトル」である場合、被写体識別情報として、その容量500ml、800ml、1500mlの違いまでを含めて識別する情報が採用される。
【0013】
含有率記憶部232は、予め設定された複数種類の材料それぞれに含まれる元素の含有率を示す含有率情報を、それらの材質を識別する材質識別情報に対応づけて記憶する。ここで、材質としては、例えばペットボトルの原料となるポリエチレンテレフタレート、包装資材や構造基材に用いられるポリエチレン、ポリスチレン、包装資材やエンジニアリング用途に用いられるポリアミド等が挙げられる。また、材質としては、更に、アルミニウム、チタン等の金属或いはガラス等であってもよい。ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレン、ポリスチレン、ポリアミド、ガラスの場合、それぞれ、下記表1乃至表5に示すように、ポリマを構成するサブユニット1つ当たりの元素数(表1乃至表4の「元素数[/unit]」参照)からサブユニット1つ当たりに含まれる元素の質量を算出し(表1乃至表4の「元素の質量[/unit]」参照)、算出した元素の質量からサブユニット1つ当たりに含まれる元素のモル比を算出し(表1乃至表5の「元素のモル比[%]」参照)、モル比に元素質量を積算した値から算出されるポリマまたはガラスに含まれる各元素の含有率(表1乃至表4の「含有率[%]」参照)を示す含有率情報を採用することができる。
【0014】
【表1】
【0015】
【表2】
【0016】
【表3】
【0017】
【表4】
【0018】
【表5】
【0019】
推定含有量記憶部233は、端末装置1から送信されてくる推定含有量情報が示す被写体に含まれる元素の推定含有量を集計して得られる推定含有量統計値を記憶する。推定含有量記憶部233は、例えば期間、地域等の予め設定された推定含有量情報の属性に基づいて集計された推定含有量統計値を、それぞれに対応する属性を示す属性情報に対応づけて記憶する。
【0020】
重量材質通知部211は、端末装置1から送信される重量材質要求情報を取得すると、重量材質記憶部231が記憶する重量情報および材質情報の中から、重量材質要求情報に含まれる被写体識別情報に対応する重量情報および材質情報を特定する。そして、重量材質通知部211は、特定した重量情報および材質情報を、重量材質要求情報の送信元の端末装置1へ送信する。
【0021】
含有率通知部212は、端末装置1から送信される含有率要求情報を取得すると、含有率記憶部232が記憶する含有率情報の中から、含有率要求情報に含まれる材質情報に対応する含有率情報を特定する。そして、含有率通知部212は、特定した含有率情報を、含有率要求情報の送信元の端末装置1へ送信する。
【0022】
推定含有量取得部213は、端末装置1から送信される、端末装置1で撮像した被写体に含まれると推定される元素の含有量を示す推定含有量情報を取得し、取得した推定含有量情報を推定含有量管理部214に通知する。推定含有量管理部214は、推定含有量取得部213から通知される推定含有量情報の属性に基づいて、推定含有量情報が示す元素の含有量を集計する。そして、推定含有量管理部214は、集計した推定含有量統計値を、それぞれに対応する属性を示す属性情報に対応づけて推定含有量記憶部233に記憶させる。
【0023】
図2に戻って、端末装置1は、例えばスマートフォンであり、CPU101と、主記憶部102と、補助記憶部103と、表示部104と、入力部105と、通信部106と、撮像部107と、これらを互いに接続するバス109と、を備える。主記憶部102は、RAMのような揮発性メモリを有し、CPU101の作業領域として使用される。また、主記憶部102は、表示部104に表示させる画像情報を一時的に記憶する画像専用メモリ(図示せず)を有する。補助記憶部103は、半導体フラッシュメモリのような不揮発性メモリであり、CPU101が各種処理を実行するためのプログラムを記憶する。表示部104は、液晶ディスプレイ、有機EL(Electro-Luminescence)ディスプレイ等の表示装置である。入力部105は、例えば表示部104に重ねて配置される透明なタッチパッドである。通信部106は、CPU101から転送される情報を、ネットワークNW1を介して含有物質情報管理サーバ2へ送信したり、含有物質情報管理サーバ2からネットワークNW1を介して取得した各種情報をCPU101へ転送したりする。
【0024】
撮像部107は、カメラとDMA(Direct Memory Access)コントローラとを有し、起動された後、DMAコントローラが、カメラで撮像して得られる撮像画像情報を、リアルタイムで画像専用メモリへ転送する。カメラとしては、例えば可視光画像を撮像するものが採用される。また、撮像部107は、CPU101から撮像指令情報が通知されると、撮像指令情報が通知されたタイミングで被写体を撮像し、撮像した撮像画像情報をCPU101に通知する。
【0025】
CPU101は、補助記憶部103が記憶するプログラムを主記憶部102に読み出して実行することにより、図3に示すように、受付部111、撮像制御部112、撮像画像取得部113、画像抽出部114、種類特定部115、含有量推定部116、表示制御部117、推定含有量情報通知部118、重量材質情報取得部119および含有率情報取得部120として機能する。また、図2に示す補助記憶部103は、図3に示すように、撮像画像記憶部131と、被写体種類記憶部132と、重量材質記憶部133と、含有率記憶部134と、推定含有量記憶部135と、を有する。撮像画像記憶部131は、撮像部107により被写体を撮像して得られた撮像画像を示す撮像画像情報を、対応する被写体の属性を示す属性情報に対応づけて記憶する。
【0026】
被写体種類記憶部132は、被写体の撮像画像における特徴量を示す被写体特徴量情報を、前述の被写体識別情報に対応づけて記憶する。被写体種類記憶部132は、例えば「ペットボトル」、「ポリ袋」、「発泡トレイ」等の撮像画像における特徴量を示す被写体特徴量情報を、「ペットボトル」、「ポリ袋」、「発泡トレイ」等を識別する被写体識別情報に対応づけて記憶する。
【0027】
重量材質記憶部133は、例えば図4(A)に示すように、被写体の重量を示す重量情報および被写体の材質を示す材質情報を、被写体識別情報に対応づけて記憶する。重量材質記憶部133は、例えば「ペットボトル」の場合、容量1500mlのもの(L)と容量800mlのもの(M)と容量500mlのものとについて、重量「80g」、「30g」、「25g」を示す重量情報と材質「ポリエチレンテレフタレート」を示す材質情報とを、被写体識別情報「ID_PET_L」、「ID_PET_M」、「ID_PET_S」に対応づけて記憶している。
【0028】
含有率記憶部134は、例えば図4(B)に示すように、ポリマに含まれる複数種類の元素それぞれの含有率を示す含有率情報を、複数種類のポリマそれぞれを示す材質情報に対応づけて記憶する。図4(B)に示す例では、「ポリエチレンテレフタレート」、「ポリエチレン」、「ポリスチレン」それぞれの炭素の含有率が、「77.6%」、「97.3%」、「99.3%」であることを示している。図3に戻って、推定含有量記憶部135は、推定された被写体に含まれる予め設定された元素の含有量を示す推定含有量情報を、被写体の属性を示す被写体属性情報および被写体識別情報に対応づけて記憶する。ここで、被写体属性情報としては、被写体を撮像した日付が属する期間、被写体を撮像した地域等を示す情報が採用される。
【0029】
受付部111は、端末装置1の所持する利用者が入力部105に対して行った操作内容を受け付け、受け付けた操作内容に応じた操作情報を生成して重量材質情報取得部119、含有率取得部120または撮像制御部112に通知する。具体的には、受付部111は、利用者が入力部105に対して被写体の材料に含まれる元素の含有率情報を端末装置1に登録するための含有率登録操作を行うと、含有率登録操作を受け付けて含有率登録操作に応じた操作情報を生成して含有率取得部120に通知する。また、受付部111は、利用者が入力部105に対して被写体の重量および材質を端末装置1に登録するための重量材質登録操作を行うと、重量材質登録操作を受け付けて重量材質登録操作に応じた操作情報を生成して重量材質取得部119に通知する。更に、受付部111は、利用者が入力部105に対して撮像部107を起動させるための撮像部起動操作を行うと、撮像部起動操作を受け付けて撮像部起動操作に応じた操作情報を生成して撮像制御部112に通知する。また、受付部111は、撮像部起動操作を受け付けた後、利用者が入力部105に対して被写体を撮像する撮像操作を行うと、撮像操作を受け付けて撮像操作に応じた操作情報を生成して撮像制御部112に通知する。
【0030】
撮像制御部112は、受付部111から撮像部起動操作に応じた操作情報が通知されると、撮像部107を起動させる。その後、撮像制御部112は、受付部111から撮像操作に応じた操作情報が通知されると、撮像指令情報を撮像部107へ転送する。撮像画像取得部113は、撮像部107から撮像画像情報を取得し、取得した撮像画像情報に、対応する属性情報に対応づけて撮像画像記憶部131に記憶させる。
【0031】
画像抽出部114は、撮像部107により予め設定された元素の含有量の算出対象となる被写体を撮像して得られた撮像画像の中から被写体の画像を抽出する。画像抽出部114は、例えばグラフカット法のような周知の画像抽出法により被写体の画像を抽出する。画像抽出部114は、抽出した被写体の画像を示す画像情報を種類特定部115に通知する。
【0032】
種類特定部115は、画像抽出部114により抽出された被写体の画像から被写体の種類を特定する。具体的には、種類特定部115は、画像抽出部114から通知される画像情報の特徴量を算出し、被写体種類記憶部132が記憶する特徴量情報が示す特徴量と、算出したと特徴量と、を比較し、被写体の特徴量と類似する特徴量に対応する被写体識別情報を特定する。そして、種類特定部115は、特定した被写体識別情報を含有量推定部116に通知する。
【0033】
含有量推定部116は、特定された被写体の種類に基づいて、被写体に含まれる元素および元素の含有量を推定する。含有量推定部116は、重量材質記憶部133が記憶する重量情報および材質情報の中から、種類特定部115から通知される被写体識別情報に対応する重量情報および材質情報を取得する。また、含有量推定部116は、含有率記憶部134が記憶する含有率情報の中から、取得した材質情報に対応する予め設定された少なくとも1つの元素の含有率情報を取得する。そして、含有量推定部116は、取得した重量情報が示す重量と、取得した少なくとも1つの元素の含有率情報が示す含有率と、の積を少なくとも1つの元素それぞれの含有量として算出する。含有量推定部116は、算出した含有量を示す推定含有量情報を、被写体の属性情報に対応づけて推定含有量記憶部135に記憶させる。また、含有量推定部116は、推定含有量情報と対応する被写体識別情報とを表示制御部117に通知する。
【0034】
表示制御部117は、含有量推定部116から通知される推定含有量情報と被写体識別情報とに基づいて、被写体の種類を示すメッセージと被写体に含まれる少なくとも1つの元素の含有量を示すメッセージとを含む画像を形成して表示部104に表示させる。表示制御部117は、例えば被写体がペットボトルである場合、被写体に含まれる炭素の含有量を示すメッセージと被写体の種類「ペットボトル」を示すメッセージとを含む画像を形成して表示部104に表示させる。推定含有量通知部118は、推定含有量記憶部135が記憶する推定含有量情報を、対応する被写体の属性情報とともに含有物質情報管理サーバ2へ送信する。
【0035】
次に、本実施の形態に係る物質含有量推定システムの動作について、図5を参照しながら説明する。まず、端末装置1の所持する利用者が端末装置1の入力部105に対して前述の含有率登録操作を行うと、端末装置1は、被写体の材質情報を含む含有率要求情報を生成する(ステップS1)。次に、生成された含有率要求情報が、端末装置1から含有物質情報管理サーバ2へ送信される(ステップS2)。一方、含有物質情報管理サーバ2は、端末装置1から含有率要求情報を取得すると、含有率記憶部232が記憶する含有率情報の中から、取得した含有率要求情報に含まれる材質情報に対応する含有率情報を特定する(ステップS3)。続いて、特定された含有率情報が、含有物質管理サーバ2から端末装置1へ送信される(ステップS4)。一方、端末装置1は、含有率情報を取得すると、取得した含有率情報を、対応する材質情報に対応づけて含有率記憶部133に記憶させる(ステップS5)。
【0036】
また、端末装置1の所持する利用者が端末装置1の入力部105に対して前述の重量材質登録操作を行うと、端末装置1は、被写体の被写体識別情報を含む重量材質要求情報を生成する(ステップS6)。その後、生成された重量材質要求情報が、端末装置1から含有物質情報管理サーバ2へ送信される(ステップS7)。一方、含有物質情報管理サーバ2は、端末装置1から重量材質要求情報を取得すると、重量材質記憶部231が記憶する重量情報および材質情報の中から、取得した重量材質要求情報に含まれる被写体識別情報に対応する重量情報および材質情報を特定する(ステップS8)。次に、特定された重量情報および材質情報が、含有物質管理サーバ2から端末装置1へ送信される(ステップS9)。一方、端末装置1は、重量情報および材質情報を取得すると、取得した重量情報および材質情報を、対応する被写体識別情報に対応づけて重量材質記憶部132に記憶させる(ステップS10)。
【0037】
続いて、利用者が端末装置1の入力部105に対して前述の撮像部起動操作を行った後、入力部105に対して撮像操作を行ったとする。この場合、端末装置1は、撮像操作が行われたタイミングで被写体を撮像する(ステップS11)。ここで、端末装置1は、被写体を撮像して得られる撮像画像情報を撮像画像記憶部131に記憶させる。その後、端末装置1は、撮像画像記憶部131が記憶する撮像画像情報が示す被写体の撮像画像の中から被写体の画像を抽出する(ステップS12)。その後、端末装置1は、抽出した被写体の画像に基づいて被写体の種類を特定する(ステップS13)。次に、端末装置1は、特定した被写体の種類に基づいて、被写体に含まれる元素および元素の含有量を推定し、推定した含有量を示す推定含有量情報を、対応する被写体の属性情報に対応づけて推定含有量記憶部135に記憶させる(ステップS14)。また、端末装置1は、推定した含有量を示すメッセージを含む画像を形成して表示部104に表示させる(ステップS15)。続いて、推定含有量記憶部135が記憶する推定含有量情報および属性情報が、端末装置1から含有物質情報管理サーバ2へ送信される(ステップS16)。一方、含有物質情報管理サーバ2は、推定含有量情報および属性情報を取得すると、推定含有量情報の属性に基づいて、推定含有量情報が示す元素の含有量を集計し、集計した推定含有量統計値を、それぞれに対応する属性を示す属性情報に対応づけて推定含有量記憶部233に記憶させる(ステップS17)。
【0038】
次に、本実施の形態に係る端末装置1が実行する含有量推定処理について、図6を参照しながら説明する。なお、この含有量推定処理は、端末装置1へ電源が投入された後、端末装置1において含有量推定処理を実行するためのプログラムが起動されたことを契機として開始される。まず、受付部111は、前述の含有率登録操作を受け付けたか否かを判定する(ステップS101)。ここで、受付部111は、含有率登録操作を受け付けていないと判定すると(ステップS101:No)、後述のステップS104の処理が実行される。一方、受付部111は、含有率登録操作を受け付けたと判定すると(ステップS101:Yes)、含有率登録操作に応じた操作情報を生成して含有率情報取得部120に通知する。そして、含有率情報取得部120は、操作情報に含まれる被写体の材質を示す材質情報を含む含有率要求情報を生成し、生成した含有率要求情報を含有物質情報管理サーバ2へ送信する(ステップS102)。これにより、含有率情報取得部120は、含有物質情報管理サーバ2から送信される含有率情報を取得し、取得した含有率情報を対応する材質情報に対応づけて含有率記憶部134に記憶させる(ステップS103)。
【0039】
続いて、受付部111は、前述の重量材質登録操作を受け付けたか否かを判定する(ステップS104)。ここで、受付部111は、重量材質登録操作を受け付けていないと判定すると(ステップS104:No)、後述のステップS107の処理が実行される。一方、受付部111は、重量材質登録操作を受け付けたと判定すると(ステップS104:Yes)、重量材質登録操作に応じた操作情報を生成して重量材質情報取得部119に通知する。そして、重量材質情報取得部119は、操作情報に含まれる被写体の被写体識別情報を含む重量材質要求情報を生成し、生成した重量材質要求情報を含有物質情報管理サーバ2へ送信する(ステップS105)。これにより、重量材質情報取得部119は、含有物質情報管理サーバ2から送信される重量情報および材質情報を取得し、取得した重量情報および材質情報を対応する被写体識別情報に対応づけて重量材質記憶部133に記憶させる(ステップS106)。
【0040】
その後、撮像制御部112は、受付部111から通知される操作情報に基づいて、前述の撮像部起動操作および撮像操作が行われたか否かを判定する(ステップS107)。ここで、撮像制御部112が撮像部起動操作および撮像操作が行われていないと判定すると(ステップS107:No)、再びステップS101の処理が実行される。一方、撮像制御部112は、前述の撮像部起動操作および撮像操作が行われたと判定すると(ステップS107:Yes)、撮像指令情報を撮像部107へ転送する。このとき、撮像部107が、撮像指令情報が通知されたタイミングで被写体を撮像する。そして、撮像画像取得部113が、撮像部107から撮像画像情報を取得し、取得した撮像画像情報に、対応する属性情報に対応づけて撮像画像記憶部131に記憶させる(ステップS108)。
【0041】
次に、画像抽出部114は、撮像画像記憶部131が記憶する撮像画像情報が示す撮像画像の中から被写体の画像を抽出する(ステップS109)。続いて、種類特定部115は、画像抽出部114により抽出された被写体の画像の特徴量を算出し、被写体種類記憶部132が記憶する特徴量情報が示す特徴量と、算出したと特徴量と、を比較し、被写体の特徴量と類似する特徴量に対応する被写体識別情報を特定する(ステップS110)。
【0042】
その後、含有量推定部116は、重量材質記憶部133が記憶する重量情報および材質情報の中から、種類特定部115が特定した被写体識別情報に対応する重量情報および材質情報を取得する。また、含有量推定部116は、含有率記憶部134が記憶する含有率情報の中から、取得した材質情報に対応する予め設定された少なくとも1つの元素の含有率情報を取得する。そして、含有量推定部116は、取得した重量情報が示す重量と、取得した少なくとも1つの元素の含有率情報が示す含有率と、の積を少なくとも1つの元素それぞれの含有量として算出する。含有量推定部116は、算出した含有量を示す推定含有量情報を、被写体の属性情報に対応づけて推定含有量記憶部135に記憶させる(ステップS111)。
【0043】
次に、表示制御部117は、被写体の種類を示すメッセージと、含有量推定部116により推定された被写体に含まれる少なくとも1つの元素の含有量を示すメッセージとを含む画像を形成して表示部104に表示させる(ステップS112)。続いて、推定含有量通知部118は、推定含有量記憶部135が記憶する推定含有量情報を、対応する被写体の属性情報とともに含有物質情報管理サーバ2へ送信する(ステップS113)。その後、再びステップS101の処理が実行される。
【0044】
以上説明したように、本実施の形態に係る端末装置1によれば、種類特定部115が、被写体の画像から被写体の種類を特定し、含有量推定部116が、特定された被写体の種類に基づいて、被写体に含まれる物質および物質の含有量を推定する。これにより、被写体に含まれる物質の種類および物質の含有量を推定することができる。
【0045】
ところで、社会全体での環境問題への関心が高まり、企業、行政および環境保護団体等による環境保護、環境保全活動が広まりを見せている。但し、これらの活動の成果は、定量性を欠くことが多く、漠然としたイメージに基づいた成果報告、活動実施団体の主観的な表現に基づく報告となってしまうことが多い。このため、活動の成果を客観的に判断することが難しく、環境関連のCSRの成果として積極的にアピールすることが難しい。従って、環境保護および環境保全の活動の成果を定量性に評価することにより、企業、行政機関等に対するCSR活動の成果報告をより明確に示すことが要請されている。
【0046】
これに対して、本実施の形態に係る物質含有量推定システムによれば、廃棄物の処理、リサイクル、企業の環境CSRの一環としての清掃活動または環境保全活動で回収されるプラスチック製品、金属製品、無機系製品または廃棄された木材等を端末装置1により撮像するだけで、それらに含まれる炭素等の含有量を比較的簡単に特定できる。このため、環境保護および環境保全の活動において回収した廃棄物等を端末装置1により撮像することにより、回収した廃棄物等に含まれる炭素、窒素、酸素、水素、ケイ素、硫黄、フッ素等の含有量を定量的に評価することができるという利点がある。
【0047】
以上、本発明の実施の形態について説明したが、本発明は前述の実施の形態によって限定されるものではない。例えば図7に示すように、端末装置2001が、撮像部107により被写体を撮像したときの撮像条件に基づいて、被写体の体積を推定する体積推定部2121を備えるものであってもよい。なお、図7において実施の形態に係る端末装置1と同様の構成については図3と同一の符号を付している。端末装置2001は、実施の形態で説明した端末装置1と同様のハードウェア構成を有し、CPUが、補助記憶部が記憶するプログラムを主記憶部に読み出して実行することにより、受付部111、撮像制御部2112、撮像画像取得部113、画像抽出部114、種類特定部2115、含有量推定部2116、表示制御部117、推定含有量情報通知部118、重量材質情報取得部119、含有率情報取得部120および体積推定部2121として機能する。また、補助記憶部は、撮像画像記憶部131と、被写体種類記憶部2132と、重量材質記憶部2133と、含有率記憶部134と、推定含有量記憶部135と、変換係数記憶部2136と、を有する。
【0048】
被写体種類記憶部2132は、被写体の撮像画像における特徴量を示す被写体特徴量情報を、前述の被写体識別情報に対応づけて記憶する。重量材質記憶部2133は、例えば図8(A)に示すように、被写体の単位体積当たりの重量を示す情報および被写体の材質を示す材質情報を、被写体識別情報に対応づけて記憶する。図7に戻って、変換係数記憶部2136は、撮像部107による撮像条件に基づいて、被写体の撮像画像から算出した被写体を撮像方向から見たときの被写体の面積から被写体の体積を算出するときに用いられる変換係数を、被写体の種類に対応づけて記憶する。変換係数記憶部2136は、例えば図8(B)に示すように、前述の変換係数を示す変換係数情報を、撮像部107の撮像条件としてその焦点距離を示す情報と被写体識別情報との組み合わせに対応づけて記憶する。
【0049】
撮像制御部2112は、撮像部107による撮像条件を示す情報を体積推定部2121に通知する。種類特定部2115は、特定した被写体識別情報を、含有率推定部2116とともに体積推定部2121に通知する。体積推定部2121は、変換係数記憶部2136が記憶する変換係数情報の中から、撮像制御部2112から通知される撮像条件、即ち、被写体の撮像時の焦点距離を示す情報と種類特定部2115から通知される被写体識別情報との組み合わせに対応する変換係数情報を特定する。そして、体積推定部2121は、被写体の撮像画像から算出した被写体を撮像方向から見たときの被写体の面積を算出し、特定した変換係数情報が示す被写体の種類に対応する変換係数と算出した面積との積を被写体の体積として推定する。そして、体積推定部2121は、推定した被写体の体積を示す被写体体積情報を含有量推定部2116に通知する。
【0050】
含有量推定部2116は、重量材質記憶部2133が記憶する単位体積当たりの重量を示す情報の中から、種類特定部2115により特定された被写体の種類を示す被写体識別情報に対応する情報を特定する。そして、含有量推定部2116は、特定した情報が示す単位体積当たりの重量と、推定された被写体の体積と、の積から被写体の重量を算出し、算出した重量に基づいて、少なくとも1つの元素の含有量を推定する。
【0051】
ここで、本変形に係る端末装置2001が実行する含有量推定処理について図9を参照しながら説明する。なお、図9において、実施の形態と同様の処理については図6と同一の符号を付している。まず、ステップS101乃至S107までの一連の処理が実行され、
撮像制御部112が、受付部111から通知される操作情報に基づいて、前述の撮像部起動操作および撮像操作が行われたと判定したとする(ステップS107:Yes)。この場合、撮像部107が、前述の撮像指令情報が通知されたタイミングで被写体を撮像し、撮像画像取得部113が、撮像部107から撮像画像情報を取得して属性情報に対応づけて撮像画像記憶部131に記憶させる(ステップS108)。
【0052】
次に、画像抽出部114は、撮像画像記憶部131が記憶する撮像画像情報が示す撮像画像の中から被写体の画像を抽出する(ステップS109)。続いて、種類特定部115は、画像抽出部114により抽出された被写体の画像の特徴量を算出し、被写体種類記憶部132が記憶する特徴量情報が示す特徴量と、算出したと特徴量と、を比較し、被写体の特徴量と類似する特徴量に対応する被写体識別情報を特定する(ステップS2101)。その後、体積推定部2121は、変換係数記憶部2136が記憶する変換係数情報の中から被写体の撮像時の焦点距離を示す情報と種類特定部2115が特定した被写体識別情報との組み合わせに対応する変換係数情報を特定するとともに、被写体を撮像部107による撮像方向から見たときの被写体の面積を算出し、特定した変換係数情報が示す変換係数と算出した面積との積を被写体の体積として推定する(ステップS2102)。
【0053】
次に、含有量推定部2116は、重量材質記憶部2133が記憶する単位体積当たりの重量を示す情報の中から、種類特定部2115により特定された被写体識別情報に対応する情報を特定し、特定した情報が示す単位体積当たりの重量と、推定された被写体の体積と、の積から被写体の重量を算出し、算出した重量に基づいて、少なくとも1つの元素の含有量を算出する。そして、含有量推定部116は、算出した含有量を示す推定含有量情報を、被写体の属性情報に対応づけて推定含有量記憶部135に記憶させる(ステップS2103)。続いて、ステップS112以降の一連の処理が実行される。
【0054】
本構成によれば、体積推定部2121が、被写体の体積、即ち、被写体のサイズを、撮像条件に基づいて推定し、含有量推定部116が、推定したサイズを加味して物質の含有量を推定する。これにより、物質の含有量を精度良く定量化できるという利点がある。また、本構成によれば、撮像条件が変更されても被写体に含まれる炭素等の含有量を精度良く算出することができる。
【0055】
実施の形態において、推定含有量情報管理部214が、例えば炭素の推定含有量を、その炭素の推定含有量と同じ量の炭素を含む二酸化炭素の量或いはプラスチックの量に換算して推定含有量記憶部233に記憶させるものであってもよい。また、推定含有量情報管理部214は、炭素の推定含有量を、その炭素の推定含有量と同じ量の炭素を含むプラスチックの量に換算し、更に、換算したプラスチップの量と同様のプラスチップを含む、射出成形または押出成形等により作製されるプラスチック製品の数に換算する機能を有するものであってもよい。
【0056】
実施の形態において、種類特定部115が被写体の種類を予め設定された複数種類の食品のうちのいずれかと特定した場合、特定した食品に含有される炭素の量に基づいて、当該食品のカロリを算出するカロリ算出部を備えるものであってもよい。具体的には、種類特定部115が、被写体である食品の種類を特定すると、含有量推定部116が、特定された食品の種類および被写体である食品の大きさに基づいて、被写体に含まれる炭素の含有量を推定する。そして、カロリ算出部が、炭素の含有量からカロリを算出するための予め設定された関係式を用いて、推定した炭素の含有量から食品のカロリを算出する。
【0057】
本構成によれば、食品を撮影するだけで、その食品のカロリを把握することができるので、利用者のカロリ管理の際の利便性を高めることができる。
【0058】
実施の形態では、撮像部107が可視光画像を撮像するカメラを備える例について説明したが、これに限らず、例えば撮像部107が、赤外波長領域の光を受光することによりいわゆる赤外線画像を撮像するカメラ、或いは、熱画像を撮像する熱画像センサを備えるものであってもよい。
【0059】
また、本発明に係る端末装置1および含有物質情報管理サーバ2の各種機能は、専用のシステムによらず、通常のコンピュータシステムを用いて実現可能である。例えば、ネットワークに接続されているコンピュータに、上記動作を実行するためのプログラムを、コンピュータシステムが読み取り可能な非一時的な記録媒体(CD-ROM(Compact Disc Read Only Memory)等)に格納して配布し、当該プログラムをコンピュータシステムにインストールすることにより、上述の処理を実行する端末装置1および含有物質情報管理サーバ2を構成してもよい。
【0060】
また、コンピュータにプログラムを提供する方法は任意である。例えば、プログラムは、通信回線の掲示版(BBS(Bulletin Board System))にアップロードされ、通信回線を介してコンピュータに配信されてもよい。そして、コンピュータは、このプログラムを起動して、OS(Operating System)の制御の下、他のアプリケーションと同様に実行する。これにより、コンピュータは、上述の処理を実行する端末装置1および含有物質情報管理サーバ2として機能する。
【0061】
以上、本発明の各実施の形態および変形例について説明したが、本発明はこれらに限定されるものではない。本発明は、実施の形態および変形例が適宜組み合わされたもの、それに適宜変更が加えられたものを含む。
【産業上の利用可能性】
【0062】
本発明は、廃棄物に含まれる元素の含有量を推定するシステムとして好適である。
【符号の説明】
【0063】
1,2001:端末装置、2:含有物質情報管理サーバ、101,201:CPU、102,202:主記憶部、103,203:補助記憶部、104:表示部、105:入力部、106,206:通信部、107:撮像部、109,209:バス、111:受付部、112,2112:撮像制御部、113:撮像画像取得部、114:画像抽出部、115,2115:種類特定部、116,2116:含有量推定部、117:表示制御部、118:推定含有量情報通知部、119:重量材質情報取得部、120:含有率情報取得部、131:撮像画像記憶部、132:被写体種類記憶部、133,231:重量材質記憶部、134,232:含有率記憶部、135,233:推定含有量記憶部、211:重量材質通知部、212:含有率通知部、213:推定含有量情報取得部、214:推定含有量情報管理部、2121:体積推定部、2136:変換係数記憶部、NW1:ネットワーク
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9